説明

タイミング制御回路及び半導体記憶装置

【課題】プロセスや動作環境等の変化に対して、遅延変動の小さいタイミングを生成しアクセス時間を短縮可能とする、タイミング制御回路及び該タイミング制御回路を備えた半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】周期T1を持つ第1のクロック信号と、周期T2の第2のクロック群(CKb)が入力され、疎調遅延回路(CD)と微調遅延回路(FD)を備え、疎調遅延回路(CD)は活性化信号の活性化から第1のクロック信号の立ち上がりエッジをカウントするカウンタを有し、第1のクロック信号からの遅延量がほぼm・T1である疎調タイミング信号(CT)を生成し、微調遅延回路(FD)はL個の並列した多相クロック制御遅延回路からなり、それぞれL相の第2のクロック群による疎調タイミング信号(CT)のサンプリングのタイミングをn・(T2/L)だけ遅延させ、遅延されたパルスのORをとることで微調タイミング信号(FT)とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイミング制御回路に関し、特に、半導体記憶装置のタイミング信号の生成に好適なタイミング制御回路及び該タイミング制御回路を有する半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図16(a)は、ロジックLSIチップの典型的な構成を模式的に示す図である。図16(a)を参照すると、ロジックLSIチップ(LOGIC)においては、データ処理のスループットを上げるために、データ入力(DIN)からデータ出力(DOUT)の間を、フリップフロップ回路(FF)で複数の論理回路ブロック(LGK)に分割し、フリップフロップ(FF1、FF2、FF3)をクロック(CK)で制御するパイプライン動作を行っている。ロジックLSIチップ(LOGIC)では、それぞれの論理回路ブロック(LGK)を、ほぼ同じ遅延を有するように分割することが可能であるため、上記に示したように、共通クロックで制御されるフリップフロップ(FF1、FF2、FF3)を用いパイプライン動作させることで動作周波数を向上することができる。パイプライン動作において、フリップフロップ(FF)は前段の論理回路ブロック(LGK)の出力をクロックに同期してサンプルしサンプルした値を後段の論理回路ブロック(LGK)に入力し、各段の論理回路ブロック(LGK)での演算は1クロックサイクル内に行われる。
【0003】
図16(b)は、クロック同期型のシンクロナスDRAM(SDRAM)の典型的な構成を模式的に説明する図である。なお、図16(b)では、簡単のため、コマンド(CMD)、アドレス(ADD)をそれぞれサンプルする入力段のフリップフロップをFF1で表しており、コマンドデコーダ、アドレスデコーダをデコーダ(DEC)で表している。図16(b)を参照すると、シンクロナスDRAM(SDRAM)においては、コマンドやアドレスの入力段とデータ出力段のフリップフロップFF1、FF4はクロックCK(の立ち上がりエッジ)で制御しているが、その他のチップ内部のフリップフロップ(例えばFF2、FF3)は、タイミング制御回路(TG)において、外部端子から入力されたクロック(CK)からパルスジェネレータ(PG)で発生したパルスをアナログ遅延回路(ADLY1、ADLY2)で遅らせて生成したタイミング制御信号で制御している。
【0004】
シンクロナスDRAMにおいては、チップ内部の機能ブロックであるデコーダ(DEC)、メモリアレイ(MEMCORE)、データバス(DB)の遅延は大きく異なる。このため、共通のクロックでタイミングを制御したとすると、メモリアレイの遅延によって動作可能なクロック周波数が決定されることになる。すなわち、シンクロナスDRAMにおいては、図16(a)のロジックLSIのように、機能ブロックの遅延をほぼ同一とすることはできず、共通クロックで制御されるフリップフロップ(FF)を用いパイプライン動作させることはできず、この結果、周波数を向上することが難しい。
【0005】
図16(b)に示したシンクロナスDRAMについて、リード動作を例にとってその動作を説明する。シンクロナスDRAMに、コマンド(CMD)、アドレス(ADD)が入力されると、これらは、それぞれ、対応する入力段のフリップフロップFF1にて、クロック(CK)に同期してチップ内部に取り込まれる。FF1に取り込まれたコマンド、アドレスはデコーダ(DEC)でデコードされ、動作(この場合、リード)と、選択すべきアドレスが確定する。この時間(タイミング)と一致するように、パルスジェネレータ(PG)からのクロックパルスをアナログディレイ(ADLY1)で遅延させて、次のフリップフロップFF2のクロック端子CKに供給し、メモリアレイ(MEMCORE)において選択アドレスのメインワード線(MWLB)(不図示)が活性化される。
【0006】
続いて、メモリアレイ(MEMCORE)内において選択されたメモリセル(不図示)からビット線(不図示)に信号が発生する時間と一致するように、アナログディレイ(ADLY1)で遅延させたパルスをさらにアナログディレイ(ADLY2)で遅延させ、フリップフロップFF3のクロック端子CKに供給し、センスアンプ起動信号(SAN)が活性化され、発生した信号がセンスアンプ(不図示)で増幅される。
【0007】
センスアンプ(不図示)で増幅された信号は、引き続きリードコマンドが入力されたときに、データパス(DB)を通って出力バッファまで伝送され、FF4において、カウンタ(COUNT)からのクロックに同期して、チップの外部データ出力端子(DOUT)からチップ外部に出力される。
【0008】
なお、クロック位相の粗調整を行う粗調整回路とクロック位相の微調整を行う微調整回路を備えた構成として特許文献1等がある(なお、特許文献1に記載された発明は、後述される本発明とは構成が全く相違している)。また特許文献2には、直列接続した粗遅延部と微小遅延部に電源電圧を供給する第1、第2のDLL(Delay Locked Loop)を備え、第1、第2のDLLのモニタ回路として用いる遅延部を粗遅延部と微小遅延部と同じ回路形式としたタイミング発生回路が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−110490号公報
【特許文献2】特開2006−186547号公報
【非特許文献1】Kohtaroh Gotoh, Shigetoshi Wakayama, Miyoshi Saito, Junji Ogawa, Hirotaka Tamura, Yoshinori Okajima, and Masao Taguchi, ‘All−Digital Multi−Phase Locked Loop for Internal Timing Generation in Embedded and/or High−Speed DRAMs’, 1997 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers pp.107−108)において、DLL(Delay Lock Loop)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記非特許文献、特許文献等の開示事項は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとする。以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0011】
近年、LSI内のMOSトランジスタや配線の微細化、及び低電圧化の進展により、デバイス特性のばらつきが大きな問題となっている。
【0012】
図17(a)は、上記したアナログディレイ(ADLY)の回路構成の一例を示す図である。図17(a)には、一例として、多段のインバータ(INV)を従属接続した構成が示されている。
【0013】
図17(b)は、図17(a)のアナログディレイ(ADLY)の遅延量(td)を各種の条件でシミュレーションにより求めた値を相対値として示している。ここで、Low−voltage/High−voltageは、動作電圧が高めにばらついている場合と、低めにばらついている場合にそれぞれ対応している。slow/fastは、MOSトランジスタのしきい値が高い場合と、低い場合にそれぞれ対応している。High temp/Low tempは動作温度が高い場合と、低い場合にそれぞれ対応している。
【0014】
図17(b)において、例えば、Low−voltage、slow、High tempの組み合わせは、
・動作電圧が低めにばらつき、且つ、
・MOSトランジスタのしきい値が高く、且つ、
・動作温度が高い、
場合の遅延に対応しており、アナログディレイ(ADLY)の遅延量(td)は大となる。また、High−voltage、fast、Low tempの組み合わせは、
・動作電圧が高めにばらつき、且つ、
・MOSトランジスタのしきい値が低く、且つ、
・動作温度が低い、
場合の遅延に対応しており、アナログディレイ(ADLY)の遅延量(td)は小となる。他の組み合わせも同様に読み取れる。
【0015】
図17(b)からも明らかなように、アナログディレイ(ADLY)において、最も遅延が長くなる場合(最大遅延)と、最も短くなる場合(最小遅延)では約2倍の違いがある。シンクロナスDRAMの内部にある遅延回路において、このように遅延量が大きく変化すると、アクセス時間が増大する。
【0016】
図18(a)は、シンクロナスDRAM内部の回路が最も早く動作する条件(Best)における、回路ブロックの動作タイミングを模式的に示した図である。図18(a)において、デコーダ(DEC)、メモリアレイ(MEMCORE)、データバス(DB)の動作時間を横軸にとっている。
【0017】
これらの回路ブロックの動作時間が重ならないように、クロック(CK)からメインワード線(MWLB)までの遅延量td1と、メインワード線(MWLB)からセンスアンプ起動信号(SAN)までの遅延量td2を決定し、図16(b)に示したように、タイミング制御回路(TG)に、アナログディレイ(ADLY1、ADLY2)が設けられている。この場合、アナログディレイ(ADLY1)の遅延量をtd1、アナログディレイ(ADLY2)の遅延量をtd2としている。
【0018】
図18(b)には、上記のように遅延量を決定して回路を設計した場合の、回路が最も遅く動作する条件(Worst)における、動作タイミングを示している。
【0019】
デコーダ(DEC)、メモリアレイ(MEMCORE)、データバス(DB)の各回路ブロックの動作時間が、図18(a)の各回路ブロックの動作時間と比べて、増加しているのに加えて、アナログディレイ(ADLY1、ADLY2)の遅延量も増加している。このとき、デコーダ(DEC)、メモリアレイ(MEMCORE)のそれぞれの動作時間の増加分よりも、アナログディレイ(ADLY1、ADLY2)の遅延量(td1、td2)の増加分の方が大きいため、デコーダ(DEC)の動作の終了とメモリアレイ(MEMCORE)の動作開始の間、メモリアレイ(MEMCORE)の動作の終わりと、データバス(DB)の動作開始の間にそれぞれ、デッドマージン(DM1、DM2)が発生する。このタイミングマージン(デッドマージン)のために、デコーダ(DEC)、メモリアレイ(MEMCORE)、データバス(DB)の各回路ブロックの持つ遅延量の和よりも、アクセス時間が長くなってしまう。このため、本来のデバイス・回路の性能が生かされない、という問題が発生している。
【0020】
反対に、図18(b)に示したWorstの条件においてタイミングマージンを設けずに、図16(b)のアナログディレイ(ADLY1、ADLY2)の遅延量を決定した場合、図18(a)に示したBestの条件では、各回路ブロック動作が終了するよりも速く次の回路ブロックが起動されるため(すなわち遅延量td1、td2が、それぞれ、デコーダ(DEC)、メモリアレイ(MEMCORE)の動作時間よりも短くなる)、回路ブロックの動作が重なってしまい、誤動作する。
【0021】
この問題を解決するために、デジタル遅延素子(回路)をメモリ回路に適用する例が報告されている。デジタル遅延素子(回路)とは、クロック信号及び多相クロックを用いて、これらの周期の整数倍の遅延を発生する回路をいう。デジタル遅延素子(回路)を用いると、デバイス、温度、電源電圧が変化した場合でも、外部より供給されるクロック周期で定まる遅延を発生することができるため、遅延量の変動幅が小さいという利点がある。一例としては、非特許文献1には、DLL(Delay Lock Loop)で多相のクロックを発生し、該多相クロックを内部で用いるDRAMが開示されている。
【0022】
しかしながら、DLLは、クロックが供給されてから、DLL内部での遅延がクロックと同期するまでには、所定の時間(一例として、100サイクル程度)を要する。このため、DRAMが動作していないスタンバイモードにおいても、クロックを止めることが出来ず、スタンバイモードの消費電流が増加する、という問題がある。
【0023】
本発明の目的は、短時間で起動できるデジタル遅延回路を有するタイミング制御回路を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、プロセスや動作環境等の変化に対して、遅延変動の小さいタイミングを生成するタイミング制御回路、及び該タイミング制御回路を備えた半導体記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0026】
本発明の1つの側面によれば、第1の周期を有する第1のクロック信号と、第2の周期を有し位相が互いに所定の間隔で離間している第2のクロック群と、活性化信号と、遅延量を設定する選択信号と、を入力し、前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロック信号の有効エッジを基準として、前記選択信号に基づき、前記第1の周期の所定倍遅延させた信号を生成し、前記第1の周期の所定倍遅延させた信号を前記第2のクロック群に応答してそれぞれサンプルして得た複数の信号に対して、前記選択信号に基づき、前記第2のクロック群の隣接クロック間の位相間隔に対応する時間を所定倍させた遅延を付加し、前記遅延を付加した複数の信号に基づき、タイミング信号を生成するデジタル遅延回路を備えたタイミング制御回路が提供される。
【0027】
本発明において、前記第1の周期をT1とし、前記第2の周期をT2として前記第2のクロック群を隣接クロック間の位相がT2/L(但し、Lは所定の正整数)離間しているL相クロックとし、前記選択信号で規定される値を非負の整数m、nとし、前記タイミング信号の遅延時間をtdとすると、前記tdは、T1のm倍の遅延時間m・T1と(T2/L)のn倍の遅延時間n・(T2/L)の和
m・T1+n・(T2/L)に、
T1、T2には依存しない固定遅延量を加えた値とされる。
【0028】
本発明においては、前記デジタル遅延回路において、前記第1の周期をT1とし、前記第2の周期をT2として、前記第2のクロック群を隣接クロック間の位相がT2/L(但し、Lは所定の正整数)離間しているL相クロックとし、前記選択信号で規定される値を非負の整数m、nとし、
前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロック信号の有効エッジからm・T1遅延させた疎調タイミング信号を出力する疎調遅延回路と、
前記疎調タイミング信号を前記第2のクロック群に応答してサンプルする手段と、前記サンプルされた複数の信号の各々に対して、遅延n・(T2/L)をそれぞれ付加する手段と、前記遅延を付加した複数の信号の論理演算結果に基づき、前記疎調タイミング信号の有効エッジから、n・(T2/L)遅延させたタイミングで微調タイミング信号を出力する手段と、を有する微調遅延回路と、を備えている。本発明において、前記m、nは、レジスタに可変自在に記録される構成としてもよい。
【0029】
本発明に係るタイミング制御回路においては、第1の周期(=T1)の第1のクロック信号と、活性化信号と、疎調レジスタからの選択信号(値=m)とを入力し、前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロック信号の有効エッジから、m・T1の遅延量にて、疎調タイミング信号を出力する疎調遅延回路と、
第2の周期(T2)を有し位相がT2/L(ただし、Lは2以上の所定の整数)で離間しているL相クロックからなる第2のクロック群と、前記疎調遅延回路から出力される前記疎調タイミング信号と、微調レジスタからの選択信号(値=n)とを入力とし、
前記疎調タイミング信号を前記第2のクロック群のタイミングでサンプルして得た複数の信号の各々に対して、遅延n・(T2/L)をそれぞれ付加し、前記遅延を付加した複数の信号の論理演算結果に基づき、前記疎調タイミング信号の有効エッジから、n・(T2/L)遅延させたタイミングで微調タイミング信号を出力する微調遅延回路と、を備えている。
【0030】
本発明において、前記疎調遅延回路は、入力されるシフトクロックに応答して固定値を順次後方に転送するシフトレジスタと、前記第1のクロック信号と前記活性化信号とを入力し、前記活性化信号が活性状態のとき、前記第1のクロック信号を伝達出力し、前記活性化信号が非活性状態のとき、前記第1のクロック信号をマスクするゲート回路と、を備え、前記ゲート回路から出力されるクロックが、前記シフトクロックとして用いられる。さらに、前記ゲート回路からのクロックが入力端に共通に接続され、出力端が1つのノードに共通に接続され、前記疎調レジスタからの選択信号の本数に対応して設けられた複数のスイッチを備えている。前記複数のスイッチのうち、前記選択信号の値mに対応して選択されたスイッチは、前記シフトレジスタの出力に基づき、前記シフトレジスタの前記選択信号に対応するm段まで固定値がシフトされた時点でオンとされ、前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロック信号の有効エッジから、前記選択信号で選択されたmサイクル後に、前記ゲート回路から出力される前記クロックを前記ノードに伝達し前記疎調タイミング信号が出力される、構成としてもよい。
【0031】
本発明において、前記疎調遅延回路は、前記選択信号に対応するスイッチを、前記選択信号が活性化されているとき、前記シフトレジスタの出力に基づき、前記シフトレジスタの前記選択信号の値mに対応するm段まで前記固定値がシフトされた時点でオフからオンに設定し、前記シフトレジスタにおいて前記m+1段まで前記固定値がシフトされる時点でオンからオフに設定し、前記選択信号が非活性化状態のとき、オフとする回路を備えた構成としてもよい。
【0032】
本発明において、前記疎調遅延回路は、前記複数のスイッチの出力端が共通に接続される前記ノードの信号をバッファして前記疎調タイミング信号を出力するバッファ回路を備え、前記バッファ回路は、前記ノードの信号を入力する反転回路を備え、前記反転回路の出力が第1の論理値のとき、前記ノードを第2の論理値に対応する電位の端子に接続するスイッチを備えている構成としてもよい。本発明において、前記疎調遅延回路の前記シフトレジスタには、前記ゲート回路から出力されるクロックの反転クロックがシフトクロックとして用いられる。
【0033】
本発明において、前記微調遅延回路は、前記疎調遅延回路からの前記疎調タイミング信号をデータ端子に入力し前記第2のクロック群に応答してそれぞれサンプル出力する複数のフリップフロップと、前記複数のフリップフロップの出力をそれぞれ入力し、対応するフリップフロップのクロック端子に供給されるクロックの遷移タイミングを基準として、n・(T2/L)遅延させて出力する複数の多相クロック制御遅延回路と、前記選択信号の値nを受け、前記複数の多相クロック制御遅延回路の各々で(T2/L)のn倍の遅延を作るための信号を生成する遅延計算回路と、を備え、前記複数の多相クロック制御遅延回路の出力の論理和をとり、前記疎調タイミング信号からn・(T2/L)遅延させた前記微調タイミング信号を出力する構成としてもよい。
【0034】
本発明において、前記微調遅延回路の前記多相クロック遅延回路は、前記多相クロック遅延回路に対応するフリップフロップの出力を、初段に受ける、カスケード接続された複数段のフリップフロップと、前記複数段のフリップフロップのそれぞれに対応して設けられ、前記第2のクロック群を入力し、前記遅延計算回路からのクロック入力選択信号に基づき、対応する前記フリップフロップのクロック入力端子に入力するクロックを選択する第1群のセレクタと、前記複数段のフリップフロップの出力を入力し、前記遅延計算回路からのノード選択信号に基づき1つを選択して、出力する第2のセレクタと、を備え、前記第1群のセレクタにおける前記クロック入力選択信号と、前記第2のセレクタにおける前記ノード選択信号は、前記多相クロック遅延回路の入力に出力が接続されるフリップフロップに供給されるクロックの遷移に対応するタイミングから、前記第2のセレクタで選択されるまでの遅延が、n・(T2/L)となるように、前記遅延計算回路において、それぞれの値が決定される構成としてもよい。
【0035】
本発明においては、上記タイミング制御回路を有し、チップ内部のタイミングを制御する半導体記憶装置が提供される。半導体記憶装置はDRAMであり、前記タイミング制御回路で発生したタイミングをビット線イコライズの解除、ワード線活性化、センスアンプ活性化、列選択線活性化、メインアンプ活性化のうち少なくとも一つに用いる、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、短時間で起動できるデジタル遅延回路を備えたタイミング制御回路を提供することができる。
【0037】
本発明によれば、プロセスや動作環境等の変化に対して、遅延変動の小さいタイミングを生成し、デッドマージンを解消し、アクセス時間を短縮可能とする、タイミング制御回路を提供することができる。上記本発明によれば、第1のクロックと第2のクロックの位相関係とは無関係に所望の微調タイミング信号を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面において、PMOSトランジスタにはゲートに矢印の記号を付すことで、NMOSトランジスタと区別することとする。また、図面において、MOSトランジスタの基板電位の接続は明記していないが、MOSトランジスタが正常動作可能な範囲であれば、その接続方法は特に限定しない。
【0039】
本発明に係るタイミング制御回路においては、第1の周期(T1)を持つ第1のクロック信号と、第2の周期(T2)を持ちL相(Lは2以上の所定の正整数)クロックをなす第2のクロック群(互いにほぼT2/Lで位相が異なるL個の第2のクロック信号)を入力し、遅延を選択する選択信号の値をm、n(m、nは非負整数)としたときに、第1のクロック信号からの遅延量が、ほぼ、td=m・T1+n・(T2/L)となるタイミング信号(微調タイミング信号:FT)を発生する。
【0040】
本発明に係るタイミング制御回路においては、疎調遅延回路(CD;Coarse Delay)と、微調遅延回路(FD;Fine Delay)とを備えている。疎調遅延回路(CD)は、活性化(アクティベート)信号(ACT)が活性化してから第1のクロック信号の有効エッジ(例えば立ち上がりエッジ)をカウントするカウンタを有し、mクロックサイクル計数した時点で第1のクロック信号の有効エッジからの遅延量がほぼm・T1である、疎調タイミング信号(CT)を発生する。
【0041】
微調遅延回路(FD)は、第2の周期を有し位相が第2の周期/L(ただし、Lは2以上の所定の整数)で離間しているL相のクロックからなる第2のクロック群と、前記疎調遅延回路から出力される前記疎調タイミング信号と、微調レジスタからの選択信号(値=n)とを入力とし、前記疎調タイミング信号を前記第2のクロック群のタイミングにて複数のフリップフロップでそれぞれサンプルし、複数のフリップフロップでそれぞれサンプルした複数の信号に対して、遅延n・(第2の周期/L)を付加した信号を生成する複数の多相クロック制御遅延回路(PD1〜PD4)を備え、複数の多相クロック制御遅延回路でそれぞれ遅延を付加した信号を合成(例えば論理和をとる)して、前記疎調タイミング信号の有効エッジよりn(T2/L)分遅延させた微調タイミング信号を出力する。以下実施例に即して説明する。
【実施例】
【0042】
図1(a)は、本発明の一実施例のタイミング制御回路(TG)の構成を示す図である。図1(b)は、本発明の一実施例のタイミング制御回路(TG)の動作波形を示す図である。
【0043】
図1(a)を参照すると、本実施例のタイミング制御回路(TG)には、クロック周期がT1であるクロックA(CKa)(本発明の第1のクロック信号に対応する)と、クロック周期がT2であるクロックB(CKb)が入力される。クロックB(CKb)は、位相が360°/Lずつ離間しているL相のクロック(本発明の第2のクロックに対応する)である。L相クロックは、立ち上がりエッジがT2/Lの時間差で等間隔に離間している。特に制限されないが、本実施例では、Lを4として、クロックB(CKb)を、互いに位相が90°離間している4相クロックCKb0、CKb90、CKb180、CKb270とする。
【0044】
メモリチップ内のコマンドジェネレータ(CMDGEN)には、コマンド(CMD)が入力され、コマンドジェネレータ(CMDGEN)で発生したアクティベート信号(活性化信号)(ACT)、及び、リセット信号(RST)が、タイミング制御回路(TG)に入力される。
【0045】
タイミング制御回路(TG)は、複数のデジタル遅延回路(DD1、DD2、DD3)を備えている。複数のデジタル遅延回路(DD1、DD2、DD3)でそれぞれ生成された微調タイミング信号(FT)がメモリアレイ(ARY)に入力される。なお、図1(a)には、簡単のため、デジタル遅延回路(DD1)から生成された微調タイミング信号(FT)がメモリアレイ(ARY)に入力される構成が示されており、デジタル遅延回路(DD2、DD3)からの微調タイミング信号(FT)、デジタル遅延回路(DD2、DD3)からそれぞれ生成される微調タイミング信号(FT)を入力するメモリアレイ(ARY)は図示されていない。
【0046】
微調タイミング信号(FT)は、m、nを整数として、アクティベート信号(ACT)の活性化時において、クロックA(CKa)の立ち上がりエッジ(有効エッジ)から、遅延時間
m・T1+n・T2/L ・・・(1)
だけ遅延した立ち上がりエッジを有する。
【0047】
実際の回路では、クロック信号が回路内部を通過する部分の固定遅延分(クロック周期に依存しないで発生する遅延分)tc+tfが付加される。
【0048】
なお、本実施例では、クロックA(CKa)の有効エッジを立ち上がりエッジとして説明するが、本発明においてかかる構成に限定されるものでないことは勿論である。例えばクロックA(CKa)の立ち下がりエッジを有効エッジとし、クロックA(CKa)の立ち下がりから、m・T1+n・T2/Lだけ遅延した立ち下がりエッジを有する微調タイミング信号(FT)を生成するようにしてもよいことは勿論である。
【0049】
デジタル遅延回路(DD1、DD2、DD3)は同一構成とされ、図1(a)では、デジタル遅延回路(DD1)の内部構成のみが示されている。
【0050】
図1(a)を参照すると、デジタル遅延回路(DD1)は、疎調遅延回路(CD)と、微調遅延回路(FD)と、疎調遅延レジスタ(CDR)と、微調遅延レジスタ(FDR)と、を備えている。なお、疎調遅延レジスタ(CDR)と、微調遅延レジスタ(FDR)は、デジタル遅延回路(DD1、DD2、DD3)内に個別に備えるかわりに、レジスタ群(レジスタファイル)として、デジタル遅延回路(DD1、DD2、DD3)に対して共通に設けるようにしてもよいことは勿論である。
【0051】
疎調遅延回路(CD)には、クロックA(CKa)が入力され、アクティベート信号(ACT)が活性化された状態においてクロックA(CKa)の立ち上がりエッジから、
m・T1+tc ・・・(2)
だけ遅れた疎調タイミング信号(CT)を発生する。
【0052】
ここで、tcは、疎調遅延回路(CD)に固有の遅延時間である。mの値は、疎調遅延レジスタ(CDR)より、疎調遅延回路(CD)に伝達される。
【0053】
図1(b)には、m=2の場合(図1(a)の疎調遅延レジスタ(CDRからのMR<2>がHigh)が示されている。アクティベート信号(ACT)が活性化された状態(High)におけるクロックA(CKa)の立ち上がりエッジから(図1(b)のサイクル0の開始から)、2・T1+tc遅れた疎調タイミング信号(CT)が、疎調遅延回路(CD)から出力される。
【0054】
微調遅延回路(FD)には、クロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)が入力され、疎調タイミング信号(CT)の立ち上がりエッジから
n・T2/L+tf ・・・(3)
だけ遅れた微調タイミング信号(FT)を発生する。ここで、tfは、微調遅延回路(FD)に固有の遅延時間である。nの値は微調遅延レジスタ(FDR)より微調遅延回路(FD)に伝達される。図1(b)では、n=3の場合(図1(a)の微調遅延レジスタ(FDR)からのNR<2>がHigh)が示されている。
【0055】
アクティベート信号(ACT)が活性化した状態における、クロックA(CKa)の立ち上がりエッジから、微調タイミング信号(FT)の立ち上がりまでの遅延時間tdは、
td=2・T1+3・T2/L+tc+tf ・・・(4)
で表される。
【0056】
式(4)から、遅延時間tdは、mの値を1つ増やすごとにT1増加し、nの値を1つ増やすごとにT2/L増加する。
【0057】
本実施例のタイミング生成回路を用いると、微調タイミング信号(FT)は、
T1、T2、L、m、n
で決まるため、温度変化、電源電圧やデバイスのばらつきによる変動を受けにくい、という特徴がある。温度変化、電源電圧やデバイスのばらつきの影響を受けるのは、全体に比べると小さい固定遅延分tc+tfのみであることから、全体の遅延に対する、遅延変動分の割合を特段に減少することができる。
【0058】
図2は、図1の疎調遅延回路(CD)の回路構成の一例を示す図である。図2を参照すると、疎調遅延回路(CD)は、複数のフリップフロップ(FF1〜FF8)をカスケード接続してなるシフトレジスタ(クロックを計数するカウンタとして機能)を有し、疎調遅延レジスタ(CDR)からのm選択信号MR<0:7>とシフトレジスタの該当する段の出力とに基づき、オンするCMOS型のトランスファゲート(TG0、TG1、・・・TG7)を選択することにより、クロックA(CKa)をm周期分遅延させた疎調タイミング信号(CT)を生成する。
【0059】
ANDゲート(AND8)は、アクティベート信号(ACT)とクロック(CKa)を入力し、アクティベート信号(ACT)が活性状態(High)のときに、クロック(CKa)を伝達してクロック(CKc)として出力し、一方、アクティベート信号(ACT)が活性状態(Low)のときに固定値Lowを出力する(クロックをマスクする)。
【0060】
複数のトランスファゲート(TG0、TG1、・・・TG7)はクロック(CKa)を共通に入力し、出力はノード(N0)に共通に接続されている。ノード(N0)は、インバータ(INV2)、インバータ(反転バッファ)(INV3)を介してCTに接続される。
【0061】
m選択信号のうち活性化されたMR<0>に対応するトランスファゲートTG0は、次段のフリップフロップFF1の出力Q1がLowのとき、選択的にオンとされ、CKcをCTとして出力し、次のクロックサイクルでFF1の出力Q1がHighとなると、TGiはオフし、この結果、CTとしてワンショットパルスが出力される制御が行われる。
【0062】
また、m選択信号のうち活性化されたMR<i>(ただし、iは1〜7)に対応するトランスファゲートTGiは、対応する段のフリップフロップFFiの出力QiがHighであり、且つ、次段のフリップフロップFFi+1の出力Qi+1がLowのとき、選択的にオンとされ、CKcをCTとして出力し、次のクロックサイクルで対応する段のFFiの出力QiがHigh、且つ、次段のFFi+1の出力Qi+1がHighとなると、TGiはオフし、この結果、CTとしてワンショットパルスが出力される制御が行われる。なお、INV2の出力をゲートに受け、ソースが接地され、ドレインがノード(N0)に接続されたNMOSトランジスタ(NM1)は、INV2の出力がHighのときオンしノード(N0)の電荷を放電し接地電位とする。
【0063】
より詳細には、m選択信号MR<0:7>のうちMR<0>と、FF1の出力Q1を反転するインバータ(INV1)の出力とを入力するNANDゲート(NAND0)と、INV1の出力とMR<0>とを入力するANDゲート(AND0)の出力は、トランスファゲート(TG0)のPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲートにそれぞれ接続される。アクティベート信号(ACT)、MR<0>が活性状態(High)のとき、FF1の出力Q1がLowの場合、NAND0、AND0の出力がそれぞれLow、Highとなり、TG0がオンする。アクティベート信号(ACT)、MR<0>が活性状態(High)のとき、FF1の出力Q1がHighとなると、NAND0、AND0の出力はそれぞれHigh、Lowとなり、TG0はオフする。すなわち、アクティベート信号(ACT)が活性化された時点のサイクル0(クロックのCKcの立ち下がりエッジは0発)で、TG0がオンし、CKaをノードN0に出力しバッファ(INV2、INV3)を介してCTに出力する。
【0064】
1段目のFF1のデータ入力端子(D)は電源(VDD)に接続され、FF1のクロック端子(CK)には、CKcをインバータで反転した信号が入力され、FF1の出力Q1は、次段のFF2のデータ入力端子(D)に接続されるとともに、NOR回路(NOR1)の反転入力に入力される。FF1の出力Q1は、前述したようにINV1を介して、AND0に入力される。NOR1の他の入力には、次段のFF2の出力Q2が入力され、NOR1の出力はAND1に入力される。ここで、NOR1は、FF1の出力Q1がHigh、FF2の出力Q2がLowのとき、Highを出力し、それ以外はLowを出力する。MR<1>とNOR1の出力とを入力するNAND1と、NOR1の出力とMR<1>とを入力するAND1の出力は、トランスファゲートTG1のPMOSトランジスタとNMOSトランジスタのゲートにそれぞれ接続される。
【0065】
アクティベート信号(ACT)、MR<1>が活性状態(High)のとき、FF1が電源電位をCKcの立ち下がりエッジでサンプルした結果、その出力Q1がHigh、FF2の出力Q2がLowの場合(すなわち、FF2までは電源電位はシフトされていない場合)、NOR1の出力がHighとなり、NAND1、AND1の出力はそれぞれLow、Highとなり、TG1がオンする。アクティベート信号(ACT)、MR<1>が活性状態(High)のとき、FF1の出力Q1、FF2の出力Q2がともにHighとなると(FF2までは電源電位はシフトされると)、その時点でNOR1の出力がLowとなり、NAND1、AND1の出力はそれぞれHigh、Lowとなり、TG1はオフする。すなわち、アクティベート信号(ACT)が活性化された時点から1発目のクロックCKcの立ち下がりに応答して、TG1がオンし、CKaをノードN0に出力しバッファ(INV2、INV3)を介してCTに出力する。TG1がオンのときCKaのHighからLowへの遷移に応答してノードN0はNMOSトランジスタNM1を介して接地端子に放電される。つづいて2発目のクロックCKcの立ち下がりに応答してTG1はオフする。
【0066】
後段のFF2〜FF7についても同様の構成とされる。なお、FF8の出力は前段のFF7に対応するNOR7に入力される。FF1〜FF8は、リセット端子(R)にRSTが共通に接続され、RSTがHighのとき、出力端子Q1〜Q8はLowにリセットされる。FF1は1発目のCKcの立ち下がりエッジに応答してHigh電位(電源電位)をサンプル出力する。FF2〜FF7はそれぞれ2〜7発目のCKcの立ち下がりエッジに応答して前段のFF1〜FF6より出力されるHigh電位をサンプル出力する。FF8は、7発目のCKcの立ち下がりエッジに応答してFF7より出力されるHigh電位をサンプル出力する。
【0067】
図3は、図2の疎調遅延回路(CD)の動作を説明するためのタイミング図である。クロックA(CKa)をアクティベート信号(ACT)とAND(図2のAND8)をとったものをCKcとし、FF1〜FF8よりなるシフトレジスタにシフトクロックとして入力される。シフトレジスタは、CKcを反転した信号をクロックに入力しているため、立ち下がりエッジでQ1〜Q7へとHigh電位が1クロックサイクルずつ、転送されていく。なお、図3では、アクティベート信号(ACT)がHighとなった時点以降のクロックサイクル0〜3でQ1〜Q4がCKcの立ち下がりエッジに応答して順次High電位となり、クロックサイクル4でRSTがHighに設定されて、FF1〜FF8の出力Q1〜Q8はLowにリセットされる。
【0068】
アクティベート信号(ACT)が活性化されてから、クロックサイクル1のCKcの立ち下がりエッジ(2回目の立ち下がりエッジ)で、FF2の出力端子Q2がLowからHighに遷移する。m=2の場合、MR<2>がHighとされており、セレクタ(AND2、NAND2、NOR2)を通してトランスファゲート(TG2)が導通状態とされる。すなわち、MR<2>がHigh、FF2の出力Q2がHigh、且つ、FF3の出力Q3がLowのときに、NOR2の出力はHigh、NAND2の出力がLow、AND2の出力がHighとなり、TG2のPMOSトランジスタとNMOSトランジスタがともにオンする。この状態で、CKcの2つ目の立ち上がりエッジは、TG2を通過しノード(N0)において、2・T1+tcの遅延を発生する。
【0069】
アクティベート信号(ACT)が活性化されてからクロックサイクル2のCKcの立ち下がりエッジ(3回目の立ち下がりエッジ)以降、FF2の出力Q2がHigh、且つ、FF3の出力Q3がHighとなるため、NOR2の出力はLow、NAND2の出力がHigh、AND2の出力がLowとなり、TG2のPMOSトランジスタとNMOSトランジスタがともにオフし、非導通となる。
【0070】
クロックサイクル2において、ノード(N0)に伝達されたクロックCKcのパルスはインバータINV2、INV3を介して疎調タイミング信号(CT)として出力される。ノード(N0)に伝達されたクロックCKcがHighからLowに遷移すると、インバータINV2の出力はHighとなり、パストランジスタNM1がオンし、ノード(N0)の電荷は放電され、ノード(N0)はLow電位となる。
【0071】
これによって、疎調タイミング信号(CT)は、CDRからm(MR<0>〜<7>)で規定される遅延m・T1+tcを有する、単発パルス(ワンショットパルス)を発生できる。ここで、tcは、クロックパルスCKaが図2の疎調遅延回路(CD)内を通過する場合の遅延量である。例えば、AND8、トランスファゲート、INV2、INV3の各伝搬遅延時間の和に対応する。
【0072】
本実施例の疎調タイミング発生回路(CD)は、温度やプロセスばらつきに対して変動の小さい遅延を発生することができる。
【0073】
また、本実施例の疎調タイミング発生回路(CD)は、シフトレジスタの出力自体を疎調タイミングとして出力するのではなく、前のクロックサイクルのCKcの立ち下がりエッジで、CKcが通るトランスファゲートを事前に導通状態(オン状態)としている。このため、クロックが通過するパスが短くなり、出力とクロックエッジの時間差を減らすことが出来る。例えば、図3において、MR<2>がHighのとき、クロックサイクル1のCKcの立ち下がりエッジでFF2の出力Q2がHighに立ち上がり、これを受けてTG2を導通状態(オン状態)としておき、クロックサイクル2のCKcのHighパルスをTG2を介してノードN0に伝達させるようにしている。クロックCKcがノードN0に出力されるまでに通過するパスは、導通状態となっているTG2のみであり、出力とクロックCKcのエッジの時間差を減らしている。したがって、疎調タイミング信号(CT)の、プロセス、電圧、温度の変化による遅延時間の変動による影響を抑制している。
【0074】
図4は、図1の微調遅延回路(FD)の構成を示す図である。この微調遅延回路(FD)は、クロック入力の位相を選択する。図4を参照すると、微調遅延回路(FD)は、L個(図4では、L=4)の多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)と、遅延計算回路(DCAL)と、フリップフロップ(FF0、FF90、FF180、FF270)と、4入力のOR回路、ダミーセレクタ(D)と、を備えている。
【0075】
多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)の入力は、それぞれ、対応するフリップフロップ(FF0、FF90、FF180、FF270)の出力端子Qに接続されている。
【0076】
フリップフロップ(FF0、FF90、FF180、FF270)は、データ入力端子(D)に疎調タイミング信号(CT)が共通接続され、クロック端子(CK)にはダミーセレクタ(D)を介して、それぞれ、クロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)が入力される。
【0077】
ここで、ダミーセレクタ(D)は、多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)内のフリップフロップのクロック入力に接続されるセレクタ(図6のSEL1、SEL2、SEL3)と同じものであり、該セレクタとタイミングを合わせるために挿入されている。
【0078】
多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)では、疎調タイミング信号(CT)を、クロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)の隣接位相クロック間の位相差(T2/L)のn倍遅延させるために、多段のフリップフロップを適切な位相のクロックBで駆動して転送していく。
【0079】
このときに、クロックA(CKa)および疎調タイミング信号(CT)と、クロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)の位相関係は決っていないので、クロックA(CKa)とクロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)の位相関係がどんな場合であっても、動作できるように回路を工夫しておく必要がある。
【0080】
そこで、本実施例では、4個の並置した多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)をそれぞれ異なるクロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)で起動して並列で動作させ、多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)の各出力のOR(論理和)をとることにより、多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)の出力のうち最も早く出力が立ち上がるものを利用して、微調タイミング(FT)を生成する構成としている。
【0081】
遅延計算回路(DCAL)は、nの値(ただし、nはNR<0:8>で選択される)をレジスタ(FDR)から受けて、多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)で、(T2/L)のn倍の遅延を作るための制御信号(MS<1:3>、R0<1:12>、R90<1:12>、R180<1:12>、R270<1:12>)を発生する回路である。制御信号(MS<1:3>、R0<1:12>、R90<1:12>、R180<1:12>、R270<1:12>)の詳細は、後述する。
【0082】
図5は、図4の微調遅延回路(FD)の動作波形を示す図である。図5において、N0、N90、N180、N270は、それぞれ、図4のフリップフロップ(FF0、FF90、FF180、FF270)の出力ノード(N0、N90、N180、N270)のタイミング波形である。W0、W90、W180、W270は、それぞれ、図4の多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)の出力ノード(W0、W90、W180、W270)のタイミング波形である。
【0083】
アクティベート信号(ACT)が活性化された後(クロックサイクル0でACTがHighとなったのち)、クロックA(CKa)の2サイクル後に、疎調タイミング信号CTが立ち上がる。
【0084】
疎調タイミング信号(CT)は、図4のフリップフロップ(FF0、FF90、FF180、FF270)でクロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)に応答して取り込まれ、ノード(N0、N90、N180、N270)にそれぞれ出力される。
【0085】
図5に示す例では、疎調タイミング信号(CT)の立ち上がりエッジと、CKb270の立ち上がりが一致している。この場合、図4のフリップフロップ(FF270)の出力ノード(N270)が一番早く立ち上がり、続いて、フリップフロップ(FF0、FF90、FF180)の出力ノード(N0、N90、N180)がそれぞれT2/Lだけずれて立ち上がる。なお、図5に示す例では、アクティベート信号(ACT)がHighとなってから2サイクル目でCKb270が立ち上がり、CKb270の立ち上がりエッジでCTを取り込むFF270の出力であるN270はHighとなり、2サイクル内の次のCKb270の立ち上がりエッジでも、FF270は、HighのCTを取り込むため、N270はHighのままであり、3サイクル目直前のCKb270の立ち上がりエッジでFF270がCTを取り込み、N270はLowに遷移する。また、アクティベート信号(ACT)がHighとなってから2サイクル目のCKb90の立ち上がりエッジでCTを取り込むFF90の出力であるN90はHighとなり、2サイクル内の次のCKb90の立ち上がりエッジでFF90がCTを取り込み、N90はLowに遷移する。このように、CTのタイミングと、CKb90、CKb270のタイミングに対応して、ノードN90、N270の遷移時点、パルス幅が相違している。なお、図5に示す例では、ノードN90とN180、N0とN270のパルス幅は同一とされる。
【0086】
多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)ではそれぞれ、入力部のフリップフロップ(FF0、FF90、FF180、FF270)のクロック信号を基準として、n・(T2/L)だけ遅延を生成する(図5では、n=3の場合を示している)。
【0087】
すなわち、多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)はそれぞれノード(N0、N90、N180、N270)の立ち上がりエッジを、3・(T2/4)だけ遅延させ、W0、W90、W180、W270に出力する。
【0088】
この場合では、多相クロック制御遅延回路(PD4)の出力ノードであるW270が一番早く立ち上がる。
【0089】
W0、W90、W180、W270のORをとって、FTに出力する。FTの立ち上がりエッジは、CTの立ち上がりエッジを、3・(T2/4)+tf(tfはフリップフロップやORゲートの遅延でありT2に依存しない固定値)だけ遅延させたものになる。なお、FTの立ち下がりエッジは、W0、W90、W180、W270のうち最も遅いW0の立ち下がりに対応する。
【0090】
図4の微調遅延回路(FD)を用いると、微調タイミング信号(FT)の立ち上がりのタイミングは、クロックA(CKa)、クロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)の周期、クロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)間の位相差できまり、プロセス、電源電圧、温度の影響を小さくすることが出来る。
【0091】
図6(a)は、図5の多相クロック制御遅延回路(PD1)の回路構成を示す図である。なお、図5の多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)の内部の回路構成は同一とされる。図6(a)を参照すると、多相クロック制御遅延回路(PD1)は、出力(Q)が次段のデータ入力端子(D)に接続される3段のフリップフロップ(FF1、FF2、FF3)と、クロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)を入力し、クロック入力位相選択信号(R0<i>、R90<i>、R180<i>、R270<i>)に基づき、1つを選択して出力し、フリップフロップFFi(i=1、2、3)のクロック端子(CK)に入力する4入力セレクタSELi(i=1、2、3)と、フリップフロップ(FF1、FF2、FF3)の出力を入力し、ノード選択信号(MS1、MS2、MS3)に基づき、1つを選択し、W0に出力する3入力セレクタ(3SEL)と、を備えている。
【0092】
図6(b)は、図6(a)の4入力セレクタ(SEL1、SEL2、SEL3)の回路構成を示す図である。なお、図6(a)の4入力セレクタ(SEL1、SEL2、SEL3)の内部回路構成は同一とされる。図6(b)を参照すると、4入力セレクタ(SEL)は、クロックB(CKb0、CKb90、CKb180、CKb270)から、クロック入力位相選択信号(R0、R90、R180、R270)を用いて、一つ選択して出力する。
【0093】
図6(a)の3入力セレクタ(3SEL)は、フリップフロップ(FF1、FF2、FF3)の出力ノード(M1、M2、M3)をノード選択信号(MS1、MS2、MS3)により選択して、W0として出力される。
【0094】
FF1のデータ入力には、ノードN0(図4のFF0の出力ノードN0)が接続され、CKb0でFF0(図4参照)の取り込まれたCTの立ち上がりエッジが入力される。
【0095】
この信号を、図6(a)に示した多相クロック制御遅延回路(PD1)のFF1で取り込み、次段のFF2に送る際に遅延を作る。ここでは、一例として、n=7の遅延を作る場合を説明する。
【0096】
図6(a)において、FF1で、3・(T2/L)(L=4)遅延させるものする。ノードN0(図4のFF0の出力ノード)の立ち上がりはCKb0の立ち上がりと同じ位相であるため、4入力セレクタ(SEL1)のクロック入力位相選択信号R270<1>をHighとし、R0<1>、R90<1>、R180<1>をLowとして、4入力セレクタ(SEL1)で、CKb270を選択し、FF1のクロック端子(CK)にCKb270を入力する。すると、ノードN0のHigh信号は、CKb270により、CKb0の立ち上がりから3・(T2/L)だけ遅れて、M1に出力される。
【0097】
続いて、M1の信号を、FF2で4・(T2/L)遅延させるために、4入力セレクタ(SEL2)のクロック入力位相選択信号R270<2>をHighとし、R0<2>、R90<2>、R180<2>をLowとして、4入力セレクタ(SEL2)でCKb270を選択し、FF2のクロック端子(CK)に、CKb270を入力する。すると、M1のHigh信号は、CKb270により、4・(T2/L)だけ遅れて、M2に出力される。すなわち、FF2は、前段のFF1がCKb270に同期して出力ノードM1に出力したHigh信号を、FF1のCKb270の立ち上がりエッジよりも360°(T2)遅れたタイミングで取り込むため、M1の信号を、FF2で4・(T2/4)遅延させることになる。
【0098】
M2の出力を、W0として出力するために、3入力セレクタ(3SEL)のノード選択信号MS2をHighとして、3入力セレクタ(3SEL)はM2を選択する。
【0099】
このようにすると、n=7の遅延を、3と4に分けて、7・(T2/4)の遅延を発生することができる。この場合、4入力セレクタ(SEL3)のクロック入力位相選択信号R0<3>、R90<3>、R180<3>、R270<3>は、「Don’t care」であり(3入力SELでFF3の出力ノードM3は選択されないため)、すべてLowとしFF3のクロック端子(CK)にクロックを供給しないようにしてもよいし、R0<3>、R90<3>、R180<3>、R270<3>のいずれかをHighとしてあるクロックを選択してもよい。
【0100】
図7(a)は、図4に示した微調遅延回路(FD)の多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)の各々において、図6(a)を参照して説明した3段のフリップフロップを、それぞれ、(FF1、FF2、FF3)、(FF4、FF5、FF6)、(FF7、FF8、FF9)、(FF10、FF11、FF12)として示したものである。
【0101】
図7(b)は、nの値を決めたとき、図7(a)に示した多相クロック制御遅延回路(PD1、PD2、PD3、PD4)の各フリップフロップ(FF1〜FF12)に対応したクロック入力位相選択信号R0、R90、R180、R270のうちHighになるものを一覧で示している。なお、図7(b)において、“−“は、「Don’t care」である。また、Highとすべきノード選択信号MS1、MS2、MS3も、nに対応させて示している。
【0102】
例えばn=7の場合、前述したように、多相クロック制御遅延回路(PD1)のFF1、FF2では、R270<1>、R270<2>がHighであり、W0には、N0の立ち上がりから、7・(T2/L)の遅延させた信号が出力される。多相クロック制御遅延回路(PD2)のFF4、FF5では、R0<1>、R0<2>がHighであり、W90には、N90の立ち上がりから、7・(T2/L)の遅延させた信号が出力される。N90の立ち上がり(CKb90の立ち上がり)と、CKb0で駆動されるFF4の出力の立ち上がりとの遅延は3・(T2/L)、FF4の出力の立ち上がりとCKb0の次に立ち上がりでHigh電位を取り込むFF5の出力の立ち上がりとの遅延は、4・(T2/L)である。また、多相クロック制御遅延回路(PD3)のFF7、FF8では、R90<1>、R90<2>がHighであり、W180には、N180の立ち上がりから、7・(T2/L)の遅延させた信号が出力される。N180の立ち上がり(CKb180の立ち上がり)と、CKb90で駆動されるFF7の出力の立ち上がりとの遅延は3・(T2/L)、FF7の出力の立ち上がりとCKb90の次の立ち上がりでHigh電位を取り込むFF8の出力の立ち上がりとの遅延は4・(T2/L)である。多相クロック制御遅延回路(PD1)のFF1、FF2では、R270<1>、R270<2>がHighであり、W0には、N0の立ち上がりから、7・(T2/L)の遅延させた信号が出力される。同様に多相クロック制御遅延回路(PD4)のFF10、FF11では、R180<1>、R180<2>がHighであり、W270には、N270の立ち上がりから、7・(T2/L)の遅延させた信号が出力される。
【0103】
図7(a)の微調遅延回路(FD)では、クロックbの周期T2のクロックを用いて、分解能T2/Lの遅延を得ることができる。したがって、高速なクロックを使う必要がないので、消費電力を下げることができる。また、フリップフロップを初めとする回路の動作速度が遅くても動作が可能になるという利点がある。
【0104】
図8は、本発明の一実施の形態による半導体記憶装置において、そのチップ構成の一例を平面図で模式的に示したものであり、図8(a)は、チップ全体の構成例、図8(b)は、図8(a)におけるメモリバンクの構成例を示すものである。
【0105】
図8に示す半導体記憶装置は、DRAMであり、メモリチップCHIP全体の構成は、例えば図8(a)に示すように、制御回路(CNTL)と、入出力回路(DQC)と、メモリブロック(BLK)とに大きく分けられる。
【0106】
制御回路(CNTL)には、クロック、アドレス、制御信号がメモリチップ(CHIP)外から入力され、メモリチップ(CHIP)の動作モードの決定やアドレスのプリデコード等が行われる。
【0107】
入出力回路(DQC)は、入出力バッファ等を備え、メモリチップ(CHIP)外部からライトデータが入力され、メモリチップ(CHIP)外部へリードデータを出力する。
【0108】
メモリブロック(BLK)には、例えば図8(b)に示すように、複数のアレイ状に配置されたメモリアレイ(ARY)が配置され、その周囲にはセンスアンプ列(SAA)、サブワードドライバ列(SWDA)、クロスエリア(XP)が配置される。
【0109】
また、メモリブロック(BLK)の外周には、センスアンプ列(SAA)と平行に列デコーダ(YDEC)、及びメインアンプ列(MAA)が配置され、サブワードドライバ列(SWDA)と平行に、行デコーダ(XDEC)とアレイ制御回路(ACC)とが配置される。
【0110】
図9は、制御回路(CNTL)とメモリブロック(BLK)の構成例を示す図である。コマンドデコーダ(CMD)で発行されたアクティベートコマンド(AC)は、前記実施例で説明した構成のタイミング制御回路であるTGXに入力され、そこで、デジタル遅延素子(DD1からDD3)を用いて、微調タイミング信号(FT)を生成する。
【0111】
微調タイミング信号(FT)は、メモリブロック(BLK)に入力され、アレーコントロール回路(ACC)内のロジック(AL)を通った後、センスアンプ(SA)や行デコーダ(XDEC)の中で用いるビット線イコライズ信号(BLEQ)、メインワード線(MWLB)、センスアンプ活性化信号(SAN)のタイミングを生成するのに用いられる。
【0112】
また、コマンドデコーダ(CMD)で発行されたリードコマンド(RD)、ライトコマンド(WT)は、前記実施例で説明した構成のタイミング制御回路であるTGYに入力され、そこで、デジタル遅延素子(DD4、DD5)を用いて、微調タイミング(FT)を発生する。微調タイミング(FT)は、メモリブロック(BLK)に入力され、列コントロール回路(CC)内のロジック(AL)を通った後、列デコーダ(YDEC)、メインアンプ(MA)の中で用いる列選択信号(YS)、メインアンプ活性化信号(MAE)のタイミングを生成するのに用いられる。
【0113】
上記実施例で説明したタイミング制御回路(TGX、TGY)を用いることにより、これらのタイミングのプロセス、電圧変動、温度変化等による変動幅を低減でき、アクセス時間を短縮することができる。
【0114】
図10、図11は、図8の半導体記憶装置において、そのメモリアレイの構成の一例を示す図である。図10、図11に示すように、メモリアレイ(ARY)は、複数のメモリセル(MC)から構成されている。各メモリセル(MC)は、DRAMメモリセルとなっており、1個のMOSトランジスタ(Tr)と1個のキャパシタ(Cs)で構成される。メモリセルトランジスタ(Tr)の一方のソース又はドレインは、ビット線(BLT又はBLB)に接続され、他方のソース又はドレインは、蓄積ノード(SN)に接続され、ゲートは、ワード線WLに接続されている。
【0115】
キャパシタ(Cs)の一端は、蓄積ノード(SN)に接続され、他端は共通プレート(PL)に接続される。なお、ビット線(BLT)とビット線(BLB)は、ビット線対(相補ビット線)として機能し、同一のセンスアンプ(SA)に接続される。
【0116】
センスアンプ列(SAA)は、メモリアレイ(ARY)に対して上下に交互配置され、上下のメモリアレイ(ARY)内のビット線対(BLT/BLB)に共通に接続され、両者で共用される。また、これに伴い各センスアンプ列(SAA)内では、隣接するセンスアンプ(SA)がビット線対1つ分のスペースを挟んで配置されることになる。このような配置をとることにより、センスアンプ(SA)間のピッチが緩和されるため、センスアンプ(SA)のレイアウトが容易となり、微細化が可能となる。
【0117】
図10に示す構成は、折り返し型ビット線方式のアレイを用いており、ワード線とビット線の交点の半分にメモリセルが配置されている。このアレイは動作時のノイズが小さく、動作マージンが大きいという利点がある。
【0118】
一方、図11に示す構成は、開放型ビット線方式のアレイを用いており、全てのワード線とビット線の交点にメモリセルが配置されている。このため、メモリセルのサイズを縮小できる効果がある。
【0119】
図12は、図8の半導体記憶装置において、そのセンスアンプ列とサブワードドライバ列の詳細な配置関係の一例を示す平面図である。図12に示すように、センスアンプ列(SAA)内のセンスアンプ(SA)は、メモリアレイ(ARY)に対して上下に交互配置され、上下のメモリアレイ(ARY)内のビット線対(BLT/BLB)に共通接続される。
【0120】
同様に、サブワードドライバ列(SWDA)内のサブワードドライバ(SWD)も、メモリアレイ(ARY)に対して左右に交互配置され、左右のメモリアレイ(ARY)内のワード線(WL)に共通接続される。このように配置することにより、サブワードドライバ列(SWDA)内において、サブワードドライバ(SWD)間のピッチを、メモリアレイ(ARY)内のワード線(WL)間のピッチの2倍に広げることができる。したがって、微細化が容易となる。
【0121】
また、センスアンプ列(SAA)には、ローカルI/O線(LIO)が配置され、LIOは、クロスエリア(XP)でスイッチ(SW)を介して、メインI/O線(MIO)と接続される。
【0122】
リード時には、センスアンプ(SA)中のデータが、ローカルI/O線(LIO)とメインI/O線(MIO)を介してチップ外に読み出され、ライト時には、チップ外から、メインI/O線(MIO)とローカルI/O線(LIO)を介してセンスアンプ(SA)にデータが書き込まれる。
【0123】
図13は、センスアンプの回路構成の一例を示す図である。各センスアンプSA内には、トランスファーゲート(TGC)と、プリチャージ回路(PCC)と、クロスカップル・アンプ(CC)と、読み出し・書き込みポート(IOP)とが含まれている。
【0124】
トランスファーゲート(TGC)は、センスアンプ分離信号(SHR信号)が活性化された時に、センスアンプ(SA)のビット線(BLD、BLDB)とメモリアレイ(ARY)のビット線(BLU、BLUB)を接続する回路である。
【0125】
プリチャージ回路(PCC)は、ビット線プリチャージ信号(BLEQ信号)が活性化された時に対となるビット対線(BLT、BLB)間をイコライズし、ビット線プリチャージレベル(VBLR)にプリチャージする。ビット線プリチャージレベル(VBLR)は、通常、ビット線振幅の電圧VDL(チップ外部からの電源電圧VCCと同レベルかまたはそれを降圧したレベル)の中点VDL/2に設定される。
【0126】
クロスカップル・アンプ(CC)は、ビット線対上にメモリセル(MC)からの微小な読出し信号が発生した後に、PMOSトランジスタ側の共通ソース線CSPを電圧VDLに、NMOSトランジスタ側の共通ソース線CSNを接地電圧VSSに駆動して、ビット線対BLDとBLDBのうちの電圧の高い方をVDLに、低い方をVSSに増幅し、増幅された電圧をラッチする回路である。
【0127】
読み出し・書き込みポート(IOP)は、列選択線(YS)が活性化されたときにローカルIO線(LIO線)LIOT/LIOBと、ビット線対BLD/BLDBを接続する回路である。なお、LIO線LIOT/LIOBは、非選択センスアンプ列(SAA)での電流消費を防止するために、待機時にはプリチャージレベルに保持される。
【0128】
図14は、図1の半導体記憶装置において、そのサブワードドライバ列の構成の一例を示す図である。サブワードドライバ列(SWDA)は、複数のサブワードドライバ(SWD)によって構成される。図8(b)等にも示したように、サブワードドライバ列(SWDA)は、メモリアレイ(ARY)の周辺に配置される。
【0129】
サブワードドライバ(SWD)は、両側に配置されるメモリアレイ(ARY)内のワード線WLを駆動する。図12を参照して説明したように、サブワードドライバ列(SWDA)は、メモリアレイ(ARY)に対して交互配置されているため、メモリアレイ(ARY)内のワード線WL(サブワード線)は、1本おきに左右のサブワードドライバ(SWD)に接続される。
【0130】
サブワードドライバ(SWD)は、2つのNチャネルMOSトランジスタNM1、NM2とPチャネルMOSトランジスタPM1で構成される。一方のNチャネルMOSトランジスタNM1は、ゲートにメインワード線MWLBが接続され、ドレインにワード線WLが接続され、ソースに電圧VKKが接続される。他方のNチャネルMOSトランジスタNM2はゲートに相補ワードドライバ選択線FXBi(i=0,1,2,3)、ドレインにワード線WLが接続され、ソースに電圧VKKが接続される。VKKは負電圧発生回路で発生したVSSより低い電圧である。
【0131】
PチャネルMOSトランジスタPM1は、ゲートにメインワード線MWLBが接続され、ドレインにワード線WLが接続され、ソースにサブワードドライバ選択線FXi(i=0,1,2,3)が接続される。
【0132】
一つのサブワードドライバ列SWDA上に4組のサブワードドライバ選択線FX0〜FX3が配線され、一本のメインワード線MWLBで選択される4個のサブワードドライバSWDのうちいずれか1個を選択して1本のワード線WLが活性化される。
【0133】
図15は、図8の半導体記憶装置において、そのクロスエリア(XP)の構成の一例を示す図である。図15を参照すると、クロスエリア(XP)は、SHR信号ドライバ(SHD)と、LIO線プリチャージ回路(REQ)と、リードライトゲート(RGC)と、CS線ドライバ(CSD)と、CS線プリチャージ回路(SEQ)と、BLEQ信号ドライバ(EQD)と、FX線ドライバFXDとが配置される。
【0134】
SHR信号ドライバ(SHD)は、SHR信号の相補信号SHRBが入力され、その反転信号を出力する。LIO線プリチャージ回路(REQは、リードライトイネーブル信号RWEが非活性状態のVSSレベルのときに、LIO線LIOT/Bを電圧VPCにプリチャージする。
【0135】
リードライトゲート(RGC)は、リードライトイネーブル信号RWEが活性状態の電圧VCL(外部VCCレベルと同じかまたはそれを降圧したレベルで周辺回路用電源電圧として用いられる)のときに、LIO線LIOT/BとメインIO線MIOT/Bとを接続する。
【0136】
CS線ドライバ(CSD)は、NMOS側センスアンプイネーブル信号SANが活性状態のときに、センスアンプのNMOS側共通ソース線CSN(図13参照)を接地電圧VSSに駆動し、PMOS側のセンスアンプイネーブル信号SAP1Bが活性状態(VSSレベル)のときに、センスアンプのPMOS側共通ソース線CSP(図13参照)を電圧VDL(ビット線のHighレベル)に駆動する。
【0137】
CS線プリチャージ回路(SEQ)は、BLEQ信号が活性化されたときに、センスアンプのPMOS側、NMOS側共通ソース線CSP、CSN(図13参照)を、VDL/2にプリチャージする。
【0138】
BLEQ信号ドライバ(EQD)は、プリチャージ信号BLEQの相補信号BLEQBが入力され、その反転信号を出力する。
【0139】
FX線ドライバ(FXD)は、信号FXBが入力され、その相補信号を、サブワードドライバ選択線FX(FX線)に出力する。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明のタイミング制御信号は、DRAM製品等に適用して特に有益な技術であるが、これに限らず、マイクロプロセッサやDSP(Digital Signal Processor)等のロジックチップに内蔵されるオンチップメモリ等に対しても適用可能である。本発明によれば、帰還ループを備えたDLLのようにロックに時間を要しないことから、任意のタイミングジェネレータ、システムに適用可能である。
【0141】
なお、上記の特許文献、非特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】(a)と(b)は、本発明の一実施例のタイミング制御回路(TG)の構成とその動作波形を示す図である。
【図2】図1のタイミング制御回路(TG)における疎調遅延回路(CD)の回路構成を示す図である。
【図3】図2の疎調遅延回路(CD)の動作波形を示す図である。
【図4】図1のタイミング制御回路における微調タイミング制御回路(FD)の構成を示す図である。
【図5】図4の微調タイミング制御回路の動作波形を示す図である。
【図6】(a)は多相クロック制御遅延回路(PD1)の回路構成を示す図であり、(b)は(a)の4入力セレクタの構成を示す図である。
【図7】(a)は図4の微調タイミング制御回路内のフリップフロップの番号を示す図であり、(b)は各遅延量nの設定値に対して、それらのフリップフロップにおいてHighとするクロック入力位相選択信号を示す図である。
【図8】(a)と(b)は、本発明の一実施例のタイミング制御回路(TG)を搭載したDRAMチップの全体の構成とメモリバンクの構成の例を示す図である。
【図9】図8のDRAMチップの制御回路とメモリブロックの構成図である。
【図10】図8のDRAMチップで用いるメモリアレイの一例(折り返し型ビット線方式)の回路構成を示す図である。
【図11】図8のDRAMチップで用いるメモリアレイの別の例(開放型ビット線方式)の回路構成を示す図である。
【図12】図8のDRAMチップで用いるメモリアレイ、サブワードドライバ列、センスアンプ列の接続を示す回路構成を示す図である。
【図13】図8のDRAMチップで用いるセンスアンプの回路構成を示す図である。
【図14】図8のDRAMチップで用いるサブワードドライバの回路構成を示す図である。
【図15】図8のDRAMチップで用いるクロスエリアの回路構成を示す図である。
【図16】従来のロジックLSIチップおよびシンクロナスDRAMにおけるタイミング制御方式を示す図である。
【図17】シンクロナスDRAMにおける従来のタイミング制御方式で用いられるアナログディレイの回路図とその遅延特性を示す図である。
【図18】シンクロナスDRAMにおいて従来のタイミング制御方式を用いた場合の、チップ内部の回路ブロックの動作タイミングを示す図である。
【符号の説明】
【0143】
ACC アレイ制御回路
ACT アクティベート信号(ACT)
ADLY アナログディレイ回路
ARY メモリアレイ
BL,BLT,BLB ビット線
BLEQ ビット線プリチャージ信号
BLK メモリブロック
CC クロスカップル・アンプ
CD 疎調遅延回路(CD)
CDR 疎調遅延レジスタ(CDR)
CHIP メモリチップ
CKa クロックA(CKa)
CKb クロックB
CKf 微調用クロック
CMD コマンド
CMDGEN コマンドジェネレータ
CT 疎調タイミング信号
CNTL 制御回路
COUNT カウンタ回路
Cs キャパシタ
CSD CS線ドライバ
CSN N側共通ソース線
CSP P側共通ソース線
D ダミーセレクタ
DB データバス回路
DCAL 遅延計算回路
DD デジタル遅延回路
DEC デコーダ
DQC 入出力回路
EQD BLEQ信号ドライバ
EGDT エッジ検出回路(EGDT)
EXNOR 排他的論理和ゲート
FD 微調遅延回路(FD)
FDR 微調遅延レジスタ
FF フリップフロップ
FGEN 遅延生成回路
FT 微調タイミング信号(FT)
FX サブワードドライバ選択線
FXD FX線ドライバ
L クロックBの相数
LIO,LIOT,LIOB ローカルIO線
LOGIC ロジックLSI
MIO,MIOT,MIOB メインIO線
MA メインアンプ
MAA メインアンプ列
MC メモリセル
MEMCORE メモリアレイ
MR m選択信号
MS1〜MS3 ノード入力選択信号
MWLB メインワード線
NM1、NM2 NMOSトランジスタ
NR n選択信号
PCAL 位相演算回路
PCC プリチャージ回路
PD1、PD2、PD3、PD4 多相クロック制御遅延回路
PM1 PMOSトランジスタ
PSEL 位相選択回路
RST リセット信号
R0、R90、R180、R270 クロック入力位相選択信号
SEL セレクタ
SA センスアンプ
SAA センスアンプ列
SEQ CS線プリチャージ回路
SDRAM シンクロナスDRAM
SEL1〜SEL3 4入力セレクタ
SHD SHR信号ドライバ
SHR センスアンプ分離信号
SN 蓄積ノード
SWD サブワードドライバ
SWDA サブワードドライバ列
T1 クロックA(CKa)の周期
T2 クロックBの周期
td アナログディレイ回路の遅延量
TG タイミング制御回路(TG)
WL ワード線
XDEC 行デコーダ
YDEC 列デコーダ
XP クロスエリア
YS 列選択線
3SEL 3入力セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周期を有する第1のクロック信号と、
第2の周期を有し位相が互いに所定の間隔で離間している第2のクロック群と、
活性化信号と、
遅延量を設定する選択信号と、
を入力し、
前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロック信号の有効エッジを基準として、前記選択信号に基づき、前記第1の周期の所定倍遅延させた信号を生成し、
前記第1の周期の所定倍遅延させた信号を前記第2のクロック群に応答してそれぞれサンプルして得た複数の信号に対して、前記選択信号に基づき、前記第2のクロック群の隣接クロック間の位相間隔に対応する時間を所定倍させた遅延を付加し、
前記遅延を付加した複数の信号に基づき、タイミング信号を生成するデジタル遅延回路を備えている、ことを特徴とするタイミング制御回路。
【請求項2】
前記第1の周期をT1とし、前記第2の周期をT2として前記第2のクロック群を隣接クロック間の位相がT2/L(但し、Lは所定の正整数)離間しているL相クロックとし、前記選択信号で規定される値を非負の整数m、n、前記タイミング信号の遅延時間をtdとすると、tdは、T1のm倍の時間m・T1と(T2/L)のn倍の時間n・(T2/L)の和で規定される、ことを特徴とする請求項1記載のタイミング制御回路。
【請求項3】
前記デジタル遅延回路において、
前記第1の周期をT1とし、前記第2の周期をT2として前記第2のクロック群を隣接クロック間の位相がT2/L(但し、Lは所定の正整数)離間しているL相クロックとし、前記選択信号で規定される値を非負の整数m、nとし、
前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロックの有効エッジからm・T1遅延させた疎調タイミング信号を出力する疎調遅延回路と、
前記疎調タイミング信号を前記第2のクロック群に応答してサンプルし、前記サンプルされた複数の信号に対して、遅延n・(T2/L)を付加し、前記遅延を付加した複数の信号の論理演算結果に基づき、前記疎調タイミング信号の有効エッジから、n・(T2/L)遅延させたタイミングで微調タイミング信号を出力する微調遅延回路と、
を備えている、ことを特徴とする請求項1記載のタイミング制御回路。
【請求項4】
前記m、nは、レジスタに可変自在に記録される、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のタイミング制御回路。
【請求項5】
第1の周期(=T1)の第1のクロック信号と、活性化信号と、疎調レジスタからの選択信号(値=m)とを入力し、前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロック信号の有効エッジから、m・T1の遅延量にて、疎調タイミング信号を出力する疎調遅延回路と、
第2の周期(T2)を有し位相がT2/L(ただし、Lは2以上の所定の整数)で離間しているL個の第2のクロック信号からなる第2のクロック群と、前記疎調遅延回路から出力される前記疎調タイミング信号と、微調レジスタからの選択信号(値=n)とを入力とし、
前記疎調タイミング信号を前記第2のクロック群のタイミングでサンプルし、前記サンプルされた複数の信号の各々に対して、遅延n・(T2/L)をそれぞれ付加し、前記遅延を付加した複数の信号の論理演算結果に基づき、前記疎調タイミング信号の有効エッジから、n・(T2/L)遅延させたタイミングで微調タイミング信号を出力する微調遅延回路と、
を備えている、ことを特徴とするタイミング制御回路。
【請求項6】
前記疎調遅延回路は、
入力されるシフトクロックに応答して固定値を順次後方に転送するシフトレジスタと、
前記第1のクロック信号と前記活性化信号とを入力し、前記活性化信号が活性状態のとき、前記第1のクロック信号を伝達出力し、前記活性化信号が非活性状態のとき、前記第1のクロック信号をマスクするゲート回路と、
を備え、
前記ゲート回路から出力されるクロック信号が、前記シフトクロックとして用いられ、
前記ゲート回路からのクロックが入力端に共通に接続され、出力端が1つのノードに共通に接続され、前記疎調レジスタからの選択信号に対応して設けられた複数のスイッチを備え、
前記複数のスイッチのうち、前記選択信号の値mに対応して選択されたスイッチは、
前記シフトレジスタの出力に基づき、前記シフトレジスタの前記選択信号に対応するm段まで固定値がシフトされた時点でオンとされ、前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロック信号の有効エッジから、前記選択信号で選択されたmサイクル後に、前記ゲート回路から出力される前記クロック信号を前記ノードに伝達し、前記疎調タイミング信号が出力される、ことを特徴とする請求項3又は5記載のタイミング制御回路。
【請求項7】
前記疎調遅延回路は、
前記選択信号に対応するスイッチを、前記選択信号が活性化されているとき、前記シフトレジスタの出力に基づき、前記シフトレジスタの前記選択信号の値mに対応するm段まで前記固定値がシフトされた時点でオフからオンに設定し、
前記シフトレジスタにおいて前記m+1段まで前記固定値がシフトされる時点で、オンからオフに設定し、
前記選択信号が非活性化状態のとき、オフとする回路を備えている、ことを特徴とする請求項6記載のタイミング制御回路。
【請求項8】
前記疎調遅延回路は、
前記複数のスイッチの出力端が共通に接続される前記ノードの信号をバッファして前記疎調タイミング信号を出力するバッファ回路を備え、
前記バッファ回路は、前記ノードの信号を入力する反転回路を備え、前記反転回路の出力が第1の論理値のとき、前記ノードを第2の論理値に対応する電位の端子に接続するスイッチを備えている、ことを特徴とする請求項6又は7記載のタイミング制御回路。
【請求項9】
前記疎調遅延回路において、
前記シフトレジスタには、前記ゲート回路から出力されるクロックの反転クロックが前記シフトクロックとして用いられる、ことを特徴とする請求項6記載のタイミング制御回路。
【請求項10】
前記微調遅延回路は、
前記疎調遅延回路からの前記疎調タイミング信号をデータ端子に共通に入力し前記第2のクロック群に応答してそれぞれサンプル出力する複数のフリップフロップと、
前記複数のフリップフロップの出力をそれぞれ入力し、対応するフリップフロップのクロック端子に供給されるクロックの遷移タイミングを基準として、n・(T2/L)遅延させて出力する複数の多相クロック制御遅延回路と、
前記選択信号の値nを受け、前記複数の多相クロック制御遅延回路の各々で(T2/L)のn倍の遅延を作るための信号を生成する遅延計算回路と、
を備え、
前記複数の多相クロック制御遅延回路の出力の論理和をとり、前記疎調タイミング信号の有効エッジから、n・(T2/L)遅延させた有効エッジの前記微調タイミング信号を出力する、ことを特徴とする請求項3又は5記載のタイミング制御回路。
【請求項11】
前記微調遅延回路において、
前記多相クロック遅延回路は、
前記多相クロック遅延回路の入力に出力が接続される前記フリップフロップの出力を、初段に受け、前段の出力が後段の入力に接続されている、複数段のフリップフロップと、
前記複数段のフリップフロップのそれぞれに対応して設けられ、前記第2のクロック群を入力し、前記遅延計算回路からのクロック入力選択信号に基づき、対応する前記フリップフロップのクロック入力端子に入力するクロックを選択する第1群のセレクタと、
前記複数段のフリップフロップの出力を入力し、前記遅延計算回路からのノード選択信号に基づき1つを選択して、出力する第2のセレクタと、
を備え、
前記第1群のセレクタにおける前記クロック入力選択信号と、前記第2のセレクタにおける前記ノード選択信号は、前記多相クロック遅延回路の入力に出力が接続される前記フリップフロップに供給されるクロックの遷移に対応するタイミングから、前記第2のセレクタで選択されるまでの遅延が、n・(T2/L)となるように、前記遅延計算回路において、それぞれの値が決定される、ことを特徴とする請求項10記載のタイミング制御回路。
【請求項12】
前記多相クロック制御遅延回路は、L相の前記第2クロック群の相数に等しいL個、並置されている、ことを特徴とする請求項10又は11記載のタイミング制御回路。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一に記載のタイミング制御回路を有し、チップ内部のタイミングを制御する半導体記憶装置。
【請求項14】
請求項13記載の半導体記憶装置において、半導体記憶装置はDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)であり、
前記タイミング制御回路で発生したタイミングを、
ビット線イコライズの解除、
ワード線の活性化、
センスアンプの活性化、
列選択線の活性化、
メインアンプの活性化のうち少なくとも一つに用いる、ことを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項15】
チップ内部のタイミングを制御する回路として、
請求項1乃至12のいずれか一に記載のタイミング制御回路を有する半導体装置。
【請求項16】
第1の周期の第1のクロック信号と、活性化信号と、選択信号(値=m)とを入力し、前記活性化信号が活性化された時点における前記第1のクロック信号の有効エッジから、遅延量m×(前記第1の周期)遅延させた第1のタイミング信号を出力する第1のユニットと、
第2の周期を有し位相が(第2の周期/L)(ただし、Lは2以上の所定の整数)で離間しているL個の第2のクロック信号からなる第2のクロック群と、前記第1のタイミング信号と、選択信号(値=n)とを入力とし、前記第1のタイミング信号を、前記第2のクロック群でサンプルする手段と、前記サンプルされた複数の信号に対して、遅延n・(第2の周期/L)を付加した信号を生成する手段と、を備え、前記遅延を付加した複数の信号の論理演算結果に基づき、前記第1のタイミング信号の有効エッジより、遅延量n(T2/L)遅延させた第2のタイミング信号を出力する第2のユニットと、
を備えている、ことを特徴とするタイミング生成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−71594(P2009−71594A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238013(P2007−238013)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】