説明

カメラモジュール付き携帯電話

【課題】 撮影画像の歪みや解像度および感度向上が可能なカメラモジュール付き携帯電話を提供すること。
【解決手段】 画像表示部操作キー部分が向かい合わせで折りたためるカメラ付き携帯電話において、カメラモジュールを操作キー部分を覆うケース側に取り付けて、かつカメラモジュールによる撮像方向を折りたたみ中心から外側に向かう方向として配置して、画像表示部を覆うケースと操作キー部分を覆うケースとで作られる角度が270度以上の回転可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影装置、および撮影装置によって撮影した被写体の画像を相手側通信装置に送信する画像通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来例を図8(a),図8(b),図8(c)に示し、これらにしたがって以下説明する。
【0003】近年、携帯電話は軽量小型化そして低消費電力が叫ばれているが、機能的には電子メール機能、およびインターネット機能、さらにはカメラ機能といった多機能化がすすでいる。
【0004】具体的には電子メールやインターネット表示機能などを使いやすくするために、表示画面1005は3cm角程度あり、操作キーボタン1003も押しやすく配置しつつ、併せて小型化を達成するのに、携帯電話は画面と操作部分の間で回転中心1004を設けて開閉可能として、図8cに示すように折りたためるようにしている。
【0005】携帯電話につけられたカメラモジュール1001は携帯電話に内臓し、かつ固定されている。これは携帯電話がどこにでも持ち歩かれるために必要とされる耐久性を損なわないためである。このとき、カメラのレンズは電話の話者の方を向けるのではなく、図8aで示すように、表示画面の反対側に撮像面を向けている。現状の使い方では話者の様子を撮影するよりも、話者の周囲の状況をとることあるいは、カメラとして使用するといった使い方が多用されていることによるものである。撮った画像は携帯電話上で閲覧するか、携帯電話から直接電子メールで送信される。
【0006】携帯電話は小型、軽量であるために、それに使用されるカメラモジュールは小型化されている。特にレンズと撮像面との距離を定義する光軸方向におけるモジュール厚みが重要となっている。
【0007】現状、モジュールとしては厚み1cm以下であり、それを達成するために、レンズはF=2.8、焦点距離は2mm程度を使用している。そして撮像面の画素数は横350横288のCIFサイズで構成され、約2mm角の受光素子エリアとなっている。そして撮像時は静止画が撮影される。
【0008】このように便利である携帯電話はさらに多機能化していくことが予想される。例えば、個人認証機能を付けようとする動きもかなり具体化してきている。例えば、携帯電話に指紋センサーを取り付け、指紋による携帯電話機器の管理や、個人情報へのアクセス認証などに使われるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、携帯電話の厚み方向にカメラモジュールを入れているため、現状ではレンズとしてF=2.8、焦点距離約2mmが使われているが、撮像した画像の歪みが大きい。
【0010】また、現状の携帯電話では話者の撮影が不可能といったことに代表されるように、撮影対象を自由に選択することが困難である。
【0011】また、このカメラモジュール付の携帯電話は暗いところで撮像することが多いので、この撮像感度の向上が必須である。しかし現状では、撮像環境が20lx程度以下ではまったく画像をとることができない。このとき、モジュール厚みを増やさないように焦点距離をそのままにして、撮像感度を向上させようとしたとき、レンズ径を大きくしなければならない。すると、画像の歪みが大きくなってしまう。
【0012】さらに、この撮像した画像自体はCIFサイズであり、携帯電話上で見るうえでは画像解像度として問題ないかもしれないが、パソコンの大画面などで見る場合にはどうしても画素解像度がないことが目立ってしまっている。しかしVGAなどの高解像のセンサーを用いると、撮像面が大きくなり、それに使うレンズは大きくなる。このため、画像歪みは大きくなり、また、焦点距離も大きくなるため、モジュールの厚みを大きくしないようにするのは困難である。
【0013】また、現状では、撮像画像は静止した画像だけであり、動画の撮像機能および画像圧縮と転送する機能がない。
【0014】また、指紋読み取りといった応用においては、カメラと指紋の両方の機能をつけるようにすると、各デバイスの体積の和が携帯電話に占める割合が膨大となり、携帯電話に必須な小型軽量が図れない。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために、以下のようなモジュールの構成とした。
【0016】請求項1において、画像表示部を覆うケースと操作キー部分を覆うケースとの接合端部が可動中心となり使用時以外は該表示部部分と操作キー部分が向かい合わせで折りたためるカメラモジュール付き携帯電話において、カメラモジュールは該操作キー部分を覆うケース側に取り付けられ、該カメラモジュールによる撮像方向が該可動中心から外側に向かう方向であって、画像表示部を覆うケースと操作キー部分を覆うケースとで作られる角度は270度以上の回転が可能としたため、従来の撮影対象だけでなく、話者を含めて、撮影者が観察しながらにして、自由度の高い撮影を可能としている。
【0017】また、本発明では、カメラモジュールのレンズ方向の厚みは携帯電話の厚み方向とはならないため、焦点距離を長くでき、焦点距離が短いことによる画像歪みを低減可能とている。
【0018】請求項2において、請求項1で、自由度の高い画像撮影が可能となったために、撮影者が観察困難とならない様に、前記携帯電話において、操作キー部分を覆うケースと画像表示部分とを覆うケースとの作る角度を検知可能な角度センサー、およびそれらの出力信号を処理して、上下方向の画像表示切換えを可能としている。
【0019】請求項3においては、焦点距離が長くできることから、レンズ調整範囲に余裕ができたため、レンズを支える部分とセンサーチップを支える部分の距離調節により、焦点距離を変化させることで、広角での撮影と通常撮影を可能としている。
【0020】請求項4においては、センサーとレンズ位置とのあいだに、機械的な操作により、空間フィルターを挿入、交換が可能であることとして、画像を通常のカメラとして使用するか、あるいは個人認証用の指紋画像あるいは脈拍を観測可能としている。
【0021】請求項5においては、具体的に空間フィルターとして、IRカットフィルター、IRパスフィルター付き非球面レンズ、および非球面レンズを回転リングに取り付けることで、容易に空間フィルターの交換可能としている。
【0022】請求項6においては、該レンズ近傍に赤色LED、あるいは赤外LEDが取り付けることで、指紋画像や、脈拍の観察を可能としている。
【0023】請求項7においては、カメラモジュールが、CIFサイズ以上の画素数から構成されるセンサーを採用することでより解像度の高い画像を得ることを可能としている。
【0024】請求項8においては、カメラモジュールでの撮像機能と、その撮像画像を格納するメモリ機能とその撮像した画像を表示する表示機能を備えており、動画撮像後、該携帯電話から外部へ伝送する際のみに、画像の圧縮機能を働かせ、そのあと、外部へ伝送する機能を備えており、かつ、外部から圧縮された画像が、伝送された場合には、まず画像の解凍後、メモリ機能に蓄えることで、動画の送受信に対応しつつ、それを低消費で行なうことを可能にしている。
【0025】
【発明の実施の形態】まず、本発明の実施の形態の基本的な構造を説明する。カメラモジュール付き携帯電話は大きくわけて、2つから構成されている。一つはアンテナ、液晶表示部、そしてそれらを覆うケースであり、もう一つが操作キー、カメラモジュール、そしてそれらを覆うケースである。これら2つは折りたたみ、回転中心をそれぞれのケース端部と連結している。
【0026】カメラモジュールは、前述の折りたたみ式の携帯電話において、操作キー側のケースの一部に内臓している。操作キー側のケースの回転中心から外側への方向が撮影方向となる。この操作キー部分のケースの向きを270度以上に角度を変えることで、表示部分に向いている話者を被写体とすることや、従来例で示した表示部分の反対に位置するものを被写体することができた。さらには、任意の角度で自由に撮影が可能となった。
【0027】任意の配置でカメラとして有効に機能させるために、表示部とカメラとの間に角度センサーを設けているので、撮影者の画像確認時に、画像がさかさまななるといったことを解消している。
【0028】カメラモジュールにはCIFサイズ、あるいはVGAサイズのセンサーを使用している。レンズとしては1枚あるいは2枚の非球面レンズを採用している。IRカットフィルターなどの光ノイズカットフィルターはガラスなどの透明基板で挿入されるか、上記非球面レンズ上にコーティングされている。
【0029】個人認証のための生態情報の抽出時には、専用の光学系を用意することなく、光学系および、センサーを画像撮影時と兼用している。具体的にはレンズ位置の変更あるいはセンサーと前記レンズとの中間に新たなレンズを挿入することで、実施することができた。たとえば、指紋認証のための指紋撮像は、携帯電話のレンズ部分が観察面あるいはそのレンズ保護のための透明材料が観察面となるため、その部分が撮像位置となるように新たなレンズを挿入した。指紋の画像撮影時にはレンズ近傍に位置させたLEDを光らせることで、レンズ部分の指紋を読み取ることができた。また、IRカットフィルターがレンズとは独立してカメラモジュールの光学系に挿入しているときには、前記フィルターを、可視光カットフィルターに交換して、脈拍によって生じる赤外線の反射強度の経時変化を測定することで、血液の脈動を感知して、個人認証利用者が生体であることを認識できた。
【0030】次に、静止画および動画の画像処理において、基本的な形態を以下に述べる。カメラモジュールで撮像された画像は、携帯電話内部で処理する上では、画像の圧縮を行わずに、メモリ機能にすべて蓄えることを行う。表示する際に、表示装置のドット数が限られているので、画素の間引きを行い、表示することは行う。画像の圧縮を行うのは、画像を携帯電話外部へ伝送する際に、行う。圧縮するための消費電力は大きいためである。同様に、画像を転送された場合には、その画像が圧縮されている場合においては、まずは画像の解凍を行い、それをメモリ機能に記憶している。
【0031】
【実施例】以下に、例えば本発明によるカメラモジュール付き携帯電話の実施例を図1から図6までを用いて詳細に説明する。
【0032】まず、本発明の構造を図1(a)と図1(b)と図2を用いて説明する。本発明であるカメラモジュール付き携帯電話は大きくわけて、2つの部分から構成されている。一つはアンテナ7、液晶表示部5、そしてそれらを覆うケース6であり、もう一つが操作キー3、カメラモジュール1、そしてそれらを覆うケース2である。これら2つのケース2、6は端部を回転中心4に接続してあり、液晶表示部5と操作キー3が向かい合わせとなるように折りたたむことができる。ここで、切り欠き8はカメラモジュール1の出っ張り部分を逃げるために、へこましてある部分である。これにより、液晶表示部5と操作キー3が片当たりせずに向かい合わせで折りたたむことができた。カメラモジュール1のレンズは図1(a)で示されているように、操作キー3の下方の端部に配置させている。図2で示すように、回転中心4を軸にケース2を回転させることで、任意の画像を撮影することができた。例えば、ケース21の90度の回転位置では、話者のほうを撮影することができた。また、ケース22の270度回転角では従来と同様の使用ができた。なお、カメラモジュール1は操作キー3下方の中央部でもよいが、操作キー3を効率よく配置させるために、端部としている。
【0033】本実施例で使用しているカメラモジュール1は、例えば、図4に示す構成を取っている。カメラモジュールはユニット105に組み込まれている。レンズ104は例えば、2枚の非球面プラスチックレンズを使用している。レンズパラメータとしては、Fナンバーが2.0、焦点距離が約3.5mmである。このため、レンズの有効径が2mm程度と大きいため、図1に示すように、若干ではあるが、カメラモジュール1の部分が操作キー面と同一とはならずに、凸部ができてしまっている。ここで、さらにFナンバーの高いレンズを使用することもできる。たとえば、1.3のものを使ったとき、画像撮影できる照度は10lx以下でも画像を得ることができた。画像の歪みは焦点距離が4mm以上を実現していることと、2枚のレンズを使用していることで、かなり低減することができた。
【0034】空間フィルター103はIRカットフィルターであり、レンズ104を透過した700nm以上の赤外光を効率よくカットしている。結像の歪みを少なくするために、IRカットフィルター103の基材は500umと薄型のパイレックス(登録商標)ガラスを使用したが、BK7などの他の材料でも構わない。また、この基材の厚みが少ないほうがよいでの、直接非球面レンズにIRカットフィルターを形成したほうがよい。この場合は、若干コスト高にはなってくる。
【0035】センサー102はVGAサイズであり、画素サイズ5.6um角で、画素数は640*480である。本実施例では、CMOSセンサーを用いて2.8V単一電源で100mW以下の低消費電力を実現しているが、100mW程度の低消費であればCCDを使用してもよい。また、ここではVGAセンサーを用いたが、画素数が352*280のCIFサイズであってもよい。CIFサイズでは、センサー面積もすくないので、デジタル信号処理機能をセンサーと一緒のチップに配置したものも使用することができた。この場合には、非球面レンズ1枚で、カメラモジュールとしてはより小型にすることができ、図1に示すような、カメラモジュール部分が凸部を形成しなくてもよくなる。焦点距離を2.5mm以上と比較的長くできたので、やはり画像歪みは低減できた。なお、VGAサイズではセンサー面積が大きいので、デジタル信号処理機能は別チップで構成した。
【0036】回転中心4には角度を感知する角度センサーを設けている。このため、折りたたんだ状態を0度とするならば、そこから180度までは回転中心4に近い側が表示画像の上側となり、180度をすぎると、回転中心4に近い側が表示画像の下側となるように、角度センサーの角度情報を処理することで、自動的に切換ることを可能とした。もちろん、操作キー3の操作により、画像の上下回転は自由に選択することができるようにしている。
【0037】本発明におけるカメラモジュールの別のバリエーションについて図5を用いて説明する。カメラモジュールユニットはレンズ1041、空間フィルター1031、センサー1022、回路基板1011、そして、カメラモジュールのユニット自体は1051、1052の2つの部品から構成さている。このとき、1051と1052はねじ込み式でカメラモジュールユニット自体を伸縮させることができる。この伸縮により、センサー1022とレンズ1041との距離を変えることができた。例えば、前述したFナンバー2、焦点距離3.5mmのレンズを用いるならば、ユニットの1051と1052の距離を回転により、若干レンズ1041とセンサー1022との距離を広げることで、近接した被写体を鮮明に写すことができた。なお、この回転機構は本発明であるカメラモジュール付き携帯電話において、カメラモジュール1部分に手動で回転が容易なように、レンズ周辺のケース部分に浅い溝をいれている。そして、広角撮影と通常撮影の2段階撮影が可能なように、カメラモジュール1の外側に、それぞれの回転位置に印をつけて指定している。このとき、センサー1022側のユニット1051は回転させずに、レンズ1041側のユニット1052を回転させることで、焦点距離を調整するようにしている。
【0038】次に図6、図7を用いて、本発明におけるカメラモジュールのさらに別のバリエーションについて説明する。カメラモジュールユニット1053はレンズ1043、空間フィルター1033、センサー1023、赤外線LEDおよび赤色LED106、そして回路基板1013から構成さている。空間フィルター1033はこのとき、カメラモジュールのユニット1053から脱着可能としておき、本発明であるカメラモジュール付き携帯電話の外部から交換可能としておいた。
【0039】通常のカメラとして使用する場合には、空間フィルター1033としてIRカットフィルターを挿入した。指紋の撮像時には、焦点距離が指を置く位置となる。すなわち、レンズ1043の表面あるいは、レンズ1043に保護ガラスを用いた場合には、それらの表面までが焦点距離となる。したがって、前記距離が焦点距離となるように、空間フィルター1033として球面レンズあるいは非球面レンズを使用した。このとき、光の散乱強度をすこしでも有効に活用するために、コーティングはしなかった。脈拍検知の場合には、やはり、前記指紋の場合と同様に、指表面が焦点距離となるために、球面レンズあるいは非球面レンズを使用した。しかしこの場合は、血液による赤外線の反射強度を観測するために、可視光をカットするIRパスフィルターを前記レンズにコーティングして使用した。前述した空間フィルター1023すべてを回転リング1021上に配置して、その回転リング1021の中心を軸として回転させることで、容易に空間フィルターを交換可能となった。この回転リング1021を図6に示す。ここでは、例えば、IRパスフィルター付きレンズ10211、レンズ10212、IRカットフィルター10213から構成することができた。
【0040】赤外線LEDおよび赤色LED106は指紋画像読み取りと脈拍計測のために使用する. 赤外線LEDおよび赤色LED106には背面のレンズ1043に直接光が入射しないように、LED106の後ろから側面までを光の透過しないケースで覆われている。ここで、光を遮るために、ケースでなく、黒色塗料を塗布することでもよい。あるいはアルミ粉末がはいった塗料にて、光を反射させるようにするといった方法でもよい。
【0041】指紋の画像の収集方法は、赤色LED106を光らせて、レンズ1043表面に載せた指の指紋で散乱された光をセンサー10 23で受けるというものである。ここで、レンズ表面に指を載せると、レンズ1043に汚れがつくため、保護用のガラスをレンズ1043の前面に挿入して、その上に指を載せるといった方法を採用してもよい。赤色LEDを使用する理由は、発光効率がよいため、電力消耗を低く押さえることができるからである。なお、指紋の画像分解能は100um程度で、ほとんど2値化されたデータで十分であるため、センサー1023からは2bit程度のAD変換結果でよく、画素数は少なくて済んだ。
【0042】脈拍検知の方法は、赤外LED106を光らせて、レンズ10 43表面に載せた指の中の血液の反射強度指紋で散乱された光をセンサー1023で受けるというものである。ここで、レンズ表面に指を載せると、レンズ1043に汚れがつくため、保護用のガラスをレンズ1043の前面に挿入して、その上に指を載せるといった方法を採用してもよい。可視光が不要であるため、赤外LED106を使用する。なお、脈拍の検知方法としては、全画素の出力を積算した値を経時的に収集して、その積算強度の変動から脈拍を検知した。ここで、使用するセンサー1023の画素領域は全領域である必要はない。指の配置のしかたで、脈拍検知が困難となる場合があるからである。これは手の指だけに限らず、腕や足などの人体すべてに適用可能である。
【0043】画像撮像から画像伝送、および画像受信から、画像再生までの主な流れを図3を用いて説明する。なお、207は画像データの流れを示し、208は制御信号の流れを示している。
【0044】例えば、カメラモジュールで行われる画像撮影機能11に撮影された画像データはそのままメモリ機能201に格納され、制御機能206に制御されて表示機能51で表示される。この流れで、たとえば、画像がVGAサイズの動画であるとき、表示機能51により、画像表示サイズに合わせた表示データに間引きされて表示される。このとき、VGAサイズの動画は圧縮などの加工されないまま、メモリ機能201に格納される。実際の動画に対応したメモリとしては数百Mbite程度必要とした。また、動画としては1秒間に30枚以下のフレームレートで、約1分のVGA動画を扱うこととしている。
【0045】画像データが携帯電話外部に伝送される場合には、メモリ機能201から読み出されて、画像圧縮機能202で始めて画像の圧縮加工がなされる。圧縮加工方法としては、MPEGなどの技術を用いる。この画像を圧縮する処理機能は専用のICによってなされるが、消費電力を低く押さえるために、画像データを外部へ伝送させるときだけICを働かせ、それ以外は電力供給をストップする方法を採用している。例えば、画像がVGAサイズの動画であるとき、転送先のフレームレートと、表示サイズを考えて、圧縮を行う。それと同時に、データの伝送が容易なファイルサイズにまで分割する機能を、画像圧縮機能202ではおこなう。
【0046】画像圧縮されたデータは伝送機能203で、携帯電話外部に伝送される。ここでは、電子メール送信およびその電子メールへの添付作業と添付ファイルの送信、そして、音声送信などを行う。たとえば、画像がVGAサイズの動画であるときには、画像圧縮機能202で、圧縮分割されたので、伝送するのに適当なファイルとなり、電子メールの添付ファイルとして送信することができた。
【0047】画像データを本発明である携帯電話で受信した場合、ます、受信機能205で受信する。受信するものとしては電子メールおよびその添付ファイル、そして、音声などがある。添付ファイルは添付状態から解除されるが、分割された画像ファイルはまだ分割されたままの形となる。
【0048】次に画像解凍機能204で解凍処理が行われる。このとき、分割された画像データは統合されてる。やはり、解凍処理についても消費電力をおさえる画像データが外部から入ってきたときだけICを働かせ、それ以外は電力供給をストップする方法を採用している。
【0049】解凍された画像データは、メモリ機能201に格納される。必要であれば、表示機能51で画像が表示される。これらすべての機能群は制御機能206で制御される。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によるカメラモジュール付き携帯電話は、カメラモジュールの配置のし方を変えることで、撮影対象を自由に選択可能となった。同時にカメラモジュールの厚みに制限されなくなったため、その画質において、画素解像度の向上と画像歪みや撮影感度向上が図れた。
【0051】また、画像圧縮、解凍機能をつけることで、動画に対応可能となった。さらには、通常のカメラ機能を兼用することで、従来の小型という利便性を損なうことなく、指紋読み取りと脈拍検知が可能となり、個人生体認証技術を携帯電話にとりこむことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のカメラモジュール付き携帯電話の実施例における概略図であり、(b)は本発明のカメラモジュール付き携帯電話の実施例における概略側面図である。
【図2】本発明のカメラモジュール付き携帯電話の実施例における回転可動範囲を示す略側面図である。
【図3】本発明のカメラモジュール付き携帯電話内部の画像データ処理を示すブロック図である。
【図4】本発明のカメラモジュール付き携帯電話のカメラモジュール構成図である。
【図5】本発明のカメラモジュール付き携帯電話の別のカメラモジュール構成図である。
【図6】本発明のカメラモジュール付き携帯電話のカメラモジュール内部に使用する空間フィルター複数配置した回転リング図である。
【図7】本発明のカメラモジュール付き携帯電話の別のカメラモジュール構成図である。
【図8】従来例におけるカメラ付き携帯電話の概略図である。
【符号の説明】
1,1001 カメラモジュール
2、21、22、1002 操作キー側ケース
3、1003 操作キー部
4、1004 回転中心
5、1005 表示部
6、1006 表示部側ケース
7、1007 アンテナ部
8 凹部切り欠き
11 赤外LEDおよび赤色LED
51 表示機能
101、1011、1023 回路基板
102、1022、1023 センサー
103、1031、1033 IRカットフィルター
104 IRカットフィルター
105、1051,1052、1053 カメラモジュールユニット
106 赤外LEDおよび赤色LED
10211 IRパスフィルター付きレンズ
10212 レンズ
10213 IRカットフィルター
201 メモリ機能
202 画像圧縮機能
203 伝送機能
204 画像解凍機能
205 受信機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像表示部を覆うケースと操作キー部分を覆うケースとの接合端部が可動中心となり使用時以外は該表示部部分と操作キー部分が向かい合わせで折りたためるカメラ付き携帯電話において、 該操作キー部分を覆うケース側に取り付けらたカメラモジュールと、該カメラモジュールによる撮像方向が該可動中心から外側に向かう方向であって、画像表示部を覆うケースと操作キー部分を覆うケースとで作られる角度は270度以上の回転可能なことを特徴とするカメラモジュール付き携帯電話。
【請求項2】 前記携帯電話において、操作キー部分を覆うケースと画像表示部分とを覆うケースとの作る角度を検知可能な角度センサー、およびそれらの出力信号を処理して、画像表示において上下の回転切換え補正を行う機能を有することを特徴とするカメラモジュール付き携帯電話。
【請求項3】 前記カメラモジュールにおいて、該モジュールのケース部分がレンズを支える部分とセンサーチップを支える部分の組合せから構成され、レンズを支える部分を回転させることで、レンズから被写体までの距離を少なくとも2段階に切りかえられることを特徴とするカメラモジュール付き携帯電話。
【請求項4】 前記カメラモジュールにおいて、センサーとレンズ位置とのあいだに、機械的な操作により、空間フィルターを挿入、交換が可能であることを特徴とするカメラモジュール付き携帯電話。
【請求項5】 前記空間フィルターは、IRカットフィルター、IRパスフィルター付きレンズ、およびレンズが装着された回転リングであって、該回転により、空間フィルターを交換できることを特徴とするカメラモジュール付き携帯電話。
【請求項6】 前記カメラモジュールは、該レンズ近傍に赤色LED、あるいは赤外LEDが取り付けらていることを特徴とするカメラモジュール付き携帯電話。
【請求項7】 前記カメラモジュールは、CIFサイズ以上の画素数から構成されるセンサーで構成されることを特徴とするカメラモジュール付き携帯電話。
【請求項8】前記カメラモジュール付き携帯電話において、カメラモジュールでの撮像機能と、その撮像画像を格納するメモリ機能とその撮像した画像を表示する表示機能を備えており、動画撮像後、該携帯電話から外部へ伝送する際のみに、画像の圧縮機能を働かせ、そのあと、外部へ伝送する機能を備えており、かつ、外部から圧縮された画像が、伝送された場合には、まず画像の解凍後、メモリ機能に蓄えること特徴とするカメラモジュール付き携帯電話。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−125048(P2003−125048A)
【公開日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−316465(P2001−316465)
【出願日】平成13年10月15日(2001.10.15)
【出願人】(000002325)セイコーインスツルメンツ株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】