説明

テープ部材の貼付良否判定装置及びテープ部材の貼付良否判定方法

【課題】 液晶表示パネル等を構成する基板面に電子部品接続用のテープ部材(ACF等)が適正に貼付されたか否かを判定する。
【解決手段】 ACF4の明度レベルを間に上下に明度閾値レベルSu,Sdを設定する。CPU72は、その設定された明度閾値レベルSu,Sdに基づき、そのACF4が適正に貼付されガラス基板2の撮像パターン(図4(aa))と貼付状態の良否判定対象基板2の撮像パターン(図4(ba))から2値化信号(図4(ab)、図4(bb))を抽出し、両者の形状の一致率(α)から、当該ガラス基板2におけるテープ部材(ACF4)貼付の良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に貼付されたテープ部材の貼付状態の良否を判定するテープ部材の貼付良否判定装置及び貼付良否判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ装置は、薄いガラス基板の電極部に対し、ICドライバ等の電子部品が接続搭載されて製造工程される。
【0003】
図9(a)は、TCP(テープキャリアパッケージ)等の電子部品が、テープ部材である異方性導電膜(ACF)を介して、ガラス基板の電極部に接続される様子を示した斜視図である。
【0004】
すなわち、搬送テーブル1上には、ガラス基板2が位置決めされて吸着され、そのガラス基板2の電極部には、銅箔等による多数のリード線2aが配列形成されている。
【0005】
TCP等からなる電子部品3の電極3aは、ガラス基板2上に貼付されたテープ状のACF4を介して、電極部のリード線2aに位置決め対応されて接続される。
【0006】
ACF4は、接着剤の中に導電フィラーを分散させたものであり、両面に粘着性を有し、上面には予め、保護膜である離型紙4aが貼着されている。
【0007】
ガラス基板2上のACF4は、図9(a)に示すように、矢印x方向に送り出されて位置決めされた後、y1方向に押し下げられて電極部のリード線2a上に位置合わされて貼付される。
【0008】
貼付されたACF4から離型紙4aが引き剥がされ、上面が露呈したところに、電子部品3を矢印y2方向に降下させ、位置合わせを経て接着させ、ACF4に対する押圧加熱により、電極3aとリード線2aとを対応接続する。
【0009】
電子部品3は、ACF4を介して、ガラス基板2の電極部に接続搭載されるが、接着剤であるACF4自体は粘着面を有して変形し易いので取り扱いにくく、ACF4を基板2の所定領域に正確に貼付するのは容易ではない。また、ACF4は両面に粘着性を有するので、ガラス基板2面に一旦貼付されてしまうと、その貼付位置の修正は困難となる。
【0010】
また、仮にACF4がガラス基板2に適正に位置決めできて貼付されたとしても、電子部品3を搭載接続するために、図9(b)に示したように、剥離棒4bを矢印X方向へ移動操作して離型紙4aを引き剥がす際に、一旦貼り付けたACF4の先端部が離型紙4aに引き摺られて剥がれてしまい、ACF4が貼付すべき所定領域を正確にカバーできないケースが発生する。
【0011】
そこで、ガラス基板2上への電子部品3の接続搭載に先立ち、ACF4がガラス基板2の所定位置に適正に貼付されているかどうかをチェックし、適正に貼付されていることが確認されてはじめて、電子部品3のガラス基板2への接続搭載が行われる。
【0012】
ACF4がガラス基板2上の所定位置に適正に貼付されたか否かは、ACF4が貼付されたガラス基板2をCCDカメラ等の撮像機器で撮影し、その撮像パターンと予めACF4が適正に貼付された基準となるガラス基板2の撮像パターンとをパターン認識のもとで比較する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
図10及び図11は、撮像パターンに基づくパターン認識により、ACF4が適正に貼付されたか否かを判定する従来のテープ部材の貼付良否判定置装置の説明図である。
【0014】
図10(a)は、CCDカメラ等の撮像機器によって撮影された基準となるパターンを示したもので、搬送テーブル1に搭載されたガラス基板2の電極部上で、最外側の1本のリード線2aのみを外した位置に、ACF4が適正に位置決めされて貼付された状態を示している。
【0015】
これに対し、図10(b)は、ACF4が何らかの理由により位置ずれを引き起して、外側に2本のリード線2aを外した不適切な状態で貼付された撮像パターンを示したものである。
【0016】
貼付状態の良否は、図10(a)に示された撮像パターンを基準とし、実際にACF4が貼付された図10(b)に示された撮像パターンとの対比により、その形状の一致率(マッチング率)をたとえば面積上で算出し、予め設定された基準の一致率に到達しているか否かにより判定する。
【0017】
撮像機器が、ACF4が貼付された電極部を撮影して得られる撮像パターンの明度(明るさ)は、一般的には、明るい方から、銅箔や金メッキ等からなるリード線2a部分、ACF4部分、背景となるガラス基板2の順となる。
【0018】
図10(a)及び図10(b)にそれぞれ示したように、貼付されたACF4上の長手方向、すなわちX−X線で示す方向に撮像パターンを走査したとすれば、その明度パターンは、それぞれ図11(aa)、図11(ba)に示したようになる。
【0019】
そこで、ACF4の明度信号を検出すべく閾値レベルSを設け、その閾値レベルSを基準とする2値化信号をそれぞれ生成すると、図11(ab)、図11(bb)に示したパターンが得られる。
【0020】
ACF4が適正に貼付されたとされる図11(ab)に示す2値化信号のパターンを基準とし、実際に貼付された図11(bb)の被判定パターンとの面積の対比から、たとえばパターンにおける形状の一致率が面積上で95%を超えたとき、ACF4は適正に貼付されたと判定する。
【0021】
【特許文献1】特開2003−142900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記のように、従来のテープ部材の貼付良否判定装置及びテープ部材の貼付良否判定方法において、ガラス基板2面にACF4が適正に貼付されているか否かは、ACF4の明度内に閾値レベルSを設定し、被判定パターンと基準パターンとの形状の一致率の算出により判定された。
【0023】
しかしながら、図11(ab)と図11(bb)との対比で分かるように、図11(bb)では、実際にはACF4が貼付されていないにもかかわらず、貼付されるべき領域内に位置する一本のリード線2aが、あたかもACF4が貼付されているかのように残存してしまい、その結果、わずか(Δr1+Δr2)の領域のみが一致率判定の算定根拠となり、正確な貼付判定結果が得られないケースが発生したので、何らかの対応が要望されていた。
【0024】
そこで本発明は、ACF等のテープ部材の貼付状態の良否を、より適切かつ容易に判定可能なテープ部材の貼付良否判定装置及び貼付良否判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明のテープ部材の貼付良否判定装置は、基板電極部に貼付のテープ部材の明度レベルまたは基板電極部のリード線の明度レベルを間に、上下に対をなす明度閾値レベルを設定する閾値レベル設定手段と、前記テープ部材が貼付された基板電極部の撮像パターンから、前記対をなす明度閾値レベル間の映像を抽出する抽出手段と、この抽出手段で抽出された映像パターンと、この影像パターンに対応して予め設定された基準パターンとの間の形状の一致率を算出する演算手段と、この演算手段によって算出された形状の一致率が予め設定された基準値を超えたか否かを判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0026】
また、本発明のテープ部材の貼付良否判定方法は、基板電極部に貼付のテープ部材の明度レベルまたは基板電極部のリード線の明度レベルを間に、上下に対をなす明度閾値レベルを設定する閾値レベル設定工程と、前記テープ部材が貼付された基板電極部の撮像パターンから、前記対をなす明度閾値レベル間の映像を抽出する抽出工程と、この抽出工程で抽出された映像パターンと、この影像パターンに対応して予め設定された基準パターンとの間の形状の一致率を算出する演算工程と、この演算工程によって算出された形状の一致率が予め設定された基準値を超えたか否かを判定する判定工程とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明のテープ部材の貼付良否判定装置及び貼付良否判定方法によれば、基板電極部に貼付のテープ部材の明度レベルまたは基板電極部のリード線の明度レベルを間に、上下に対をなす明度閾値レベルを設定し、この上下に対をなす明度閾値レベル間の映像のみを抽出するので、たとえばテープ部材を抽出するのにリード線を誤って抽出するのを排除して、形状の一致率をより正確に算出することができ、貼付状態の良否判定を適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明のテープ部材の貼付良否判定装置及び貼付良否判定方法の一実施例を図1ないし図8を参照して詳細に説明する。なお、図9ないし図11に示した従来の構成と同一構成には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0029】
図1は、本発明に係るテープ部材の貼付良否判定装置の第1の実施例を示した構成図で、図2は図1に示した認識機器の詳細構成図である。また図3は、図1及び図2に示した撮像機器による撮像パターンを示したもので、図4及び図5は、認識機器における良否判定動作を説明するためのパターン図、図6はこの第1の実施例における貼付良否判定方法を説明したフローチャートである。
【0030】
すなわち、図1において、テープ部材であるACF4を電極部に貼付した基板、すなわち薄いガラス基板2は搬送テーブル1上に位置決めされて載置されている。
【0031】
ガラス基板2の上方に設置されたCCDカメラ等の撮像機器5は、光源6からの照射光に基づきガラス基板2の電極部を撮影し、その撮影によるアナログ映像信号は、図2に示す構成からなる認識機器7のアナログ/デジタル(A/D)変換回路71に供給される。
【0032】
撮像機器5は、搬送テーブル1上において、ACF4が適正位置に貼付されたガラス基板2の電極部を撮影し、図3(a)に示すアナログ映像信号からなる基準撮像パターンを認識機器7のA/D変換回路71に供給し、続いて供給される貼付良否判定対象のガラス基板2を撮影し、たとえば図3(b)に示す同じくアナログ映像信号からなる撮像パターンを認識機器7のA/D変換回路71に供給する。
【0033】
A/D変換回路71は、順次供給される上記各アナログ映像信号をデジタル信号に変換し、CPU(抽出手段、演算手段、判定手段)72を介してRAM等で構成されたメモリ回路73に供給し記憶する。
【0034】
次に、CPU72は、メモリ回路73に記憶された図3(a)に示す撮像パターンを読み出し、撮像パターン中のACF4を長手方向に縦断するX−X方向に走査して、図4(aa)に示す基準明度パターンを生成する。
【0035】
CPU72には閾値レベル設定回路(閾値レベル設定手段)74が接続されていて、その閾値レベル設定回路74には、図4(aa)に示すように、ガラス基板2の電極部に貼付されたACF4の明度レベルMtを間に、上下に対をなす、明度閾値レベルSu,Sdの値が予め設定されている。
【0036】
そこで、CPU72は、閾値レベル設定回路74に設定された明度閾値レベルSu,Sdに基づき、基準明度パターンからその明度閾値レベルSu,Sd間のデジタル映像信号、すなわち図4(ab)に示す2値化信号を生成して、メモリ回路73に供給記憶する。
【0037】
次にCPU72は、同様にメモリ回路73に記憶された貼付良否判定対象の撮像パターンを読み出し、その撮像パターン中の同じくACF4を長手方向に縦断するX−X方向に走査して、図4(ba)に示す被判定用の明度パターンを得るとともに、閾値レベル設定回路74に設定された対をなす明度閾値レベルSu,Sdに基づき、図4(bb)に示すように、明度閾値レベルSu,Sd間の2値化信号を生成する。
【0038】
そこで、CPU72は、図4(ab)に示された基準パターンをメモリ回路73から読み出し、演算により、図4(bb)に示されたパターンとの形状の一致率(マッチング率)を面積上で算出し、その算出した一致率(α)が予め設定された基準値(β)、たとえば95%を超えたとき、そのガラス基板2にはACF4が良好に貼付されたものと判定し、ガラス基板2を次の電子部品3の接続搭載工程へと搬送供給する。
【0039】
CPU72において、形状の一致率が95%(基準値(β))に達しないガラス基板2は、ACF4が適正位置に貼付されてないものと判定され、その旨、I/O(入出力)回路75を介して表示器8に表示されて報知されるとともに、当該ガラス基板2は不良品として除外される。
【0040】
つまり、この実施例によれば、図4(bb)に示されたパターンと図4(ab)に示されたパターンとの比較において、テープ部材の貼付領域は、図4(bb)に示すように、リード線2aの映像パターンを排除し、領域ΔRの適正な差領域を形状における一致率判定の算定根拠とするので、貼付パターンの一致率を適正に算出することができる。
【0041】
上記のように、この第1の実施例のテープ部材の貼付良否判定装置は、認識機器7において、ACF4の明度レベルMtを間に挟んで設定された閾値レベルSu,Sdに基づき、撮像パターン中のACF4のみを抽出するように構成したので、明度閾値レベルSu,Sdに基づき、テープ部材であるACF4が真に貼付された領域を適切に抽出し、基準となるパターンとの比較により、貼付状態の良否判定を適正かつ良好に行うことができる。
【0042】
なお、上記説明では、ガラス基板2のACF4の明度レベルMtを間に、上下に対をなす明度閾値レベルSu,Sdが予め閾値レベル設定回路74に設定されている旨説明したが、ACF4ではなく、ガラス基板2のリード線2aの明度レベルMdを間に挟んで上下に設定された閾値レベルSu,Sdを閾値レベル設定回路74に予め設定し、リード線2aにおける貼付パターンの良否判定から、逆に、ACF4側の貼付状態の良否を判定するように構成することもできる。
【0043】
すなわち、CPU72に接続された閾値レベル設定回路74には、図5(aa)に示すように、ガラス基板2の電極部のリード線2aの明度レベルMdを間に、上下に対をなす、明度閾値レベルSu,Sdが予め設定されている。
【0044】
そこで、CPU72は、その明度閾値レベルSu,Sdに基づき、基準明度パターンからその明度閾値レベルSu,Sd間のデジタル映像信号を抽出し、図5(ab)に示す2値化信号を生成して、メモリ回路73に供給記憶する。
【0045】
次にCPU72は、同様にメモリ回路73に記憶された貼付良否判定対象であるガラス基板2の撮像パターンを読み出し、撮像パターン中のACF4を長手方向に縦断するX−X方向に走査して、図5(ba)に示す明度パターンを得るとともに、閾値レベル設定回路74に設定された対をなす明度閾値レベルSu,Sdに基づき、その明度閾値レベルSu,Sd間のデジタル映像信号を抽出し、図5(bb)に示す2値化信号を生成する。
【0046】
そこで、CPU72は、図5(ab)に示された基準パターンをメモリ回路73から読み出し、図5(bb)に示されたパターンとの形状の一致率を演算により算出し、その算出した一致率(α)が予め設定された基準値(β)、たとえば95%を超えたとき、そのガラス基板2にはACF4が良好に貼付されたものと判定し、ガラス基板2を次の電子部品3の接続搭載工程へと搬送供給する。
【0047】
CPU72において、形状の一致率が基準値(β)である95%に達しないと判定されたガラス基板2は、ACF4の貼付位置が不適切であると判定し、その旨、I/O回路75を介して表示器8に表示して報知するので、当該ガラス基板2を不良品として製造工程から除外することができる。
【0048】
次に、上記説明の構成によるテープ部材の貼付良否判定装置における良否判定手順を図6に示したフローチャートを参照して以下説明する。
【0049】
まず、ステップ61において、テープ部材であるACF4が貼付されたガラス基板2の電極部を撮像機器5が撮像し、その撮像パターンを取込み、認識機器7のメモリ回路73に記憶する。
【0050】
次に、ステップ62において、テープ部材であるACF4またはリード線2aの明度レベル(Mt,Md)の上下に明度閾値レベルSu,Sdを設定する。
【0051】
次に、ステップ63において、メモリ回路73に記憶された撮像パターンを読み出し、各明度閾値レベルSu,Sd間の映像を抽出し、続くステップ64において、その抽出された映像パターンを予め設定された基準パターンとの形状のマッチング率(α)を算出する。
【0052】
次のステップ65において、算出されたマッチング率(α)が予め設定された基準値(β:たとえば面積上で95%)より大きいか否かを判定し、基準値(β)を超えたとき(YES)には、テープ部材であるACF4は適正に貼付されたものと判定して終了する。
【0053】
ここで、面積のマッチング率(α)が基準値(β)より小さい(NO)と判定されたときには、ステップ66に移行し、表示器8にその旨表示されて報知され、ステップ67にて、そのガラス基板2は不良貼付基板として抽出され、製造工程から除外される。
【0054】
上記のように、この第1の実施例のテープ部材の貼付良否判定装置及び良否判定方法では、認識機器7において、テープ部材であるACF4あるいはリード線2aの明度(Mt,Md)を間に挟んだ閾値レベルSu,Sdに基づき、撮像パターン中のACF4あるいはリード線2aのみの映像が抽出されるので、テープ部材が所定領域に貼付されているか否かを的確に判定することができる。
【0055】
なお、上記図1ないし図6により説明した実施例では、撮像機器5により得られた撮像パターンでは、その明度(明るさ)がリード線2a部分、ACF4部分、背景となるガラス基板2の順となるものとして説明したが、ガラス基板2等の基板の材質の種類等によっては、明度の順がガラス基板2、リード線2a、ACF4等のテープ部材の順となることも考えられる。
【0056】
映像パターンは、テープ部材が適正に貼付されたか否かを判定するための根拠となるものであるが、テープ部材あるいはリード線2aの明度(Mt,Md)を間に挟んだ閾値レベルSu,Sdに基づき、形状の一致率を算出するためのパターンを得るので、映像パターンを形成する各部材の明るさが異なる組み合わせとなっても、テープ部材の貼付状態の良否を適切に判定することができる。
【0057】
図7及び図8は、ガラス基板2の明度レベルがリード線2aの明度レベルを越えているときであっても、テープ部材貼付状態の良否を適切に判定できる本発明のテープ部材の貼付良否判定装置及び貼付良否判定方法の第2の実施例を説明した撮像パターン図である。
【0058】
すなわち、図7は第1の実施例で示した図4に、また図8は同じく第1の実施例で示した図5に対応したもので、明度閾値レベルSu,SdがそれぞれACF4及びガラス基板2のリード線2aの各明度レベルMt,Mdを間に上下に設定されている。
【0059】
従って、たとえば図7(ab)と図7(bb)との対比から分かるように、図4(bb)に示したパターンと同様に、基準明度パターンと良否判定対象基板のパターンとの間に、明確な差(ΔR)が形成される。
【0060】
また、ガラス基板2のリード線2aに明度閾値レベルSu,Sdを設定した場合においても、図8(bb)に示したように、図5(bb)に示したパターンと同様に、明確に2本のリード線2aを抽出して、1本のリード線2aからなる図8(ab)との間に明確な差異を形成するので、適切な良否判定を行うことができる。
【0061】
このように、たとえガラス基板2自体の明度が変化して、ACF4等のテープ部材及びリード線2a等の明度レベルの組み合わせが変化したとしても、テープ部材の貼付状態の良否を適正に判定できるものであり、上記実施例を液晶表示パネル等の製造工程に採用して実用上優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1(a)は、本発明によるテープ部材の貼付良否判定装置の第1の実施例を示す構成図である。
【図2】図1に示した認識機器7の詳細構成図である。
【図3】図3(a)は、図1及び図2に示した撮像機器により撮影された基準パターン図、図3(b)は、図1及び図2に示した撮像機器により撮影された貼付状態の良否判定対象基板の撮影パターン図である。
【図4】図4はテープ部材の明度に抽出レベルを設定したもので、図4(aa)は、図3(a)のパターンの明度パターン、図4(ab)は、図4(aa)の2値化パターン図、図4(ba)は、図3(b)のパターンの明度パターン、図4(bb)は、図4(ba)の2値化パターン図である。
【図5】図5は基板のリード線の明度に抽出レベルを設定したもので、図5(aa)は、図3(a)のパターンの明度パターン、図4(ab)は、図4(aa)の2値化パターン図、図4(ba)は、図3(b)のパターンの明度パターン、図4(bb)は、図4(ba)の2値化パターン図である。
【図6】図1及び図2に示した装置の動作を説明したフローチャートである。
【図7】本発明のテープ部材の貼付良否判定装置及び貼付良否判定方法の第2の実施例を説明するもので、図4に示した図に対応し、基板の明度に抽出範囲を設定した場合のパターン図である。
【図8】本発明のテープ部材の貼付良否判定装置及び判定方法の第2の実施例を説明するもので、図5に示した図に対応し、基板の明度に抽出範囲を設定した場合のパターン図である。
【図9】図9(a)は、従来のテープ部材の貼付良否判定装置の動作を説明する図示分解構成図、図9(b)は、図9(a)に示した貼付良否判定装置でテープ部材から離型紙を引き剥がす操作を説明した正面図である。
【図10】図10(a)は、従来の撮像機器により撮影された基準パターン図、図10(b)は、従来の撮像機器により撮影された貼付状態の良否判定対象の基板の撮影パターン図である。
【図11】図11はテープ部材の明度に抽出レベルを設定したもので、図11(aa)は、図10(a)のパターンの明度パターン、図11(ab)は、図11(aa)の2値化パターン図、図11(ba)は、図10(b)のパターンの明度パターン、図11(bb)は、図11(ba)の2値化パターン図である。
【符号の説明】
【0063】
1 搬送テーブル
2 ガラス基板(基板)
2a リード線(電極部)
3 電子部品
3a 電極
4 ACF(テープ部材)
4a 離型紙
5 撮像機器
6 光源
7 認識機器
71 A/D変換器
72 CPU(抽出手段、演算手段、判定手段)
73 メモリ回路
74 閾値レベル設定回路(閾値レベル設定手段)
75 I/O回路
8 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板電極部に貼付のテープ部材の明度レベルまたは基板電極部のリード線の明度レベルを間に、上下に対をなす明度閾値レベルを設定する閾値レベル設定手段と、
前記テープ部材が貼付された基板電極部の撮像パターンから、前記対をなす明度閾値レベル間の映像を抽出する抽出手段と、
この抽出手段で抽出された映像パターンと、この影像パターンに対応して予め設定された基準パターンとの間の形状の一致率を算出する演算手段と、
この演算手段によって算出された形状の一致率が予め設定された基準値を超えたか否かを判定する判定手段と
を具備することを特徴とするテープ部材の貼付良否判定装置。
【請求項2】
基板電極部に貼付のテープ部材の明度レベルまたは基板電極部のリード線の明度レベルを間に、上下に対をなす明度閾値レベルを設定する閾値レベル設定工程と、
前記テープ部材が貼付された基板電極部の撮像パターンから、前記対をなす明度閾値レベル間の映像を抽出する抽出工程と、
この抽出工程で抽出された映像パターンと、この影像パターンに対応して予め設定された基準パターンとの間の形状の一致率を算出する演算工程と、
この演算工程によって算出された形状の一致率が予め設定された基準値を超えたか否かを判定する判定工程と
からなることを特徴とするテープ部材の貼付良否判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−151685(P2008−151685A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340990(P2006−340990)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】