説明

トロイダル変速機構の制御装置

【課題】本発明は、走行装置としてトロイダル変速機構を用いたものにおいて、滑らかな自動変速を提供することが課題である。
【解決手段】入力ディスク4b,4bと出力ディスク4a,4aの間に設けるバリエータ5の傾倒角を変更することで変速伝動するトロイダル変速機構4及び遊星機構61と高・低クラッチ30を設けたミッションケース1を構成し、バリエータ5の作動負荷検出手段BRを設け、該作動負荷検出手段BRが検出する負荷が所定値以下の場合にはバリエータ5が高・低クラッチ30の切換位置であるシンク位置Sに向かうバリエータ比変化率を他のバリエータ比変化率よりも小さく制御したことを特徴とするトロイダル変速機構の制御装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタや乗用芝刈り機や乗用管理機等の作業車において使用されるトロイダル変速機構の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車は、搭乗するオペレータが作業車の操縦運転とロータリ耕耘装置等作業機の作業状態調整を行わなければならないために操縦操作や作業機操作で運転作業が煩雑になる。このようなオペレータの操縦操作を楽にするために、例えば、特開2004−114783号公報に記載の如く、トロイダル変速機構による自動変速トランスミッションが走行装置の駆動力伝動に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−170416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トロイダル変速機構は、入力ディスクと出力ディスクの間にバリエータ(摩擦ローラ)を設け、このバリエータの入力ディスクと出力ディスクに対する傾倒角を変更することで入力ディスクの回転がバリエータを経て出力ディスクに伝動して変速する構成で、低速後進から高速前進まで走行速度を変速するために遊星ギヤと高・低クラッチを組み合わせて走行装置の自動変速装置としている。
【0005】
このトロイダル変速機構は、特に路上走行などの軽負荷走行中にバリエータがオーバーシュートして変速が滑らかに行えないことが有る。
そこで、本発明は、走行装置の自動変速装置としてトロイダル変速機構を用いたトランスミッションにおいて、滑らかな自動変速が行える自動変速装置のトロイダル変速機構制御装置を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、入力ディスク(4b),(4b)と出力ディスク(4a),(4a)の間に設けるバリエータ(5)の傾倒角を変更することで変速伝動するトロイダル変速機構(4)及び遊星機構(61)と高・低クラッチ(30)を設けたミッションケース(1)を構成し、バリエータ(5)の作動負荷検出手段(BR)を設け、該作動負荷検出手段(BR)が検出する負荷が所定値以下の場合にはバリエータ(5)が高・低クラッチ(30)の切換位置であるシンク位置(S)に向かうバリエータ比変化率を他のバリエータ比変化率よりも小さく制御したことを特徴とするトロイダル変速機構の制御装置とする。
【0007】
この構成で、トロイダル変速機構4の伝動負荷が小さい場合には、バリエータ5のバリエータ比変化率すなわち走行速度の増加率を小さくして、変速ショックを軽くする。
請求項2に記載の発明は、入力ディスク(4b),(4b)と出力ディスク(4a),(4a)の間に設けるバリエータ(5)の傾倒角を変更することで変速伝動するトロイダル変速機構(4)及び遊星機構(61)と高・低クラッチ(30)を設けたミッションケース(1)を構成し、一定車速制御の場合にはバリエータ(5)が高・低クラッチ(30)の切換位置であるシンク位置(S)に向かうバリエータ比変化率を他のバリエータ比変化率よりも小さく制御したことを特徴とするトロイダル変速機構の制御装置とする。
【0008】
この構成で、走行速度を一定に設定して走行する一定車速制御の場合に、走行速度を変更してもバリエータ5のバリエータ比変化率すなわち走行速度の増加率を小さくして、変速ショックを軽くする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記バリエータ比変化率変更は、後進から前進に向かう変速時の変化率減少程度を前進から後進に向かう変速時の変化率減少よりも大きくしたことを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のトロイダル変速機構の制御装置とする。
【0010】
この構成で、後進から前進に向かう変速時の変速ショックが前進から後進に向かう変速時の変速ショックが大きくなる傾向があるミッションケース1の乗り心地を良くする。
【発明の効果】
【0011】
トロイダル変速機構の機械的な特徴として、バリエータ5が低速側クラッチ65と高速側クラッチ64の切換位置であるシンク位置Sに向かう場合には、バリエータ5がオーバーランし易いという特徴がある。そこで、請求項1から請求項3のように構成することで、入力ディスク4b,4bと出力ディスク4a,4aの間に設けるバリエータ5の傾倒角を変更することで変速伝動するトロイダル変速機構4と遊星機構61と高・低クラッチ30を設けたミッションケース1におけるバリエータ5が低速側クラッチ65と高速側クラッチ64の切換位置であるシンク位置Sに向かう場合に生じる変速ショックを軽減或いは無くすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を実施した農業用トラクタ。
【図2】本発明を実施したミッションケースの側断面図。
【図3】ミッションケース内の動力伝動系統図。
【図4】トロイダル変速機構の油圧駆動系統図。
【図5】ミッションケースの一部拡大側面図。
【図6】ミッションケースの正断面図。
【図7】トロイダル変速部の一部拡大側面図。
【図8】トロイダル変速部の一部拡大背面図。
【図9】トロイダル変速部の一部拡大断面図。
【図10】トロイダル変速部の一部拡大側面図。
【図11】トロイダル変速部の一部拡大側断面図。
【図12】トロイダル変速部の一部拡大側面図。
【図13】トロイダル変速部の一部拡大斜視図。
【図14】トロイダル変速部の一部拡大断面図。
【図15】トロイダル変速部の斜視図。
【図16】トロイダル変速部の斜視図。
【図17】ミッションケースの拡大斜視図
【図18】トロイダル変速部の斜視図。
【図19】車速とバリエータ比との関係図。
【図20】全体の制御ブロック図。
【図21】バリエータ比制御のフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明を作業車としての農業用トラクタに実施した形態について説明する。
図1は、農業用トラクタの全体側面図で、機体前部のボンネット120内に搭載したエンジンEの動力を後に詳しく説明するミッションケース1内のトロイダル変速機構4で適宜に変速して走行装置8を構成する前輪20と後輪35の両方或は後輪35のみを駆動し、機体上に設けるキャビン125内の座席121に座ったオペレータが機体の略中央に立設するステアリングハンドル122を回動操作して前輪20を操向しながら走行する。機体の後方へ突出するヒッチ123には、ロータリ耕運機などの作業機124を装着し、ミッションケース1から後方へ向かって突出するPTO出力軸41で作業機124を駆動する。なお、この図面には省略しているが、前輪20の車体前方に対する角度すなわち旋回角を検出する旋回角センサ130(図20参照)を設けている。
【0014】
次に、ミッションケース1の内部構造及びトロイダル変速機構4について図2以降で詳細に説明する。
ミッションケース1は、図2に示すように、前からフロントケース1a、ミドルケース1b、リアケース1cの三つの中空ケースを連結して一体に構成している。
【0015】
フロントケース1aは、前隔壁2と後隔壁3とを有し、その内部に溜めるオイルはトロイダル変速機構4用の専用オイルでミドルケース1bとリアケース1cに溜めるオイルとは異ならせている。このように、トロイダル変速機構4に用いるオイルを一般的に使うミッションケース1内に溜めるオイルと分離して溜めることで、オイル循環でトロイダル変速機構4を効果的に冷却できる。
【0016】
このフロントケース1a内に、上からバリエータ軸10、走行駆動入力軸11、PTO入力軸12、前輪駆動軸13を軸支している。バリエータ軸10の前方で軸心線上には、エンジンEの出力軸と直結するメイン入力軸14を軸架し、このメイン入力軸14に固着している第1ギヤ15に対して、バリエータ軸10の前端部を遊嵌支持している。
【0017】
メイン入力軸14に前隔壁2の内側で固着した第1ギヤ15は、下位の走行駆動入力軸11に固着した大小径ギヤ16、43の大径ギヤ16に噛み合って増速伝動し、この大小ギヤ径16、43の小径ギヤ43が同時に回転する。この小径ギヤ43は、さらに下位のPTO入力軸12に固着した第2ギヤ18に噛み合って減速伝動している。PTO入力軸12はミドルケース1b内の中継軸42に設けたPTO軸変速機構44に繋がるが、このPTO軸変速機構44の伝動前側でミドルケース1b内において、ワンウエイクラッチ29を設けており、エンジン停止時のゆり戻しによる逆回転を防止している。
【0018】
最下位の前輪駆動軸13は、後述するミドルケース1b側からの伝動により前側のフロントデフ軸17へ動力を伝動している。フロントデフ軸17は、フロントデフギヤ装置19を介して左右の前輪20を駆動する。(図3参照)
次に、前記バリエータ軸10に装着したトロイダル変速機構4について説明する。
【0019】
バリエータ軸10と一体回転する2つの出力ディスク4a,4aと、両出力ディスク4a,4aの中央側に位置して下方の走行駆動入力軸11に固着した第3ギヤ21に中継ギヤ22を介して噛み合う第4ギヤ23と共に回転する入力ディスク4b,4bを設けている。そして、前記出力ディスク4a,4aと入力ディスク4b,4bとの間にバリエータ支持アーム69の先端部に枢支したバリエータ(摩擦ローラ)5を片側三個ずつ軸支する構成(バリエータ機構)としている。
【0020】
図8に示す如く、バリエータ支持アーム69はフルクラムプレート68に構成している作動シリンダ6内を往復移動するピストン96のピストンロッド7に連結している。また、バリエータ5はローラ支持部材51で支持され、このローラ支持部材51とバリエータ支持アーム69との間は球面ベアリングBで支持されている。
【0021】
フルクラムプレート68に対する作動シリンダ6のシリンダ孔55の配置は、図11に示している。
この片側三個ずつのバリエータ5の位置を油圧操作で変更することによりバリエータ5の傾倒角が変更され、前記入力ディスク4b,4bから出力ディスク4a,4aへ伝わる動力伝達比が変更されてバリエータ軸10の回転を変速する構成となっている。この変速伝動効率は約80〜90%と良く、特に低速での伝動効率が高いのが特徴である。
【0022】
なお、トロイダル変速機構4の詳細な構造は、後述する。
バリエータ軸10の回転は、後隔壁3のミドルケース1b側でバリエータ軸10に連結した入力クラッチ軸25にスプライン嵌合した第5ギヤ26とワンウエイクラッチ60を駆動すると共に、遊星機構61のサンギヤ61aを駆動する。一方、前記走行駆動入力軸11は、後続の延長軸62、この延長軸62上の第11ギヤ63、この第11ギヤ63と噛みあう前記入力クラッチ軸25に遊嵌させた第6ギヤ28を介して、遊星機構61のプラネタリギヤ61bを支持するキャリア61cを、サンギヤ61aの周りに公転駆動する。
【0023】
また、前記入力クラッチ軸25の終端側には、油圧クラッチ形態の高速側クラッチ64を設け、これに隣接して同様に油圧クラッチ形態の低速側クラッチ65を配置する。なお、高速側クラッチ64は、そのクラッチ入りによって入力クラッチ軸25と出力クラッチ軸66を接続する。また、低速側クラッチ65は、遊星機構61のリングギヤ61dと出力クラッチ軸66とを接続する構成としている。これら高速側クラッチ64と低速側クラッチ65とによって高・低クラッチ30を構成する。
【0024】
高・低クラッチ30の高速側クラッチ64が入りとなり、低速側クラッチ65が切りの状態では、変速されたバリエータ軸10の回転、即ち入力クラッチ軸25の回転が高速側クラッチ64と伝動ドラム67を経由して出力クラッチ軸66に伝達され、その回転はバリエータ軸10が低速の正転から高速の正転まで変速回転(「ハイレジウム」という)する。
【0025】
また高・低クラッチ30の低速側クラッチ65が入りとなり、高速側クラッチ64が切りの状態では、変速されたバリエータ軸10の回転がサンギヤ61aに伝達され、一方延長軸62の回転は、第11ギヤ63、第6ギヤ28、プラネタリギヤ61bを介して遊星機構61のキャリア61cを駆動するため、サンギヤ61aとキャリア61cの回転との合成回転でリングギヤ61dを回転駆動し、このリングギヤ61dと一体回転するケーシング61eの回転が、低速側クラッチ65と伝動ドラム67を経由して出力クラッチ軸66に伝達する。この場合の出力クラッチ軸66の回転は、低速の逆転から零回転を通過して低速の正転まで変速回転(「ローレジウム」という)する。
【0026】
また、走行駆動入力軸11の延長軸62には、入力クラッチ軸25にスプライン嵌合している第5ギヤ26と噛み合うワンウエイクラッチ27の外ギヤ27aを設けている。
また、入力クラッチ軸25のワンウエイクラッチ60の外ギヤ28と噛み合う第11ギヤ63を、延長軸62にスプライン嵌合して動力を伝動している。このような遊星機構61のプラネタリギヤ61dとサンギヤ61aの駆動構成でリングギヤ61dが変速駆動される。
【0027】
なお、ワンウエイクラッチ60に外ギヤ28を形成し、直接伝動することで伝動構成を単純化しローレジウムからハイレジウムへの変速伝動を段差無く円滑に行える。
以上の構成で、低速側クラッチ65を繋げば、出力クラッチ軸66は低速の逆転から零回転を通過して低速の正転まで変速され、さらに正転で増速するには高速側クラッチ64を繋いでバリエータ5の傾きを変えていくことになる。この低速側クラッチ65と高速クラッチ64の断続タイミング、いわゆるローレジウムからハイレジウムへの引継ぎが低速側クラッチ65と高速側クラッチ64とから構成される高・低クラッチ30の断続で制御されて、低速逆転から零回転を通過して高速正転へ滑らかに変速されることになる。
【0028】
この高・低クラッチ30の出力クラッチ軸66の後端にスプライン嵌合した第7ギヤ31は、リアデフギヤ装置34のデフ軸32にスプライン嵌合している第8ギヤ33と噛み合っているので、出力クラッチ軸66の回転はデフ軸32を駆動する。デフ軸32の回転はリアデフギヤ装置34を介して左右の後輪35へ伝動される。
【0029】
デフ軸32の回転は、第9ギヤ37からPTO出力軸41に遊嵌した二連ギヤ36a、36bを介して前輪駆動延長軸39にスプライン嵌合している第10ギヤ38に伝動され、この第10ギヤ38が回転することで前輪駆動延長軸39を駆動する。
【0030】
前輪駆動延長軸39には、図3に示す如く、トラクタの旋回時に前輪を同速回転、或いは増速回転して駆動させる前輪増速クラッチ40を装着している。さらにこの前輪駆動延長軸39に中継軸48を介して、前輪駆動軸13に伝動すべく連結している。前輪増速クラッチ40については、油圧クラッチを切り換えて軸40aを経由して中継軸48を駆動する場合が増速である。
【0031】
次に、トロイダル変速機構4の詳細な説明を図4以降で説明する。
トロイダル変速機構4の概要は、前記の如く、バリエータ軸10に装着した入力ディスク4b、4bと出力ディスク4a、4aの間にバリエータ5を設け、このバリエータ5の傾倒角を変更することで入力ディスク4bの回転がバリエータ5で加減速されて出力ディスク4aに伝動する構成である。
【0032】
図7に示すように、バリエータ5は、ミッションケース1の一部を構成するフロントケース1aの右側面に取り付けたフルクラムプレート68に設けるバリエータ支持アーム69の先端に枢支している。そして、前側の入出力ディスク4a,4bと後側の入出力ディスク4a,4bとの間にそれぞれ三個ずつ円周等配で設けている。
【0033】
図9に示すように、バリエータ支持アーム69の一端側は球面ベアリングBを介してローラ支持部材51を支持しており、このローラ支持部材51でバリエータ5を支持軸52で回転可能に支持している構成である。バリエータ支持アーム69の他端側にはピストンロッド7が連結している。ピストンロッド7はフルクラムプレート68内のピストン96とともに往復移動する。
【0034】
フルクラムプレート68は、バリエータ支持アーム69を枢支するボス部68aをフロントケース1a内に向けて突設すると共に、フルクラムプレート68の内部にバリエータ支持アーム69を回動する作動シリンダ6を設け、この作動シリンダ6のピストン96に連結しているピストンロッド7をバリエータ支持アーム69に枢着軸7aで枢着している。(図9を参照)
シリンダ孔55の部屋55a(図9参照)に油を送油すると、ピストン96とピストンロッド7は矢印96a方向に移動する。すると、バリエータ支持アーム69と共にバリエータ5が枢支軸72を支点として矢印96a方向に回転する。シリンダ孔55の部屋55bに油を送油すると逆の動きをする。
【0035】
図11のシリンダ孔55に対するピストン96の位置は、ギヤドニュートラルGNを示している。即ち、トロイダル変速機構4が回転を伝達しない位置であり、前進側と後進側の境界位置を示している。ピストン96が矢印P方向に移動すると、機体は後進する。また、ピストン96が矢印Q方向に移動すると、機体は低速前進する。このとき低速クラッチ65は入り状態のローレジウムである。
【0036】
ピストン96がフルクラムプレート68の端部68aまできた状態がローレジウムの最高回転数であるので、さらに機体を高速状態にしたい場合には、高速クラッチ64を入り状態としてハイレジウムにする。そして、ピストン96をS方向に移動していくと、高速の正転状態で加速していく構成である。
【0037】
トロイダル変速機構4の複数のバリエータ5は同時に同じ方向へ傾くという変速動作をするので、フルクラムプレート68の表裏のいずれか一方側にピストンロッド7を伸び出しする前記油圧供給部屋55aを構成し、他方側にピストンロッド7を退避する前記油圧供給部屋55bを構成することで、オイル供給回路の構成を単純化できる。
【0038】
フルクラムプレート68の外側には作動シリンダ6のシリンダ孔55を塞ぐスペーサプレート70を取り付け、さらに、このスペーサプレート70の上側に油圧ブロック71を取り付けている。これらの部材をミッションケース1の側壁に重ねることで、ミッションケース1の下部に装着するものに比べて、機体後部に装着する作業機を駆動するPTO軸や、前輪駆動用の軸などへの配置に影響を与えることを防止できる。また、圃場面との距離が長くなるので、飛び跳ねてくる泥や石等の影響が少なくなる。
【0039】
図12は、フルクラムプレート68のスペーサプレート70との接合面を表し、この接合面側から加工したシリンダ孔55を囲んでオイルシールリング56,57を嵌め込む溝を形成している。図示の如く、接近した二つのシリンダ孔55を囲む溝は楕円形にして一個のオイルシールリング57でシールしている。また、シリンダ孔55の周囲にはスペーサプレート70との締付けに用いるボルトを捻じ込むネジ孔58を設けてオイルシールリング56,57の近くを締付けてシール性を良くしている。
【0040】
図13は、スペーサプレート70のフルクラムプレート68との接合面を表し、前記シリンダ孔55に対応する位置に、ピストンロッド7とピストン96を連結するボルト95の頭を逃がす逃し孔93を設けている。また、前記のネジ孔58に対応して締付けネジを貫通するネジ貫通孔59を逃し孔93の周囲に設けている。
【0041】
フルクラムプレート68のボス部68aに枢支軸72で枢支したバリエータ支持アーム69の先端にジョイント73でローラ支持部材51を回動可能に支持している。このローラ支持部材51に支持軸52を介してバリエータ5を回動可能に取付ける。
【0042】
図9に示す如く、ローラ支持部材51には、バリエータ支持アーム69の枢支軸72へ供給されるオイルを油路54からジョイント73の導入油路53を通って流れ出る吐出口51aに通じる油路51bを設け、この油路51bから支持軸52とバリエータ5の全周について潤滑する。54aはプラグである。
【0043】
図14は、作動シリンダ6の拡大図で、シリンダロッド7をバリエータ支持アーム69に連結してシリンダロッド7の出入作動でバリエータ支持アーム69を回動しているので、シリンダロッド7が出入作動に伴って僅かな首振りを行うので、シリンダロッド7に外嵌したシールリング106がシリンダ孔55に内嵌したシールリング受105に対して僅かな横スライドを許容するようにしている。
【0044】
上記構成の複数のバリエータ5は、入出力ディスク4a,4bの対向面によって形成されるフルトロイダルキャビティ内でその進退位置を複数の作動シリンダ6によって調節することにより、複数のバリエータ5の転動面の傾倒角に応じた変速比で無段変速伝動を行うのであるが、各バリエータ支持アーム69の形状と長さ及びシリンダロッド7の長さは、シリンダロッド7の伸長及び短縮側への同一動作量でバリエータ5が同じ傾倒角になるように決められている。
【0045】
また、ローラ支持部材51は、図10に示すように、ローラシュラウド50をねじ止めにより取付ける。このローラシュラウド50は、入出力ディスク4a,4bの間で進退動作に支障のない範囲でバリエータ5・・・を覆うことにより、対向するディスク4a,4bの転動面を集中的に効率よく潤滑することができるようにオイルを導く。
【0046】
各バリエータ5・・・の下側に油圧ポンプ74を設け、下方へ延ばした吸引パイプ75の先端に取り付けたサクションフィルタ76からオイルを吸引し、吐出パイプ77からフルクラムプレート68の内面に取り付けた油路78へオイルを供給し、油路78で各バリエータ支持アーム69の枢支軸72へオイルを供給する。この吸引パイプ75は、図6に示す如く、フロントケース1aの底部に位置するサクションフィルタ76からPTO入力軸12と前輪駆動軸13を迂回して油圧ポンプ74に繋ぎ、吐出パイプ77を油路78(分配パイプ)に差し込んでいる。
【0047】
以上の構成で、前記エンジンEの回転をトロイダル変速機構4へ伝達し、このトロイダル変速機構4で変速する回転を高・低クラッチ30に伝動する。そしてこの高・低クラッチ30の低速クラッチ65を接続してトロイダル変速機構4のバリエータ5の傾きを変更すると、出力回転を低速域内で逆転から正転に亘って無段階で変速する。この変速は作業車を対地作業に適した低速度で前後進する走行条件に適している。また高・低クラッチ30の高速クラッチ64を接続してトロイダル変速機構4のバリエータ5の傾きを変更すると、出力回転を高速域内で正転から逆転に亘って無段階で変速する。この変速は作業車が路上を移動する走行条件に適している。
【0048】
対地作業機を駆動するPTO出力軸41は、次のように伝動している。
前後隔壁2,3の内部で、前記トロイダル変速機構4の下部に軸架した走行駆動入力軸11に固着した小径ギヤ部43をPTO入力軸12に固着した第2ギヤ18と噛み合わせて、このPTO入力軸12の回転を後隔壁3の後部に設けるPTO軸変速機構44とPTOクラッチ45を介してPTO出力軸41に伝動している。PTO出力軸41の回転は、リアケース1c内に設けるPTO軸第二変速機構46で適宜の回転数に変速してPTO出力軸47に伝動する。また、PTO入力軸12に固着した第12ギヤ115と油圧ポンプ74の入力軸に固着したギヤ116を噛み合わせて油圧ポンプ74を駆動している。
【0049】
トロイダル変速機構4の油圧制御系は、図4のシステム系統図に示すように、各バリエータ5・・・を進退駆動する複動型の作動シリンダ6・・・を備え、かつ、それぞれのバリエータ支持アーム69・・・に形成した油路54を介して専用オイルをバリエータ5・・・へ供給し、入力ディスク4bと出力ディスク4aとの間の摩擦伝動を確保しつつ潤滑と冷却を行うとともに、各作動シリンダ6・・・によるバリエータ5・・・の進退駆動とバリエータ軸10の軸端入力によるエンドロード圧とを制御する。これらのオイルはフロントケース1a内に溜めたトロイダル変速専用オイルで循環して使用する。これにより、トロイダル変速機構4に用いるオイルを一般的に使うミッションケース1内に溜めるオイルと分離して溜めることが出来て、オイル循環でトロイダル変速機構4を効果的に冷却できるようになる。
【0050】
詳細には、複数のバリエータ5の複数の作動シリンダ6は、すべてを並列に油圧接続してフルクラムプレート68のピストンロッド7の伸び出し側および退避側の作用油圧をそれぞれ制御する2つの油圧供給制御部を有する。このように、複数の作動シリンダ6のピストンロッド7を同時に伸び出し及び退避させるように駆動する油圧供給路を構成するにあたり、フルクラムプレート68の表裏のいずれか一方側に伸び出し側の供給路を構成し、他方側に退避側の供給路を構成する。これにより、複数のバリエータ5を同時に同じ方向へ傾けるような変速動作の場合について、圧力オイル供給回路の構成を単純化できるようになる。
【0051】
サクションフィルタ76を通ってポンプ74で吸引されたオイルは再度目の細かいフィルタ85を通って鉄粉などの異物を除かれて、メインリリーフ弁9aで圧を調整され、前記の油圧制御部へ送られる流れと、バリエータ5の潤滑と電磁バルブ97への流れに分岐する。
【0052】
電磁バルブ97への流れは、リリーフ弁99とアキュムレータ98で圧を一定に保持されてバリエータ5の潤滑と冷却に使われる。
油圧制御部へ送られる流れは、チェック弁86を通って、アキュムレータ84で圧を安定して作動シリンダ6の伸長側および短縮側の制御部と入出力ディスク4a,4bの圧力制御用に分岐される。
【0053】
作動シリンダ6の伸長側油圧回路は、変速比によって電流値で制御される電磁減圧弁90と送油方向を切換えるパイロット弁89とアキュムレータ92と圧油の脈動を吸収して流量を絞るモード1ダンパ101で構成され、作動シリンダ6の短縮側油圧回路は、同じく、電磁減圧弁88とパイロット弁87とアキュムレータ91とモード1ダンパ100で構成されている。各作動シリンダ6の供給直前にモード3ダンパ107を設けてさらに油圧の安定を図っている。
【0054】
作動シリンダ6の短縮側の圧力S1は電磁バルブ88とチェック弁87で調整され、作動シリンダ6の伸長側の圧力S2は電磁バルブ90とチェック弁98で調整される。こちら側にもモード3ダンパ108を設けてさらに油圧の安定を図っている。
【0055】
また、入出力ディスク4a,4bの圧力制御用回路にはリリーフ弁104と二つのシャトル弁79,80により直接の圧力と前記短縮側圧力S1と伸長側の圧力S2の高い方の流れを変速部のエンドロード圧としてディスク圧供給部117へ供給するように構成することにより、バリエータ5・・・の傾斜動作による速度変更と対応してエンドロード圧を制御して各バリエータ5・・・の転動接触圧を調整する。
【0056】
さらに、各作動シリンダ6には伸長側と短縮側のエアー抜き路109,110を設けて、このエアー抜き路109,110をフロントケース1aの前記フルクラムプレート68の取付側と反対側の底部に設けるエアーパージ弁102とアンチキャビテーションチェック弁103に繋いでいる。
【0057】
54bは潤滑回路であり、図9に示す油路54に油を送って潤滑する構成としている。
なお、図5において、82はブレーキペダルとブレーキを繋ぐリンクの中継アームでスペーサプレート70に枢支する支軸83で支持している。
【0058】
図19は、車速とバリエータ比との関係を示している。横軸が車速(kph)であり、縦軸がバリエータ比である。Lは前述したローレジウムであり、低速側クラッチ65が入り状態の速度範囲を示している。尚、バリエータ比は、エンジン回転数によってその変化率を異にし、エンジン回転が低い場合に変化率が大きくなる。
【0059】
Hは前述したハイレジウムであり、高速側クラッチ64が入り状態の速度範囲を示している。GNはギヤドニュートラルであり、速度がゼロの位置である。Sはシンク位置であり、低速側クラッチ65と高速側クラッチ64の切り換え点である。このシンク位置Sでのクラッチを切り換える直前において、油圧回路内に背圧をかけることでクラッチの切換ショックを防止できるようになる。この背圧のレベルは、低速側クラッチ65又は高速側クラッチ64の切換圧力の大きさに比例して決定するようにする。
【0060】
エンジン回転が低い軽負荷時にはバリエータ比の変化率が大きいためにバリエータ5がシンク位置Sに向かう場合にオーバーシュートし易く、特に、高速側からシンク位置Sに向って変速する場合にメカ的にバリエータ5がオーバーシュートし易い。このバリエータ5のオーバーシュートを防ぐために、エンジンの負荷が作動シリンダ6の伸長側の圧力S2と短縮側圧力S1の差圧を算出する作動負荷検出手段BRで検出され、差圧の大きな軽負荷時にシンク位置Sに向って変速する場合には、PIコントローラ152から伸長側電磁減圧弁90と短縮側電磁バルブ88に出力するバリエータ比の変化率(ゲイン)を小さくする。このバリエータ比の変化率を小さくする割合は、後進から前進に変速する場合を前進から後進に変速する場合よりも大きくする。
【0061】
なお、伸長側の圧力S2と短縮側圧力S1の差圧の程度によって、バリエータ比の変化率を小さくする割合を変更しても良い。
機体を停車するときにはギヤドニュートラルGNに制御するが、トラクタが一定時間走行しない場合は低速側クラッチ65への油圧を送らないようにすることで、機体停止中の無駄なエネルギ消費を抑制できる。車速センサからの信号により機体が停止しない場合には、再度ギヤドニュートラルGN制御で機体を停止させるようにする。
【0062】
図20に自動制御のセンサ信号の読み込みとトロイダル変速機構4等への制御出力信号を示す。
本機コントローラ126への入力信号は、旋回角センサ130から前輪20の車体前方に対する傾きすなわち旋回角、アクセルペダルの踏み込み程度を検出するアクセルペダルセンサ128の信号、車速設定ダイヤル129の走行速度設定値、アキュムレータ91とアキュムレータ92とアキュムレータ98のアキュムレータ圧力センサ118の蓄積圧、クラッチペダルセンサ131の踏み込み信号、油温センサ132からのミッションケース1内のオイル温度、作動シリンダ6の短縮側シリンダ圧力センサ133と伸長側シリンダ圧力センサ134の検出圧力、クラッチH圧力センサ135による高速側クラッチ64の圧力、クラッチL圧力センサ136による低速側クラッチ65の圧力である。
【0063】
さらに、本機コントローラ126への入力信号は、リニアレバーセンサ137から前後進切換信号、左右ブレーキペダルセンサ138からブレーキ踏み込み信号、作業モード切換スイッチ139から設定作業モード、緊急停止スイッチ140から停止信号、パーキングスイッチ141から停止信号、ブレーキ連結スイッチ142から左右ブレーキペダルの連結信号、PTOスイッチ143からPTO出力軸47のオン・オフ信号、増減速スイッチ144から走行速度の増減速信号、走行モード切換スイッチ145から設定走行モード信号、スロットルセンサ146からスロットルの開閉信号、エンジン回転センサ147からエンジンEの回転数、バリエータ入力回転センサ149からトロイダル変速機構4の入力ディスク4bの回転数、バリエータ出力回転センサ148からトロイダル変速機構4の出力ディスク4aの回転数、車速センサ150からトラクタの走行速度、PTO回転センサ151からPTO出力軸47の回転数がそれぞれ入力する。
【0064】
本機コントローラ126からの出力制御信号は、表示器154への設定走行速度と設定旋回速度等、高・低クラッチ30を作動するHクラッチソレノイド157とLクラッチソレノイド158への作動信号、PTOクラッチソレノイド159へのオン・オフ信号で、短縮側電磁バルブ88と伸長側電磁減圧弁90には、本機コントローラ126内の作動負荷検出手段BRを通じてPIコントローラ152かPコントローラ153から制御信号が出力される。
【0065】
また、作業機コントローラ127とのデータ交信が行われる。なお、本機コントローラ126が故障で制御を停止した場合には、この作業機コントローラ127も本機コントローラ126に連動して制御を停止するようにする。
【0066】
図21は、定車速制御で走行中にバリエータ比の変化率(ゲイン)を制御する制御で、車速センサ150で検出する走行速度を一定にする定車速制御で低速側クラッチ65を入れて走行中にバリエータ5が高速側からシンク位置Sに向かって変速する場合には、ゲインを3000(加速度で0.8m/S2)に低下させ、後進側からシンク位置Sに向かって変速する場合には、ゲインを4000(加速度で1.1m/S2)に低下させ、それ以外の変速ではゲインを5000(加速度で1.4m/S2)とする。この制御によって、メカ的にバリエータ5がオーバーシュートするのを防ぐことが出来る。
【0067】
なお、定車速制御で走行中に四駆切換ダイヤルを路上走行位置にした場合の制御プログラム上の路面抵抗を通常の−500Nmよりも低い−200Nm程度に低下させることでバリエータ5がオーバーシュートすることを防いでも良い。
【0068】
また、定車速制御での制御プログラム上のバックプレッシャーの目標値を1000kpa(アクセルペダル走行モードでは400kpa)と高く設定してジャダリングを低減する。なお、ミッションケース1内のオイル温度を検出する油温センサ132が50度以上になると走行モードのいかんにかかわらずバックプレッシャーの目標値を1000kpaと高く設定してジャダリングを低減する。
【0069】
さらに、定車速制御での制御プログラム上のリアホイル最大要求トルクを15000Nm(アクセルペダル走行モードでは20000Nm)と低く設定してジャダリングを低減する。
【0070】
また、定車速制御での制御プログラム上のバリエータ5の作動シリンダ6の短縮側の圧力S1と伸長側の圧力S2を3000kpa(アクセルペダル走行モードでは4000kpa)と高く設定してジャダリングを低減する。
【0071】
また、定車速制御で前輪増速旋回を行う場合には、制御プログラム上のバリエータ5の作動シリンダ6の短縮側の圧力S1と伸長側の圧力S2を4000kpa(普通旋回モードでは2500kpa)と高く設定してジャダリングを低減する。
【0072】
また、定車速制御で前輪増速旋回を行う場合には、制御プログラム上のバリエータ5の作動シリンダ6の短縮側の圧力S1と伸長側の最大要求トルクを20000Nm(普通旋回モードでは15000Nm)と高く設定してジャダリングを低減する。
【0073】
また、定車速制御で前輪増速旋回を行う場合には、PIコントローラ152から伸長側電磁減圧弁90と短縮側電磁バルブ88に出力するバリエータ比の変化率(ゲイン)を3kph/s(普通旋回モードでは3kph/s)と小さく設定してジャダリングを低減する。
【0074】
また、定車速制御でリニアレバーセンサ137が前後進の切換を検出すると、バリエータ比の変化率を数秒間小さく設定してギヤドニュートラルGN通過時のジャダリングを低減する。
【0075】
また、定車速制御で車速センサ150が検出する車速変化率が通常よりの大きい場合は、車輪がスリップしている可能性が高いので、バリエータ比の変化率を通常よりも小さくする。
【0076】
また、アクセルペダル走行モードにおいて、減速する場合は、ローレジームの要求トルクをハイレジームの要求トルクよりも大きくすることで、減速率が同じになって減速フィーリングを良くする。
【符号の説明】
【0077】
1 ミッションケース
4 トロイダル変速機構
4a 出力ディスク
4b 入力ディスク
5 バリエータ
30 高・低クラッチ
61 遊星機構
BR 作動負荷検出手段
S シンク位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力ディスク(4b),(4b)と出力ディスク(4a),(4a)の間に設けるバリエータ(5)の傾倒角を変更することで変速伝動するトロイダル変速機構(4)及び遊星機構(61)と高・低クラッチ(30)を設けたミッションケース(1)を構成し、バリエータ(5)の作動負荷検出手段(BR)を設け、該作動負荷検出手段(BR)が検出する負荷が所定値以下の場合にはバリエータ(5)が高・低クラッチ(30)の切換位置であるシンク位置(S)に向かうバリエータ比変化率を他のバリエータ比変化率よりも小さく制御したことを特徴とするトロイダル変速機構の制御装置。
【請求項2】
入力ディスク(4b),(4b)と出力ディスク(4a),(4a)の間に設けるバリエータ(5)の傾倒角を変更することで変速伝動するトロイダル変速機構(4)及び遊星機構(61)と高・低クラッチ(30)を設けたミッションケース(1)を構成し、一定車速制御の場合にはバリエータ(5)が高・低クラッチ(30)の切換位置であるシンク位置(S)に向かうバリエータ比変化率を他のバリエータ比変化率よりも小さく制御したことを特徴とするトロイダル変速機構の制御装置。
【請求項3】
前記バリエータ比変化率変更は、後進から前進に向かう変速時の変化率減少程度を前進から後進に向かう変速時の変化率減少よりも大きくしたことを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載のトロイダル変速機構の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−231845(P2011−231845A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102308(P2010−102308)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】