説明

テロリストまたは人的脅威の広域査察のための方法および装置

本発明は、改造した個人ワイヤレス・デバイスを、新しい高度マイクロおよびナノセンサ技術と組み合わせて用い、化学、放射線、および生物学的脅威の広域検出のための方法および装置を用いることによって、外部脅威を検出する手段に関する。潜在的なテロリストまたは人的脅威の広域査察のためのコスト効率的な方法を提供する。移動電話機、PDAまたは腕時計のような個人電子デバイスは、ここに記載する新たなマイクロセンサ技術との組み合わせによって、主要な脅威の広域査察のための新たな種類のプラットフォーム検出技術として用いることができる。地理的位置検出、遠隔ワイヤレス通信、および検知エレメントを単一のチップに組み込んだ、「国土安全保障チップを更に設ける。個人電子デバイスは、更に、種々の医学的に関係する脅威を検出するためにも装備することができる。同様に改造した個人デバイスは、人に特定の外部脅威を検出するためにも用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部脅威分析に関し、特に、改造した個人ワイヤレス・デバイスを新たな高度のマクロおよびナノセンサ技術と組み合わせて用いる、化学的、放射線、または生物的脅威の広域検出のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2002年12月23日に出願した、「テロリストまたは人的脅威の広域査察のための方法および装置」と題する米国仮出願の優先権を主張する。
ここでは、広域査察とは、大都市、群、州、または国全体のような広い地理的エリアにおけるいずれかの場所で脅威を検出する能力と定義する。米国における2001年9月11日の攻撃以来、この問題は、広く無差別で大規模なテロリストの脅威を懸念する国にとって重大となっている。特に関心があるのは、「汚い爆弾」(dirty bomb)の脅威であり、これは広い地理的エリアを汚染し、国全体に非常に重大な負の経済的結果をもたらす可能性がある。同等に、炭疸のような病原菌による生物的攻撃の脅威も、重要な国内または国際的関心事となっている。人的脅威とは、ここでは、個人の健康または生活を及ぼす可能性のあるあらゆる化学的、生物的、または放射線による危険と定義する。
【0003】
現在、多数の異なる検出技術が市販されており、あるいは化学的、生物的または放射線による危険を検出するために開発されつつある過程にある。しかしながら、これらの技術は、一般に、その検出能力が狭いエリアまたは至近エリアに限定されている。拡散効果のために、特に化学的または生物的放出では、一点検出技術は、危険または脅威がセンサまたは検出器自体に近接した場合にのみ、効果を発揮することができるに過ぎない。このような実例は、例えば、飛行場において用いられている手荷物選別技術で見られ、個々の荷物がひとつずつ機械的に検出器に非常に近接させられる。Berkeley Nucleonics' Smart Area Monitor (SAM) for radiation(バークレー・ヌクレオニックス社の放射線用スマート・エリア・モニタ)または何らかの形式のレーザ系化学物質検出器のような、台頭しつつある技術の中には、より遠くからの検出を可能にするものもいくつかはあるが(大抵の場合、発生源から数十フィート以内)、これらの技術は、非常に感度が高いセンサを拠り所としており、複雑で高価な電子回路も必要とする。
【0004】
化学的、放射線、または生物的危険のための現行のセンサは、広いエリアでの査察には、個々でもまた組み合わせても、相応しくない。何故なら、このような検出器を広い地理的エリアに展開しネットワークを構築するコストが、国全体に及ぶ効果的な検出包囲網(blanket)を完全に実現不可能にする。加えて、「汚い爆弾」のようなテロリストの脅威を逃す可能性も非常に高い。何故なら、検出器または部分的センサ・ネットワークを正しい場所にそして正しい時刻に有する確率は非常に低いからである。更にまた、単一点検出器を用いると、1回の検出事象は擬陽性と見なされ、したがって無視される場合もある。
【0005】
米国ホワイト・ハウス国土安全保障局(US White House Office of Homeland Security)は、この問題を認識しており、その国家国土安全保障戦略(National Strategy for Homeland Security)(2002年7月)において、米国のような広大な国家における有効な広域査察は、国民の広い参加によってのみ達成できるということを正しく指摘した。しかしながら、明確な実施計画も、技術的解決案も、まだ提案も開発もされていない。国民の参加は、国土安全保障の発案の成功の鍵となり、米国や、イスラエルのような他の国家における最新のいくつかの例では、国民によって行われた先導で、どれだけテロリストの事件を解決または防止するのに役だつことができたか知れないことが示されている。
【0006】
多数の技術的解決策が、遠隔監視には提案されている。Gaukelの米国特許第6,100,806号は、遠隔追跡データベースと、通信手段と、個人、特に出獄者追跡の目的のための身体装着デバイスとを備えた、GPS系地球位置検出装置を開示している。Gaukelのシステムは、GPSシステム、リストバンド・センサ・ユニット、および別個の「セルラ・バッグ」を用いなければならない。更に、Gaukelが開示したシステムは、データベース・マネージャを用い、しかも高い全体的監視コストを伴う移動電話機の連続双方向使用による、所定の間隔で周期的な監視を拠り所としなければならない。
【0007】
Schulezの米国特許第5,235,318号は、あるエリアまたはゾーンに出入りする人の自動監視用内蔵通信機能を有する個人放射線線量計について記載している。Schulezのシステムは、コンピュータ・リンクによる遠隔査察を可能にするが、監視するエリアの各々に、特定のリーダ・システムを設置する必要がある。
【0008】
Auerbachの米国特許出願US2002/0003470A1は、射撃の地理的位置検出システム(a system for the geolocation of gunshots)について記載している。Auerbachの特許は、GPSおよび三角測量法を用いて、射撃およびその痕跡を検出し地理的位置を検出するためのセンサ・ネットワークについて記載している。
【0009】
Monsen, III et al.の米国特許第6,282,410B1は、危険環境における労働者の遠隔監視システムについて記載している。Monsenのシステムは、放射線およびビデオ監視を含む完全なシステムであり、具体的にある種の遠隔労働者監視状況に特化されている。
【0010】
Monroeの米国特許第5,798,458号は、航空機に対するテロリストの脅威を含む、脅威の検出のための音響センサ・システムについて記載している。
Petitclerc et al.の米国特許第5,339,339号は、核現場(nuclear site)周囲において調査または監視を行うプロセスについて記載している。
【0011】
Kambhatla et al.の米国特許第6,238,337B1号は、個人または個体群全体における病気の発生を検出するために異なるデバイスに埋め込まれたセンサを用いて、病気の出現を検出する方法について記載している。
【0012】
Cephusの米国特許第5,132,968号は、センサのネットワーク、および前記センサと接続し離れたところから環境情報を収集する方法について記載している。
Kuusela et al.の米国特許第6,396,416B1号は、医療監視目的のための、プラグ・イン・モジュールを備えた移動電話機について記載している。Kuuselaによって記載された技術は、特殊化したセンサ・モジュールを遠くで用いて近距離で測定可能なECG、EEGおよびEMG機能を中心としている。
【0013】
Baxter, Jr.の米国特許第6,023,223号は、環境状態を測定するための遠隔センサを備えた早期警報システムについて記載している。
2002年2月29日に発行され、"Worker-Specific Exposure Monitor and Method for Surveillance of Workers"(作業者特定暴露モニタおよび作業者の査察方法)と題するMichael L. Lovejoy, John Pl PeetersおよびA. Wayne Johnsonの米国特許第6,031,454号は、ここで引用したことにより、その全体が本願にも含まれるものとする。
【0014】
Lovejoy et al.の米国特許第6,031,454号は、遠隔地理的位置検出および通信機能と、交換可能なセンサ・モジュールとを備えた、労働者特定暴露監視方法について記載している。Lovejoy et al.による特許は、陸上に基準を置いた三角測量法を用いて労働者の地理的位置を検出する手段について記載し、双方向通信を可能とし、交換可能なマイクロ・モジュールまたはナノセンサ・モジュールを用いて、あらゆる種類の暴露でも判定する手段を提供する。また、この特許は、その技術のための特定個人別ゲノム応用(person-specific genomic applications)についても記載している。
【0015】
これらの引用した特許参考文献に加えて、以下の科学文献も、本発明の参考のために引用する。
H. Sirringhaus et al. High-Resolution Inkjet Printing of All-Polymer Transistor Circuits.(全ポリマ・トランジスタ回路の高解像度インクジェット印刷) Sicence, VOL 290. Pages 2123-2126、2000年12月15日。
【0016】
D. Hausmann et al. Rapid Vapor Deposition of Highly Conformal Silica Nanolaminates. (共形性の高いシリカ・ナノラミネートの急速蒸着) Science. VOL 298. Pages 402-406. 2002年10月11日。
【0017】
M. Angelopoulos. Conducting Polymers in microelectronics. (微小電子工学における導電性ポリマ) IBM Journal of Research and Development. VOL. 45. 第1号,2001年。
【0018】
J. Li et al. Ion-beam sculpting at nanometer length scales. (ナノメートル長スケールにおけるイオン・ビーム彫刻) Nature. VOL 412. Pages 166-169. 2001年7月12日。
【0019】
Donhauser et al. Conductance Switching in Single Molecules Through Conformation Changes. (配座変更による単一分子におけるコンダクタンス切り替え) Science. VOL 292. Pages 2303-2307. 2001年6月22日。
【0020】
Li-Qun Gu et al. Capture of a Single Molecule in a Nanocavity. (ナノキャビティにおける単一分子の捕獲) Science. VOL 291. Pages 636-640. 2001年1月26日。
【0021】
U. Zulicke. ULTRASMALL WIRES GET EXCITED. (超小型ワイヤの励起) SCIENCE. VOL 295. PAGES 810-811. 2002年2月1日。
Y. Cui et al. Nanowire Nanosensor for Highly Sensitive and Selective Detection of Biology and Chemical Species. (生物および化学種の高感度および選択的検出用ナノワイヤ・ナノセンサ) Science VOL 293. Pages 1289-1292. 2001年8月11日。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本技術は、既存の検出技術の上に構築し、それを補い、新しく完全に統合化され、柔軟性があり、価格効率的な解決策を紹介し、ネットワークおよびシステムは、既存の電子およびセキュリティ・インフラストラクチャを強化することによって、広域の脅威査察を可能にするために、現在の検出ギャップを埋めるのに特に役立つであろう。具体的には、ここに記載する技術は、新たな形式の非常に柔軟性が高く、モジュール型で、低コストの検出技術を、所与の国家や、主に最も人口が密集しているエリア内で脅威が最も大きな場所のどこにでも配置する手段を提供する。また、この技術は、個人が自己監視したり、外部の危険や脅威から自分自身を自己防衛することも可能にする。
【0023】
本技術は、ここに記載し、本発明の一体部分となる新たな高度センサ技術を用いることによって可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
一実施形態では、改造した個人ネットワーク構築可能ワイヤレス・デバイスは、通例人が携行し日常用いている、移動電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、ページャ、または腕時計のようなものであり、国全体に及ぶ主要なテロリストの脅威に対する査察システムの基礎を形成するために設けられる。査察システム全体は、完全に柔軟性がありモジュール型であり、既存の電子技術または台頭しつつある電子技術を最大限利用して、独特な識別、検知、双方向通信、および地理的位置検出を行う。この技術で特に強調すべきは、コスト効率性であり、そのために広域査察が可能となる。広域かつ遍在的使用、および移動電話機または腕時計の流通のために、本技術は、改造した個人デバイスの携行者と潜在的脅威との間の遭遇の機会を最大限高めることになる。実際、繰り返し遭遇することが予期でき、これによって擬陽性を排除または低減する手段が得られる。
【0025】
一実施形態では、移動電話機のような個人ワイヤレス・デバイスは、人の健康または幸福を脅かす可能性があるテロリストの脅威または外部危険性の検出のための統合センサ・モジュールの挿入を可能にする内蔵スロットを含む。この技術は、多数の種類のセンサを同じデバイス内において相互交換可能に用いることを可能にする。各センサ・モジュールは、ミクロン、サブミクロン、またはナノ範囲の超小型センサを多数収容したカートリッジとすることができる。センサ・モジュール内で用いるセンサの種類には、放射線センサ、化学センサ、生物センサ、またはその組み合わせが含まれる。根幹的特徴は、これらのセンサ・モジュールが正確に同じサイズであり、完全に相互交換可能であり、自己充足型であり、必要な電子コンポーネントや、「プラグ・アンド・プレイ」型技術のための制御コード全てを内蔵していることである。
【0026】
一実施形態では、微小な予め較正したチップ上に放射線センサを設ける。これは、基準と、少なくとも1つの測定デバイスとを含む。測定デバイスは、放射線は、結晶のようなある種の物質およびある種の電子コンポーネントと相互作用を行うことが知られているという事実に基づいている。
【0027】
別の関連実施形態では、微小センサは、移動電話機のような個人ワイヤレス・デバイス内に直接組み込まれ、外部放射線源によって生ずる小さな物理−化学変化を検出する微小電子放射線センサが最も好ましい。このような改造した移動電話機を公衆に入手可能とし、「汚い爆弾」のような潜在的なテロリストの脅威の遠隔検出を可能にする。ネットワーク確率アルゴリズムによって、そしてここに記載するプロトコルにしたがった手動の検証によって、擬陽性を排除することができる。
【0028】
別の実施形態によれば、使い捨て可能なノーズ技術を提供する。その目的は、移動電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタント、または腕時計のような個人電子デバイスを用いて、外部化学的脅威および危険の長期監視を可能にすることである。
【0029】
別の実施形態では、チップ上に炭疸検出器を設けて、小型個人電子デバイスを用い、そして空中で動作することができ、分離、増幅、および分析の複雑な微小流体段階を必要としない新規の種類のドライ電子マイクロチップに基づいて、炭疸の脅威を検出可能にする。
【0030】
別の実施形態では、本発明の目的のために、放射線センサおよび化学センサの組み合わせを低コスト兼用チップ上に設ける。
更に別の実施形態では、受動素子内蔵を使用して、サイズの変更が全くなく、そして製造コストの増大もなく、個人デバイスの電子回路内に化学センサ・アレイを含ませる手段を設ける。
【0031】
別の実施形態では、地理的位置検出、遠隔ワイヤレス通信、および検知のエレメントを、単一の「国土安全保障」チップ内に組み込み、このチップをいずれかの個人または電子デバイス上に追加することができ、これによって所与の国内において大域的な脅威検出機能を迅速に設ける便利な手段を提供する。
【0032】
別の実施形態では、本発明のセンサおよび電子コンポーネントは、所与の人に独特な外部脅威または危険に対して個別設計および検出を可能にする。
別の実施形態では、主要な脅威の広域査察のための代替技術を提供する。移動電話機のような個人デバイス内に直接センサを組み込んだり、または電子モジュール・センサ・カートリッジを挿入するためのスロットを有する新たな種類の移動電話機を提供する代わりに、柔軟性があり、プログラム可能で、完全にモジュール型の微小セキュリティ・ワイヤレス・デバイスを提供する。これは、低価格で、電力消費が非常に少なく、小型であるので、いずれのトラック、出荷コンテナ、またはバスにでも隠すことができる。このデバイスは、あらゆる種類の市販の(COTS:commercial-of-the-shelf)予め較正されているセンサまたはセンサ・モジュールとでも容易に結合することができ、地理的な位置を検出することができ、双方向通信のための月極料金を低減または不要にするように、製造する。
【0033】
別の実施形態では、テロリストの脅威の検出のため、特に、汚い爆弾の検出のために、ある種の中性子またはガンマ線のサインを検出する内蔵コンポーネントを有する改造した移動電話機の使用に基づいた、透過的査察ネットワークを提供する。
【0034】
したがって、本発明の目的は、新規で、総合的で、低価格で使用が容易な、テロリストの脅威および外部危険の広域査察方法を提供することである。本技術は、完全にモジュール型で柔軟性があり、これによって個々の人々、会社、州、そして国全体でさえも、それら自体のそれぞれの必要性および安全性の懸念に合わせて本技術を適応させることができる。
【0035】
本発明の前述の特徴は、添付図面を基にして、以下の詳細な説明を参照することにより、一層容易に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下の詳細な説明は、本発明のシステム全体を構成する数個のコンポーネントについての個々の論述に分けて編成されている。これらは、本発明における数個のサブシステムであり、各々異なる構成を有することができる。本発明の中核となる目的の1つは、重大な脅威の広域査察を行う、新しく非常にコスト効率的な方法を提供できることである。これを最大限達成するために、以下の3種類の技術を用いる。
【0037】
a)地理的位置検出(GEOLOCATION)
この技術に用いられる第1のコンポーネントは、地理的測地のための三角測量技術である。これら2つのシステムは、現在入手可能であり、各々同じ原理に基づいている。最初の1つは、静止衛星によって信号を供給するGPS技術に基づく三角測量法である。この場合、地理的位置検出のための計算は、携帯デバイス内において現場で行われる。非常に高い精度を達成することができ(即ち、〜1メートル)、モトローラ社が最近発表し「Motorola Instant GPS」と称する微小GPSチップの出現により、この技術は、超小型デバイス(例えば、移動電話機や腕時計)内に組み込むことが可能となった。GPS技術の欠点は、覆いの下では動作しないことである。
【0038】
2番目の手法は、米国特許第6,031,454号に記載されている三角測量方法であり、この場合、地理的測地は、信号到達時間差または到達角度のいずれかによって、地上に設置した送信システム(例えば、固定移動電話タワー)上における三角測量によって計算する。この技術には以下の3つの利点がある。第1に、計算は現場外(即ち、送信タワーまたはネットワークの場所)において行われ、地理的位置検出に必要なデバイスは、非常に小さく、しかも非常に低コストにできることを意味する。2番目の主要な利点は、移動電話機から最も近いセル・タワーまで通知する時間を計算することによって、既存の移動電話機および既存の送信タワーを、そのように用いることができることできる。第3の利点は、米国特許第6,031,454号に記載されているように、この技術は覆いの下でも(そして大都市内でも)動作することである。この技術の潜在的な欠点は、これはGPSよりはいくらか精度が低いことであり、地理的位置検出精度は、大抵の場合数メートル以内である。米国における連邦通信委員会(即ち、FCC)緊急通話用地理的位置確認のための1996年指令に応答して、Verizonは最近、GPSを基本とした方法(新しく、更に高価なGPSチップ装備移動電話機の配給を必要とする)ではなく、陸上系三角測量手法を用いることを発表した。
【0039】
以下の記載では、GPSまたは陸上系三角測量技術を用い、実際には、これら2つは同時に用いることができ、そうすべきである。
b)ワイヤレス・ネットワーク
ここで用いられる第2の技術は、現在身近にあり、世界中に設置されており、種々の遠隔通信機能を提供するワイヤレス・ネットワークのいずれかである。これらは、汎ヨーロッパ・ディジタル移動通信システム即ちGSM、CDMA、TDMA、およびGPRSプロトコルに基づく移動電話系ネットワーク、Bluetooth、安全軍用ネットワーク、衛星リンク等のようなプロトコルによるインターネットのような既存のネットワークへのあらゆるワイヤレス・リンクを含む。
【0040】
c)緊急時応答システム
ここで用いる第3の基本技術は、米国における911システムや、新生の改良911(またはE911)システムを含む、現在身近にある緊急システムのいずれかである。追加の緊急応答システムは、米国に敷設されている国土安全保障ネットワーク、軍用ネットワーク、警察ネットワーク、あるいは所与の安全問題に懸念がある、既存のまたは個々の産業、州、または政府によって設置されているシステムを含む。
【0041】
以下の実施形態は、新たな技術を表し、本発明の統合部分を形成する。
全国的透過査察ネットワーク
第1実施形態において、移動電話機、PDA、または遠隔通信機能を有する腕時計のような、広く用いられている電子デバイス、およびそれに関連するワイヤレス・ネットワークを、潜在的テロリスト脅威を検出するための全国的査察システムのための新たな種類の技術プラットフォームを設けるための基本として用いる。電子デバイスは、Motorola(R)、Nokia(R)、L-3 Communications (R)、Palm(R)、Citizens(R)、およびその他の種々の供給業者を含むが、これらには限定されない、微小電子産業における種々の供給業者から選択することができる。このシステムは、唯一の特定、双方向通信、地理的位置検出のために必要な全ての自動化コンポーネント、および関連する電子回路を備えている。加えて、このシステムは、殆どの国々において遍在的である。何故なら、移動電話機のようなデバイスは、既に世界中で殆ど一人一人によって携行されているからである。実際、繰り返し遭遇することが期待でき、これによって擬陽性を排除または減少する手段を設けることができる。移動電話機のユーザは、既に犯罪または潜在的テロリスト脅威の検出にかなり寄与している。現在この検出手段を更に一層効率的かつ自動化するために足りないものは、新たなセンサ技術の追加による既存の移動電話機の改造である。
【0042】
この新たな技術、ならびに広域査察および脅威分析の目的のための既存のネットワークへのその統合は、本発明の目的の1つである。一旦これらの改造を実施すれば、非常に低コストで、全国的規模の透過的で非常に柔軟性の高い査察ネットワークを、このシステムを選択するあらゆる国のために考察することができる。
【0043】
外部脅威用モジュラー・センサを備えた個人デバイス
これより図面の図1を参照すると、広く用いられる個人電子デバイス10は、ワイヤレス・ネットワーク、地理的位置検出、双方向通信機能、一意の署名IDを有し、通例、人が装着するか、または人に用いられる。このデバイスは、以下のシステムのいずれでも可能である。移動電話機またはセルラ電話機、ワイヤレス・パーソナル・ディジタル・アシスタント即ちPDA、ワイヤレス機能を埋め込んだ電子腕時計、双方向ページャ、またはBlackBerryTMのような双方向電子メールデバイス。先に示唆したように、このようなデバイスは、Motorola(R)、Nokia(R)、L-3 Communications (R)、Palm(R)、Citizons(R)およびその他の種々の供給業者によって供給することができる。トランシーバによって行える通信のような電子デバイスの遠隔通信機能は、ワイヤレス・デバイスと遠隔位置との間での相互作用を可能にする。最も好ましい実施形態は、移動電話機または改造腕時計の使用であり、ここでは主に移動電話機に言及するが、先に引用したデバイスのいずれでも使用可能であることは理解されよう。更に、本業界において供給されているように、電子デバイスには、内蔵バッテリ・システムのような、電源システムが備えられている。デバイスは、統合兼用ユニット20を一緒に形成するセンサまたはセンサ・モジュール16を受容することができる、内蔵スロット12を有する。
【0044】
差し込み可能なセンサまたはセンサ・モジュールの基本的な電子的構成、特性および用途は、既に、本発明者によって米国特許第6,031,454号において以前に詳細に記載されており、ここで引用したことにより本願にも含まれるものとする。米国特許第6,031,454号に示されているように、センサ・モジュール技術によって多数の種類のセンサを、同じデバイス内で相互交換可能に使用することが可能となる。各センサ・モジュールは、多数の超小型センサ即ちナノセンサを内蔵する、集積センサ・カートリッジとしてもよい。モジュール内に含ませることができるセンサの種類については、以下で詳しく説明するが、主要な特徴は、これらのセンサ・モジュールが正確に同じサイズであり、完全に相互交換可能であり、自己完結型であることである。
【0045】
ここで図2を参照すると、センサ・モジュール16をデバイス10に差し込むことにより、デバイス内部にあるマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサによって、質問ループ42が閉じる(詳細については、米国特許第6,031,454号の図2を参照のこと。ここでは図示しない)。続いて、マイクロコントローラは、46において、図示のように、センサ・モジュールに質問する。センサ・モジュールが認識されない場合、外部アラーム48が活性化される。これは、外部ディスプレイ上の警告、および/または可聴信号とすることができる。センサ・モジュール16は、参照表を含み、予め較正されているか、あるいはEEPRoMまたはその他の手段によってプログラム可能となっている。センサ・モジュールは、電子回路、センサ基準表およびID、接続手段等に関しては、完全に自己完結型であり、ここに記載されている概念は、本質的に「プラグ・アンド・プレイ」型技術である。
【0046】
尚、あるセンサの用途では、実行中に計算を行うためには、更に高価なマイクロプロセッサ機能を必要とする場合もあり得ることを記しておく。ロジック、プロセッサ、およびメモリのプログラム可能な内部コンポーネントを含む多数の新たな高度マイクロチップが、現在市販されており、例えば、現場プログラム可能ゲート・アレイ(FPGA)、CoolRunnerTMまたはXilinx Corporation(ザイリンクス社)からのVirtex-II Proチップを引用しておく。用いられる正確なアーキテクチャは、移動電話機または個人デバイスにおいて既に存在する微小処理機能を使用する度合いに左右され、したがって、本願では、「マイクロコントローラ」および「マイクロプロセッサ」は相互交換可能に用いる。一般に、本発明の目的は、センサの電力および処理双方の必要量を極力抑え、できるだけ省電力化および小型化することにある。サブミクロン電子部品やナノ電子部品における新たな進歩を想定しており、ここに記載するセンサを移動電話機や腕時計にでさえも収容できるようにすることには特に関連がある。加えて、受動素子内蔵方式のような新たな製造方法および技術も、以下に述べるように、用いることができる。
【0047】
一般に、電子デバイス用の制御システムの一種が、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラおよびメモリ・システムによって供給されている。外部危険要因の1つまたはその組み合わせのいずれかに対するセンサ・モジュールについてメモリに格納されているプリセットしきい値50に達すると、センサ・モジュールは、デバイス内のマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサに通知し、アラーム52を発生する。これは、予め設定した判断54に応じて、内部48または外部56のいずれかとすることができる。外部アラーム56は、遠隔ネットワークに送ることができる。これについては更に詳しく以下で説明する。ワイヤレス・ネットワークに送信を行う場合、以下の情報を中継する。ID(移動電話機の番号)、パスコード、地理的位置検出座標(GPSチップがある場合)、センサ・モジュール形式およびID、危険性および危険度、ならびに予め記録したメッセージあるいは1つまたは複数の警告活性化コードである。これらのデータの一部または全部を、用いられるネットワークおよび用途そのものに応じて暗号化することができる。この種の情報は、制御システムおよびセンサ・モジュールが検出している種々の要因に関して個人に警告する通知手段として機能する。
新しいセンサ
移動電話機のような微小デバイス内への統合化に関して本発明を実現可能にするためには、新たな電子微小センサ技術が必要となる。最近の微小製造、MEMSおよびナノテクノロジにおける進歩により、今日では、ミクロンおよびサブミクロンの電子センサまたはセンサ・アレイも製造も可能となり、これらは非常に小型で、信頼性が高く、必要な電力も極端に少ない。実際、センサを非常小さくすることができるので、交換可能なナノセンサ・アレイ(米国特許第6,031,454号に記載されているような)を、人が直接装着して携行する腕時計やその他のデバイスの中に含ませることができる。多くの種類のマイクロセンサ、マイクロセンサ・アレイ、またはナノセンサが現在開発中であり、物理的危険センサ、化学センサ、ならびに独特な生物的サイン(signature)を検出ししたがって炭疸のような主要な生物的危険性を認識することができる、「ノーズ」(nose)技術および生物センサ(またはバイオセンサ)を含む。
【0048】
本願では、以下の種類の電子センサを、単体でまたは組み合わせて、センサ・モジュール16に挿入するために考えている。その際、直接移動電話機に組み込むか、あるいはテロリストまたは外部の人的脅威を検出することを意図したその他の小型微小デバイス内に含ませる。
【0049】
チップ上放射線センサ
放射線センサは、ここでは、放射性物質の崩壊から生ずる高速中性子、熱中性子、x線、アルファ、ベータまたはガンマ線のいずれかの信号を検出し、「汚い爆弾」、原子兵器または核物質源の存在を明らかにすることができる手段として定義する。
【0050】
一実施形態では、デバイス10は微小電子放射線センサを含み、これは交換可能なセンサ・モジュール16内に含ませることができ、あるいは直接デバイス内に組み込むこともできる。この内蔵微小デバイスは、標準的な予め較正済みの放射線センサ(例えば、微小エネルギ補償ハロゲン瞬滅ガイガー・ミュラー管)、RADOS Corporation(レードス社)が製造するDirect Ion Storage (DIS) MOSFETトランジスタのような現在市販されているその他の微細電子放射線センサ技術、未だに開発中のセンサ、または以下に記載する技術のいずれでもよい。
【0051】
理想的には、内蔵放射線センサは、非常に感度が高く、高精度で、低電圧および室温で動作し、EMやRF干渉に影響されず、移動電気内の小型チップ上に、これらのデバイスの現行のサイズを殆どまたは全く大きくせずに収まる程十分に小さい、新規の種類のものである。このチップの主な目的は、放射線源を正確に定量化することではなく、このような潜在的な発生源の存在に対するしきい値を検出可能にすることである。
【0052】
これより図3Aを参照すると、メモリを有するプログラマブル微小マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ72はセンサ・モジュール16内に含ませること、または直接個人デバイス内に組み込むこともでき、最少2つの対称的で非常に感度が高い電子マイクロデバイス76および80に並列に接続されている。デバイス76は、具体的には、放射線に対する感度をできるだけ高めるように構築されており、一方デバイス80は基準であり、具体的には、放射線にはできるだけ感応しないように構築されており、更にこれを保護するために遮蔽84を含んでもよい。遮蔽84は、(鉛等の高密度金属のような)原子密度により、(ある種の結晶のように)吸収または瞬減によって、あるいは中性子に対するベリリウム(Be)のように反射によって、放射線を停止させることが知られている物質とするとよい。デバイス76は、例えば、ベリリウムで作られた任意の微小凹状ディスク78も含み、入射する放射線束を検出器76に集中させるようにするとよい。このようなディッシュ(dish)は、優先的にBe9で作られ、これは信号を合焦するだけでなく、それを増幅する。何故なら、Be9は、高速中性子と衝突するとBe8に変化して、2つの熱中性子を放出するからである。
【0053】
マイクロデバイス76および80は、それら固有の放射線に対する電子的感度を除いて、あらゆる面において類似している。これらは、具体的に、低い電圧および室温で動作するように構築されている。このようなデバイスの例には、クオーツのドーピングまたはコーティングを有するまたは有さないクロック(またはクオーツ・マイクロバランス・センサ)、硬化したプログラマブル・デバイス(PROM)および「軟性の」プログラマブル・デバイス(PROM)、遮蔽および無遮蔽ロー・ノイズ・ダイオード、被覆したMEMSセンサおよび被覆しないMEMSセンサ、あるいは移動電話機またはデバイス内にあり、二重センサ基準型技術として用いることができる、その他の高速および高感度マイクロ電子デバイスが含まれる。ドーピングまたはコーディングは、中性子と強く反応することが知られている硼素10またはリチウムの使用を含むとよく、放射線サイン成分の1つは、離れたところで原子兵器およびある種の「汚い爆弾」のために測定可能である。x線およびガンマ線に対するドーピングまたはコーディングに関して(ある汚い爆弾に対する別の遠隔サイン成分)、以下のものを用いることができる。ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム、テルル化カドミウム、テルル化カドミウム鉛、ガリウム砒素、純粋なまたはガンマ放射線と反応することができる他の元素と組み合わせたヨウ化水銀である。また、ドーピングは、用途および製造方法に応じて、ある金属または他の化学物質を含むこともできる。
【0054】
多元クロック設計を用いる場合、そして一旦デバイスを適正に較正した場合、放射線事象によって、マイクロデバイス76に周波数のずれが生ずる虞れがあり、これはマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ72によって正確に測定し、メモリに格納されている、予め設定されている較正標準に対して評価することができる。この場合の較正は非常に重要である。何故なら、背景放射線はどこにでも存在し、地理的位置毎に変化する可能性があるからである。デバイス80は、敏感でなく(または感度が遥かに低い)、この差は電子的にそして非常に低いバッテリ・コストで測定可能である。デバイス72は、デバイス72、およびデバイス内にある他の全ての敏感な電子コンポーネントも、放射線に対して「硬化」して、測定および通信の問題を回避するようにするとよい。
【0055】
クロックにおけるクオーツの結晶は、放射線に感応することが知られており、この感度は、結晶の特性または純度の僅かな変化でも、変化することが知られている。加えて、現在の技術的現状の放射線検出器は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム、またはテルル化カドミウム鉛を含む非常に密度が高い結晶における放射線吸収に基づいている。したがって、イオン化させる放射線に対して全く異なる2つの感度を有するように調整した2種類の結晶に基づく二クロック設計は、移動電話または腕時計にさえも収容できる程に小さいチップ上の微小放射線センサを構築するために有効な方法であると言える。周波数の同調または較正は、例えば、一方では金(基準用)の使用、他方では硼素のドーピングに基づくことができる。図3Aに記載した技術を用いると、結晶の振動周波数スペクトルが異なる値であっても(結晶が異なるため)、いずれの変化でもマイクロコントローラによって評価し、内部メモリまたは外部EEPRoM(図示せず)に格納した内部基準テーブルと比較することができる。加えて、プログラマブル・マイクロコントローラは、各チップの正確な個別較正も可能にする。
【0056】
多元クロック設計に加えて、他の方法や技術も、そのサイズが、移動電話機、腕時計またはPDAのような個人デバイス内への挿入を可能にするのであれば、使用可能である。一例は、特殊設計されドープされたダイオード回路、および小導電性差測定に基づく。図3Aにおける設計は、実際、いずれの小型回路、MEMSセンサ、または捕獲または反応面と小型電気回路との間に界面がある技術とでも用いるのに適している。
【0057】
加えて、ナノテクノロジにおける新たな進歩も、このような測定をサブミクロンまたはナノ回路レベルで行うことを可能とすることができる。これより図3BならびにU. Zulickeの"Ultrasmall Wires Get Excited" (超小型ワイヤの励起)(Sicence VOL 295. Pages 810-811. 2002年2月1日)、およびY. Cui et al.の"Nanowire Nanosensor for Highly Sensitive and Selective Detection of Biology and Chemical Species" (生物および化学種の高感度および選択的検出のためのナノワイヤ・ナノセンサ)(Science VOL 293. Pages 1298-1292. 2001年8月11日)を参照すると、硼素をドープしたシリコン・ナノワイヤ(SiNWs)91またはその他のナノワイヤ、および近隣のイオン化および励起事象に基づいて電子のトンネリングの測定を可能にする小さなギャップ即ちゲート93を用いて、埋め込み放射線ナノセンサを製作することができる。ドープしたナノワイヤ自体または直接隣接する捕獲表面エリア95のいずれかにおける外部中性子源による硼素の励起が、電子トンネリングのずれを生じさせ、そしてこれを測定することができる。ゲート・エリアは、通例、非導電性であり、電圧バイアスを、ギャップの両側間に印加するとよい。このようなナノ放射線センサは、マイクロまたはナノトランジスタあるいは回路の一部として構築することができ、非常に小さいので、腕時計に容易に収まり、その回路のコンポーネントとなる。エリア95は、通例、ワイヤ・エリアよりも遥かに広く、捕獲面を最大源確保するために、チップの層全体として埋め込むこともできる。加えて、多数の埋め込み捕獲エリア95を構築することもでき、互いに90度に向けて、最適化した360度捕獲面を確実に得るようにすることもできる。埋め込み捕獲エリアは、リチウムまたは硼素6のいずれかから成る。
【0058】
いずれの設計を用いても、本実施形態で特に強調するのは、非常に小さく、消費電力が非常に少ないチップ上の放射線センサの使用である。例えば、図3Bの放射線ナノワイヤ・ギャップ硼素センサは、全く電流を使用しない場合もある。何故なら、ナノ回路が、電子トンネリングを発生させる十分な電荷電位を発生させる外部放射線事象によって僅かの間「オン」になるまでは、ナノセンサにおけるギャップが「オフ」になっているからである。一方、これを検出し、増幅し、アラームの活性化に至ることができ、通信手段は、それ以外では、オフになることにより、バッテリの使用またはその他のいずれの電源システムであっても最少に止める。電力消費は非常に少ないので、実際、米国特許第6,031,454号に記載されているように、センサ全体に給電するにも太陽電池で十分であると言える。
【0059】
サイズに加えて、ここに示す特許出願において特に重要なのは、各技術コンポーネント毎に可能な多くの異なる用途を最大に評価していることである。例えば、「汚い爆弾」または画された原子兵器の自動透過的広域査察では、以下に述べるように、チップ上の放射線センサの較正は、他の用途(人用線量計)のチップの較正とは異なる可能性がある。広域査察用チップは、通例、背景放射線ノイズに対する感度は低く、「汚い爆弾」の特性である、ある種の放射線サインのみを認識するための特殊な予めプログラムされたコードを含むこともある。このようなサインは、図3Aに記載したデバイス内にコード化することができ、多数の検出器を用い、1つのセンサが中性子を測定し、他のセンサがガンマ放射線を測定する。尚、この技術では、汚い爆弾または隠された原子兵器は、十分に遮蔽されておらず、遠方から測定可能な重大な放射線源であることが予期される。このような放射線センサ技術は、Canberra社およびSmiths社を含むがこれらには限定されない、種々の会社によって供給されている。
化学センサおよびノーズ
チップ上の多数の異なる化学センサ技術は、現在利用可能か、または実際に開発中である。これらは、空中における化学物質の結合時に、共振周波数のずれ、導電性の変化、光学特性の変化、および微小機械的特性の変化を電子的に測定するセンサを含む。ここで特に興味深いのは、微小低電力チップまたはノーズ上で同時に多数の異なる化学物質または化学成分を測定することができる、完全可逆マイクロまたはナノアレイ・センサである。この用途では、以下のセンサ技術が適している。導波路、クオーツ・マイクロバランス、微小電気機械(MEMS)センサ、ポリマ・アレイ、金属酸化物薄膜、微小光学センサ、またはその他のセンサである。これらの技術およびその適用可能性に対して基礎となる原理については、科学的論文および商用文献双方に広く記載されており、多数のこれらセンサ技術が市販され始めている。例えば、Cyrano Sciences社という会社は、ポリマ複合物に基づくその「Cyranose」技術を販売し始めており、一方BAE Systems社は、弾性波技術に基づくその「JCAD ChemSentryTM」技術を販売し始めている。導電性の変化は、化学的結合を測定するためには特に容易な方法であり、予め格納されているテーブルと比較することができ、あるいは主要成分分析(PCA)またはニューラル・ネットワークのような更に複雑な実行中統計分析によって行われる。これは、様々な度合いの微小処理電力を必要とする。「ノーズ」型技術は、環境的危険、または神経ガスのような化学物質の複雑な化学分析の一部には、特に望ましい。
【0060】
この用途では、センサ・モジュール16は、導電性または共振ずれの測定、または以下に記載するような、使い捨て可能なノーズに基づいた、マイクロまたはナノセンサ・アレイの永続的または長期間使用を含む場合がある。永続的センサを用いる場合、セラミック、シリコン、またはクオーツのような安定した表面上にマイクロまたはサブマイクロ製作技術を用いることが特に望ましい。以下の堆積または製作方法を用いることができる。合焦イオン・ビーム、原子層堆積(ALD)、走査トンネリング、超紫外線(EUV)リソグラフィ、あるいは単一の原子または原子群を走査することを意図したその他の超精密方法である。
【0061】
化学センサ全体は、移動電話機や腕時計の中でさえも挿入できる程に小さい。通例、センサ・アレイは面積が1cmよりも小さく、深さが数ミリメートルを超えない。サブミクロンまたはナノ製作方法を永続的センサに用いると、センサ・アレイを1mm以下にすることができる。
【0062】
ある種の化学センサは、経時的に劣化することが知られており、移動電話機のような携帯個人デバイスは数年間用いられるのが通例であるので、一実施形態は、新たな形式の「使い捨て可能なノーズ」技術の使用を含む。使い捨て可能なノーズは、非常に低コストで、予めパッケージ化され全体的に主にプラスチックで作られており、広く入手可能であり、1段階の動作で非常に容易に交換することができる。使い捨て可能なノーズは、更に、種々の化学物質検出のために、多数のセンサまたはセンサ・アレイも備えている。センサ・モジュールを用いる場合、使い捨て可能なノーズは、必要な残りの電子コンポーネント全てを内蔵したモジュールの1つの着脱可能なエレメントを形成することができる。そうでない場合、これらのコンポーネントは、単に使い捨て可能ノーズを受容する接続スロットを有する個人デバイス内に直接組み込まれる。このようなノーズ技術は、Canberra社やSmiths社を含むがこれらには限定されない、種々の会社が提供している。
【0063】
これより図4を参照すると、非導電性基板101が設けられており、その上に、一定のドープしたインクまたはポリマのような、一定の導電性、半導電性、および非導電性物質のパターン104が印刷または堆積されている。ポリマは、ポリアニリン、ポリベンゾチオフェン、ポリチオフェン、領域規則的(regioregular)ポリ(ヘキシルチオフェン)等を含むことができる。ポリマは、沃素、五塩化砒素、塩化鉄(III)、NOPF、およびナトリウム・ナフタリド(sodium naphthalide)のような化学物質による酸化または還元のいずれかによってドープすることができる。直接印刷に適した導電性ナノ粒子をドープした新たな安定したインクまたはポリマも用いることができ、ある用途には特に望ましい場合もある。
【0064】
基板101は、剛性(シリコンを基本とした材料のような)または可撓性のいずれでもよく、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アセテート等のようなプラスチック、あるいはインクジェット・プリンタで用いることを意図した市販のプラスチック・シートで作ることができる。インクジェット、接触印刷、スタンプ、スクリーン・プリンティング、およびその他のような多数の印刷または堆積技法が利用可能であり、当業者には周知である。
【0065】
技術を特に価格効率的とし、したがって使い捨て可能にするためには、標準的なインクジェットを用いたプラスチックのような軟性可撓性基板の広いシート上の印刷、またはフレキソ印刷のようなその他の更に新しい印刷技術が、異なる種類のドープ・インク、共役ポリマ、またはその他の可撓性を維持する化学物質を用いるのには特に適しており、高温による硬化を必要とせず、その導電性がある化学物質の結合と共に変化する。
【0066】
基板101上には、導電性リードとして機能し、安定な導電性インクまたは導電性ポリマを用いた、正確な幾何学的形状パターン104を印刷または堆積する。一方の面上のリードは、大きな接続エリア106を形成し、他方の面上には、1つまたは数個の相互空間エリア(inter-space area)108を形成し、これらのエリア内に一定のポリマの印刷または堆積を可能とし、次いでリードと相互接続し、個々のセンサを形成する。多数の対称的パターン104が基板101上に印刷され、通例、各相互空間エリアは異なるポリマを含有し、多数の個々の化学センサ107が作られ、完全なセンサ・アレイ即ちノーズ109を形成する。加えて、多数のエリア108を各センサ・エレメント108内に含ませれば、個々のセンサ各々においてポリマまたは導電性インクの漸変(gradation)または混合が可能となり、これによって、センサ全体の判別能力を高めることができる。ノーズ109上には、電気接続フレーム110が結合されている。電気接続フレーム110は、通例、Lexanポリカーボネートのような硬質プラスチックで作られ、多数の金属またはメタライズ・プラグイン・リード114を含む。リード114の各々は、エレメント101および110の接合時にセンサ・エレメント毎にエリア106を穿孔することを意図した鋭いピンに接続されており、これによって、外部接続手段を設ける。接続リードには、金をめっきした金属が特に望ましい。他の接続システムも用いることができ、導電性グルー(glue)またはゲルと組み合わせた平面コネクタ(ピン116の代わり)を含むことができる。用途によっては、硬化導電性ポリマを用いることによって、製造コストを更に一層削減することも可能である。
【0067】
ノーズ109は、非導電性基盤即ち支持部120上に堆積されている。支持部120は、導電性ゲルまたはグルーが充填した微小ウェル122を内蔵するとよい。フレーム110を機械的にエレメント109および120に接合すると、各ピン116が各対応する接続エリア106を穿孔し、個々のセンサ・エレメント毎に外部接続が可能となる。ウェル122内のゲルまたは導電性インクは、センサ・ユニット全体を封止するのに役立ちつつ、安定した長期にわたる電気接続を確保する。
【0068】
エレメント110−109−120で構成されたユニット上には、半浸透性蒸気バリア128が取り付けられ、これはGore-Tex(R)のような材料で作られ、ポリマ・センサを水への暴露の可能性から保護する。蒸気バリア128の支持フレーム内に含まれるのは、十分な高さのスペーサ(図示せず)であり、これによって形成される内部空間内に蒸気が自由に流れ、センサ基板101と相互作用することが可能となる。ユニット128−110−109−120上には、多数の孔があり、封止センサ・ユニット140を形成する保護格子136が追加される。ユニット140全体のサイズは小さく(通例、約1cm)、主にプラスチックで作られ、封止されており、低コストで、広く入手可能なパッケージに予め封入されている。パッケージは、どこでも非常に容易に購入することができる。例えば、本技術は、食料品店または薬局におけるレジで入手可能とすることもできる。
【0069】
ノーズ109は、空気に暴露すると、他のセンサ・エレメントよりも早く経時的に劣化することが知られており、センサ・モジュールまたはカートリッジのノーズを交換するときをユーザに警告するためのカウンタとして機能する、少なくとも1つの導電性化学成分を含むとよい。加えて、ノーズは、吸湿性材料で作られた湿度センサを含み、空気中にある水分量を測定するとよい。ポリマの導電性は時間および水分レベルと共に変化する可能性があるので、カウンタおよび湿度計の値の変化に応じて基準テーブルを変更するとよい。ポリマ・ノーズおよびポリマ電気回路の製造、測定、および較正に用いられる方法は、当業者には周知であり、この中に含まれている。
【0070】
ここに示す実施形態の目的は、非常に広範囲に用いることができ、非常に低いコストで一段階の「プラグ・アンド・プレイ」パッケージで規則的な間隔で交換可能な、複雑な微小化学センサの製作および使用手段を提供することである。
【0071】
使い捨て可能ノーズ技術は、具体的に、移動電話機またはPDAのような長期使用電子個人デバイスを補足する意図がある。この技術の使用によって、サリン、ソマン、VX、シアン化水素等の検出を含む、長期的低コストの多数の化学的脅威検出への適用が可能となる。また、この技術は、所与の人の独特な医学的必要性のために、彼または彼女には悪影響を有する、個人特定外部化学的危険の長期検出という用途も含む。これは、最初に米国特許第6,031,454号に記載された。
【0072】
用途によっては、予め較正した統合化単一化学センサ・エレメントの簡略化が、センサ・モジュールへの挿入のため、またはデバイスへの直接組み込みのために望ましい場合もあり、導電性ポリマ以外の技術に基づくこともできる。例えば、Figaro Engineering Inc.またはOMRON社のような会社が製造する単一化学センサを引用する。
チップ上炭疸検出器
チップ上の微小化学物質センサは、現在、激しい研究および開発努力の焦点となっている。この所与の用途で特に興味深いのは、空中の炭疸胞子のような主要生物的脅威の検出のための、表面電気化学測定に基づいた、ドライ・チップ上の微小センサである。この種の技術はなおも現在開発中であるが、ここでは、IatroQuest CorporationからのBio-AlloyTMセンサ技術を引用する。
【0073】
好適な一実施形態では、ドライ・チップ上に設けられる新たな種類の微小生物センサは、特定的に、空中の炭疸胞子を検出することができる。炭疸胞子は特別な問題を提起する。何故なら、その兵器化した形態には、抗体または組織の外皮または皮膜上にある個々の蛋白質の形状に基づく液体系検出システムでは炭疸を認識不可能にするある種の化学物質が被覆されているからである。したがって、現在炭疸を確実に検出する唯一の方法は、炭疸を分解し、精巧なDNA方法を用いることである。
【0074】
本技術は、以下の2つの原理を組み合わせて利用する。第1に、ある表面の静電気または化学的表面特性のために、小さな粒子を当該表面に誘引または反発することができるという公知の原理である。したがって、第1次元(dimension)では、そしてここで図5Aを参照すると、結晶シリコン、ガラス、またはある種のセラミックのような、超薄型で化学的に安定な非導電性面150を、小型チップ(通例、1cm以下)上に設ける。表面上には、個々の電極152を堆積し、外部接続部またはリード(図示せず)を付ける。電極は、標準的なリソグラフ技術を用いて、非導電性面内に埋め込む。続いて、マスクを用いて、化学的に異なる個々の格子154を表面150上に蒸着し、異なる化学面159の安定で永続的なアレイ156を形成する。蒸着技術には、パルス状レーザ堆積、スパッタリング、または原子層化学蒸着が適していると言える。通例、各表面は、数百から数千原子の厚さに過ぎない。
【0075】
得られたアレイは、サイズが同一で、化学表面組成が異なる、数十または数百もの永続的格子154を有する。各格子は、電気的にその近隣からは分離エリア即ち空間158によって分離されている。空間158は、シリコンのような安定な元素の溝または壁とするとよい。以下の3つの特性を有するのであれば、いずれの種類の化学物質でも、個々の格子154の製造に用いることができる。1)化学的に安定であり、広範な原子マイグレーションが生じない。2)兵器化された炭疸胞子に可能な既知の皮膜の各々に対して静電引力の度合いが変化することが分かっている化学組成を有する(強陽性から強陰性まで)。3)ある程度の導電性を有する。
【0076】
第2の次元では、そしてここで図5Bを参照すると、正確に製作した導電性微小電極160の行列を提供する。微小電極のサイズおよび具体的な形状は、炭疸164の胞子が正確に電極内に収まり(通例1ないし5ミクロンの開口を有する)、電極内に入り込んだ粒子の特性の正確な電気測定値を発生する手段を設けるようになっている。炭疸胞子と全く同じ寸法を有する埃の微小片があっても、炭疸胞子と同じ導電性および電子的サインを有することはない。電極160が形成する格子パターンは、ユニット156の個々の格子154と同じ表面積を正確に覆い、別個のユニット170を形成する。電極160は、所与の各格子では、サイズがまちまちであることも、また同じサイズであることもある。
【0077】
次に、次元1および次元2を組み合わせて、単一のチップとする。これは、例えば、電気的に不活性なスペーサ(図示せず)を用いることによって、電極160が表面159に接触しないことを確保する十分な間隔175を有する。種々の製作方法を用いることができる。2つの表面156および170を最初に2つの個別チップとして製作し、次いで超精密ダイ接合機を用いて、正確に重ね合わせることによって組み合わせる。他の代替方法では、チップを連続層に構築するか、または2つのユニットを横に並べて構築する。最も好適な実施形態では、2つの層の一方を他方の上に組み合わせて、単一の電子チップを得る。このチップは、2等級(two order)の判別および分析を行う。チップ全体は、交換可能なセンサ・モジュール内に含ませることができ、通例20ないし100μの開口を有する格子(図示せず)によって保護されており、個々の炭疸胞子は自由にセンサ・エリアを流入および流出できるが、それよりも大きな粒子は排除できる。
【0078】
次に、電気的サインを測定し、統計的判別尺度を外部マイクロプロセッサ(図示せず)によって得る。第1等級の判別は、所与の格子における粒子の、次の格子と比較した際の、粒子の保持時間および吸引度である。第2等級の判別は、格子内にある粒子の導電性測定値である。2等級の測定値および判別が設けられているので、本技術は、Principal Component Analysis (PCA)、Canonical Variate Analysis (CVA)、またはNeural Network Analysisのような、強力な統計的判別ツールによる較正に役立つ。加えて、本技術は完全に可逆性であり、したがってポリマ「ノーズ」技術に非常に類似している。当技術分野では周知の化学ノーズ技術に用いられる統計的方法および種々の圧縮アルゴリズムを引用する。
【0079】
相違は、ここで示す技術は、空気中の生物的脅威を特定的に検出するように構築されていることであり、具体的には、移動電話機のような小型個人デバイス内に含められる程度への小型化を意図していることである。加えて、本技術によって、周期的および自動的に、電極152および160を用いて表面上の極性を逆転させることによって、センサの瞬時的清浄化が可能となる。
【0080】
ここに示すセンサ技術の好適な実施形態では、このチップ上の微小炭疸検出器は、移動電話機にような小型個人デバイス内に含まれ、計画的な炭疸胞子の放出のような、テロリストの脅威の広域査察のために用いる。この技術の使用および擬陽性の排除は、放射線について以下に記載する手順および方法と同様である。
【0081】
チップ上の複合センサ(Combined Sensors)
前述のセンサ技術は、非常に小型化できるので、これらを合成すれば、単一のドライ電子チップ上に放射線、化学、および生物検出機能を設けることができ、本技術の更に別の実施形態を形成することができる。3つの技術を複合する場合、従来のリソグラフ技術および先進のリソグラフ技術をシリコン基板上で用い、他の超精密堆積および原子除去方法によって補うことになろう。放射線および生物センサのためのコンポーネントは、前述のものと同様である。しかしながら、化学センサには、クオーツ・マイクロバランス、マイクロまたはナノ導電性表面センサ等のような、一層小型化し永続性を有するセンサの技術を用いることになろう。
【0082】
尚、ドープしたマイクロまたはナノワイヤ、あるいはドープしたナノチューブを用いれば、同一マイクロチップ上に複合放射線および化学検出マイクロチップを製作可能であることは当然認められよう。実際、ドーピングによって、このようなナノワイヤまたはナノチューブの特性および導電性が変化する。化学物質の場合、ドーピング分子との特定的な結合が、導電性または電子トンネリングを変化させる。放射線の場合、前述のようなある金属の使用により、同様の変化を予期することができる。したがって、二重放射線化学センサ技術は、特に簡素で、本発明の用途には望ましい。このセンサは、センサ・モジュールに含ませたり、直接デバイス内に組み込むこともできる。
【0083】
前述の用途に加えて、先進のマイクロおよびナノ製造技術を用いることによって、単一チップ上に、ワイヤレス通信、地理的位置検出、ならびに化学、放射線、および生物的危険またはその複合外部脅威検出機能を含む、単一の「国土安全保障」チップを構築することができる。このような国土安全保障チップは、大量生産し、市販して広く流通させ、個人デバイスまたはあらゆる電子デバイス内にも統合化することによって、所与の国内における更に別のテロリストの脅威の広域検出手段を提供することができる。単一「国土安全保障」チップは、限定ではないが、Intel(R)社を含む種々の技術産業によって供給することができる。
センサとしての受動素子内蔵(Embedded Passive)
受動素子内蔵は、印刷回路製造において重要な技術として急速に台頭しつつある。何故なら、これらはスクリーン・プリントすることができ、抵抗器、コンデンサ、およびインダクタとして機能することができ、これによって回路ボードの低コスト化および小型化が可能になるからである。この技術は、移動電話機のコンポーネントを製作する際にも用いることができる。例えば、Dieceland Technologies社が製造する使い捨て可能電話機を引用する。
【0084】
本願では、そして別の実施形態を形成するにあたり、移動電話機またはPDA回路アセンブリは、受動素子内蔵技術、特に、異なる種類のポリマを用い、化学ガス・センサとして機能する表面露出内蔵受動素子を含むことができ、これによって、移動電話技術にとっては2つの重要な考慮項目であるサイズの増大やコスト上昇を全く伴わずに、兼用技術を提供することが考えられる。
【0085】
移動電話機の電子アセンブリの一部として直接ガス・センサとして機能する、特定的な表面露出内蔵受動素子を作成することにより、本技術の用途の一部には、確かな利点が得られる。例えば、ある受動低コスト監視用途では、能動である移動電話のボードのエリアのみがセンサ・エリアとなる。危険が検出された場合、移動電話機の回路全体が活性化され、熱を発生し、それによってセンサの反応が逆転する。
特定個人別危険検出技術
別の実施形態では、ロジック、ストレージ、およびマイクロプロセッシング機能を含む移動電話機、PDA、改造したページャ、または改造した腕時計のような、個人電子デバイスと組み合わせて用いる前述の使い捨て可能ノーズ技術は、個人に特定的なセンサ値のライブラリの構築を可能にする。
【0086】
例えば、ある人が特定の化学アレルギまたは多数の化学アレルギを有していたり、喘息を患っている場合、ここに記載する技術を用いれば、使い捨て可能「ノーズ」を訓練して、特定の人に対する危害を表すある種の化学成分のみを認識できるようになる。
【0087】
何が起こるかノーズを予め較正する代わりに、以下のようなことが行われる。人が外部化学物質に対して悪い反応を呈する毎に、または喘息の発作が起こる毎に、彼または彼女は、改造個人デバイス上の特殊ボタンを押下する等して、ユーザ・インターフェースを活性化し、信号を電子デバイスのマイクロプロセッサおよびメモリに中継する。その所与の時点において、ノーズのセンサ・エレメントの各々の電気的値をメモリに格納し、経時的に値の特定個人別ライブラリをデバイス内に記録する。一旦これらの値が記録されたなら、これらを比較し、併合し、次いで特定個人別基準として用い、その人に、彼または彼女が、健康に悪い反応を生ずる可能性のある化学物質を含有する環境に入りつつあることを警告することができる。
【0088】
加えて、そして、更に別の実施形態を形成するにあたり、所与の人がアレルギ反応または喘息反応を発症する毎に、センサ値をネットワークを通じてセキュア・データベースに中継してもよい。次いで、遠隔データベース上に格納されている値を用いて、正確な特定個人別化学アレルゲンを特徴化し、これによって、喘息または化学的アレルギ患者のために特定個人別薬品処置を個々に作成することができる。双方向ワイヤレス・リンクも用いると、ソフトウェアをデバイス内に自動的にアップロードし、今後特定個人別危害を認識し、前記個人に警告するようなことも可能になる。
【0089】
ここに示す技術および方法が重要なのは、多数の人が世界中で化学アレルギに苦しんでいるにも拘わらず、どの化学成分がこれらの悪い反応の原因となるか、そしてどのようにこれらがひとりひとりで変化するのか、正確に予め評価することが非常に難しいからである。
【0090】
ここに示す技術は、センサ・モジュール内に含ませることができ、使い捨て可能ノーズのみを受容する単純なスロットを有する(そして残りの電子回路がデバイス内部に構築されている)改造個人デバイスの一部として構築することができ、またはセンサ・コンポーネントおよび関連する電子回路を直接個人デバイス内に組み込むこともできる。サブミクロン製作方法を用いれば、ここに示す検出技術および方法は、腕時計の中に含ませることさえ可能となる。
放射線マイクロセンサを内蔵した移動電話機
移動電話機内部にある多くの電子コンポーネントは、通例、放射線事象の基準または測定デバイスとして機能することができる。何故なら、微小電子コンポーネント、そして特に小型論理ゲートは、イオン化および粒子放射線(particle radiation)に感応することが知られているからである。このため、一部の微小電子コンポーネントは現在放射線には不感応となるように「硬化」されている。しかしながら、本願では、この考えは、電話機内部のコンポーネントの一部を、放射線のような外部脅威に対する特に優れた測定デバイスにするものとなる。この技術は、公衆の個々の人々に国家の脅威査察努力に直接貢献させることによって、全地球規模または広域査察努力に寄与することができるという点で重要である。更に、移動電話機のような個人デバイス内に測定デバイスを内蔵することによって、人々は彼らの移動電話機を多元的に使用することができ、携帯電話製造業者には重要な経済的刺激となる。
【0091】
移動電話機および脅威評価技術は、安全保障用途の一部のために改竄防止機構を含むとよく、以下に記載するように、透過的な発呼で査察ネットワーク内に入れるようにするとよい。
【0092】
このような監視機能を直接移動電話機に組み込み、この機能は政府または米国におけるFCCのような組織によって指令されるか、あるいはこのような兼用技術をその消費者に影響することの恩恵を実現する移動電話機製造業者によって自発的に選択されると仮定すると(交換可能センサ・モジュールまたは内蔵コンポーネントのいずれかとして)、以下の状況が考えられる。
【0093】
ここで図6を参照すると、「汚れた爆弾」または原子兵器のようなデバイスを搬送するトラック202が高レベルの放射線(通例、ガンマ線、中性子線、およびx線)をセシウム137、コバルト60、ウラニウム、またはその他の放射性物質から放出し、強いサインがある。トラック202は、ある経路に沿って進み、多数の改造した移動電話機204、205、206および207と、例えば、このような電話機を装備した乗員がいる車の隣を走ることによって、近接して、そして素早く連続して遭遇する。トラック202に最も近い電話機206は、異常レベルの放射線を拾い上げ、自動的にそして透過的に電話機を活性化する。すると、電話機は、メモリに格納されている、予めプログラムされた命令にしたがって、セルラ・ネットワークに発呼する。代替設計および構成では、48に示すようにユーザに最初に知らされ、次いで911またはその他の緊急用番号に通話する選択肢を有する。この代替策では、発呼選択肢だけでなく、緊急音声または画面指示をユーザに与えるように、移動電話機内にソフトウェアを含ませるとよい。ユーザは、彼または彼女にとって、トラックが疑わしく見えるか否か判断し、そしてトラックの詳細な記述、場所、および運転手を警察に伝える。交換可能センサ・モジュールを用いる場合、個々のモジュールは、ユーザおよび/またはネットワークへの命令を有するソフトウェアを含むとよい。
【0094】
本技術が公衆によって広く採用されるためには、個々のユーザ各々が、彼または彼女が広域査察努力に参加したいか否か自己判断させ、自動通知をオンにする、電話機をマニュアルに設定する、またはセンサ機能を全く使用しないといういずれかの選択肢を有することができるようにすることが重要である。
【0095】
自動化透過システムを用いる場合、地理的位置検出は2つの別個の手段で設けることができる。GPSチップが既にデバイス内にある場合、GPS座標を、他のキー情報と共に、ネットワークに供給する。電話機にGPSチップが装備されていない場合、E911システムを用い、2カ所の最も近いタワー210および212と移動電話機との間で地上系三角測量を行う。この情報をネットワーク・コンピュータ220に中継し、予め設定した命令にしたがって、この事象を記録し監視する。電話機204、205、206および207(あるいは、多数のユーザ)が素早く連続的に同じ情報を中継するして、トラック202が進む経路を示すだけでなく、擬陽性事象を排除する手段としても機能する。特殊化したコンピュータ・アルゴリズムを開発し、擬陽性の排除に役立てるとよい。この場合、例えば、ベイズの手法を利用すると、特に有用であると思われる。
【0096】
コンピュータ220および/またはE911の操作者は、次に、224で示すような関連の緊急システムに、リンク216を通じて情報を伝達する。リンク216は、インターネット、専用電話機またはT1回線、ワイヤレス・リンク、衛星リンク、またはその組み合わせとすることができる。通例、緊急情報は、米国における国土安全保障主導に対する応答として、職務についているまたは職務につきつつある地方の警察、または迅速応答チーム、または連邦緊急システムに中継される。
【0097】
ここで図7を参照すると、以下のソフトウェアおよび判断パスならびに警告レベルを採用することができる。第1に、ネットワークは、同じ全体エリアからではあるが多数の異なる移動電話機から来る警告242の急激な増大があるか否か判定を行う。次に、244に示すように、潜在的脅威の臨界のレベルを、その正確な場所(例えば、大都市)によって判定する。次に、数メートル以内で脅威の正確な場所に関する情報を計算し、この情報をGPS座標および/または正確なマップ座標(道の名称等)に変換する。次いで、248に示すように、この情報を特殊緊急チーム(例えば、高感度センサを装備した警察者)に中継する。
【0098】
特殊車の座標を、潜在的脅威の座標と照合すると、汚い爆弾の可能性があるものを搬送しているトラックまたは車の正確な特定が可能となる。特殊車内の高感度検出器が潜在的危険250を確認した場合、これが第2レベルの警告の引き金となり、いくつかの選択肢を取ることができる。それらの1つは、容疑車両を停車させ、特殊チーム254を送り込み、視覚的に脅威を検査できるようにすることである。脅威が確認された場合、高レベル警告258を活性化することができる(エリアからの避難等)。Cryo3(Lawrence Livermore, Los AlamosおよびLawrence Berkeley National Laboratoriesが共同開発した)またはBerkeley Nucleonics社からのSAM935のように、特殊車内に取り付けるのに適した高感度遠隔放射線検出器は多数ある。
【0099】
前述の方法および装置を用いることによって、段階的手法が得られ、希少な脅威事象の検出機会が最大限増加するだけでなく、擬陽性を排除するが、既存のネットワークおよびシステムを用いることによって全体的なコストも最少に抑える手段が適用される。先に示したように、基幹的特徴は、システムが非常に柔軟であり、Lawrence Livermore National LaboratoryがWide-Area Tracking System (WATS:広域追跡システム)のために既に試作したもののような、特殊化したベイズ・ソフトウェアの追加によって、自動化できることである。
【0100】
以上の説明は、放射線に限定されていたが、同様の手法は、有毒神経ガス、または生物テロリズムにさえも採用することができる。実際、本願において示すように、微小チップ製作における急速な進歩によって、今や微小ドライ・チップ上で炭疸胞子のような兵器の検出が可能になっている。このようなセンサは、移動電話機を含む、人が携行する小型個人デバイス内に含ませることができる。先に示したように、確率分析を用いることによって、多数の事象を素早く検出し、位置を特定し、視覚検査および/または更に高価な検出技術の使用によって確認することができる。潜在的な汚い爆弾、または炭疸菌の放出のいずれの場合でも、この段階的検出方法は、擬陽性の排除を非常に低いコストで可能にする。ここに示す技術は、したがって、大多数の命を救い、経済的惨事を回避するのに役立てることができる。ここに記載する技術は、できるだけ低いコストのものとなることを特定的に意図している。何故なら、これは多くの既存のコンポーネントを用いて広域査察に有効な方法を提供するからである。
【0101】
以上、完全に自動化したシステムについて説明したが、汚い爆弾または炭疸菌放出のような主要な脅威の検出は、改造移動電話機を装備した人によって直接的にそして手作業にて遂行することが最良である場合もある。実際、図6を参照すると、トラック202に接近し、移動電話機206が警報を出すことによって、電話機の携行者は数回トラックに近づいたり遠ざかったりする場合もある。センサが数回活性化および不活性化されると、これは、トラック内における放射線源が存在する可能性が高いことを確認したことになる。その時点で、911システムに通話して、トラックの正確な記述、運転者、およびトラックの場所を通報すれば、警察が直ちにトラックを停止させ検査することができる。
モジュール型万能検出器
代替設計および別の実施形態では、ここで説明し最初に米国特許第6,031,454号に記載された広域査察技術を変更し、以下に述べるように、部分的にセル電話技術に基づくものとした。ここに示す実施形態における技術は、輸送産業の部門のような、個々の産業構成種別毎に一層特化されている。ここでも、非常に低コストの解決策でありながら、広く展開して主要な脅威の検出機会を最大に高められることを強調する。輸送産業は、FEDEXTM、UPSTM、ならびにその他の種々の輸送および搬送産業を含むことができるが、これらに限定される訳ではない。
【0102】
移動電話機、PDA、または腕時計内に直接センサを内蔵させたり、センサ・カートリッジを挿入するスロットを備えた新たな種類の個人デバイスを提供する代わりに、以下の特徴を有するプログラム可能で完全にモジュール型のデバイスを提供する。
【0103】
・あらゆる予備較正したセンサ、センサ・デバイス、またはセンサ・モジュールに直接接続することができる。
・ワイヤレス・リンクを通じてあらゆる種類の遠隔ネットワークにリンクすることができる。
【0104】
・トラック、出荷コンテナ、バス等に追加される堅牢な設計である。
・電力消費が非常に少ない。
・潜在的緊急事態によってシステムが活性化されるまで、所有者に月額ネットワーク料金の負担がかからない。
【0105】
・非常に低コストで小型である。
これより図8を参照すると、センサまたはセンサ・アレイ282は、マイクロコントローラ284によって制御され、所与の外部危険性を連続的に監視する。マイクロコントローラ284およびセンサ282は、接続され(286)、外部電源288を含むことができる自律ユニットを形成する。マイクロコントローラ284は、センサ282の基準値を格納してあり、一定のしきい値に対して警報を設定するようにプログラムすることができる。明確化のために、必要な電子コンポーネント(アナログ/ディジタル変換器等)が全て図8には示されている訳ではないが、それらは当業者には周知である。
【0106】
デバイス282および284は、自己充足ユニット290を形成し、予備較正した放射線モニタのような、いずれの形式の商業的「市販品」即ちCOTSセンサ・ユニットとすることもできる。例えば、NATOが使用しているSiemens Electronic Personal Dosemeter(EPD)およびSiemens Neutron Electronic Personal Dosemeter(EPD−N)を引用しておく。化学物質についても、Cyrano Sciences社が製造する「Cyranose」のような、多数のCOTS技術およびセンサが入手可能である。生物物質の方が現在入手可能なCOTSは少ないが、Lawrence Livermore National Laboratoryが製造するHANNA検出器の改造機種が一部の用途には適している場合がある。加えて、前述の個々のセンサは、いずれも、センサ・エレメント282の基礎として用いることもできる。
【0107】
ユニット290からの信号、例えば、内蔵アラームからの信号を接続部296を介して受信するために、インターフェース294が設けられている。インターフェース294は、コネクタにおける単純なプラグとすることもでき、ユニット290からの信号を低減または増幅する電圧補正器(図示せず)を含むとよい。また、インターフェース294は、ユニットをオンにする微小リレーまたは同様の手段を含むこともできる。これについては以下で説明する。インターフェース294の目的は、いずれの種類のモジュールにでも相互交換可能な接続でき、それによって検出器技術の選択に完全な柔軟性を許容することである。
【0108】
インターフェース294は、以下のコンポーネントを含む自己充足プログラマブル・モジュール型通信ユニット300の一部をなす。
プログラマブル・マイクロコントローラ304は、リンク302を介してインターフェース294に接続されている。マイクロコントローラ304は、微小キーボード206を含み、外部ユーザによる所与の発呼番号の容易な入力および格納を可能にする。このような番号は、911、所与の会社のセキュリティ・システム、インターネットに接続されているシステムへのファックス番号または発呼番号を含むことができる。キーパッド306は、リンク308を介してマイクロコントローラ304に接続されている。
【0109】
また、マイクロコントローラ304は、リンク312を介して、インターフェース310にも接続されている。インターフェース310は、ユーザ入力に高い柔軟性を可能にする。例えば、インターフェースは、記録可能なチップとするとよく、その場合、ユーザは、「これは、隊列(fleet)XXXからのトラック番号XXXです。潜在的な危険性がこのトラックの中で検出されています。直ちに警察に通知して下さい」というような彼または彼女自身のメッセージを記録することができる。あるいは、メッセージを電子的にユニット310にダウンロードすることもできる。その場合、ユニット310は、ファックスまたは電子メールによって所与のセキュリティ事務所に連絡を取ることを目的としたチップとすることができる。別の代替案は、インターネットに基盤を置くシステムまたはセキュリティ・サーバに宛てた電子セキュリティ・コードおよびパスワードと共に予め記録されているメッセージである。また、ユニット310は、マイクロコントローラ304のプログラミング、ならびに必要なハンドシェークおよび/またはセキュリティ・プロトコル全ての格納も可能とし、所与のネットワークまたはセキュリティ・システムにアクセスできるようにする。
【0110】
マイクロコントローラ304は、リンク314を介して、通信ユニット320に接続されている。通信ユニット320は、通信チップ324および送信/受信アンテナ328を備えている。マイクロコントローラ304は、電力接続部318によって給電されている。電力接続部318は、ユニット300全体に給電し、更にリンク302および296を介してユニット290にも給電することができる。
【0111】
柔軟性を最大限高めるために、特に外部電源が使用可能な場合、マイクロコントローラ304は、ロジック、プロセッサ、およびメモリのプログラマブル内部コンポーネントを含むことが好ましく、例えば、Xilinx CorporationからのCoolRunnerTMチップを引用する。センサの用途およびユニット284の存在に応じて、マイクロコントローラ304は、更に高価な処理手段を含むこともでき、外部記憶ユニット(図示せず)も含むことができる。現場プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を用いる場合、Xilinx Corporationが製造するMicroBlazeのような処理ソフトウェアを用いると、容易にかつ便利にユニットをプログラムすることができる。
低コスト・セキュリティ・ネットワーク
好適な実施形態では、「従量制」(pay as you use)技術を用いて、ユーザが月極料金を回避できるようにする。この新たな技術は、基本的に、ネットワーク上である通信分数(minute)または通信単位数の前払いを可能にする。ここに示す技術は、例えば、Hop-On Corporationが用いており、ここで用いるには理想的な種類のシステムである。何故なら、通信システムは、希な事象によって活性化されるまで、または離れた場所から活性化されるまで(例えば、遠くからトラックの内容をチェックするため)、オフになっているように設計されているからである。また、米国においてはFCCによって指導されているように、911またはE911通話は無料通話であり、もはや活性化されない移動電話機でさえもこれらの番号を保持していなければならないことを記しておく。ここに示すシステムの使用は、したがって、月極料金をなくし、コストを削減するための別の方法である。
【0112】
これより図9を参照する。予め設定したしきい値50に達すると、マイクロコントローラ284は信号をマイクロコントローラ304に読み出し、次いでマイクロコントローラ304は信号354を通じてユニット300をオンにする。代替設計では、インターフェース294は、ユニット300をオンにする「オフ/オン」微小リレー(図示せず)またはその他のデバイスを含み、電力消費を最少に抑えることもできる。リレーまたはオン/オフ・スイッチ機能のための電力は、ユニット290または300のいずれかから供給する。これの目的は、電力消費を最少に抑えることである。センサ・ユニット290は、特にこれがマイクロまたはナノセンサを有する場合、極低消費電力とすることができる。通信モジュールがオンになるのは必要なときだけであるので、ユニット全体は小型の高容量バッテリで長時間動作することができる。このバッテリは、リンク288によって再充電することもできる。リンク288は、前述のデバイスを用いるトラック、列車または輸送システムの電源に接続することができる。
【0113】
米国特許第6,031,454号に記載されているように、通信ユニットまたはシステムは、遠方からオンにして、例えば、所与のセンサ値をチェックすることができ、種々の異なる設計が可能である。
【0114】
次いで、マイクロコントローラ304は、予め格納されている発呼番号またはコード356を検索し、チップ324およびアンテナ328に給電することによって、ユニット320を活性化する。次いで、358に示すように、接続を確立し、マイクロコントローラ304は、ユニット310内に予め記録されているメッセージを検索し、次いで、362に示すように、メッセージを送る。種々の「ハンドシェーク」プロトコルがユニット310内に格納されており、364に示すように、配信を確認する。可能な繰り返しループ366が含まれており、予めプログラムされているユニットは、368に示すように遮断するか、またはループ370内に示すようにメッセージを繰り返す(この場合、無限ループを防止するためにカウンタを含むことになる)といういずれかの選択肢を有する。
【0115】
図8に記載したデバイスは、完全に自己充足型であり、トラック、バス、コンテナ等の内部に取り付けることを意図している。ユニット全体は、通例、堅牢であり、熱、振動等に耐えるように構築されている。また、このデバイスを封止すれば抗改竄(anti-tampering)をしなくても済み、抗改竄技術(ユニットが取り外されたり切断された場合の特殊メッセージを有する起動通知等)を含むこともできる。ユニット全体は非常に小さく(通例、たばこパックのサイズ)、トラック、バス、または輸送システムの本体内に容易に隠蔽することができる。
【0116】
ここに記載したCOTSコンポーネント、台頭しつつある中性子用マイクロチップ放射線センサや、検出および製造方法を用いると、汚い爆弾の広域検出用微小遠隔センサを100米ドル未満で構築することができ、これによって本技術を非常に広く展開することが可能となる。
【0117】
尚、本発明の原理全体を例示する図8および図9には、多くの異なる種類の設計が可能であることは認められよう。
これより図10を参照すると、自己充足出バスを装備したトラック412またはコンテナが、例えば、イオン化放射線源、または通常存在すべきでないその他の潜在的危険性を収容した小包を積載している。すると、これが通信ユニット300を活性化し、GPS、三角測量技術によってトラックの地理的位置を検出するか、あるいは直接運転者および/またはトラックを所有する会社に連絡を取れば、迅速にトラックを調査することができる。この特定的な実施形態では、ネットワーク216を通じた通信420を、トラックを所有する会社または輸送システムのために動作する内部セキュリティ・システムに誘導する(route)ことが最も好ましい。すると、会社は、次に必要な処置は何か判断することができる。例えば、トラックの運転者に通知し、停止する(または人口密集エリアでは直ちに離れる)ように要請することができる。本当の高レベルの脅威が疑われる場合、セキュリティ・マネージャまたはシステムが直ちに情報を警察または連邦セキュリティ・システムに転送することができる。連邦セキュリティ・システムは、国土安全保障構想の一部として設置されている。
【0118】
以上、完全かつ明確な開示を目指して、本発明の具体的な実施形態について説明したが、添付した特許請求の範囲は、そのように限定されるのではなく、ここに明記した基本的教示に合法的に該当する、当業者に想起し得るあらゆる変更および代替構造を具体化するものとして解釈することとする。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、化学、放射線、または生物脅威に対するセンサ・モジュールを受容する内蔵挿入スロットを有する移動電話機の正面図である。
【図2】図2は、移動電話機にような個人用電子ワイヤレス・デバイス内へのセンサ・モジュールの挿入に応答する、好ましい電子通過経路の図である。
【図3A】図3Aは、ここに記載するデバイス内に収まる程十分小さく、測定デバイスおよび制御デバイスを有する、チップ上の微小電子放射線検出器の設計である。
【図3B】図3Bは、電子トンネリング放射線測定ナノデバイスである。
【図4】図4は、本発明の目的のために用いられる使い捨て可能な化学ノーズの内部エレメントを示す斜視図である。
【図5A】図5Aは、ドライ・チップ上の電子炭疸検出器の第1コンポーネントを形成する多重面アレイを示す斜視図である。
【図5B】図5Bは、ドライ・チップ上の電子炭疸検出器の第2コンポーネントの側面および上面斜視図である。
【図6】図6は、トラック内部に隠されている汚い爆弾のような潜在的な危険性の存在に応答し、国民の一人一人が携行する改造移動電話の使用を示す図である。
【図7】図7は、潜在的テロリストの脅威に対する応答を、どのように3つの連続制御および警報レベルで迅速に活性化することができるかを示す。
【図8】図8は、化学的、放射線、または生物脅威の存在を離れたところから検出し、万能インターフェースを有するモジュール型ワイヤレス検出器のブロック図である。
【図9】図9は、図8に記載したモジュール型検出器に好適な電子通過経路の図である。
【図10】図10は、潜在的な脅威または危険がトラック上に装填されると直ちに、どのようにして、モジュール型電子検出器を内蔵したトラックを特定し位置を突き止めるかを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
局地的査察に用いる個人ワイヤレス・デバイスであって、
遠隔通信機能とセンサ・モジュールとを有するワイヤレス・デバイスであって、前記センサ・モジュールは、周囲の雰囲気における有害物質の存在を検出する少なくとも1つのセンサを備えている、ワイヤレス・デバイスと、
前記デバイス内に一体化され、少なくとも双方向通信機能を与える通信システムであって、前記ワイヤレス・デバイスが遠隔ワイヤレス・ネットワークと通信状態にある、通信システムと、
前記センサ・モジュールによって受信した情報について、個人に警告することによって、前記センサ・モジュールが検出した有害物質の存在を通知する通知信号と、
マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを有する制御システムであって、該制御システムは前記ワイヤレス・デバイスおよび前記センサ・モジュールを動作させることができ、前記制御システムは、更に、前記デバイスの前記通信システムと一体化されて前記遠隔通信機能を与え、前記検出した有害物質について個人に警告する前記通知信号を供給する、制御システムと、
を備えている個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記ワイヤレス・デバイスは、改造した移動電話機である、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項3】
請求項2記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記移動電話機は、使い捨て可能である、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項4】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記ワイヤレス・デバイスは、改造したパーソナル・ディジタル・アシスタントである、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項5】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記ワイヤレス・デバイスは、改造した双方向ページャである、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項6】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記ワイヤレス・デバイスは、改造した腕時計である、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項7】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記デバイスは、前記ワイヤレス・ネットワークを通じて特定可能な一意のサインIDを有する、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項8】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記ワイヤレス・ネットワークは、遠隔地に通信を行う、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項9】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスであって、更に、前記個人ワイヤレス・デバイスを携行する個人の位置を判定する地理的測地手段を備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項10】
請求項9記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記地理的測地手段は、三角測量技術に基づく、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項11】
請求項10記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記地理的測地手段は、前記個人ワイヤレス・デバイスの内部にある、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項12】
請求項11記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記地理的測地手段は、静止衛星に基づき、更に、全地球測地衛星(GPS)技術を含む、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項13】
請求項10記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記地理的測地手段は、前記個人ワイヤレス・デバイスの外部にある、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項14】
請求項13記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記地理的測地手段は、陸上設置通信システムに基づく、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項15】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記ワイヤレス・デバイスは、更に、前記センサ・モジュールを受容する、内蔵スロットを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項16】
請求項15記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、プラグ・アンド・プレイ型技術の使用により、前記内蔵スロット内に固定することによって、一体化した兼用ユニットを形成する、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項17】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、更に、複数のセンサを備えており、該センサは、放射線センサ、化学センサ、生物センサ、およびその組み合わせから成る群から選択する、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項18】
請求項17記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、更に、マイクロセンサ、マイクロセンサ・アレイ、ナノセンサ、およびその組み合わせを含む、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項19】
請求項17記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、化学物質、放射性物質、生物物質、およびその組み合わせから成る群から選択された物質の少なくとも1つを検出可能である、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項20】
請求項17記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、更に、目標とした物質のための統合した測定および制御デバイスを有するチップを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項21】
請求項17記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、更に、周囲エリア内に存在する放射線のレベルを検出可能な放射線センサを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項22】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、該個人デバイスは、更に、
所与の放射線サインを格納し認識するプログラマブル手段と、
手動で通知機能を選択する手段と、
を備えており、個人の前記通知用信号は、前記脅威特性の外部プログラム可能番号へのワイヤレス・リンクを介した自動発呼によって与えられるか、あるいは段階的画面または音声命令、重要な番号、および前記脅威の存在に関係する前記デバイスの携行者への可聴警告を与える、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項23】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記放射線センサは、更に、
少なくとも2つのマイクロデバイスを有するセンサであって、少なくとも1つのマイクロデバイスは放射性物質の存在に対して感応し、少なくとも1つのマイクロデバイスはこれに不感応である、センサと、
遮蔽材であって、選択したセンサ・コンポーネント上に設ける、遮蔽材と、
前記マイクロデバイスが供給する電気出力を比較する手段であって、前記センサはマイクロデバイスの検出レベルによって、放射線の具体的な種類を認識する、手段と、
を備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項24】
請求項23記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記マイクロデバイスは、ドープした結晶およびドープしない結晶を有する少なくとも2つのクロックから成り、前記マイクロデバイス検出レベルは、前記結晶の具体的なドーピングおよびコーディングによって得られる、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項25】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記放射線センサは、更に、外部中性子源の捕獲および測定の二重機能を果たすダイオードから成る、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項26】
請求項25記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記ダイオードは、硼素、ドープしたリチウム、および被覆した超純粋ダイオードから成る群から選択する、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項27】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記放射線センサは、更に、ナノワイヤにおける電子トンネリングの原理に基づくセンサから成る、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項28】
請求項27記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記ナノワイヤにおける電子トンネリングは、ギャップを有する硼素ドープ・シリコン・ナノワイヤ(SiNW)を含む、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項29】
請求項28記載の個人ワイヤレス・デバイスであって、更に、リチウムから成る埋め込み捕獲エリアを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項30】
請求項28記載の個人ワイヤレス・デバイスであって、更に、硼素6から成る埋め込み捕獲エリアを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項31】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記放射線センサは、更に、増幅機能を有する電子指向性半導体中性子センサから成る、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項32】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記放射線センサは、更に、微小ベリリウム凹状ディッシュから成る中性子集中手段から成る、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項33】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記放射線センサは、更に、移動電話機の内部論理ゲート・コンポーネントの使用から成り、これによって、放射線感応エリア、放射線硬化エリア、および遮蔽エリアを、前記移動電話機の内部回路内部に直接設ける、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項34】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記放射線センサは、更に、微小ガイガー・ミュラー管および関連する電子回路から成る、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項35】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記放射線センサは、更に、直接イオン蓄積(DIS:Direct Ion Storage)MOSFETトランジスタから成る、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項36】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記デバイスは、更に、ソフトウェアを内蔵し、ガンマ線および中性子の二重認識のための多数の微小ソリッド・ステート放射線検出器と、前記検出器における具体的な放射線サインを認識する較正手段とを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項37】
請求項21記載の個人ワイヤレス・デバイスであって、更に、前記ワイヤレス・デバイスをオフにするが、前記放射線センサおよび通知手段はオンのままにしておくことによって、電源システムの節約を可能にする機能を備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項38】
請求項17記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、更に、前記周囲エリア内に存在する化学物質のレベルを検出するように設計されているセンサを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項39】
請求項38記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサは、更に、多数の異なる化学成分を同時に測定可能な完全可逆センサ・アレイを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項40】
請求項39記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・アレイは、使い捨て可能な化学ノーズ上に設けられる、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項41】
請求項39記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・アレイは、微小低電力電子チップ上に設けられる、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項42】
請求項38記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサは、更に、多数のセンサまたはセンサ・アレイを備えている自己充足使い捨て可能化学ノーズを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項43】
請求項42記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記化学ノーズは、更に、
劣化し得る成分で作られた、交換時間のためのカウンタと、
湿度センサと、
前記ノーズの前記個人ワイヤレス・デバイスへの一段階差し込み、または前記ノーズの前記個人ワイヤレス・デバイスからの除去を可能にする、ピンおよび外部支持フレームと、
を備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項44】
請求項42記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサは、共役ポリマを含む、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項45】
請求項42記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサは、ナノ粒子をドープした化学物質を含む、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項46】
請求項42記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、印刷技術を用いて、前記化学ノーズをチップ上に製作する、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項47】
請求項46記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記用いる印刷技術は、フレスコグラフィック印刷である、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項48】
請求項46記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記用いる印刷技術は、インクジェット技術である、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項49】
請求項17記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、二重検出センサを設けることによって、化学物質および放射線レベルを検出可能とした、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項50】
請求項17記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、更に、前記周囲エリア内に存在する生物物質のレベルを検出可能な生物物質センサを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項51】
請求項17記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記センサは、炭疸を検出可能である、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項52】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスであって、更に、内蔵電源システムを備えている、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項53】
請求項52記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記内蔵電源システムは、再充電可能バッテリから成る、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項54】
請求項52記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記内蔵電源システムは、1回使用のバッテリ電源から成る、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項55】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記通信機能は、口頭通信によって設けられる、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項56】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記通信機能は、テキスト通信によって設けられる、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項57】
請求項1記載の個人ワイヤレス・デバイスにおいて、前記通知信号は、可聴アラーム、テキスト・メッセージ、緊急応答システムへの接続指令、通知の着信、およびその組み合わせから成る群から選択する、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項58】
少なくとも1つの機能が、外部の化学的または放射線環境脅威の検出である、多重機能低コスト個人電子ワイヤレス・デバイスの製造方法であって、
前記電子ワイヤレス・デバイスの電気回路の埋め込みエレメントを構築するための第1組の導電性分子を用いて、個人デバイスを製作するステップと、
前記デバイスの露出エリア上に直接構築する化学センサを設けることによって、全体的な製作コストを削減するために、第2組の導電性分子を用いるステップと、
を含む、方法。
【請求項59】
請求項58記載の方法において、前記センサは、前記個人デバイス内に設けられた回路ボードの露出エリア上に設けられている、方法。
【請求項60】
請求項58記載の方法において、前記センサは、前記個人デバイス内に設けられているチップの露出エリア上に設けられている、方法。
【請求項61】
請求項58記載の方法によって、前記方法が、更に、受動素子内蔵の使用を含む、方法。
【請求項62】
請求項58記載の方法によって、前記方法が、更に、共役ポリマの使用を含む、方法。
【請求項63】
請求項58記載の方法によって、前記方法が、更に、ナノ粒子をドープしたインクまたはポリマの使用を含む、方法。
【請求項64】
請求項58記載の方法によって、前記方法が、更に、ドープしたナノワイヤの使用を含む、方法。
【請求項65】
請求項58記載の方法によって、前記ワイヤレス・デバイスが移動電話機となる、方法。
【請求項66】
請求項65記載の方法によって、前記移動電話機が使い捨て可能となる、方法。
【請求項67】
請求項58記載の方法によって、前記ワイヤレス・デバイスがパーソナル・ディジタル・アシスタントとなる、方法。
【請求項68】
請求項58記載の方法によって、前記ワイヤレス・デバイスがページャとなる、方法。
【請求項69】
請求項58記載の方法によって、前記ワイヤレス・デバイスが腕時計となる、方法。
【請求項70】
デバイス内に組み込まれ、環境内における外部脅威を検出する自己充足型センサ・モジュールであって、チップ上に少なくとも1つのセンサを設け、周囲エリア内において有害物質の検出を行う、自己充足型センサ・モジュール。
【請求項71】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサ・モジュールは、遠隔通信機能を備えた小型個人デバイス内に納まる程度に小さい、センサ・モジュール。
【請求項72】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、該モジュールは、更に、複数のセンサを備えており、該センサは、放射線センサ、化学センサ、生物センサ、およびその組み合わせから成る群から選択する、センサ・モジュール。
【請求項73】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、前記複数のセンサは、更に、マイクロセンサ、マイクロセンサ・アレイ、ナノセンサ、およびその組み合わせを含む、センサ。
【請求項74】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサ・モジュールは、化学物質、放射性物質、生物物質、およびその組み合わせから成る群から選択された物質の少なくとも1つを検出可能である、個人ワイヤレス・デバイス。
【請求項75】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、前記チップは、更に、前記有害物質のための統合測定および制御デバイスを含む、センサ・モジュール。
【請求項76】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、該モジュールは、更に、前記周囲エリア内に存在する放射線のレベルを検出可能な少なくとも1つの放射線センサを備えている、センサ・モジュール。
【請求項77】
請求項76記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線センサは、更に、
少なくとも2つのマイクロデバイスを有するセンサであって、少なくとも1つのマイクロデバイスは放射性物質の存在に対して感応し、少なくとも1つのマイクロデバイスはこれに不感応である、センサと、
遮蔽材であって、選択したセンサ・コンポーネント上に設ける、遮蔽材と、
前記マイクロデバイスが供給する電気出力を評価する比較システムであって、前記センサは、前記マイクロデバイスの検出レベルによって特定の種類の放射線を認識し、これに応じて通知信号を供給するように特別に作られている、比較システムと、
を備えている、センサ・モジュール。
【請求項78】
請求項77記載のセンサ・モジュールにおいて、前記マイクロデバイスは、ドープした結晶およびドープしない結晶を有する少なくとも2つのクロックから成り、前記マイクロデバイス検出レベルは、前記結晶の具体的なドーピングおよびコーディングによって得られる、センサ・モジュール。
【請求項79】
請求項77記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線センサは、更に、外部中性子源の捕獲および測定の二重機能を果たすダイオードから成る、センサ・モジュール。
【請求項80】
請求項79記載のセンサ・モジュールにおいて、前記ダイオードは、硼素、リチウム・ドープ、および被覆した超純粋ダイオードから成る群から選択する、センサ・モジュール。
【請求項81】
請求項76記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線センサは、更に、ナノワイヤにおける電子トンネリングの原理に基づくセンサから成る、センサ・モジュール。
【請求項82】
請求項81記載のセンサ・モジュールにおいて、前記ナノワイヤにおける電子トンネリングは、ギャップを有する硼素ドープ・シリコン・ナノワイヤ(SiNW)を含む、センサ・モジュール。
【請求項83】
請求項82記載のセンサ・モジュールであって、更に、リチウムから成る埋め込み捕獲エリアを備えている、センサ・モジュール。
【請求項84】
請求項82記載のセンサ・モジュールであって、更に、硼素6から成る埋め込み捕獲エリアを備えている、センサ・モジュール。
【請求項85】
請求項76記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線センサは、更に、増幅機能を有する電子指向性半導体中性子センサで構成されている、センサ・モジュール。
【請求項86】
請求項76記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線センサは、更に、微小ベリリウム凹状ディッシュから成る中性子集中手段で構成されている、センサ・モジュール。
【請求項87】
請求項76記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線センサは、更に、移動電話機の内部論理ゲート・コンポーネントの使用から成り、これによって、放射線感応、放射線硬化、および遮蔽エリアを、前記移動電話機の内部回路内部に直接設ける、センサ・モジュール。
【請求項88】
請求項76記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線センサは、更に、微小ガイガー・ミュラー管および関連する電子回路で構成されている、センサ・モジュール。
【請求項89】
請求項76記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線センサは、更に、直接イオン蓄積(DIS)MOSFETトランジスタで構成されている、センサ・モジュール。
【請求項90】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、該モジュールは、更に、前記周囲エリアに存在する少なくとも1つの化学物質のレベルを検出するように設計されているセンサを備えている、センサ・モジュール。
【請求項91】
請求項90記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサは、更に、多数の異なる化学成分を同時に測定可能な完全可逆センサ・アレイを備えている、センサ・モジュール。
【請求項92】
請求項91記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサ・アレイは、使い捨て可能な化学ノーズ上に設けられている、センサ・モジュール。
【請求項93】
請求項91記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサ・アレイは、微小停電力電子チップ上に設けられている、センサ・モジュール。
【請求項94】
請求項90記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサは、更に、多数のセンサまたはセンサ・アレイを備えている自己充足使い捨て可能化学ノーズを備えている、センサ・モジュール。
【請求項95】
請求項94記載のセンサ・モジュールにおいて、前記化学ノーズは、更に、
劣化し得る成分で作られ、交換する時間のためのカウンタと、
湿度センサと、
前記ノーズの前記個人ワイヤレス・デバイスへの一段階差し込み、または前記ノーズの前記個人ワイヤレス・デバイスからの除去を可能にする、ピンおよび外部支持フレームと、
を備えている、センサ・モジュール。
【請求項96】
請求項94記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサは、共役ポリマから成る、センサ・モジュール。
【請求項97】
請求項94記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサは、ナノ粒子をドープした化学物質である、センサ・モジュール。
【請求項98】
請求項94記載のセンサ・モジュールにおいて、印刷技術を用いて、前記化学ノーズをチップ上に製作する、センサ・モジュール。
【請求項99】
請求項98記載のセンサ・モジュールにおいて、前記用いる印刷技術は、フレスコグラフィック印刷である、センサ・モジュール。
【請求項100】
請求項98記載のセンサ・モジュールにおいて、前記用いる印刷技術は、インクジェット技術である、センサ・モジュール。
【請求項101】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、二重検出センサを設けることによって、化学物質および放射線レベルを検出可能とした、センサ・モジュール。
【請求項102】
請求項101記載のセンサ・モジュールにおいて、前記二重検出センサは、2つのエリアに分割された小型ドープ・ワイヤを備えており、第1エリアはドーピングすることによって封入放射線検出器を形成し、第2エリアはドーピングすることによって、表面露出化学センサのエレメントを形成する、センサ・モジュール。
【請求項103】
請求項102記載のセンサ・モジュールにおいて、前記放射線検出器は、中性子の捕獲に基づき、ドーピングは元素硼素で行う、センサ・モジュール。
【請求項104】
請求項102記載のセンサ・モジュールにおいて、前記検出器は、更に、捕獲または増幅機構を備えている、センサ・モジュール。
【請求項105】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、該センサ・モジュールは、更に、前記周囲エリアに存在する生物物質のレベルを検出可能な生物物質センサを備えている、センサ・モジュール。
【請求項106】
請求項70記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサは炭疸を検出可能である、センサ・モジュール。
【請求項107】
請求項106記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサは、第1および第2の個々の検出および判別レベルを備えており、これによって、前記第1レベルは、正から負までの範囲の被覆した炭疸胞子に対して種々の親和性を有し、永続的非導電性面上に堆積した、異なる化学的導電面のマイクロ・アレイで構成され、第2レベルは、サイズおよび形状が炭疸胞子のサイズおよび形状と正確に一致する微小電極のアレイで構成され、前記微小電極内に入り込んだ粒子の導電性プロファイルを測定する手段として機能する、センサ・モジュール。
【請求項108】
請求項107記載のセンサ・モジュールによって、前記第1検出レベルを蒸着によって生成する、センサ・モジュール。
【請求項109】
請求項107記載のセンサ・モジュールにおいて、前記センサは、多変量統計的認識プロセスを用いて動作する、センサ・モジュール。
【請求項110】
自国の安全保障に関係する外部脅威の検出および地理的位置検出のための統合手段を有する単一微小電子チップであって、
前記チップの位置を判定する地理的測地システムと、
前記チップと離れた場所との間の通信のためのワイヤレス通信システムと、
前記チップ周囲の所与の地理的エリア内に存在する外部脅威の検出のために設けられた検知および測定システムであって、前記脅威が、化学的危険、生物学的危険、放射線の危険、およびその組み合わせの検出を含む、検知および測定システムと、
を備えている、単一微小電子チップ。
【請求項111】
請求項110記載の単一微小電子チップにおいて、該チップは、いずれの電子システムにも含ませることができ、これによって、所与の場所における大域的安全、および主要な脅威の検出を改善する手段を設ける、単一微小電子チップ。
【請求項112】
請求項110記載の単一微小電子チップにおいて、該チップは、輸送システムによって搬送される外部脅威の検出および地理的位置特定のために、前記輸送システム内に取付可能である、単一微小電子チップ。
【請求項113】
請求項110記載の単一微小電子チップにおいて、前記チップは、個人ワイヤレス電子デバイス内に設けられる程に小さい、単一微小電子チップ。
【請求項114】
特定個人別外部危険検出機能を備えるように改造した、主通信機能を有する個人電子デバイスであって、
マイクロプロセッサと、種々の検出情報を処理し格納する統合メモリと、
特定個人別外部危険を検出するセンサ・モジュールと、
前記センサ・モジュールおよびマイクロプロセッサにリンクしたユーザ・インターフェースであって、該インターフェースによって、個人が、前記センサ・モジュールによって検出された情報を前記デバイスのメモリに格納することができ、前記センサ・モジュールによって提供される情報の格納のために、信号を遠隔地に供給することができる、ユーザ・インターフェースと、
を備えている、個人電子デバイス。
【請求項115】
請求項114記載の個人電子デバイスであって、外部危険の特定個人別プロファイルは、前記ユーザ・インターフェースの使用によって判定可能である、個人電子デバイス。
【請求項116】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記外部危険は、特定個人別の化学アレルギの原因となる、個人電子デバイス。
【請求項117】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記外部危険は、空中におけるある種の化学物質の存在によって、特定個人別の喘息を引き起こす、個人電子デバイス。
【請求項118】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、内蔵スロット内に設けられ、これによって外部センサ・モジュールの追加および除去を可能にする、個人電子デバイス。
【請求項119】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記危険は、特定個人別の放射線感受性を引き起こす、個人電子デバイス。
【請求項120】
請求項114記載の個人電子デバイスであって、特定のセンサ・モジュールの使用によって、外部要因によって引き起こされるいずれの特定個人別医学的条件でも検出可能である、個人電子デバイス。
【請求項121】
請求項120記載の個人電子デバイスにおいて、前記電子デバイスは、更に、前記ユーザ・インターフェースを通じて受信する情報に基づいて、前記医学的条件の兆候に関連する特定個人別センサ値を送り、ライブラリを構築する機能を備えている、個人電子デバイス。
【請求項122】
請求項114記載の個人電子デバイスであって、更に、前記ユーザ・インターフェースを通じて受信したセンサ情報を、セキュア・データベースにリンクされたプログラム可能な番号にダウンロードする自動機能を備えている、個人電子データベース。
【請求項123】
請求項122記載の個人電子デバイスにおいて、前記ダウンロードしたセンサ情報は、特定個人別の特注薬品を生成するか、あるいは処置を行うために用いられる、個人電子デバイス。
【請求項124】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記センサ・モジュールは、使い捨て可能ノーズである、個人電子デバイス。
【請求項125】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記コア・エレメントは、改造した移動電話機である、個人電子デバイス。
【請求項126】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記コア・エレメントは、パーソナル・ディジタル・アシスタントである、個人電子デバイス。
【請求項127】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記コア・エレメントは、改造したページャである、個人電子デバイス。
【請求項128】
請求項114記載の個人電子デバイスにおいて、前記コア・エレメントは、改造した腕時計である、個人電子デバイス。
【請求項129】
輸送システム内に取り付けて周囲エリアにおける有害物質の存在を検出し、前記有害物質に関する検出情報を遠隔地に自動的に中継する機能を有する電子デバイスであって、
地理的測地機構と、
アンテナを有する移動電話チップと、
使用電力全体を極力抑えるための内蔵起動プロトコルと、
所与のメッセージの前記電子デバイスとの間の双方向転送を行う通信機能と、
を備えている、電子デバイス。
【請求項130】
請求項129記載の電子デバイスであって、更に、外部通信のために、所与の発呼番号のキー入力を可能にする外部ユニットを備えている、電子デバイス。
【請求項131】
請求項130記載の電子デバイスにおいて、前記発呼番号は、前記電子デバイス内にプログラムすることが可能である、電子デバイス。
【請求項132】
請求項129記載の電子デバイスにおいて、前記メッセージは、ファックス・メッセージである、電子デバイス。
【請求項133】
請求項129記載の電子デバイスにおいて、前記メッセージは、音声記録メッセージである、電子デバイス。
【請求項134】
請求項129記載の電子デバイスにおいて、前記メッセージは、電子メールである、電子デバイス。
【請求項135】
請求項129記載の電子デバイスにおいて、前記輸送システムは、トラックである、電子デバイス。
【請求項136】
請求項129記載の電子デバイスにおいて、前記輸送システムは、出荷コンテナである、電子デバイス。
【請求項137】
請求項129記載の電子デバイスにおいて、前記輸送システムは、乗員を搬送する機能を有する、電子デバイス。
【請求項138】
請求項129記載の電子デバイスであって、更に、改竄が発生した場合に、遠隔ワイヤレス警告機能を備えた改竄防止技術を含む、電子デバイス。
【請求項139】
請求項129記載の電子デバイスにおいて、前記転送メッセージを暗号化する、電子デバイス。
【請求項140】
請求項129記載の電子デバイスにおいて、該デバイスは、移動電話機のコンポーネントで構成されている、電子デバイス。
【請求項141】
請求項129記載の電子デバイスであって、更に電源システムを備えている、電子デバイス。
【請求項142】
直接民衆参加に基づく潜在的テロリストの脅威の広域査察方法であって、
民衆にワイヤレス・デバイスを供給するステップであって、前記デバイスは、通信機能と、化学物質、生物物質、放射性物質、およびその組み合わせから成る群から選択した危険物質を検出するセンサ・モジュールを載置する手段との二重の機能を有する、ステップと、
既存のネットワークに基づいて統合ワイヤレス・システムを確立するステップであって、前記デバイスが、危険物質の対応する検出情報を緊急応答ネットワークに供給する、ステップと、
を備えている方法。
【請求項143】
請求項142記載の方法であって、更に、危険物質の検出に基づいて脅威を認識するために、特殊化したワイヤレス・ネットワーク・ソフトウェアおよびプロトコルを設けるステップを含む、方法。
【請求項144】
請求項143記載の方法において、前記ソフトウェアおよびプロトコルは、擬陽性の排除を可能とする、方法。
【請求項145】
請求項142記載の方法であって、更に、危険検出情報を提供している改造したワイヤレス・デバイスの位置を検出するために、地理的位置測地手段を用いるステップを含む、方法。
【請求項146】
請求項145記載の方法において、前記地理的位置測地手段は、地上での三角測量地理的測地方法に基づく、方法。
【請求項147】
請求項145記載の方法において、前記地理的位置測地手段は、全地球測地衛星(GPS)システムに基づく、方法。
【請求項148】
請求項145記載の方法において、前記地理的位置測地手段は、地上での三角測量測地方法と、全地球測地衛星システムとの組み合わせに基づく、方法。
【請求項149】
請求項142記載の方法において、前記緊急ネットワーク応答システムは、911、911E、およびその他の緊急応答提供機関を含む、方法。
【請求項150】
請求項142記載の方法において、前記ワイヤレス・デバイスは、改造した移動電話機である、方法。
【請求項151】
請求項150記載の方法において、前記改造移動電話機は使い捨て可能である、方法。
【請求項152】
請求項142記載の方法において、前記ワイヤレス・デバイスは、改造したパーソナル・ディジタル・アシスタントである、方法。
【請求項153】
請求項142記載の方法において、前記ワイヤレス・デバイスは、改造した双方向ページャである、方法。
【請求項154】
請求項142記載の方法において、前記ワイヤレス・デバイスは、改造した腕時計である、方法。
【請求項155】
請求項142記載の方法において、前記査察システムは、いずれの所与の国におけるいずれのワイヤレス・ネットワークにも適応可能である、方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−515694(P2006−515694A)
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508566(P2005−508566)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/039148
【国際公開番号】WO2004/061412
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
Bluetooth
【出願人】(505239161)ジェンタグ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】