説明

トロリ線測定用投光装置及びトロリ線測定装置

【課題】トロリ線測定用投光装置を小型でありながら十分な光量を投光できるようにする。
【解決手段】レール21の横断方向に沿って少なくとも2列分配列された複数個の発光ダイオード群2a〜2nによって構成される単色光源を用い、2列分の各発光ダイオード群からの出射光をトロリ線20の偏位範囲に亙ってトロリ線摺動面20aに集光照射する。レールの横断方向に沿って少なくとも1列分配列された複数個の発光ダイオード群2a〜2nから出射する光をコリメートレンズ65a〜65nで所定の拡がりを持った光に変換し、変換後の光をリニアフレネルレンズ60でトロリ線摺動面20a付近に集光ウエストを持つ光に変換してトロリ線摺動面20aに集光照射する。これによって、太陽光の強度との差を十分に大きくすることができ、強いレーザ光を発生する光源を用いなくても昼間の太陽光の光強度より強い反射光をトロリ線摺動面から発生させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トロリ線の摩耗量や偏位量を測定する際の測定光を投光するトロリ線測定用投光装置及びトロリ線測定装置に係り、特に小型でありながら十分な光量を投光することのできるトロリ線測定用投光装置及びトロリ線測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電車線路における電車車両は、パンタグラフ上面(摺板)を介してトロリ線から所要の電力を得る。トロリ線の下面(摺動面または摺面)とパンタグラフ上面とは、互いに摺動接触によって漸次に摩耗することが知られている。パンタグラフ側の摩耗が一部分に集中しないように、トロリ線は支持電柱ごとに左右方向に交互に偏位されている。トロリ線の摩耗量と偏位量は、検測車等に搭載されたトロリ線測定装置によって、定期的に走行測定され、それぞれの良否として検査されている。
【0003】
このトロリ線測定装置として、回転多面体鏡(ポリゴンミラー)を水平面で回転させて、回転多面体鏡から反射されたレーザ光をトロリ線に照射して、トロリ線をその偏位範囲に亙って走査するようにしたものがある。それは、レーザ光の走査に応じて得られるトロリ線摺動面からの反射光を穴あきミラーを介して受光素子で受光することでトロリ線摺動面についての検出信号を得て、走査に対して得られる検出信号の発生幅をデータ処理装置で算出することによって、トロリ線摩耗量を測定している。このようなトロリ線摩耗量測定装置を搭載した検測車が特許文献1に記載されている。
また、新幹線から地下鉄まで幅広く営業車の屋根の上に搭載可能に構成されたトロリ線摩耗量検出光学系が特許文献2に記載されている。
トロリ線の摩耗量測定装置の摩耗量を算出するものとしては、CCDカメラにより画像を採取して画像処理によりトロリ線摺動面の幅を得て、これから摩耗量を測定するようにしたものが特許文献3に記載されている。トロリ線摺動面からの反射信号を得て、その波形からトロリ線摺動面の幅を得て、これから摩耗量を算出するようにしたものが特許文献4〜5に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−59710号公報
【特許文献2】特開2007−24683号公報
【特許文献3】特開平5−96980号公報
【特許文献4】特開平5−34113号公報
【特許文献5】特開平10−194015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、トロリ線の摩耗量測定は、夜間行なわれるが、夜間のみならず昼間でも測定しなければならない場合がある。その関係で特許文献1に記載のトロリ線摩耗量測定装置は、トロリ線へレーザ光を照射する光源として固体レーザ(ダイオードYAGレーザ等)を用い、太陽光の下でもトロリ線からの反射光を受光できるようにしている。さらに、トロリ線摩耗量測定装置は、左右方向に交互に偏位されているトロリ線の偏位範囲を検出範囲としてカバーするためにポリゴンミラーを含む走査系が必要であり、全体的に装置が大型化している。
特許文献2に記載のものは、営業車の屋根の上に搭載可能にするめにレーザ光源の幅や配置、反射ミラーの幅やその配置を工夫してはいるが、車両の屋根の上に直接搭載している関係上、車両の重心が高くなり、車体の揺れや走行時の安定性に欠けるという問題がある。また、車両の動揺等によってトロリ線摺動面とトロリ線摩耗量測定光学系の配置関係にずれが生じ、トロリ線からの反射光量が減少するという問題も有する。
【0006】
この発明は、上述の点に鑑みなされたものであって、小型でありながら十分な光量を投光することができるトロリ線測定用投光装置及びトロリ線測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るトロリ線測定用投光装置の第1の特徴は、レールに沿って変化するトロリ線の偏位範囲に対応した領域にスリット状の投光光を照射するトロリ線測定用投光装置において、前記レールの横断方向に沿って少なくとも2列分配列された複数個の発光ダイオード群と、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を前記トロリ線摺動面に集光すると共に隣接する2列分の発光ダイオード群から出射する光を前記トロリ線摺動面の所定位置に集約する集光レンズ群を前記発光ダイオード群のそれぞれの直前に設けることによって、前記スリット状の投光光を照射する投光光学系とを備えたことにある。
トロリ線の偏位範囲に亙ってトロリ線にスリット状の投光光を照射する場合に、レール横断方向に沿って少なくとも2列分配列された複数個の発光ダイオード群によって構成される単色光源を用い、隣接する2列分の各発光ダイオード群からの出射光をトロリ線摺動面の所定位置に集光照射することによって、太陽光の強度との差を十分に大きくすることができ、強いレーザ光を発生する光源を用いなくても昼間の太陽光の光強度より強い反射光をトロリ線摺動面から発生させることができる。これによって、従来必要としていたポリゴンミラー等による回転走査光学系が不要となり、投光系を小型化することができ、トロリ線測定用投光装置を車両の屋根上に搭載することが可能となる。
【0008】
本発明に係るトロリ線測定用投光装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のトロリ線測定用投光装置おいて、前記投光光学系が、前記発光ダイオード群のそれぞれの鉛直光軸に対し前記集光レンズ群の光軸を、前記発光ダイオード群の配列方向と直交する方向にずらして配置することによって、前記2列分の発光ダイオード群から出射する光を前記トロリ線摺動面の所定位置に前記スリット状の投光光として集約して照射するように構成されたことにある。
これは、2列分の発光ダイオード群から出射する光をトロリ線摺動面の所定位置に集約する方法として、発光ダイオード群及び集光レンズ群のそれぞれ光軸をずらすようにしたものである。これによって、単色光源である発光ダイオードを用いて昼間の太陽光の光強度より強い反射光をトロリ線摺動面から発生させることができる。
【0009】
本発明に係るトロリ線測定用投光装置の第3の特徴は、レールに沿って変化するトロリ線の偏位範囲に対応した領域にスリット状の投光光を照射するトロリ線測定用投光装置において、前記レールの横断方向に沿って少なくとも1列分配列された複数個の発光ダイオード群と、前記発光ダイオード群のそれぞれの直前に設けられ、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を所定の拡がりを持った光に変換するコリメートレンズ手段群と、前記コリメートレンズ手段群を通過した光を前記トロリ線摺動面付近に集光ウエストを持つ光に変換するリニアフレネルレンズ手段とを備えたことにある。
【0010】
本発明に係るトロリ線測定用投光装置の第4の特徴は、前記第3の特徴に記載のトロリ線測定用投光装置おいて、前記コリメートレンズ手段群は、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を拡がり角度で約10度の光に変換し、前記リニアフレネルレンズ手段は、その焦点距離が約270[mm]であって、前記発光ダイオード群からの光を前記トロリ線摺動面付近に集光ウエストを持つ光に変換することにある。
【0011】
本発明に係るトロリ線測定装置の第1の特徴は、レールに沿って変化するトロリ線の偏位範囲に対応した領域にスリット状の投光光を照射し、前記投光光によって照射された前記トロリ線の摺動面から反射する反射光を受光して前記トロリ線の摺動面の状態を測定するトロリ線測定装置において、前記レールの横断方向に沿って少なくとも2列分配列された複数個の発光ダイオード群と、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を前記トロリ線摺動面に集光すると共に隣接する2列分の発光ダイオード群から出射する光を前記トロリ線摺動面の所定位置に集約する集光レンズ群を前記発光ダイオード群のそれぞれの直前に設けることによって、前記スリット状の投光光を照射する投光光学系とを備えたことにある。これは、前記第1の特徴に記載のトロリ線測定用投光装置を用いたトロリ線測定装置の発明に関するものである。
【0012】
本発明に係るトロリ線測定装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のトロリ線測定装置おいて、前記投光光学系が、前記発光ダイオード群のそれぞれの鉛直光軸に対し前記集光レンズ群の光軸を、前記発光ダイオード群の配列方向と直交する方向にずらして配置することによって、前記2列分の発光ダイオード群から出射する光を前記トロリ線摺動面の所定位置に前記スリット状の投光光として集約して照射するように構成されたことにある。これは、前記第2の特徴に記載のトロリ線測定用投光装置を用いたトロリ線測定装置の発明に関するものである。
【0013】
本発明に係るトロリ線測定装置の第3の特徴は、レールに沿って変化するトロリ線の偏位範囲に対応した領域にスリット状の投光光を照射し、前記投光光によって照射された前記トロリ線の摺動面から反射する反射光を受光して前記トロリ線の摺動面の状態を測定するトロリ線測定装置において、前記レールの横断方向に沿って少なくとも1列分配列された複数個の発光ダイオード群と、前記発光ダイオード群のそれぞれの直前に設けられ、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を所定の拡がりを持った光に変換するコリメートレンズ手段群と、前記コリメートレンズ手段群を通過した光を前記トロリ線摺動面付近に集光ウエストを持つ光に変換するリニアフレネルレンズ手段とを備えた投光光学系を用いて前記スリット状の投光光を前記トロリ線の摺動面に照射することにある。これは、前記第3の特徴に記載のトロリ線測定用投光装置を用いたトロリ線測定装置の発明に関するものである。
【0014】
本発明に係るトロリ線測定装置の第4の特徴は、前記第3の特徴に記載のトロリ線測定装置おいて、前記コリメートレンズ手段群が、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を拡がり角度で約10度の光に変換し、前記リニアフレネルレンズ手段が、その焦点距離が約270[mm]であって、前記発光ダイオード群からの光を前記トロリ線摺動面付近に集光ウエストを持つ光に変換することにある。これは、前記第4の特徴に記載のトロリ線測定用投光装置を用いたトロリ線測定装置の発明に関するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、小型でありながら十分な光量を投光することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の測定光学系の測定原理を説明する図である。
【図2】図1に示す測定光学系を用いたトロリ線摩耗量測定装置を搭載する架線検測車の側面説明図である。
【図3】そのトロリ線摩耗量測定装置の天板を外して内部構造を示す平面概要図である。
【図4】図2に示す測定光学系を構成する投光ユニットの概略構成を示す図であり、図4(A)は、投光ユニットの全体構成の斜視図を示し、図4(B)は、図4(A)の投光ユニットの横断面形状を示すと共に投光光の集光状態の様子を模式的に示す図である。
【図5】この発明の一実施の形態に係るトロリ線測定装置の別の実施例のトロリ線測定用投光装置を搭載する架線検測車を側面から見た図である。
【図6】図5のトロリ線測定装置の天板を外して内部構造を示す平面概要図である。
【図7】図5及び図6の発光ダイオード投光器の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、この発明に係るトロリ線測定装置の原理を示す図であり、測定光学系の概略を示している。トロリ線測定装置の測定光学系は、投光ユニット2、結像レンズ3、受光ユニット4、パルス駆動回路5、及び受光信号処理部6を含んで構成される。投光ユニット2は、赤外光の範囲にある特定の波長の単色光を集束レンズ3aを介してトロリ線20に照射するものである。受光ユニット4は、トロリ線20からの反射光を結像レンズ3を通して受光する。図1において、右上斜めに向かう矢印線L1は、投光ユニット2の投光光を模式的に示すものである。投光ユニット2から出射される単色光の波長は、例えば、λ=850[nm]である。また、右下斜めに向かう矢印線L2は、トロリ線20の摺動面20aからの反射光を模式的に示すものである。以下、投光光L1、反射光L2と表現する。
【0018】
受光ユニット4は、CCDラインセンサで構成される受光器であり、CCDの光感度特性の全光波長領域で反射光L2を受光する。その全光波長領域は、通常、300nm〜1000nmの範囲でゆるやかな山型のピーク特性を持ち、可視光領域をカバーし、赤外光領域に達する。パルス駆動回路5は、投光ユニット2をパルス駆動して投光ユニット2の投光光L1を所定の周期でON/OFFしてパルス状の光として発生させる。そして、所定の周期に対応するパルス駆動用の同期信号SYNを受光信号処理部6に送出する。なお、ここでは投光ユニット2をパルス駆動することによってパルス状の光を発生させているが、投光ユニット2の直前にシャッタ機構を設けて、これを開閉制御することによって投光光L1をパルス状の光を発生するようにしてもよい。受光信号処理部6は、A/D変換回路16、波形データメモリ17、及び演算装置18から構成される。演算装置18により算出されたトロリ線摺動面の検出信号は、デジタル値として測定装置19に送出される。
【0019】
図2は、図1に示す測定光学系を用いたトロリ線測定装置を搭載する架線検測車を側面から見た図である。図2において、トロリ線測定装置10は、架線検測車22の車両屋根の上面23に設置されている。トロリ線測定装置10は、図1示すような測定光学系、トロリ線高さ検出機構7、及び測定光学系制御部8から構成される。測定光学系は、投光ユニット2、結像レンズ3、受光ユニットとして機能するラインセンサカメラ9、パルス駆動回路の機能を備えた測定光学系制御部8、及び受光信号処理部とから構成される。
【0020】
投光ユニット2は、図1に示すように、レール21の横断方向(紙面の奥行き方向)に複数n個配列された単色光光源(発光ダイオード群)2a,2b,・・・,2nから構成される。この単色光光源2a,2b,・・・,2nは、赤外領域の単色光をスリット状の投光光としてを断続的に生成する。投光ユニット2の投光光L1は、昼間の太陽光の赤外領域の光強度より強い反射光をトロリ線20の摺動面20aに発生させるものである。通常、昼間の太陽光の赤外領域の光強度は大きくないので、トロリ線20と投光ユニット2の距離を2m程度とすれば、単色光LEDを用いることでそれが可能になる。
【0021】
この受光ユニットは、CCDラインセンサを内蔵して構成されるラインセンサカメラ9から構成される。結像レンズ3は、ラインセンサカメラ9の手前に設けられている。この受光ユニットとなるラインセンサカメラ9を構成するCCDラインセンサの各受光器の配列ラインは、投光ユニット2と同様に、レール21の横断方向(紙面の奥行き方向)に沿っている。図2のトロリ線測定装置では、トロリ線20の摺動面20aからの反射光をラインセンサカメラ9まで導入するための受光光学系を備えている。この受光光学系は、回転ミラー12と、入射方向に反射光を戻す折り返し反射ミラー13a,13bと、折り返し反射ミラー13a,13bを前後(紙面の左右方向)に移動させるミラー移動機構14とから構成される。この受光光学系は、トロリ線20の高さに応じて変化する摺動面20aからの反射光L2の変化をラインセンサカメラ9に導くように反射光L2の反射角度に応じて制御されるようになっている。なお、投光ユニット2も回転テーブル15上に搭載されており、その投光光L1がトロリ線20の高さに応じて変化する摺動面20aの高さに追従するようにその入射角度が制御されるようになっている。
【0022】
図3は、図2のトロリ線測定装置の天板を外してその内部構造を上側から見た平面概要図である。なお、図3に示す受光光学系は、図2と異なり、ラインセンサカメラ9の分割受光の関係を説明する都合上から折り返し反射ミラー13a,13b及びミラー移動機構14を省略してあり、トロリ線20からの反射光L2を折り返すことなく、反射光L2の先にラインセンサカメラ9(9a,9b,9c)を設けて直接受光するような形で示してある。
【0023】
図3に示されるように、図2に示す投光ユニット2は、単色発光の多数の単色光光源(発光ダイオード・LED発光器)2a,2b,・・・,2nをレール21の横断方向(図3紙面の上下方向)に配列してあり、スリット状の光束Lを発生するように構成されている。レール21の横断方向(図3の紙面の上下方向)におけるその幅は、トロリ線20への投光光L1がトロリ線20の偏位範囲(約700[mm])をカバーするように構成されている。単色光光源(LED発光器)2a,2b,・・・,2nからの発光光は、スリット整形用集光レンズ2Pを介してスリット状の光束Lとしてトロリ線20に照射される。
【0024】
受光光学系の回転ミラー12は、トロリ線20の偏位範囲(約700[mm])の反射光L2を受光するためにレール21の横断方向(図3の紙面の上下方向)に反射光L2を受光可能な長さを持つミラーとして設置されている。図では回転ミラー12の回転駆動機構は図示されていないが、回転ミラー12の背面に回転軸12aが固定され、その回転軸12aがステッピングモータなどの駆動手段によって駆動されるようになっている。図3において、ラインセンサカメラ9は、3台のラインセンサカメラ9a,9b,9cから構成される。3台のラインセンサカメラ9a,9b,9cによってトロリ線20の摺動面20aからの反射光L2は、それぞれ3分割されて受光されている。なお、各ラインセンサカメラ9a,9b,9c間において相互の受光境界領域はオーバーラップしている。このように、トロリ線20の偏位範囲の視野を3台のラインセンサカメラ9a,9b,9cでカバーすることができるように構成されている。なお、この分割受光のカメラの台数は、複数台設けられればよく、3台に限定されるものではない。
【0025】
図2において、トロリ線高さ検出機構7は、トロリ線20に接触するローラ式接触子7aと、2本のアームのリンク結合によって構成された曲折支持可能な回動アーム7bと、この回動アーム7bの根本側のリンクの垂直方向における回動角をポテンションメータによって検出する角度検出器7cとから構成される。なお、この種のポテンションメータを用いて回動アーム7bの角度に基づいてトロリ線20の高さを検出するように構成された高さ検出器としては、例えば、特開平7−120228号等に記載されるようなものがあるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0026】
図2において、投光ユニット2からトロリ線20への投光光L1は、トロリ線測定装置10の屋根フレーム10aに設けられたガラス窓10bを介してトロリ線20の摺動面20aに照射される。トロリ線20からの反射光L2は、ガラス窓10bを介して回転ミラー12、折り返し反射ミラー13a,13bを経て、ラインセンサカメラ9(図3に示す3台のラインセンサカメラ9a,9b,9c)のいずれかの視野内に取り込まれ、トロリ線20の摺動面20aを含む画像(一次元波形データ)として受像されることになる。なお、ガラス窓10bは、トロリ線測定装置10の屋根フレーム10aの水平面に対して約10°程度の角度を持たせて屋根フレーム10aに取付けられている。屋根フレーム10aの高さは、実際は、トロリ線20が上下に偏位する下限高さよりも十分に低い位置にある。これによりガラス窓10bの位置が低くなり、トロリ線測定装置10は、車両の屋根等の高さにほとんど影響を与えることなく設置することができるようになる。
【0027】
図2において、測定光学系制御部8は、トロリ線高さ検出機構7の角度検出器7cから出力されるトロリ線高さ信号を受けて、投光ユニット2の回転テーブル15と、回転ミラー12と、ミラー移動機構14を制御してトロリ線20の高さが変化してもラインセンサカメラ9の視野内にトロリ線20の画像(一次元波形データ)が採取されるようにトロリ線20の高さに応じた追従制御を行なっている。測定光学系制御部8には、トロリ線20の高さに対する追従制御のための制御データ用テーブル8aが設けられている。この制御データ用テーブル8aは、角度検出器7cの検出値に対応して回転テーブル15の角度値、回転ミラー12の角度値、そしてミラー移動機構14の移動量とがそれぞれ制御値として格納されている。これらの各制御値は、あらかじめ、トロリ線20の高さに応じて回転テーブル15と回転ミラー12の各角度値とミラー移動機構14の移動量とが分析されて得られたものである。
【0028】
回転テーブル15、回転ミラー12、及びミラー移動機構14は、現在の角度及び移動位置を検出するエンコーダ(図示せず)をそれぞれ内蔵しており、それぞれがステッピングモータ(図示せず)により駆動制御されるようになっている。各エンコーダの信号はそれぞれ測定光学系制御部8に入力される。測定光学系制御部8は、制御データ用テーブル8aを参照して回転テーブル15、回転ミラー12、及びミラー移動機構14をそれぞれ制御して、トロリ線20の高さの変化に関係なく、ラインセンサカメラ9(3台のラインセンサカメラ9a,9b,9c)の視野内にトロリ線20の摺動面20aの画像(一次元波形データ)が受像されるように制御している。
【0029】
ラインセンサカメラ9(3台のラインセンサカメラ9a,9b,9c)は、内部にA/D変換器を備えたデジタルカメラで構成されている。従って、図1の受光信号処理部に必要であったA/D変換回路16は図3では省略されている。3台のラインセンサカメラ9a,9b,9Cから出力される一次元イメージのデジタル値は、それぞれパラレルに読み出され、さらに各ラインセンサカメラ9を構成する2つのCCDが同期して同時にかつシリアルに順次出力され、その読出処理は連続的に繰り返される。3台のラインセンサカメラ9a,9b,9cの一次元イメージのデジタル値は、波形データメモリ17に出力され、それぞれに波形データメモリ17の各領域に一次元イメージデータとしてそれぞれ記憶される。なお、波形データメモリ17には、書込/読出等を行うコントローラが内蔵され、記憶されたデータをプッシュダウンして最新の波形データを先頭に記憶するプッシュダウンバッファメモリとして機能する。従って、一定量が一時的に記憶され、最後の記憶位置からオーバーフローした古い過去の一次元イメージのデジタル値は順次破棄される。その一時的な記憶容量は、演算装置18の処理時間に関係して設定されている。
【0030】
波形データメモリ17に記憶された各一次元のイメージの波形データは、DSP等で構成される演算装置18によって古いものから順次読出されて処理され、処理後に順次消去される。3台のラインセンサカメラ9a,9b,9cで3分割受光された反射光L2における摺動面20aの画像(一次元イメージデータ)は、波形データとして処理され、そのピーク値pが検出され、ピークレベルの実質的に1/2のレベルが算出される。算出された1/2のレベルを基準として、これ以上のレベルを「1」とし、それ未満のレベルを「0」とする、二値化処理が行なわれ、波形データはデジタル値のデータとして算出される。その結果は演算装置18の内部メモリ(図示せず)に記憶される。デジタル値のデータの中で、「1」が連続する部分の画素数に基づいて、距離に換算されたトロリ線摺動面20aの幅が算出されて、トロリ線摺動面20aの幅がデジタル値として測定装置19へ出力される。測定装置19は、内部にMPU、メモリ等を有しており、MPUによりメモリに記憶された所定の処理プログラムが実行されて演算装置18で算出されたトロリ線摺動面20aの幅に基づいてその摩耗量を算出する。
【0031】
図4は、図2に示す測定光学系を構成する投光ユニットの概略構成を示す図であり、図4(A)は、投光ユニットの全体構成の斜視図を示し、図4(B)は、図4(A)の投光ユニットの横断面形状を示すと共に投光光の集光状態の様子を模式的に示す図である。投光ユニット2は、スリット状の投光光を照射する投光光学系を構築するものであり、直方体形状の筐体24と、この筐体24内に設けられた単色光源実装基板25と、筐体24の前面すなわち投光光出射側面に設けられた集光レンズ群26a〜26n,27a〜27nと、これらの集光レンズ群26a〜26n,27a〜27nを筐体24の前面部で保持するレンズホルダ群28a〜28n,29a〜29nとから構成されている。単色光源実装基板25は、レール横断方向(図4(A)の紙面の左右方向、図4(B)の紙面の奥行き方向))に沿って少なくとも上下方向に2列分配列された発光ダイオード群2a〜2nを片側表面部に実装している。これらの2列分配列の発光ダイオード群2a〜2nのそれぞれから出射する光をトロリ線摺動面20aに集光すると共に隣接する2列分の発光ダイオード群2a〜2nから出射する光をトロリ線摺動面20aの所定位置(照射範囲A1)に集約するものであり、レンズホルダ群28a〜28n,29a〜29nによってそれぞれの対応する発光ダイオード群2a〜2nの直前に設けられている。
【0032】
図4(B)に示すように、単色光源実装基板25上にレール横断方向(図4(B)の紙面の奥行き方向))に沿って2列分配列された単色光光源となる発光ダイオード群2a〜2nから照射され光は、その前面に設けられた集光レンズ群26a〜26n,27a〜27nによって照射範囲A1に集約される。上段列の発光ダイオード群2a〜2nに対応した集光レンズ群26a〜26nの光軸D1は、上段列の発光ダイオード群2a〜2nの光軸C1よりも下側にずれた位置にあり、上段列の発光ダイオード群2a〜2nから照射された光は、照射範囲A1をカバーするように集約される。一方、下段列の発光ダイオード群2a〜2nに対応した集光レンズ群27a〜27nの光軸D2は、下段列の発光ダイオード群2a〜2nの光軸C2よりも上側にずれた位置にあり、下段列の発光ダイオード群2a〜2nから照射された光は、照射範囲A1をカバーするように集約される。すなわち、上段列及び下段列の発光ダイオード群2a〜2nと集光レンズ群26a〜26n,27a〜27nとの配置関係は、それぞれの単色光源である上段列の発光ダイオード群2a〜2nによる照射範囲L3、及び下段列の発光ダイオード群2a〜2nによる照射範囲L4がそれぞれトロリ線摺動面20aにおける照射範囲A1に収まるように、それぞれの上段列及び下段列の発光ダイオード群2a〜2nの光軸C1,C2と集光レンズ群26a〜26n,27a〜27nの光軸D1,D2とは、互いに上下方向にずらして配置してある。また、図4(A)に示すように、上段列の発光ダイオード群2a〜2nの光軸間に下段列の発光ダイオード群2a〜2nの光軸が位置するようになっており、上段列及び下段列の発光ダイオード群2a〜2nはそれぞれ各光軸間の光を補うように構成されている。
【0033】
図5は、この発明の一実施の形態に係るトロリ線測定装置10の別の実施例のトロリ線測定用投光装置を搭載する架線検測車を側面から見た図である。図6は、図5のトロリ線測定装置10の天板を外して内部構造を示す平面概要図である。図5及び図6において、図2及び図3と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図7は、図5及び図6の発光ダイオード投光器の概略構成を示す図であり、図7(a)は全体構成を示す斜視図であり、図7(b)は発光ダイオード投光器の短手方向の配光イメージを示す側面図である。図5及び図6のトロリ線測定装置10が図2のものと異なる点は、面発光の単色光源である発光ダイオード群2a〜2nの光をコリメートレンズ65a〜65nとリニアフレネルレンズ60にてトロリ線検出位置61で集光点を持たせて測定するようにした点である。これ以外に、図5及び図6のトロリ線測定装置10が図2のものと異なる点は、投光ユニット2を発光ダイオード投光器50と投光角度調整ミラー51とで構成し、投光角度調整ミラー51を測定光学系制御部8で制御するようにした点、反射光L2に含まれる外光波長をカットする外光フィルタ55を結像レンズ3の手前に設け、反射光L2を測定しやすくした点である。投光角度調整ミラー51は、投光光L1がトロリ線20の高さに応じて変化する摺動面20aの高さに追従するようにその入射角度が測定光学系制御部8にて制御されるようになっている。
【0034】
発光ダイオード投光器50は、スリット状の投光光を照射する投光光学系を構築するものであり、単色光源(赤外LED)である発光ダイオード群2a〜2nを片側表面部に実装した実装基板69と、発光ダイオード群2a〜2nの発熱を逃がすためのヒートシンク63と、集光のための発光ダイオード群2a〜2nをそれぞれ覆うように実装基板69に設けられたコリメートレンズ65a〜65nと、リニアフレネルレンズ60とから構成されている。コリメートレンズ65a〜65nの拡がり角度は約10度とし、リニアフレネルレンズ60の焦点距離(f値)は約270[mm]とする。これによって、図7(b)に示すように、実装基板69上の単色光源である発光ダイオード群2a〜2nから出射した面発光光は、コリメートレンズ65a〜65nにて平行光束に変換され、さらにリニアフレネルレンズ60によってトロリ線摺動面20a付近(距離約1700[mm]付近)に集光ウエストを持つ光線束(投光光)L1となる。これによって、単色光源である発光ダイオードを用いて昼間の太陽光の光強度より強い反射光をトロリ線摺動面から発生させることができる。
【0035】
この実施の形態によれば、投光ユニット2又は発光ダイオード投光器50を小型でかつ光量を増加することができるという効果がある。特に、発光ダイオード群2a〜2nとして赤外領域の単色光を使用すれば、太陽光の強度との差が大きくなり、強いレーザ光を発生する光源を設ける必要がなくなる。しかも、トロリ線の偏位範囲に亙ってトロリ線に単色光を照射する場合にはレール横断方向にその光源を複数個配列するだけで済み、単色光光源の光軸方向にレンズを複数使用することが無いため、ポリゴンミラー等による回転走査光学系が不要となり、投光系を小型化できる。その結果、トロリ線摩耗量検出光学系を車両の屋根上にも搭載することが可能になる。投光光が昼間の太陽光の光強度より強い反射光をトロリ線摺動面に発生させるものである。また、車両の動揺等によって発生する傾きがトロリ線摺動面とトロリ線測定光学系の配置関係に傾きによる影響にも対応することができる。
【0036】
なお、図2及び図3の実施の形態では、単色光源である発光ダイオードを上下2列分配置する場合について説明したが、1列又は3列以上の複数列配置するようにしてもよい。また、図5及び図6の実施の形態では、単色光源である発光ダイオードを1列分配置する場合について説明したが、2列以上の複数列配置するようにしてもよい。これによって、照射光の光量を上げることが可能になる。さらに、上述の実施の形態では、ラインセンサカメラ9を3台のラインセンサカメラ9a,9b,9cで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、これ以外の台数のカメラで構成してもよい。図示した単色光源である発光ダイオードの数は一例であり、単色光源と照射範囲との距離などに応じてその個数等は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0037】
C1,C2…光軸
D1,D2…光軸
L1…投光光
A1,L3,L4…照射範囲
10…トロリ線測定装置
10a…屋根フレーム
10b…ガラス窓
12…回転ミラー
12a…回転軸
13a…反射ミラー
14…ミラー移動機構
15…回転テーブル
16…A/D変換回路
17…波形データメモリ
18…演算装置
19…測定装置
2…投光ユニット
L2…反射光
20…トロリ線
20a…トロリ線摺動面
21…レール
22…架線検測車
24…筐体
25…単色光源実装基板
26a〜26n,27a〜27n…集光レンズ群
28a〜28n,29a〜29n…レンズホルダ群
2a〜2n…発光ダイオード群
2P…スリット整形用集光レンズ
3…結像レンズ
3a…集束レンズ
4…受光ユニット
5…パルス駆動回路
6…受光信号処理部
7…トロリ線高さ検出機構
7a…ローラ式接触子
7b…回動アーム
7c…角度検出器
8…測定光学系制御部
8a…制御データ用テーブル
9,9a,9b,9c…ラインセンサカメラ
50…発光ダイオード投光器
51…投光角度調整ミラー
55…外光フィルタ
60…リニアフレネルレンズ
61…トロリ線検出位置
63…ヒートシンク
65a〜65n…コリメートレンズ
69…実装基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに沿って変化するトロリ線の偏位範囲に対応した領域にスリット状の投光光を照射するトロリ線測定用投光装置において、
前記レールの横断方向に沿って少なくとも2列分配列された複数個の発光ダイオード群と、
前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を前記トロリ線摺動面に集光すると共に隣接する2列分の発光ダイオード群から出射する光を前記トロリ線摺動面の所定位置に集約する集光レンズ群を前記発光ダイオード群のそれぞれの直前に設けることによって、前記スリット状の投光光を照射する投光光学系と
を備えたことを特徴とするトロリ線測定用投光装置。
【請求項2】
請求項1に記載のトロリ線測定用投光装置おいて、前記投光光学系は、前記発光ダイオード群のそれぞれの鉛直光軸に対し前記集光レンズ群の光軸を、前記発光ダイオード群の配列方向と直交する方向にずらして配置することによって、前記2列分の発光ダイオード群から出射する光を前記トロリ線摺動面の所定位置に前記スリット状の投光光として集約して照射するように構成されたことを特徴とするトロリ線測定用投光装置。
【請求項3】
レールに沿って変化するトロリ線の偏位範囲に対応した領域にスリット状の投光光を照射するトロリ線測定用投光装置において、
前記レールの横断方向に沿って少なくとも1列分配列された複数個の発光ダイオード群と、
前記発光ダイオード群のそれぞれの直前に設けられ、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を所定の拡がりを持った光に変換するコリメートレンズ手段群と、
前記コリメートレンズ手段群を通過した光を前記トロリ線摺動面付近に集光ウエストを持つ光に変換するリニアフレネルレンズ手段と
を備えたことを特徴とするトロリ線測定用投光装置。
【請求項4】
請求項3に記載のトロリ線測定用投光装置おいて、前記コリメートレンズ手段群は、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を拡がり角度で約10度の光に変換し、前記リニアフレネルレンズ手段は、その焦点距離が約270[mm]であって、前記発光ダイオード群からの光を前記トロリ線摺動面付近に集光ウエストを持つ光に変換することを特徴とするトロリ線測定用投光装置。
【請求項5】
レールに沿って変化するトロリ線の偏位範囲に対応した領域にスリット状の投光光を照射し、前記投光光によって照射された前記トロリ線の摺動面から反射する反射光を受光して前記トロリ線の摺動面の状態を測定するトロリ線測定装置において、
前記レールの横断方向に沿って少なくとも2列分配列された複数個の発光ダイオード群と、
前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を前記トロリ線摺動面に集光すると共に隣接する2列分の発光ダイオード群から出射する光を前記トロリ線摺動面の所定位置に集約する集光レンズ群を前記発光ダイオード群のそれぞれの直前に設けることによって、前記スリット状の投光光を照射する投光光学系と
を備えたことを特徴とするトロリ線測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載のトロリ線測定装置おいて、前記投光光学系は、前記発光ダイオード群のそれぞれの鉛直光軸に対し前記集光レンズ群の光軸を、前記発光ダイオード群の配列方向と直交する方向にずらして配置することによって、前記2列分の発光ダイオード群から出射する光を前記トロリ線摺動面の所定位置に前記スリット状の投光光として集約して照射するように構成されたことを特徴とするトロリ線測定装置。
【請求項7】
レールに沿って変化するトロリ線の偏位範囲に対応した領域にスリット状の投光光を照射し、前記投光光によって照射された前記トロリ線の摺動面から反射する反射光を受光して前記トロリ線の摺動面の状態を測定するトロリ線測定装置において、
前記レールの横断方向に沿って少なくとも1列分配列された複数個の発光ダイオード群と、
前記発光ダイオード群のそれぞれの直前に設けられ、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を所定の拡がりを持った光に変換するコリメートレンズ手段群と、
前記コリメートレンズ手段群を通過した光を前記トロリ線摺動面付近に集光ウエストを持つ光に変換するリニアフレネルレンズ手段と
を備えた投光光学系を用いて前記スリット状の投光光を前記トロリ線の摺動面に照射することを特徴とするトロリ線測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載のトロリ線測定装置おいて、前記コリメートレンズ手段群は、前記発光ダイオード群のそれぞれから出射する光を拡がり角度で約10度の光に変換し、前記リニアフレネルレンズ手段は、その焦点距離が約270[mm]であって、前記発光ダイオード群からの光を前記トロリ線摺動面付近に集光ウエストを持つ光に変換することを特徴とするトロリ線測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−180116(P2011−180116A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170137(P2010−170137)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】