説明

ナビゲーション装置

【課題】所望の2地点間を往復する際に、往路の経路探索において指定した出発地を復路の目的地とする場合に、復路の目的地を適切に設定できるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、禁止領域設定手段15と、位置判別手段17と、復路目的地決定手段20と、を備え、往路の経路案内において、禁止領域設定手段15は、所望地点を中心とした所定の領域を、経路案内を禁止する領域として設定し、位置判別手段17は車両の位置を判別し、前記禁止領域内は案内経路に基づく音声ガイダンスなどの経路案内を禁止し、設定した領域を出て、現在位置が案内経路上に位置した地点から案内経路に基づく経路案内を受けられるようにするとともに、往路の目的地を出発地とし、往路の出発地までの復路の経路探索においては、前記復路目的地決定手段19は前記マッチングされた地点を復路の目的地とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の出発地と目的地を指定し、その間の最適経路を探索して案内経路を提示して経路案内を行うナビゲーション装置に関するものであり、特に、所望地点を中心とした所定の領域を経路案内を禁止する領域として設定し、設定した領域内は案内経路や案内経路に基づく音声ガイダンスなどの経路案内を禁止し、設定した領域を出て、現在位置が案内経路上に位置した地点から案内経路に基づく経路案内を受けられるようにするとともに、復路の経路探索においては、前記往路で現在位置が案内経路上に位置した地点を復路の目的地として経路探索を行い経路案内するようにしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置においては、利用者が入力手段を操作して出発地と目的地を設定してその間の最適経路を探索し、現在位置検出手段によって検出された車両の現在位置に基づいて、該現在位置から目的地までの経路を案内している。
【0003】
一般にナビゲーション装置は、この経路探索のために道路ネットワークのデータベースを備えている。道路ネットワークのデータベースとは、地図データの道路(経路)に、その結節点、屈曲点などの位置をノードとするノードデータ、各ノードを結ぶ経路をリンクとするリンクデータ、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)を有するリンクコストデータを蓄積したものである。ナビゲーション装置は、このデータベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を決定し、案内を行う。このようなデータベースを用いた経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。
【0004】
現在位置はGPS(Global Positioning System)によって測位されるのであるが、この位置情報には誤差が含まれる。したがって現在位置が道路リンクから外れている場合には、現在位置を地図上の最も近い道路上に補正するマップマッチング処理を行う。マップマッチング処理としては、近傍の道路リンクにそれぞれ垂線を下ろし、各道路リンクのうちで最も垂線の長さが短い道路リンクと、その垂線の交点をマッチング位置とする手法などが知られている。
【0005】
また、案内経路に基づいて案内を行っている場合に、利用者が道に迷ったなどの理由で前記マッチング位置が案内経路上から逸脱することもある。このような場合、目的地までの最適経路を新たに探索して案内を行う必要が生じる。このため一般的なナビゲーション装置においては、車両が案内経路から逸脱したことを検出すると、車両の現在位置を出発点とし、当初の目的地までの最適経路を再探索する機能を有している。この再探索の処理をリルート処理と称している。
【0006】
例えば、下記の特許文献1(特開平9−152351号公報)には、経路からの逸脱を検出すると自動的に経路を再探索するオートリルート処理を有するナビゲーション装置が開示されている。このナビゲーション装置は、ルート外れが検出されると再探索処理を実行、オートリルートモードを判断し、ONのときはその再探索ルートの表示処理を行って、引続き経路案内を行う。OFFのときは、得られた経路を経路記憶手段に記憶しておき、使用者が再探索スイッチを押すことにより、経路記憶手段に記憶された経路の表示処理を行うようにしたものである。
【0007】
ここで、現在位置から目的地まで全て案内されることは便利な反面、煩わしいこともある。例えば、自宅や勤務先の周辺など、よく知った地域を運転する場合において、案内経路に従わない経路を通ったほうが便利だと経験則に基づいて判断し、意図的に案内経路と違う道路を走行することがある。その際経路案内を受けていると、案内経路から外れた警告が出力されたり、経路の再探索(リルート処理)の要否が問い合わせられたりする。また、ナビゲーション装置がオートリルートに設定されている場合には不必要なリルートが実行され無駄な処理が発生する。
【0008】
このような煩わしさを解消するために、所望の領域の登録をしておき、その領域内では音声ガイダンスを一部制限(音声ガイダンスを禁止)することのできるナビゲーション装置が下記の特許文献2(特開2004−184136号公報)に開示されている。
【0009】
この特許文献2に開示されたナビゲーション装置は、現在位置検出手段と、登録領域を設定する登録領域設定手段と、現在位置に関連する地点が前記登録領域にあるか否かを判断し、登録領域にある場合には、目的地までの経路の案内を制限する制御手段と、を備え、現在位置が登録領域にある場合には音声ガイダンスを制限するよう構成されている。
【0010】
ところで、上記特許文献2に開示されたナビゲーション装置においては、所望の領域を登録し、その登録領域内では音声案内を禁止し、登録領域を出たら音声案内を再開することはできるが、音声案内を再開するにあたっては、次のような問題点が生ずる。
【0011】
すなわち、ナビゲーション装置の利用者は、登録領域の境界前後で案内された経路に戻ることを意図して、登録領域内は案内経路に従わず利用者が知る道路を走行している。しかしながら、目的地が異なれば案内経路も異なるので、どの地点で案内経路に戻るかは、予定できるものではなく、登録領域もおよその領域しか設定できない。従って、登録領域から外に出た時点で案内経路に戻っているとは限らない。もしも、登録領域から出てもしばらくは案内経路に戻れない道路を走行していると、経路案内、音声案内が再開され、案内経路から外れている旨の警告が出力されたり、リルートの問い合わせが出力されたりしてしまい、当初の目的が完全には達成できないという問題点が生ずる。また、オートリルートの状態にあると、無駄な経路のリルート処理が行われてしまうという問題点も生ずる。
【0012】
本願の出願人は、上記の問題点を解消する目的で、既に特願2008−212392号の発明についての特許出願を行っている。
【0013】
この特願2008−212392号(以下、「先願1」という。)に開示された発明は、所望地点を中心とした所定の領域を、経路案内を禁止する領域として設定し、設定した領域内は案内経路や案内経路に基づく音声ガイダンスなどの経路案内を禁止し、設定した領域を出て、現在位置が案内経路上に位置した地点から案内経路に基づく経路案内を受けられるようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
この先願1のナビゲーション装置の概念を、図5を用いて詳細に説明すると、次のとおりである。図5は、この先願1のナビゲーション装置による経路案内の概念を示す図である。経路RT1は、ナビゲーション装置において、経路探索条件として設定された出発地Sから目的地Gまでの最適経路を探索した結果得られた案内経路を示している。出発地Sが自宅や勤務先などユーザが周辺の道路をよく知っている場合、ユーザは、案内経路である経路RT1を走行せず、出発地Sからユーザがよく知っている別の経路RT2を走行して任意の地点Pで案内された経路RT1に入ることがある。この場合、ユーザが経路RT2を走行している間は、案内経路である経路RT1に関する経路案内(音声案内や経路外れ警告や経路外れに基づくリルート処理など)は無用のものである。
【0015】
先願1においては、ナビゲーション装置は、通常のナビゲーション機能の他に、所望の領域内で音声ガイドやメッセージ表示による経路案内を禁止する機能を指定して動作させることができる。この動作モードの場合には、出発地Sを含む所定のエリア(図5のエリアD参照)を設定して、そのエリア内を、経路案内を禁止する領域(禁止領域)とし、車両がエリアを出てナビゲーション装置が探索した案内経路(図5の経路RT1参照)上にあることが判別された地点Pから、経路案内を再開するように構成される。
【特許文献1】特開平09−15231号公報(段落[0029])
【特許文献2】特開2004−184136号公報(段落[0009])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、ユーザが自宅や勤務先などを出発地とし、所望の目的地を設定して経路探索、経路案内を受けて該目的地まで往路移動し、復路も当該目的地からもとの出発地まで戻る行動を取ることがある。例えば、自宅から所望の観光地にでかけ、自宅に帰宅するような場合である。
【0017】
一般に、所望の出発地から目的地まで往復する際に、往路と同じ経路を復路とすることもできるが、往路と同じ経路を復路とすることが最適であるとは限らない。走行する時間帯が異なれば、道路状況が異なり、復路は別の経路を利用したほうが早く目的地に到達できることもある。例えば、ナビゲーション装置で出発地から目的地までの往路の最適経路を探索する時点と、目的地を往路の出発地とし、出発地を往路の目的地として復路の最適経路を探索する時点とでは、道路の渋滞状況が異なることがあり、必ずしも往路と復路で同じ経路が最適経路になるとは限らない。従って、通常は、例え、出発地と目的地の2地点が往路と復路で同じであっても、復路についても経路探索条件を設定して再度経路を探索する必要が生じる。
【0018】
このような場合、復路の目的地が自宅のように周辺の道路事情をユーザがよく知っている地点である場合、自宅まで経路探索によって案内された経路を走行せず、自宅周辺まで案内された経路を走行し、自宅周辺では案内経路によらず、別の道路に逸れて自宅まで戻ることもよく行われる。このような場合は、復路の経路探索の目的地を自宅に設定して自宅までの経路を探索して案内しても、自宅周辺では、経路案内(音声案内や経路外れ警告や経路外れに基づくリルート処理など)が不用になるという問題点が生ずる。
【0019】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討した結果、所望地点を中心とした所定の領域を、経路案内を禁止する領域として設定し、設定した領域内は案内経路や案内経路に基づく音声ガイダンスなどの経路案内を禁止し、設定した領域を出て、現在位置が案内経路上に位置した地点から案内経路に基づく経路案内を再開するモードで、出発地から目的地まで往路を移動し、復路における目的地として前記往路の出発地が設定された場合、前記往路において経路案内を再開した地点を復路の目的地として経路探索および経路案内するようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0020】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、所望地点を中心とした所定の領域を経路案内を禁止する領域として設定し、設定した領域内は案内経路や案内経路に基づく音声ガイダンスなどの経路案内を禁止し、設定した領域を出て、現在位置が案内経路上に位置した地点から案内経路に基づく経路案内を受けるようにしたナビゲーション装置において、所望の2地点間を往復する際に、往路の経路探索において指定した出発地を復路の目的地とする場合に、復路の目的地を適切に設定できるようにしたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
指定された出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図データを記憶した地図記憶手段と、前記地図記憶手段に記憶された地図データに基づいて案内経路を含む地図画像を表示するとともに、現在位置を前記地図画像上に表示して経路案内を行う経路案内手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、所望の地点に応じた前記経路案内を禁止する所定の領域を禁止領域として設定する禁止領域設定手段と、位置判別手段と、復路目的地決定手段と、を備え、
前記所望の地点を出発地として禁止領域を設定し、目的地までの経路探索の結果に基づいて往路の経路案内を受けるとき、前記位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域外に存在すると判別され、かつ、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が案内経路上にあると判別された地点を一時記憶し、前記往路における出発地を目的地とした復路の経路探索を行う際、前記復路目的地決定手段は、前記一時記憶された地点を復路の目的地として決定し、前記経路探索手段は、前記地点を目的地とした経路探索を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記往路の経路案内の際に、前記位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域内に存在すると判別され、かつ、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記案内経路上に無いと判別された場合、前記経路探索手段による経路の再探索を禁止することを特徴とする。
【0023】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記往路の経路案内の際に、前記位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域外に存在すると判別され、かつ、前記禁止領域外になってから所定の時間経過した場合において、さらに前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記案内経路上に無いと判別された場合、前記経路探索手段による経路の再探索を許可することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1にかかる発明においては、所望の地点を出発地として禁止領域を設定し、目的地までの経路探索の結果に基づいて往路の経路案内を受けるとき、前記位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域外に存在すると判別され、かつ、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が案内経路上にあると判別された地点を一時記憶し、前記往路における出発地を目的地とした復路の経路探索を行う際、前記復路目的地決定手段は、前記一時記憶された地点を復路の目的地として決定し、前記経路探索手段は、前記地点を目的地とした経路探索を行う。
【0025】
かかる構成によれば、所望地点を中心とした所定の領域を、経路案内を禁止する領域として設定し、設定した領域内は案内経路や案内経路に基づく音声ガイダンスなどの経路案内を禁止し、設定した領域を出て、現在位置が案内経路上に位置した地点から案内経路に基づく経路案内を受けるようにしたナビゲーション装置において、所望の2地点間を往復する際に、往路の経路探索において指定した出発地を復路の目的地とする場合に、復路の目的地を適切に設定できるようになる。また、復路の目的地は出発地そのものを示す地点でなく、往路において、車両が禁止領域を出た後に、初めて往路の案内経路上に位置した地点が、復路の目的地として設定されるので、ユーザはその地点まで復路の経路探索の結果に基づいて案内された最適経路を走行し、その地点以降は、往路と同様に出発地である自宅まで任意の経路を用いて走行することができるようになる。
【0026】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域内に存在すると判別され、かつ、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記案内経路上に無いと判別された場合、前記経路探索手段による経路の再探索を禁止する。
【0027】
かかる構成によれば、利用者が意図的に前記禁止領域内で前記案内経路から逸脱して自ら選択した道路を走行中において、オートリルート機能がオンに設定されていても、利用者の意に反して経路の再探索を行うことがなく、利用者はナビゲーション装置の案内によらず走行ができ、また、無駄な再探索処理を行わずにすみ、メモリの圧迫を抑止することができる。
【0028】
請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域外に存在すると判別され、かつ、前記禁止領域外になってから所定の時間経過した場合において、さらに前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記案内経路上に無いと判別された場合、前記経路探索手段による経路の再探索を許可する。
【0029】
かかる構成によれば、オートリルート機能がオンに設定されていても、利用者が意図的に前記禁止領域内で前記案内経路から逸脱して自ら選択した道路を走行中において、利用者の意に反して経路の再探索を行うことがなく、利用者はナビゲーション装置の案内によらず走行ができ、また、無駄な再探索処理を行わずにすみ、メモリの圧迫を抑止することができる。更に、禁止領域の外に出てから所定の時間内に案内経路に戻れなかった場合には、オートリルート機能により、車両の現在位置から目的地までの新たな経路が再探索されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための車載用ナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこの車載用ナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の車載用ナビゲーション装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0031】
図1は、本発明の実施例にかかる車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。車載用ナビゲーション装置1は、制御手段10、現在位置検出手段11、記憶手段12、経路探索手段13、表示手段14、経路案内を禁止する所定の領域を設定する禁止領域設定手段15、入力手段16、経路案内手段18、現在位置が禁止領域内か否かを判別し、また、現在位置検出手段11が検出した現在位置が前記案内経路上にあるか否かを判別する位置判別手段17、復路目的地決定手段19などを備えて構成されている。
【0032】
制御手段10は、ROM101、RAM102を有するマイクロプロセッサであり、ROM101に格納された制御プログラムにより各部の操作を制御する。現在位置検出手段11はGPS受信機を備え、GPS衛星信号を受信、処理してナビゲーション装置1の現在位置(緯度・経度)を所定の時間間隔で測位し、地図データ(道路のデータ)を参照して、測位した現在位置に最も近い道路上の位置にマッチング処理を行うことで、道路データ上の現在位置を検出する。表示手段14は、現在位置を中心として、地図を液晶画面などに表示するものである。
【0033】
入力手段16は、キーや操作ボタンを含み、メニュー画面の操作(図示しないタッチパネルを用いる)、操作ボタンの操作により出発地や目的地、時刻条件などの経路探索条件を設定することができる。
【0034】
記憶手段12は、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータ(ノードデータ)と道路リンクデータ(リンクデータ)を含む道路データを記憶する。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別は、高速道路や有料道路の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。記憶手段12は、さらに海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、施設の位置、形状、名称を含む施設データからなる背景データを記憶している。
【0035】
経路探索手段13は、利用者によって出発地や目的地が指定されると、記憶手段12に記憶されている地図データ(道路データ)を参照し、出発地から目的地に至る最適経路を探索し、案内経路データを作成するものである。この最適経路の探索は、現在位置または利用者によって指定された出発地に対応する道路ノードから利用者によって指定された目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法などの各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間などを累積し、総リンク長または総所要時間などが最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0036】
経路案内手段18は、経路探索手段13によって作成された案内経路データと、現在位置検出手段11によって検出された現在位置に基づいて、表示手段14による視認可能画像表示や、図示してはいないがスピーカーなどによる音声案内等を用い案内を行う。経路案内手段18による経路案内においては、車載用ナビゲーション装置1の現在位置を含む所定の縮尺の地図データが記憶手段12から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされて表示手段14に表示される。また、制御手段10は、経路案内中に現在位置が交差点や分岐点など案内を要する地点に到達すると、右折、左折、直進などの案内を表示手段14に表示したり、スピーカ(図示せず)から音声案内を出力したりする。
【0037】
以上の車載用ナビゲーション装置1の構成要素は、一般的なナビゲーション装置が有する要素であり、本実施例にかかる車載用ナビゲーション装置1は、前述したように更に、禁止領域設定手段15、位置判別手段17、復路目的地決定手段19を備えている。
【0038】
本発明においては、通常のナビゲーション機能の他に、所望の領域内で音声ガイドやメッセージ表示による経路案内を禁止する機能を指定して動作させることができる。この動作モードの場合には、案内禁止領域設定手段15は、所望地点を中心とした経路案内を禁止する所定の領域を設定して、設定した禁止領域内は案内経路や案内経路に基づく音声ガイダンスなどの経路案内を禁止し、設定した禁止領域を出て、現在位置検出手段11が検出した現在位置が案内経路上にあると判別された地点から案内経路に基づく経路案内を再開する。
【0039】
このため、位置判別手段17は、現在位置検出手段11が検出した車両の現在位置が前記の禁止領域内か、禁止領域外であるかを判別する。また、現在位置検出手段11が検出した現在位置が案内経路上か否かを判別する。
【0040】
禁止領域を設定する際の地点指定は、入力手段16により出発地や目的地を入力したり、タッチパネルを用いて表示手段14に表示された経路探索条件の入力メニューから入力したりする。
【0041】
また、往路において経路案内を禁止する機能を指定して経路探索を行い、その結果によって経路案内を受け、禁止領域内での経路案内を禁止して走行した場合、復路において、往路の出発地を復路の目的地とし、往路の目的地を復路の出発地とする経路探索の際に、復路目的地決定手段19は、後述するようにして復路の目的地を決定する。
【0042】
すなわち、経路探索手段13は、往路の出発地をそのまま目的地として復路の経路探索を実行するのではなく、往路の目的地を出発地とし、復路目的地決定手段19が決定した復路目的地を目的地とした経路を探索する。復路目的地決定手段19は、往路の経路案内において、位置判別手段17が経路案内を再開する地点として判別した地点、すなわち、往路の経路案内において、車両が経路案内を禁止する禁止領域を出た後に初めて往路の案内経路上に位置したと判別した地点(図5に示す地点P)を、復路の目的地として決定するものである。
【0043】
従って、上記本発明の機能を用いる場合、所望の領域内で音声ガイドやメッセージ表示による経路案内を禁止する機能を指定して動作させる際に、往路の経路探索に加えて復路の経路探索を行う条件を指定するようにする。この指定がなされた場合、制御手段10は、位置判別手段17が往路の経路案内において経路案内を再開する地点として判別した地点を一時記憶しておき、復路目的地決定手段19に地点情報を提供するように構成する。
【0044】
このようにすれば、復路の目的地は往路の出発地そのものを示す地点ではなく、往路において、車両が禁止領域を出た後に、初めて往路の案内経路上に位置した地点が復路の目的地に設定されるので、ユーザはその地点まで復路の経路探索の結果に基づいて案内された最適経路を走行し、その地点以降は、往路と同様に出発地である自宅まで任意の経路を用いて走行することができるようになる。
【0045】
なお、経路案内を禁止する機能を指定して経路探索し、その結果によって経路案内を受け、禁止領域内での経路案内を禁止して走行した場合に、ナビゲーション装置1においてオートリルートが機能する状態であると、現在位置が案内経路から逸脱していた場合に自動的に経路探索手段13による経路の再探索(リルート)処理が開始されてしまう。
【0046】
そこで、車両の現在位置が禁止領域内である場合は、経路案内を禁止するとともにリルート処理も行われないようにする。
【0047】
また、車両の現在位置が禁止領域を出たとしても、その地点で案内経路に戻っていない可能性があり、また、案内経路に戻るまでにある程度の時間が必要であるケースも予想される。従って、現在位置が禁止領域外になった時点から、所定の時間経過するまでは、リルート処理を禁止する。このようにすれば、ナビゲーション装置1がオートリルートの状態であっても無駄なリルート処理を行うことがなく、また、経路逸脱の警告も出力されることがなくなる。
【0048】
次に、図2に示すフローチャートを参照して、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の動作手順について説明する。
【0049】
制御手段10は、先ず、所望の領域内で音声ガイドやメッセージ表示による経路案内を禁止する機能を動作させる指定(禁止領域を設定した経路案内の動作が指定)されているか否かを判別する(ステップS1)。経路案内を禁止する禁止領域を設定した動作が指定されていない場合は、ステップS9の処理に進み、制御手段10は、通常の経路探索の動作に移行して経路探索および経路案内を実行し、目的地まで到達したなら処理を終了する。
【0050】
禁止領域を設定した動作が指定されている場合は(ステップS1のY)、復路の経路探索指定があるか否かを判別する(ステップS2)。復路の経路探索が指定されていない場合は、後述する図3または図4の処理に移行する。復路の経路探索が指定されている場合(ステップS2のY)、制御手段10は、往路の経路案内において、位置判別手段17により判別された音声ガイドやメッセージ表示による経路案内を再開した地点、すなわち、往路において、車両が案内禁止領域を出た後に初めて往路の案内経路上に位置した地点(図5の地点P)を一時記憶する(ステップS3)。
【0051】
このステップS3の処理は後述する往路の経路案内において行っておくものであり、図3のステップS101〜ステップS107の処理、または、図4のステップS201〜ステップS208において特定された地点(車両が案内禁止領域を出た後に初めて往路の案内経路上に位置した地点)を記憶するものである。
【0052】
次いで、制御手段10は、復路の経路探索の開始を判別する(ステップS4)。復路の経路探索の開始タイミングは、往路の経路探索が終了し、経路案内を開始した後であれば何時でもよいが、往路において利用者が旅行を取りやめたり、目的地を変更したりする場合もあるので、往路の目的地に車両が到達し、往路の経路案内が終了した時点とすることが好ましい。この場合、ステップS4の復路の経路探索の開始は、往路における目的地到達(往路経路案内の終了)を検出すればよい。
【0053】
復路の経路探索の開始でない場合はステップS4の処理を繰り返す。復路の経路探索の開始を判別すると、復路目的地決定手段19は、制御手段10がステップS3の処理で一時記憶した地点の情報、すなわち、往路の経路案内において、音声ガイドやメッセージ表示による経路案内を再開した地点、すなわち、往路において、車両が禁止領域を出た後に、初めて往路の案内経路上に位置した地点(図5の地点P)を復路の経路探索における目的地として決定する(ステップS5)。
【0054】
経路探索手段13は、復路の経路探索において、復路目的地決定手段19が決定した目的地を用い、出発地を復路の目的地としてその2地点間の最適経路を探索する(ステップS6)。経路案内手段18は、ステップS6の処理で探索された最適経路を復路の案内経路として経路案内を行う(ステップS7)。そして、経路案内手段18は現在位置検出手段11が検出した車両の現在位置に基づいて、車両が復路の目的地(地点P)に到達したか否かを判別する(ステップS8)。
【0055】
車両が復路の目的地に到達していなければ、ステップS7の処理に戻り、復路の経路案内を継続する。車両が復路の目的地に到達したと判別されれば経路案内手段18は復路の経路案内を終了し、制御手段10も処理を終了する。
【0056】
次に、出発地の周辺に所定の禁止領域を設定した場合の経路案内(往路の経路案内)の手順について説明する。図3は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の経路案内の禁止、再開の制御の手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、ナビゲーション装置1において、指定した出発地を中心とする所定範囲の禁止領域を設定するモードが設定されており、また、オートリルートの機能はオフにされているものとして説明を行う。
【0057】
ステップS101の処理で、入力手段16を用い、あるいは、表示手段14に表示されたメニューを用いて出発地、目的地などの経路探索条件が設定される。ステップS102の処理で経路探索手段13は、出発地から目的地までの最適経路を探索する。経路案内手段18は経路探索手段13が探索した最適経路を案内経路として利用者を案内するための案内経路データを生成する。案内経路データには、各交差点などにおける進行方向の案内(音声あるいは表示メッセージ)が含まれる。ステップS103ではこの案内経路データに従って経路案内が開始される。
【0058】
経路案内が開始されると、ステップS104の処理で、現在位置検出手段11は所定の時間間隔で車両の現在位置の検出を行う。ステップS105の処理で、位置判別手段17によって、現在位置が禁止領域内に存在するか否かの判別が行われ、禁止領域内に存在すると判断された場合は、ステップS106の処理へ進み、経路案内が禁止され、禁止領域内に存在しないと判別された場合はステップS107の処理へと進む。ステップS106の処理で経路案内が禁止されると、ステップS112の処理で経路案内終了か(目的地に到着したか)を判別し、経路案内終了であればナビゲーション装置1は処理を終了し、経路案内の終了でない場合にはステップS104の処理に戻る。
【0059】
ステップS107の処理では、位置判別手段17は、現在位置検出手段11が検出した現在位置(現在位置に応じたリンクあるいはノード)と、案内経路のデータ(リンク、ノード)との比較を行い、自車位置が案内経路上に存在するか否かを判別する。案内経路上に存在すると判別された場合には、ステップS108へ進み、経路案内手段18による経路案内が再開され、ステップS112の処理に進む。
【0060】
一方、ステップS107の判別処理で、現在位置手段11が検出した現在位置が案内経路上ではないと判断された場合は、ステップS109へ進み、経路案内手段18による経路案内は禁止され、次いでステップS110の処理へ進み、車両が禁止領域の外に出てから所定時間以上経過しているか否かの判別を行う。所定時間内であればステップS107の処理に戻り、所定時間以上経過している場合は、ステップS111の処理に進み、エラー表示を行って処理を終了する。
【0061】
以上は、ナビゲーション装置1において、オートリルート機能がオフに設定されている場合を例に説明したが、次にオートリルート機能がオンに設定されている場合の経路案内の処理について説明する。図4は、ナビゲーション装置1において、オートリルート機能がオンに設定されている場合の経路案内の処理手順を示すフローチャートである。
図4のフローチャートにおいて、ステップS201ないしステップS204の処理は、それぞれ、図3のフローチャートにおけるステップS101ないしステップS104の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0062】
ステップS205の判別処理で現在位置が禁止領域の外に出たと判別されるとステップS208の処理に進み、車両が案内経路上にあるか否かが判別される。すなわち、位置判別手段17は、現在位置検出手段11が検出した現在位置(現在位置に応じたリンクあるいはノード)と、案内経路のデータ(リンク、ノード)との比較を行い一致すれば、自車位置が案内経路上にあり、一致しなければ案内経路上にない(経路から逸脱した)と判別される。
【0063】
ステップS208の判別処理で、車両の現在位置が案内経路上にあると判別されると、ステップS209の処理に進み、音声などによる経路案内を再開し、ステップS214の処理に進む。
【0064】
ステップS208の判別処理で、車両の現在位置が案内経路上にないと判別されると、ステップS210の処理に進み、オートリルート設定によるリルート処理を禁止し、ステップS211の処理に進んで、音声などによる経路案内を禁止し、ステップS212の処理に進む。ステップS212の判別処理では、車両の現在位置が禁止領域の範囲外に出てから所定時間経過したか否かを判別する。前述のように車両の利用者は出発地近傍では案内経路によらないよく知る道路を走行し、案内経路に戻ることを意図して走行しているから禁止領域の外に出てから所定時間経過するまでには案内経路に戻る可能性が高い。この時間内に案内経路上に戻れない場合には道に迷い案内経路に戻れない状態であると考えられる。
【0065】
そこで、ステップS212の判別処理で、所定時間経過していないと判別されるとステップS208の判別処理に戻り、車両が案内経路上に戻ったか否かを判別する。一方、所定時間経過したと判別された場合には、案内経路上に戻れなかったものとして、ステップS213の処理に進み経路再探索処理を行う。経路再探索処理(リルート処理)では、車両の現在位置を出発地とし、当初の経路探索条件で指定された目的地までの最適経路を探索する。図4の手順の場合、車載用ナビゲーション装置1はオートリルート機能がオンに設定されているものであるから、ステップS212の判別処理で、車両が案内禁止領域の外に出てから所定時間経過したことにより、案内経路に戻ることができなかったものとしてオートリルート機能のオン設定に基づくリルート処理を許可し、経路再探索の処理を実行させる。
【0066】
従って、先に図2のフローチャートのステップS3の処理で制御手段10が記憶する地点の情報(車両が禁止領域外に出た後に案内経路上にあると判別された地点)は、図3のステップS107の判別処理、あるいは、図4のステップS208の判別処理において求められた車両の位置情報である。
【0067】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、所望地点を中心とした所定の領域を、経路案内を禁止する領域として設定し、設定した領域内は案内経路や案内経路に基づく音声ガイダンスなどの経路案内を禁止し、設定した領域を出て、現在位置が案内経路上にマッチングされた地点から案内経路に基づく経路案内を受けるようにしたナビゲーション装置において、所望の2地点間を往復する際に、往路の経路探索において指定した出発地を復路の目的地とする場合に、復路の目的地を適切に設定できるようになる。
【0068】
また、復路の目的地は出発地そのものを示す地点でなく、往路において、車両が禁止領域を出た後に、初めて往路の案内経路上に位置した地点が、復路の目的地として設定されるので、ユーザはその地点まで復路の経路探索の結果に基づいて案内された最適経路を走行し、その地点以降は、往路と同様に出発地である自宅まで任意の経路を用いて走行することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の経路案内の禁止、再開の制御の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置において、オートリルート機能がオンに設定されている場合の経路案内の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】所望地点を中心とした所定の領域を、経路案内を禁止する領域として設定するようにした先願1のナビゲーション装置における経路案内の制御方法の概念を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1: ナビゲーション装置
10: 制御手段
11: 現在位置検出手段
12: 記憶手段
13: 経路探索手段
14: 表示手段
15: 禁止領域登録手段
16: 入力手段
17: 位置判別手段
18: 経路案内手段
19: 復路目的地決定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定された出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、地図データを記憶した地図記憶手段と、前記地図記憶手段に記憶された地図データに基づいて案内経路を含む地図画像を表示するとともに、現在位置を前記地図画像上に表示して経路案内を行う経路案内手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、所望の地点に応じた前記経路案内を禁止する所定の領域を禁止領域として設定する禁止領域設定手段と、位置判別手段と、復路目的地決定手段と、を備え、
前記所望の地点を出発地として禁止領域を設定し、目的地までの経路探索の結果に基づいて往路の経路案内を受けるとき、前記位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域外に存在すると判別され、かつ、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が案内経路上にあると判別された地点を一時記憶し、前記往路における出発地を目的地とした復路の経路探索を行う際、前記復路目的地決定手段は、前記一時記憶された地点を復路の目的地として決定し、前記経路探索手段は、前記地点を目的地とした経路探索を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記往路の経路案内の際に、前記位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域内に存在すると判別され、かつ、前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記案内経路上に無いと判別された場合、前記経路探索手段による経路の再探索を禁止することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記往路の経路案内の際に、前記位置判別手段により前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記禁止領域外に存在すると判別され、かつ、前記禁止領域外になってから所定の時間経過した場合において、さらに前記現在位置検出手段が検出した現在位置が前記案内経路上に無いと判別された場合、前記経路探索手段による経路の再探索を許可することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−78349(P2010−78349A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244112(P2008−244112)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】