センサコントローラ、ナビゲーション装置、センサ制御方法
【課題】 従来、ナビゲーション装置では、カメラ等のセンサを複数用いて、車両の周囲の情報を検知し、運転者の運転を支援する技術があるが、複数のセンサによる検知結果を用いて複雑な演算処理を行うために、処理負荷が高くなり、即応性が必要な他の処理が遅延してしまうこともある。そのため、センサで検知した情報について、処理範囲を一律に縮小させることで、演算処理量を減らして処理負荷を下げることが考えられている。しかし、一律に処理範囲を縮小すると、運転支援に必要な情報が得られないことがある。
本発明の目的は、運転の支援に必要な情報をより適切に得るセンサ制御技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明のセンサコントローラは、車両の走行状況に応じて、センサにより取得した情報の処理範囲を変更させて所定の処理を行うことを特徴とする。
本発明の目的は、運転の支援に必要な情報をより適切に得るセンサ制御技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明のセンサコントローラは、車両の走行状況に応じて、センサにより取得した情報の処理範囲を変更させて所定の処理を行うことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、カメラ等のセンサを複数制御して、車両の周囲の情報を検知し、運転の支援に用いる技術がある。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−37457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなナビゲーション装置では、複数のセンサによる検知結果を用いて複雑な演算処理を行うために、処理負荷が高くなり、即応性が必要な他の処理、例えば交差点での右左折案内等の提示が遅延してしまうこともある。そのため、センサで検知した情報について、処理範囲を縮小させることで、演算処理量を減らして処理負荷を下げることが考えられている。しかし、常に処理範囲を縮小すると、運転の支援に必要な情報が得られない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、運転の支援に必要な情報をより適切に得るセンサ制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るセンサコントローラは、車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるセンサコントローラであって、前記車両の走行状況を把握する走行状況把握手段と、前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段と、前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更して前記処理手段に処理させる処理部分変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のナビゲーション装置は、車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるナビゲーション装置であって、前記車両の走行状況を把握する走行状況把握手段と、前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段と、前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更して前記処理手段に処理させる処理部分変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のセンサ制御方法は、車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるセンサコントローラによるセンサ制御方法であって、前記センサコントローラは、前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段を備え、前記車両の走行状況を把握する走行状況把握ステップと、前記走行状況把握ステップにより把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更する処理部分変更ステップと、を実施することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、センサコントロールシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図3】図3は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、ナビゲーション装置の演算処理部の機能構成図である。
【図5】図5は、センサコントローラのハードウェア構成図である。
【図6】図6は、センサコントローラの演算処理部の機能構成図である。
【図7】図7は、センサの検知範囲を示す図である。
【図8】図8は、撮像画像を地上面に投影する様子を示す図である。
【図9】図9は、車両情報取得装置の概略構成図である。
【図10】図10は、走行レーン認識処理のフロー図である。
【図11】図11は、走行レーン認識の比較結果を示す図である。
【図12】図12は、本発明による走行レーン認識処理の結果を示す図である。
【図13】図13は、処理範囲の拡大の例を説明する図である。
【図14】図14は、駐車支援処理のフロー図である。
【図15】図15は、駐車支援処理における処理範囲の拡大の例を示す図である。
【図16】図16は、交差点処理のフロー図である。
【図17】図17は、細道路処理のフロー図である。
【図18】図18は、細道路処理における処理範囲の例を示す図である。
【図19】図19は、車線変更処理のフロー図である。
【図20】図20は、車線変更処理における車線変更要否判断処理のフロー図である。
【図21】図21は、中央分離帯処理のフロー図である。
【図22】図22は、中央分離帯処理における処理範囲の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態を適用したセンサコントロールシステムについて、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、車両に搭載されたセンサコントロールシステムの概要の構成を示す図である。
【0012】
センサコントロールシステムは、ナビゲーション装置100と、センサコントローラ200と、センサ(カメラ等)300と、車両情報取得装置400と、を含んで構成される。
【0013】
なお、各装置は、CAN(Controller Area Network)やFlexRay等による車載ネットワーク(図示せず)を介して接続される。
【0014】
ナビゲーション装置100は、運転者に対して現在地の情報や目的地までの地理的情報を画像、音声等を用いて示す装置である。
【0015】
センサコントローラ200は、接続されたセンサ300により検知された情報を受け付け、ナビゲーション装置100等へ送信する。また、ナビゲーション装置100から地理的情報を受け取り、走行状況に応じてセンサ300の制御を行う。
【0016】
センサ300は、搭載された車両の周囲の状況を検知し、検知した情報をセンサコントローラ200やナビゲーション装置100に対して受け渡す。例えば、カメラ等により周囲の状況を撮像し、撮像した映像情報をセンサコントローラ200に受け渡す。または、例えば、ソナー又はレーダー等により周囲の遮蔽物を検知し、検知した情報をセンサコントローラ200に受け渡す。
【0017】
車両情報取得装置400は、搭載された車両の走行速度、進行方向、およびウインカー稼働情報、ギヤポジション等の車両の情報を取得して、ナビゲーション装置100やセンサコントローラ200からの情報要求に応じて送信する。
【0018】
図2に、センサコントロールシステムを構成するナビゲーション装置100の構成図を示す。
【0019】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、GPS(Global Positioning System)受信装置7と、FM多重放送受信装置8と、ビーコン受信装置9と、通信I/F(インターフェイス)10と、通信装置11と、を備えている。
【0020】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、通信I/F10を介して車両情報取得装置400から得た車両の走行速度と進行方向等の情報と、GPS受信装置7、FM多重放送受信装置8等から出力される情報とを基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0021】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0022】
また、演算処理部1は、センサコントローラ200を介して受け付けたセンサ300からの情報である車両の周囲の情報と、走行中の車線を特定する情報等とを受け付けて、経路の詳細な誘導を行う。
【0023】
また、演算処理部1は、センサコントローラ200から警告情報や注意情報を受け付けると、当該情報をディスプレイ2やスピーカ42へ出力する。
【0024】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0025】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0026】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0027】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル150が記憶されている。
【0028】
図3は、リンクテーブル150の構成を示す図である。リンクテーブル150は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)151ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ152を含んでいる。
【0029】
リンクデータ152は、リンクの識別子であるリンクID161ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報172、リンクを含む道路の種別(上下線が分離された道路か否かを特定する情報を含む)を示す道路種別173、リンクの長さを示すリンク長174、予め記憶されたリンク旅行時間175、当該リンクの車線数と、当該車線の属性(例えば右折専用車線等)と、を示す車線情報176、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度177、などを含んでいる。
【0030】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0031】
図2に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0032】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0033】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0034】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0035】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0036】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0037】
GPS受信装置7は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。GPS受信装置7は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0038】
FM多重放送受信装置8は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0039】
ビーコン受信装置9は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0040】
通信I/F10は、CANやFlexRay等による車載ネットワークを介して、当該ネットワークに接続されている他の装置と通信を行う装置である。
【0041】
通信装置11は、外部に存在する基地局等と無線で通信を行うことのできる装置であり、たとえば、携帯電話やDCM(Data Control Module)である。通信装置11は、例えば携帯電話網やインターネット等を介して他の機器(例えば、外部の情報センター等の情報提供サーバー装置等)と通信を行うことができる。
【0042】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0043】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、現在地算出部104と、経路探索部105と、経路誘導部106と、を有する。
【0044】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置7等の情報を取得し、現在地算出部104等に依頼して現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。
【0045】
また、センサ300で撮像した映像等を、通信I/F10を介してセンサコントローラ200から画像データとして取得する。そして、取得した画像データを、ディスプレイ2等に表示させる。
【0046】
また、センサコントローラ200から警告情報や注意情報を受け付けると、ディスプレイ2やスピーカ42に当該情報を出力して使用者の注意を喚起する。
【0047】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。
【0048】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0049】
現在地算出部104は、車両情報取得装置400を介して取得した車両の走行速度や向きの変化から求めた進行方向と、GPS受信装置7等からの情報とを、主制御部101を介して取得する。そして、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、リンク上に、現在地である可能性のある地点を求める。
【0050】
経路探索部105は、使用者から指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。例えば、経路探索部105は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在位置、目的地または立ち寄り地点)間を結ぶ経路のコスト(例えば、距離や旅行時間)が最少となる経路を探索する。なお、経路は、道路を示す位置に配置された点である複数のノードと、2つのノード間を結ぶリンクと、を連続的に順に結ぶことで特定される。なお、経路探索部105は、通信装置11を介して、外部の情報センター等によって探索された経路を受信して、探索結果の経路としてもよい。
【0051】
また、経路探索部105は、その経路に含まれる各ノード、各リンクに予め与えられたコストを合算することで経路全体のコストを求める。そして、経路探索部105は、その経路を通って目的地または立ち寄り地点に到達するまでに必要となる時間を算出し、その経路を特定するための経路情報をRAM22または記憶装置3の所定の領域に記憶させる。
【0052】
経路誘導部106は、経路探索部105により探索した推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いて使用者を誘導する。例えば、交差点等での進行方向等をディスプレイ2に表示させる。また、必要に応じて、スピーカ42から進行方向を示す情報を音声出力することで推奨経路を案内する。
【0053】
なお、上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、現在地算出部104、経路探索部105、経路誘導部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0054】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0055】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0056】
センサコントローラ200は、図5に示すように、演算処理部201と、通信I/F210と、を備えている。
【0057】
演算処理部201は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、通信I/F210を介して、ナビゲーション装置100から地理的な情報と、車両情報取得装置400から車両の情報と、を取得する。そして、取得した情報に基づいて走行状況を把握すると、状況に応じて、センサ300を制御する。
【0058】
また、演算処理部201は、センサ300から取得した情報を処理して、例えば走行中の車線を特定して、特定した車線の情報をナビゲーション装置100に送信する。演算処理部201は、各デバイス間をバス206で接続した構成である。演算処理部201は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU202と、地図データ、演算データなどを格納するRAM203と、プログラムやデータを格納するROM204と、各種ハードウェアを演算処理部201と接続するためのI/F(インターフェイス)205と、を有する。
【0059】
通信装置I/F210は、CANやFlexRay等による車載ネットワークを介して、当該ネットワークに接続されている他の装置と通信を行う装置である。
【0060】
図6は、演算処理部201の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部201は、主制御部221と、走行状況把握部222と、カメラ制御部223と、ソナー制御部224と、処理範囲設定部225と、認識処理部226と、を有する。
【0061】
主制御部221は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。
【0062】
走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100やセンサ300、車両情報取得装置400から得た情報に基づいて、車両の走行状況を把握する。例えば、現在地の情報と、地図の情報に基づき、現在走行している場所が細道路であると把握する。
【0063】
カメラ制御部223は、センサ300の一つであるカメラの動作を制御する。例えば、カメラの撮像の開始・終了のタイミングを設定する。また、撮像した画像のナビゲーション装置100への送信を制御する。
【0064】
ソナー制御部224は、センサ300の一つであるソナーの動作を制御する。例えば、ソナーの検知の開始・終了のタイミングを設定する。また、検知した反射波の情報について、ナビゲーション装置100への送信を制御する。
【0065】
処理範囲設定部225は、センサ300から取得した情報に対して、処理すべき範囲を設定する。その際、走行状況把握部222から車両の走行状況を特定する情報を受け取り、状況に応じて当該処理すべき範囲を設定する。
【0066】
認識処理部226は、処理範囲設定部225により設定された処理すべき範囲について、センサ300から取得した情報に対して種々の認識処理を行い、処理結果をナビゲーション装置100に送信する。
【0067】
なお、上記した演算処理部201の各機能部、すなわち主制御部221、走行状況把握部222、カメラ制御部223、ソナー制御部224、処理範囲設定部225、認識処理部226は、CPU202が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM203には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0068】
なお、上記した各構成要素は、センサコントローラ200の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。センサコントローラ200の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0069】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0070】
図7は、センサ300であるカメラと、ソナーと、についての、検知範囲を示す図である。車両310に取り付けられた複数のカメラは、図7(a)に示すように、車両310の前方を撮像する範囲である撮像範囲320Fと、右方を撮像する範囲である右方撮像範囲320Rと、後方を撮像する範囲である後方撮像範囲320Bと、左方を撮像する範囲である左方撮像範囲320Lと、を撮像することで検知を行う。また、カメラは、撮像した映像を、センサコントローラ200に受け渡す。
【0071】
車両310に取り付けられた複数のソナーは、図7(a)に示すように、車両310の前部、サイドミラー部、後部について、側方の遮蔽物を検知する。車両310の前部の右側の検知範囲は、330FRであり、左側の検知範囲は330FLである。また、車両310のサイドミラー部の右側の検知範囲は、330MRであり、左側の検知範囲は330MLである。また、車両310の後部の右側の検知範囲は、330BRであり、左側の検知範囲は330BLである。また、当該ソナーにより検知できる遮蔽物までの距離は、外部装置、例えばセンサコントローラ200から設定可能である。また、ソナーは、検知した遮蔽物の情報を、センサコントローラ200に受け渡す。
【0072】
なお、カメラは、例えば、図7(b)に示すように、車両310の前方および後方にやや下を向いて、路面を撮像できるように取り付けられる(300CF、300CB)。そして、カメラは、車両の前方および後方の地上面をCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて撮像する。
【0073】
図8は、図7(b)のカメラ300CFにて撮像した映像を用いて、センサコントローラ200が地上投影画像を生成する方法を説明するための図である。センサコントローラ200の主制御部221は、カメラ300CFの視点Pの位置(車両内の所定位置を原点とする三次元空間における座標位置)と撮像方向(視線方向)Kを求める。そして、主制御部221は、撮像画像510を、カメラ300CFの視点Pの位置から撮像方向Kに向けて、地上面520に投影し、地上投影画像530を生成する。なお、撮像方向Kは、撮像画像510の中心と垂直に交わる。また、カメラ300CFの視点Pから撮像画像510までの距離は、予め定められている。こうして生成される地上投影画像530は、車両の上空から車両周辺を鳥瞰したような画像となる。もちろん、カメラ300CFに限らず、車載されている他のカメラも同様にして画像を生成する。
【0074】
図9に示すように、車両情報取得装置400は、演算処理部401と、車速センサ411と、ジャイロセンサ412と、ウインカー413と、ギヤポジションセンサ414と、通信I/F415と、を備えている。
【0075】
演算処理部401は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、車速センサ411、ジャイロセンサ412、ウインカー413、ギヤポジションセンサ414等から取得した車両の情報を、通信I/F415を介して、ナビゲーション装置100やセンサコントローラ200に対して送信する。
【0076】
車両情報取得装置400の演算処理部401は、各デバイス間をバス406で接続した構成である。演算処理部401は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU402と、地図データ、演算データなどを格納するRAM()403と、プログラムやデータを格納するROM()404と、各種ハードウェアを演算処理部401と接続するためのI/F(インターフェイス)405と、を有する。
【0077】
車速センサ411は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0078】
ジャイロセンサ412は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0079】
ウインカー413は、車両の方向指示器において指示している方向を出力するものである。
【0080】
ギヤポジションセンサ414は、車両の駆動ギヤの位置を特定する情報を取得して、出力するものである。
【0081】
通信装置I/F415は、CANやFlexRay等による車載ネットワークを介して、当該ネットワークに接続されている他の装置と通信を行う装置である。
【0082】
[動作の説明]
次に、センサコントロールシステムの動作について説明する。
【0083】
図10は、センサコントロールシステムが搭載された車両の走行中に、走行している車線を精度良く特定するための走行レーン認識処理のフロー図である。
【0084】
このフローは、所定の道路を走行している場合に実施される。
【0085】
まず、センサコントローラ200の認識処理部226は、センサ300のうち、カメラを用いて、通常の車線認識処理を行う(ステップS001)。具体的には、センサコントローラ200の処理範囲設定部225は、車両の周囲、例えば左右の地面を撮像した画像について、処理範囲を通常の処理範囲として設定する。そして、認識処理部226は、カメラ制御部223に対して撮像を開始するよう指示する。認識処理部226は、撮像された画像のうち、設定された通常の処理範囲に該当する画像内の所定の範囲について白線認識処理を行い、認識された白線のパターンから、走行中の車線を特定する。
【0086】
次に、センサコントローラ200の認識処理部226は、認識した車線が左右両端のいずれかの車線でない車線であるか否かを判定する(ステップS002)。具体的には、センサコントローラ200の認識処理部226は、ステップS001にて認識した車線が、左右端のいずれかでない車線であるか否かを判定する。その際、認識処理部226は、車両左側の画像の最も車両に近い路面ペイントまたは車両右側の画像の最も車両に近い路面ペイントが、途切れのない白線である場合、左右端のいずれかの車線を走行していると判定する。また、認識処理部226は、車両左側の画像の最も車両に近い路面ペイントまたは車両右側の画像の最も車両に近い路面ペイントが、途切れのある白破線である場合、左右端のいずれかの車線を走行していないと判定する。
【0087】
認識した車線が左右両端のいずれかの車線である場合(ステップS002にて「No」)、認識処理部226は、当該車線を走行車線として認定して、走行レーン認識処理を終了させる。
【0088】
認識した車線が左右両端のいずれかの車線でない場合(ステップS002にて「Yes」)、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100から走行中のリンクについての情報を取得する(ステップS003)。
【0089】
具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に、現在地が属するリンクの情報を要求する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、現在地が属するリンクについての情報であるリンクデータ152をリンクテーブル150から取得して、センサコントローラ200に送信する。
【0090】
次に、走行状況把握部222は、レーン数情報が当該リンクの情報に含まれているか否かを判定する(ステップS004)。具体的には、走行状況把握部222は、ステップS003にて取得した走行中のリンクデータ152に含まれる車線情報176を読み出し、車線の数が車線情報176に含まれているか否かを判定する。
【0091】
レーン数情報が当該リンクの情報に含まれていない場合(ステップS004にて「No」)、走行状況把握部222は、ステップS006に処理を進める。
【0092】
レーン数情報が当該リンクの情報に含まれている場合(ステップS004にて「Yes」)、走行状況把握部222は、当該レーン数情報が片側4車線以上であるか否かを判定する(ステップS005)。
【0093】
片側4車線以上でない場合(ステップS005にて「No」)、認識処理部226は、走行車線を中央として特定して、走行レーン認識処理を終了させる。
【0094】
片側4車線以上である場合(ステップS005にて「Yes」)、処理範囲設定部225は、センサ300で検知した情報の処理領域を拡大して、車線認識処理を行う(ステップS006)。
【0095】
具体的には、処理範囲設定部225は、車両の周囲、例えば左右の地面を撮像した画像について、処理範囲を通常よりも拡大した処理範囲として設定する。そして、認識処理部226は、カメラ制御部223に対して撮像を開始するよう指示する。認識処理部226は、撮像された画像のうち、拡大されて設定された処理範囲に該当する画像内の所定の範囲について白線認識処理を行い、認識された白線のパターンから、走行中の車線を特定する。
【0096】
そして、認識処理部226は、走行レーン認識処理を終了させる。
【0097】
以上が、走行レーン認識処理の処理内容である。
【0098】
走行レーン認識処理によると、4車線以上の道路であって、両端以外の車線を走行している場合であっても、走行している車線がどの車線であるのかを特定しやすくなる。
【0099】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0100】
本発明の一実施形態によると、センサコントロールシステムは、走行している車線を特定するための車線検知処理範囲を、走行状況にあわせて過不足無く設定することができる。そして、検知した走行中の車線の情報を用いて、現在地をより正確に求めることが可能となる。
【0101】
図11は、本発明の比較例であり、本発明にかかる走行レーン認識処理を用いないで走行レーンを認識するコントロールシステムによる走行レーン認識結果を表す図である。
【0102】
図11(a)〜(d)においては、カメラによる車両の左側の左側撮像画像601Lと、カメラによる車両の右側の右側撮像画像601Rと、当該二つの画像から特定される車線を示す図602と、をそれぞれ示している。なお、車両603が走行している道路の車線数は、片側4車線であるとする。
【0103】
図11(a)に示したように、左側撮像画像601Lには、処理対象とする範囲が、左側画像処理範囲611Lとして設定されている。左側画像処理範囲611Lは、左側の画像を左右に分割したうちの、車両に近い部分である。
【0104】
また、右側撮像画像601Rにも、処理対象とする範囲が、右側画像処理範囲611Rとして設定されている。これらの処理対象とする範囲は、図11(a)〜(d)について、同様に共通して設定されているものとする。
【0105】
図11(a)については、左側画像処理範囲611Lに連続する白線の路面ペイント621が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rに連続しない白破線の路面ペイント622が映りこんでいるため、車両603は最左の車線を走行しているものとして判定することが可能である。
【0106】
同様に、図11(d)については、左側画像処理範囲611Lに連続しない白破線の路面ペイント652が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rに連続する白線の路面ペイント653が映りこんでいるため、車両603は最右の車線を走行しているものとして判定することが可能である。
【0107】
ところが、図11(b)および(c)については、車両603は、左から二番目の車線を走行しているのか、それとも右から二番目の車線を走行しているのか、区別が付かない。
【0108】
これは、図11(b)については、左側画像処理範囲611Lに連続しない白破線の路面ペイント632が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rにも連続しない白破線の路面ペイント633が映りこんでいるため、いずれの車線を走行しているのか区別不可能であるからである。
【0109】
同様のことが、図11(c)についてもいえる。図11(c)については、左側画像処理範囲611Lに連続しない白破線の路面ペイント642が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rにも連続しない白破線の路面ペイント643が映りこんでいるためである。
【0110】
すなわち、本発明にかかる走行レーン認識処理を行わない場合、撮像した画像の処理範囲を一律の縮小範囲に限定していると、4車線以上の道路においては走行車線を認識できない。
【0111】
これに対して、図12は、本発明にかかる走行レーン認識処理を用いた走行レーンを認識するコントロールシステムによる走行レーン認識結果を表す図である。
【0112】
図12(a)〜(d)においては、カメラによる車両の左側の左側撮像画像601Lと、カメラによる車両の右側の右側撮像画像601Rと、当該二つの画像から特定される車線を示す図602と、をそれぞれ示している。なお、車両603が走行している道路の車線数は、片側4車線であるとする。
【0113】
図12(a)に示したように、左側撮像画像601Lには、処理対象とする範囲が、左側画像処理範囲611Lとして設定されている。左側画像処理範囲611Lは、左側の画像を左右に分割したうちの、車両に近い部分である。また、右側撮像画像601Rにも、処理対象とする範囲が、右側画像処理範囲611Rとして設定されている。
【0114】
図12(a)については、左側画像処理範囲611Lに連続する白線の路面ペイント621が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rに連続しない白破線の路面ペイント622が映りこんでいるため、車両603は最左の車線を走行しているものとして、ステップS001にて車線を判定することが可能である。すなわち、検知範囲の拡大を実施せずに車線の判定が可能である。
【0115】
同様に、図12(d)については、左側画像処理範囲611Lに連続しない白破線の路面ペイント652が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rに連続する白線の路面ペイント653が映りこんでいるため、車両603は最右の車線を走行しているものとして検知範囲の拡大を実施せずに車線を判定することが可能である。
【0116】
図12(b)、図12(c)については、上述のとおり本発明に係る走行レーン認識処理を用いない場合には、走行レーンを認識できなかった。しかし、本発明に係る走行レーン認識処理を用いる場合には、走行レーンを認識することができる。
【0117】
図12(b)については、左側撮像画像601L全体を処理範囲とする左側画像処理範囲661Lに、連続する白線の路面ペイント631と、連続しない白破線の路面ペイント632と、が映りこんでおり、右側撮像画像601R全体を処理範囲とする右側画像処理範囲661Rには、連続しない白破線の路面ペイント633と、連続しない白破線の路面ペイント634と、が映りこんでいるため、連続する白線の位置から、左から二番目の車線を走行していることを認識することが可能である。
【0118】
同様のことが、図12(c)についてもいえる。図12(c)については、左側撮像画像601L全体を処理範囲とする左側画像処理範囲661Lに、連続しない白破線の路面ペイント641と、連続しない白破線の路面ペイント642と、が映りこんでおり、右側撮像画像601R全体を処理範囲とする右側画像処理範囲661Rには、連続しない白破線の路面ペイント643と、連続する白線の路面ペイント644と、が映りこんでいるため、右から二番目の車線を走行していることを認識することが可能である。
【0119】
すなわち、本発明にかかる走行レーン認識処理を行う場合、撮像した画像の処理範囲を走行状況に応じて拡大させることが可能なため、4車線以上の道路においても走行車線を認識可能である。
【0120】
また、図13は、本発明に係るセンサコントローラ200がステップS006にて、車両の前面について撮像するカメラを対象として処理範囲を拡大する場合の例を示す図である。処理範囲設定部225は、カメラが撮像する画像全体670のうち、本発明に係るセンサコントローラ200による通常の画像処理範囲680は、拡大後の画像処理範囲680Eへと拡大させる。
【0121】
このようにすることで、前方を撮像するカメラであっても、本発明に係る走行レーン認識処理により処理範囲を拡大することができ、車線の認識をスムーズに行うことができる。
【0122】
<駐車支援処理>
次に、図14、15を用いて、駐車場における駐車支援処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0123】
駐車支援処理は、センサコントロールシステムを搭載した車両が駐車場に進入すると、開始される。
【0124】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、センサ300を通常の処理範囲に設定して起動させる(ステップS101)。
【0125】
次に、走行状況把握部222は、ギヤ位置の情報を取得する(ステップS102)。具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対して、現在設定されているギヤポジションの情報を要求し、車両情報取得装置400は、ギヤポジションを特定する情報をセンサコントローラ200に送信する。
【0126】
次に、走行状況把握部222は、取得したギヤポジションがNレンジ、すなわちニュートラルであるか否かを判定する(ステップS103)。
【0127】
ギヤポジションがNレンジである場合(ステップS103にて「Yes」)、走行状況把握部222は、ステップS102に処理を戻す。
【0128】
ギヤポジションがNレンジでない場合(ステップS103にて「No」)、走行状況把握部222は、ギヤポジションがPレンジであるか否かを判定する(ステップS104)。
【0129】
ギヤポジションがPレンジである場合(ステップS104にて「Yes」)、走行状況把握部222は、駐車支援処理を終了させる。
【0130】
ギヤポジションがPレンジでない場合(ステップS104にて「No」)、走行状況把握部222は、ギヤポジションがLまたはSまたはDレンジであるか否かを判定する(ステップS105)。
【0131】
ギヤポジションがLまたはSまたはDレンジである場合(ステップS105にて「Yes」)、処理範囲設定部225は、車両の前方と左右のセンサの処理範囲を通常よりも拡大して設定し、認識処理部226は、駐車スペースの検知等を行う(ステップS106)。そして、認識処理部226は、駐車支援処理を終了させる。
【0132】
ギヤポジションがLまたはSまたはDレンジのいずれでもない場合(ステップS105にて「No」)、走行状況把握部222は、ギヤポジションがRレンジであるか否かを判定する(ステップS107)。
【0133】
ギヤポジションがRレンジでない場合(ステップS107にて「No」)、走行状況把握部222は、処理をステップS102に戻す。
【0134】
ギヤポジションがRレンジである場合(ステップS107にて「Yes」)、処理範囲設定部225は、車両の後方と左右のセンサ処理範囲を通常よりも拡大して設定し、認識処理部226は、駐車スペースの検知等を行う(ステップS108)。そして、認識処理部226は、駐車支援処理を終了させる。
【0135】
以上が、駐車支援処理の処理内容である。
【0136】
本発明に係る駐車支援処理を行う事によって、使用者は、通常の処理範囲よりも広い範囲で駐車スペースを検知することが可能となる。
【0137】
なお、ステップS106において、あわせて、後方のセンサの処理範囲を通常よりも縮小して設定するようにしてもよい。このようにすることで、駐車支援処理に係る処理負荷を抑えることが可能となる。もちろん、ステップS108において前方のセンサの処理範囲を通常よりも縮小して設定するようにしても同様の効果を得られる。
【0138】
図15は、本発明の比較例であり、本発明にかかる駐車支援処理を用いないで駐車スペースを検知するコントロールシステムによる走行レーン認識結果を表す図である図15(a)と、本発明にかかる駐車支援処理を用いて駐車スペースを検知するコントロールシステムによる走行レーン認識結果を表す図である図15(b)と、を含む。
【0139】
図15(a)においては、車両310に搭載されたカメラによる前方の撮像範囲が、320Fであり、そのうち処理範囲として設定された範囲が処理範囲700である。また、右方の撮像範囲が、320Rであり、処理範囲として設定された範囲が処理範囲701である。また、後方の撮像範囲が、320Bであり、処理範囲として設定された範囲が処理範囲702である。また、左方の撮像範囲が、320Lであり、処理範囲として設定された範囲が処理範囲704である。
【0140】
図15(a)においては、前後左右の撮像範囲のいずれにも、駐車スペースが撮像範囲に含まれるにもかかわらず、処理範囲が不足するために、駐車スペースをうまく発見することができない。
【0141】
これに対して、図15(b)においては、前方の処理範囲700Eが前方の撮像範囲320F全体まで拡大しており、右方の処理範囲701Eが右方の撮像範囲320R全体まで拡大しており、左方の処理範囲704Eが左方の撮像範囲320L全体まで拡大しておいるため、駐車スペースを前方、右方、左方のいずれにも発見することができている。また、後方の処理範囲702Eが通常の処理範囲よりも小さくなっているため、処理負荷を軽減させることができる。
【0142】
以上が、本発明の駐車支援処理の実施例である。
【0143】
本実施例によると、駐車場において、ギヤポジションに応じて駐車支援処理に用いるセンサの検知範囲を変更することが可能となるため、より効率の良いセンサの使用が可能となる。
【0144】
<交差点処理>
次に、図16を用いて、交差点における交差点処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0145】
交差点処理は、センサコントロールシステムが起動されると、定期的に開始される。
【0146】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、現在位置を取得する(ステップS201)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して現在地を要求する。ナビゲーション装置100の現在地算出部104は、現在地を算出し、センサコントローラ200に現在地を特定する情報を送信する。
【0147】
次に、走行状況把握部222は、現在地が交差点の手前であるか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、走行状況把握部222は、ステップS201にて取得した現在地が、進行方向前方に存在する最寄りの交差点の所定距離(例えば200m)手前の範囲に含まれるか否かを判定し、含まれる場合には交差点の手前であると判定し、含まれない場合には交差点の手前ではないと判定する。
【0148】
交差点の手前でない場合(ステップS202にて「No」)、走行状況把握部222は、処理をステップS201に戻す。
【0149】
交差点の手前である場合(ステップS202にて「Yes」)、走行状況把握部222は、当該交差点に信号があるか否かを判定する(ステップS203)。
【0150】
当該交差点に信号がない場合(ステップS203にて「No」)、認識処理部226は、ソナー等を用いて交差点への進入を検知し、前方センサ、例えば前方カメラ等により前方からの接近物を検知する(ステップS204)。そして、交差点処理を終了させる。
【0151】
具体的には、認識処理部226は、車両の前方左右のソナーを起動させて、側方の遮蔽物との距離を計測し、遮蔽物が所定の距離内になくなったことを検知すると、交差点へ進入したと判定する。交差点への進入を検知すると、認識処理部226は、前方カメラを起動させて、カメラにより撮像された前方の動体を検知して接近物がある場合にはナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0152】
当該交差点に信号がある場合(ステップS203にて「Yes」)、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100が経路誘導を行っているか否かを判定する(ステップS205)。
【0153】
具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して、推奨経路が設定されているか否かを問い合わせる。ナビゲーション装置100の主制御部101は、経路誘導部106に推奨経路の設定がなされているか否かを問い合わせ、結果(推奨経路が設定されている場合には推奨経路の情報)をセンサコントローラ200に送信する。走行状況把握部222は、送信された結果を受け付けて推奨経路の設定がなされていれば経路誘導中と判定し、設定がなされていなければ経路誘導中ではないと判定する。
【0154】
経路誘導中でない場合(ステップS205にて「No」)、走行状況把握部222は、ウインカーにて指示する方向を取得する(ステップS206)。そして、ステップS207に処理を進める。
【0155】
具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対してウインカーの指示方向を問い合わせる。車両情報取得装置400は、ウインカー413から指示方向の情報を検知して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信された指示方向を受け付ける。
【0156】
経路誘導中である場合(ステップS205にて「Yes」)、またはウインカーの指示方向を取得した場合(ステップS206を実施した場合)、走行状況把握部222は、当該交差点において左折をする予定があるか否かを判定する(ステップS207)。
【0157】
具体的には、走行状況把握部222は、推奨経路上、当該交差点において左折を行うか否かを判定する。または、推奨経路が無い場合、ウインカーの指示方向が左折を示すものであったか否かを判定する。
【0158】
左折をする予定がある場合(ステップS207にて「Yes」)、認識処理部226は、後方と左側のセンサの処理領域を通常よりも拡大して接近物の検知を行う(ステップS208)。そして、交差点処理を終了させる。
【0159】
具体的には、処理範囲設定部225は、例えば、後方を撮像するカメラと左方を撮像するカメラの撮像範囲全域を処理領域として設定する。そして、認識処理部226は、後方を撮像するカメラと左方を撮像するカメラとを起動させて、カメラにより撮像された後方と左方の動体を検知して接近物がある場合にはナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0160】
左折をする予定がない場合(ステップS207にて「No」)、走行状況把握部222は、当該交差点において右折をする予定があるか否かを判定する(ステップS209)。
【0161】
具体的には、走行状況把握部222は、推奨経路上、当該交差点において右折を行うか否かを判定する。または、推奨経路が無い場合、ウインカーの指示方向が右折を示すものであったか否かを判定する。
【0162】
右折をする予定がある場合(ステップS209にて「Yes」)、認識処理部226は、後方と右側のセンサの処理領域を通常よりも拡大して接近物の検知を行う(ステップS210)。そして、交差点処理を終了させる。
【0163】
具体的には、処理範囲設定部225は、例えば、後方を撮像するカメラと右方を撮像するカメラの撮像範囲全域を処理領域として設定する。そして、認識処理部226は、後方を撮像するカメラと右方を撮像するカメラとを起動させて、カメラにより撮像された後方と右方の動体を検知して接近物がある場合にはナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0164】
右折をする予定がない場合(ステップS209にて「No」)、認識処理部226は、全方向のセンサの処理領域を通常通りに設定して接近物の検知を行う(ステップS211)。そして、交差点処理を終了させる。
【0165】
具体的には、処理範囲設定部225は、例えば、前後左右の各方向を撮像するカメラによる撮像範囲の一部範囲を処理領域として設定する。そして、認識処理部226は、前後左右の各方向を撮像するカメラを起動させて、カメラにより撮像された画像の処理範囲内にある動体を検知して、接近物がある場合にはナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0166】
以上が、交差点処理の処理内容である。
【0167】
本発明に係る交差点処理を行う事によって、使用者は、交差点通過時において、当該交差点の進行方向に応じて、重点的に接近物を検知する方向を過不足なく設定することが可能となる。
【0168】
なお、ステップS208において、あわせて、前方を撮像するカメラと右方を撮像するカメラの処理範囲を通常よりも縮小して設定するようにしてもよい。このようにすることで、交差点処理に係る処理負荷を抑えることが可能となる。もちろん、ステップS210において前方を撮像するカメラと左方を撮像するカメラの処理範囲を通常よりも縮小して設定するようにしても同様の効果を得られる。
【0169】
以上が、本発明の交差点処理の実施例である。
【0170】
本実施例によると、交差点において、進行方向に応じて、安全上注意すべき方向のセンサの検知範囲を拡大させることが可能となるため、より効率の良いセンサの使用が可能となる。
【0171】
<細道路処理>
次に、図17を用いて、細道路における細道路処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0172】
細道路処理は、センサコントロールシステムが起動されると、定期的に開始される。
【0173】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、現在位置を取得する(ステップS301)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して現在地を要求する。ナビゲーション装置100の現在地算出部104は、現在地を算出し、センサコントローラ200に現在地を特定する情報を送信する。
【0174】
次に、走行状況把握部222は、現在地が細道路であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0175】
具体的には、走行状況把握部222は、ステップS301にて取得した現在地が属する道路であるリンクの道路種別をナビゲーション装置100に問い合わせる。ナビゲーション装置100の主制御部101は、現在地が属するリンクのリンクデータ152を特定し、道路種別173の情報を送信する。走行状況把握部222は、道路種別173の情報が「細道路」であるか否かにより、細道路か否かを判定する。
【0176】
現在地が細道路でない場合(ステップS302にて「No」)、走行状況把握部222は、ステップS301に処理を戻す。
【0177】
現在地が細道路である場合(ステップS302にて「Yes」)、走行状況把握部222は、車速が所定値よりも低いか否かを判定する(ステップS303)。
【0178】
具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対して、車速を問い合わせる。車両情報取得装置400は、車速センサ411により取得した車速を、センサコントローラに送信する。走行状況把握部222は、送信された車速が所定値(例えば時速15km)よりも低いか否かを判定する。
【0179】
車速が所定値よりも低くない場合(ステップS303にて「No」)、ソナー制御部224は、ソナーの検知範囲を通常よりも拡大させて設定する(ステップS304)。そして、ステップS306へ処理を進める。
【0180】
車速が所定値よりも低い場合(ステップS303にて「Yes」)、ソナー制御部224は、ソナーの検知範囲を通常範囲に設定する(ステップS305)。そして、ステップS306へ処理を進める。
【0181】
次に、走行状況把握部222は、対向車の有無を確認する(ステップS306)。具体的には、走行状況把握部222は、車車間通信(車両同士での直接の通信)あるいは路車間通信(情報センター等を介しての通信)を行い、対向車が所定距離内(例えば200m以内)に存在するか否かの情報を取得する。もちろん、通信装置11を用いて、外部に存在する情報センター等から対向車の有無についての情報を受信するようにしてもよい。
【0182】
次に、走行状況把握部222は、対向車があるか否かを判定する(ステップS307)。具体的には、走行状況把握部222は、ステップS306にて取得した情報に従って対向車の有無を判定する。あるいは、自車に搭載されている各種センサ(カメラ、レーダー、ソナー等)を用いて、対向車の有無を判定してもよい。
【0183】
対向車がある場合(ステップS307にて「Yes」)、カメラ制御部223、ソナー制御部224は、それぞれ、左側を撮像するカメラと右側を撮像するカメラと、左側を検知するソナーと右側を検知するソナーと、を起動させる(ステップS308)。
【0184】
次に、認識処理部225は、左幅寄せ可否判定を行う(ステップS309)。具体的には、認識処理部225は、左側を検知するソナーと左側を撮像するカメラの情報に基づいて、左側の幅を特定し、当該幅が所定値(例えば10cm)以下となった場合には、ナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0185】
次に、認識処理部225は、すれ違い可否判定を行う(ステップS310)。そして、細道路処理を終了させる。
【0186】
具体的には、認識処理部225は、右側を検知するソナーと右側を撮像するカメラの情報に基づいて、右側、すなわち対向車との幅を特定し、当該幅が所定値(例えば10cm)以下となった場合には、ナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0187】
対向車がない場合(ステップS307にて「No」)、走行状況把握部222は、前方道路の形状を把握する(ステップS311)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して、現在地より前方に所定距離(例えば100m)内に存在する道路の形状が直線であるか否かを問い合わせる。
【0188】
ナビゲーション装置100の経路誘導部106または主制御部101は、現在地よりも前方に存在する道路の形状が直線であるか否かをリンクデータのリンクの向きから判定し、判定した結果をセンサコントローラ200に送信する。当該判定においては、例えば、推奨経路が設定されている場合には、経路誘導部106が、推奨経路を構成するリンクのうち所定の距離内にあるリンクについて、リンク間の接続角度の相違が5度以内に収まるのであれば、直線道路であると判定する。また例えば、推奨経路が設定されていない場合には、主制御部101が、現在地から右左折を必要とせずに接続されるリンクのうち所定の距離内にあるリンクについて、リンク間の接続角度の相違が5度以内に収まるのであれば、直線道路であると判定する。
【0189】
次に、走行状況把握部222は、前方道路の形状が直線であるか否かを判定する(ステップS312)。具体的には、走行状況把握部222は、ステップS311にて取得した道路の形状が「直線」であるとナビゲーション装置100において判定された場合には、直線と判定し、そうでない場合には、直線ではないと判定する。
【0190】
直線ではない場合(ステップS312にて「No」)、走行状況把握部222は、上記したステップS308に処理を進める。
【0191】
直線である場合(ステップS312にて「Yes」)、カメラ制御部223、ソナー制御部224は、それぞれ、左側を撮像するカメラと、左側を検知するソナーと、を起動させる(ステップS313)。
【0192】
次に、認識処理部225は、左幅寄せ可否判定を行う(ステップS314)。そして、細道路処理を終了させる。
【0193】
具体的には、認識処理部225は、左側を検知するソナーと左側を撮像するカメラの情報に基づいて、左側の幅を特定し、当該幅が所定値(例えば10cm)以下となった場合には、ナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0194】
以上が、細道路処理の処理内容である。
【0195】
本発明に係る細道路処理を行う事によって、使用者は、細道路走行時において、当該細道路の通行状況に応じて、重点的に接近物を検知する方向を過不足なく設定することが可能となる。
【0196】
以上が、本発明にかかる細道路処理の実施例である。
【0197】
本実施例によると、細道路において、通行状況に応じて、安全上注意すべき方向のセンサの検知範囲を起動させることが可能となるため、より効率の良いセンサの使用が可能となる。
【0198】
図18は、本発明にかかる細道路処理を用いて、車両と対向車との幅、および車両と道路左端との幅を検知するコントロールシステムによる細道路での処理状態を表す図である。図18においては、細道路800を走行する、本発明にかかる細道路処理を行うことのできるセンサコントロールシステムを搭載した車両802と、対向車803とがすれ違う状況が示されている。細道路800の左端には、歩道が設けられており、歩道と車道との間には、縁石801が設けられている。そのため、車両802は、縁石801と対向車803との間を、両者に接触することなく走行する必要がある。
【0199】
この状況において、細道路処理のステップS308にて、左右ソナーと左右カメラが起動される。
【0200】
当該起動された左右を撮像するカメラは、図18のように、車両802の側方を撮像するように取り付けられている。左側を撮像するカメラは、左側カメラ撮像範囲804Lに基づいて、縁石801を含む車両の左側の状況を撮像する。右側を撮像するカメラは、右側カメラ撮像範囲804Rに基づいて、対向車803を含む車両の右側の状況を撮像する。
【0201】
起動された左側を検知するソナーは、図18のように、車両802の前方と、サイドミラー付近と、後方と、に車両の側方との距離を検知するよう取り付けられている。それぞれのソナーは、前方左側ソナー検知範囲805FLと、中央左側ソナー検知範囲805MLと、後方左側ソナー検知範囲805BLと、の範囲に基づいて遮蔽物、例えば壁の接近を検知する。
【0202】
また、当該起動された右側を検知するソナーも同様に、車両802の前方と、サイドミラー付近と、後方と、に車両の側方との距離を検知するよう取り付けられている。それぞれのソナーは、前方右側ソナー検知範囲805FRと、中央右側ソナー検知範囲805MRと、後方右側ソナー検知範囲805BRと、の範囲に基づいて遮蔽物、例えば対向車や壁の接近を検知する。
【0203】
このように、ステップS308において、左右のソナーと左右のカメラとを起動するため、センサコントローラは、左側を撮像するカメラと左側を検知するソナーにより左幅寄せ可否判定(ステップS309)と、右側を撮像するカメラと右側を検知するソナーによりすれ違い可否判定(ステップS310)を行うことができる。
【0204】
<車線変更処理>
次に、図19を用いて、車線変更時の各センサ300の動作を制御する車線変更処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0205】
車線変更処理は、センサコントロールシステムが起動されると、定期的に開始される。
【0206】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、現在位置を取得する(ステップS401)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して現在地を要求する。ナビゲーション装置100の現在地算出部104は、現在地を算出し、センサコントローラ200に現在地を特定する情報を送信する。
【0207】
次に、走行状況把握部222は、現在地が属する道路が片側2車線以上であるか否かを判定する(ステップS402)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に、現在地が属するリンクの情報を要求する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、現在地が属するリンクについての情報であるリンクデータ152をリンクテーブル150から取得して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信されたリンクデータ152に含まれる車線情報176を読み出し、車線の数が片側2車線以上であるか否かを判定する。
【0208】
片側2車線以上でない場合(ステップS402にて「No」)、走行状況把握部222は、ステップS404に処理を進める。
【0209】
片側2車線以上である場合(ステップS402にて「Yes」)、走行状況把握部222は、走行車線を取得する(ステップS403)。
【0210】
具体的には、センサコントローラ200の処理範囲設定部225は、車両の周囲、例えば左右の地面を撮像した画像について、処理範囲を通常の処理範囲として設定する。そして、認識処理部226は、カメラ制御部223に対して撮像を開始するよう指示する。認識処理部226は、撮像された画像のうち、設定された通常の処理範囲に該当する画像内の所定の範囲について白線認識処理を行い、認識された白線のパターンから、走行中の車線を特定する。そして、走行状況把握部222は、認識処理部226が特定した車線の情報を取得する。
【0211】
次に、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100が経路誘導を行っているか否かを判定する(ステップS404)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して、推奨経路が設定されているか否かを問い合わせる。ナビゲーション装置100の主制御部101は、経路誘導部106に推奨経路の設定がなされているか否かを問い合わせ、結果(推奨経路が設定されている場合には推奨経路の情報)をセンサコントローラ200に送信する。走行状況把握部222は、送信された結果を受け付けて推奨経路の設定がなされていれば経路誘導中と判定し、設定がなされていなければ経路誘導中ではないと判定する。
【0212】
経路誘導中でない場合(ステップS404にて「No」)、走行状況把握部222は、ウインカーにて指示する方向を取得し、左右いずれかの出力があるか否かを判定する(ステップS405)。
【0213】
具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対してウインカーの指示方向を問い合わせる。車両情報取得装置400は、ウインカー413から指示方向の情報を検知して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信された指示方向を受け付け、左右のいずれかへの出力がなされているかいないかを判定する。
【0214】
ウインカーに出力がある場合(ステップS405にて「Yes」)、走行状況把握部222は、後述するステップS408に処理を進める。
【0215】
ウインカーに出力がない場合(ステップS405にて「No」)、走行状況把握部222は、車線変更処理を終了させる。
【0216】
経路誘導中である場合(ステップS404にて「Yes」)、走行状況把握部222は、後述する車線変更要否判断処理を行い、車線変更の要否と、その方向と、についての結果を取得する(ステップS406)。
【0217】
次に、走行状況把握部222は、ステップS406の結果から、車線変更が必要であるか否かを判定する(ステップS407)。
【0218】
車線変更が必要でない場合(ステップS407にて「No」)、走行状況把握部222は、車線変更処理を終了させる。
【0219】
車線変更が必要である場合(ステップS407にて「Yes」)、認識処理部226は、進行方向に応じてセンサ300を起動させて、認識処理を行う(ステップS408)。
【0220】
具体的には、処理範囲設定部225は、通常の処理範囲を設定し、カメラ制御部223およびソナー制御部224に対して、ステップS406で特定した車線変更の方向またはステップS405にて取得したウインカーの出力方向を検知対象とするセンサ300を起動させるよう指示する。そして、認識処理部226は、起動されたセンサからの情報を取得して、接近物検知等の処理を実施する。
【0221】
以上が、車線変更処理の処理内容である。
【0222】
図20に、車線変更処理のステップS406にて実施する車線変更要否判断処理の処理フローについて説明する。
【0223】
まず、走行状況把握部222は、右折か左折かの案内があるか否かを判定する。(ステップS411)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して、右折か左折かのいずれかの経路誘導を行っているか否かを問い合わせる。ナビゲーション装置100の主制御部101は、経路誘導部106が右折または左折の案内を行っているか否かを判定し、案内を行っている場合には案内方向、すなわち右折または左折を特定する情報をセンサコントローラ200に送信する。走行状況把握部222は、送信された結果を受け付けて右折または左折を特定する結果であれば、案内があると判定し、そうでなければ案内がないと判定する。
【0224】
右折か左折かの案内がある場合(ステップS411にて「Yes」)、走行状況把握部222は、現在地が属する道路に進行方向専用車線があり、かつその車線以外を自車が走行中であるか否かを判定する(ステップS412)。
【0225】
具体的には、走行状況把握部222は、ステップS402にて取得した車線情報176に、ステップS411にて特定した左右いずれかの方向へ右左折する進行方向専用車線が含まれ、かつ、ステップS403にて取得した走行車線が当該専用車線以外の車線であるか否かを判定する。
【0226】
現在地が属する道路に進行方向専用車線があり、かつその車線以外を自車が走行中である場合(ステップS412にて「Yes」)、走行状況把握部222は、車線変更方向を特定する(ステップS413)。
【0227】
具体的には、走行状況把握部222は、ステップS411にて特定した右左折のいずれかの方向を、車線変更方向として特定する。
【0228】
次に、走行状況把握部222は、車線変更要と判定する(ステップS414)。そして、走行状況把握部222は、車線変更要否判定処理を終了させ、車線変更処理のステップS407に処理を進める。
【0229】
現在地が属する道路に進行方向専用車線がない、または進行方向専用車線があるがその車線を自車が走行中である場合(ステップS412にて「No」)、走行状況把握部222は、進行方向専用車線が2以上の車線数であるか否かを判定する(ステップS415)。
【0230】
進行方向専用車線が2以上の車線数でない場合(ステップS415にて「No」)、走行状況把握部222は、車線変更不要と判定する(ステップS416)。そして、走行状況把握部222は、車線変更要否判定処理を終了させ、車線変更処理のステップS407に処理を進める。
【0231】
進行方向専用車線が2以上の車線数である場合(ステップS415にて「Yes」)、走行状況把握部222は、ステップS413に処理を進める。
【0232】
右折か左折かの案内がない場合(ステップS411にて「No」)、走行状況把握部222は、ウインカーにて指示する方向を取得し、左右いずれかの出力があるか否かを判定する(ステップS417)。
【0233】
具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対してウインカーの指示方向を問い合わせる。車両情報取得装置400は、ウインカー413から指示方向の情報を検知して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信された指示方向を受け付け、左右のいずれかへの出力がなされているかいないかを判定する。
【0234】
ウインカーに出力がある場合(ステップS417にて「Yes」)、走行状況把握部222は、前述したステップS413に処理を進める。
【0235】
ウインカーに出力がない場合(ステップS417にて「No」)、走行状況把握部222は、車線変更不要と判定する(ステップS418)。そして、走行状況把握部222は、車線変更要否判定処理を終了させ、車線変更処理のステップS407に処理を進める。
【0236】
以上が、車線変更処理のステップS406にて実施される車線変更要否判断処理の処理フローの例である。
【0237】
本発明に係る車線変更処理を行う事によって、使用者は、車線変更時において、車線変更する方向に応じて、重点的に接近物を検知する方向を過不足なく設定することが可能となる。
【0238】
以上が、本発明にかかる車線変更処理の実施例である。
【0239】
本実施例によると、車線変更時に、車線変更方向に応じて、起動させるセンサを必要最小限に限定して起動させることが可能となるため、より効率の良いセンサの使用が可能となる。
【0240】
<中央分離帯処理>
次に、図21を用いて、中央分離帯沿いを走行時の各センサ300の動作を制御する中央分離帯処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0241】
中央分離帯処理は、センサコントロールシステムが起動されると、定期的に開始される。
【0242】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、現在位置を取得する(ステップS501)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して現在地を要求する。ナビゲーション装置100の現在地算出部104は、現在地を算出し、センサコントローラ200に現在地を特定する情報を送信する。
【0243】
次に、走行状況把握部222は、現在地が属する道路が片側2車線以上であるか否かを判定する(ステップS502)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に、現在地が属するリンクの情報を要求する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、現在地が属するリンクについての情報であるリンクデータ152をリンクテーブル150から取得して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信されたリンクデータ152に含まれる車線情報176を読み出し、車線の数が片側2車線以上であるか否かを判定する。
【0244】
片側2車線以上でない場合(ステップS502にて「No」)、走行状況把握部222は、中央分離帯処理を終了させる。
【0245】
片側2車線以上である場合(ステップS502にて「Yes」)、走行状況把握部222は、現在地が属する道路が中央分離帯を有するか否かを判定する(ステップS503)。
【0246】
具体的には、走行状況把握部222は、ステップS502でナビゲーション装置100から得た現在地が属するリンクの情報に含まれる道路種別173を読み出し、上下線分離されている道路であれば中央分離帯があると判定し、そうでない道路であれば中央分離帯がない道路であると判定する。
【0247】
中央分離帯を有しない道路である場合(ステップS503にて「No」)、走行状況把握部222は、中央分離帯処理を終了させる。
【0248】
中央分離帯を有する道路である場合(ステップS503にて「Yes」)、走行状況把握部222は、走行車線を取得する(ステップS504)。
【0249】
具体的には、センサコントローラ200の処理範囲設定部225は、車両の周囲、例えば左右の地面を撮像した画像について、処理範囲を通常の処理範囲として設定する。そして、認識処理部226は、カメラ制御部223に対して撮像を開始するよう指示する。認識処理部226は、撮像された画像のうち、設定された通常の処理範囲に該当する画像内の所定の範囲について白線認識処理を行い、認識された白線のパターンから、走行中の車線を特定する。そして、走行状況把握部222は、認識処理部226が特定した車線の情報を取得する。
【0250】
次に、走行状況把握部222は、ステップS504にて取得した走行車線を特定する情報が、最右車線を走行するものであるか否かを判定する(ステップS505)。
【0251】
最右車線を走行するものでない場合(ステップS505にて「No」)、走行状況把握部222は、中央分離帯処理を終了させる。
【0252】
最右車線を走行するものである場合(ステップS505にて「Yes」)、処理範囲設定部225は、右側を検知対象とするセンサの処理範囲を通常よりも縮小させる(ステップS506)。
【0253】
具体的には、処理範囲設定部225は、右側を検知対象とするセンサ、例えば右側を検知するソナー、右側を撮像するカメラの処理範囲を通常よりも縮小させて設定し、認識処理部226は当該処理範囲に従って車線等の認識を行う。そして、認識処理部226は、中央分離帯処理を終了させる。
【0254】
以上が、中央分離帯処理の処理内容である。
【0255】
本発明に係る中央分離帯処理を行う事によって、使用者は、中央分離帯沿いの車線を走行する場合において、中央分離帯の方向についてのセンサによる認識処理範囲を縮小させることが可能となり、したがって処理負荷を抑えることができるようになる。
【0256】
図22は、本発明にかかる中央分離帯処理を用いて、車両の周囲の状況を検知するセンサコントロールシステムによる中央分離帯沿いの車線での処理状態を表す図である。図22においては、道路900を走行する、本発明にかかる中央分離帯処理を行うことのできるセンサコントロールシステムを搭載した車両904が中央分離帯903沿いの車線902Rを走行する状況が示されている。
【0257】
道路900の車線は、車線境界線901によって、左側車線902Lと右側車線902Rとに分けられる。車両904は、前側、右側、後側、左側を撮像するカメラと、車両の前部の側方、サイドミラーの側方、後部の側方に存在する遮蔽物までの距離を検知する左右のソナーと、を備えている。
【0258】
なお、カメラにより撮像される前側、右側、後側、左側のそれぞれの範囲は、前側撮像範囲905F、右側撮像範囲905R、後側撮像範囲905B、左側撮像範囲905L、で表される。また、ソナーにより検知される前部の側方、サイドミラー部の側方、後部の側方のそれぞれの範囲は、前部右側検知範囲906FR、サイドミラー部右側検知範囲906MR、後部右側検知範囲906BR、前部左側検知範囲906FL、サイドミラー部左側検知範囲906ML、後部左側検知範囲906BL、により表される。
【0259】
中央分離帯処理のステップS506にて、中央分離帯903側のセンサの検知範囲が縮小された結果、図示するとおり、右側撮像範囲905Rの撮像範囲が他の方向の撮像範囲よりも縮小され、前部右側検知範囲906FR、サイドミラー部右側検知範囲906MR、後部右側検知範囲906BRの検知範囲が左側の対応するソナーによる検知範囲よりも縮小されている。
【0260】
以上が、本発明にかかる中央分離帯処理の実施例である。
【0261】
本実施例によると、中央分離帯のある道路において、中央分離帯沿いを走行している場合に、中央分離帯側のセンサの検知範囲を絞ることが可能となるため、より効率良くセンサを使用することが可能となる。
【0262】
本発明は、上記実施形態および実施例に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0263】
例えば、上記実施形態においては、センサ300はカメラとソナーを含むものであるが、これに限られず、そのどちらか一方のみであってもよいし、その他にライザーなどのレーダーや、ミリ波レーダー等を含むものであってもよい。
【0264】
このようにすることで、車両に取り付けられているセンサに応じて、取り付けられたセンサを適切に使用することが可能となる。
【0265】
また、上記実施形態および変形例においては、例えば、走行レーン認識処理と、駐車場処理と、交差点処理と、細道路処理と、車線変更処理と、中央分離帯処理と、をすべて並列に実装させてもよい。その場合には、例えば、走行レーン認識処理と、交差点処理と、車線変更処理と、中央分離帯処理と、による結果、センサに異なる処理範囲が設定されたり、異なるセンサの起動がなされたりすることがありうる。その場合には、センサの処理範囲は最大のものにあわせ、センサの起動対象はいずれか一つの処理にて起動対象となっているものを起動するようにしてもよい。
【0266】
このようにすることで、センサコントロールシステムは、いずれの処理も他の処理によって制限されることなく、必要な全ての機能を用いて運転者を支援できる。
【0267】
また、上記実施形態および変形例においては、細道路処理および車線変更処理に関し、走行条件に応じてセンサを起動させる実施例としているが、これに限られない。例えば、処理範囲を拡大させるものであってもよいし、センサを起動させると共に処理範囲を拡大させるものであってもよい。いずれの形態であっても、あわせて認識処理部226による認識処理のタスク優先度を上昇させる(CPUによる処理時間の割り当て量を拡大させる)ようにしてもよい。
【0268】
このようにすることで、センサコントロールシステムは、センサを制御する必要がある場合に、最低限必要なセンサを用いて、センサを用いた情報処理にかかる処理時間を短くすることが可能となる。そのため、センサコントローラの処理の応答性を高めることができる。
【0269】
また、上記実施形態および変形例においては、走行レーン認識処理、交差点処理および中央分離帯処理に関し、走行条件に応じて処理範囲を変更させる実施例としているが、これに限られない。例えば、センサを起動させるものであってもよいし、センサを起動させると共に処理範囲を拡大させるものであってもよい。いずれの形態であっても、あわせて認識処理部226による認識処理のタスク優先度を上昇させる(CPUによる処理時間の割り当て量を拡大させる)ようにしてもよい。
【0270】
このようにすることで、センサコントロールシステムは、センサを制御する必要がある場合に、最低限必要なセンサを用いて、センサを用いた情報処理にかかる処理時間を短くすることが可能となる。そのため、センサコントローラの処理の応答性を高めることができる。
【0271】
また、上記実施形態においては、センサコントローラ200はナビゲーション装置100、センサ300、車両情報取得装置400から独立した装置であるが、これに限られず、例えば、ナビゲーション装置100がセンサコントローラ200と同様の機能を実現するようにしてもよいし、センサ300がセンサコントローラ200と同様の機能を実現するようにしてもよいし、車両情報取得装置400がセンサコントローラ200と同様の機能を実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0272】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・GPS受信装置、8・・・FM多重放送受信装置、9・・・ビーコン受信装置、10・・・通信I/F、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・現在地算出部、105・・・経路探索部、106・・・経路誘導部、150・・・リンクテーブル、200・・・センサコントローラ、202・・・CPU、203・・・RAM、204・・・ROM、205・・・I/F、206・・・バス、210・・・通信I/F、221・・・主制御部、222・・・走行状況把握部、223・・・カメラ制御部、224・・・ソナー制御部、225・・・処理範囲設定部、226・・・認識処理部、300・・・センサ、400・・・車両情報取得装置、401・・・演算処理部、402・・・CPU、403・・・RAM、404・・・ROM、405・・・I/F、411・・・車速センサ、412・・・ジャイロセンサ、413・・・ウインカー、414・・・ギヤポジションセンサ、415・・・通信I/F
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ制御技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、カメラ等のセンサを複数制御して、車両の周囲の情報を検知し、運転の支援に用いる技術がある。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−37457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなナビゲーション装置では、複数のセンサによる検知結果を用いて複雑な演算処理を行うために、処理負荷が高くなり、即応性が必要な他の処理、例えば交差点での右左折案内等の提示が遅延してしまうこともある。そのため、センサで検知した情報について、処理範囲を縮小させることで、演算処理量を減らして処理負荷を下げることが考えられている。しかし、常に処理範囲を縮小すると、運転の支援に必要な情報が得られない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、運転の支援に必要な情報をより適切に得るセンサ制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るセンサコントローラは、車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるセンサコントローラであって、前記車両の走行状況を把握する走行状況把握手段と、前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段と、前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更して前記処理手段に処理させる処理部分変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のナビゲーション装置は、車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるナビゲーション装置であって、前記車両の走行状況を把握する走行状況把握手段と、前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段と、前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更して前記処理手段に処理させる処理部分変更手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のセンサ制御方法は、車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるセンサコントローラによるセンサ制御方法であって、前記センサコントローラは、前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段を備え、前記車両の走行状況を把握する走行状況把握ステップと、前記走行状況把握ステップにより把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更する処理部分変更ステップと、を実施することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、センサコントロールシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図3】図3は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、ナビゲーション装置の演算処理部の機能構成図である。
【図5】図5は、センサコントローラのハードウェア構成図である。
【図6】図6は、センサコントローラの演算処理部の機能構成図である。
【図7】図7は、センサの検知範囲を示す図である。
【図8】図8は、撮像画像を地上面に投影する様子を示す図である。
【図9】図9は、車両情報取得装置の概略構成図である。
【図10】図10は、走行レーン認識処理のフロー図である。
【図11】図11は、走行レーン認識の比較結果を示す図である。
【図12】図12は、本発明による走行レーン認識処理の結果を示す図である。
【図13】図13は、処理範囲の拡大の例を説明する図である。
【図14】図14は、駐車支援処理のフロー図である。
【図15】図15は、駐車支援処理における処理範囲の拡大の例を示す図である。
【図16】図16は、交差点処理のフロー図である。
【図17】図17は、細道路処理のフロー図である。
【図18】図18は、細道路処理における処理範囲の例を示す図である。
【図19】図19は、車線変更処理のフロー図である。
【図20】図20は、車線変更処理における車線変更要否判断処理のフロー図である。
【図21】図21は、中央分離帯処理のフロー図である。
【図22】図22は、中央分離帯処理における処理範囲の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態を適用したセンサコントロールシステムについて、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、車両に搭載されたセンサコントロールシステムの概要の構成を示す図である。
【0012】
センサコントロールシステムは、ナビゲーション装置100と、センサコントローラ200と、センサ(カメラ等)300と、車両情報取得装置400と、を含んで構成される。
【0013】
なお、各装置は、CAN(Controller Area Network)やFlexRay等による車載ネットワーク(図示せず)を介して接続される。
【0014】
ナビゲーション装置100は、運転者に対して現在地の情報や目的地までの地理的情報を画像、音声等を用いて示す装置である。
【0015】
センサコントローラ200は、接続されたセンサ300により検知された情報を受け付け、ナビゲーション装置100等へ送信する。また、ナビゲーション装置100から地理的情報を受け取り、走行状況に応じてセンサ300の制御を行う。
【0016】
センサ300は、搭載された車両の周囲の状況を検知し、検知した情報をセンサコントローラ200やナビゲーション装置100に対して受け渡す。例えば、カメラ等により周囲の状況を撮像し、撮像した映像情報をセンサコントローラ200に受け渡す。または、例えば、ソナー又はレーダー等により周囲の遮蔽物を検知し、検知した情報をセンサコントローラ200に受け渡す。
【0017】
車両情報取得装置400は、搭載された車両の走行速度、進行方向、およびウインカー稼働情報、ギヤポジション等の車両の情報を取得して、ナビゲーション装置100やセンサコントローラ200からの情報要求に応じて送信する。
【0018】
図2に、センサコントロールシステムを構成するナビゲーション装置100の構成図を示す。
【0019】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、GPS(Global Positioning System)受信装置7と、FM多重放送受信装置8と、ビーコン受信装置9と、通信I/F(インターフェイス)10と、通信装置11と、を備えている。
【0020】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、通信I/F10を介して車両情報取得装置400から得た車両の走行速度と進行方向等の情報と、GPS受信装置7、FM多重放送受信装置8等から出力される情報とを基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0021】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0022】
また、演算処理部1は、センサコントローラ200を介して受け付けたセンサ300からの情報である車両の周囲の情報と、走行中の車線を特定する情報等とを受け付けて、経路の詳細な誘導を行う。
【0023】
また、演算処理部1は、センサコントローラ200から警告情報や注意情報を受け付けると、当該情報をディスプレイ2やスピーカ42へ出力する。
【0024】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0025】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0026】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0027】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル150が記憶されている。
【0028】
図3は、リンクテーブル150の構成を示す図である。リンクテーブル150は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)151ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ152を含んでいる。
【0029】
リンクデータ152は、リンクの識別子であるリンクID161ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報172、リンクを含む道路の種別(上下線が分離された道路か否かを特定する情報を含む)を示す道路種別173、リンクの長さを示すリンク長174、予め記憶されたリンク旅行時間175、当該リンクの車線数と、当該車線の属性(例えば右折専用車線等)と、を示す車線情報176、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度177、などを含んでいる。
【0030】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0031】
図2に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0032】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0033】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0034】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0035】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0036】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0037】
GPS受信装置7は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。GPS受信装置7は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0038】
FM多重放送受信装置8は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0039】
ビーコン受信装置9は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0040】
通信I/F10は、CANやFlexRay等による車載ネットワークを介して、当該ネットワークに接続されている他の装置と通信を行う装置である。
【0041】
通信装置11は、外部に存在する基地局等と無線で通信を行うことのできる装置であり、たとえば、携帯電話やDCM(Data Control Module)である。通信装置11は、例えば携帯電話網やインターネット等を介して他の機器(例えば、外部の情報センター等の情報提供サーバー装置等)と通信を行うことができる。
【0042】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0043】
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、現在地算出部104と、経路探索部105と、経路誘導部106と、を有する。
【0044】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置7等の情報を取得し、現在地算出部104等に依頼して現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。
【0045】
また、センサ300で撮像した映像等を、通信I/F10を介してセンサコントローラ200から画像データとして取得する。そして、取得した画像データを、ディスプレイ2等に表示させる。
【0046】
また、センサコントローラ200から警告情報や注意情報を受け付けると、ディスプレイ2やスピーカ42に当該情報を出力して使用者の注意を喚起する。
【0047】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。
【0048】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0049】
現在地算出部104は、車両情報取得装置400を介して取得した車両の走行速度や向きの変化から求めた進行方向と、GPS受信装置7等からの情報とを、主制御部101を介して取得する。そして、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、リンク上に、現在地である可能性のある地点を求める。
【0050】
経路探索部105は、使用者から指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。例えば、経路探索部105は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在位置、目的地または立ち寄り地点)間を結ぶ経路のコスト(例えば、距離や旅行時間)が最少となる経路を探索する。なお、経路は、道路を示す位置に配置された点である複数のノードと、2つのノード間を結ぶリンクと、を連続的に順に結ぶことで特定される。なお、経路探索部105は、通信装置11を介して、外部の情報センター等によって探索された経路を受信して、探索結果の経路としてもよい。
【0051】
また、経路探索部105は、その経路に含まれる各ノード、各リンクに予め与えられたコストを合算することで経路全体のコストを求める。そして、経路探索部105は、その経路を通って目的地または立ち寄り地点に到達するまでに必要となる時間を算出し、その経路を特定するための経路情報をRAM22または記憶装置3の所定の領域に記憶させる。
【0052】
経路誘導部106は、経路探索部105により探索した推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いて使用者を誘導する。例えば、交差点等での進行方向等をディスプレイ2に表示させる。また、必要に応じて、スピーカ42から進行方向を示す情報を音声出力することで推奨経路を案内する。
【0053】
なお、上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、現在地算出部104、経路探索部105、経路誘導部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0054】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0055】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0056】
センサコントローラ200は、図5に示すように、演算処理部201と、通信I/F210と、を備えている。
【0057】
演算処理部201は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、通信I/F210を介して、ナビゲーション装置100から地理的な情報と、車両情報取得装置400から車両の情報と、を取得する。そして、取得した情報に基づいて走行状況を把握すると、状況に応じて、センサ300を制御する。
【0058】
また、演算処理部201は、センサ300から取得した情報を処理して、例えば走行中の車線を特定して、特定した車線の情報をナビゲーション装置100に送信する。演算処理部201は、各デバイス間をバス206で接続した構成である。演算処理部201は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU202と、地図データ、演算データなどを格納するRAM203と、プログラムやデータを格納するROM204と、各種ハードウェアを演算処理部201と接続するためのI/F(インターフェイス)205と、を有する。
【0059】
通信装置I/F210は、CANやFlexRay等による車載ネットワークを介して、当該ネットワークに接続されている他の装置と通信を行う装置である。
【0060】
図6は、演算処理部201の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部201は、主制御部221と、走行状況把握部222と、カメラ制御部223と、ソナー制御部224と、処理範囲設定部225と、認識処理部226と、を有する。
【0061】
主制御部221は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。
【0062】
走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100やセンサ300、車両情報取得装置400から得た情報に基づいて、車両の走行状況を把握する。例えば、現在地の情報と、地図の情報に基づき、現在走行している場所が細道路であると把握する。
【0063】
カメラ制御部223は、センサ300の一つであるカメラの動作を制御する。例えば、カメラの撮像の開始・終了のタイミングを設定する。また、撮像した画像のナビゲーション装置100への送信を制御する。
【0064】
ソナー制御部224は、センサ300の一つであるソナーの動作を制御する。例えば、ソナーの検知の開始・終了のタイミングを設定する。また、検知した反射波の情報について、ナビゲーション装置100への送信を制御する。
【0065】
処理範囲設定部225は、センサ300から取得した情報に対して、処理すべき範囲を設定する。その際、走行状況把握部222から車両の走行状況を特定する情報を受け取り、状況に応じて当該処理すべき範囲を設定する。
【0066】
認識処理部226は、処理範囲設定部225により設定された処理すべき範囲について、センサ300から取得した情報に対して種々の認識処理を行い、処理結果をナビゲーション装置100に送信する。
【0067】
なお、上記した演算処理部201の各機能部、すなわち主制御部221、走行状況把握部222、カメラ制御部223、ソナー制御部224、処理範囲設定部225、認識処理部226は、CPU202が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM203には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0068】
なお、上記した各構成要素は、センサコントローラ200の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。センサコントローラ200の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0069】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0070】
図7は、センサ300であるカメラと、ソナーと、についての、検知範囲を示す図である。車両310に取り付けられた複数のカメラは、図7(a)に示すように、車両310の前方を撮像する範囲である撮像範囲320Fと、右方を撮像する範囲である右方撮像範囲320Rと、後方を撮像する範囲である後方撮像範囲320Bと、左方を撮像する範囲である左方撮像範囲320Lと、を撮像することで検知を行う。また、カメラは、撮像した映像を、センサコントローラ200に受け渡す。
【0071】
車両310に取り付けられた複数のソナーは、図7(a)に示すように、車両310の前部、サイドミラー部、後部について、側方の遮蔽物を検知する。車両310の前部の右側の検知範囲は、330FRであり、左側の検知範囲は330FLである。また、車両310のサイドミラー部の右側の検知範囲は、330MRであり、左側の検知範囲は330MLである。また、車両310の後部の右側の検知範囲は、330BRであり、左側の検知範囲は330BLである。また、当該ソナーにより検知できる遮蔽物までの距離は、外部装置、例えばセンサコントローラ200から設定可能である。また、ソナーは、検知した遮蔽物の情報を、センサコントローラ200に受け渡す。
【0072】
なお、カメラは、例えば、図7(b)に示すように、車両310の前方および後方にやや下を向いて、路面を撮像できるように取り付けられる(300CF、300CB)。そして、カメラは、車両の前方および後方の地上面をCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて撮像する。
【0073】
図8は、図7(b)のカメラ300CFにて撮像した映像を用いて、センサコントローラ200が地上投影画像を生成する方法を説明するための図である。センサコントローラ200の主制御部221は、カメラ300CFの視点Pの位置(車両内の所定位置を原点とする三次元空間における座標位置)と撮像方向(視線方向)Kを求める。そして、主制御部221は、撮像画像510を、カメラ300CFの視点Pの位置から撮像方向Kに向けて、地上面520に投影し、地上投影画像530を生成する。なお、撮像方向Kは、撮像画像510の中心と垂直に交わる。また、カメラ300CFの視点Pから撮像画像510までの距離は、予め定められている。こうして生成される地上投影画像530は、車両の上空から車両周辺を鳥瞰したような画像となる。もちろん、カメラ300CFに限らず、車載されている他のカメラも同様にして画像を生成する。
【0074】
図9に示すように、車両情報取得装置400は、演算処理部401と、車速センサ411と、ジャイロセンサ412と、ウインカー413と、ギヤポジションセンサ414と、通信I/F415と、を備えている。
【0075】
演算処理部401は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば、車速センサ411、ジャイロセンサ412、ウインカー413、ギヤポジションセンサ414等から取得した車両の情報を、通信I/F415を介して、ナビゲーション装置100やセンサコントローラ200に対して送信する。
【0076】
車両情報取得装置400の演算処理部401は、各デバイス間をバス406で接続した構成である。演算処理部401は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU402と、地図データ、演算データなどを格納するRAM()403と、プログラムやデータを格納するROM()404と、各種ハードウェアを演算処理部401と接続するためのI/F(インターフェイス)405と、を有する。
【0077】
車速センサ411は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0078】
ジャイロセンサ412は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0079】
ウインカー413は、車両の方向指示器において指示している方向を出力するものである。
【0080】
ギヤポジションセンサ414は、車両の駆動ギヤの位置を特定する情報を取得して、出力するものである。
【0081】
通信装置I/F415は、CANやFlexRay等による車載ネットワークを介して、当該ネットワークに接続されている他の装置と通信を行う装置である。
【0082】
[動作の説明]
次に、センサコントロールシステムの動作について説明する。
【0083】
図10は、センサコントロールシステムが搭載された車両の走行中に、走行している車線を精度良く特定するための走行レーン認識処理のフロー図である。
【0084】
このフローは、所定の道路を走行している場合に実施される。
【0085】
まず、センサコントローラ200の認識処理部226は、センサ300のうち、カメラを用いて、通常の車線認識処理を行う(ステップS001)。具体的には、センサコントローラ200の処理範囲設定部225は、車両の周囲、例えば左右の地面を撮像した画像について、処理範囲を通常の処理範囲として設定する。そして、認識処理部226は、カメラ制御部223に対して撮像を開始するよう指示する。認識処理部226は、撮像された画像のうち、設定された通常の処理範囲に該当する画像内の所定の範囲について白線認識処理を行い、認識された白線のパターンから、走行中の車線を特定する。
【0086】
次に、センサコントローラ200の認識処理部226は、認識した車線が左右両端のいずれかの車線でない車線であるか否かを判定する(ステップS002)。具体的には、センサコントローラ200の認識処理部226は、ステップS001にて認識した車線が、左右端のいずれかでない車線であるか否かを判定する。その際、認識処理部226は、車両左側の画像の最も車両に近い路面ペイントまたは車両右側の画像の最も車両に近い路面ペイントが、途切れのない白線である場合、左右端のいずれかの車線を走行していると判定する。また、認識処理部226は、車両左側の画像の最も車両に近い路面ペイントまたは車両右側の画像の最も車両に近い路面ペイントが、途切れのある白破線である場合、左右端のいずれかの車線を走行していないと判定する。
【0087】
認識した車線が左右両端のいずれかの車線である場合(ステップS002にて「No」)、認識処理部226は、当該車線を走行車線として認定して、走行レーン認識処理を終了させる。
【0088】
認識した車線が左右両端のいずれかの車線でない場合(ステップS002にて「Yes」)、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100から走行中のリンクについての情報を取得する(ステップS003)。
【0089】
具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に、現在地が属するリンクの情報を要求する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、現在地が属するリンクについての情報であるリンクデータ152をリンクテーブル150から取得して、センサコントローラ200に送信する。
【0090】
次に、走行状況把握部222は、レーン数情報が当該リンクの情報に含まれているか否かを判定する(ステップS004)。具体的には、走行状況把握部222は、ステップS003にて取得した走行中のリンクデータ152に含まれる車線情報176を読み出し、車線の数が車線情報176に含まれているか否かを判定する。
【0091】
レーン数情報が当該リンクの情報に含まれていない場合(ステップS004にて「No」)、走行状況把握部222は、ステップS006に処理を進める。
【0092】
レーン数情報が当該リンクの情報に含まれている場合(ステップS004にて「Yes」)、走行状況把握部222は、当該レーン数情報が片側4車線以上であるか否かを判定する(ステップS005)。
【0093】
片側4車線以上でない場合(ステップS005にて「No」)、認識処理部226は、走行車線を中央として特定して、走行レーン認識処理を終了させる。
【0094】
片側4車線以上である場合(ステップS005にて「Yes」)、処理範囲設定部225は、センサ300で検知した情報の処理領域を拡大して、車線認識処理を行う(ステップS006)。
【0095】
具体的には、処理範囲設定部225は、車両の周囲、例えば左右の地面を撮像した画像について、処理範囲を通常よりも拡大した処理範囲として設定する。そして、認識処理部226は、カメラ制御部223に対して撮像を開始するよう指示する。認識処理部226は、撮像された画像のうち、拡大されて設定された処理範囲に該当する画像内の所定の範囲について白線認識処理を行い、認識された白線のパターンから、走行中の車線を特定する。
【0096】
そして、認識処理部226は、走行レーン認識処理を終了させる。
【0097】
以上が、走行レーン認識処理の処理内容である。
【0098】
走行レーン認識処理によると、4車線以上の道路であって、両端以外の車線を走行している場合であっても、走行している車線がどの車線であるのかを特定しやすくなる。
【0099】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0100】
本発明の一実施形態によると、センサコントロールシステムは、走行している車線を特定するための車線検知処理範囲を、走行状況にあわせて過不足無く設定することができる。そして、検知した走行中の車線の情報を用いて、現在地をより正確に求めることが可能となる。
【0101】
図11は、本発明の比較例であり、本発明にかかる走行レーン認識処理を用いないで走行レーンを認識するコントロールシステムによる走行レーン認識結果を表す図である。
【0102】
図11(a)〜(d)においては、カメラによる車両の左側の左側撮像画像601Lと、カメラによる車両の右側の右側撮像画像601Rと、当該二つの画像から特定される車線を示す図602と、をそれぞれ示している。なお、車両603が走行している道路の車線数は、片側4車線であるとする。
【0103】
図11(a)に示したように、左側撮像画像601Lには、処理対象とする範囲が、左側画像処理範囲611Lとして設定されている。左側画像処理範囲611Lは、左側の画像を左右に分割したうちの、車両に近い部分である。
【0104】
また、右側撮像画像601Rにも、処理対象とする範囲が、右側画像処理範囲611Rとして設定されている。これらの処理対象とする範囲は、図11(a)〜(d)について、同様に共通して設定されているものとする。
【0105】
図11(a)については、左側画像処理範囲611Lに連続する白線の路面ペイント621が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rに連続しない白破線の路面ペイント622が映りこんでいるため、車両603は最左の車線を走行しているものとして判定することが可能である。
【0106】
同様に、図11(d)については、左側画像処理範囲611Lに連続しない白破線の路面ペイント652が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rに連続する白線の路面ペイント653が映りこんでいるため、車両603は最右の車線を走行しているものとして判定することが可能である。
【0107】
ところが、図11(b)および(c)については、車両603は、左から二番目の車線を走行しているのか、それとも右から二番目の車線を走行しているのか、区別が付かない。
【0108】
これは、図11(b)については、左側画像処理範囲611Lに連続しない白破線の路面ペイント632が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rにも連続しない白破線の路面ペイント633が映りこんでいるため、いずれの車線を走行しているのか区別不可能であるからである。
【0109】
同様のことが、図11(c)についてもいえる。図11(c)については、左側画像処理範囲611Lに連続しない白破線の路面ペイント642が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rにも連続しない白破線の路面ペイント643が映りこんでいるためである。
【0110】
すなわち、本発明にかかる走行レーン認識処理を行わない場合、撮像した画像の処理範囲を一律の縮小範囲に限定していると、4車線以上の道路においては走行車線を認識できない。
【0111】
これに対して、図12は、本発明にかかる走行レーン認識処理を用いた走行レーンを認識するコントロールシステムによる走行レーン認識結果を表す図である。
【0112】
図12(a)〜(d)においては、カメラによる車両の左側の左側撮像画像601Lと、カメラによる車両の右側の右側撮像画像601Rと、当該二つの画像から特定される車線を示す図602と、をそれぞれ示している。なお、車両603が走行している道路の車線数は、片側4車線であるとする。
【0113】
図12(a)に示したように、左側撮像画像601Lには、処理対象とする範囲が、左側画像処理範囲611Lとして設定されている。左側画像処理範囲611Lは、左側の画像を左右に分割したうちの、車両に近い部分である。また、右側撮像画像601Rにも、処理対象とする範囲が、右側画像処理範囲611Rとして設定されている。
【0114】
図12(a)については、左側画像処理範囲611Lに連続する白線の路面ペイント621が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rに連続しない白破線の路面ペイント622が映りこんでいるため、車両603は最左の車線を走行しているものとして、ステップS001にて車線を判定することが可能である。すなわち、検知範囲の拡大を実施せずに車線の判定が可能である。
【0115】
同様に、図12(d)については、左側画像処理範囲611Lに連続しない白破線の路面ペイント652が映りこんでおり、右側画像処理範囲611Rに連続する白線の路面ペイント653が映りこんでいるため、車両603は最右の車線を走行しているものとして検知範囲の拡大を実施せずに車線を判定することが可能である。
【0116】
図12(b)、図12(c)については、上述のとおり本発明に係る走行レーン認識処理を用いない場合には、走行レーンを認識できなかった。しかし、本発明に係る走行レーン認識処理を用いる場合には、走行レーンを認識することができる。
【0117】
図12(b)については、左側撮像画像601L全体を処理範囲とする左側画像処理範囲661Lに、連続する白線の路面ペイント631と、連続しない白破線の路面ペイント632と、が映りこんでおり、右側撮像画像601R全体を処理範囲とする右側画像処理範囲661Rには、連続しない白破線の路面ペイント633と、連続しない白破線の路面ペイント634と、が映りこんでいるため、連続する白線の位置から、左から二番目の車線を走行していることを認識することが可能である。
【0118】
同様のことが、図12(c)についてもいえる。図12(c)については、左側撮像画像601L全体を処理範囲とする左側画像処理範囲661Lに、連続しない白破線の路面ペイント641と、連続しない白破線の路面ペイント642と、が映りこんでおり、右側撮像画像601R全体を処理範囲とする右側画像処理範囲661Rには、連続しない白破線の路面ペイント643と、連続する白線の路面ペイント644と、が映りこんでいるため、右から二番目の車線を走行していることを認識することが可能である。
【0119】
すなわち、本発明にかかる走行レーン認識処理を行う場合、撮像した画像の処理範囲を走行状況に応じて拡大させることが可能なため、4車線以上の道路においても走行車線を認識可能である。
【0120】
また、図13は、本発明に係るセンサコントローラ200がステップS006にて、車両の前面について撮像するカメラを対象として処理範囲を拡大する場合の例を示す図である。処理範囲設定部225は、カメラが撮像する画像全体670のうち、本発明に係るセンサコントローラ200による通常の画像処理範囲680は、拡大後の画像処理範囲680Eへと拡大させる。
【0121】
このようにすることで、前方を撮像するカメラであっても、本発明に係る走行レーン認識処理により処理範囲を拡大することができ、車線の認識をスムーズに行うことができる。
【0122】
<駐車支援処理>
次に、図14、15を用いて、駐車場における駐車支援処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0123】
駐車支援処理は、センサコントロールシステムを搭載した車両が駐車場に進入すると、開始される。
【0124】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、センサ300を通常の処理範囲に設定して起動させる(ステップS101)。
【0125】
次に、走行状況把握部222は、ギヤ位置の情報を取得する(ステップS102)。具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対して、現在設定されているギヤポジションの情報を要求し、車両情報取得装置400は、ギヤポジションを特定する情報をセンサコントローラ200に送信する。
【0126】
次に、走行状況把握部222は、取得したギヤポジションがNレンジ、すなわちニュートラルであるか否かを判定する(ステップS103)。
【0127】
ギヤポジションがNレンジである場合(ステップS103にて「Yes」)、走行状況把握部222は、ステップS102に処理を戻す。
【0128】
ギヤポジションがNレンジでない場合(ステップS103にて「No」)、走行状況把握部222は、ギヤポジションがPレンジであるか否かを判定する(ステップS104)。
【0129】
ギヤポジションがPレンジである場合(ステップS104にて「Yes」)、走行状況把握部222は、駐車支援処理を終了させる。
【0130】
ギヤポジションがPレンジでない場合(ステップS104にて「No」)、走行状況把握部222は、ギヤポジションがLまたはSまたはDレンジであるか否かを判定する(ステップS105)。
【0131】
ギヤポジションがLまたはSまたはDレンジである場合(ステップS105にて「Yes」)、処理範囲設定部225は、車両の前方と左右のセンサの処理範囲を通常よりも拡大して設定し、認識処理部226は、駐車スペースの検知等を行う(ステップS106)。そして、認識処理部226は、駐車支援処理を終了させる。
【0132】
ギヤポジションがLまたはSまたはDレンジのいずれでもない場合(ステップS105にて「No」)、走行状況把握部222は、ギヤポジションがRレンジであるか否かを判定する(ステップS107)。
【0133】
ギヤポジションがRレンジでない場合(ステップS107にて「No」)、走行状況把握部222は、処理をステップS102に戻す。
【0134】
ギヤポジションがRレンジである場合(ステップS107にて「Yes」)、処理範囲設定部225は、車両の後方と左右のセンサ処理範囲を通常よりも拡大して設定し、認識処理部226は、駐車スペースの検知等を行う(ステップS108)。そして、認識処理部226は、駐車支援処理を終了させる。
【0135】
以上が、駐車支援処理の処理内容である。
【0136】
本発明に係る駐車支援処理を行う事によって、使用者は、通常の処理範囲よりも広い範囲で駐車スペースを検知することが可能となる。
【0137】
なお、ステップS106において、あわせて、後方のセンサの処理範囲を通常よりも縮小して設定するようにしてもよい。このようにすることで、駐車支援処理に係る処理負荷を抑えることが可能となる。もちろん、ステップS108において前方のセンサの処理範囲を通常よりも縮小して設定するようにしても同様の効果を得られる。
【0138】
図15は、本発明の比較例であり、本発明にかかる駐車支援処理を用いないで駐車スペースを検知するコントロールシステムによる走行レーン認識結果を表す図である図15(a)と、本発明にかかる駐車支援処理を用いて駐車スペースを検知するコントロールシステムによる走行レーン認識結果を表す図である図15(b)と、を含む。
【0139】
図15(a)においては、車両310に搭載されたカメラによる前方の撮像範囲が、320Fであり、そのうち処理範囲として設定された範囲が処理範囲700である。また、右方の撮像範囲が、320Rであり、処理範囲として設定された範囲が処理範囲701である。また、後方の撮像範囲が、320Bであり、処理範囲として設定された範囲が処理範囲702である。また、左方の撮像範囲が、320Lであり、処理範囲として設定された範囲が処理範囲704である。
【0140】
図15(a)においては、前後左右の撮像範囲のいずれにも、駐車スペースが撮像範囲に含まれるにもかかわらず、処理範囲が不足するために、駐車スペースをうまく発見することができない。
【0141】
これに対して、図15(b)においては、前方の処理範囲700Eが前方の撮像範囲320F全体まで拡大しており、右方の処理範囲701Eが右方の撮像範囲320R全体まで拡大しており、左方の処理範囲704Eが左方の撮像範囲320L全体まで拡大しておいるため、駐車スペースを前方、右方、左方のいずれにも発見することができている。また、後方の処理範囲702Eが通常の処理範囲よりも小さくなっているため、処理負荷を軽減させることができる。
【0142】
以上が、本発明の駐車支援処理の実施例である。
【0143】
本実施例によると、駐車場において、ギヤポジションに応じて駐車支援処理に用いるセンサの検知範囲を変更することが可能となるため、より効率の良いセンサの使用が可能となる。
【0144】
<交差点処理>
次に、図16を用いて、交差点における交差点処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0145】
交差点処理は、センサコントロールシステムが起動されると、定期的に開始される。
【0146】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、現在位置を取得する(ステップS201)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して現在地を要求する。ナビゲーション装置100の現在地算出部104は、現在地を算出し、センサコントローラ200に現在地を特定する情報を送信する。
【0147】
次に、走行状況把握部222は、現在地が交差点の手前であるか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、走行状況把握部222は、ステップS201にて取得した現在地が、進行方向前方に存在する最寄りの交差点の所定距離(例えば200m)手前の範囲に含まれるか否かを判定し、含まれる場合には交差点の手前であると判定し、含まれない場合には交差点の手前ではないと判定する。
【0148】
交差点の手前でない場合(ステップS202にて「No」)、走行状況把握部222は、処理をステップS201に戻す。
【0149】
交差点の手前である場合(ステップS202にて「Yes」)、走行状況把握部222は、当該交差点に信号があるか否かを判定する(ステップS203)。
【0150】
当該交差点に信号がない場合(ステップS203にて「No」)、認識処理部226は、ソナー等を用いて交差点への進入を検知し、前方センサ、例えば前方カメラ等により前方からの接近物を検知する(ステップS204)。そして、交差点処理を終了させる。
【0151】
具体的には、認識処理部226は、車両の前方左右のソナーを起動させて、側方の遮蔽物との距離を計測し、遮蔽物が所定の距離内になくなったことを検知すると、交差点へ進入したと判定する。交差点への進入を検知すると、認識処理部226は、前方カメラを起動させて、カメラにより撮像された前方の動体を検知して接近物がある場合にはナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0152】
当該交差点に信号がある場合(ステップS203にて「Yes」)、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100が経路誘導を行っているか否かを判定する(ステップS205)。
【0153】
具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して、推奨経路が設定されているか否かを問い合わせる。ナビゲーション装置100の主制御部101は、経路誘導部106に推奨経路の設定がなされているか否かを問い合わせ、結果(推奨経路が設定されている場合には推奨経路の情報)をセンサコントローラ200に送信する。走行状況把握部222は、送信された結果を受け付けて推奨経路の設定がなされていれば経路誘導中と判定し、設定がなされていなければ経路誘導中ではないと判定する。
【0154】
経路誘導中でない場合(ステップS205にて「No」)、走行状況把握部222は、ウインカーにて指示する方向を取得する(ステップS206)。そして、ステップS207に処理を進める。
【0155】
具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対してウインカーの指示方向を問い合わせる。車両情報取得装置400は、ウインカー413から指示方向の情報を検知して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信された指示方向を受け付ける。
【0156】
経路誘導中である場合(ステップS205にて「Yes」)、またはウインカーの指示方向を取得した場合(ステップS206を実施した場合)、走行状況把握部222は、当該交差点において左折をする予定があるか否かを判定する(ステップS207)。
【0157】
具体的には、走行状況把握部222は、推奨経路上、当該交差点において左折を行うか否かを判定する。または、推奨経路が無い場合、ウインカーの指示方向が左折を示すものであったか否かを判定する。
【0158】
左折をする予定がある場合(ステップS207にて「Yes」)、認識処理部226は、後方と左側のセンサの処理領域を通常よりも拡大して接近物の検知を行う(ステップS208)。そして、交差点処理を終了させる。
【0159】
具体的には、処理範囲設定部225は、例えば、後方を撮像するカメラと左方を撮像するカメラの撮像範囲全域を処理領域として設定する。そして、認識処理部226は、後方を撮像するカメラと左方を撮像するカメラとを起動させて、カメラにより撮像された後方と左方の動体を検知して接近物がある場合にはナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0160】
左折をする予定がない場合(ステップS207にて「No」)、走行状況把握部222は、当該交差点において右折をする予定があるか否かを判定する(ステップS209)。
【0161】
具体的には、走行状況把握部222は、推奨経路上、当該交差点において右折を行うか否かを判定する。または、推奨経路が無い場合、ウインカーの指示方向が右折を示すものであったか否かを判定する。
【0162】
右折をする予定がある場合(ステップS209にて「Yes」)、認識処理部226は、後方と右側のセンサの処理領域を通常よりも拡大して接近物の検知を行う(ステップS210)。そして、交差点処理を終了させる。
【0163】
具体的には、処理範囲設定部225は、例えば、後方を撮像するカメラと右方を撮像するカメラの撮像範囲全域を処理領域として設定する。そして、認識処理部226は、後方を撮像するカメラと右方を撮像するカメラとを起動させて、カメラにより撮像された後方と右方の動体を検知して接近物がある場合にはナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0164】
右折をする予定がない場合(ステップS209にて「No」)、認識処理部226は、全方向のセンサの処理領域を通常通りに設定して接近物の検知を行う(ステップS211)。そして、交差点処理を終了させる。
【0165】
具体的には、処理範囲設定部225は、例えば、前後左右の各方向を撮像するカメラによる撮像範囲の一部範囲を処理領域として設定する。そして、認識処理部226は、前後左右の各方向を撮像するカメラを起動させて、カメラにより撮像された画像の処理範囲内にある動体を検知して、接近物がある場合にはナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0166】
以上が、交差点処理の処理内容である。
【0167】
本発明に係る交差点処理を行う事によって、使用者は、交差点通過時において、当該交差点の進行方向に応じて、重点的に接近物を検知する方向を過不足なく設定することが可能となる。
【0168】
なお、ステップS208において、あわせて、前方を撮像するカメラと右方を撮像するカメラの処理範囲を通常よりも縮小して設定するようにしてもよい。このようにすることで、交差点処理に係る処理負荷を抑えることが可能となる。もちろん、ステップS210において前方を撮像するカメラと左方を撮像するカメラの処理範囲を通常よりも縮小して設定するようにしても同様の効果を得られる。
【0169】
以上が、本発明の交差点処理の実施例である。
【0170】
本実施例によると、交差点において、進行方向に応じて、安全上注意すべき方向のセンサの検知範囲を拡大させることが可能となるため、より効率の良いセンサの使用が可能となる。
【0171】
<細道路処理>
次に、図17を用いて、細道路における細道路処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0172】
細道路処理は、センサコントロールシステムが起動されると、定期的に開始される。
【0173】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、現在位置を取得する(ステップS301)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して現在地を要求する。ナビゲーション装置100の現在地算出部104は、現在地を算出し、センサコントローラ200に現在地を特定する情報を送信する。
【0174】
次に、走行状況把握部222は、現在地が細道路であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0175】
具体的には、走行状況把握部222は、ステップS301にて取得した現在地が属する道路であるリンクの道路種別をナビゲーション装置100に問い合わせる。ナビゲーション装置100の主制御部101は、現在地が属するリンクのリンクデータ152を特定し、道路種別173の情報を送信する。走行状況把握部222は、道路種別173の情報が「細道路」であるか否かにより、細道路か否かを判定する。
【0176】
現在地が細道路でない場合(ステップS302にて「No」)、走行状況把握部222は、ステップS301に処理を戻す。
【0177】
現在地が細道路である場合(ステップS302にて「Yes」)、走行状況把握部222は、車速が所定値よりも低いか否かを判定する(ステップS303)。
【0178】
具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対して、車速を問い合わせる。車両情報取得装置400は、車速センサ411により取得した車速を、センサコントローラに送信する。走行状況把握部222は、送信された車速が所定値(例えば時速15km)よりも低いか否かを判定する。
【0179】
車速が所定値よりも低くない場合(ステップS303にて「No」)、ソナー制御部224は、ソナーの検知範囲を通常よりも拡大させて設定する(ステップS304)。そして、ステップS306へ処理を進める。
【0180】
車速が所定値よりも低い場合(ステップS303にて「Yes」)、ソナー制御部224は、ソナーの検知範囲を通常範囲に設定する(ステップS305)。そして、ステップS306へ処理を進める。
【0181】
次に、走行状況把握部222は、対向車の有無を確認する(ステップS306)。具体的には、走行状況把握部222は、車車間通信(車両同士での直接の通信)あるいは路車間通信(情報センター等を介しての通信)を行い、対向車が所定距離内(例えば200m以内)に存在するか否かの情報を取得する。もちろん、通信装置11を用いて、外部に存在する情報センター等から対向車の有無についての情報を受信するようにしてもよい。
【0182】
次に、走行状況把握部222は、対向車があるか否かを判定する(ステップS307)。具体的には、走行状況把握部222は、ステップS306にて取得した情報に従って対向車の有無を判定する。あるいは、自車に搭載されている各種センサ(カメラ、レーダー、ソナー等)を用いて、対向車の有無を判定してもよい。
【0183】
対向車がある場合(ステップS307にて「Yes」)、カメラ制御部223、ソナー制御部224は、それぞれ、左側を撮像するカメラと右側を撮像するカメラと、左側を検知するソナーと右側を検知するソナーと、を起動させる(ステップS308)。
【0184】
次に、認識処理部225は、左幅寄せ可否判定を行う(ステップS309)。具体的には、認識処理部225は、左側を検知するソナーと左側を撮像するカメラの情報に基づいて、左側の幅を特定し、当該幅が所定値(例えば10cm)以下となった場合には、ナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0185】
次に、認識処理部225は、すれ違い可否判定を行う(ステップS310)。そして、細道路処理を終了させる。
【0186】
具体的には、認識処理部225は、右側を検知するソナーと右側を撮像するカメラの情報に基づいて、右側、すなわち対向車との幅を特定し、当該幅が所定値(例えば10cm)以下となった場合には、ナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0187】
対向車がない場合(ステップS307にて「No」)、走行状況把握部222は、前方道路の形状を把握する(ステップS311)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して、現在地より前方に所定距離(例えば100m)内に存在する道路の形状が直線であるか否かを問い合わせる。
【0188】
ナビゲーション装置100の経路誘導部106または主制御部101は、現在地よりも前方に存在する道路の形状が直線であるか否かをリンクデータのリンクの向きから判定し、判定した結果をセンサコントローラ200に送信する。当該判定においては、例えば、推奨経路が設定されている場合には、経路誘導部106が、推奨経路を構成するリンクのうち所定の距離内にあるリンクについて、リンク間の接続角度の相違が5度以内に収まるのであれば、直線道路であると判定する。また例えば、推奨経路が設定されていない場合には、主制御部101が、現在地から右左折を必要とせずに接続されるリンクのうち所定の距離内にあるリンクについて、リンク間の接続角度の相違が5度以内に収まるのであれば、直線道路であると判定する。
【0189】
次に、走行状況把握部222は、前方道路の形状が直線であるか否かを判定する(ステップS312)。具体的には、走行状況把握部222は、ステップS311にて取得した道路の形状が「直線」であるとナビゲーション装置100において判定された場合には、直線と判定し、そうでない場合には、直線ではないと判定する。
【0190】
直線ではない場合(ステップS312にて「No」)、走行状況把握部222は、上記したステップS308に処理を進める。
【0191】
直線である場合(ステップS312にて「Yes」)、カメラ制御部223、ソナー制御部224は、それぞれ、左側を撮像するカメラと、左側を検知するソナーと、を起動させる(ステップS313)。
【0192】
次に、認識処理部225は、左幅寄せ可否判定を行う(ステップS314)。そして、細道路処理を終了させる。
【0193】
具体的には、認識処理部225は、左側を検知するソナーと左側を撮像するカメラの情報に基づいて、左側の幅を特定し、当該幅が所定値(例えば10cm)以下となった場合には、ナビゲーション装置100に報知する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は使用者に警告を発する等の画面表示・音声出力処理を行う。
【0194】
以上が、細道路処理の処理内容である。
【0195】
本発明に係る細道路処理を行う事によって、使用者は、細道路走行時において、当該細道路の通行状況に応じて、重点的に接近物を検知する方向を過不足なく設定することが可能となる。
【0196】
以上が、本発明にかかる細道路処理の実施例である。
【0197】
本実施例によると、細道路において、通行状況に応じて、安全上注意すべき方向のセンサの検知範囲を起動させることが可能となるため、より効率の良いセンサの使用が可能となる。
【0198】
図18は、本発明にかかる細道路処理を用いて、車両と対向車との幅、および車両と道路左端との幅を検知するコントロールシステムによる細道路での処理状態を表す図である。図18においては、細道路800を走行する、本発明にかかる細道路処理を行うことのできるセンサコントロールシステムを搭載した車両802と、対向車803とがすれ違う状況が示されている。細道路800の左端には、歩道が設けられており、歩道と車道との間には、縁石801が設けられている。そのため、車両802は、縁石801と対向車803との間を、両者に接触することなく走行する必要がある。
【0199】
この状況において、細道路処理のステップS308にて、左右ソナーと左右カメラが起動される。
【0200】
当該起動された左右を撮像するカメラは、図18のように、車両802の側方を撮像するように取り付けられている。左側を撮像するカメラは、左側カメラ撮像範囲804Lに基づいて、縁石801を含む車両の左側の状況を撮像する。右側を撮像するカメラは、右側カメラ撮像範囲804Rに基づいて、対向車803を含む車両の右側の状況を撮像する。
【0201】
起動された左側を検知するソナーは、図18のように、車両802の前方と、サイドミラー付近と、後方と、に車両の側方との距離を検知するよう取り付けられている。それぞれのソナーは、前方左側ソナー検知範囲805FLと、中央左側ソナー検知範囲805MLと、後方左側ソナー検知範囲805BLと、の範囲に基づいて遮蔽物、例えば壁の接近を検知する。
【0202】
また、当該起動された右側を検知するソナーも同様に、車両802の前方と、サイドミラー付近と、後方と、に車両の側方との距離を検知するよう取り付けられている。それぞれのソナーは、前方右側ソナー検知範囲805FRと、中央右側ソナー検知範囲805MRと、後方右側ソナー検知範囲805BRと、の範囲に基づいて遮蔽物、例えば対向車や壁の接近を検知する。
【0203】
このように、ステップS308において、左右のソナーと左右のカメラとを起動するため、センサコントローラは、左側を撮像するカメラと左側を検知するソナーにより左幅寄せ可否判定(ステップS309)と、右側を撮像するカメラと右側を検知するソナーによりすれ違い可否判定(ステップS310)を行うことができる。
【0204】
<車線変更処理>
次に、図19を用いて、車線変更時の各センサ300の動作を制御する車線変更処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0205】
車線変更処理は、センサコントロールシステムが起動されると、定期的に開始される。
【0206】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、現在位置を取得する(ステップS401)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して現在地を要求する。ナビゲーション装置100の現在地算出部104は、現在地を算出し、センサコントローラ200に現在地を特定する情報を送信する。
【0207】
次に、走行状況把握部222は、現在地が属する道路が片側2車線以上であるか否かを判定する(ステップS402)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に、現在地が属するリンクの情報を要求する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、現在地が属するリンクについての情報であるリンクデータ152をリンクテーブル150から取得して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信されたリンクデータ152に含まれる車線情報176を読み出し、車線の数が片側2車線以上であるか否かを判定する。
【0208】
片側2車線以上でない場合(ステップS402にて「No」)、走行状況把握部222は、ステップS404に処理を進める。
【0209】
片側2車線以上である場合(ステップS402にて「Yes」)、走行状況把握部222は、走行車線を取得する(ステップS403)。
【0210】
具体的には、センサコントローラ200の処理範囲設定部225は、車両の周囲、例えば左右の地面を撮像した画像について、処理範囲を通常の処理範囲として設定する。そして、認識処理部226は、カメラ制御部223に対して撮像を開始するよう指示する。認識処理部226は、撮像された画像のうち、設定された通常の処理範囲に該当する画像内の所定の範囲について白線認識処理を行い、認識された白線のパターンから、走行中の車線を特定する。そして、走行状況把握部222は、認識処理部226が特定した車線の情報を取得する。
【0211】
次に、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100が経路誘導を行っているか否かを判定する(ステップS404)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して、推奨経路が設定されているか否かを問い合わせる。ナビゲーション装置100の主制御部101は、経路誘導部106に推奨経路の設定がなされているか否かを問い合わせ、結果(推奨経路が設定されている場合には推奨経路の情報)をセンサコントローラ200に送信する。走行状況把握部222は、送信された結果を受け付けて推奨経路の設定がなされていれば経路誘導中と判定し、設定がなされていなければ経路誘導中ではないと判定する。
【0212】
経路誘導中でない場合(ステップS404にて「No」)、走行状況把握部222は、ウインカーにて指示する方向を取得し、左右いずれかの出力があるか否かを判定する(ステップS405)。
【0213】
具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対してウインカーの指示方向を問い合わせる。車両情報取得装置400は、ウインカー413から指示方向の情報を検知して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信された指示方向を受け付け、左右のいずれかへの出力がなされているかいないかを判定する。
【0214】
ウインカーに出力がある場合(ステップS405にて「Yes」)、走行状況把握部222は、後述するステップS408に処理を進める。
【0215】
ウインカーに出力がない場合(ステップS405にて「No」)、走行状況把握部222は、車線変更処理を終了させる。
【0216】
経路誘導中である場合(ステップS404にて「Yes」)、走行状況把握部222は、後述する車線変更要否判断処理を行い、車線変更の要否と、その方向と、についての結果を取得する(ステップS406)。
【0217】
次に、走行状況把握部222は、ステップS406の結果から、車線変更が必要であるか否かを判定する(ステップS407)。
【0218】
車線変更が必要でない場合(ステップS407にて「No」)、走行状況把握部222は、車線変更処理を終了させる。
【0219】
車線変更が必要である場合(ステップS407にて「Yes」)、認識処理部226は、進行方向に応じてセンサ300を起動させて、認識処理を行う(ステップS408)。
【0220】
具体的には、処理範囲設定部225は、通常の処理範囲を設定し、カメラ制御部223およびソナー制御部224に対して、ステップS406で特定した車線変更の方向またはステップS405にて取得したウインカーの出力方向を検知対象とするセンサ300を起動させるよう指示する。そして、認識処理部226は、起動されたセンサからの情報を取得して、接近物検知等の処理を実施する。
【0221】
以上が、車線変更処理の処理内容である。
【0222】
図20に、車線変更処理のステップS406にて実施する車線変更要否判断処理の処理フローについて説明する。
【0223】
まず、走行状況把握部222は、右折か左折かの案内があるか否かを判定する。(ステップS411)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して、右折か左折かのいずれかの経路誘導を行っているか否かを問い合わせる。ナビゲーション装置100の主制御部101は、経路誘導部106が右折または左折の案内を行っているか否かを判定し、案内を行っている場合には案内方向、すなわち右折または左折を特定する情報をセンサコントローラ200に送信する。走行状況把握部222は、送信された結果を受け付けて右折または左折を特定する結果であれば、案内があると判定し、そうでなければ案内がないと判定する。
【0224】
右折か左折かの案内がある場合(ステップS411にて「Yes」)、走行状況把握部222は、現在地が属する道路に進行方向専用車線があり、かつその車線以外を自車が走行中であるか否かを判定する(ステップS412)。
【0225】
具体的には、走行状況把握部222は、ステップS402にて取得した車線情報176に、ステップS411にて特定した左右いずれかの方向へ右左折する進行方向専用車線が含まれ、かつ、ステップS403にて取得した走行車線が当該専用車線以外の車線であるか否かを判定する。
【0226】
現在地が属する道路に進行方向専用車線があり、かつその車線以外を自車が走行中である場合(ステップS412にて「Yes」)、走行状況把握部222は、車線変更方向を特定する(ステップS413)。
【0227】
具体的には、走行状況把握部222は、ステップS411にて特定した右左折のいずれかの方向を、車線変更方向として特定する。
【0228】
次に、走行状況把握部222は、車線変更要と判定する(ステップS414)。そして、走行状況把握部222は、車線変更要否判定処理を終了させ、車線変更処理のステップS407に処理を進める。
【0229】
現在地が属する道路に進行方向専用車線がない、または進行方向専用車線があるがその車線を自車が走行中である場合(ステップS412にて「No」)、走行状況把握部222は、進行方向専用車線が2以上の車線数であるか否かを判定する(ステップS415)。
【0230】
進行方向専用車線が2以上の車線数でない場合(ステップS415にて「No」)、走行状況把握部222は、車線変更不要と判定する(ステップS416)。そして、走行状況把握部222は、車線変更要否判定処理を終了させ、車線変更処理のステップS407に処理を進める。
【0231】
進行方向専用車線が2以上の車線数である場合(ステップS415にて「Yes」)、走行状況把握部222は、ステップS413に処理を進める。
【0232】
右折か左折かの案内がない場合(ステップS411にて「No」)、走行状況把握部222は、ウインカーにて指示する方向を取得し、左右いずれかの出力があるか否かを判定する(ステップS417)。
【0233】
具体的には、走行状況把握部222は、車両情報取得装置400に対してウインカーの指示方向を問い合わせる。車両情報取得装置400は、ウインカー413から指示方向の情報を検知して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信された指示方向を受け付け、左右のいずれかへの出力がなされているかいないかを判定する。
【0234】
ウインカーに出力がある場合(ステップS417にて「Yes」)、走行状況把握部222は、前述したステップS413に処理を進める。
【0235】
ウインカーに出力がない場合(ステップS417にて「No」)、走行状況把握部222は、車線変更不要と判定する(ステップS418)。そして、走行状況把握部222は、車線変更要否判定処理を終了させ、車線変更処理のステップS407に処理を進める。
【0236】
以上が、車線変更処理のステップS406にて実施される車線変更要否判断処理の処理フローの例である。
【0237】
本発明に係る車線変更処理を行う事によって、使用者は、車線変更時において、車線変更する方向に応じて、重点的に接近物を検知する方向を過不足なく設定することが可能となる。
【0238】
以上が、本発明にかかる車線変更処理の実施例である。
【0239】
本実施例によると、車線変更時に、車線変更方向に応じて、起動させるセンサを必要最小限に限定して起動させることが可能となるため、より効率の良いセンサの使用が可能となる。
【0240】
<中央分離帯処理>
次に、図21を用いて、中央分離帯沿いを走行時の各センサ300の動作を制御する中央分離帯処理について、本発明の実施例を説明する。なお、本実施例におけるセンサコントロールシステムの構成については、上記した走行レーン認識処理にかかるセンサコントロールシステムの構成と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0241】
中央分離帯処理は、センサコントロールシステムが起動されると、定期的に開始される。
【0242】
まず、センサコントローラ200の走行状況把握部222は、現在位置を取得する(ステップS501)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に対して現在地を要求する。ナビゲーション装置100の現在地算出部104は、現在地を算出し、センサコントローラ200に現在地を特定する情報を送信する。
【0243】
次に、走行状況把握部222は、現在地が属する道路が片側2車線以上であるか否かを判定する(ステップS502)。具体的には、走行状況把握部222は、ナビゲーション装置100に、現在地が属するリンクの情報を要求する。そして、ナビゲーション装置100の主制御部101は、現在地が属するリンクについての情報であるリンクデータ152をリンクテーブル150から取得して、センサコントローラ200に送信する。そして、走行状況把握部222は、送信されたリンクデータ152に含まれる車線情報176を読み出し、車線の数が片側2車線以上であるか否かを判定する。
【0244】
片側2車線以上でない場合(ステップS502にて「No」)、走行状況把握部222は、中央分離帯処理を終了させる。
【0245】
片側2車線以上である場合(ステップS502にて「Yes」)、走行状況把握部222は、現在地が属する道路が中央分離帯を有するか否かを判定する(ステップS503)。
【0246】
具体的には、走行状況把握部222は、ステップS502でナビゲーション装置100から得た現在地が属するリンクの情報に含まれる道路種別173を読み出し、上下線分離されている道路であれば中央分離帯があると判定し、そうでない道路であれば中央分離帯がない道路であると判定する。
【0247】
中央分離帯を有しない道路である場合(ステップS503にて「No」)、走行状況把握部222は、中央分離帯処理を終了させる。
【0248】
中央分離帯を有する道路である場合(ステップS503にて「Yes」)、走行状況把握部222は、走行車線を取得する(ステップS504)。
【0249】
具体的には、センサコントローラ200の処理範囲設定部225は、車両の周囲、例えば左右の地面を撮像した画像について、処理範囲を通常の処理範囲として設定する。そして、認識処理部226は、カメラ制御部223に対して撮像を開始するよう指示する。認識処理部226は、撮像された画像のうち、設定された通常の処理範囲に該当する画像内の所定の範囲について白線認識処理を行い、認識された白線のパターンから、走行中の車線を特定する。そして、走行状況把握部222は、認識処理部226が特定した車線の情報を取得する。
【0250】
次に、走行状況把握部222は、ステップS504にて取得した走行車線を特定する情報が、最右車線を走行するものであるか否かを判定する(ステップS505)。
【0251】
最右車線を走行するものでない場合(ステップS505にて「No」)、走行状況把握部222は、中央分離帯処理を終了させる。
【0252】
最右車線を走行するものである場合(ステップS505にて「Yes」)、処理範囲設定部225は、右側を検知対象とするセンサの処理範囲を通常よりも縮小させる(ステップS506)。
【0253】
具体的には、処理範囲設定部225は、右側を検知対象とするセンサ、例えば右側を検知するソナー、右側を撮像するカメラの処理範囲を通常よりも縮小させて設定し、認識処理部226は当該処理範囲に従って車線等の認識を行う。そして、認識処理部226は、中央分離帯処理を終了させる。
【0254】
以上が、中央分離帯処理の処理内容である。
【0255】
本発明に係る中央分離帯処理を行う事によって、使用者は、中央分離帯沿いの車線を走行する場合において、中央分離帯の方向についてのセンサによる認識処理範囲を縮小させることが可能となり、したがって処理負荷を抑えることができるようになる。
【0256】
図22は、本発明にかかる中央分離帯処理を用いて、車両の周囲の状況を検知するセンサコントロールシステムによる中央分離帯沿いの車線での処理状態を表す図である。図22においては、道路900を走行する、本発明にかかる中央分離帯処理を行うことのできるセンサコントロールシステムを搭載した車両904が中央分離帯903沿いの車線902Rを走行する状況が示されている。
【0257】
道路900の車線は、車線境界線901によって、左側車線902Lと右側車線902Rとに分けられる。車両904は、前側、右側、後側、左側を撮像するカメラと、車両の前部の側方、サイドミラーの側方、後部の側方に存在する遮蔽物までの距離を検知する左右のソナーと、を備えている。
【0258】
なお、カメラにより撮像される前側、右側、後側、左側のそれぞれの範囲は、前側撮像範囲905F、右側撮像範囲905R、後側撮像範囲905B、左側撮像範囲905L、で表される。また、ソナーにより検知される前部の側方、サイドミラー部の側方、後部の側方のそれぞれの範囲は、前部右側検知範囲906FR、サイドミラー部右側検知範囲906MR、後部右側検知範囲906BR、前部左側検知範囲906FL、サイドミラー部左側検知範囲906ML、後部左側検知範囲906BL、により表される。
【0259】
中央分離帯処理のステップS506にて、中央分離帯903側のセンサの検知範囲が縮小された結果、図示するとおり、右側撮像範囲905Rの撮像範囲が他の方向の撮像範囲よりも縮小され、前部右側検知範囲906FR、サイドミラー部右側検知範囲906MR、後部右側検知範囲906BRの検知範囲が左側の対応するソナーによる検知範囲よりも縮小されている。
【0260】
以上が、本発明にかかる中央分離帯処理の実施例である。
【0261】
本実施例によると、中央分離帯のある道路において、中央分離帯沿いを走行している場合に、中央分離帯側のセンサの検知範囲を絞ることが可能となるため、より効率良くセンサを使用することが可能となる。
【0262】
本発明は、上記実施形態および実施例に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0263】
例えば、上記実施形態においては、センサ300はカメラとソナーを含むものであるが、これに限られず、そのどちらか一方のみであってもよいし、その他にライザーなどのレーダーや、ミリ波レーダー等を含むものであってもよい。
【0264】
このようにすることで、車両に取り付けられているセンサに応じて、取り付けられたセンサを適切に使用することが可能となる。
【0265】
また、上記実施形態および変形例においては、例えば、走行レーン認識処理と、駐車場処理と、交差点処理と、細道路処理と、車線変更処理と、中央分離帯処理と、をすべて並列に実装させてもよい。その場合には、例えば、走行レーン認識処理と、交差点処理と、車線変更処理と、中央分離帯処理と、による結果、センサに異なる処理範囲が設定されたり、異なるセンサの起動がなされたりすることがありうる。その場合には、センサの処理範囲は最大のものにあわせ、センサの起動対象はいずれか一つの処理にて起動対象となっているものを起動するようにしてもよい。
【0266】
このようにすることで、センサコントロールシステムは、いずれの処理も他の処理によって制限されることなく、必要な全ての機能を用いて運転者を支援できる。
【0267】
また、上記実施形態および変形例においては、細道路処理および車線変更処理に関し、走行条件に応じてセンサを起動させる実施例としているが、これに限られない。例えば、処理範囲を拡大させるものであってもよいし、センサを起動させると共に処理範囲を拡大させるものであってもよい。いずれの形態であっても、あわせて認識処理部226による認識処理のタスク優先度を上昇させる(CPUによる処理時間の割り当て量を拡大させる)ようにしてもよい。
【0268】
このようにすることで、センサコントロールシステムは、センサを制御する必要がある場合に、最低限必要なセンサを用いて、センサを用いた情報処理にかかる処理時間を短くすることが可能となる。そのため、センサコントローラの処理の応答性を高めることができる。
【0269】
また、上記実施形態および変形例においては、走行レーン認識処理、交差点処理および中央分離帯処理に関し、走行条件に応じて処理範囲を変更させる実施例としているが、これに限られない。例えば、センサを起動させるものであってもよいし、センサを起動させると共に処理範囲を拡大させるものであってもよい。いずれの形態であっても、あわせて認識処理部226による認識処理のタスク優先度を上昇させる(CPUによる処理時間の割り当て量を拡大させる)ようにしてもよい。
【0270】
このようにすることで、センサコントロールシステムは、センサを制御する必要がある場合に、最低限必要なセンサを用いて、センサを用いた情報処理にかかる処理時間を短くすることが可能となる。そのため、センサコントローラの処理の応答性を高めることができる。
【0271】
また、上記実施形態においては、センサコントローラ200はナビゲーション装置100、センサ300、車両情報取得装置400から独立した装置であるが、これに限られず、例えば、ナビゲーション装置100がセンサコントローラ200と同様の機能を実現するようにしてもよいし、センサ300がセンサコントローラ200と同様の機能を実現するようにしてもよいし、車両情報取得装置400がセンサコントローラ200と同様の機能を実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0272】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・GPS受信装置、8・・・FM多重放送受信装置、9・・・ビーコン受信装置、10・・・通信I/F、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・現在地算出部、105・・・経路探索部、106・・・経路誘導部、150・・・リンクテーブル、200・・・センサコントローラ、202・・・CPU、203・・・RAM、204・・・ROM、205・・・I/F、206・・・バス、210・・・通信I/F、221・・・主制御部、222・・・走行状況把握部、223・・・カメラ制御部、224・・・ソナー制御部、225・・・処理範囲設定部、226・・・認識処理部、300・・・センサ、400・・・車両情報取得装置、401・・・演算処理部、402・・・CPU、403・・・RAM、404・・・ROM、405・・・I/F、411・・・車速センサ、412・・・ジャイロセンサ、413・・・ウインカー、414・・・ギヤポジションセンサ、415・・・通信I/F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるセンサコントローラであって、
前記車両の走行状況を把握する走行状況把握手段と、
前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段と、
前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更して前記処理手段に処理させる処理部分変更手段と、
を備えることを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記処理部分変更手段は、前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記センサ手段のうち起動するセンサを選択する、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の車線数を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記車線数に応じて、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の車線数と、前記車両が走行している車線を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記走行状況把握手段によって前記車両が走行している車線が不明な場合に、前記車線数に応じて、前記所定の範囲を拡大させ、
前記処理手段は、拡大された前記所定の範囲について車線認識処理を行う、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項5】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両のギヤ位置を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記ギヤ位置が、前進するギヤの位置であれば、車両の前方と左右の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項6】
請求項1または5に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両のギヤ位置を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記ギヤ位置が、後進するギヤの位置であれば、車両の後方と左右の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が進入する交差点の進行方向を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記進行方向に応じて、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項8】
請求項1または6に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が進入する交差点の進行方向を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記進行方向が左であれば、後方と左側の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項9】
請求項1または7に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が進入する交差点の進行方向を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記進行方向が右であれば、後方と右側の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項10】
請求項2に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の道路種別を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記道路種別に応じて、前記センサ手段のうち起動させるセンサを選択する、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項11】
請求項2、10のいずれか一項に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の道路種別と対向車の有無とを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記道路種別が細道路であって対向車がある場合に、左側と右側との情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記センサ手段のうち起動させるセンサを選択する、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の道路種別を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記道路種別に応じて、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項13】
請求項1、12のいずれか一項に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の道路種別と対向車の有無とを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記道路種別が細道路であって対向車がある場合に、左側と右側との情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項14】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が、走行している道路の車線を変更するか否かを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記車線を変更する場合には、車線変更する方向の情報を検知するセンサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項15】
請求項2に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が、走行している道路の車線を変更するか否かを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記車線を変更する場合には、車線変更する方向の情報を検知する前記センサ手段を起動させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項16】
請求項14または15に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が、走行している道路に進行方向専用の車線が備わっており、当該専用の車線を走行していない場合に、当該専用の車線に向かって車線を変更すると特定する、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項17】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の中央分離帯の有無と、前記車両が当該中央分離帯に隣接する車線を走行しているか否かを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記車両が前記中央分離帯に隣接する車線を走行している場合に、前記中央分離帯が存在する側の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を縮小させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のセンサコントローラであって、
前記処理部分変更手段は、前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記処理手段の実行優先度を上昇させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項19】
車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるナビゲーション装置であって、
前記車両の走行状況を把握する走行状況把握手段と、
前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段と、
前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更して前記処理手段に処理させる処理部分変更手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項20】
車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるセンサコントローラによるセンサ制御方法であって、
前記センサコントローラは、
前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段を備え、
前記車両の走行状況を把握する走行状況把握ステップと、
前記走行状況把握ステップにより把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更する処理部分変更ステップと、
を実施することを特徴とするセンサ制御方法。
【請求項1】
車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるセンサコントローラであって、
前記車両の走行状況を把握する走行状況把握手段と、
前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段と、
前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更して前記処理手段に処理させる処理部分変更手段と、
を備えることを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記処理部分変更手段は、前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記センサ手段のうち起動するセンサを選択する、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の車線数を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記車線数に応じて、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の車線数と、前記車両が走行している車線を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記走行状況把握手段によって前記車両が走行している車線が不明な場合に、前記車線数に応じて、前記所定の範囲を拡大させ、
前記処理手段は、拡大された前記所定の範囲について車線認識処理を行う、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項5】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両のギヤ位置を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記ギヤ位置が、前進するギヤの位置であれば、車両の前方と左右の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項6】
請求項1または5に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両のギヤ位置を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記ギヤ位置が、後進するギヤの位置であれば、車両の後方と左右の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が進入する交差点の進行方向を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記進行方向に応じて、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項8】
請求項1または6に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が進入する交差点の進行方向を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記進行方向が左であれば、後方と左側の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項9】
請求項1または7に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が進入する交差点の進行方向を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記進行方向が右であれば、後方と右側の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項10】
請求項2に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の道路種別を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記道路種別に応じて、前記センサ手段のうち起動させるセンサを選択する、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項11】
請求項2、10のいずれか一項に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の道路種別と対向車の有無とを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記道路種別が細道路であって対向車がある場合に、左側と右側との情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記センサ手段のうち起動させるセンサを選択する、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項12】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の道路種別を特定し、
前記処理部分変更手段は、前記道路種別に応じて、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項13】
請求項1、12のいずれか一項に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の道路種別と対向車の有無とを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記道路種別が細道路であって対向車がある場合に、左側と右側との情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項14】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が、走行している道路の車線を変更するか否かを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記車線を変更する場合には、車線変更する方向の情報を検知するセンサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を拡大させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項15】
請求項2に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が、走行している道路の車線を変更するか否かを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記車線を変更する場合には、車線変更する方向の情報を検知する前記センサ手段を起動させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項16】
請求項14または15に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が、走行している道路に進行方向専用の車線が備わっており、当該専用の車線を走行していない場合に、当該専用の車線に向かって車線を変更すると特定する、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項17】
請求項1に記載のセンサコントローラであって、
前記走行状況把握手段は、前記車両が走行している道路の中央分離帯の有無と、前記車両が当該中央分離帯に隣接する車線を走行しているか否かを特定し、
前記処理部分変更手段は、前記車両が前記中央分離帯に隣接する車線を走行している場合に、前記中央分離帯が存在する側の情報を検知する前記センサ手段にて検知する情報に関して、前記所定の範囲を縮小させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のセンサコントローラであって、
前記処理部分変更手段は、前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記処理手段の実行優先度を上昇させる、
ことを特徴とするセンサコントローラ。
【請求項19】
車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるナビゲーション装置であって、
前記車両の走行状況を把握する走行状況把握手段と、
前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段と、
前記走行状況把握手段により把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更して前記処理手段に処理させる処理部分変更手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項20】
車両の周囲の情報を検知する複数のセンサ手段に接続されるセンサコントローラによるセンサ制御方法であって、
前記センサコントローラは、
前記センサ手段により検知した前記車両の周囲の情報のうち、所定の範囲について所定の処理を行う処理手段を備え、
前記車両の走行状況を把握する走行状況把握ステップと、
前記走行状況把握ステップにより把握した前記走行状況に応じて、前記所定の範囲を変更する処理部分変更ステップと、
を実施することを特徴とするセンサ制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
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【公開番号】特開2011−70411(P2011−70411A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221074(P2009−221074)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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