説明

ポストエッチングしたフォトレジスト、エッチングポリマーおよび残留物を除去するためのアセタールまたはケタールを含有するストリッパー

【課題】本発明は、溶媒としてのアセタールまたはケタール、水およびpH調整剤を含む処方について説明する。
【解決手段】これらの消泡は少なくとも7またはそれより大きいpHを有さなければならない。本発明における処方は共溶媒としての水溶性の有機溶媒、腐食防止剤およびフッ化物を随意的に含むことが可能である。本発明における処方は、ポリマー性残留物だけでなく、ポストエッチングした有機および無機の残留物も半導体基材から除去するために使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
マイクロエレクトロニクス構造の組立には多くのステップが含まれる。集積回路を組立るという製造スキームにおいて、半導体表面の選択的なエッチングが要求されることが時々ある。歴史的に、材料を選択的に除去するために多数の非常に異なるタイプのエッチングプロセスが様々な程度でうまく利用されてきた。さらに、マイクロエレクトロニクス構造内の、異なる層のこの選択的なエッチングは、この集積回路組立プロセスにおいて重大かつ不可欠なステップと考えられている。
【0002】
半導体および半導体マイクロエレクトロニクスの製造において、基材材料をポリマー性の有機物質でコートすることは高い頻度で必要である。いくつかの基材材料の例は、チタン、銅、二酸化珪素をコートしたシリコンウェハーであって、さらにチタン、銅、の金属元素をさらに含むことがあるもの、およびそれらに類するものを含む。概して、このポリマー性有機物質はフォトレジスト材料である。これは光に晒した後に現像するとマスクを形成する材料である。続くプロセスステップにおいて、少なくとも一部のフォトレジストはその基材の表面から除去される。
【0003】
基材からフォトレジストを除去する一般的な方法の一つは湿式化学手段によるものである。この基材からフォトレジストを除去するために考案された湿式の化学組成物は、あらゆる金属回路の表面を腐食、溶解、および/または曇らせることなく;化学的に無機基材を変化させることなく;および/または基材自体を攻撃することなく、除去を行わなければならない。フォトレジストを除去する別の方法はドライアッシュ法によるものであり、ここでは酸素または水素のようなフォーミングガスのいずれかを使用するプラズマアーキングによってフォトレジストが除去される。この残留物または副生成物はフォトレジスト自体またはフォトレジスト、下にある基材および/またはエッチングガスを組み合わせたものである場合がある。これらの残留物または副生成物はしばしばサイドウォールポリマー、ベールまたはフェンスと呼ばれる。
【0004】
ストリッピングおよび/またはクリーニング組成物の目的は、エッチングステップの終了後に、基材の露出表面を腐食、溶解または曇らせることなく、これらの残留物または副生成物を半導体デバイスの基材表面から除去することである。
【0005】
フィルムキャスティングのための混合物用のキャスティング溶媒としてアセタールを使用することがすでに記載されている。Wanatらは(米国特許第6,911,293号)、フィルムフォーミング樹脂、フォトアクティブ化合物またはフォトアシッドジェネレーターを含むフォトレジスト組成物およびアセタールおよびケタールのリストから選択した有機溶媒について説明した。しかしながら、Wanatの発明はアセタール溶媒をストリッピングおよび/またはクリーニング組成物として使用することは教示していない。
【0006】
IkemotoとKojiroは(米国特許第2004/0009883号)、フッ素化合物、アミド溶媒とエーテル溶媒の混合溶媒、および水を含むレジストストリッピング処方について説明する。示された例は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、フッ化アンモニウムおよび水を含んでいる。ジオキソランとトリオキサンは、この発明の記載の中で提供されたエーテル溶媒の例に含まれていた。
【0007】
Doyleらは(米国特許第6,689,734号)は、高度にフッ素化した化合物を伴うモノ臭素化炭化水素化合物にいくつかの薬剤を加えたクリーニング処方について説明した。これらの薬剤は一以上の以下の材料:アルコール、エステル、エーテル、環状エーテル、ケトン、アルカン、テルペン、二塩基エステル、グリコールエーテル、ピロリドン、または低もしくは無オゾン消耗塩素化および塩素化/フッ素化炭化水素である。1,4ジオキサンおよび1,3ジオキサンはこの薬剤のための環状エーテル基の中にあった。
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,911,293号明細書
【特許文献2】米国特許第2004/0009883号明細書
【特許文献3】米国特許第6,689,734号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明で開示される処方は、ポストエッチングした有機と無機の残留物およびフォトレジストを半導体基材から除去することができるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施態様において、本発明は、ポストエッチングした有機および無機の残留物およびフォトレジストを半導体基材から除去するための処方であって:アセタールまたはケタール溶媒、水、多価アルコール、および少なくとも7かそれより大きなpHを有するようにこの処方を調整するpH調整剤を含む、処方を提供する。
【0011】
別の実施態様において、本発明は、ポストエッチングした有機および無機の残留物およびフォトレジストを半導体基材から除去するための処方であって:20〜55質量%のグリコールエーテル;10〜55質量%のテトラメトキシプロパン;1〜15質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム;0.5〜5質量%のトリルトリアゾール;5〜25質量%のプロピレングリコール、および40〜60質量%の水を含む、処方を提供する。
【0012】
さらなる別の実施態様において、本発明は、ポストエッチングした有機および無機の残留物およびフォトレジストを半導体基材から除去するための方法であって:その基材をアセタールまたはケタール溶媒、水、多価アルコール、および少なくとも7かそれより大きなpHを有するようにこの処方を調整するpH調整剤と接触させることを含む、方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、その成分が効果的に残留物を基材、例えば半導体基材、から除去する量で存在する組成物を提供する。半導体基材に関する用途において、このような残留物は、例えばフォトレジスト(硬化したものかまたはそれ以外のもの)、ギャップフィル、ボトム反射防止コーティング(BARC)および他のポリマー性材料(例えば、C−F−含有ポリマー、低および高分子量ポリマー)および/またはプロセス残留物、例えばエッチングおよびアッシングプロセスによって生じた残留物、無機化合物、例えば金属酸化物、化学機械平坦化(CMP)スラリーからのセラミック粒子および他の無機エッチング残留物、金属含有化合物、例えば有機金属残留物および金属有機化合物を含む。一実施態様において、本発明による組成物は、半導体基材からのシリコン含有BARC残留物の除去において特に効果的である。
【0014】
この残留物は概して、金属、シリコン、珪酸塩および/または中間誘電体材料、例えば堆積させたシリコン酸化物および誘電体化したシリコン酸化物例えばHSQ、MSQ、FOX、TEOSおよびスピンオングラス、化学気相堆積した誘電体材料、low−k材料および/またはhigh−k材料例えばハフニウム珪酸塩、ハフニウム酸化物、バリウムストロンチウムチタン酸塩(BST)、TiO、TiOを含むことのある基材に存在し、ここでこの残留物と、金属、シリコン、ケイ化物、中間誘電体材料、low−k材料および/またはhigh−k材料との両方がクリーニング組成物と接触する。本発明によるこの組成物はこのような材料と適合し、それゆえに、金属、シリコン、二酸化珪素、中間誘電体材料、low−k材料および/またはhigh−k材料を攻撃することなく、例えば上述されたような残留物を選択的に除去するために採用可能である。ある実施態様において、この基材は金属、例えば、これらに限定はされないが、銅、コバルト、銅合金、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、タングステン、および/またはチタン/タングステン合金を含むことがある。
【0015】
本発明は、溶媒としてのアセタールまたはケタール、水、多価アルコール、および少なくとも7かそれより大きなpHを有するようにこの処方を調整するpH調整剤を含む、処方について記載する。本発明における処方は共溶媒としての水溶性の有機溶媒を随意に含むことが可能である。本発明の処方は、ポリマー性の残留物だけでなくポストエッチングした有機および無機の残留物も半導体基材から除去するために使用可能である。
【0016】
本発明は、化学式IまたはIIまたは両方の組合せを伴うアセタールまたはケタールを含有する組成物を有する処方について記載する。
【化1】

【化2】

ここで、n≧1であり、そしてR、R、R、RおよびRはそれぞれ独立にH、アルキル基またはフェニル基である。
【0017】
より具体的には、本発明は、タイプIまたはIIまたは両方の組合せのアセタールまたはケタール、多価アルコール、高pH調整剤およびベースとなる水を含む半水溶性のストリッピング組成物について記載する。この組成物のpHは少なくとも7またはそれより大きい。
【0018】
この処方において、アセタールまたケタール溶媒の範囲が約0.01質量%〜90.00質量%であり、多価アルコールの範囲が約1質量%〜80質量%であり、水の範囲が約1質量%〜80質量%であり、およびpH調整剤の範囲が約0.1質量%〜50質量%である。アセタールまたケタール溶媒の好ましい範囲は約5質量%〜55.00質量%であり、ポリオールの範囲は約3〜40質量%であり、水の範囲は約5質量%〜60質量%であり、およびpH調整剤の範囲が約0.1質量%〜15質量%である。
【0019】
このような処方のための好ましいアセタールまたはケタール溶媒は、テトラメトキシプロパン、テトラメトキシエタン、マロンアルデヒドbis(メチルアセタール)、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドエチレンアセタール、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール、クロロアセトアルデヒドジエチルアセタール、1,3−ジオキソラン、トリオキサン、およびそれらの混合物である。
【0020】
このような処方のための好ましい多価アルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ペンタンジオール、およびそれらの混合物である。
【0021】
このような処方のための好ましいpH調整剤は、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、テトラメトキシプロパン(別名マロンアルデヒドbis(メチルアセタール)) (TMP)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BzTMAH)である。このpH調整剤はまた有機および無機の残留物の除去を助ける働きもする。
【0022】
水の非限定的な例は脱イオン(DI)水、超純水、蒸留水、二回蒸留水、または低金属含有量の脱イオン水を含む。好ましくは、この組成物中の水はDI水である。本発明では、水は様々なやり方で働き、例えば、この組成物のうちの一以上の固体成分を溶解するための溶媒として、その成分のキャリアーとして、この残留物の除去における助剤として、この組成物の粘性調整剤として、および希釈剤として働く。
【0023】
これらの組成物における処方はまた共溶媒として他の有機溶媒を含むことも可能である。有機溶媒は、テトラヒドロフルフリルアルコール、グリコールエーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される。これらの処方はpHが少なくとも7かまたはそれより大きい場合に制限される。
【0024】
本発明における処方はアンモニウムおよび四級アンモニウムフッ化物を含むことが可能である。採用した場合、そのアンモニウムおよび四級アンモニウムフッ化物は、有機および無機の残留物の除去を助ける働きをする。好ましいアンモニウムおよび四級アンモニウムフッ化物は、フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、水酸化アンモニウム、およびそれらの混合物である。これらの処方はpHが少なくとも7かまたはそれより大きい場合に制限される。
【0025】
本発明において腐食防止剤の使用が随意的である。腐食防止剤の例は、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、カテコール、没食子酸、およびそれらの混合物である。これらの処方はpHが少なくとも7かまたはそれより大きい場合に制限される。
【0026】
アセタールまたはケタールを含む処方が、プレエッチングおよびポストエッチングしたフォトレジスト、エッチング残留物およびポストエッチングしたポリマー性残留物の両方の除去において効果的であることが分かった。pHが7より小さい組成物は保存寿命の問題を生じるので、組成物のpHが少なくとも7またはそれより大きくなるように注意を払った。
【0027】
本発明のクリーニング組成物は概して、水性のベースとなる溶媒に全ての固体が溶解するまで、室温の容器でこれらの組成物を一緒に混合することにより調製される。
【0028】
ここで開示される組成物は、フッ化物を含有するlow−kフィルムを含む、HSQ(FOx)、MSQ、SiLK、等のようなlow−kフィルムを含む基材に適合する。この組成物はまた、ネガ型およびポジ型のフォトレジストおよびプラズマエッチング残留物例えば有機残留物、有機金属残留物、無機残留物、金属酸化物、または銅の腐食が非常に少ない低温でのフォトレジスト複合物、および/またはチタン含有基材を含むフォトレジストのストリッピングにおいても効果的である。さらに、この組成物はいろいろな金属、シリコン、二酸化珪素、中間誘電体材料、low−kおよび/またはhigh−k材料に適合する。
【0029】
この製造プロセスの間に、フォトレジスト層がこの基材にコートされる。フォトリソグラフ技術を用いて、そのフォトレジスト層にパターンが画定される。パターンをほどこしたフォトレジスト層は、基材にそのパターンを転写するプラズマエッチングにさらされる。エッチング残留物がエッチングステージで生じる。本発明で使用した基材のいくつかはアッシングされ、いくつかはアッシングされない。この基材がアッシングされるとき、クリーニングされる主要な残留物はエッチング剤残留物である。この基材がアッシングされないとき、クリーニングまたはストリップされる主要な残留物はエッチング残留物およびフォトレジストの両方である。
【0030】
ここで記載した方法は、金属、有機もしくは金属有機ポリマー、無機塩、酸化物、水酸化物、またはフィルムもしくは残留物として存在するそれらの複合物もしくは組合せを有する基材を、説明した組成物に接触させることによって実施されてもよい。実際の条件、例えば、温度、時間、等は除去される物質の性質および厚みによって決まる。一般に、この基材を、20℃〜85℃、または20℃〜60℃、または20℃〜40℃の温度範囲でこの組成物を含有する容器に接触または浸漬させる。この基材を組成物に曝露する標準的な時間は、例えば0.1〜60分、または1〜30分、または1〜15分の範囲でもよい。この組成物との接触後、その基材はすすぎがされそしてその後乾燥される。乾燥は概して不活性雰囲気下で行われる。ある実施態様において、脱イオン水リンスまたはリンスを含む脱イオン水を他の添加剤とともに、この基材をここで記載した組成物に接触させる前、後、および/またはその間で、採用してもよい。しかしながら、この組成物は当該技術分野で知られている、フォトレジスト、アッシングまたはエッチング残留物、および/または残留物の除去のためのクリーニング流体を使用するあらゆる方法で使用可能である。
【0031】
製造プロセスにおいて高い処理能力のクリーニングが維持されるように、基材にダメージを与えることなく最適なクリーニングを得るために本発明の組成物を変更することが可能であることは、当業者であれば理解できる。例えば、クリーニングされる基材の組成物、除去される残留物の性質、および使用される特定のプロセスパラメータに応じて、例えばその成分の一部または全部の量への変更がなされることを当業者は理解する。
【0032】
本発明は主に半導体基材のクリーニングと関連して記載されたが、本発明のクリーニング組成物は 有機および無機の残留物を含むあらゆる基材をクリーニングするのに採用可能である。
【0033】
以下の例は、本発明をさらに説明する目的で提供されるが、決して本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0034】
以下の例では、全ての量は質量パーセントで与えられ、そして合計100質量%となる。ここで開示した組成物は、室温の容器でその成分を全ての固体が溶解するまで一緒に混合することによって、調製した。ここで開示した特定の組成物の例を表1で説明する。
【0035】
以下は表1で使用した頭文字語である。
TME テトラメトキシプロパン
t−PGME トリプロピレングリコールメチルエーテル
PG プロピレングリコール
BZT ベンゾトリアゾール
TTL トリルトリアゾール
TBAH 水酸化テトラブチルアンモニウム
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TMAH 水酸化テトラメチルアンモニウム
TMAF フッ化テトラメチルアンモニウム
TMP テトラメトキシプロパン(別名マロンアルデヒドbis(メチルアセタール))
THFA テトラヒドロフルフリルアルコール
KOH 水酸化カリウム
BzTMAH 水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム
BzDMA ベンズアルデヒドジメチルアセタール
PADMA フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール
CADMA クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール
CADEA クロロアセトアルデヒドジエチルアセタール
PGME プロピレングリコールメチルエーテル
DPM ジプロピレングリコールメチルエーテル
【0036】
表1:組成物例
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0037】
基材の組成物
本例で使用した各基材は三層を含む。第一の相(即ち底部層)はBLACK DIAMOND II(商標)を含むILD材料であった。次の層はシリコン含有BARC(193nm)であり、そして最上層はフォトレジスト(193nm)であった。この基材はその後プラズマエッチングに曝した。
【0038】
プロセス条件
600rpmでセットした1/2”丸形テフロン(登録商標)攪拌棒を有する400mLビーカー中の305mLのクリーニング組成物を使用して、クリーニング試験を行った。このクリーニング組成物を、必要に応じてホットプレートで以下に示した望ましい温度まで加熱をした。1/2”x1/2”サイズのウェハーのセグメントを、以下の条件下の組成物に浸漬させた。
25℃で10分
25℃で20分
35℃で10分
35℃で20分
このセグメントをその後3分間脱イオン水オーバーフロー浴ですすぎをし、そして次に濾過した窒素を使用して乾燥させた。それらはその後SEM顕微鏡を使用して清浄度について分析をした。
【0039】
表2:クリーニングデータ
【表5】

【0040】
表2は、BARC残留物およびフォトレジスト残留物の除去における本発明による組成物の効果を説明する。
【0041】
エッチング速度測定手順
ブランケットCu、CoおよびWウェハーの切り取り試片を、Creative Design Engineering社のResMap(商標)モデル273抵抗装置を使用して、この金属層の抵抗を計測することによって、その層の厚みを計測した。この切り取り試片は、その後望ましい温度のこの組成物に1時間まで浸漬させた。定期的にこの切り取り試片をその組成物から取出し、脱イオン水ですすぎ、乾燥させて、そしてこの金属層の厚みを再度測定した。浸漬時間の関数としての厚みの変化グラフを作成し、そしてそのカーブの傾きからオングストローム/分単位のエッチング速度を求めた。
【0042】
表3:クリーニングおよびエッチングデータ
【表6】

【0043】
表3は、金属基材をあまりエッチングすることなく選択的に残留物を除去することにおける、本発明による特定の組成物の効果を説明する。
【0044】
好ましい実施態様の前述した例および記載は、特許請求の範囲によって定義される本発明を限定するというよりもむしろ説明するものとして捉えるべきである。すぐに理解できるとおり、特許請求の範囲で説明される本発明から逸脱することなく、上記で説明した特徴のバリエーションおよび組合せを使用可能である。そのようなバリエーションは本発明の範囲から逸脱するとは見なされず、そしてすべてのそのようなバリエーションは特許請求の範囲内に含まれることを意図する。
【0045】
本発明はU.S.C.§119(e)により2006年10月19日に出願した先行する米国特許出願代60/852,758号の優先権の利益を主張し、その開示は引用によりその全体がここに組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポストエッチングした有機および無機の残留物およびフォトレジストを半導体基材から除去するための処方であって:
アセタールまたはケタール溶媒;
水;
多価アルコール;および
少なくとも7かそれより大きなpHを有するように該処方を調整するpH調整剤、
を含んでなる処方。
【請求項2】
アセタールまたはケタール溶媒が、化学式I、化学式IIおよびそれらの組合せからなる群から選択された化学式を有し:
【化1】

【化2】

ここで、n≧1であり、そしてR、R、R、RおよびRはそれぞれ独立にH、アルキル基またはフェニル基である、請求項1に記載の処方。
【請求項3】
アセタールまたはケタール溶媒が、テトラメトキシプロパン、テトラメトキシエタン、マロンアルデヒドbis(メチルアセタール)、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドエチレンアセタール、クロロアセトアルデヒドジメチルアセタール、クロロアセトアルデヒドジエチルアセタール、1,3−ジオキソラン、トリオキサン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の処方。
【請求項4】
多価アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ペンタンジオール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の処方。
【請求項5】
pH調整剤が、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、テトラメトキシプロパン(別名マロンアルデヒドbis(メチルアセタール)) (TMP)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BzTMAH)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の処方。
【請求項6】
アセタールまたはケタール溶媒の範囲が約0.01質量%〜90質量%であり;
多価アルコールの範囲が約1質量%〜80質量%であり;
水の範囲が約1質量%〜80質量%であり;および
pH調整剤の範囲が約0.1質量%〜50質量%である、請求項1に記載の処方。
【請求項7】
フッ化物をさらに含んでなる、請求項1に記載の処方。
【請求項8】
フッ化物が、フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、水酸化アンモニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の処方。
【請求項9】
腐食防止剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の処方。
【請求項10】
腐食防止剤が、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、カテコール、没食子酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の処方。
【請求項11】
有機溶媒をさらに含んでなる、請求項1に記載の処方。
【請求項12】
有機溶媒が、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレンエーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の処方。
【請求項13】
フッ化物、腐食防止剤および有機溶媒をさらに含んでなる、請求項1に記載の処方。
【請求項14】
ポストエッチングした有機および無機の残留物およびフォトレジストを半導体基材から除去するための処方であって:
20〜55質量%のグリコールエーテル;
10〜55質量%のテトラメトキシプロパン;
1〜15質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム;
0.5〜5質量%のトリルトリアゾール;
5〜25質量%のプロピレングリコール;および
40〜60質量%の水;を含んでなる、
7かそれより大きなpHを有する処方。
【請求項15】
ポストエッチングした有機および無機の残留物およびフォトレジストを半導体基材から除去するための方法であって:
アセタールまたはケタール溶媒、塩基、水および多価アルコール含み、少なくとも7かそれより大きなpHを有する処方と該基材を接触させること、を含む方法。
【請求項16】
該処方がフッ化物をさらに含んでなる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
該処方が腐食防止剤をさらに含んでなる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
該処方が有機溶媒をさらに含んでなる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
該処方がフッ化物、腐食防止剤および有機溶媒をさらに含んでなる、請求項15に記載の方法。

【公開番号】特開2008−103730(P2008−103730A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−272508(P2007−272508)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】