説明

トナー容器の再生方法

【課題】トナー収容部の充填用開口部から充填用ノズルが挿入されるときに、充填用ノズルによってトナー容器内の可撓性部材を破損してしまう不具合が生じることのない、トナー容器の再生方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置にて使用されたトナー容器30の再生方法であって、廃トナー回収部32に形成された吸引用開口部32aから廃トナー回収部32に回収された廃トナーTHを容器外に向けて吸引する吸引工程と、吸引工程にともない可撓性部材33が廃トナー回収部32の内部に入り込むように変形した後にトナー収容部31に形成された充填用開口部31aからトナー収容部31の内部に向けて充填用ノズル41を挿入する挿入工程と、充填用ノズル41によってトナー収容部31に新しいトナーを充填する充填工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に交換自在に設置されるトナー容器の再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、使用済みのトナー容器(トナーカートリッジ)を再生する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1において、トナー容器(トナーカートリッジ)には、新品のトナーを収容するためのトナー収容部と、回収した廃トナーを収容するための廃トナー回収部と、が設けられている。また、トナー収容部と廃トナー回収部とは可撓性部材(可撓性仕切部材)によって仕切られていて、画像形成装置でのトナー容器の使用中に新品トナーと廃トナーとが混在しないように構成されている。
そして、トナー容器の再生時には、廃トナー回収部に形成された吸引用開口部(排出穴)から廃トナー回収部に収容された廃トナーがトナー容器外に向けて吸引(排出)される。さらに、トナー収容部に形成された充填用開口部から充填用ノズル(トナー充填用ノズル)が挿入されて、その後に充填用ノズルからトナー収容部に新品のトナーが充填される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の特許文献1の技術は、トナー容器の再生時において、トナー収容部の充填用開口部から充填用ノズルが挿入されるときに、充填用ノズルの先端が可撓性部材に引っ掛かってしまい、可撓性部材を破損してしまう可能性があった。
詳しくは、画像形成装置で使用された使用済みのトナー容器は、トナー収容部に収容されたトナーが消費されてその内部がほとんど空の状態であるのに対して、廃トナー回収部の内部は廃トナーで満杯になっている状態である。したがって、トナー収容部と廃トナー回収部とを仕切る可撓性部材は、トナー収容部の内部に入り込むように変形した状態になっている。そのため、その状態でトナー収容部の充填用開口部から充填用ノズルが挿入されてしまうと、充填用ノズルの先端が可撓性部材に引っ掛かってしまい、可撓性部材を破損してしまう。そして、このように可撓性部材が破損してしまうと、可撓性部材が仕切り部材として機能しなくなって、画像形成装置でのトナー容器の使用中に新品トナーと廃トナーとが混在してしまい、出力画像の画質が低下する等の2次的な不具合が生じてしまう。
【0004】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、トナー収容部の充填用開口部から充填用ノズルが挿入されるときに、充填用ノズルによってトナー容器内の可撓性部材を破損してしまう不具合が生じることのない、トナー容器の再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の請求項1記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、画像形成装置にて使用されたトナー容器の再生方法であって、前記トナー容器は、画像形成プロセスに供される前のトナーを収容するためのトナー収容部と、画像形成プロセスに供された後の廃トナーを回収するための廃トナー回収部と、前記トナー収容部と前記廃トナー回収部とを仕切るとともに、前記トナー収容部と前記廃トナー回収部との容積比を可変できるように変形する可撓性部材と、を具備し、前記廃トナー回収部に形成された吸引用開口部から当該廃トナー回収部に回収された廃トナーを容器外に向けて吸引する吸引工程と、前記吸引工程にともない前記可撓性部材が前記廃トナー回収部の内部に入り込むように変形した後に、前記トナー収容部に形成された充填用開口部から当該トナー収容部の内部に向けて充填用ノズルを挿入する挿入工程と、前記充填用ノズルによって前記トナー収容部に新しいトナーを充填する充填工程と、を備えたものである。
【0006】
また、請求項2記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項1に記載の発明において、前記吸引工程は、前記廃トナー回収部において前記吸引用開口部以外から空気の出入りがない状態でおこなわれるものである。
【0007】
また、請求項3記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記画像形成装置にて使用された前記トナー容器の前記吸引用開口部には閉栓部材が覆設され、前記吸引工程は、吸引用ノズルで前記閉栓部材を破りながら前記廃トナー回収部の内部に向けて当該吸引用ノズルを挿入した後におこなわれるものである。
【0008】
また、請求項4記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項3に記載の発明において、前記吸引用ノズルは、先端が鋭利に形成されたものである。
【0009】
また、請求項5記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記吸引用開口部に覆設される前記閉栓部材は、切込みが形成されたものである。
【0010】
また、請求項6記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項3〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記吸引工程と前記挿入工程とが終了した後に、前記廃トナー回収部から前記吸引用ノズルを抜き出して前記吸引用開口部に閉栓部材を覆設する工程を備えたものである。
【0011】
また、請求項7記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記充填工程が終了した後に、前記トナー収容部から前記充填用ノズルを抜き出して前記充填用開口部に閉栓部材を覆設する工程を備えたものである。
【0012】
また、請求項8記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項7に記載の発明において、前記充填用開口部に覆設される前記閉栓部材は、切込みが形成されたものである。
【0013】
また、請求項9記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記充填用ノズルは、先端が鋭利に形成されたものである。
【0014】
また、請求項10記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項3〜請求項9のいずれかに記載の発明において、前記吸引用開口部又は/及び前記充填用開口部に覆設される前記閉栓部材は、トナー容器が再生された回数に対応して色が変えられるものである。
【0015】
また、請求項11記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項3〜請求項10のいずれかに記載の発明において、前記吸引用開口部又は/及び前記充填用開口部に覆設される前記閉栓部材は、通気性シート材料で形成されたものである。
【0016】
また、請求項12記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項1〜請求項11のいずれかに記載の発明において、前記可撓性部材は、少なくとも、前記トナー収容部の側の表面であって前記充填用開口部に近い位置が低摩擦材料で形成されたものである。
【0017】
また、請求項13記載の発明にかかるトナー容器の再生方法は、前記請求項1〜請求項12のいずれかに記載の発明において、前記トナー容器は、プロセスカートリッジ又は現像装置とともに一体的に前記画像形成装置に対して着脱自在に設置されるように構成されたものである。
【0018】
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に設置されるユニットと定義する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、廃トナー回収部の吸引用開口部から廃トナー回収部に回収された廃トナーを吸引する吸引工程にともないトナー容器内の可撓性部材を廃トナー回収部の内部に入り込むように変形させた後に、トナー収容部の充填用開口部から充填用ノズルを挿入している。これにより、トナー収容部の充填用開口部から充填用ノズルが挿入されるときに、充填用ノズルによってトナー容器内の可撓性部材を破損してしまう不具合が生じることのない、トナー容器の再生方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【図2】画像形成装置の作像部を示す構成図である。
【図3】(A)新品時のトナー容器を示す図と、(B)使用済みのトナー容器を示す図と、である。
【図4】可撓性部材を示す斜視図である。
【図5】トナー容器の再生の手順を示す図である。
【図6】図5に続く図である。
【図7】図6に続く図である。
【図8】図7に続く図である。
【図9】閉栓部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0022】
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像装置、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
【0023】
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための2次転写バイアスローラ、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、を示す。
なお、図示は省略するが、各感光体ドラム11Y、11C、11M、11BKの上方には、各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー(トナー粒子)を現像装置13に供給する各色のトナー容器がそれぞれ交換自在に設置されている。
【0024】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。なお、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上でおこなわれる作像プロセスについては、図2をも参照することができる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
【0025】
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
【0026】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(図2を参照できる。)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に向けて発せられる。
【0027】
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0028】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
【0029】
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0030】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0031】
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
【0032】
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
【0033】
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
【0034】
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ベルトと加圧ローラとのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0035】
次に、図2〜図4にて、画像形成装置における作像部について詳述する。
図2は、画像形成装置1の作像部及びトナー容器30を示す構成図である。図3(A)は新品時のトナー容器30(画像形成装置本体1に設置される直前の未使用状態のトナー容器30、又は、画像形成装置本体1に設置された直後の未使用状態に近いトナー容器30である。)を示す図であって、図3(B)は使用済みのトナー容器30(トナー容器の交換時に画像形成装置本体1から取り出される前後のトナー容器30である。)を示す図と、である。図4は、トナー容器30においてトナー収容部31と廃トナー回収部32とを仕切る可撓性部材33(仕切り部材)を示す斜視図である。
なお、各作像部はほぼ同一構造であって、各トナー容器もほぼ同一構造であるために、図2、図3等にて作像部やトナー容器は符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。
【0036】
図2に示すように、作像部は、像担持体としての感光体ドラム11、帯電部12、現像装置13(現像部)、クリーニング部15、廃トナー搬送機構19、等で構成される。
感光体ドラム11(像担持体)は、外径が30mm程度の負帯電の有機感光体であって、不図示の回転駆動機構によって反時計方向に回転駆動される。
【0037】
帯電部12は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した弾性を有する帯電ローラである。帯電部12の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。
【0038】
クリーニング部15は、感光体ドラム11に摺接するクリーニングブレード15aが設置されていて、感光体ドラム11上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。クリーニング部15の内部に回収された未転写トナーは、第1搬送スクリュ19aによって排出口15bから廃トナー搬送機構19の内部に向けて搬送される。そして、未転写トナーは、廃トナー搬送機構19の搬送パイプ内に設置された第2搬送スクリュによって斜め上方に搬送された後に、第3搬送スクリュ19bによってトナー容器30の廃トナー回収部32に形成された回収口32bから廃トナー回収部32の内部に廃トナーとして回収されることになる。
【0039】
現像装置13は、現像ローラ13a(現像剤担持体)、搬送スクリュ13b1、13b2(オーガスクリュ)、ドクターブレード13c(現像剤規制部材)、等で構成されている。現像ローラ13aは感光体ドラム11に近接するように配置されていて、双方の対向部分には感光体ドラム11と磁気ブラシとが接触する現像領域(現像ニップ部)が形成される。現像装置13内には、トナーTとキャリアCとからなる現像剤G(2成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置13は、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。
【0040】
図2及び図3を参照して、トナー容器30には、新品のトナーT(画像形成プロセスに供される前の未使用状態のトナーである。)を収容するためのトナー収容部31と、廃トナーTH(画像形成プロセスに供された後のトナーであって、上述したクリーニング部15で回収した未転写トナーである。)を回収するための廃トナー回収部32と、が設けられている。トナー収容部31と廃トナー回収部32とは、仕切り部材として機能する可撓性部材33(図4をも参照できる。)によって隔絶されている。
そして、図2を参照して、トナー容器30のトナー収容部31の内部に収容されたトナーTは、適宜に現像装置13内に供給される。具体的に、現像装置13に設置された磁気センサ(不図示である。)によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)の情報に基いて、シャッタ駆動部によってシャッタ機構80の開閉動作をおこなって、トナー容器30のトナー収容部31から現像装置13内に向けてトナーTを適宜に供給する。
なお、トナーTの供給は、トナー濃度の情報に限定されず、感光体ベルトや中間転写ベルト等に形成されたトナー像の反射率等から検知される画像濃度の情報に基づいて実施されてもよい。また、これらの異なる情報を組み合わせて、トナーTの供給の実施を判断してもよい。
また、供給管29は、トナー容器30から供給されるトナーTを現像装置13内に確実に導くためのものである。すなわち、トナー容器30から排出されたトナーTは、供給管29を介して、トナー補給口13eから現像装置13内に供給される。
【0041】
以下、本実施の形態におけるトナー容器30について、さらに詳しく説明する。
上述したように、トナー容器30は、新品のトナーTが収容されたトナー収容部31、廃トナーTHが回収される廃トナー回収部32、トナー収容部31と廃トナー回収部32とを仕切る可撓性部材33、等で構成されている。
ここで、図3を参照して、可撓性部材33(仕切り部材)は、トナー収容部31と廃トナー回収部32との容積比を可変できるように変形する。具体的に、図4を参照して、可撓性部材33は、ポリウレタンや発泡ポリウレタン等を熱圧縮して形成したものであって、予め袋状に形成されている袋部33aと、トナー収容部31と廃トナー回収部32との双方のケースに挟まれて保持される平面状の被保持部33bと、で構成されている。
【0042】
そして、図3(A)を参照して、新品時(未使用時)のトナー容器30は、トナー収容部31の容積が大きくて新品トナーTの収容量ができるだけ多くなるように、可撓性部材33が設置されている。すなわち、袋部33aが無負荷の状態で廃トナー回収部32の内部(図3(A)の破線部より上方である。)に入り込むように、可撓性部材33が設置されている。このとき、廃トナー回収部32は、その内部が空の状態になっている。
これに対して、図3(B)を参照して、使用済みのトナー容器30(又は、画像形成装置本体1での使用が進んだトナー容器30)は、回収口32bから回収された廃トナーTHの重量によって、可撓性部材33の袋部33aに負荷がかかりトナー収容部31の内部(図3(B)の破線部より下方である。)に入り込むように、可撓性部材33が変形する。これにより、廃トナー回収部32の容積が初期時の容積よりも大きくなって、廃トナーTHの回収量を多くすることができる(トナー容器30内のスペースを有効に利用することができる。)。このとき、トナー収容部31は、その内部がほぼ空の状態(トナーエンド状態)になっている。なお、このような可撓性部材33の変形は、上述したように可撓性部材33の袋部33aに廃トナーTHによる負荷(又は、後で図7で説明する吸引用ノズル42による吸引力)等の外力がかからない限り生じることがなく、可撓性部材33は図3(A)や図4に示す形状を維持することになる。
【0043】
そして、画像形成装置1にて使用された後のトナー容器30(図3(B)の状態のものである。)は、再生工場に回収されて再生処理がおこなわれることになる。さらに、再生処理後のトナー容器30は、リサイクルされたトナー容器30として再びユーザーに提供される。
【0044】
以下、図5〜図9にて、本実施の形態にて特徴的な、使用済みのトナー容器30の再生方法について詳述する。
図5〜図8は、トナー容器30の再生の手順を示す、(A)斜視図と、(B)断面図と、である。図9は、廃トナー回収部32の吸引用開口部32aに覆設される閉栓部材52を示す斜視図である。
図5(A)及び図5(B)を参照して、まず、使用済みのトナー容器30(図3(B)に示すように、廃トナー回収部32において廃トナーTHが満杯で、トナー収容部31が空の状態のものである。)は、吸引用開口部32a(廃トナー回収部32に形成されている。)や充填用開口部31a(トナー収容部31に形成されている。)が上方を向くように再生装置にセットされる(図5の状態である。)。
【0045】
このとき、再生装置において、吸引用開口部32aの上方には吸引用ノズル42が配設され、充填用開口部31aの上方には充填用ノズル41が配設されている。
また、図示は省略するが、トナー容器30(廃トナー回収部32)の回収口32b(画像形成装置1から取り出された後に、キャップで封止されている。)は、下方を向いている。
【0046】
さらに、充填用開口部31aと吸引用開口部32aとには、それぞれ、ビニールや紙等からなる薄いシート材料で形成された閉栓部材51、52(シール部材)が覆設されている。充填用開口部31aを覆う閉栓部材51は、トナー容器30へのトナー充填作業後にトナー収容部31からトナーTが漏出するのを防止するためのもので、トナー充填作業が終了するたびに設置されるものである。したがって、トナー容器30の再生処理時はもちろんのこと、初めて使用されるトナー容器30(一度も再生処理されていないものである。)に新品トナーTを充填するときにも閉栓部材51の設置がおこなわれる。一方、吸引用開口部32aを覆う閉栓部材52は、廃トナー回収部32に回収された廃トナーTHがトナー容器外に漏出するのを防止するためのもので、トナー容器30の再生処理が終了した後の設置はもちろんのこと、初めて使用されるトナー容器30(一度も再生処理されていないものである。)にも予め閉栓部材52の設置がおこなわれる。なお、閉栓部材51、52については、この後でも詳しく説明する。
【0047】
その後、吸引用ノズル42で閉栓部材52を破りながら、吸引用開口部32aから廃トナー回収部32の内部に向けて吸引用ノズル42が挿入される(図6の状態である。)。このとき、廃トナー回収部32には廃トナーTHが大量に収容されていて、可撓性部材33がトナー収容部31の側(図6(B)の破線より右側である。)に変形しているために、吸引用ノズル42が挿入動作にともない可撓性部材33に引っ掛かるようなことはない。
なお、吸引用ノズル42が閉栓部材52を突き破りながら吸引用開口部32aから廃トナー回収部32に挿入されるようにすることで、吸引用開口部32aから閉栓部材52を手動で剥がす作業が省略されることになり、トナー容器30の再生処理が効率化される。
また、図5を参照して、吸引用ノズル42の先端が針状に鋭利に形成されているので、吸引用ノズル42によって閉栓部材52を突き破り易くなる。
【0048】
そして、図6(A)及び図6(B)に示すように、吸引用ノズル42が廃トナー回収部32に挿入された後に、吸引用ノズル42によって吸引用開口部32aから廃トナー回収部32に回収された廃トナーTHを容器外(トナー容器外)に向けて吸引する吸引工程がおこなわれる。具体的には、不図示の吸引機によって吸引用ノズル42を介して廃トナー回収部32の廃トナーTHが容器外に徐々に排出されていく。そして、やがて廃トナー回収部32の廃トナーTHがある程度少なくなっていくと、吸引用ノズル42から廃トナーTHとともに空気が吸引されていく。このような状態のとき、廃トナー回収部32内の圧力は負圧となるために、変形可能に形成された可撓性部材33が廃トナー回収部32の側(図7(B)の破線より左側である。)に変形する(図7(B)の状態である。)。そして、最終的には、廃トナー回収部32に収容されていた廃トナーTHのすべてが吸引用ノズル42によって完全に吸引されて、廃トナー回収部32の内部がきれいに清掃されることになる。
ここで、上述した吸引工程は、廃トナー回収部32において吸引用開口部32a以外から空気の出入りがない状態(又は、空気の出入りがわずかな状態)でおこなわれることが好ましい。具体的に、廃トナー回収部32に、吸引用開口部32a以外に開口(本実施の形態の場合には回収口32bである。)が設けられている場合には、その開口を確実に封止した状態(本実施の形態の場合には回収口32bがキャップで封止されている。)で上述した吸引工程をおこなう。これにより、廃トナー回収部32は密閉状態になって、吸引用ノズル42によって廃トナー回収部32内の廃トナーTHを吸引する効率が高められる。さらには、廃トナー回収部32内に確実に負圧が生じて、可撓性部材33が廃トナー回収部32の側に変形するために、後述する充填用ノズル41の挿入時に可撓性部材33を破損する不具合が確実に抑止されることになる。
【0049】
さらに、図7(A)及び図7(B)に示すように、上述した吸引工程にともない可撓性部材33が廃トナー回収部32の内部に入り込むように変形した後に、充填用開口部31aからトナー収容部31の内部に向けて充填用ノズル41を挿入する挿入工程がおこなわれる。すなわち、吸引用ノズル42から生じる吸引力によって可撓性部材33が廃トナー回収部32の側に入り込むように変形して、トナー収容部31の容積が充分に確保された状態で、トナー収容部31の内部に向けて充填用ノズル41が挿入される(図7の白矢印方向の移動である。)。
これにより、トナー収容部31の充填用開口部31aから充填用ノズル41が挿入されるときに、充填用ノズル41によって可撓性部材33を破損してしまう不具合が確実に抑止されることになる。
なお、上述した充填用ノズル41の挿入工程は、充填用ノズル41によって閉栓部材51を突き破っておこなわれることになる。これにより、充填用開口部31aから閉栓部材51を手動で剥がす作業が省略されることになり、トナー容器30の再生処理が効率化される。
また、図6を参照して、充填用ノズル41の先端が針状に鋭利に形成されているので、充填用ノズル41によって閉栓部材51を突き破り易くなる。
【0050】
その後、図8(A)及び図8(B)に示すように、充填用ノズル41によってトナー収容部31に新しいトナーTを充填する充填工程がおこなわれる。具体的には、不図示の充填機によって充填用ノズル41を介してトナー収容部31にトナーTが充填されていく。他方、吸引用ノズル42は、廃トナー回収部32内の廃トナーTHが完全に吸引されてなくなった後に、図8の白矢印方向に引き抜かれる。なお、先に図7で説明した可撓性部材33の変形のタイミングと充填用ノズル41の挿入工程のタイミングとが前後しなければ、この吸引用ノズル42を廃トナー回収部42から引き抜くタイミングと、充填用ノズル41からトナー収容部41への新品トナーTの供給を開始するタイミングと、は前後しても構わない。
【0051】
さらに、図8(A)を参照して、吸引用ノズル42が廃トナー回収部32から引き出された後の吸引用開口部32a(吸引用ノズル42の挿入時に破られた閉栓部材52が貼着されている。)に新品の閉栓部材52が覆設される。同様に、充填用ノズル41がトナー収容部31から引き出された後の充填用開口部31a(充填用ノズル41の挿入工程時に破られた閉栓部材51が貼着されている。)に新品の閉栓部材51が覆設される。
ここで、廃トナー回収部32から吸引用ノズル42を抜き出して吸引用開口部32aに閉栓部材52を覆設する工程は、上述した吸引用ノズル42による吸引工程と、充填用ノズル41をトナー収容部41に挿入する挿入工程と、が終了した後であれば、任意のタイミングでおこなうことができる。また、トナー収容部31から充填用ノズル41を抜き出して充填用開口部31aに閉栓部材51を覆設する工程は、上述した充填用ノズル41からトナー収容部41に新品トナーTを充填する充填工程が終了した後であれば、任意のタイミングでおこなうことができる。
【0052】
なお、充填用開口部31aや吸引用開口部32aに覆設される閉栓部材51、52は、トナー容器30が再生された回数に対応して色が変えられることが好ましい。例えば、トナー容器30が新品のとき(1回も再生処理がされていないとき)には青色の閉栓部材51、52をそれぞれの開口部31a、32aに設置して、トナー容器30の再生回数(トナーの再充填回数)が1回目のときには黄色の閉栓部材51、52をそれぞれの開口部31a、32aに設置して、トナー容器30の再生回数(トナーの再充填回数)が2回目のときには赤色の閉栓部材51、52をそれぞれの開口部31a、32aに設置して、トナー容器30の再生回数(トナーの再充填回数)が3回目のときには黒色の閉栓部材51、52をそれぞれの開口部31a、32aに設置する。
このようにすることで、使用済みのトナー容器30が再生工場に回収されてきたときに、そのトナー容器30の再生回数を一目で把握できるため、トナー容器30の再生処理の効率が高められる(特に、トナー容器30に2回以上の再生サイクルに耐えうる交換部品が存在する場合等である。)。なお、2つの閉栓部材51、52のうちいずれか一方のみ、トナー容器30の再生回数に対応して色を変更しても、上述した効果を得ることができる。
【0053】
また、充填用開口部31aや吸引用開口部32aに覆設される閉栓部材51、52は、トナー容器30が再生される回数の増加にともないその大きさを大きくすることが好ましい。すなわち、トナー容器30が新品のときに設置される閉栓部材51、52よりも、トナー容器30の再生回数が1回目のときに設置される閉栓部材51、52の大きさをひと回り大きくする。さらに、トナー容器30の再生回数が1回目のときに設置される閉栓部材51、52よりも、トナー容器30の再生回数が2回目のときに設置される閉栓部材51、52の大きさをひと回り大きくする。
このようにすることで、ノズル41、42によって突き破られた状態の古い閉栓部材51、52の上に、重ねて新品の閉栓部材51、52を貼着する場合であっても、新品の閉栓部材51、52とトナー容器30のケース面との貼着面を確保できるために、新品の閉栓部材51、52が貼着不良により剥がれてしまう不具合を抑止することができる。
【0054】
また、充填用開口部31aや吸引用開口部32aに覆設される閉栓部材51、52は、切込みが形成されていることが好ましい。
具体的に、図9(A1)及び図9(B1)を参照して、吸引用開口部32aに設置される閉栓部材52には、その肉厚に対して2〜7割程度の切込み52a(肉厚方向の切込みである。)が形成されている。ここで、切込み52aの周りの一部は、切込み52aの廃トナー回収部32への脱落防止のために充分な肉厚が確保されている(図9(A2)及び図9(B2)を参照できる。)。このような構成により、図9(A2)及び図9(B2)を参照して、矢印方向に吸引用ノズル42が閉栓部材52を突き破って廃トナー回収部32内に向けて挿入されるときに、閉栓部材52が突き破られ易くなる。なお、図9では、吸引用開口部32aに設置される閉栓部材52についてのみ図示したが、充填用開口部31aに設置される閉栓部材51についても同様に構成することができる。
【0055】
ここで、本実施の形態では、閉栓部材51、52をビニールや紙等からなる薄いシート材料で形成したが、閉栓部材51、52を通気性シート材料で形成することもできる。ここで用いられる通気性シート材料は、トナーT(微粉を含む。)を通さずに空気のみを通すように1μm以下のメッシュ構造で形成されたものである。
このように閉栓部材51、52を通気性シート材料で形成することで、航空便による輸送時等のように大きな気圧変動が生じる場合であっても、トナー容器30内の内圧変動によって閉栓部材51、52が破損する不具合が抑止される。
【0056】
また、本実施の形態における可撓性部材33は、少なくとも、トナー収容部31の側の表面であって充填用開口部31aに近い位置(図5(B)の一点鎖線Wで示す領域である。)を低摩擦材料で形成することが好ましい。具体的には、可撓性部材33の図5(B)の一点鎖線Wで示す領域に、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる薄い低摩擦材料を貼着したり、テフロン(登録商標)等の低摩擦材料をコーティングしたりすることができる。
これにより、充填用ノズル41の挿入工程において、可撓性部材33が充填用ノズル41に万が一に接触してしまっても、充填用ノズル41と可撓性部材33との接触摩擦を低減することができるために可撓性部材33の破損を抑止することができる。なお、同じ理由から、充填用ノズル41の先端部表面を低摩擦材料で形成することもできる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態におけるトナー容器30の再生方法は、廃トナー回収部32の吸引用開口部32aから廃トナー回収部32に回収された廃トナーTHを吸引する吸引工程にともない、トナー容器30内の可撓性部材33を廃トナー回収部32の内部に入り込むように変形させた後に、トナー収容部31の充填用開口部31aから充填用ノズル41を挿入している。これにより、トナー収容部31の充填用開口部31aから充填用ノズル41が挿入されるときに、充填用ノズル41によってトナー容器30内の可撓性部材33を破損してしまう不具合を抑止することができる。
【0058】
なお、本実施の形態においては、トナー容器30が単体で画像形成装置1に対して着脱されるように構成して、そのトナー容器30に対して本発明を適用した。これに対して、トナー容器30がプロセスカートリッジ又は現像装置とともに一体的に画像形成装置1に対して着脱されるように構成して、そのプロセスカートリッジ又は現像装置に一体化されたトナー容器30に対して本発明を適用することもできる。その場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
また、本実施の形態では、トナー容器30の廃トナー回収部32に、クリーニング部15で回収された未転写トナーが廃トナーTHとして回収されるように構成した。これに対して、トナー容器30の廃トナー回収部32に、中間転写クリーニング部16で回収された未転写トナーをも廃トナーTHとして回収されるように構成することもできる。
【0060】
また、本実施の形態では、先端が針状に形成された吸引用ノズル42を吸引用開口部32aから廃トナー回収部32内に差し込んで吸引工程をおこなったが、先端が平面状に形成された吸引用ノズル42を吸引用開口部32aに係合させた状態で吸引工程をおこなうこともできる。なお、充填用ノズル41は、トナー収容部31外にトナーを飛散させることなくトナー収容部31内にトナーを確実に充填させる必要があるために、本実施の形態のように、充填用開口部31aからトナー収容部31内に差し込むように構成することが好ましい。
【0061】
また、本実施の形態では、トナー容器30から現像装置13に向けてトナーTを供給したが、トナー容器(現像剤容器)から現像剤G(トナーT及びキャリアC)を現像装置13に向けて供給することもできる。その場合、現像装置13から余剰の現像剤を適宜に排出する手段を設けることになる。また、トナー容器30のトナー収容部31には、新品トナーTとともに新品キャリアCが充填されることになる。
また、本実施の形態では、2成分現像方式の現像装置13(トナーTとキャリアCとからなる2成分現像剤が収容された現像装置である。)に向けてトナーTを供給するトナー容器30に対して本発明を適用した。これに対して、1成分現像方式の現像装置13(現像剤としてトナーTのみが収容された現像装置である。)に向けてトナーTを供給するトナー容器30に対しても、当然に本発明を適用することができる。
そして、これらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置本体(装置本体)、
11、11Y、11C、11M、11BK 感光体ドラム(像担持体)、
13 現像装置(現像部)、
30 トナー容器、
31 トナー収容部、
31a 充填用開口部、
32 廃トナー回収部、
32a 吸引用開口部、
33 可撓性部材、
41 充填用ノズル、
42 吸引用ノズル、
51、52 閉栓部材、 52a 切込み、
T トナー、 TH 廃トナー。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開2009−42717号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置にて使用されたトナー容器の再生方法であって、
前記トナー容器は、
画像形成プロセスに供される前のトナーを収容するためのトナー収容部と、
画像形成プロセスに供された後の廃トナーを回収するための廃トナー回収部と、
前記トナー収容部と前記廃トナー回収部とを仕切るとともに、前記トナー収容部と前記廃トナー回収部との容積比を可変できるように変形する可撓性部材と、
を具備し、
前記廃トナー回収部に形成された吸引用開口部から当該廃トナー回収部に回収された廃トナーを容器外に向けて吸引する吸引工程と、
前記吸引工程にともない前記可撓性部材が前記廃トナー回収部の内部に入り込むように変形した後に、前記トナー収容部に形成された充填用開口部から当該トナー収容部の内部に向けて充填用ノズルを挿入する挿入工程と、
前記充填用ノズルによって前記トナー収容部に新しいトナーを充填する充填工程と、
を備えたことを特徴とするトナー容器の再生方法。
【請求項2】
前記吸引工程は、前記廃トナー回収部において前記吸引用開口部以外から空気の出入りがない状態でおこなわれることを特徴とする請求項1に記載のトナー容器の再生方法。
【請求項3】
前記画像形成装置にて使用された前記トナー容器の前記吸引用開口部には閉栓部材が覆設され、
前記吸引工程は、吸引用ノズルで前記閉栓部材を破りながら前記廃トナー回収部の内部に向けて当該吸引用ノズルを挿入した後におこなわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー容器の再生方法。
【請求項4】
前記吸引用ノズルは、先端が鋭利に形成されたことを特徴とする請求項3に記載のトナー容器の再生方法。
【請求項5】
前記吸引用開口部に覆設される前記閉栓部材は、切込みが形成されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のトナー容器の再生方法。
【請求項6】
前記吸引工程と前記挿入工程とが終了した後に、前記廃トナー回収部から前記吸引用ノズルを抜き出して前記吸引用開口部に閉栓部材を覆設する工程を備えたことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載のトナー容器の再生方法。
【請求項7】
前記充填工程が終了した後に、前記トナー収容部から前記充填用ノズルを抜き出して前記充填用開口部に閉栓部材を覆設する工程を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のトナー容器の再生方法。
【請求項8】
前記充填用開口部に覆設される前記閉栓部材は、切込みが形成されたことを特徴とする請求項7に記載のトナー容器の再生方法。
【請求項9】
前記充填用ノズルは、先端が鋭利に形成されたことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のトナー容器の再生方法。
【請求項10】
前記吸引用開口部又は/及び前記充填用開口部に覆設される前記閉栓部材は、トナー容器が再生された回数に対応して色が変えられることを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれかに記載のトナー容器の再生方法。
【請求項11】
前記吸引用開口部又は/及び前記充填用開口部に覆設される前記閉栓部材は、通気性シート材料で形成されたことを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれかに記載のトナー容器の再生方法。
【請求項12】
前記可撓性部材は、少なくとも、前記トナー収容部の側の表面であって前記充填用開口部に近い位置が低摩擦材料で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載のトナー容器の再生方法。
【請求項13】
前記トナー容器は、プロセスカートリッジ又は現像装置とともに一体的に前記画像形成装置に対して着脱自在に設置されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載のトナー容器の再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−281868(P2010−281868A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132861(P2009−132861)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】