説明

トラクタ作業機の制御装置

【課題】本発明は、別の変更スイッチ等を設けることなく自動傾斜維持モードへの設定変更を容易に行えるようにする。
【解決手段】トラクタの車体1後部に作業機2をローリング可能に装着し、車体1に設けた傾斜センサ3の車体傾斜角検出に基づいてローリングシリンダ25を制御し、該ローリングシリンダ25のピストンロッドにより作業機2を水平に維持するトラクタ作業機の制御装置において、水平制御切換スイッチ33で作業機2を水平に維持する自動水平モードに設定した後に、作業機2の左右傾斜を調整する手動傾き調整スイッチ7,8の手動による傾き変更で水平に対する作業機2の傾斜角度を任意角度に設定可能にすると共に、この設定した傾斜角度を傾斜設定基準角度Aとして自動傾斜維持モードに移行して自動制御するようにしたことを特徴とするトラクタ作業機の制御装置の構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタの後部に装着した作業機を手動で傾斜させたりトラクタの車体に設けた傾斜センサが検出する車体の傾きによって作業機を自動的に水平にしたりするトラクタ作業機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の如く、車体の後側にロータリ耕耘装置等の作業機を装着して対地作業するトラクタ作業機において、作業機を手動操作で機体に対し任意の傾斜姿勢に変更させる「手動モード」と、車体の左右傾斜角を検出する傾斜センサの車体傾斜検出に基づいて、作業機を自動的に絶対水平姿勢に維持する「自動水平モード」と、作業機を絶対水平から所定角度傾けた角度を維持する「自動傾斜モード」と、本機に対して作業機を常に平行に固定する「平行モード」とを設けた傾斜制御の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−189708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、傾斜地を等高線に沿って横に走行しながら耕耘作業を行う場合には、作業機の左右傾きを絶対水平に対して一定の傾斜角度とし、この傾斜角度を維持するように制御するが、この傾斜角度を維持するには作業者が手動モードで作業機の左右傾きを常時調整するか、別に設けたモード設定ダイヤルを回して自動傾斜モードにしなければならない。
【0005】
本発明は、モード設定ダイヤルを設けることなく自動傾斜維持モードへの設定変更を容易に行えるようにして、自動傾斜維持モードへの設定変更操作を簡単にし、廉価な構成にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、トラクタの車体1後部に作業機2をローリング可能に装着し、車体1に設けた傾斜センサ3の車体傾斜角検出に基づいてローリングシリンダ25を制御し、該ローリングシリンダ25のピストンロッドにより作業機2を水平に維持するトラクタ作業機の制御装置において、水平制御切換スイッチ33で作業機2を水平に維持する自動水平モードに設定した後に、作業機2の左右傾斜を調整する手動傾き調整スイッチ7,8の手動による傾き変更で水平に対する作業機2の傾斜角度を任意角度に設定可能にすると共に、この設定した傾斜角度を傾斜設定基準角度Aとして自動傾斜維持モードに移行して自動制御するようにしたことを特徴とするトラクタ作業機の制御装置とする。
【0007】
この構成で、水平制御切換スイッチ33で作業機を水平に維持する自動水平モードの状態から、手動傾き調整スイッチ7,8を利用して作業機の傾斜角度を変更し、変更した傾斜角度を維持する自動傾斜維持モードに移行する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記自動傾斜維持モードへの移行は、手動傾き調整スイッチ7,8によって伸縮するローリングシリンダ25のピストンロッドの伸縮量を検出するストロークセンサ36の検出値から演算すべくした請求項1に記載のトラクタ作業機の制御装置とした。
【0009】
この構成で、車体1に設けるローリングシリンダ25のピストンロッドの伸縮量を検出するストロークセンサ36の動きで作業機2を傾斜させた角度を演算し、この演算した作業機の傾斜角度を維持するように傾斜センサ3の値と比較して制御する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記ローリングシリンダ25のピストンロッドを伸縮する手動傾き調整スイッチ7,8の伸び側と縮み側を共に又は同時に入り状態にすることで、自動傾斜維持モードを解除して自動水平モードに戻ることを特徴とする請求項1に記載のトラクタ作業機の制御装置とした。
【0011】
この構成で、傾斜地作業から平地作業に戻った場合には、手動傾き調整スイッチ7,8の伸び側と縮み側を共に又は同時に押す簡単な操作で素早く自動傾斜維持モードから自動水平モードになる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、従来からある手動傾き調整スイッチ7,8を利用して自動水平モードから自動傾斜維持モードに移行できるので、操作が容易となり廉価な構成となる。
請求項2の発明では、請求項1の効果に加え、車体1に設けるローリングシリンダ25の伸縮量を検出するストロークセンサ36の動きで作業機2を傾斜させた角度を演算し、この演算した作業機の傾斜角度を維持するように傾斜センサ3の値と比較して制御するので、自動傾斜維持モードへの移行が速やかに行われるようになる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1の効果に加え、手動傾き調整スイッチ7,8の伸び側と縮み側を同時に押すことで、自動傾斜維持モードから自動水平モードに戻るので、操作が容易で廉価な構成となり、また自動傾斜維持モードから自動水平モードへの戻りが素早く可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ロータリ作業機を装着したトラクタの全体右側面図である。
【図2】右フェンダの部分拡大平面図である。
【図3】コントローラの制御ブロック図である。
【図4】制御フローチャート図である。
【図5】制御フローチャート図である。
【図6】制御フローチャート図である。
【図7】制御フローチャート図である。
【図8】制御フローチャート図である。
【図9】制御フローチャート図である。
【図10】電動モータによる昇降バルブの作動をする構成の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に示す実施例を参照しながら説明する。
図1で、トラクタ車体1は、前輪6と後輪11を軸装して、ボンネット12内のエンジンで駆動走行する四輪走行形態であって、ダッシュボード13上のステアリングハンドル14の操作によって前輪6を操向可能に構成している。フロア15の後部には運転席16を設けている。
【0016】
作業機2は、車体1の後部にリフトアーム17で昇降されるロアリンク18やトップリンク19等のリンク機構を介して装着される。本実施例では、耕耘爪20を有した耕耘軸21を軸装して回転駆動することによって、土壌面を一定深さに耕耘するロータリ形態の耕耘装置としている。この耕耘装置の耕耘カバー22の後部には耕耘土壌面を均平するリヤカバー23を有する。
【0017】
耕深制御では、このリヤカバー23の上下揺動によって耕耘深さを検出する耕深センサの出力で、前記リフトアーム17を上下動させることによって、耕耘深さを一定の設定深さに維持するように制御させる。
【0018】
前記左右一対のロアリンク18とリフトリンク17との間を連結するリフトロッド24の左右何れか片側(本実施例では右側)には、伸縮制御可能のローリングシリンダ25が設けられていて、このローリングシリンダ25の伸縮によって、車体1に対する作業機2の左右の傾斜角を変更して、作業機2を左右水平状態に作動したり、車体1と左右平行状態に作動したりすることができる。
【0019】
又、この耕耘装置の後部にはヒッチ部を耕耘フレーム26に対して上下動するためのシリンダ27を設けている。スプリングの修正位置で均平圧を変更可能に構成している。
なお、前記作業機2は、車体1後部のPTO軸28を介して駆動する。
【0020】
右側の後輪11の上部を覆う右フェンダ29上には、図2に示す如く、本発明でいう手動傾き調整スイッチとして、右下げスイッチ7(右側に設けるローリングシリンダ25を縮ませる)と右上げスイッチ8(同ローリングシリンダ25を伸ばす)と、制御状態の切換を行う水平制御切換スイッチ33と後進時に作業機2を自動的に上昇させる自動バックアップスイッチ48及び旋回時に作業機2を自動的に上昇させるオートリフトスイッチ49を設ける。
【0021】
作業機2の傾斜姿勢を制御するコントローラ31の制御信号の入出力は、図3に示している。入力信号が水平制御切換スイッチ33の場合、作業機を絶対水平に維持する自動水平モード、手動で作業機の左右傾きを調整する手動モード(作業機2と機体との相対関係は保持されるので、機体が傾くと作業機も一緒に傾く)、作業機2の自動傾斜修正モードの切換信号が入力信号となる。作業機2の自動傾斜修正モードは、所定時間(10ms)毎に作業機2の傾斜角度の平均値を算出し、この平均値となるように作業機2の姿勢制御を行うものである。
【0022】
水平制御切換スイッチ33については、押す毎に手動モード、自動水平モード、自動傾斜修正モードに順番に切り換わる構成である。また、所定時間(三秒)以内に一度押すと手動モード、二度押すと自動水平モード、三度押すと自動傾斜修正モードに切換る構成としてもよい。そして、選択したモードは、ダッシュボード13内に装備されているそれぞれのモードランプが点灯する構成である。また、液晶パネルに選択したモードを文字で表示したり音声で報知するように構成してもよい。
【0023】
手動傾き調整スイッチ(右下げスイッチ7と右上げスイッチ8)のオン信号、リフトスイッチ35とコントロールレバースイッチ44のオン信号、水平感度ヒューズA37と水平感度ヒューズB38のオン・オフ信号、傾斜センサ3の車体1の左右傾き検出角度、ストロークセンサ36のローリングシリンダ25のロッド伸び長さ検出値、操向センサ5の旋回角度検出値、車速センサ3の走行速度検出値、リヤカバーセンサ45のリヤカバー23上げ信号検出値、リフトアームセンサ39のリフトアーム17の上昇限界検出、チェックスイッチ10のチェックモード入り信号等である。
【0024】
なお、自動水平モードと自動傾斜修正モードでは、傾斜変更中に工場出荷設定位置で音がして一時停止し、再度動くようにする。
出力信号は、ローリングシリンダ25を伸縮作動させる水平伸びソレノイド40と水平縮みソレノイド41への制御出力と、水平モニタ42と傾斜地モニタ43への表示出力である。
【0025】
このトラクタ車体1の後側に作業機2を装着して走行しながら対地作業するトラクタ作業機において、車体1の左右傾斜角を検出する傾斜センサ3の検出角度と、車速を検出する車速センサ4の速度と、車体1の操向角を検出する操向センサ5の操向角度検出に基づいて、車体1に対して作業機2の連結姿勢を左右揺動させて水平状に維持制御する自動傾斜修正モードや、車体1と作業機2を左右平行状に維持制御する平行モードを行わせると共に、操向センサ5が一定以上の操向角を検出すると自動傾斜修正モードを停止して平行モードを行わせ、この操向センサ5が一定以下の操向角を検出して一定時間経過すると自動傾斜修正モードに復帰させる構成としている。
【0026】
図4は、自動傾斜維持モードへの移行フローチャートで、ステップS1で水平制御切換スイッチ33の操作有無を判定し、操作が有ればステップS2で水平制御切換スイッチ33を自動水平モードか手動モードか自動傾斜修正モードのどれかに切換え(押す度に切換る)、ステップS3の自動水平モードであるかの判定に移る。ステップS1で水平制御切換スイッチ33の操作がなければ、ステップS3に移行する。
【0027】
ステップS3の判定がYESすなわち自動水平モードであれば、ステップS4で右上げスイッチ8がオンであれば、ステップS5でローリングシリンダ25を伸び出力してステップS9で自動傾斜維持モードに変更してリターンする。なお、作業機2を上昇させている場合には、正確な傾斜角度に出来ないためにローリングシリンダ25の伸び出力を停止する。
【0028】
ステップS3の判定がNOすなわち自動水平モードでないならば、そのままでリターンする。
ステップS4で右上げスイッチ8がオンでなく、ステップS6で右下げスイッチ7がオンであれば、ステップS7でローリングシリンダ25を縮み出力してステップS9で自動傾斜維持モードに変更してリターンする。右下げスイッチ7もオンでなければ、ステップS8で傾き調整した傾きで自動制御(自動傾斜)し、リターンする。
【0029】
図5は、傾斜設定基準角度の算出フローチャートで、ステップS21で水平制御切換スイッチ33の操作有無を判定し、操作が有ればステップS22で水平制御切換スイッチ33を自動水平モードか手動モードか自動傾斜維持モードのどれかに切換え、ステップS23の自動水平モードであるかの判定に移る。ステップS21で水平制御切換スイッチ33の操作がなければ、ステップS23に移行する。
【0030】
ステップS23の判定がYESすなわち自動水平モードであれば、ステップS24で右上げスイッチ8がオフからオンに切換った時点でステップS25でストロークセンサ値を手動スイッチ操作前メモリ(B’)として記憶し、ステップS26でローリングシリンダ25を伸び出力してリターンする。
【0031】
ステップS23の判定がNOすなわち自動水平モードでないならば、そのままでリターンする。
ステップS24で右下げスイッチ7がオフからオンに切換ってなれば、ステップS27で右下げスイッチ7がオフからオンに切換ったかを判定し、切換った時点でステップS28でストロークセンサ値を手動スイッチ操作後メモリ(B)として記憶し、ステップS29でストロークセンサ変化量(B−B’)を算出し、ステップS30で傾斜センサ基準値に対する補正値(A)を算出し、リターンする。
【0032】
ステップS27がNOつまり右下げスイッチ7がオフからオンに切換っていなければ、ステップS31で傾き調整した傾きに自動制御してリターンする。
補正した傾斜設定基準角度(A)は、次の演算式で算出する。
A=A’+(B−B’)/KSNS
A’は、前回の傾斜設定基準角度で、KSNSは、傾斜センサとストロークセンサの角度合わせをする掛け率である。
【0033】
ステップS27の判定もNOであれば、ステップS8で傾き調整した傾きで自動制御(自動傾斜)し、リターンする。
なお、ステップS27で右下げスイッチ7がオフからオンに切換ったかを判定して、一定時間(200ms)の経過後にステップS28の記憶を行い(作業機の安定のため)、さらに一定時間(500ms)の経過後にステップS31の自動傾斜制御を行うようにすることで、ストロークセンサ値が安定して正確な制御が行えるようになる。
【0034】
図6は、作業機2が上昇時或いはローリングシリンダ25が伸び切った場合のフローチャートで、ステップS41で制御切換スイッチ33の操作有無を判定し、操作が有ればステップS42で制御切換スイッチ33を自動水平モードか手動モードか自動傾斜修正モードのどれかに切換え、ステップS43の自動水平モードであるかの判定に移る。ステップS41で水平制御切換スイッチ33の操作がなければ、ステップS43に移行する。
【0035】
ステップS43の判定がYESすなわち自動水平モードであれば、ステップS44で右上げ・下げスイッチ7,8がオンであれば、ステップS45でローリングシリンダ25を伸び・縮み出力してステップS46で作業機2が上昇限界時或いはローリングシリンダ25が伸び切った状態であれば、ステップS47で傾斜センサ基準値に対する補正値変更を行わずリターンする。ステップS47の判定がNOであれば、ステップS48で傾斜センサ基準値に対する補正値変更を行ってリターンする。
【0036】
ステップS44で、右上げ・下げスイッチ7,8がオンでなければ、ステップS49で傾き調整した傾きで自動制御してリターンする。
図7は、傾斜設定基準角度の補正値をリセットするフローチャートで、ステップS54で、右上げ・下げスイッチ7,8の両押しがあれば、ステップS56で補正値をリセットし、自動水平モードに戻る。
【0037】
図8は、作業機2の取付を変更した場合に傾斜設定基準角度の補正値を変更するフローチャートで、ステップS62で作業機取付が3点支持リンク構成であるか判定しステップS63で取付位置変更を判定し、共にYESならばステップS64で傾斜設定基準角度に対する補正値を再演算する。この制御で、作業機の取付位置を変更しても設定した作業機の傾斜角度に維持するようになる。
【0038】
図9は、コントローラ31に記憶した各基準値データを更新修正する制御のフローチャートで、トラクタ車体1を水平な地面に置き作業機2を水平に装着して行い、ステップS71でエンジンキーをオンし、ステップS72でチェックスイッチ10をオンし(実際にはチェックヒューズを抜く)、ステップS73で制御切換スイッチ33等の制御関係スイッチのどれかをオンすると、ステップS74で傾斜センサ3の現在値を基準値として記憶し、ステップS75でストロークセンサ36の現在値を基準値として記憶し、ステップS76でローリングシリンダ25を最大に伸ばしてその時のストロークセンサ36の値を最大伸び位置として記憶し、ステップS77でローリングシリンダ25を最小に縮めてその時のストロークセンサ36の値を最大縮み位置として記憶し、ステップS78で傾斜設定基準角度に対する補正値をリセットする。
【0039】
このトラクタでは、ダッシュボード13に異常表示部を設けているが、各異常が同時に発生した場合には、優先表示順位として、ラジエータ水温−エンジンオイル残量−バッテリ電圧−燃料残量−燃料満タン−グローランプの順として、エンジンの異常を優先的に表示する。
【0040】
また、作業機の使用時間をエンジン回転数が所定回転数以上である時間として積算し、所定時間例えば50時間経過毎にオイル交換などのメンテナンス情報を表示するようにする。
【0041】
図10は、油圧昇降シリンダ56の油圧バルブ63のレバー52を電動モータ50の回転で動作するようにロッド51でミッションケース62に設けた電動モータ50の出力軸とレバー52を連結した構成である。電動モータ50は、コントローラ58で回転方向と回転速度をコントロールする。
【0042】
リフトアーム64の回動角度をリフトアームポテンショメータ53で検出してコントローラ58に入力し、耕す深さを調整する昇降レバー54の回動角度がレバーポテンショメータ55からコントローラ58に入力し、ロータリカバーの開き角度がカバーポテンショメータ57からコントローラ58に入力する。
【0043】
作業選択ボタン59から乾田、湿田、代掻きの選択信号がコントローラ58に入力し、ロータリを僅かに圃場面から浮かす微上昇ボタン60のオン信号がコントローラ58に入力し、作業機2の昇降を行うフィンガーアップレバー61のオン信号がコントローラ58に入力する。
【0044】
電動モータ50は回転速度をロータリの上昇開始時に速くして徐々に速度を落とすことで、旋回時の斜め切り上げやリヤカバー23の跳ね上がりショックを防げる。
作業選択ボタン59で乾田にしてロータリの昇降速度を標準にし、湿田にして昇降速度を遅くし、代掻きにして昇降速度をさらに遅くすることが出来る。
【符号の説明】
【0045】
1 車体
2 作業機
3 傾斜センサ
7 手動傾き調整スイッチ(手動伸びスイッチ)
8 手動傾き調整スイッチ(手動縮みスイッチ)
25 ローリングシリンダ
33 水平制御切換スイッチ
36 ストロークセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタの車体(1)後部に作業機(2)をローリング可能に装着し、車体(1)に設けた傾斜センサ(3)の車体傾斜角検出に基づいてローリングシリンダ(25)を制御し、該ローリングシリンダ(25)のピストンロッドにより作業機(2)を水平に維持するトラクタ作業機の制御装置において、水平制御切換スイッチ(33)で作業機(2)を水平に維持する自動水平モードに設定した後に、作業機(2)の左右傾斜を調整する手動傾き調整スイッチ(7),(8)の手動による傾き変更で水平に対する作業機(2)の傾斜角度を任意角度に設定可能にすると共に、この設定した傾斜角度を傾斜設定基準角度(A)として自動傾斜維持モードに移行して自動制御するようにしたことを特徴とするトラクタ作業機の制御装置。
【請求項2】
前記自動傾斜維持モードへの移行は、手動傾き調整スイッチ(7),(8)によって伸縮するローリングシリンダ(25)のピストンロッドの伸縮量を検出するストロークセンサ(36)の検出値から演算すべくした請求項1に記載のトラクタ作業機の制御装置。
【請求項3】
前記ローリングシリンダ(25)のピストンロッドを伸縮する手動傾き調整スイッチ(7),(8)の伸び側と縮み側を共に又は同時に入り状態にすることで、自動傾斜維持モードを解除して自動水平モードに戻ることを特徴とする請求項1に記載のトラクタ作業機の制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−70657(P2012−70657A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217147(P2010−217147)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】