説明

デファレンシャル装置

【課題】 バックラッシ調整を容易に行うことができるとともに、サイドベアリングの潤滑状態を良好に保つことができるデファレンシャル装置を提供する。
【解決手段】 デフキャリア20に開口する取付穴23には雄ネジ41が形成されたリテーナ24が締め付けられる。リテーナ24にはデフケース26を回転自在に支持するサイドベアリング25が取り付けられ、リテーナ24の締め込み量に応じてリングギヤ27のバックラッシが調整される。また、デフキャリア20には収容室20aと取付穴23とを連通する潤滑油路44が形成され、リテーナ24には径方向に貫通する潤滑油孔45が形成される。さらに、リテーナ24には潤滑油路44と潤滑油孔45とを連通する環状溝46が形成されており、リテーナ24の固定位置に影響されることなく潤滑油路44と潤滑油孔45とを連通することができ、サイドベアリング25の潤滑状態を良好に保つことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の動力伝達系に組み込まれるデファレンシャル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の動力伝達系に組み込まれるデファレンシャル装置は、外殻を形成するデファレンシャルキャリア(以下、デフキャリアという)と、デフキャリア内に回転自在に収容されるデファレンシャルケース(以下、デフケースという)とを備えている。デフキャリア内にはプロペラシャフト等に駆動されるピニオンギヤ(減速小歯車)が回転自在に収容されており、このピニオンギヤに噛み合うリングギヤ(減速大歯車)がデフケースに組み付けられている。
【0003】
このようなデファレンシャル装置を組み立てる際には、ピニオンギヤとリングギヤとの静粛性や耐摩耗性を向上させるため、ピニオンギヤとリングギヤとのバックラッシを適切に調整する必要がある。そこで、サイドベアリングを介してデフケースを回転自在に支持するリテーナと、このリテーナが組み付けられるデフキャリアとの間にシムを挟み込むことにより、デフケースの位置を車幅方向に調整してピニオンギヤとリングギヤとの噛み合い状態を調整するようにしている。
【0004】
ところで、デフケースを回転自在に支持するサイドベアリングには、ラジアル方向だけでなくスラスト方向にも荷重が加えられるため、サイドベアリングの潤滑状態を良好に保つことが重要である。デフキャリア内にはピニオンギヤやリングギヤを潤滑するための潤滑油が貯留されているが、この潤滑油によってサイドベアリングを潤滑するためには、潤滑油がサイドベアリングに浸るように油面レベルを引き上げる必要がある。しかしながら、デフキャリア内の潤滑油量を増やすことは、デフケースの回転抵抗を増大させるとともに、動力の伝達効率を低下させる要因となっていた。そこで、デフキャリア内の油面レベルを引き上げることなくサイドベアリングの潤滑を可能にするため、サイドベアリングに向けて開口する潤滑油路をデフキャリアに形成するとともに、リングギヤによって掻き上げられた潤滑油を潤滑油路に案内するようにしたデファレンシャル装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−106710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたデファレンシャル装置にあっては、デフキャリアからサイドベアリングに対して直接的に潤滑油を供給するものであるため、この潤滑油供給構造をリテーナが組み込まれるデファレンシャル装置に対してそのまま適用することは困難であった。特に、デフキャリアに対してリテーナを締め込むことにより、バックラッシ調整作業の簡素化を図るようにしたデファレンシャル装置にあっては、個々のデファレンシャル装置毎にデフキャリアに対するリテーナの固定位置が異なるため、リテーナが保持するサイドベアリングに潤滑油を供給することは極めて困難となっていた。つまり、デフキャリアからサイドベアリングに潤滑油を案内する潤滑油路をリテーナに形成したとしても、バックラッシ調整時にリテーナを回転させてしまうデファレンシャル装置にあっては、デフキャリアとリテーナとに形成した潤滑油路を相互に連通させることは極めて困難であった。
【0006】
本発明の目的は、減速小歯車と減速大歯車とのバックラッシ調整を容易に行うことができ、かつデファレンシャルケースを支持する軸受の潤滑状態を良好に保つことができるデファレンシャル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデファレンシャル装置は、デファレンシャルキャリア内の収容室に収容され、減速小歯車に噛み合う減速大歯車を備えるデファレンシャルケースと、前記デファレンシャルキャリアに形成される取付穴に組み付けられ、前記取付穴の雌ネジに噛み合う雄ネジが外周面に形成されるリテーナと、前記リテーナの内周面に組み付けられ、前記デファレンシャルケースを回転自在に支持する軸受とを有し、前記収容室と前記取付穴とを連通する潤滑油路を前記デファレンシャルキャリアに形成するとともに、外周面と内周面とに開口する潤滑油孔を前記リテーナに形成し、前記リテーナの外周面に前記潤滑油路と前記潤滑油孔とを連通する環状溝を形成することを特徴とする。
【0008】
本発明のデファレンシャル装置は、前記減速大歯車によって掻き上げられた潤滑油を受ける油受部を前記デファレンシャルキャリアに形成し、前記油受部から前記潤滑油路に潤滑油を案内することを特徴とする。
【0009】
本発明のデファレンシャル装置は、前記潤滑油路を前記取付穴の頂部に開口させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リテーナに潤滑油路と潤滑油孔とを連通する環状溝を形成するようにしたので、バックラッシを調整するためにリテーナを締め込んだ場合であっても、潤滑油路と潤滑油孔とを確実に連通させることが可能となる。つまり、リテーナの固定位置に影響されることなく、潤滑油路から環状溝を介して潤滑油孔に潤滑油を案内することができ、デファレンシャルケースを支持する軸受の潤滑状態を良好に保つことができる。
【0011】
また、デファレンシャルキャリアに油受部を形成するようにしたので、減速大歯車によって掻き上げられた潤滑油を、油受部から潤滑油路を介して軸受に案内することができる。これにより、キャリア内に貯留される潤滑油の油面レベルを引き下げることができるため、デファレンシャルケースを回転させる際の攪拌抵抗を軽減することができ、動力の伝達損失を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はパワーユニット10が縦置きに搭載された車両11を示す概略図であり、図示する車両11には本発明の一実施の形態であるデファレンシャル装置としてリヤデファレンシャル装置12が組み込まれている。また、図2は図1の矢印a方向からリヤデファレンシャル装置12を示すスケルトン図である。
【0013】
まず、図1に示すように、車両11に縦置きに搭載されるパワーユニット10にはエンジン13と自動変速機14とが設けられており、エンジン動力は自動変速機14に組み込まれる図示しない変速機構を介して変速される。この自動変速機14には前輪15と後輪16とにエンジン動力を分配する図示しないセンタデファレンシャル装置が設けられており、センタデファレンシャル装置によって前輪側に分配されたエンジン動力は、フロントデファレンシャル装置17を介して左右の前輪15に分配される。また、センタデファレンシャル装置によって後輪側に分配されたエンジン動力は、車両後方側に延びるプロペラシャフト18を介してリヤデファレンシャル装置12に伝達され、このリヤデファレンシャル装置12を介して左右の後輪16に分配されるようになっている。
【0014】
図2に示すように、リヤデファレンシャル装置12は、収容室20aを区画するデファレンシャルキャリア20(以下、デフキャリアという)を備えており、収容室20aには減速小歯車としてのピニオンギヤ21が回転自在に収容されている。このピニオンギヤ21が先端に形成されるドライブピニオン軸22にはプロペラシャフト18が連結されており、自動変速機14から出力されるエンジン動力によってピニオンギヤ21は回転駆動されるようになっている。また、デフキャリア20を構成する左右の側壁20bには相互に対向する取付穴23が形成されており、取付穴23のそれぞれには環状のリテーナ24が取り付けられている。このリテーナ24の内周面24aには軸受つまりサイドベアリング25が取り付けられており、サイドベアリング25を介してデファレンシャルケース26(以下、デフケースという)は収容室20a内に回転自在に支持されている。さらに、デフケース26のフランジ部26aにはピニオンギヤ21に噛み合う減速大歯車としてのリングギヤ27が取り付けられており、ピニオンギヤ21からリングギヤ27に伝達されるエンジン動力によってデフケース26が回転駆動されるようになっている。なお、ピニオンギヤ21とリングギヤ27とは、食い違い軸の間で動力伝達を行うハイポイドギヤとなっている。
【0015】
デフケース26内には差動機構30が収容されており、この差動機構30を介して左右の後輪16には走行状況に応じた駆動トルクが分配されるようになっている。デフケース26内の差動機構30は、後輪16のそれぞれに連結される車軸31を備えた一対のサイドギヤ32と、双方のサイドギヤ32に噛み合うピニオンギヤ33とを備えている。ピニオンギヤ33はデフケース26に固定されるピニオン軸34に回転自在に支持されており、デフケース26と共に公転するピニオンギヤ33を介してサイドギヤ32を回転させることができるため、左右の後輪16に対してエンジン動力を伝達することが可能となる。ここで、旋回走行など左右の後輪16の回転速度が異なる走行状況においては、サイドギヤ32を相互に反転させることにより、左右の後輪16を異なる回転速度で駆動することができ、車両11を滑らかに旋回させることが可能となる。
【0016】
また、デフケース26とサイドギヤ32との間には高粘度のシリコンオイルが封入されたカップリング35が設けられており、デフケース26とサイドギヤ32との間に回転差が生じた場合には、カップリング35内に生じる差動トルクによってデファレンシャル機構の差動動作が制限されるようになっている。つまり、車両11が滑り易い路面を走行する際など、後輪16が空転して左右の回転速度が異なった場合には、サイドギヤ32の相対回転を抑制することによって走行安定性を向上させることが可能となる。
【0017】
図3はリヤデファレンシャル装置12の一部を車軸31に沿って示す部分断面図であり、デフケース26を支持するリテーナ24とその近傍とを示している。図3に示すように、デフキャリア20に開口する取付穴23には雌ネジ40が形成されており、リテーナ24の外周面24bには雌ネジ40に噛み合う雄ネジ41が形成されている。つまり、デフキャリア20に対してリテーナ24は締め付け自在となっており、デフキャリア20に対するリテーナ24の締め込み量を調整することによって、デフケース26の位置を車幅方向に調整することができ、ピニオンギヤ21とリングギヤ27とのバックラッシを調整することが可能となっている。なお、デフキャリア20にはリテーナ24に係合するロックプレート42が取り付けられており、バックラッシ調整が施された後にはロックプレート42を用いてリテーナ24が固定されることになる。
【0018】
また、デフケース26を支持するサイドベアリング25は、ラジアル方向だけでなくスラスト方向の荷重を受ける円錐ころ軸受となっており、その潤滑状態を良好に保つことが重要となっている。ここで、図4(A)および(B)は図3のa−a線に沿ってデフキャリア20とリテーナ24との構造を示す断面図であり、(A)と(B)とはリテーナ24の固定位置が異なった状態を示している。図3および図4(A)に示すように、デフキャリア20の内壁面には油受部として略U字型の断面形状を有する油受板43が形成されており、デフキャリア20の側壁20bには収容室20aと取付穴23とを連通する潤滑油路44が形成されている。そして、デフキャリア20に締め付けられるリテーナ24には、外周面24bと内周面24aとに開口する潤滑油孔45が形成されるとともに、潤滑油路44と潤滑油孔45とを連通する環状溝46が外周面24bに形成されている。
【0019】
このような油受板43、潤滑油路44、環状溝46、潤滑油孔45を形成することにより、リングギヤ27によって掻き上げられた潤滑油Lをサイドベアリング25に案内することが可能となる。つまり、図3に示すように、回転するリングギヤ27によってデフキャリア20内の潤滑油Lは上方に掻き上げられるため、その一部がデフキャリア20の内壁面に形成される油受板43に溜められることになる。そして、図4(A)に示すように、油受板43に溜められた潤滑油Lは潤滑油路44に沿って下方に案内され、環状溝46を介してリテーナ24を囲むように流れた後に、潤滑油孔45からサイドベアリング25に供給されることになる。このように、潤滑油路44と潤滑油孔45とを直接連通させることなく、環状溝46を介して潤滑油路44から潤滑油孔45に潤滑油Lを案内するようにしたので、図4(B)に示すように、潤滑油路44と潤滑油孔45との中心線が一致しない場合であっても、潤滑油路44から潤滑油孔45に潤滑油Lを確実に案内することができ、サイドベアリング25の潤滑状態を良好に保つことが可能となる。
【0020】
これまで説明したように、リテーナ24に環状溝46を形成するようにしたので、リテーナ24の固定位置に影響されることなく、デフキャリア20の潤滑油路44とリテーナ24の潤滑油孔45とを常に連通させることが可能となる。つまり、デフキャリア20に対してリテーナ24を締め込むことにより、バックラッシ調整を容易に行うようにしたリヤデファレンシャル装置12であっても、潤滑油路44から環状溝46を介して潤滑油孔45に供給することができ、サイドベアリング25を確実に潤滑することが可能となる。しかも、リングギヤ27によって掻き上げられた潤滑油Lを油受板43から潤滑油路44に案内するようにしたので、デフキャリア20内に貯留される潤滑油Lの油面レベルを、サイドベアリング25よりも下方に引き下げることができる。これにより、デフケース26の回転に伴う攪拌抵抗を軽減することができ、動力の伝達損失を軽減することが可能となる。
【0021】
また、図4(A)および(B)に示すリテーナ24にあっては、4本の潤滑油孔45が約90°毎に形成されているが、これに限られることはなく、リテーナ24に形成される潤滑油孔45の本数を削減しても良い。ここで、図5(A)〜(C)は本発明の他の実施の形態であるリヤデファレンシャル装置 (デファレンシャル装置) 50,51を示す断面図であり、図4に示す部位と同様の部位を示している。なお、図4に示す部材と同一の部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0022】
まず、図5(A)および(B)に示すように、デフキャリア20に形成される潤滑油路44が取付穴23の頂部23aに開口している場合には、リテーナ52に形成される潤滑油孔53を1本に削減することが可能となる。つまり、バックラッシ調整後におけるリテーナ52の固定位置に関わらず、デフキャリア20の潤滑油路44はリテーナ52の潤滑油孔53よりも高い位置に開口することになるため、潤滑油路44から潤滑油孔53に潤滑油Lを確実に供給することが可能となる。たとえば、図5(A)に示す位置にリテーナ52を固定した場合には、潤滑油路44から環状溝46に案内される潤滑油Lが油面レベルH1に達することによって、潤滑油孔53からサイドベアリング25に潤滑油Lが供給されることになり、図5(B)に示す位置にリテーナ24を固定した場合には、潤滑油Lが油面レベルH1よりも高い油面レベルH2に達することによって、潤滑油孔45からサイドベアリング25に潤滑油Lが供給されることになる。
【0023】
また、図5(C)に示すように、デフキャリア54に形成される潤滑油路55が取付穴23の頂部23aから外れて開口している場合には、リテーナ56に形成される潤滑油孔57を対向する2本に削減することが可能となる。つまり、対向する2本の潤滑油孔57を形成することにより、いずれか一方の潤滑油孔57をリテーナ56の中心高さH3よりも低い位置に配置することができるため、潤滑油路55から環状溝46に案内される潤滑油Lを潤滑油孔57に確実に導くことが可能となる。なお、図示する場合には、リテーナ56の中心高さH3よりも高い位置に潤滑油路55が開口しているため、対向する2本の潤滑油孔45を形成しているが、リテーナ56の中心高さH3よりも低い位置に潤滑油路55が開口する場合には、更に多くの潤滑油孔57を形成する必要があることは言うまでもない。
【0024】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、図示する場合には、リヤデファレンシャル装置12に本発明を適用しているが、これに限られることはなく、自動変速機14内に組み込まれるフロントデファレンシャル装置17に本発明を適用しても良い。この場合には、デフキャリア20として機能するミッションケースに取付穴23や潤滑油路44が形成されることになる。
【0025】
また、図示するリヤデファレンシャル装置12にあっては、差動制限機構としてカップリング35を備えているが、カップリング35に代えて摩擦クラッチなどを設けるようにしても良く、差動制限機構を持たないデファレンシャル装置に本発明を適用するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】パワーユニットが縦置きに搭載された車両を示す概略図である。
【図2】図1の矢印a方向からリヤデファレンシャル装置の内部構造を示すスケルトン図である。
【図3】リヤデファレンシャル装置の一部を車軸に沿って示す部分断面図であり、デフケースを支持するリテーナとその近傍とを示している。
【図4】(A)および(B)は図3のa−a線に沿ってデフキャリアとリテーナとの構造を示す断面図である。
【図5】(A)〜(C)は本発明の他の実施の形態であるリヤデファレンシャル装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
12 リヤデファレンシャル装置(デファレンシャル装置)
20 デファレンシャルキャリア
20a 収容室
20b 側壁
21 ピニオンギヤ(減速小歯車)
23 取付穴
23a 頂部
24 リテーナ
24a 内周面
24b 外周面
25 サイドベアリング(軸受)
26 デファレンシャルケース
27 リングギヤ
30 差動機構
40 雌ネジ
41 雄ネジ
42 ロックプレート
43 油受板(油受部)
44 潤滑油路
45 潤滑油孔
46 環状溝
50 リヤデファレンシャル装置(デファレンシャル装置)
51 リヤデファレンシャル装置(デファレンシャル装置)
52 リテーナ
53 潤滑油孔
54 デファレンシャルキャリア
55 潤滑油路
56 リテーナ
57 潤滑油孔
L 潤滑油

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デファレンシャルキャリア内の収容室に収容され、減速小歯車に噛み合う減速大歯車を備えるデファレンシャルケースと、
前記デファレンシャルキャリアに形成される取付穴に組み付けられ、前記取付穴の雌ネジに噛み合う雄ネジが外周面に形成されるリテーナと、
前記リテーナの内周面に組み付けられ、前記デファレンシャルケースを回転自在に支持する軸受とを有し、
前記収容室と前記取付穴とを連通する潤滑油路を前記デファレンシャルキャリアに形成するとともに、外周面と内周面とに開口する潤滑油孔を前記リテーナに形成し、
前記リテーナの外周面に前記潤滑油路と前記潤滑油孔とを連通する環状溝を形成することを特徴とするデファレンシャル装置。
【請求項2】
請求項1記載のデファレンシャル装置において、前記減速大歯車によって掻き上げられた潤滑油を受ける油受部を前記デファレンシャルキャリアに形成し、前記油受部から前記潤滑油路に潤滑油を案内することを特徴とするデファレンシャル装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のデファレンシャル装置において、前記潤滑油路を前記取付穴の頂部に開口させることを特徴とするデファレンシャル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−342890(P2006−342890A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169230(P2005−169230)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】