説明

メタロセン化合物

式(I):
【化1】


(式中、Mはジルコニウム、チタン、又はハフニウムであり;Xは、水素、ハロゲン、又は炭化水素基であり;R、R、R、R、R、R、R10、及びR11、R12及びR13は、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基であり;R及びRは、互いに同一か又は異なり、線状又は分岐鎖のC〜C20アルキル基であり、Rは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基である)
のメタロセン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−オレフィンの重合、特に1−ブテンの(共)重合のための触媒成分として用いることのできるある種のメタロセン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
1−ブテンポリマーは当該技術において周知である。圧力抵抗性、耐クリープ性、及び衝撃強度の点での良好な特性を考慮して、それらは例えば金属管の代替のための管材、易開封包装及びフィルムの製造において広く用いられている。
【0003】
1−ブテン(コ)ポリマーは、一般に、TiClをベースとする触媒成分及び共触媒としてジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)の存在下で1−ブテンを重合することによって製造される。幾つかの場合においては、ジエチルアルミニウムアイオダイド(DEAI)及びDEACの混合物を用いる。しかしながら、得られるポリマーは一般に、満足できる機械特性を示さない。更に、TiClをベースとする触媒を用いて得ることのできる低い収率を考慮すると、これらの触媒を用いて製造される1−ブテンポリマーは、高い触媒残渣含量(概してTi−300ppmより多い)を有し、これによりポリマーの特性が低下し、引き続く脱灰工程を行うことが必要になる。
【0004】
1−ブテン(コ)ポリマーは、また、(A)MgCl上に担持されたTi化合物及び電子ドナー化合物を含む固体成分;(B)アルキルアルミニウム化合物;及び場合によっては(C)外部電子ドナー化合物;を含む立体特異性触媒の存在下でモノマーを重合することによっても得ることができる。このタイプの方法は、EP−A−172961及びWO 99/45043において開示されている。
【0005】
最近、1−ブテンポリマーを製造するためにメタロセン化合物が用いられている。Macromolecules,1995,28,1739−1749においては、1−ブテンを重合するために、rac−ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド及びメチルアルミノキサンを用いている。このプロセスの収率は示されておらず、得られるポリマーの分子量(Mn)は極めて低い。Macromol.Rapid Commun.18,581−589(1997)においては、1−ブテンの重合のために、rac−及びmeso−[ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチル−シクロペンタジエニル)]ジルコニウムジクロリドを用いている。このプロセスの収率及び得られるポリマーの分子量は、やや低い。
【0006】
WO 03/042258において記載されているメタロセン化合物を用いることによって、プロセスの収率、得られるポリマーのアイソタクチシティ及び分子量の点でより良好な結果が得られている。しかしながら、この文献は、本発明のメタロセン化合物の種類を包括的に記載している。WO 01/44318は、少なくとも一つのシクロペンタジエニル部分が複素環を含むある種のメタロセン化合物に関する。この文献は、本発明のメタロセン化合物の種類を包括的にしか記載していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、合成するのが容易で、触媒成分として用いると、高い収率で高い分子量を有するポリマーを与えることができる新規な種類のメタロセン化合物の必要性が存在する。本発明のメタロセン化合物の種類は、その対称性(C)のためにメソ形態が存在しないのでラセミ/メソ混合物として合成されないという更なる有利性を有している(メタロセン化合物に関する対称の種類は、Chem.Rev.2000,100,1253−1345に記載されている)。結果として、これらはC対称を有するメタロセン化合物と比較してより高い収率で合成される。これは、後者に関してはラセミ形態とメソ形態とを分離することが必要だからである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の対象は、
式(I):
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、
Mはジルコニウム、チタン、又はハフニウムであり;好ましくは、Mはジルコニウムであり;
Wは、イオウ又は酸素原子であり、好ましくはイオウ原子であり;
Xは、互いに同一か又は異なり、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OR’O、OSOCF、OCOR、SR、NR、又はPR基であり、ここで、Rは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有する、線状又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アリール、C〜C20アルキルアリール、又はC〜C20アリールアルキル基であり;R’は、C〜C20アルキリデン、C〜C20アリーリデン、C〜C20アルキルアリーリデン、又はC〜C20アリールアルキリデン基であり;好ましくは、Xは、水素原子、ハロゲン原子、OR’O、又はR基であり;より好ましくは、Xは塩素又はメチル基であり;
、R、R、R、R、R、R10、及びR11は、互いに同一か又は異なり、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基であり;また、二つ以上のR、R、R、R、R、R、R10、及びR11は、場合によっては結合して1以上のC〜C10縮合飽和又は不飽和環を形成してもよく;好ましくは、R、R、R、R、R、R、R10、及びR11は、互いに同一か又は異なり、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を有する、線状又は分岐鎖で、環式又は非環式の、C〜C40アルキル、C〜C40アルケニル、C〜C40アルキニル、C〜C40アリール、C〜C40アルキルアリール、又はC〜C40アリールアルキル基であり;より好ましくは、R、R、R、R、R、R、R10、及びR11は、水素原子であり;
12及びR13は、互いに同一か又は異なり、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基であり;好ましくは、R12及びR13は、C〜C10アルキル又はC〜C20アリール基であり;より好ましくは、これらはメチル基であり;
及びRは、互いに同一か又は異なり、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有する、線状又は分岐鎖のC〜C20アルキル、C〜C20アリール、C〜C20アルキルアリール、又はC〜C20アリールアルキル基であり;好ましくは、R及びRは、互いに同一か又は異なり、C〜C10アルキル基又はC〜C20アリール基であり;より好ましくは、Rはメチル又はエチル基であり、Rはメチル、エチル、又はフェニル基であり;
は、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基であり;好ましくは、Rは、水素原子、或いは場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を有する、線状又は分岐鎖で、環式又は非環式の、C〜C40アルキル、C〜C40アルケニル、C〜C40アルキニル、C〜C40アリール、C〜C40アルキルアリール、又はC〜C40アリールアルキル基であり;より好ましくは、RはC〜C20アリール基又はC〜C40アリールアルキル基である)
のメタロセン化合物である。
【0011】
好ましくは、式(I)の化合物は、式(II):
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、M、X、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、及びR13は、上記記載の通りであり;R14、R15、R16、R17、及びR18は、互いに同一か又は異なり、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基であり;好ましくは、R14、R15、R16、R17、及びR18は、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有する、線状又は分岐鎖で、環式又非環式の、C〜C40アルキル、C〜C40アルケニル、C〜C40アルキニル、C〜C40アリール、C〜C40アルキルアリール、又はC〜C40アリールアルキル基であり;より好ましくは、R14、R15、R16、R17、及びR18は、水素原子、C〜C40アルキル、又はC〜C40アリール基である)
を有する。
【0014】
好ましい態様においては、R16は、C〜C40アルキル基、好ましくは分岐鎖のC〜C40アルキル基、例えばtert−ブチル基であり、より好ましくは、R16は、α位の炭素原子が第3級炭素原子である分岐鎖のC〜C40アルキル基であり、R14、R15、R17、及びR18は水素原子であり;
更に好ましい態様においては、R14及びR17はC〜C40アルキル基であり、好ましくはこれらは線状のC〜C40アルキル基、例えばメチル基であり、R15、R18、及びR16は水素原子であり;
更に好ましい態様においては、R15、R16、及びR17は、線状又は分岐鎖のC〜C40アルキル基、例えばメチル若しくはtert−ブチル基であり、R14及びR18は水素原子であり;
更に好ましい態様においては、R14は、線状又は分岐鎖のC〜C40アルキル基、例えばメチル若しくはエチル基であり、R15、R16、R17、及びR18は水素原子であり;
更に好ましい態様においては、R14、R15、R16、R17、及びR18は水素原子である。
【0015】
本発明の更なる対象は、式(Ia):
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、W、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、及びR13は、上記に記載した通りである)
のリガンド又はその二重結合異性体である。
【0018】
好ましくは、式(Ia)のリガンドは、式(IIa):
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、及びR18は、上記に記載した通りである)
を有するか、又はその二重結合異性体である。
【0021】
式(I)のメタロセン化合物は、式(Ia)のリガンドのジアニオンを、金属四ハロゲン化物、例えば四塩化ジルコニウムのような好適な遷移金属源と反応させる工程を含む方法によって得ることができる。ジアニオンは、例えば、式(Ia)のリガンドを、例えばブチル又はメチルリチウムのような有機リチウム化合物を用いることにより脱プロトン化することによって得ることができる。
【0022】
式(Ia)のリガンドは、式(III)及び(IV):
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、W,R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、及びR11は、上記記載の通りである)
のシクロペンタジエニル部分から出発して、
(a)式(III)の化合物及び/又はその二重結合異性体を、TB、TMgT(式中、T、j、B、及びTは、上記に定義した通りである)、ナトリウム及びカリウムの水素化物、金属ナトリウム及びカリウムから選択される塩基と、該塩基と式(III)の化合物との間のモル比を少なくとも1:1(過剰の該塩基を用いることができる)として接触させ;
(b)工程(a)で得られたアニオン性化合物を、式:SiR1213(式中、R12及びR13は上記に定義した通りであり、Yは、塩素、臭素、及びヨウ素であり、好ましくは、Yは塩素又は臭素である)の化合物と接触させて、式(IIIa):
【0025】
【化6】

【0026】
の化合物を形成し;
(c)式(IIIa)の化合物を、式(III)の化合物に関して工程(a)において記載されているように式(IV)の化合物とTB、TMgT、ナトリウム及びカリウムの水素化物、金属ナトリウム及びカリウムから選択される塩基とを接触させることによって得られる式(IV)の化合物のアニオン性誘導体と接触させる;
工程を含む方法によって、容易に製造することができる。
【0027】
上記の方法は、また、工程(a)及び工程(b)において式(IV)の化合物を用いて式(IVa):
【0028】
【化7】

【0029】
の化合物を形成し、次に工程(c)におけるように式(III)の化合物と接触させることによって行うこともできる。
上記の方法は、好ましくは、極性又は非極性の非プロトン性溶媒中で行う。かかる非プロトン性溶媒は、好ましくは、場合によってはハロゲン化されている芳香族若しくは脂肪族炭化水素、又はエーテルであり;より好ましくは、ベンゼン、トルエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びこれらの混合物から選択される。上記の方法は、−100℃〜+80℃、より好ましくは−20℃〜+70℃の範囲の温度で行う。
【0030】
本発明の更なる対象は、
(A)式(I)に属するメタロセン化合物;
(B)アルモキサン、又はアルキルメタロセンカチオンを形成することのできる化合物;及び場合によっては
(C)有機アルミニウム化合物;
を接触させることによって得られる触媒系である。
【0031】
成分(B)として用いられるアルモキサンは、水と、式:HAlU3−j又はHAl6−j(式中、U置換基は、同一か又は異なり、水素原子、ハロゲン原子、場合によってはケイ素又はゲルマニウム原子を有する、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アリール、C〜C20アルキルアリール、又はC〜C20アリールアルキル基であり、但し少なくとも一つのUはハロゲンとは異なり、jは0〜1の範囲であり、非整数でもある)の有機アルミニウム化合物とを反応させることによって得ることができる。この反応において、Al/水のモル比は、好ましくは1:1〜100:1の間である。アルミニウムとメタロセンの金属との間のモル比は、概して約10:1〜約20000:1、より好ましくは約100:1〜約5000:1である。本発明による触媒において用いられるアルモキサンは、式:
【0032】
【化8】

【0033】
(式中、置換基Uは、同一か又は異なり、上記記載の通りである)
のタイプの少なくとも一つの基を有する、線状、分岐鎖又は環式の化合物であると考えられる。
【0034】
特に、線状化合物の場合には、式:
【0035】
【化9】

【0036】
(式中、nは0又は1〜40の整数であり、置換基Uは上記に定義した通りである)
のアルモキサンを用いることができ;或いは、環式化合物の場合には、式;
【0037】
【化10】

【0038】
(式中、nは2〜40の整数であり、U置換基は上記に定義した通りである)
のアルモキサンを用いることができる。本発明にしたがって用いるのに好適なアルモキサンの例は、メチルアルモキサン(MAO)、テトラ(イソブチル)アルモキサン(TIBAO)、テトラ(2,4,4−トリメチルペンチル)アルモキサン(TIOAO)、テトラ(2,3−ジメチルブチル)アルモキサン(TDMBAO)、及びテトラ(2,3,3−トリメチルブチル)アルモキサン(TTMBAO)である。特に興味深い共触媒は、アルキル及びアリール基が特定の分岐パターンを有するWO 99/21899及びWO 01/21674に記載されているものである。WO 99/21899及びWO 01/21674によるアルミニウム化合物の非限定的な例は、トリス(2,3,3−トリメチルブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチルヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチルブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチルペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチルヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチルペンチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチルヘキシル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチルヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−プロピルヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチルブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチルペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジエチルペンチル)アルミニウム、トリス(2−プロピル−3−メチルブチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3−メチルブチル)アルミニウム、トリス(2−イソブチル−3−メチルペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチルペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチルヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチルブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチルペンチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3,3−ジメチルブチル)アルミニウム、トリス(2−トリメチルシリルプロピル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−フェニルブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−フェニルブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−3−フェニルブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニルプロピル)アルミニウム、トリス[2−(4−フルオロフェニル)プロピル]アルミニウム、トリス[2−(4−クロロフェニル)プロピル]アルミニウム、トリス[2−(3−イソプロピルフェニル)プロピル]アルミニウム、トリス(2−フェニルブチル)アルミニウム、トリス(3−メチル−2−フェニルブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニルペンチル)アルミニウム、トリス[2−(ペンタフルオロフェニル)プロピル]アルミニウム、トリス[2,2−ジフェニルエチル]アルミニウム、及びトリス[2−フェニル−2−メチルプロピル]アルミニウム、並びに炭化水素基の一つが水素原子で置き換えられている対応する化合物、及び炭化水素基の一つ又は二つがイソブチル基で置き換えられているものである。
【0039】
上記のアルミニウム化合物の中で、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、トリス(2,4,4−トリメチルペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2,3−ジメチルブチル)アルミニウム(TDMBA)、及びトリス(2,3,3−トリメチルブチル)アルミニウム(TTMBA)が好ましい。
【0040】
アルキルメタロセンカチオンを形成することのできる化合物の非限定的な例は、式:D(式中、Dは、ブレンステッド酸であり、プロトンを供与し、式(I)のメタロセンの置換基Xと不可逆的に反応することができ、Eは、適合しうるアニオンであり、二つの化合物の反応から生成する活性触媒種を安定化することができ、十分に不安定でオレフィンモノマーによって除去することができる)の化合物である。好ましくは、アニオンEは1以上のホウ素原子を含む。より好ましくは、アニオンEは、式:BAr(−)(式中、置換基Arは、同一であっても異なっていてもよく、ペンタフルオロフェニル又はビス(トリフルオロメチル)フェニルのようなアリール基である)のアニオンである。テトラキス−ペンタフルオロフェニルボレートが、これらの化合物の特に好ましい例であり、WO 91/02012に記載されている。更に、式:BArの化合物を好都合に用いることができる。このタイプの化合物は、例えば、公開国際特許出願WO 92/00333に記載されている。アルキルメタロセンカチオンを形成することのできる化合物の他の例は、式:BArP(式中、Pは、置換又は非置換ピロール基である)の化合物である。これらの化合物は、WO 01/62764に記載されている。共触媒の他の例は、EP 775707及びDE 19917985において見ることができる。ホウ素原子を含む化合物は、DE−A−19962814及びDE−A−19962910の記載にしたがって好都合に担持することができる。これらのホウ素原子を含む化合物は全て、約1:1〜約10:1、好ましくは1:1〜2:1の間、より好ましくは約1:1の、ホウ素とメタロセンの金属との間のモル比で用いることができる。
【0041】
式:Dの化合物の非限定的な例は、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート;
トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボレート;
トリブチルアンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート;
N,N−ジメチルベンジルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート;
N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート;
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート;
N,N−ジメチルベンジルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート;
N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート;
ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
ジ(シクロヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート;
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート;
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;及び
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
である。
【0042】
化合物(C)として用いられる有機アルミニウム化合物は、上記の式:HAlU3−j又はHAl6−jのものである。
また、本発明の触媒は、不活性担体上に担持することもできる。これは、メタロセン化合物(A)、或いはそれと成分(B)との反応の生成物、或いは成分(B)及び次にメタロセン化合物(A)を、不活性担体上に付着させることによって行うことができる。担体は、タルク、層状ケイ酸塩、無機酸化物、又は微粉化ポリマー粉末(例えばポリオレフィン)のような多孔質の固体であってよい。好適な無機酸化物は、元素周期律表の第2、3、4、5、13、14、15及び16族の元素の酸化物の中から見出すことができる。担体として好ましい酸化物の例としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及び、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、又はチタン元素の混合酸化物、並びに対応する酸化物混合物、ハロゲン化マグネシウム、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、ポリエチレン、又はポリプロピレンが挙げられる。単独で、又は上記記載の好ましい酸化物担体と組み合わせて用いることができる他の無機酸化物は、例えば、MgO、ZrO、TiO、又はBである。
【0043】
用いることのできる担体の好適な種類は、活性水素原子を有する基によって官能化されている多孔質有機担体によって構成されるものである。有機担体が部分的に架橋したスチレンポリマーであるものが特に好適である。このタイプの担体は、ヨーロッパ特許出願EP−633272に記載されている。
【0044】
本発明にしたがって用いるのに特に好適な不活性担体の他の種類は、ポリオレフィン多孔質プレポリマー、特にポリエチレンのものである。
本発明にしたがって用いるための不活性担体の更に好適な種類は、国際特許出願WO 95/32995において記載されているもののような多孔質ハロゲン化マグネシウムのものである。
【0045】
用いる担体材料は、好ましくは、10〜1000m/gの範囲の比表面積、0.1〜5mL/gの範囲の孔容積、及び1〜500μmの平均粒径を有する。50〜500m/gの範囲の比表面積、0.5〜3.5mL/gの範囲の孔容積、及び5〜350μmの範囲の平均粒径を有する担体が好ましい。200〜400m/gの範囲の比表面積、0.8〜3.0mL/gの範囲の孔容積、及び10〜300μmの平均粒径を有する担体が特に好ましい。
【0046】
無機担体は、例えば吸着水を除去するために熱処理にかけることができる。かかる乾燥処理は、概して、80〜300℃、好ましくは100〜200℃で行われ、100〜200℃における乾燥は減圧下及び/又は不活性ガス(例えば窒素)の雰囲気下で行うことが好ましく、或いは、無機担体は、200〜1000℃でか焼して、固体の所望の構造を生成するか及び/又は表面上に所望のOH濃度を与えることができる。また、担体は、金属アルキル、好ましくはアルミニウムアルキルのような通常のデシカント、クロロシラン又はSiCl、或いはメチルアルミノキサンを用いて化学的に処理することもできる。適当な処理法は、例えばWO 00/31090に記載されている。
【0047】
また、無機担体材料は、化学的に変性することもできる。例えば、シリカゲルを(NHSiFで処理することによりシリカゲル表面をフッ素化することができ、或いは、シリカゲルを、窒素、フッ素、又はイオウ含有基を有するシランで処理することによって、相応して変性されたシリカゲル表面を形成することができる。
【0048】
また、微粉化ポリオレフィン粉末(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリスチレン)のような有機担体材料を用いることもでき、同様に、使用前に適当な精製及び乾燥操作によって、吸着湿分、残留溶媒又は他の不純物を除去することが好ましい。また、官能化ポリマー担体、例えば、その官能基、例えばアンモニウム又はヒドロキシ基を介して少なくとも一つの触媒成分を固定化することができるポリスチレンをベースとする担体を用いることもできる。本発明の対象である触媒系を担体上に担持し、更に必要な場合にはそのままか又は水と予備反応させたアルキルアルミニウム化合物を添加することによって得られる固体化合物を、気相又はスラリー重合において有用に用いることができる。
【0049】
また、本発明の触媒系は、式(I)のメタロセン及び好適な共触媒を溶媒中で接触させることによって調製することができる。共触媒は、好ましくは、メチルアルモキサンとトリイソブチルアルミニウムとの反応生成物である。
【0050】
本発明の触媒は、好ましくは、PCT/EP2005/002479にしたがって、トルエンを留去するか、或いは記載された手順に従うがかかる蒸留を行わないことのいずれによっても調製することができる。
【0051】
式(I)のメタロセン化合物を含む触媒系は、オレフィン、特にα−オレフィンを重合して高い分子量を有するポリマーを高収率で得るために用いることができる。したがって、本発明の更なる対象は、重合条件下、上記に記載の触媒系の存在下で、式:CH=CHA(式中、Aは水素又はC〜C20アルキル基である)の1以上のα−オレフィンを接触させることを含む、α−オレフィンポリマーの製造方法である。
【0052】
式:CH=CHAのα−オレフィンの非限定的な例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、及び4−メチル−1−ペンテンであり、好ましいα−オレフィンは、エチレン、プロピレン、及び1−ブテンである。
【0053】
本発明のメタロセン化合物は、1−ブテンの単独重合又は共重合のために特に好適であり、高い分子量のポリマーが得られる。したがって、本発明の更なる対象は、上記に記載の触媒系の存在下で、1−ブテンを重合するか、又は1−ブテンと、エチレン、プロピレン、又は式:CH=CHT(式中、TはC〜C10アルキル基である)のα−オレフィンとを共重合することを含む、1−ブテンポリマーの製造方法である。
【0054】
本発明の重合方法は、液相中で場合によっては不活性炭化水素溶媒の存在下で、或いは気相中で行うことができる。かかる炭化水素溶媒は、芳香族(例えばトルエン)又は脂肪族(例えばプロパン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、シクロヘキサン、及び2,2,4−トリメチルペンタン)のいずれかであってよい。好ましくは、本発明の重合方法は、重合媒体として液体1−ブテンを用いることによって行う。重合温度は、好ましくは0℃〜250℃の範囲、好ましくは20℃〜150℃、より好ましくは50℃〜90℃の範囲である。分子量分布は、異なるメタロセン化合物の混合物を用いるか、或いは重合温度及び/又は分子量調整剤の濃度及び/又はモノマー濃度に関して異なる幾つかの段階で重合を行うことによって変化させることができる。更に、式(I)の2種類の異なるメタロセン化合物の組み合わせを用いることにより重合方法を行うことによって、幅広い融点を有するポリマーが製造される。重合収率は、触媒中の遷移金属有機金属触媒化合物(A)の純度に依存し、したがって、かかる化合物は、そのまま用いるか、或いは使用前に精製処理にかけることができる。
【0055】
本発明の重合方法は、収率を向上させるために水素の存在下で行うことができる。
1−ブテンを、エチレン、プロピレン、又は式:CH=CHT(式中、TはC〜C10アルキル基である)のα−オレフィンと共重合させると、50モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは0.2モル%〜15モル%のコモノマー誘導単位の含量を有するコポリマーを得ることができる。式:CH=CHTのα−オレフィンの例は、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、1−デセン、1−ドデセンである。本発明による方法において用いるのに好ましいコモノマーは、エチレン、プロピレン、及び1−ヘキセンである。
【0056】
本発明方法によれば、固有粘度(I.V.又はMv)の観点で測定して高い分子量を有する1−ブテンポリマーを高い収率で得ることができる。
【実施例】
【0057】
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明を限定するものではない。
ポリブテンの特性
分子量:135℃においてテトラヒドロナフタレン(THN)中で測定した固有粘度値から、関係式:<Mv>=(I.V./0.000178)exp(1/0.725)によって粘度平均分子量を求めた。
【0058】
熱的データ:予めインジウム及び亜鉛の融点に対して較正したPyris−1ソフトウェアを装備したPerkin Elmer DSC−1熱量計での示差走査熱量測定(DSC)によって、ポリマーの融点(T)を測定した。各DSCるつぼ内の試料の重量を6.0±0.5mgに保持した。
【0059】
フォームIIの融点を得るために、秤量した試料をアルミニウム皿中に密封し、10℃/分で180℃に加熱した。試料を180℃で5分間保持して全ての結晶を完全に溶融させた後、10℃/分で20℃に冷却した。20℃で2分間静置した後、試料に対して10℃/分で180℃に2回目の加熱を行った。この2回目の加熱操作において、ピーク温度をフォームIIの融点(TmII)としてとり、ピークの面積を溶融エンタルピー(ΔHf)としてとった。
【0060】
MeSi(9−フルオレニル)(2,5−ジメチル−3−(o−トリル)シクロペンタ[b]チアペンタレン−6−イル)ジルコニウムジクロリド(A−1)の合成
【0061】
【化11】

【0062】
3.4g(14ミリモル)の2,5−ジメチル−3−(o−トリル)シクロペンタ[b]チアペンタレンを50mLのジエチルエーテル中に溶解し、0℃に冷却し、次に14.5ミリモルのブチルリチウム(5.8mL)で処理した。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、115μLのN−メチルイミダゾールを加えた。反応混合物を更に15分間撹拌した後、更に10mLのTHFを加えて、形成したLi塩を溶解した。次に、溶液を、−78℃において、30mLのTHF中に15ミリモルのジメチル(9−フルオレニル)クロロシランを含む溶液中にゆっくりとカニューレで加えた。添加が完了した後、反応混合物を室温に加温し、撹拌を一晩継続した。反応混合物を10mLの塩化アンモニウム飽和溶液で反応停止させ、ジエチルエーテルによって有機物を回収し、真空で乾燥した。生成物を、ジクロロメタン/ヘキサンを用いてシリカ上でクロマトグラフィーにかけた。収量:5.3g(82%)。
【0063】
上記で調製されたリガンド5.3gを、60mLのジエチルエーテル中に溶解し、−30℃に冷却し、次に10mLのnBuLi(ヘキサン中2.5M)で処理した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、溶媒を真空で除去した。11.5ミリモル(2.68g)のZrClを加え、固形分を60mLのペンタン中でスラリー化した。0℃において、1mLのジエチルエーテルを加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。固形分を濾過によって回収し、新鮮なペンタンで洗浄し、乾燥した(この方法で7.4gが回収された)。
【0064】
2.4gをジクロロメタン中でスラリー化し、Celiteを通して濾過し、溶媒を蒸発させて暗赤褐色の固体を残留させることによって、この材料を更に精製した。固体を、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ペンタンで洗浄し、次に真空で乾燥した(0.9gの橙色の固体が回収された)。固体を沸騰トルエン中に再溶解することによって更なる精製を行った。250mgの微細結晶が回収され、これをペンタンで洗浄し、次に乾燥した。
【0065】
実施例1:1−ブテンの重合
共触媒であるメチルアルモキサン(MAO)は、トルエン中の10%wt/vol(1.7MのAl)であるCromptonからの市販製品であり、受け取ったままで用いた。表1に報告する量のメタロセンを適当量のMAO溶液で溶解して(Al/Zr比=500)溶液を得ることによって触媒混合物を調製し、これを室温で10分間撹拌した後にオートクレーブ内に注入した。
【0066】
温度制御のためのサーモスタットに接続され、予めヘキサン中のAlBu溶液で洗浄することによって清浄化し、窒素流中50℃で乾燥した、磁気駆動スターラー及び35mLのステンレススチールバイアルを取り付けた4Lのジャケット付きステンレススチールオートクレーブ内に、6ミリモルのAlBu(ヘキサン中1M溶液として)及び1350gの1−ブテンを室温で充填した。次に、オートクレーブを重合温度に温度調節し、次に触媒/共触媒混合物を含むトルエン溶液を、ステンレススチールバイアルを通して窒素圧によってオートクレーブ内に注入し、一定温度において、表1に示す時間重合を行った。次に、撹拌を中断し、オートクレーブ中への圧力を窒素によって20bar−gに上昇させた。底部の排出バルブを開放し、1−ブテン/ポリ−1−ブテン混合物を、70℃の水を含む加熱スチールタンク中に排出した。タンクの加熱を停止し、0.5bar−gの窒素流を供給した。室温で冷却した後、スチールタンクを開放し、湿潤ポリマーを回収した。湿潤ポリマーを、オーブン内において、減圧下、70℃で乾燥した。重合データを表1に報告する。
【0067】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
Mはジルコニウム、チタン、又はハフニウムであり;
Wは、イオウ又は酸素原子であり;
Xは、互いに同一か又は異なり、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OR’O、OSOCF、OCOR、SR、NR、又はPR基であり、ここで、Rは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有する、線状又は分岐鎖で、飽和又は不飽和の、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アリール、C〜C20アルキルアリール、又はC〜C20アリールアルキル基であり;R’は、C〜C20アルキリデン、C〜C20アリーリデン、C〜C20アルキルアリーリデン、又はC〜C20アリールアルキリデン基であり;
、R、R、R、R、R、R10、及びR11は、互いに同一か又は異なり、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基であり;また、二つ以上のR、R、R、R、R、R、R10、及びR11は、場合によっては、結合して1以上のC〜C10縮合飽和又は不飽和環を形成してもよく;
12及びR13は、互いに同一か又は異なり、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基であり;
及びRは、互いに同一か又は異なり、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有する、線状又は分岐鎖のC〜C20アルキル、C〜C20アリール、C〜C20アルキルアリール、又はC〜C20アリールアルキル基であり、
は、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有するC〜C40炭化水素基である)
のメタロセン化合物。
【請求項2】
Xが、水素原子、ハロゲン原子、OR’O、又はR基であり;R、R、R、R、R、R、R10、及びR11が、水素原子であり;R12及びR13が、C〜C10アルキル又はC〜C20アリール基であり;R及びRが、互いに同一か又は異なり、C〜C10アルキル基であり;Rが、C〜C20アリール基又はC〜C40アリールアルキル基である、請求項1にメタロセン化合物。
【請求項3】
式(II):
【化2】

(式中、M、X、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、及びR13は、請求項1又は2に記載した通りであり;R14、R15、R16、R17、及びR18は、互いに同一か又は異なり、水素原子、或いは、場合によっては元素周期律表の第13〜17族に属するヘテロ原子を有する、C〜C40炭化水素基である)
を有する、請求項1又は2に記載のメタロセン化合物。
【請求項4】
16がC〜C40アルキル基であり、R14、R15、R17、及びR18が水素原子である、請求項3に記載のメタロセン化合物。
【請求項5】
14及びR17がC〜C40アルキル基であり、R15、R18、及びR16が水素原子である、請求項3に記載のメタロセン化合物。
【請求項6】
15、R16、及びR17が、線状又は分岐鎖のC〜C40アルキル基であり、R14及びR18が水素原子である、請求項3に記載のメタロセン化合物。
【請求項7】
14が、線状又は分岐鎖のC〜C40アルキル基であり、R15、R16、R17、及びR18が水素原子である、請求項3に記載のメタロセン化合物。
【請求項8】
14、R15、R16、R17、及びR18が水素原子である、請求項3に記載のメタロセン化合物。
【請求項9】
式(Ia):
【化3】

(式中、W、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、及びR13は、請求項1に記載した通りである)
のリガンド及びその二重結合異性体。
【請求項10】
(A)請求項1〜8に記載の式(I)に属するメタロセン化合物;
(B)アルモキサン、又はアルキルメタロセンカチオンを形成することのできる化合物;及び場合によっては
(C)有機アルミニウム化合物;
を接触させることによって得られる触媒系。
【請求項11】
重合条件下、請求項10に記載の触媒系の存在下で、式:CH=CHA(式中、Aは、水素又はC〜C20アルキル基である)の1以上のα−オレフィンを接触させることを含む、α−オレフィンポリマーの製造方法。
【請求項12】
請求項10に記載の触媒系の存在下で、1−ブテンを重合するか、又は1ブテンと、エチレン、プロピレン、又は式:CH=CHT(式中、TはC〜C10アルキル基である)のα−オレフィンとを共重合することを含む、1−ブテンポリマーを製造するための請求項11に記載の方法。

【公表番号】特表2009−500371(P2009−500371A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519899(P2008−519899)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063577
【国際公開番号】WO2007/003528
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(500289758)バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー (118)
【Fターム(参考)】