説明

ナビゲーションシステム

【課題】設定された目的に適合する施設の密集エリアを検索して案内するようにして、ユーザが、案内された密集エリア内を移動しながら、好みに合った施設を自分で見つけることができるようにする。
【解決手段】地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路13を含む地図を表示する表示部と、該表示部に表示され、検索の対象エリア及び目的を入力する検索条件入力部と、前記対象エリア内において目的適合施設が密集する施設密集エリア14を検索する施設密集エリア検索部と、該施設密集エリア検索部によって検索された施設密集エリア14を案内する案内制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に搭載されるナビゲーション装置においては、運転者等の操作者が所定の入力部を操作して目的地を設定すると、現在位置検出処理部によって検出された車両の現在位置を出発地として、該出発地から目的地までの経路が探索され、案内される。この場合、複数の目的地を設定し、出発地から途中の目的地を経由して、最終の目的地までの経路を探索して案内することもできるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−17206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、設定された目的地までの経路又は設定された目的地を経由する経路を探索して案内するようになっているので、ユーザは、目的地が具体的に決まっていない場合には経路の案内を行わせることができなかった。例えば、ユーザの要求が「観光のために訪れたいエリアは決まっているが、具体的にどの観光施設を訪れるかは決まっていないので、観光施設の存在するエリア内を走行しながら目的地を決めたい。」である場合、前記従来のナビゲーション装置はユーザの要求に応えることができなかった。
【0004】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、設定された目的に適合する施設の密集エリアを検索して案内するようにして、ユーザが、案内された密集エリア内を移動しながら、好みに合った施設を自分で見つけることができるナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明のナビゲーションシステムにおいては、地図データを格納する記憶手段と、前記地図データに基づいて、道路を含む地図を表示する表示部と、該表示部に表示され、検索の対象エリア及び目的を入力する検索条件入力部と、前記対象エリア内において目的適合施設が密集する施設密集エリアを検索する施設密集エリア検索部と、該施設密集エリア検索部によって検索された施設密集エリアを案内する案内制御部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ナビゲーションシステムにおいては、設定された目的に適合する施設の密集エリアを探索して案内する。そのため、ユーザは、案内された密集エリア内を移動しながら、好みに合った施設を自分で見つけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【0009】
図において、11は本実施の形態における図示されないナビゲーションシステムの表示部の表示画面である。前記ナビゲーションシステムは、例えば、乗用車、トラック、バス、オートバイ等の車両に搭載されたナビゲーション装置であるが、図に示されるような表示画面11を表示することができる表示部を備える装置であれば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯情報端末、携帯電話機、PHS(Personal Handy−Phone System)電話機、ゲーム機等いかなるものであってもよい。また、前記ナビゲーションシステムは、単一の装置でなく、複数の装置から成るものであってもよい。例えば、前記ナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置及び該ナビゲーション装置と通信可能に接続された情報提供サーバとから成り、該情報提供サーバがナビゲーション装置から送信した要求に応じて経路探索等のナビゲーション処理を実行し、その結果をナビゲーション装置に送信して表示させるシステムであってもよい。また、前記ナビゲーションシステムは、携帯可能なパーソナルコンピュータ及び該パーソナルコンピュータとインターネットを介して接続されたウェブサーバとから成り、前記パーソナルコンピュータからウェブサーバのホームページにアクセスし、該ホームページにおいて実行された経路探索等のナビゲーション処理の結果を取得して、前記パーソナルコンピュータに表示させるシステムであってもよい。なお、本実施の形態においては、ナビゲーションシステムが、単独でナビゲーション処理を実行する機能を備える車両に搭載されたナビゲーション装置であるものとして説明する。
【0010】
この場合、該ナビゲーション装置は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える一種のコンピュータである。前記ナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System)、地磁気センサ、距離センサ、ステアリングセンサ、ビーコンセンサ、ジャイロセンサ等によって現在位置を検出する現在位置検出処理部、道路データ、探索データ等を含む地図データ、施設データ等を記憶する記憶手段としてのデータ記録部、入力された情報に基づいて、設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理、経路の走行案内処理、地点や施設の検索を行うPOI(Point of Interest)検索処理等のナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部、入力部、表示部、音声入力部、音声出力部及び通信部を有し、設定された目的地までの経路を探索して案内を行うようになっている。
【0011】
そして、前記データ記録部は、探索データ等を含む地図データを記憶する。ここで、前記探索データには、交差点データ、ノードデータ、道路データ、一方通行等の交通規制に関する交通規制データ及び経路表示データが含まれる。そして、前記交差点データには、データが格納されている交差点の数に加え、それぞれの交差点に関するデータが交差点データとして、識別するための番号が付与されて格納されている。なお、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通信号灯器の設置されていない交差点であるかの区別が含まれていてもよい。また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード、及び、各ノード間を連結するリンクに関するデータから成る。なお、該リンクに関するデータには、各リンクのコスト(経路コスト)も含まれる。
【0012】
また、前記施設データには、各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の他に、デパート、スーパーマーケット、ショッピングセンタ、ホームセンタ、コンビニエンスストア、ショッピングモール等の商業施設、パチンコ、ゲームセンタ、映画館、テーマパーク、遊園地等の娯楽施設、レストラン、食堂等の飲食施設、駐車場、パーキングスペース、パーキングタワー等の駐車施設、鉄道の駅、バスターミナル、タクシー乗り場等の交通施設、神社、寺院、墓地等の宗教施設、税務署、市役所、学校、病院等の公共施設等の各種施設に関する位置情報、営業日時情報、祭事開催情報等の各種情報が格納されることが望ましい。さらに、前記データ記録部には、前記表示部の表示画面11に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、他の案内情報を表示したりするためのデータや、所定の情報を音声出力部によって音声出力するための各種のデータも記憶される。
【0013】
また、前記入力部は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、前記ナビゲーション装置本体に配設された操作キー、押しボタン、ジョグダイヤル、十字キー等から成るものであるが、リモートコントローラであってもよい。なお、表示部がタッチパネルである場合には、前記表示部の表示画面11に表示された操作キー、操作メニュー等の操作スイッチから成るものであることが望ましい。この場合、通常のタッチパネルのように前記操作スイッチに触れる、すなわち、タッチすることによって、入力を行うことができる。
【0014】
そして、前記表示部の表示画面11には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等が表示される。前記表示部としては、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラフィ装置等を使用することができる。ここでは、前記表示部が入力部としての機能も兼ね備えるタッチパネルであり、前記表示部の表示画面11に表示された操作キー、操作メニュー等の操作スイッチにタッチすることによって、入力を行うことができるものとして説明する。
【0015】
本実施の形態において、ナビゲーション装置は、機能の観点から、表示部に表示され、検索の対象エリア及び目的を入力する検索条件入力部、前記対象エリア内において目的適合施設が密集する施設密集エリアを検索する施設密集エリア検索部、並びに、該施設密集エリア検索部によって検索された施設密集エリアを案内する案内制御部を有する。そして、前記施設密集エリア検索部は、対象エリア内において沿道に存在する目的適合施設を検索する沿道施設検索部、及び、該沿道施設検索部によって検索された目的適合施設が所定値以上の密度で存在する施設密集リンクを検索する施設密集リンク検索部を備える。また、前記ナビゲーション装置は、前記施設密集エリアまでの経路及び選択された施設密集エリア内を効率的に巡回する経路を探索する経路探索部を有する。さらに、前記ナビゲーション装置は、検索された施設密集エリアの中から所望の施設密集エリアを選択する施設密集エリア選択部を有する。
【0016】
ここで、前記検索条件入力部は、前記ナビゲーション装置のユーザが操作して、訪れたいエリア及び訪れる目的を入力するようになっている。本実施の形態においては、後述されるように、前記表示部の表示画面11に表示されたエリア入力欄21に対象エリア24としての訪れたいエリアを入力するようになっている。ここで、エリアとは地理的な広がりを備える領域であるが、その広狭は問わないものとする。また、目的は、後述されるように、前記表示部の表示画面11に表示された目的入力欄22に入力するようになっている。
【0017】
さらに、前記沿道施設検索部は、後述されるように、通常の車両用ナビゲーション装置におけるPOI検索と同様の処理を行って、目的入力欄22に入力され目的に適合する施設、すなわち、目的適合施設27であって、エリア入力欄21に入力された対象エリア24内の沿道に存在する施設を検索する。ここで、沿道に存在する施設とは、リンク26から垂直距離で所定距離(例えば、50〔m〕)以内にある施設を意味する。
【0018】
そして、前記施設密集リンク検索部は、後述されるように、エリア入力欄21に入力された対象エリア24内のリンク26であって検索された目的適合施設27が所定値以上の密度で沿道に存在するリンク26を、施設密集リンク28として検索する。ここで、目的適合施設27が所定値以上の密度で沿道に存在する場合とは、例えば、当該リンク26の単位距離(例えば、100〔m〕)当たり所定数以上の目的適合施設27が存在する場合である。
【0019】
また、前記施設密集エリア検索部は、後述されるように、エリア入力欄21に入力された対象エリア24内において検索された施設密集リンク28が所定値以上連続しているエリアを、施設密集エリア14として検索する。ここで、施設密集リンク28が所定値以上連続しているエリアとは、例えば、施設密集リンク28が所定数(例えば、2〜3本)以上連続しているエリア、又は、施設密集リンク28が所定距離(例えば、1〔km〕)以上連続しているエリアである。
【0020】
さらに、前記施設密集エリア選択部は、後述されるように、検索された施設密集エリア14を前記ナビゲーション装置のユーザが操作して、経路探索の対象として選択するようになっている。本実施の形態においては、後述されるように前記表示部の表示画面11に検索された施設密集エリア14の一覧が表示され、該一覧の中から選択するようになっている。
【0021】
そして、前記経路探索部は、後述されるように、選択された施設密集エリア14を目的地として、通常のナビゲーション装置と同様に、出発地から目的地までの経路を探索する。なお、出発地は、通常、車両の現在位置が自動的に入力されるが、ユーザが任意の地点を出発地として入力することもできる。そして、前記経路探索部は、データ記録部にアクセスして、出発地から目的地までの距離が最短となるように経路を探索したり、所要時間が最短となるように経路を探索するが、VICS(R)(道路交通情報通信システム:Vehicle Information & Communication System)によって提供される交通情報であるVICS(R)情報等の交通情報を参照して経路を探索してもよい。
【0022】
また、前記経路探索部は、選択された施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15を探索する。この場合、施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15とは、当該施設密集エリア14内における施設密集リンク28のすべてを通る経路の中で経路探索のコストが最も低い経路である。なお、施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15は、前記目的地までの経路に接続される。そして、探索された経路が案内の対象としての経路、すなわち、案内経路として設定されると、前記表示部の表示画面11に、図1に示されるように、前記案内経路や該案内経路に沿った案内情報が表示されたり、音声出力部から案内情報が音声出力されることによって、経路案内が行われる。
【0023】
さらに、前記案内制御部は、表示部や音声出力部の動作を制御し、施設密集エリア検索部によって検索された施設密集エリア14を案内する。また、前記案内制御部は、施設密集エリア14を表示部の表示画面11に一覧表示させ、選択された施設密集エリア14内の目的適合施設27を表示部の表示画面11に一覧表示させ、選択された目的適合施設27の詳細情報を表示部の表示画面11に一覧表示させる。さらに、前記案内制御部は、経路探索部によって探索された目的地までの経路及び施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15を表示画面11に表示させる。図に示される例においては、選択された施設密集エリア14の位置を示す地図画面12a、及び、選択された施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15を示す要部拡大地図画面12bが表示画面11に表示されている。なお、図において、13は道路を示している。
【0024】
次に、前記構成のナビゲーション装置の動作について説明する。
【0025】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の検索条件を入力する画面を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における検索の対象エリアの例を示す図、図4は本発明の第1の実施の形態における沿道に存在する目的適合施設の例を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における施設密集リンクの例を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における施設密集エリアの例を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の検索された施設密集エリアを表示する画面を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の施設密集エリア内の目的適合施設を表示する画面を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【0026】
まず、操作者は、表示部の表示画面11に表示された操作キー、操作メニュー等にタッチして、目的に適合する施設の密集エリアを検索させる図示されないメニューを選択する。これにより、表示画面11には、図2に示されるように、検索条件を入力するための表示が行われる。前記表示画面11には、対象エリア24としてユーザの訪れたいエリアを入力するためのエリア入力欄21、前記エリアを訪れる目的を入力するための目的入力欄22、並びに、前記エリア入力欄21及び目的入力欄22に入力された事項を確定するための確定手段23が表示される。
【0027】
そして、ユーザは、前記エリア入力欄21及び目的入力欄22にエリア及び目的を入力することによって、検索条件の入力を行う。この場合、前記エリアの入力は、例えば、都道府県、市町村等の行政区画の名称の入力によって行われるようになっているが、関東地方、中部地方等のような地理的表示名称の入力によって行われるようにしてもよいし、東京23区、名古屋近郊、湘南等のような漠然とした通称の入力によって行われるようにしてもよい。また、前記エリア入力欄21へのエリアの入力は、文字を入力するようにしてもよいし、いわゆるプルダウンメニュー形式によって表示されたエリアの名称のリストの中から所望の名称を選択して入力するようにしてもよいし、いかなる方法によって入力してもよい。なお、図示される例においては、「○○市」という行政区画である市の名称が入力されている。
【0028】
さらに、前記目的の入力は、例えば、通常の車両用ナビゲーション装置におけるPOI検索のように施設のジャンルの入力によって行われてもよいし、食事場所、買い物場所等のように所望の行為を行う施設の種類の入力によって行われてもよい。また、前記目的入力欄22への目的の入力は、文字を入力するようにしてもよいし、いわゆるプルダウンメニュー形式によって表示された目的の名称のリストの中から所望の名称を選択して入力するようにしてもよいし、いかなる方法によって入力してもよい。なお、図示される例においては、「食事場所」という食事をする施設の種類が入力されている。
【0029】
そして、ユーザは、エリア及び目的を入力した後、確定手段23を操作することによって、入力事項を確定する。なお、前記確定手段23は押しボタンとなっているので、押し下げることによって操作することができる。これにより、探索条件の入力が完了する。
【0030】
続いて、ナビゲーション装置は、図3に示されるような対象エリア24を検索する。図3は、検索された対象エリア24としての○○市の地図を示す図である。そして、前記ナビゲーション装置は、図4に示されるように、検索された対象エリア24内で沿道に存在する目的適合施設27(図中において四角で表される)を検索する。図4は、沿道に存在する目的適合施設27の例を示す図であり、ノード25、リンク26、目的入力欄22に入力され目的に適合する施設である目的適合施設27が示されている。該目的適合施設27はリンク26から垂直距離で所定距離以内にある。
【0031】
続いて、前記ナビゲーション装置は、図5に示されるように、目的適合施設27が所定距離(例えば、100〔m〕)当たり所定数(例えば、2つ)以上沿道に存在する施設密集リンク28を検索する。該施設密集リンク28は、対象エリア24内のリンク26であって、目的適合施設27が所定値以上の密度で存在するリンク26である。
【0032】
続いて、前記ナビゲーション装置は、図6に示されるように、施設密集リンク28が所定距離(例えば、1〔km〕)以上連続している施設密集エリア14を検索する。該施設密集エリア14は、対象エリア24内のエリアであって、施設密集リンク28が連続しているエリアである。なお、施設密集リンク28が所定数(例えば、2〜3本)以上連続しているエリアを施設密集エリア14とすることもできる。
【0033】
続いて、前記ナビゲーション装置は、施設密集エリア14があるか否か、すなわち、施設密集エリア14を検索することができたか否かを判断する。そして、施設密集エリア14を検索することができなかった場合、表示部の表示画面11にユーザに対して検索条件の変更を促す表示を行う。そして、再度、図2に示されるように、検索条件を入力するための表示を行い、前述の動作を繰り返す。
【0034】
また、施設密集エリア14を検索することができた場合、前記ナビゲーション装置は、図7に示されるように、表示画面11に施設密集エリア14の一覧表示を行う。この場合、表示画面11には、検索された施設密集エリア14の位置を示す地図画面32a及び検索された施設密集エリア14の住所を表示する住所表示画面32bが表示される。なお、図7には、施設密集エリア14として3つの施設密集エリア14a〜14cが検索された例が示されている。
【0035】
ここで、前記住所表示画面32bにおける施設密集エリア14a〜14cの住所は、各々、選択可能に表示されている。そして、ユーザがいずれか住所を選択すると、図8に示されるように、該当する施設密集エリア14に存在する目的適合施設27の一覧表示が行われる。図8には、図7において2番目に表示されている施設密集エリア14bが選択された例が示されており、表示画面11には施設一覧表示画面33が表示されている。また、該施設一覧表示画面33には施設リスト34が含まれ、該施設リスト34には目的適合施設27のジャンルを示すジャンル欄34a及び該ジャンル欄34aの各々に属する施設の数を示す施設数欄34bが含まれる。これにより、ユーザは所望の施設密集エリア14を選択し、前記ナビゲーション装置に経路案内を行わせることができる。
【0036】
なお、前記施設リスト34よりも下位のリストを表示させるようにすることもできる。この場合、ジャンル欄34aに示されるジャンルの各々を選択可能に表示し、ユーザがいずれかのジャンルを選択すると、選択されたジャンルに含まれる施設の名称やその詳細情報が一覧表示されることが望ましい。さらに、施設の名称を選択可能に表示し、ユーザがいずれかの施設を選択すると、選択された施設が目的地として設定され、該目的地までの経路探索が行われるようにすることもできる。
【0037】
そして、前記ナビゲーション装置は、ユーザが施設密集エリア14を選択すると、選択された施設密集エリア14までの経路及び選択された施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15を探索し、案内を行って処理を終了する。経路の案内が行われると、図1に示されるように、表示画面11に選択された施設密集エリア14の位置を示す地図画面12a、及び、選択された施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15を示す要部拡大地図画面12bが表示される。前記経路15に沿って移動することによって、前記施設密集エリア14内のすべての目的適合施設27を通過することができるので、ユーザは好みに合った目的適合施設27を自分で見つけることができる。
【0038】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 検索条件の入力を行う。
ステップS2 検索された対象エリア24内で沿道に存在する目的適合施設27を検索する。
ステップS3 目的適合施設27が所定距離当たり所定数以上沿道に存在する施設密集リンク28を検索する。
ステップS4 施設密集リンク28が所定距離以上連続している施設密集エリア14を検索する。
ステップS5 施設密集エリア14があるか否かを判断する。施設密集エリア14がある場合はステップS7に進み、施設密集エリア14がない場合はステップS6に進む。
ステップS6 表示画面11にユーザに対して検索条件の変更を促す表示を行う。
ステップS7 表示画面11に施設密集エリア14の一覧表示を行う。
ステップS8 ユーザは施設密集エリア14を選択する。
ステップS9 選択された施設密集エリア14までの経路及び選択された施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15を探索し、案内を行って処理を終了する。
【0039】
このように、本実施の形態においては、ユーザが検索条件として対象エリア24及び目的を入力すると、前記対象エリア24内において目的適合施設27が密集する施設密集エリア14が検索されて案内されるようになっている。そのため、ユーザは目的適合施設27が密集する施設密集エリア14を選択することができる。また、選択された施設密集エリア14までの経路及び選択された施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15が探索されて案内されるようになっている。そのため、ユーザは、案内された経路15に沿って移動しながら、好みに合った目的適合施設27を自分で見つけることができる。
【0040】
したがって、ユーザは、目的地を厳密に設定する必要がなく、所望の対象エリア24において所望の目的に適合する目的適合施設27を、該目的適合施設27が密集する施設密集エリア14を移動しながら決定することができる。この場合、該施設密集エリア14を効率的に巡回することができるので、ユーザは、自分の好みに合った目的適合施設27を容易に、かつ、短時間で見つけ出すことができる。
【0041】
なお、本実施の形態においては、ナビゲーション装置が、乗用車等の車両に搭載されたものであるものとして説明したが、携帯可能なパーソナルコンピュータ、PDA、携帯情報端末、携帯電話機、PHS電話機、ゲーム機等であってもよい。また、探索及び案内される経路は、乗用車等の車両が走行する経路でなく、自転車等の軽車両が走行する経路や歩行者が歩行する経路であってもよい。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0043】
本実施の形態において、施設密集エリア検索部は、沿道施設検索部によって検索された目的適合施設27が1つ以上存在するリンク26が所定値以上存在するエリアを検索する施設存在リンクエリア検索部を有し、該施設存在リンクエリア検索部によって検索されたエリアの中から前記沿道施設検索部によって検索された目的適合施設27が所定値以上の密度で存在するエリアを施設密集エリア14として検索するようになっている。
【0044】
ここで、前記施設存在リンクエリア検索部は、沿道施設検索部によって検索された目的適合施設27が沿道に存在するリンク26が所定距離(例えば、1〔km〕)以上連続しているエリアを施設存在リンクエリアとして検索するようになっている。なお、目的適合施設27が沿道に存在するリンクが所定数(例えば、2〜3本)以上連続しているエリアを施設存在リンクエリアとすることもできる。また、施設密集エリア検索部は、エリア入力欄21に入力されたエリア内において目的適合施設27が所定値以上の密度で存在する施設存在リンクエリアを、施設密集エリア14として検索するようになっている。ここで、目的適合施設27が所定値以上の密度で存在する場合とは、例えば、当該リンク26の単位距離(例えば、100〔m〕)当たり所定数以上の目的適合施設27が存在する場合である。
【0045】
また、本実施の形態において、前記施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15とは、当該施設密集エリア14内における目的適合施設27が存在するリンク26のすべてを通る経路の中で経路探索のコストが最も低い経路である。その他の点についてのナビゲーション装置の構成は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
次に、本実施の形態におけるナビゲーション装置の動作について説明する。
【0047】
図10は本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【0048】
本実施の形態において、検索された対象エリア24内で沿道に存在する目的適合施設27を検索するまでの動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0049】
そして、目的適合施設27が検索されると、ナビゲーション装置は、目的適合施設27が沿道に存在するリンク26が所定距離(例えば、1〔km〕)以上連続している施設存在リンクエリアを検索する。続いて、前記ナビゲーション装置は、前記施設存在リンクエリアの中で目的適合施設27が単位距離(例えば、100〔m〕)当たり所定数以上存在する施設密集エリア14を検索する。
【0050】
なお、以降の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0051】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 検索条件の入力を行う。
ステップS12 検索された対象エリア24内で沿道に存在する目的適合施設27を検索する。
ステップS13 目的適合施設27が沿道に存在するリンク26が所定距離以上連続している施設存在リンクエリアを検索する。
ステップS14 目的適合施設27が単位距離当たり所定数以上存在する施設密集エリア14を検索する。
ステップS15 施設密集エリア14があるか否かを判断する。施設密集エリア14がある場合はステップS17に進み、施設密集エリア14がない場合はステップS16に進む。
ステップS16 表示画面11にユーザに対して検索条件の変更を促す表示を行う。
ステップS17 表示画面11に施設密集エリア14の一覧表示を行う。
ステップS18 ユーザは施設密集エリア14を選択する。
ステップS19 選択された施設密集エリア14までの経路及び選択された施設密集エリア14内を効率的に巡回する経路15を探索し、案内を行って処理を終了する。
【0052】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示画面を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の検索条件を入力する画面を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における検索の対象エリアの例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における沿道に存在する目的適合施設の例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における施設密集リンクの例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における施設密集エリアの例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の検索された施設密集エリアを表示する画面を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の施設密集エリア内の目的適合施設を表示する画面を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
13 道路
14、14a、14b、14c 施設密集エリア
15 経路
24 対象エリア
26 リンク
27 目的適合施設
28 施設密集リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)地図データを格納する記憶手段と、
(b)前記地図データに基づいて、道路を含む地図を表示する表示部と、
(c)該表示部に表示され、検索の対象エリア及び目的を入力する検索条件入力部と、
(d)前記対象エリア内において目的適合施設が密集する施設密集エリアを検索する施設密集エリア検索部と、
(e)該施設密集エリア検索部によって検索された施設密集エリアを案内する案内制御部とを有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記案内制御部は、前記施設密集エリアを前記表示部に一覧表示させる請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記案内制御部は、選択された施設密集エリア内の目的適合施設を前記表示部に一覧表示させる請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記案内制御部は、選択された目的適合施設の詳細情報を前記表示部に一覧表示させる請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記施設密集エリアまでの経路及び前記施設密集エリア内を効率的に巡回する経路を探索する経路探索部を有し、前記案内制御部は、前記経路探索部によって探索された経路を前記表示部に表示させる請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記施設密集エリア検索部は、前記対象エリア内において沿道に存在する目的適合施設を検索する沿道施設検索部、及び、該沿道施設検索部によって検索された目的適合施設が所定値以上の密度で存在する施設密集リンクを検索する施設密集リンク検索部を備え、該施設密集リンク検索部によって検索された施設密集リンクが所定値以上連続しているエリアを施設密集エリアとして検索する請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記施設密集エリア検索部は、前記対象エリア内において沿道に存在する目的適合施設を検索する沿道施設検索部、及び、該沿道施設検索部によって検索された目的適合施設が存在するリンクが所定値以上存在するエリアを検索する施設存在リンクエリア検索部を備え、該施設存在リンクエリア検索部によって検索されたエリアの中から前記沿道施設検索部によって検索された目的適合施設が所定値以上の密度で存在するエリアを施設密集エリアとして検索する請求項1に記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−308295(P2006−308295A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127573(P2005−127573)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】