説明

フォトレジスト下層膜形成材料及びパターン形成方法

【解決手段】 インデン類と、ヒドロキシ基もしくはエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物を含有することを特徴とする下層膜形成材料。
【効果】 本発明の下層膜形成材料は、必要により反射防止効果のある中間層と組み合わせることによって、200nm以上の膜厚で十分な反射防止効果を発揮できるだけの吸光係数を有し、基板加工に用いられるCF4/CHF3系ガス及びCl2/BCl3系ガスエッチングの速度も通常のm−クレゾールノボラック樹脂よりも遅く、高いエッチング耐性を有する。また、パターニング後のレジスト形状も良好である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工に用いられる多層レジスト工程において有効な下層膜形成材料及びこれを用いた遠紫外線、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、F2レーザー光(157nm)、Kr2レーザー光(146nm)、Ar2レーザー光(126nm)、軟X線、電子ビーム、イオンビーム、X線露光に好適なレジストパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光を用いたリソグラフィーにおいては、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。
【0003】
レジストパターン形成の際に使用するリソグラフィー用の光源として、水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられており、更なる微細化のための手段として、露光光を短波長化する方法が有効とされてきた。このため、64MビットDRAM加工方法の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.13μm以下)を必要とする集積度1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、特にArFエキシマレーザー(193nm)を用いたリソグラフィーが検討されてきている。
【0004】
一方、従来、段差基板上に高アスペクト比のパターンを形成するには2層レジスト法が優れていることが知られており、更に、2層レジスト膜を一般的なアルカリ現像液で現像するためには、ヒドロキシ基やカルボキシル基等の親水基を有する高分子シリコーン化合物が必要である。
【0005】
シリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料としては、安定なアルカリ可溶性シリコーンポリマーであるポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサンのフェノール性水酸基の一部をt−Boc基で保護したものをベース樹脂として使用し、これと酸発生剤とを組み合わせたKrFエキシマレーザー用シリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料が提案された(特許文献2:特開平6−118651号公報、非特許文献1:SPIE vol.1925(1993)p377等参照)。また、ArFエキシマレーザー用としては、シクロヘキシルカルボン酸を酸不安定基で置換したタイプのシルセスキオキサンをベースにしたポジ型レジストが提案されている(特許文献3,4:特開平10−324748号公報、特開平11−302382号公報、非特許文献2:SPIE vol.3333(1998)p62参照)。更に、F2レーザー用としては、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶解性基として持つシルセスキオキサンをベースにしたポジ型レジストが提案されている(特許文献5:特開2002−55456号公報)。上記ポリマーは、トリアルコキシシシラン、又はトリハロゲン化シランの縮重合によるラダー骨格を含むポリシルセスキオキサンを主鎖に含むものである。
【0006】
珪素が側鎖にペンダントされたレジスト用ベースポリマーとしては、珪素含有(メタ)アクリルエステル系ポリマーが提案されている(特許文献6:特開平9−110938号公報、非特許文献3:J.Photopolymer Sci. and Technol.Vol.9 No.3(1996)p435−446参照)。
【0007】
2層レジスト法の下層膜としては、酸素ガスによるエッチングが可能な炭化水素化合物であり、更にその下の基板をエッチングする場合におけるマスクになるため、高いエッチング耐性を有することが必要である。酸素ガスエッチングにおいては、珪素原子を含まない炭化水素のみで構成される必要がある。また、上層の珪素含有レジストの線幅制御性を向上させ、定在波によるパターン側壁の凹凸とパターンの崩壊を低減させるためには、反射防止膜としての機能も有し、具体的には下層膜からレジスト膜内への反射率を1%以下に抑える必要がある。
【0008】
ここで、最大500nmの膜厚までの反射率を計算した結果を図1,2に示す。露光波長は193nm、上層レジストのn値を1.74、k値を0.02と仮定し、図1では下層膜のk値を0.3に固定し、縦軸にn値を1.0〜2.0、横軸に膜厚0〜500nmの範囲で変動させたときの基板反射率を示す。膜厚が300nm以上の2層レジスト用下層膜を想定した場合、上層レジストと同程度かあるいはそれよりも少し屈折率が高い1.6〜1.9の範囲で反射率を1%以下にできる最適値が存在する。
【0009】
図2では、下層膜のn値を1.5に固定し、k値を0〜0.8の範囲で変動させたときの反射率を示す。k値が0.24〜0.15の範囲で反射率を1%以下にすることが可能である。一方、40nm程度の薄膜で用いられる単層レジスト用の反射防止膜の最適k値は0.4〜0.5であり、300nm以上で用いられる2層レジスト用下層の最適k値とは異なる。2層レジスト用下層では、より低いk値、即ちより高透明な下層膜が必要であることが示されている。
【0010】
ここで、193nm用の下層膜形成材料として、SPIE vol.4345(2001)p50(非特許文献4)に紹介されているようにポリヒドロキシスチレンとアクリル酸エステルの共重合体が検討されている。ポリヒドロキシスチレンは193nmに非常に強い吸収を持ち、そのもの単独ではk値が0.6前後と高い値である。そこで、k値が殆ど0であるアクリル酸エステルと共重合させることによって、k値を0.25前後に調整しているのである。
【0011】
しかしながら、ポリヒドロキシスチレンに対して、アクリル酸エステルの基板エッチングにおけるエッチング耐性は弱く、しかもk値を下げるためにかなりの割合のアクリル酸エステルを共重合せざるを得ず、結果的に基板エッチングの耐性はかなり低下する。エッチングの耐性は、エッチング速度だけでなく、エッチング後の表面ラフネスの発生にも現れてくる。アクリル酸エステルの共重合によってエッチング後の表面ラフネスの増大が深刻なほど顕著になっている。
【0012】
ベンゼン環よりも193nmにおける透明性が高く、エッチング耐性が高いものの一つにナフタレン環がある。特開2002−14474号公報(特許文献11)にナフタレン環、アントラセン環を有する下層膜が提案されている。しかしながら、ナフトール共縮合ノボラック樹脂、ポリビニルナフタレン樹脂のk値は0.3〜0.4の間であり、目標の0.1〜0.3の透明性には未達であり、更に透明性を上げなくてはならない。また、ナフトール共縮合ノボラック樹脂、ポリビニルナフタレン樹脂の193nmにおけるn値は低く、本発明者らの測定した結果では、ナフトール共縮合ノボラック樹脂で1.4、ポリビニルナフタレン樹脂に至っては1.2である。特開2001−40293号(特許文献12)、特開2002−214777号公報(特許文献13)で示されるアセナフチレン重合体においても、波長248nmに比べて193nmにおけるn値が低く、k値は高く、共に目標値には達していない。n値が高く、k値が低く透明でかつエッチング耐性が高い下層膜が求められている。
【0013】
一方、珪素を含まない単層レジストを上層、その下に珪素を含有する中間層、更にその下に有機膜を積層する3層プロセスが提案されている(非特許文献5:J.Vac.Sci.Technol.,16(6),Nov./Dec.1979参照)。
一般的には珪素含有レジストより単層レジストの方が解像性に優れ、3層プロセスでは高解像な単層レジストを露光イメージング層として用いることができる。
中間層としては、スピンオングラス(SOG)膜が用いられ、多くのSOG膜が提案されている。
【0014】
ここで3層プロセスにおける基板反射を抑えるための最適な下層膜の光学定数は2層プロセスにおけるそれとは異なっている。
基板反射をできるだけ抑え、具体的には1%以下にまで低減させる目的は2層プロセスも3層プロセスも変わらないのであるが、2層プロセスは下層膜だけに反射防止効果を持たせるのに対して、3層プロセスは中間層と下層のどちらか一方あるいは両方に反射防止効果を持たせることができる。
反射防止効果を付与させた珪素含有層材料が、米国特許第6506497号明細書(特許文献9)、米国特許第6420088号明細書(特許文献10)に提案されている。
一般的に単層の反射防止膜よりも多層反射防止膜の方が反射防止効果が高く、光学材料の反射防止膜として広く工業的に用いられている。
中間層と下層の両方に反射防止効果を付与させることによって高い反射防止効果を得ることができる。
3層プロセスにおいて珪素含有中間層に反射防止膜としての機能を持たせることができれば、下層膜に反射防止膜としての最高の効果は特に必要がない。
3層プロセスの場合の下層膜としては、反射防止膜としての効果よりも基板加工における高いエッチング耐性が要求される。
そのために、エッチング耐性が高く、芳香族基を多く含有するノボラック樹脂を3層プロセス用下層膜として用いることが必要である。
【0015】
ここで、図3に中間層のk値を変化させたときの基板反射率を示す。
中間層のk値として0.2以下の低い値と、適切な膜厚設定によって、1%以下の十分な反射防止効果を得ることができる。
通常反射防止膜として、膜厚100nm以下で反射を1%以下に抑ええるためにはk値が0.2以上が必要であるが(図2参照)、下層膜である程度の反射を抑ええることができる3層構造の中間層としては0.2より低い値のk値が最適値となる。
次に下層膜のk値が0.2の場合と0.6の場合の、中間層と下層の膜厚を変化させたときの反射率変化を図4と図5に示す。
k値が0.2の下層は、2層プロセスに最適化された下層膜を想定しており、k値が0.6の下層は、193nmにおけるノボラックやポリヒドロキシスチレンのk値に近い値である。
下層膜の膜厚は基板のトポグラフィーによって変動するが、中間層の膜厚はほとんど変動せず、設定した膜厚で塗布できると考えられる。
ここで、下層膜のk値が高い方(0.6の場合)が、より薄膜で反射を1%以下に抑えることができる。
下層膜のk値が0.2の場合、250nm膜厚では反射を1%以下にするために中間層の膜厚を厚くしなければならない。
中間層の膜厚を上げると、中間層を加工するときのドライエッチング時に最上層のレジストに対する負荷が大きく、好ましいことではない。
下層膜を薄膜で用いるためには、高いk値だけでなく、より強いエッチング耐性が必要である。
【0016】
【特許文献1】特開平6−118651号公報
【特許文献2】特開平10−324748号公報
【特許文献3】特開平11−302382号公報
【特許文献4】特開2002−55456号公報
【特許文献5】特開平9−110938号公報
【特許文献6】米国特許第6506497号明細書
【特許文献7】米国特許第6420088号明細書
【特許文献8】特開2002−14474号公報
【特許文献9】特開2001−40293号公報
【特許文献10】特開2002−214777号公報
【非特許文献1】SPIE vol.1925(1993)p377
【非特許文献2】SPIE vol.3333(1998)p62
【非特許文献3】J.Photopolymer Sci. and Technol.Vol.9 No.3(1996)p435−446
【非特許文献4】SPIE vol.4345 (2001)p50
【非特許文献5】J.Vac.Sci.Technol.,16(6),Nov./Dec.1979
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明が解決しようとする課題は、特に、2層あるいは3層レジストプロセス用下層膜として、ポリヒドロキシスチレン、クレゾールノボラックよりもエッチング耐性が優れたフォトレジスト下層膜形成材料、及びこれを用いたパターン形成方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、インデンと、ヒドロキシ基もしくはエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物、特にインデンとヒドロキシスチレンとを共重合した高分子化合物が、エッチング耐性にも優れる2層あるいは3層レジストプロセス用下層膜として有望な材料であることを見出し、本発明をなすに至った。
【0019】
即ち、本発明は、2層あるいは3層レジストプロセス用下層膜として、特に波長300nm以下の高エネルギー線、具体的には248nm、193nm、157nmのエキシマレーザー、3〜20nmの軟X線、電子ビーム、X線におけるエッチング耐性に優れる、インデンとヒドロキシ基を有する重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物、特にインデンとヒドロキシスチレンを共重合した高分子化合物をベースにする材料を提案するもので、基板加工におけるドライエッチング耐性に優れる特徴がある。
【0020】
本発明の下層膜は、主に3層プロセスに適用される。KrF、ArFの2層プロセス用としてはk値が高いため、基板反射が大きくなるが、反射防止効果のある中間層と併せて基板反射率を1%以下に抑えることができる。
【0021】
従って、本発明は、下記のパターン形成方法及びこれに用いる下層膜形成材料を提供する。
請求項1:
インデン類と、ヒドロキシ基もしくはエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物を含有することを特徴とする下層膜形成材料。
請求項2:
インデン類と、ヒドロキシスチレン又はグリシジルエーテルスチレンとを共重合してなる高分子化合物を含有することを特徴とする下層膜形成材料。
請求項3:
インデン類に由来する繰り返し単位が、下記一般式(a)で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1又は2記載の下層膜形成材料。
【化1】


(式中、R1は、独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、アリル基、又はハロゲン原子であり、pは1〜4の整数である。Xはメチレン基、−O−、−S−、又は−NH−である。)
請求項4:
更に、有機溶剤及び酸発生剤を含有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の下層膜形成材料。
請求項5:
更に、架橋剤を含有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の下層膜形成材料。
請求項6:
請求項1乃至5のいずれか1項記載の下層膜形成材料による下層膜を被加工基板上に適用し、該下層膜の上にフォトレジスト組成物の層を適用し、このフォトレジスト層の所用領域に放射線を照射し、現像液で現像してフォトレジストパターンを形成し、次にドライエッチング装置でこのフォトレジストパターン層をマスクにして下層膜層及び被加工基板を加工することを特徴とするパターン形成方法。
請求項7:
フォトレジスト組成物が炭化水素化合物からなり、フォトレジスト層をマスクにして下層膜を加工するドライエッチングによって加工を行う請求項6記載のパターン形成方法。
請求項8:
フォトレジスト組成物が珪素原子含有ポリマーを含み、フォトレジスト層をマスクにして下層膜を加工するドライエッチングを、酸素ガスを主体とするエッチングガスを用いて行う請求項6記載のパターン形成方法。
請求項9:
請求項1乃至5のいずれか1項記載の下層膜形成材料による下層膜を被加工基板上に適用し、該下層膜の上に珪素原子を含有する中間層を適用し、該中間層の上にフォトレジスト組成物の層を適用し、このフォトレジスト層の所用領域に放射線を照射し、現像液で現像してフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチング装置でこのフォトレジストパターン層をマスクにして中間膜層を加工し、フォトレジストパターン層を除去後、上記加工した中間膜層をマスクにして下層膜層、次いで被加工基板を加工することを特徴とするパターン形成方法。
請求項10:
フォトレジスト組成物が珪素原子を含有しないポリマーを含み、中間層膜をマスクにして下層膜を加工するドライエッチングを、酸素ガスを主体とするエッチングガスを用いて行う請求項9記載のパターン形成方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明の下層膜形成材料は、必要により反射防止効果のある中間層と組み合わせることによって、200nm以上の膜厚で十分な反射防止効果を発揮できるだけの吸光係数を有し、基板加工に用いられるCF4/CHF3系ガス及びCl2/BCl3系ガスエッチングの速度も通常のm−クレゾールノボラック樹脂よりも遅く、高いエッチング耐性を有する。また、パターニング後のレジスト形状も良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明のパターン形成方法は、フォトレジスト下層膜としてインデン類と、ヒドロキシ基又はエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物、特にインデン類と、ヒドロキシスチレン又はグリシジルエーテルスチレンとを共重合した高分子化合物を含むフォトレジスト下層膜を基板上に適用し、該下層膜の上に必要により中間層を介してフォトレジスト組成物の層を適用し、このフォトレジスト層の所用領域に放射線を照射し、現像液で現像してレジストパターンを形成し、ドライエッチング装置でフォトレジストパターン層をマスクにして下層膜層及び基板を加工するものであるが、ここで用いる下層膜形成材料は、
(A)ベースポリマーとして、インデン類と、ヒドロキシ基又はエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物、特にインデン類とヒドロキシスチレン又はグリシジルエーテルスチレンとを共重合した高分子化合物を必須成分とし、好ましくは
(B)有機溶剤、
(C)架橋剤、
(D)酸発生剤
を含むものである。
【0024】
この場合、インデン類とヒドロキシ基もしくはエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物としては、特に、インデン類とヒドロキシスチレン又はグリシジルエーテルスチレンとを共重合した高分子化合物が好ましく、またインデン類に由来する繰り返し単位が、下記一般式(a)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
【化2】


(式中、R1は、独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、アリル基、又はハロゲン原子であり、pは1〜4の整数である。Xはメチレン基、−O−、−S−、又は−NH−である。)
【0025】
この場合、上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、キシリル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられ、ハロゲン原子としては、F、Cl、Br等が挙げられる。
【0026】
上記一般式(a)で示される繰り返し単位を得るためのモノマーとしては、インデン、4−メチルインデン、5−メチルインデン、6−メチルインデン、7−メチルインデン、4−ヒドロキシインデン、5−ヒドロキシインデン、6−ヒドロキシインデン、7−ヒドロキシインデン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンが挙げられる。
【0027】
ヒドロキシ基もしくはエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物に由来する繰り返し単位としては、下記に例示することができる。この中でも、ヒドロキシスチレン、グリシジルエーテルスチレンに由来する繰り返し単位を好ましく用いることができる。
【0028】
【化3】

【0029】
【化4】

【0030】
本発明は、インデン類と、ヒドロキシ基あるいはグリシジルエーテル基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合したポリマーを下層膜として用いることを特徴とするが、該ポリマーは、更に他の重合可能なモノマーを共重合したものでもよい。重合可能なモノマーとしては、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルピレン、アセナフチレン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどが挙げられる。
【0031】
この場合、インデン類に由来する繰り返し単位をUA、ヒドロキシ基もしくはグリシジルエーテル基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物に由来する繰り返し単位をUB、上記他の重合可能なモノマーに由来する繰り返し単位をUCとし、UA+UB+UC=Uとした場合、モル比として
0.1≦UA/U≦0.95、特に0.2≦UA/U≦0.9
0<UB/U≦0.8、特に0.1≦UB/U≦0.7
0≦UC/U≦0.8、特に0≦UC/U≦0.7
であることが好ましい。
【0032】
インデン類とヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物の重合方法としては、ラジカル重合又はカチオン重合による方法が一般的である。ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示できる。
【0033】
カチオン重合開始剤としては、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、トシル酸等の酸、BF3、AlCl3、TiCl4、SnCl4などのフリーデルクラフツ触媒のほか、I2、(C653CClのようにカチオンを生成し易い物質が使用される。
【0034】
これら高分子化合物を合成するには、1つの方法としてはインデン類とヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物を有機溶剤中、カチオン重合開始剤を加え、加熱重合を行い、高分子化合物を得ることができる。重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等が例示できる。好ましくは50℃から80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。
【0035】
グリシジルエーテルスチレン等のグリシジルエーテル基を有すると共に2重結合を有する化合物は、カチオン重合を行うと、エポキシ部分が開裂してしまうので、ラジカル重合を行う、あるいはインデン類とヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基を有すると共に2重結合を有する化合物との重合後にエピクロルヒドリンとの反応でヒドロキシ基をグリシジルエーテル化することができる。
【0036】
本発明の下層膜材料に用いるインデン類とヒドロキシスチレン、グリシジルエーテルスチレン等のヒドロキシ基もしくはグリシジルエーテル基を有すると共に2重結合を有する化合物の共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の分子量は、重量平均分子量(Mw)が2,000〜30,000、特に3,000〜20,000であることが好ましい。分子量分布は1.0〜3.0の範囲内が好ましく用いられるが、モノマー成分、オリゴマー成分又は分子量(Mw)1,000以下の低分子量体をカットして分子量分布を狭くした方が架橋効率が高くなり、またベーク中の揮発成分を抑えることによりベークカップ周辺の汚染を防ぐことができる。
【0037】
本発明の高分子化合物において、193nmにおける透明性を向上させるために、一般式(a)の繰り返し単位に水素添加を行うことができる。好ましい水素添加の割合は、芳香族基の80モル%以下、特に60モル%以下である。その下限は特に制限されないが、この透明性向上効果を与える点から、10モル%以上であることが好ましい。
【0038】
本発明の下層膜形成材料用のベース樹脂は、インデン類とヒドロキシ基又はエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物、特にインデン類とヒドロキシスチレン又はグリシジルエーテルスチレンとを共重合した高分子化合物を含むことを特徴とするが、前述の反射防止膜材料として挙げられている従来のポリマーとブレンドすることもできる。例えば分子量(Mw)5,000のインデンとヒドロキシスチレンの共重合体のガラス転移点は150℃以上であり、このもの単独ではビアホールなどの深いホールの埋め込み特性が劣る場合がある。ホールをボイドを発生させずに埋め込むためには、ガラス転移点の低いポリマーあるいは低分子体を多く含むポリマーを用い、架橋温度よりも低い温度で熱フローさせながらホールの底にまで樹脂を埋め込む手法が採られる(特開2000−294504号公報参照)。このため、ガラス転移点の低いポリマー、特にガラス転移点が180℃以下、とりわけ100〜170℃のポリマー、例えばノボラック樹脂、スチレン、ヒドロキシスチレン、アクリル誘導体、ビニルアルコール、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、スチレン誘導体、アリルベンゼン誘導体、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類から選ばれる1種以上のモノマーを重合してなるポリマー、メタセシス開環重合などによるポリマーとブレンドすることによってガラス転移点を低下させ、ビアホールの埋め込み特性を向上させることができる。
【0039】
更に、吸光度を上げたり下げたりする目的で他のポリマーをブレンドすることもできる。インデンの波長193nmにおける吸収が極めて大きいため、基板反射が大きくなる欠点がある。このため、193nmにおける透明性が高いナフトール樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、(メタ)アクリレート、ビニルナフタレン、ポリアセナフチレンなどのナフタレン環を有する樹脂や芳香族環を含まない樹脂をブレンドすることができる。
【0040】
また、縮合芳香族、あるいは脂環族の置換基をペンダントすることによって、通常のノボラック樹脂よりもガラス転移点が低下するメリットがある。この場合、ペンダントする置換基の種類、又はその割合にも依るが、10〜50℃ガラス転移点を低下させることができる。
【0041】
もう一つのガラス転移点を下げるための方法としては、ヒドロキシスチレンのヒドロキシ基の水素原子を炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、t−ブチル基、t−アミル基、アセタールなどの酸不安定基、アセチル基、ピバロイル基などで置換する方法を挙げることができる。
この時の置換率は、ヒドロキシ基の10〜80モル%、好ましくは15〜70モル%の範囲である。
【0042】
反射防止膜を含む下層膜に要求される性能の一つとして、レジスト層とのインターミキシングがないこと、レジスト層ヘの低分子成分の拡散がないことが挙げられる[Proc. SPIE vol.2195、p225−229(1994)]。これらを防止するために、一般的に反射防止膜のスピンコート後のベークで熱架橋するという方法が採られている。そのため、反射防止膜材料の成分として架橋剤を添加する場合、ポリマーに架橋性の置換基を導入する方法が採られることがある。
【0043】
本発明で使用可能な架橋剤の具体例を列挙すると、メチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、エポキシ化合物、チオエポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルエーテル基などの2重結合を含む化合物を挙げることができる。これらは添加剤として用いてもよいが、これら架橋性基をポリマー側鎖にペンダント基として導入してもよい。また、ヒドロキシ基を含む化合物も架橋剤として用いられる。
【0044】
前記諸化合物のうち、エポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどが例示される。メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1〜6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。ウレア化合物としてはテトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。
【0045】
アルケニルエーテル基を含む化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどが挙げられる。
【0046】
インデン類とヒドロキシ基あるいはグリシジルエーテル基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物、特にはインデン類とヒドロキシスチレンのヒドロキシ基がグリシジルエーテル基で置換されている高分子化合物の場合は、ヒドロキシ基を含む化合物、あるいはそのヒドロキシ基がグリシジルエーテル基で置換された化合物の添加が有効である。特に分子内に2個以上のヒドロキシ基を含む化合物が好ましい。例えば、ナフトールノボラック、m−及びp−クレゾールノボラック、ナフトール−ジシクロペンタジエンノボラック、m−及びp−クレゾール−ジシクロペンタジエンノボラック、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン、ペンタエリトリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、4,4’,4’’−メチリデントリスシクロヘキサノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスシクロヘキサノール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−4,4’−ジオール、メチレンビスシクロヘキサノール、デカヒドロナフタレン−2,6−ジオール、[1,1’−ビシクロヘキシル]−3,3’,4,4’−テトラヒドロキシなどのアルコール基含有化合物、ビスフェノール、メチレンビスフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチルフェノール]、4,4’−メチリデン−ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−(1−メチル−エチリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−オキシビスフェノール、4,4’−メチレンビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’−メチレンビス[2−メチルフェノール]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビスフェノール、4,4’−(ジエチルシリレン)ビスフェノール、4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’−エチリジントリス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’−エチリジントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,2−エタンジイリデン)テトラキスフェノール、4,4’,4’’,4’’’−(エタンジイリデン)テトラキス[2−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)1,3−ベンゼンジオール、2,4’,4’’−メチリデントリスフェノール、4,4’,4’’’−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリデン)トリスフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−フロロフェニル)メチル]−4−フルオロフェノール、2,6−ビス[4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル]メチル]−4−フルオロフェノール、3,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、p−メチルカリックス[4]アレン、2,2’−メチレンビス[6−[(2,5/3,6−ジメチル−4/2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[6−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’,4’’,4’’’−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノール、6,6’−メチレンビス[4−(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,2,3−ベンゼントリオール、3,3’,5,5’−テトラキス[(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−[(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール]などのフェノール低核体が挙げられる。
【0047】
本発明における架橋剤の配合量は、ベース樹脂(全樹脂分)100部(質量部、以下同じ)に対して5〜50部が好ましく、特に10〜40部が好ましい。5部未満であるとレジストとミキシングを起こす場合があり、50部を超えると反射防止効果が低下したり、架橋後の膜にひび割れが入ることがある。
【0048】
本発明においては、熱による架橋反応を更に促進させるための酸発生剤を添加することができる。酸発生剤は熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。
【0049】
本発明で使用される酸発生剤としては、
i.下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(P1a−3)又は(P1b)のオニウム塩、
ii.下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii.下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv.下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v.下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi.β−ケトスルホン酸誘導体、
vii.ジスルホン誘導体、
viii.ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix.スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
【0050】
【化5】


(式中、R101a、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R101bとR101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。R101d、R101e、R101f、R101gは、R101a、R101b、R101cに水素原子を加えて示される。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基を示す。又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)
【0051】
上記R101a、R101b、R101c、R101d、R101e、R101f、R101gは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
【0052】
また、R101dは、R101e、R101f、R101gが式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環は、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0053】
上記一般式(P1a−1)と一般式(P1a−2)は光酸発生剤、熱酸発生剤の両方の効果があるが、上記一般式(P1a−3)は熱酸発生剤として作用する。
【0054】
【化6】


(式中、R102a、R102bはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R104a、R104bはそれぞれ炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。)
【0055】
上記R102a、R102bとして具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。R103としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。R104a、R104bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。K-は式(P1a−1)、(P1a−2)及び(P1a−3)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
【0056】
【化7】


(式中、R105、R106は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
【0057】
105、R106のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としては、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0058】
【化8】


(式中、R107、R108、R109は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R108、R109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R108、R109はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
【0059】
107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
【0060】
【化9】


(式中、R101a、R101bは上記と同様である。)
【0061】
【化10】


(式中、R110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
【0062】
ここで、R110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。R111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
【0063】
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
【0064】
具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸ピリジニウム、カンファースルホン酸トリエチルアンモニウム、カンファースルホン酸ピリジニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラn−ブチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラフェニルアンモニウム、p−トルエンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩。
【0065】
ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体。
【0066】
ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体。
【0067】
ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体。
【0068】
2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体。
【0069】
ジフェニルジスルホン誘導体、ジシクロヘキシルジスルホン誘導体等のジスルホン誘導体。
【0070】
p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体。
【0071】
1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体。
【0072】
N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等が挙げられるが、特にトリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。
【0073】
なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤の添加量は、ベース樹脂100部に対して好ましくは0.1〜50部、より好ましくは0.5〜40部である。0.1部より少ないと酸発生量が少なく、架橋反応が不十分な場合があり、50部を超えると上層レジストへ酸が移動することによるミキシング現象が起こる場合がある。
【0074】
更に、本発明の下層膜形成材料には、保存安定性を向上させるための塩基性化合物を配合することができる。
塩基性化合物としては、酸発生剤より微量に発生した酸が架橋反応を進行させるのを防ぐための、酸に対するクエンチャーの役割を果たす。
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
【0075】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0076】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0077】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
【0078】
塩基性化合物の配合量はベース樹脂100部に対して0.001〜2部、特に0.01〜1部が好適である。配合量が0.001部より少ないと配合効果がなく、2部を超えると熱で発生した酸を全てトラップして架橋しなくなる場合がある。
【0079】
本発明の下層膜形成材料において使用可能な有機溶剤としては、前記のベース樹脂、酸発生剤、架橋剤、その他添加剤等が溶解するものであれば特に制限はない。その具体例を列挙すると、シクロヘキサノン、メチル−2−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル,プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、これら有機溶剤の中でもジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びこれらの混合溶剤が好ましく使用される。
【0080】
溶剤の配合量は、ベース樹脂100部に対して200〜10,000部が好ましく、特に300〜5,000部とすることが好ましい。
【0081】
本発明の下層膜は、フォトレジスト組成物と同様にスピンコート法などで被加工基板上に作製することが可能である。スピンコート後、溶媒を蒸発し、上層レジストとミキシング防止のため、架橋反応を促進させるためにベークをすることが望ましい。ベーク温度は80〜300℃の範囲内で、10〜300秒の範囲内が好ましく用いられる。なお、この下層膜の厚さは適宜選定されるが、30〜20,000nm、特に50〜15,000nmとすることが好ましい。下層膜を作製した後、2層プロセスの場合はその上に珪素含有レジスト層、あるいは通常の炭化水素からなる単層レジスト、3層プロセスの場合はその上に珪素含有中間層、更にその上に珪素を含まない単層レジスト層を作製する。
この場合、このレジスト層を形成するためのフォトレジスト組成物としては公知のものを使用することができる。
【0082】
2層プロセス用の珪素含有レジスト組成物としては、酸素ガスエッチング耐性の点から、ベースポリマーとしてポリシルセスキオキサン誘導体又はビニルシラン誘導体等の珪素原子含有ポリマーを使用し、更に有機溶剤、酸発生剤、必要により塩基性化合物等を含むポジ型のフォトレジスト組成物が使用される。なお、珪素原子含有ポリマーとしては、この種のレジスト組成物に用いられる公知のポリマーを使用することができる。
【0083】
3層プロセス用の珪素含有中間層としてはポリシルセスキオキサンベースの中間層が好ましく用いられる。中間層に反射防止膜として効果を持たせることによって、反射を抑えることができる。
【0084】
特に193nm露光用としては、下層膜として芳香族基を多く含み基板エッチング耐性が高い材料を用いると、k値が高くなり、基板反射が高くなるが、中間層で反射を抑えることによって基板反射を0.5%以下にすることができる。
【0085】
反射防止効果がある中間層としては、248nm、157nm露光用としてはアントラセン、193nm露光用としてはフェニル基又は珪素−珪素結合を有する吸光基をペンダントし、酸あるいは熱で架橋するポリシルセスキオキサンが好ましく用いられる。
【0086】
また、Chemical Vapour Deposition(CVD)法で形成した中間層を用いることもできる。CVD法で作製した反射防止膜としての効果が高い中間層としてはSiON膜が知られている。CVD法よりスピンコート法による中間層の形成の方が簡便でコスト的なメリットがある。3層プロセスにおける上層レジストは、ポジ型でもネガ型でもどちらでもよく、通常用いられている単層レジストと同じものを用いることができる。
【0087】
本発明の下層膜は、通常の単層レジスト用の反射防止膜として用いることもできる。本発明の下層膜は下地加工のためのエッチング耐性に優れるため、下地加工のためのハードマスクとしての機能も期待できる。
【0088】
上記フォトレジスト組成物によりレジスト層を形成する場合、上記下層膜を形成する場合と同様に、スピンコート法が好ましく用いられる。レジスト組成物をスピンコート後、プリベークを行うが、80〜180℃で10〜300秒の範囲が好ましい。その後常法に従い、露光を行い、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)、現像を行い、レジストパターンを得る。なお、レジスト膜の厚さは特に制限されないが、30〜500nm、特に50〜400nmが好ましい。
また、露光光としては、波長300nm以下の高エネルギー線、具体的には248nm、193nm、157nmのエキシマレーザー、3〜20nmの軟X線、電子ビーム、X線等を挙げることができる。
【0089】
次に、得られたレジストパターンをマスクにしてエッチングを行う。2層プロセスにおける下層膜エッチングは酸素ガスを用いたエッチングを行う。酸素ガスに加えて、He、Arなどの不活性ガスや、CO、CO2、NH3、SO2、N2、NO2、2ガスを加えることも可能であり、酸素ガスを用いないで、CO、CO2、NH3、N2、NO2、2ガスだけでエッチングを行うこともできる。特に後者のガスはパターン側壁のアンダーカット防止のための側壁保護のために用いられる。3層プロセスにおける中間層のエッチングは、フロン系のガスを用いてレジストパターンをマスクにして中間層の加工を行う。次いで上記酸素ガスエッチングを行い、中間層パターンをマスクにして下層膜の加工を行う。
【0090】
次の被加工基板のエッチングも、常法によって行うことができ、例えば基板がSiO2、SiNであればフロン系ガスを主体としたエッチング、p−SiやAl、Wでは塩素系、臭素系ガスを主体としたエッチングを行う。基板加工をフロン系ガスでエッチングした場合、2層レジストプロセスの珪素含有レジストと3層プロセスの珪素含有中間層は基板加工と同時に剥離される。塩素系、臭素系ガスで基板をエッチングした場合は、珪素含有レジスト層又は珪素含有中間層の剥離は基板加工後にフロン系ガスによるドライエッチング剥離を別途行う必要がある。
【0091】
本発明の下層膜は、これら被加工基板のエッチング耐性に優れる特徴がある。
なお、被加工基板としては、基板上に形成される。基板としては、特に限定されるものではなく、Si、α−Si、p−Si、SiO2、SiN、SiON、W、TiN、Al等で被加工膜(被加工基板)と異なる材質のものが用いられる。被加工膜としては、Si、SiO2、SiON、SiN、p−Si、α−Si、W、W−Si、Al、Cu、Al−Si等種々のLow−k膜及びそのストッパー膜が用いられ、通常50〜10,000nm、特に100〜5,000nm厚さに形成し得る。
【0092】
2層レジスト加工プロセス、3層レジスト加工プロセスの一例について更に具体的に示すと下記の通りである。
2層レジスト加工プロセスの場合、図6(A)に示したように、基板1の上に積層された被加工基板(被加工膜)2上に下層膜形成材料を用いて下層膜3を形成し、その上にフォトレジスト組成物、特に珪素原子含有ポリマーをベース樹脂とするフォトレジスト組成物によるフォトレジスト層4を形成し、次いでフォトマスクを介してフォトレジスト層4の所用部分5を露光し[図6(B)]、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)、現像してフォトレジストパターン層4aを形成する[図6(C)]。
その後、このフォトレジストパターン層4aをマスクにして下地層3を酸素プラズマエッチング加工し[図6(D)]、更にフォトレジストパターン層を除去後、被加工基板2をエッチング加工する[図6(E)]。
【0093】
一方、3層レジスト加工プロセスの場合、図7(A)に示したように、2層レジスト加工プロセスの場合と同様に、基板1の上に積層された被加工基板2上に下層膜3を形成した後、珪素含有中間層6を形成し、その上に単層フォトレジスト層7を形成する。
【0094】
次いで、図7(B)に示したように、フォトレジスト層7の所用部分8を露光し、PEB、現像を行ってフォトレジストパターン層7aを形成する[図7(C)]。このフォトレジストパターン層7aをマスクとし、CF系ガスを用いて中間層6をエッチング加工し[図7(D)]、フォトレジストパターン層を除去後、この加工された中間層6aをマスクとして下地膜3を酸素プラズマエッチングし[図7(E)]、更に加工中間層6aを除去後、被加工基板2をエッチング加工するものである[図7(F)]。
【実施例】
【0095】
以下、合成例及び実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
なお、分子量の測定法は具体的に下記の方法によって行った。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め、分散度(Mw/Mn)を求めた。
【0096】
[合成例1]
2Lのフラスコにインデン81g、4−ヒドロキシスチレン36g、溶媒として1,2−ジクロロエタンを80g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、重合開始剤としてトリフルオロホウ素を1g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール2.5L、水0.2Lの混合溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体35gを得た。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中の比率を以下のように求めた。
ポリマー1;インデン:4−ヒドロキシスチレン(モル比)=0.71:0.29
Mw=8,600、Mw/Mn=1.89
【0097】
【化11】

【0098】
[合成例2]
2Lのフラスコにインデン55g、4−ヒドロキシインデン66g、溶媒として1,2−ジクロロエタンを80g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、重合開始剤としてトリフルオロホウ素を1g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液を1/2まで濃縮し、メタノール2.5L、水0.2Lの混合溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体35gを得た。
GPCにより分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を求め、1H−NMR分析によりポリマー中の比率を以下のように求めた。
ポリマー2;インデン:4−ヒドロキシインデン(モル比)=0.48:0.52
Mw=6,500、Mw/Mn=1.55
【0099】
【化12】

【0100】
[合成例3]
2Lのフラスコにグリシジルメタクリレート56.8g、4−ヒドロキシスチレン48.0g、インデン25.5g、溶媒としてテトラヒドロフランを150g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤としてAIBNを2.6g加え、60℃まで昇温後、15時間反応させた。この反応溶液をイソプロピルアルコール1,500mL溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、60℃で減圧乾燥し、白色重合体110.1gを得た。
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比)
ポリマー3;グリシジルメタクリレート:4−ヒドロキシスチレン:インデン=0.42:0.38:0.20
Mw=8,400、Mw/Mn=1.83
【0101】
【化13】

【0102】
[合成例4]
200mLのフラスコにインデンを11.5g、N−ヒドロキシエチルマレイミドを14.1g、溶媒としてテトラヒドロフランを15g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を2.5g加え、55℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液にアセトン5mLを加えて希釈後、イソプロピルアルコール2L溶液中に沈澱させ、得られた白色固体を濾過後、40℃で減圧乾燥し、白色重合体13gを得た。
【0103】
得られた重合体を13C,1H−NMR、及び、GPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比
ポリマー4;インデン:N−ヒドロキシエチルマレイミド=0.50:0.50
Mw=6,500、Mw/Mn=1.66
【0104】
【化14】

【0105】
[実施例、比較例]
表1に示すポリマーを用い、これに架橋剤CR1、酸発生剤AG1又は2をFC−430(住友スリーエム(株)製)0.1質量%を含む溶媒PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)中に表1に示す割合で溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって下層膜溶液と中間層膜溶液をそれぞれ調製した。
下層膜形成材料と中間層膜溶液の溶液をシリコン基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークしてそれぞれ下層膜としては膜厚300nmの下層膜(以下、UDL1〜6、UDL9及び比較例UDL1〜3と略称する)、300℃で60秒間ベークしてそれぞれ下層膜としては膜厚300nmの下層膜(以下、UDL7,8と略称する)、中間層としては膜厚100nmの珪素含有膜を形成し(以下、SOG1と略称する)、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で波長193nmにおけるUDL1〜9、SOG1及び比較例UDL1〜3の屈折率(n,k)を求め、結果を表1に示した。
【0106】
【表1】

【0107】
【化15】

比較ポリマー1;
ポリ−p−ヒドロキシスチレン:1−アダマンチルメタクリレート(モル比)=0.
32:0.68
Mw=10,800、Mw/Mn=1.82
m−クレゾールノボラック
Mw=8,800、Mw/Mn=4.5
ポリ−p−ヒドロキシスチレン
Mw=9,200、Mw/Mn=1.05
ブレンドポリマー1;
1−ナフトール:ジシクロペンタジエン(モル比)=0.70:0.30[ノボラッ
ク]
Mw=1,200、Mw/Mn=3.8
【化16】

【0108】
一方、上層レジスト組成物(ArF用SLレジスト)としては、表2に示す組成の樹脂、酸発生剤、塩基性化合物をFC−430(住友スリーエム(株)製)0.1質量%を含む溶媒中に溶解させ、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって調製した。
【0109】
【表2】

【0110】
【化17】

【0111】
次に、下層膜形成材料の溶液(UDL1〜6、UDL9、比較例UDL1〜3)を膜厚300nmのSiO2基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚300nmの下層膜を形成した。下層膜形成材料UDL7,8の場合は300℃で60秒間ベークして膜厚300nmの下層膜を形成した。
その上に珪素含有中間層材料溶液SOG1を塗布して200℃で60秒間ベークして膜厚100nmの中間層を形成し、ArF用SLレジスト溶液を塗布し、130℃で60秒間ベークして膜厚200nmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、ArF露光装置((株)ニコン製;S305B、NA0.68、σ0.85、2/3輪体照明、Crマスク)で露光し、110℃で60秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、ポジ型のパターンを得た。得られたパターンの0.12μmL/Sのパターン形状を観察した。結果を表5に示す。
【0112】
次いで、ドライエッチング耐性のテストを行った。まず、前記屈折率測定に用いたものと同じ下層膜(UDL1〜9、比較例UDL1〜3)を作製し、これらの下層膜のCF4/CHF3系ガスでのエッチング試験として下記(1)の条件で試験した。この場合、東京エレクトロン株式会社製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、エッチング前後の下層膜及びレジストの膜厚差を測定し、1分間あたりのエッチング速度を求めた。結果を表3に示す。
(1)CF4/CHF3系ガスでのエッチング試験
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,300W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 30ml/min
CF4ガス流量 30ml/min
Arガス流量 100ml/min
時間 60sec
【0113】
【表3】

【0114】
更に、上記下層膜(UDL1〜9、比較例UDL1〜3)を用いて、下記(2)の条件でCl2/BCl3系ガスでのエッチング試験を行った。この場合、日電アネルバ株式会社製ドライエッチング装置L−507D−Lを用い、エッチング前後のポリマー膜の膜厚差によりエッチング速度を求めた。結果を表4に示す。
(2)Cl2/BCl3系ガスでのエッチング試験
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 300W
ギャップ 9mm
Cl2ガス流量 30ml/min
BCl3ガス流量 30ml/min
CHF3ガス流量 100ml/min
2ガス流量 2ml/min
時間 60sec
【表4】

【0115】
次に、上記ArF露光と現像後にて得られたレジストパターンをSOG膜に下記条件で転写した。エッチング条件(3)は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,000W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 20ml/min
CF4ガス流量 60ml/min
Arガス流量 200ml/min
時間 30sec
次に、SOG膜に転写されたパターンを下記酸素ガスを主体とするエッチングで下層膜に転写した。エッチング条件(4)は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 60.0Pa
RFパワー 600W
Arガス流量 40ml/min
2ガス流量 60ml/min
ギャップ 9mm
時間 20sec
最後に(1)に示すエッチング条件で下層膜パターンをマスクにしてSiO2基板を加工した。
【0116】
パターン断面を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)にて観察し、形状を比較し、表5にまとめた。
【0117】
【表5】

【0118】
次に、下層膜形成材料の溶液(UDL1,2、比較例UDL1〜3)を膜厚100nmのSi34基板上に塗布して、200℃で60秒間ベークして膜厚80nmの下層膜を形成した。
その上にArF用SLレジスト溶液を塗布し、130℃で60秒間ベークして膜厚200nmのフォトレジスト層を形成した。
次いで、ArF露光装置((株)ニコン製;S305B、NA0.68、σ0.85、2/3輪体照明、Crマスク)で露光し、110℃で60秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、ポジ型のパターンを得た。得られたパターンの0.12μmL/Sのパターン形状を観察した。
次に、上記ArF露光と現像後にて得られたレジストパターンを下層膜に下記条件で転写した。エッチング条件(5)は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 600W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 20ml/min
CF4ガス流量 60ml/min
2ガス流量 7ml/min
Arガス流量 200ml/min
時間 15sec
次に、下層膜に転写されたレジストパターンを下地の酸化膜に転写した。エッチング条件(6)は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 40.0Pa
RFパワー 1,000W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 60ml/min
CF4ガス流量 20ml/min
Arガス流量 200ml/min
時間 20sec
【0119】
パターン断面を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S−4700)にて観察し、形状を比較し、表6にまとめた。
【表6】

【0120】
表3,4に示すように、本発明の下層膜のCF4/CHF3系ガス及びCl2/BCl3系ガスエッチングの速度は、ノボラック樹脂ポリヒドロキシスチレンよりも十分にエッチング速度が遅い。表5に示すように、3層レジスト加工における現像後のレジスト形状、酸素エッチング後、基板加工エッチング後の下層膜の形状も良好であり、表6に示すように単層レジストハードマスクとして用いた場合の現像後、基板加工後エッチング後の形状も良好であることが認められた。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】2層プロセスにおける下層膜屈折率k値が0.3固定で、n値を1.0〜2.0の範囲で変化させた下層膜の膜厚と基板反射率の関係を示すグラフである。
【図2】2層プロセスにおける下層膜屈折率n値が1.5固定で、k値を0〜1.0の範囲で変化させた下層膜の膜厚と基板反射率の関係を示すグラフである。
【図3】3層プロセスにおける下層膜屈折率n値が1.5、k値が0.6、膜厚500nm固定で、中間層のn値が1.5、k値を0〜0.4、膜厚を0〜400nmの範囲で変化させたときの基板反射率の関係を示すグラフである。
【図4】3層プロセスにおける下層膜屈折率n値が1.5、k値が0.2、中間層のn値が1.5、k値を0.1固定で下層と中間層の膜厚を変化させたときの基板反射率の関係を示すグラフである。
【図5】3層プロセスにおける下層膜屈折率n値が1.5、k値が0.6、中間層のn値が1.5、k値を0.1固定で下層と中間層の膜厚を変化させたときの基板反射率の関係を示すグラフである。
【図6】2層レジスト加工プロセスの説明図である。
【図7】3層レジスト加工プロセスの説明図である。
【符号の説明】
【0122】
1 基板
2 被加工基板(被加工膜)
3 下層膜
4,7 フォトレジスト層
5,8 露光部分
6 中間層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インデン類と、ヒドロキシ基もしくはエポキシ基を有すると共に重合性2重結合を有する化合物とを共重合してなる高分子化合物を含有することを特徴とする下層膜形成材料。
【請求項2】
インデン類と、ヒドロキシスチレン又はグリシジルエーテルスチレンとを共重合してなる高分子化合物を含有することを特徴とする下層膜形成材料。
【請求項3】
インデン類に由来する繰り返し単位が、下記一般式(a)で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1又は2記載の下層膜形成材料。
【化1】


(式中、R1は、独立して水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、アリル基、又はハロゲン原子であり、pは1〜4の整数である。Xはメチレン基、−O−、−S−、又は−NH−である。)
【請求項4】
更に、有機溶剤及び酸発生剤を含有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の下層膜形成材料。
【請求項5】
更に、架橋剤を含有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の下層膜形成材料。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の下層膜形成材料による下層膜を被加工基板上に適用し、該下層膜の上にフォトレジスト組成物の層を適用し、このフォトレジスト層の所用領域に放射線を照射し、現像液で現像してフォトレジストパターンを形成し、次にドライエッチング装置でこのフォトレジストパターン層をマスクにして下層膜層及び被加工基板を加工することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項7】
フォトレジスト組成物が炭化水素化合物からなり、フォトレジスト層をマスクにして下層膜を加工するドライエッチングによって加工を行う請求項6記載のパターン形成方法。
【請求項8】
フォトレジスト組成物が珪素原子含有ポリマーを含み、フォトレジスト層をマスクにして下層膜を加工するドライエッチングを、酸素ガスを主体とするエッチングガスを用いて行う請求項6記載のパターン形成方法。
【請求項9】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の下層膜形成材料による下層膜を被加工基板上に適用し、該下層膜の上に珪素原子を含有する中間層を適用し、該中間層の上にフォトレジスト組成物の層を適用し、このフォトレジスト層の所用領域に放射線を照射し、現像液で現像してフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチング装置でこのフォトレジストパターン層をマスクにして中間膜層を加工し、フォトレジストパターン層を除去後、上記加工した中間膜層をマスクにして下層膜層、次いで被加工基板を加工することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項10】
フォトレジスト組成物が珪素原子を含有しないポリマーを含み、中間層膜をマスクにして下層膜を加工するドライエッチングを、酸素ガスを主体とするエッチングガスを用いて行う請求項9記載のパターン形成方法。

【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−53543(P2006−53543A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201417(P2005−201417)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】