説明

ガイド部材、無端ベルト、無端ベルトの製造方法、無端ベルトを用いた画像形成装置

【課題】無端ベルトに設けられた蛇行防止用のリブ部材の直線性が担保された無端ベルトを提供する。
【解決手段】無端ベルト300は、無端ベルト基体10と、リブ部材20が設けられ且つ無端ベルト基体10の端部に突き当てる突き当て部を有するガイド部材100と、を有し、ガイド部材100の突き当て部を無端ベルト基体10の少なくとも一方の端部に突き当てて設けられている。さらにガイド部材100は接着層30を介して無端ベルト基体10の少なくとも一方の端部に設けられている。ガイド部材100の突き当て部は、無端ベルト基体10の端面に接する接触面41と、無端ベルト基体10の端部より延出した延出部43と、無端ベルト基体10の一方面に接する支持面とを有する。さらに、無端ベルト基体10の他方面およびガイド部材100の延出部43の短幅面には、補強テープ50が接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド部材、無端ベルト、無端ベルトの製造方法、無端ベルトを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式画像形成装置においては、無端ベルトを、電子写真プロセスを用いてトナー像を最終転写材に転写するための中間転写ベルトや、最終転写材を搬送するための転写搬送ベルトとして使用している。
【0003】
画像形成装置に装備される感光体ベルト、中間転写ベルト、用紙搬送ベルトなどの無端ベルトの走行装置は、例えば、図11に示すように、無端ベルト1が、3本のロール3の内側に張架されている。ロール3のうち1本は駆動ロール、他の2本は従動ロールであり、これらのロール間に無端ベルト1を走行するように構成されている。
【0004】
このような無端ベルトの走行装置では、蛇行を防止するため、駆動ロール等にフランジを設ける方法(例えば、特許文献1参照)や、図12に示すように無端ベルト1の少なくとも方側縁の内面側に紐状の弾性変形しやすい蛇行防止用のリブ部材2を設けて、回転軸6により駆動されるロール3の外側に設けられた自由回転可能なガイドローラ7のテーパガイド面にリブ部材2の端部と接触させることによって、無端ベルト1の走行を案内する方法が提案されている。
【0005】
この後者のリブ部材2に関しては、図12のリブ部材2近傍の点線によって囲まれたZ部を拡大した図13に示すようにリブ部4を接着部5を用いて貼りあわせた構造となっている。
【0006】
例えば、リブ部材2として、リブ部4を接着部5としてアクリル系樹脂粘着剤等を用いて無端ベルトに蛇行防止ガイドを接着する方法(例えば、特許文献2及び3参照)、前記アクリル系樹脂粘着剤の接着強度を改善したものとして粘着剤層に特定のアクリル系共重合体と架橋剤を含有してなり溶剤不溶物が8質量%から99質量%である樹脂組成物を用いる方法(例えば、特許文献4参照)、接着部として一液性の常温硬化型の変成エポキシ樹脂を用いて蛇行防止ガイドをベルト側縁に接着する方法(例えば、特許文献5参照)、さらには接着部として両面に感圧型アクリル樹脂からなる接触層を設けた両面接着剤を用いて蛇行防止用のリブ部材(ガイドともいう)をベルト側縁に接着した無端ベルト(例えば、特許文献6参照)等がなされている。
【0007】
【特許文献1】特開昭58−100145号公報
【特許文献2】特開平4−333457号公報
【特許文献3】特開平7−187435号公報
【特許文献4】特開2001−206522号公報
【特許文献5】特開2000-122439号公報
【特許文献6】特開2004−53629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来、紐状の弾性変形しやすい蛇行防止用のリブ部材を無端ベルト基体の内周面への周設は、片面に接着剤を塗布したリブ部材を無端ベルト基体の内周面に貼り付けて行くという方法によりなされていた。
【0009】
しかし、蛇行防止等のリブ部材を無端ベルト基体の内周面へ貼り付けていく方法では、リブ部材の位置が安定しないため、貼り付け作業中の押圧を高くするとリブ部材の位置ズレが生じたり、逆に押圧を低くすると接着むらが生じたりして、常に無端ベルト基体の内周面の所定の位置にリブ材を精度よく貼り付けることは容易ではなかった。
【0010】
そこで、本発明は、弾性変形しやすい蛇行防止用のリブ部材を未端ベルト基体の内周面へ、従来に比べより迅速に且つ常に所定の位置に精度よく貼り付け可能なガイド部材、および蛇行防止用のリブ部材を未端ベルト基体の内周面へ、従来に比べより迅速に且つ常に所定の位置に精度よく貼り付けられた無端ベルト、無端ベルトの製造方法、無端ベルトを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のガイド部材、無端ベルト、無端ベルトの製造方法、無端ベルトを用いた画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0012】
(1)リブ部材と、前記リブ部材が一方面に設けられ且つ対象物の端部に接する面を有する基体と、を有するガイド部材である。
【0013】
(2)前記基体の対象物の端部に接する面が対象物の端部に突き当てる突き当て部であることを特徴とする上記(1)に記載のガイド部材。
【0014】
(3)上記(2)に記載のガイド部材おいて、
前記ガイド部材に設けられたリブ部材の前記突き当て部側の端面と前記突き当て部との平行度が、0.3mm以下であることを特徴とするガイド部材。
【0015】
(4)無端ベルト基体と、リブ部材が設けられ且つ前記無端ベルト基体の端部に突き当てる突き当て部を有するガイド部材と、を有し、前記ガイド部材の突き当て部を前記無端ベルト基体の少なくとも一方の端部に突き当てて設けられた無端ベルトである。
【0016】
(5)上記(4)に記載の無端ベルトにおいて、前記ガイド部材が接着層を介して前記無端ベルト基体の少なくとも一方の端部に設けられた無端ベルトである。
【0017】
(6)上記(4)に記載の無端ベルトにおいて、前記ガイド部材の突き当て部は、前記無端ベルト基体の端面に接する接触面と、前記無端ベルト基体の端部より延出した延出部と、前記無端ベルト基体の一方面に接する支持面と、を有する無端ベルトである。
【0018】
(7)上記(4)に記載の無端ベルトにおいて、前記ガイド部材の突き当て部は、前記無端ベルト基体の端面に接する第1フィルムと、前記第1フィルムの一方面に接し且つ前記無端ベルト基体の一方面にも接する第2フィルムとを有する無端ベルトである。
【0019】
(8)上記(4)に記載の無端ベルトにおいて、前記ガイド部材の最大膜厚は、40μm以上であって[無端ベルトの膜厚+200μm]以下であり、前記ガイド部材の最小膜厚は、20μm以上200μm以下であり、前記ガイド部材の無端ベルトの端面に接する接触面は、前記無端ベルト基体の膜厚以下20μm以上の長さを有する無端ベルトである。
【0020】
(9)上記(4)に記載の無端ベルトにおいて、前記ガイド部材は、20μm以上200μm以下の厚さの第2フィルムと、厚さが20μm以上無端ベルト基体の膜厚以下の第1フィルムとを有する無端ベルトである。
【0021】
(10)上記(6)に記載の無端ベルトにおいて、前記ガイド部材に設けられたリブ部材の端面と前記無端ベルト基体の端面に接する前記ガイド部材の接触面との平行度が、0.3mm以下である無端ベルトである。
【0022】
(11)上記(7)に記載の無端ベルトにおいて、前記ガイド部材に設けられたリブ部材の端面と前記第1フィルムの端面との平行度が、0.3mm以下である無端ベルトである。
【0023】
(12)無端ベルト基体を準備する工程と、リブ部材が設けられ且つ前記無端ベルト基体の端部を突き当てる突き当て部を有するガイド部材を準備する工程と、前記ガイド部材の突き当て部を前記無端ベルト基体の少なくとも一方の端部に突き当てて接着する工程と、を有する無端ベルトの製造方法である。
【0024】
(13)上記(12)に記載の無端ベルトの製造方法において、前記ガイド部材を準備する工程は、前記無端ベルト基体の端部に突き当てる前記ガイド部材の突き当て部の接触面と前記ガイド部材に設けられたリブ部材の端面との平行度が、0.3mm以下である無端ベルトの製造方法である。
【0025】
(14)上記(12)に記載の無端ベルトの製造方法において、前記ガイド部材は、前記無端ベルト基体の端面に接する第1フィルムと、前記第1フィルムの一方面に接し且つ前記無端ベルト基体の一方面にも接する第2フィルムとを有し、前記ガイド部材を準備する工程は、前記無端ベルト基体の端部に突き当てる前記ガイド部材における第1のフィルムの接触面と前記ガイド部材に設けられたリブ部材の端面との平行度が、0.3mm以下である無端ベルトの製造方法である。
【0026】
(15)潜像担体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー像を加定着する定着手段と、を備えた画像形成装置であり、上記(4)から(11)のいずれか1つに記載の無端ベルトが前記中間転写体である画像形成装置である。
【0027】
(16)潜像担体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー像を加定着する定着手段と、を備えた画像形成装置であり、前記転写手段が、前記被転写体を搬送するための被転写体用搬送体または前記像担持体上のトナー像を被転写体に転写するための搬送転写体を有し、前記被転写体用搬送体または搬送転写体が上記(4)から(11)のいずれか1つに記載の無端ベルトである画像形成装置である。
【発明の効果】
【0028】
本願請求項1に係る発明によれば、対象物にリブ部材を設ける場合に、リブ部材が配置される位置の精度が向上する。
【0029】
本願請求項2に係る発明によれば、対象物にリブ部材を設ける場合に、リブ部材が配置される位置の精度がより向上する。
【0030】
本願請求項3に係る発明によれば、対象物にリブ部材を設ける場合に、リブ部材が配置される位置の精度がさらに向上する。
【0031】
本願請求項4に係る発明によれば、ガイド部材に設けられたリブ部材は無端ベルト基体に対して所定の位置に精度よく配置され、したがって、蛇行防止用のリブ部材の直線性が保証される。これにより、無端ベルトの微小な寄り挙動を従来に比べ大幅に抑制できる。
【0032】
本願請求項5に係る発明によれば、ガイド部材を無端ベルト基体に対し強固に固着される。
【0033】
本願請求項6に係る発明によれば、ガイド部材を無端ベルト基体に確実に位置決めされる。その結果、ガイド部材に設けられたリブ部材が無端ベルト基体に対して所定の位置に精度よく配置され、蛇行防止用のリブ部材の直線性が保証される。
【0034】
本願請求項7に係る発明によれば、ガイド部材を無端ベルト基体に確実に位置決めされ、ガイド部材に設けられたリブ部材が無端ベルト基体に対して所定の位置に精度よく配置され、蛇行防止用のリブ部材の直線性が保証される。
【0035】
本願請求項8に係る発明によれば、無端ベルト基体の端面に対する突き当て面積が確保され、無端ベルト基体に対するガイド部材の位置決めの精度が向上する。また、無端ベルト基体へのガイド部材の接合が容易であり、さらに無端ベルトを長期に亘って走行させても、無端ベルト基体と第2フィルムとの間に生じる剪断力によって無端ベルトに破断が生じるおそれが少ない。
【0036】
本願請求項9に係る発明によれば、無端ベルト基体の端面に対する突き当て面積が確保され、無端ベルト基体に対するガイド部材の位置決めの精度が向上する。また、無端ベルト基体へのガイド部材の接合が容易であり、さらに無端ベルトを長期に亘って走行させても、無端ベルト基体と第2フィルムとの間に生じる剪断力によって無端ベルトに破断が生じるおそれが少ない。
【0037】
本願請求項10に係る発明によれば、ガイド部材を無端ベルト基体に確実に位置決めされ、ガイド部材に設けられたリブ部材が無端ベルト基体に対して所定の位置に精度よく配置される。
【0038】
本願請求項11に係る発明によれば、ガイド部材を無端ベルト基体に確実に位置決めされ、ガイド部材に設けられたリブ部材が無端ベルト基体に対して所定の位置に精度よく配置される。
【0039】
本願請求項12に係る発明によれば、ガイド部材を無端ベルト基体に対して精度よく位置決めされて接合される。
【0040】
本願請求項13に係る発明によれば、ガイド部材を無端ベルト基体に確実に位置決めされ、ガイド部材に設けられたリブ部材が無端ベルト基体に対して所定の位置に精度よく配置される。
【0041】
本願請求項14に係る発明によれば、ガイド部材を無端ベルト基体に確実に位置決めされ、ガイド部材に設けられたリブ部材が無端ベルト基体に対して所定の位置に精度よく配置される。
【0042】
本願請求項15に係る発明によれば、中間転写体上に形成されたトナー像の位置ずれが従来に比べ大幅に抑制され、最終的に用紙上に形成される例えばカラー画像に色ずれや色相変化などが生じ難く、画像欠陥の発生を従来に比べ大幅に抑制することができる。
【0043】
本願請求項16に係る発明によれば、従来に比べ被転写体(例えば、用紙)の搬送に片寄りや蛇行が生じ難く、その結果、最終的に用紙上に形成される例えばカラー画像に色ずれや色相変化などが生じ難く、画像欠陥の発生を従来に比べ大幅に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
[ガイド部材]
本実施の形態のガイド部材100は、その断面構造を図1に示すように、リブ部材20と、リブ部材20が一方面に設けられ且つ対象物の端部に接する接触面41を有するリブ部材20の対象物に対する位置決め接合可能な基体40とを有する。ここで、本明細書における「リブ部材」とは、上述した図12に示すように、無端ベルト1の少なくとも方側縁の内面側に設けられた紐状の弾性変形しやすい蛇行防止用部材であって、回転軸6により駆動されるロール3の外側に設けられた自由回転可能なガイドローラ7のテーパガイド面にその端部が接触することによって、無端ベルト1の走行を案内する部材をいう。また、本明細書における「ガイド部材」とは、上記リブ部材を無端ベルト1の側縁の所定位置に設けるための媒体である。
【0045】
本実施の形態のガイド部材100は、リブ部材20の端面と接触面41との平行度が、0.3mm以下になっている。さらに、本実施の形態における基体40の最大膜厚は、40μm以上であって[対象物の膜厚+200μm]以下であり、基体40の最小膜厚は、20m以上200μm以下であり、ガイド部材100の対象物の端面に接する接触面41は、対象物の膜厚以下20μm以上の長さを有する。
【0046】
また、上記基体40は、弾性部材を用い、例えば引張弾性、耐熱性の面から二軸延伸ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレンなどが用いられる。さらに、基体40は、図1に示す断面形状にするために、例えば一枚の弾性部材に対し、所定幅に沿って所定深さで切削することにより形成することができる。また、これに限るものではなく、基体40を押し出し成形により形成する方法を用いてもよい。
【0047】
また、必要に応じて、リブ部材20と基体40との界面に接着剤を用いて接合してもよい。
【0048】
リブ部材20は、JIS K6253(1997) タイプAデュロメータ硬さがA30以上A90以下、好ましくはA50以上A80以下、更に好ましくはA65以上A75以下である。リブ部材20に用いられる弾性部材の材質としては、ネオプレンゴム、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、ポリエステルエラストマー、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の適度な硬度を有する弾性体等が使用できる。これらの中でも無端ベルト基体10に対する電気絶縁性、耐湿、耐溶剤、耐オゾン及び耐熱性、耐摩耗性、接着剤との接着性を考慮すると、特にポリウレタンゴムやシリコンゴムが好ましい。リブ部材20の形状は、その断面を略矩形とすることが好ましいが、台形、半円形など、それらに限定されるものではない。また、リブ部材20の幅は蛇行防止効果、耐久性等の点から、通常3mm以上10mm以下、特に3mm以上7mm以下が好まし。厚みは、特に制限されないが、通常1mm以上5mm以下が好ましい。
【0049】
本実施の形態における他のガイド部材120は、その断面構造を図2に示すように、リブ用弾性部材22と接着剤層32とからなるリブ部材20と、リブ部材20が一方面に設けられ且つ対象物の端部に接する接触面41を有するリブ部材20の位置決め接合可能な基体40aとを有する。上記基体40aは、対象物の端面に接する接触面41を有する第1フィルム44と、第1フィルム44の一方面に接着剤層34を介して接し且つ対象物の一方面にも接する面を有する第2フィルム42とからなる。
【0050】
本実施の形態における他のガイド部材120は、20μm以上200μm以下の厚さの第2フィルム42と、厚さが20μm以上無端ベルト基体の膜厚以下の第1フィルム44とを有する。さらに、本実施の形態における他のガイド部材120に設けられたリブ部材20の端面と第1フィルム44の端面41との平行度が、0.3mm以下である。
【0051】
また、リブ部材20のリブ用弾性部材22は、JIS K6253(1997) タイプAデュロメータ硬さがA30以上A90以下、好ましくはA50以上A80以下、更に好ましくはA65以上A75以下である。リブ部材20に用いられる弾性部材の材質としては、ネオプレンゴム、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、ポリエステルエラストマー、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の適度な硬度を有する弾性体等が使用できる。これらの中でも無端ベルト基体に対する電気絶縁性、耐湿、耐溶剤、耐オゾン及び耐熱性、耐摩耗性、接着剤との接着性を考慮すると、特にポリウレタンゴムやシリコンゴムが好ましい。リブ部材20の形状は、その断面を略矩形とすることが好ましいが、台形、半円形など、それらに限定されるものではない。また、リブ部材20の幅は蛇行防止効果、耐久性等の点から、通常3mm以上10mm以下、特に3mm以上7mm以下が好まし。厚みは、特に制限されないが、通常1mm以上5mm以下が好ましい。
【0052】
リブ部材20の接着剤層32は、アクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系、熱硬化系のものが好ましい。これらのなかでも特に、接着性及び価格の点からアクリル系の接着剤が好ましい。接着剤の塗布厚(接着層の厚み)は5μm以上100μm以下が好ましく、特に好ましくは10μm以上50μm以下である。厚みが100μmを超えると、接着剤がはみ出すおそれがある。また、厚みが5μm未満の場合は、リブ用弾性部材22と基体40aの第2フィルム42との接着力が不足する。
【0053】
また、アクリル系、シリコーン系、天然または合成のゴム系、ウレタン系、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂系などの樹脂系材料を主材料とする接着剤と不織布、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムなどから構成される両面接着シートを用いることもできる。例えば、両面接着シートの市販品としては厚み0.1mm不織布基材の両面に厚さ0.03mmのアクリル樹脂系接着剤層を備えた、日東電工(株)製No.5000NSをあげることができる。
【0054】
また、第1フィルム44および第2フィルム42は、例えば引張弾性、耐熱性の面から二軸延伸ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレンなどが用いられる。
【0055】
さらに、第1フィルム44の厚みは、剛性の面から、対象物(例えば、無端ベルト基体)と同一にするのが好ましく、同一でない場合でも20μm以上の厚さは確保するのがよい。厚さが20μm未満では、対象物端部への突き当ての作業性が悪くなる傾向にある。第1フィルム44の幅は1mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは2mm以上5mm以下である。端部の真直度は0.5mm以下が好ましく、0.2mm以下がより好ましい。ここで、「真直度」とは、JIS B0621「幾何偏差の定義及び表示」に規定された「真直度」に基づいている。すなわち、本実施形態における真直度は、図14に示すように、直線形体の幾何学的に正しい直線(幾何学直線)からの狂いの大きさをいい、その方向に垂直な幾何学的に正しい平行な二平面でその直線形体をはさんだとき、平行な二平面の間隔が最小となる場合の二平面の間隔である。
【0056】
その測定は、例えば、三次元測定機((株)ミツトヨ製CP1057)で、リブ部材2(図13)の両端を基準としてリブ部材2(図13)の変位を測定して真直度を算出することができる。
【0057】
第1フィルム44の幅が1mm未満では、対象物(例えば、無端ベルト基体)の端部に突き当てた時に作業性が悪く、端部の真直度を0.5mm以下に保つことが難しく第1フィルム44の幅が10mmを超えると、ガイド部材120が接合された対象物が機器の中で場所をとりすぎるおそれがある。第1フィルム44は、剛性の点から、対象物の一部(例えば、無端ベルト基体の一部)を用いることが好ましい。
【0058】
第2フィルム42は、引張弾性、耐熱性の面から、対象物(例えば、無端ベルト基体)の材料又は二軸延伸ポリエステルが好ましい。厚みは10μm以上200μm以下で、20μm以上130μm以下がより好ましい。厚みが200μmを超えると、対象物と第2フィルムとの間に働くせん断力が対象物に集中してクラック発生の原因となる。また、10μm未満では、対象物と接着するときに作業性が悪くなり、基体40aの位置ズレを起こす原因になる。幅は、第1フィルム44の幅とリブ部材20の幅を加え、さらに0mm以上3mm以下の幅を加えた幅にするのが好ましい。
【0059】
接着剤層34は、上記接着剤層32と同様にアクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系、熱硬化系のものが好ましい。これらのなかでも特に、接着性及び価格の点からアクリル系の接着剤が好ましい。接着剤の塗布厚(接着層の厚み)は5μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以上50μm以下である。厚みが100μmを超えると、接着剤がはみ出すおそれがある。また、厚みが5μm未満の場合は、接着力が不足する。
【0060】
上述したように、ガイド部材120に設けられたリブ部材20の端面と第1フィルム44の端面41との平行度が、0.3mm以下にするために、図2に示すような第1フィルム44と第2フィルム42を接着する方法以外にも、第1フィルム44と第2フィルム42を溶着して形成する方法を用いてもよい。
【0061】
[無端ベルト]
次に、本実施の形態の無端ベルトに関し図3から図6を用いて、以下に説明する。なお、図1および図2を用いて説明したガイド部材100,120における構成要素と同一の構成については、同一構成であるため、その説明を省略する。また、以下に説明する無端ベルトにおいて、同一符号が付された構成要件について、同一構成であるため、その説明を省略する。
【0062】
図3に示す本実施の形態の無端ベルト300は、無端ベルト基体10と、リブ部材20が設けられ且つ無端ベルト基体10の端部に突き当てる突き当て部を有するガイド部材100と、を有し、ガイド部材100の突き当て部を無端ベルト基体10の少なくとも一方の端部に突き当てて設けられている。さらにガイド部材100は接着層30を介して無端ベルト基体10の少なくとも一方の端部に設けられている。
【0063】
ガイド部材100の突き当て部は、無端ベルト基体10の端面に接する接触面41と、無端ベルト基体10の端部より延出した延出部43と、無端ベルト基体10の一方面に接する支持面とを有する。さらに、上記支持面上には、上述した接着層30が設けられている。図3に示すように接触面41には、位置決め精度の向上を考慮し、接着層を設けていないが、これに限るものではなく、耐久性の観点から、極薄の接着層を設けてもよい。
【0064】
さらに、無端ベルト基体10の他方面およびガイド部材100の延出部43の短幅面には、無端ベルト10に対するガイド部材100の接合および強度を向上させるための補強テープ50が設けられている。
【0065】
接着層30は、上記接着剤層32,34と同様にアクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系、熱硬化系のものが好ましい。これらのなかでも特に、接着性及び価格の点からアクリル系の接着剤が好ましい。接着剤の塗布厚(接着層の厚み)は5μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以上50μm以下である。厚みが100μmを超えると、接着剤がはみ出すおそれがある。また、厚みが5μm未満の場合は、接着力が不足する。
【0066】
本実施の形態における無端ベルト300においてリブ部材20は、JIS K6253(1997) タイプAデュロメータ硬さがA30以上A90以下、好ましくはA50以上A80以下、更に好ましくはA65以上A75以下である。硬度がA90を超えると、張り合わせ時の伸びは少なく寸法精度は良好であるが、ローラの曲面に沿って長時間無端ベルトを駆動されることによる断続的な剪断力を吸収するに十分な弾性が不足する。また、硬度がA30未満の場合は、無端ベルト蛇行時にガイドが受ける剪断力による変形が大きく、十分なガイドができない。前記弾性部材の材質としては、、ネオプレンゴム、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、ポリエステルエラストマー、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の適度な硬度を有する弾性体等が使用できる。これらの中でも無端ベルトに対する電気絶縁性、耐湿、耐溶剤、耐オゾン及び耐熱性、耐摩耗性、接着剤との接着性を考慮すると、特にポリウレタンゴムやシリコンゴムが好ましい。前記蛇行防止ガイドの形状は、無端ベルトの使用条件等により適宜定めることができるが、蛇行防止効果を十分に得る為にはその断面を略矩形とすることが好ましいが、台形、半円形など、それらに限定されるものではない。前記蛇行防止ガイドの幅は蛇行防止効果、耐久性等の点から、通常3mm以上10mm以下、3mm以上7mm以下がより好ましい。厚みは、特に制限されないが、蛇行防止効果や耐久性等の観点から、1mm以上5mm以下が好ましい。
【0067】
図4には、本実施の形態における他の無端ベルト320の構成が示されている。無端ベルト320は、補強テープ52が無端ベルト基体10の他方面およびガイド部材100の延出部43の短幅面の一部に設けられている以外は、上述した無端ベルト300と同様の構成を有する。補強テープ52は、無端ベルト10に対するガイド部材100の接合および強度を満たす範囲で、その接合面積を調整してもよい。
【0068】
図5に示す本実施の形態における他の無端ベルト340は、無端ベルト基体10と、リブ部材20が設けられ且つ無端ベルト基体10の端部に突き当てる突き当て部を有するガイド部材120と、を有し、ガイド部材120の突き当て部を無端ベルト基体10の少なくとも一方の端部に突き当てて設けられている。さらにガイド部材120は接着層30を介して無端ベルト基体10の少なくとも一方の端部に設けられている。
【0069】
ガイド部材120の突き当て部は、無端ベルト基体10の端面に接する第1フィルム44と、第1フィルム44の一方面に接し且つ無端ベルト基体10の一方面にも接する第2フィルム42とを有する。さらに、上記第2フィルム42の無端ベルト基体10と接する面上には、上述した接着層30が設けられている。図5に示すように接触面41には、位置決め精度の向上を考慮し、接着層を設けていないが、これに限るものではなく、耐久性の観点から、極薄の接着層を設けてもよい。
【0070】
さらに、無端ベルト基体10の他方面およびガイド部材120の第1フィルム44の幅面には、無端ベルト10に対するガイド部材120の接合および強度を向上させるための補強テープ50が設けられている。補強テープ50は、樹脂テープ54と接着剤層36からなる。
【0071】
樹脂テープ54は、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、二軸延伸ポリエステル等のテープで、100μm以下の厚みにすることが望ましい。厚さが100μmを超えると、画像形成装置や電子写真装置に使用される場合に、クリーニングブレードに接触する可能性が出てくる。
【0072】
接着剤層36、上記接着剤層32,34と同様にと同様にアクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系、熱硬化系のものが好ましい。これらのなかでも特に、接着性及び価格の点からアクリル系の接着剤が好ましい。接着剤の塗布厚(接着層の厚み)は5μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以上50μm以下である。厚みが100μmを超えると、接着剤がはみ出すおそれがある。また、厚みが5μm未満の場合は、接着力が不足する。幅は、前記ガイド部材120と同等の幅にするのが良い。また、このような樹脂テープ54と接着剤層36からなる補強テープ54の例としては、ポリエステル粘着テープ(日東電工No.31)があり、これを用いても良い。
【0073】
本実施の形態における無端ベルト340においてリブ部材20のリブ用弾性部材22は、JISA基準による硬度がA30以上A90以下、好ましくはA50以上A80以下、更に好ましくはA65以上A75以下である。硬度がA90を超えると、張り合わせ時の伸びは少なく寸法精度は良好であるが、ローラの曲面に沿って長時間無端ベルトを駆動されることによる断続的な剪断力を吸収するに十分な弾性が不足する。また、硬度がA30未満の場合は、無端ベルト蛇行時にガイドが受ける剪断力による変形が大きく、十分なガイドができない。前記弾性部材の材質としては、ポリウレタン、ネオプレンゴム、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、ポリエステルエラストマー、クロロプレンゴム、ニトリルゴム等の適度な硬度を有する弾性体等が使用できる。これらの中でも無端ベルトに対する電気絶縁性、耐湿、耐溶剤、耐オゾン及び耐熱性、耐摩耗性、接着剤との接着性を考慮すると、特にポリウレタンゴムやシリコンゴムが好ましい。前記蛇行防止ガイドの形状は、無端ベルトの使用条件等により適宜定めることができるが、蛇行防止効果を十分に得る為にはその断面を略矩形とすることが好ましいが、台形、半円形など、それらに限定されるものではない。前記蛇行防止ガイドの幅は蛇行防止効果、耐久性等の点から、通常3mm以上10mm以下、3mm以上7mm以下がより好ましい。厚みは、特に制限されないが、蛇行防止効果や耐久性等の観点から、1mm以上5mm以下が好ましい。
【0074】
図6には、本実施の形態における他の無端ベルト360の構成が示されている。無端ベルト360は、補強テープ52が無端ベルト基体10の他方面およびガイド部材120の第1フィルム44の幅面の一部に設けられている以外は、上述した無端ベルト340と同様の構成を有する。補強テープ52は、樹脂テープ54と接着剤層36より幅の短い樹脂テープ56と接着剤層38からなる点以外は、補強テープ50と同様の構成を有する。また、補強テープ52は、無端ベルト10に対するガイド部材100の接合および強度を満たす範囲で、その接合面積を調整してもよい。
【0075】
[無端ベルトの製造方法]
次に、図7および図8を用いて、本実施の形態における無端ベルトの製造方法の一例を以下に説明する。なお、上述した図2に示すガイド部材120は、図7に示す製造方法によって形成することができる。
【0076】
まず、ガイド部材120(図2)の作成の一例について図7を用いて以下に説明する。接着剤層34が一方面に形成された第1フィルム44を、トムソン型等の抜き型である第1治具60の深堀型の側面60a,60bに沿わせて挿入し、次いで第2フィルム42を浅堀型に沿わせて挿入し(A工程)、第1フィルム44と第2フィルム42とを接着剤層34を介して接着させる(B工程)。
【0077】
次に、第2治具62を第1治具の上面から嵌め込み、次いで接着剤層32が一方面に形成されたリブ用弾性部材22を、第2治具62の開口型の側面62a,62bに沿わせて挿入し(C工程)、第2フィルム44とリブ用弾性部材22とを接着剤層32を介して接着させる(D工程)。このとき、リブ部材を構成するリブ用弾性部材22の端面と第1フィルム44の端面との平行度が0.3mm以下になる。ここでいう「平行度」はJIS B0621「幾何偏差の定義及び表示」に規定された「平行度」に基づいている。
【0078】
なお、平行度の測定は、図15に示すように、定盤上でJIS B7514(1977)に規定されたI型断面の直定規(ストレートエッジ)(以下「I型直定規」をいうこともある)に第1フィルム44の端面をあてつけて、I型直定規の第1フィルム44の突き当て面を基準としてリブ用弾性部材22の端面までの距離をダイアルゲージにて測定しJIS B0621に規定された平行度を求めた。
【0079】
次いで、第1治具60と第2治具62とをそれぞれ、離隔するように外すことにより、リブ用弾性部材22と接着剤層32とからなるリブ部材20に対し、接着剤層32を介して第2フィルム42、接着剤層34、第1フィルム44が順次積層されたガイド部材が形成される(E工程)。
【0080】
次に、図8を用いて、上記ガイド部材120(図2)を無端ベルト基体端部に突き当て接合する工程について説明する。
【0081】
E工程で得られたガイド部材において、第2フィルム42のリブ部材形成面と反対面に接着層30を形成する(F工程)。
【0082】
次いで、無端ベルト基体10の端部をガイド部材120(図2)の第1フィルム44の端面に突き当てながら、接着層30を介してガイド部材を無端ベルト基体10の一方面に接着し(G工程)、ガイド部材120(図2)と無端ベルト基体10とを接合する(H工程)。このとき、第1フィルム44の無端ベルト基体10への突き当て部の端面真直度が0.2mm以下に出来ている。
【0083】
次に、H工程で得られたガイド部材120(図2)と無端ベルト基体10とからなる接合体に対し、接着剤層36が一方面に形成された樹脂テープ54からなる補強テープ50を、貼り付け(I工程)、次いで、接着剤層36の材料に応じて圧力をかけ、無端ベルト基体10の他方面およびガイド部材120(図2)の第1フィルム44の幅面に、補強テープ50を接合させ、リブ部材の真直度が0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下のリブ部材付き無端ベルトが得られる(J工程)。
【0084】
本実施の形態に用いる無端ベルト基体10は、以下のものに限定されることはないが、例えば、機械的特性の観点から、結晶性の樹脂ではポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリアセタール、ポリフェニレンサルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル等が挙げられ、非結晶性の樹脂では、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が望ましく、特にポリイミドとポリアミドイミドが望ましい。
【0085】
(導電剤)
無端ベルトは、抵抗を調整する目的で導電剤を含んでも良い。ここで導電剤としては、導電性をもつカーボンブラック、グラファイト、金属酸化物等が好ましい中でも、導電性をもつカーボンブラックが好ましい。本実施の形態の樹脂ベルトは、皮膜形成樹脂である上記樹脂に導電性材料であるカーボンブラックを分散して半導電性にして製造される。導電性をもつカーボンブラックの配合量は、後述する転写ベルトの場合、上記樹脂の総量100質量部に対して、15質量部以上35質量部以下、好ましくは、20質量部以上30質量部以下含有するのが好ましい。カーボンブラックは均一かつ微細に分散しないと、所望の抵抗特性を有し、表面抵抗率の維持性に優れたものは得られない。
【0086】
均一かつ微細に分散したカーボンブラックの含有量が樹脂の100質量部に対して15質量部未満であると、転写部材としての抵抗が高くなってトナーを転写できなくなる。一方、樹脂100質量部に対して35質量部を超えると、抵抗が低くなりすぎるとともに、皮膜がもろくなって屈曲性が低下することになる。
【0087】
しかしながら、所望の電気抵抗を安定して得ることができれば、上記の導電性カーボンブラック以外に半導電性のカーボンブラック、または他の導電性もしくは半導電性微粉末も使用できる。カーボンブラックの種類としては、ケッチエンブラック、アセチレンブラック等が例示される。また他の導電性粒子としては、特に制限はないが、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化イットリウム、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が例示できる。
【0088】
また、LiCl等のイオン導電性物質やポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレンなどの導電性高分子材料の添加も可能である。そしてこれらを単独、あるいは併用して使用してもよい。
【0089】
なお、その他の導電剤の含有量も上記範囲とすることが好ましい。
【0090】
[画像形成装置]
そこで、本実施の形態における画像形成装置の一例を図9に示す。
【0091】
まず、図9を用いて画像形成装置の構成例を説明する。図示した画像形成装置200はハウジング400内において4つの電子写真感光体401aから401dが中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。潜像担持体である電子写真感光体401aから401dは、例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成することが可能である。
【0092】
電子写真感光体401aから401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402aから402d、現像装置404aから404d、1次転写ロール410aから410d、クリーニングブレード415aから415dが配置されている。現像装置404aから404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405aから405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410aから410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401aから401dに接触している。上記帯電ロール402aから402dは、いずれも上述した接触式帯電部材の一例の接触式帯電ロールである。
【0093】
さらに、ハウジング400内の所定の位置には露光装置403が配置されており、露光装置403から出射された光ビームを帯電後の電子写真感光体401aから401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401aから401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
【0094】
ここで、帯電ロール402aから402dは、電子写真感光体401aから401dの表面に導電性部材(帯電ロール)を接触させて感光体に電圧を均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである(帯電工程)。なお本実施形態において示した帯電ロールの他、帯電ブラシ、帯電フィルム若しくは帯電チューブなどを用いて接触帯電方式による帯電を行っている。
【0095】
露光装置403としては、電子写真感光体401aから401dの表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。これらの中でも、非干渉光を露光可能な露光装置を用いると、電子写真感光体401aから401dの導電性基体と感光層との間での干渉縞を防止することができる。
【0096】
現像装置404aから404dには、上述の二成分静電荷像現像用現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置を用いて行うことができる(現像工程)。そのような現像装置としては、二成分静電荷像現像用現像剤を用いる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものを選択することができる。
【0097】
一次転写工程では、1次転写ロール410aから410dに、像担持体に担持されたトナーと逆極性の1次転写バイアスが印加されることで、像担持体から中間転写ベルト409へ各色のトナーが順次1次転写される。
【0098】
クリーニングブレード415aから415dは、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着した残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0099】
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている
【0100】
2次転写ロール413に、中間転写体上のトナーと逆極性の2次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルトから記録媒体へトナーが2次転写される。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416或いは、除電器(不図示)により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
【0101】
本実施の形態の画像形成装置において、前記転写手段は、図9に示すトナー像を担持する中間転写ベルト409と、中間転写ベルト409を張架して回転走行させる駆動ロール406を含む複数の支持ロールとを備え、中間転写ベルト409は、上述した図3から図6に例示した無端ベルトであって、前記無端ベルトには、リブ部材が形成された突き当て部を有するガイド部材が少なくとも片側端に沿って設けられている。さらに、前記支持ロールの少なくとも1つのロール対応部に前記リブ部材の端部が接触してガイドされる例えばテーパガイド面を有した自由回転するガイドローラが設けられている。
【0102】
図10は、他の実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。図10に示した画像形成装置510は、1つの電子写真感光体で複数の色のトナー画像を形成させる、所謂4サイクル方式の画像形成装置である。画像形成装置510は、駆動装置(図示せず)により所定の回転速度で図中の矢印Aの方向に回転される感光体ドラム51を備えており、感光体ドラム51の上方には、感光体ドラム51の外周面を帯電させる帯電装置72が設けられている。
【0103】
また、帯電装置72の上方には面発光レーザアレイを露光光源として備える露光装置80が配置されている。露光装置80は、光源から射出される複数本のレーザビームを、形成すべき画像に応じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、感光体ドラム51の外周面上を感光体ドラム51の軸線と平行に走査させる。これにより、帯電した感光体ドラム51の外周面上に静電潜像が形成される。
【0104】
感光体ドラム51の側方には現像装置75が配置されている。現像装置75は回転可能に配置されたローラ状の収容体を備えている。この収容体の内部には4個の収容部が形成されており、各収容部には現像器75Y,75M,75C,75Kが設けられている。現像器75Y,75M,75C,75Kは各々現像ローラ76を備え、内部に各々イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の色のトナーを貯留している。
【0105】
画像形成装置510でのフルカラーの画像の形成は、感光体ドラム51が4色分の画像形成することで行われる。すなわち、感光体ドラム51が4回画像形成する間、帯電装置72は感光体ドラム51の外周面の帯電、露光装置80は、形成すべきカラー画像を表すY,M,C,Kの画像データのうちの何れかに応じて変調したレーザビームを感光体ドラム51の外周面上で走査させることを、感光体ドラム51が1回画像形成する毎にレーザビームの変調に用いる画像データを切替えながら繰り返す。また現像装置75は、現像器75Y,75M,75C,75Kの何れかの現像ローラ76が感光体ドラム51の外周面に対応している状態で、外周面に対応している現像器を作動させ、感光体ドラム51の外周面に形成された静電潜像を特定の色に現像し、感光体ドラム51の外周面上に特定色のトナー像を形成させることを、感光体ドラム51が1回画像形成する毎に、静電潜像の現像に用いる現像器が切り替わるように収容体を回転させながら繰り返す。これにより、感光体ドラム51の外周面上には、Y,M,C,Kのトナー像が順次形成されることになる。
【0106】
また、感光体ドラム51の下方には無端の中間転写ベルト101が配設されている。中間転写ベルト101はローラ102,103,105に巻掛けられており、外周面が感光体ドラム51の外周面に接触するように配置されている。ローラ102,103,105は図示しないモータの駆動力が伝達されて回転し、中間転写ベルト101を図中矢印B方向に回転させる。
【0107】
中間転写ベルト101を挟んで感光体ドラム51の反対側には転写装置(転写器)90が配置されており、感光体ドラム51の外周面上に順次形成されたY,M,C,Kのトナー像は1色づつ転写装置90によって中間転写ベルト101の画像形成面に転写され、最終的には、Y,M,C,K全てのトナー像が中間転写ベルト101上に積層される。
【0108】
また、感光体ドラム51を挟んで現像装置75の反対側には、感光体ドラム51の外周面に潤滑剤供給装置79及びクリーニング装置77が配置されている。感光体ドラム51の外周面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト101に転写されると、潤滑剤供給装置79により感光体ドラム51の外周面に潤滑剤が供給され、当該外周面のうち転写されたトナー像を保持していた領域がクリーニング装置77により清浄化される。
【0109】
中間転写ベルト101よりも下方側には給紙装置110が配置されており、給紙装置110内には記録材料としての用紙Pが多数枚積層された状態で収容されている。給紙装置110の左斜め上方には取り出しローラ111が配置されており、取り出しローラ111による用紙Pの取り出し方向下流側にはローラ対113、ローラ115が順に配置されている。積層状態で最も上方に位置している記録紙は、取り出しローラ111が回転されることにより給紙装置110から取り出され、ローラ対113、ローラ115によって搬送される。
【0110】
また、中間転写ベルト101を挟んでローラ105の反対側には転写装置92が配置されている。ローラ対113、ローラ115によって搬送された用紙Pは、中間転写ベルト101と転写装置92との間に送り込まれ、中間転写ベルト101の画像形成面に形成されたトナー像が転写装置92によって転写される。転写装置92よりも用紙Pの搬送方向下流側には、定着ローラ対を備えた定着装置94が配置されており、トナー像が転写された用紙Pは、転写されたトナー像が定着装置94によって溶融定着された後に画像形成装置510の機体外へ排出され、排紙受け(図示せず)上に載る。
【0111】
<付記>
前記第1フィルムの無端ベルト基体への突き当て部の端面真直度が0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下であることを特徴とする請求項2から請求項9に記載の無端ベルト。
【実施例】
【0112】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
【0113】
[無端ベルトベルト基体の製法]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とからなるポリアミド酸のN−メチルー2ピロリドン(NMP)溶液(宇部興産製ユーワニスS(固形分18質量%)に、この溶液中のポリイミド系樹脂を形成することが可能な原料の固形分100質量部に対して、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製)、pH3.0、揮発分:14.0%)を23質量部になるよう添加して、衝突型分散機(シーナス製GeanusPY)を用い、圧力200MPaで、最小面積が1.4mmで2分割後衝突させ、再度2分割する経路を5回通過させて、混合して、基材用のカーボンブラック入りポリアミド酸溶液を得た。このカーボンブラック入りポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に、ディスペンサーを介して塗膜の厚みが0.5mmとなるように塗布し、金型を1500rpmで15分間回転させて均一な厚みを有する塗膜を形成した後、金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、150℃で60分間加熱し、室温にまで冷却して皮膜を形成した。その後、金型の内面に形成された皮膜を剥離して、この皮膜を金属芯体の外周を覆うように被覆して400℃まで2℃/分の昇温速度で昇温して、更に400℃で30分加熱し、皮膜に残留する溶媒及び脱水閉環水を除去すると共に、イミド転化反応を完結させた。その後金属芯体を室温にまで冷却した後に、金属芯体表面に形成されたポリイミドフィルムを剥離することにより、外径Φ189mm、厚みが80μmの無端ベルトを得た。この無端ベルトの表面抵抗は1×1012Ω/□、体積抵抗率は3.2×10Ωcmであった。
【0114】
本ベルトを円筒治具にはめて、ベルトをカットしたが、端面の真直度は0.1mmであった。
【0115】
[実施例1]
図7および図8の無端ベルトの製造方法にしたがって、以下のようにして実施例1ガイド部材を作製し、それを用いて無端ベルトを作製した。なお、実施例および後述する比較例に記載された各構成要素の素材および特性の例示は、以下に示す実施例および比較例に限定したものであって、本発明の各構成を限定するものではないことは言うまでもない。
【0116】
作製したガイド部材、及び無体ベルトについて、平行度、真直度を上述の方法にて測定した。
【0117】
<A工程>
予め以下の形状と精度(トムソン型で0.1mm以内に入る)に抜いた第2フィルム42と第1フィルム44を用意する。第1フィルム44に以下の接着剤層34を形成しておく。
【0118】
第1フィルム44:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、幅8mmで長さ593mmで真直度0.1mm、の厚み75μm。
第2フィルム42:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、幅3mmで長さ593mm、の厚み50μm。
接着剤層34の接着剤:両面接着シート「No.5000NS」(日東電工製) アクリル系接着剤。
【0119】
また、上述した 第1フィルム44と第2フィルム42を接合体として向くことが可能なトムソン型である第1治具60は、真直度0.1mm以内である。第1治具60は、アルミ等の材質で、第1フィルム44をセットする溝の幅は、第1フィルム44より0.2mm大きく、側面60a及び60bは真直度0.05mm以内の精度に加工したもので、深さは125μmである。一方、第2フィルム42をセットする溝の公差は0.2mm以内で、溝深さは50μmである。
【0120】
<B工程>
第2フィルム42と第1フィルム44とを接着剤層34を介して、第1治具60内にて接着する。
【0121】
<C工程>
第2治具62を第1治具60上にはめ込む。次いで、以下のリブ用弾性部材22に以下の接着剤層32を形成したリブ部材20(図2)を第2治具62の開口部に挿入する。このときリブ用弾性部材22の各端面と第2治具の開口部の側面62a,62bとの間隙は、リブ用弾性部材22より0.2mm広く、かつ、側面62bは第1治具60の側面60aと平行度0.3mmになるように、また第2治具62と1治具60とのはめ合わせ隙間が0.1mm以内に加工されている。
【0122】
リブ用弾性部材22:熱硬化ウレタンゴムシート幅5mmで長さ593mm、タイガースポリマー(株)製の、JIS K6253(1997) タイプAデュロメータ硬さA70、厚さ1mmの熱硬化ウレタンゴムシート(タイプレーンTR100−第1フィルム70)を幅5mmで精度0.2mm以内にトムソン型で抜いた加工したもの、
接着層30:「スーパーXNo.8008」(セメダイン(株)製)。
【0123】
<D工程>
第1治具60および第2治具62にセットしたガイド部材120(図2)を常温で6時間保持しておく。
【0124】
<E工程>
L字型の基体40a(図2)を接着した状態のガイド部材120(図2)を、第1治具60および第2治具62から外すことでガイド部材を作製した。
【0125】
以上の工程により、作製したガイド部材について無端ベルト基体の端部に突き当てる第1フィルム44の接触面41(図2)の端面の真直度を測定したところ0.2mmであった。また、第2フィルム42の第1フィルム42と反対側にあるリブ用弾性部材22の端面21と第1フィルム44の接触面41との平行度は、0.1mmであった。
【0126】
次に図8を用いて、リブ部材が設けられたガイド部材120(図2)の無端ベルト基体10への取り付け工程に関し、以下に説明する。
【0127】
<F工程>
第2フィルム42の無端ベルト10に接着される面に以下の接着剤を用いて接着層30を形成する。
接着層30の接着剤:「スーパーXNo.8008」(セメダイン(株)製)
【0128】
<G工程>
ガイド部材120(図2)上に接着層30が設けられたものを、無端ベルト10の端部に第1フィルム44の接触面41を突き当てながら、接合させる。
無端ベルト基体10:外径Φ189mm、幅324mm、厚さ80μmで、ベルト端面の真直度0.1mmで製作したポリイミドベルトである。なお、無端ベルト基体の製造方法は上述した通りであり、ここでの説明は省略する。
【0129】
<H工程>
常温で接合した状態で6時間保持しておく。
【0130】
<J工程>
樹脂テープ54と接着剤層36とからなる以下の補強テープ50で幅は8mmのものを常温で圧力のみを加えることにより、無端ベルト基体10の他方面およびガイド部材120(図2)の第1フィルム44の幅面に接着させる。
補強テープ50:ポリエステル粘着テープ(日東電工No.31)を用い、樹脂テープ54部分は50μm、接着剤がアクリル系接着剤であり接着剤層36の厚みは30μmであり、幅は8mmのもの。
【0131】
上記実施例1の製造方法により作製した無端ベルトの10本を切り開いて、三次元測定機((株)ミツトヨ製CP1057)でリブ部材2(図5)の両端を基準としてリブ部材2(図5)の変位を測定して真直度を算出した結果、6本が0.2mm、4本が0.3mmと全て真直度0.5mm以内であった。
【0132】
[比較例1]
無端ベルト基体10:外径Φ189mm、幅330mm、厚さ80μmで、ベルト端面の真直度0.1mmで製作したポリイミドベルトに、手作業でリブ用弾性部材22:熱硬化ウレタンゴムシート幅5mmで長さ593mm、タイガースポリマー(株)製の熱硬化ウレタンゴムシート(タイプレーンTR100−70)(JIS K6253(1997) タイプAデュロメータ硬さA70、厚さ1mm)を幅5mmに加工したものを、接着剤層32の接着剤:「スーパーXNo.8008」(セメダイン(株)製)を用いて、接着したことにより作製した無端ベルトは、10本中の4本が0.8mm、5本が0.9mmで、1本が0.4mmと真直度0.5mm以内に入るものは1本だけであった。
【0133】
[実施例2]
第2フィルム42の厚みを200μmのものとし、第1フィルム44の厚みを80μmのものを用い実施例1と同様にしてガイド部材を作製した。このガイド部材の上述の測定方法による平行度は0.1mmであった。このガイド部材を用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを10本作製した。得られた無端ベルトの10本を切り開いて、三次元測定機でリブ部材2(図5)の真直度を測定した結果、全てが0.2mmと真直度0.5mm以内であった。ただ、第2フィルムとポリイミドベルトの段差が大きく、回転させるとポリイミドベルトと第2フィルムとの間に働くせん断力がポリイミドベルトに集中してクラック発生の原因となるおそれがあった。
【0134】
[実施例3]
第2フィルム42の厚みを16μmのものとし、第1フィルム44の厚みを16μmのものを用い実施例1と同様にしてガイド部材を作製した。このガイド部材の上述の測定方法による平行度は0.2mmであった。このガイド部材を用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを10本作製した。ポリイミドベルトと接着するときに突き当ての作業性が悪く、得られた無端ベルトの10本を切り開いて、三次元測定機でリブ部材2(図5)の真直度を測定した結果、3本が0.7mmとなり、3本が0.3mm、4本が0.4mmと、真直度0.5mm以内は7本あった。
【0135】
[実施例4]
第2フィルム42の厚みを20μmのものとし、第1フィルム44の厚みを20μmのものを用い実施例1と同様にしてガイド部材を作製した。このガイド部材の上述の測定方法による平行度は0.2mmであった。このガイド部材を用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを10本作製した。ポリイミドベルトと接着するときに突き当ての作業性が多少悪く、得られた無端ベルトの10本を切り開いて、三次元測定機でリブ部材2(図5)の真直度を測定した結果、2本が真直度が0.5mmとなり、残り8本は真直度0.4mmと、全て真直度0.5mm以内であった。
【0136】
[実施例5]
第2フィルム42の厚みを23μmのものとし、第1フィルム44の厚みを23μmのものを用い実施例1と同様にしてガイド部材を作製した。このガイド部材の上述の測定方法による平行度は0.2mmであった。このガイド部材を用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを10本作製した。得られた無端ベルトの10本を切り開いて、三次元測定機でリブ部材2(図5)の真直度を測定した結果、5本が0.3mm、5本が0.4mmと、全て真直度0.5mm以内であった。
【0137】
[実施例6]
第2フィルム42の厚みを50μmのものとし、第1フィルム44の厚みを90μmのものを用い実施例1と同様にしてガイド部材を作製した。このガイド部材の上述の測定方法による平行度は0.1mmであった。このガイド部材を用いた以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを10本作製した。ポリイミドベルトと接着するときに突き当ての作業性は悪かったが、得られた無端ベルトの10本を切り開いて、三次元測定機でリブ部材2(図5)の真直度を測定した結果、4本が0.5mm、6本が0.4mmと、全て真直度0.5mm以内であった。
【0138】
<画質評価>
実施例1乃至6、比較例1で得られたそれぞれの無端ベルト(10本のうち真直度の大きなもの)を、富士ゼロックス製 DocuCentre−II C3000に中間転写体として装着できるように改造した装置を用いて、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の1ドット画像を用紙の同じ位置に印字したときの位置ズレについて評価した。
【0139】
また、赤、青、緑色について30%ハーフトーン画像を出力し、その画像について色むらを目視にて評価した。
【0140】
その結果を表1に示す。
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置等への適用がある。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の実施の形態におけるガイド部材の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるガイド部材の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における無端ベルトの一例を示す一部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における無端ベルトの他の例を示す一部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における無端ベルトの他の例を示す一部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態における無端ベルトの他の例を示す一部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるガイド部材の製造方法の一例ならびに無端ベルトの製造方法の一例のA工程からE工程を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態における無端ベルトの製造方法の一例のF工程からJ工程を説明する図である。
【図9】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図10】本発明の画像形成装置の他の実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。
【図11】無端ベルトを駆動ロールに張架した状態の一例を示す模式図である。
【図12】無端ベルトの蛇行防止の構造の一例を説明する模式図である。
【図13】図12の点線で囲まれた無端ベルトのZ部分の一部拡大断面図である。
【図14】真直度を説明する図である。
【図15】平面度の測定方法の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0143】
10 無端ベルト基体、20 リブ部材、22 リブ用弾性部材、30 接着層、32,34,36,38 接着剤層、40,40a 基体、41 接触面、42 第2フィルム、44 第1フィルム、50,52 補強テープ、54,56 樹脂テープ、60a,60b,62a,62b 側面、60 第1治具、62 第2治具、100,120 ガイド部材、51 感光体ドラム、72 帯電装置、75Y,75M,75C,75K 現像器、75 現像装置、76 現像ローラ、77 クリーニング装置、79 潤滑剤供給装置、80 露光装置、90,92 転写装置、94 定着装置、101 中間転写ベルト、102,103,105,111,115 ローラ、110 給紙装置、113 ローラ対、200,510 画像形成装置、300,320,340,360 無端ベルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リブ部材と、
前記リブ部材が一方面に設けられ且つ対象物の端部に接する面を有する基体と、を有することを特徴とするガイド部材。
【請求項2】
前記基体の対象物の端部に接する面が対象物の端部に突き当てる突き当て部であることを特徴とする請求項1に記載のガイド部材。
【請求項3】
請求項2に記載のガイド部材おいて、
前記ガイド部材に設けられたリブ部材の前記突き当て部側の端面と前記突き当て部との平行度が、0.3mm以下であることを特徴とするガイド部材。
【請求項4】
無端ベルト基体と、
リブ部材が設けられ且つ前記無端ベルト基体の端部に突き当てる突き当て部を有するガイド部材と、を有し、
前記ガイド部材の突き当て部を前記無端ベルト基体の少なくとも一方の端部に突き当てて設けたことを特徴とする無端ベルト。
【請求項5】
請求項4に記載の無端ベルトにおいて、
前記ガイド部材が接着層を介して前記無端ベルト基体の少なくとも一方の端部に設けられたことを特徴とする無端ベルト。
【請求項6】
請求項4に記載の無端ベルトにおいて、
前記ガイド部材の突き当て部は、前記無端ベルト基体の端面に接する接触面と、前記無端ベルト基体の端部より延出した延出部と、前記無端ベルト基体の一方面に接する支持面と、を有することを特徴とする無端ベルト。
【請求項7】
請求項4に記載の無端ベルトにおいて、
前記ガイド部材の突き当て部は、前記無端ベルト基体の端面に接する第1フィルムと、前記第1フィルムの一方面に接し且つ前記無端ベルト基体の一方面にも接する第2フィルムとを有することを特徴とする無端ベルト。
【請求項8】
請求項4に記載の無端ベルトにおいて、
前記基体の最大膜厚は、40μm以上であって[無端ベルトの膜厚+200μm]以下であり、
前記基体の最小膜厚は、20μm以上200μm以下であり、
前記基体の無端ベルトの端面に接する接触面は、前記無端ベルト基体の膜厚以下20μm以上の長さを有することを特徴とする無端ベルト。
【請求項9】
請求項4に記載の無端ベルトにおいて、
前記ガイド部材は、20μm以上200μm以下の厚さの第2フィルムと、厚さが20μm以上無端ベルト基体の膜厚以下の第1フィルムとを有することを特徴とする無端ベルト。
【請求項10】
請求項6に記載の無端ベルトにおいて、
前記ガイド部材に設けられたリブ部材の端面と前記無端ベルト基体の端面に接する前記ガイド部材の接触面との真直度が、0.5mm以下であることを特徴とする無端ベルト。
【請求項11】
請求項7に記載の無端ベルトにおいて、
前記ガイド部材に設けられたリブ部材の端面と前記第1フィルムの端面との真直度が、0.5mm以下であることを特徴とする無端ベルト。
【請求項12】
無端ベルト基体を準備する工程と、
リブ部材が設けられ且つ前記無端ベルト基体の端部を突き当てる突き当て部を有するガイド部材を準備する工程と、
前記ガイド部材の突き当て部を前記無端ベルト基体の少なくとも一方の端部に突き当てて接着する工程と、を有することを特徴とする無端ベルトの製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の無端ベルトの製造方法において、
前記ガイド部材を準備する工程は、前記無端ベルト基体の端部に突き当てる前記ガイド部材の突き当て部の接触面と前記ガイド部材に設けられたリブ部材の端面との真直度が、0.5mm以下であることを特徴とする無端ベルトの製造方法。
【請求項14】
請求項12に記載の無端ベルトの製造方法において、
前記ガイド部材は、前記無端ベルト基体の端面に接する第1フィルムと、前記第1フィルムの一方面に接し且つ前記無端ベルト基体の一方面にも接する第2フィルムとを有し、
前記ガイド部材を準備する工程は、前記無端ベルト基体の端部に突き当てる前記ガイド部材における第1のフィルムの接触面と前記ガイド部材に設けられたリブ部材の端面との真直度が、0.5mm以下であることを特徴とする無端ベルトの製造方法。
【請求項15】
潜像担体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー像を中間転写体を介して被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー像を加定着する定着手段と、を備えた画像形成装置であり、
前記中間転写体が請求項4から請求項11のいずれか1項に記載の無端ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
潜像担体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー像を加定着する定着手段と、を備えた画像形成装置であり、
前記転写手段が、前記被転写体を搬送するための被転写体用搬送体または前記像担持体上のトナー像を被転写体に転写するための搬送転写体を有し、
前記被転写体用搬送体または搬送転写体が請求項4から請求項11のいずれか1項に記載の無端ベルトであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−86530(P2009−86530A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258875(P2007−258875)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】