説明

ナビゲーション装置

【課題】車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タンとする(最大エネルギを確保する)管理ができること。
【解決手段】特定車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って表示画面及び音声でルート案内する。前記車両がその車両登録地点から所定の距離内に戻ってきたと判断されたとき、車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問い、ステップS12及びステップS13からなる帰路確認部で「帰路」であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で車両登録地点付近、即ち、人為的に設定した車両登録地点中心に半径3Km円以内にあるエネルギ供給所を表示し、ステップS16及びステップS17でそこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、ステップS18で車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されたと判断すると、経由地案内部で特定されたエネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用のナビゲーション装置に関するもので、特に、車両登録地点に戻る前に特定のエネルギ供給所に立ち寄ることが義務化されている車両のナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置としては特許文献1に記載のものがある。
当該特許文献1には、設定された出発地と目的地との間のルートを探索するナビゲーション装置において、道路ネットワークデータを記憶する記憶部と、車両の駆動装置に供給されるエネルギの残量を検出する検出部と、ルート探索処理を行う演算部とを備え、前記演算部は、出発地から目的地へのルートを、記憶部内の道路ネットワークデータを参照して探索し、探索したルートに従って車両を誘導または案内している最中に、エネルギの残量を検出する検出部からの検出結果を受け取ると、当該検出結果が示す残量を所定の基準値と比較し、残量が基準値以下と判断した場合、エネルギの供給所を検索し、自車位置から、検索した供給所への供給ルートを、前記記憶部内の道路ネットワークデータに基づいて探索するものである。
【特許文献1】特開2001−317951
【0003】
特許文献1においては、既に探索されたルート上をルート案内中であっても新しい目的地を自動的に設定できるという技術を開示している。
特許文献1によって、通常のナビゲーション装置においては、ユーザは走行前に最初の目的地を設定することができる。しかし、最初に探索されたルートを車両が走行中という状況下で、他の情報によってその目的地を変更することはできなかった。
しかし、例えば、燃料の欠乏、食事、トイレに限らず、車両が走行前に探索された最適ルートを走行中に、ユーザの環境状況が変化し、寄り道しなければならない場合が発生する。その場合には、車両を安全に運転しながら、車両を誘導することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のナビゲーション装置は、既に探索されたルートの案内中に、新しい目的地を自動的に設定できるという技術を開示しているものの、ナビゲーション装置が動作中に修正設定するものであり、エネルギが7〜8割の残量であれば動作しない。
ところが、レンタカーや社有車両、共用車両、タクシーの場合には、レンタカーの場合には返却時に、社有車両、共用車両、タクシーの場合には車庫に車両を格納する前に燃料(エネルギ)が満タンになっていることが前提となっている。このようなレンタカーや社有車両、共用車両、タクシーの場合の燃料管理には、特許文献1の技術は使用できないものである。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タンとする(最大エネルギを確保する)管理ができるナビゲーション装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1にかかるナビゲーション装置は、エネルギ供給所選択部で特定の車両の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行であることが特定されたとき、経由地案内部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、特定のエネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものである。
ここで、上記特定の車両の車両登録地点は、1以上の車両登録地点とすることができる。前記車両登録地点に対する帰路であることが特定されたときとは、ナビゲーションにより車両登録地点に対するルート探索の設定がなされたときには、帰路を特定するものである。特に、ここで帰路とは、単に出発登録地点のみでなく、出発登録地点以外の何れかの車両登録地点が設定されたときにも帰路と判断される。
また、上記エネルギ供給所選択部は、前記車両登録地点に対する帰路であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するものであるが、単一の場合には、一義的にそれが選択されたことになり、複数ある場合には、人為的に選択するものである。
そして、上記経由地案内部は、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、特定のエネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものであり、人為的にルート案内を遮断しない限り、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所を経由地として案内するものである。特に、本発明はナビゲーション装置にソフトウエアの追加のみで対応でき、その付加価値を高めることができる。
【0007】
請求項2にかかるナビゲーション装置は、帰路確認部で車両がその特定の車両登録地点の所定の距離内になったとき、前記車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問い、前記車両登録地点に対する帰路であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものである。
ここで、ここで、上記特定の車両の車両登録地点は、1以上の車両登録地点とすることができる。上記帰路確認部は、前記特定の車両の車両登録地点から所定の距離内の走行に戻ってきたときを含む特定の車両登録地点の所定の距離内になったとき、前記車両登録地点に対する帰路か、否かを問うものであり、帰路が判明している操作が行われておれば、帰路を選択されたと判定するものであり、ナビゲーション機能によってルート案内されていないときにも、所定の距離内の走行に戻ってきたときをもって判断入力を得るものである。特に、ここで帰路とは、単に出発登録地点のみでなく、出発登録地点以外の何れかの車両登録地点が設定されたときにも帰路と判断される。
また、上記エネルギ供給所選択部は、前記特定の登録地点に対する帰路であることが特定されたとき、前記車両の登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するものであるが、単一の場合には、一義的にそれが選択されたことになり、複数のエネルギ供給所がある場合には、人為的に選択するものである。
そして、上記経由地案内部は、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、特定のエネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものであり、例え、それまでルート案内されていなくとも、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所のルート案内をするものである。
【0008】
請求項3にかかるナビゲーション装置は、帰路確認部で車両がその特定の車両の車両登録地点から所定の距離内の走行になったとき、前記車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問い、前記帰路であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、経由地案内部で特定された前記エネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内とし、前記車両の立ち寄りが確認されたとき、以降の走行ルートを認識可能な色彩でその軌跡を表示し、イグニッションスイッチの切断では解消しない表示とするものである。
ここで、上記特定の車両の車両登録地点は、1以上の車両登録地点とすることができる。上記帰路確認部は、前記特定の車両の車両登録地点から所定の距離内の走行に戻ってきたとき、前記車両登録地点に対する帰路か、否かを問うものであり、帰路が判明している操作が行われておれば、帰路を選択されたと判定するものであり、ナビゲーション機能によってルート案内されていないときにも機能するものである。特に、ここで帰路とは、単に出発登録地点のみでなく、出発登録地点以外の何れかの車両登録地点が設定されたときにも帰路と判断される。
また、上記エネルギ供給所選択部は、前記車両登録地点に対する帰路であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するものであるが、単一の場合には、一義的にそれが選択されたことになり、複数のエネルギ供給所がある場合には、人為的に選択するものである。
そして、上記経由地案内部は、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、特定のエネルギ供給所を経由するルートのルート案内を行うものであり、それまで前記車両登録地点までルート案内を受けていても、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所をそのルートに加えたルート案内として継続するものである。
更に、上記軌跡表示部は、前記経由地案内部で以降の走行ルートを認識可能な色彩で軌跡を表示し、イグニッションスイッチの切断では解消しない表示とするものであり、必要に応じてイグニッションスイッチの投入により所定時間経過後に消去、または所定の消去操作によって消去するものである。
【0009】
請求項4にかかるナビゲーション装置の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、前記車両登録地点から所定の距離を超えた後、当該所定の距離以内に戻ってきたことによって判断するものである。
ここで、所定の距離とは、単一の特定の距離に設定することができるし、また、複数の距離を前提とすることもできる。そして、特定の市街地の内外とすることもできる。
【0010】
請求項5にかかるナビゲーション装置の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、前記車両登録地点が前記車両の走行目的地に設定されているときには、帰路が選択されたとするものである。前記車両登録地点が前記車両の走行目的地に設定されているときとは、自宅(登録地点)に帰る旨のキー操作によって登録地点を走行目的地に設定された場合も同様である。
【0011】
請求項6にかかるナビゲーション装置の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、特定の目的地に対してルートのルート案内をしていないときでも、前記車両登録地点から所定の距離以内に戻ってきたことによって、ルート探索及びルート案内を開始するものである。
ここで、特定の目的地に対してルート探索及びルート案内をしていないときとは、GPSを使用して道路走行中の車両の位置が表示されていても、特定の目的地をセットしてそのルート探索及びルート案内をしていないときである。この場合でも、前記車両登録地点から所定の距離以内に戻ってきたことによって、ルート案内を開始するものである。
【0012】
請求項7にかかるナビゲーション装置の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、特定の目的地として車両登録地点外が選択されそのルート探索をし、ルート案内しているときに、車両が所定の距離内に戻ってきたとしても、帰路と判断しないものである。ここで、特定の目的地として車両登録地点外が選択され、そのルート案内しているときには、仮に、車両が所定の距離内に戻ってきたとしても、前記車両の登録地点を走行目的地としていないので、帰路と判断しないものである。
【0013】
請求項8にかかるナビゲーション装置の車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、その車両登録地点に向かって前記車両の走行車線を走行しているとき、その反対車線にあるエネルギ供給所を除くものである。ここで、反対車線にあるエネルギ供給所を除くのは、無駄な走行を行わないものである。また、その車両登録地点よりも以遠にあるエネルギ供給所を除くものである。
【0014】
請求項9にかかるナビゲーション装置の車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、前記エネルギ供給所のカード使用、販売店の系列、エネルギ価格等の情報の1つ以上を付加したものである。ここで、前記エネルギ供給所の情報として、カード使用の可否、販売店の系列、エネルギ価格等の情報の1つ以上を表示または音声ルート案内によって行うものである。
【0015】
請求項10にかかるナビゲーション装置の車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、単一のエネルギ供給所のみの場合には、前記エネルギ供給所が選択されたと一義的に決定するものである。
【0016】
請求項11にかかるナビゲーション装置の車両登録地点に到着したとき、事務処理メッセージを案内するものである。この事務処理メッセージとは、レンタカーや社有車両、共用車両、タクシー等、イグニツションキーの取り扱い等のように定まったルールに従った処理を案内するものである。
【0017】
請求項12にかかるナビゲーション装置のエネルギ供給所とは、ガソリンスタンド、アルコールスタンド、LPGスタンド等の液体燃料の供給所、電気スタンド等の電気の充電場所等を意味するものである。
【0018】
請求項13にかかるナビゲーション装置は、特定の車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って案内するナビゲーション装置において、前記車両が前記車両登録地点に向かう走行であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択されると、選択された前記エネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行い、前記車両が前記車両登録地点に到着する前に、前記車両が前記エネルギ供給所に立ち寄るものである。即ち、本発明のナビゲーション装置は、前記車両が前記車両登録地点に対する走行であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が選択されたことにより、特定された前記エネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行い、前記車両を前記エネルギ供給所に立ち寄らせるものである。特に、本発明はナビゲーション装置にソフトウエアの追加のみで対応でき、その付加価値を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1のナビゲーション装置は、特定車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って表示画面及び音声でルート案内する。前記車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものである。
したがって、車両がその特定の車両の車両登録地点に対する走行が特定されると、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由する車両登録地点に戻るルート探索及びルート案内を行うことができる。よって、車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タン、充電完了状態とする(最大エネルギを確保する)管理ができる。
【0020】
請求項2のナビゲーション装置は、特定の車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って表示画面及び音声でルート案内する。前記車両がその車両登録地点の所定の距離内になったとき、前記車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行であるか、否かを問い、帰路確認部で前記帰路であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものである。
したがって、車両がその車両登録地点に向かうときの走行が確認されると、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由する車両登録地点に戻るルート探索及びルート案内を行うことができる。よって、車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タン、充電完了状態とする(最大エネルギを確保する)管理ができる。
【0021】
請求項3のナビゲーション装置は、特定の車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って表示画面及び音声でルート案内する。前記車両がその1以上の車両の車両登録地点のうちの特定の所定の距離内になったとき、前記車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行であるか、否かを問い、帰路確認部で前記帰路であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、経由地案内部で特定された前記エネルギ供給所を経由するルートのルート案内に切り替えるものである。そして、軌跡表示部によって、前記経由地案内部で表示した以降の走行軌跡を認識可能な色彩で表示し、かつ、それがイグニッションスイッチの切断では解消しない表示としたものである。
したがって、車両がその特定の車両の車両登録地点に戻るときの走行が確認されると、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、その際に車両登録地点に対するルート案内を行っていても、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由する車両登録地点に戻るルートのルート案内に切り替えることができる。よって、車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タン、充電完了状態とする(最大エネルギを確保する)管理ができる。そして、軌跡表示部によって、前記経由地案内部で表示した以降の走行軌跡を認識可能とし、かつ、それがイグニッションスイッチの切断では解消しない表示としたものであるから、一旦、最大エネルギを確保しておきながら、他の走行を行った場合には、その記録を管理者または後に車両に乗り込んだドライバに知らせることができ、最大エネルギを確保する信頼性を向上できる。
特に、前記車両がその1以上の車両登録地点のうちの特定の車両登録地点の所定の距離内になったときを判断するものであるから、レンタカーのように、複数の車両の返却箇所がある場合に好適な設定となる。
【0022】
請求項4のナビゲーション装置の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、前記車両登録地点から所定の距離を超えた後、当該所定の距離以内に戻ってきたことによって判断するものであるから、請求項2または請求項3に記載の効果に加えて、ナビゲーション機能を使用していないときでも、使用しているときでも、前記車両登録地点に戻る場合には、常に燃料を満タン、充電完了状態とする管理される車両であることをドライバに知らせることができる。
【0023】
請求項5のナビゲーション装置の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、前記車両登録地点が前記車両の走行目的地に設定されているときには帰路と特定するものであるから、請求項2乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、自宅(登録地点)に帰る等のキー操作または前記車両登録地点が前記車両の走行目的地に設定されたことをもって帰路を判断するものであるから、ドライバの意思を直接正確に得ることができる。
【0024】
請求項6のナビゲーション装置の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、特定の目的地に対してルート案内していないときでも、前記車両登録地点から所定の距離以内に戻ってきたことを判断し、そのルートのルート案内を開始するものであるから、請求項2乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、ナビゲーション機能でルート案内されるまでなく熟知している道路の走行であっても、前記車両登録地点に戻る場合には、常に燃料を満タン、充電完了状態とする管理される車両であることをドライバに知らせることができる。
【0025】
請求項7のナビゲーション装置の車両登録地点に対する帰路、即ち、特定の車両の車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、特定の目的地として特定の車両登録地点外が選択されルート案内しているときには、所定の距離内に戻ってきても帰路と判断しないものであるから、請求項2乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、不要な操作を行う必要がなくなる。
【0026】
請求項8のナビゲーション装置の車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、前記車両の走行車線によって反対車線側にある前記エネルギ供給所を除くものであるから、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、特別にエネルギ供給所のための回り道を走行しなくともエネルギの供給ができるから、ドライバの負担を軽減することができる。
【0027】
請求項9のナビゲーション装置の車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、前記エネルギ供給所のカード使用の可否、販売店の系列、エネルギ価格等の情報の1つ以上を付加したものであるから、請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の効果に加えて、ドライバが自分の金銭管理に適したエネルギ供給所を選択することができる。
【0028】
請求項10のナビゲーション装置の車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、単一のエネルギ供給所のみの場合には、前記エネルギ供給所が選択されたと一義的に決定するものであるから、請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載の効果に加えて、ドライバの判断の手間を省略することができる。
【0029】
請求項11のナビゲーション装置は、前記車両登録地点に到着したとき、事務処理メッセージを案内するものであるから、請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載の効果に加えて、前記車両が特定の車両登録地点に到着したとき、ドライバに次の工程を説明するものであるから、初心者であっても惑わない手順が示唆できる。
【0030】
請求項12のナビゲーション装置の前記エネルギ供給所とは、ガソリンスタンド、アルコールスタンド、LPGスタンド等の液体燃料の供給所、電気スタンド等の電気充電場所の何れか1つ以上の液体燃料または電気を供給する場所とするものであるから、請求項1乃至請求項11の何れか1つに記載の効果に加えて、現実的なレンタカー、社有車両、共用車両、タクシー等の運用に合致した運用が期待できる。
【0031】
請求項13の特定の車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って案内するナビゲーション装置は、前記車両が前記車両登録地点に対する走行であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示すると共に、そこから立ち寄るエネルギ供給所の選択を自在とし、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が選択されると、選択された前記エネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行い、前記車両が前記車両登録地点に到着する前に、前記車両が前記エネルギ供給所に立ち寄るルート案内をするものである。
したがって、車両がその特定の車両の車両登録地点に向かう走行が確認されると、エネルギ供給所選択部で前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が選択されると、特定のエネルギ供給所を経由する車両登録地点に戻るルート案内に切り替えることができる。よって、車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タン、充電完了状態とする(最大エネルギを確保する)管理ができる。特に、前記車両がその1以上の車両登録地点のうちの特定の車両登録地点の所定の距離内になったときを判断するものであるから、レンタカーのように、複数の車両の返却箇所がある場合に好適な設定となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中、同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
図1は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の一部機能表現を含む全体構成を示すブロック図である。また、図2は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置のディスプレイで表示された説明図、図3は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の初期設定ルーチンのフローチャート、図4は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置のメインルーチンのフローチャート、図5及び図6は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置のスタンド立ち寄りルーチンのフローチャートである。図7は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置によって軌跡を表示したディスプレイの画面の説明図である。
【0033】
図1において、本実施の形態のナビゲーション装置は、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うマイクロプロセッサからなる演算・制御部1と、操作者からの操作を受け付ける各種キー入力、音声入力、タッチスイッチ等の操作部2と、操作者に対して操作情報、地図等の情報を表示する液晶、EL等からなるディスプレイ3と、ルート案内、交通規制情報、渋滞情報の案内に関する音声ガイダンスを行うスピーカ4と、更に、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となるように各種センサからなる自車の現在位置を検出する現在地検出部6と、道路交通情報通信システムセンター(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System)7等の情報センタとの間でネットワーク71を介して通信を行う通信部8、各種のデータが記録され、書込み、読み出しが可能な記憶容量が大きいハードディスクからなるデータ処理記憶部9とから構成されている。
なお、ディスプレイ3は操作部2としてのタッチスイッチを兼ねているものもある。
【0034】
マイクロプロセッサからなる演算・制御部1は、全体の制御を行う演算及び制御を行うCPU11、及びCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用すると共に、ルートが探索されたときのルートデータや交通規制情報が存在するリンクID等が記憶されるRAM12、制御用プログラムの他、渋滞回避ルートへの変更をユーザに案内するルート変更案内処理プログラム等が記憶されたROM13、ROM13から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ14等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ15等を備えている。RAM12、ROM13、フラッシュメモリ14等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用され、演算及び制御を行うCPU11は、MPU等の演算機能を有するものの使用が可能である。
【0035】
ROM13には、各種のプログラムが記憶され、RAM12に各種のデータが記憶されるようになっており、また、プログラム、データ等を外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリ14に書き込む。更に、メモリーカード等を交換することによってプログラム、データ等を更新することができる。
そして、自車の現在位置を検出する現在地検出部6は、GPSセンサ61、地磁気センサ62、距離センサ63、ステアリングセンサ64、方位検出部としてのジャイロセンサ65、高度計66、更に、自車の走行速度及び走行距離を検出する車速センサ67、エンジンの駆動を行うイグニッションスイッチ68等からなる。
【0036】
なお、本実施の形態のナビゲーション装置は、ネットワーク71を介して道路交通情報通信システムセンター7から警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や、交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報としては、道路渋滞情報の場合、後述のVICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、後述のVICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0037】
また、ネットワーク71としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0038】
更に、本実施の形態のナビゲーション装置を構成する各構成要素について図1に基づいて具体的に説明する。
GPSセンサ61は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在位置及び現在時刻を検出する。地磁気センサ62は、地磁気を測定することによって自車方位を検出する。距離センサ63は、道路上の所定位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ63としては、例えば、自車の車輪の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するが、車速センサ67の出力を積分して距離を検出してもよい。イグニッションスイッチ68はエンジンの指導及び停止を検出するものである。
【0039】
また、ステアリングセンサ64は自車の操舵角を検出するものである。ここで、ステアリングセンサ64としては、例えば、ステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、ジャイロセンサ65は自車の旋回角を検出するものである。ここで、ジャイロセンサ65としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ65によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0040】
また、データ処理記憶部9は、本実施の形態ではハードディスクを使用した場合で説明する。このハードディスクに記憶された交通情報DB(データベース)91、地図情報DB94、及び所定のプログラム等を読み出す機能を備えている。
なお、本実施の形態においては、データ処理記憶部9としてハードディスクが使用されているが、ハードディスクの他に、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置の一部として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード等を外部記憶装置の一部として使用することもできる。
【0041】
交通情報DB91には、道路交通情報通信システムセンター7から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報92が格納されている。また、この交通情報DB91には、道路交通情報通信システムセンター7から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報93が格納されている。
道路交通情報通信システムセンター7から受信した各道路交通情報には、種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度等の情報と共に、VICSリンクIDが含まれる。VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記道路交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0042】
なお、地図情報DB94に記憶される道路とVICSリンクとは同一ではない。即ち、一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。そこで、交通情報DB91には、各道路に識別番号として付与されるリンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応するリンクIDを特定することができるようになっている。そのため、本実施の形態のナビゲーション装置は、道路交通情報通信システムセンター7からVICSリンクIDを受信すると、該VICSリンクIDに基づいて渋滞情報等の道路交通情報を表示すべき道路の区間を特定することができる。そして、道路交通情報通信システムセンター7から受信した現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて渋滞情報92として格納される。また、道路交通情報通信システムセンター7から受信した交通規制情報等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて交通規制情報93として格納される。
【0043】
また、地図情報DB94には、本実施の形態のナビゲーション装置の走行案内やルート探索に使用されるナビ地図情報95が格納されている。ここで、ナビ地図情報95には、ルート案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路に関するリンクデータ、ルートを探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。そして、地図情報DB94の内容は、地図情報配信センタから通信部8を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0044】
ここで、特に、地図表示データとしては、10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
【0045】
ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離毎に設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
【0046】
リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道の他、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
【0047】
そして、探索データとしては、設定された目的地までのルートを探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際のコスト(以下、単に「ノードコスト」という)や道路を構成するリンクのコスト(以下、単に「リンクコスト」という)からなる探索コストを算出する為に使用するコストデータ、ルート探索により選択された誘導ルートをディスプレイ3の地図上に表示するためのルート表示データ等から構成されている。
【0048】
店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDと共に記録される。なお、前記地図情報DB94には、所定の情報をナビゲーション装置のスピーカ4によって出力するための音声出力データも記録される。
【0049】
更に、演算・制御部1には、操作部2、ディスプレイ3、スピーカ4、通信部8の各周辺装置が電気的に接続されている。操作部2は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種キー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、演算・制御部1は、操作部2の各スイッチの操作により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
なお、操作部2としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0050】
ディスプレイ3には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導ルート、誘導ルートに沿った案内情報、後述のルート変更案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
なお、ディスプレイ3の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、EL等を使用し、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することもできる。
【0051】
スピーカ4は、演算・制御部1からの指示に基づいて、誘導ルートに沿った走行を案内する音声ガイダンスや、誘導ルートのルート変更を案内する音声案内を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「有料道路を利用するルートに変更されました。」等がある。なお、スピーカ4より出力される音声としては、合成された音声の他に、各種効果音、予めICメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0052】
更にまた、通信部8は、情報センタ、例えば、道路交通情報通信システムセンター7等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信部8は、ネットワーク71としてLAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信部8は道路交通情報通信システムセンター7からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。尚、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0053】
次に、前記構成を有するナビゲーション装置においてCPU11が実行するエネルギ供給所を選択して案内を行うルート案内処理について図2乃至図7に基づいて説明する。
図2において、ドライバ等のオペレータは操作部2により図2(a)の「メインメニュー」の画面から、図2(b)の「各種設定」を選択し、「各種設定」画面から「スタンド立ち寄り設定」の画面を選択する。「スタンド立ち寄り」設定を選択すると、車両登録地点の入力、距離設定入力の画面となる。なお、車両登録地点の入力は、自宅(登録地点)として地図上に登録した登録地点を有する場合には、それを使用することになる。そこで登録されていない場合には、図2(c)の入力画面で住所番地を入力することになる。それと共に、距離設定または地域設定を行う。距離設定では、車両登録地点を中心とする半径の円で、1.5Km、2.0Km、2.5Kmというように、通常、3Km以下に設定されるが、5Km以下までは設定可能とされている。これは最寄のエネルギ供給所の存在によって設定される。地域設定では、例えば、○○市△△町、○○郡△△町と入力可能となる。本実施の形態では、距離設定を中心に述べるが、距離設定と地域設定の何れを選択してもよいし、何れかを優先させてもよい。
【0054】
また、軌跡消去時間の設定を行う。軌跡消去時間は、イグニッションスイッチ68がオンとなってからの経過時間で、通常3分程度に設定される。この軌跡は、エネルギ供給所に立ち寄った後に、他のルートを辿っていないことを確認するものであり、本発明を実施する場合には、必ずしも、必要とするものではない。
これらの設定が完了すると「完了」のキー選択によって、初期設定が完了し、本実施の形態のエネルギ供給所を選択して案内を行うルート案内処理に入ることができる。
【0055】
本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の「スタンド立ち寄り初期設定」のプログラム制御は、図3のように行われる。
「メインメニュー」の画面を選択し、そこから「各種設定」を選択し、「各種設定」画面により、この図3に示すルーチンに入り、ステップS01で「スタンド立ち寄り初期設定」を表示し、ステップS02でその初期設定画面に、車両登録地点の入力及び距離設定または地域設定される。また、軌跡を消去する時間を次にイグニッションスイッチ68を投入してからの軌跡の表示時間を、1分から5分の間で選択設定される。なお、この実施の形態では3分間とした。これらの入力が完了して「完了」キーを操作すると、ステップS03で「スタンド立ち寄り設定フラグ」を立てる(“1”とする)。
これによって、本実施の形態のエネルギ供給所を選択して案内を行うルート案内処理の初期設定が完了する。
【0056】
次に、本実施の形態のエネルギ供給所を選択して案内を行うプログラム制御について説明する。ここではエネルギ供給所としてガソリンスタンド(以下、単に「スタンド」という)の例で説明する。
図4の「メインプログラム」は、イグニッションスイッチキーが挿入され、イグニッションスイッチ68がオンになったとき起動するプログラムで、ディスプレイ3を通常の制御画面として使用する場合と同一プログラムで実行されるものである。
【0057】
まず、ステップS1でメインプログラムの処理で使用するメモリの初期化を行い、ステップS2で、スタンド立ち寄り設定フラグが立っている(“1”)か、否かを判断し、スタンド立ち寄り設定フラグが立っているとき、ステップS3でスタンド立ち寄りルーチンをコールし、スタンド立ち寄りプログラムの実行に入り、スタンド立ち寄り設定フラグが降りているとき(“0”のとき)、このルーチンを脱する。
【0058】
ステップS4で前回使用の際に立ち寄ったスタンドからの軌跡があり、それが消去されていないとき、ステップS4でそれを表示し、ステップS5でそれを表示する3分間の経過を判断する。なお、この3分間は、1分から5分の間で設定されるのが普通であり、この実施の形態では3分間の選択とした。ステップS5で3分間の経過を判断すると、ステップS6でそれまで表示していた前回の立ち寄ったスタンドからの軌跡を消去し、図示しない他の演算及び制御を行う。
【0059】
この立ち寄ったスタンドからの軌跡は、例えば、レンタカーの場合には、イグニッションスイッチキーが返却されたとき、再度、イグニッションスイッチキーを挿入してイグニッションスイッチ68をオンとすることにより、不正のない給油がなされているかを確認できる。また、3分程度に設定すると、次の顧客に対して給油後の軌跡が付与されることを説明できる。したがって、不正の無い運用が可能となる。
なお、この実施の形態では説明を省略するが、本実施の形態のナビゲーション装置は、通常のナビゲーションの機能も具備するものである。
【0060】
ステップS3で「スタンド立ち寄りルーチン」がコールされると図5及び図6の「スタンド立ち寄りルーチン」の実行に入る。
ステップS11で車両登録地点から閾値の半径5Km円の地点を超え、再度、5Km円の地点内に戻ってきたかを判定する。半径5Km円の地点内に戻ってきていないときは、このルーチンを脱する。なお、この半径5Km円の地点とは、スタンドを選択する余裕のある距離として設定したものであるから、半径2Km円乃至半径10Km円の地点とすることができる。また、ステップS11は省略し、「帰路」の状態では最初から、ナビゲーションで案内する態様とすることもできる。
更に詳しくは、車両が車両登録地点から遠のく場合、また、車両が車両登録地点の方向に向かわない場合には、車両登録地点から半径5Km円地点内にあっても、「帰路」にないと判断する。
【0061】
ステップS11で車両登録地点から半径5Km円の地点を超え、再度、半径5Km円の地点内に戻ってきたことを判定すると、ステップS12でナビゲーションの目的地として車両登録地点が設定されているか。或いは自宅(登録地点)に帰るとの主旨のキー操作によって登録地点を走行目的地に設定されているかを判断し、それらの場合は、ナビゲーションで「帰路」を選択したものとする。ステップS12でナビゲーションの「帰路」が選択していないと判断されたときには、ステップS13で「帰路」の走行であるか否かをディスプレイ3を使用し、同時にスピーカ4から音声で問いかけ、ドライバから操作部2を解しての回答を待つ。ステップS13で「帰路」でないと回答を受けたとき、このルーチンを脱する。しかし、「帰路」の走行であるとの回答を受けたときには、ステップS14でナビゲーションが動作中であるか否かを判断し、動作中でないときには、ステップS15でナビゲーションを起動させる。
【0062】
ステップS12でナビゲーションの目的地として車両登録地点を設定していることが判断された場合、或いは、自宅(登録地点)に帰る主旨のキー操作によって登録地点を走行目的地に設定した場合、または、ステップS13で「帰路」の走行としての回答を受けたときには、ステップS14及びステップS15を経てステップS16で所定の距離内のスタンドを表示する。
この所定距離内のスタンドの表示は、距離設定されている場合には、車両登録地点から所定の距離、本実施の形態では半径3Km円のスタンドを表示する。または地域設定されている場合には、所定の地域内のスタンドを表示する。そして、ステップS17で当該表示されたスタンド毎に、カード使用の可否、販売店の系列、エネルギ価格等の情報の1つ以上を表示または必要に応じて音声案内を行う。
【0063】
ステップS18で、特定の立ち寄るスタンドが選択されるまで、ステップS16乃至ステップS18のルーチンを繰り返し実行する。ステップS18で特定のスタンドが選択されたことが確認されるとステップS19で車両の現在位置から、目的地を車両登録地点とし、選択されたスタンドを経由地とするルートを探索する。スタンドという店舗の性質から、入り組んだ道路条件の箇所に存在することは稀であり、通常、特定の立ち寄るスタンドとしては、半径5Km円以内の距離内を対象とするから、ルート選択、ルート変更、再探索を行う必要はないが、必要に応じて、それを行ってもよい。
【0064】
ステップS20で選択されたスタンドを経由して車両登録地点を目的地とするルートを表示し、ナビゲーションとしてそのルート案内を開始する。
ステップS21で選択されたスタンドに入ってエンジンが停止されたことを、イグニッションスイッチ68のオフになるか否かで判断し、イグニッションスイッチ68がオフになったとき、立ち寄ったスタンドで給油等のエネルギの補給を受けていると判断する。そして、ステップS22で車両の走行軌跡を表示する。この表示は、図7に示すように、給油等のエネルギの補給を受けてから他の走行を行っていないことを明確にするものである。したがって、社有車両、タクシー等では省略することもできる。目的地としての車両登録地点に到着することをステップS23で確認されるまで、ステップS22及びステップS23のルーチンを実行する。
【0065】
目的地としての車両登録地点に到着したことがステップS23で確認されると、ステップS24で事務処理メッセージを表示すると共に、音声で事務処理案内をし、喩え、ドライバが不慣れでも、後の事務的扱いに影響を出さないようにし、ステップS25でイグニッションスイッチ68がオフになるまで、本ルーチンの処理を継続し、このルーチンの処理を完了する。
この事務処理メッセージの表示は、「御利用、ありがとうございました。キーの返却は1番窓口までお願いします。」、「お疲れ様でした。総務課の車両管理表に会社到着時間を記載の上、キーを返却ください。」、「この車両は、2番駐車場に駐車願います。キーは守衛に返却願います。」等の表示、音声案内を行うものである。
【0066】
このように、本実施の形態のナビゲーション装置では、前記車両が特定の車両登録地点に到着したとき、ステップS24で事務処理メッセージを報知するものであるから、車両が特定の車両登録地点に到着したとき、ドライバに次の工程を説明でき、初心者であっても惑わない手順が示唆でき、管理の手間が省ける。
【0067】
また、本実施の形態のナビゲーション装置では、スタンドとは、ガソリンスタンドで説明したが、アルコールスタンド、LPGスタンド等の液体燃料の供給所、電気スタンド等の電気充電場所の何れか1つに該当する液体燃料または電気を供給する場所、即ち、エネルギ供給所とすることができる。したがって、現実的なレンタカー、社有車両、共用車両、タクシー等の運用に合致した運用が期待できる。
【0068】
そして、本実施の形態のナビゲーション装置では、ステップS16で車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するステップS16及びステップS18からなるエネルギ供給所選択部は、単一のエネルギ供給所のみの場合には、ステップS18の判断をすることなく、エネルギ供給所が選択されたと一義的に決定することができる。したがって、ドライバの判断の手間を省略することができる。また、一義的に決定されたことがドライバに認識できないことから、この場合には、ステップS16及びステップS17をステップS18をタイマ15の時間の経過を判断し、所定時間経過したことをもって、それをドライバに訴えることもできる。
【0069】
更に、本実施の形態のナビゲーション装置では、ステップS16で車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、ステップS17で前記エネルギ供給所のカード使用の可否、販売店の系列、エネルギの価格等の情報の1つ以上を付加して報知するものであるから、ドライバが自分のマネー管理に適したエネルギ供給所を選択することができる。
【0070】
更にまた、本実施の形態のナビゲーション装置では、車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問うステップS12及びステップS13からなる帰路確認部は、車両登録地点から所定の距離を超えた後、当該所定の距離以内に戻ってきたことによって判断するものである。故に、ナビゲーション機能を使用していない走行であっても、使用しているときでも、車両登録地点に戻る場合には、常に燃料を満タン、充電完了状態とする(最大エネルギを確保する)管理される車両であることをドライバに知らせることができる。
【0071】
加えて、本実施の形態のナビゲーション装置では、車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問うステップS12及びステップS13からなる帰路確認部は、特定の目的地に対して案内していないときでも、車両登録地点から所定の距離以内に戻ってきたことを判断し、そのルート案内をステップS19及びステップS20で開始するものである。故に、ナビゲーション機能でルート案内されるまでなく熟知している道路の走行であっても、車両登録地点に戻る場合には、常に燃料を満タン、充電完了状態とする管理される車両であることをドライバに知らせることができる。
【0072】
また、上記実施の形態のナビゲーション装置の前記車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問うステップS12及びステップS13からなる帰路確認部は、特定の目的地として特定の車両登録地点外が選択されルート探索するとき、所定の距離内に戻ってきても「帰路」と判断しないことによって、不要な操作を省くことができる。
【0073】
上記実施の形態のナビゲーション装置の車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するステップS16乃至ステップS18からなるエネルギ供給所選択部は、車両の走行車線によって反対車線側にあるエネルギ供給所を除くことによって、特別にエネルギ供給所のための回り道を走行しなくともエネルギの供給ができるから、ドライバの負担を軽減することができる。
同様に、車両が車両登録地点に向かう走行車線において反対車線側にあるエネルギ供給所及び車両登録地点よりも以遠にあるエネルギ供給所を除くことによって、特別にエネルギ供給所のための回り道を走行しなくともエネルギの供給ができるから、ドライバの負担を軽減することができる。
また、複数のエネルギ供給所がないとき、反対車線側にあるエネルギ供給所及び/または車両登録地点よりも以遠にあるエネルギ供給所を選択できるように表示することもできる。
【0074】
以上のように、上記実施の形態のナビゲーション装置は、特定の車両の現在位置の登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従ってディスプレイ3及びスピーカ4によってルート案内するナビゲーション装置において、初期設定の「スタンド立ち寄り設定」で設定した車両登録地点から、その車両登録地点中心に半径5Km円以内の所定の距離内に戻ってきたとステップS11で判断されたとき、前記車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問うステップS12及びステップS13からなる帰路確認部と、車両登録地点に対する「帰路」であることが特定されたとき、車両登録地点付近、例えば、その車両登録地点中心に半径3Km円以内にあるスタンド等のエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するステップS16乃至ステップS18からなるエネルギ供給所選択部と、エネルギ供給所選択部で前記車両が立ち寄るエネルギ供給所がステップS18で特定されると、特定された前記エネルギ供給所を経由するルートを探索し、そのルート案内とするステップS19乃至ステップS25からなる経由地案内部と、ステップS22からなる前記経由地案内部でルート表示した以降の走行軌跡を認識可能な色彩で表示し、イグニッションスイッチ68の切断では解消しない表示とするステップS4及びステップS5からなる軌跡表示部とを具備するものである。
【0075】
上記実施の形態のナビゲーション装置は、特定車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って表示画面及び音声でルー案内する。前記車両がその車両登録地点から所定の距離内に戻ってきたとき、即ち、ステップS11で人為的に設定した車両登録地点中心に半径5Km円以内の所定の距離内に戻ってきたと判断されたとき、車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問い、ステップS12及びステップS13からなる帰路確認部で「帰路」であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で車両登録地点付近、即ち、人為的に設定した車両登録地点中心に半径3Km円以内にあるエネルギ供給所を表示し、ステップS16及びステップS17でそこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、ステップS18で車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されたと判断すると、ステップS19乃至ステップS25からなる経由地案内部で特定された前記エネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものである。そして、ステップS22の軌跡表示部によって、経由地案内部で表示した以降の走行軌跡を認識可能な色彩で表示し、かつ、それがイグニッションスイッチ68の切断では解消しない表示としたものである。
【0076】
したがって、ステップS11で車両がその車両登録地点に戻るときの走行が確認されると、スタンド等を選択するエネルギ供給所選択部で車両登録地点付近にあるエネルギ供給所をステップS16及びステップS17で表示し、次に、ステップS16乃至ステップS18で車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、その際に車両登録地点に対するルート案内を行っていても、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由する車両登録地点に戻るルートのルート探索及びルート案内とすることができる。これによって、車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タン、充電完了状態とする(最大エネルギを確保する)管理ができる。そして、軌跡表示部によって、前記経由地案内部で表示した以降の走行軌跡を認識可能な色彩で表示し、かつ、それがイグニッションスイッチ68の切断では解消しない図7に示す表示としたものであるから、一旦、最大エネルギを確保しておきながら、他の走行を行った場合には、その記録を管理者または後に車両に乗り込んだドライバに知らせることができ、最大エネルギを確保するという規則が遵守され、信頼性を向上できる。
【0077】
ところで、図6に示す実施の形態では、ステップS22の軌跡表示部によって、前記経由地案内部で表示した以降の走行軌跡を認識可能な色彩で表示し、かつ、それがイグニッションスイッチ68の切断では解消しない表示としたものであるから、エネルギ供給所からの燃料の消費が容易に推定できるが、ステップS22の処理を省略し、当該管理を緩めることもできる。
【0078】
即ち、この実施の形態のナビゲーション装置は、特定の車両の現在位置の登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従ってディスプレイ3及びスピーカ4によってルート案内するナビゲーション装置において、初期設定の「スタンド立ち寄り設定」で設定した車両登録地点から、その車両登録地点中心に半径5Km円以内の所定の距離内に戻ってきたとステップS11で判断されたとき、前記車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問うステップS12及びステップS13からなる帰路確認部と、車両登録地点に対する「帰路」であることが特定されたとき、車両登録地点付近、例えば、その車両登録地点中心に半径3Km円以内にあるスタンド等のエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するステップS16乃至ステップS18からなるエネルギ供給所選択部と、エネルギ供給所選択部で前記車両が立ち寄るエネルギ供給所がステップS18で特定されると、特定された前記エネルギ供給所を経由するルートを探索し、そのルート案内とするステップS19乃至ステップS25からなる経由地案内部とを具備する構成とすることができる。
【0079】
この実施の形態のナビゲーション装置では、特定車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って表示画面及び音声でルート案内する。前記車両がその車両登録地点から所定の距離内に戻ってきたとき、即ち、ステップS11で人為的に設定した車両登録地点中心に半径5Km円以内の所定の距離内に戻ってきたと判断されたとき、車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問い、ステップS12及びステップS13からなる帰路確認部で「帰路」であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で車両登録地点付近、即ち、人為的に設定した車両登録地点中心に半径3Km円以内にあるエネルギ供給所を表示し、ステップS16及びステップS17でそこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、ステップS18で車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されたと判断すると、ステップS19乃至ステップS25からなる経由地案内部で特定された前記エネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行うものである。
したがって、車両がその車両登録地点に戻るときの走行が確認されると、エネルギ供給所選択部で車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、その際に車両登録地点に対するルート案内を行っていても、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由する車両登録地点に戻るルート探索及びルート案内に切り替えることができる。よって、車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タン、充電完了状態とする管理ができる。また、特に、本実施の形態では、ナビゲーション装置にソフトウエアの追加のみで対応でき、その付加価値を高めることができる。
【0080】
上記実施の形態のナビゲーション装置は、積極的にルート探索及びルート案内を使用してエネルギ供給所を選択して案内を行うプログラム制御に入ることができる。
例えば、ナビゲーションで目的地として、車両登録地点が設定されたとき、または、自宅(登録地点)に帰るとの主旨のキー操作によって、車両登録地点に戻ることが明らかになった時点で、ルート探索及びルート案内を行うモードに入れることもできる。この構成は、ステップS11乃至ステップS15のルーチンをステップS12のみの判断とし、ナビゲーションで「帰路」を選択したときには、ステップS16からの処理に入り、「帰路」を選択してないときには、このルーチンを脱するものである。
【0081】
即ち、この実施の形態のナビゲーション装置では、特定の車両の現在位置の登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従ってディスプレイ3及びスピーカ4によってルート案内するナビゲーション装置において、車両登録地点に対する「帰路」であることが特定されたとき、車両登録地点付近、例えば、その車両登録地点中心に半径3Km円以内にあるスタンド等のエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するステップS16乃至ステップS18からなるエネルギ供給所選択部と、エネルギ供給所選択部で前記車両が立ち寄るエネルギ供給所がステップS18で特定されると、特定された前記エネルギ供給所を経由するルートを探索し、そのルート案内とするステップS19乃至ステップS25からなる経由地案内部とを具備する構成とすることができる。
【0082】
この実施の形態のナビゲーション装置は、「帰路」が決定されれば、その時点で「帰路」のルート探索を行い、最初からルート案内を行う発明の実施の形態とすることができる。例えば、図5及び図6に示す実施の形態では、車両登録地点に対する「帰路」か、否かを問うステップS12及びステップS13からなる帰路確認部は、車両登録地点が車両の走行目的地に設定されているときに「帰路」と特定するものである。故に、自宅(登録地点)に帰る等のキー操作または車両登録地点が車両の走行目的地に設定されたことをもって「帰路」を判断するものであるから、ドライバの意思を直接正確に得た結果を使用することができる。
【0083】
即ち、上記実施の形態のナビゲーション装置は、特定車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って表示画面及び音声でルート案内する。車両登録地点に対する「帰路」であることが特定されたとき、エネルギ供給所選択部で車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示し、車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由するルートのルート案内を行うものである。
したがって、車両がその車両登録地点に戻るときの走行が確認されると、エネルギ供給所選択部で車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定され、経由地案内部で特定のエネルギ供給所を経由する車両登録地点に戻るルートのルート案内を行うことができる。よって、車両が車庫で待機状態にあるときには、常に燃料を満タン、充電完了状態とする管理ができる。
【0084】
上記実施の形態のナビゲーション装置は、車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って表示画面及び音声でルート案内し、その出発車両の車両登録地点を特定車両の車両登録地点に対する「帰路」と判断しているが、例えば、レンタカーのように、複数の営業所の何れに返却してもよい場合には、特定車両の車両登録地点を全ての営業所、または限られた範囲の営業所とすることができる。即ち、特定車両の車両登録地点に対する「帰路」との判断は、特定の車両の1以上の車両登録地点に対する走行と判断することになる。
このように、上記実施の形態のナビゲーション装置は、特定車両の車両登録地点とは、1以上の車両登録地点の設定が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の一部機能表現を含む全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置のディスプレイ表示された説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の初期設定ルーチンのフローチャートである。
【図4】図4は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置のメインルーチンのフローチャートである。
【図5】図5は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置のスタンド立ち寄りルーチンの一部のフローチャートである。
【図6】図6は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置のスタンド立ち寄りルーチンの残部のフローチャートである。
【図7】図7は本発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置によって軌跡を表示したディスプレイの画面の説明図である。
【符号の説明】
【0086】
1 演算・制御部
2 操作部
3 ディスプレイ
4 スピーカ
6 現在地検出部
7 道路交通情報通信システムセンター
8 通信部
9 データ処理記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って案内するナビゲーション装置において、
前記車両登録地点に対する走行であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部と、
前記エネルギ供給所選択部で前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、特定された前記エネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行う経由地案内部と
を具備することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
特定の車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って案内するナビゲーション装置において、
前記車両が前記特定の車両登録地点の所定の距離内になったとき、前記車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部と、
前記車両登録地点に対する走行であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部と、
前記エネルギ供給所選択部で前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、特定された前記エネルギ供給所を経由するルート案内を行う経由地案内部と
を具備することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
特定の車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って案内するナビゲーション装置において、
前記車両が前記特定の車両登録地点の所定の距離内になったとき、前記車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部と、
前記車両登録地点に対する走行であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部と、
前記エネルギ供給所選択部で前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が特定されると、特定された前記エネルギ供給所を経由するルート案内を行う経由地案内部と、
前記経由地案内部でルート表示した以降の走行軌跡を認識可能な色彩で、イグニッションスイッチの切断では解消しない表示とする軌跡表示部と
を具備することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
前記車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、前記車両登録地点から所定の距離を超えた後、当該所定の距離以内に入ったことによって判断することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、前記車両登録地点が前記車両の走行目的地に設定されているときに帰路と特定することを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、特定の目的地に対してルート案内していないときでも、前記車両登録地点から所定の距離以内に入ってきたことを判断し、そのルート探索及びルート案内を開始することを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記車両登録地点に対する走行か、否かを問う帰路確認部は、特定の目的地として特定の車両登録地点外が選択されルート案内しているときには、所定の距離内に入ってきたと判断しないことを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、前記車両が前記車両登録地点に向かう走行車線において反対車線側にある前記エネルギ供給所及び車両登録地点よりも以遠にあるエネルギ供給所を除くことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、前記エネルギ供給所のカード使用の可否、販売店の系列、エネルギ価格等の情報の1つ以上を付加して報知することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示し、そこから立ち寄るエネルギ供給所を選択自在に表示するエネルギ供給所選択部は、単一のエネルギ供給所のみの場合には、前記エネルギ供給所が選択されたと一義的に決定することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
更に、前記車両が特定の車両登録地点に到着したとき、事務処理メッセージを報知することを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記エネルギ供給所とは、ガソリンスタンド、アルコールスタンド、LPGスタンド、電気スタンドの何れか1つに該当する液体燃料または電気を供給する場所とすることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
特定の車両の車両登録地点から目的地との間のルートを探索すると共に、選択されたルートに従って案内するナビゲーション装置において、
前記車両が前記車両登録地点に対する走行であることが特定されたとき、前記車両登録地点付近にあるエネルギ供給所を表示すると共に、そこから立ち寄るエネルギ供給所の選択を自在とし、
前記車両が立ち寄るエネルギ供給所が選択されると、選択された前記エネルギ供給所を経由するルート探索及びルート案内を行い、前記車両が前記車両登録地点に到着する前に、前記車両が前記エネルギ供給所に立ち寄るルート案内をすることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−128293(P2009−128293A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305773(P2007−305773)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】