説明

カーナビゲーションシステム

【課題】カーナビゲーションシステムに、新たな機能としての交差点を青信号・無停止で通過するための走行条件提供機能を付加することによってより一層の高度化を計る。
【解決手段】カーナビゲーションシステムにおいて、目的地までの経路探索の結果得られた経路上の各交差点を赤信号で停止することなくノンストップで通過するための走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を複数交差点分一括して路側から車側に提供し、車側においては提供された走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報から算出される走行条件を自車位置特定機能によって特定された交差点通過ごとに選択・更新しつつ走行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーションシステムの一段の機能向上に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカーナビゲーションシステムにおいては、自車位置特定、地図表示、目的地までの経路探索・誘導、およびそれらに関連した道路渋滞情報提供、経路周辺あるいは目的地情報提供が主体である。
【0003】
また、省エネルギー、排出ガス削減、および交通安全を目的とした、「交差点の手前一定距離の地点において、前記地点を前記交差点に向かって走行する個々の車両に対して前記交差点をノンストップで通過するための推奨走行速度等の走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を車両ごとに演算・通報し、通報を受けた車両は通報された個々の走行条件で、あるいは通報された個々の走行条件算出に必要な各種情報から走行条件を算出し、前記走行条件で前記交差点に向けて走行し前記交差点を赤信号に遭遇することなくノンストップで通過する交通制御システム」が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−174572公報
【特許文献2】特願2004−212440
【特許文献3】特願2005− 63217
【特許文献4】特願2005−114044
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は従来のカーナビゲーションシステムに、前記交通制御システムによる交差点ノンストップ走行のための走行条件提供機能を付加し、より高度なカーナビゲーションを行うとともに、省燃費、排出ガス量削減、交通安全、にも大きく貢献しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来のカーナビゲーションシステムにおいては、自車位置の特定、地図表示、目的地までの経路探索・誘導およびそれらに関連した道路渋滞情報、経路周辺あるいは目的地周辺情報等の提供が主体であった。
これら機能に前記交通制御システム機能を付加する。すなわち目的地までの経路上の交差点ごとに前記交差点をノンストップで通過するための走行条件をその交差点にいたる経路開始点において車両ごとに車両のドライバーに提供し、車両ドライバーは前記走行条件で走行する。
【0007】
これら交差点ごとの走行条件は路側から提供される。あるいは路側から走行条件算出に必要な各種情報の提供を受けて車側において走行条件を算出する。走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報は路側から車両進行方向の複数の交差点分を1交差点分の走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を1セットとして前記複数交差点分複数セット一括して提供する。
【0008】
車側においては、前記路側から提供される複数の交差点に関する走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報全てを記憶しておくのではなく、予め目的地までの経路探索を行って得られた結果の経路上にある交差点分のみを選択・抽出して記憶する。
【0009】
そして一つの交差点を走行条件に従ってノンストップで通過したことを自車位置特定機能によって検知した直後、前記経路探索結果から次に通過すべき交差点を知ってそこをノンストップで通過するための走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を記憶されている情報中から選択・抽出・必要に応じて走行条件算出し、得られた走行条件で次の交差点までを走行する。以下この操作を繰り返すことによって経路上の各交差点を順次ノンストップで通過する。
【0010】
前記の如く、路側の一地点から走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種条件が複数の交差点分一括して提供されることにより、従来の交通制御システムにおいて交差点ごとに必要であった走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報提供用の路側装置の設置数の削減が可能となる。
【0011】
以下に本発明によるカーナビゲーションシステムの基本的構成・動作について説明する。本発明によるカーナビゲーションシステムは、路側装置と車側装置から構成される。ただし路側から前記走行条件を提供されるかあるいは走行条件算出に必要な各種情報を提供されるかによって多少構成および構成要素の機能は異なってくる。
【0012】
即ち、路側から走行条件が提供される場合には路側において走行条件算出に必要な各種情報から走行条件を算出する機能が必要になる代わりに車側においては走行条件算出のための機能は不要かあるいは必要であってもその負荷は軽くなる。一方路側において前記走行条件の算出は行わず、路側からは車側で走行条件算出のための各種情報が提供される場合は路側における走行条件算出機能が不要となる代わりに車側においては走行条件算出のための機能が必要になる。
【0013】
図1に路側から走行条件を提供する場合の路側装置構成例を、図2に路側からは車側での走行条件算出のための条件が提供され走行条件算出は車側で行われる場合の路側装置構成例を、それぞれ示す。
【0014】
図1、図2における信号機状態情報は、個々の交通信号機を制御する交通信号制御機(図示せず)から、あるいは交通信号機を一括して制御する交通管制センター(図示せず)から得る。
【0015】
ここで信号機状態情報とは車両進行方向信号機の信号周期、青信号点灯時刻、青信号滅灯時刻、および現在時刻等である。ここで、路側装置が二つの交差点間ごとに設置されるのであれば前記信号機状態情報は車両が次に向かう交差点の交通信号機、あるいは直前に通過した交差点および次に向かう交差点の交通信号機の状態情報のみでよいが、これでは路側装置の必要数が多大になる。
【0016】
したがって、例えば図4に示す如く路側装置の数を削減する。但しこの場合は車両進行方向の交差点で少なくとも車両が改めて信号機状態情報を取り込める路側装置設置場所までの間に通過する交差点の信号機状態情報は全て取り込む必要が生じる。
【0017】
また、前記信号機状態情報の他に、隣り合う交差点間距離情報および隣り合う交差点間走行時の許容最高走行速度情報等も合わせて走行条件算出のための各種情報として路側演算装置に提供する必要がある。これら各種情報の詳細およびこれら各種情報から走行条件算出、走行条件修正の方法は前記特願2004−212440、特願2005−63217、および特願2005−114044に詳しく述べているので今回は説明を省略する。
【0018】
次に交差点配置、経路探索結果の経路と、走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報の提供用路側装置の配置、の関係を説明する。
図4において、直線A、B、C、D、E、F、G、H、および直線1、2、3、4、5、6は道路、○ および ● は交差点信号機であり、● は目的地までの経路探索の結果点線で示す経路を矢印方向に走行するとした場合の経路上にある交差点信号機、△は前記路側装置設置点である。即ち路側装置設置点は車両進行方向交差点を通過直後の地点とする。
【0019】
このような交差点配置、路側装置配置とした場合、例えば交差点E6においては、少なくとも交差点E5を通過した車両がどのような経路をとっても次の路側装置到達までの間はノンストップ走行できるように走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を一括提供する必要がある。
【0020】
一方車側においては、路側装置配置場所は予めナビゲーションシステムの地図データ中に含ませておき、目的地までの経路探索する段階で路側装置のあるところを優先的に経路とするように経路探索プログラムを設計しておく。
【0021】
前記の如く考えると、E6通過直後の路側装置点においては、少なくとも交差点C5、D5、E5、F5、D4、E4、E3の各交差点をノンストップで走行する走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を一括して車側に提供する必要がある。
【0022】
一方、車側において前記路側装置が提供する情報全てを記憶し走行条件を更新する必要が発生するごとに即ち自車位置特定機能が交差点を通過したことを検知するごとに、前記記憶した情報中から次の交差点に関する走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を選択・抽出してもよいが、これでは記憶すべき情報量が過大になり、また必要な情報を記憶装置から選択抽出する手間が煩雑になる。この問題を解決するため前記の如くカーナビゲーションシステムが予め経路探索した経路上にある信号機即ち図4中の●印交差点信号機に関する走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報のみを選択して記憶しておく。本例の場合E6通過直後の路側装置からは、E5、E4、D4に関する情報のみを記憶すればよいことになる。
【0023】
E6通過直後にE5、E4、D4の走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を記憶したのち、次に通過すべき交差点E5をノンストップで通過するための走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を記憶中から呼び出して走行条件を求めその条件で交差点E5まで走行して交差点E5をノンストップで通過する。交差点E5通過直後今度は次に通過すべき交差点E4を経路探索結果から抽出しここをノンストップで通過するための走行条件を求めてその条件で交差点E4まで走行する。この操作を繰り返すことによって経路探索の結果得られた目的地までの経路上の各交差点をノンストップで通過することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明した本発明によって、従来の自車位置特定機能、地図表示機能、経路探索・誘導機能、および経路・目的地周辺情報提供を中心としたカーナビゲーションシステムを、車両の走行条件をも提供でき、かつ車両の省エネ化・排出ガス量の削減・走行安全にも大きく寄与できるより高度なカーナビゲーションシステムに進化させることができる。
また交通制御システムとしてもカーナビゲーションシステムの自車位置特定機能、経路探索機能を活用することによって路側装置の設置数を大幅に低減することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
従来のカーナビゲーションシステムの構成・機能、特に自車位置特定機能、経路探索・誘導機能を有効活用する。合わせてカーナビゲーションシステム内の地図情報中に路側装置設置場所情報を含め、経路探索に際しては路側装置設置場所を優先して経路に含めるように経路探索プログラムを設計する。交差点間距離情報、制限速度情報等を地図情報中に付加することも有効である。
【0026】
さらに、得られた走行条件で車両を正確に走行させるためには、車両に走行制御装置、即ち設定された速度で車両を自動走行させる装置、を装備し、本カーナビゲーションシステムで得られた走行条件である推奨走行速度を前記走行制御装置の設定速度として車両を自動走行させることによって車両ドライバーの負荷を大幅に軽減することができる。
【実施例1】
【0027】
図1に本発明によるカーナビゲーションシステムの第一の実施例の路側装置構成を、図3に車側装置構成例を、また図4に路側装置配置例を、それぞれ示す。但し以下においては、カーナビゲーションシステム、交通制御システムに関し本発明に関連する部分に限定しての説明とする。
【0028】
図1において、
111は、車両に対して走行条件算出に必要な各種情報、すなわち各交差点状態情報、隣り合う交差点間距離情報、および隣り合う交差点間走行時の許容最高走行速度情報等を後述の路側演算部112に提示する演算条件提示部である。
【0029】
本演算条件提示部111においては、例えば図4に示す点線矢印方向に走行する車両に対し交差点E6通過直後に設置された路側装置110においては、少なくともC5、D5、E5、F5、D4、E4、E3の各交差点信号機の信号機状態情報の取り込みを行うとともに、これら情報と合わせて予め記憶されている隣り合う前記各交差点間即ちE6−E5、E5−E4、E4−E3、E5−D5、D5−C5、E5−F5、E4−D4、間の距離情報および走行に際しての許容最高走行速度情報を後述の路側演算部112に提示する。
【0030】
但し、前記走行条件算出に必要な各種情報は、各交差点ごと1セットとして提示される。例えば、図4に示すE5−E4間走行条件算出に際しては、交差点E4交通信号機状態情報、交差点E5−E4間距離情報、交差点E5−E4間許容最高走行速度情報が1セットとして当該交差点名あるいは交差点位置情報と合わせて提示される。
【0031】
112は、前記演算条件提示部111から提示される走行条件算出に必要な各種情報から、対応する交差点をノンストップで通過するための走行条件を算出する路側演算部、
【0032】
113は、前記路側演算部112出力である前記各交差点をノンストップで通過するための走行条件を、対応する交差点名あるいは交差点位置情報とあわせて車側に提供する路車間通信路側部であり、例えば図4において前記交差点E6通過直後の地点においては少なくともC5、D5、E5、F5、D4、E4、E3の各交差点をノンストップで通過する走行条件を車両に向けて提示する。
以上の演算条件提示部111、路側演算部112、路車間通信路側部113で路側装置110を構成する。
【0033】
一方図3において、
120は、本発明によるカーナビゲーションシステム車側装置であり、後述の演算制御部121、操作部122、距離演算部123、自車位置検知部124、RAM部125、地図情報記憶部126、表示部127、路車間通信車側部128、バスライン129、で構成される。
【0034】
121は、バスライン129で接続された操作部122、距離演算部123、自車位置検知部124、RAM部125、地図情報記憶部126、表示部127、路車間通信車側部128、各部の動作制御、各部間の入出力制御、および各種演算を行う演算制御部、
【0035】
122は、操作部であり、車両のドライバーは走行開始に先立ち本操作部を操作して目的地を入力し、目的地までの経路探索を指示する。
123は、車両側からの自車速情報を得て距離演算を行う距離演算部、
124は、前記演算制御部121の制御によって、GPS受信機(図示せず)、光ジャイロ(図示せず)、距離演算部123出力、等から自車位置を検知する自車位置検知部、
【0036】
125は、前記操作部122での経路探索操作によって探索された目的地までの経路上の交差点を含む経路情報を記憶するとともに、後述の路車間通信車側部128で受信した路側装置110からの各交差点ごとの走行条件中から前記経路上の交差点に関する走行条件のみを選択して交差点名あるいは交差点位置情報と合わせて記憶するRAM部、
【0037】
126は、車両のナビゲーションに必要な各種情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部であり、前記地図情報中には前記路側装置110設置場所に関する情報も含まれる。
127は、前記経路探索結果である現在地から目的地にいたる経路等を地図上に、あるいは次に通過すべき交差点に関する走行条件を距離演算部123に入力される自車速情報と合わせて交差点通過ごとに更新して、表示する表示部であり、車両ドライバーは本表示部に表示される走行条件に従って車両を走行させ交差点を順次ノンストップで通過する。
【0038】
128は、前記路車間通信路側部113から送信される各交差点をノンストップで通過するための走行条件情報を受信する路車間通信車側部、
129は、前記演算制御部121と操作部122、距離演算部123、自車位置検知部124、RAM部125、地図情報記憶部126、表示部127、路車間通信車側部128、を各々接続し各部間の動作制御、入出力制御、および各種信号授受を行うバスライン、である。
【0039】
以上の如く構成・動作させることにより、車両ドライバーは自車の目的地までの経路上の交差点をノンストップで走行・通過するための走行条件を交差点通過ごとに順次に提供され、それにしたがって走行することによって目的地に効率的に且つ安全・確実に到達できることになる。
【実施例2】
【0040】
図2に本発明によるカーナビゲーションシステムの第二の実施例の路側装置構成をしめす。本実施例においては走行条件は路側ではなく車側において算出する。
111は、図1に同じ演算条件提示部であるので説明は省略する。
【0041】
114は、演算条件提示部111出力である各交差点名あるいは交差点位置情報と合わせての各交差点をノンストップで走行するための走行条件算出に必要な各種情報を車側装置120に送信する路車間通信路側部である。
以上の演算条件提示部111、路車間通信路側部114で路側装置115を構成する。
【0042】
一方車側装置に関しては構成は前記第3図に同じである。但し路車間通信車側部128は実施例1においては走行条件そのものの受信であったのに対し本実施例2においては走行条件算出のための各種情報の受信となること、したがってRAM部125において記憶される情報は実施例1においては走行条件そのものであるのに対し実施例2では走行条件算出に必要な各種情報であること、また演算制御部121においては、前記実施例1の演算・制御に加えて、走行条件算出・修正演算を行うこと、が相違点となる。
【0043】
5図に車側装置における走行条件算出に必要な各種情報取り込みの手順を、また6図に車側装置における走行条件算出の手順を、それぞれ示す。
【0044】
5図において、
501は、本システムの車側装置120において、路側装置115から送信される走行条件算出に必要な各種情報の受信・選択・記憶手順開始点、
502は、路側からの送信があるか、即ち路側装置115の設置点に到達したか否かを確認し、路側からの送信がない場合即ち路側装置115設置点でない場合は、路側装置115設置点に至るまでここで待機する。路側からの送信がある場合即ち路側装置115の設置点である場合は、
503で送信データの受信を行い、次いで
504でデータ受信が各種情報1セット分(1交差点分)に達したか否かを確認し、達しない場合は達するまで503に戻ってデータ受信を継続する。
【0045】
504でデータ受信が各種情報1セット分に達した場合は、
505でそれらデータ1セット分が本ナビゲーションシステムが予め行った目的地までの経路探索結果得られた目的地までの経路上にある交差点分か否かを判定し、目的地までの経路上の交差点分である場合は、
506でそれらデータをRAM部125に記憶する。また505での判定結果それらデータが経路上の交差点分でない場合は、
507でそれらデータを廃棄する。
【0046】
前記506、507の処理終了後、
508で、路車間通信が終了したか否かを判定し、終了していなければ、503に戻って引き続きデータ受信を行なう。終了していれば、
509で路側装置115から送信される走行条件算出のための各種情報受信の一連の処理を終了する。
【0047】
6図において、
601は、本システムの車側装置120において、RAM部125に記憶されている走行条件算出のための各種情報から走行条件を算出する手順の開始点、
602は、自車位置検知部124で車両の現在位置を知って、予め経路探索を行った結果得られた目的地までの経路情報中から車両が次に通過すべき交差点名あるいは交差点位置情報を取り込み、
603で、その交差点に関しての走行条件算出に必要な各種情報がRAM部125に既に取り込まれているか否かを確認し、取り込まれている場合は、
604で、各種情報を読み出して、
605で、演算制御部121で走行条件の算出あるいは修正を行い、その結果を、
606で、表示部127に表示し、ドライバーは表示されている走行条件で車両を走行させる。
【0048】
607では、目標としていた交差点を通過したか否かを、走行条件中の推奨所要時間あるいは自車位置特定部124で得られる自車位置等から確認し、まだ通過していない場合は、605に戻る。通過した場合には次の交差点への走行条件を求めるべく602にもどる。
603において、走行条件算出のためのデータが存在しない場合には、ノンストップ走行はできないと判定して、
608で、表示部127での走行条件の表示を停止し、したがってドライバーは走行条件に従っての走行は中止し、
609で、本手順は終了する。
【0049】
ここで、605における走行条件修正についてであるが、走行中常に走行条件に一致しての走行は不可能で、必ず走行条件からのずれが生じる。このずれを当初に算出した走行条件と、走行条件に従って走行開始した後の経過時間、走行距離等を用いて修正を行う。この修正の詳細は前記特願2004−212440、特願2005−63217に述べているのでここではその説明は省略する。
【0050】
以上の如く走行条件算出のための各種情報の路側からの取り込み、あるいは車側での次に通過する交差点ごとへの走行条件算出・修正操作によって車両は経路上の各交差点を順次ノンストップで通過するための走行条件を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
前記の如く本発明は、自車位置特定機能、地図表示機能、経路探索・誘導機能、渋滞情報および経路・目的地周辺各種情報の提供機能主体の従来のカーナビゲーションシステムに、新たに車両走行条件の提供機能を加えることによって、機能の一段と向上した、また低燃費・排出ガス削減・安全走行に大きく寄与できる、カーナビゲーションシステムを具現化するものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明によるカーナビゲーションシステム路側装置の第一の構成例
【図2】本発明によるカーナビゲーションシステム路側装置の第二の構成例
【図3】本発明によるカーナビゲーションシステム車側装置構成例
【図4】本発明説明のための交差点および路側装置配置例
【図5】本発明によるカーナビゲーションシステム車側装置における走行条件算出に必要な各種情報取り込み手順例
【図6】本発明によるカーナビゲーションシステム車側装置における走行条件算出手順例
【符号の説明】
【0053】
図1において、
110:路側装置
111:演算条件提示部
112:路側演算部
113:路車間通信路側部
【0054】
図2において、
111:演算条件提示部(図1に同じ)
114:路車間通信路側部
115:路側装置
【0055】
図3において、
120:車側装置
121:演算制御部
122:操作部
123:距離演算部
124:自車位置検知部
125:RAM部
126:地図情報記憶部
127:表示部
128:路車間通信車側部
129:バスライン
【0056】
図4において、
A、B、C、D、E、F、G、H、1、2、3、4、5、6:道路
○:交差点信号機
●:経路上の交差点信号機
△:路側装置設置場所
【0057】
図5において、
501:車側における各種情報取り込み手順開始点
502:路車間通信有無判定処理
503:データ受信処理
504:1交差点分データ受信完了判定処理
505:受信したデータが経路上の交差点データか否かの判定処理
506:データ記憶処理
507:データ廃棄処理
508:路車間通信終了判定処理
509:車側における各種情報取り込み手順終了点
【0058】
図6において、
601:車側における走行条件算出手順開始点
602:次の交差点名取り込み処理
603:次の交差点データの有無判定処理
604:データ読み出し処理
605:走行条件算出・修正処理
606:走行条件表示処理
607:目標交差点通過判定処理
608:走行条件表示停止処理
609:車側における走行条件算出手順終了点
である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置特定機能、地図表示機能、目的地までの経路探索・誘導機能、経路の渋滞情報提供機能、および経路・目的地周辺施設情報等の各種情報提供機能等の従来機能に、目的地にいたる経路の走行条件提供機能を付加したことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項2】
自車位置特定機能、地図表示機能、目的地までの経路探索・誘導機能、経路の渋滞情報提供機能、および経路・目的地周辺施設情報等の各種情報提供機能等の従来機能に、目的地にいたる経路上の各交差点をノンストップで通過するための走行条件提供機能を付加したことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項3】
走行条件は、隣り合う交差点間の走行条件として、車両ごとにまた交差点間ごとに提供されることを特徴とする請求項2記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項4】
新たな走行条件の提供は、自車位置特定機能によって次に通過すべき交差点に向かう経路に到達したことを検知した直後に行われることを特徴とする請求項2記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項5】
走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報は、路側装置から前記路側装置設置点を通過する車両に対し、前記車両の進行方向にある複数の交差点分を1交差点通過のための走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を1セットとして前記複数交差点分複数セット一括して提供されることを特徴とする請求項2記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項6】
路側から車側に提供される複数の交差点に関する走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報は、車側において予め経路探索結果得られている目的地までの経路上の交差点に関するもののみが選択・抽出・記憶されることを特徴とする請求項5記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項7】
走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を車両に提供する路側装置の設置位置情報は、車側装置内に記憶されている地図情報中に含まれていることを特徴とする請求項5記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項8】
目的地までの経路探索に際しては、走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を車側に提供する路側装置の設置されている経路を優先して選択することを特徴とする請求項7記載のカーナビゲーションシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置特定機能、地図情報記憶・表示機能、目的地までの経路探索・誘導機能、経路の渋滞情報提供機能、および経路・目的地周辺施設情報等の各種情報提供機能等の従来機能に、目的地にいたる経路上の各交差点をノンストップで通過するための走行条件提供機能を付加したことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項2】
走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報は、路側装置から前記路側装置設置点を通過する車両に対し、前記車両の進行方向にある複数の交差点分を1交差点通過のための走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を1セットとして前記複数交差点分複数セット一括して提供されることを特徴とする請求項1記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項3】
走行条件あるいは走行条件算出に必要な各種情報を車両に提供する路側装置の設置位置情報はカーナビゲーションシステムの地図情報中に含まれていること、また目的地までの経路探索に際しては前記路側装置の設置されている経路を優先して選択すること、を特徴とする請求項2記載のカーナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−308340(P2006−308340A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−128879(P2005−128879)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(301001199)
【Fターム(参考)】