説明

デジタルカメラ

【課題】 デジタルカメラのモードに応じた適正なホワイトバランス調整が可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に係るデジタルカメラにおいては、ホワイトバランス調整回路202は、記録時には、光路中に存する拡散板フィルタを介して入射する入射光に基づき色温度を検出し、検出した色温度に基づき利得調整値を算出して画像データに対してホワイトバランス調整を行い、他方、モニタリング時には、拡散板フィルタを介さない入射光に基づき色温度を検出し、検出した色温度に基づき利得調整値を算出して画像データに対してホワイトバランス調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デジタルカメラに関し、詳細には、ホワイトバランス調整の際の色温度検出方法を、モードに応じて変更するデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】自ら発光しない被写体を撮影する場合、撮影画像における被写体の色は被写体の反射スペクトルとともに被写体を照明する光源の色温度(発光スペクトル)にも依存する。例えば、同じ白い紙を野外の太陽光の下で撮像したときは白く見えても、屋内の白熱ランプによる照明で撮影すると赤みがかって見える。
【0003】ところが、人間が直接被写体を見る場合は、目には照明に応じた色順応があるため、いずれの場合も白い紙は白く見える。そこで、カメラにも光源の種類に関係なく白い被写体が白く写る補正が必要である。この補正をホワイトバランス補正という。
【0004】ホワイトバランスを補正するには、撮影前に白い紙などを撮影し、R:G:Bの出力比が1:1:1となるように利得を調整すれば良い。しかし、頻繁に撮影条件が変わるデジタルカメラなどではこのような補正は煩わしいので、自動的に補正できるオートホワイトバランス機能が必要である。オートホワイトバランスの方式には、外部測光方式と内部測光方式がある。
【0005】外部測光方式は、撮像素子とは別に色温度測定用のセンサを持ち、この出力信号からRとBの利得制御信号を作り、R,G,Bのバランスを調整する方式である。他方、内部測光方式は、撮像素子からの画像信号を利用して補正信号を作る。広い領域の信号や長い時間の信号を積分すると無彩色になる場合が多いという画像の統計的性質を利用する方式である。具体的には、R−YとB−Yを積分した信号から、RとBの利得制御信号を作り、色温度の変動に関係なく、R−YとB−Yが0となるようなフィードバック系を形成する。
【0006】つぎに、従来提案されているホワイトバランス調整方法について説明する。例えば、特開平6−121321号公報(撮像装置)は、撮影レンズの前面に電動で開閉する白濁した半透明のカバーを装填し、撮像装置の電源投入時はこのカバーを通じて撮影し、その色信号レベルのレベル差が最小になるように各色信号成分の増幅率を調整した後、上記のカバーを開き撮影する技術を開示している。
【0007】また、特開平5−34767号公報(ビデオカメラのレンズキャップ)は、非散乱モードを有する液晶シートを使用して構成され、撮影時には上記液晶シートを非散乱モードとする技術を開示している。
【0008】また、特開平7−79444号公報(スチルビデオカメラ)は、第1および第2の撮影素子と、第1の撮影素子の受光面側に進退可能に設けられた色温度測定用フィルタと、この色温度フィルタを介して受光した第1の撮像素子からの出力信号に応じてホワイトバランス調整を行うホワイトバランス調整手段と、第2の撮像素子からの出力信号により撮像レンズを駆動して焦点制御する焦点制御手段とを備えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特開平6−121321号公報に記載された技術では、電源投入時のみ拡散板を用いてホワイトバランス調整を行うので、電源投入後に照明などが変わった場合は、正しくホワイトバランス調整ができないという問題がある。
【0010】また、上記特開平5−34767号公報に記載された技術では、精度に問題はないが照明の変化などを検出する手段がないため、再び調整し直すことができないという問題がある。
【0011】また、特開平7−79444号公報に記載された技術では、光を分割して、AFと拡散板を用いたホワイトバランス調整を同時に行うので、CCDが2つ必要となりコストが高くなるという問題がある。
【0012】本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、デジタルカメラのモードに応じた適正なホワイトバランス調整が可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、レンズ系を介して結像される被写体像を画像データに変換する撮像手段と、ホワイトバランス調整のための色温度検出を互いに異なった方法で行う第1および第2の色温度検出手段と、記録時には第1の色温度検出手段を、モニタリング時には第2の色温度検出手段を選択する選択手段と、画像データの利得を調整する利得調整手段と、前記選択手段で選択された前記第1の色温度検出手段または第2の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して前記利得調整手段に設定してホワイトバランスを制御するホワイトバランス制御手段と、を備えたものである。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、レンズ系を介して結像される被写体像を画像データに変換する撮像手段と、ホワイトバランス調整のための色温度検出を互いに異なった方法で行う第1および第2の色温度検出手段と、撮影準備時および記録時には第1の色温度検出手段を、モニタリング時には第2の色温度検出手段を選択する選択手段と、画像データの利得を調整する利得調整手段と、前記選択手段で選択された前記第1の色温度検出手段または第2の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して前記利得調整手段に設定してホワイトバランスを制御するホワイトバランス制御手段と、を備えたものである。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記第1の色温度検出手段は、光路中に存する拡散板フィルタまたは乳白色フィルタを介して入射する入射光に基づき色温度を検出し、前記第2の色温度検出手段は、拡散板フィルタまたは乳白色フィルタを介さない入射光に基づき色温度を検出するものである。
【0016】また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記記録時には、まず、撮像を行って、記憶手段に画像データを格納し、ついで、前記第1の色温度検出手段により色温度検出を行い、そして、前記ホワイトバランス制御手段は、前記第1の色温度検出手の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して前記利得調整手段を設定し、前記記憶手段に格納された画像データに対してホワイトバランス調整を施し、その後、記録媒体に記録するものである。
【0017】また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、さらに、前記拡散板フィルタまたは前記乳白色フィルタを備えた絞りと、前記絞りを移動させ、前記拡散板フィルタまたは前記乳白色フィルタの光路中への挿退出を行う絞り駆動手段とを備えたものである。
【0018】また、請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、さらに、前記拡散板フィルタまたは前記乳白色フィルタを備えたシャッタと、前記シャッタを駆動して、前記拡散板フィルタまたは前記乳白色フィルタの光路中への挿退出を行うシャッタ駆動手段を備えたものである。
【0019】また、請求項7に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、さらに、光路中に、電界の印加の有無に応じて光散乱状態と透明状態とが切り替わる液晶板と、前記液晶板に電界を印加して駆動する液晶板駆動手段とを備え、前記第1の色温度検出手段は、光散乱状態にある液晶板を介して入射する入射光に基づき色温度検出を行い、前記第2の色温度検出手段は、透明状態にある液晶板を介して入射する入射光に基づき色温度検出を行うものである。
【0020】また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記モニタリング時に、入射する光量または前記利得調整値が所定値を超えた場合には、前記選択手段は前記第1の色温度検出手段を選択し、前記ホワイトバランス制御手段は、前記第1の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して前記利得調整手段に設定してホワイトバランスを制御するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この発明に係るデジタルカメラの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0022】(実施の形態1)実施の形態1に係るデジタルカメラを図1〜図4を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。同図に示す如く、デジタルカメラは、レンズ系100a,100b,シャッタ101、絞り102、CCD103,CDS回路104,AGCアンプ105、A/D変換器106、信号処理部107、圧縮・伸長部108,MCC110,RAM111,PCカードインタフェース112,コントローラ121,表示部122,操作部123,SG(制御信号生成)部124,レンズ駆動回路125,レンズ駆動機構126,シャッタ駆動回路127,シャッタ駆動機構128,絞り駆動回路129、絞り駆動機構130を具備して構成されている。また,PCカードインタフェース112を介して着脱可能なPCカード150が接続されている。
【0023】レンズ系100a,100bは、被写体像をCCD103上に結像する。レンズ駆動回路125は、コントローラ121から供給される制御信号に従って、レンズ駆動機構126を駆動して、レンズ系100a,100bを光軸方向に移動させる。シャッタ駆動回路127は、コントローラ121から供給される制御信号に従って、シャッタ駆動機構128を駆動して、シャッタ101の開閉を制御する。
【0024】絞り102は、被写体の光量を制限するためのものである。絞り駆動回路129は、コントローラ121から供給される制御信号に従って、絞り駆動機構130を駆動し、絞り102を所望の開口度に設定する。
【0025】CCD(電荷結合素子)103は,レンズ系100a、100bを介して入力した被写体像を電気信号(アナログ画像データ)に変換する。CDS(相関2重サンプリング)回路104は,CCD型撮像素子に対する低雑音化のための回路である。
【0026】また,AGCアンプ105は,CDS回路104で相関2重サンプリングされた信号のレベルを補正する。さらにA/D変換器106は,AGCアンプ105を介して入力したCCD103からのアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。すなわち,CCD103の出力信号は,CDS回路104およびAGCアンプ105を介し,またA/D変換器105により,最適なサンプリング周波数(例えば,NTSC信号のサブキャリア周波数の整数倍)にてデジタル信号に変換される。
【0027】信号処理部107は、入力される画像データに対して信号処理を行うものである。圧縮・伸長部108は、画像圧縮・伸長を行うものであり、例えば、JPEG準拠の画像圧縮・伸長を行う。
【0028】MCC(Memory Card Controller)110は,圧縮処理された画像を一旦蓄えてPCカードインタフェース112を介してPCカード150への記録,或いはPCカード150からの読み出しを行う。
【0029】コントローラ121は、ROMに格納されたプログラムに従ってRAMを作業領域として使用して、操作部123からの指示,或いは図示しないリモコン等の外部動作指示に従い,上記デジタルカメラ内部の全動作を制御する。具体的には、コントローラ121は,撮像動作、自動露出(AE)動作、自動ホワイトバランス(AWB)調整動作や、AF動作等の制御を行う。
【0030】表示部122は,LCD,LED,EL等で実現されており,撮像したデジタル画像データや,伸長処理された記録画像データ等の表示を行う。操作部123は,撮影(記録)の指示を行うレリーズキーや、機能選択およびその他の各種設定を外部から行うためのボタンを備えている。
【0031】上記したデジタルカメラ100(コントローラ121)は、被写体を撮像して得られる画像データをPCカード150に記録する記録モード、被写体を撮像して得られる画像データを表示部122に直接表示するモニタリングモードを備えている。
【0032】図2は、上記図1の信号処理回路107の具体的な構成例を示す図である。信号処理部107は、図2に示す如く、色分離を行う色分離回路201、ホワイトバランス調整を行うホワイトバランス調整回路202、輝度信号と色差信号を分離するマトリクス回路203、およびビデオ信号を生成するビデオ信号処理部204を含んでいる。また、ホワイトバランス調整回路202は、色温度の検出を行う色温度検出部211、色温度検出部211の色温度検出結果に基づき、利得調整値(ホワイトバランス調整値)を算出し、算出した利得調整値を利得調整回路210に設定する色温度制御部212、および画像データの利得を調整する利得調整回路210を含んでいる。
【0033】上記構成の信号処理回路107では、色分離回路201は、入力される画像データをR、G,Bに分離してRGB信号をホワイトバランス調整回路202に出力する。ホワイトバランス調整回路202では、色温度検出回路211は、色分離回路105から入力されるRGB信号の色温度を検出する。色温度制御部212は、色温度検出部211の色温度検出結果に基づき、R信号およびB信号の利得調整値を夫々算出し、利得調整回路210にR信号とB信号の利得調整値を設定する。
【0034】利得調整回路210では、入力されるRGB信号のうちR信号とB信号に対して、色色温度制御部212で設定される利得調整値に応じたゲイン調整を施し、ゲイン調整したRGB信号を出力する。マトリクス回路107は、入力されるRGB信号を輝度信号Yと色差信号Cr、Cbに変換して出力する。ビデオ信号処理部204では、入力される輝度信号Yと色差信号Cr、Cbをビデオ信号に変換して出力する。
【0035】図3は、上記図1の絞り102の構成例1(スライダー式)を示す図である。図4は、上記図1の絞り102の構成例2(回転式)を示す図である。
【0036】図3に示す絞り102は、スライダー式の構成となっており、絞り板300は、略長方形状を呈し、大きさの異なる開口部302〜304が設けられている。また、絞り板300には、開口部を覆う拡散板フィルタ301が設けられている。絞り板300の下部には、絞り駆動機構130の駆動歯車306と歯合するラック305が形成されている。上記構成において、絞り駆動回路129により駆絞り駆動機構130の駆動歯車306が駆動されて回転し、この回転方向に応じてスライダー式の絞り板300がスライドする。すなわち、絞り駆動回路129は、コントローラ121の制御信号に応じて、絞り板300をスライドさせ、絞り板300の開口部302〜304および拡散板フィルタ301の何れかを光路中に配置させる。
【0037】図4に示す絞り102は、回転式の構成となっており、絞り板400は、円形状を呈し、支持部材410により回動可能に支持されている。絞り板400には、大きさの異なる開口部402〜404が設けられ、また、開口部を覆う拡散板フィルタ401が設けられている。そして、絞り板400には、絞り駆動機構130の駆動歯車411と歯合するラックが形成されている。上記構成において、絞り駆動回路129により絞り駆動機構130の駆動歯車411が駆動されて回転し、これに応じて絞り板400が回転する。すなわち、絞り駆動回路129は、コントローラ121の制御信号に応じて、絞り板400を回転させ、絞り板400の開口部402〜403および拡散板フィルタ401の何れかを光路中に配置させる。
【0038】つぎに、上記構成のデジタルカメラのホワイトバランス調整に関する動作を、モニタリングモード時と記録モード時に分けて説明する。まず、モニタリングモード時について説明する。図1において、まず、コントローラ121は、操作部123の操作により、モニタリングモードが選択された場合には、モニタリングモードを実行する。具体的には、まず、絞り駆動回路130はコントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の所望の開口部を光路中に配置させ、CCD103の前方に配置する。
【0039】そして、コントローラ121の制御により、レンズ系101a、101bおよび絞り102の開口部を介して入射する被写体像に応じた画像データがCCD103から読み出され、続いて、CDS回路104でノイズ低減が行われ、AGCアンプ105でゲイン調整された画像データは、A/D変換器106でデジタル画像データに変換され信号処理部107に入力される。そして、デジタル画像データは、信号処理部107によって色分離された後、輝度信号と色差信号に変換され、さらにビデオ信号に変換されて、表示部122に表示される。
【0040】このモニタリングモード時のホワイトバランス調整を説明する。このモニタリングモード時には、内部測光方式によってホワイトバランス調整を行う。この場合の内部測光方式としては、面の色成分を混ぜ合わせると無彩色になるという仮定を利用した全画面平均方式や画面内の白の部分を検出してホワイトバランスを調整する白部抽出方式を使用することができる。
【0041】具体的には、ホワイトバランス調整回路202(図2参照)では、色温度検出部211により、色分離回路201から入力されるRGB信号の色温度が検出される。そして、色温度制御部212により、色温度検部211の色温度検出結果に基づき、R信号およびB信号の利得調整値を夫々算出され、利得調整回路106にR信号とB信号の利得調整値に設定される。利得調整回路210では、入力されるRGB信号のうちR信号とB信号に対して、色温度制御部212で設定される利得調整値に応じたゲイン調整が施され、ホワイトバランス調整されたRGB信号が出力される。このホワイトバランス調整は、モニタリング中、連続的に行われる。
【0042】次に、記録モード時について説明する。コントローラ121は、レリーズキーが押下された場合には、記録モードを実行する。この記録モードが選択された場合には、まず、ホワイトバランス調整のための利得調整値の設定動作が行われる。図1において、まず、絞り駆動回路129はコントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の拡散板フィルタを光路中に配置させ、CCD103の前方に配置する。そして、コントローラ121の制御により、レンズ系101a、101bおよび絞り102の拡散板フィルタを介して入射する光像に応じた画像データがCCD103から読み出され、CDS回路104でノイズ低減が行われ、AGCアンプ105でゲイン調整された画像データは、A/D変換器106でデジタル画像データに変換され信号処理部107に入力される。
【0043】信号処理部107では、色分離回路201により、入力される画像データがR、G,Bに分離されて得られるRGB信号がホワイトバランス調整回路202に入力される。ホワイトバランス調整回路202では、色温度検出部211により、色分離回路105から入力されるRGB信号の色温度が検出される。そして、色温度制御部212により、色温度検出部211の色温度検出結果に基づき、R,G,Bの各信号のレベルが最小値になるようなR信号およびB信号の利得調整値が夫々算出され、利得調整回路210のR信号とB信号の利得調整値が設定される。
【0044】そして、上記ホワイトバランス調整のための利得調整値の設定が終了すると、絞り駆動回路129はコントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の拡散板フィルタを光路中から退避させて設定される絞り値に対応した開口部を、光路中に配置させ、CCD103の前方に配置する。そして、コントローラ121の制御により、レンズ系100a、100bおよび絞り102の開口部を介して入射する被写体像に応じた画像データがCCD103から読み出され、CDS回路104でノイズ低減が行われ、さらに、AGCアンプ105でゲイン調整された画像データは、A/D変換器106でデジタル画像データに変換され信号処理部107に入力される。
【0045】信号処理部107(図2参照)では、色分離回路201によって、デジタル画像データは、RGB信号に色分離された後、ホワイトバランス調整回路202では、入力されるRGB信号のうちR信号とB信号に対して、上記で設定された利得調整値に応じたゲイン調整が施され、ホワイトバランス調整されたRGB信号が出力される。そして、ホワイトバランス調整されたRGB信号は、マトリクス回路203で、輝度信号と色差信号に変換された後、圧縮・伸長部108で圧縮処理され、圧縮処理された画像データは、MCC110を介して、PCカード150に記録される。
【0046】すなわち、記録モード時には、拡散板フィルタから入射する光を使用してホワイトバランス調整を行うことにより、被写体となる人物の服の色や背景の色や照明の影響を受けることなく、良好なホワイトバランスを保つことができる。
【0047】以上説明したように、実施の形態1においては、モニタリング時には、拡散板フィルタを介さない通常の画像データに基づいて、ホワイトバランス調整を行い、他方、記録モード時には、PCカード150への記録に先行して、拡散板フィルタを介した光を使用して利得調整値を算出して設定し、その後、撮像を行って適正な利得調整値でホワイトバランス調整した画像データをPCカード150に記録することとしたので、すなわち、モニタリング時のホワイトバランス調整は、精度は多少ラフであっても、画像の取り込みを中断させない方法でホワイトバランス調整を行い、他方、記録時のホワイトバランス調整は、画像の取り込みを中断させても、より精度の良い方法で行うこととしたので、モニタリング時はモニタリングを中断させず、記録時は正確なホワイトバランス調整が行うことができ、モードに適したホワイトバランス調整を行うことが可能となる。
【0048】また、本実施の形態1においては、ホワイトバランス調整の際に使用する拡散板フィルタとして、絞りに設けられた拡散板フィルタを使用することとしたので、コンパクトな構成で高精度な色温度検出が可能となる。
【0049】なお、実施の形態1においては、絞りに拡散板フィルタを設けた構成としたが、本発明はこれに限られるものではなく、拡散板フィルタの代わりに、絞りに白乳色フィルタを設け、記録モード時のホワイトバランス調整で、この白乳色フィルタを介した光に基づいてホワイトバランス調整することにしても良い。
【0050】(実施の形態2)実施の形態2のデジタルカメラを図5を参照して説明する。図5は、実施の形態2のホワイトバランス調整動作を説明するためのフローチャートである。実施の形態2のデジタルカメラの構成は実施の形態1と同様の構成で実現できる。実施の形態2においては、記録モード時において、まず、撮像した画像データをホワイトバランス調整する前に、一旦、RAM111に格納し、次いで、利得調整値を算出するための撮像を行って利得調整値を算出して、算出した利得調整値に基づき、RAM111に格納された画像データに対してホワイトバランス調整を施し、その後、PCカード150に格納するものである。以下、具体的に説明する。
【0051】図5において、コントローラ121は、レリーズキーが押下された場合には、記録モードを実行する。まず、コントローラ121の制御により、AF処理、AE処理が実行される(ステップS100)。AF処理・AE処理は、公知の処理であるのでここではその詳細な説明を省略する。次いで、撮像動作を開始し(ステップS101)、コントローラ121の制御により、CCD103では、設定される絞り値に対応した絞り102の開口部を介して入射する被写体像に応じた画像データが読み出され、CDS回路104でノイズ低減が行われ、さらにAGCアンプ105でゲイン調整された画像データは、A/D変換器106でデジタル画像データに変換され信号処理部107に入力される。信号処理部107では、色分離回路201により、画像データがR、G,Bに分離されてRAM111に格納される(ステップS102)。
【0052】ついで、絞り駆動回路129は、コントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の拡散板フィルタを光路中に配置させ、CCD103の前方に配置する(ステップS103)。そして、利得調整値を算出するためのデータのサンプリングが行われる(ステップS104)。具体的には、コントローラ121の制御により、拡散板フィルタを介して入射する光像に応じた画像データがCCD103から読み出され、CDS回路104でノイズ低減が行われ、さらにAGCアンプ105でゲイン調整された画像データが、A/D変換器106でデジタル画像データに変換され信号処理部107に入力される。
【0053】信号処理部107では、信号処理部107では、色分離回路201により、入力される画像データがR、G,Bに分離されて得られるRGB信号がホワイトバランス調整回路202に入力される。ホワイトバランス調整回路202では、色温度検出部211により、色分離回路105から入力されるRGB信号の色温度が検出される。そして、色温度制御部212により、色温度検出部211の色温度検出結果に基づき、R,G,Bの各信号のレベルが最小値になるようなR信号およびB信号の利得調整値が夫々算出され、利得調整回路106のR信号とB信号の利得調整値が設定される(ステップS105)。
【0054】そして、上記利得調整値の設定動作が終了すると、上記で撮像されRAM111に格納されている画像データが読み出され、ホワイトバランス調整回路202では、入力される画像データのR信号とB信号に対して、上記で設定された利得調整値に応じたゲイン調整が施され、ホワイトバランス調整されたRGB信号が出力される(ステップS106)。そして、ホワイトバランス調整された画像データは、マトリクス回路203で、輝度信号と色差信号に変換された後、圧縮・伸長部108で圧縮処理され、圧縮処理された画像データは、MCC110を介して、PCカード150に記録される(ステップS107)。そして、絞り駆動回路129は、コントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の拡散板フィルタを光路中から退避させる。
【0055】なお、実施の形態2において、モニタリングモード時のホワイトバランス調整は、実施の形態1と同様の処理を行うので、その説明は省略する。
【0056】以上説明したように、実施の形態2においては、記録モード時において、まず、撮像した画像データをホワイトバランス調整する前に、一旦、RAM1111に格納し、次いで、利得調整値を算出するための撮像を行って利得調整値を算出して、算出した利得調整値に基づき、RAM111に格納された画像データに対してホワイトバランス調整を施し、その後、PCカード150に格納することとしたので、撮影の前に、ホワイトバランス調整のためにサンプリングを回避でき、シャッタチャンスを逃がすことを防止できる。
【0057】(実施の形態3)実施の形態3のデジタルカメラを説明する。実施の形態3のデジタルカメラの構成は実施の形態1と同様の構成で実現できる。実施の形態3においては、撮影準備時(電源投入直後、撮影モードへの切替直後や、レンズバリアを開いた直後等)に、拡散板を経た光に基づいたホワイトバランス調整を行うものである。
【0058】まず、撮影準備時(電源投入直後、撮影モードへの切替直後や、レンズバリアを開いた直後等)には、まず、ホワイトバランス調整のための利得調整値(ホワイトバランス調整値)の設定動作が行われる。図1において、まず、絞り駆動回路129はコントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の拡散板フィルタを光路中に配置させ、CCD103の前方に配置する。そして、コントローラ121の制御により、レンズ系101a、101bおよび絞り102の拡散板フィルタを介して入射する光像に応じた画像データがCCD103から読み出され、CDS回路104でノイズ低減が行われ、AGCアンプ105でゲイン調整された画像データは、A/D変換器106でデジタル画像データに変換され信号処理部107に入力される。
【0059】信号処理部107では、色分離回路201により、入力される画像データがR、G,Bに分離されて得られるRGB信号がホワイトバランス調整回路202に入力される。ホワイトバランス調整回路202では、色温度検出部211により、色分離回路105から入力されるRGB信号の色温度が検出される。そして、色温度制御部212により、色温度検出部211の色温度検出結果に基づき、R,G,Bの各信号のレベルが最小値になるようなR信号およびB信号の利得調整値が夫々算出され、利得調整回路106のR信号とB信号の利得調整値が設定される。
【0060】そして、上記ホワイトバランス動作が終了すると、絞り駆動回路129はコントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の拡散板フィルタを光路中から退避させる。
【0061】そして、コントローラ121は、モニタリングモードが選択された場合には、モニタリングモードを実行する。具体的には、まず、絞り駆動回路130はコントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の所望の開口部を光路中に配置させ、CCD103の前方に配置する。
【0062】そして、コントローラ121の制御により、レンズ系101a、101bおよび絞り102の開口部を介して入射する被写体像に応じた画像データがCCD103から読み出され、続いて、CDS回路104でノイズ低減が行われ、AGCアンプ105でゲイン調整された画像データは、A/D変換器106でデジタル画像データに変換され信号処理部107に入力される。そして、デジタル画像データは、信号処理部107では、色分離回路201によって色分離された後、ホワイトバランス調整回路202で、上記ホワイトバランス調整動作で設定される利得調整値に基づいたホワイトバランス調整が行われる。そして、マトリクス回路203で、輝度信号と色差信号に変換された後、さらにビデオ信号処理部204でビデオ信号に変換されて、表示部122に表示される。
【0063】また、コントローラ121は、レリーズキーが押下された場合には、記録モードを実行する。具体的には、まず、絞り駆動回路130はコントローラ121からの制御信号に基づき、絞り駆動機構130を駆動して絞り102の所望の開口部を光路中に配置させ、CCD103の前方に配置する。
【0064】そして、コントローラ121の制御により、レンズ系101a、101bおよび絞り102の開口部を介して入射する被写体像に応じた画像データがCCD103から読み出され、続いて、CDS回路104でノイズ低減が行われ、AGCアンプ105でゲイン調整された画像データは、A/D変換器106でデジタル画像データに変換され信号処理部107に入力される。そして、デジタル画像データは、信号処理部107では、色分離回路201によって色分離された後、ホワイトバランス調整回路202で、上記ホワイトバランス調整動作で設定される利得調整値に基づいたホワイトバランス調整が行われる。そして、ホワイトバランス調整されたRGB信号が出力される。そして、ホワイトバランス調整されたRGB信号は、マトリクス回路203で、輝度信号と色差信号に変換された後、圧縮・伸長部108で圧縮処理され、圧縮処理された画像データは、MCC110を介して、PCカード150に記録される。
【0065】以上説明したように、実施の形態3においては、撮影準備時(電源投入直後、撮影モードへの切替直後や、レンズバリアを開いた直後等)に、拡散板フィルタを経た入射光に基づいて色温度を検出して利得調整値を算出し、ホワイトバランス調整することとしたので、撮影準備の段階で、精度の良い方法で色温度を検出でき、モニタリング時のホワイトバランス調整を高精度に行うことが可能となる。
【0066】(実施の形態4)実施の形態4に係るデジタルカメラを、図6および図7を参照して説明する。上記実施の形態1〜実施の形態3においては、絞り102に拡散板フィルタを設けた構成としたが、実施の形態4ではシャッタ101に拡散板フィルタを設けた構成とした。図6は実施の形態4に係るシャッタ101の構成を示す図である。
【0067】図6に示すシャッタ101は、シャッタ羽根500に、開口部を形成し、その開口部を拡散板フィルタ501で覆っている。また、シャッタ羽根500は回動部材(絞り駆動機構)510に固定されており、この回動部材510は、シャッタ駆動回路127により回動駆動される。したがって、シャッタ駆動回路127により回動部材510を回動させると、これに従ってシャッタ羽根500が回転する。すなわち、シャッタ駆動回路127は、コントローラ121の制御信号に応じて、回動部材510を回転させ、シャッタ羽根500の拡散板フィルタ501を光路中に配置する。
【0068】図7は、シャッタ羽根500の位置を説明するための説明図である。同図(A)は、シャッタが閉成している場合を示し、同図(B)は、光路中にシャッタの拡散板フィルタ501を配置した場合を示す図である。
【0069】拡散板フィルタを経た光でホワイトバランス調整する場合には、上記構成のシャッタ101に設けられた拡散板フィルタを、実施の形態1で説明した絞り102に設けれられた拡散板フィルタの代わりに使用して、シャッタ101に設けられた拡散板フィルタ501を光路中に配置する。
【0070】以上説明したように、実施の形態4においては、ホワイトバランス調整の際に使用する拡散板フィルタとして、シャッタに設けられた拡散板フィルタを使用することとしたので、コンパクトな構成で高精度な色温度検出が可能となる。
【0071】なお、実施の形態1においては、シャッタに拡散板フィルタを設けた構成としたが、本発明はこれに限られるものではなく、拡散板フィルタの代わりに、シャッタに白乳色フィルタを設け、拡散板フィルタの代わりに使用しても良い。
【0072】(実施の形態5)実施の形態5を、図8〜図13に基づいて説明する。図8は、実施の形態5に係るデジタルカメラの構成を示す図である。実施の形態1と同等構成・機能を有する部分は同一符号を付してあり、その説明は省略する。実施の形態5が実施の形態1と異なる点は、液晶板200と液晶板駆動回路201を設けた点である。実施の形態1〜4では、拡散板フィルタを用いて色温度を検出する例を説明したが、実施の形態5では、拡散板フィルタの代わりに液晶板を使用し、液晶板が光散乱状態にある時の入射光に基づき色温度検出を行う。
【0073】図8において、液晶板200は、CCD103の前に配置され、液晶板駆動回路201の印加電圧に応じて、透明状態と光散乱状態とが切り替わる。液晶板200としては、例えば、高分子分散液晶板を使用することができる。液晶板駆動回路201は、コントローラ121から送信される制御信号に従って、液晶板200に印加電圧を印加して液晶板の透明状態と光散乱状態とを切り替えるための駆動回路である。
【0074】図9および図10は液晶板200の散乱状態を説明するための図であり、図9は液晶板200が透明状態にある場合、図9は液晶板200が光散乱状態にある場合を示す。液晶板駆動回路201によって、液晶板200に電界が印加されている場合には、図9に示すように、液晶分子が電界の方向に揃って入射光は散乱せずに直進する(透明状態)。他方、液晶板駆動回路201によって、液晶板200に電界が印加されていない場合には、図10に示す如く、液晶分子の向きが無秩序となって入射光が散乱する(光散乱状態)。図11および図12は、図8のデジタルカメラの液晶板200周辺の構成を示す図であり、図11は液晶板200が透明状態にある場合、図12は液晶板200が光散乱状態にある場合を示す。
【0075】上記実施の形態1〜4では、拡散板フィルタを経た入射光に基づいて色温度検出を行っているが、実施の形態5では、液晶板200が光散乱状態にある場合に該液晶板から入射される光に基づいて色温度検出を行う。具体的には、記録時(実施の形態1参照)や撮影準備時(実施の形態3参照)のホワイトバランス調整用のデータサンプリングの際には、液晶板200を光散乱状態にして、ホワイトバランス調整用のデータのサンプリングを行い、その他の場合には、液晶板200を透明状態にする。
【0076】なお、モニタリングモードで、内部測光方式による色温度検出の際に色温度が所定値より大きく変化した場合や、光量が所定量より大きく変化した場合には、液晶板200を一時的に光散乱状態にして、ホワイトバランス調整のための色温度検出を行うことにしても良い。図13は、モニタリング時の液晶板の駆動タイミングを示す図であり、同図(A)は、電子シャッタのタイミングのON/OFFのタイミングを示し、同図(B)は、液晶板の状態を示す図である。モニタリング時に、内部測光方式により検出された色温度または入射する光量が所定値を超えた場合には、図13に示すように、1コマを取り込む間だけ、液晶板200を白濁(非散乱状態とする)させて、ホワイトバランス調整回路202の色温度検出部211で色温度検出を行う。この場合には、1コマを取り込む間だけ液晶板200を白濁させているので、モニタリングには殆ど影響がない。
【0077】そして、上述したように、色温度制御部212により、色温度検出部211の色温度検出結果に基づき、R,G,Bの各信号のレベル差が最小になるようなR信号およびB信号の利得調整値が夫々算出され、利得調整回路210のR信号とB信号の利得調整値が設定される。そして、利得調整回路210では、設定された利得調整値に基づいたホワイトバランス調整が行われる。
【0078】以上説明したように、本実施の形態5においては、ホワイトバランス調整に際して、液晶板を光散乱状態としてサンプリングすることとしたので、デジタルカメラの構成をコンパクトにすることが可能となる。
【0079】また、モニタリングモード時に、内部測光方式による色温度検出で色温度が所定の値より大きく変化した場合や、光量が所定量より大きく変化した場合には、液晶板を光散乱状態にして、ホワイトバランス調整のための色温度検出を行うこととしたので、モニタリングの最中でも正確なホワイトバランス調整をすることが可能となる。
【0080】尚、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、ホワイトバランス調整のための色温度検出を互いに異なった方法で行う第1および第2の色温度検出手段を備え、記録時には第1の色温度検出手段を、モニタリング時には第2の色温度検出手段を選択し、選択された第1の色温度検出手段または第2の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して利得調整手段に設定し画像データのホワイトバランスを制御することとしたので、モードに応じた適切なホワイトバランス調整が可能となる。
【0082】また、請求項2に記載の発明によれば、ホワイトバランス調整のための色温度検出を互いに異なった方法で行う第1および第2の色温度検出手段を備え、撮影準備時および記録時には第1の色温度検出手段を、モニタリング時には第2の色温度検出手段を選択し、選択された第1の色温度検出手段または第2の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して利得調整手段に設定して画像データのホワイトバランスを制御することとしたので、モードに応じた適切なホワイトバランス調整が可能となる。
【0083】また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明において、第1の色温度検出手段は、光路中に存する拡散板または乳白色フィルタを介して入射する入射光に基づき色温度を検出し、第2の色温度検出手段は、拡散板フィルタまたは乳白色フィルタを介さない入射光に基づき色温度を検出することとしたので、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、記録時には正確なホワイトバランス調整が可能となり、他方、モニタリング時にはモニタリングを中断させないでホワイトバランス調整が可能となる。
【0084】また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の発明において、記録時には、まず、撮像を行って、記憶手段に画像データを格納し、ついで、第1の色温度検出手段により色温度検出を行い、そして、第1の色温度検出手の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して利得調整手段を設定し、記憶手段に格納された画像データに対してホワイトバランス調整を施し、その後、記録媒体に記録することとしたので、請求項1〜請求項3に記載の発明の効果に加えて、記録のための撮像の前に、ホワイトバランス調整のための色温度検出を行わないためシャッタチャンスを逃がすのを防止できる。
【0085】また、請求項5に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明において、さらに、拡散板フィルタまたは乳白色フィルタを備えた絞りと、絞りを移動させ拡散板フィルタまたは乳白色フィルタの光路中への挿退出を行う絞り駆動手段とを備えたこととしたので、請求項3に記載の発明の効果に加えて、省スペースかつ簡単な構成で高精度なホワイトバランス調整が可能となる。
【0086】また、請求項6に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明において、さらに、拡散板フィルタまたは乳白色フィルタを備えたシャッタと、シャッタを駆動して、拡散板フィルタまたは乳白色フィルタの光路中への挿退出を行うシャッタ駆動手段を備えたこととしたので、請求項6に記載の発明の効果に加えて、省スペースかつ簡単な構成で高精度なホワイトバランス調整が可能となる。
【0087】また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明において、さらに、光路中に、電界の印加の有無に応じて光散乱状態と透明状態とが切り替わる液晶板と、液晶板に電界を印加して駆動する液晶板駆動手段とを備え、第1の色温度検出手段は、光散乱状態にある液晶板を介して入射する入射光に基づき色温度検出を行い、第2の色温度検出手段は、透明状態にある液晶板を介して入射する入射光に基づき色温度検出を行うこととしたので、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、省スペースかつ簡単な構成で高精度なホワイトバランス調整が可能となる。
【0088】また、請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明において、モニタリング時に、入射する光量または利得調整値が所定値を超えた場合には、第1の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して利得調整手段を設定してホワイトバランスを制御することとしたので、請求項7に記載の発明の効果に加えて、モニタリング時にも精度の高いホワイトバランス調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の信号処理部の具体的な構成例を示す図である。
【図3】図1の絞りの構成例1(スライダー式)を示す図である。
【図4】図1の絞りの構成例2(回転式)を示す図である。
【図5】実施の形態2のホワイトバランス調整動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施の形態4に係るシャッタの構成を示す図である。
【図7】シャッタ羽根の位置を説明するための説明図である。
【図8】実施の形態5に係るデジタルカメラの構成を示す図である。
【図9】図8の液晶板の非散乱状態(透明状態)を説明するための説明図である。
【図10】図8の液晶板の散乱状態を説明するための説明図である。
【図11】図8のデジタルカメラの液晶板周辺の構成を示す図である。
【図12】図8のデジタルカメラの液晶板周辺の構成を示す図である。
【図13】モニタリング時の液晶板の駆動タイミングを示す図である。
【符号の説明】
100 レンズ系
101 シャッタ
102 絞り
103 CCD(電荷結合素子)
104 CDS(相関2重サンプリング)回路
105 可変利得増幅器(AGCアンプ)
106 A/D変換器
107 信号処理部
108 圧縮・伸張部
110 MCC(Memory Card Controller)
111 RAM(内部メモリ)
112 PCカードインタフェース
121 コントローラ
122 表示部
123 操作部
125 レンズ駆動回路
126 レンズ駆動機構
127 シャッタ駆動回路
128 シャッタ駆動機構
129 絞り駆動回路
130 絞り駆動機構
150 PCカード
200 絞り板
201 色分離回路
202 ホワイトバランス調整回路
203 マトリクス回路
204 ビデオ信号処理部
210 利得調整回路
211 色温度検出部
212 色温度制御部
300 絞り板
301 拡散板フィルタ
302〜304 開口部
305 ラック
306 駆動歯車
400 絞り板
401 拡散板フィルタ
402〜404 開口部
410 支持部材
411 駆動歯車
500 シャッタ羽根
501 拡散板フィルタ
510 回動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 レンズ系を介して結像される被写体像を画像データに変換する撮像手段と、ホワイトバランス調整のための色温度検出を互いに異なった方法で行う第1および第2の色温度検出手段と、記録時には第1の色温度検出手段を、モニタリング時には第2の色温度検出手段を選択する選択手段と、画像データの利得を調整する利得調整手段と、前記選択手段で選択された前記第1の色温度検出手段または第2の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して前記利得調整手段に設定してホワイトバランスを制御するホワイトバランス制御手段と、を備えたことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】 レンズ系を介して結像される被写体像を画像データに変換する撮像手段と、ホワイトバランス調整のための色温度検出を互いに異なった方法で行う第1および第2の色温度検出手段と、撮影準備時および記録時には第1の色温度検出手段を、モニタリング時には第2の色温度検出手段を選択する選択手段と、画像データの利得を調整する利得調整手段と、前記選択手段で選択された前記第1の色温度検出手段または第2の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して前記利得調整手段に設定してホワイトバランスを制御するホワイトバランス制御手段と、
【請求項3】 前記第1の色温度検出手段は、光路中に存する拡散板フィルタまたは乳白色フィルタを介して入射する入射光に基づき色温度を検出し、前記第2の色温度検出手段は、拡散板フィルタまたは乳白色フィルタを介さない入射光に基づき色温度を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】 前記記録時には、まず、撮像を行って、記憶手段に画像データを格納し、ついで、前記第1の色温度検出手段により色温度検出を行い、そして、前記ホワイトバランス制御手段は、前記第1の色温度検出手の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して前記利得調整手段に設定して、前記記憶手段に格納された画像データに対してホワイトバランス調整を施し、その後、記録媒体に記録することとを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のデジタルカメラ。
【請求項5】 さらに、前記拡散板フィルタまたは前記乳白色フィルタを備えた絞り板と、前記絞りを移動させ、前記拡散板フィルタまたは前記乳白色フィルタの光路中への挿退出を行う絞り駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】 さらに、前記拡散板フィルタまたは前記乳白色フィルタを備えたシャッタと、前記シャッタを駆動して、前記拡散板フィルタまたは前記乳白色フィルタの光路中への挿退出を行うシャッタ駆動手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】 さらに、光路中に、電界の印加の有無に応じて光散乱状態と透明状態とが切り替わる液晶板と、前記液晶板に電界を印加して駆動する液晶板駆動手段とを備え、前記第1の色温度検出手段は、光散乱状態にある液晶板を介して入射する入射光に基づき色温度検出を行い、前記第2の色温度検出手段は、透明状態にある液晶板を介して入射する入射光に基づき色温度検出を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】 前記モニタリング時に、入射する光量または前記利得調整値が所定値を超えた場合には、前記選択手段は、前記第1の色温度検出手段を選択し、前記ホワイトバランス制御手段は、前記第1の色温度検出手段の色温度検出結果に基づき利得調整値を算出して前記利得調整手段に設定してホワイトバランスを制御することを特徴とする請求項7に記載のデジタルカメラ。

【図1】
image rotate


【図8】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図9】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate


【図13】
image rotate


【図7】
image rotate


【図12】
image rotate


【公開番号】特開2000−261813(P2000−261813A)
【公開日】平成12年9月22日(2000.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−65402
【出願日】平成11年3月11日(1999.3.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】