説明

ナビゲーション装置

【課題】晴れ、曇り、雨といった天気の情報より、さらに詳しい気象情報を認識することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】表示モニタの表示画面には、地図30と雲情報表示欄40とが表示される。地図30には、推奨経路31および自車位置マーク32が表示される。雲情報表示欄40には、推奨経路上に発生する雲のうち、車両の現在地と目的地との間で発生する雲の種類をマークで表示する。雲情報表示欄40に表示される雲の種類は、現在地から順に、快晴41a、積雲41b、雄大積雲41c、積乱雲41d、積雲41eおよび快晴41fである。雲の種類が表示されている、それぞれの表示領域の幅は、推奨経路上における車両の現在地から目的地までの距離に対する、その種類の雲が発生している区間の距離の割合に比例する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象情報を地図とともに表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
雨雲を含む雲の分布を地図に重ねて表示するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。このナビゲーション装置は、雨雲を黒っぽく表示し、その他の雲を白っぽく表示することにより、雨雲とその他の雲とを区別するようにしている。
【特許文献1】特開平11−2539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来のナビゲーション装置では、ユーザは、雨の降りかたや、曇りの程度を認識できないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明のナビゲーション装置は、雲の種類および雲の分布の情報を外部から受信する雲情報受信手段と、出発地から目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、雲情報受信手段により受信された雲の種類および雲の分布の情報に基づいて、探索手段により探索された推奨経路上に発生する雲の種類を検出する検出手段と、検出手段により検出された雲の種類を表示モニタに表示する表示制御手段を備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、車両の現在地を検出する現在地検出手段を備え、表示制御手段は、推奨経路上に発生する雲の種類の中で、現在地検出手段により検出された車両の現在地から所定の目的地までの間で発生している雲の種類を表示する。
(3)請求項3の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、車両の現在地を検出する現在地検出手段を備え、表示制御手段は、車両の走行により車両が通過した推奨経路上に発生する雲の種類について表示していた雲の種類を表示しないことを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、現在地検出手段により検出された車両の現在地および探索手段により探索された推奨経路を表示した地図とともに雲の種類を表示することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、雲の種類をマークとして表示することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、探索手段により探索された推奨経路を表示した地図に重ねて雲の種類をアイコンとして表示することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項6に記載のナビゲーション装置において、表示制御手段は、推奨経路に重ねて雲の種類を半透明のアイコンとして表示することを特徴とする。
(8)請求項8の発明は、雲の種類および雲の分布の情報を外部から受信する雲情報受信手段と、雲情報受信手段により受信された雲の種類および雲の分布の情報を地図に重ねて表示モニタに表示する表示制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、推奨経路上に発生する雲の種類を表示するようにした。また、地図に重ねて雲の種類およびその種類の雲の分布を表示するようにした。これにより、ユーザは、雨の降りかたや曇りの程度など、さらに詳しい気象情報を認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、衛星ラジオ放送による気象情報を受信し、その気象情報を地図に重ねて表示モニタ16に表示することができる。既知の衛星ラジオ放送として、たとえば、シリウスサテライトラジオなどがある。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110、衛星ラジオ受信部111、受信メモリ112およびディスクドライブ113を有している。ディスクドライブ113には、地図データが記憶されたDVD−ROM114が装填されている。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11がDVD−ROM114に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは、車両の進行方向を検出する。車速センサ14bは、車速を検出する。GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定する。また、車両の現在地を地図上に自車位置マークとして表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなる。それらはDVD−ROM114に記憶された地図データなどに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0010】
ディスクドライブ113は、DVD−ROM114から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで7段階の縮尺の地図データを有する。ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を7段階に変更することができる。なお、DVD−ROM114以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。入力装置18を操作することによって、表示モニタ16に表示されている地図の縮尺を変更させたり、地図をスクロールさせたりすることができる。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって、入力装置18を操作して目的地を設定する。また、入力装置18を操作することによって、衛星ラジオ放送を選局することができる。
【0012】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地を出発地とし、目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路と区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示で経路誘導を行う。
【0013】
タッチパネル19は、表示モニタ15の表面に積層される透明のタッチスイッチである。表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。表示モニタ16の表示画面を押圧するとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出する。タッチパネルコントロール部110はその信号に基づいてタッチパネル19の押圧位置を算出する。ユーザが、表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧すると、各種ボタンや表示メニューに定義された処理が実行される。
【0014】
衛星ラジオ受信部111は、図示しない衛星ラジオ局から人工衛星を介して放送される衛星ラジオ放送を受信し、制御回路11に出力する。受信された衛星ラジオ放送は、スピーカ17より出力される。また、受信された衛星ラジオ放送の気象情報は受信メモリ112に記憶される。
【0015】
衛星ラジオ放送の気象情報は、天気図の情報や、ハリケーンなどの嵐の情報、気象レーダによる雨量分布の情報、各観測地点における風向きや風力の情報などを有する。天気図の情報として、たとえば、高気圧あるいは低気圧の位置(緯度・経度)の情報、温暖前線あるいは寒冷前線の位置情報などが含まれる。嵐の情報には、ハリケーン、竜巻、あられ、メゾサイクロン、ひょう、雷雨などが発生している地域の観測位置や予想進路(移動方向)の情報などが含まれる。雨量分布の情報には、雨が降っている地域の観測位置とその位置における雨量の情報などが含まれる。
【0016】
衛星ラジオ放送の気象情報は、発生する雲の種類およびその種類の雲の分布の情報も含む。これらの情報は、図2に示すように、メッシュによって区画された領域ごとの情報である。発生する雲の種類およびその種類の雲の分布の情報は、気圧配置、寒冷前線の位置、温暖前線の位置、雨量分布、人工衛星から撮影された雲の画像などの情報に基づいて作成される。たとえば、低気圧や台風が近づくにしたがって、巻雲、巻積雲、高積雲などが発生する。温暖前線には、乱層雲が発生し、温暖前線から離れるにしたがって、高層雲、巻層雲、巻雲が発生する。寒冷前線に近づくにしたがって、積雲、雄大積雲が発生し、寒冷前線付近では積乱雲が発生する。局地的に雨量の多い領域には積乱雲が発生している。また、同じメッシュに複数の種類の雲が発生する場合、主に発生する雲が、そのメッシュに発生する雲の種類とする。なお、メッシュとは、地図を所定の大きさの矩形領域に分割した一単位であり、気象情報を表すために定義したものである。いわゆる地図データ用のメッシュの領域と共通としてもよい。
【0017】
受信メモリ112は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性記録媒体によって構成される。受信メモリ112は、衛星ラジオ受信部110によって受信された気象情報を記憶する。受信メモリ112に記憶された気象情報は、気象情報を示すアイコンとして地図上に表示される。
【0018】
次に、図3および図4を参照して、本発明の実施形態における雲情報表示処理について説明する。本発明の実施形態では、ナビゲーション装置1は推奨経路上に発生する雲の種類の情報を表示モニタ16に表示する。
【0019】
図3(a)は、出発地から目的地までの推奨経路と、推奨経路上の雲の種類との関係を模式的に示す図である。符号21は出発地から目的地までの推奨経路を示し、符号22は車両の現在地を示す。符号23は推奨経路21が通過する寒冷前線の位置を示す。符号24a〜24fは、推奨経路上に発生する雲の種類を示す。符号24aおよび符号24fは雲がほとんど発生していないこと(快晴)を示し、符号24bおよび符号24eは積雲を示す。符号24cは雄大積雲を示し、符号24dは積乱雲を示す。車両の現在地と目的地との間で発生する雲の種類は、現在地から順に、快晴24a、積雲24b、雄大積雲24c、積乱雲24d、積雲24eおよび快晴24fである。「NOW」は車両の現在地を表し、「GOAL」は目的地を表す。
【0020】
図3(b)は、推奨経路上に発生する雲の種類の情報を表示モニタ16に表示したときの表示画面を示す図である。表示画面には、地図30と雲情報表示欄40とが表示される。地図30には、推奨経路31の全体および自車位置マーク32が表示される。雲情報表示欄40には、推奨経路上に発生する雲のうち、車両の現在地と目的地との間で発生する雲の種類をマークで表示する。雲情報表示欄40に表示される雲の種類は、現在地(NOW)から順に、快晴41a、積雲41b、雄大積雲41c、積乱雲41d、積雲41eおよび快晴41fである。雲の種類が表示されている、それぞれの表示領域の幅は、推奨経路上における車両の現在地から目的地までの距離に対する、その種類の雲が発生している区間の距離の割合に比例する。
【0021】
図4(a)は、車両が推奨経路上をさらに進行したときの出発地から目的地までの推奨経路と、推奨経路上の雲の種類との関係を示す図である。車両の現在地と目的地との間で発生する雲の種類は、現在地から順に、積乱雲24d、積雲24eおよび快晴24fである。
【0022】
図4(b)は、車両が推奨経路上をさらに進行した場合に推奨経路上に発生する雲の種類の情報を表示モニタ16に表示したときの表示画面を示す図である。車両の走行により雲情報表示欄40に表示される雲の種類は更新される。雲情報表示欄40に表示される雲の種類は、現在地(NOW)から順に、積乱雲41d、積雲41eおよび快晴41fである。車両が推奨経路を進行するにしたがって、雲情報表示欄40に表示される雲の情報は少なくなる。つまり、車両の走行により車両が通過した推奨経路上に発生する雲の種類について表示していた雲の種類を表示しないようにする。車両が通過した後の推奨経路上の雲の種類の情報は必要ないからである。
【0023】
図5を参照して、快晴41a,41f、積雲41b,41e、雄大積雲41cおよび積乱雲41d以外の雲の種類を表すマークを説明する。符号41gは高層雲を示し、符号41hは乱層雲を示す。符号41iは巻層雲であり、符号41jは層雲である。符号41kは層積雲とし、符号41lは巻積雲とする。符号41mは高積雲を示し、符号41nは巻雲を示す。
【0024】
雲情報表示欄40に表示された雲の種類を見たユーザは、天気について以下のように認識することができる。快晴41a,41fを見たユーザは、空に雲がほとんどない晴れを認識することができる。積雲41b,41eの表示により、ユーザは、空は曇っているが、雨が降らないことを認識する。雄大積雲41cは、雨が降る可能性があること、雨が降る場合、シャワーのようなにわか雨が降ることをユーザに認識させる。
【0025】
積乱雲41dを見たユーザは、雷が発生する可能性があること、突風を伴った激しい雨が降ることを認識することができる。高層雲41gの表示により、ユーザは、雨が降る可能性があること、雨が降り出すと長い時間降り続けることを認識する。乱層雲41hは、雨がしとしとと静かに降るが、雨量が多く、長く降り続けることをユーザに認識させる。
【0026】
巻層雲41iを見たユーザは、空が薄曇であること、雨が降る心配がないことを認識することができる。層雲41jの表示により、ユーザは、雨が降る可能性があること、雨が降っても霧雨程度であることを認識する。層積雲41kは、雲っていても雨が降る可能性が低いこと、雨が降る場合も非常に弱い雨しか降らないことをユーザに認識させる。
【0027】
巻積雲41lを見たユーザは、晴れていて雨が降らないこと、天気が大きく変化する可能性があることを認識することができる。高積雲41mの表示により、ユーザは、曇っていても雨が降る可能性が低いこと、雨が降ってもすぐに止むことを認識する。巻雲41nは、空が晴れていて雨が降る可能性が低いことをユーザに認識させる。
【0028】
次に、図6のフローチャートを参照して、本発明の実施形態における雲情報表示処理について説明する。図6の処理は、図3、4に示すような雲情報表示ボタン33が押圧されるとスタートするプログラムであり、制御回路11により実行される。
【0029】
ステップS601では、現在地検出装置14を使用して車両の現在地を検出する。ステップS602において、雲の種類および雲の分布の情報を受信メモリ112から読み出す。ステップS603は、推奨経路が通過するノードの中で、車両の現在地から目的地までのノードを抽出する処理である。ステップS604では、ステップS602で読み出した雲の種類および雲の分布の情報と照合することにより、抽出したノードの位置における雲の種類の検出を行う。
【0030】
ステップS605では、1つの雲の種類が連続する推奨経路上の区間の距離を算出する。ステップS606において、現在地から目的地までの推奨経路上における距離の算出を行う。ステップS607は、ステップS605で算出した距離と、ステップS606で算出した距離とに基づいて、雲情報表示欄における雲の種類が表示された各表示領域の幅を決定する処理である。ステップS608では、表示モニタ16に雲情報表示欄の表示を行う。
【0031】
ステップS609では、現在地検出装置を使用して、車両の現在地を検出する。ステップS610において、車両が目的地に到達したか否かの判定を行う。車両が目的地に到達した場合はステップS610が肯定判定され、雲情報表示処理を終了する。車両が目的地に到達していない場合はステップS610が否定判定され、ステップS602に戻る。
【0032】
以上の本発明の実施形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)推奨経路上の雲の種類を表示するようにした。これにより、ユーザは、雨の降りかたや曇りの程度など、さらに詳しい気象情報を認識することができる。
【0033】
(2)車両の現在地から目的地までの間における雲の種類を表示するようにしたので、車両が進行するにしたがって、表示される雲の数が少なくなり、雲情報表示欄が見やすくなる。
【0034】
(3)車両の走行により車両が通過した推奨経路上に発生する雲の種類について表示していた雲の種類を表示しないようにした。不必要な雲の種類の情報を表示しないので、雲情報表示欄が見やすくなる。
【0035】
(4)雲の種類をマークで表示するので、推奨経路上に発生する雲の種類がわかりやすい。
【0036】
(5)自車位置マーク32および推奨経路31が表示された地図30とともに雲の種類を表示するようにしたので、推奨経路31と、推奨経路上に発生する雲の種類との間の対応関係がわかりやすい。
【0037】
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)図2に示すような、雲の種類およびその種類の雲の分布の情報を地図に重ねて表示モニタ16に表示するようにしてもよい。ユーザは、推奨経路上以外の位置における雨の降りかたや曇りの程度など、さらに詳しい気象情報を認識することができる。
【0038】
(2)推奨経路上に発生する雲の種類を雲情報表示欄に表示した。しかし、図7(a)に示すように、雲の種類をアイコン51a〜51fとして推奨経路31の脇に表示するようにしてもよい。これにより、推奨経路上の位置と、発生する雲の種類との対応関係が認識しやすくなる。また、図7(b)に示すように、雲の種類を半透明のアイコン52a〜51fとして推奨経路上に表示するようにしてもよい。半透明のアイコン52a〜52fを推奨経路上に表示することによって、推奨経路上の位置と、発生する雲の種類との対応関係がより認識しやすくなる。ところで、図7(a),(b)において、自車位置マーク32を表示しているが、表示しなくてもよい。アイコン51a〜51fによって自車位置マーク32が隠れてしまう場合があるからである。
【0039】
(3)雲情報表示欄とともに表示する地図は、平面地図に限定されない。たとえば、図8に示すように、鳥瞰図表示の地図60に雲情報表示欄70を表示するようにしてもよい。図8の符号61は推奨経路を示し、符号62は自車位置マークを示し、符号63は空を表示する領域を示す。鳥瞰図表示の地図60の場合、雲情報表示欄70を空の領域63に表示することができる。したがって、雲情報表示欄70を表示するために、鳥瞰図表示の地図60における地上を表す領域を狭くする必要がない。一方、平面地図の場合、図2(b)に示すように、地図30の一部が雲情報表示欄40に隠れてしまい、地図30の表示領域が狭くなる。
【0040】
(4)鳥瞰図表示の地図60とともに推奨経路上に発生する雲の種類を表示する場合、図9に示すように、空の領域63に雲の種類を表すマーク81a〜81dを表示するようにしてもよい。この場合、推奨経路61にしたがって変化する雲の種類を、手前から奥に並んでいるように見えるマーク81a〜81dとして表示する。具体的には、推奨経路61にしたがって変化する雲の種類を複数のマーク81a〜81dで表示し、そのマーク81a〜81dを上から下へ、大きさを徐々に小さくして表示する。鳥瞰図表示の地図60は奥行きを持たせる地図であるが、上述のように雲の種類を表示することによって、雲の種類の表示も奥行きをもたせることができる。すなわち、雲の種類の表示を鳥瞰図表示の地図60に合わせることができる。
【0041】
(5)図10に示すように、雲の種類をアイコン91a〜91dとして表示した地図60を鳥瞰図表示することによって、鳥瞰図表示の地図60を作成するようにしてもよい。これにより、アイコン91a〜91dの表示と鳥瞰図表示の地図との間の整合性が保たれ、ユーザはアイコン91a〜91dの表示に違和感を覚えない。
【0042】
(6)発生する雲の種類およびその種類の雲の分布の情報を受信して、推奨経路上に発生する雲の種類や、雲の種類およびその種類の雲の分布を表示するようにした。しかし、天気図の情報を受信して、その天気図の情報から発生する雲の種類およびその種類の雲の分布を推測して推奨経路上に発生する雲の種類や、雲の種類およびその種類の雲の分布を表示するようにしてもよい。天気図の情報は種々のソースを通じて取得しやすいので便利である。たとえば、天気図の情報から発生する雲の種類およびその種類の雲の分布を以下のように推測することができる。たとえば、天気図の情報に寒冷前線の情報が含まれている場合、寒冷前線から所定の距離離れているところは快晴であり、寒冷前線に近づくにしたがって積雲、雄大積雲が発生する。そして、寒冷前線付近では積乱雲が発生する。寒冷前線から離れるにしたがって、積乱雲は消え、積雲が発生し、さらに離れると快晴になる。また、天気図の情報に温暖前線の情報が含まれている場合、温暖前線から所定の距離離れているところは快晴であり、温暖前線に近づくにしたがって巻層雲、層雲が発生する。そして、温暖前線付近では乱層雲が発生する。温暖前線から離れるにしたがって、乱層雲は消え、巻層雲が発生し、さらに離れると快晴になる。
【0043】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0044】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0045】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の雲情報受信手段は衛星ラジオ受信部111に対応し、探索手段、検出手段および表示制御手段は制御回路11に対応する。現在地検出手段は現在地検出装置14に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】発生する雲の種類およびその種類の雲の分布の情報を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態における雲情報表示処理を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態における雲情報表示処理を説明するための図である。
【図5】雲の種類を表すマークを説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態における雲情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】雲の種類を表したアイコンによる推奨経路上における雲の種類の表示を説明するための図である。
【図8】鳥瞰図表示の地図に雲情報表示欄を表示した場合の例を説明するための図である。
【図9】鳥瞰図表示の地図における空の領域に雲の種類の情報を表示した場合の例を説明するための図である。
【図10】鳥瞰図表示の地図における地上の領域に雲の種類を表すアイコンを表示した場合の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
16 表示モニタ
21,31 推奨経路
22,32 自車位置マーク
23 寒冷前線
24a〜24f,41a〜41n 雲の種類を表すマーク
30 地図
40 雲情報表示欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雲の種類および雲の分布の情報を外部から受信する雲情報受信手段と、
出発地から目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、
前記雲情報受信手段により受信された雲の種類および雲の分布の情報に基づいて、前記探索手段により探索された推奨経路上に発生する雲の種類を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された雲の種類を表示モニタに表示する表示制御手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
車両の現在地を検出する現在地検出手段を備え、
前記表示制御手段は、前記推奨経路上に発生する雲の種類の中で、前記現在地検出手段により検出された前記車両の現在地から前記所定の目的地までの間で発生している雲の種類を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
車両の現在地を検出する現在地検出手段を備え、
前記表示制御手段は、前記車両の走行により前記車両が通過した推奨経路上に発生する雲の種類について表示していた雲の種類を表示しないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記現在地検出手段により検出された前記車両の現在地および前記探索手段により探索された推奨経路を表示した地図とともに前記雲の種類を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記雲の種類をマークとして表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記探索手段により探索された推奨経路を表示した地図に重ねて前記雲の種類をアイコンとして表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記推奨経路に重ねて前記雲の種類を半透明のアイコンとして表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
雲の種類および雲の分布の情報を外部から受信する雲情報受信手段と、
前記雲情報受信手段により受信された雲の種類および雲の分布の情報を地図に重ねて表示モニタに表示する表示制御手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−244068(P2009−244068A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−90499(P2008−90499)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】