説明

トランスデューサ用基板の製造方法およびトランスデューサ用基板、並びにトランスデューサ

【課題】ダイヤフラムの寸法精度を高めることが可能なトランスデューサ用基板の製造方法およびトランスデューサ用基板、並びにトランスデューサを提供する。
【解決手段】半導体基板10の一表面側に形成するダイヤフラム12a(図1(j))の形成予定領域を取り囲む枠体層11aを半導体基板10の一表面側に形成し(図1(b))、半導体基板10の一表面側にダイヤフラム12aの基礎となる薄膜12を形成し(図1(c))、半導体基板10の他表面側にダイヤフラム12aの平面形状に応じてパターン設計した開孔部を有するマスク層15を形成し、マスク層15をエッチングマスクとするとともに薄膜12のうち枠体層11aの内側に形成された部位および枠体層11aをエッチングストッパ層として半導体基板10を他表面側から薄膜12に達する深さまでエッチングすることで薄膜12の一部からなるダイヤフラム12aを形成する(図1(h))。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスデューサ用基板の製造方法およびトランスデューサ用基板、並びにトランスデューサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、マイクロマシニング技術を利用して半導体基板の一表面側にダイヤフラムを形成したトランスデューサ用基板を備えたトランスデューサとして、例えば、マイクロホン、超音波センサ、圧力センサ、スピーカ、赤外線センサなどが知られているが、ダイヤフラムの寸法精度がトランスデューサの特性に大きく影響するので、ダイヤフラムを厚み精度良く形成可能なトランスデューサ用基板の製造方法が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
ここにおいて、上記特許文献1〜3には、半導体基板の一表面側に可動電極を兼ねるダイヤフラムが形成されたトランスデューサ用基板と、可動電極に対向配置された固定電極とを備えたトランスデューサにおけるトランスデューサ用基板の製造方法が記載されている。
【0004】
ここで、上記特許文献1には、図4(a)に示すように、シリコン基板からなる半導体基板10の一表面側に高濃度不純物ドーピング層104を形成した後、半導体基板10の他表面側に所望のダイヤフラム20の平面形状に応じてパターン設計した開孔部15aを有するマスク層15を形成し、続いて、マスク層15をエッチングマスクとするとともに高濃度不純物ドーピング層104をエッチングストッパ層として半導体基板10を上記他表面側から高濃度不純物ドーピング層104に達する深さまでエッチングして凹所17を形成することにより高濃度不純物ドーピング層104の一部からなるダイヤフラム20を形成するようにした製造方法が記載されている。
【0005】
また、上記特許文献2には、図5に示すように、シリコン基板からなる支持基板10a上のシリコン酸化膜からなる絶縁層(埋込酸化膜)10b上にシリコン層10cを有するSOI基板を半導体基板10’として用い、半導体基板10’の一表面側に形成するダイヤフラム20の平面形状に応じてパターン設計した開孔部15aを有するマスク層15を半導体基板10’の他表面側に形成し、続いて、マスク層15をエッチングマスクとして、支持基板10a、絶縁層10bを順次エッチングして凹所17を形成することによりシリコン層10cの一部からなるダイヤフラム20を形成するようにした製造方法が記載されている。なお、この製造方法では、支持基板10aをエッチングする際には、絶縁層10bをエッチングストッパ層として利用し、絶縁層10bをエッチングする際には、シリコン層10cをエッチングストッパ層として利用する。
【0006】
また、上記特許文献3には、同一平面上に複数個のマイクロホンを配置し各マイクロホンの出力を同期加算して低雑音化を図るようにしたマイクユニットを、マイクロマシニング技術などを利用して製造することが記載されている。
【特許文献1】特開2002−345089号公報
【特許文献2】特開2004−356707号公報
【特許文献3】特開2002−152873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたトランスデューサ基板の製造方法では、ダイヤフラム20の平面サイズを決める要因として、マスク層15の開孔部15aの開口サイズ、半導体基板10の厚み、凹所17を形成する際のサイドエッチング量などがあり、マスク層15の開孔部15aの開口サイズを同じにしても、半導体基板10の厚みのばらつきやサイドエッチング量のばらつきにより、ダイヤフラム20の平面サイズにばらつきが生じてしまう。例えば、図4(a)における半導体基板10の厚みがd、図4(b)における半導体基板10の厚みがd’(<d)である場合、図4(a)と図4(b)とではダイヤフラム20の左右方向の寸法H1,H2が異なり、H1<H2となる。また、上記特許文献1に記載されたトランスデューサ基板の製造方法では、半導体基板10の厚みが同じであっても、例えば、図4(a)に対して、図4(c)のようにサイドエッチング量が多くなると、ダイヤフラム20の左右方向の寸法H3がH1に比べて大きくなってしまう。
【0008】
また、上記特許文献2に記載されたトランスデューサ用基板の製造方法においても、上記特許文献1に記載された製造方法と同様に、マスク層15の開孔部15aの開口サイズを同じにしても、半導体基板10’の厚みのばらつきやサイドエッチング量のばらつきにより、ダイヤフラム20の平面サイズにばらつきが生じてしまうという問題があった。また、上記特許文献2に記載のトランスデューサ用基板の製造方法では、支持基板10aのエッチングにあたって、アルカリ系溶液を用いてエッチング速度の結晶面方位依存性を利用した異方性エッチングを行っているが、支持基板10aのエッチングをRIEなどのドライエッチングにより行っても、図6のように絶縁層10bのサイドエッチングによりダイヤフラム20の寸法H4がばらついてしまい、また、バッチ処理が行えず、製造コストが高くなってしまう。
【0009】
また、その他のトランスデューサ用基板の製造方法として、図7(a)に示すようにシリコン基板からなる半導体基板10の一表面側においてダイヤフラム20に対応する領域にエッチングストッパ層105を形成してから半導体基板10の上記一表面側の全面にダイヤフラム20の基礎となる薄膜14を形成し、その後、半導体基板10の他表面側に所望のダイヤフラム20の平面形状に応じてパターン設計した開孔部15aを有するマスク層15を形成し、続いて、マスク層15をエッチングマスクとして半導体基板10を上記他表面側からエッチングストッパ層105に達するようにエッチングすることで貫通孔16を形成し、その後、図7(b)に示すように、エッチングストッパ層105をエッチング除去することにより薄膜14の一部からなるダイヤフラム20を形成するようにした製造方法が考えられる。
【0010】
しかしながら、このような製造方法では、ダイヤフラム20に段差が形成されてしまい、当該段差が形成されている部位での応力集中に起因してダイヤフラム20が破損してしまう可能性がある。
【0011】
また、上記特許文献3のように各マイクロホンの出力を同期加算するためには各マイクロホンの出力が同相とみなせる必要があるが、このためには、アレイ化したマイクユニットの大きさが集音する音波の波長に比べて十分に小さい必要があり、製造コストの面からも小型化が重要となる。
【0012】
しかしながら、図8に示すように、シリコン基板からなる半導体基板10の一表面側に薄膜14の一部からなる複数のダイヤフラム20を、アルカリ系溶液を用いた異方性エッチングにより半導体基板10に複数のテーパ状の貫通孔16を設けることにより形成した場合、半導体基板10の他表面側のマスク層15の各開孔部15aの開口サイズがダイヤフラム20の平面サイズよりも大きくなるので、隣り合うダイヤフラム20間の間隔を狭くすることが困難であり、結果としてマイクユニットの小型化が困難であり、しかも、上述のようにダイヤフラム20の平面サイズのばらつきが生じるという問題があった。
【0013】
また、図9に示すように、シリコン基板からなる支持基板10a上のシリコン酸化膜からなる絶縁層(埋込酸化膜)10b上にシリコン層10cを有するSOI基板を半導体基板10’として用い、半導体基板10’の他表面側のマスク層(図示せず)をエッチングマスクとして、支持基板10a、絶縁層10bを順次エッチングして凹所17を形成することによりシリコン層10cの一部からなるダイヤフラム20を形成するにあたって、支持基板10aをRIEなどのドライエッチングによりエッチングするようにすれば、隣り合うダイヤフラム20間の間隔を狭くすることが可能であるが、サイドエッチング量のばらつきに起因してダイヤフラム20の平面サイズがばらついてしまうという問題や、バッチ処理が行えず、製造コストが高くなってしまうという問題があった。
【0014】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、ダイヤフラムの寸法精度を高めることが可能なトランスデューサ用基板の製造方法およびトランスデューサ用基板、並びにトランスデューサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、半導体基板を加工して前記半導体基板の一表面側にダイヤフラムを形成するトランスデューサ用基板の製造方法であって、前記半導体基板の前記一表面側に形成するダイヤフラムの形成予定領域を取り囲む枠体層を前記半導体基板の前記一表面側に形成する枠体層形成工程と、枠体層形成工程の後で前記半導体基板の前記一表面側に前記ダイヤフラムの基礎となる薄膜を少なくとも前記形成予定領域および枠体層を覆うように形成する薄膜形成工程と、薄膜形成工程の後で前記半導体基板の他表面側に前記ダイヤフラムの平面形状に応じてパターン設計した開孔部を有するマスク層を形成するマスク層形成工程と、マスク層形成工程の後でマスク層をエッチングマスクとするとともに薄膜のうち枠体層の内側に形成された部位および枠体層をエッチングストッパ層として前記半導体基板を前記他表面側から前記薄膜に達する深さまでエッチングすることにより前記薄膜の一部からなる前記ダイヤフラムを形成するダイヤフラム形成エッチング工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、ダイヤフラムの平面サイズは前記枠体層形成工程にて形成する枠体層により決めることができ、ダイヤフラムの厚み寸法は前記薄膜形成工程にて形成する薄膜の厚みにより決めることできるので、ダイヤフラムの寸法精度を高めることが可能となり、ダイヤフラムの寸法精度の高いトランスデューサ用基板を低コストで提供することが可能となる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ダイヤフラム形成エッチング工程では、前記半導体基板をウェットエッチングすることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、前記ダイヤフラム形成エッチング工程においてバッチ処理が可能となるので、製造コストの低コスト化を図れる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記半導体基板が単結晶シリコン基板であり、前記枠体層形成工程では、前記枠体層をSiOにより形成することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記枠体層を容易に形成することができる。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記トランスデューサ用基板が前記ダイヤフラムをアレイ状に複数備えたものであり、前記枠体層形成工程では、複数の前記形成予定領域を取り囲むように前記枠体層を形成することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、前記ダイヤフラムを複数備えたトランスデューサ用基板の前記各ダイヤフラムの寸法精度を高めることができるとともにトランスデューサ用基板全体の小型化を図れる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記マスク層形成工程では、前記ダイヤフラム形成エッチング工程において前記半導体基板を前記薄膜に達する深さまでエッチングしたときに前記枠体層のうち隣接する前記形成予定領域間の部位が露出するように前記マスク層を形成することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、トランスデューサ用基板全体の小型化を図れる。
【0025】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、ダイヤフラムの寸法精度の高いトランスデューサ用基板を提供することができる。
【0027】
請求項7の発明は、請求項6記載のトランスデューサ用基板と、トランスデューサ用基板のダイヤフラムに設けられた可動電極と、当該可動電極に対向配置された固定電極とを備えたことを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、ダイヤフラムの寸法精度の良い静電型のトランスデューサを提供することができる。
【発明の効果】
【0029】
請求項1の発明では、ダイヤフラムの寸法精度を高めることが可能となり、ダイヤフラムの寸法精度の高いトランスデューサ用基板を低コストで提供することが可能となる。
【0030】
請求項6の発明では、ダイヤフラムの寸法精度の高いトランスデューサ用基板を提供することができるという効果がある。
【0031】
請求項7の発明では、ダイヤフラムの寸法精度の良い静電型のトランスデューサを提供することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(実施形態1)
本実施形態では、半導体基板を加工して上記半導体基板の一表面側にダイヤフラムを形成するトランスデューサ用基板の製造方法を応用して、図1(j)に示す静電型のトランスデューサを製造する製造方法について図1を参照しながら説明するが、製造方法を説明する前に図1(j)に示す静電型のトランスデューサについて簡単に説明する。
【0033】
図1(j)に示す構成の静電型のトランスデューサは、一表面が(100)面の単結晶シリコン基板からなる半導体基板10の一表面側にダイヤフラム12aが形成されたトランスデューサ用基板1と、トランスデューサ用基板1のダイヤフラム12a上に形成された可動電極13aと、可動電極13aに対向配置されたシリコン窒化膜からなる固定板部21aと、固定板部21aに積層された固定電極22aとを備え、固定板部21aと固定電極22aとの積層体からなる固定電極部には当該固定電極部と可動電極13aとの間の空間26と当該固定電極部における空間26側とは反対側の外部空間とを連通させる複数のアコースティックホール25が貫設されている。また、ダイヤフラム12aは平面形状が矩形状(本実施形態では、正方形状)であり、平面形状が矩形枠状の枠体層11aにより全周に亘って取り囲まれている。
【0034】
上述の静電型のトランスデューサでは、ダイヤフラム12aに設けられた可動電極13aと固定板部21aに設けられた固定電極22aとでコンデンサが形成されるから、ダイヤフラム12aが音波の圧力を受けることにより可動電極13aと固定電極22aとの間の距離が変化し、コンデンサの静電容量が変化する。したがって、可動電極13aに電気的に接続されたパッド13bと固定電極22aに電気的に接続されたパッド22bとの間に直流バイアス電圧を印加しておけば、両パッド13b,22b間には音波の圧力に応じて微小な電圧変化が生じるから、音波を電気信号に変換することができる。また、上述の静電型のトランスデューサは、上記アコースティックホール25が形成されているので、例えばダイヤフラム12aが音波の圧力を受けて振動する際に空間26の媒質である空気により過度に制動を受けないようにすることができ、広い周波数帯域にわたる平坦な周波数特性と広いダイナミックレンジとを得ることが可能となる。
【0035】
以下、本実施形態のトランスデューサの製造方法について説明する。
【0036】
まず、一表面が(100)面の単結晶シリコン基板からなる半導体基板10の上記一表面側に枠体層11aの基礎となるシリコン酸化膜からなる枠体材料層11をCVD法などにより形成する枠体材料層形成工程を行うことによって、図1(a)に示す構造を得る。なお、枠体材料層11の材料は、SiOに限らず、後述のダイヤフラム形成エッチング工程の際に半導体基板10の材料であるSiに比べてエッチングレートが十分に遅い材料であればよく、例えば、Siでもよい。また、枠体材料層11の厚みは、例えば、1μm〜5μm程度の範囲で適宜設定すればよい。
【0037】
次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して半導体基板10の上記一表面側の枠体材料層11をパターニングすることにより当該枠体材料層11の一部からなる矩形枠状の枠体層11aを形成する枠体材料層パターニング工程を行うことによって、図1(b)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、枠体材料層形成工程と枠体材料層パターニング工程とで、半導体基板10の上記一表面側に形成するダイヤフラム12aの形成予定領域を取り囲む枠体層11aを半導体基板10の上記一表面側に形成する枠体層形成工程を構成している。
【0038】
上述の枠体材料層パターニング工程の後、半導体基板10の上記一表面側の全面にダイヤフラム12aの基礎となるシリコン窒化膜からなる薄膜12をCVD法などにより形成する薄膜形成工程を行うことによって、図1(c)に示す構造を得る。なお、薄膜形成工程では、半導体基板10の上記一表面側において少なくとも上記形成予定領域および枠体層11aを覆うように薄膜12を形成すればよい。また、薄膜形成工程では、ダイヤフラム12aの厚みや残留応力などを考慮して薄膜12を成膜する必要がある。また、本実施形態では、薄膜12の膜厚を1μmに設定してあるが、薄膜12の膜厚は特に限定するものではなく、例えば、0.1μm〜2μm程度の範囲で適宜設定すればよい。また、薄膜12の材料はSiに限らず、後述のダイヤフラム形成エッチング工程の際に半導体基板10の材料であるSiに比べてエッチングレートが十分に遅い材料であればよく、例えば、ポリシリコンなどでもよい。
【0039】
次に、半導体基板10の上記一表面側の全面(つまり、薄膜12上)に可動電極13aの基礎となる第1の導電性層(例えば、Al層など)13を蒸着法やスパッタ法などにより形成する第1導電性層形成工程を行い、続いてフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して第1の導電性層13をパターニングする第1導電性層パターニング工程を行うことによって、図1(d)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、第1導電性層形成工程と第1導電性層パターニング工程とで可動電極13aを形成する可動電極形成工程を構成している。また、本実施形態では、第1の導電性層13の材料としてAlを採用しており、第1の導電性層13の一部がパッド13b(図1(j))を構成する。また、第1の導電性層13の材料はAlに限らず、耐腐食性や熱的安定性などの観点から、例えば、Crを採用してもよく、Crを採用する場合には、下層のAu層と上層のCr層との積層構造としてもよい。また、上述の薄膜12の材料としてポリシリコンを採用している場合には、薄膜12に不純物をドーピングして導電性を付与することにより第1の導電性層13を形成するようにしてもよい。
【0040】
上述の第1導電性層パターニング工程の後、半導体基板10の上記一表面側の全面に上述の空間26のギャップ長に応じて膜厚を設定したポリイミド膜からなる犠牲層14を例えばスピンコート法などにより成膜することによって、図1(e)に示す構造を得る。
【0041】
その後、半導体基板10の上記一表面側の全面に固定板部21aの基礎となるシリコン窒化膜21を例えばCVD法などにより成膜することによって、図1(f)に示す構造を得る。なお、固定板部21aの基礎となるシリコン窒化膜21の成膜にあたっては、固定板部21aの剛性や残留応力などを考慮して成膜する必要がある。
【0042】
続いて、半導体基板10の上記一表面側の全面に固定電極22aの基礎となる第2の導電性層(例えば、Al層など)22を蒸着法やスパッタ法などにより形成する第2導電性層形成工程を行い、続いてフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して第2の導電性層22をパターニングする第2導電性層パターニング工程を行うことによって、図1(g)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、第2導電性層形成工程と第2導電性層パターニング工程とで固定電極22aを形成する固定電極形成工程を構成している。また、本実施形態では、第2の導電性層22の材料としてAlを採用しており、第2の導電性層22の一部がパッド22b(図1(j))を構成する。また、第2の導電性層22の材料はAlに限らず、耐腐食性や熱的安定性などの観点から、例えば、Crを採用してもよく、Crを採用する場合には、下層のAu層と上層のCr層との積層構造としてもよい。
【0043】
上述の第2導電性層パターニング工程の後、半導体基板10の上記他表面側の全面に後述のマスク層15の基礎となるシリコン酸化膜からなるマスク材料層を形成してから、当該マスク材料層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることで半導体基板10の上記他表面側にダイヤフラム12aの平面形状に応じてパターン設計した矩形状(本実施形態では、正方形状)の開孔部を有するマスク層15を形成するマスク層形成工程を行い、その後、マスク層15をエッチングマスクとするとともに薄膜12および枠体層11aをエッチングストッパ層として半導体基板10を上記他表面側から薄膜12および枠体層11aに達する深さまでエッチングしてテーパ状の貫通孔16を形成することにより薄膜12の一部からなるダイヤフラム12aを形成するダイヤフラム形成エッチング工程を行うことによって、図1(h)に示す構造を得る。ここにおいて、ダイヤフラム形成エッチング工程では、例えば、KOH溶液、TMAH溶液、EPW(エチレンジアミンピロカテコール)溶液などのアルカリ系溶液を用いた異方性エッチングを行うことにより、薄膜12および枠体層11aをエッチングストッパ層として利用することができ、ダイヤフラム12aの厚みの高精度化を図れる。なお、上述のマスク層形成工程では、半導体基板10の上記一表面側において貫通孔16の内周面を構成する(111)面の端縁が平面視における枠体層11aの内周線と外周線との間に入るように、ダイヤフラム形成エッチング工程でのサイドエッチング量や半導体基板10の厚みを考慮してマスク層15の開孔部をパターン設計する必要がある。また、本実施形態では、ダイヤフラム形成エッチング工程の前に半導体基板10の上記一表面側をレジスト層などの保護層を形成しておく必要がある。
【0044】
ダイヤフラム形成エッチング工程の後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して固定板部21aと固定電極22aとで構成される固定電極部に複数のアコースティックホール(貫通孔)25を形成するアコースティックホール形成工程を行うことによって、図1(i)に示す構造を得る。なお、アコースティックホール形成工程では、固定電極22aを当該固定電極22aのみをエッチング可能なエッチング液によりエッチングした後、固定板部21aを例えばCFガスなどを用いてドライエッチングすればよい。また、アコースティックホール25の開口サイズや数は、アコースティックホールとしての設計を満足し且つ後述の犠牲層エッチング工程において犠牲層14のエッチングが可能となるように設計すればよい。
【0045】
上述のアコースティックホール形成工程の後、半導体基板10の上記一表面側から各アコースティックホール25を通して犠牲層14の一部を例えば酸素プラズマなどのドライプロセスによりエッチング除去することで空間26を形成する犠牲層エッチング工程を行うことによって、図1(j)に示す構造の静電型のトランスデューサが得られる。ここで、ダイヤフラム12aと当該ダイヤフラム12a上の可動電極13aとが可動部となる。
【0046】
ところで、本実施形態では、トランスデューサ用基板1を備えたデバイスとして静電型のトランスデューサを例示したが、トランスデューサ用基板1としては、半導体基板10と枠体層11aと薄膜12の一部からなるダイヤフラム12aとを備えておればよい。
【0047】
したがって、本実施形態のトランスデューサの製造方法の基本となるトランスデューサ用基板1の製造方法では、半導体基板10の上記一表面側に形成するダイヤフラム12aの形成予定領域を取り囲む枠体層11aを半導体基板10の上記一表面側に形成する枠体層形成工程と、枠体層形成工程の後で半導体基板10の上記一表面側にダイヤフラム12aの基礎となる薄膜12を少なくとも上記形成予定領域および枠体層11aを覆うように形成する薄膜形成工程と、薄膜形成工程の後で半導体基板10の上記他表面側にダイヤフラム12aの平面形状に応じてパターン設計した開孔部を有するマスク層15を形成するマスク層形成工程と、マスク層形成工程の後でマスク層15をエッチングマスクとするとともに薄膜12のうち枠体層11aの内側に形成された部位および枠体層11aをエッチングストッパ層として半導体基板10を上記他表面側から薄膜12に達する深さまでエッチングすることにより薄膜12の一部からなるダイヤフラム12aを形成するダイヤフラム形成エッチング工程とを備えており、ダイヤフラム12aの平面サイズは枠体層形成工程にて形成する枠体層11aにより決める(規定する)ことができ、ダイヤフラム12aの厚み寸法は薄膜形成工程にて形成する薄膜12の厚みにより決めることできるので、ダイヤフラム12aの寸法精度を高めることが可能となり、ダイヤフラム12aの寸法精度の高いトランスデューサ用基板1を低コストで提供することが可能となる。しかして、図2(a),(b)のように半導体基板10の厚みd,d’がばらついたり、図2(a),(c)のようにサイドエッチング量がばらついたりしても、平面サイズが同じダイヤフラム12aを形成することが可能となる(図2(a),(b),(c)のようにダイヤフラム12aの寸法H1が同じになる)。
【0048】
また、本実施形態のトランスデューサ用基板1の製造方法によれば、ダイヤフラム形成エッチング工程では、半導体基板10を上述のアルカリ系溶液を用いてウェットエッチングするので、ダイヤフラム形成エッチング工程においてバッチ処理が可能となり、製造コストの低コスト化を図れる。また、本実施形態のトランスデューサ用基板1の製造方法によれば、半導体基板10が単結晶シリコン基板であり、枠体層形成工程では、枠体層11aをSiOにより形成するので、枠体層11aを容易に形成することができる。
【0049】
また、以上説明したトランスデューサの製造方法によれば、ダイヤフラム12aの平面サイズは枠体層形成工程にて形成する枠体層11aで囲まれたサイズにより決めることができ、ダイヤフラム12aの厚み寸法は薄膜形成工程にて形成する薄膜12の厚みにより決めることできるので、ダイヤフラム12aの寸法精度を高めることが可能となり、ダイヤフラム12aの寸法精度の良い静電型のトランスデューサを製造することが可能となる。
【0050】
なお、上述の静電型のトランスデューサの使用例はマイクロホンに限らず、可動電極12aと固定電極22aとの間に印加する電圧を変化させるように駆動することでスピーカとして使用することも可能である。
【0051】
(実施形態2)
本実施形態で例示する静電型のトランスデューサの基本構成は実施形態1と略同じであり、図3(j)に示すように複数のダイヤフラム12aがアレイ状(2次元アレイ状)に配置されており、枠体層11aの平面形状が格子枠状である点、半導体基板10の厚み方向に貫通する貫通孔16が全てのダイヤフラム12aに跨るように1つだけ形成されている点、各ダイヤフラム12aに対応する領域ごとに可動電極13aと固定電極22aとを備えたコンデンサが形成されている点などが相違する。
【0052】
以下、半導体基板10を加工して半導体基板10の上記一表面側にダイヤフラム12aを形成するトランスデューサ用基板1の製造方法を応用して、図3(j)に示す静電型のトランスデューサを製造する製造方法について説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。
【0053】
まず、一表面が(100)面の単結晶シリコン基板からなる半導体基板10の上記一表面側に枠体層11aの基礎となるシリコン酸化膜からなる枠体材料層11をCVD法などにより形成する枠体材料層形成工程を行うことによって、図3(a)に示す構造を得る。
【0054】
次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して半導体基板10の上記一表面側の枠体材料層11をパターニングすることにより当該枠体材料層11の一部からなる格子枠状の枠体層11aを形成する枠体材料層パターニング工程を行うことによって、図3(b)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、枠体材料層形成工程と枠体材料層パターニング工程とで、半導体基板10の上記一表面側に形成する各ダイヤフラム12aの形成予定領域を取り囲む枠体層11aを半導体基板10の上記一表面側に形成する枠体層形成工程を構成している。
【0055】
上述の枠体材料層パターニング工程の後、半導体基板10の上記一表面側の全面に各ダイヤフラム12aの基礎となるシリコン窒化膜からなる薄膜12をCVD法などにより形成する薄膜形成工程を行うことによって、図3(c)に示す構造を得る。
【0056】
次に、半導体基板10の上記一表面側の全面(つまり、薄膜12上)に各可動電極13aの基礎となる第1の導電性層(例えば、Al層など)13を蒸着法やスパッタ法などにより形成する第1導電性層形成工程を行い、続いてフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して第1の導電性層13をパターニングする第1導電性層パターニング工程を行うことによって、図3(d)に示す構造を得る。
【0057】
その後、半導体基板10の上記一表面側の全面に各空間26のギャップ長に応じて膜厚を設定したポリイミド膜からなる犠牲層14を例えばスピンコート法などにより成膜することによって、図3(e)に示す構造を得る。
【0058】
その後、半導体基板10の上記一表面側の全面に各固定板部21aの基礎となるシリコン窒化膜21を例えばCVD法などにより成膜することによって、図3(f)に示す構造を得る。
【0059】
続いて、半導体基板10の上記一表面側の全面に各固定電極22aの基礎となる第2の導電性層(例えば、Al層など)22を蒸着法やスパッタ法などにより形成する第2導電性層形成工程を行い、続いてフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して第2の導電性層22をパターニングする第2導電性層パターニング工程を行うことによって、図3(g)に示す構造を得る。
【0060】
その後、半導体基板10の上記他表面側の全面に後述のマスク層15の基礎となるシリコン酸化膜からなるマスク材料層を形成してから、当該マスク材料層をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してパターニングすることで半導体基板10の上記他表面側に各ダイヤフラム12aの平面形状に応じてパターン設計した1つの矩形状(本実施形態では、正方形状)の開孔部を有するマスク層15を形成するマスク層形成工程を行い、その後、マスク層15をエッチングマスクとするとともに薄膜12および枠体層11aをエッチングストッパ層として半導体基板10を上記他表面側から薄膜12および枠体層11aに達する深さまでエッチングしてテーパ状の貫通孔16を形成することによりそれぞれ薄膜12の一部からなる複数のダイヤフラム12aを形成するダイヤフラム形成エッチング工程を行うことによって、図3(h)に示す構造を得る。ここにおいて、マスク層形成工程では、ダイヤフラム形成エッチング工程において半導体基板10を薄膜12に達する深さまでエッチングしたときに格子枠状の枠体層11aのうち隣接する上記形成予定領域(ダイヤフラム12aの形成予定領域)間の部位が露出するようにマスク層15を形成するようにしている。
【0061】
ダイヤフラム形成エッチング工程の後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して上記シリコン窒化膜21と上記第2の導電性層22との積層体においてダイヤフラム12aに重なる領域ごとに複数のアコースティックホール(貫通孔)25を形成するアコースティックホール形成工程を行うことによって、図3(i)に示す構造を得る。
【0062】
上述のアコースティックホール形成工程の後、半導体基板10の上記一表面側から各アコースティックホール25を通して犠牲層14の一部を例えば酸素プラズマなどのドライプロセスによりエッチング除去することで各空間26を形成する犠牲層エッチング工程を行うことによって、図3(j)に示す構造の静電型のトランスデューサが得られる。
【0063】
ところで、本実施形態では、トランスデューサ用基板1を備えたデバイスとして静電型のトランスデューサを例示したが、トランスデューサ用基板1としては、半導体基板10と枠体層11aとそれぞれ薄膜12の一部からなる複数のダイヤフラム12aとを備えておればよい。
【0064】
したがって、本実施形態のトランスデューサの製造方法の基本となるトランスデューサ用基板1の製造方法では、半導体基板10の上記一表面側に形成する各ダイヤフラム12aの形成予定領域を取り囲む枠体層11aを半導体基板10の上記一表面側に形成する枠体層形成工程と、枠体層形成工程の後で半導体基板10の上記一表面側に各ダイヤフラム12aの基礎となる薄膜12を少なくとも上記形成予定領域および枠体層11aを覆うように形成する薄膜形成工程と、薄膜形成工程の後で半導体基板10の上記他表面側に各ダイヤフラム12aの平面形状に応じてパターン設計した開孔部を有するマスク層15を形成するマスク層形成工程と、マスク層形成工程の後でマスク層15をエッチングマスクとするとともに薄膜12のうち枠体層11aの内側に形成された部位および枠体層11aをエッチングストッパ層として半導体基板10を上記他表面側から薄膜12に達する深さまでエッチングすることによりそれぞれ薄膜12の一部からなる複数のダイヤフラム12aを形成するダイヤフラム形成エッチング工程とを備えており、各ダイヤフラム12aの平面サイズは枠体層形成工程にて形成する枠体層11aにより決める(規定する)ことができ、各ダイヤフラム12aの厚み寸法は薄膜形成工程にて形成する薄膜12の厚みにより決めることできるので、各ダイヤフラム12aの寸法精度を高めることが可能となり、各ダイヤフラム12aの寸法精度の高いトランスデューサ用基板1を低コストで提供することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態のトランスデューサ用基板1の製造方法によれば、枠体層形成工程では、複数のダイヤフラム12aの形成予定領域を取り囲むように枠体層11aを形成するので、ダイヤフラム12aを複数備えたトランスデューサ用基板1の各ダイヤフラム12aの寸法精度を高めることができるとともにトランスデューサ用基板1全体の小型化を図れる。また、本実施形態のトランスデューサ用基板1の製造方法によれば、マスク層形成工程では、ダイヤフラム形成エッチング工程において半導体基板10を薄膜12に達する深さまでエッチングしたときに枠体層11aのうち隣接する上記形成予定領域間の部位が露出するようにマスク層15を形成するようにしているので、トランスデューサ用基板1全体の小型化を図れる。
【0066】
また、本実施形態の静電型のトランスデューサによれば、指向性音響検知や、センサの信号増大による高感度化、高S/N化などが実現可能となる。
【0067】
ところで、上記各実施形態1,2で説明したトランスデューサ用基板1の応用デバイスは、マイクロホンやスピーカに限らず、例えば、ダイヤフラム12aに圧電材料層を設けて圧電センサや圧電型のアクチュエータとして応用したり、ダイヤフラム12aにピエゾ抵抗素子を設けて歪みセンサや圧力センサとして応用したり、ダイヤフラム12aに光を照射する光源とダイヤフラム12aからの反射光や回折光を検出する光ディテクタとを組み合わせてダイヤフラム12aの位置や動作を検出するセンサシステムとして応用したり、ダイヤフラム12a上に赤外線検出素子を設けて赤外線センサとして応用したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施形態1におけるトランスデューサの製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図2】同上におけるトランスデューサ用基板の製造方法の説明図である。
【図3】実施形態2におけるトランスデューサの製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図4】従来例におけるトランスデューサ用基板の製造方法の説明図である。
【図5】他の従来例におけるトランスデューサ用基板の製造方法の説明図である。
【図6】さらに他の従来例におけるトランスデューサ用基板の製造方法の説明図である。
【図7】別の従来例におけるトランスデューサ用基板の製造方法の説明図である。
【図8】さらに別の従来例におけるトランスデューサ用基板の製造方法の説明図である。
【図9】また別の従来例におけるトランスデューサ用基板の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1 トランスデューサ用基板
10 半導体基板(単結晶シリコン基板)
11a 枠体層
12 薄膜
12a ダイヤフラム
15 マスク層
15a 開孔部
16 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を加工して前記半導体基板の一表面側にダイヤフラムを形成するトランスデューサ用基板の製造方法であって、前記半導体基板の前記一表面側に形成するダイヤフラムの形成予定領域を取り囲む枠体層を前記半導体基板の前記一表面側に形成する枠体層形成工程と、枠体層形成工程の後で前記半導体基板の前記一表面側に前記ダイヤフラムの基礎となる薄膜を少なくとも前記形成予定領域および枠体層を覆うように形成する薄膜形成工程と、薄膜形成工程の後で前記半導体基板の他表面側に前記ダイヤフラムの平面形状に応じてパターン設計した開孔部を有するマスク層を形成するマスク層形成工程と、マスク層形成工程の後でマスク層をエッチングマスクとするとともに薄膜のうち枠体層の内側に形成された部位および枠体層をエッチングストッパ層として前記半導体基板を前記他表面側から前記薄膜に達する深さまでエッチングすることにより前記薄膜の一部からなる前記ダイヤフラムを形成するダイヤフラム形成エッチング工程とを備えることを特徴とするトランスデューサ用基板の製造方法。
【請求項2】
前記ダイヤフラム形成エッチング工程では、前記半導体基板をウェットエッチングすることを特徴とする請求項1記載のトランスデューサ用基板の製造方法。
【請求項3】
前記半導体基板が単結晶シリコン基板であり、前記枠体層形成工程では、前記枠体層をSiOにより形成することを特徴とする請求項1または請求項2記載のトランスデューサ用基板の製造方法。
【請求項4】
前記トランスデューサ用基板が前記ダイヤフラムをアレイ状に複数備えたものであり、前記枠体層形成工程では、複数の前記形成予定領域を取り囲むように前記枠体層を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のトランスデューサ用基板の製造方法。
【請求項5】
前記マスク層形成工程では、前記ダイヤフラム形成エッチング工程において前記半導体基板を前記薄膜に達する深さまでエッチングしたときに前記枠体層のうち隣接する前記形成予定領域間の部位が露出するように前記マスク層を形成することを特徴とする請求項4記載のトランスデューサ用基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするトランスデューサ用基板。
【請求項7】
請求項6記載のトランスデューサ用基板と、トランスデューサ用基板のダイヤフラムに設けられた可動電極と、当該可動電極に対向配置された固定電極とを備えたことを特徴とするトランスデューサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−130297(P2009−130297A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306585(P2007−306585)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】