説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム

【課題】施設の利用の有無に応じて施設アイコンの表示を変更し、視認性及び操作性を向上させた、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、ユーザによって入力された種別に合致する施設を検索し、検索された施設を案内するためのアイコンを表示させるナビゲーション装置1であって、地図情報及び自車両状態に基づき、自車両が検索された施設を利用したか否かを判定する利用判定部60aと、利用判定部60aによって自車両が検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンの表示状態を変更制御する表示制御部60bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関し、特に、各種の施設を案内するためのアイコンを表示させるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置が用いられている。このナビゲーション装置においては、道路表示のほか、ユーザによって入力された種別に合致する施設を示すアイコンが表示画面上に表示される。しかし、過度に多数のアイコンが表示画面上に表示されると、道路表示等の他の必要な情報がアイコンの背後に隠れてしまうほか、アイコン同士でも重畳表示されてしまい、表示画面の視認性や操作性の悪化を招いていた。
【0003】
かかる問題に対処するため、地図の表示領域内に存在する施設の個数が所定値未満である場合には、当該施設を地図上にアイコン表示し、施設の個数が所定値以上である場合には、表示画面における所定の位置に代表アイコン表示エリアを設け、当該代表アイコン表示エリアに、取得された施設の種別を示す代表アイコンを表示する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−275662号公報(段落0009)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザによって入力された種別に合致する施設を示すアイコンを表示させた場合に、上記特許文献1に記載の方法を適用したとしても、地図の表示領域内に存在する施設の個数が所定値以上である場合に、表示画面に設けた代表アイコン表示エリアに施設の種別を示す代表アイコンが表示されるに過ぎず、施設を利用した後であっても代表アイコンが表示された状態が継続されていることとなり、視認性や操作性の向上が妨げられる可能性があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、施設の利用の有無に応じてアイコンの表示状態を変更制御し、表示画面の視認性及び操作性を向上させた、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のナビゲーション装置は、ユーザによって入力された種別に合致する施設を検索し、当該検索された施設を案内するためのアイコンを表示させるナビゲーション装置であって、地図情報及び自車両状態に基づき、自車両が前記検索された施設を利用したか否かを判定する利用判定手段と、前記利用判定手段によって前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示状態を変更制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記利用判定手段によって前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示状態の変更制御内容に関する指示入力を促す報知手段を備え、前記表示制御手段は、所定の入力手段を介して前記指示入力を受け付けた場合、当該指示入力に基づき、前記アイコンの表示状態を変更制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置は、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置において、当該ナビゲーション装置によって自車両の案内経路が設定されており、当該案内経路に沿って存在する施設を案内するための前記アイコンであって、前記検索された複数の施設を案内するための前記アイコンが表示されている場合において、前記種別と、当該種別に合致する施設が利用された後に再度利用されるまでの時間を特定する再利用時間情報とを相互に対応付けて格納する再利用情報格納手段を備え、前記表示制御手段は、前記利用判定手段によって前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該ユーザによって入力された種別に対応付けて格納されている前記再利用時間情報を前記再利用情報格納手段から取得し、当該取得した再利用時間情報にて特定される時間の間に前記自車両が到達可能な範囲内に存在する施設を案内するための前記アイコンであって、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示状態を変更制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載のナビゲーション装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記表示制御手段は、前記利用判定手段によって前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示を削除することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載のナビゲーション方法は、ユーザによって入力された種別に合致する施設を検索し、当該検索された施設を案内するためのアイコンを表示させるナビゲーション方法であって、地図情報及び自車両状態に基づき、自車両が前記検索された施設を利用したか否かを判定する利用判定ステップと、前記利用判定ステップにおいて前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示状態を変更制御する表示制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載のナビゲーションプログラムは、請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載のナビゲーション装置、請求項5に記載のナビゲーション方法、及び請求項6に記載のナビゲーションプログラムによれば、利用判定手段が、自車両が検索された施設を利用したものと判定した場合において、当該利用したものと判定した施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンの表示状態を変更制御するので、ユーザにとって不要となった施設についてのアイコンを変更することができ、モニタの表示画面についての視認性及び操作性を向上させることができる。
【0014】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置によれば、ユーザによる表示状態の変更についての指示入力を受け付けた場合に表示制御手段がアイコンの表示状態を変更するので、表示状態の変更についてユーザの意思を反映することができ、不要なアイコンを変更することができる。
【0015】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置によれば、表示制御手段は、再利用時間情報にて特定される時間の間に自車両が到達可能な範囲内で案内経路に沿って存在する、利用したものと判定した施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンの表示状態の変更制御を行う。すなわち、案内経路に沿って表示されているアイコンの内、適切な範囲に存在するアイコンの表示を変更することができるので、モニタの表示画面についての視認性及び操作性を向上させることができる。
【0016】
また、請求項4に記載のナビゲーション装置によれば、表示制御手段が、利用したものと判定した施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンを削除することにより、モニタの表示画面上からユーザにとって不要となった施設についてのアイコンを省略し、モニタの表示画面についての視認性及び操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、ユーザによって入力された種別に合致する施設を自車両が利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンの表示状態を変更制御する形態である。
【0019】
(構成)
図1は実施の形態1に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。このナビゲーション装置1は、現在位置検出処理部10、データ記録部20、モニタ30、スピーカ40、操作部50、タイマ55、及び制御部60を備えている。
【0020】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部10は、ナビゲーション装置1が取り付けられた車両(以下「自車両」)の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部10は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、ステアリングセンサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の自車両の位置及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0021】
(構成−データ記録部)
データ記録部20は、ナビゲーション装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0022】
このデータ記録部20は、地図情報データベース(以下データベースを「DB」と称する)20a、及び利用条件DB20bを備えている。地図情報DB20aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。地図情報とは、ナビゲーションに必要な情報であり、例えば、コンビニ、ガソリンスタンド、レストラン、駐車場等の施設を案内するための施設データ(各施設の位置、各施設の種別、及び各施設を示すアイコンの描画情報を相互に関連付けた情報を含む)、地図をモニタ30に表示するための地図表示データ、及び目的地に至るまでの経路を探索するための探索データ(各交差点に関する交差点データや、ノード点に関するノードデータを含む)等を含んで構成されている。
【0023】
利用条件DB20bは、利用条件情報を格納する利用条件情報格納手段である。ここで利用条件情報とは、後述する利用判定部60aによって自車両が施設を利用したか否かが判定される場合における判定基準となる情報を示す。図2は利用条件DB20bに格納されている情報の内容を示した表であり、図2(a)は施設における自車両の状態を基準として利用判定を行う場合における利用条件情報を示した表、図2(b)は図2(a)の判定基準に各施設における滞在時間が含まれる場合に、当該滞在時間を判定するための滞在時間判定条件情報を示した表である。
【0024】
図2(a)に示した例では、利用条件DB20bには、項目「判定項目」、及び、項目「判定基準」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。このうち項目「判定項目」に対応して格納される情報は、利用対象となる各施設の種別を特定する情報であり、図2(a)においては「ガソリンスタンド」「ファーストフード」等が格納されている。また、項目「判定基準」に対応して格納される情報は、各施設において利用判定を行う場合における基準となる状態を特定する情報であり、図2(a)においては、「燃料増加」「滞在時間≧30分」等が格納されている。
【0025】
また、図2(b)に示した例では、利用条件DB20bには、項目「カウント開始条件」に対応して、施設滞在時間のカウント開始条件を特定する情報(図2(b)においては、「パーキング信号ONかつサイドブレーキ信号ON」等)が格納されている。
【0026】
(構成−モニタ)
モニタ30は、後述する表示制御部60bによって出力制御された地図情報を表示し、さらにアイコンの表示状態の変更制御に関する指示入力をユーザに促すための報知を行うためのものであり、特許請求の範囲における報知手段に対応するものである。このモニタ30としては、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ、又は車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
【0027】
(構成−スピーカ)
スピーカ40は、アイコンの表示状態の変更制御に関する指示入力をユーザに促すための報知や、ナビゲーションに関する音声ガイダンス等を出力する出力手段であり、特許請求の範囲における報知手段に対応している。なお、スピーカ40より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0028】
(構成−操作部)
操作部50は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。操作部50を介して受け付ける操作入力の具体的な内容は任意であり、例えば、出発地や目的地の設定、施設の検索等を挙げることができる。この操作部50の具体的な構成は任意であり、例えば、モニタ30の前面に設けたタッチパネル、押しボタン、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいは、音声入力を受け付けるマイクの如き音声認識手段を用いて操作部を構成することができる。
【0029】
(構成−タイマ)
タイマ55は、施設における自車両の滞在時間等を計時するための計時手段である。
【0030】
(構成−制御部)
制御部60は、ナビゲーション装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係るナビゲーションプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してナビゲーション装置1にインストールされることで、制御部60の各部を実質的に構成する。
【0031】
この制御部60は、機能概念的に、利用判定部60a、表示制御部60b、及び経路探索部60cを備えている。利用判定部60aは、自車両が施設を利用したか否かを判定する利用判定手段である。表示制御部60bは、モニタ30に対する地図情報の表示制御や、施設に関するアイコンの表示状態を変更制御する表示制御手段である。経路探索部60cは、地図情報に基づき、出発地から目的地に至る経路を探索する経路探索手段である。これら制御部60の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。なお、制御部60には、自車両の走行速度を検出する車速センサ2が接続されている。
【0032】
(処理)
このように構成されるナビゲーション装置1によって実行される表示制御処理について以下説明する。図3はナビゲーション装置1によって実行される表示制御処理の流れを示したフローチャート、図4から6は表示制御処理においてアイコンを含む地図情報を表示するモニタ30の例を示した図である(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
【0033】
まず、車両走行開始時等におけるユーザからの操作部50を介した操作によってナビゲーション装置1が起動されると、表示制御部60bは、現在位置検出処理部10を介して取得した自車両の現在位置に基づいて地図情報DB20aを参照し、現在位置周辺の地図情報を取得してモニタ30に表示させる(SA1)。図4(a)は、表示制御部60bによってモニタ30に地図情報が出力表示された状態を例示した図である。モニタ30には自車両の現在位置周辺の道路や地名等の地図情報が表示されており、モニタ30中央近傍には自車両を示す円及び三角形のアイコン、モニタ30下辺近傍にはタッチパネル操作用のボタンが表示されている。
【0034】
その後、表示制御部60bは、ユーザによって操作部50を介して「周辺施設」を表示させる旨の指示入力がされたか否かを監視する(SA2)。図4(a)の場合、モニタ30下辺近傍に表示された「周辺施設」ボタンが押圧されることにより「周辺施設」を表示させる指示入力があったものと判断すると(SA2、Yes)、表示制御部60bは、表示させるべき施設の種別をユーザに指示させるための種別指示画面をモニタ30に表示させる(SA3)。
【0035】
図4(b)は、表示制御部60bによってモニタ30に種別指示画面が表示された状態を例示した図である。モニタ30には施設の種別として「GS全て」や「コンビニ全て」等のボタンが表示されており、これらのボタンが押圧されることにより、押圧されたボタンに対応する種別がユーザによって選択されたものと表示制御部60bが判断する。
【0036】
さらに、施設の種別を複数階層に分類し、一つの階層における種別が選択された場合において、一段階下位の階層における種別を更にユーザに選択させることができる。図4(c)は、図4(b)に例示した画面において「コンビニ全て」が選択された場合にモニタ30に表示された種別指示画面を示した図である。図4(c)に示したように、図4(b)において「コンビニ全て」が選択された場合に、コンビニに含まれる施設の種別として「○○○○ストア」や「××××ストア」の如くフランチャイズチェーン毎に分類された種別に対応するボタンを表示し、これらの種別をユーザによって選択させることができる。
【0037】
種別指示画面においてユーザにより施設の種別が指示入力されたものと判定すると(SA4、Yes)、表示制御部60bは、地図情報DB20aの施設データの中で、当該施設データに含まれる各施設の種別が当該指示入力された種別に合致する施設データを抽出する。そして、当該抽出された施設データに含まれる各施設の位置に基づいて地図情報上の各施設の位置を特定し、当該特定された位置に、当該抽出された施設データに含まれる描画情報を用いて描画することにより、アイコンをモニタ30の地図情報上に重畳表示させる(SA5)。図5は、図4(a)に示した地図情報に、アイコンとしての施設アイコンを重畳表示させたモニタ30の表示画面を示した図である。図5中に複数表示されている正方形が施設アイコンを示している。これにより、ユーザが選択した種別に合致する施設の位置が地図上に表示され、ユーザが容易に認識できるようになる。
【0038】
その後、表示制御部60bは、モニタ30に施設アイコンを表示させている施設(以下、「表示施設」と称する)に自車両が到着したか否かを監視する(SA6)(図5(a)の状態)。自車両が表示施設に到達したか否かについては、例えば自車両と当該表示施設との距離が所定距離以下となった場合に、表示施設に到着したものと判定させることができる。
【0039】
表示施設に自車両が到着した場合(SA6、Yes)(図5(b)の状態)、利用判定部60aは、ユーザによって当該表示施設が利用されたか否かを判定する(SA7)。具体的には、利用判定部60aは利用条件DB20bを参照し、自車両が到着した表示施設に対応する種別(判定項目)に対応付けて格納されている判定基準を取得し、当該判定基準となる自車両の状態に基づき、当該表示施設が利用されたか否かを判定する。
【0040】
図2(a)に示した例では、自車両が到着した表示施設の種別が「ガソリンスタンド」の場合は自車両の燃料の増加が検出された場合、あるいは自車両が到着した表示施設の種別が「ファーストフード」の場合はDSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた通信による料金決済が行なわれた場合、あるいは所定の滞在時間が経過した場合等に、当該表示施設を利用したものと判定する。また、図2(a)の判定基準に滞在時間が含まれる場合には、図2(b)の滞在時間判定条件情報に基づいて当該滞在時間が経過したか否かを判定する。例えば、図2(a)の例では、表示施設の種別(判定項目)が「レストラン」の場合は判定基準が「滞在時間≧30分」であるため、図2(b)の条件情報に基づいて30以上の滞在時間が経過したか否かを判定する。
【0041】
具体的には、項目「カウント開始条件」に対応して格納されている全ての条件を自車両が満たしたか否かを監視し、条件を満たした場合にはタイマ55が施設滞在時間のカウントを開始する。例えば図2(b)に示した例では、パーキング信号及びサイドブレーキ信号がONとなり、エンジンが停止され、ドアが一回開閉された場合に、タイマ55が施設滞在時間のカウントを開始する。そして、予め設定されている滞在時間が経過した後に自車両のエンジンが始動された場合、当該表示施設を利用したものと判定する。なお、項目「カウント開始条件」に対応して格納されている条件のいずれかが満たされた場合に、施設滞在時間のカウントをタイマ55によって開始させてもよい。なお、表示施設に自車両が到着した場合に(SA6、Yes)、当該表示施設を利用したものと判定させてもよい。
【0042】
上記の如き判定を行った結果、自車両が到着した表示施設を利用したものと判定した場合(SA7、Yes)、表示制御部60bは、ユーザに対して当該利用したものと判定した施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンの表示状態の変更内容に関する指示入力を促すための報知を行う(SA8)。この報知方法は任意であり、例えば図6(a)に示したように、施設アイコンの表示変更可否を確認するための表示をモニタ30に出力させてもよく、あるいは、スピーカ40を介して音声情報にてユーザによる指示入力を促してもよい。
【0043】
ユーザによって操作部50を介して施設アイコンの表示状態変更指示が入力された場合(SA9、Yes)、表示制御部60bは、施設アイコンの表示状態の変更を行う(SA10)。この施設アイコンの表示変更の具体的な内容は任意であり、例えば、SA4にてユーザによって指示入力がなされた種別であって、利用された表示施設が含まれる種別に合致する表示施設に関する施設アイコンの表示の削除、縮小、又は半透明化等を行うことができる。図6(b)は、当該種別に合致する表示施設に関する施設アイコンの表示を削除した場合の例を示している。このように表示状態の変更を行う際には、利用したものと判定した表示施設を案内するための施設アイコンに加えて、利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するための施設アイコンを変更対象とする。例えば、ユーザによって指示入力がなされた種別が「ガソリンスタンド」であり、複数のガソリンスタンドの施設アイコンが表示されている場合において、当該複数のガソリンスタンドの中のいずれか一つのガソリンスタンドがユーザに利用されたものと判定した場合には、当該利用されたガソリンスタンドの施設アイコンの表示、及び当該ガソリンスタンド以外の全てのガソリンスタンドの施設アイコンの表示について、削除、縮小、又は半透明化を行う。
【0044】
あるいは、現在表示している施設アイコンの中で、利用したものと判定した表示施設を案内するための施設アイコン及び利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するための施設アイコンを消去すると同時に、当該消去した施設アイコンの再表示を単一のボタンで代表して指示するための再表示指示ボタンをモニタ30の所定位置に表示させてもよい。そして、ユーザが任意のタイミングで当該再表示指示ボタンを選択した場合には、先に消去した施設アイコンを再表示させるようにしてもよい。
【0045】
SA10にて施設アイコンの表示状態変更を行った後、あるいはユーザによって施設アイコンの表示状態変更指示が入力されない場合は(SA9、No)、SA6に戻り、表示施設に自車両が到着したか否かを再度監視する。
【0046】
(効果)
このように本実施の形態1によれば、利用判定部60aが、自車両が検索された施設を利用したものと判定した場合において、当該利用したものと判定した施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンの表示状態を変更制御するので、ユーザにとって不要となった施設についての施設アイコンを変更することができ、モニタ30の表示画面についての視認性及び操作性を向上させることができる。
【0047】
また、ユーザによる表示状態の変更についての指示入力を受け付けた場合に表示制御部60bがアイコンの表示状態を変更制御するので、表示状態の変更についてユーザの意思を反映することができ、不要なアイコンを変更することができる。
【0048】
また、ユーザによって入力された種別に合致する施設が複数存在する場合、当該種別に対応する単一の再表示指示ボタンのみが表示されるように表示制御部60bが表示状態を変更するので、ユーザにとって不要となった施設については単一の再表示指示ボタンに簡素化し、モニタ30の表示画面についての視認性及び操作性を向上させることができる。
【0049】
また、表示制御部60bが、利用したものと判定した施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンを削除することにより、モニタ30の表示画面上からユーザにとって不要となった施設についての施設アイコンを省略し、モニタ30の表示画面についての視認性及び操作性を向上させることができる。
【0050】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、自車両の案内経路に沿って存在する、ユーザによって入力された種別に合致する施設に関する施設アイコンの表示状態を変更制御する形態である。なお、実施の形態2及びそれ以降の実施の形態の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0051】
(構成−ナビゲーション装置)
図7は実施の形態2に係るナビゲーション装置の電気的構成を例示するブロック図である。このナビゲーション装置1のデータ記録部20は、再利用情報DB20cを備えている。再利用情報DB20cは、施設が利用された後に再度利用されるまでの時間を特定する再利用時間情報を格納するための再利用情報格納手段である。図8は再利用情報DB20cに格納されている情報の内容を示した表である。この図8に示した例では、再利用情報DB20cには、項目「種別」、及び、項目「再利用時間」に対応する情報が相互に関連付けて格納されいている。このうち項目「種別」に対応して格納される情報は、施設の種別を特定する情報であり、図8においては「コンビニ」「レストラン」等が格納されている。また、項目「再利用時間」に対応して格納される情報は、各種別の施設についての再利用情報であり、図8においては、種別「コンビニ」の施設については「2h」、種別「レストラン」の施設については「4h」等が格納されている。なお、再利用情報DB20cには、施設が利用された後に再度利用されるまでの間に自車両が移動する距離を特定する再利用距離情報を格納させてもよい。例えば、種別「ガソリンスタンド」に対応して、満タンの場合における自車両の走行可能距離等の距離情報を格納させてもよい(図示省略)。
【0052】
(処理)
次に、本実施の形態2に係るナビゲーション装置1によって実行される表示制御処理について説明する。図9は、表示制御処理の流れを示したフローチャートである。
【0053】
まず、車両走行開始時等におけるユーザからの操作部50を介した操作によってナビゲーション装置1が起動され、さらに目的地の設定等が行われ、経路案内開始の指示入力が行われると、経路探索部60cは設定された目的地までの経路を探索する(SB1)。そして、探索された経路を、地図情報上に重畳してモニタ30に表示させる(SB2)。なお、経路探索の具体的な方法や経路の表示方法については、公知の技術を用いることができるため、説明を省略する。
【0054】
次に、表示制御部60bは、探索された案内経路に沿って存在する施設に関する施設アイコンをモニタ30に表示させるか否かについて、ユーザに指示入力を促す旨の表示をモニタ30に出力させ、ユーザから指示入力がされたか否かを監視する(SB3)。そして、ユーザから操作部50を介して指示入力がされた場合(SB3、Yes)、表示制御部60bは、表示させるべき施設の種別をユーザに指示させるための種別指示画面をモニタ30に表示させる(SB4)。
【0055】
続くSB5からSB8までの各処理の内容については、上記実施の形態1において図3を参照して説明した表示制御処理におけるSA4からSA7までの各処理の内容と同様であるので、説明を省略する。
【0056】
SB8において、自車両が到着した表示施設を利用したものと判定した場合(SB8、Yes)、表示制御部60bは、SB5においてユーザによって指示入力がなされた種別であって、利用された表示施設が含まれる種別(以下、「利用済み種別」と称する)に対応付けて格納されている再利用時間情報を再利用情報DB20cから取得する(SB9)。例えば、図8に示した例では、利用済み種別が「コンビニ」であった場合、対応する再利用時間として「2h」を示す再利用時間情報が取得される。
【0057】
次に、表示制御部60bは、取得した再利用時間情報にて特定される時間の間に自車両が到達可能な範囲内で案内経路に沿って存在する、利用済み種別に合致する施設を、地図情報に基づき特定する(SB10)。自車両が到達可能な距離については、現在位置、自車両の平均速度、及び地図情報等に基づき、公知の方法によって特定することができるため、説明を省略する。
【0058】
続いて、表示制御部60bは、SB10において特定された利用済み種別に合致する施設について、ユーザに対して施設アイコンの表示状態の変更内容に関する指示入力を促すための報知を行う(SB11)。ユーザによって操作部50を介して施設アイコンの表示状態変更指示が入力された場合(SB12、Yes)、表示制御部60bは、施設アイコンの表示状態の変更を行う(SB13)。具体的には、表示制御部60bは、SB8において利用したものと判定した施設の施設アイコンの表示に加えて、当該利用したものと判定した施設と同一種別の施設の施設アイコンであって、SB10において特定された利用済み種別に合致する施設の施設アイコンの表示を、削除、縮小、又は半透明化し、あるいは、当該種別に対応する単一の再表示指示ボタンのみが表示されるようにモニタ30の表示状態を変更する。
【0059】
SB13にて施設アイコンの表示状態変更を行った後、あるいはユーザによって施設アイコンの表示状態変更指示が入力されない場合は(SB12、No)、SB7に戻り、表示施設に自車両が到着したか否かを再度監視する。
【0060】
(効果)
このように実施の形態2によれば、実施の形態1の全部又は一部と同様の効果に加えて、再利用時間情報にて特定される時間の間に自車両が到達可能な範囲内で案内経路に沿って存在する、利用したものと判定した施設を案内するためのアイコン及び当該利用したものと判定した施設と同一種別の他の施設を案内するためのアイコンの表示状態の変更制御を行う。すなわち、案内経路に沿って表示されているアイコンを、当該アイコンの種別毎に適切な範囲における表示に変更することができるので、モニタ30の表示画面についての視認性、操作性を向上させることができる。
【0061】
〔各実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0062】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0063】
(各実施の形態の相互の関係について)
上記説明した各実施の形態は、任意の組み合わせで相互に組み合わせることができる。例えば、実施の形態1と実施の形態2を組み合わせて、経路案内を行わない場合は自車両の周辺施設の施設アイコンに関する表示制御処理を行い、経路案内を行う場合は案内経路に沿って存在する施設の施設アイコンに関する表示制御処理を行うように表示制御部60bを構成してもよい。
【0064】
(表示制御部について)
上述の各実施の形態では、表示制御部60bはユーザによって指示入力がなされた種別であって、利用された施設が含まれる種別に合致する施設に関する施設アイコンの表示状態を変更制御すると説明したが、利用された施設が含まれる種別の上位階層、若しくは下位階層の種別に合致する施設に関する施設アイコンの表示状態を変更制御させてもよい。例えば、利用された施設が含まれる種別が、「コンビニエンスストア」の下位階層に属する種別である具体的なコンビニエンスストアチェーンの名称「○×マート」の場合、その上位階層である種別「コンビニエンスストア」に合致する施設に関する施設アイコンの表示状態を変更制御させてもよい。また、利用された施設が含まれる種別が「コンビニエンスストア」の場合、その下位階層の全種別に合致する施設や、当該下位階層の種別の中からユーザに選択させた一つの種別「○×マート」に合致する施設について、その施設アイコンの表示状態を選択的に変更制御させてもよい。この場合、何れの表示制御内容とするかについて、ユーザに指示入力を促す旨の表示をモニタ30に出力させ、操作部50を介したユーザによる指示入力に基づき、施設アイコンの表示状態を変更制御させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施の形態1に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。
【図2】利用条件DBに格納されている情報の内容を示した表であり、図2(a)は施設における自車両の状態変化を基準として利用判定を行う場合における利用条件情報を示した表、図2(b)は図2(a)の判定基準に各施設における滞在時間が含まれる場合に、当該滞在時間を判定するための滞在時間判定条件情報を示した表である。
【図3】ナビゲーション装置によって実行される表示制御処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】施設アイコンを含む地図情報を表示するモニタの例を示した図である。
【図5】施設アイコンを含む地図情報を表示するモニタの例を示した図である。
【図6】施設アイコンを含む地図情報を表示するモニタの例を示した図である。
【図7】実施の形態2に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。
【図8】再利用情報DBに格納されている情報の内容を示した表である。
【図9】表示制御処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1 ナビゲーション装置
2 車速センサ
10 現在位置検出処理部
20 データ記録部
20a 地図情報DB
20b 利用条件DB
20c 再利用情報DB
30 モニタ
40 スピーカ
50 操作部
60 制御部
60a 利用判定部
60b 表示制御部
60c 経路探索部
55 タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって入力された種別に合致する施設を検索し、当該検索された施設を案内するためのアイコンを表示させるナビゲーション装置であって、
地図情報及び自車両状態に基づき、自車両が前記検索された施設を利用したか否かを判定する利用判定手段と、
前記利用判定手段によって前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示状態を変更制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記利用判定手段によって前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示状態の変更制御内容に関する指示入力を促す報知手段を備え、
前記表示制御手段は、所定の入力手段を介して前記指示入力を受け付けた場合、当該指示入力に基づき、前記アイコンの表示状態を変更制御すること、
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
当該ナビゲーション装置によって自車両の案内経路が設定されており、当該案内経路に沿って存在する施設を案内するための前記アイコンであって、前記検索された複数の施設を案内するための前記アイコンが表示されている場合において、
前記種別と、当該種別に合致する施設が利用された後に再度利用されるまでの時間を特定する再利用時間情報とを相互に対応付けて格納する再利用情報格納手段を備え、
前記表示制御手段は、前記利用判定手段によって前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、前記ユーザによって入力された種別に対応付けて格納されている前記再利用時間情報を前記再利用情報格納手段から取得し、当該取得した再利用時間情報にて特定される時間の間に前記自車両が到達可能な範囲内に存在する施設を案内するための前記アイコンであって、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示状態を変更制御すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記利用判定手段によって前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示を削除すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
ユーザによって入力された種別に合致する施設を検索し、当該検索された施設を案内するためのアイコンを表示させるナビゲーション方法であって、
地図情報及び自車両状態に基づき、自車両が前記検索された施設を利用したか否かを判定する利用判定ステップと、
前記利用判定ステップにおいて前記自車両が前記検索された施設を利用したものと判定された場合、当該利用したものと判定された施設を案内するための前記アイコン及び当該利用したものと判定された施設と同一種別の他の施設を案内するための前記アイコンの表示状態を変更制御する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−14455(P2010−14455A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172945(P2008−172945)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】