説明

スチレン系コポリマーを含む発泡シート

1つまたは複数のスチレン系モノマーの40重量%〜90重量%;
1つまたは複数のマレイン酸系モノマーの5重量%〜45重量%;
6,000を超える数平均分子量を有する1つまたは複数のエラストマーポリマーの0.1重量%〜25重量%;および
式CH=CR[式中、RはHまたはC〜Cアルキル基であり、Rは直鎖、分岐または環状のC〜C22アルキルまたはアルケニル基である。]で表される1つまたは複数のモノマーを含む1つまたは複数の低分子量ポリマーの0.1重量%〜10重量%を含む混合物を重合させることによって形成されるポリマーを含むポリマー組成物を含有する発泡シート。(ここで、前記低分子量ポリマーは、Mnが400〜6,000であり、官能基を場合により含むことができる。)発泡シートは溶融ポリマー組成物中に発泡剤を注入するステップ;発泡剤をポリマー組成物と混合するステップ;および混合物を押出成形して発泡シートを供給するステップによって作製される。発泡シートは食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器に熱成形することができる。図2は、本発明による発泡シートの断面の顕微鏡写真である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチレン系コポリマーを含む発泡熱可塑性シートおよびかかる発泡シートで成形された物品を対象とする。
【背景技術】
【0002】
さまざまな形状の物品を、発泡および非発泡の熱可塑性材料たとえばポリスチレンシートまたは耐衝撃性改良ポリスチレンシート(すなわち高衝撃ポリスチレンシート)から熱成形法によって製造することが知られている。こうした物品の多くは包装食品に使用される容器である。
【0003】
Chunduryらの米国特許第5106696号は、材料や食品を包装するための熱成形可能な多層構造を開示し、特許請求している。この構造の第1層用のポリマー組成物は、(A)ポリオレフィン、すなわちポリプロピレンおよびポリブテンの49重量%〜90重量%;(B)スチレンおよび無水マレイン酸のコポリマーの10重量%〜30重量%;(C)相溶化剤、すなわちスチレンおよびブタジエンのコポリマーのスターブロック、ジブロックまたはこれらの混合物の2重量%〜20重量%;(D)スチレンおよびブタジエンのトリブロックコポリマーの0〜5重量%;ならびに(E)タルクの20重量%を含む。この構造の第2層は、ポリプロピレンで作られる。
【0004】
高衝撃ポリスチレン(HIPS)および他の耐衝撃性改良スチレン系ポリマー、たとえばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンプラスチック(ABS)およびメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンプラスチック(MBS)の耐環境応力亀裂性(ESCR)を、ポリブテンの添加によって向上させることが知られており、米国特許第5543461号は、1)ゴム変性熱可塑性樹脂の99〜96重量%((a)スーパーストレートポリマー(superstrate polymer)のマトリックス中全体に数平均粒子サイズが6〜12ミクロンの粒子となって分布しているゴム状基材、好ましくはポリブタジエン4〜15重量%、および(b)スーパーストレートポリマーの96〜85重量%を含む);および2)数平均分子量が900〜2000のポリブテンの1〜4重量%;を含有しているゴム変性グラフト熱可塑性プラスチック組成物を開示している。こうした熱可塑性プラスチックは、たとえば、家庭用品で使用され、これらは通常環境応力亀裂(ESC)の原因になりやすい化学物質、たとえば洗浄剤および時には脂肪や油を含む食品にさらされる。
【0005】
先の段落で論じた米国特許第5543461号は、背景技術の項で、最良のESCRを有する熱可塑性プラスチックはChevronのHIPS品種6755であることを開示している。このChevron製品は、ポリブテンの2〜3重量%を含有し、体積平均粒子直径4〜4.5ミクロンの分散ゴム相を有している。このChevron製品は、ESCRの性質については高衝撃ポリスチレン(HIPS)に関連性があり、ゴム変性スチレン/無水マレイン酸コポリマーには関連性がない。
【0006】
米国特許第3919354号は、押出成形および金型成形に適し、高い熱変形温度および所望の衝撃耐性を有する、改良されたスチレン/無水マレイン酸/ジエンゴム組成物を開示している。このポリマー調製する方法は、スチレンモノマーおよび無水マレイン酸をゴムの存在下で重合させることによって、スチレン無水マレイン酸コポリマーをジエンゴムで変性することを含む。より詳しくは、この方法は、中にゴムが溶解しているスチレンを準備すること;スチレン/ゴム混合物を撹拌してこれのフリーラジカル重合を開始させること;撹拌された混合物に無水マレイン酸を、スチレンモノマーの重合速度を実質的に下回る速度で加えること;およびスチレンモノマーと無水マレイン酸を重合させることを含む。このポリマーは0.02〜30ミクロンの範囲のゴム粒子を、スチレンモノマーおよび無水マレイン酸のポリマーのマトリックス全体に分散されて含有し、ゴム粒子の少なくとも大部分は重合したスチレンモノマーと無水マレイン酸の閉塞を含有している。この特許は、このポリマーがシートまたは膜への押出成形に適することを教示しており、このシートまたは膜は、次いで容器、包装材料および類似のものに熱成形するために使用される。あるいは、このポリマーは、食器および加熱可能な冷凍食品容器などの幅広い種類の構成要素に射出成形することができる。
【0007】
しかし、上記の米国特許第3919354号で開示されているもののようなポリマーは、一般に脆く、したがって、これらのポリマーはたとえ(一般に電子レンジで食品を加熱するのに使用される温度である。)210°Fを超える温度に耐える熱的性質を有しているにしても、破損することがある。
【0008】
さらに、知られている発泡材料で作られた、食品または液体を電子レンジで加熱するために使用される容器は、しばしば加熱後には変形していたり歪んでいたり、特に電子レンジから取り出すときに破損し、および/または漏れる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
当技術分野においては、電子レンジで食品を加熱するために必要な温度に耐えることができて、特に電子レンジから容器を取り出す際に容器の破損がない、包装食品に適した容器などの物品を必要としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
1つまたは複数のスチレン系モノマーの約40重量%〜約90重量%;
1つまたは複数のマレイン酸系モノマーの約5重量%〜約45重量%;
6,000を超える数平均分子量を有する1つまたは複数のエラストマーポリマーの約0.1重量%〜約25重量%;および
式CH=CR[式中、RはHまたはC〜Cアルキル基であり、Rは直鎖、分岐または環状のC〜C22アルキルまたはアルケニル基である。]で表される1つまたは複数のモノマーを含む1つまたは複数の低分子量ポリマーの約0.1重量%〜約10重量%(ここで、前記低分子量ポリマーは、400〜6,000の数平均分子量を有し、ヒドロキシ、アミン、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、およびカルボン酸無水物からなる群から選択された1つまたは複数の官能基を場合により含むことができる。)
を含む混合物を重合させることによって形成されたポリマーを含有するポリマー組成物を含有する発泡シートを提供する。
【0011】
本発明はまた、上記のポリマー組成物をポリマー溶融物の形態で提供するステップ;溶融ポリマー組成物中に1つまたは複数の発泡剤のポリマー組成物に対して2〜15重量%を注入するステップ;発泡剤をポリマー組成物と混合するステップ;および発泡剤とポリマー組成物の混合物を押出成形して発泡シートを提供するステップを含む、発泡シートを作製する方法も対象とする。
【0012】
本発明はさらに、上記の発泡シートから成形された食品の電子レンジ加熱に適した容器に加えて、上記の発泡シートから製造された物品を提供する。
【0013】
加えて、本発明は、
1つまたは複数のスチレン系モノマーの約40重量%〜約90重量%;および
1つまたは複数のマレイン酸系モノマーの約5重量%〜約45重量%;
を含む混合物を重合させることによって形成されたコポリマーを含有し、
このコポリマーを、
数平均分子量が6,000を超える1つまたは複数のエラストマーポリマーの約0.1重量%〜約25重量%;および
場合によっては、式CH=CR[式中、RはHまたはC〜Cアルキル基であり、Rは直鎖、分岐または環状のC〜C22アルキルまたはアルケニル基である。]で表される1つまたは複数のモノマーを含む1つまたは複数の低分子量ポリマーの約10重量%以下(ここで、低分子量ポリマーは、数平均分子量が400〜6,000であり、ヒドロキシ、アミン、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、およびカルボン酸無水物からなる群から選択された1つまたは複数の官能基を場合により含むことができる。)
と組み合わせたポリマー組成物を含む発泡シートを熱成形することによって成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施例においてまたは別途に表示する場合を除き、本明細書および特許請求の範囲において使用する、成分の量、反応条件などに関するすべての数または表現は、すべての場合に「約」という用語で修飾されていると解釈するものとする。したがって、反対の表示がない限りは、以下の明細書および添付の特許請求の範囲において示す数値パラメーターは、所望の性質に応じて変化し得る近似値であり、これは本発明が得ようと望むものである。少なくとも、特許請求の範囲と等価な原理の適用を制限する試みとしてではなく、それぞれの数値パラメーターは、少なくとも記載されている有効数字の数に照らし、および通常の丸めの技法を適用して解釈されるべきである。
【0015】
本発明の広い範囲を説明する数値範囲および数値パラメーターは近似値ではあるが、個別の実施例において示される数値は可能な限り正確に記載されている。しかし、どの数値も本質的に、それぞれの試験測定に見られる標準偏差から必然的に生じる、ある程度の誤差を含む。
【0016】
また、本明細書に挙げるどの数値範囲も、そこに包含されるすべての小範囲を包含するものと理解されたい。たとえば、「1〜10」という範囲は、挙げられた最小値1と挙げられた最大値10を含めてその間の(すなわち1以上の最小値を持ち10以下の最大値を持つ)すべての小範囲を包含するものとする。開示されている数値範囲は連続であるので、範囲は最小値と最大値の間のあらゆる値を包含する。別途に明確に表示しない限りは、本出願において指定するさまざまな数値範囲は近似値である。
【0017】
本明細書において使用する「(メタ)アクリル系」および「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリル系誘導体およびメタクリル系誘導体の両方を包含し、たとえば対応するアルキルエステルは、しばしばアクリレートおよびメタクリレートと呼ばれ、「(メタ)アクリレート」という用語は、これを包含することを意味する。
【0018】
本明細書において使用する「ポリマー」という用語は、限定なしに、ホモポリマー、コポリマーおよびグラフトポリマーを包含することを意味する。
【0019】
本明細書において使用する「高衝撃ポリスチレン」という用語は、当技術分野において知られているゴム変性ポリスチレンを示す。また、「結晶ポリスチレン」は、他のポリマー(非限定的な例はゴムである。)を含有していないポリスチレンを示す。
【0020】
本明細書において使用する「スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー」は、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマーおよびゴムを含み、本発明のポリマー組成物の記載によって包含されず、特に本明細書において記載されている低分子量ポリマーを含まないポリマー組成物を示す。
【0021】
別途に指定のない限り、すべての分子量値はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用し、適切なポリスチレン標準物質を使用して測定される。別途に表示のない限りは、本明細書において表示する分子量値は、重量平均分子量(Mw)である。
【0022】
本発明は、発泡シートを対象とする。本明細書において使用する「発泡シート」という用語は、押出成形機の押し出しの方向(機械の方向)に対応する長さ、押し出しの方向に対して直角の方向(横断方向)に対応する幅、および厚みを有するシートを示す。発泡シートは、セル構造を有する熱可塑性プラスチック材料を含有するものとして特徴付けられる。セル構造は、本明細書において後記する工程から生じる。
【0023】
本発明における発泡シートは、1つまたは複数のスチレン系モノマー、1つまたは複数のマレイン系型モノマーを含む重合混合物を重合させ、コポリマーを1つまたは複数のエラストマーポリマーおよび場合によっては、1つまたは複数の低分子量ポリマーと組み合わせることによって形成されるコポリマーを含むポリマー組成物を含有する。
【0024】
スチレン系モノマーは、重合混合物中および/または形成されたコポリマー中に、重合混合物および/または形成されたコポリマーに対して少なくとも40重量%、一部の事例では少なくとも45重量%、他の事例では少なくとも50重量%のレベルで存在し、90重量%まで、一部の事例では85重量%まで、他の事例では80%まで、一部の状況では75%まで存在することができる。スチレン系モノマーは、重合混合物および/または形成されたコポリマー中に、上に挙げたいずれの値のレベルでも存在することができ、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0025】
いずれの適当なスチレン系モノマーでも本発明において使用することができる。適当なスチレン系モノマーは、下記の本発明の発泡シート中で望ましい性質を提供するものである。適当なスチレン系モノマーの非限定的な例には、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、これらの核臭素化または核塩素化誘導体およびこれらの組合せなどがある。
【0026】
マレイン酸系モノマーは、重合混合物および/または形成されたコポリマー中に、マレイン酸系モノマーは、重合混合物および/または形成されたコポリマーに対して少なくとも5重量%、一部の事例では少なくとも10重量%、他の事例では少なくとも15重量%のレベルで存在し、45重量%まで、一部の事例では40重量%まで、他の事例では35重量%まで、一部の状況では30重量%まで存在することができる。マレイン酸系モノマーは、重合混合物および/または形成されたコポリマー中に、任意のレベルで存在することができ、または上に挙げた値の任意の値の間にわたることができる。
【0027】
任意の適当なマレイン酸系モノマーを本発明において使用することができる。適当なマレイン酸系モノマーは、適当なスチレン系モノマーは、下記の本発明の発泡シート中で望ましい性質を提供するものであり、無水物、カルボン酸およびマレイン酸系モノマーのアルキルエステルなどであり、これらにはマレイン酸、フマル酸およびイタコン酸が含まれるが、これらだけには限定されない。適当なマレイン酸系モノマーの具体的で非限定的な例は、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、フマル酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、イタコン酸、イタコン酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、および無水イタコン酸である。
【0028】
エラストマーポリマーは、コポリマーと組み合わされ、本発明の特定の一実施形態においては、重合混合物中に、ポリマー組成物の重量に対して少なくとも0.1重量%、一部の事例では少なくとも0.5重量%、他の事例では少なくとも1重量%、一部の事例では少なくとも2重量%のレベルで存在し、25重量%まで、一部の事例では20重量%まで、他の事例では15重量%まで、一部の状況では10重量%まで存在することができる。エラストマーポリマーは、上に挙げたいずれの値のレベルでも存在することができ、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0029】
任意の適当なエラストマーポリマーを本発明において使用することができる。本発明の一部の実施形態においては、エラストマーポリマーの組合せが所望の性質を達成するために使用される。適当なエラストマーポリマーは、下記に記載する本発明の発泡シート中で望ましい性質を提供し、望ましくは変形された後で元の形状を取り戻す能力があるものである。
【0030】
本発明の一実施形態においては、エラストマーポリマーには、ブタジエンまたはイソプレンまたは他の共役ジエンのホモポリマー、ならびに共役ジエン(非限定的な例はブタジエン、および/またはイソプレンである。)の上記で規定したようなスチレン系モノマーおよび/またはアクリロニトリルとのランダム、ブロック、ABジブロックまたはABAトリブロックコポリマーが含まれるが、これらだけには限定されない。
【0031】
本発明の特定の一実施形態においては、エラストマーポリマーには、スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン、スチレン−イソプレン−スチレン、部分水素化スチレン−イソプレン−スチレンのジブロックおよびトリブロックコポリマーならびにこれらの組合せから選択された1つまたは複数のブロックコポリマーが含まれる。
【0032】
本明細書において使用するブタジエンは、1,3−ブタジエンを示し、重合したときには、得られるポリマー鎖上の反復単位が1,4−シス、1,4−トランスおよび1,2−ビニルの形態をとる反復単位を示す。
【0033】
本発明の一実施形態においては、エラストマーポリマーは、数平均分子量(Mn)が6,000よりも大きく、一部の事例では8,000より大きく、他の事例では10,000よりも大きく、重量平均分子量(Mw)は少なくとも25,000、一部の事例では約50,000以上、他の事例では約75,000以上であり、Mwは500,000まで、一部の事例では400,000まで、他の事例では300,000までであればよい。エラストマーポリマーの重量平均分子量は、上に挙げたいずれの値であってもよく、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0034】
本発明において使用することができる適当なブロックコポリマーの非限定的な例には、Firestone Tire and Rubber Company、Akron OHから入手可能なSTEREON(登録商標)ブロックコポリマー;旭化成社、東京、日本から入手可能なASAPRENE(商標)ブロックコポリマー;Kraton Polymers、Houston、TXから入手可能なKRATON(登録商標)ブロックコポリマー;およびDexco Polymers LP、Houston、TXから入手可能なVECTOR(登録商標)ブロックコポリマーなどがある。
【0035】
低分子量ポリマーはコポリマーと場合により組み合わせて、本発明の特定の実施形態においては、重合混合物中に、ポリマー組成物に対して少なくとも0.1重量%、一部の事例では少なくとも0.25重量%、他の事例では少なくとも0.5重量%、一部の事例では少なくとも1重量%のレベルで存在し、10重量%まで、一部の事例では7.5重量%まで、他の事例では5重量%まで存在することができる。低分子量ポリマーは、上に挙げたいずれの値のレベルでも存在することができ、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0036】
任意の低分子量ポリマーを本発明において使用することができる。本発明の一部の実施形態においては、低分子量ポリマーの組合せが、所望の性質を達成するために使用される。
【0037】
適当な低分子量ポリマーには、望ましくは、共役ジエンを含む、式CH=CR[式中、Rは、HまたはC〜Cアルキル基、一部の事例ではC〜Cアルキル基、一部の事例ではC〜Cアルキル基、他の事例ではメチルであり、Rは、C〜C22、一部の事例ではC〜C18、他の事例ではC〜C12、一部の状況ではC〜C22、他の状況ではC〜C18、一部の状況ではC〜C12、他の状況ではC〜C、一部の事例ではC〜Cの直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアルケニル基である。]による1つまたは複数のモノマーの重合から得られる反復単位を含む。
【0038】
本発明の特定の一実施形態においては、Rがメチルである場合はRはメチルではなく、Rがメチルである場合はRはメチルではない。
【0039】
本発明の一実施形態においては、低分子量ポリマーには、1−ブテン、イソブテン、2−ブテン、イソプレン、ブタジエン、ジイソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、イソプレノール、エチレン、プロピレン、およびこれらの組合せから選択された1つまたは複数のモノマーの重合から得られる反復単位が含まれる。
【0040】
本発明の一実施形態においては、低分子量ポリマーは、ヒドロキシ、アミン、エポキシ、カルボン酸、C〜C12一部の事例ではC〜Cの直鎖、分岐または環状アルキルのカルボン酸エステル、およびカルボン酸無水物から選択された1つまたは複数の官能基を含む。
【0041】
本発明の低分子量ポリマーは、数平均分子量が少なくとも400、一部の事例では少なくとも500、他の事例では少なくとも750、および6,000まで、一部の状況では5,000まで、一部の事例では4,000まで、他の事例では3,000まで、一部の事例では2,000までであればよい。分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用し、ポリスチレン標準物質を使用して測定することができる。低分子量ポリマーの分子量は、上に挙げたいずれの値であってもよく、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0042】
本発明の特定の一実施形態においては、低分子量ポリマーはポリブテンを含む。本発明において使用することができる適当なポリブテンには、AMOCO Chemical Company、Chicago、ILから入手可能なINDOPOL(登録商標)およびPANALANE(登録商標)製品が含まれるが、これらだけには限定されない。
【0043】
本発明の他の一実施形態においては、低分子量ポリマーはポリブタジエンを含む。本発明の低分子量ポリマーとして使用することができる適当なポリブタジエンには、Kaucuk,s.d.、Czech Republicから入手可能なKRASOL(登録商標)製品が含まれるが、これらだけには限定されない。
【0044】
ポリマー組成物は、重合混合物を適当な反応器中においてフリーラジカル重合条件下で重合させることによって調製することができる。低分子量ポリマーは、スチレン系モノマー/マレイン酸系モノマー/エラストマーポリマー供給物に加えることができ、または重合反応容器へもしくはこの中に加えることができ、または部分的に重合したシロップに、これが反応器を出て揮発性成分除去器に入った後で加えることができる。低分子量ポリマーをコポリマー中に配合するすなわち混合することが(コポリマーが揮発性成分除去器を出た後で押出成形機、たとえば二軸スクリュー押出成形機を介して)、(オンラインでもまたはオフラインで別個の操作としてゴム変性SMAコポリマーがペレット化された後でも)、できることも想定されている。
【0045】
本明細書において使用する「揮発性成分除去器」という用語および「揮発性成分除去装置」という用語は、押出成形機および/流下液条フラッシュ揮発性成分除去器を含むあらゆる形状および形式の揮発性成分除去器を含むことを意味する。本明細書で使用する「揮発性成分除去」および「揮発性成分除去ステップ」という用語は、押出成形機および/流下液条フラッシュ揮発性成分除去器を含むことができる工程を示すことを意味する。
【0046】
本発明の一実施形態においては、低分子量ポリマーは、エラストマーポリマー、スチレン系モノマーおよびマレイン酸系モノマーの反応混合物に、本発明によって作られるポリマー組成物、発泡シートおよび物品の強靭さ、伸び、および熱変形抵抗性の諸性質を向上させるための揮発性成分除去ステップの前に加えられる。このポリマー組成物は、従来技術の樹脂が脆すぎるおよび/または熱変形抵抗性が不適切であると分かっている用途において使用することができる。たとえば、本明細書において先に論じたように、従来技術のゴム変性スチレン系/無水マレイン酸樹脂で作られた包装食品用容器が電子レンジ中で210°Fよりも高い温度に加熱される場合には、この容器は一般にレンジから取り出すときに破損する。今では本発明の発泡シートが、通常の使用法の下では容器が破損することのないこれらの種類の容器の作製において使用することができる。
【0047】
本発明のポリマー組成物におけるこの向上の理由は明らかではなく、また本発明者らはいかなる特定の理論にも束縛されたくはない。しかし、スチレン系モノマー/マレイン酸系モノマー/エラストマーポリマーの組合せへの(揮発性成分除去前の)低分子量ポリマーの添加が、低分子量ポリマーを、これがエラストマーポリマー成分の性質を高めるように、分配させると考えられている。言い換えれば、低分子量ポリマーはエラストマーポリマーへ引き付けられ、これを取り囲んでこの中に移動する方へ向かい、スチレン系/マレイン酸系モノマー成分を形成する方には(スチレン系/マレイン酸系モノマーマトリックスの高い極性を考慮すると)向かわないと考えられている。対照的に、特に米国特許第5543461号の教示によって使用される低分子量ポリマーは、ポリスチレンおよびゴム成分に同伴してマトリックス中に分配されると理論付けされている。
【0048】
米国特許第5543461号は、ゴム変性熱可塑性プラスチック組成物は、ゴム変性されたスチレン/無水マレイン酸コポリマーおよびポリブテンでよいと教示している。しかし、この‘461号特許の実施例は、高衝撃ポリスチレン(HIPS)およびESCRの向上だけしか例示しておらず、両方の実施例および‘461号特許の教示は、本明細書で記載しているような強靭性を高めることまたは発泡シートの製造に関してはまったく触れていない。
【0049】
したがって、米国特許第5543461号は、ポリブテンが1〜4重量%の範囲にわたり、ゴム粒子サイズが6〜12ミクロンの範囲にわたると教示している。本発明者らは、本発明のポリマー組成物において使用するゴム粒子サイズは、所望の性質を提供するために望ましくは6ミクロン未満であることを見出した。
【0050】
本発明のポリマー組成物は、いずれも当業者には知られている重合技法または配合技法によって調製することができる。
【0051】
低分子量ポリマーを反応器中、または反応器を出て、揮発性成分除去器に入る前のシロップ中に添加することが、揮発性成分除去器およびペレタイザーの後にまたは揮発性成分除去器の後でペレタイザーの前に押出成形機中でポリブテンをポリマーに添加する配合技法におけるポリブテンの添加と比較して、強靭性、伸び、および変形抵抗性の諸性質のをより向上させることが見出され、これについてこれ以上は本明細書の後段においてさらに詳細に論じる。
【0052】
本発明のポリマー組成物の成分の重合において使用される重合技法は、溶液重合、マス重合、塊状重合、懸濁重合、または乳化重合でよい。本発明の一実施形態においては、塊状重合法が使用される。
【0053】
ポリマー組成物は、スチレン系モノマー、マレイン酸系モノマー、およびエラストマーポリマーを適当な反応器中のフリーラジカル重合条件下で反応させ、反応混合物に低分子量ポリマーを添加することによって調製することができる。望ましくは、スチレン系モノマーおよびエラストマーポリマーに、マレイン酸系モノマーを連続的にほぼ反応速度で撹拌された反応器に加えて、均一なマレイン酸系モノマーレベルを有するポリマー組成物を形成させる。
【0054】
重合混合物の重合は、一般に50℃〜200℃、一部の事例では70℃〜150℃、他の事例では80℃〜140℃の熱重合によって遂行することができる。代わりに、フリーラジカルを発生させる開始剤を使用することもできる。
【0055】
使用することができるフリーラジカル開始剤の非限定的な例には、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロ過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、tert−ブチル過安息香酸、過酸化ジクミル、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルペルオキシピバレート、メチルエチルケトンペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリルおよびこれらの混合物などがある。
【0056】
一般に、開始剤は、モノマーおよび所望の重合サイクルに応じて、重合混合物の0.001〜1.0重量%、一部の事例では0.005〜0.5重量%程度の範囲で含まれる。
【0057】
本発明の一実施形態においては、ポリマー組成物は、重合混合物に対して式
【0058】
【化2】

[式中、RはC4〜6t−アルキル基から選択され、Rはネオペンチル基である。]
の四官能性ペルオキシド開始剤の0.01〜0.1重量%の存在下で、架橋剤を存在させない溶液重合または塊状重合によって調製される。本発明の特定の一実施形態においては、四官能性開始剤は、テトラキス−(t−アミルペルオキシカルボニルオキシメチル)メタン、およびテトラキス−(t−ブチルペルオキシカルボニルオキシメチル)メタンからなる群から選択される。
【0059】
一部の事例では、必要な開始剤の全量を原料と同時に、原料を反応器に導入するときに加える。
【0060】
当技術分野において知られている慣用の添加物、たとえば安定剤、酸化防止剤、潤滑剤、充填剤、顔料、可塑剤などを重合混合物に添加することができる。所望であれば、少量の酸化防止剤、たとえばアルキル化フェノール、たとえば2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、トリノニルフェニルホスファイトなどのホスフェートならびにトリ(モノおよびジノニルフェニル)ホスフェートを含有している混合物を供給流中に含ませることができる。こうした材料は、一般に、重合工程中の任意の段階で加えることができる。
【0061】
本発明のポリマー組成物の製造において使用することができる重合反応器は、前述の米国特許第2769804号および第2989517号で開示されているものと類似であり、これらの特許の教示全体を参照により本明細書に組み入れる。これらの構成は、連続方式における、ビニリデン化合物、特にモノビニル芳香族化合物、すなわちスチレンの固体で金型成形可能なポリマーおよびコポリマーの製造のために適合されている。これらの2つの配列のうちでは、米国特許第2769804号のものが特に望ましい。さらに、本発明のポリマー組成物は、米国出願公開第2005/0020756号で開示されているように調製することができる。
【0062】
一般に、米国特許第2769804号の配列は、重合反応容器に接続されたモノマーまたは原料用の1つまたは複数の入口を備えている。反応容器は、ジャケットを経由した温度制御流体の流路用の入口と出口を有するジャケット、および機械式の撹拌機で取り囲まれている。バルブ付の流路が容器の下部から揮発性成分除去器に接続しており、揮発性成分除去器は形成されて容器を出た樹脂から揮発性成分を連続的に蒸発させて除去するための当技術分野において知られている装置ならいずれでもよい。たとえば、揮発性成分除去器は、その中を加熱された樹脂材料の細い流れが通過する真空室、または真空室の内部で加熱されたポリマーを粉砕する一組のロールなどでよい。反応器には熱可塑化されたポリマーを反応器から揮発性成分除去器まで排出するためのギアポンプなどの通常の手段が備えられている。ベーパー流路が揮発性成分除去器からコンデンサーまで接続しており、コンデンサーはベーパーを凝縮させて、回収された揮発性成分、たとえばモノマー材料を通常は液体状態でリサイクル流として戻す。
【0063】
一般に、ポリマー組成物を製造する配列は少なくとも3つの装置を含む。これらは、1つまたは複数の反応容器を含み得る重合反応容器集合体、揮発性成分除去器系、およびペレタイザーである。本明細書の上記で論じたように、本発明による一部の実施形態は、低分子量ポリマーは3ヵ所、すなわち反応容器;反応容器の後で揮発性成分除去器系の前;またはペレット化押出成形機のうちの1ヵ所でポリマーに添加され、ここでポリブテンのポリマー中への配合または混合が起こる諸工程を利用する。
【0064】
より詳細には、本発明のポリマー組成物を調製する第1の方法は、成分すなわち低分子量ポリマー、マレイン酸系モノマー、エラストマーポリマー、および場合によっては酸化防止剤の溶液を調製すること、およびこの溶液をスチレン系モノマーに溶解させ、次いでこれを連続的に、先行するパラグラフで記載したものに類似のタービン撹拌機を備えた、重合反応容器に供給することである。開始剤は第2の流れとして反応容器に添加すればよい。反応器は、内容物が十分に混合されるように撹拌し、反応器のジャケット中を流れる冷却流体によって温度を維持する。出口流は、連続的に揮発性成分除去器中へ供給し(第1押出成形機)、最終生成物はペレット化する。
【0065】
第2の方法は、低分子量ポリマーおよびスチレン系モノマー、マレイン酸系モノマー、およびエラストマーポリマー供給物を個別に重合反応容器に加えること、および次いで供給物を低分子量ポリマーおよびエラストマーポリマーの存在下で重合させ、続いて反応容器を出る流れの揮発性成分の除去を行うことを含む。最終生成物は、揮発性成分除去系の後でペレット化すればよい。
【0066】
第3の方法は、マレイン酸系モノマーおよびエラストマーポリマーのスチレン系モノマー中溶液を形成させること、この溶液をスチレンモノマーと共に重合反応容器中に連続的に供給して部分的に重合したスチレン系シロップを生成させること、および低分子量ポリマーをこの部分的に重合したシロップに、これが反応容器を出るときに、このシロップが揮発性成分除去器系に入る前に加えることを含む。最終生成物は、揮発性成分除去系の後でペレット化すればよい。
【0067】
第4の方法は、マレイン酸系モノマーおよびエラストマーポリマーのスチレン系モノマー中溶液を形成させること、この溶液をスチレンモノマーと共に重合反応容器中に連続的に供給して部分的に重合したスチレン系シロップを生成させること、重合反応容器を出る流れの揮発性成分を除去すること、および低分子量ポリマーをこのポリマー流に、(ペレット化に続くインライン押出機中でまたはゴム変性スチレン系モノマー−マレイン酸系モノマーのコポリマーがペレット化された後で個別の押出ステップ中に)配合するすなわち混合することを含む。
【0068】
第5の方法はマレイン酸系モノマーおよびスチレン系モノマーのコポリマーを形成させること、および続いてエラストマーポリマーおよび場合により低分子量ポリマーを、コポリマー中に配合することを含む。
【0069】
重合は一般に20〜95%の転化率で起こる。
【0070】
通常、重合工程により、スチレン系およびマレイン酸系モノマーは共重合して連続相を形成し、エラストマーポリマーは分散相に存在する。本発明の一実施形態においては、連続相中のポリマーの少なくとも一部は、分散相中のエラストマーポリマー上にグラフトされている。
【0071】
本発明の一実施形態においては、分散相は連続相内に分散している不連続な粒子として存在する。さらにこの実施形態に関しては、連続相中の分散粒子相の体積平均粒子サイズは少なくとも約0.1μm、一部の事例では少なくとも0.5μm、他の事例では少なくとも1μm、である。また、一部の事例ではさらに、連続相中の分散相の体積平均粒子サイズは約11μmまで、一部の事例では6μmまで、他の事例では5.5μmまで、一部の事例では5μm、一部の事例では4μmまででよい。連続相中の分散相の粒子サイズは、上に挙げたいずれの値であってもよくまたは上に挙げた値のいずれ後の間にわたることができる。
【0072】
本発明の他の一実施形態においては、不連続粒子のアスペクト比は少なくとも約1から、一部の事例では少なくとも約1.5、他の事例では少なくとも約2であり、約5まで、一部の事例では約4まで、他の事例では少なくとも約3まででよい。分散不連続粒子のアスペクト比は、上に挙げたいずれの値であってもよく、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。非限定的な例としては、アスペクト比は走査(型)電子顕微鏡または光散乱によって測定することができる。
【0073】
分散相の平均粒子サイズおよびアスペクト比は、小角光散乱を使用して測定することができる。非限定的な例として、堀場製作所、京都、日本から入手可能なModel LA−910 Laser Diffraction Particle Size Analyzerを使用することができる。非限定的な例として、ゴム変性ポリスチレンサンプルをメチルエチルケトン内に分散させることができる。次いで、懸濁しているゴム粒子をガラスセルに入れて光を散乱させる。セル中の粒子から散乱した光は、集光レンズを通過させてサンプルセルの周囲にある検出器によって電気信号に変換することができる。非限定的な例として、He−Neレーザーおよび/またはタングステンランプを使用して、より波長の短い光を供給することができる。粒子サイズの分布は、Mie散乱理論に基づいて散乱光の角度測定から計算することができる。
【0074】
上記の工程から得られるコポリマーは、重量平均分子量(Mw、GPCをポリスチレン標準物質と共に使用して測定)が、少なくとも20,000、一部の事例では少なくとも35,000、他の事例では少なくとも50,000を有することができる。また、得られるポリマーのMwは、1,000,000まで、一部の事例では750,000まで、他の事例では500,000までになることができる。得られるポリマーのMwは、上に挙げたいずれの値であってもよく、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0075】
本発明によるポリマー組成物は、100℃よりも高い、一部の状況では110℃よりも高い、他の状況では115℃よりも高い、一部の事例では117.5℃よりも高い、他の事例では119℃よりも高い、一部の事例では120℃よりも高い、および135℃まで、一部の事例では130℃までであることができるビカット(VICAT)軟化温度を有することを特徴とすることができる。ビカット軟化温度は、ASTM−D1525によって測定することができる。ビカット軟化温度は、上に挙げたいずれの値であってもよく、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0076】
発泡シートを成形するためには、上記のポリマー組成物は、通常はポリマー組成物をこれの溶融温度を超えて加熱することによって、ポリマー溶融物の形態で準備する。発泡剤は溶融ポリマー組成物中に注入し、ポリマー組成物中に混合し、次いで発泡剤およびポリマー組成物の混合物を押出成形して発泡シートを成形する。
【0077】
本発明の一実施形態においては、本発明のポリマー組成物および1つまたは複数の他のポリマーを含む、配合された混合物を使用することができる。本発明のポリマー組成物と混合することができる適当な他のポリマーには、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、PETなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、およびエチレン−プロピレンコポリマーなど)、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せなどがあるが、これらだけには限定されない。
【0078】
前記混合物を使用する場合は、この混合物は、これを基準にして本発明のポリマー組成物の少なくとも10重量%、一部の事例では少なくとも25重量%、他の事例では少なくとも35重量%、および90重量%まで、一部の事例では75重量%まで、他の事例では65重量%までを含む。また、この混合物は、これを基準にして他のポリマーの少なくとも10重量%、一部の事例では少なくとも25重量%、他の事例では少なくとも35重量%、および90重量%まで、一部の事例では75重量%まで、他の事例では65重量%までを含む。混合物中の本発明のポリマー組成物および他のポリマーの量は、得られる発泡シートおよび/または成形物品において所望する性質に基づいて決定する。混合物中の本発明のポリマー組成物および他のポリマーの量は、上に挙げたいずれの値であってもよく、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0079】
通常、発泡剤はポリマー組成物または混合物に、ポリマー組成物に対して少なくとも2重量%、一部の事例では少なくとも2.5重量%、他の事例では少なくとも3重量%、一部の事例では少なくとも4重量%のレベルで添加され、一方、多くとも15重量%まで、一部の事例では12.5重量%まで、他の事例では10重量%まで添加されてよい。使用する発泡剤の量は、上に挙げたいずれの値であってもよく、または上に挙げた値のいずれの値の間にわたることができる。
【0080】
いずれの適当な発泡剤でも、これらが押出成形条件下で膨張し蒸発して、発泡シート中で以下に論じるような所望のセル構造を形成する限りは、本発明において使用することができる。
【0081】
本発明において使用することができる適当な発泡剤には、窒素、六フッ化イオウ(SF)、アルゴン、二酸化炭素、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a),1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、ジフルオロメタン(HFC−32)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、フルオロエタン(HFC−161)および1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、アゾジカーボンアミド、アゾジイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、トリヒドラジノトリアジン、クエン酸および重炭酸ナトリウムの混合物、ならびにこれらの組合せなどがあるが、これらだけには限定されない。
【0082】
ポリマー組成物または混合物は従来の押出成形発泡機器を使用して発泡させることができる。押出成形機は、背中合わせ型、またはポリマーを溶融し発泡剤を注入する第1もしくは一次ゾーンおよび第2の押出成形機もしくは第2のゾーンを少なくとも有するマルチゾーン押出成形機でよい。
【0083】
非限定的な例として、一次押出成形機または一次ゾーンにおいてポリマー溶融物は約425゜F〜450゜F(約218℃〜232℃)の温度に維持されていればよい。ポリマーが溶融されたら発泡剤を一次押出成形機または一次ゾーン終端の溶融物に注入する。一次押出成形機または一次ゾーンには、発泡剤のポリマー溶融物との完全な混合を促進するための高せん断ゾーンがある。こうしたゾーンは多数のピン式ミキサーを含んでいてもよい。
【0084】
溶解または分散している発泡剤を含有するポリマー溶融物は、次いで(非限定的な例として、269゜F〜290゜F(約132℃〜143℃)の溶融物温度に維持されて)一次押出成形機から二次押出成形機に供給されるかまたは押出成形機中の一次ゾーンから二次ゾーンへ進む。二次押出成形機または二次ゾーンでは、ポリマー溶融物および同伴する発泡剤は、深い翼を有し、ポリマー溶融物に対して低いせん断を及ぼすオーガースクリューの動作によって押出成形機の胴を通過する。ポリマー溶融物は、冷却流体(通常は押出成形機の胴の周りを循環するオイル)によって冷却される。一般に溶融物は約250゜F〜約290゜F(約121℃〜143℃)の温度まで冷却される。
【0085】
本発明の一実施形態においては、発泡剤はCOの30〜95、一部の事例では70〜95、他の事例では80〜90重量%、およびC1〜2ハロゲン化アルカン、およびC4〜6アルカンから選択された1つまたは複数の化合物の70〜5、一部の事例では30〜5、他の事例では20〜10重量%を含むことができる。適当なC1〜2ハロゲン化アルカンには、クロロフルオロカーボン(CFC);ヒドロフルオロカーボン(HFC)およびヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)たとえばトリクロロフルオロメタン(CFC−11);ジクロロジフルオロメタン(CFC−12);トリクロロトリフルオロエタン(CFC−113);ジクロロテトラフルオロエタン(CFC−114);ジクロロフルオロメタン(CFC−21);ジクロロジフルオロメタン(HCFC−22);ジフルオロメタン(HFC−32);2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロメタン(HCFC−124);ペンタフルオロエタン(HFC−125)1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124);1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCHC−141b);1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b);トリフルオロエタン(HFC−143a);1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a);テトラフルオロエタン(HFC−134a);ならびにジクロロメタンが含まれる。しかし、環境上の懸念のために、ハロゲン化されていないアルカンたとえばC4〜6アルカンたとえばブタン、ペンタン、イソペンタン、およびヘキサンなどを使用することが望ましい。発泡剤系は、ポリマーの重量を基準にして2〜15、一部の事例では2〜10、他の事例では約3〜8重量%の量で使用することができる。
【0086】
押出成形機内の圧力は、発泡剤をポリマー溶融物中に保持するのに十分でなければならない。通常、発泡系が注入された後の溶融物中の圧力は、COについては約1500〜3500psi、一部の事例では約2000〜約2500である。COと他の発泡剤は、個別に溶融物中に注入することができる。これをする場合は、しばしばアルカンおよび/またはハロゲン化アルカンはCOの上流で注入される(これらの種類の発泡剤はポリマー溶融物に対する可塑化効果を有し、これはCOが溶融物中に入り込みやすくするので)。アルカン発泡剤およびCOは、米国特許第4424287号で開示されているように、押出成形機中への注入の前に混合することもできる。
【0087】
ポリマー全体にセルのサイズおよび/または分布を改善するために、核形成剤の少量をポリマー混合物または溶液中に組み入れることができる。これらの剤はタルクなどの物理剤でよくあるいは少量のCOを放出する剤たとえばクエン酸およびこれのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩ならびにアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸塩であってもよい。こうした剤は、ポリマー溶融物または混合物を基準にして約500〜5,000ppm、通常は約500〜2,500ppmの量で使用することができる。
【0088】
本発明において使用することができる核形成剤には、炭酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、タルク、粘土、二酸化チタン、シリカ、珪藻土、クエン酸および重炭酸ナトリウムの混合物、ならびにこれらの組合せが含まれるが、これらだけには限定されない。核形成剤は、押出成形の前にポリマー組成物に加える。
【0089】
ポリマー溶融物または混合物は、当技術分野において知られている従来の添加物たとえば熱安定剤および光安定剤(たとえばヒンダードフェノールおよびホスファイトまたはホスホナイト安定剤)を、ポリマー混合物または溶液に対して通常約2重量%未満の量で含有することもできる。
【0090】
他の添加物を本発明による発泡シート用ポリマー組成物中に添加および/または配合することができる。適当な添加物の他の例は、柔軟化剤;可塑剤、たとえばクマロン−インデン樹脂、テルペン樹脂、およびポリマー100重量部に対して約2重量部以下の量のオイル;色素、顔料;ブロッキング防止剤;滑り剤;潤滑剤;着色料;酸化防止剤;紫外線吸収剤;充填剤;静電防止剤;耐衝撃性改良剤である。顔料は白色でも他のいずれの色でもよい。白色顔料は酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カドミウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、その他またはこれらの任意の組合せを、使用する白色顔料によるが、0.1〜20重量%の量で使用することによって製造することができる。着色顔料は、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、コンゴレッド、チタンイエローまたは印刷業界で知られている任意の他の着色料によって製造することができる。
【0091】
ブロッキング防止剤、滑り剤または潤滑剤の例としては、シリコーンオイル、流動パラフィン、合成パラフィン、鉱油、ワセリン、石油ワックス、ポリエチレンワックス、水素化ポリブテン、高級脂肪酸およびこれらの金属塩、直鎖脂肪アルコール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、モノヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコールの脂肪酸エステル、フタル酸エステル、水素化ヒマシ油、蜜蝋、アセチル化モノグリセリド、水素化マッコウクジラ油、エチレンビス脂肪酸エステル、ならびに高級脂肪アミドがある。有機ブロッキング防止剤は、0.1〜2重量%で変動する量で添加することができる。
【0092】
静電防止剤の例は、グリセリン脂肪酸、エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、クエン酸ステアリル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルである。静電防止剤は、0.01〜2重量%の範囲にわたってもよい。潤滑剤は、0.1〜2重量%の範囲にわたってよい。難燃剤は、0.01〜2重量%の範囲にわたり;紫外線吸収剤は、0.1〜1%の範囲にわたり;酸化防止剤は0.1〜1重量%の範囲にわたる。
【0093】
充填剤、たとえばタルク、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、金属粉末、ガラス球、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、粘土、二酸化チタン、珪藻土およびグラスファイバーは、コストを低減するためにまたはフィルムもしくはシートに所望の性質を付け加えるために、ポリマー組成物中に組み入れることができる。充填剤の量は、望ましくはポリマー組成物の全重量の10重量%未満である(この量が温度を加えたときのフィルムまたはシートの収縮性を変えない限りは)。
【0094】
本発明の発泡シート用のポリマー組成物は、耐衝撃性改良剤を含むことができる。耐衝撃性改良剤の例には、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/ブテン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/エチレンコポリマーなどがある。使用される耐衝撃性改良剤は、通常ポリマーの全重量の0.5〜25重量%の範囲内である。
【0095】
発泡体は一般に、大気圧で押出成形され、溶融物に対する圧力が開放される結果、溶融物は発泡する。発泡体は通常、ポリマー組成物のガラス転移温度よりも低い約25℃未満の周囲温度まで冷却され、発泡体は安定化される。
【0096】
本発明の一実施形態においては、発泡体は比較的厚い板(通常厚み約1〜3インチ)としてローラー上に押出成形される。この実施形態においては、発泡体の密度は2〜15 lb/ft(約0.03〜0.24g/cm)で異なりうる。板は適当な長さ(8フィート)に切断され、一般に建設産業で使用される。
【0097】
本発明の他の一実施形態においては、より薄い、通常約15〜約300ミルの厚みの発泡シートを板としてまたは薄肉管として押出成形することができ、これは拡大管状マンドレル上で拡大および配向させて発泡管を製造し、これはシートを製造するためのスリットである。これらの比較的薄いシートは、通常3日または4日寝かせ、次いで熱成形してコーヒーカップ、肉トレーまたは「貝殻」または電子レンジで食品または液体を加熱することに使用するのに適した他の容器などの物品とする。
【0098】
さらにこの実施形態については、発泡シートは少なくとも15、一部の事例では少なくとも20、他の事例では少なくとも30、一部の事例では少なくとも50ミルの厚みでよく、300まで、一部の事例では250まで、他の事例では200、一部の事例では150まで、他の事例では125ミルの厚みまででよい。発泡シートの厚みは意図する最終使用および所望の性質によって決められる。発泡シートの厚みは上に挙げたいずれの値であってもよく、または上に挙げた値のいずれ値の間にわたることができる。
【0099】
具体的には、所望の温度に達したら、発泡シートは知られている工程たとえば(プラグが発泡シートを所望の形状の金型の中へ押しつける。)プラグ補助熱成形によって所望の形状に成形される。所望の形状を金型成形するために空気圧および/または真空を使うこともできる。
【0100】
本発明の一実施形態においては、熱成形された物品が食品を包装するために使用され、上記の工程の1つまたは複数が、保護された環境中および/または無菌の環境中および/または大気中で行われる。
【0101】
食品または消耗品液体を包装するために使用する場合は、熱成形された物品は自動閉鎖式でもよくまたは容器および別個の閉鎖体を含んでもよい。このように、本発明の一実施形態においては、食品または消耗品液体を容器に入れて容器を閉じる。場合によっては、容器は、次いで当技術分野で知られている適当な材料でシュリンクラップすることができる。望ましくは、シュリンクラップはこの表面に印刷することができる。あるいは、少なくとも容器の少なくとも一部分を覆うラベルをこの上に張ることができる。
【0102】
特定の一実施形態においては、ラベルは容器を成形する前に熱成形機の中に置かれて成形された容器に接着される。
【0103】
本発明の一実施形態においては、上記の発泡シートは、少なくとも5,000psi、一部の事例では少なくとも6,000psi、他の事例では少なくとも7,000psi、一部の事例では少なくとも8,000psi、他の事例では少なくとも10,000psiの発泡シート曲げ弾性率を有する。
【0104】
発泡シートの曲げ弾性率は、標準化された試験片を使用して測定され、この試験片はASTM D−790に記載されているものに類似の制御された条件下でInstron Corporation、Canton、MAから入手可能なInstron Load Frame (4204または4400)(付属品付)を使用して3点曲げされる。荷重とたわみのデータを集めて評価する。線形領域における荷重−たわみ曲線の勾配がこの材料の剛性すなわち硬性の尺度である。発泡シート材料は、特徴的に異方性であり、機械すなわち「引き倒す」方向および横断すなわち「シートを横切る」方向の両方で評価される。曲げ剛性は材料が曲げ変形を受けたときの初期の線形挙動である。剛性は曲線の初期の線形部分の勾配の個別の値によって定量化される。弾性率は、厚みに対して正規化された荷重−たわみ曲線の勾配である。使用する試験条件:(a)支点間距離:1.5インチ、(b)クロスヘッド速度:1インチ/分、(c)試料長さ:4インチ。
【0105】
本発明の他の一実施形態においては、上記の発泡シートはいずれも1つまたは複数の材料と共に共押出成形またはラミネートして、この材料が1層(キャップ層)をなし発泡シートが第2の層をなす2層構造または発泡シートが中間層に含まれこの材料が外側の2層に含まれるサンドイッチ構造の発泡シートを成形することができる。共押出成形またはラミネートすることができる材料は、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、PETなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、およびエチレン−プロピレンコポリマーなど)、ポリフッ化ビニリデン、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマーたとえばBP Chemicals Inc.、Cleaveland、OhioからBAREX(登録商標)の商標で入手可能なもの、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せから選択することができる。
【0106】
より詳しくは、上記の方法は、発泡シートの上面の少なくとも一部分を覆って、固体シートのキャップ層を押出成形またはラミネートするステップを含むことができる。
【0107】
あるいは、上記の方法は、サンドイッチ構造の発泡シートを成形するために、発泡シート上面の少なくとも一部分を覆って上層を押出成形またはラミネートするステップおよび発泡シート底面の少なくとも一部分を覆って底層を押出成形またはラミネートするステップを含むことができる。
【0108】
上記のように、本発明は、上記の発泡シートの任意のものを、物品を成形するために熱成形することによって成形された物品を提供する。発泡シートの性質の故に、これらの物品は食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器を含むことができる。
【0109】
本発明から得られる容器は、食品を包装するために適当であり、容器の破損、変形または漏れを伴うことなく、食品を電子レンジで加熱するために必要な温度に耐えることができる。さらに、これらの容器は、特に容器を電子レンジから取り出すときに、形状を維持する。
【0110】
発泡シートが上で論じたように共押出成形されたときに得られる多層容器も、食品の電子レンジ加熱において使用するのに適当であり、望ましい性質の同じ種類を有する。
【0111】
本発明は、以下の実施例を参照することによってさらに説明される。以下の実施例は、単に本発明の例示をするものであり、限定的であることを意図するものではない。別途に表示の無い限りは、すべてのパーセンテージは重量による。
【実施例】
【0112】
実施例においては、形成された樹脂は試験試料に射出成形され、これらを以下の方法によって試験した。破損時伸びはASTM−D638によって測定した;ノッチ付アイゾッド衝撃値はASTM−D256によって測定した;ビカット熱変形温度(軟化点)はASTM−D1525によって測定した:荷重たわみ温度(DTUL)はASTM−D648により70℃でアニールされた試料について264psiの曲げ応力で測定した;機器による衝撃値はASTM D−3763、直径38mmの穴開きクランプ付、によって測定した。結果は以下の表に示す。
【0113】
実施例1
この実施例は、ポリスチレンから調製した発泡シートを本発明によって調製した発泡シートと比較する。ポリスチレン(サンプルA、比較例)は、88,100のMn、339,300のMw、97.9℃のTg、108℃のビカットを有しており、ステアリン酸亜鉛0.1重量%を用いて加工した。
【0114】
本発明による発泡シート用の配合物(サンプルB、本発明)は:
スチレン 68.4%
無水マレイン酸 8.0%
ポリブタジエンゴム 14.8%
SBSゴム 4.5%
ポリブテンH−100 4.0%
ANOX(商標)PP18 0.3%
INDOPOL(登録商標)H−100、AMOCO Chemicl Company、Chicago、ILから入手可能。
【0115】
酸化防止剤、Great Lakes Chemical Co.、Indianapolis、INから入手可能。
【0116】
無水マレイン酸、ポリブテンH−100、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー(SBS)ゴム、およびANOX(商標)PP18(オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含有している溶液をスチレンモノマー中に溶解させ、次いで米国特許第2769804号に記載されているものと類似のタービン撹拌機を備え、完全に満たされた重合反応器に連続的に供給した。過酸化ベンゾイル開始剤、主流の0.01%を、別個の流れで反応器に加えた。反応器を十分に混合されるように撹拌した。反応中のマスを反応器のジャケットを通じて冷却することによって126℃に維持した。反応器中の平均滞留時間は2.7時間であった。出口流は52%のポリマーを含有しており、次いで揮発性成分除去器に連続的に供給し、ここで未反応のモノマーを除去した。得られた樹脂は8%の無水マレイン酸、14.8%のポリブタジエンゴム、4.5%のSBSゴムおよび4%のポリブテンを含有していた。ポリブテンの一部は揮発性成分除去工程で除去された。最終生成物はペレット化し、試験試料に金型成形し、上で概要を述べた方法を使用して試験を行った。
【0117】
このサンプルについて以下の結果が得られた:
Mw 183,000
破損時伸び 12.7%
ノッチ付アイゾッド衝撃値 5.15ft lb/in
ビカット熱変形温度 119.4℃
ポリスチレンサンプルおよび本発明によるゴム変性スチレン−無水マレイン酸コポリマーは、以下の条件を使用して押出成形した。発泡剤はHFC−134aであり、約5%で、約150ミルの押出成形された発泡体の厚み、ブローアップ比4:1ならびに3μmARTIC MIST(登録商標)Talc(Luzenac,Inc.、Oakville、Ontario)およびReedy International Corp.、Keyport、NJから入手可能なSAFOAM(登録商標)PMBの50/50混合物を含む核形成パッケージと共に使用した。樹脂は約140 lb/h、核形成剤は約1 lb/h、発泡剤は約7 lb/hで供給し、一次押出成形機温度は370゜F、430゜F、および450゜F、二次押出成形機温度は212゜F、255゜F、および265゜Fであった。
【0118】
得られたシートの性質を以下の表に示す。
【0119】
【表1】

【0120】
サンプルAおよびBから容器を熱成形し、耐環境応力亀裂性(ESCR)を、表に記載の品目を容器に入れて内容物を600ワット電子レンジの高設定で表示の時間電子レンジに掛けることによって、評価した。合格は容器に穴が開かなかったことを示す。不合格は穴が開いて物が容器から漏れたことを示す。サンプルA(図1)およびサンプルB(図2)の発泡シートの断面の顕微鏡写真は、サンプルの発泡体の構造を示す。結果を下の表に示す。
【0121】
【表2】

【0122】
結果は、本発明によって作製された発泡シートはポリスチレンに匹敵する物理的性質を有するが、本発明の発泡シートから作製された容器は電子レンジ中で使用する容器としてより優れた性質を有することを実証している。
【0123】
実施例2
無水マレイン酸4.2%、ポリブテンH−1001.6%、ブタジエンゴム7.5%、およびANOX(商標)PP180.16%を含有している溶液をスチレンモノマーに溶解させ、次いで米国特許第2769804号に記載されているものと類似のタービン撹拌機を備え、完全に満たされた重合反応器に連続的に供給した。過酸化ベンゾイル開始剤、主流の0.01%を、別個の流れで反応器に加えた。反応器を十分に混合されるように撹拌した。反応中のマスを反応器のジャケットを通じて冷却することによって126℃に維持した。反応器中の平均滞留時間は2.7時間であった。出口流は52%のポリマーを含有しており、次いで揮発性成分除去器に連続的に供給し、ここで未反応のモノマーを除去した。得られた樹脂は8%の無水マレイン酸、15%のポリブタジエンゴム、および2.5%のポリブテンを含有していた。ポリブテンの一部は揮発性成分除去工程で除去された。最終生成物はペレット化した。
【0124】
ペレットは以下の条件を使用して押出成形することができる。発泡剤はn−ペンテンであり、約5%で、約150ミルの押出成形された発泡体の厚み、ブローアップ比4:1ならびに3μmARTIC MIST(登録商標)TalcおよびReedy International Corp.、Keyport、NJから入手可能なSAFOAM(登録商標)PMBの50/50混合物を含む核形成パッケージと共に使用する。樹脂は約140 lb/hr、核形成剤は約1 lb/hr、発泡剤は約7 lb/hrで供給し、一次押出成形機温度は370゜F、430゜F、および450゜F、二次押出成形機温度は212゜F、255゜F、および265゜Fである。発泡シートを製造し、これを電子レンジにおいて使用する容器に熱成形する。
【0125】
実施例3−7
無水マレイン酸、低分子量ポリブタジエン(またはポリブテン)、およびスチレン−ブタジエンゴムを含有している溶液を以下の表に示すようにスチレンモノマーに溶解させ、次いで米国特許第2769804号に記載されているものと類似のタービン撹拌機を備え、完全に満たされた重合反応器に連続的に供給した。t−ブチルペルオクトエートA(t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート)、主流に対して120ppmを、別個の流れで反応器に加えた。反応器を十分に混合されるように撹拌した。反応中のマスを反応器のジャケットを通じて冷却することによって126℃に維持した。反応器中の平均滞留時間は2.7時間であった。出口流は52%のポリマーを含有しており、次いで揮発性成分除去器に連続的に供給し、ここで未反応のモノマーを除去した。最終生成物はペレット化した。
【0126】
【表3】

【0127】
これらのサンプルについては以下の結果が得られた。
【0128】
【表4】

【0129】
ペレットは以下の条件を使用して押出成形することができる。発泡剤はn−ペンテンであり、約5%で、約150ミルの押出成形された発泡体の厚み、ブローアップ比4:1ならびに3μmARTIC MIST(登録商標)TalcおよびReedy International Corp.、Keyport、NJから入手可能なSAFOAM(登録商標)PMBの50/50混合物を含む核形成パッケージと共に使用した。樹脂は約140 lb/h、核形成剤は約1 lb/h、発泡剤は約7 lb/hで供給し、一次押出成形機温度は370゜F、430゜F、および450゜F、二次押出成形機温度は212゜F、255゜F、および265゜Fであった。発泡シートを製造し、これを電子レンジにおいて使用する容器に熱成形する。
【0130】
実施例8−12
実施例1からの本発明によるゴム変性スチレン−マレイン酸コポリマー(実施例B)は、以下の条件で押出成形した。SAFOAM(登録商標)FP−40(クエン酸/重炭酸塩)の分解が、下の表において示したレベルで発泡剤として働いた。シートは約150ミルの押出成形発泡体の厚みを有し、4:1のブローアップ比およびタルク核形成剤を下の表において示したレベルで使用した。樹脂は約140 lb/hr、核形成剤は約1 lb/hr、発泡剤は約7 lb/hrで供給し、一次押出成形機温度は475゜F、495゜F、505゜Fおよび520゜F、二次押出成形機温度は212゜F、255゜F、および265゜Fであった。得られたシートの性質を下の表に示す。
【0131】
【表5】

【0132】
実施例8(図3)、実施例9(図4)、実施例10(図5)、実施例11(図6)および実施例12(図7)において製造された発泡シートの断面の顕微鏡写真。一般に、核形成剤を含むと発泡シート中により大きなセル構造が得られシートの秤量はより軽くなる。
【0133】
これらの発泡シートは熱成形して電子レンジ用の容器を成形することができる。
【0134】
実施例13
この実施例は以下の配合を使用した本発明による発泡シートの成形の実例を示すものである。
【0135】
スチレン 67.2%
無水マレイン酸 8.5
ポリブタジエンゴム 15.4%
SBSゴム 4.6%
ポリブテンH−100 4.0%
ANOX(商標)PP18 0.3%
INDOPOL(登録商標)H−100、AMOCO Chemical Company、ILから入手可能。
【0136】
酸化防止剤、Great Lakes Chemical Co.、INから入手可能。
【0137】
無水マレイン酸、ポリブテンH−100、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー(SBS)ゴム、およびANOX(商標)PP18(オクタデシシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含有している溶液をスチレンモノマー中に溶解させ、次いで米国特許第2769804号に記載されているものと類似のタービン撹拌機を備え、完全に満たされた重合反応器に連続的に供給した。過酸化ベンゾイル開始剤、主流の0.01%を、別個の流れで反応器に加えた。反応器を十分に混合されるように撹拌した。反応中のマスを反応器のジャケットを通じて冷却することによって126℃に維持した。反応器中の平均滞留時間は2.7時間であった。出口流は52%のポリマーを含有しており、次いで揮発性成分除去器に連続的に供給し、ここで未反応のモノマーを除去した。得られた樹脂は8.5%の無水マレイン酸、15.4%のポリブタジエンゴム、4.6%のSBSゴムおよび4%のポリブテンを含有していた。最終生成物はペレット化し、試験試料に金型成形し、試験は本明細書の上記において概要を述べた方法を使用して行った。ペレットは約2,150ppmのスチレンモノマーを含有していた。
【0138】
このサンプルについては以下の結果を得た。
【0139】
Mw 164,000
ゴム粒子サイズ(体積、μm) 2.4
は組温時伸び 7.7%
ノッチ付アイゾッド衝撃値 5.06ft lb/in
ビカット熱変形温度 122.3℃
ポリスチレンのサンプルおよび本発明によるゴム変性スチレン−無水マレイン酸コポリマーは、以下の条件を使用して押出成形した。発泡剤はHFC−134aであり、約5%で、約150ミルの押出成形された発泡体の厚み、ブローアップ比4:1ならびに3μmARTIC MIST(登録商標)Talc(Luzenac,Inc.、Oakville、Ontario)およびReedy International Corp.、Keyport、NJから入手可能なSAFOAM(登録商標)PMBの50/50混合物を含む核形成パッケージと共に使用する。樹脂は約140 lb/hr、核形成剤は約1 lb/hr、発泡剤は約7 lb/hrで供給し、一次押出成形機温度は370゜F、430゜F、および450゜F、二次押出成形機温度は212゜F、255゜F、および265゜Fである。発泡シートは1779ppmのスチレンモノマーを含有していた(370ppmの減少)。
【0140】
この発泡シートは電子レンジにおいて使用する容器を成形するために熱成形することができる。
【0141】
実施例14−16
これらの実施例は、RSMA(実施例1からの本発明によるゴム変性スチレン−マレイン酸コポリマー(実施例B)と、CSMA(結晶スチレン−マレイン酸コポリマー(DYLARK(登録商標)232、NOVA Chemicals Inc.、Pittsburgh、PAから入手可能))を、発泡シートを調製するために組み合わせることを実証する。
【0142】
下の表に示すRSMAとCSMAの重量比およびRSMAとCSMAの組み合わせた重量に対して1.1%のタルクを押出成形機に供給した。発泡剤はHFC−134aであり、約5%で約90〜100ミルの押出成形発泡体の厚みと共に使用した。一次押出成形機温度は400゜F、480゜F、および450゜F、二次押出成形機温度は260゜F、および270゜Fに設定した。発泡シートは下の表に示した性質を有していた。
【0143】
【表6】

【0144】
データは本発明のゴム変性スチレン−マレイン酸コポリマーを、単独または改良していないスチレン−マレイン酸コポリマーと組み合わせて、本発明による発泡シートを調製するために使用するときに得られる発泡シートの優れた性質を実証している。
【0145】
実施例17
この実施例は、本発明の発泡シートを覆う固体シートのキャップ層を含むシートを調製することを対象とする。米国特許出願公開第2005/0020756A1号の実施例1によって調製したゴム変性SMA樹脂ペレットを押出成形機(Welex,Inc.)に加える。押出成形機を400℃、425℃、および475℃の温度ゾーンを使用して操作することによって、厚み約3〜6ミルの押出成形(発泡なし、不透明)シートを製造する。実施例1によって調製した発泡シート(サンプルA)を、この押出成形したシートの下に供給し、押出成形シートと発泡シートをロールの間に供給すると発泡シートに貼りついている押出成形シートが得られる。得られる押出成形被覆されたシートは、不透明な発泡していない層および発泡シート層を有する。
【0146】
本発明を、これの特定の実施形態の具体的な詳細を参照しつつ説明してきた。こうした詳細はこれらが添付の特許請求の範囲に含まれる限りを除き本発明の範囲に対する限定と見なされることは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】比較例のポリスチレン発泡シートの断面の顕微鏡写真である。
【図2】本発明による発泡シートの断面の顕微鏡写真である。
【図3】発泡剤を用いていないシートの断面の顕微鏡写真である。
【図4】本発明による発泡シートの断面の顕微鏡写真である。
【図5】本発明による発泡シートの断面の顕微鏡写真である。
【図6】本発明による発泡シートの断面の顕微鏡写真である。
【図7】本発明による発泡シートの断面の顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のスチレン系モノマーの約40重量%〜約90重量%;および
1つまたは複数のマレイン酸系モノマーの約5重量%〜約45重量%;
を含む混合物を重合させることによって形成されたコポリマーを含有し、
前記コポリマーを、
6,000を超える数平均分子量を有する1つまたは複数のエラストマーポリマーの約0.1重量%〜約25重量%;および
式CH=CR[式中、RはHまたはC〜Cアルキル基であり、Rは直鎖または分岐または環状のC〜C22アルキルまたはアルケニル基である。]で表される1つまたは複数のモノマーを含む1つまたは複数の低分子量ポリマーの約0.1重量%〜約10重量%(ここで、前記低分子量ポリマーは、400〜6,000の数平均分子量を有し、ヒドロキシ、アミン、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、およびカルボン酸無水物からなる群から選択された1つまたは複数の官能基を場合により含むことができる。)
と組み合わせたポリマー組成物を含む発泡シート。
【請求項2】
スチレン系モノマーが、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、これらの核臭素化または核塩素化誘導体およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項3】
マレイン酸系モノマーが、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、フマル酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、イタコン酸、イタコン酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、および無水イタコン酸からなる群から選択される、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項4】
エラストマーポリマーが、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマーならびに共役ジエンのスチレン系モノマーおよび/またはアクリロニトリルとのランダム、ブロック、ABジブロックまたはABAトリブロックコポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項5】
エラストマーポリマーが、スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン、スチレン−イソプレン−スチレン、部分水素化スチレン−イソプレン−スチレンのジブロックおよびトリブロックコポリマーならびにこれらの組合せからなる群から選択された1つまたは複数のブロックコポリマーである、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項6】
低分子量ポリマーが、1−ブテン、イソブチレン、2−ブテン、イソプレン、ブタジエン、ジイソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、イソプレノール、エチレン、プロピレン、およびこれらの組合せからなる群から選択された1つまたは複数のモノマーの重合から得られる反復単位を含む、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項7】
低分子量ポリマーが、ヒドロキシ、アミン、エポキシ、カルボン酸、直鎖、分岐または環状C〜C12アルキルカルボン酸エステル、およびカルボン酸無水物からなる群から選択された1つまたは複数の官能基を含有する、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項8】
スチレン系モノマーおよびマレイン酸系モノマーならびにこれらから形成されたコポリマーが連続相を含み、エラストマーポリマーが約0.1ミクロンから約11ミクロンの平均粒子サイズを持つ粒子を有する分散粒子相を含む、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項9】
分散粒子のアスペクト比が、約1から約5である、請求項8に記載の発泡シート。
【請求項10】
形成されたコポリマーの重量平均分子量が、約20,000から約1,000,000である、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項11】
ポリマー組成物が、100℃を超えるビカット軟化温度を有する、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項12】
少なくとも5,000psiの発泡シート曲げ弾性率を有する、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項13】
前記ポリマー組成物と共に、1つまたは複数の他のポリマーをさらに含む、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項14】
他のポリマーが、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項13に記載の発泡シート。
【請求項15】
ポリマー組成物と他のポリマーとの混合物の重量を基準にして、ポリマー組成物が前記混合物の10%から90%の割合で存在し、他のポリマーが前記混合物の10%から90%の割合で存在する、請求項13に記載の発泡シート。
【請求項16】
熱安定剤、光安定剤、柔軟化剤、可塑剤、色素、顔料、ブロッキング防止剤、滑り剤、潤滑剤、着色料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、静電防止剤、耐衝撃性改良剤、およびこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の添加物をさらに含む、請求項1に記載の発泡シート。
【請求項17】
請求項1に記載の発泡シートから製造された物品。
【請求項18】
発泡シートを熱成形することによって製造された、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
請求項1に記載の発泡シート組成物から成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項20】
1つまたは複数のスチレン系モノマーの約40重量%〜約90重量%;および
1つまたは複数のマレイン酸系モノマーの約5重量%〜約45重量%;
を含む混合物を重合させてコポリマーを形成させ、
前記コポリマーを、
6,000を超える数平均分子量を有する1つまたは複数のエラストマーポリマーの約0.1重量%〜約25重量%;および
式CH=CR[式中、RはHまたはC〜Cアルキル基であり、Rは直鎖、分岐または環状のC〜C22アルキルまたはアルケニル基である。]で表される1つまたは複数のモノマーを含む低分子量ポリマーの約0.1重量%〜約10重量%(ここで、前記低分子量ポリマーは、400〜6,000の数平均分子量を有し、ヒドロキシ、アミン、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、およびカルボン酸無水物からなる群から選択された1つまたは複数の官能基を場合により含むことができる。)
と組み合わせることによって調製されたポリマー組成物をポリマー溶融物形態で供給するステップ、
前記溶融ポリマー組成物中に前記ポリマー組成物に対して1つまたは複数の発泡剤の2から15重量%を注入するステップ、
前記発泡剤を前記ポリマー組成物と混合するステップ、および
発泡剤およびポリマー組成物の前記混合物を押出成形して発泡シートを供給するステップ、
を含む発泡シートを作製する方法。
【請求項21】
低分子量ポリマーを、エラストマーポリマー、スチレン系モノマー、およびマレイン酸系モノマーからなる部分的に重合したシロップ中に、前記シロップが反応器を出て揮発性成分除去器に入った後で加えるステップを含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項22】
低分子量ポリマー、マレイン酸系モノマー、およびエラストマーポリマーを前記スチレン系モノマー中に溶解させることによって前記低分子量ポリマー、マレイン酸系モノマー、およびエラストマーポリマーの溶液を形成させるステップ、前記溶液を前記スチレン系モノマーと共に連続的に重合反応容器中に供給するステップ、および前記重合反応容器を出る流れの揮発性成分を除去することによって前記ポリマー組成物を生成させるステップを含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項23】
低分子量ポリマーおよびエラストマーポリマーを含む混合物を重合反応容器中に加えるステップ、スチレン系モノマーおよびマレイン酸系モノマー供給物を前記低分子量ポリマーおよびエラストマーポリマーの存在下に重合反応容器中で重合させるステップ、および前記重合反応容器を出る流れの揮発性成分を除去することによって前記ポリマー組成物を生成させるステップを含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項24】
マレイン酸系モノマーおよびエラストマーポリマーのスチレン系モノマー溶液を形成するステップ、前記溶液を重合反応容器中に連続的に供給して部分的に重合したスチレン系シロップを生成させるステップ、低分子量ポリマーを前記部分的に重合したスチレン系シロップにこのシロップが前記反応容器を出た後で加えるステップ、および前記低分子量ポリマーが前記部分的に重合したスチレン系シロップに加えられた後で前記重合反応容器を出る流れの揮発性成分を除去することによってポリマー組成物を生成させるステップを含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項25】
マレイン酸系モノマーおよびエラストマーポリマーの溶液を形成させるステップ、前記溶液をスチレン系モノマーと共に重合反応容器中に連続的に供給して部分的に重合したスチレン系シロップを生成させるステップ、前記重合反応容器を出る流れの揮発性成分を除去するステップおよび前記流れの中へ低分子量ポリマーを押出成形工程において配合することによってポリマー組成物を生成させるステップを含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項26】
ポリマー組成物が、混合物に対して式
【化1】

[式中、RはC4〜6t−アルキル基からなる群から選択され、Rはネオペンチル基である。]
の四官能性ペルオキシド開始剤の0.01〜0.1重量%の存在下で、架橋剤なしで溶液重合または塊状重合によって調製される、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項27】
四官能性開始剤が、テトラキス−(t−アミルペルオキシカルボニルオキシメチル)メタン、およびテトラキス−(t−ブチルペルオキシカルボニルオキシメチル)メタンからなる群から選択される、請求項26に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項28】
炭酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、タルク、粘土、二酸化チタン、シリカ、珪藻土、並びにクエン酸および重炭酸ナトリウムの混合物からなる群から選択された核形成剤を、押出成形の前にポリマー組成物に加える、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項29】
スチレン系モノマーが、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、これらの核臭素化または核塩素化誘導体およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項30】
マレイン酸系モノマーが、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、フマル酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、イタコン酸、イタコン酸の直鎖、分岐または環状のC〜C12アルキルエステル、および無水イタコン酸からなる群から選択される、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項31】
エラストマーポリマーが、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマー、ならびに共役ジエンのスチレン系モノマーおよび/またはアクリロニトリルとのランダム、ブロック、ABジブロックまたはABAトリブロックコポリマーからなる群から選択される、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項32】
エラストマーポリマーが、スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン、スチレン−イソプレン−スチレン、部分水素化スチレン−イソプレン−スチレンのジブロックおよびトリブロックコポリマーからなる群から選択された1つまたは複数のブロックコポリマーである、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項33】
低分子量ポリマーが、1−ブテン、イソブチレン、2−ブテン、イソプレン、ブタジエン、ジイソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、イソプレノール、エチレン、プロピレン、およびこれらの組合せからなる群から選択された1つまたは複数のモノマーの重合から得られる反復単位を含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項34】
低分子量ポリマーが、ヒドロキシ、アミン、エポキシ、カルボン酸、直鎖、分岐または環状C〜C12アルキルカルボン酸エステル、およびカルボン酸無水物からなる群から選択された1つまたは複数の官能基を含有する、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項35】
スチレン系モノマーおよびマレイン酸系モノマーおよびこれらから形成されたコポリマーが連続相を含み、エラストマーポリマーが約0.1ミクロンから約11ミクロンの平均粒子サイズを持つ粒子を有する分散粒子相を含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項36】
分散粒子のアスペクト比が、約1から約5である、請求項35に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項37】
形成されたポリマーの重量平均分子量が、約20,000から約1,000,000である、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項38】
ポリマー組成物が、100℃を超えるビカット軟化温度を有する、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項39】
発泡剤およびポリマー組成物の混合物を押出成形するステップの前に、1つまたは複数の他のポリマーをポリマー組成物と混合することを含むステップを行う、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項40】
他のポリマーが、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項39に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項41】
ポリマー組成物および他のポリマーが、これらの混合物の重量を基準にして前記ポリマー組成物が前記混合物の10%から90%で存在し、前記他のポリマーが前記混合物の10%から90%で存在するような前記混合物を形成するように混合される、請求項39に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項42】
ポリマー組成物が、熱安定剤、光安定剤、柔軟化剤、可塑剤、色素、顔料、ブロッキング防止剤、滑り剤、潤滑剤、着色料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、静電防止剤、耐衝撃性改良剤、およびこれらの組合せからなる群から選択された1つまたは複数の添加物をさらに含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項43】
請求項20に記載の方法によって作製された発泡シート。
【請求項44】
少なくとも5,000psiの発泡シート曲げ弾性率を有する、請求項43に記載の発泡シート。
【請求項45】
請求項43に記載の発泡シートから製造された物品。
【請求項46】
請求項43に記載の発泡シートから成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項47】
発泡シートの上面の少なくとも一部分を覆って固体シートのキャップ層を押出成形またはラミネートするステップを含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項48】
固体シートのキャップ層が、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せからなる群から選択された樹脂を含む、請求項47に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項49】
請求項47に記載の方法によって製造された発泡シート。
【請求項50】
少なくとも5,000psiの発泡シート曲げ弾性率を有する、請求項49に記載の発泡シート。
【請求項51】
請求項49に記載の発泡シートから製造された物品。
【請求項52】
請求項49に記載の発泡シートから成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項53】
発泡シートの上面の少なくとも一部分を覆って上層を押出成形またはラミネートするステップ、および
発泡シートの底面の少なくとも一部分を覆って底層を押出成形またはラミネートしてサンドイッチ構造の発泡シートを成形するステップ、
を含む、請求項20に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項54】
上層および底層が独立に、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/もしくは直鎖、分岐または環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せからなる群から選択された樹脂を含む、請求項53に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項55】
請求項53に記載の方法によって製造された、サンドイッチ構造発泡シート。
【請求項56】
少なくとも5,000psiの発泡シート曲げ弾性率を有する、請求項53に記載のサンドイッチ構造発泡シート。
【請求項57】
請求項53に記載のサンドイッチ構造発泡シートから製造された物品。
【請求項58】
請求項53に記載のサンドイッチ構造発泡シートから成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項59】
請求項39に記載の方法によって製造された発泡シート。
【請求項60】
少なくとも5,000psiの発泡シート曲げ弾性率を有する、請求項59に記載の発泡シート。
【請求項61】
請求項59に記載の発泡シートから製造された物品。
【請求項62】
請求項59に記載の発泡シートから成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項63】
発泡シートの上面の少なくとも一部分を覆って固体シートのキャップ層を押出成形またはラミネートするステップを含む、請求項39に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項64】
固体シートキャップ層が、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せからなる群から選択された樹脂を含む、請求項63に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項65】
請求項64に記載の方法によって製造された発泡シート。
【請求項66】
少なくとも5,000psiの発泡シート曲げ弾性率を有する、請求項65に記載の発泡シート。
【請求項67】
請求項64に記載の発泡シートから製造された物品。
【請求項68】
請求項65に記載の発泡シートから成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項69】
発泡シートの上面の少なくとも一部分を覆って上層を押出成形またはラミネートするステップ、および
発泡シートの底面の少なくとも一部分を覆って底層を押出成形またはラミネートしてサンドイッチ構造の発泡シートを成形するステップ、
を含む、請求項39に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項70】
上層および底層が独立に、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せからなる群から選択された樹脂を含む、請求項69に記載の発泡シートを作製する方法。
【請求項71】
請求項69に記載の方法によって製造されたサンドイッチ構造発泡シート。
【請求項72】
少なくとも5,000psiの発泡シート曲げ弾性率を有する、請求項71に記載のサンドイッチ構造発泡シート。
【請求項73】
請求項71に記載のサンドイッチ構造発泡シートから製造された物品。
【請求項74】
請求項71に記載のサンドイッチ構造発泡シートから成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項75】
請求項1に記載の発泡シートを含む第1層と、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せからなる群から選択された1つまたは複数の樹脂を含む第2層とを含む、2層発泡シート。
【請求項76】
請求項75に記載の2層発泡シートから製造された物品。
【請求項77】
請求項75に記載の2層発泡シートから成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項78】
請求項1に記載の発泡シートを含む中間層と、結晶ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、ポリフェニレンオキシド、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー、スチレンおよび無水マレイン酸および/または直鎖、分岐もしくは環状C〜C12アルキル(メタ)アクリレートのゴム変性コポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニリデンフルオライド、アクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ならびにこれらの組合せからなる群から選択された樹脂を独立に含む上層および底層とを含む、サンドイッチ構造発泡シート。
【請求項79】
請求項78に記載のサンドイッチ構造発泡シートから製造された物品。
【請求項80】
請求項77に記載のサンドイッチ構造発泡シートから成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。
【請求項81】
1つまたは複数のスチレン系モノマーの約40重量%〜約90重量%;および
1つまたは複数のマレイン酸系モノマーの約5重量%〜約45重量%;
を含む混合物を重合させることによって形成されたコポリマーを含有し、
前記コポリマーを、
6,000を超える数平均分子量を有する1つまたは複数のエラストマーポリマーの約0.1重量%〜約25重量%;および
場合によっては、式CH=CR[式中、RはHまたはC〜Cアルキル基であり、Rは直鎖、分岐または環状のC〜C22アルキルまたはアルケニル基である。]で表される1つまたは複数のモノマーを含む1つまたは複数の低分子量ポリマーの約10重量%以下(ここで、前記低分子量ポリマーは、400〜6,000の数平均分子量を有し、ヒドロキシ、アミン、エポキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル、およびカルボン酸無水物からなる群から選択された1つまたは複数の官能基を場合により含むことができる。)
と組み合わせたポリマー組成物を含む発泡シートを熱成形することによって成形された、食品の電子レンジ加熱における使用に適した容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−530267(P2008−530267A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554076(P2007−554076)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/044955
【国際公開番号】WO2006/086060
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(503200752)ノバ・ケミカルズ・インコーポレイテツド (19)
【Fターム(参考)】