ナビゲーション装置およびその交差点拡大図表示方法並びに地図情報作成方法
【目的】正しい車両進行方向の音声案内や交差点拡大図表示をする「ナビゲーション装置およびその交差点拡大図表示方法並びに地図情報作成方法」を提供することである。
【構成】車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、該交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点(進入リンク交点、脱出リンク交点)を算出し、該進入リンク交点と交差点を結ぶ方向を進入方向とし、交差点と脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とする。ついで、進入方向と脱出方向の角度差に基づいて交差点での進行方向を決定すると共に、交差点のスクリーン上の表示位置を決定する。また、進入方向が12時方向と一致するように交差点拡大図を描画する。
【構成】車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、該交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点(進入リンク交点、脱出リンク交点)を算出し、該進入リンク交点と交差点を結ぶ方向を進入方向とし、交差点と脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とする。ついで、進入方向と脱出方向の角度差に基づいて交差点での進行方向を決定すると共に、交差点のスクリーン上の表示位置を決定する。また、進入方向が12時方向と一致するように交差点拡大図を描画する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置およびその交差点拡大図表示方法並びに地図情報作成方法に関わり、特に、車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置およびその交差点拡大図表示方法、並びに、交差点における進行方向を音声で案内する音声情報を含む地図情報を作成する地図情報作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は車両の位置を検出して地図記録媒体(例えばCD−ROM、DVDディスク、ハードディスク)から車両位置周辺の地図データを読み出し、地図画像をディスプレイ画面に描画するとともに該地図画像上の所定箇所に車両位置マークを重ねて描画する。そして、車両の移動により車両位置が変化するに従い、車両位置マークを画面所定位置に固定して地図をスクロールし、常に、車両位置周辺の地図情報が一目で判るようになっている。また、以上の機能に加えて、ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの誘導経路を探索し、該誘導経路を地図上に表示する経路誘導機能を備え、また、車両が交差点に接近するとスクリーンの1/2を用いて交差点拡大図を表示して交差点での進行方向を矢印で表示したり、音声で交差点における進行方向を案内する機能を備えている。
【0003】
ナビゲーション装置の交差点案内部は、交差点への進入方向が12時方向と一致するようにスクリーン上に交差点拡大図を描画すると共に、該交差点拡大図上に進行方向を示すための矢印画像を描画する。また、交差点案内部は、交差点における車両進行方向に関係なく、スクリーン垂直方向の交差点描画座標位置を同じにしているが、水平方向の交差点描画座標位置は進行方向に基づいて制御している。たとえば、交差点における車両進行方向が、(1)直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に交差点を表示し、(2)進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに交差点を表示し、(3)進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに交差点を表示する。これは、進行方向周辺の状況を把握しやすいようにするためである。
また、交差点案内部は、交差点への車両進入方向と交差点からの車両の脱出方向のなす角度差に基づいて交差点での進行方向を決定し、該決定した進行方向を音声で運転手に報知する。
ところで、従来のカーナビゲーションシステムにおける交差点拡大図表示および交差点音声案内は、ディジタル化された地図データ(線図)の持つ座標点情報をそのまま利用して、交差点の進入方向と脱出方向を決定し、これらの方向がなす角度差を求め、該角度差から交差点での進行方向を決定し、該進行方向に基づいて交差点拡大図表示制御や音声案内制御行っている。
【0004】
ディジタル化された地図データにおいて道路は、ノードと該ノード間を接続するリンクで表現され、リンクはノード間に形状補完点を挿入して折れ線近似されて表現されている。交差点における進入リンクの進入方向は交差点に最も近い該進入リンクの形状補完点と交差点とを結ぶ方向であり、脱出リンクの脱出方向は交差点と該交差点に最も近い脱出リンクの形状補完点とを結ぶ方向である。
図19(A)はディジタル化された地図データの一例であり、交差点Oに接続するリンク例である。交差点OにはノードP0〜P3を有する4本のリンクL0〜L3がそれぞれ接続し、リンクL1〜L3の交差点Oの近傍には形状補完点P11,P21,P31が存在する。リンクL1を進入リンク、リンクL2を脱出リンクとすれば、進入方向は図19(B)に示すように、進入リンクL1の交差点ノードOに最も近い形状補完点P11と該交差点ノードOとを接続した方向Aであり、脱出方向は、脱出リンクL2の交差点ノードOに最も近い形状補完点P21と該交差点ノードOとを接続した方向Bと定義される。
【0005】
交差点拡大図は交差点への進入方向Aが12時方向と一致するようにスクリーン上に描画されるため、スクリーンSCRには図20に示すように表示され、リンクL1の全体が12時方向を向くように表示されない。また、脱出角度は進入方向A,脱出方向Bのなす角度θであり(図19(B)参照)、この角度θより交差点での進行方向は斜め左上方向あるいは直進方向であるとみなされる。このため、交差点は図20に示すようにスクリーンの水平方向中央に表示され、真に提供すべきリンクL2周辺の空間を十分に表示できない問題が発生する。また、運転手にとって進行方向は左折であると実感されるにもかかわらず、進行方向は斜め左上方向あるいは直進方向であるとの間違った音声案内がされる問題が発生する。
【0006】
図21は従来の交差点案内方法の説明図であり、(A)に示すようにOを交差点、L1を進入リンク、L2を脱出リンクとする場合であり、実際の案内では、(B)に示すように進入リンクL1の主要部P1P11が12時方向に一致しておらず、しかも、音声案内は「Keep slight left turn (左斜め上方向)」とされるべきところを、「Proceed straight (直進)」と案内される。なお、スクリーンには600ft×600ftの交差点周辺エリアの拡大図が表示される。
図22は交差点表示位置の説明図である。通常、進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であれば図22(A)に示すようにスクリーンの水平方向左寄りに、たとえばスクリーンの水平方向の長さをAとすれば左端からA/6の位置に交差点を表示して進行方向の空間を詳しく見せるようにする。また、進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であれば図22(B)に示すようにスクリーンの水平方向右寄りに、たとえば左端からA・4/5の位置に交差点を表示して進行方向の空間を詳しく見せるようにする。ところで、図23(A)に示すように進入リンクL1が12時方向を向いており、脱出リンクL2の形状補完点P21と交差点Oを結ぶ方向が右斜め上方向を向いていると、交差点Oにおける進行方向は運転手に直進と実感されるにもかかわらず右斜め上方向であると判断される。この結果、スクリーンにおける交差点表示位置は左側になり、図23(B)に示すように表示され、道路右側の空間が広くなりすぎる問題が生じる。
【0007】
図24は交差点が連続する場合の従来の交差点拡大図表示方法の説明図である。(A)に示すように、交差点O1と交差点O2間の距離が設定距離以下であると、これら2つの交差点を含む交差点拡大図を表示する。この場合、進入リンクL1の形状補完点P11と交差点O1とを結ぶ方向が12時の方向と一致するように交差点拡大図が表示される。このため、第1交差点O1における進行方向は斜め左下方向となり、第2交差点O2の進行方向は右折方向となり、(B)に示すようにスクリーンに交差点拡大図が表示され、かつ「XXXマイル先で、斜め左下方向に曲がり、その後右折してください」と音声案内され、運転手が実感する曲がり方と異なる音声案内がなされてしまう。
従来技術として、交差点構成リンクについて複数のサンプリング地点における角度を算出し、算出した角度に基づいてリンク方向を判別し、判別結果に基づいて方向案内情報を出力するものがある特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−51685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この従来技術は、複数のサンプリング地点における角度を算出してリンク方向を計算するものであるため、計算が煩雑となる問題がある。また、従来技術は、交差点が連続する場合に適用できない問題がある。
従って、本発明の目的は、簡単な方法で交差点での進行方向を求めることができ、これにより正しい進行方向の音声案内や交差点拡大図表示をすることである。
本発明の別の目的は、進入リンクが全体的に12時方向を向くように交差点拡大図表示することである。
本発明の別の目的は、進行方向の周辺をより多く見せることができるようにすることである。
本発明の別の目的は、2つの交差点が連続する場合であっても正しい進行方向の音声案内や交差点拡大図表示をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
・交差点拡大図表示方法
本発明の第1の態様は、車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置の交差点拡大図表示方法であり、前記交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出するステップ、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、進入方向が12時方向と一致するように前記交差点拡大図を描画すると共に、前記進入方向から脱出方向に向く進行方向矢印を描画するステップを有している。
上記交差点拡大図表示方法は、更に、前記進入方向と脱出方向の角度差を算出するステップ、該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記交差点の位置座標を計算するステップ、該位置座標に前記交差点が位置するように交差点拡大図表示するステップを備えている。
上記交差点拡大図表示方法は、更に、前記交差点(第1交差点)から次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べるステップ、設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、前記進入方向が12時方向と一致するように前記第1、第2の交差点を含む交差点拡大図を描画し、前記進入方向から脱出方向に向く第1の進行方向矢印を描画するステップを備えている。
上記第1、第2の交差点を含む交差点拡大図表示方法は、前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出する、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を進入方向とし、第2交差点と該交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、該進入方向から脱出方向に向く第2の進行方向矢印を描画するステップを有している。
【0010】
・地図情報作成方法
本発明の第2の態様は、交差点における進行方向を音声で案内する音声情報を含む地図情報を作成する地図情報作成方法であり、交差点ノードに接続する各リンクの形状データを取得するステップ、所定のリンクをそれぞれ進入リンクおよび脱出リンクとし、前記交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出するステップ、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、前記進入方向と脱出方向の角度差を算出するステップ、該角度差に基づいて前記交差点における進行方向を決定するステップ、該進行方向を案内する音声コードを決定するステップ、該案内音声コードを地図情報の交差点データに付加するステップを有している。
上記地図情報作成方法は、更に、前記交差点(第1交差点)から脱出リンク方向の次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べるステップ、設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記第1交差点を結ぶ方向を該第1交差点における進入方向とし、第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を該第1交差点における脱出方向とするステップ、前記進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて前記第1交差点における進行方向を決定するステップ、前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出するステップ、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を該第2交差点における進入方向とし、第2交差点と前記交点を結ぶ方向を該第2交差点における脱出方向とするステップ、前記進入方向と脱出方向の角度差を算出し、該角度差に基づいて前記第2交差点における進行方向を決定するステップ、前記第1、第2交差点における進行方向を案内する音声コードをそれぞれ決定するステップ、該案内音声コードを交差点データに付加するステップを有している。
【0011】
・ナビゲーション装置
本発明の第3の態様は、車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置であり、誘導経路を記憶する誘導経路メモリ、誘導経路上の交差点に接近したことを検出する接近検出部、前記交差点に接近したとき、該交差点を中心にした所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出し、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とし、進入方向が12時方向と一致するように前記交差点拡大図を作成すると共に、前記進入方向から脱出方向に向く進行方向矢印画像を作成する交差点拡大図作成部、該交差点拡大図を表示する表示部を備えている。
上記ナビゲーション装置は、更に、前記進入方向と脱出方向の角度差に応じた進行方向を音声案内する音声コードを取得し、該音声コードを用いて進行方向の案内を音声で行う音声案内部を備えている。
前記交差点拡大図作成部は、前記交差点拡大図表示方法に従って交差点拡大図を表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、着目交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点(進入リンク交点、脱出リンク交点)を算出し、該進入リンク交点と交差点を結ぶ方向を進入方向、交差点と脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とし、更に、進入方向と脱出方向の角度差に基づいて交差点における進行方向を決定し、かつ、スクリーン上の交差点の位置座標を計算するようにしたから、正しい進行方向の音声案内をすることができ、しかも、全体的に進入リンクが12時方向を向くように交差点拡大図を表示することができる。
また、本発明によれば、正しく進行方向を推定できるため、進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであればスクリーンの水平方向中央に交差点を表示でき、進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記交差点を表示でき、該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記交差点を表示できる。この結果、本発明によれば、確実に進行方向の空間、情報をより詳しくユーザーに提供することができる。
また、本発明によれば、2つの交差点が連続する場合、進入リンク交点と最初の第1交差点を結ぶ方向を進入方向とし、該第1交差点と第2交差点を結ぶ方向を脱出方向とし、更に、進入方向と脱出方向の角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定し、かつ、スクリーン上の交差点の位置座標を計算するようにしたから、正しい進行方向の音声案内をすることができ、しかも、全体的に進入リンクが12時方向を向くように交差点拡大図を表示できる。
また、本発明によれば、正しく第1交差点における進行方向を推定できるため、第1交差点での進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであればスクリーンの水平方向中央に前記交差点を表示でき、該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記交差点を表示でき、該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記交差点を表示できる。この結果、本発明によれば、2つの交差点が連続する場合でも進行方向の道路周辺をより詳しくユーザーに提供することができる。
また、本発明によれば、第1交差点の垂直方向位置座標を調整して、確実にスクリーンに第1、第2の交差点を表示することができる。
また、本発明によれば、2つの交差点が連続する場合、第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出し、第1交差点から該第2交差点を結ぶ方向を進入方向とし、第2交差点と該交点を結ぶ方向を脱出方向とし、該進入方向と脱出方向の角度差に基づいて第2の交差点における進行方向を決定するため、第2交差点の進行方向を正しく決定して交差点案内することができる。
また、本発明によれば、前記交差点拡大図表示方法とほぼ同じ方法により音声案内すべき進行方向を決定して音声コードを交差点データに含ませ、交差点に接近したとき該交差点の音声コードに基づいて進行方向の音声案内をするようにしたから、正しい音声案内をすることができる。
また、本発明によれば、交差点が連続する場合にも、前記交差点拡大図表示方法の場合とほぼ同じ方法により音声案内すべき進行方向を決定して音声コードを交差点データに含ませ、交差点に接近したとき該交差点の音声コードに基づいて進行方向の音声案内をするようにしたから、正しい音声案内をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(A) 本発明の原理
図1は本発明の交差点拡大図表示方法の原理説明図であり、交差点に接続するリンクが示されている。(A)に示すように交差点OにはノードP0〜P3を有する4本のリンクL0〜L3がそれぞれ接続し、リンクL1〜L3の交差点Oの近傍には形状補完点P11,P21,P31が存在する。
本発明では進入方向、脱出方向を以下のように決定する。すなわち、交差点Oを中心に所定半径、たとえば、半径200フィートの円CILが進入リンクL1および脱出リンクL2と交わる交点Q1,Q2を算出し、該進入リンク交点Q1と交差点Oを結ぶ方向を進入方向Aとし、交差点Oと脱出リンク交点Q2を結ぶ方向を脱出方向Bとする。交差点拡大図表示に際して、(B)に示すように進入方向Aが12時方向と一致するように該交差点拡大図を描画する。なお、図示しないが、進入方向Aから脱出方向Bに向く所定太さの進行方向矢印も描画する。このようにすれば、進入リンクL1が全体的に12時方向を向き、しかも進行方向を運転手が実感する左折方向とすることができる。また、進入方向Aと脱出方向Bの角度差を算出し、該角度差に基づいて進行方向を決定し、音声案内する。
また、交差点Oにおける進行方向を左折であると正しく判定できるため、図2に示すように、スクリーンSCRの水平方向右寄りに、たとえば左端からA・4/5の位置に交差点Oを表示して進行方向の空間を詳しく見せることができる。
【0014】
図3は本発明の交差点拡大図表示例であり、図23の従来の交差点拡大図表示例と比較するためのものであり、(A)に示すように進入リンクL1が12時方向を向いており、脱出リンクL2の形状補完点P21と交差点Oを結ぶ方向が右斜め上方向を向いている場合である。本発明では、所定半径の円CILが進入リンクL1および脱出リンクL2と交わる交点と交差点Oを結ぶ方向をそれぞれ進入方向A、脱出方向Bとする。このため、進行方向を正しく「直進」と判定でき、図3(B)に示すように、交差点をスクリーンの水平方向中央に表示することができる。図23の従来の交差点拡大図表示例では交差点がスクリーンの左寄りに表示されている。
【0015】
図4は連続する交差点間の距離が設定距離以下、たとえば200フィート以下の場合の交差点拡大図表示方法の原理説明図であり、O1,O2はダブルマニューバを構成する2つの交差点、L1は第1の交差点O1への進入リンク、L2は第1の交差点O1からの脱出リンクで、かつ第2の交差点O2への進入リンクであり、交差点O1,O2間を接続するリンク、L3は第2の交差点O2からの脱出リンクである。P1は進入リンクL1のノード、P11は進入リンクL1の形状補完点、P3は脱出リンクL3のノード、P31は脱出リンクL3の形状補完点である。なお、隣接交差点間の距離が設定距離以下の連続交差点をダブルマニューバ(Double maneuver)という。
ダブルマニューバの場合、第1交差点の進入方向、脱出方向を以下のように決定する。(A)に示すように第1交差点O1を中心に所定半径、たとえば、半径200フィートの円CILを描き、該円が進入リンクL1と交わる交点Q1を算出し、該進入リンク交点Q1と交差点O1を結ぶ方向を進入方向Aとし、第1交差点O1と前記第2交差点O2を結ぶ方向を脱出方向Bとする。進入方向Aと脱出方向Bが求まれば、これらの角度差を算出し、該角度差に基づいて進行方向を決定する。
また、ダブルマニューバの場合、第2交差点の進入方向、脱出方向を以下のように決定する。(B)に示すように第2交差点O2を中心に所定半径、たとえば、半径200フィートの円CIL′を描き、該円が進入リンクL3と交わる交点Q3を算出し、第1交差点O1と第2交差点O2を結ぶ方向を進入方向Aとし、第2交差点O2と交点Q3を結ぶ方向を脱出方向Bとする。第2交差点の進入方向Aと脱出方向Bが求まれば、これらの角度差を算出し、該角度差に基づいて第2交差点での進行方向を決定する。
【0016】
ダブルマニューバの交差点拡大図表示に際して、第1交差点O1における進行方向を決定し、該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に第1交差点O1を表示し、該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに第1交差点O1を表示し、進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに第1交差点O1を表示する。なお、第1交差点の垂直方向位置はスクリーンに第1、第2の交差点が表示されるように決定する。
第1交差点の表示位置が決まれば、図4(C)に示すように第1交差点O1における進入方向が12時方向と一致するように第1、第2の交差点を含む交差点拡大図を描画し、かつ、第1、第2交差点における進行方向を矢印で表示する。また、第1、第2交差点における進行方向を音声案内をする。図の場合には、「XXXマイル後に左折し、それから右折してください」と音声案内する。
音声案内は、あらかじめ地図データの交差点データに音声コードを含ませておき、接近中交差点の交差点データに含まれる音声コードを用いて音声案内する。すなわち、交差点拡大図表示の進行方向決定方法とほぼ同じ方法により進行方向を決定し、該進行方向に応じた音声コードを交差点データに含ませ、交差点に接近したとき該交差点の音声コードに基づいて進行方向の音声案内をする。
【0017】
(B)進行方向
図5は進行方向の説明図であり、(A)に示すように進入方向を12時方向にしたとき該進入方向を0度として、半時計方向に角度をとっている。(B)は進入方向と脱出方向の角度差と進行方向との関係図であり、以下の関係がある。
0度〜56.25度 :右斜め下方向(sharp right turn)
56.25度〜123.75度 :右折方向(right turn)
123.75度〜168.75度 :右斜め上方向(slight right turn)
168.75度〜191.25度 :直進(straight))
191.25度〜236.25度 :左斜め上方向(slight left turn
236.25度〜303.75度 :左折方向(left turn)
303.75度〜360度 :左斜め下方向(sharp left turn)
【0018】
(C)スクリーンにおける交差点の表示位置
・単一交差点
図6はスクリーンにおける交差点の表示位置決定方法の概略説明図である。交差点拡大図はスクリーンを1/2にし、その右半分のスクリーンに表示する。該スクリーンは矩形であり、一辺は実距離のA(フィートft)に相当し、たとえばA=600ftである。すなわち、スクリーンはA×A(600ft×600ft)の領域の拡大図を表示できるようになっている。
交差点の垂直方向位置は(B)に示すように、進行方向に関係なく下端からA・2/3の一定の高さである。水平方向の交差点位置は、以下のように決定される。
(1)交差点における進行方向が、右折方向あるいは右斜め下方向であれば、交差点位置は、(C)に示すようにスクリーンの左端よりA・1/6の水平方向左寄りの位置である。
(2)交差点における進行方向が、左折方向あるいは左斜め下方向であれば、交差点位置は、(D)に示すようにスクリーンの左端よりA・4/5の水平方向右寄りの位置である。
(3)交差点における進行方向が、直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、交差点位置は、(E)に示すようにクリーンの左端よりA・1/2の水平方向中央である。
(4)なお、Uターンの場合にはあらかじめ定められた(F)に示すUターン画像が表示される。
・ダブルマニューバ
交差点が連続するダブルマニューバの場合、最初の交差点(第1交差点)の進行方向に基づいて上記(1)〜(3)に従って該第1交差点の水平方向表示位置を決定する。また、第1交差点の垂直方向の表示位置は、A・3/5として仮に表示し、第1、第2の2つの交差点がスクリーンの所定エリア内に入らなければ第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して該エリア内に入るようにする。
【0019】
(D)スクリーンにおける交差点拡大図の表示方向
図7はスクリーンにおける交差点拡大図の表示方向説明図であり、単一交差点の場合には、(A)に示すように交差点への進入方向が12時方向を向くようにスクリーン内に交差点拡大図を表示し、進入方向から脱出方向に向かうように進行方向矢印を表示する。ダブルマニューバの場合には、(B)に示すように第1交差点への進入方向が12時方向を向くようにスクリーン内に交差点拡大図を表示し、第1交差点の進入方向から脱出方向に向かうように第1の進行方向矢印を表示し、第2交差点の進入方向から脱出方向に向かうように第2の進行方向矢印を表示する。ダブルマニューバの場合、(C)に示すように、第1交差点の垂直方向の表示位置は、仮にA・3/5として表示し、第1、第2の2つの交差点がスクリーンの所定エリアAR内に入らなければ、第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して2つの交差点が該エリア内に入るようにする。なお、エリアARは1辺のサイズがA・3/4の矩形領域である。図8は第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して2つの交差点がエリアAR内に入るように調整する調整法の説明図である。第1交差点O1の垂直方向の表示位置をA・3/5としてダブルマニューバを表示したとき、(A)に示すように第2の交差点O2がエリアAR内に入らず上の方に外れたときには、第1交差点O1の垂直方向の表示位置を下方向にシフトして2つの交差点がエリアAR内に入るようにする。また、第1交差点O1の垂直方向の表示位置をA・3/5としてダブルマニューバを表示したとき、(B)に示すように第2の交差点O2がエリアAR内に入らず下の方に外れたときには、第1交差点O1の垂直方向表示位置を上方向にシフトして2つの交差点がエリアAR内に入るようにする。
【0020】
(E)ナビゲーション装置
図9は本発明の音声コードを含む地図データを用いて進行方向案内をするHDDナビゲーション装置の構成図であり、ナビゲーション制御装置1、リモコン2、ディスプレイ装置(カラーモニター)3、ハードディスク(HDD) 4、HDD制御装置5、マルチビームアンテナ6、GPS受信機7、自立航法用センサ8、オーディオ部9を有している。ハードディスク(HDD)4には、後述する地図情報作成装置で作成した音声コードを含む地図データが記憶されている。自立航法センサ8は、車両回転角度を検出する振動ジャイロ等の相対方位センサ(角度センサ)8a、所定走行距離毎に1個のパルスを発生する距離センサ8bを備えている。
ナビゲーション制御装置1において、地図読出制御部21は、(1)ジョイスティックキーや地図の縮小/拡大キー等で地図の移動操作や地図選択操作がなされた時にフォーカス位置(画面中心の経緯度位置)を計算すると共に、(2)車両位置あるいはフォーカス位置等に基づいて、HDD制御装置5を制御してHDD 4より所定の地図情報を読み出すものである。地図バッファ22はHDDから読み出された地図情報を記憶するもので、地図スクロールができるように車両位置あるいはフォーカス位置周辺の複数枚(複数ユニット)の地図情報、例えば3×3ユニットの地図情報を記憶する。
地図描画部23は、地図バッファ22に記憶された地図情報を用いて地図画像を発生し、VRAM24は地図画像を記憶し、読出制御部25は画面中心位置(車両位置、フォーカス位置)に基づいてVRAM24より切り出す1画面分の位置を変えて車両位置の移動あるいはフォーカス移動に従って地図をスクロール表示する。
【0021】
交差点案内部26は、交差点拡大図処理部26aと交差点音声案内部26bを備え、接近中の交差点における進行方向を交差点拡大図表示と交差点案内音声により案内する。すなわち、実際の経路誘導時に、車両が接近中の交差点より所定距離内に接近した時、交差点拡大図処理部26aは交差点案内図(交差点拡大図、進行方向矢印)をディスプレイ画面に表示し、交差点音声案内部26bは進行方向を音声で案内する。リモコン制御部27はリモコンの操作に応じて信号を受信して各部に指示する。GPSデータ記憶部28はGPS受信機からのGPSデータを記憶し、車両位置・方位計算部29は自立航法センサ出力に基づいて車両位置(推定車両位置)、車両方位を計算する。マップマッチング制御部30は、地図バッファ22に読み出されている地図情報と推定車両位置、車両方位を用いて所定走行距離(たとえば10m)毎に投影法によるマップマッチング処理を行って車両位置を走行道路上に位置修正する。
誘導経路制御部31は、入力された出発地から目的地までの誘導経路(探索経路)の計算処理を行い、誘導経路メモリ32は誘導経路を記憶し、誘導経路描画部33は走行時、誘導経路メモリ32より誘導経路情報(ノード列)を読み出して誘導経路を描画する。操作画面発生部34は各種メニュー画面(操作画面)を発生し、画像合成部35は各種画像を合成して出力する。
【0022】
(F)拡大図表示処理フロー
図10、図11は本発明の交差点拡大図表示処理フローである。
交差点案内部26内の交差点拡大図処理部26aは、車両位置と誘導経路情報を参照して車両が交差点に接近したか監視し(ステップ101)、接近すれば、交差点は連続交差点(ダブルマニューバ)であるかチェックし(ステップ102)、ダブルマニューバでなく単一交差点であれば、Uターンであるかチェックし(ステップ103)、Uターンであれば予め定められたUターン画像(図6(F))をスクリーンに表示する(ステップ104)。
一方、ステップ103においてUターンでなければ、交差点O1(図1参照)を中心に所定半径の円CILを描き、該円が進入リンクL1および脱出リンクL2と交わる交点Q1,Q2(進入リンク交点、脱出リンク交点)を算出する(ステップ105)。ついで、進入リンク交点と交差点を結ぶ方向Aを進入方向とし、交差点と脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向Bとする(ステップ106)。進入方向、脱出方向が求まれば、該進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて交差点における進行方向(図5(B))を決定する(ステップ107)。
ついで、交差点での進行方向より、該交差点のスクリーン上の水平方向表示座標を計算すると共に(ステップ108)、スクリーン上の垂直方向表示座標を計算する(ステップ109)。しかる後、交差点を該スクリーンの表示位置に表示し、かつ、該交差点への進入方向が12時方向を向くように600ft×600ftの交差点拡大図を所定の縮尺でスクリーンSCRに表示する(ステップ110)。最後に、進入方向から脱出方向に向かう進行方向矢印を交差点拡大図上に描画し(ステップ111)、交差点拡大図表示処理を終了する。
【0023】
一方、ステップ102において、交差点がダブルマニューバであれば、交差点O1(図4(A)参照)を中心に所定半径の円CILを描き、該円が進入リンクL1と交わる交点Q1(進入リンク交点)を算出する(ステップ151)。ついで、進入リンク交点Q1と交差点O1を結ぶ方向Aを進入方向とし、第1交差点Q1と第2交差点Q2とを結ぶ方向を脱出方向Bとする(ステップ152)。進入方向、脱出方向が求まれば、該進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定する(ステップ153)。同様に、第2交差点Q2を中心に所定半径の円CIR′が該第2交差点から脱出するリンクL3と交わる交点Q3を算出する(図4(B)参照)。そして、第1交差点O1と第2交差点O2を結ぶ方向を進入方向、第2交差点O2と該交点Q3を結ぶ方向を脱出方向とし、該進入方向と脱出方向の角度差を求め、該角度差に基づいて第2交差点における進行方向を決定する。
ついで、第1交差点O1での進行方向より、該第1交差点O1の水平方向表示座標を計算すると共に(ステップ154)、スクリーン上の垂直方向表示座標を計算する(ステップ155)。しかる後、第1交差点O1を該スクリーンの表示位置に表示し、かつ、該第1交差点への進入方向が12時方向を向くように600ft×600ftの交差点拡大図を所定縮尺でスクリーンSCRに表示する(ステップ156)。最後に、第1交差点O1において進入方向から脱出方向に向かう第1の進行方向矢印を交差点拡大図上に描画し、また、第2交差点O2において進入方向から脱出方向に向かう第2の進行方向を交差点拡大図上に描画する(ステップ157)。
かかる表示状態において、第1、第2の2つの交差点O1、O2がスクリーンの所定エリアAR内に存在するかチェックし(ステップ158)、存在すれば処理を終了する。存在しなければ、第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して2つの交差点O1、O2が該エリア内に入るようにして処理を終了する(図8参照、ステップ159)。
【0024】
以上のように、本発明の交差点拡大図表示方法によれば、簡単な方法で交差点での進行方向を正しく求めることができ、これにより正しい進行方向の交差点拡大図表示ができる。
また、本発明の交差点拡大図表示方法によれば、全体的に進入リンクが12時方向を向くように交差点拡大図を表示することができ、しかも、進行方向の周辺をより多く見せることができ、更には、2つの交差点が連続する場合であっても正しい進行方向の交差点拡大図表示をすることができる。
【0025】
(G)音声案内するための音声コードを有する地図情報の作成
(a)地図情報作成装置
図12は本発明の地図情報作成装置の構成図であり、51はディジタル化された地図データが記録された地図記憶媒体、52は地図記憶媒体から所望の地図データを読み取る地図データ読取部、53は音声コードを地図記憶媒体に書込む音声コード書き込み部、54は交差点における進行方向を案内する音声コードを決定する音声コード決定部である。
地図データには道路を構成するリンク情報や交差点情報が含まれている。図13は交差点情報説明図であり、図14は交差点が図13に示す4本のリンクで構成されている場合の交差点情報説明図である。図13において交差点Oには4つのリンクL0〜L3が接続されている。各リンクL0〜L3の他端ノードはP0〜P3で、リンクL0〜L3は地図のディジタル化により必要に応じて形状補完点Pijが挿入されて折れ線近似されている。交差点情報は、図14に示すように交差点ID(交差点番号)CPID、交差点構成リンク情報CPLK、案内音声情報GSCDを含むが、当初の地図記憶媒体51には、案内音声情報GSCDは記録されていない。この案内音声情報GSCDは、音声案内決定部54が作成して地図記憶媒体51に記録する。
【0026】
交差点構成リンク情報CPLKは、交差点構成リンクL0〜L3を特定するリンクID、各リンクの形状を特定するデータ(形状補完点、ノードの位置データ)を含んでいる。案内音声情報GSCDは所定のリンクを進入リンク、他の全てのリンクを脱出リンクとしたとき、各脱出リンクから交差点を脱出するとした場合における進行方向を案内する音声を特定するコード(音声コード)を保持し、各リンクをそれぞれ進入リンクとした時の音声コードを保持している。図12の音声コード決定部54は、上記のリンク情報と交差点情報とに基づいて交差点における上記の案内音声情報GSCDを作成する。以上は単一交差点の場合であり、たとえば、進入リンクをL0、脱出リンクをL3とすれば、音声コード(右折コード)が、進入リンクL0と脱出リンクL3に対応させて案内音声情報GSCDに保持される。
一方、交差点間距離が200ft以下のダブルマニューバの場合には、音声コードは、進入リンクと2段の脱出リンクに対応させて案内音声情報GSCDに保持される。たとえば、図15(A)に示すように、脱出リンクL3の両側ノードO,P3が交差点で、その距離が200ft以下であり、ノードP3から2つリンクL31、L32が接続されているものとする。かかる場合、(B)に示すように、(1)第1の音声コード(右折コード→左折コード)は、進入リンクL0、第1の脱出リンクL3、第2の脱出リンクL31に対応させて案内音声情報GSCDに保持され、更に、(2)第2の音声コード(右折コード→直進コード)は、進入リンクL0、第1の脱出リンクL3、第2の脱出リンクL32に対応させて案内音声情報GSCDに保持される。
【0027】
(b)音声コード作成処理の全体の処理
図16、図17は音声コード決定部54による音声コード作成処理の全体の処理フローである。
まず、音声コード決定部54は、着目交差点を決定して、該交差点の交差点情報及び該交差点を構成するリンクのリンク情報を地図記憶媒体51から読み出して保存する(ステップ201〜202)。ついで、着目交差点に接続する所定のリンクを進入リンクとし、別のリンクを脱出リンクと決定する(ステップ203〜204)。
しかる後、脱出リンク方向の次の交差点と着目交差点間の距離が設定距離以下であるか、換言すれば脱出リンク方向にダブルマニューバを構成する交差点があるかチェックする(ステップ205)。ダブルマニューバを構成する交差点がなければ、交差点を中心に所定半径の円CIR(図1参照)を描き、該円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点(進入リンク交点、脱出リンク交点)を算出する(ステップ206)。ついで、進入リンク交点と交差点を結ぶ方向Aを進入方向とし、交差点と脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向Bとする(ステップ207)。進入方向、脱出方向が求まれば、該進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて交差点における進行方向(図5(B))を決定し、ステップ203,204で決定した進入リンク、脱出リンクに対応させて該進行方向示す音声コードを着目交差点の案内音声情報欄GSCD(図14)に記入する(ステップ208)。
ついで、進入リンク以外のすべてのリンクを脱出リンクとして上記処理を完了したかチェックし(ステップ209)、完了してなければ脱出リンクを変更し(ステップ210)、ステップ205以降の処理を繰り返す。一方、ステップ209において、進入リンク以外のすべてのリンクを脱出リンクとして上記処理を完了すれば、すべてのリンクを進入リンクとして上記処理を完了したかチェックし(ステップ211)、完了してなければ進入リンクを変更し(ステップ211)、ステップ204以降の処理を繰り返す。
【0028】
一方、ステップ205において、脱出リンク方向にダブルマニューバを構成する交差点(第2交差点)が存在する場合には、着目交差点(第1交差点)を中心に所定半径の円CIL(図4参照)を描き、該円が進入リンクと交わる交点(進入リンク交点)を算出する(ステップ251)。ついで、進入リンク交点と第1交差点を結ぶ方向を進入方向Aとし、第1交差点と第2交差点とを結ぶ方向を脱出方向Bとする(ステップ252)。進入方向、脱出方向が求まれば、該進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定する(ステップ253)。
ついで、ダブルマニューバを構成する第2交差点の脱出リンクを決定し(ステップ254)、該第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点の脱出リンクと交わる交点を算出する(ステップ255)。そして、第1交差点と第2交差点を結ぶ方向を進入方向、第2交差点と該脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とし(ステップ256)、該進入方向と脱出方向の角度差を求め、該角度差に基づいて第2交差点における進行方向を決定し、ステップ203,204,254で決定した進入リンク、第1、第2の脱出リンクに対応させて、第1、第2交差点における2つの進行方向示す音声コードを案内音声情報欄GSCD(図15)に記入する(ステップ257)。
しかる後、第2交差点の進入リンク以外のすべてのリンクを脱出リンクとして上記処理を完了したかチェックし(ステップ258)、完了してなければ脱出リンクを変更し(ステップ259)、ステップ255以降の処理を繰り返す。一方、すべてのリンクを脱出リンクとして上記処理を完了すれば、ステップ209に戻り以降の処理を繰り返す。
以上により、交差点データの案内音声情報欄に各リンクを進入リンクとし、他のすべてのリンクを脱出リンクとするときの進行方向を示す音声コードが記入される。そして、この音声コードを用いて実際のナビゲーション制御時、交差点音声案内部26b(図9参照)は、交差点に車両が接近したとき進行方向の音声案内を行う、
【0029】
(H)音声案内処理
図18は交差点音声案内部26bによる音声案内処理のフローである。
交差点音声案内部26bは、誘導経路情報と車両位置情報に基づいて車両が交差点に接近したか監視し(ステップ301)、接近すれば現走行道路を進入リンク、交差点を実際に脱出する道路を脱出リンクと決定する(ステップ303)。ついで、該交差点がダブルマニューバであるかチェックし(ステップ303)、ダブルマニューバでなく単一交差点であれば、Uターンであるかチェックし(ステップ304)、UターンであればUターンに応じた音声コードを取得し(ステップ305)、該音声コードを用いてUターンの音声案内を行う(ステップ306)。
一方、ステップ304においてUターンでなければ、接近交差点の交差点データより進入リンク、脱出リンクに対応させて記憶されている音声コードを取得し(ステップ307)、該音声コードを用いて交差点における進行方向の音声案内を行う(ステップ306)。また、ステップ303において、ダブルマニューバであれば、誘導経路情報より第2交差点の脱出リンクを求め(ステップ308)、接近交差点の交差点データより進入リンク、脱出リンク、第2交差点の脱出リンクに対応させて記憶されている音声コードを取得し(ステップ309)、該音声コードを用いて交差点における進行方向の音声案内を行う(ステップ306)。
以上、本発明の地図作成方法によれば、簡単な方法で交差点における進行方向を求め、該進行方向に応じた音声データを交差点データに挿入することが可能になり、交差点で該交差点の音声データを用いて進行方向を正しく音声案内することができる。また、2つの交差点が連続する場合であっても正しい進行方向の音声案内をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の交差点拡大図表示方法の原理説明図である。
【図2】進行方向が左折の場合の交差点表示例説明図である。
【図3】進行方向が直進の場合の本発明の交差点拡大図表示例である。
【図4】ダブルマニューバの場合の本発明の交差点拡大図表示例である。
【図5】進行方向の説明図である。
【図6】スクリーンにおける交差点の表示位置決定方法の概略説明図である。
【図7】スクリーンにおける交差点拡大図の表示方向説明図である。
【図8】第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して2つの交差点がエリアAR内に入るように調整する調整法の説明図である。
【図9】本発明の音声コードを含む地図データを用いて進行方向案内をするHDDナビゲーション装置の構成図である。
【図10】本発明の交差点拡大図表示処理フローのその1である。
【図11】本発明の交差点拡大図表示処理フローのその2である。
【図12】本発明の地図情報作成装置の構成図である。
【図13】交差点情報説明図である。
【図14】交差点が図13に示す4本のリンクで構成されている場合の交差点情報説明図である。
【図15】交差点がダブルマニューバの場合の交差点情報説明図である。
【図16】音声コード決定部による音声コード作成処理の全体の処理フロー(その1)である。
【図17】音声コード決定部による音声コード作成処理の全体の処理フロー(その2)である。
【図18】交差点音声案内部による音声案内処理のフローである。
【図19】ディジタル化された地図データの説明図である。
【図20】従来の交差点地図表示の問題点説明図である。
【図21】従来の交差点案内方法の説明図である。
【図22】交差点表示位置の説明図である。
【図23】従来の交差点案内表示例である。
【図24】従来のダブルマニューバにおける交差点案内方法の説明図である。
【符号の説明】
【0031】
O 交差点
L0〜L3 4本のリンク
L1 進入リンク
L2 脱出リンク
CIR 交差点Oを中心に所定半径の円
Q1,Q2 円と進入リンクおよび脱出リンクとの交点
A 進入リンク交点Q1と交差点Oを結ぶ方向を進入方向
B 交差点Oと脱出リンク交点Q2を結ぶ方向を脱出方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置およびその交差点拡大図表示方法並びに地図情報作成方法に関わり、特に、車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置およびその交差点拡大図表示方法、並びに、交差点における進行方向を音声で案内する音声情報を含む地図情報を作成する地図情報作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は車両の位置を検出して地図記録媒体(例えばCD−ROM、DVDディスク、ハードディスク)から車両位置周辺の地図データを読み出し、地図画像をディスプレイ画面に描画するとともに該地図画像上の所定箇所に車両位置マークを重ねて描画する。そして、車両の移動により車両位置が変化するに従い、車両位置マークを画面所定位置に固定して地図をスクロールし、常に、車両位置周辺の地図情報が一目で判るようになっている。また、以上の機能に加えて、ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの誘導経路を探索し、該誘導経路を地図上に表示する経路誘導機能を備え、また、車両が交差点に接近するとスクリーンの1/2を用いて交差点拡大図を表示して交差点での進行方向を矢印で表示したり、音声で交差点における進行方向を案内する機能を備えている。
【0003】
ナビゲーション装置の交差点案内部は、交差点への進入方向が12時方向と一致するようにスクリーン上に交差点拡大図を描画すると共に、該交差点拡大図上に進行方向を示すための矢印画像を描画する。また、交差点案内部は、交差点における車両進行方向に関係なく、スクリーン垂直方向の交差点描画座標位置を同じにしているが、水平方向の交差点描画座標位置は進行方向に基づいて制御している。たとえば、交差点における車両進行方向が、(1)直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に交差点を表示し、(2)進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに交差点を表示し、(3)進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに交差点を表示する。これは、進行方向周辺の状況を把握しやすいようにするためである。
また、交差点案内部は、交差点への車両進入方向と交差点からの車両の脱出方向のなす角度差に基づいて交差点での進行方向を決定し、該決定した進行方向を音声で運転手に報知する。
ところで、従来のカーナビゲーションシステムにおける交差点拡大図表示および交差点音声案内は、ディジタル化された地図データ(線図)の持つ座標点情報をそのまま利用して、交差点の進入方向と脱出方向を決定し、これらの方向がなす角度差を求め、該角度差から交差点での進行方向を決定し、該進行方向に基づいて交差点拡大図表示制御や音声案内制御行っている。
【0004】
ディジタル化された地図データにおいて道路は、ノードと該ノード間を接続するリンクで表現され、リンクはノード間に形状補完点を挿入して折れ線近似されて表現されている。交差点における進入リンクの進入方向は交差点に最も近い該進入リンクの形状補完点と交差点とを結ぶ方向であり、脱出リンクの脱出方向は交差点と該交差点に最も近い脱出リンクの形状補完点とを結ぶ方向である。
図19(A)はディジタル化された地図データの一例であり、交差点Oに接続するリンク例である。交差点OにはノードP0〜P3を有する4本のリンクL0〜L3がそれぞれ接続し、リンクL1〜L3の交差点Oの近傍には形状補完点P11,P21,P31が存在する。リンクL1を進入リンク、リンクL2を脱出リンクとすれば、進入方向は図19(B)に示すように、進入リンクL1の交差点ノードOに最も近い形状補完点P11と該交差点ノードOとを接続した方向Aであり、脱出方向は、脱出リンクL2の交差点ノードOに最も近い形状補完点P21と該交差点ノードOとを接続した方向Bと定義される。
【0005】
交差点拡大図は交差点への進入方向Aが12時方向と一致するようにスクリーン上に描画されるため、スクリーンSCRには図20に示すように表示され、リンクL1の全体が12時方向を向くように表示されない。また、脱出角度は進入方向A,脱出方向Bのなす角度θであり(図19(B)参照)、この角度θより交差点での進行方向は斜め左上方向あるいは直進方向であるとみなされる。このため、交差点は図20に示すようにスクリーンの水平方向中央に表示され、真に提供すべきリンクL2周辺の空間を十分に表示できない問題が発生する。また、運転手にとって進行方向は左折であると実感されるにもかかわらず、進行方向は斜め左上方向あるいは直進方向であるとの間違った音声案内がされる問題が発生する。
【0006】
図21は従来の交差点案内方法の説明図であり、(A)に示すようにOを交差点、L1を進入リンク、L2を脱出リンクとする場合であり、実際の案内では、(B)に示すように進入リンクL1の主要部P1P11が12時方向に一致しておらず、しかも、音声案内は「Keep slight left turn (左斜め上方向)」とされるべきところを、「Proceed straight (直進)」と案内される。なお、スクリーンには600ft×600ftの交差点周辺エリアの拡大図が表示される。
図22は交差点表示位置の説明図である。通常、進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であれば図22(A)に示すようにスクリーンの水平方向左寄りに、たとえばスクリーンの水平方向の長さをAとすれば左端からA/6の位置に交差点を表示して進行方向の空間を詳しく見せるようにする。また、進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であれば図22(B)に示すようにスクリーンの水平方向右寄りに、たとえば左端からA・4/5の位置に交差点を表示して進行方向の空間を詳しく見せるようにする。ところで、図23(A)に示すように進入リンクL1が12時方向を向いており、脱出リンクL2の形状補完点P21と交差点Oを結ぶ方向が右斜め上方向を向いていると、交差点Oにおける進行方向は運転手に直進と実感されるにもかかわらず右斜め上方向であると判断される。この結果、スクリーンにおける交差点表示位置は左側になり、図23(B)に示すように表示され、道路右側の空間が広くなりすぎる問題が生じる。
【0007】
図24は交差点が連続する場合の従来の交差点拡大図表示方法の説明図である。(A)に示すように、交差点O1と交差点O2間の距離が設定距離以下であると、これら2つの交差点を含む交差点拡大図を表示する。この場合、進入リンクL1の形状補完点P11と交差点O1とを結ぶ方向が12時の方向と一致するように交差点拡大図が表示される。このため、第1交差点O1における進行方向は斜め左下方向となり、第2交差点O2の進行方向は右折方向となり、(B)に示すようにスクリーンに交差点拡大図が表示され、かつ「XXXマイル先で、斜め左下方向に曲がり、その後右折してください」と音声案内され、運転手が実感する曲がり方と異なる音声案内がなされてしまう。
従来技術として、交差点構成リンクについて複数のサンプリング地点における角度を算出し、算出した角度に基づいてリンク方向を判別し、判別結果に基づいて方向案内情報を出力するものがある特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−51685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この従来技術は、複数のサンプリング地点における角度を算出してリンク方向を計算するものであるため、計算が煩雑となる問題がある。また、従来技術は、交差点が連続する場合に適用できない問題がある。
従って、本発明の目的は、簡単な方法で交差点での進行方向を求めることができ、これにより正しい進行方向の音声案内や交差点拡大図表示をすることである。
本発明の別の目的は、進入リンクが全体的に12時方向を向くように交差点拡大図表示することである。
本発明の別の目的は、進行方向の周辺をより多く見せることができるようにすることである。
本発明の別の目的は、2つの交差点が連続する場合であっても正しい進行方向の音声案内や交差点拡大図表示をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
・交差点拡大図表示方法
本発明の第1の態様は、車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置の交差点拡大図表示方法であり、前記交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出するステップ、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、進入方向が12時方向と一致するように前記交差点拡大図を描画すると共に、前記進入方向から脱出方向に向く進行方向矢印を描画するステップを有している。
上記交差点拡大図表示方法は、更に、前記進入方向と脱出方向の角度差を算出するステップ、該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記交差点の位置座標を計算するステップ、該位置座標に前記交差点が位置するように交差点拡大図表示するステップを備えている。
上記交差点拡大図表示方法は、更に、前記交差点(第1交差点)から次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べるステップ、設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、前記進入方向が12時方向と一致するように前記第1、第2の交差点を含む交差点拡大図を描画し、前記進入方向から脱出方向に向く第1の進行方向矢印を描画するステップを備えている。
上記第1、第2の交差点を含む交差点拡大図表示方法は、前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出する、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を進入方向とし、第2交差点と該交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、該進入方向から脱出方向に向く第2の進行方向矢印を描画するステップを有している。
【0010】
・地図情報作成方法
本発明の第2の態様は、交差点における進行方向を音声で案内する音声情報を含む地図情報を作成する地図情報作成方法であり、交差点ノードに接続する各リンクの形状データを取得するステップ、所定のリンクをそれぞれ進入リンクおよび脱出リンクとし、前記交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出するステップ、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、前記進入方向と脱出方向の角度差を算出するステップ、該角度差に基づいて前記交差点における進行方向を決定するステップ、該進行方向を案内する音声コードを決定するステップ、該案内音声コードを地図情報の交差点データに付加するステップを有している。
上記地図情報作成方法は、更に、前記交差点(第1交差点)から脱出リンク方向の次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べるステップ、設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記第1交差点を結ぶ方向を該第1交差点における進入方向とし、第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を該第1交差点における脱出方向とするステップ、前記進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて前記第1交差点における進行方向を決定するステップ、前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出するステップ、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を該第2交差点における進入方向とし、第2交差点と前記交点を結ぶ方向を該第2交差点における脱出方向とするステップ、前記進入方向と脱出方向の角度差を算出し、該角度差に基づいて前記第2交差点における進行方向を決定するステップ、前記第1、第2交差点における進行方向を案内する音声コードをそれぞれ決定するステップ、該案内音声コードを交差点データに付加するステップを有している。
【0011】
・ナビゲーション装置
本発明の第3の態様は、車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置であり、誘導経路を記憶する誘導経路メモリ、誘導経路上の交差点に接近したことを検出する接近検出部、前記交差点に接近したとき、該交差点を中心にした所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出し、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とし、進入方向が12時方向と一致するように前記交差点拡大図を作成すると共に、前記進入方向から脱出方向に向く進行方向矢印画像を作成する交差点拡大図作成部、該交差点拡大図を表示する表示部を備えている。
上記ナビゲーション装置は、更に、前記進入方向と脱出方向の角度差に応じた進行方向を音声案内する音声コードを取得し、該音声コードを用いて進行方向の案内を音声で行う音声案内部を備えている。
前記交差点拡大図作成部は、前記交差点拡大図表示方法に従って交差点拡大図を表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、着目交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点(進入リンク交点、脱出リンク交点)を算出し、該進入リンク交点と交差点を結ぶ方向を進入方向、交差点と脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とし、更に、進入方向と脱出方向の角度差に基づいて交差点における進行方向を決定し、かつ、スクリーン上の交差点の位置座標を計算するようにしたから、正しい進行方向の音声案内をすることができ、しかも、全体的に進入リンクが12時方向を向くように交差点拡大図を表示することができる。
また、本発明によれば、正しく進行方向を推定できるため、進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであればスクリーンの水平方向中央に交差点を表示でき、進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記交差点を表示でき、該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記交差点を表示できる。この結果、本発明によれば、確実に進行方向の空間、情報をより詳しくユーザーに提供することができる。
また、本発明によれば、2つの交差点が連続する場合、進入リンク交点と最初の第1交差点を結ぶ方向を進入方向とし、該第1交差点と第2交差点を結ぶ方向を脱出方向とし、更に、進入方向と脱出方向の角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定し、かつ、スクリーン上の交差点の位置座標を計算するようにしたから、正しい進行方向の音声案内をすることができ、しかも、全体的に進入リンクが12時方向を向くように交差点拡大図を表示できる。
また、本発明によれば、正しく第1交差点における進行方向を推定できるため、第1交差点での進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであればスクリーンの水平方向中央に前記交差点を表示でき、該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記交差点を表示でき、該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記交差点を表示できる。この結果、本発明によれば、2つの交差点が連続する場合でも進行方向の道路周辺をより詳しくユーザーに提供することができる。
また、本発明によれば、第1交差点の垂直方向位置座標を調整して、確実にスクリーンに第1、第2の交差点を表示することができる。
また、本発明によれば、2つの交差点が連続する場合、第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出し、第1交差点から該第2交差点を結ぶ方向を進入方向とし、第2交差点と該交点を結ぶ方向を脱出方向とし、該進入方向と脱出方向の角度差に基づいて第2の交差点における進行方向を決定するため、第2交差点の進行方向を正しく決定して交差点案内することができる。
また、本発明によれば、前記交差点拡大図表示方法とほぼ同じ方法により音声案内すべき進行方向を決定して音声コードを交差点データに含ませ、交差点に接近したとき該交差点の音声コードに基づいて進行方向の音声案内をするようにしたから、正しい音声案内をすることができる。
また、本発明によれば、交差点が連続する場合にも、前記交差点拡大図表示方法の場合とほぼ同じ方法により音声案内すべき進行方向を決定して音声コードを交差点データに含ませ、交差点に接近したとき該交差点の音声コードに基づいて進行方向の音声案内をするようにしたから、正しい音声案内をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(A) 本発明の原理
図1は本発明の交差点拡大図表示方法の原理説明図であり、交差点に接続するリンクが示されている。(A)に示すように交差点OにはノードP0〜P3を有する4本のリンクL0〜L3がそれぞれ接続し、リンクL1〜L3の交差点Oの近傍には形状補完点P11,P21,P31が存在する。
本発明では進入方向、脱出方向を以下のように決定する。すなわち、交差点Oを中心に所定半径、たとえば、半径200フィートの円CILが進入リンクL1および脱出リンクL2と交わる交点Q1,Q2を算出し、該進入リンク交点Q1と交差点Oを結ぶ方向を進入方向Aとし、交差点Oと脱出リンク交点Q2を結ぶ方向を脱出方向Bとする。交差点拡大図表示に際して、(B)に示すように進入方向Aが12時方向と一致するように該交差点拡大図を描画する。なお、図示しないが、進入方向Aから脱出方向Bに向く所定太さの進行方向矢印も描画する。このようにすれば、進入リンクL1が全体的に12時方向を向き、しかも進行方向を運転手が実感する左折方向とすることができる。また、進入方向Aと脱出方向Bの角度差を算出し、該角度差に基づいて進行方向を決定し、音声案内する。
また、交差点Oにおける進行方向を左折であると正しく判定できるため、図2に示すように、スクリーンSCRの水平方向右寄りに、たとえば左端からA・4/5の位置に交差点Oを表示して進行方向の空間を詳しく見せることができる。
【0014】
図3は本発明の交差点拡大図表示例であり、図23の従来の交差点拡大図表示例と比較するためのものであり、(A)に示すように進入リンクL1が12時方向を向いており、脱出リンクL2の形状補完点P21と交差点Oを結ぶ方向が右斜め上方向を向いている場合である。本発明では、所定半径の円CILが進入リンクL1および脱出リンクL2と交わる交点と交差点Oを結ぶ方向をそれぞれ進入方向A、脱出方向Bとする。このため、進行方向を正しく「直進」と判定でき、図3(B)に示すように、交差点をスクリーンの水平方向中央に表示することができる。図23の従来の交差点拡大図表示例では交差点がスクリーンの左寄りに表示されている。
【0015】
図4は連続する交差点間の距離が設定距離以下、たとえば200フィート以下の場合の交差点拡大図表示方法の原理説明図であり、O1,O2はダブルマニューバを構成する2つの交差点、L1は第1の交差点O1への進入リンク、L2は第1の交差点O1からの脱出リンクで、かつ第2の交差点O2への進入リンクであり、交差点O1,O2間を接続するリンク、L3は第2の交差点O2からの脱出リンクである。P1は進入リンクL1のノード、P11は進入リンクL1の形状補完点、P3は脱出リンクL3のノード、P31は脱出リンクL3の形状補完点である。なお、隣接交差点間の距離が設定距離以下の連続交差点をダブルマニューバ(Double maneuver)という。
ダブルマニューバの場合、第1交差点の進入方向、脱出方向を以下のように決定する。(A)に示すように第1交差点O1を中心に所定半径、たとえば、半径200フィートの円CILを描き、該円が進入リンクL1と交わる交点Q1を算出し、該進入リンク交点Q1と交差点O1を結ぶ方向を進入方向Aとし、第1交差点O1と前記第2交差点O2を結ぶ方向を脱出方向Bとする。進入方向Aと脱出方向Bが求まれば、これらの角度差を算出し、該角度差に基づいて進行方向を決定する。
また、ダブルマニューバの場合、第2交差点の進入方向、脱出方向を以下のように決定する。(B)に示すように第2交差点O2を中心に所定半径、たとえば、半径200フィートの円CIL′を描き、該円が進入リンクL3と交わる交点Q3を算出し、第1交差点O1と第2交差点O2を結ぶ方向を進入方向Aとし、第2交差点O2と交点Q3を結ぶ方向を脱出方向Bとする。第2交差点の進入方向Aと脱出方向Bが求まれば、これらの角度差を算出し、該角度差に基づいて第2交差点での進行方向を決定する。
【0016】
ダブルマニューバの交差点拡大図表示に際して、第1交差点O1における進行方向を決定し、該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に第1交差点O1を表示し、該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに第1交差点O1を表示し、進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに第1交差点O1を表示する。なお、第1交差点の垂直方向位置はスクリーンに第1、第2の交差点が表示されるように決定する。
第1交差点の表示位置が決まれば、図4(C)に示すように第1交差点O1における進入方向が12時方向と一致するように第1、第2の交差点を含む交差点拡大図を描画し、かつ、第1、第2交差点における進行方向を矢印で表示する。また、第1、第2交差点における進行方向を音声案内をする。図の場合には、「XXXマイル後に左折し、それから右折してください」と音声案内する。
音声案内は、あらかじめ地図データの交差点データに音声コードを含ませておき、接近中交差点の交差点データに含まれる音声コードを用いて音声案内する。すなわち、交差点拡大図表示の進行方向決定方法とほぼ同じ方法により進行方向を決定し、該進行方向に応じた音声コードを交差点データに含ませ、交差点に接近したとき該交差点の音声コードに基づいて進行方向の音声案内をする。
【0017】
(B)進行方向
図5は進行方向の説明図であり、(A)に示すように進入方向を12時方向にしたとき該進入方向を0度として、半時計方向に角度をとっている。(B)は進入方向と脱出方向の角度差と進行方向との関係図であり、以下の関係がある。
0度〜56.25度 :右斜め下方向(sharp right turn)
56.25度〜123.75度 :右折方向(right turn)
123.75度〜168.75度 :右斜め上方向(slight right turn)
168.75度〜191.25度 :直進(straight))
191.25度〜236.25度 :左斜め上方向(slight left turn
236.25度〜303.75度 :左折方向(left turn)
303.75度〜360度 :左斜め下方向(sharp left turn)
【0018】
(C)スクリーンにおける交差点の表示位置
・単一交差点
図6はスクリーンにおける交差点の表示位置決定方法の概略説明図である。交差点拡大図はスクリーンを1/2にし、その右半分のスクリーンに表示する。該スクリーンは矩形であり、一辺は実距離のA(フィートft)に相当し、たとえばA=600ftである。すなわち、スクリーンはA×A(600ft×600ft)の領域の拡大図を表示できるようになっている。
交差点の垂直方向位置は(B)に示すように、進行方向に関係なく下端からA・2/3の一定の高さである。水平方向の交差点位置は、以下のように決定される。
(1)交差点における進行方向が、右折方向あるいは右斜め下方向であれば、交差点位置は、(C)に示すようにスクリーンの左端よりA・1/6の水平方向左寄りの位置である。
(2)交差点における進行方向が、左折方向あるいは左斜め下方向であれば、交差点位置は、(D)に示すようにスクリーンの左端よりA・4/5の水平方向右寄りの位置である。
(3)交差点における進行方向が、直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、交差点位置は、(E)に示すようにクリーンの左端よりA・1/2の水平方向中央である。
(4)なお、Uターンの場合にはあらかじめ定められた(F)に示すUターン画像が表示される。
・ダブルマニューバ
交差点が連続するダブルマニューバの場合、最初の交差点(第1交差点)の進行方向に基づいて上記(1)〜(3)に従って該第1交差点の水平方向表示位置を決定する。また、第1交差点の垂直方向の表示位置は、A・3/5として仮に表示し、第1、第2の2つの交差点がスクリーンの所定エリア内に入らなければ第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して該エリア内に入るようにする。
【0019】
(D)スクリーンにおける交差点拡大図の表示方向
図7はスクリーンにおける交差点拡大図の表示方向説明図であり、単一交差点の場合には、(A)に示すように交差点への進入方向が12時方向を向くようにスクリーン内に交差点拡大図を表示し、進入方向から脱出方向に向かうように進行方向矢印を表示する。ダブルマニューバの場合には、(B)に示すように第1交差点への進入方向が12時方向を向くようにスクリーン内に交差点拡大図を表示し、第1交差点の進入方向から脱出方向に向かうように第1の進行方向矢印を表示し、第2交差点の進入方向から脱出方向に向かうように第2の進行方向矢印を表示する。ダブルマニューバの場合、(C)に示すように、第1交差点の垂直方向の表示位置は、仮にA・3/5として表示し、第1、第2の2つの交差点がスクリーンの所定エリアAR内に入らなければ、第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して2つの交差点が該エリア内に入るようにする。なお、エリアARは1辺のサイズがA・3/4の矩形領域である。図8は第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して2つの交差点がエリアAR内に入るように調整する調整法の説明図である。第1交差点O1の垂直方向の表示位置をA・3/5としてダブルマニューバを表示したとき、(A)に示すように第2の交差点O2がエリアAR内に入らず上の方に外れたときには、第1交差点O1の垂直方向の表示位置を下方向にシフトして2つの交差点がエリアAR内に入るようにする。また、第1交差点O1の垂直方向の表示位置をA・3/5としてダブルマニューバを表示したとき、(B)に示すように第2の交差点O2がエリアAR内に入らず下の方に外れたときには、第1交差点O1の垂直方向表示位置を上方向にシフトして2つの交差点がエリアAR内に入るようにする。
【0020】
(E)ナビゲーション装置
図9は本発明の音声コードを含む地図データを用いて進行方向案内をするHDDナビゲーション装置の構成図であり、ナビゲーション制御装置1、リモコン2、ディスプレイ装置(カラーモニター)3、ハードディスク(HDD) 4、HDD制御装置5、マルチビームアンテナ6、GPS受信機7、自立航法用センサ8、オーディオ部9を有している。ハードディスク(HDD)4には、後述する地図情報作成装置で作成した音声コードを含む地図データが記憶されている。自立航法センサ8は、車両回転角度を検出する振動ジャイロ等の相対方位センサ(角度センサ)8a、所定走行距離毎に1個のパルスを発生する距離センサ8bを備えている。
ナビゲーション制御装置1において、地図読出制御部21は、(1)ジョイスティックキーや地図の縮小/拡大キー等で地図の移動操作や地図選択操作がなされた時にフォーカス位置(画面中心の経緯度位置)を計算すると共に、(2)車両位置あるいはフォーカス位置等に基づいて、HDD制御装置5を制御してHDD 4より所定の地図情報を読み出すものである。地図バッファ22はHDDから読み出された地図情報を記憶するもので、地図スクロールができるように車両位置あるいはフォーカス位置周辺の複数枚(複数ユニット)の地図情報、例えば3×3ユニットの地図情報を記憶する。
地図描画部23は、地図バッファ22に記憶された地図情報を用いて地図画像を発生し、VRAM24は地図画像を記憶し、読出制御部25は画面中心位置(車両位置、フォーカス位置)に基づいてVRAM24より切り出す1画面分の位置を変えて車両位置の移動あるいはフォーカス移動に従って地図をスクロール表示する。
【0021】
交差点案内部26は、交差点拡大図処理部26aと交差点音声案内部26bを備え、接近中の交差点における進行方向を交差点拡大図表示と交差点案内音声により案内する。すなわち、実際の経路誘導時に、車両が接近中の交差点より所定距離内に接近した時、交差点拡大図処理部26aは交差点案内図(交差点拡大図、進行方向矢印)をディスプレイ画面に表示し、交差点音声案内部26bは進行方向を音声で案内する。リモコン制御部27はリモコンの操作に応じて信号を受信して各部に指示する。GPSデータ記憶部28はGPS受信機からのGPSデータを記憶し、車両位置・方位計算部29は自立航法センサ出力に基づいて車両位置(推定車両位置)、車両方位を計算する。マップマッチング制御部30は、地図バッファ22に読み出されている地図情報と推定車両位置、車両方位を用いて所定走行距離(たとえば10m)毎に投影法によるマップマッチング処理を行って車両位置を走行道路上に位置修正する。
誘導経路制御部31は、入力された出発地から目的地までの誘導経路(探索経路)の計算処理を行い、誘導経路メモリ32は誘導経路を記憶し、誘導経路描画部33は走行時、誘導経路メモリ32より誘導経路情報(ノード列)を読み出して誘導経路を描画する。操作画面発生部34は各種メニュー画面(操作画面)を発生し、画像合成部35は各種画像を合成して出力する。
【0022】
(F)拡大図表示処理フロー
図10、図11は本発明の交差点拡大図表示処理フローである。
交差点案内部26内の交差点拡大図処理部26aは、車両位置と誘導経路情報を参照して車両が交差点に接近したか監視し(ステップ101)、接近すれば、交差点は連続交差点(ダブルマニューバ)であるかチェックし(ステップ102)、ダブルマニューバでなく単一交差点であれば、Uターンであるかチェックし(ステップ103)、Uターンであれば予め定められたUターン画像(図6(F))をスクリーンに表示する(ステップ104)。
一方、ステップ103においてUターンでなければ、交差点O1(図1参照)を中心に所定半径の円CILを描き、該円が進入リンクL1および脱出リンクL2と交わる交点Q1,Q2(進入リンク交点、脱出リンク交点)を算出する(ステップ105)。ついで、進入リンク交点と交差点を結ぶ方向Aを進入方向とし、交差点と脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向Bとする(ステップ106)。進入方向、脱出方向が求まれば、該進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて交差点における進行方向(図5(B))を決定する(ステップ107)。
ついで、交差点での進行方向より、該交差点のスクリーン上の水平方向表示座標を計算すると共に(ステップ108)、スクリーン上の垂直方向表示座標を計算する(ステップ109)。しかる後、交差点を該スクリーンの表示位置に表示し、かつ、該交差点への進入方向が12時方向を向くように600ft×600ftの交差点拡大図を所定の縮尺でスクリーンSCRに表示する(ステップ110)。最後に、進入方向から脱出方向に向かう進行方向矢印を交差点拡大図上に描画し(ステップ111)、交差点拡大図表示処理を終了する。
【0023】
一方、ステップ102において、交差点がダブルマニューバであれば、交差点O1(図4(A)参照)を中心に所定半径の円CILを描き、該円が進入リンクL1と交わる交点Q1(進入リンク交点)を算出する(ステップ151)。ついで、進入リンク交点Q1と交差点O1を結ぶ方向Aを進入方向とし、第1交差点Q1と第2交差点Q2とを結ぶ方向を脱出方向Bとする(ステップ152)。進入方向、脱出方向が求まれば、該進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定する(ステップ153)。同様に、第2交差点Q2を中心に所定半径の円CIR′が該第2交差点から脱出するリンクL3と交わる交点Q3を算出する(図4(B)参照)。そして、第1交差点O1と第2交差点O2を結ぶ方向を進入方向、第2交差点O2と該交点Q3を結ぶ方向を脱出方向とし、該進入方向と脱出方向の角度差を求め、該角度差に基づいて第2交差点における進行方向を決定する。
ついで、第1交差点O1での進行方向より、該第1交差点O1の水平方向表示座標を計算すると共に(ステップ154)、スクリーン上の垂直方向表示座標を計算する(ステップ155)。しかる後、第1交差点O1を該スクリーンの表示位置に表示し、かつ、該第1交差点への進入方向が12時方向を向くように600ft×600ftの交差点拡大図を所定縮尺でスクリーンSCRに表示する(ステップ156)。最後に、第1交差点O1において進入方向から脱出方向に向かう第1の進行方向矢印を交差点拡大図上に描画し、また、第2交差点O2において進入方向から脱出方向に向かう第2の進行方向を交差点拡大図上に描画する(ステップ157)。
かかる表示状態において、第1、第2の2つの交差点O1、O2がスクリーンの所定エリアAR内に存在するかチェックし(ステップ158)、存在すれば処理を終了する。存在しなければ、第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して2つの交差点O1、O2が該エリア内に入るようにして処理を終了する(図8参照、ステップ159)。
【0024】
以上のように、本発明の交差点拡大図表示方法によれば、簡単な方法で交差点での進行方向を正しく求めることができ、これにより正しい進行方向の交差点拡大図表示ができる。
また、本発明の交差点拡大図表示方法によれば、全体的に進入リンクが12時方向を向くように交差点拡大図を表示することができ、しかも、進行方向の周辺をより多く見せることができ、更には、2つの交差点が連続する場合であっても正しい進行方向の交差点拡大図表示をすることができる。
【0025】
(G)音声案内するための音声コードを有する地図情報の作成
(a)地図情報作成装置
図12は本発明の地図情報作成装置の構成図であり、51はディジタル化された地図データが記録された地図記憶媒体、52は地図記憶媒体から所望の地図データを読み取る地図データ読取部、53は音声コードを地図記憶媒体に書込む音声コード書き込み部、54は交差点における進行方向を案内する音声コードを決定する音声コード決定部である。
地図データには道路を構成するリンク情報や交差点情報が含まれている。図13は交差点情報説明図であり、図14は交差点が図13に示す4本のリンクで構成されている場合の交差点情報説明図である。図13において交差点Oには4つのリンクL0〜L3が接続されている。各リンクL0〜L3の他端ノードはP0〜P3で、リンクL0〜L3は地図のディジタル化により必要に応じて形状補完点Pijが挿入されて折れ線近似されている。交差点情報は、図14に示すように交差点ID(交差点番号)CPID、交差点構成リンク情報CPLK、案内音声情報GSCDを含むが、当初の地図記憶媒体51には、案内音声情報GSCDは記録されていない。この案内音声情報GSCDは、音声案内決定部54が作成して地図記憶媒体51に記録する。
【0026】
交差点構成リンク情報CPLKは、交差点構成リンクL0〜L3を特定するリンクID、各リンクの形状を特定するデータ(形状補完点、ノードの位置データ)を含んでいる。案内音声情報GSCDは所定のリンクを進入リンク、他の全てのリンクを脱出リンクとしたとき、各脱出リンクから交差点を脱出するとした場合における進行方向を案内する音声を特定するコード(音声コード)を保持し、各リンクをそれぞれ進入リンクとした時の音声コードを保持している。図12の音声コード決定部54は、上記のリンク情報と交差点情報とに基づいて交差点における上記の案内音声情報GSCDを作成する。以上は単一交差点の場合であり、たとえば、進入リンクをL0、脱出リンクをL3とすれば、音声コード(右折コード)が、進入リンクL0と脱出リンクL3に対応させて案内音声情報GSCDに保持される。
一方、交差点間距離が200ft以下のダブルマニューバの場合には、音声コードは、進入リンクと2段の脱出リンクに対応させて案内音声情報GSCDに保持される。たとえば、図15(A)に示すように、脱出リンクL3の両側ノードO,P3が交差点で、その距離が200ft以下であり、ノードP3から2つリンクL31、L32が接続されているものとする。かかる場合、(B)に示すように、(1)第1の音声コード(右折コード→左折コード)は、進入リンクL0、第1の脱出リンクL3、第2の脱出リンクL31に対応させて案内音声情報GSCDに保持され、更に、(2)第2の音声コード(右折コード→直進コード)は、進入リンクL0、第1の脱出リンクL3、第2の脱出リンクL32に対応させて案内音声情報GSCDに保持される。
【0027】
(b)音声コード作成処理の全体の処理
図16、図17は音声コード決定部54による音声コード作成処理の全体の処理フローである。
まず、音声コード決定部54は、着目交差点を決定して、該交差点の交差点情報及び該交差点を構成するリンクのリンク情報を地図記憶媒体51から読み出して保存する(ステップ201〜202)。ついで、着目交差点に接続する所定のリンクを進入リンクとし、別のリンクを脱出リンクと決定する(ステップ203〜204)。
しかる後、脱出リンク方向の次の交差点と着目交差点間の距離が設定距離以下であるか、換言すれば脱出リンク方向にダブルマニューバを構成する交差点があるかチェックする(ステップ205)。ダブルマニューバを構成する交差点がなければ、交差点を中心に所定半径の円CIR(図1参照)を描き、該円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点(進入リンク交点、脱出リンク交点)を算出する(ステップ206)。ついで、進入リンク交点と交差点を結ぶ方向Aを進入方向とし、交差点と脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向Bとする(ステップ207)。進入方向、脱出方向が求まれば、該進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて交差点における進行方向(図5(B))を決定し、ステップ203,204で決定した進入リンク、脱出リンクに対応させて該進行方向示す音声コードを着目交差点の案内音声情報欄GSCD(図14)に記入する(ステップ208)。
ついで、進入リンク以外のすべてのリンクを脱出リンクとして上記処理を完了したかチェックし(ステップ209)、完了してなければ脱出リンクを変更し(ステップ210)、ステップ205以降の処理を繰り返す。一方、ステップ209において、進入リンク以外のすべてのリンクを脱出リンクとして上記処理を完了すれば、すべてのリンクを進入リンクとして上記処理を完了したかチェックし(ステップ211)、完了してなければ進入リンクを変更し(ステップ211)、ステップ204以降の処理を繰り返す。
【0028】
一方、ステップ205において、脱出リンク方向にダブルマニューバを構成する交差点(第2交差点)が存在する場合には、着目交差点(第1交差点)を中心に所定半径の円CIL(図4参照)を描き、該円が進入リンクと交わる交点(進入リンク交点)を算出する(ステップ251)。ついで、進入リンク交点と第1交差点を結ぶ方向を進入方向Aとし、第1交差点と第2交差点とを結ぶ方向を脱出方向Bとする(ステップ252)。進入方向、脱出方向が求まれば、該進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定する(ステップ253)。
ついで、ダブルマニューバを構成する第2交差点の脱出リンクを決定し(ステップ254)、該第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点の脱出リンクと交わる交点を算出する(ステップ255)。そして、第1交差点と第2交差点を結ぶ方向を進入方向、第2交差点と該脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とし(ステップ256)、該進入方向と脱出方向の角度差を求め、該角度差に基づいて第2交差点における進行方向を決定し、ステップ203,204,254で決定した進入リンク、第1、第2の脱出リンクに対応させて、第1、第2交差点における2つの進行方向示す音声コードを案内音声情報欄GSCD(図15)に記入する(ステップ257)。
しかる後、第2交差点の進入リンク以外のすべてのリンクを脱出リンクとして上記処理を完了したかチェックし(ステップ258)、完了してなければ脱出リンクを変更し(ステップ259)、ステップ255以降の処理を繰り返す。一方、すべてのリンクを脱出リンクとして上記処理を完了すれば、ステップ209に戻り以降の処理を繰り返す。
以上により、交差点データの案内音声情報欄に各リンクを進入リンクとし、他のすべてのリンクを脱出リンクとするときの進行方向を示す音声コードが記入される。そして、この音声コードを用いて実際のナビゲーション制御時、交差点音声案内部26b(図9参照)は、交差点に車両が接近したとき進行方向の音声案内を行う、
【0029】
(H)音声案内処理
図18は交差点音声案内部26bによる音声案内処理のフローである。
交差点音声案内部26bは、誘導経路情報と車両位置情報に基づいて車両が交差点に接近したか監視し(ステップ301)、接近すれば現走行道路を進入リンク、交差点を実際に脱出する道路を脱出リンクと決定する(ステップ303)。ついで、該交差点がダブルマニューバであるかチェックし(ステップ303)、ダブルマニューバでなく単一交差点であれば、Uターンであるかチェックし(ステップ304)、UターンであればUターンに応じた音声コードを取得し(ステップ305)、該音声コードを用いてUターンの音声案内を行う(ステップ306)。
一方、ステップ304においてUターンでなければ、接近交差点の交差点データより進入リンク、脱出リンクに対応させて記憶されている音声コードを取得し(ステップ307)、該音声コードを用いて交差点における進行方向の音声案内を行う(ステップ306)。また、ステップ303において、ダブルマニューバであれば、誘導経路情報より第2交差点の脱出リンクを求め(ステップ308)、接近交差点の交差点データより進入リンク、脱出リンク、第2交差点の脱出リンクに対応させて記憶されている音声コードを取得し(ステップ309)、該音声コードを用いて交差点における進行方向の音声案内を行う(ステップ306)。
以上、本発明の地図作成方法によれば、簡単な方法で交差点における進行方向を求め、該進行方向に応じた音声データを交差点データに挿入することが可能になり、交差点で該交差点の音声データを用いて進行方向を正しく音声案内することができる。また、2つの交差点が連続する場合であっても正しい進行方向の音声案内をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の交差点拡大図表示方法の原理説明図である。
【図2】進行方向が左折の場合の交差点表示例説明図である。
【図3】進行方向が直進の場合の本発明の交差点拡大図表示例である。
【図4】ダブルマニューバの場合の本発明の交差点拡大図表示例である。
【図5】進行方向の説明図である。
【図6】スクリーンにおける交差点の表示位置決定方法の概略説明図である。
【図7】スクリーンにおける交差点拡大図の表示方向説明図である。
【図8】第1交差点の垂直方向の表示位置を調整して2つの交差点がエリアAR内に入るように調整する調整法の説明図である。
【図9】本発明の音声コードを含む地図データを用いて進行方向案内をするHDDナビゲーション装置の構成図である。
【図10】本発明の交差点拡大図表示処理フローのその1である。
【図11】本発明の交差点拡大図表示処理フローのその2である。
【図12】本発明の地図情報作成装置の構成図である。
【図13】交差点情報説明図である。
【図14】交差点が図13に示す4本のリンクで構成されている場合の交差点情報説明図である。
【図15】交差点がダブルマニューバの場合の交差点情報説明図である。
【図16】音声コード決定部による音声コード作成処理の全体の処理フロー(その1)である。
【図17】音声コード決定部による音声コード作成処理の全体の処理フロー(その2)である。
【図18】交差点音声案内部による音声案内処理のフローである。
【図19】ディジタル化された地図データの説明図である。
【図20】従来の交差点地図表示の問題点説明図である。
【図21】従来の交差点案内方法の説明図である。
【図22】交差点表示位置の説明図である。
【図23】従来の交差点案内表示例である。
【図24】従来のダブルマニューバにおける交差点案内方法の説明図である。
【符号の説明】
【0031】
O 交差点
L0〜L3 4本のリンク
L1 進入リンク
L2 脱出リンク
CIR 交差点Oを中心に所定半径の円
Q1,Q2 円と進入リンクおよび脱出リンクとの交点
A 進入リンク交点Q1と交差点Oを結ぶ方向を進入方向
B 交差点Oと脱出リンク交点Q2を結ぶ方向を脱出方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置の交差点拡大図表示方法において、
前記交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出するステップ、
前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、
進入方向が12時方向と一致するように前記交差点拡大図を描画すると共に、前記進入方向から脱出方向に向く進行方向矢印を描画するステップ、
を備えたことを特徴とする交差点拡大図表示方法。
【請求項2】
前記進入方向と脱出方向の角度差を算出するステップ、
該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記交差点の位置座標を計算するステップ、
該位置座標に前記交差点が位置するように交差点拡大図表示するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項3】
前記位置座標計算ステップは、
前記角度差に基づいて交差点における進行方向を決定するステップ、
該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
を備えることを特徴とする請求項2記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項4】
前記位置座標計算ステップは、
進行方向に関係なくスクリーンの垂直方向上寄りの位置に交差点を表示するように該交差点の垂直方向位置座標を決定するステップ、
を備えることを特徴とする請求項3記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項5】
前記交差点(第1交差点)から次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べるステップ、
設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、
前記進入方向が12時方向と一致するように前記第1、第2の交差点を含む交差点拡大図を描画し、前記進入方向から脱出方向に向く第1の進行方向矢印を描画するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項6】
前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出する、
前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を進入方向とし、第2交差点と該交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、
該進入方向から脱出方向に向く第2の進行方向矢印を描画するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項5記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項7】
前記第1交差点への進入方向と第1交差点からの脱出方向の角度差を算出するステップ、
該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記第1交差点の位置座標を計算するステップ、
該位置座標に前記第1の交差点が位置するように交差点拡大図表示するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項5または6記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項8】
前記位置座標計算ステップは、
前記角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定するステップ、
該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
を備えることを特徴とする請求項7記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項9】
前記位置座標計算ステップは、
スクリーンに第1、第2の交差点が表示されるように第1交差点の垂直方向位置座標を決定するステップ、
を備えることを特徴とする請求項8記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項10】
交差点における進行方向を音声で案内する音声情報を含む地図情報を作成する地図情報作成方法において、
交差点ノードに接続する各リンクの形状データを取得するステップ、
所定のリンクをそれぞれ進入リンクおよび脱出リンクとし、前記交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出するステップ、
前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、
前記進入方向と脱出方向の角度差を算出するステップ、
該角度差に基づいて前記交差点における進行方向を決定するステップ、
該進行方向を案内する音声コードを決定するステップ、
該案内音声コードを地図情報の交差点データに付加するステップ、
を有することを特徴とする地図情報作成方法。
【請求項11】
進入リンクおよび脱出リンクの全組み合わせについて上記音声コードを決定して交差点データに付加するステップ、
を有することを特徴とする請求項10記載の地図情報作成方法。
【請求項12】
前記交差点(第1交差点)から脱出リンク方向の次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べるステップ、
設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記第1交差点を結ぶ方向を該第1交差点における進入方向とし、第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を該第1交差点における脱出方向とするステップ、
前記進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて前記第1交差点における進行方向を決定するステップ、
前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出するステップ、
前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を該第2交差点における進入方向とし、第2交差点と前記交点を結ぶ方向を該第2交差点における脱出方向とするステップ、
前記進入方向と脱出方向の角度差を算出し、該角度差に基づいて前記第2交差点における進行方向を決定するステップ、
前記第1、第2交差点における進行方向を案内する音声コードをそれぞれ決定するステップ、
該案内音声コードを交差点データに付加するステップ、
を有することを特徴とする請求項10または11記載の地図情報作成方法。
【請求項13】
車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置において、
誘導経路を記憶する誘導経路メモリ、
誘導経路上の交差点に接近したことを検出する接近検出部、
前記交差点に接近したとき、該交差点を中心にした所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出し、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とし、進入方向が12時方向と一致するように前記交差点拡大図を作成すると共に、前記進入方向から脱出方向に向く進行方向矢印画像を作成する交差点拡大図作成部、
該交差点拡大図を表示する表示部、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
前記進入方向と脱出方向の角度差に応じた進行方向を音声案内する音声コードを取得し、該音声コードを用いて進行方向の案内を音声で行う音声案内部、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項15】
前記交差点拡大図作成部は、前記進入方向と脱出方向の角度差を算出し、該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記交差点の位置座標を計算し、該位置座標に前記交差点が位置するように交差点拡大図表示する、
ことを特徴とする請求項13記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
前記交差点拡大図作成部は、前記角度差に基づいて交差点における進行方向を決定し、該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算し、該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算し、該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算する、
ことを特徴とする請求項15記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
前記交差点拡大図作成部は、進行方向に関係なくスクリーンの垂直方向上寄りの位置に交差点を表示するように該交差点の垂直方向位置座標を決定する、
ことを特徴とする請求項16記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
前記交差点拡大図作成部は、前記交差点(第1交差点)から次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べ、設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記第1交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を脱出方向とし、前記進入方向が12時方向と一致するように前記第1、第2の交差点を含む交差点拡大図を作成し、かつ、前記進入方向から脱出方向に向く第1の進行方向矢印画像を作成することを特徴とする請求項13記載のナビゲーション装置。
【請求項19】
前記交差点拡大図作成部は、前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出し、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を進入方向とし、第2交差点と該交点を結ぶ方向を脱出方向とし、該進入方向から脱出方向に向く第2の進行方向矢印画像を作成する、
ことを特徴とする請求項18記載のナビゲーション装置。
【請求項20】
前記交差点拡大図作成部は、前記第1交差点への進入方向と第1交差点からの脱出方向の角度差を算出し、該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記第1交差点の位置座標を計算し、該位置座標に前記第1の交差点が位置するように交差点拡大図表示する、
ことを特徴とする請求項18または19記載のナビゲーション装置。
【請求項21】
前記交差点拡大図作成部は、前記角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定し、該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算し、該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算し、該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算する、
ことを特徴とする請求項20記載のナビゲーション装置。
【請求項22】
前記交差点拡大図作成部は、スクリーンに第1、第2の交差点が表示されるように第1交差点の垂直方向位置座標を決定することを特徴とする請求項21記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置の交差点拡大図表示方法において、
前記交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出するステップ、
前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、
進入方向が12時方向と一致するように前記交差点拡大図を描画すると共に、前記進入方向から脱出方向に向く進行方向矢印を描画するステップ、
を備えたことを特徴とする交差点拡大図表示方法。
【請求項2】
前記進入方向と脱出方向の角度差を算出するステップ、
該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記交差点の位置座標を計算するステップ、
該位置座標に前記交差点が位置するように交差点拡大図表示するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項3】
前記位置座標計算ステップは、
前記角度差に基づいて交差点における進行方向を決定するステップ、
該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
を備えることを特徴とする請求項2記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項4】
前記位置座標計算ステップは、
進行方向に関係なくスクリーンの垂直方向上寄りの位置に交差点を表示するように該交差点の垂直方向位置座標を決定するステップ、
を備えることを特徴とする請求項3記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項5】
前記交差点(第1交差点)から次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べるステップ、
設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、
前記進入方向が12時方向と一致するように前記第1、第2の交差点を含む交差点拡大図を描画し、前記進入方向から脱出方向に向く第1の進行方向矢印を描画するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項6】
前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出する、
前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を進入方向とし、第2交差点と該交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、
該進入方向から脱出方向に向く第2の進行方向矢印を描画するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項5記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項7】
前記第1交差点への進入方向と第1交差点からの脱出方向の角度差を算出するステップ、
該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記第1交差点の位置座標を計算するステップ、
該位置座標に前記第1の交差点が位置するように交差点拡大図表示するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項5または6記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項8】
前記位置座標計算ステップは、
前記角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定するステップ、
該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算するステップ、
を備えることを特徴とする請求項7記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項9】
前記位置座標計算ステップは、
スクリーンに第1、第2の交差点が表示されるように第1交差点の垂直方向位置座標を決定するステップ、
を備えることを特徴とする請求項8記載の交差点拡大図表示方法。
【請求項10】
交差点における進行方向を音声で案内する音声情報を含む地図情報を作成する地図情報作成方法において、
交差点ノードに接続する各リンクの形状データを取得するステップ、
所定のリンクをそれぞれ進入リンクおよび脱出リンクとし、前記交差点を中心に所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出するステップ、
前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とするステップ、
前記進入方向と脱出方向の角度差を算出するステップ、
該角度差に基づいて前記交差点における進行方向を決定するステップ、
該進行方向を案内する音声コードを決定するステップ、
該案内音声コードを地図情報の交差点データに付加するステップ、
を有することを特徴とする地図情報作成方法。
【請求項11】
進入リンクおよび脱出リンクの全組み合わせについて上記音声コードを決定して交差点データに付加するステップ、
を有することを特徴とする請求項10記載の地図情報作成方法。
【請求項12】
前記交差点(第1交差点)から脱出リンク方向の次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べるステップ、
設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記第1交差点を結ぶ方向を該第1交差点における進入方向とし、第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を該第1交差点における脱出方向とするステップ、
前記進入方向と脱出方向の角度差を計算し、該角度差に基づいて前記第1交差点における進行方向を決定するステップ、
前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出するステップ、
前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を該第2交差点における進入方向とし、第2交差点と前記交点を結ぶ方向を該第2交差点における脱出方向とするステップ、
前記進入方向と脱出方向の角度差を算出し、該角度差に基づいて前記第2交差点における進行方向を決定するステップ、
前記第1、第2交差点における進行方向を案内する音声コードをそれぞれ決定するステップ、
該案内音声コードを交差点データに付加するステップ、
を有することを特徴とする請求項10または11記載の地図情報作成方法。
【請求項13】
車両が誘導経路に沿って走行して交差点に接近したとき、交差点拡大図をスクリーンに表示するナビゲーション装置において、
誘導経路を記憶する誘導経路メモリ、
誘導経路上の交差点に接近したことを検出する接近検出部、
前記交差点に接近したとき、該交差点を中心にした所定半径の円が進入リンクおよび脱出リンクと交わる交点を算出し、前記進入リンク交点と前記交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記交差点と前記脱出リンク交点を結ぶ方向を脱出方向とし、進入方向が12時方向と一致するように前記交差点拡大図を作成すると共に、前記進入方向から脱出方向に向く進行方向矢印画像を作成する交差点拡大図作成部、
該交差点拡大図を表示する表示部、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
前記進入方向と脱出方向の角度差に応じた進行方向を音声案内する音声コードを取得し、該音声コードを用いて進行方向の案内を音声で行う音声案内部、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項15】
前記交差点拡大図作成部は、前記進入方向と脱出方向の角度差を算出し、該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記交差点の位置座標を計算し、該位置座標に前記交差点が位置するように交差点拡大図表示する、
ことを特徴とする請求項13記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
前記交差点拡大図作成部は、前記角度差に基づいて交差点における進行方向を決定し、該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算し、該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算し、該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算する、
ことを特徴とする請求項15記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
前記交差点拡大図作成部は、進行方向に関係なくスクリーンの垂直方向上寄りの位置に交差点を表示するように該交差点の垂直方向位置座標を決定する、
ことを特徴とする請求項16記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
前記交差点拡大図作成部は、前記交差点(第1交差点)から次の交差点(第2交差点)までの距離が設定距離以下であるか調べ、設定距離以下であれば、前記進入リンク交点と前記第1交差点を結ぶ方向を進入方向とし、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を脱出方向とし、前記進入方向が12時方向と一致するように前記第1、第2の交差点を含む交差点拡大図を作成し、かつ、前記進入方向から脱出方向に向く第1の進行方向矢印画像を作成することを特徴とする請求項13記載のナビゲーション装置。
【請求項19】
前記交差点拡大図作成部は、前記第2交差点を中心に所定半径の円が該第2交差点から脱出するリンクと交わる交点を算出し、前記第1交差点から前記第2交差点を結ぶ方向を進入方向とし、第2交差点と該交点を結ぶ方向を脱出方向とし、該進入方向から脱出方向に向く第2の進行方向矢印画像を作成する、
ことを特徴とする請求項18記載のナビゲーション装置。
【請求項20】
前記交差点拡大図作成部は、前記第1交差点への進入方向と第1交差点からの脱出方向の角度差を算出し、該角度差に基づいて前記スクリーン上の前記第1交差点の位置座標を計算し、該位置座標に前記第1の交差点が位置するように交差点拡大図表示する、
ことを特徴とする請求項18または19記載のナビゲーション装置。
【請求項21】
前記交差点拡大図作成部は、前記角度差に基づいて第1交差点における進行方向を決定し、該進行方向が直進方向、右斜め上方向、左斜め上方向のいずれかであれば、スクリーンの水平方向中央に前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算し、該進行方向が右折方向あるいは右斜め下方向であればスクリーンの水平方向左寄りに前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算し、該進行方向が左折方向あるいは左斜め下方向であればスクリーンの水平方向右寄りに前記第1交差点が位置するように交差点の水平方向位置座標を計算する、
ことを特徴とする請求項20記載のナビゲーション装置。
【請求項22】
前記交差点拡大図作成部は、スクリーンに第1、第2の交差点が表示されるように第1交差点の垂直方向位置座標を決定することを特徴とする請求項21記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2008−209359(P2008−209359A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48843(P2007−48843)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]