ナビゲーション装置
【課題】利用者が指示した道路上の地点に基づいて誘導経路を変更する際に、指示した地点の道路を走行する趣旨で指示したものとして、新たな誘導経路を演算して提示することができる「ナビゲーション装置」とする。
【解決手段】予め目的地迄の誘導経路を設定している状態で、利用者が一部の経路を変更したいと思ったとき、道路上の任意の地点を指示すると、ナビゲーション装置は利用者が指示した地点上の道路のリンクの属性を検出し、同じ属性で連続しているリンク群を一連の道路とし、各リンク群の交点を通って元の誘導経路に戻る経路を新たな誘導経路とする。その経路が不適切なときには、従来と同様に各点を通過する経路を演算して提示する。指示地点が道路上でないときには、直近の道路を指示道路として選択する。
【解決手段】予め目的地迄の誘導経路を設定している状態で、利用者が一部の経路を変更したいと思ったとき、道路上の任意の地点を指示すると、ナビゲーション装置は利用者が指示した地点上の道路のリンクの属性を検出し、同じ属性で連続しているリンク群を一連の道路とし、各リンク群の交点を通って元の誘導経路に戻る経路を新たな誘導経路とする。その経路が不適切なときには、従来と同様に各点を通過する経路を演算して提示する。指示地点が道路上でないときには、直近の道路を指示道路として選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両を誘導経路に沿って目的地に案内するナビゲーション装置に関し、特に予め設定した誘導経路を新たな地点を指示して変更するとき、指示した地点の道路に基づいて誘導経路を変更することができるようにしたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
車両等に搭載する一般のナビゲーション装置においては、地図を描画するための地図データ及び施設等を検索するための施設情報データを記録したＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、ハードディスク等の地図・情報データ記憶媒体と、この地図・情報データ記憶媒体のデータを取り込むデータ取込装置と、地図等を表示するモニタと、ＧＰＳ受信機及び走行距離センサやジャイロ等を用いた自立航法装置を用い、車両の現在位置及び進行方向の方位を検出する車両位置検出装置を有し、車両の現在位置を含む地図データを地図・情報データ記憶媒体から取り込み、この地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像をモニタの画面に描画すると共に、車両位置マークをモニタ画面に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示し、或いは地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させ、車両が現在どこを走行しているのかを一目でわかるようにしている。
【０００３】
ＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭ、或いはハードディスク等の地図・情報データ記憶媒体に記憶されている地図データは、各種の縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られており、道路等は経度及び緯度で表現されたノードの座標集合として記憶されている。道路は２以上のノードの連結からなり、地図データは、道路リスト、ノードテーブル及び交差点構成ノードリスト等からなる道路レイヤ、及び地図画面上に道路、建築物、施設、公園及び河川等を表示するための背景レイヤ等の地図データと、市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名及び施設の名前等の、文字や地図記号等を表示するための情報データなどから構成される。
【０００４】
また、このナビゲーション装置においては、利用者が所望の目的地或いは経由地（以下「目的地」と称する）に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにするための経路誘導機能を備えている。この経路誘導機能によれば、種々の手段により目的地を設定し、出発地から目的地まで、これらの地点を結ぶ経路の内各種の条件を加味して適切な経路を演算して提示するようになっている。また、利用者が選択した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上に誘導経路を他の経路とは色を変えて太く描画して画面表示したり、車両が誘導経路上の進路を変更すべき交差点に一定距離以内に近づいたときに、交差点を拡大表示し、進路を変更すべき方向を示す矢印等を描画して画面表示したり、音声で右左折の誘導を行うことで、利用者を目的地まで案内することができるようにしている。
【０００５】
このようなナビゲーション装置において、前記のように予め設定した誘導経路を走行しているとき、他の場所を走行したいと思った際には、走行したいと思う地点を適宜の箇所指示することにより、誘導経路演算装置によって指示した地点を走行して元の誘導経路に戻る新たな誘導経路を演算して提示することができるようになっている。
【０００６】
上記のようなナビゲーション装置において、通過希望場所条件に対応して道路を検索して、検索された道路を選択して通過希望場所として設定可能にした通過希望場所設定機能を持った車両用ナビゲーション装置は特開平９−１２６８０１号公報（特許文献１）に開示されている。
【特許文献１】特開平９−１２６８０１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
従来のナビゲーション装置において、上記のように予め設定した誘導経路から、任意の地点を指示することにより指示した地点を走行して元の誘導経路に戻る誘導経路変更処理を行う時には、例えば図４に示すような処理が行われる。即ち、最初図４（ａ）に示すような太線で示す誘導経路Ｕ１が設定され、この誘導経路に沿って走行しているとき、利用者が海沿いの道路を走行したいと思った際に、ナビゲーション装置の誘導経路変更モードにおける、走行地点の指示による経路変更を指示することとなる。
【０００８】
そのとき、例えば図４（ｂ）に示すそれぞれ道路上の指示地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３を順に指示して、海沿いの道路Ｒ１を走行した上で、元の道路に戻るルートを指示するとき、ナビゲーション装置はこれらの地点を通って元の誘導経路Ｕ１に戻る新たな誘導経路の演算を行うこととなる。その結果、図４（ｃ）に示すように、交差点Ｃ１で右折し、海沿いの道路Ｒ１を通り、指示地点Ｓ１を通過して交差点Ｃ２で左折し、道路Ｒ２を通って指示地点Ｓ２を通過して交差点Ｃ３で左折し、道路Ｒ４を通って交差点Ｃ４で左折し、道路Ｒ５を通ってＣ５で右折し、道路Ｒ５を通って指示地点Ｓ３を通過し、交差点Ｃ６で右折することにより元の誘導経路Ｕ１に戻る新たな誘導経路Ｕ２を設定することとなる。
【０００９】
このような新たな誘導経路を検討すると、利用者が指示した道路上の指示地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３について、利用者が本当に各地点に行きたいと思っている場合もあり得るが、利用者が指示した道路上の地点はその道路を通って元の誘導経路に戻りたいと思って指示することも多い。
【００１０】
実際図４（ｂ）のように利用者が指示した地点が、通りたい道路を指示しているとき、図４（ｃ）のように得られた新たな誘導経路は、海沿いの道路Ｒ１を走行した後、この海沿いの道路の走行をやめて戻る道路としてＲ２を指示するために、指示地点Ｓ２を指示したものであり、その地点を走行したいと思って指示したのではないとき、得られた新たな誘導経路は道路Ｒ３を通る、遠回りの誘導経路となってしまっている。そのため、利用者の意図に沿った新たな誘導経路を得るためには、現在の技術では解決することができず、新たな手法の開発が必要となる。
【００１１】
したがって本発明は、予め設定した誘導経路から新たな誘導経路に変更するとき、利用者が指示した道路上の地点に基づいて変更する際に、利用者が指示した道路上の地点は利用者がその道路を走行することを指示したものとして、新たな誘導経路を演算して提示することができるようにしたナビゲーション装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記課題を解決するため、目的地迄の誘導経路を演算する誘導経路演算部と、前記誘導経路演算部で予め設定した誘導経路を、道路上の地点を指示することにより変更する、指示地点による道路特定式誘導経路演算部とを備え、前記指示地点による道路特定式誘導経路演算部では、利用者が前記道路上の地点を指示した時、前記指示地点によって通過する道路を特定し、前記特定した道路を通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を変更誘導経路とする演算を行うことを特徴とする。
【００１３】
本発明に係る他のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、前記指示地点によって通過する道路を特定するとき、指示地点に最も近い道路を通過する道路として特定することを特徴とする。
【００１４】
本発明に係る他のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、前記変更誘導経路を利用者が確定しないとき、前記利用者が指示した地点を全て通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を演算して提示する、全指示地点通過誘導経路演算部を備えたことを特徴とする。
【００１５】
本発明に係る他のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、前記指示地点によって通過する道路の特定に際しては、指示した地点を通過する道路のリンクを求め、該道路リンクと同属性を有し、該道路リンクと接続する道路リンク群を求めることによって道路を特定することを特徴とする。
【００１６】
本発明に係る他のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、前記変更誘導経路の演算に際しては、通過する道路リンク群の交点を求める隣接通過道路変更抽出部の抽出結果により演算を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１７】
本発明は上記のように構成したので、予め設定した誘導経路から新たな誘導経路に変更するとき、利用者が指示した道路上の地点に基づいて変更する際に、利用者が指示した道路上の地点は利用者がその道路を走行することを指示したものとして、新たな誘導経路を演算して提示することができ、利用者の意図する適切な変更誘導経路を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
利用者が指示した道路上の地点に基づいて変更する際に、利用者が指示した道路上の地点は利用者がその道路を走行することを指示したものとして、新たな誘導経路を演算して提示するナビゲーションとするという課題を、目的地迄の誘導経路を演算する誘導経路演算部と、前記誘導経路演算部で予め設定した誘導経路を、道路上の地点を指示することにより変更する、指示地点による道路特定式誘導経路演算部とを備え、前記指示地点による道路特定式誘導経路演算部では、利用者が前記道路上の地点を指示した時、前記指示地点によって通過する道路を特定し、前記特定した道路を通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を変更誘導経路とする演算を行うことによって実現した。
【実施例１】
【００１９】
図１は本発明によるナビゲーション装置において、特に誘導経路を変更する処理部を中心とする各種機能部を示す機能ブロック図である。図１に示すナビゲーション装置においては、従来のものと同様に、システム制御部１０に各種の所定の機能を総合的に行うためのソフトウェアを記録したＲＯＭ、そのソフトウェアを処理するためのＣＰＵ及びＲＡＭ等を備え、これと接続した各機能部の制御を行っている。図示のナビゲーション装置においては、このシステム制御部１０に車両位置検出部１３が接続し、ＧＰＳ受信器１１の位置データを入力し、更に必要に応じて車速センサや角度センサによる走行距離・方位検出部１２からの車両の移動データを入力することによって、車両の現在位置を正確に検出している。
【００２０】
また、ＶＩＣＳ受信器を備えたＶＩＣＳ情報入力部１４を備え、ビーコン、ＦＭ放送等からＶＩＣＳ情報を取り込んでいる。指示信号入力部１７においては、このナビゲーション装置での利用者によるリモコン等の指示信号を入力している。更に必要に応じて利用者の音声を認識する処理によって利用者の指示信号を入力する音声認識部１６の信号も、この指示信号入力部１７に入力している。
【００２１】
またデータ取込部１９においては、ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、或いはハードディスク等の地図・情報データ記録媒体１８から必要な地図データ、施設情報等を取り込み、更にそのデータ記録媒体がハードディスクのように容易にデータの書き込みができるような場合には、外部から取り込んだデータや、他の機能部で処理したデータを後に読み取って利用することができるように、そのデータ記録媒体にデータ入力もできるようにしている。更に図示のナビゲーション装置においてはモニタ２０に画像出力部からの地図画像等を表示し、音声出力部２３からの各種案内音声はスピーカ２２から出力できるようにしている。
【００２２】
誘導経路演算処理部２４においては、種々の手段で目的地や必要に応じて経由地を設定し、車両位置検出部１３で検出した現在地から、従来と同様にその目的地迄の経路を演算するための各種処理を行う。この誘導経路演算処理部２４においては通常行われるこのような誘導経路の演算のほか、特に本発明が提案する誘導経路の変更処理のため、図示するような誘導経路変更処理部２９を備えている。
【００２３】
即ち、図１に示す誘導経路演算処理部２４においては、前記従来技術として説明した図４（ａ）に示す例のように、現在地・目的地入力部２７から入力した現在地及び目的地の位置データにより、誘導経路演算部２８が従来と同様の誘導経路の演算を行ってその誘導経路を確定し、その誘導経路は誘導経路記憶部２５にそのデータを記録しておく。この状態で利用者が新たに別の地点に行きたいと思う際には、誘導経路変更処理部２９で誘導経路を変更する旨の指示を指示信号入力部１７から誘導経路変更指示入力部３０によって入力し、以降の誘導経路変更処理が行われる。
【００２４】
指示地点入力部３１においては、誘導経路変更指示入力部３０で利用者からの前記指示を入力した後、更に利用者から前記図４（ｂ）に示すような所望の地点の指示を指示信号入力部１７から行うと、これを指示地点入力部３１で入力する。この従来例としての図４（ｂ）の入力状態は、本発明の例を示す図３（ａ）として示している。即ち、図示の例では現在誘導経路Ｕ１が設定されている状態で、道路上の指示地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３を指示して、海沿いの道路Ｒ１を走行した上で、元の誘導経路Ｕ１に戻るルートを指示する例を示している。
【００２５】
指示地点位置データ取込部３２では、前記のように指示地点入力部３１で入力した地点の位置データについて、地図・情報データ記録媒体１８に記録したデータをデータ取込部９を介して取り込む。また、指示地点直近接続リンク抽出部３３では、利用者が指示した地点は本来は図示するように道路上を指示することとなるが、必ずしも正確に道路上を指示していないことが多いことを考慮し、指示した地点が道路上でないときでも指示した地点が、その直近の道路を指示したものとし、その道路についてのリンクを抽出する。また、抽出した道路リンクと同属性を有し、前記道路リンクと直接或いは間接的に接続された道路リンクを抽出する。
【００２６】
隣接通過道路交点抽出部３４では、通過することとなったｉ番目の通過道路のリンク群と、ｉ−１、ｉ＋１番目のリンク群との交点を求める処理を行う。それにより前記図３（ａ）のような指示地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３の場合、同図（ｂ）の波線で示す道路Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３を検出し、利用者はこれらの道路を指示したものとし、隣接通過道路交点抽出部３４ではそれらの道路の交点、即ち交差点を求める。
【００２７】
誘導経路を変更する演算を行う誘導経路変更演算部３５では、各種の手法により誘導経路の変更を行うための演算を行うものであるが、全指示地点通過誘導経路演算部３６では、前記従来例としての図４（ｃ）のように、指示した地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３を実際に通る誘導経路を演算するものであり、後述する本発明による指示地点による道路特定式誘導経路演算を希望しないとき、従来と同様に、指示した点を経由して元の誘導経路Ｕ１に戻る新たな誘導経路を演算する処理を行う。
【００２８】
指示地点による道路特定式誘導経路演算部３７においては、例えば図３（ａ）のような地点の指示が行われたとき、前記指示地点直近接続リンク抽出部３３で同図（ｂ）のように道路Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３が指示されたものとし、それらの道路を通って元の誘導経路Ｕ１に戻る最短の新たな誘導経路を演算する処理を行う。このとき、指示した地点の順序、即ち指示した道路の順序で通過する誘導経路の演算を行うほか、その順序にこだわること無くそれらの地点を効率よく通過する誘導経路の演算を行うようにしても良い。
【００２９】
前記誘導経路変更処理の結果、図３（ｃ）のような誘導経路Ｕ２が演算され、提示される。この図３（ｃ）と従来例の図４（ｃ）とを比較すれば明らかなように、利用者が意図した海沿いの道路Ｒ１を走行して元の誘導経路Ｕ１に戻る、最短で適切な誘導経路Ｕ２が提示され、従来の手法による問題点を解決することができることがわかる。
【００３０】
図１の機能ブロックからなる誘導経路を演算して提示する装置においては、例えば図２に示す作動フローにより、順に作動させ、実施することができる。即ち図２に示す誘導経路提示処理の例においては、最初誘導経路の演算と記憶を行い（ステップＳ１）、その後利用者が誘導経路変更の指示を行ったか否かを判別する（ステップＳ２）。この判別で誘導経路の変更の指示がないと判別したときにはステップＳ１４に進み、目的地に到着したか否かを判別する。この判別で未だ目的地に到着していないと判別したときにはステップＳ２に戻り、先に得られている誘導経路にしたがって走行する。また、ステップＳ１４で目的地に到着したと判別したときには、この作動フローの処理を終了する。
【００３１】
ステップＳ２で誘導経路変更の指示があると判別したとき、即ち図１の誘導経路変更処理部２９の誘導経路変更指示入力部３０で利用者の誘導経路変更指示を入力したとき、道路上地点指示式誘導経路変更を行うか否かを判別する（ステップＳ３）。ここで道路上地点指示式の誘導経路変更を行わないと判別したとき、即ち、例えば新たな経由地として特定の施設を指定する等による経路変更の時にはステップＳ１３に進み、利用者が指示した方式により誘導経路の演算を行って提示する。この演算処理は誘導経路変更演算部３５の図示されていない機能部で行うこととなる。
【００３２】
ステップＳ３において道路上地点指示式誘導経路変更であると判別したときには、その後利用者による道路上地点の指示が行われ（ステップＳ４）、地点指示は終了したか否かを判別し（ステップＳ５）、例えば利用者により指示地点入力終了の指示が未だ無いとき、或いは道路上の地点を指示した後５秒等の所定時間が経過したか否かを判別する等により、未だ５秒が経過していないとき等には、ステップＳ４に戻って利用者による次の道路上地点の指示を待ち、この作動を繰り返すことにより、利用者が希望する道路上の地点が任意の数指定される。この作動は図１の誘導経路変更処理部２９における指示地点入力部３１で入力される。
【００３３】
ステップＳ５において地点指示は全て終了したと判別したとき、即ち前記の例では利用者によって指示地点入力終了の指示があるとき、或いは前の指示地点入力から５秒が経過したと判別したときにはステップＳ６に進み、指示地点の全てについてそれぞれの指示地点に直近の道路を検出し、その道路の道路属性データを読み出し、全指示地点の道路を特定する。この作動は図１の誘導経路変更処理部２９において、指示地点位置データ取込部３２で位置データの取り込みを行った後、指示地点直近接続リンク抽出部３３において指示地点上の道路リンク、或いは指示地点が道路上ではないときでも直近の道路を検出し、その道路属性を読み出して、一連の道路属性のリンク群を同一道路として認識することによりこの作動が行われる。
【００３４】
その後特定した道路を走行して元の誘導経路に戻る誘導経路を演算して提示する（ステップＳ８）。この作動は図１の指示地点による道路特定式誘導経路演算部３７において行われ、図３（ｃ）のような提示がなされる。次いで利用者が確認して決定したか否かを判別し（ステップＳ９）、利用者がこれでよい旨の確認を行ったときにはステップＳ１２に進んで演算した誘導経路を記憶して、以降はステップＳ２に戻り、更に次の誘導経路変更の指示があるか否かをチェックしながら目的地に到着するまで前記作動を繰り返す。
【００３５】
ステップＳ９で利用者が確認作業を行った結果、所望の経路ではないと思ったときにはその誘導経路を確定しないことによりステップＳ１０に進み、従来例である図４に示す例にのように指示地点を全て通る誘導経路を演算して提示する。即ち、通常のナビゲーション装置において、地図上の地点を指示して誘導経路の演算を行わせるときには、その地点を実際に通る誘導経路の演算を望む場合があり、その際には前記のような道路を指定したものと仮定して得られた誘導経路は好ましいものではない場合があるため、これを考慮してステップＳ１０において、指示地点を全て通る誘導経路を演算して提示している。
【００３６】
その後ステップＳ１３において、前記のように道路上地点指示式誘導経路変更ではない誘導経路の変更を行うときと共にステップＳ１１に進み、利用者が確認し決定しかか否かを判別し、利用者がこの誘導経路でよいことを確認したときにはこの演算した誘導経路を記憶し（ステップＳ１２）、ステップＳ２に戻って目的地に到着するまで前記作動を繰り返す。前記ステップＳ１１において提示された誘導経路は適切ではないと判別したときにもステップＳ２に戻り、前記作動を繰り返す。図２に示すこのような作動は一例であり、更に種々の手法により本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図２】同実施例における誘導経路提示処理例の作動フロー図である。
【図３】同実施例における作動例を示す図である。
【図４】従来例の作動例を示す図である。
【符号の説明】
【００３８】
２４ 誘導経路変更演算処理部
２５ 誘導経路記憶部
２６ 誘導経路案内部
２７ 現在地・目的地入力部
２８ 誘導経路演算部
２９ 誘導経路変更処理部
３０ 誘導経路変更指示入力部
３１ 指示地点入力部
３２ 指示地点位置データ取込部
３３ 指示地点直近接続リンク抽出部
３４ 隣接通過道路交点抽出部
３５ 誘導経路変更演算部
３６ 全指示地点通過誘導経路演算部
３７ 指示地点による道路特定式誘導経路演算部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両を誘導経路に沿って目的地に案内するナビゲーション装置に関し、特に予め設定した誘導経路を新たな地点を指示して変更するとき、指示した地点の道路に基づいて誘導経路を変更することができるようにしたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
車両等に搭載する一般のナビゲーション装置においては、地図を描画するための地図データ及び施設等を検索するための施設情報データを記録したＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、ハードディスク等の地図・情報データ記憶媒体と、この地図・情報データ記憶媒体のデータを取り込むデータ取込装置と、地図等を表示するモニタと、ＧＰＳ受信機及び走行距離センサやジャイロ等を用いた自立航法装置を用い、車両の現在位置及び進行方向の方位を検出する車両位置検出装置を有し、車両の現在位置を含む地図データを地図・情報データ記憶媒体から取り込み、この地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像をモニタの画面に描画すると共に、車両位置マークをモニタ画面に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示し、或いは地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させ、車両が現在どこを走行しているのかを一目でわかるようにしている。
【０００３】
ＣＤ−ＲＯＭやＤＶＤ−ＲＯＭ、或いはハードディスク等の地図・情報データ記憶媒体に記憶されている地図データは、各種の縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られており、道路等は経度及び緯度で表現されたノードの座標集合として記憶されている。道路は２以上のノードの連結からなり、地図データは、道路リスト、ノードテーブル及び交差点構成ノードリスト等からなる道路レイヤ、及び地図画面上に道路、建築物、施設、公園及び河川等を表示するための背景レイヤ等の地図データと、市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名及び施設の名前等の、文字や地図記号等を表示するための情報データなどから構成される。
【０００４】
また、このナビゲーション装置においては、利用者が所望の目的地或いは経由地（以下「目的地」と称する）に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにするための経路誘導機能を備えている。この経路誘導機能によれば、種々の手段により目的地を設定し、出発地から目的地まで、これらの地点を結ぶ経路の内各種の条件を加味して適切な経路を演算して提示するようになっている。また、利用者が選択した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上に誘導経路を他の経路とは色を変えて太く描画して画面表示したり、車両が誘導経路上の進路を変更すべき交差点に一定距離以内に近づいたときに、交差点を拡大表示し、進路を変更すべき方向を示す矢印等を描画して画面表示したり、音声で右左折の誘導を行うことで、利用者を目的地まで案内することができるようにしている。
【０００５】
このようなナビゲーション装置において、前記のように予め設定した誘導経路を走行しているとき、他の場所を走行したいと思った際には、走行したいと思う地点を適宜の箇所指示することにより、誘導経路演算装置によって指示した地点を走行して元の誘導経路に戻る新たな誘導経路を演算して提示することができるようになっている。
【０００６】
上記のようなナビゲーション装置において、通過希望場所条件に対応して道路を検索して、検索された道路を選択して通過希望場所として設定可能にした通過希望場所設定機能を持った車両用ナビゲーション装置は特開平９−１２６８０１号公報（特許文献１）に開示されている。
【特許文献１】特開平９−１２６８０１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
従来のナビゲーション装置において、上記のように予め設定した誘導経路から、任意の地点を指示することにより指示した地点を走行して元の誘導経路に戻る誘導経路変更処理を行う時には、例えば図４に示すような処理が行われる。即ち、最初図４（ａ）に示すような太線で示す誘導経路Ｕ１が設定され、この誘導経路に沿って走行しているとき、利用者が海沿いの道路を走行したいと思った際に、ナビゲーション装置の誘導経路変更モードにおける、走行地点の指示による経路変更を指示することとなる。
【０００８】
そのとき、例えば図４（ｂ）に示すそれぞれ道路上の指示地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３を順に指示して、海沿いの道路Ｒ１を走行した上で、元の道路に戻るルートを指示するとき、ナビゲーション装置はこれらの地点を通って元の誘導経路Ｕ１に戻る新たな誘導経路の演算を行うこととなる。その結果、図４（ｃ）に示すように、交差点Ｃ１で右折し、海沿いの道路Ｒ１を通り、指示地点Ｓ１を通過して交差点Ｃ２で左折し、道路Ｒ２を通って指示地点Ｓ２を通過して交差点Ｃ３で左折し、道路Ｒ４を通って交差点Ｃ４で左折し、道路Ｒ５を通ってＣ５で右折し、道路Ｒ５を通って指示地点Ｓ３を通過し、交差点Ｃ６で右折することにより元の誘導経路Ｕ１に戻る新たな誘導経路Ｕ２を設定することとなる。
【０００９】
このような新たな誘導経路を検討すると、利用者が指示した道路上の指示地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３について、利用者が本当に各地点に行きたいと思っている場合もあり得るが、利用者が指示した道路上の地点はその道路を通って元の誘導経路に戻りたいと思って指示することも多い。
【００１０】
実際図４（ｂ）のように利用者が指示した地点が、通りたい道路を指示しているとき、図４（ｃ）のように得られた新たな誘導経路は、海沿いの道路Ｒ１を走行した後、この海沿いの道路の走行をやめて戻る道路としてＲ２を指示するために、指示地点Ｓ２を指示したものであり、その地点を走行したいと思って指示したのではないとき、得られた新たな誘導経路は道路Ｒ３を通る、遠回りの誘導経路となってしまっている。そのため、利用者の意図に沿った新たな誘導経路を得るためには、現在の技術では解決することができず、新たな手法の開発が必要となる。
【００１１】
したがって本発明は、予め設定した誘導経路から新たな誘導経路に変更するとき、利用者が指示した道路上の地点に基づいて変更する際に、利用者が指示した道路上の地点は利用者がその道路を走行することを指示したものとして、新たな誘導経路を演算して提示することができるようにしたナビゲーション装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明に係るナビゲーション装置は、前記課題を解決するため、目的地迄の誘導経路を演算する誘導経路演算部と、前記誘導経路演算部で予め設定した誘導経路を、道路上の地点を指示することにより変更する、指示地点による道路特定式誘導経路演算部とを備え、前記指示地点による道路特定式誘導経路演算部では、利用者が前記道路上の地点を指示した時、前記指示地点によって通過する道路を特定し、前記特定した道路を通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を変更誘導経路とする演算を行うことを特徴とする。
【００１３】
本発明に係る他のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、前記指示地点によって通過する道路を特定するとき、指示地点に最も近い道路を通過する道路として特定することを特徴とする。
【００１４】
本発明に係る他のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、前記変更誘導経路を利用者が確定しないとき、前記利用者が指示した地点を全て通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を演算して提示する、全指示地点通過誘導経路演算部を備えたことを特徴とする。
【００１５】
本発明に係る他のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、前記指示地点によって通過する道路の特定に際しては、指示した地点を通過する道路のリンクを求め、該道路リンクと同属性を有し、該道路リンクと接続する道路リンク群を求めることによって道路を特定することを特徴とする。
【００１６】
本発明に係る他のナビゲーション装置は、前記ナビゲーション装置において、前記変更誘導経路の演算に際しては、通過する道路リンク群の交点を求める隣接通過道路変更抽出部の抽出結果により演算を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１７】
本発明は上記のように構成したので、予め設定した誘導経路から新たな誘導経路に変更するとき、利用者が指示した道路上の地点に基づいて変更する際に、利用者が指示した道路上の地点は利用者がその道路を走行することを指示したものとして、新たな誘導経路を演算して提示することができ、利用者の意図する適切な変更誘導経路を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
利用者が指示した道路上の地点に基づいて変更する際に、利用者が指示した道路上の地点は利用者がその道路を走行することを指示したものとして、新たな誘導経路を演算して提示するナビゲーションとするという課題を、目的地迄の誘導経路を演算する誘導経路演算部と、前記誘導経路演算部で予め設定した誘導経路を、道路上の地点を指示することにより変更する、指示地点による道路特定式誘導経路演算部とを備え、前記指示地点による道路特定式誘導経路演算部では、利用者が前記道路上の地点を指示した時、前記指示地点によって通過する道路を特定し、前記特定した道路を通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を変更誘導経路とする演算を行うことによって実現した。
【実施例１】
【００１９】
図１は本発明によるナビゲーション装置において、特に誘導経路を変更する処理部を中心とする各種機能部を示す機能ブロック図である。図１に示すナビゲーション装置においては、従来のものと同様に、システム制御部１０に各種の所定の機能を総合的に行うためのソフトウェアを記録したＲＯＭ、そのソフトウェアを処理するためのＣＰＵ及びＲＡＭ等を備え、これと接続した各機能部の制御を行っている。図示のナビゲーション装置においては、このシステム制御部１０に車両位置検出部１３が接続し、ＧＰＳ受信器１１の位置データを入力し、更に必要に応じて車速センサや角度センサによる走行距離・方位検出部１２からの車両の移動データを入力することによって、車両の現在位置を正確に検出している。
【００２０】
また、ＶＩＣＳ受信器を備えたＶＩＣＳ情報入力部１４を備え、ビーコン、ＦＭ放送等からＶＩＣＳ情報を取り込んでいる。指示信号入力部１７においては、このナビゲーション装置での利用者によるリモコン等の指示信号を入力している。更に必要に応じて利用者の音声を認識する処理によって利用者の指示信号を入力する音声認識部１６の信号も、この指示信号入力部１７に入力している。
【００２１】
またデータ取込部１９においては、ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−ＲＯＭ、或いはハードディスク等の地図・情報データ記録媒体１８から必要な地図データ、施設情報等を取り込み、更にそのデータ記録媒体がハードディスクのように容易にデータの書き込みができるような場合には、外部から取り込んだデータや、他の機能部で処理したデータを後に読み取って利用することができるように、そのデータ記録媒体にデータ入力もできるようにしている。更に図示のナビゲーション装置においてはモニタ２０に画像出力部からの地図画像等を表示し、音声出力部２３からの各種案内音声はスピーカ２２から出力できるようにしている。
【００２２】
誘導経路演算処理部２４においては、種々の手段で目的地や必要に応じて経由地を設定し、車両位置検出部１３で検出した現在地から、従来と同様にその目的地迄の経路を演算するための各種処理を行う。この誘導経路演算処理部２４においては通常行われるこのような誘導経路の演算のほか、特に本発明が提案する誘導経路の変更処理のため、図示するような誘導経路変更処理部２９を備えている。
【００２３】
即ち、図１に示す誘導経路演算処理部２４においては、前記従来技術として説明した図４（ａ）に示す例のように、現在地・目的地入力部２７から入力した現在地及び目的地の位置データにより、誘導経路演算部２８が従来と同様の誘導経路の演算を行ってその誘導経路を確定し、その誘導経路は誘導経路記憶部２５にそのデータを記録しておく。この状態で利用者が新たに別の地点に行きたいと思う際には、誘導経路変更処理部２９で誘導経路を変更する旨の指示を指示信号入力部１７から誘導経路変更指示入力部３０によって入力し、以降の誘導経路変更処理が行われる。
【００２４】
指示地点入力部３１においては、誘導経路変更指示入力部３０で利用者からの前記指示を入力した後、更に利用者から前記図４（ｂ）に示すような所望の地点の指示を指示信号入力部１７から行うと、これを指示地点入力部３１で入力する。この従来例としての図４（ｂ）の入力状態は、本発明の例を示す図３（ａ）として示している。即ち、図示の例では現在誘導経路Ｕ１が設定されている状態で、道路上の指示地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３を指示して、海沿いの道路Ｒ１を走行した上で、元の誘導経路Ｕ１に戻るルートを指示する例を示している。
【００２５】
指示地点位置データ取込部３２では、前記のように指示地点入力部３１で入力した地点の位置データについて、地図・情報データ記録媒体１８に記録したデータをデータ取込部９を介して取り込む。また、指示地点直近接続リンク抽出部３３では、利用者が指示した地点は本来は図示するように道路上を指示することとなるが、必ずしも正確に道路上を指示していないことが多いことを考慮し、指示した地点が道路上でないときでも指示した地点が、その直近の道路を指示したものとし、その道路についてのリンクを抽出する。また、抽出した道路リンクと同属性を有し、前記道路リンクと直接或いは間接的に接続された道路リンクを抽出する。
【００２６】
隣接通過道路交点抽出部３４では、通過することとなったｉ番目の通過道路のリンク群と、ｉ−１、ｉ＋１番目のリンク群との交点を求める処理を行う。それにより前記図３（ａ）のような指示地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３の場合、同図（ｂ）の波線で示す道路Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３を検出し、利用者はこれらの道路を指示したものとし、隣接通過道路交点抽出部３４ではそれらの道路の交点、即ち交差点を求める。
【００２７】
誘導経路を変更する演算を行う誘導経路変更演算部３５では、各種の手法により誘導経路の変更を行うための演算を行うものであるが、全指示地点通過誘導経路演算部３６では、前記従来例としての図４（ｃ）のように、指示した地点Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３を実際に通る誘導経路を演算するものであり、後述する本発明による指示地点による道路特定式誘導経路演算を希望しないとき、従来と同様に、指示した点を経由して元の誘導経路Ｕ１に戻る新たな誘導経路を演算する処理を行う。
【００２８】
指示地点による道路特定式誘導経路演算部３７においては、例えば図３（ａ）のような地点の指示が行われたとき、前記指示地点直近接続リンク抽出部３３で同図（ｂ）のように道路Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３が指示されたものとし、それらの道路を通って元の誘導経路Ｕ１に戻る最短の新たな誘導経路を演算する処理を行う。このとき、指示した地点の順序、即ち指示した道路の順序で通過する誘導経路の演算を行うほか、その順序にこだわること無くそれらの地点を効率よく通過する誘導経路の演算を行うようにしても良い。
【００２９】
前記誘導経路変更処理の結果、図３（ｃ）のような誘導経路Ｕ２が演算され、提示される。この図３（ｃ）と従来例の図４（ｃ）とを比較すれば明らかなように、利用者が意図した海沿いの道路Ｒ１を走行して元の誘導経路Ｕ１に戻る、最短で適切な誘導経路Ｕ２が提示され、従来の手法による問題点を解決することができることがわかる。
【００３０】
図１の機能ブロックからなる誘導経路を演算して提示する装置においては、例えば図２に示す作動フローにより、順に作動させ、実施することができる。即ち図２に示す誘導経路提示処理の例においては、最初誘導経路の演算と記憶を行い（ステップＳ１）、その後利用者が誘導経路変更の指示を行ったか否かを判別する（ステップＳ２）。この判別で誘導経路の変更の指示がないと判別したときにはステップＳ１４に進み、目的地に到着したか否かを判別する。この判別で未だ目的地に到着していないと判別したときにはステップＳ２に戻り、先に得られている誘導経路にしたがって走行する。また、ステップＳ１４で目的地に到着したと判別したときには、この作動フローの処理を終了する。
【００３１】
ステップＳ２で誘導経路変更の指示があると判別したとき、即ち図１の誘導経路変更処理部２９の誘導経路変更指示入力部３０で利用者の誘導経路変更指示を入力したとき、道路上地点指示式誘導経路変更を行うか否かを判別する（ステップＳ３）。ここで道路上地点指示式の誘導経路変更を行わないと判別したとき、即ち、例えば新たな経由地として特定の施設を指定する等による経路変更の時にはステップＳ１３に進み、利用者が指示した方式により誘導経路の演算を行って提示する。この演算処理は誘導経路変更演算部３５の図示されていない機能部で行うこととなる。
【００３２】
ステップＳ３において道路上地点指示式誘導経路変更であると判別したときには、その後利用者による道路上地点の指示が行われ（ステップＳ４）、地点指示は終了したか否かを判別し（ステップＳ５）、例えば利用者により指示地点入力終了の指示が未だ無いとき、或いは道路上の地点を指示した後５秒等の所定時間が経過したか否かを判別する等により、未だ５秒が経過していないとき等には、ステップＳ４に戻って利用者による次の道路上地点の指示を待ち、この作動を繰り返すことにより、利用者が希望する道路上の地点が任意の数指定される。この作動は図１の誘導経路変更処理部２９における指示地点入力部３１で入力される。
【００３３】
ステップＳ５において地点指示は全て終了したと判別したとき、即ち前記の例では利用者によって指示地点入力終了の指示があるとき、或いは前の指示地点入力から５秒が経過したと判別したときにはステップＳ６に進み、指示地点の全てについてそれぞれの指示地点に直近の道路を検出し、その道路の道路属性データを読み出し、全指示地点の道路を特定する。この作動は図１の誘導経路変更処理部２９において、指示地点位置データ取込部３２で位置データの取り込みを行った後、指示地点直近接続リンク抽出部３３において指示地点上の道路リンク、或いは指示地点が道路上ではないときでも直近の道路を検出し、その道路属性を読み出して、一連の道路属性のリンク群を同一道路として認識することによりこの作動が行われる。
【００３４】
その後特定した道路を走行して元の誘導経路に戻る誘導経路を演算して提示する（ステップＳ８）。この作動は図１の指示地点による道路特定式誘導経路演算部３７において行われ、図３（ｃ）のような提示がなされる。次いで利用者が確認して決定したか否かを判別し（ステップＳ９）、利用者がこれでよい旨の確認を行ったときにはステップＳ１２に進んで演算した誘導経路を記憶して、以降はステップＳ２に戻り、更に次の誘導経路変更の指示があるか否かをチェックしながら目的地に到着するまで前記作動を繰り返す。
【００３５】
ステップＳ９で利用者が確認作業を行った結果、所望の経路ではないと思ったときにはその誘導経路を確定しないことによりステップＳ１０に進み、従来例である図４に示す例にのように指示地点を全て通る誘導経路を演算して提示する。即ち、通常のナビゲーション装置において、地図上の地点を指示して誘導経路の演算を行わせるときには、その地点を実際に通る誘導経路の演算を望む場合があり、その際には前記のような道路を指定したものと仮定して得られた誘導経路は好ましいものではない場合があるため、これを考慮してステップＳ１０において、指示地点を全て通る誘導経路を演算して提示している。
【００３６】
その後ステップＳ１３において、前記のように道路上地点指示式誘導経路変更ではない誘導経路の変更を行うときと共にステップＳ１１に進み、利用者が確認し決定しかか否かを判別し、利用者がこの誘導経路でよいことを確認したときにはこの演算した誘導経路を記憶し（ステップＳ１２）、ステップＳ２に戻って目的地に到着するまで前記作動を繰り返す。前記ステップＳ１１において提示された誘導経路は適切ではないと判別したときにもステップＳ２に戻り、前記作動を繰り返す。図２に示すこのような作動は一例であり、更に種々の手法により本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【００３７】
【図１】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図２】同実施例における誘導経路提示処理例の作動フロー図である。
【図３】同実施例における作動例を示す図である。
【図４】従来例の作動例を示す図である。
【符号の説明】
【００３８】
２４ 誘導経路変更演算処理部
２５ 誘導経路記憶部
２６ 誘導経路案内部
２７ 現在地・目的地入力部
２８ 誘導経路演算部
２９ 誘導経路変更処理部
３０ 誘導経路変更指示入力部
３１ 指示地点入力部
３２ 指示地点位置データ取込部
３３ 指示地点直近接続リンク抽出部
３４ 隣接通過道路交点抽出部
３５ 誘導経路変更演算部
３６ 全指示地点通過誘導経路演算部
３７ 指示地点による道路特定式誘導経路演算部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
目的地迄の誘導経路を演算する誘導経路演算部と、
前記誘導経路演算部で予め設定した誘導経路を、道路上の地点を指示することにより変更する、指示地点による道路特定式誘導経路演算部とを備え、
前記指示地点による道路特定式誘導経路演算部では、利用者が前記道路上の地点を指示した時、前記指示地点によって通過する道路を特定し、前記特定した道路を通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を変更誘導経路とする演算を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項２】
前記指示地点によって通過する道路を特定するとき、指示地点に最も近い道路を通過する道路として特定することを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項３】
前記変更誘導経路を利用者が確定しないとき、前記利用者が指示した地点を全て通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を演算して提示する、全指示地点通過誘導経路演算部を備えたことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項４】
前記指示地点によって通過する道路の特定に際しては、指示した地点を通過する道路のリンクを求め、該道路リンクと同属性を有し、該道路リンクと接続する道路リンク群を求めることによって道路を特定することを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項５】
前記変更誘導経路の演算に際しては、通過する道路リンク群の交点を求める隣接通過道路変更抽出部の抽出結果により演算を行うことを特徴とする請求項４記載のナビゲーション装置。
【請求項１】
目的地迄の誘導経路を演算する誘導経路演算部と、
前記誘導経路演算部で予め設定した誘導経路を、道路上の地点を指示することにより変更する、指示地点による道路特定式誘導経路演算部とを備え、
前記指示地点による道路特定式誘導経路演算部では、利用者が前記道路上の地点を指示した時、前記指示地点によって通過する道路を特定し、前記特定した道路を通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を変更誘導経路とする演算を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項２】
前記指示地点によって通過する道路を特定するとき、指示地点に最も近い道路を通過する道路として特定することを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項３】
前記変更誘導経路を利用者が確定しないとき、前記利用者が指示した地点を全て通って前記予め設定した誘導経路に戻る経路を演算して提示する、全指示地点通過誘導経路演算部を備えたことを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項４】
前記指示地点によって通過する道路の特定に際しては、指示した地点を通過する道路のリンクを求め、該道路リンクと同属性を有し、該道路リンクと接続する道路リンク群を求めることによって道路を特定することを特徴とする請求項１記載のナビゲーション装置。
【請求項５】
前記変更誘導経路の演算に際しては、通過する道路リンク群の交点を求める隣接通過道路変更抽出部の抽出結果により演算を行うことを特徴とする請求項４記載のナビゲーション装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１０−３２２４３（Ｐ２０１０−３２２４３Ａ）
【公開日】平成２２年２月１２日（２０１０．２．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１９２０７３（Ｐ２００８−１９２０７３）
【出願日】平成２０年７月２５日（２００８．７．２５）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＶＩＣＳ
【出願人】（０００１０１７３２）アルパイン株式会社 (2,424)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年２月１２日（２０１０．２．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年７月２５日（２００８．７．２５）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＶＩＣＳ
【出願人】（０００１０１７３２）アルパイン株式会社 (2,424)
【Ｆターム（参考）】
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