説明

デジタルカメラにおける撮影パラメータ変更操作方法

【課題】 従来の電子カメラは撮影者が意図した通りの写真が取れるように、撮影に関するパラメータを多く備え、自由にそれらの設定値を変更できるようにしていた。ファインダーを覗きながらこれらの設定値を変更するには、操作部材の配置やその機能を覚えるなどの慣れが必要であった。
【解決手段】 本発明においては、ファインダーを覗いている時には、ファインダー内の表示内容を変更するとともに、操作部材に割り当てる機能を単一機能に限定することを特徴とする。これによりカメラに不慣れな者であってもファインダーを覗きながら操作に戸惑うことなく、また、効率的に撮影に関するパラメータを変更することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接眼検知手段を有するカメラに関し、接眼検知手段の検知結果により撮影パラメータの変更操作および表示方法を切り替える機能を有することで、操作性を向上することを可能にしたデジタルカメラの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電子カメラでは撮影に関するパラメータは、例えば、シャッター速度値、絞り値、露出補正値、ISO感度値、ホワイトバランス設定値、記録画像サイズ及び記録画像画質、その他画作りに影響するパラメータなど様々な項目が用意されている。
【0003】
これらの設定値を変更する手順としては、カメラに備え付けてあるボタンスイッチ操作部材等を操作して変更する項目を選択し、ダイヤル操作部材等を操作して設定を変更するのが一般的である。また、項目を選択するためのボタン操作部材は複数個備えているのが一般的であり、例えば、ISO感度値設定選択ボタン、ホワイトバランス設定選択ボタン等の様に、設定項目それぞれに一対一で割り当ててあることが多い。これにより変更するパラメータ素早く選択できるようになっている。
【0004】
ところが、設定する項目数が多い場合、設定項目全てに選択操作部材を割り当てようとしても、選択操作部材が多くなりカメラが大型化してしまうため、全ての設定項目に操作部材を割り当てるのは現実的ではない。このような問題に対処すべく、ひとつの操作部材に対し、2つ以上の機能を持たせ、必要に応じて切り替える方法が提案されている。例えば、特開2002−122928号広報に記載の提案によるカメラでは、接眼検知手段により接眼状態と判断すると、操作部材に割り当てられている撮影モードとしての機能を有効とし、接眼状態でない場合にはカメラ設定状態であると認識し、操作部材に割り当てられている設定モードとしての機能を有効にしている。
【特許文献1】特開2002−122928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の一般的な電子カメラでは、ファインダーを覗きこむとカメラに配置されている操作部材は見ることが出来ない。
【0006】
例えば、撮影に関する所定のパラメータを変更する際にも、操作部材の位置とそれに割り当てられている機能を覚えている上級者には不都合は無いものの、例えば、初めてカメラを操作する初心者においては、目的とする操作部材の位置や割り当てられている機能の対応がわからないといったことがあった。このため手探りで操作しながら、目的とする操作部材を探す場合があった。
【0007】
また、カメラの小型化への必要から、全ての設定項目に対してひとつの選択操作部材を割り当てることは難しいことも有り、操作部材が割り当てられない機能については、カメラ背面に備わっているLCD表示装置などに、いわゆるGUI(Graphic User Interface)の機能を使って、設定用のメニュー画面などを表示する必要があった。この場合、撮影者はファインダーから目を離してLCD画面を見ながら設定操作をしなくてはならず、撮影のテンポを乱す要因となっていた。
【0008】
上述の様にファインダーを覗いた時に操作スイッチが見えなくなることに起因する操作の煩わしさ、これに対する対応はいままで十分ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
接眼ファインダーと、撮影者が前記接眼ファインダーを覗いたことを検知する接眼検知手段と、前記接眼ファインダー内に表示を行う表示手段と、複数の操作手段および、
前記複数の操作手段を用いた撮影に関するパラメータの変更操作方法、ならびに、
撮影に関するパラメータを前記表示手段に表示する表示方法を切り替える切替手段を備え、
前記切替手段は前記接眼検知手段の検出結果に基づき、
前記複数の操作手段を用いた前記撮影に関するパラメータの変更操作方法、ならびに、
前記撮影に関するパラメータを前記表示手段に表示する表示方法を切り替えることを特徴とする。
【0010】
前記接眼検知手段により接眼と判断した場合、前記複数の操作手段は共通の単一機能を有することを特徴とする。
【0011】
前記接眼検知手段により接眼と判断した場合、前記複数の操作手段のうち1つ或いは2つ以上の操作手段は共通の単一機能を有し、その他の操作手段の機能は無効にすることを特徴とする。
【0012】
前記接眼検知手段により接眼と判断した場合、前記複数の操作手段のうち1つ或いは2つ以上の操作手段は共通の第1の単一機能を有し、その他の操作手段は第2の共通の単一機能を有することを特徴とする。
【0013】
前記切り替え手段を有効/無効に出来ることが可能なことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、撮影者がファインダーを覗いていることを接眼検知手段の検知結果を利用して判別し、その結果を基にファインダー内の表示手段の表示内容及び、操作部材に割り当てる機能を変更することで、カメラに不慣れな使用者であってもファインダーを覗きながらでも操作に戸惑うことなく、また、効率的に撮影に関するパラメータを変更することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例の構成を示す図である。
【0017】
図1において、100は画像処理装置である。
【0018】
12は撮像素子14への露光量を制御するためのシャッター、14は光学像を電気信号に変換する撮像素子である。
【0019】
レンズ310に入射した光線は、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130、シャッター12を介して導き、光学像として撮像素子14上に結像することが出来る。
【0020】
16は撮像素子14のアナログ信号出力をディジタル信号に変換するA/D変換器である。
【0021】
18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
【0022】
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
【0023】
また、画像処理回路20においては、必要に応じて、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御回路50がシャッター制御手段40、測距制御手段42に対して制御を行う、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理を行うことが出来る。
【0024】
さらに、画像処理回路20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0025】
なお、本実施例においては、測距手段42及び測光手段46を専用に備える構成としたため、測距手段42及び測光手段46を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行い、上記画像処理回路20を用いたAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行わない構成としても良い。
【0026】
或いは、測距手段42及び測光手段46を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行い、さらに、上記画像処理回路20を用いたAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行う構成としても良い。
【0027】
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。
【0028】
A/D変換器16のデータが画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16のデータが直接メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0029】
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。画像表示部28を用いて撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。また、画像表示部28は、カメラ情報及び撮影に関する情報を表示することも可能である。
【0030】
また、画像表示部28は、システム制御回路50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合には画像処理装置100の電力消費を大幅に低減することが出来る。
【0031】
30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。
【0032】
これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。
【0033】
また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
【0034】
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
【0035】
40は測光手段46からの測光情報に基づいて、絞り312を制御する絞り制御手段340と連携しながら、シャッター12を制御するシャッター制御手段である。
【0036】
42はAF(オートフォーカス)処理を行うための測距手段であり、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130そして不図示の測距用サブミラーを介して、測距手段42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定することが出来る。
【0037】
44は温度計であり、撮影環境の温度を検出することができる。温度計がセンサー内にある場合はセンサーの暗電流をより正確に予想することが可能である。
【0038】
46はAE(自動露出)処理を行うための測光手段であり、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130及び132そして不図示の測光用レンズを介して、測光手段46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定することが出来る。
【0039】
また、測光手段46は、フラッシュ48と連携することによりEF(フラッシュ調光)処理機能も有するものである。
【0040】
48はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。
【0041】
なお、撮像素子14によって撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果に基づき、システム制御回路50がシャッター制御手段40、絞り制御手段340、測距制御手段342に対して制御を行う、ビデオTTL方式を用いて露出制御及びAF(オートフォーカス)制御をすることも可能である。
【0042】
さらに、測距手段42による測定結果と、撮像素子14によって撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを共に用いてAF(オートフォーカス)制御を行っても構わない。
【0043】
そして、測光手段46による測定結果と、撮像素子14によって撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを共に用いて露出制御を行っても構わない。
【0044】
50は画像処理装置100全体を制御するシステム制御回路、52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
【0045】
54はシステム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置、スピーカー等の表示部であり、画像処理装置100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。
【0046】
また、表示部54は、その一部の機能が光学ファインダー104内に設置されており、撮影者がファインダーを覗いた時にも撮影に関する情報が認識できる構成となっている。
【0047】
表示部54の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、例えば、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、ISO感度表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及び210の着脱状態表示、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付および時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示、等がある。さらに、表示部54の表示内容のうち、LED等に表示するものとしては、例えば、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、記録媒体書き込み動作表示、マクロ撮影設定通知表示、二次電池充電状態表示、等がある。そして、表示部54の表示内容のうち、ランプ等に表示するものとしては、例えば、セルフタイマー通知ランプ、等がある。このセルフタイマー通知ランプは、AF補助光と共用して用いても良い。
【0048】
56は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM、FLASH MEMORY等が用いられる。この不揮発性メモリ56には、各種パラメータなどが格納される。
【0049】
60、62、64及び66は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイヤル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0050】
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
【0051】
60はモードダイアルスイッチで、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッター速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、焦点深度優先(デプス)撮影モード、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、接写撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード、パノラマ撮影モード、ストロボ投光禁止モード等の各機能撮影モードを切り替え設定することが出来る。
【0052】
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュ調光)処理等の動作開始を指示する。
【0053】
64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了でONとなり、撮像素子12から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データを書き込む露光処理、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200或いは210に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0054】
66は再生スイッチで、撮影モード状態において、撮影した画像をメモリ30或いは記録媒体200或いは210から読み出して画像表示部28によって表示する再生動作の開始を指示する。
【0055】
404は測距点選択スイッチ、406はAFモード選択スイッチ、408は露出補正スイッチ、410は撮影画像サイズ及び画質を選択するスイッチ、412はISO感度選択スイッチ、414はホワイトバランス選択スイッチ、416は測光方法選択スイッチである。これらのスイッチはそれぞれのパラメータを変更する際の選択スイッチとして使用される。402はダイヤルスイッチであり、回転操作により連続的にスイッチ操作が可能である。また、GUI(Graphical User Interface)のカーソル操作などにも利用される。
【0056】
70は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部で、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の選択及び切り替えを設定する選択/切り替えボタン、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の決定及び実行を設定する決定/実行ボタン、画像表示部28のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチ、JPEG圧縮の圧縮率を選択するため或いは撮像素子の信号をそのままディジタル化して記録媒体に記録するCCDRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチ、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定することが出来る再生スイッチ、シャッタースイッチSW1を押したならばオートフォーカス動作を開始し一旦合焦したならばその合焦状態を保ち続けるワンショットAFモードとシャッタースイッチSW1を押している間は連続してオートフォーカス動作を続けるサーボAFモードとを設定することが出来るAFモード設定スイッチ等がある。
【0057】
また、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイヤルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
【0058】
72は電源スイッチで、画像処理装置100の電源オン、電源オフの各モードを切り替え設定することが出来る。また、画像処理装置100に接続されたレンズユニット300、外部ストロボ、記録媒体200、210等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定も合わせて切り替え設定することが出来る。
【0059】
80は電源制御手段で、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
【0060】
82、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源手段である。
【0061】
90及び94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、92及び96はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタ、98はコネクタ92及び或いは96に記録媒体200或いは210が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知手段である。
【0062】
なお、本実施例では記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明している。もちろん、記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインタフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。
【0063】
インタフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。
【0064】
さらに、インタフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHS等の通信カード、等の各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことが出来る。
【0065】
104は光学ファインダーであり、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130及び132を介して導き、光学像として結像表示することが出来る。これにより、画像表示部28による電子ファインダー機能を使用すること無しに、光学ファインダー104のみを用いて撮影を行うことが可能である。また、表示部54の表示内容のうち、光学ファインダー104内の表示部に表示するものとしては、例えば、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、記録媒体書き込み動作表示、などの撮影者へ通知する以外に、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、ISO感度設定値、ホワイトバランス設定値、撮影記録画質、撮影記録画像サイズ、測光方法、単写/連写撮影表示、測距点表示等の撮影に関する項目の設定値表示がある。
【0066】
400は接眼検知手段であり、光学ファインダー104を撮影者が覗きこんだことを検出することが出来る。接眼が検出された時に、画像表示手段28の機能をOFFしたり、測距手段42や測光手段46の動作を開始させることで、カメラを素早く撮影準備状態にすることも可能である。
【0067】
110は通信手段で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。
【0068】
112は通信手段110により画像処理装置100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
【0069】
120は、レンズマウント106内において、画像処理装置100をレンズユニット300と接続するためのインタフェース、122は画像処理装置100をレンズユニット300と電気的に接続するコネクタ、124はレンズマウント106及び或いはコネクタ122にレンズユニット300が装着されているか否かを検知するレンズ着脱検知手段である。
【0070】
コネクタ122は、画像処理装置100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、コネクタ122は電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としても良い。
【0071】
130、132はミラーで、レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって光学ファインダー104に導くことが出来る。なお、ミラー132は、クイックリターンミラーの構成としても、ハーフミラーの構成としても、どちらでも構わない。
【0072】
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。
【0073】
記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202、画像処理装置100とのインタフェース204、画像処理装置100と接続を行うコネクタ206を備えている。
【0074】
210はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。
【0075】
記録媒体210は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部212、画像処理装置100とのインタフェース214、画像処理装置100と接続を行うコネクタ216を備えている。
【0076】
300は交換レンズタイプのレンズユニットである。
【0077】
306は、レンズユニット300を画像処理装置100と機械的に結合するレンズマウントである。レンズマウント306内には、レンズユニット300を画像処理装置100と電気的に接続する各種機能が含まれている。
【0078】
310は撮影レンズ、312は絞りである。
【0079】
320は、レンズマウント306内において、レンズユニット300を画像処理装置100と接続するためのインタフェース、322はレンズユニット300を画像処理装置100と電気的に接続するコネクタである。
【0080】
コネクタ322は、画像処理装置100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号等を伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給される或いは供給する機能も備えている。また、コネクタ322は電気通信のみならず、光通信、音声通信等を伝達する構成としても良い。
【0081】
340は測光手段46からの測光情報に基づいて、シャッター12を制御するシャッター制御手段40と連携しながら、絞り312を制御する絞り制御手段である。
【0082】
342は撮影レンズ310のフォーカシングを制御する測距制御手段、344は撮影レンズ310のズーミングを制御するズーム制御手段である。
【0083】
350はレンズユニット300全体を制御するレンズシステム制御回路である。レンズシステム制御回路350は、動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリやレンズユニット300固有の番号等の識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発メモリの機能も備えている。
【0084】
図2から図6を参照して、本発明の実施例の動作を説明する。
【0085】
本実施例では簡単のために、記録画像サイズ・画質、測光方法、ISO感度、ホワイトバランス、露出補正、測距点選択の6つを撮影に関するパラメータとして設定できる項目とする。上記6項目以外にも、例えば、調光補正、撮影モード、赤目緩和機能、シャッタースピード、絞り量などについても設定可能としても構わない。
【0086】
図2は本発明のカメラを、ファインダーを覗き込む方向から見た図である。接眼検知部400はファインダー104の近くに配置されている。接眼検知部400は、2つある光学パネルの片方から、不図示の赤外LEDより放出される赤外光を投光し、被検物にあたってはね返った光線をもう一方のパネルを介して不図示の赤外受光素子で受光することで物体を検出する。これにより、撮影者がファインダーを覗き込んだ際に確実に接眼検知出来る構成としている。
【0087】
404、406、408、410、412、414の各ボタンスイッチは撮影者が親指で操作しやすい位置に集中して配置されている。各ボタンスイッチ及びその付近には、それぞれのボタンの機能がわかるように不図示の刻印或いは印字などがされ、例えば、AFモード選択スイッチ406の付近には「AF」と印字してあり、撮影者が容易にその機能を判別できるようにしている。
【0088】
ダイヤルスイッチ402はシャッタースイッチ62及び64の近くに配置され、人差し指にて操作しやすい位置に配置されている。
【0089】
画像表示部28には撮影した画像を表示する他に、撮影に関するパラメータの設定値も表示する。
【0090】
図3はファインダー104の内部にある表示部54の表示内容である。502はピントを合わせるための測距点枠であり、不図示のLEDから照射される光を反射することで選択されている測距点を判別することが出来る。本実施例では合計9個の測距点枠を有している。504、506、508、510、512は撮影に関するパラメータをそれぞれ表示している。504は撮影画像サイズ及び画質設定、506はISO感度設定、508は測光方法設定、510はホワイトバランス設定、512は露出補正設定の値をそれぞれ表している。なお、本実施例ではファインダーは光学式であることを前提にしており、502の測距点選択枠以外の表示部54はLCDで構成され、ファインダー周辺に配置されている。しかし、ファインダーをEVF(Electric View Finder)と呼ばれる液晶パネルを用いた構成に変更することで、より多くの撮影に関するパラメータを表示することも可能である。
【0091】
図4のフローチャートと、図5、図6を用いて、例として、ISO感度設定値を変更する場合を例に本発明の動作を説明する。
【0092】
ISO感度スイッチ412が操作される(S602)と、システム制御50は接眼検知部400からの出力信号を元に、接眼状態であるかを判断する(S604)。
【0093】
接眼状態でないと判断した場合は、画像表示部28にISO感度値が設定可能状態であることを表示する(S620)。続いてダイヤル402を操作(S610)し、選択した設定値を変更する(S612)。画像表示部28には変更した値が反映され(S614)、撮影者は設定値を変更したことが確認できる。ダイヤル操作せず、他のボタンスイッチが操作された場合、そのスイッチに応じたパラメータが選択されていることを画像表示部28に表示し、同様にパラメータ変更可能状態となる。
【0094】
このように、接眼状態ではない、すなわちファインダーを覗いていない場合、撮影者はボタンスイッチの配置を確認して、設定項目に対応するボタンスイッチ操作を効率的に操作可能である。このため、一度のスイッチ操作で設定項目を選択・変更できる構成が有効である。
【0095】
これに対し、S604で接眼状態であると判断した場合には、画像表示部28の表示が点灯している場合はこれを消灯する。これはファインダーの近くに画像表示部28が配置されているため、画像表示部28からの不要な光が撮影者の目に入り煩わしく感じるのを防ぐためである。
【0096】
ISO感度選択スイッチ412が操作された場合でも、操作されたボタンスイッチの種類によらず、まず、ファインダー内の表示部54には記録画像サイズ及び画質設定値504を点滅表示させ(S606)、そのパラメータが選択されていることを撮影者に通知する(図5(a))。次に、再びボタンスイッチ(404、406、408,410,412,414のいずれでも)が操作された場合(S608)にはS604に戻り、同様に接眼状態であるかを判断し、接眼状態であるならば、測光方法設定508を点滅表示させる(図5(b))。このように、接眼状態と判断している状態では、各スイッチボタンは共通の単一機能、すなわち設定項目を選択する機能を有し、繰り返しボタン操作を続けることで、選択するパラメータを順次替えることが出来る。このため複数あるボタンスイッチのいずれを操作しても、変更したい設定項目を選択することが可能となる。図6はスイッチ操作を連続的におこなった時に、選択される設定パラメータの遷移を示した図である。
【0097】
撮影者が変更したい設定パラメータを選択した状態で(図5(c))、ダイヤルスイッチ402の操作を行い(S610)、設定値を変更する(S612)。変更した値は表示に反映する(S614、図5(d))。他にも設定を変更する必要がある場合はS602に戻り(S616)同様の操作を行う。他に設定をする必要がない場合にはシャッタースイッチ64を操作することで撮影動作を行う。
【0098】
上記の様に、本発明のカメラによれば、ファインダーを覗いている状態では複数のボタンスイッチが共通の単一機能を有するために、撮影者が操作しやすいボタンを用いて設定するパラメータを選択することが出来る。また、ファインダーを覗いたまま設定するパラメータを選択することが出来るため、効果的に撮影準備をすることが可能になる。
【0099】
上記実施の形態の説明においては、接眼状態において各ボタンスイッチは共通の機能、すなわち設定項目を選択する機能を有すると説明しているが、任意の1つまたは複数のボタンスイッチのみに共通の単一機能を持たせ、他のボタンスイッチの機能を無効とする構成にしても問題ない。
【0100】
また、上記実施の形態の説明においては、接眼状態において各ボタンスイッチは共通の機能、すなわち設定項目を選択する機能を有すると説明しているが、任意の1つまたは複数のボタンスイッチには設定項目を上記とは逆順に選択する機能を有する構成としても問題ない。
【0101】
また、上記実施の形態の説明においては、接眼状態において各ボタンスイッチは共通の機能、すなわち設定項目を選択する機能を有すると説明しているが、これを無効/有効に切り替えられる構成としても問題ない。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明を実現するための必要な機器類の構成図。
【図2】本発明を実現する機器の概略図。
【図3】本発明を実現する機器のファインダー内表示概略図。
【図4】本発明を実現するための主フローチャート。
【図5】設定項目選択時のファインダー内表示画面。
【図6】本発明における設定項目を選択する際の遷移図。
【符号の説明】
【0103】
12 シャッター
14 撮像素子
16 A/D変換器
18 タイミング発生回路
20 画像処理回路
22 メモリ制御回路
24 画像表示メモリ
26 D/A変換器
28 画像表示部
30 メモリ
32 画像圧縮・伸長回路
40 シャッター制御手段
42 測距手段
44 温度計
46 測光手段
48 フラッシュ
50 システム制御回路
52 メモリ
54 表示部
56 不揮発性メモリ
60 モードダイアルスイッチ
62 シャッタースイッチSW1
64 シャッタースイッチSW2
66 再生スイッチ
68 単写/連写スイッチ
69 ISO感度スイッチ
70 操作部
72 電源スイッチ
80 電源制御手段
82 コネクタ
84 コネクタ
86 電源手段
90 インタフェース
92 コネクタ
94 インタフェース
96 コネクタ
98 記録媒体着脱検知手段
100 画像処理装置
104 光学ファインダ
106 レンズマウント
110 通信手段
112 コネクタ(またはアンテナ)
120 インタフェース
122 コネクタ
130 ミラー
132 ミラー
200 記録媒体
202 記録部
204 インタフェース
206 コネクタ
210 記録媒体
212 記録部
214 インタフェース
216 コネクタ
300 レンズユニット
306 レンズマウント
310 撮影レンズ
312 絞り
320 インタフェース
322 コネクタ
340 露光制御手段
342 測距制御手段
344 ズーム制御手段
350 レンズシステム制御回路
400 接眼検知手段
402 メインダイヤル
404 測距点選択スイッチ
406 AFモード選択スイッチ
408 露出補正選択スイッチ
410 撮影画像サイズ及び画質選択スイッチ
412 ISO感度選択スイッチ
414 ホワイトバランス選択スイッチ
416 測光方法選択スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接眼ファインダーと、撮影者が前記接眼ファインダーを覗いたことを検知する接眼検知手段と、前記接眼ファインダー内に表示を行う表示手段と、複数の操作手段および、
前記複数の操作手段を用いた撮影に関するパラメータの変更操作方法、ならびに、
撮影に関するパラメータを前記表示手段に表示する表示方法を切り替える切替手段を備え、
前記切替手段は前記接眼検知手段の検出結果に基づき、
前記複数の操作手段を用いた前記撮影に関するパラメータの変更操作方法、ならびに、
前記撮影に関するパラメータを前記表示手段に表示する表示方法を切り替えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
前記接眼検知手段により接眼と判断した場合、前記複数の操作手段は共通の単一機能を有することを特徴とする請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記接眼検知手段により接眼と判断した場合、前記複数の操作手段のうち1つ或いは2つ以上の操作手段は共通の単一機能を有し、その他の操作手段の機能は無効にすることを特徴とする請求項1記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記接眼検知手段により接眼と判断した場合、前記複数の操作手段のうち1つ或いは2つ以上の操作手段は共通の第1の単一機能を有し、その他の操作手段は第2の共通の単一機能を有することを特徴とする請求項1記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記切り替え手段を有効/無効に出来ることが可能なことを特徴とする請求項1記載の電子カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−163773(P2007−163773A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359248(P2005−359248)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】