説明

ナビゲーション装置

【課題】 恒常的な路上駐車の有無、交差点の有無を考慮に入れて、運転者に対する車線変更案内を抑制するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
制御装置9は、位置検出装置2で検出される位置情報の信号および地図データ格納装置3から得られる地図データに基づいて地図上の車両の現在位置を算出する(S10)。そして、制御装置9は、現在位置における推奨車線が存在する場合にそれを特定し(S20)、車両の現在走行車線が推奨車線と一致しているか否かを判定する(S40)。そして、一致していないと判定される場合には、時間帯に応じて変化する路上駐車量の情報および道路交通量の情報に基づいて取得される車線変更を回避すべきエリアに現在位置が侵入しているか否かを判定し(S60)、侵入していない場合のみ、車線変更の案内を行い(S70)、侵入している場合は車線変更案内を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行すべき推奨車線を案内するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行すべき車線を運転者に知らせる車線案内装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示されている車線案内装置によれば、複数の走行車線を有する交差点における車線規制情報を無線で発信する交差点情報発信装置と、現在走行している車線を識別するための車線番号情報を無線で発信する走行車線番号発信装置を道路またはその近傍に設け、車両側には、車線規制情報および走行車線番号情報をそれぞれ受信する受信機を設けることで、経路誘導装置が指示する交差点での右左折の際に、事前に適切な走行車線をCPUで判断して車線案内を音声発生部より運転者に知らせることができる。
【0003】
また、道路そのものに起因する車線状況の変化、または渋滞や一時的な交通規制を要因として、推奨走行車線を決定するナビゲーション装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−147292号公報
【特許文献2】特開2000−18956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車線変更が法規的に禁止されていない区間であっても交差点の近くで車線変更を行うことは右左折する車両にとって紛らわしく、不適切な場合がある。また、路上停止車両の存在に関して、特に都市部においては恒常的な路上駐車が交通の妨げとして大きな問題となっており、これを考慮しないで運転者に対して推奨車線を提示することは、走行できない車線を提示してしまうという問題を発生させうる。
【0005】
特許文献1に示す車線案内装置は、交差点や分岐点における走行車線の案内を行うものであり、上述のような状況において不適切なタイミングで車線変更案内を発生する可能性がある。
【0006】
また、特許文献2に示すナビゲーション装置は、道路そのものに起因する車線状況の変化、または渋滞や一時的な交通規制を要因として、推奨走行車線を決定するものであるが、やはり上述のような状況下において不適切なタイミングで車線変更案内を発生する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、例えば恒常的な路上駐車の有無、交差点の有無等を考慮に入れることにより、運転者に対する車線変更案内を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に示すように、自車両の走行すべき推奨車線を特定し、自車両が現在走行している車線が、推奨車線と一致していないと判定された場合に車線変更案内を発するナビゲーション装置において、自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、車線変更を回避すべきエリアに関する情報を取得するエリア情報取得手段を備え、前記現在位置検出手段によって検出された自車両の現在位置が、エリア情報取得手段によって取得されたエリアに侵入している場合に、車線変更案内を抑制することを特徴とする。これにより、車線変更を回避すべきエリアにおいては、車線変更案内が発生されないので、常に適切なタイミングでの車線変更案内が可能となる。
【0009】
また、請求項2に示すように、自車両の走行すべき推奨車線を特定し、自車両が現在走行している車線が、推奨車線と一致していないと判定された場合に車線変更案内を発するナビゲーション装置であって、自車両が車線変更を開始した場合に車線変更が完了する位置を予測する車線変更完了位置予測手段と、車線変更を回避すべきエリアに関する情報を記憶するエリア情報取得手段を備え、車線変更完了位置予測手段によって予測された位置が、エリア情報取得手段によって取得されたエリアに侵入している場合に、車線変更案内を抑制することを特徴とする。これにより、車線変更を回避すべきエリアへの侵入が予測される状況においては、車線変更案内が発生されないので、やはり適切なタイミングでの車線変更案内が可能となる。
【0010】
また、請求項3に示すように、エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、時間帯に応じて変化する情報とし、エリア情報取得手段は、走行している時間帯に対応するエリア情報を取得するようにしてもよい。これにより、現在時刻を加味した上で、車線変更を回避すべきエリアを取得できるので、より適切なタイミングでの車線変更案内が可能となる。
【0011】
また、請求項4,5に示すように、エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、各道路区間における路上駐車量の情報または交差点からの距離に基づいて決定されるようにしてもよい。また、請求項6に示すように、エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、更に各道路区間における交通量の情報も加味して決定されるようにしてもよい。これにより、路上駐車量が多いエリアや交差点の近傍、交通量の多い道路においては、車線変更案内が抑制されるようになるので、適切なタイミングでの車線変更案内が可能となる。
【0012】
また、請求項7に示すように、エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、車両内部に設けられた記憶手段に蓄積するようにしてもよい。これにより、外部より情報を得られないような状況でも、過去に取得したエリア情報を利用して、車線変更案内を抑制することが可能となる。
【0013】
また、請求項8に示すように、エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、使用者による追加、削除、修正のうち少なくともいずれか1つが可能であるようにしてもよい。これにより、車線変更を回避すべきエリア情報を使用者が自由に設定できるので、使用者の好みを反映した車線変更案内が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は本発明におけるナビゲーション装置1の全体構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0016】
ナビゲーション装置1は、位置検出装置2、地図データ格納装置3、スイッチ情報入力装置4、メモリ5、表示装置6、音声出力装置7、データ通信装置8、速度検出装置17と、これら各装置が接続された制御装置9を有する。
【0017】
位置検出装置2は、図示しない地磁気センサー、ジャイロスコープ、距離センサー、および衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機を有している。これらのセンサー等は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサーにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお必要とされる精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサー、各転動輪の車両センサー等を用いてもよい。
【0018】
地図データ格納装置3は、CD−ROMまたはDVD−ROM、メモリカード、HDD等から構成され、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ、目印データおよび交通危険個所データを含む各種データを格納する。
【0019】
スイッチ情報入力装置4は、例えば表示装置6と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置9へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の操作指示を行う。なお、スイッチ情報入力装置4をリモートコントロール端末(以下リモコンと称する)によって構成し、制御装置9との間を無線通信により情報の送受信を行うようにしてもよい。
【0020】
スイッチ情報入力装置4により目的地が設定されると、制御手段9は、位置検出手段2により検出された現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に探索して誘導経路を設定し表示する。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。設定された経路は、地図データ格納装置3から取得した情報に基づき表示装置6に表示される表示地図上に位置検出装置2により検出された現在位置マークと共に重畳表示される。表示地図には、現在位置、経路のほかに、現在時刻、渋滞情報など他の情報表示を付加表示することもできる。
【0021】
メモリ5は、例えばROMやRAMから構成されており、ROMにはナビゲーションのプログラムが格納され、RAMにはプログラムや地図データ格納装置3から取得した地図データ等が一時格納されるようになっている。また、RAMにはセンサー等より得られる車両状態を格納することもできる。
【0022】
表示装置6は、ナビゲーションとして地図や目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶、有機EL等を用いて構成することができる。
【0023】
音声出力装置7はスピーカからなり、案内のための音声や画面操作の説明等を発声する。
【0024】
データ通信装置8は、相互通信機能を有しており、例えば携帯電話等の携帯端末から構成され、制御装置9に容易に着脱可能なように接続されている。もちろん、データ通信装置8を制御装置9に組み込んでもよい。
【0025】
速度検出装置17は車両の走行速度を検出するためのもので、各転動輪の回転センサーなど、車両の速度を検出できる各種センサーから構成される。
【0026】
制御装置9は、互いにバスラインで接続された地図データ取得部10、マップマッチング部11、経路計算部12、経路案内部13、描画部14、画面制御管理部15、通信制御部16、車線変更抑制情報取得部18を含んで構成されている。
【0027】
以下、制御装置9の動作を説明する。
【0028】
地図データ取得部10は、上記各処理部11,12,13,14,15,16,18で必要となる地図データを地図データ格納装置3より取得し、各処理部11,12,13,14,15,16,18に提供する。また、各処理はメモリ5のROMやRAMを使って実行される。
【0029】
マップマッチング部11は、位置検出手段2で検出した位置情報と地図データ格納装置3から取得された地図データの道路形状データ等を使って、現在位置がどの道路上に存在するかを特定する。この際、地図データ取得部10が必要な地図データを地図データ格納装置3より取得する。道路を特定した後、地図データを使用して後述のデータベースサーバー19が認識できる値(インフラリンクID)に変換し、位置情報、検出時刻等と一緒に現在位置情報としてメモリ5に格納する。
【0030】
経路計算部12では、マップマッチング部11で算出された現在位置の情報、利用者がスイッチ情報入力装置4を用いて指定した出発地、目的地等の情報に基づいて、経路を計算する。
【0031】
経路案内部13では、上記経路計算の結果と地図データ内に格納されている道路の形状データ、交差点の位置情報、踏み切りの位置情報等に基づき、案内に必要なポイントを算出したり、どのような案内(右に曲がるのか左に曲がるのか等)が必要なのかを算出したりする。
【0032】
描画部14では、現在位置の地図、高速道路の略図、交差点付近では交差点付近の拡大図等を画面制御管理部15の指示に従って描画し、表示装置6に表示する。画面制御管理部15は、描画部14に表示装置6に表示すべき表示情報の描画指示を行う。
【0033】
通信制御部16は、スイッチ情報入力装置4を用いたユーザ指示または所定時間ごとにデータ通信装置8に指示して相互通信が可能な状態にする。
【0034】
車線変更案内部18は、現在走行車線が推奨車線と異なる場合に、車線変更が必要と判断して案内する。その際、車線変更案内を回避すべきエリアの情報に基づいて、現在の自車位置においては車線変更の案内を抑制するべきか否かを判定した上で動作する。車線変更案内を回避すべきエリアは、各道路区間における路上駐車量の情報および道路交通量の情報に基づいて決定されるものである。この路上駐車量の情報および道路交通量の情報は、必要に応じて外部データベースサーバー19から取得してもよいし、予め(例えば定期的に)取得しておくことも可能である。車線変更案内部18では、それを基に車線変更案内を回避すべきエリアの情報を決定・蓄積する。また、外部データベースサーバー19から取得する以外にも、それらの情報が記録されたCD−ROM、DVD−ROM、メモリカード、HDD等の記憶媒体から直接取得することも可能である。更に、各道路区間における路上駐車量の情報および道路交通量の情報に基づく、車線変更案内を回避すべきエリアの決定を、外部データベースサーバー19の方で行い、その情報をそのまま車両側で取得する構成とすることも可能である。この動作については、フロー図に基づいて、後で詳細に説明する。なお、以下に説明する車線変更案内の抑制処理では、法規的に車線変更が可能であることを前提としている。
【0035】
ここで、本実施形態のナビゲーション装置1の動作について説明する。
【0036】
図2は、本発明の第1の実施形態におけるナビゲーション装置1の動作を示すフロー図である。図2に示すフローは、ナビゲーション装置1に電源供給がなされるとスタートする。
【0037】
まず、ステップ(以下、Sと記す)10では、制御装置9は、位置検出装置2で検出される位置情報の信号および地図データ格納装置3から得られる地図データに基づいて地図上の車両の現在位置を算出する。
【0038】
S20では、S10で算出した現在位置における推奨車線を特定する。この推奨車線は、道路形状や属性に応じて予め記憶されていてもよいし、経路計算部12で算出された設定経路が存在しているなら、それに基づいて特定されるようにしてもよいし、時間帯に応じて特定されるようにしてもよい。そして、推奨車線が特定されない場合には、S10に戻る。
【0039】
S30では、現在走行している車線を認識し、制御装置9に入力する。車線の認識方法としては、図示しないGPS、カメラ等によって認識する方法、または路上機との通信によって認識する方法が考えられる。
【0040】
S40では、S20で特定された推奨車線とS30で認識された現在走行車線とを比較し、不一致の場合S50に進み、一致している場合S10に戻る。また、このステップにおいて、図示しないタイマーを用いて、推奨車線と現在走行車線の関係が、所定時間以上持続していることを条件として、一致・不一致の判定を行うように構成することも可能である。
【0041】
S50では、制御装置9に、現在時刻を入力する。
【0042】
車両の外部に存在するデータベースサーバー19内に、各道路区間における路上駐車量および道路交通量が時間帯ごとに記憶されており、対応する時間帯の情報を取得することにより、車線変更を回避すべきエリアを決定することができるようになっている。例えば、道路交通量および路上駐車量それぞれに基準値を決めて、その値を上回っているエリアを、車線変更を回避すべきエリアと判断することが考えられる。S60では、制御装置9は、S10で算出した現在位置およびS50で入力された現在時刻に基づき、車線変更を回避すべきエリアを決定するとともに、現在位置がそのエリアに侵入しているか否かを判定し、侵入している場合には、車線変更の案内を行わずにS10に戻り、侵入していない場合には、S70に進み、車線変更の案内を実行する。
【0043】
但し、上述した各道路区間における路上駐車量の情報および道路交通量の情報は、必要の都度ではなく、予め(例えば定期的に)取得しておくことも可能である。車線変更案内部18は、それを基に車線変更案内を回避すべきエリアの情報を決定・蓄積する。また、外部データベースサーバー19から取得する以外にも、それらの情報が記録されたCD−ROM、DVD−ROM、メモリカード、HDD等の記憶媒体から直接取得することも可能である。更に、各道路区間における路上駐車量の情報および道路交通量の情報に基づく、車線変更案内を回避すべきエリアの決定を、外部データベースサーバー19の方で行い、その情報をそのまま車両側で取得する構成とすることも可能である。
【0044】
車線変更案内を回避すべきエリアの情報は、上述のように定期的に取得しておく場合以外でも、一度取得したものを蓄積しておくことができる。そのように蓄積されたエリア情報は、使用者によって追加・削除・修正等の編集を加えることが可能である。このエリア情報の編集を具体的に説明すると、データ上では車線変更案内を回避すべきエリアに該当しない領域でも、使用者の好みにより車線変更を抑制したいエリアを追加することができる。また、事前に蓄積された情報が存在していなくても、車線変更案内を回避すべきエリアと判断する必要のないエリアを設定・登録しておくことも可能である。
【0045】
路上駐車量の多いエリアでの車線変更案内抑制の具体的な例を挙げると、例えば、データベース上にて現在の時間帯に路上駐車が多いとされるエリアを走行している場合、最も左の車線が推奨車線であり、車両がその車線を走行していなくても、最も左の車線には路上駐車車両が存在する可能性が高いため、車線変更の案内を抑制する。このような状況は、推奨車線を走行中に、前方の車両を追い越すために、隣の車線に移動した後にも考えられる状況である。
【0046】
なお、時間帯ごとの道路交通量の情報を用い、交差点から所定距離の範囲内であり、かつ道路交通量の多いエリアを、車線変更を回避すべきエリアと判断することも考えられる。
【0047】
図3は、本発明の第2の実施形態におけるナビゲーション装置1の動作を示すフロー図である。図3に示すフローは、ナビゲーション装置1に電源供給がなされるとスタートする。
【0048】
まず、S10では、制御装置9は、位置検出装置2で検出される位置情報の信号および地図データ格納装置3から得られる地図データに基づいて地図上の車両の現在位置を算出する。
【0049】
S20では、S10で算出した現在位置における推奨車線を特定する。この推奨車線は、道路形状や属性に応じて予め記憶されていてもよいし、経路計算部12で算出された設定経路が存在しているなら、それに基づいて特定されるようにしてもよいし、時間帯に応じて特定されるようにしてもよい。そして、推奨車線が特定されない場合には、S10に戻る。
【0050】
S30では、現在走行している車線を認識し、制御装置9に入力する。車線の認識方法としては、図示しないGPS、カメラ等によって認識する方法、または路上機との通信によって認識する方法が考えられる。
【0051】
S40では、S20で特定された推奨車線とS30で認識された現在走行車線とを比較し、不一致の場合S50に進み、一致している場合S10に戻る。また、このステップにおいて、図示しないタイマーを用いて、推奨車線と現在走行車線の関係が、所定時間以上持続していることを条件として、一致・不一致の判定を行うように構成することも可能である。
【0052】
S41では、制御装置9に、速度検出装置17より車両速度の信号を入力し、S50では、現在時刻を入力する。
【0053】
S51では、S41で入力された車両速度の信号およびS50で入力された現在時刻およびS10で算出した車両の現在位置に基づいて車線変更完了予測位置および時刻を算出する。この際、図示しない周囲を監視可能なセンサーを用いて、移動予定の車線に存在する他車両の情報または路面情報を認識し、その情報を加味して車線変更完了予測位置および時刻を算出するようにしてもよい。
【0054】
S60では、制御装置9は、各道路区間における時間帯ごとの路上駐車量の情報および道路交通量の情報とS51で算出した車線変更完了予測時刻に基づき、車線変更を回避すべきエリアを決定するとともに、同じくS51で算出した車線変更完了予測位置がそのエリアに含まれるか否かを判定し、含まれる場合には車線変更の案内を行わずにS10に戻り、含まれない場合にはS70に進み、車線変更の案内を実行する。この実施例においても他実施例と同様に、各道路区間における路上駐車量の情報および道路交通量の情報は、必要の都度、取得するようにしてもよいし、予め(例えば定期的に)取得するようにしてもよい。車線変更案内部18は、それを基に車線変更案内を回避すべきエリアの情報を決定・蓄積する。また、外部データベースサーバー19から取得する以外にも、それらの情報が記録されたCD−ROM、DVD−ROM、メモリカード、HDD等の記憶媒体から直接取得することも可能である。更に、各道路区間における路上駐車量の情報および道路交通量の情報に基づく、車線変更案内を回避すべきエリアの決定を、外部データベースサーバー19の方で行い、その情報をそのまま車両側で取得する構成とすることも可能である。蓄積されたエリア情報は、使用者によって追加・削除・修正等の編集を加えることが可能である。
【0055】
この実施例の具体的な例を挙げると、例えば、車両が推奨でない車線を走行しており、現在の時間にて交通量の多い道路を走行している場合に、現在の自車の速度を考慮して現在位置から車線変更を開始して車線変更が完了する位置を算出する。その車線変更完了予測位置が地図データから得られる次の交差点から所定距離の範囲内になった場合、車線変更の案内を抑制する。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるナビゲーション装置1の動作を示すフロー図である。
【図3】本発明の第2の実施形態におけるナビゲーション装置1の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ナビゲーション装置
2 位置検出装置
3 地図データ格納装置
4 スイッチ情報入力装置
5 メモリ
6 表示装置
7 音声出力装置
8 データ通信装置
9 制御装置
10 地図データ取得部
11 マップマッチング部
12 経路計算部
13 経路案内部
14 描画部
15 画面制御管理部
16 通信制御部
17 速度検出部
18 車線変更案内部
19 データベースサーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行すべき推奨車線を特定し、自車両が現在走行している車線が、前記推奨車線と一致していないと判定された場合に車線変更案内を発するナビゲーション装置であって、
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
車線変更を回避すべきエリア情報を取得するエリア情報取得手段を備え、
前記現在位置検出手段によって検出された自車両の現在位置が、前記エリア情報取得手段によって取得されたエリアに侵入している場合に、前記車線変更案内を抑制することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
自車両の走行すべき推奨車線を特定し、自車両が現在走行している車線が、前記推奨車線と一致していないと判定された場合に車線変更案内を発するナビゲーション装置であって、
自車両が車線変更を開始した場合に車線変更が完了する位置を予測する車線変更完了位置予測手段と、
車線変更を回避すべきエリア情報を取得するエリア情報取得手段を備え、
前記車線変更完了位置予測手段によって予測された位置が、前記エリア情報取得手段によって取得されたエリアに侵入している場合に、前記車線変更案内を抑制することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
前記エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、時間帯に応じて変化する情報であり、前記エリア情報取得手段は、走行している時間帯に対応するエリア情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、各道路区間における路上駐車量の情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、交差点からの距離に基づいて決定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、更に各道路区間における交通量の情報も加味して決定されることを特徴とする請求項4または5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、車両内部に設けられた記憶手段に蓄積可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記エリア情報取得手段によって取得されるエリア情報は、使用者による追加、削除、修正のうち少なくともいずれか1つが可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−192584(P2007−192584A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9106(P2006−9106)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】