ハイブリッド車輌の制御装置
【課題】バッテリを保護することが可能なハイブリッド車輌の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン10と、モータジェネレータ20と、モータジェネレータ20への充放電を行うバッテリ30と、を備えたハイブリッド車輌1を制御する制御装置60は、エンジン10に異常が生じているか否かを判定する異常判定部と、エンジン10に異常が生じている場合に、モータジェネレータ20を動力源として使用することを禁止するアシスト禁止部と、を備えている。
【解決手段】エンジン10と、モータジェネレータ20と、モータジェネレータ20への充放電を行うバッテリ30と、を備えたハイブリッド車輌1を制御する制御装置60は、エンジン10に異常が生じているか否かを判定する異常判定部と、エンジン10に異常が生じている場合に、モータジェネレータ20を動力源として使用することを禁止するアシスト禁止部と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関と、モータジェネレータと、モータジェネレータへの充放電を行うバッテリと、を備えたハイブリッド車輌の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可変動弁機構(VEL)を備えたハイブリッド車輌において、当該可変動弁機構が故障した場合に、車輌走行中及び停車時のエンジン停止を禁止する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−202662公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジン及びモータを動力源として走行する走行モードにおいて、エンジンの故障等により十分なエンジントルクが出力されていない場合にモータを動力源として多用するとバッテリのSOCが減少してしまうという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、バッテリを保護することが可能なハイブリッド車輌の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内燃機関に異常が発生しているか否かを判定し、内燃機関に異常が発生している場合には、モータジェネレータの動力源としての使用を禁止することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、内燃機関に異常が生じている場合に、モータジェネレータの動力源としての使用を禁止するので、内燃機関の出力トルクが低下してもバッテリを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態におけるハイブリッド車輌の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施形態におけるハイブリッド車輌のパワートレインを示す図である。
【図3】図3は、本発明のさらに他の実施形態におけるハイブリッド車輌のパワートレインを示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態における自動変速機の構成を示すスケルトン図である。
【図5】図5は、図4に示す自動変速機のシフトマップを示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態における統合コントロールユニットの制御ブロック図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態における目標駆動力マップの一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態におけるモードマップの一例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態における目標充放電量マップの一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態におけるアシスト禁止制御を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施形態におけるアシスト禁止制御の流れの一例を示すタイムチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施形態におけるアシスト禁止制御の流れの他の例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
本実施形態に係るハイブリッド車輌1は、複数の動力源を車輌の駆動に使用するパラレル方式の電気自動車である。このハイブリッド車輌1は、図1に示すように、内燃機関(以下、「エンジン」という)10、第1クラッチ15、モータジェネレータ(電動機・発電機)20、第2クラッチ25、バッテリ30、インバータ35、自動変速機40、プロペラシャフト51、ディファレンシャルギアユニット52、ドライブシャフト53、及び左右の駆動輪54を備えている。
【0011】
エンジン10は、ガソリン又は軽油を燃料として作動する内燃機関であり、エンジンコントロールユニット70からの制御信号に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度、インジェクタの燃料噴射量、点火プラグの点火時期等が制御される。このエンジン10には、エンジン10の回転数Neを検出するためのクランク角センサ11と、エンジン冷却水の水温を検出する水温センサ12と、が設けられている。
【0012】
第1クラッチ15は、エンジン10の出力軸とモータジェネレータ20の回転軸との間に介装されており、エンジン10とモータジェネレータ20との間の動力伝達を断接する。この第1クラッチ15の具体例としては、例えば比例ソレノイドで油流量及び油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチ等を例示することができる。この第1クラッチ15は、統合コントローラユニット60からの制御信号に基づいて油圧ユニット16の油圧が制御されることで、クラッチ板を締結(スリップ状態も含む。)/解放させる。
【0013】
モータジェネレータ20は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータである。このモータジェネレータ20には、ロータ回転角を検出するレゾルバ21が設けられている。このモータジェネレータ20は、電動機としても機能するし発電機としても機能する。インバータ35から三相交流電力が供給されている場合には、モータジェネレータ20は回転駆動する(力行)。一方、外力によってロータが回転している場合には、モータジェネレータ20は、ステータコイルの両端に起電力を生じさせることで交流電力を生成する(回生)。モータジェネレータ20によって発電された交流電力は、インバータ35によって直流電流に変換された後に、バッテリ30に充電される。
【0014】
バッテリ30の具体例としては、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等を例示することができる。このバッテリ30には電流・電圧センサ31が取り付けられており、これらの検出結果をモータコントロールユニット80に出力することが可能となっている。
【0015】
第2クラッチ25は、モータジェネレータ20と左右の駆動輪54との間に介装されており、モータジェネレータ20と左右の駆動輪54との間の動力伝達を断接する。この第2クラッチ25の具体例としては、上述の第1クラッチ15と同様に、例えば、湿式多板クラッチ等を例示することができる。この第2クラッチ25は、トランスミッションコントロールユニット90からの制御信号に基づいて油圧ユニット26の油圧が制御されることで、クラッチ板の締結(スリップ状態も含む。)/解放させる。
【0016】
自動変速機40は、前進7速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機である。この自動変速機40は、トランスミッションコントロール90からの制御信号に基づいて変速比を変化させる。なお、第2クラッチ25としては、図1に示すように、専用クラッチとして新たに追加したものである必要はなく、自動変速機40の各変速段階にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、幾つかの摩擦締結要素を流用したものとすることができる。
【0017】
但し、このような構成に限定されず、例えば、図2に示すように、第2クラッチ25をモータジェネレータ20の出力軸と自動変速機40の入力軸との間に介装した構成としてもよい。或いは、図3に示すように、第2クラッチ25を、自動変速機40の出力軸とプロペラシャフト51との間に介装した構成としてもよい。
【0018】
なお、図2及び図3においては、他の実施形態におけるハイブリッド車輌の構成を示す図であり、パワートレイン以外の構成は図1と同様であるため、パワートレインのみを示している。また、図1〜図3においては、後輪駆動のハイブリッド車輌を例示したが、前輪駆動のハイブリッド車両や四輪駆動のハイブリッド車輌とすることも勿論可能である。
【0019】
図4は自動変速機40の構成を示すスケルトン図である。自動変速機40は、第1遊星ギアセットGS1(第1遊星ギアG1、第2遊星ギアG2)と、第2遊星ギアセットGS2(第3遊星ギアG3、第4遊星ギアG4)とを備えている。なお、これら第1遊星ギアセットGS1(第1遊星ギアG1、第2遊星ギアG2)及び第2遊星ギアセットGS2(第3遊星ギアGS3、第4遊星ギアGS4)は、入力軸Input側から軸方向出力軸Output側に向けて、この順に配置されている。
【0020】
また、自動変速機40は、摩擦締結要素として複数のクラッチC1,C2,C3と、複数のブレーキB1,B2,B3と、複数のワンウェイクラッチF1,F2と、を備えている。
【0021】
第1遊星ギアG1は、第1サンギアS1と、第1リングギアR1と、これら両ギアS1,R1に噛合する第1ピニオンP1を支持する第1キャリアPC1と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
【0022】
第2遊星ギアG2は、第2サンギアS2と、第2リングギアR2と、これら両ギアS2,R2に噛合する第2ピニオンP2を支持する第2キャリアPC2と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
【0023】
また、第3遊星ギアG3は、第3サンギアS3と、第3リングギアR3と、これら両ギアS3,R3に噛合する第3ピニオンP3を支持する第3キャリアPC3と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
【0024】
さらに、第4遊星ギアG4は、第4サンギアS4と、第4リングギアR4と、これら両ギアS4、R4に噛合する第4ピニオンP4を支持する第4キャリアPC4と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
【0025】
入力軸Inputは、第2リングギアR2に連結され、エンジン10からの回転駆動力を入力する。出力軸Outputは、第3キャリアPC3に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギア等を介して駆動輪54に伝達する。
【0026】
第1連結メンバM1は、第1リングギアR1と第2キャリアPC2と第4リングギアR4とを一体的に連結するメンバである。第2連結メンバM2は、第3リングギアR3と第4キャリアPC4とを一体的に連結するメンバである。第3連結メンバM3は、第1サンギアS1と第2サンギアS2とを一体的に連結するメンバである。
【0027】
第1遊星ギアセットGS1は、第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2とを、第1連結メンバM1と第3連結メンバM3により連結してなり、4つの回転要素から構成される。
【0028】
また、第2遊星ギアセットGS2は、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4とを、第2連結メンバM2により連結してなり、5つの回転要素から構成されている。
【0029】
第1遊星ギアセットGS1は、入力軸Inputから第2リングギアR2に入力されるトルク入力経路を有する。第1遊星ギアセットGS1に入力されたトルクは、第1連結メンバM1から第2遊星ギアセットGS2に出力される。
【0030】
第2遊星ギアセットGS2は、入力軸Inputから第2連結メンバM2に入力されるトルク入力経路と、第1連結メンバM1から第4リングギアR4に入力されるトルク入力経路とを有する。第2遊星ギアセットGS2に入力されたトルクは、第3キャリアPC3から出力軸Outputに出力される。
【0031】
なお、H&LRクラッチC3が解放され、第3サンギアS3よりも第4サンギアS4の回転数が大きい時は、第3サンギアS3と第4サンギアS4は独立した回転数を発生する。よって、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4が第2連結メンバM2を介して接続された構成となり、それぞれの遊星ギアが独立したギア比を達成する。
【0032】
また、インプットクラッチC1は、入力軸Inputと第2連結メンバM2とを選択的に断接するクラッチである。ダイレクトクラッチC2は、第4サンギアS4と第4キャリアPC4とを選択的に断接するクラッチである。H&LRクラッチC3は、第3サンギアS3と第4サンギアS4とを選択的に断接するクラッチである。なお、第3サンギアS3と第4サンギアS4との間には、第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。
【0033】
フロントブレーキB1は、第1キャリアPC1の回転を選択的に停止させるブレーキである。また、第1ワンウェイクラッチF1は、フロントブレーキB1と並列に配置されている。ローブレーキB2は、第3サンギアS3の回転を選択的に停止させるブレーキである。2346ブレーキB3は、第3連結メンバM3(第1サンギアS1及び第2サンギアS2)の回転を選択的に停止させるブレーキである。リバースブレーキB4は、第4キャリアPC4の回転を選択的に停止させるブレーキである。
【0034】
図5は自動変速機40での前進7速、後退1速の締結作動表を示す図である。図5中の「○」は、該当するクラッチ若しくはブレーキが締結している状態を示し、図5中の空白は、これらが解放している状態を示す。また、図5中の「(○)」は、エンジンブレーキ作動時にのみ締結することを示す。
【0035】
なお、上述したように、本実施形態においては、第2クラッチ25として、自動変速機40内の摩擦締結要素を流用しており、図5中において太い線で囲まれた摩擦締結要素を第2クラッチ25とすることができる。具体的には、第1速〜第3速まではローブレーキB2を第2クラッチ25として利用し、第4速〜第7速まではH&LRクラッチC3を第2クラッチ25として利用する。
【0036】
なお、上述した前進7速後退1速の有段階の変速機に特に限定されず、例えば、特開2007−314097号に記載されているような、前進5速後退1速の有段階の変速機を自動変速機40として用いてもよい。
【0037】
図1に戻り、自動変速機40の出力軸は、プロペラシャフト51、ディファレンシャルギアユニット52、及び左右のドライブシャフト53を介して、左右の駆動輪54に連結されている。なお、図1において55は左右の操舵前輪である。
【0038】
本実施形態におけるハイブリッド車輌1は、第1及び第2クラッチ15,25の締結/解放状態に応じて3つの走行モードに切り替えることが可能となっている。
【0039】
一つ目の走行モードは、第1クラッチ15を解放させると共に第2クラッチ25を締結させて、モータジェネレータ20の動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モード(以下、「EV走行モード」と称する。)である。
【0040】
二つ目の走行モードは、第1クラッチ15及び第2クラッチ25のいずれも締結させて、モータジェネレータ20に加えてエンジン10を動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」と称する。)である。
【0041】
三つ目の走行モードは、第2クラッチ25をスリップ状態として、エンジン10又はモータジェネレータ20の少なくとも一方を動力源に含みながら走行するスリップ走行モード(以下、「WSC走行モード」と称する。)である。このWSC走行モードは、特にバッテリ30のSOC(充電量:State of Charge)が低下している場合やエンジン10の冷却水の温度が低い場合等にクリープ走行を達成するモードである。
【0042】
なお、EV走行モードからHEV走行モードに移行する際には、解放していた第1クラッチ15を締結し、モータジェネレータ20のトルクを利用してエンジン10を始動させる。
【0043】
さらに、上記の「HEV走行モード」には、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを含む。
【0044】
「エンジン走行モード」は、エンジン10のみを動力源として駆動輪54を動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジン10とモータジェネレータ20の2つを動力源として駆動輪54を動かす。「走行発電モード」は、エンジン10を動力源として駆動輪54を動かすと同時に、モータジェネレータ20を発電機として機能させる。
【0045】
なお、以上に説明したモードの他に、停車時において、エンジン10の動力を利用してモータジェネレータ20を発電機として機能させ、バッテリ30を充電したり電装品へ電力を供給する発電モードを備えてもよい。
【0046】
本実施形態におけるハイブリッド車輌1の制御系は、図1に示すように、統合コントロールユニット60、エンジンコントロールユニット70、モータコントロールユニット80、及びトランスミッションコントロールユニット90を備えている。これらの各コントロールユニット60,70,80,90は、例えばCAN通信を介して相互に接続されている。
【0047】
エンジンコントロールユニット70は、エンジン10に設けられたクランク角センサ11や水温センサ12等からのセンサ情報を入力し、統合コントロールユニット60からの目標エンジントルクtTe等の指令に応じ、エンジン動作点(エンジン回転数Ne、エンジントルクTe)を制御する指令を、エンジン10に備えられたスロットルバルブアクチュエータ、インジェクタ、点火プラグ等に出力する。なお、エンジン回転数Ne等の情報は、CAN通信線を介して統合コントロールユニット60に送出される。
【0048】
モータコントロールユニット80は、モータジェネレータ20に設けられたレゾルバ21等からの情報を入力し、統合コントロールユニット60からの目標モータジェネレータトルクtTm等の指令に応じて、モータジェネレータ20の動作点(モータ回転数Nm、モータトルクTm)を制御する指令をインバータ35に出力する。モータ回転数Nm等のセンサ情報は、CAN通信を介してモータコントロールユニット80から統合コントロールユニット60に送出される。
【0049】
また、モータコントロールユニット80は、電流・電圧センサ31により検出された電流値及び電圧値に基づいてバッテリ30のSOCを演算及び管理する。このバッテリSOC情報は、モータジェネレータ20の制御情報に用いられると共に、CAN通信を介して統合コントロールユニット60に送出される。
【0050】
トランスミッションコントロールユニット90は、アクセル開度センサ91及び車速センサ92等からのセンサ情報を入力し、シフトマップに示されるシフトスケジュールに沿って、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc1及び目標変速段を達成するように、第2クラッチ25の油圧ユニット26を含む自動変速機40内のソレノイドバルブを駆動制御する。なお、この際に用いられるシフトマップは、車速VSPとアクセル開度APOに基づいて予め目標変速段が設定されたものである。アクセル開度APO及び車速VSP等のセンサ情報は、CAN通信を介してトランスミッションコントロールユニット90から統合コントロールユニット60に送出される。
【0051】
統合コントロールユニット60は、エンジン10、モータジェネレータ20、自動変速機40、第1クラッチ15及び第2クラッチ25からなるパワートレインの動作点を統合的に制御することで、ハイブリッド車輌1を効率的に走行させるための機能を担うものである。
【0052】
この統合コントロールユニット60は、CAN通信を介して取得される各センサからの情報に基づいてパワートレインの動作点を演算し、エンジンコントロールユニット70への制御指令によるエンジンの動作制御、モータコントロールユニット80への制御指令によるモータジェネレータ20の動作制御、トランスミッションコントロールユニット90への制御指令による自動変速機40の動作制御、第1クラッチ15の油圧ユニット16への制御指令による第1クラッチ15の締結・解放制御、及び、第2クラッチ25の油圧ユニット26への制御指令による第2クラッチ25の締結・解放制御を実行する。
【0053】
次いで、統合コントロールユニット60により実行される制御について説明する。図6は統合コントロールユニット60の制御ブロック図である。なお、以下に説明する制御は、例えば10msec毎に実行される。
【0054】
図6に示すように、統合コントロールユニット60は、目標駆動力演算部100、モード選択部200、目標充放電演算部300、及び動作点指令部400を備えている。
【0055】
目標駆動力演算部100は、予め定められた目標駆動力マップを用いて、アクセル開度センサ91により検出されたアクセル開度APOと、車速センサ92により検出された車速VSPとに基づいて、目標駆動力tFo0を演算する。図7に目標駆動力マップの一例を示す。
【0056】
モード選択部200は、予め定められたモードマップを参照し、目標モードを選択する。図8にモードマップの一例を示す。この図8のモードマップには、車速VSPとアクセル開度APOに応じて、EV走行モード、WSC走行モード、及びHEV走行モードの領域がそれぞれ設定されている。
【0057】
このモードマップにおいて、EV走行モード又はHEV走行モードからWSC走行モードへの切替線は、所定開度APO1未満の領域では、自動変速機40が第1速のときに、エンジン10のアイドル回転数よりも小さな回転数となる下限車速VSP1よりも低い領域に設定されている。また、所定開度APO1以上の領域では、大きな駆動力を要求されていることから、下限車速VSP1よりも高い車速VSP1’領域までWSC走行モードが設定されている。
【0058】
目標充放電演算部300は、予め定められた目標充放電量マップを用いて、バッテリ30のSOCから、目標充放電電力tPを演算する。図9に目標充放電量のマップの一例を示す。
【0059】
動作点指令部400は、アクセル開度APO、目標駆動力tFo0と、目標モードと、車速VSPと、目標充放電電力tPとから、パワートレインの動作点達成目標として、過渡的な目標エンジントルクtTe、目標モータジェネレータトルクtTm、第1クラッチ伝達トルク容量tTc1、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2、及び自動変速機40の目標変速段を演算する。
【0060】
目標エンジントルクtTeは、統合コントロールユニット60からエンジンコントロールユニット70に送出され、目標モータジェネレータトルクtTmは、統合コントロールユニット60からモータコントロールユニット80に送出される。また、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2と目標変速段は、統合コントロールユニット60からトランスミッションコントロールユニット90に送出される。
【0061】
一方、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1については、統合コントロールユニット60が、当該目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1に対応したソレノイド電流を油圧ユニット16に供給する。
【0062】
さらに、本実施形態では、図6に示すように、動作点指令部400は、異常判定部410、アシスト禁止部420、及び発電制限部430を有している。
【0063】
異常判定部410は、エンジン10の出力トルクを低下させ得る異常がエンジン10に生じているか否かを判定する。
【0064】
本実施形態におけるエンジン10の異常とは、エンジン10の故障等によってエンジン10の出力トルクが目標エンジントルクtTeよりも小さくなる可能性があるもののみならず、エンジン10を故障等から保護するためにエンジン10の出力トルクを意図的に制限することでエンジン10の出力トルクが目標エンジントルクtTeよりも小さくなる可能性があるものも含む。
【0065】
例えば、水温センサ11によって検出されるエンジン冷却水の水温が所定の範囲から外れている場合には、エンジン10の実際のトルクが目標エンジントルクtTeよりも小さく出力される可能性が高いので、異常判定部410は、エンジン10に異常が生じていると判定する。
【0066】
また、例えば、クランク角センサ11が故障すると、当該クランク角センサ11からエンジンコントロールユニット70への出力信号が途切れてしまう。このような場合には、エンジンコントロールユニット70は、エンジン10の出力トルクを制限する制御を実行するので、エンジン10の実際の目標エンジントルクtTeよりも小さく出力される可能性がある。そのため、異常判定部410は、エンジン10に異常が生じていると判定する。
【0067】
また、例えば、可変バルブタイミング機構(VTC)が故障すると、バルブタイミングを変えることができないため、エンジンコントロールユニット70がエンジン10の出力を制限する制御を実行する。この場合にも、エンジン10の実際のトルクが目標エンジントルクtTeよりも小さく出力される可能性があるので、異常判定部410は、エンジン10に異常が生じていると判定する。
【0068】
なお、エンジン10にトルクセンサが設けられている場合には、当該トルクセンサにより検出されたエンジン10の実際のトルクを目標エンジントルクtTeと比較してもよい。この場合には、異常判定部410は、エンジン10の実際のトルクが目標エンジントルクtTeよりも小さい場合に、エンジン10に異常が生じていると判定する。
【0069】
アシスト禁止部420は、異常判定部410によってエンジン10に異常が生じていると判定された場合に、HEV走行モード時において、モータジェネレータ20を動力源として使用すること(すなわちアシスト走行)を禁止する。
【0070】
発電制限部430は、異常判定部410によってエンジン10に異常が生じていると判定された場合に、モータジェネレータ20の発電電力を、補機の駆動に必要な電力以下に制限する。
【0071】
補機の具体例としては、例えば、コンプレッサ及び当該コンプレッサを駆動させるモータを有する空調機(エアコン)、ポンプ及び当該ポンプを駆動させるモータを有するパワーステアリング、ポンプ及び当該ポンプを駆動させるモータを有する油圧ブレーキ、ナビゲーションシステム、カーオーディオシステム、ヘッドライト、ラジエタのファンモータ等を例示することができる。
【0072】
以下に図10〜図12を参照しながら、本実施形態におけるハイブリッド車輌1のアシスト禁止制御について説明する。図10は本実施形態におけるアシスト禁止制御を示すフローチャートであり、図11及び図12は本実施形態におけるアシスト禁止制御の流れを示すタイムチャートである。
【0073】
なお、以下に説明するアシスト禁止制御は、上述のHEV走行モードのモータアシスト走行モード又は走行発電モード中に実行される。
【0074】
先ず、図10のステップS10において、統合コントロールユニット60の異常判定部410が、エンジン10に異常が生じているか否かを判定する。
【0075】
ステップS10において、エンジンに異常が生じていると判定された場合(ステップS10にてNO)には、エンジン10の監視を継続する。
【0076】
これに対し、ステップS10においてエンジン10に異常が生じていると判定された場合(ステップS10にてYES)には、ステップS20において、ハイブリッド車輌1がHEV走行モードのモータアシスト走行モードで走行しているときには、アシスト禁止部420が、モータジェネレータ20の駆動源としての使用を禁止する(図11の(b)の実線及び一点鎖線を参照)。
【0077】
一方、ステップS20において、ハイブリッド車輌1がHEV走行モードの走行発電モードで走行しているときには、発電制限部430が、目標充放電演算部300から送信される目標充放電電力tPを、補機の駆動に必要な最小限の電力に置き換えることで、モータジェネレータ20の発電電力を制限する。
【0078】
エンジン10の故障等によりエンジントルクが十分に出力されない状況で、モータジェネレータ20を駆動源として使用し続ける(すなわちアシスト走行を継続する)と、バッテリ30のSOCが低下して故障判定値に達し、当該バッテリ30を保護するためにハイブリッド車輌1は停止してしまう(図11の(d)〜(f)の点線を参照)。
【0079】
これに対し、本実施形態では、出力トルクを低下させ得る異常がエンジン10に生じている場合に、HEV走行モードにおけるモータジェネレータ20の動力源としての使用(すなわちアシスト走行)を禁止するので、バッテリ30を保護することができると共にハイブリッド車輌1の走行を継続することができる(図11の(d)〜(f)の実線を参照)。
【0080】
また、本実施形態では、HEV走行モードにおいてモータジェネレータ20が発電を行っている場合に、出力トルクを低下させ得る異常がエンジン10に生じても、モータジェネレータ20の発電電力を補機の駆動に必要な電力に制限するので、発電トルクがエンジントルクを上回ることに伴うハイブリッド車輌1の減速を防止することができる(図12の(b)及び(d)を参照)。
【0081】
なお、本実施形態における異常判定部410が本発明における異常判定手段の一例に相当し、本実施形態におけるアシスト禁止部420が本発明におけるアシスト禁止手段の一例に相当し、本実施形態における発電制限部430が本発明における発電制限手段の一例に相当する。
【0082】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0083】
1…ハイブリッド車輌
10…エンジン
15…第1クラッチ
20…モータジェネレータ
25…第2クラッチ
30…バッテリ
35…インバータ
40…自動変速機
60…統合コントローラユニット
410…異常判定部
420…アシスト禁止部
430…発電制限部
70…エンジンコントローラユニット
80…モータコントロールユニット
90…トランスミッションコントロールユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関と、モータジェネレータと、モータジェネレータへの充放電を行うバッテリと、を備えたハイブリッド車輌の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可変動弁機構(VEL)を備えたハイブリッド車輌において、当該可変動弁機構が故障した場合に、車輌走行中及び停車時のエンジン停止を禁止する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−202662公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジン及びモータを動力源として走行する走行モードにおいて、エンジンの故障等により十分なエンジントルクが出力されていない場合にモータを動力源として多用するとバッテリのSOCが減少してしまうという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、バッテリを保護することが可能なハイブリッド車輌の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内燃機関に異常が発生しているか否かを判定し、内燃機関に異常が発生している場合には、モータジェネレータの動力源としての使用を禁止することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、内燃機関に異常が生じている場合に、モータジェネレータの動力源としての使用を禁止するので、内燃機関の出力トルクが低下してもバッテリを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態におけるハイブリッド車輌の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施形態におけるハイブリッド車輌のパワートレインを示す図である。
【図3】図3は、本発明のさらに他の実施形態におけるハイブリッド車輌のパワートレインを示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態における自動変速機の構成を示すスケルトン図である。
【図5】図5は、図4に示す自動変速機のシフトマップを示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態における統合コントロールユニットの制御ブロック図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態における目標駆動力マップの一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態におけるモードマップの一例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態における目標充放電量マップの一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態におけるアシスト禁止制御を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施形態におけるアシスト禁止制御の流れの一例を示すタイムチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施形態におけるアシスト禁止制御の流れの他の例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
本実施形態に係るハイブリッド車輌1は、複数の動力源を車輌の駆動に使用するパラレル方式の電気自動車である。このハイブリッド車輌1は、図1に示すように、内燃機関(以下、「エンジン」という)10、第1クラッチ15、モータジェネレータ(電動機・発電機)20、第2クラッチ25、バッテリ30、インバータ35、自動変速機40、プロペラシャフト51、ディファレンシャルギアユニット52、ドライブシャフト53、及び左右の駆動輪54を備えている。
【0011】
エンジン10は、ガソリン又は軽油を燃料として作動する内燃機関であり、エンジンコントロールユニット70からの制御信号に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度、インジェクタの燃料噴射量、点火プラグの点火時期等が制御される。このエンジン10には、エンジン10の回転数Neを検出するためのクランク角センサ11と、エンジン冷却水の水温を検出する水温センサ12と、が設けられている。
【0012】
第1クラッチ15は、エンジン10の出力軸とモータジェネレータ20の回転軸との間に介装されており、エンジン10とモータジェネレータ20との間の動力伝達を断接する。この第1クラッチ15の具体例としては、例えば比例ソレノイドで油流量及び油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチ等を例示することができる。この第1クラッチ15は、統合コントローラユニット60からの制御信号に基づいて油圧ユニット16の油圧が制御されることで、クラッチ板を締結(スリップ状態も含む。)/解放させる。
【0013】
モータジェネレータ20は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータである。このモータジェネレータ20には、ロータ回転角を検出するレゾルバ21が設けられている。このモータジェネレータ20は、電動機としても機能するし発電機としても機能する。インバータ35から三相交流電力が供給されている場合には、モータジェネレータ20は回転駆動する(力行)。一方、外力によってロータが回転している場合には、モータジェネレータ20は、ステータコイルの両端に起電力を生じさせることで交流電力を生成する(回生)。モータジェネレータ20によって発電された交流電力は、インバータ35によって直流電流に変換された後に、バッテリ30に充電される。
【0014】
バッテリ30の具体例としては、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等を例示することができる。このバッテリ30には電流・電圧センサ31が取り付けられており、これらの検出結果をモータコントロールユニット80に出力することが可能となっている。
【0015】
第2クラッチ25は、モータジェネレータ20と左右の駆動輪54との間に介装されており、モータジェネレータ20と左右の駆動輪54との間の動力伝達を断接する。この第2クラッチ25の具体例としては、上述の第1クラッチ15と同様に、例えば、湿式多板クラッチ等を例示することができる。この第2クラッチ25は、トランスミッションコントロールユニット90からの制御信号に基づいて油圧ユニット26の油圧が制御されることで、クラッチ板の締結(スリップ状態も含む。)/解放させる。
【0016】
自動変速機40は、前進7速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機である。この自動変速機40は、トランスミッションコントロール90からの制御信号に基づいて変速比を変化させる。なお、第2クラッチ25としては、図1に示すように、専用クラッチとして新たに追加したものである必要はなく、自動変速機40の各変速段階にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、幾つかの摩擦締結要素を流用したものとすることができる。
【0017】
但し、このような構成に限定されず、例えば、図2に示すように、第2クラッチ25をモータジェネレータ20の出力軸と自動変速機40の入力軸との間に介装した構成としてもよい。或いは、図3に示すように、第2クラッチ25を、自動変速機40の出力軸とプロペラシャフト51との間に介装した構成としてもよい。
【0018】
なお、図2及び図3においては、他の実施形態におけるハイブリッド車輌の構成を示す図であり、パワートレイン以外の構成は図1と同様であるため、パワートレインのみを示している。また、図1〜図3においては、後輪駆動のハイブリッド車輌を例示したが、前輪駆動のハイブリッド車両や四輪駆動のハイブリッド車輌とすることも勿論可能である。
【0019】
図4は自動変速機40の構成を示すスケルトン図である。自動変速機40は、第1遊星ギアセットGS1(第1遊星ギアG1、第2遊星ギアG2)と、第2遊星ギアセットGS2(第3遊星ギアG3、第4遊星ギアG4)とを備えている。なお、これら第1遊星ギアセットGS1(第1遊星ギアG1、第2遊星ギアG2)及び第2遊星ギアセットGS2(第3遊星ギアGS3、第4遊星ギアGS4)は、入力軸Input側から軸方向出力軸Output側に向けて、この順に配置されている。
【0020】
また、自動変速機40は、摩擦締結要素として複数のクラッチC1,C2,C3と、複数のブレーキB1,B2,B3と、複数のワンウェイクラッチF1,F2と、を備えている。
【0021】
第1遊星ギアG1は、第1サンギアS1と、第1リングギアR1と、これら両ギアS1,R1に噛合する第1ピニオンP1を支持する第1キャリアPC1と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
【0022】
第2遊星ギアG2は、第2サンギアS2と、第2リングギアR2と、これら両ギアS2,R2に噛合する第2ピニオンP2を支持する第2キャリアPC2と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
【0023】
また、第3遊星ギアG3は、第3サンギアS3と、第3リングギアR3と、これら両ギアS3,R3に噛合する第3ピニオンP3を支持する第3キャリアPC3と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
【0024】
さらに、第4遊星ギアG4は、第4サンギアS4と、第4リングギアR4と、これら両ギアS4、R4に噛合する第4ピニオンP4を支持する第4キャリアPC4と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
【0025】
入力軸Inputは、第2リングギアR2に連結され、エンジン10からの回転駆動力を入力する。出力軸Outputは、第3キャリアPC3に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギア等を介して駆動輪54に伝達する。
【0026】
第1連結メンバM1は、第1リングギアR1と第2キャリアPC2と第4リングギアR4とを一体的に連結するメンバである。第2連結メンバM2は、第3リングギアR3と第4キャリアPC4とを一体的に連結するメンバである。第3連結メンバM3は、第1サンギアS1と第2サンギアS2とを一体的に連結するメンバである。
【0027】
第1遊星ギアセットGS1は、第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2とを、第1連結メンバM1と第3連結メンバM3により連結してなり、4つの回転要素から構成される。
【0028】
また、第2遊星ギアセットGS2は、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4とを、第2連結メンバM2により連結してなり、5つの回転要素から構成されている。
【0029】
第1遊星ギアセットGS1は、入力軸Inputから第2リングギアR2に入力されるトルク入力経路を有する。第1遊星ギアセットGS1に入力されたトルクは、第1連結メンバM1から第2遊星ギアセットGS2に出力される。
【0030】
第2遊星ギアセットGS2は、入力軸Inputから第2連結メンバM2に入力されるトルク入力経路と、第1連結メンバM1から第4リングギアR4に入力されるトルク入力経路とを有する。第2遊星ギアセットGS2に入力されたトルクは、第3キャリアPC3から出力軸Outputに出力される。
【0031】
なお、H&LRクラッチC3が解放され、第3サンギアS3よりも第4サンギアS4の回転数が大きい時は、第3サンギアS3と第4サンギアS4は独立した回転数を発生する。よって、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4が第2連結メンバM2を介して接続された構成となり、それぞれの遊星ギアが独立したギア比を達成する。
【0032】
また、インプットクラッチC1は、入力軸Inputと第2連結メンバM2とを選択的に断接するクラッチである。ダイレクトクラッチC2は、第4サンギアS4と第4キャリアPC4とを選択的に断接するクラッチである。H&LRクラッチC3は、第3サンギアS3と第4サンギアS4とを選択的に断接するクラッチである。なお、第3サンギアS3と第4サンギアS4との間には、第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。
【0033】
フロントブレーキB1は、第1キャリアPC1の回転を選択的に停止させるブレーキである。また、第1ワンウェイクラッチF1は、フロントブレーキB1と並列に配置されている。ローブレーキB2は、第3サンギアS3の回転を選択的に停止させるブレーキである。2346ブレーキB3は、第3連結メンバM3(第1サンギアS1及び第2サンギアS2)の回転を選択的に停止させるブレーキである。リバースブレーキB4は、第4キャリアPC4の回転を選択的に停止させるブレーキである。
【0034】
図5は自動変速機40での前進7速、後退1速の締結作動表を示す図である。図5中の「○」は、該当するクラッチ若しくはブレーキが締結している状態を示し、図5中の空白は、これらが解放している状態を示す。また、図5中の「(○)」は、エンジンブレーキ作動時にのみ締結することを示す。
【0035】
なお、上述したように、本実施形態においては、第2クラッチ25として、自動変速機40内の摩擦締結要素を流用しており、図5中において太い線で囲まれた摩擦締結要素を第2クラッチ25とすることができる。具体的には、第1速〜第3速まではローブレーキB2を第2クラッチ25として利用し、第4速〜第7速まではH&LRクラッチC3を第2クラッチ25として利用する。
【0036】
なお、上述した前進7速後退1速の有段階の変速機に特に限定されず、例えば、特開2007−314097号に記載されているような、前進5速後退1速の有段階の変速機を自動変速機40として用いてもよい。
【0037】
図1に戻り、自動変速機40の出力軸は、プロペラシャフト51、ディファレンシャルギアユニット52、及び左右のドライブシャフト53を介して、左右の駆動輪54に連結されている。なお、図1において55は左右の操舵前輪である。
【0038】
本実施形態におけるハイブリッド車輌1は、第1及び第2クラッチ15,25の締結/解放状態に応じて3つの走行モードに切り替えることが可能となっている。
【0039】
一つ目の走行モードは、第1クラッチ15を解放させると共に第2クラッチ25を締結させて、モータジェネレータ20の動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モード(以下、「EV走行モード」と称する。)である。
【0040】
二つ目の走行モードは、第1クラッチ15及び第2クラッチ25のいずれも締結させて、モータジェネレータ20に加えてエンジン10を動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」と称する。)である。
【0041】
三つ目の走行モードは、第2クラッチ25をスリップ状態として、エンジン10又はモータジェネレータ20の少なくとも一方を動力源に含みながら走行するスリップ走行モード(以下、「WSC走行モード」と称する。)である。このWSC走行モードは、特にバッテリ30のSOC(充電量:State of Charge)が低下している場合やエンジン10の冷却水の温度が低い場合等にクリープ走行を達成するモードである。
【0042】
なお、EV走行モードからHEV走行モードに移行する際には、解放していた第1クラッチ15を締結し、モータジェネレータ20のトルクを利用してエンジン10を始動させる。
【0043】
さらに、上記の「HEV走行モード」には、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを含む。
【0044】
「エンジン走行モード」は、エンジン10のみを動力源として駆動輪54を動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジン10とモータジェネレータ20の2つを動力源として駆動輪54を動かす。「走行発電モード」は、エンジン10を動力源として駆動輪54を動かすと同時に、モータジェネレータ20を発電機として機能させる。
【0045】
なお、以上に説明したモードの他に、停車時において、エンジン10の動力を利用してモータジェネレータ20を発電機として機能させ、バッテリ30を充電したり電装品へ電力を供給する発電モードを備えてもよい。
【0046】
本実施形態におけるハイブリッド車輌1の制御系は、図1に示すように、統合コントロールユニット60、エンジンコントロールユニット70、モータコントロールユニット80、及びトランスミッションコントロールユニット90を備えている。これらの各コントロールユニット60,70,80,90は、例えばCAN通信を介して相互に接続されている。
【0047】
エンジンコントロールユニット70は、エンジン10に設けられたクランク角センサ11や水温センサ12等からのセンサ情報を入力し、統合コントロールユニット60からの目標エンジントルクtTe等の指令に応じ、エンジン動作点(エンジン回転数Ne、エンジントルクTe)を制御する指令を、エンジン10に備えられたスロットルバルブアクチュエータ、インジェクタ、点火プラグ等に出力する。なお、エンジン回転数Ne等の情報は、CAN通信線を介して統合コントロールユニット60に送出される。
【0048】
モータコントロールユニット80は、モータジェネレータ20に設けられたレゾルバ21等からの情報を入力し、統合コントロールユニット60からの目標モータジェネレータトルクtTm等の指令に応じて、モータジェネレータ20の動作点(モータ回転数Nm、モータトルクTm)を制御する指令をインバータ35に出力する。モータ回転数Nm等のセンサ情報は、CAN通信を介してモータコントロールユニット80から統合コントロールユニット60に送出される。
【0049】
また、モータコントロールユニット80は、電流・電圧センサ31により検出された電流値及び電圧値に基づいてバッテリ30のSOCを演算及び管理する。このバッテリSOC情報は、モータジェネレータ20の制御情報に用いられると共に、CAN通信を介して統合コントロールユニット60に送出される。
【0050】
トランスミッションコントロールユニット90は、アクセル開度センサ91及び車速センサ92等からのセンサ情報を入力し、シフトマップに示されるシフトスケジュールに沿って、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc1及び目標変速段を達成するように、第2クラッチ25の油圧ユニット26を含む自動変速機40内のソレノイドバルブを駆動制御する。なお、この際に用いられるシフトマップは、車速VSPとアクセル開度APOに基づいて予め目標変速段が設定されたものである。アクセル開度APO及び車速VSP等のセンサ情報は、CAN通信を介してトランスミッションコントロールユニット90から統合コントロールユニット60に送出される。
【0051】
統合コントロールユニット60は、エンジン10、モータジェネレータ20、自動変速機40、第1クラッチ15及び第2クラッチ25からなるパワートレインの動作点を統合的に制御することで、ハイブリッド車輌1を効率的に走行させるための機能を担うものである。
【0052】
この統合コントロールユニット60は、CAN通信を介して取得される各センサからの情報に基づいてパワートレインの動作点を演算し、エンジンコントロールユニット70への制御指令によるエンジンの動作制御、モータコントロールユニット80への制御指令によるモータジェネレータ20の動作制御、トランスミッションコントロールユニット90への制御指令による自動変速機40の動作制御、第1クラッチ15の油圧ユニット16への制御指令による第1クラッチ15の締結・解放制御、及び、第2クラッチ25の油圧ユニット26への制御指令による第2クラッチ25の締結・解放制御を実行する。
【0053】
次いで、統合コントロールユニット60により実行される制御について説明する。図6は統合コントロールユニット60の制御ブロック図である。なお、以下に説明する制御は、例えば10msec毎に実行される。
【0054】
図6に示すように、統合コントロールユニット60は、目標駆動力演算部100、モード選択部200、目標充放電演算部300、及び動作点指令部400を備えている。
【0055】
目標駆動力演算部100は、予め定められた目標駆動力マップを用いて、アクセル開度センサ91により検出されたアクセル開度APOと、車速センサ92により検出された車速VSPとに基づいて、目標駆動力tFo0を演算する。図7に目標駆動力マップの一例を示す。
【0056】
モード選択部200は、予め定められたモードマップを参照し、目標モードを選択する。図8にモードマップの一例を示す。この図8のモードマップには、車速VSPとアクセル開度APOに応じて、EV走行モード、WSC走行モード、及びHEV走行モードの領域がそれぞれ設定されている。
【0057】
このモードマップにおいて、EV走行モード又はHEV走行モードからWSC走行モードへの切替線は、所定開度APO1未満の領域では、自動変速機40が第1速のときに、エンジン10のアイドル回転数よりも小さな回転数となる下限車速VSP1よりも低い領域に設定されている。また、所定開度APO1以上の領域では、大きな駆動力を要求されていることから、下限車速VSP1よりも高い車速VSP1’領域までWSC走行モードが設定されている。
【0058】
目標充放電演算部300は、予め定められた目標充放電量マップを用いて、バッテリ30のSOCから、目標充放電電力tPを演算する。図9に目標充放電量のマップの一例を示す。
【0059】
動作点指令部400は、アクセル開度APO、目標駆動力tFo0と、目標モードと、車速VSPと、目標充放電電力tPとから、パワートレインの動作点達成目標として、過渡的な目標エンジントルクtTe、目標モータジェネレータトルクtTm、第1クラッチ伝達トルク容量tTc1、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2、及び自動変速機40の目標変速段を演算する。
【0060】
目標エンジントルクtTeは、統合コントロールユニット60からエンジンコントロールユニット70に送出され、目標モータジェネレータトルクtTmは、統合コントロールユニット60からモータコントロールユニット80に送出される。また、目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2と目標変速段は、統合コントロールユニット60からトランスミッションコントロールユニット90に送出される。
【0061】
一方、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1については、統合コントロールユニット60が、当該目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1に対応したソレノイド電流を油圧ユニット16に供給する。
【0062】
さらに、本実施形態では、図6に示すように、動作点指令部400は、異常判定部410、アシスト禁止部420、及び発電制限部430を有している。
【0063】
異常判定部410は、エンジン10の出力トルクを低下させ得る異常がエンジン10に生じているか否かを判定する。
【0064】
本実施形態におけるエンジン10の異常とは、エンジン10の故障等によってエンジン10の出力トルクが目標エンジントルクtTeよりも小さくなる可能性があるもののみならず、エンジン10を故障等から保護するためにエンジン10の出力トルクを意図的に制限することでエンジン10の出力トルクが目標エンジントルクtTeよりも小さくなる可能性があるものも含む。
【0065】
例えば、水温センサ11によって検出されるエンジン冷却水の水温が所定の範囲から外れている場合には、エンジン10の実際のトルクが目標エンジントルクtTeよりも小さく出力される可能性が高いので、異常判定部410は、エンジン10に異常が生じていると判定する。
【0066】
また、例えば、クランク角センサ11が故障すると、当該クランク角センサ11からエンジンコントロールユニット70への出力信号が途切れてしまう。このような場合には、エンジンコントロールユニット70は、エンジン10の出力トルクを制限する制御を実行するので、エンジン10の実際の目標エンジントルクtTeよりも小さく出力される可能性がある。そのため、異常判定部410は、エンジン10に異常が生じていると判定する。
【0067】
また、例えば、可変バルブタイミング機構(VTC)が故障すると、バルブタイミングを変えることができないため、エンジンコントロールユニット70がエンジン10の出力を制限する制御を実行する。この場合にも、エンジン10の実際のトルクが目標エンジントルクtTeよりも小さく出力される可能性があるので、異常判定部410は、エンジン10に異常が生じていると判定する。
【0068】
なお、エンジン10にトルクセンサが設けられている場合には、当該トルクセンサにより検出されたエンジン10の実際のトルクを目標エンジントルクtTeと比較してもよい。この場合には、異常判定部410は、エンジン10の実際のトルクが目標エンジントルクtTeよりも小さい場合に、エンジン10に異常が生じていると判定する。
【0069】
アシスト禁止部420は、異常判定部410によってエンジン10に異常が生じていると判定された場合に、HEV走行モード時において、モータジェネレータ20を動力源として使用すること(すなわちアシスト走行)を禁止する。
【0070】
発電制限部430は、異常判定部410によってエンジン10に異常が生じていると判定された場合に、モータジェネレータ20の発電電力を、補機の駆動に必要な電力以下に制限する。
【0071】
補機の具体例としては、例えば、コンプレッサ及び当該コンプレッサを駆動させるモータを有する空調機(エアコン)、ポンプ及び当該ポンプを駆動させるモータを有するパワーステアリング、ポンプ及び当該ポンプを駆動させるモータを有する油圧ブレーキ、ナビゲーションシステム、カーオーディオシステム、ヘッドライト、ラジエタのファンモータ等を例示することができる。
【0072】
以下に図10〜図12を参照しながら、本実施形態におけるハイブリッド車輌1のアシスト禁止制御について説明する。図10は本実施形態におけるアシスト禁止制御を示すフローチャートであり、図11及び図12は本実施形態におけるアシスト禁止制御の流れを示すタイムチャートである。
【0073】
なお、以下に説明するアシスト禁止制御は、上述のHEV走行モードのモータアシスト走行モード又は走行発電モード中に実行される。
【0074】
先ず、図10のステップS10において、統合コントロールユニット60の異常判定部410が、エンジン10に異常が生じているか否かを判定する。
【0075】
ステップS10において、エンジンに異常が生じていると判定された場合(ステップS10にてNO)には、エンジン10の監視を継続する。
【0076】
これに対し、ステップS10においてエンジン10に異常が生じていると判定された場合(ステップS10にてYES)には、ステップS20において、ハイブリッド車輌1がHEV走行モードのモータアシスト走行モードで走行しているときには、アシスト禁止部420が、モータジェネレータ20の駆動源としての使用を禁止する(図11の(b)の実線及び一点鎖線を参照)。
【0077】
一方、ステップS20において、ハイブリッド車輌1がHEV走行モードの走行発電モードで走行しているときには、発電制限部430が、目標充放電演算部300から送信される目標充放電電力tPを、補機の駆動に必要な最小限の電力に置き換えることで、モータジェネレータ20の発電電力を制限する。
【0078】
エンジン10の故障等によりエンジントルクが十分に出力されない状況で、モータジェネレータ20を駆動源として使用し続ける(すなわちアシスト走行を継続する)と、バッテリ30のSOCが低下して故障判定値に達し、当該バッテリ30を保護するためにハイブリッド車輌1は停止してしまう(図11の(d)〜(f)の点線を参照)。
【0079】
これに対し、本実施形態では、出力トルクを低下させ得る異常がエンジン10に生じている場合に、HEV走行モードにおけるモータジェネレータ20の動力源としての使用(すなわちアシスト走行)を禁止するので、バッテリ30を保護することができると共にハイブリッド車輌1の走行を継続することができる(図11の(d)〜(f)の実線を参照)。
【0080】
また、本実施形態では、HEV走行モードにおいてモータジェネレータ20が発電を行っている場合に、出力トルクを低下させ得る異常がエンジン10に生じても、モータジェネレータ20の発電電力を補機の駆動に必要な電力に制限するので、発電トルクがエンジントルクを上回ることに伴うハイブリッド車輌1の減速を防止することができる(図12の(b)及び(d)を参照)。
【0081】
なお、本実施形態における異常判定部410が本発明における異常判定手段の一例に相当し、本実施形態におけるアシスト禁止部420が本発明におけるアシスト禁止手段の一例に相当し、本実施形態における発電制限部430が本発明における発電制限手段の一例に相当する。
【0082】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0083】
1…ハイブリッド車輌
10…エンジン
15…第1クラッチ
20…モータジェネレータ
25…第2クラッチ
30…バッテリ
35…インバータ
40…自動変速機
60…統合コントローラユニット
410…異常判定部
420…アシスト禁止部
430…発電制限部
70…エンジンコントローラユニット
80…モータコントロールユニット
90…トランスミッションコントロールユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、モータジェネレータと、前記モータジェネレータへの充放電を行うバッテリと、を備えたハイブリッド車輌を制御する制御装置であって、
前記内燃機関に異常が生じているか否かを判定する異常判定手段と、
前記内燃機関に異常が生じている場合に、前記モータジェネレータを動力源として使用することを禁止するアシスト禁止手段と、を備えたことを特徴とするハイブリッド車輌の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド車輌の制御装置であって、
前記内燃機関に異常が生じている場合に、前記モータジェネレータの発電電力を所定値以下に制限する発電制限手段を備えたことを特徴とするハイブリッド車輌の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のハイブリッド車輌の制御装置であって、
前記所定値は、補機の駆動に必要な電力であることを特徴とするハイブリッド車輌の制御装置。
【請求項1】
内燃機関と、モータジェネレータと、前記モータジェネレータへの充放電を行うバッテリと、を備えたハイブリッド車輌を制御する制御装置であって、
前記内燃機関に異常が生じているか否かを判定する異常判定手段と、
前記内燃機関に異常が生じている場合に、前記モータジェネレータを動力源として使用することを禁止するアシスト禁止手段と、を備えたことを特徴とするハイブリッド車輌の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド車輌の制御装置であって、
前記内燃機関に異常が生じている場合に、前記モータジェネレータの発電電力を所定値以下に制限する発電制限手段を備えたことを特徴とするハイブリッド車輌の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のハイブリッド車輌の制御装置であって、
前記所定値は、補機の駆動に必要な電力であることを特徴とするハイブリッド車輌の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−91667(P2012−91667A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240381(P2010−240381)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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