説明

スイッチング回路、回路、並びにスイッチング回路及び駆動パルス生成回路を含む回路

【課題】大電力用主電源スイッチングについて、ワイドバンドギャップ半導体スイッチング素子の誤作動を防ぐ技術を提供する。
【解決手段】スイッチング回路100は、ゲート電極、接地に接続されるソース電極、及び電源電位Vddに接続されるドレイン電極を有するノーマリーオフ型のスイッチング素子130と、スイッチング素子130のゲート電極及びソース電極に、それぞれ接続される、ドレイン電極及びソース電極、並びに、ゲート電極を有するノーマリーオン型FET132とを含む。本回路100を駆動するための電源供給が無い場合、ノーマリーオン型FET132はオン状態となる。その結果、スイッチング素子130のゲート/ソース間電位は0Vとなり、スイッチング素子130はオフ状態を保つ。本回路100は、雑音電圧によるスイッチング素子130の誤作動を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大電力用の主電源のスイッチングの改善技術に関し、特に、低スレッシュホールド電圧のスイッチング素子の誤動作を防ぐ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているスイッチング素子は、Siによるトランジスタが主流である。しかし、近年、SiCやGaNなどのワイドバンドギャップ半導体によるものが注目されている。何故なら、ワイドバンドギャップ半導体はSiの物性値限界を超えたデバイス性能を実現するからである。
【0003】
しかし、Siによるトランジスタをワイドバンドギャップ半導体によるトランジスタで置換るのは容易ではない。Siによるトランジスタがノーマリーオフ型であるのに対し、ワイドバンドギャップ半導体によるトランジスタの多くは、ノーマリーオン型だからである。制御電圧が0Vでも端子間に電流が流れるようなトランジスタをノーマリーオン型と呼び、制御電圧が0Vの場合、端子間に電流が流れないトランジスタをノーマリーオフ型と呼ぶ。
【0004】
SiによるパワーMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor 金属−酸化物−半導体構造電界効果トランジスタ)を置換るために、GaNなどにおいてもノーマリーオフ型のスイッチング用の電界効果トランジスタ(Field−Effect Transistor。以下「FET」と呼ぶ。)が作られるようになってきた(例えば非特許文献1参照)。しかし、それらのスレッシュホールド電圧は0.2V程度と、あまり高くない。
【0005】
スイッチング素子を太陽電池及びエアコン等のインバータ等の主電源のスイッチングに用いる場合、スイッチング素子がオン/オフする主電源は電圧500V程度で50A程度の電流を供給することが多い。このように大電力の主電源のオン/オフを制御しようとする場合、スイッチングされる電流パスの途中にリレー、又は半導体等からなるスイッチを挿入することが難しい。これは、そのスイッチの抵抗が20mΩ程度であっても、50Aという電流を流すと、そのスイッチでの消費電力が50Wと大きくなり、放熱などの熱対策が必要となるためである。したがって、インバータ等において使用されるスイッチング素子には主電源による電圧がかかった状態となっていることが多い。
【特許文献1】特開2004−242475号公報
【非特許文献1】川崎健他、「リセスゲートを用いた高パワー用ノーマリーオフAlGaN/GaN HEMT」、2005年国際固体素子・材料コンファレンス予稿集、2005年9月、p.206−207(T.Kawasaki et al.、“Normally−off AlGaN/GaN HEMT with Recessed Gate for High Power Applications”,Ext.Abst.2005 Int.Conf. on Solid State Devices and Materials,Sep.2005, p.206−207)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、現状では大電力用の主電源スイッチング素子として、非特許文献1の記載のHEMT(High Electron Mobility Transistor 高電子移動度トランジスタ)のようなノーマリーオフ型ワイドバンドギャップ半導体FETを利用することは困難である。それは、上記したように、それらのスレッシュホールド電圧が低いためである。
【0007】
スイッチング素子により制御される電源の電圧は、数10Vから数100V、場合によっては1000Vを超える電圧となる。また、電流値も数Aから数10A、又は100Aを超えるような値となる。このような高い電圧をオン/オフすることにより、主電源には電源電圧以上の雑音電圧が発生することがある。また、主電源と制御回路の間の容量あるいは電磁結合により、制御回路にも高いレベルの雑音電圧が発生する。スレッシュホールド電圧が低い場合、このような雑音電圧によってスイッチング素子が誤動作する危険性が高い。大電力用電源において、主電源には他のスイッチング回路等が並列に接続されている。これらの回路が前述のような高電圧及び高電流をオン/オフすることにより、主電源には雑音電圧が発生する場合がある。加えて、主電源と装置内の他の制御回路との間の容量又は電磁結合により、制御回路にも高いレベルの雑音電圧が発生する。
【0008】
現状において、スレッシュホールド電圧が1V以下のノーマリーオフ型スイッチング素子等については、具体的なスイッチング用回路の検討がまだ進んでおらず、雑音電圧によるスイッチング素子の誤動作の問題は認識されていない。そこで、本願発明者は、ノーマリーオフ型のワイドバンドギャップ半導体によるスイッチング素子を含むスイッチング回路について、雑音による影響の検討を行なった。
【0009】
図1に、雑音による誤動作の原理が比較的分かりやすい、従来のスイッチング素子を含む極性反転回路10の回路図を示す。図1を参照して、この極性反転回路10は、主電源電圧Vdd(以下「Vdd」と呼ぶ。)に接続されたドレイン電極を有する、GaN等による、スレッシュホールド電圧が比較的低いノーマリーオフ型の電界効果トランジスタ20と、FET20のソース電極及びゲート電極にそれぞれ接続された、FET20を駆動するための駆動パルス生成回路22とを含む。駆動パルス生成回路は、FET20に対する駆動パルスの出力回路50を含む。
【0010】
FET20のスレッシュホールド電圧Vthは0.3Vである。駆動パルス生成回路22は、回路動作用の電源電圧Vdd2(以下「Vdd2」と呼ぶ。)及び接地の間に接続されている。主電源電圧Vddの電圧は500V、電流は50Aである。Vdd2は10〜20Vの比較的低い電圧であり、別の回路により、Vddから生成されている。
【0011】
回路10は、さらに、FET20のゲート電極及びソース電極の間に接続されたゲート電位安定用の抵抗24を含む。抵抗24としては、FET20の駆動回路の出力インピーダンスが数Ωであるため、その数10〜数100倍の抵抗値のものが利用される。
【0012】
回路10は、さらに、FET20のソース電極に接続されたカソード電極を有するダイオード28と、FET20のソース電極及びダイオード28の接点と、接地との間に接続されたインダクタ26と、ダイオード28のカソード電極に接続された負荷32と、ダイオード28のカソード電極と接地との間に接続された平滑用の容量30とを含む。ここでいう負荷とは、電源Vdd及びFET20により与えられる電力で動作する回路のことをいう。
【0013】
FET20では、帰還容量と呼ばれる、ゲート/ドレイン間容量42とゲート/ソース間容量44と等からなる寄生容量成分が存在する。
【0014】
図2に、図1に示す駆動パルス生成回路22のうち、駆動パルスの出力回路50の回路構成を示す。図2を参照して、出力回路50は、互いに接続されたドレイン端子を有するノーマリーオフ型のP型MOSFET56及びN型MOSFET58と、これらのゲート端子に共通に接続された入力端子52と、これらのドレイン端子に共通に接続された出力端子54とを含む。P型MOSFET56のソース電極は電源Vdd2に接続される。N型MOSFET58のソース電極はソース電位に接続される。
【0015】
図1に示す極性反転回路10において、Vddへの電圧印加が常にある状態で、駆動パルス生成回路22の電源がオフされた場合の動作を考える。図2を参照して、この場合、電源Vdd2は高いインピーダンスとなる。そのため、駆動パルス生成回路22のMOSFETのソース及びゲートの電位がスイッチング素子のソース電位Vss2と等しくなる。それに伴い、駆動パルス生成回路22の出力もVss2と等しくなる。その結果、駆動パルス生成回路22のMOSFETのソース、ドレイン、ゲートの全ての電位が等しくなる。この状態では、P型MOSFET56及びN型MOSFET58の各ソース/ゲート間の電圧が0Vであるため、これらノーマリーオフ型トランジスタはオフ状態となり、出力のインピーダンスは高く保たれる。
【0016】
図1を参照して、FET20のゲート電極及びソース電極は抵抗24により接続されている。このため、FET20のゲート/ソース間電位は0Vとなり、FET20はオフ状態となる。また、FET20のソース電位は、インダクタ26により接地されているため、0Vとなる。
【0017】
ここで、Vddにおいて、前述のように他のスイッチング動作により電源電圧以上の雑音信号が発生した場合を考える。その雑音信号の周波数が回路のスイッチング周波数より低い場合、インダクタ26のインピーダンスは低くなる。インダクタ26はインダクタンスとして働かない。雑音信号による雑音電圧は、ゲート/ドレイン間容量42と、並列に接続されたゲート/ソース間容量44、駆動パルス生成回路22、及び抵抗24との直列接続により分圧される。分圧された雑音電圧は、FET20のゲート電極へ印加される。駆動パルス生成回路22には電源が供給されないため、その出力インピーダンスは比較的高い。このことから、分圧において駆動パルス生成回路22はほとんど無視することができる。
【0018】
例えば、主電源電圧500V、電流50Aの場合、そのような回路に用いるFET20のゲート/ドレイン間容量42は数10pF程度、ゲート/ソース間容量は数100pF程度である。駆動パルス生成回路22がFET20をオンする際には、駆動電流の一部が抵抗24に流れるため、抵抗24としてあまり小さな抵抗値のものを用いることはできない。そのため、通常は抵抗値として駆動回路動作時の出力インピーダンスの数10から数100倍のものが用いられる。したがって、抵抗24の抵抗値は数100Ωとなる。
【0019】
例えば、ゲート/ドレイン間容量42が50pF、ゲート/ソース間容量44が500pF、抵抗24の抵抗値が200Ω、雑音信号の周波数が一般的なスイッチング周波数である100kHzの半分の50kHzであった場合、ゲート/ソース間容量44及び抵抗24の影響により雑音電圧の約1/320の電圧がゲート電極に印加される。雑音電圧が電源電圧と同じ500Vとすると、ゲート電極に1.6Vの雑音が発生することになる。雑音のレベル、周波数、寄生容量成分などにより異なるが、雑音電圧は数V程度と考えられる。
【0020】
FET20のスレッシュホールド電圧は0.3Vであり、雑音電圧によりオンする可能性がある。一般的に、300V以上の電源電圧を用いる際には、スレッシュホールド電圧が2V以下では、雑音による誤動作の可能性があると考えられている。これに対し、従来用いられてきた500V程度の耐圧のシリコンのパワーMOSFETでは、スレッシュホールド電圧が2〜5V程度である。したがってこのような雑音でスイッチング素子がオンすることはない。
【0021】
極性反転回路10において、実際の動作周波数より低い周波数でFET20がオンした場合、インダクタ26がインダクタとして動作しない。このため、電源電圧Vddはインダクタ26を介して接地され、大きな電流がFET20を経由して流れることになる。このような誤動作は、FET20の破壊、回路配線の発熱、及びFET20の過電流による過熱による火災などのリスクを高める。
【0022】
従来のフルブリッジインバータ回路70についても同様の問題が考えられる。図3に、従来のフルブリッジインバータ回路70の回路図を示す。
【0023】
図3を参照して、フルブリッジインバータ回路70は、負荷90に電力を与えるために、Vddのスイッチングを行なうためのノーマリーオフ型FET80、82、84、及び86を含む。ノーマリーオフ型FET80及び84はいずれも、Vddに接続されたドレイン電極を有する。FET80のソース電極は負荷90の一方端子に接続され、FET84のソース電極は負荷90の他方端子に接続される。FET82は、FET80のソース電極に接続されたドレイン電極と、接地されたソース電極とを有する。FET86は、FET84のソース電極に接続されたドレイン電極と、接地されたソース電極とを有する。
【0024】
フルブリッジインバータ回路70は、さらに、回路動作用電源電圧Vdd2と接地との間に接続され、FET80、82、84及び86のゲート電極に対し駆動パルスを与えるための駆動パルス生成回路88を含む。
【0025】
図3を参照して、このフルブリッジインバータ回路70において、雑音電圧により、例えばFET80及び82が同時にオンすると、Vddがノーマリーオフ型FET80及び82を経由して接地にショートされることになる。その結果、素子が破壊されたり、回路の発熱に起因して火災が発生したりする、等の問題が発生する危険性が有る。
【0026】
以上のように、本願発明者の検討によれば、スレッシュホールド電圧が比較的低いノーマリーオフ型FETをスイッチング素子として、極性反転回路10、及びフルブリッジインバータ回路70等に利用すると、誤動作による回路の破壊、及び回路の発熱による事故等の問題が懸念される。これは、ハーフブリッジ回路、及びチョッパー回路等についても同じである。
【0027】
確実にスイッチング素子のオフを保つためには、特許文献1に開示されているように、負電圧生成回路を回路に追加し、かつ、主電源と同期して動作させるなどの制御が必要となる。しかしこの場合、負電圧はゲートのオン/オフを行なうために使用される。このため、負電圧生成回路は、ゲート容量を高速に駆動する、高い電流駆動力を有するものが必要とされる。
【0028】
しかしそのように高出力な負電圧生成回路を追加し、かつ主電源と連動して動作するよう制御するためには、回路を大幅に複雑化する必要があり、製品のコスト増を招く。また、主電源と連動して制御回路にも電源を常に供給するため、動作していない場合も制御回路が電力を消費するという問題が発生する。さらに、これまで使用されてきたパワーMOSFETと大幅に回路構成が異なることになり、新たな製品開発が必要となるという大きな問題が生ずる。
【0029】
したがって、本発明の目的は、ワイドバンドギャップ半導体によるノーマリーオフ型スイッチング素子を含む、大電力用の主電源スイッチング回路において、誤作動の少ないスイッチングを実現するための雑音防止スイッチング回路及び雑音防止駆動回路を提供することである。
【0030】
本発明の別の目的は、この雑音防止スイッチング回路及び雑音防止駆動回路により、大電力用主電源スイッチング回路のオン抵抗の低減、動作の高速化、及び省消費電力化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の第1の局面に係るスイッチング回路は、第1及び第2の電極と、制御電極とを有する、ノーマリーオフ型の第1のFETと、第1のFETの制御電極及び第1の電極にそれぞれ接続される第1及び第2の電極と、制御電極とを有する、ノーマリーオン型の第2のFETとを含む。
【0032】
第1のFETの制御電極及び第1の電極は、第2のFETの第1及び第2の電極にそれぞれ接続されている。このスイッチング回路は、第1のFETの制御電極にパルスを印加する駆動パルス生成回路により駆動される。このとき、第2のFETの制御電極には、第2のFETを安定的にオフさせるための電圧が駆動パルス生成回路から与えられるようにする。一方、駆動パルス生成回路に対する電源供給が無い場合には、駆動パルス生成回路と第2のFETの制御電極との接続部の電位と第2のFETの第1の電極の電位とが等しくなるように、第2のFETの第1の電極の接続先の電位を選ぶ。多くの場合これは接地電位である。
【0033】
通常動作時には、駆動パルス生成回路からの電圧により第2のFETは安定的にオフしている。そのため、第2のFETは第1のFETの動作に影響を与えない。駆動パルス生成回路への電源供給が切断された場合、駆動パルス生成回路と第2のFETの制御電極との接続部の電位と、第2のFETの第1の電極の電位とは等しくなる。その結果、ノーマリーオン型である第2のFETはオン状態となる。第1のFETの制御電極及び第1の電極の間は、第2のFETにより低いインピーダンスでショートされる。したがって、第1のFETの制御電極と第1の電極との間の電位差は0Vとなる。その結果、ノーマリーオフ型である第1のFETは、第1のFETの両電極間に常に電源電圧が印加されている状況で雑音が発生しても、安定してオフ状態を保つことができる。第1のFETが、例えば、ワイドバンドギャップ半導体によるノーマリーオフ型のFETであり、そのスレッシュホールド電圧が2V以下であっても、雑音による第1のFETの誤作動を防止することができる。
【0034】
好ましくは、スイッチング回路は、第2のFETの、制御電極及び第2の電極の間に接続される抵抗回路をさらに含む。
【0035】
本スイッチング回路において、第2のFETの制御電極/第2の電極間は、抵抗回路により接続されている。このため、上記したような駆動パルス生成回路をこのスイッチング回路に接続したときで、かつ駆動パルス生成回路に対する電源供給が切断された場合、パルス生成回路の出力インピーダンスが高くなる場合がある。その場合でも、第2のFETの制御電極と第2の電極との間に接続された抵抗回路により、第2のFETの制御電極と第2の電極間との電位差はやがては0Vとなり、第2のFETはオン状態となる。その結果、第1のFETはオフ状態を保つことができる。本スイッチング回路においては、雑音電圧が発生した場合でも、第1のFETの誤作動を防ぐことができる。
【0036】
好ましくは、抵抗回路は、第2のFETの、制御電極及び第2の電極の間に接続される抵抗を含む。
【0037】
第2のFETの制御電極/第2の電極間が、抵抗により接続されている。このことから、上記したような駆動パルス生成回路をこのスイッチング回路に接続したときで、かつ駆動パルス生成回路に対する電源供給が切断されている場合でも、第2の制御電極/第2の電極間電圧を確実に0Vとすることができる。その結果、第1のFETのオフ状態を保ち、誤作動を防止することができる。
【0038】
抵抗回路は、第2のFETの制御電極に共通に接続される制御電極及び第1の電極と、第2のFETの第2の電極に接続される第2の電極とを有する、第3のFETを含んでもよい。
【0039】
このような抵抗回路を使用した場合でも、上記したような駆動パルス生成回路をこのスイッチング回路に接続したときで、かつ駆動パルス生成回路に対する電源供給が切断された場合には、第3のFETはオン状態を示す。このため、第3のFETの低いインピーダンスにより、第2のFETの制御電極/第2の電極間電圧を確実に0Vとすることができる。その結果、第1のFETのオフ状態を保ち、誤作動を防止することができる。
【0040】
抵抗回路は、第2のFETの制御電極に接続される第1の電極と、第2のFETの第2の電極に共通に接続される制御電極及び第2の電極とを有する、第3のFETを含んでもよい。
【0041】
このような抵抗回路を使用した場合も、抵抗回路として抵抗を代用した場合と同様の理由で、上記したような駆動パルス生成回路をこのスイッチング回路に接続したときで、かつ駆動パルス生成回路に対する電源供給がない場合には、第3のFETはオン状態となる。このため、第2のFETの制御電極/第2の電極間電圧を確実に0Vとすることができる。その結果、第1のFETのオフ状態を保ち、誤作動を防止することができる。
【0042】
本発明の第2の局面に係る出力先の雑音による誤作動を防止するための出力回路は、入力端子と、出力端子と、入力端子に接続される制御電極、電源電位に接続される第1の電極、及び出力端子に接続される第2の電極を有する、ノーマリーオフ型のP型の第1のFETと、入力端子に接続される制御電極、接地電位に接続される第1の電極、及び出力端子に接続される第2の電極を有する、ノーマリーオン型のN型の第2のFETとを含む。
【0043】
出力端子は、外部のノーマリーオフ型のスイッチング素子の制御端子に接続される。入力端子は入力信号に従い第1及び第2のFETの各制御電極に、スイッチング素子の制御端子に印加されるべきパルスを生成するための制御信号を与える。第1及び第2のFETは入力端子からの入力信号を受け、出力端子からスイッチング素子をオン/オフさせるためのパルス信号を出力する。本回路を駆動させるための電源電位からの電源供給が無い場合、第1及び第2のFETの各制御電極、第1の電極及び第2の電極の電位はすべて等しくなり、各々のFETの制御電極/第1の電極間の電位差は0Vとなる。第1のFETはオフ状態、第2のFETはオン状態となる。その結果、出力端子は低いインピーダンスで接地に接続される。出力端子がスイッチング素子の制御端子に接続され、スイッチング素子の一方の電極が接地電位に接続される場合を想定すると、本回路により、本回路への電源供給が切断されている場合には、スイッチング素子の制御電極と前記した一方の電極との間の電位差が0となる。その結果、スイッチング素子の両電極間に常に電源電圧が印加されている状況で雑音電圧が発生した場合でも、このスイッチング素子のオフ状態を安定して維持することができ、スイッチング素子の誤作動を防止できる。
【0044】
好ましくは、回路は、第2のFETの制御電極及び第1の電極の間に接続される抵抗回路をさらに含む。
【0045】
第2のFETの制御電極/第1の電極間が、抵抗回路により接続されている。このことから、本回路に対する電源供給が切断されている場合、第2のFETの制御電極/第1の電極間電圧を確実に0Vとすることができる。その結果、スイッチング素子の両電極間に常に電源電圧が印加されている状況で雑音が発生しても、スイッチング素子のオフ状態を安定して保つことができ、その誤作動を防止することができる。
【0046】
本発明の第3の局面に係る回路は、スイッチング回路と、スイッチング回路に接続され、スイッチング回路を駆動するためのパルスを生成しスイッチング回路に与える駆動パルス生成回路とを含む回路である。スイッチング回路は、駆動パルス生成回路からパルスを受けるように接続される制御電極と、第1及び第2の電極とを有する、ノーマリーオフ型の第1のFETを含む。駆動パルス生成回路は、入力信号を受け、第1のFETを駆動するための駆動信号を生成し出力するための制御回路と、制御回路から駆動信号を受けるように接続され、駆動信号に応答して、所定の第1及び第2の電位の間で遷移するパルスを、第1のFETの制御電極に与えるための出力回路とを含む。出力回路は、制御回路の出力を受けるように接続される入力端子と、第1のFETの制御電極に接続される出力端子と、入力端子に接続される制御電極、電源電位に接続される第1の電極、及び出力端子に接続される第2の電極を有する、ノーマリーオフ型のP型の第2のFETと、入力端子に接続される制御電極、第1のFETの第1の電極に接続される第1の電極、及び出力端子に接続される第2の電極を有する、ノーマリーオン型のN型の第3のFETとを含む。
【0047】
本回路において、スイッチング回路は、電源供給に対し第1のFETのオン/オフによりスイッチングを行なう。駆動パルス生成回路は、パルス信号を第1のFETの制御端子に与え、そのオン及びオフを制御する。この際、制御回路は入力信号に従い第1のFETを駆動するための駆動信号を生成し、出力回路に出力する。第2及び第3のFETからなる出力回路は、この駆動信号に応答して第1のFETを動作させるためのパルスを生成し、出力端子を介して第1のFETの制御電極に供給する。このパルスは、第1のFETがオンする電位と、オフする電位との間で遷移する。
【0048】
第1のFETの制御電極/第1の電極間は、第3のFETの第2の電極及び第1の電極にそれぞれ接続されている。そのため、駆動パルス生成回路に対する電源供給がない場合、第3のFETの制御電極/第1の電極間電圧は0Vとなる。ノーマリーオン型である第3のFETはオン状態となる。その結果、第1のFETの制御電極/第1の電極間電圧は0Vとなる。第1のFETはノーマリーオフ型であるため、オフ状態を保つことができる。駆動パルス生成回路への電源供給が切断されている場合に、雑音電圧が発生しても、第1のFETがオン状態になってしまうおそれがない。その結果、第1のFETの第1及び第2の電極間に電源電圧が常に印加されている状況でも、スイッチング回路の誤作動を防止することができる。
【発明の効果】
【0049】
以上のように、本発明により、スレッシュホールド電圧が2V以下のワイドバンドギャップ半導体によるノーマリーオフ型スイッチング素子を用い、誤作動の少ないスイッチングを実現することが可能である。そのため、DC/DCコンバータ、並びに、太陽電池、エアコン、及びIH(Inductive Heating)のインバータ等に利用される、大電力用の主電源スイッチング素子として、従来のSiパワーMOSFETをGaNなどによるワイドバンドギャップ半導体により作製されるスイッチング素子に置換ることができる。その結果として、本発明は大電力用主電源スイッチング回路のオン抵抗の低減、動作の高速化、及び省消費電力化を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態に係るスイッチング回路について説明する。以下の説明及び図面では、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同一である。したがって、それらについての詳しい説明は繰返さない。
【0051】
[第1の実施の形態]
−構成−
図4に、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング回路100の基本的構成を示す。図4を参照して、スイッチング回路100は、ドレイン電極142及びソース電極144を有する、GaN/AlGaNの積層構造により形成されたAlGaN/GaN HEMTによるノーマリーオフ型スイッチング素子130と、スイッチング素子130のゲート電極に接続され、スイッチング素子130の駆動用パルスを外部から受ける端子146とを含む。この実施の形態では、スイッチング素子130のスレッシュホールド電圧は0.3Vである。
【0052】
スイッチング回路100はさらに、スイッチング素子130のゲート電極とソース電極144とにそれぞれ接続されたドレイン電極及びソース電極を有するノーマリーオン型FET132と、ノーマリーオン型FET132のゲート電極に接続された端子148とを含む。端子148は、ノーマリーオン型FET132のゲート電位を安定化させるための信号を外部から受けるためのものである。この実施の形態では、ノーマリーオン型FET132のスレッシュホールド電圧は−2Vである。
【0053】
図5に、スイッチング回路100と、スイッチング回路100を駆動させるための駆動パルス生成回路118とを含む基本回路の回路構成を示す。
【0054】
図5を参照して、スイッチング素子130のドレイン電極142は図示しない電源電位Vddに接続され、ソース電極144は接地される。駆動パルス生成回路118は、スイッチング素子130のゲート電極に接続され、スイッチング素子130を制御して所望のスイッチングを行なわせる制御電圧を与えるパルス駆動端子112と、ノーマリーオン型FET132のゲート電極に接続されるゲート電位安定化制御端子114と、ソース電極に接続されるソース接続端子116とを有する。
【0055】
この基本回路はさらに、駆動パルス生成回路118の電源がオフした状態で確実にノーマリーオン型FET132をオンさせるための、ノーマリーオン型FET132のゲート電極とソース電極との間に接続された抵抗120を含む。
【0056】
スイッチング素子130のソース電極144及び接地との間には図示しない負荷が接続される。負荷とは、図5に示す回路を含む装置において、その装置本来の機能を実現する制御回路を示す。すなわち、スイッチング回路100は当該装置自体のオン/オフを制御するスイッチングを行なう。
【0057】
駆動パルス生成回路118は、回路動作用の電源電位Vdd2と接地との間に接続される。駆動パルス生成回路118とスイッチング素子130のソース電極144との接地電位は共有してもよい。駆動パルス生成回路118は図示しない負電圧生成回路を含み、この負電圧生成回路は、駆動パルス生成回路118の駆動時に、ゲート電位安定化制御端子114に、ノーマリーオン型FET132が充分にオフする程度の電圧を与える。本実施の形態では、この負電圧はソース電位を基準として−3V程度である。
【0058】
−動作−
図5に示すスイッチング回路100は以下のように動作する。
【0059】
図5を参照して、回路駆動時には、駆動パルス生成回路118は、パルス駆動端子112及びゲート電位安定化制御端子114を介してスイッチング素子130のゲート電極及びノーマリーオン型FET132のゲート電極に、それぞれ制御電圧を印加する。ノーマリーオン型FET132のゲート電極に与えられる制御電圧は、ソース電位に対してノーマリーオン型FET132が十分にオフする電圧(−3V程度)である。この状態では、ノーマリーオン型FET132は完全にオフしており、ノーマリーオン型FET132はスイッチング素子130の動作に影響しない。
【0060】
スイッチング素子130のソース電極144が接地されているため、既に述べたようにノーマリーオン型FET132のゲート電極に印加される−3V程度の負電圧を生成する負電圧生成回路が駆動パルス生成回路118の中に設けられる。しかし、ノーマリーオン型FET132はスイッチング動作をしないため、ゲート電流はほとんど流れず、電圧が一定電圧以下になっていればよいため、要求される電圧設定精度も高くない。したがって、電源電圧を容量とスイッチとで反転して生成する等、簡便な方法で負電圧を生成する負電圧生成回路でもスイッチング回路100は問題なく動作する。
【0061】
一方、Vdd2により電源が供給されておらず、駆動パルス生成回路118が動作していない場合を考える。駆動パルス生成回路118のパルス駆動端子112での電圧は0Vとなるが、出力インピーダンスは高い状態となる。駆動パルス生成回路118内の図示しない負電圧生成回路は、駆動回路の電源電圧を容量及びスイッチ等で反転して負電圧を生成している。このため、駆動回路の電源電圧が0Vとなれば、やがては負電圧生成回路の生成する負電圧も0Vとなる。
【0062】
このとき、ゲート電位安定化制御端子114の出力インピーダンス、及び、ノーマリーオン型FET132のゲート電極の入力インピーダンスはともに比較的高くなるため、抵抗120によってノーマリーオン型FET132のソース/ゲート間の電位差は0Vとなる。従って、ノーマリーオン型FET132はオン状態となる。スイッチング素子130のソース/ゲート間は低いインピーダンスでショートされ、スイッチング素子130のソース/ゲート間電圧は0Vとなる。スイッチング素子130はノーマリーオフ型であるため、スイッチング素子130はオフする。
【0063】
このような状態で、Vddからの雑音信号がスイッチング素子130のドレイン電極142に入り、スイッチング素子130のゲート/ドレイン間容量を介してスイッチング素子130のゲートに雑音信号が入ったものとする。このとき、ノーマリーオン型FET132は、前述の通りオン状態である。スイッチング素子130のゲート/ソース間は比較的低いインピーダンスでショートされている。その結果、スイッチング素子130のソース/ゲート間電圧は0Vとなり、スイッチング素子130がオンすることはない。
【0064】
以上のとおり、本実施の形態に係るスイッチング回路100によれば、スイッチング素子130のスレッシュホールド電圧が比較的低くても、雑音信号によりスイッチング素子130がオンすることがない。スイッチング素子130を介して電源電位Vddと接地との間に大電流が流れたりするおそれがなく、回路の破損、火災の発生等の危険性を小さくすることができる。
【0065】
なお、スイッチング回路100は、抵抗120がなくても原理的には正常に動作する。しかし、抵抗120を設けることにより、ノーマリーオン型FET132のゲート/ソース間電圧を0Vとすることが保証できるため、安全性を高めることができるという効果がある。
【0066】
[第2の実施の形態]
−構成−
図6に、本発明の第2の実施の形態に係るスイッチング回路190の回路図を示す。
【0067】
図6を参照して、このスイッチング回路190は、図5に示すスイッチング回路100とほぼ同様の構成を有するが、図5に示す抵抗120に代えて、ノーマリーオン型FET132のゲート電極に共通に接続されるドレイン電極及びゲート電極と、ノーマリーオン型FET132のソース電極に接続されるソース電極とを有するノーマリーオン型FET200を含む点が、図5に示すスイッチング回路100と異なる。
【0068】
−動作−
図6に示すスイッチング回路190は以下のように動作する。
【0069】
よく知られているように、FETは、ソース/ドレイン間において非常に高い抵抗と同じような特性を示す。したがって、ノーマリーオン型FET200は図5に示す抵抗120と同様に動作する。
【0070】
図6を参照して、具体的には、回路駆動時、駆動パルス生成回路118は、ゲート電位安定化制御端子114を介して、ノーマリーオン型FET132及びノーマリーオン型FET200に、ノーマリーオン型FET132が充分にオフし、ノーマリーオン型FET200が充分にオンする程度の電圧を与える。
【0071】
dd2により電源が供給されておらず、駆動パルス生成回路118が動作していない場合を考える。ゲート電位安定化制御端子114からの印加電圧は0Vとなる。このため、ノーマリーオン型FET200はオン状態となる。ノーマリーオン型FET200のソース/ドレイン間のインピーダンスは、ゲート電位安定化制御端子114/ソース接続端子116間よりも低い。このことからノーマリーオン型FET200は、ノーマリーオン型FET132のソース/ゲート電極間をショートし、ノーマリーオン型FET132のソース/ゲート電圧を0Vとすることができる。ノーマリーオン型FET132はオン状態となる。その結果、本実施の形態に係るスイッチング回路190によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
なお、第1の実施の形態で使用した抵抗120は、既に述べたように本来はなくてもよいものであり、安全性を高めるために設けるものである。したがって、ノーマリーオン型FET200のゲート幅は小さくてもよく、スイッチング素子130、ノーマリーオン型FET132とともに同一基板上に作製しても素子サイズにほとんど影響を与えない。
【0073】
さらに、ノーマリーオン型FET200のゲート長を長くしても良い。このことによりノーマリーオン型FET200をより高抵抗にし、さらに確実にスイッチング素子130をオフ状態にすることができる。
【0074】
[第3の実施の形態]
図7に、本発明の第3の実施の形態に係るスイッチング回路230の回路図を示す。
【0075】
図7を参照して、本回路は、図5に示すスイッチング回路100と同様の構成であるが、図5に示す抵抗120に代えて、ノーマリーオン型FET132のゲート電極に接続されるソース電極と、ノーマリーオン型FET132のソース電極に共通に接続されるドレイン電極及びゲート電極とを有するノーマリーオフ型FET240を含む点で、図5に示すスイッチング回路100と異なる。
【0076】
なお、一般的にGaNスイッチング素子のトランジスタでは、素子作製時のエッチング時間を調整することにより、そのスレッシュホールド電圧を自由に変えることができる。ノーマリーオフ型FET240は、そのスレッシュホールド電圧Vth3と、ノーマリーオン型FET132のスレッシュホールド電圧Vth2とが|Vth3|<|Vth2|の関係となるよう調整されているものとする。この実施の形態では、Vth2=−2V、Vth3=1Vである。
【0077】
このスイッチング回路230においても、ノーマリーオフ型FET240が図5に示す抵抗120と同様の機能を果たす。その結果、スイッチング回路230も第1の実施の形態に係るスイッチング回路100、及び第2の実施の形態に係るスイッチング回路190と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
【0078】
図6を参照して、具体的には、回路駆動時には、ゲート電位安定化制御端子114を介してノーマリーオン型FET132に、ソース接続端子116を介してノーマリーオフ型FET240に、それぞれ制御電圧が与えられる。以降、2つのFETのソース/ゲート間電圧を、ノーマリーオン型FET132ではVGS2、ノーマリーオフ型FET240ではVGS3と呼ぶ。VGS2はノーマリーオン型FET132が十分オフする電圧(−3V程度)である。また、VGS3はノーマリーオフ型FET240が十分オンする電圧(1.5V程度)である。本実施の形態では、|VGS3|<|Vth2|となるよう調整されているものとする。
【0079】
dd2による電源供給が何らかの理由で遮断され、駆動パルス生成回路118が動作していない場合を考える。遮断直後、ソース接続端子116/ゲート電位安定化制御端子114間には、寄生容量等により電圧が保持される。このため、ノーマリーオフ型FET240はオン状態を保持する。ところで、ノーマリーオン型FET132のソース/ゲート間電圧VGS2は、ノーマリーオフ型FET240のゲート/ソース間電圧VGS3の値の正負を逆にした値となる(VGS2=−VGS3)。また、ノーマリーオフ型FET240がオン状態のため、そのゲート/ソース間電圧VGS3が低下する。前述の2点の理由により、ノーマリーオン型FET132のゲート/ソース間電圧VGS2はVth2を超えることはない。このためノーマリーオン型FET132はオン状態となる。その結果、本実施の形態に係るスイッチング回路230によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
[第4の実施の形態]
−構成−
図8に、本発明の第4の実施の形態に係るスイッチング回路260を含む基本回路の回路図を示す。
【0081】
図8を参照して、この基本回路は、スイッチング素子130を含むスイッチング回路260と、スイッチング回路260を駆動するための、電源電位Vdd2と接地との間に接続され、パルス駆動端子112及びソース接続端子116を有する駆動パルス生成回路270とを含む。
【0082】
スイッチング回路260は、図5に示すスイッチング回路100と同様の構成を有する。ただし、スイッチング回路260は、図5に示すノーマリーオン型FET132及び抵抗120を有していない。本実施の形態に係る回路は、図5に示すノーマリーオン型FET132に相当するFETが、駆動パルス生成回路270中のスイッチング素子130に対する駆動パルスの出力回路290内に設けられている点に特徴がある。
【0083】
以下、図2及び図5を参照しながら、本実施の形態における駆動パルス生成回路270内のFETの構成について説明する。
【0084】
図5に示すノーマリーオン型FET132のドレイン電極は、スイッチング素子130のゲート電極、及び駆動パルス生成回路118のパルス駆動端子112に接続されている。またソース電極はスイッチング素子130のソース電極144、及び駆動パルス生成回路118のソース接続端子116に接続されている。
【0085】
一方、図2に示すように、駆動パルス生成回路118の出力回路50に含まれるノーマリーオフ型N型MOSFET58のドレイン電極は端子54に接続され、ソース電極はソース電位Vss2に接続される。端子54は、図5に示すパルス駆動端子112に接続される。ソース電位Vss2は、スイッチング素子130のソース電極144と共通化されている。したがって、回路構成から見ると、ノーマリーオフ型N型MOSFET58をノーマリーオン型FETで置換ると、図5に示すノーマリーオン型FET132と同じ機能が得られることが分かる。
【0086】
したがって、本実施の形態では、駆動パルス生成回路270の出力回路290は以下のような構成を有する。図9に、出力回路290の回路図を示す。
【0087】
図9を参照して、出力回路290は、図2に示す出力回路50において、ノーマリーオフ型N型MOSFET58に代えてノーマリーオン型N型MOSFET302を含む構成を有する。P型MOSFET56のソース電極は電源Vdd2に接続される。ノーマリーオン型N型MOSFET302のソース電極はソース電位Vss2に接続される。これらのドレイン電極は共通に出力端子54に接続される。またゲート電極は共通に入力端子52に接続される。
【0088】
−動作−
この第4の実施の形態に係るスイッチング回路260及び駆動パルス生成回路270は以下のように動作する。
【0089】
駆動パルス生成回路270が動作しているときには、ノーマリーオン型N型MOSFET302は通常の出力回路と同様に動作する。
【0090】
駆動パルス生成回路270への電源供給がない状態を考える。第1の実施の形態におけるノーマリーオン型FET132と同様、ノーマリーオン型N型MOSFET302のソース電極、ドレイン電極、及びゲート電極の電位はいずれも等しくなる。ノーマリーオン型N型MOSFET302はオン状態となる。ノーマリーオン型N型MOSFET302がオン状態となることにより、スイッチング素子130のソース/ゲート間が比較的低いインピーダンスでショートされることになる。このためノーマリーオフ型FET130のゲート/ソース間電圧は0Vとなり、スイッチング素子130のドレインから雑音信号が加えられてもスイッチング素子130がオンすることはない。
【0091】
[第5の実施の形態]
−構成−
図10に、本発明の第5の実施の形態に係るスイッチング回路の駆動パルス生成回路で使用される出力回路320の構成を示す。この出力回路320は、第4の実施の形態に係る駆動パルス生成回路270の出力回路290に代えて使用することができる。
【0092】
この出力回路320は、図9に示す第4の実施の形態に係る出力回路290の構成に加え、ノーマリーオン型N型MOSFET302のゲート電極とソース電極との間に設けられた抵抗334をさらに含む。ノーマリーオン型N型MOSFET302と抵抗334との関係は、ちょうど第1の実施の形態に係るスイッチング回路100(図5参照)におけるノーマリーオン型FET132と抵抗120との関係と等しい。
【0093】
−動作−
図10に示す出力回路320の動作は、図9に示す出力回路290の動作と同様である。ただし、Vdd2による電源供給が無い状態において、抵抗334によりノーマリーオン型N型MOSFET302のオン状態をより確実にする点が異なる。このときの抵抗334の機能は第1の実施の形態における抵抗120の機能と同じである。
【0094】
抵抗334により、ノーマリーオン型N型MOSFET302のソース/ゲート電極間が接続される。このため、電源電圧Vdd2による電圧印加が無い状態において、ノーマリーオン型N型MOSFET302のソース/ゲート間電圧は0Vとなる。ノーマリーオン型N型MOSFET302はオン状態となってスイッチング素子130のゲート/ソース間電圧を0Vにする。雑音信号がドレイン電極142からスイッチング素子130に加えられ、ゲート/ドレイン間の容量結合によってスイッチング素子130のゲートに加えられても、スイッチング素子130がオンすることはない。その結果、スイッチング素子130の誤作動を防止できる。
【0095】
[変形例]
上記した実施の形態において、スイッチング素子130のソース電極は接地されている。しかし、スイッチング素子130によるスイッチングが可能であれば、ソース電位はこれに限定しない。
【0096】
第2の実施の形態において、ノーマリーオン型FET200に代えて、ノーマリーオフ型FETを用いても良い。以降、当該ノーマリーオフ型FETのスレッシュホールド電圧をVth4、ソース/ドレイン間電圧をVGS4すると、この変形例では、|Vth4|<|Vth2|及び|VGS4|<|Vth2|の関係となるよう調整される。
【0097】
このスイッチング回路は以下のように動作する。回路駆動時には、前述のようにノーマリーオン型FET132はオフ、当該ノーマリーオフ型FETはオン状態である。電源供給が切断された場合、第3の実施の形態と同様に、ソース接続端子116/ゲート電位安定化制御端子114間に電圧が保持されることにより、当該ノーマリーオフ型FETはオン状態を保つ。ここでは第3の実施の形態とは異なり、ノーマリーオン型FET132及び当該ノーマリーオフ型FETの各ソース/ゲート間電圧は同じとなる。|VGS4|<|Vth2|の関係により、ノーマリーオン型FET132のソース/ゲート間電圧はVth2より小さい値となり、ノーマリーオン型FET132はオン状態となる。このことにより第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0098】
第3の実施の形態において、ノーマリーオフ型FET240に代えて、ノーマリーオン型FETを用いても良い。このスイッチング回路は以下のように動作する。ゲート電位安定化制御端子114を介してノーマリーオン型FET132に、ソース接続端子116を介して当該ノーマリーオン型FETに制御電圧が与えられる。本実施の形態では、ノーマリーオン型FET132はオフ、当該ノーマリーオン型FETはオンとなるよう制御電圧が調整されている。電源供給が切断された場合、第2の実施の形態と同様、当該ノーマリーオン型FETはオン状態であり、ノーマリーオン型FET132のソース/ゲート間をショートする。このことにより第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0099】
第1、第2、及び第3の実施の形態に係るスイッチング回路100、190、及び230と、第4及び第5の実施の形態に係る出力回路290及び320とは、それぞれ、図5及び図8に示す回路100及び260にその用途を限定しない。例えば、高調波抑圧(Power Factor Collection。PFC。)回路に良く用いられる昇圧型のチョッパー回路がある。
【0100】
[第1の応用例]
−構成−
図11に、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング回路100を含む、高調波抑圧回路(PFC)によく用いられる昇圧型のチョッパー回路340の回路構成を示す。
【0101】
図11を参照して、このチョッパー回路340は、AC100Vの電源350に接続され、電源350からの交流電流を整流するためのダイオードブリッジ352と、一対の出力端子360及び362と、ダイオードブリッジ352の一方の出力端子と出力端子360との間に直列に接続されたチョークコイル(インダクタ)356及び整流用ダイオード358と、ダイオードブリッジ352の2つの出力端子の間に接続された数μF程度の比較的小さな容量354とを含む。整流用ダイオード358はチョークコイル356に接続されるアノードと、出力端子360に接続されるカソードとを有する。整流用ダイオード358は、以下に述べるように高速なオン/オフの繰返しを行なうことから、逆方向リカバリー損失が大きくなる。このため、整流用ダイオード358にはショットキーダイオード又はファーストリカバリーダイオードを用いる。容量354により、スイッチング周波数での電源のインピーダンスが下げられている。スイッチング周波数としては、60kHz程度が選ばれる。
【0102】
チョッパー回路340はさらに、整流用ダイオード358のアノードと出力端子362との間に接続されたスイッチング回路100と、スイッチング回路100とスイッチング素子130のソース電極144とに接続された、スイッチング回路100の駆動パルスを生成してスイッチング回路100に与えるための駆動パルス生成回路118とを含む。
【0103】
スイッチング回路100は、図5を参照して既に述べたとおり、スイッチング素子130、ノーマリーオン型FET132、及び抵抗120を含む。ノーマリーオフ型FET130のソース電極は出力端子362を介して接地に接続され、ゲート電極はパルス駆動端子112を介して駆動パルス生成回路118に接続され、ドレイン電極は整流用ダイオード358のアノードに接続される。ノーマリーオン型FET132のゲート電極は駆動パルス生成回路118のゲート電位安定化制御端子114に接続され、ソース電極はスイッチング素子130のソース電極144に、ドレイン電極はスイッチング素子130のゲート電極に、それぞれ接続される。抵抗120は、ノーマリーオン型FET132のゲート電極と出力端子362(すなわち接地)との間に接続される。駆動パルス生成回路118のソース接続端子116は、出力端子362に接続される。
【0104】
−動作−
図10を参照して、通常動作では、駆動パルス生成回路118よりノーマリーオン型FET132のゲート電極には、ノーマリーオン型FET132をオフするために十分な負の電圧が与えられている。このため、ノーマリーオン型FET132はオフ状態となっている。この状態において、ノーマリーオフ型FET130のゲート電極には駆動電圧が印加され、ノーマリーオフ型FET130による電源350からの電力のスイッチング動作が行われる。このとき、電源350より入力された電圧は、その電圧より高い電圧に昇圧されている。
【0105】
通常、電源350より先に駆動パルス生成回路118の駆動用の電源Vdd2がオンするため、常にスイッチング動作が行われた状態で電源350がオンされる。
【0106】
ところが、駆動パルス生成回路118用の電源が正常に動作しない等の原因により、ノーマリーオフ型FET130及びノーマリーオン型FET132のゲート電極に駆動電圧が全く印加されない場合がある。この状態で主電源350が印加された場合を考える。この回路では、ノーマリーオン型FET132のゲート/ソース間は抵抗120により接続されている。このため、ノーマリーオン型FET132のゲート電極電位とソース電極電位とは同じに設定され、ノーマリーオン型FET132のゲート/ソース間電圧は0Vとなる。ノーマリーオン型FET132はオン状態となり、ノーマリーオン型FET132のソース/ドレイン間は、低いインピーダンスでショートされる。つまり、ノーマリーオフ型FET130のゲート/ソース間が低いインピーダンスで0Vに設定される。ノーマリーオフ型FET130のゲート/ソース間電圧は0Vとなり、オフ状態となる。この状態で、外部から誘導あるいは容量性の結合により、雑音信号が入力されても、ノーマリーオフ型FET130はオフ状態を保つことができる。
【0107】
なお、ノーマリーオフ型FET130のスレッシュホールド電圧は0.3V程度と比較的低く、ゲート/ソース間電圧が0Vのときに、若干のリーク電流が流れる場合がある。しかし、その値は極めて小さなものであり、チョッパー回路340および電源350に悪影響を与えることはない。
【0108】
[第2の応用例]
−構成−
図12に、本発明の第2の応用例であるチョッパー回路390の回路構成を示す。図12を参照して、チョッパー回路390は、図11に示すチョッパー回路340と同様の構成を持つが、図11に示すスイッチング回路100及び駆動パルス生成回路118に代えて、図8に示すスイッチング回路260及び駆動パルス生成回路270を含む点で、図11に示すチョッパー回路340と異なる。駆動パルス生成回路270は図9に示す出力回路290を含む。
【0109】
−動作−
第2の応用例に係る出力回路290及びチョッパー回路390の動作及び効果は、第4の実施の形態及び第1の応用例の動作及び効果と同様である。
【0110】
[可能な変形例]
上記した実施の形態において、スイッチング素子130とノーマリーオン型FET132とを別素子として作製してもよいし、同一基板に作製して一つの素子としても良い。
【0111】
非特許文献1に示されるように、スイッチング素子130を構成するAlGaN/GaN HEMTのスレッシュホールド電圧は、プロセスにおけるエッチング時間により自由に制御することができる。つまり、AlGaN/GaN HEMTにおいて、エッチング時間を変えることにより、スレッシュホールド電圧の異なるトランジスタを同一基板上に形成することができる。スイッチング素子については、損失低減のためオン抵抗を小さくすることが不可欠である。そのため、ノーマリーオフ型FET130は比較的大きな素子サイズを必要とする。1Aクラスの素子で、総ゲート幅としては数mm程度が必要となる。
【0112】
一方で、ノーマリーオン型FET132は、比較的小さい100μm程度の素子サイズでも良い。このサイズでも、誘導あるいは容量性の結合により発生する雑音電圧を充分抑圧できるからである。
【0113】
以上のことから、スイッチング素子130とノーマリーオン型FET132とを同一基板に作製しても、素子サイズが大きく増加することはない。
【0114】
第2又は第3の実施の形態において、スイッチング素子130と、ノーマリーオン型FET132と、ノーマリーオン型FET200又はノーマリーオフ型FET240とを、同一基板に作製しても良い。
【0115】
これらの素子を同一基板に作製することにより、スイッチング回路を小型化することができる。
【0116】
また、これらの素子を同一基板に形成することにより、各素子を異なる基板上に作製してスイッチング回路を構成した場合と比べ、ノーマリーオン型FET132のドレイン端子とスイッチング素子130のゲート端子との距離を非常に短くすることができ、更に雑音耐性が向上する。
【0117】
第4及び第5の実施の形態において、図9及び図10に示すノーマリーオフ型P型MOSFET56及びノーマリーオン型N型MOSFET302は、通常のC−MOS型回路の作製プロセスを利用して作製しても良い。この場合、チャネル部へN型ドーパントのドーピングを行なうことにより、ノーマリーオン型N型MOSFET302を作製することが可能である。
【0118】
第5の実施の形態において、C−MOSプロセスで作製されるFETのゲート電極への入力インピーダンスは極めて高い。そのため、ノーマリーオン型N型MOSFET302に接続する抵抗334は、高抵抗のものを用いることができる。
【0119】
以上のように、本発明により、スレッシュホールド電圧が2V以下のワイドバンドギャップ半導体によるノーマリーオフ型スイッチング素子を用い、誤作動の少ないスイッチングを実現することが可能である。この結果、本発明は大電力用主電源スイッチング回路のオン抵抗の低減、動作の高速化、省消費電力化、及び小型化を実現する。
【0120】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】従来の極性反転回路10を示す回路図である。
【図2】従来の駆動パルス生成回路22に含まれる出力回路50の回路図である。
【図3】従来のフルブリッジインバータ回路70を示す回路図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング回路100の回路図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング回路100を含む回路の回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るスイッチング回路190を含む回路の回路図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るスイッチング回路230を含む回路の回路図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るスイッチング回路260及び駆動パルス生成回路270を含む回路の回路図である。
【図9】図8に示す駆動パルス生成回路270に含まれる出力回路290の回路図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る出力回路320の回路図である。
【図11】本発明の第1の応用例に係るチョッパー回路340の回路図である。
【図12】本発明の第2の応用例に係るチョッパー回路390の回路図である。
【符号の説明】
【0122】
10 極性反転回路
20、56、80、82、84、86、130、240 ノーマリーオフ型FET
22、88、118、270 駆動パルス生成回路
24、120、334 抵抗
26、356 インダクタ
28、358 ダイオード
30、42、44、354 容量
32、90 負荷
50、290、320 出力回路
52、54、112、114、116、142、144、146、148、360、362 端子
70 フルブリッジインバータ回路
100、190、230、260 スイッチング回路
58、132、302、 ノーマリーオン型FET
340、390 チョッパー回路
350 負荷電源
352 ダイオードブリッジ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の電極と、制御電極とを有する、ノーマリーオフ型の第1の電界効果トランジスタと、
前記第1の電界効果トランジスタの前記制御電極及び前記第1の電極にそれぞれ接続される第1及び第2の電極と、制御電極とを有する、ノーマリーオン型の第2の電界効果トランジスタとを含む、スイッチング回路。
【請求項2】
前記第2の電界効果トランジスタの、前記制御電極及び前記第2の電極の間に接続される抵抗回路をさらに含む、請求項1に記載のスイッチング回路。
【請求項3】
前記抵抗回路は、前記第2の電界効果トランジスタの、前記制御電極及び前記第2の電極の間に接続される抵抗を含む、請求項2に記載のスイッチング回路。
【請求項4】
前記抵抗回路は、前記第2の電界効果トランジスタの前記制御電極に共通に接続される制御電極及び第1の電極と、前記第2の電界効果トランジスタの前記第2の電極に接続される第2の電極とを有する、第3の電界効果トランジスタを含む、請求項2に記載のスイッチング回路。
【請求項5】
前記抵抗回路は、前記第2の電界効果トランジスタの前記制御電極に接続される第1の電極と、前記第2の電界効果トランジスタの前記第2の電極に共通に接続される制御電極及び第2の電極とを有する、第3の電界効果トランジスタを含む、請求項2に記載のスイッチング回路。
【請求項6】
入力端子と、
出力端子と、
前記入力端子に接続される制御電極、電源電位に接続される第1の電極、及び前記出力端子に接続される第2の電極を有する、ノーマリーオフ型のP型の第1の電界効果トランジスタと、
前記入力端子に接続される制御電極、接地電位に接続される第1の電極、及び前記出力端子に接続される第2の電極を有する、ノーマリーオン型のN型の第2の電界効果トランジスタとを含む、出力先の雑音による誤作動を防止するための出力回路。
【請求項7】
前記第2の電界効果トランジスタの前記制御電極及び前記第1の電極の間に接続される抵抗回路をさらに含む、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
スイッチング回路と、前記スイッチング回路に接続され、前記スイッチング回路を駆動するためのパルスを生成し前記スイッチング回路に与える駆動パルス生成回路とを含む回路であって、
前記スイッチング回路は、前記駆動パルス生成回路から前記パルスを受けるように接続される制御電極と、第1及び第2の電極とを有する、ノーマリーオフ型の第1の電界効果トランジスタを含み、
前記駆動パルス生成回路は、
入力信号を受け、前記第1の電界効果トランジスタを駆動するための駆動信号を生成し出力するための制御回路と、
前記制御回路から前記駆動信号を受けるように接続され、前記駆動信号に応答して、所定の第1及び第2の電位の間で遷移する前記パルスを、前記第1の電界効果トランジスタの前記制御電極に与えるための出力回路とを含み、
前記出力回路は、
前記制御回路の出力を受けるように接続される入力端子と、
前記第1の電界効果トランジスタの前記制御電極に接続される出力端子と、
前記入力端子に接続される制御電極、電源電位に接続される第1の電極、及び前記出力端子に接続される第2の電極を有する、ノーマリーオフ型のP型の第2の電界効果トランジスタと、
前記入力端子に接続される制御電極、前記第1の電界効果トランジスタの前記第1の電極に接続される第1の電極、及び前記出力端子に接続される第2の電極を有する、ノーマリーオン型のN型の第3の電界効果トランジスタとを含む、回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−81962(P2009−81962A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250170(P2007−250170)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】