説明

ナビゲーション装置

【課題】現在の時刻と目的地への到達時刻を同時に把握することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】出発地から目的地までの経路を探索する演算処理部4と、乗物の現在位置を検出する位置信号受信装置11と、地図情報を記憶する記憶装置2と、演算処理部4により制御され地図61を表示する表示部6と、現在の日付時刻情報を生成し演算処理部4に出力する時計14と、を備えるナビゲーション装置1である。表示部6には、出発地から目的地までの全経路に対応する簡易経路表示バー7が表示され、演算処理部4は、目的地への到着予定時刻を算出し、表示部6に簡易経路表示バー7の一端を出発時刻と対応する色で表示させ、他端を到着予定時刻と対応する色で表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning Systems)衛星から送信される信号を受信して現在位置を検出し、ナビゲーション装置の有する自律航法センサにより検出される情報、及びナビゲーション装置の記録装置に記録される地図情報に基づいて、車両の現在位置と地図情報の道路形状とをマッチングさせて、ナビゲーション画面の地図上に車両の現在位置を表示する。そして、ユーザが目的地を設定すると、検出された現在位置と設定された目的地に基づいて、経路探索を行い、探索された経路をナビゲーション画面の地図上に表示して目的地までの誘導を行っている。
【0003】
また、シミュレーション走行時に、現在の時刻に応じて地図画像の色彩を変化させることで、現在の時刻を視覚的にユーザに知らせ、より現実的な擬似走行を体験することができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、シミュレーション走行時に、目的地への到達時刻に応じて地図画像の色彩を変化させて、視覚的に到達時刻をユーザに知らせるものもある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−16954号公報
【特許文献2】特開2005−233631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シミュレーション走行時に、現在の時刻または目的地への到達時刻に応じて地図画像の色彩を変化させる従来のナビゲーション装置では、現在の時刻と目的地への到達時刻を同時に把握することはできないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、現在の時刻と目的地への到達時刻を同時に把握することができるナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、出発地から目的地までの経路を探索する演算処理部と、乗物の現在位置を検出する位置信号受信装置と、地図情報を記憶する記憶装置と、前記演算処理部により制御され地図を表示する表示部と、現在の日付時刻情報を生成し前記演算処理部に出力する時計と、を備え、前記表示部には、出発地から目的地までの全経路に対応する簡易経路表示バーが表示され、前記演算処理部は、目的地への到着予定時刻を算出し、前記表示部に前記簡易経路表示バーの一端を出発時刻と対応する色で表示させ、他端を到着予定時刻と対応する色で表示させることを特徴とするナビゲーション装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置であって、前記記憶装置には、時刻と色コードとを対応付ける色テーブルが記憶され、前記演算処理部は、前記表示部に前記簡易経路表示バーの一端を出発時刻に対応する色コードにより指定される色で表示させ、他端を到着予定時刻に対応する色コードにより指定される色で表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置であって、前記演算処理部は、出発地から目的地までの経路上の通過点への到着予定時刻を算出し、前記表示部に前記簡易経路表示バー上の前記通過点に対応する位置を該通過点への到着予定時刻に対応する色コードにより指定される色で表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、道路上の状態を示す交通情報を受信する交通情報信号受信装置を備え、前記演算処理部は、前記表示部に簡易経路表示バーの前記道路上の状態に対応する位置に状態アイコンを表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、前記記憶装置には、地図上の各種施設に対応するPOI情報が記憶され、前記演算処理部は、前記表示部に簡易経路表示バーの前記各種施設に対応する位置にPOIアイコンを表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、前記表示部を覆うようにタッチパネルが設けられ、前記タッチパネルは前記簡易経路表示バー上の任意の点がタップされたことを検出して前記演算処理部に出力し、前記演算処理部は前記タップされた点に対応する経路上の地図情報を前記記憶装置より読み出して表示部に表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、前記記憶部には記録フォルダが設けられるとともに、前記表示部には記録フォルダを示す記録フォルダアイコンが表示され、前記タッチパネルは前記簡易経路表示バー上の任意の点から前記記録フォルダアイコン上にドラッグされたことを検出して前記演算処理部に出力し、前記演算処理部は前記ドラッグされた始点に対応する経路上の地図情報を前記記憶フォルダに保存することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のナビゲーション装置であって、前記表示部には前記記録フォルダ内の地図情報に表示される位置のリストが表示され、前記タッチパネルは前記表示部に表示された位置のリストのいずれか1つがタップされたことを検出して前記演算処理部に出力し、前記演算処理部は前記タップされた位置を表示する地図情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のナビゲーション装置であって、前記タッチパネルは前記記録フォルダアイコンがタップされたことを検出して前記演算処理部に出力し、前記演算処理部は前記表示部に前記記録フォルダ内の地図情報に表示される位置のリストを表示させることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、前記演算処理部は前記表示部に表示されている地図上の経路の全経路における範囲を求めるとともに、表示されている範囲を簡易経路表示バーに枠表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、現在の時刻と目的地への到達時刻を同時に把握することができるナビゲーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係るナビゲーション装置について詳細に説明する。なお、このナビゲーション装置は、車載用のカーナビゲーション装置である。
図1は本発明の実施形態に係るナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、位置信号受信装置11と、自律航法装置12と、交通情報信号受信装置13と、外部記憶装置2と、入力装置3と、時計14と、演算処理部4と、描画部5と、表示部6等とからなる。
【0019】
位置信号受信装置11は、少なくとも3つのNAVSTAR(NAVigation System using Timing And Ranging)等の人工衛星から送信されるGPS(Global Positioning System)信号を受信し、演算処理部4に出力する。GPS信号は演算処理部4が現在地の座標を算出するのに用いられる。
【0020】
自律航法装置12は、角度センサ、距離センサ等を備えて構成される。角度センサは、車の角速度(単位時間あたりの水平方向への回転角度)を検出する。距離センサは、車輪の回転に応じて出力される車速パルス信号を検出する。これら角速度信号および車速パルス信号は、演算処理部4による車両の移動方位の変化量や、車両の移動量の算出に用いられる。
【0021】
交通情報信号受信装置13は、例えばVICS(Vehicle Information and Communication System)やその他のデータ通信を行い、通信により得た交通情報の座標を演算処理部4に出力する。ここで交通情報には、例えば道路上の渋滞、交通規制等が含まれる。
【0022】
外部記憶装置2は、HDD、DVD等であり、地図情報やPOI情報(Point of Interest;観光地等の各種施設の情報)が格納されるとともに、日出没時刻テーブル21が格納される。日出没時刻テーブル21は、図2に示すように、日付及び地点の座標(緯度、経度)と、日出時刻及び日没時刻とが対応付けられて格納されている。例えば、緯度35°40”、経度138°40”の場所の1月10日の日出時間は6:08であり、日没時間は17:50であると対応付けられて格納されている。
【0023】
入力装置3は、表示部6を覆うように設けられたタッチパネルであり、電磁誘導式、磁気歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として演算処理部4に出力する。なお、入力装置3は、文字キー、数字キー、検索キーの他、ナビゲーション利用等の各種機能に対応付けられた各種キーを備え、操作されたキーに対する操作信号を演算処理部4に出力してもよい。あるいは、リモートコントローラ、マイク等の入力装置3を備える構成としてもよい。
時計14は、現在の日付時刻情報を生成し、演算処理部4に出力する。
【0024】
演算処理部4は、CPU、主記憶装置等を備え、位置信号受信装置11より出力されるGPS信号により現在位置座標を算出するとともに、自律航法装置12より出力される角速度信号および車速パルス信号により、車両の移動方位、移動量を算出する。また、演算処理部4は、外部記憶装置2の地図情報に含まれる道路情報とGPS信号とのマップマッチングを行うことにより、現在位置座標の補正を行う。
【0025】
演算処理部4の主記憶装置はフラッシュメモリ等であり、演算処理部4を駆動するプログラムや、出発地の座標、現在位置の座標、目的地や経由地の座標、通過経路上の地点の座標、色テーブル41、背景色テーブル42が記憶される。
【0026】
色テーブル41は、図3に示すように、時刻に色コードを対応付けて記憶される。なお、図3では5分毎の時刻に対応して色コードが記憶されているが、その間隔は任意である。色テーブル41の作成方法については、後述する。
【0027】
背景色テーブル42は、図4に示すように、後述する簡易経路表示バー7の左右方向の座標と、出発地、目的地及び経由地、経路上の通過点の座標とが対応付けられるとともに、各地点への到達(予定)時刻とも対応付けられ、さらに到達(予定)時刻に対応する色コードとも対応付けられて記憶されている。背景色テーブル42の作成方法については、後述する。
【0028】
また、演算処理部4は算出された現在位置座標、入力装置3により入力された目的地や経由地の座標、車両の移動方位、移動量、地図情報、道路交通情報等を用いて、経路情報を作成し、経路全長を算出する。ここで、経路情報は、現在地の座標、出発地と目的地及び経由地との間の地点の座標、通過経路上の地点の座標等を含む。
描画部5は、演算処理部4により制御され、演算処理部4より出力された経路情報と外部記憶装置2の地図情報とを用いて、表示部6に表示する表示画像データを作成し、表示部6に出力する。
【0029】
表示部6は、カラー液晶ディスプレイ等である。表示部6は演算処理部4により制御され、表示画像データに基づいて目的地や経由地までの経路が強調表示された地図や、後述する簡易経路表示バー7が表示される。
【0030】
ここで、表示部6の画面に表示される画像について説明する。図5は表示部6の画面に表示される画像の例を示す図である。図5に示すように、表示部6の画面には、全体に経路を含む地図61が表示されるとともに、画面の上部に簡易経路表示バー7が表示されている。
【0031】
簡易経路表示バー7上の画素は、演算処理部4が作成した出発地から目的地までの経路上の通過点と対応している。例えば、簡易経路表示バー7の画素が左右方向にn列に配列されているとすると、左端(1列目)は出発地の座標に対応しており、右端(n列目)は目的地の座標に対応しており、2〜(n−1)列は出発地から目的地までの間の各通過点の座標に対応している。
【0032】
また、簡易経路表示バー7には、左右方向に色階調が段階的に推移して表示されている。画素の各列の色は、対応する地点への到達時間と対応しており、目的地への到達時刻が視覚的に把握できるようになっている。
【0033】
ここで、簡易経路表示バー7の表示に用いる色テーブル41の作成方法について説明する。
まず、演算処理部4は、現在の日時、座標より、日出没時刻テーブル21より「日出時刻」及び「日没時刻」を読み出す。
【0034】
次に、演算処理部4は、色テーブル41の日出時刻以前、及び日没時刻以後の行の「色コード」に最暗色の色コード「ccc」を書き込むとともに、日出時刻と日没時刻との中間の時刻(例えば12:00)の行の「色コード」に最明色の色コード「aaa」を書き込む。また、日出時刻から中間の時刻までの「色コード」には、最暗色から最明色まで輝度が連続的に上昇するように色コードを書き込み、中間の時刻から日没時刻までの「色コード」には、最明色から最暗色まで輝度が段階的に下降するように色コードを書き込む。
以上により、色テーブル41が作成される。
【0035】
次に、簡易経路表示バー7の表示方法について説明する。
まず、ユーザが入力装置3を操作して目的地を入力し、経路探索を指示すると、演算処理部4は背景色テーブル42の「1」の「バー座標」に対応する列の「位置座標」に出発地の座標を書き込むとともに、「n」の「バー座標」に対応する列の「位置座標」に到着地の座標を記憶させる。
【0036】
そして、演算処理部4は出発位置と設定した目的地との間の経路を地図情報を参照して検索するとともに、演算処理部4に制御された描画部5が、演算処理部4より出力された経路情報と外部記憶装置2の地図情報とを用いて、目的地や経由地までの経路が強調表示された地図の表示画像データを作成し、表示部6に出力する。
【0037】
次に、演算処理部4は、探索した経路長をn等分するとともに、経路をn等分する通過点の座標を求め、背景色テーブル42の「2」〜「n−1」の「バー座標」に対応する列の「位置座標」に出発地側から目的地までの順に経路をn−1等分する通過点の座標を記憶させる。
【0038】
次に、演算処理部4は、目的地及び、経路をn等分する地点への到着時刻を算出し、背景色テーブル42の「1」〜「n」の「バー座標」に対応する列の「時刻」に書き込む。
【0039】
次に、演算処理部4は、色テーブル41を参照して、時刻に対応する色コードを背景色テーブル42の「1」〜「n」の「バー座標」に対応する列の「色コード」に書き込む。
【0040】
その後、演算処理部4は、簡易経路表示バー7の1〜n列のそれぞれに対応する色コードの情報を描画部5に出力する。描画部5は色コードの情報をもとに、各色コードにより指定される色により簡易経路表示バー7の各列を表示させる。例えば、1列目は色コード「XXX」により指定される色で表示し、2列目は色コード「XXY」により指定される色で表示し、…k列目は色コード「XYZ」により指定される色で表示し、n列目は色コード「ZZZ」により指定される色で表示する。
【0041】
このように、出発地から目的地までの経路上の通過点と対応する簡易経路表示バー7上の画素を、通過または到着する予定の時刻に対応する色とすることができ、ユーザは到着予定時刻を視覚的に把握することができる。
【0042】
図5において、簡易経路表示バー7には、自車アイコン71及び目的地フラッグ72が表示されている。
自車アイコン71は、出発時には簡易経路表示バー7上の左端に表示されている。また、目的地フラッグ72は右端に表示されている。
【0043】
ナビゲーション装置1を搭載した車が経路に沿って進行すると、図6に示すように、自車アイコン71を表示する位置は、右側に移動する。
自車アイコン71を表示する位置は、演算処理部4において、位置信号受信装置11によって受信・解析した自車位置から目的地までの経路の、全経路に対する比を計算し、求まった比から簡易表示バー上の自車位置を計算することで決定される。決定された自車位置に従って、描画部5が自車アイコン71を描画する。
【0044】
なお、図6では、背景色が図5と異なっている。これは、ナビゲーション装置1を搭載した車の進行が予定より遅れたためである。
すなわち、現在の地点を通過する予定の時刻よりも実際の通過時刻が遅れると、演算処理部4は現在地以降の通過点及び目的地への到着する予定の時刻を再計算し、背景色テーブル42の「時刻」に書き込む。
【0045】
次に、演算処理部4は、色テーブル41を参照して、修正した時刻に対応する色コードを背景色テーブル42の「色コード」に書き込む。
【0046】
その後、演算処理部4は、簡易経路表示バー7の0〜n列のそれぞれに対応する色コードの情報を描画部5に出力する。描画部5は色コードの情報をもとに、各色コードに対応する色を簡易経路表示バー7の各列に表示させる。
【0047】
以上の動作により、ナビゲーション装置1を搭載した車の進行が遅れても、ユーザは遅くなった到着予定時刻を視覚的に把握することができる。
【0048】
なお、以上は予定時刻よりも進行が遅れた場合について説明したが、予定よりも早く現在地を通過した場合も、同様に再計算、表示が行われる。
【0049】
図7は目的地までの経路の途中に渋滞が生じた場合の簡易経路表示バー7の表示例である。この場合、簡易経路表示バー7の途中に渋滞を示す状態アイコン73が表示される。
【0050】
状態アイコン73を表示する位置は、演算処理部4において、交通情報信号受信装置13によって受信・解析した渋滞や交通規制の位置から目的地までの経路の、全経路に対する比を計算し、求まった比から簡易表示バー上の渋滞位置を決定する。決定された渋滞位置に従って、描画部5が状態アイコン73を描画する。
【0051】
ユーザは渋滞や交通規制を示す状態アイコン73を見ることにより、車の進行の遅れを引き起こした原因を把握することができる。
【0052】
また、ユーザの指8が簡易経路表示バー7上の状態アイコン73をタップすると、入力装置3がタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として演算処理部4に出力する。演算処理部4は、位置信号よりユーザが状態アイコン73を表示する位置に触れたことを検出すると、交通情報信号受信装置13によって受信・解析した渋滞の位置の座標に対応する地図情報を外部記憶装置2から読み出し、道路交通情報とともに描画部5に出力する。描画部5は入力された道路交通情報及び地図情報に基づいて、渋滞位置の周辺の地図を表示する表示画像データを作成し、表示部6に出力する。表示部6は入力された表示画像データに基づいて、渋滞位置の周辺の地図を表示する。
【0053】
このように、ユーザは簡易経路表示バー7上の状態アイコン73をタップすることで、渋滞位置の周辺の状況を把握することができ、迂回経路の探索等を行うことができる。
【0054】
図8は目的地までの経路の途中に観光地等の各種施設がある場合の簡易経路表示バー7の表示例である。この場合、簡易経路表示バー7の途中にPOIアイコン74が表示される。
【0055】
POIアイコン74を表示する位置は、演算処理部4において、外部記憶装置2に格納されたPOI情報を参照して得た観光地等の各種施設の位置から目的地までの経路の、全経路に対する比を計算し、求まった比から簡易表示バー上のPOI位置を決定する。決定されたPOI位置に従って、描画部5がPOIアイコン74を描画する。
【0056】
POIアイコン74の背景色を見ることで、ユーザは経路途中の観光地等の各種施設に到着する予定時刻を視覚的に把握することができる。
【0057】
また、ユーザが簡易経路表示バー7上のPOIアイコン74をタップすると、入力装置3がタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として演算処理部4に出力する。演算処理部4は、位置信号よりユーザがPOIアイコン74を表示する位置に触れたことを検出すると、外部記憶装置2からPOI情報及び対応する地図情報を読み出し、描画部5に出力する。描画部5は入力されたPOI情報及び地図情報に基づいて、観光地等の各種施設の周辺の地図を表示する表示画像データを作成し、表示部6に出力する。表示部6は入力された表示画像データに基づいて、観光地等の各種施設の周辺の地図を表示する。
【0058】
このように、ユーザは簡易経路表示バー7上のPOIアイコン74をタップすることで、観光地等の各種施設の周辺の状況を把握することができる。
【0059】
図9は経路上の任意の位置を表示しているときの表示部6の表示例である。この場合、簡易経路表示バー7の途中に現在表示されている地図の経路上の相対位置を示す表示位置アイコン75が表示される。表示位置アイコン75を簡易経路表示バー7上に表示する位置は、地図のスクロール動作に応じて変動する。
【0060】
表示位置アイコン75を表示する位置は、演算処理部4において、表示部6に表示されている地図の位置から目的地までの経路の、全経路に対する比を計算し、求まった比から簡易表示バー上の表示位置を決定する。決定された表示位置に従って、描画部5が表示位置アイコン75を表示する表示画像データを表示部6に出力する。表示部6は入力された表示画像データに基づいて、表示位置アイコン75を表示する。
【0061】
また、ユーザの指8が簡易経路表示バー7上の任意の点をタップすると、入力装置3がタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として演算処理部4に出力する。演算処理部4は、位置信号により、簡易経路表示バー7上のユーザが触れた位置に対応する「バー座標」を算出し、背景色テーブル42を参照して「バー座標」に対応する「位置座標」を求め、描画部5に出力する。描画部5は入力された位置座標に基づいて、簡易経路表示バー7上のユーザが触れた点に表示位置アイコン75を表示するとともに、対応する座標の周辺の地図を表示する表示画像データを作成し、表示部6に出力する。表示部6は入力された表示画像データに基づいて、簡易経路表示バー7上のユーザが触れた点に表示位置アイコン75を表示するとともに、対応する座標の周辺の地図を表示する。
【0062】
なお、外部記憶装置2に地図表示した位置の座標を記録する記録フォルダを設けるとともに、表示部6に記録フォルダを示す記録フォルダアイコン62を表示させてもよい。
【0063】
図10に示すように、ユーザが表示位置アイコン75を記録フォルダアイコン62上にドラッグすると、入力装置3は記録フォルダアイコン62上に表示位置アイコン75がドラッグされたことを検出し、位置信号として演算処理部4に出力する。位置信号が入力された演算処理部4は、表示位置アイコン75に対応する位置を表示する地図情報を外部記憶装置2の記録フォルダに保存する。
【0064】
ユーザが記録フォルダアイコン62をタップすると、入力装置3がタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として演算処理部4に出力する。演算処理部4が位置信号により記録フォルダアイコン62がタップされたことを検出すると、演算処理部4は外部記憶装置2の記録フォルダ内に保存された地図情報に表示される位置のリストを作成し、描画部5に出力する。描画部5は入力された情報に基づいて位置リストを表示する表示画像データを作成し、表示部6に出力する。表示部6は入力された表示画像データに基づいて、図11に示すように、記録フォルダアイコン62の上部に位置リスト63を表示する。
【0065】
ユーザが表示部6に表示された位置リスト63のうち、任意の1つをタップすると、入力装置3がタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を位置信号として演算処理部4に出力する。演算処理部4が位置信号により位置リストの任意の1つがタップされたことを検出すると、演算処理部4は外部記憶装置2の記録フォルダ内に保存された対応する位置を表示する地図情報を読み出し、描画部5に出力する。描画部5は入力された地図情報に基づいて表示画像データを作成し、表示部6に出力する。表示部6は入力された表示画像データに基づいて、地図を表示する。
【0066】
図12(a)は経路上の任意の位置を表示しているときの簡易経路表示バー7の他の表示例である。この場合、簡易経路表示バー7には、現在表示されている地図上の表示範囲を示す表示枠77が表示されている。表示枠77が簡易経路表示バー7上に表示される位置は、地図61のスクロール動作に応じて変動する。
【0067】
図12(b)は出発地から目的地までの全経路60のうち図12(a)の画面に表示される範囲を示す地図である。図12(b)において、破線で示されているのが、図12(a)で表示されている地図の範囲であり、表示枠77に示される経路の範囲である。
【0068】
表示枠77は例えば以下のようにして表示される。まず、演算処理部4は、背景色テーブル42を参照して、表示部6に表示されている地図61上の経路64に含まれる「位置座標」を求める。次に、演算処理部4は、「位置座標」に対応する「バー座標」を求め、描画部5に出力する。描画部5は、入力された「バー座標」を囲む表示枠77を表示する表示画像データを作成し、表示部6に出力する。表示部6は入力された表示画像データに基づいて、表示枠77を表示する。
【0069】
ユーザは、表示枠77の簡易経路表示バー7上の位置を見ることで、地図画面に表示されている経路が、全経路に対してどの程度の割合なのかを視覚的に把握することができる。
【0070】
図13に示すように、ユーザの指8が表示枠77を左右方向にドラッグすると、入力装置3は表示枠77が簡易経路表示バー7上でドラッグされたことを検出し、位置信号として演算処理部4に出力する。位置信号が入力された演算処理部4は、表示枠77の変位より、新たな表示枠77に含まれる「バー座標」を求め、背景色テーブル42を参照して、「バー座標」に対応する「位置座標」を求め、「位置座標」に対応する地図情報を外部記憶装置2から読み出し、新たな表示枠77に含まれる「バー座標」とともに描画部5に出力する。描画部5は入力された地図情報及び、新たな表示枠77に含まれる「バー座標」に基づいて表示画像データを作成し、表示部6に出力する。表示部6は入力された表示画像データに基づいて、図14(a)に示すように地図61及び表示枠77を表示する。
【0071】
図14(b)は出発地から目的地までの全経路60のうち図14(a)の画面に表示される範囲を示す地図である。このように、ユーザが簡易経路表示バー7上で表示枠77をドラッグすることで、ユーザは全経路60上の先行位置の状況を把握すること等ができる。
なお、図示しないカーソルキーにより表示枠77を左右に移動させるようにしてもよい。
【0072】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、その他の具体的な細部についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】日出没時刻テーブル21を示す図である。
【図3】色テーブル41を示す図である。
【図4】背景色テーブル42を示す図である。
【図5】表示部6の画面に表示される画像の例を示す図である。
【図6】簡易経路表示バー7の表示例を示す図である。
【図7】簡易経路表示バー7の表示例を示す図である。
【図8】簡易経路表示バー7の表示例を示す図である。
【図9】表示部6の画面に表示される画像の例を示す図である。
【図10】表示部6の画面に表示される画像の例を示す図である。
【図11】表示部6の画面に表示される画像の例を示す図である。
【図12】(a)は表示部6の画面に表示される画像の例を示す図であり、(b)は出発地から目的地までの経路のうち(a)の画面に表示される範囲を示す地図である。
【図13】簡易経路表示バー7の表示例を示す図である。
【図14】(a)は表示部6の画面に表示される画像の例を示す図であり、(b)は出発地から目的地までの経路のうち(a)の画面に表示される範囲を示す地図である。
【符号の説明】
【0074】
1 ナビゲーション装置
2 外部記憶装置
3 入力装置
4 演算処理部
6 表示部
7 簡易経路表示バー
11 位置信号受信装置
12 自律航法装置
13 交通情報信号受信装置
14 時計
21 日出没時刻テーブル
41 色テーブル
61 地図
62 記録フォルダアイコン
71 自車アイコン
72 目的地フラッグ
73 状態アイコン
74 POIアイコン
75 表示位置アイコン
77 表示枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までの経路を探索する演算処理部と、
乗物の現在位置を検出する位置信号受信装置と、
地図情報を記憶する記憶装置と、
前記演算処理部により制御され地図を表示する表示部と、
現在の日付時刻情報を生成し前記演算処理部に出力する時計と、
を備え、
前記表示部には、出発地から目的地までの全経路に対応する簡易経路表示バーが表示され、
前記演算処理部は、目的地への到着予定時刻を算出し、前記表示部に前記簡易経路表示バーの一端を出発時刻と対応付けられた色で表示させ、他端を到着予定時刻と対応付けられた色で表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記記憶装置には、時刻と色コードとを対応付ける色テーブルが記憶され、
前記演算処理部は、前記表示部に前記簡易経路表示バーの一端を出発時刻に対応する色コードにより指定される色で表示させ、他端を到着予定時刻に対応する色コードにより指定される色で表示させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記演算処理部は、出発地から目的地までの経路上の通過点への到着予定時刻を算出し、前記表示部に前記簡易経路表示バー上の前記通過点に対応する位置を該通過点への到着予定時刻に対応する色コードにより指定される色で表示させることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
道路上の状態を示す交通情報を受信する交通情報信号受信装置を備え、
前記演算処理部は、前記表示部に簡易経路表示バーの前記道路上の状態に対応する位置に状態アイコンを表示させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記記憶装置には、地図上の各種施設に対応するPOI情報が記憶され、
前記演算処理部は、前記表示部に簡易経路表示バーの前記各種施設に対応する位置にPOIアイコンを表示させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記表示部を覆うようにタッチパネルが設けられ、
前記タッチパネルは前記簡易経路表示バー上の任意の点がタップされたことを検出して前記演算処理部に出力し、
前記演算処理部は前記タップされた点に対応する経路上の地図情報を前記記憶装置より読み出して表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記記憶部には記録フォルダが設けられるとともに、前記表示部には記録フォルダを示す記録フォルダアイコンが表示され、
前記タッチパネルは前記簡易経路表示バー上の任意の点から前記記録フォルダアイコン上にドラッグされたことを検出して前記演算処理部に出力し、
前記演算処理部は前記ドラッグされた始点に対応する経路上の地図情報を前記記憶フォルダに保存することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記表示部には前記記録フォルダ内の地図情報に表示される位置のリストが表示され、
前記タッチパネルは前記表示部に表示された位置のリストのいずれか1つがタップされたことを検出して前記演算処理部に出力し、
前記演算処理部は前記タップされた位置を表示する地図情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記タッチパネルは前記記録フォルダアイコンがタップされたことを検出して前記演算処理部に出力し、
前記演算処理部は前記表示部に前記記録フォルダ内の地図情報に表示される位置のリストを表示させることを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記演算処理部は前記表示部に表示されている地図上の経路の全経路における範囲を求めるとともに、表示されている範囲を簡易経路表示バーに枠表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−209370(P2008−209370A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48969(P2007−48969)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】