説明

スルホンアミド誘導体類と、その製造方法及び医薬としての応用

【課題】ヒトを含む哺乳動物において、中枢神経系の様々な障害、詳細には、不安、鬱病、認知記憶障害及び老年痴呆、又は認知欠陥をその主症状とするその他の痴呆症、精神病、小児多動症(ADHD、注意欠陥/過活動性障害)、また、セロトニン5−HT受容体により影響を受けるその他の障害の、予防又は治療用医薬の製造に有用な、セロトニン5−HT受容体拮抗活性を持つ新規化合物を提示する。
【解決手段】本発明は、一般構造式(I)を有する新規スルホンアミド誘導体類とその生理的許容塩、前記スルホンアミド誘導体類の製造方法、ヒト及び/又は動物治療用医薬としてのその応用、及び同化合物を含む薬剤組成物に関する。


(I)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般構造式(I)で示される新規スルホンアミド誘導体類とその生理的に許容可能な塩(physiologically acceptable salt)、その製造方法、ヒト及び/又は動物治療における医薬としてのその応用、及び、これらを含む薬剤組成物に関する。
【化1】


(I)
【0002】
本発明の目的とする新規化合物は、製薬業における中間体として、また医薬の製造に使用できる。
【背景技術】
【0003】
セロトニン(5−HT)受容体類には、7種類(5−HT〜5−HT)が挙げられ、その中には14種のヒトサブクラスが含まれる(D.ホイヤら、Neuropharmacology, 1997, 36, 419)。5−HT受容体は、ラット(F.J.モンスマら, Mol. Pharmacol., 1993, 43, 320;M.ルアットら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 1993, 193, 268)、及びヒト(R. コーエンら, J. Neurochem., 1996, 66, 47)の両者において、分子クローニング(molecular cloning)により同定された最も新しいセロトニン受容体である。5−HT受容体拮抗活性を持つ化合物は、過敏性腸症候群などの中枢神経系及び胃腸管の様々な疾患の治療に有用である。5−HT受容体拮抗活性を持つ化合物は、不安、鬱病、認知記憶障害の治療において有用である(M.ヨシオカら, Ann. NY Acad. Sci., 1998, 861, 244;A.ブールソンら, Br. J. Pharmacol., 1998, 125, 1562;D.C.ロジャーズら, Br. J. Pharmacol. Suppl., 1999, 127, 22P;A.ブールソンら, J. Pharmacol. Exp. Ther., 1995, 274, 173;A.J.スレイら, Behav. Brain Res., 1996, 73, 245;T.A.ブランチェクら, Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., 2000, 40, 319;C.ラウトリッジら, Br. J. Pharmacol., 2000, 130, 1606)。精神分裂病治療に用いられる典型的及び非典型的抗精神病薬は、5−HT受容体と非常に密接な関係があることが分かってきた(B.L.ロスら, J. Pharmacol. Exp. Ther., 1994, 268, 1403;C.E.グラットら, Mol. Med., 1995, 1, 398;F.J.モンスマら, Mol. Pharmacol., 1993, 43, 320;T.シンカイら, Am. J. Med. Genet., 1999, 88, 120)。5−HT受容体拮抗活性を持つ化合物は、小児多動症(ADHD、注意欠陥/過活動性障害)の治療に有用である(W.D.ハーストら, Br. J. Pharmacol., 2000, 130, 1597;C.ジェラルドら, Brain Research, 1997, 746, 207;M.R.プランツァテリ, Drugs of Today, 1997, 33, 379)。国際特許出願第01/32646号パンフレットは、二環式で、それぞれが6員の芳香環又は複素芳香環である化合物から誘導した、5−HT受容体拮抗活性を持つスルホンアミド類を示している。欧州特許出願第0733628号明細書は、インドールから誘導した、偏頭痛の治療に有用な、5−HT1F受容体拮抗活性を持つスルホンアミド類を述べている。一般に、学術文献及び特許の調査より、構造を少し変えることにより、関与する受容体に応じて、異なる疾患の治療に有用な様々なセロトニン受容体作用薬又は拮抗薬化合物を製造できることが分かった。
【0004】
発明者らは研究に努めた結果、ヒト及び/又は動物治療での使用において特に有用となる興味深い生物学的性質を示す、一般構造式(I)で示される新規化合物の合成に成功した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許出願第01/32646号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願第0733628号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ヒトを含む哺乳動物において、中枢神経系の様々な障害、詳細には、不安、鬱病、認知記憶障害及び老年痴呆、又は認知欠陥をその主症状とするその他の痴呆症、精神病、小児多動症(ADHD、注意欠陥/過活動性障害)、また、セロトニン5−HT受容体により影響を受けるその他の障害の、予防又は治療用医薬の製造に有用な、セロトニン5−HT受容体拮抗活性を持つ新規化合物を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的とする化合物は、一般構造式(I)を持つもの、又はその生理的許容塩である。
【化2】


(I)
式中、
Aは、
5又は6員の複素芳香環と、
二環式複素芳香環と、
次の中から選ばれる基と、
【化3】


から選ばれる置換基を示すものであって、
このとき、前記5又は6員の複素芳香環は、酸素、窒素、及び硫黄の中から選ばれる1又は2個のヘテロ原子を含み、必要に応じて、1又は2個のハロゲン原子により、C〜Cアルキル基により、あるいは、フェニル基、又は、1又は2個の酸素、窒素、又は硫黄原子を含む5又は6員のヘテロアリール基によって置換されたものであり、
前記二環式複素芳香環は、酸素、窒素、及び硫黄の中から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含み、必要に応じて、1又は2個のハロゲン原子により、又はC〜Cアルキル基によって置換されたものであり、
は、水素、C〜Cアルキル基、又はベンジル基を示し、
nは、0、1、2、3、又は4を示し、
は、−NR、又は次の構造式で示される基を示すものであって、
【化4】


式中、点線は必要に応じた化学結合を示すものであり、
、R、及びRはそれぞれ、水素又はC〜Cアルキルを示し、
X、Y、及びZはそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、及び−NRを示し、
Wは、2つの環の間の結合であって、CH、O、S、及びNRを示し、
mは、0、1、2、3、又は4を示すものであって、m=0のときAは置換フェニルである。
【0008】
〜Cアルキルとは、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝炭化水素鎖であって、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどを示す。
【0009】
前述の構造式に対応する、本発明の目的とする化合物は、
[1] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[2] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[3] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド塩酸塩、
[4] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、
[5] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−4−フェニルベンゼンスルホンアミド、
[6] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミド、
[7] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[8] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[9] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−スルホンアミド、
[10] N−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[11] N−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド塩酸塩、
[12] N−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[13] N−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド塩酸塩、
[14] N−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミド、
[15] N−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]−4−フェニルベンゼンスルホンアミド、
[16] N−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]キノリン−8−スルホンアミド、
[17] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[18] N−[3−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[19] N−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[20] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−(2−ピリジル)チオフェン−2−スルホンアミド、
[21] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−スルホンアミド、
[22] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]キノリン−8−スルホンアミド、
[23] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロナフタレン−2−スルホンアミド、
[24] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−4−フェノキシベンゼンスルホンアミド、
[25] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−4−フェニルベンゼンスルホンアミド、
[26] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−N−エチル−ナフタレン−2−スルホンアミド、
[27] N−{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[28] N−{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}ナフタレン−1−スルホンアミド、
[29] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[30] N−[3−ジメチルアミノメチル−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[31] N−[3−(2−ジプロピルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[32] N−[3−(2−ジプロピルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[33] N−[3−(2−ジブチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[34] N−[3−(2−ジブチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[35] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロナフタレン−1−スルホンアミド、
[36] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−trans−β−スチレンスルホンアミド、
[37] N−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル−1H−インドール−5−イル]−trans−β−スチレンスルホンアミド、
[38] N−[3−(オクタヒドロインドリジン−7−イル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[39] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−6−クロロイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−スルホンアミド、
[40] N−{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}ナフタレン−2−スルホンアミド、
[41] N−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル−1H−インドール−5−イル]−a−トルエンスルホンアミド、
[42] N−[3−(3−ジエチルアミノプロピル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[43] N−[3−(3−ジエチルアミノプロピル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[44] N−{3−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド、
[45] N−{3−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}ナフタレン−1−スルホンアミド、
[46] N−{3−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}ナフタレン−2−スルホンアミド、
[47] N−[3−(2−ジプロピルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[48] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロナフタレン−1−スルホンアミド、
[49] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[50] N−{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}キノリン−8−スルホンアミド、
[51] N−{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}−4−フェニルベンゼンスルホンアミド、
[52] N−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)エチル−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[53] N−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)エチル−1H−インドール−5−イル]−5−クロロナフタレン−1−スルホンアミド、
の中から選ぶことができる。
【0010】
更に本発明は、一般構造式(I)で示される化合物の生理的許容塩、詳細には、塩酸、臭素酸、リン酸、硫酸、硝酸などの鉱酸、及び、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、又はそれらの誘導体類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、等の有機酸の付加塩に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一般構造式(I)で示され、式中、R、R、R、R、n、及びAが前述のものである新規誘導体は、以下の方法に従って製造可能である。
【0012】
(方法A)
一般構造式(II)で示される化合物であって、
【化5】


(II)
式中、Aは、一般構造式(I)において先に示したものであり、Xは、ハロゲン原子、特に塩素などの許容できる脱離基である化合物、又はその適当に保護された誘導体類と、
一般構造式(III)で示される5−アミノインドールであって、
【化6】


(III)
式中、n、R、R、及びRは、一般構造式(I)において先に示したものである、5−アミノインドール、又はその適当に保護された誘導体類とを反応させ、これにより、対応するスルホンアミド誘導体を生成し、また必要に応じて、スルホンアミド誘導体から保護基を除去し、及び/又は、生理的許容塩を生成する。
【0013】
一般構造式(II)で示される化合物と(III)で示される化合物との反応は、例えば、アルキルエーテル、特にジエチルエーテル、シクロアルキルエーテル、特にテトラヒドロフラン又はジオキサン、ハロゲン化有機炭化水素、特にジクロロメタン又はクロロホルム、アルコール、特にメタノール又はエタノール、双極性非プロトン性溶媒、特にアセトニトリル、ピリジン、又はジメチルホルムアミド、などの有機溶媒、あるいは適当なその他の溶媒の存在下で行う。
【0014】
反応は、望ましくはアルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩などの適当な無機塩基の存在下、あるいは、有機塩基、特にトリエチルアミン又はピリジンの存在下で行う。
【0015】
最適反応温度範囲は0℃〜室温であり、反応時間は5分〜24時間である。
【0016】
生成したスルホンアミドは、溶媒を蒸発させて水を加え、最後にpHを調整して濾過により固体として取り出すことができ、あるいはクロロホルムなど水と混和しない溶媒で抽出し、クロマトグラフ法又は適当な溶媒からの再結晶により精製することができる。
【0017】
一般構造式(II)で示される化合物は市販品として入手可能であり、あるいは、標準的な方法、又は、文献(E.E.ギルバート, Synthesis, 1969, 1, 3)に記載の方法に類似の方法で製造することができる。また、一般構造式(III)で示される化合物は、標準的な方法、又は、文献(J.E.マコー, R.ポスト, K.ライアン, Synt Comm., 1993, 23, 1, 65-72.;J.ギローメ, C.デュモント, J.ローレン, N.ネデレク, Eur. J. Med. Chem., 1987, 22, 33-43;M.L.サッカレロ, R.ストラディ, Synthesis, 1979, 727)に記載の方法に類似の方法で製造可能である。
【0018】
(方法B)
一般構造式(I)で示され、式中、R、R、R、n、及びAは先に示したものであり、RはC〜Cアルキルを示すものである化合物は、一般構造式(I)で示され、R、R、R、n、及びAは先に示したものであり、Rは水素原子を示すものである化合物を、ハロゲン化アルキル又は硫酸ジアルキルでアルキル化することにより製造可能である。
【0019】
反応は、望ましくはアルカリ金属の水酸化物及び炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド(例えば、ナトリウム=メトキシド、又はカリウム=tert−ブトキシド)、有機金属化合物(例えば、ブチルリチウム、又はtert−ブチルリチウム)など適当な塩基の存在下において、例えば、アルキルエーテル、特にジエチルエーテル、シクロアルキルエーテル、特にテトラヒドロフラン又はジオキサン、炭化水素、特にトルエン、アルコール、特にメタノール又はエタノール、双極性非プロトン性溶媒、特にアセトニトリル、ピリジン、又はジメチルホルムアミド、などの有機溶媒、あるいはその他適当な溶媒の存在下で行う。最適温度は0℃から溶媒の沸点までの範囲であり、反応時間は1〜24時間である。
【0020】
生成したスルホンアミドは、減圧下で濾液を濃縮して水を加え、最後にpHを調整して濾過により固体として取り出すことができ、あるいはクロロホルムなど水と混和しない溶媒で抽出し、クロマトグラフ法又は適当な溶媒からの再結晶により精製することができる。
【0021】
(方法C)
一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは先に示したものであり、n=0であり、Rは水素原子を示すものである化合物を、適当に置換した4−ピペリドンと縮合させると、一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは先に示したものであり、n=0であり、Rは適当に置換した1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル基を示すものである対応する化合物が生成する。
【0022】
反応は、酸及び塩基媒体中のいずれでも起き、適当な溶媒中、25〜150℃の温度で行うことができる。
【0023】
適当な塩基性条件は、メタノール又はエタノールなどの溶媒に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの無機塩基類、あるいは、ピロリジン又はトリエチルアミンなどの有機塩基類を加えたものである。望ましくは、ナトリウム=メトキシドのメタノール溶液を還流する。反応時間は1〜48時間である。
【0024】
適当な酸性条件は、エタノールに加えた塩酸、又は酢酸に加えたトリフルオロ酢酸であり、50〜100℃の温度で1〜48時間反応させる。
【0025】
生成したスルホンアミドは、水で希釈し、最後にpHを調整して濾過により固体として取り出すことができ、あるいはクロロホルムなど水と混和しない溶媒で抽出し、クロマトグラフ法又は適当な溶媒からの再結晶により精製することができる。
【0026】
一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは先に示したものであり、n=0であり、Rは水素原子を示すものである化合物は、方法Aに従って、5−アミノインドールより製造可能である。
【0027】
(方法D)
一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは先に示したものであり、n=0であり、Rは適当に置換した4−ピペリジニル基を示すものである化合物は、方法Cに従って調製した、一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは先に示したものであり、n=0であり、Rは適当に置換した1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル基を示すものである化合物の還元により製造可能である。
【0028】
水素化は、金属触媒を用い、メタノール又はエタノールなどの溶媒中、初期水素圧を1〜10気圧、望ましくは2〜5気圧として行う。金属触媒は、炭素、酸化アルミニウム、又は硫酸バリウムなどの支持体に載せた、パラジウム、白金、又はロジウムなどであり、望ましくは炭素に載せたパラジウムである。反応時間は1時間〜3日間である。
【0029】
生成したスルホンアミドは、触媒を濾過し、減圧下で濾液を濃縮して取り出すことができる。回収した生成物はそのまま使用でき、あるいは、クロマトグラフ法又は適当な溶媒からの再結晶により精製することができる。
【0030】
(方法E)
一般構造式(I)で示される化合物の薬学的許容塩は、メタノール、エタノール、エチルエーテル、酢酸エチル、アセトニトリル、又はアセトンなどの適当な溶媒中で、塩酸、臭素酸、リン酸、硫酸、硝酸などの鉱酸と、あるいは、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、又はそれらの誘導体類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、等の有機酸類との反応により、従来どおりに調製し、対応する塩を通常の沈殿又は結晶化法で取り出すことができる。
【0031】
記述した全ての合成手順の間、あるいは用いたシントン(sintones)の調製において、使用する分子の一部にある不安定な又は反応性の基を保護することが必要及び/又は望ましい。これは、文献(J.F.W.マッコミー編,“Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, 1973;T.W.グリーン及びP.G.M.ワッツ著,“Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley & Sons, 1991)に述べられているような一般的な保護基を用いた方法で行うことができる。保護基は、適当な後の段階で公知の方法により除去可能である。
【0032】
本発明は、許容可能な薬学的賦形剤に加えて、少なくとも1種類の、一般構造式(I)で示される化合物又はその生理的許容塩を含む薬剤組成物を提示する。本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物における中枢神経系の様々な障害、詳細には、不安、鬱病、認知記憶障害及び老年痴呆症、更に、認知欠陥をその主症状とするその他の痴呆、精神病、小児多動症(ADHD、注意欠陥/過活動性障害)、また、セロトニン5−HT受容体により影響を受けるその他の障害の、予防又は治療に有用な、セロトニン5−HT受容体拮抗活性を持つ医薬の製造における、一般構造式(I)で示される化合物及びその生理的許容塩の使用に関する。
【0033】
以下の実施例では、本発明による新規化合物の製造について示す。また、セロトニン5−HT受容体に対する親和力、更に、本発明の目的とする化合物に応用可能な薬剤配合物(galenic formulae)についても述べる。次に挙げる実施例は説明のためであって、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0034】
(方法A)
N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド(実施例7)の製造
【0035】
100mlのピリジンに溶解した3.05g(15mMol)の5−アミノ−3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール溶液に、20mlのピリジンに溶解した4.21g(15mMol)の5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニル=クロリド溶液を、室温で滴下しながら加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌した。次に蒸発乾固し、希アンモニアで弱アルカリ性として酢酸エチルに溶解した。有機相を、水と、重炭酸ナトリウム飽和溶液とで洗い、分液して無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。有機溶液を蒸発乾固して得られた固体を繰り返しジエチルエーテルで洗い、固体として、5.5g(82%)のN−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホンアミド(融点226〜227℃)を得た。
【0036】
(方法B)
N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−N−エチル−ナフタレン−2−スルホンアミド(実施例26)の製造
【0037】
3mlのDMSOに溶解した、285mg(0.7mMol)のN−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド(実施例17)と、80mg(0.7mMol)のカリウム=t−ブトキシドとの混合物を、室温で30分間撹拌した。次に、105mg(0.7mMol)のヨウ化エチルを加え、溶液を更に3時間撹拌した。水を加え、この溶液を酢酸エチルで抽出した。有機溶液を蒸発乾固し、得られた粗生成物を、溶離液としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア混合物を用いたシリカゲルクロマトグラフ法により精製し、固体として、N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−N−エチル−ナフタレン−2−スルホンアミド(融点49〜50℃)を得た。
【0038】
(方法C)
N−[3−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド(実施例18)の製造
【0039】
100mlのメタノールに溶解した712mg(13.2mMol)のナトリウム=メトキシド溶液に、850mg(2.64mMol)のN−[1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミドを加え、次に、596mg(5.28mMol)の1−メチル−4−ピペリドンを加え、得られた溶液を48時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を、溶離液としてジクロロメタン/メタノール/アンモニア混合物を用いた、シリカゲルクロマトグラフ法により精製し、固体として、573mg(52%)のN−[3−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド(融点244〜245℃)を得た。
【0040】
(方法D)
N−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド(実施例12)の製造
【0041】
50mlのメタノールに溶解した、417mg(1mMol)のN−[3−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド溶液に、100mgの炭素上5%パラジウムを加えた。この混合物を、室温、初期水素圧3気圧として、20時間水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、エチルエーテル中にスラリとなった粗成生物とした。固体として、272mg(65%)のN−[3−(1−メチルピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド(融点254〜256℃)を得た。
【0042】
(方法E)
N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド塩酸塩(実施例3)の製造
【0043】
1.05g(2.5mMol)のN−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド(実施例2)を10mlのエタノールに溶解し、0.6mlの4.2Nの塩酸/エタノール溶液を加えた。これを室温で結晶化させた。固体として、N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド塩酸塩(融点255〜257℃)を得た。
【0044】
本発明の目的とする化合物の一部を同定するため、以下の表に融点及びスペクトルデータを示す。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【0051】
【表7】

【0052】
【表8】

【0053】
【表9】

【0054】
【表10】

【0055】
【表11】

【0056】
【表12】

【0057】
【表13】

【0058】
【表14】

【0059】
【表15】

【0060】
【表16】

【0061】
【表17】

【0062】
【表18】

【0063】
【表19】

【0064】
【表20】

【0065】
<生物学的評価>
(セロトニン5−HT受容体への結合)
組換え型ヒト5−HT受容体を発現するHEK−293細胞の細胞膜は、リセプタ・バイオロジー(Receptor Biology)より入手した。前記膜の受容体濃度は2.18pmol/mg蛋白であり、蛋白濃度は9.17mg/mlである。実験プロトコルは、B. L.ロスらの方法(B. L.ロス, S. C.クレイゴ, M. S.チョーダリー, A.ウルア, F. J.モンスマ, Y.シェン, H. Y.メルツァ, D. R.シブリー,“Binding of Typical and Atypical Antipsychotic Agents to 5-Hydroxytryptamine-6 and Hydroxytriptamine-7 Receptors” The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 1994, 268, 1403)に多少の変更を加えたものである。市販の膜を、50mMのトリス−HCl、10mMのMgCl、0.5mMのEDTAの混合緩衝液(binding buffer)(pH 7.4)で希釈した(1:40希釈)。使用した放射性配位子は、濃度2.7nMの[H]−LSDであり、最終的な体積は200μlであった。100μlの膜懸濁液(膜蛋白約22.9μg)を加えて培養を開始し、37℃の温度で60分間置いた。ブランデル・セル・ハーベスター(Brandel Cell Harvester)の、0.5%のポリエチレンイミン溶液で前処理した、シュライヒャー&シュエル(Schleicher & Schuell)製、GF3362グラスファイバフィルタで急速濾過して培養を終了させた。フィルタを、50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.4)3mlで3回洗浄した。フィルタをフラスコに移し、各フラスコに5mlのエコシント(Ecoscint)H液シンチレーションカクテルを加えた。フラスコを数時間置いて平衡とした後、ウォラック・ウィンスペクトラル(Wallac Winspectral)1414シンチレーションカウンタを用いて計数した。100μMのセロトニン存在下における非特異的結合を求めた。試験は3連で行った。プログラムEBDA/LIGAND(マンソン及びロッドバード, Analytical Biochemistry, 1980, 107, 220)を用いた非線形回帰分析により、阻害定数(K、nM)を算出した。以下の表21に、本発明の目的とする化合物の一部についての結合結果を示す。
【0066】
【表21】

【0067】
ヒトに対する医薬としての日用量は、生成物として1〜500mgであり、これを1回又数回に分けて投与することができる。組成物は、投与経路に適した形状、例えば、錠剤、糖衣錠、カプセル、座剤、溶液、又は懸濁液などとする。これらの組成物は公知の方法で調製され、1〜60重量%の活性成分(一般構造式(I)で示される化合物)と、40〜99重量%の適当な薬学的賦形剤とを含む。賦形剤は、活性成分と混合しても化学反応を起こさず、用いる組成物の物理的形状に合うものである。例として、本発明の生成物を含む錠剤の処方を以下に示す。
【0068】
1錠当たりの例
実施例1 5 mg
乳糖 60 mg
微結晶セルロース 25 mg
K90ポビドン 5 mg
ゼラチン化澱粉(Pregelatinised starch) 3 mg
コロイド状酸化ケイ素 1 mg
ステアリン酸マグネシウム 1 mg
1錠当たり総重量 100 mg

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルホンアミド誘導体又はその生理的許容塩であって、
前記スルホンアミド誘導体は一般構造式(I)で示され、
【化1】


(I)
式中、
Aは、次の、
【化2】


から選ばれる置換基を示すものであって、
は、水素、C〜Cアルキル基、又はベンジル基を示し、
nは、1、2、3、又は4を示し、
は、−NR、又は次の構造式で示される基を示すものであって、
【化3】


式中、点線は必要に応じた化学結合を示すものであり、
はそれぞれ、水素又はC〜Cアルキルを示し、
及びRはそれぞれ、C〜Cアルキルを示し、
X、Y、及びZはそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、及び−NRを示し、
Wは、2つの環の間の結合であって、CH、O、S、及びNRを示し、
mは、0、1、2、3、又は4を示すものであって、m=0のときAは置換フェニルである、
ことを特徴とするスルホンアミド誘導体又はその生理的許容塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、
前記化合物は、
[2] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[3] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド塩酸塩、
[4] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、
[5] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−4−フェニルベンゼンスルホンアミド、
[8] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[17] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[23] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロナフタレン−2−スルホンアミド、
[24] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−4−フェノキシベンゼンスルホンアミド、
[25] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−4−フェニルベンゼンスルホンアミド、
[26] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−N−エチル−ナフタレン−2−スルホンアミド、
[28] N−{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}ナフタレン−1−スルホンアミド、
[29] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[31] N−[3−(2−ジプロピルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[34] N−[3−(2−ジブチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド、
[35] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロナフタレン−1−スルホンアミド、
[36] N−[3−(2−ジエチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−trans−β−スチレンスルホンアミド、
[37] N−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル−1H−インドール−5−イル]−trans−β−スチレンスルホンアミド、
[40] N−{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}ナフタレン−2−スルホンアミド、
[41] N−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル−1H−インドール−5−イル]−α−トルエンスルホンアミド、
[42] N−[3−(3−ジエチルアミノプロピル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[45] N−{3−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}ナフタレン−1−スルホンアミド、
[46] N−{3−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}ナフタレン−2−スルホンアミド、
[47] N−[3−(2−ジプロピルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[48] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]−5−クロロナフタレン−1−スルホンアミド、
[49] N−[3−(2−ジメチルアミノエチル)−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[51] N−{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−インドール−5−イル}−4−フェニルベンゼンスルホンアミド、
[52] N−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)エチル−1H−インドール−5−イル]ナフタレン−2−スルホンアミド、
[53] N−[3−(4−メチルピペリジン−1−イル)エチル−1H−インドール−5−イル]−5−クロロナフタレン−1−スルホンアミド、
から成る群より選ばれることを特徴とする化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の一般構造式(I)で示されるスルホンアミド誘導体の製造方法であって、
前記製造方法は、
一般構造式(II)で示される化合物であって、
【化4】


(II)
式中、
Aは、請求項1の一般構造式(I)において先に示したものであり、
Xは、脱離基である、
化合物、又はその適当に保護された誘導体類と、
一般構造式(III)で示される5−アミノインドールであって、
【化5】


(III)
式中、n、R、R、及びRは、請求項1の一般構造式(I)において先に示したものである、5−アミノインドール、又はその適当に保護された誘導体類と、
を反応させ、これにより対応するスルホンアミド誘導体を生成し、また、必要に応じて、前記スルホンアミド誘導体から最終的に保護基を除去することが可能であることを特徴とする製造方法。
【請求項4】
スルホンアミド誘導体の製造方法であって、
前記スルホンアミド誘導体は、請求項1に記載の一般構造式(I)で示され、式中、R、R、R、n、及びAは、請求項1において先に示したものであり、Rは、C〜Cアルキルを示すものであり、
前記製造方法は、
一般構造式(I)で示され、式中、R、R、R、n、及びAは、請求項1において先に示したものであり、Rは水素原子を示すものである化合物と、
ハロゲン化アルキル又は硫酸ジアルキルと、
を反応させることを特徴とする製造方法。
【請求項5】
スルホンアミド誘導体の製造方法であって、
前記スルホンアミド誘導体は、請求項1に記載の一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは、請求項1において先に示したものであり、n=0であり、Rは、1−位にR基が置換した、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル基を示すものであり、
前記製造方法は、
一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは、請求項1において先に示したものであり、n=0であり、Rは水素原子を示すものである化合物と、
1−位にR基が置換した4−ピペリドンと、
を反応させることを特徴とする製造方法。
【請求項6】
スルホンアミド誘導体の製造方法であって、
前記スルホンアミド誘導体は、請求項1に記載の一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは、請求項1において先に示したものであり、n=0であり、Rは、1−位にR基が置換した4−ピペリジニル基を示すものであり、
前記製造方法は、
一般構造式(I)で示され、式中、R、R、及びAは、請求項1において先に示したものであり、n=0であり、Rは、1−位にR基が置換した、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル基を示すものである、化合物を還元することを特徴とする製造方法。
【請求項7】
一般構造式(I)で示される化合物と、鉱酸又は有機酸とを、適当な溶媒中において反応させることを特徴とする、請求項1に記載の一般構造式(I)で示される化合物の生理的許容塩の製造方法。
【請求項8】
薬学的に許容可能な賦形剤類に加えて、少なくとも1種類の、請求項1及び2に記載の一般構造式(I)で示される化合物又はその生理的許容塩を含むことを特徴とする薬剤組成物。
【請求項9】
ヒトを含む哺乳動物において、不安、鬱病、認知記憶障害及び老年痴呆症、更に、認知欠陥を主症状とするその他の痴呆、精神病、小児多動症、ADHD、注意欠陥/過活動性障害、また、セロトニン5−HT受容体により影響を受けるその他の障害の、予防又は治療に用いることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
ヒトを含む哺乳動物において、不安、鬱病、認知記憶障害及び老年痴呆症、更に、認知欠陥を主症状とするその他の痴呆、精神病、小児多動症、ADHD、注意欠陥/過活動性障害、また、セロトニン5−HT受容体により影響を受けるその他の障害の、予防又は治療に用いる医薬の製造における、スルホンアミド誘導体又はその生理的許容塩の使用であって、
前記スルホンアミド誘導体は、一般構造式(I)で示され、
【化6】


(I)
式中、
Aは、次の、
【化7】


から選ばれる置換基を示すものであって、
は、水素、C〜Cアルキル基、又はベンジル基を示し、
nは、1、2、3、又は4を示し、
は、−NR、又は次の構造式で示される基を示すものであって、
【化8】


式中、点線は必要に応じた化学結合を示すものであり、
はそれぞれ、水素又はC〜Cアルキルを示し、
及びRはそれぞれ、C〜Cアルキルを示し、
X、Y、及びZはそれぞれ、水素、フッ素、塩素、臭素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、及び−NRを示し、
Wは、2つの環の間の結合であって、CH、O、S、及びNRを示し、
mは、0、1、2、3、又は4を示すものである、
ことを特徴とする使用。

【公開番号】特開2009−298819(P2009−298819A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223711(P2009−223711)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【分割の表示】特願2003−544012(P2003−544012)の分割
【原出願日】平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願人】(500031124)ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ (55)
【Fターム(参考)】