メモリテストシステム
【課題】被試験デバイスのテスト時のスループットを向上することのできるメモリテストシステムを実現すること。
【解決手段】DUT部17をテストするテストパターンを生成するALPG13と、テストトパターンに基づいて、DUT部17に印加する信号波形を整形するFC部14を含むプログマラブル論理回路16と、FC部14により整形された信号をDUT部17に送信し、当該送信信号に対する応答信号をDUT部17より受信するPE部15と、PE部15とDUT部17との間で信号を送受信する際に、テスタピンの総数M及びピンの数m2を記憶するRAM12と、テスタピンの総数M及びピンの数m2を読み出して、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、当該算出した数にFC部14のFC1〜FCnの数を設定する制御部11と、を備える。
【解決手段】DUT部17をテストするテストパターンを生成するALPG13と、テストトパターンに基づいて、DUT部17に印加する信号波形を整形するFC部14を含むプログマラブル論理回路16と、FC部14により整形された信号をDUT部17に送信し、当該送信信号に対する応答信号をDUT部17より受信するPE部15と、PE部15とDUT部17との間で信号を送受信する際に、テスタピンの総数M及びピンの数m2を記憶するRAM12と、テスタピンの総数M及びピンの数m2を読み出して、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、当該算出した数にFC部14のFC1〜FCnの数を設定する制御部11と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリテストシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メモリデバイスの性能を評価するメモリテストシステムが知られている。
【0003】
図6を参照して、従来のメモリテストシステム100と、DUT(Device Under Test)部106と、の構成を説明する。メモリテストシステム100は、ピンエレクトロニクスカード(以下、PEカード)101と、制御部102と、を備えて構成されている。メモリテストシステム100は、PEカード101を複数枚備えて構成される。以下、複数のPEカード101のうちの1枚のPEカード101を代表して説明する。
【0004】
PEカード101は、ALPG(Algorithmic Pattern Generator)103と、FC(Format Control)部104と、PE(Pin Electronics)部105と、を備えて構成されている。ここで、FC部104はn個のFC1〜FCn(nは整数)で構成されている。同様にPE部105は、n個のPE1〜PEn(nは整数)で構成されている。
【0005】
ALPG103は、DUT部106をテストするテストパターンを生成する。FC部104は、DUT部106に印加する信号波形を整形する。PE部105は、整形された信号をDUT部106に送信し、当該送信信号に対する応答信号をDUT部106から受信する。ここで、メモリテストシステム100が有するテスタピンの総数をMとすると、当該総数Mからm1個のテスタピンが各DUT1〜DUTnに割り振られる。制御部102は、ALPG104にテストパターンを生成する指示を送る。DUT部106は、n個(nは整数)のDUT1〜DUTnで構成されている。DUT1〜DUTnは、試験用のIC(Integrated Circuit)である。DUTのピン数m2はDUT部106の各DUT1〜DUTnが有するピンの数である。
【0006】
ここで、DUTのピン数m2を20ピン、テスタピンの総数Mを80ピンとする。この場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は80/20=4となる。したがって、メモリテストシステム100が有するテスタピンは余ることなくDUT1〜DUTnのテストを行うことができる。
【0007】
また、テスタピンのデッドピン(余りピン)の発生を最小限にしてテスタピンの利用率を向上することのできるIC試験装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平6−27784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、メモリテストシステム100は、テスタピンの有効利用が出来ないおそれがあった。例えば、DUTのピン数m2を16ピン、テスタピンの総数Mを80ピンとする。この場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は、80/16=「5」とはならずに「4」となってしまう。したがって、テストに用いられるテスタピンの数は、16×4=64ピンとなる。そうすると、80−64=16個のテスタピンは、余りピンとなってしまう。
【0009】
ここで、図7を参照して、DUT部106の各DUT1〜DUTnが有するDUTのピン数m2とメモリテストシステム100においてテスト可能なDUT1〜DUTnの数との関係を表したグラフを説明する。図7のグラフの縦軸はメモリテストシステム100においてテスト可能なDUT1〜DUTnの数を示す。横軸は、DUTのピン数m2を示す。
【0010】
図7に示すように、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が20ピンの場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は4である(図7のA)。また、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が16ピンの場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は4のままである(図7のB)。即ち、DUTのピン数m2が11ピン〜20ピンの場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は4のまま固定される。この場合、メモリテストシステムが有するテスタピンの総数Mの中から余りのテスタピンが発生してしまう。余りのテスタピンが発生すると、テスタピンを有効利用することが出来ない。これは、DUT106をテストする際、スループットの低下を招いてしまう。
したがって、DUT106のテスト時のスループットを向上することのできるメモリテストシステムを実現する要請があった。
【0011】
本発明の課題は、被試験デバイスのテスト時のスループットを向上することのできるメモリテストシステムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明のメモリテストシステムは、
被試験デバイスをテストするテストパターンを生成するテストパターン生成手段と、
前記テストパターン生成手段により生成されたテストパターンに基づいて、前記被試験デバイスに印加する信号波形を整形する信号整形手段を含むプログマラブル論理回路と、
前記信号整形手段により整形された信号を前記被試験デバイスに送信し、当該送信信号に対する応答信号を前記被試験デバイスより受信する送受信手段と、
前記送受信手段と前記被試験デバイスとの間で信号を送受信する際に用いられるテスタピンと、
前記テスタピンの総数及び前記テスタピンと電気的に接続される前記被試験デバイスのピンの数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記テスタピンの総数及び前記被試験デバイスのピンの数を読み出して、テスト可能な前記被試験デバイスの数を算出し、当該算出した数に前記プログマラブル論理回路に含まれる前記信号整形手段の数を設定する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメモリテストシステムにおいて、
前記テストパターン生成手段は、
前記プログマラブル論理回路に含まれ、
前記制御手段は、
前記算出した数に前記プログマラブル論理回路に含まれる前記テストパターン生成手段の数を設定することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のメモリテストシステムにおいて、
前記テストパターン生成手段、前記信号波形整形手段、及び前記送受信手段を有する複数のピンエレクトロニクスカードを備え、
前記制御手段は、
前記ピンエレクトロニクスカード毎の前記テスタピンの端数ピン数の総数に基づいて、前記信号波形整形手段、または前記信号波形整形手段及び前記テストパターン生成手段の数を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、制御手段によりテスト可能な被試験デバイスの数を算出し、当該算出した数の信号整形手段を設定することができる。これにより、メモリテストシステムが有するテスタピンを最大源有効活用し、被試験デバイスのテスト時のスループットを向上させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段により算出した数のテストパターン生成手段を設定することができる。これにより、被試験デバイス毎に非同期テストを行うことができ、被試験デバイスのテスト時のスループットを向上させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、ピンエレクトロニクスカード毎のテスタピンの端数ピン数の総数に基づいて、信号整形手段、またはテストパターン発生手段及び信号整形手段の数を設定することができる。これにより、メモリテストシステムが有するテスタピンの余りピンを有効利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(本発明に係る実施の形態)
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0019】
図1及び図2を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。図1に、本実施の形態のメモリテストシステム1とDUT部17との構成図を示す。図2に、DUT部17のDUTのピン数m2とメモリテストシステム1においてテスト可能なDUTの数との関係を表したグラフを示す。
【0020】
先ず、図1を参照して本実施の形態のメモリテストシステム1と、被試験デバイスとしてのDUT部17と、の構成を説明する。メモリテストシステム1は、ピンエレクトロニクスカード10(以下、PEカード)と、制御手段としての制御部11と、記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)12と、を備えて構成される。メモリテストシステム1はPEカード10を複数枚備えて構成される。以下、複数のPEカード10のうちの1枚のPEカード10を代表して説明する。
【0021】
PEカード10は、テストパターン生成手段としてのALPG13と、信号整形手段としてのFC部14と、送受信手段としてのPE部15と、を備えて構成される。FC部14は、n個のFC1〜FCn(nは整数)で構成されている。また、FC部14は、プログラマブル論理回路16に含まれる。ここで、ブログラマブル論理回路16とは、制御部11の指示により構成が変更可能である論理回路のことをいう。したがって、制御部11の指示に基づいてFC部14のFC1〜FCnの数は可変となる。PE部105は、n個のPE1〜PEn(nは整数)で構成されている。
【0022】
ALPG13は、DUT部17をテストするテストパターンを生成する。テストパターンとは、アドレス信号、データ信号及び制御信号のことをいう。アドレス信号とは、メモリにおける位置を示す信号のことをいう。データ信号とは、メモリアドレスに格納されているデータを示す信号のことをいう。制御信号とは、データをDUT17に書き込み(ライト)又は読み出し(リード)を行うための指示信号や、クロック信号等のことをいう。
【0023】
FC部14は、テストパターンに基づいて、DUT部17に印加する信号波形を整形する。
【0024】
また、FC部14は、ALPG13から受信した期待値信号と、DUT部17から読み出した信号と、を比較する。例えば、データ信号をDUT部17からリードしたとする。この時、ALPG13からFC部14に期待値信号が出力される。ここで、期待値信号とは、リードしたデータ信号を予測する信号のことをいう。この場合、期待値信号としてALPG13からデータ信号が出力される。即ち、FC部14は、期待値信号と、DUT部17からリードしたデータ信号と、を比較する。
【0025】
PE部15は、FC部14により整形された信号をDUT部17に送信し、当該送信信号に対する応答信号をDUT部17より受信する。
【0026】
また、PE部15は、送信信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換して、当該送信信号をDUT部17に送信する。また、DUT部17から信号を受信する時は、当該受信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。
【0027】
ここで、メモリテストシステム100が有するテスタピンの総数をMとすると、当該総数Mからm1個のテスタピンがDUT部17の各DUT1〜DUTnに割り振られる。
【0028】
RAM12は、揮発性のメモリである。RAM12には構成データ12Aが記憶される。構成データ12Aは、DUT部17の各DUT1〜DUTnが有するDUTのピン数m2、テスタピンの総数M、及びピン情報が構成されている。ピン情報とは、DUT部17の各DUT1〜DUTnに印加される情報のことであり、上述したアドレス信号、データ信号及び制御信号に該当する。
また、本実施の形態では、構成データがRAM12に記憶されているものとして説明するが、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等に記憶されているものとしてもよい。
【0029】
制御部11は、メモリテストシステム1の各部を中央制御する。制御部11は、RAM12からテスタピンの総数及びDUTのピン数m2を読み出して、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、当該算出した数にFC部14のFC1〜FCnの数を設定する。また、制御部11は、ALPG13にテストパターンを生成する指令を送る。
【0030】
DUT部17は、n個(nは整数)のDUT1〜DUTnが構成されている。DUT1〜DUTnは被試験用のICである。当該ICは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、NAND型/NOR型フラッシュ、PSRAM(Pseudo Static Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等のメモリデバイスである。
【0031】
被試験デバイスのピンの数としてのDUTのピン数m2は、DUT部106の各DUT1〜DUTnが有するピンの数である。DUTのピン数m2は、テスタピンと電気的に接続される。
【0032】
次に、メモリテストシステム1の動作について説明する。以下、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が20ピンの場合について説明する。
先ず、制御部11は、構成データ12Aにあるテスタピンの総数Mである80ピン、DUTのピン数m2である20ピンを読み出す。そして、読み出した値の割り算(テスタピンの総数M/DUTのピン数m2=80/20=4)を行う。この割り算により算出された「4」がメモリテストシステム1でテスト可能なDUT1〜DUTnの数となる。
【0033】
そして、制御部11は、算出した「4」に基づいて、FC部14の構成を4個とする指示をプログマラブル論理回路16へ送る。そして、FC部14は、FC1〜FC4で構成される。
【0034】
次に、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が16ピンの場合について説明する。この場合、制御部11は、上記と同様に「80ピン」、「16ピン」の情報を読み出す。そして、割り算(80/16=5)を行う。この割り算により算出された「5」がメモリテストシステム1でテスト可能なDUT1〜DUTnの数となる。
【0035】
そして、制御部11は、算出した「5」に基づいて、FC部14の構成を5個とする指示をプログマラブル論理回路16へ送る。そして、FC部14は、FC1〜FC5で構成される。
【0036】
次に、図2を参照して、DUTのピン数m2とメモリテストシステム1でテスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数との関係を表すグラフを説明する。図2のグラフの縦軸はメモリテストシステム1でテスト可能なDUT1〜DUTnの数を示す。横軸はDUTのピン数m2を示す。ここで、斜線部分は、本発明のメモリテストシステム1と従来のメモリテストシステム100とを比較した場合、本発明のメモリテストシステム1でテスト可能となったDUT1〜DUTnの数の範囲を示している。
【0037】
例えば、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が16ピンの場合、本発明のメモリテストシステム1は、5個のDUT1〜DUT5をテストすることができる(図2のC)。したがって、従来のメモリテストシステム100では同じ条件で4個のDUT1〜DUT4しかテストできなかったのに対し、本発明のメモリテストシステム1は5個のDUT1〜DUT5をテストすることができる。これにより、テスタピンの総数Mを最大源有効利用し、最大数のDUT1〜DUTnをテストすることができる。
【0038】
以上、本実施の形態によれば、制御部11によりテスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、当該算出した数のFC1〜FCnを設定することができる。これにより、テスタピンを最大源有効活用し、DUT部17のテスト時のスループットを向上させることができる。
【0039】
(変形例)
図3〜図5を参照して、本発明に係る実施の形態の変形例を説明する。図3に本発明に係るメモリテストシステム2とDUT部17との構成図を示す。図4及び図5にメモリテストシステム2A〜2EとDUT部17との構成図を示す。以下、メモリテストシステム1と同様な部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を援用し、異なる部分について説明する。
【0040】
メモリテストシステム2は、PEカード40と、制御部41と、を備える。
PEカード40は、ALPG部43を備える。ALPG部43は、FC部14と共に、プログマラブル論理回路46に含まれる。また、ALPG部43は、n個のALPG1〜ALPGn(nは整数)で構成されている。このとき、ALPG部43を構成するALPG1〜ALPGnの数は可変となる。制御部41は、RAM12からテスタピンの総数及びDUTのピン数m2を読み出して、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、算出したDUT部17のDUT1〜DUTnの数にALPG部43のALPG1〜ALPGn及びFC部14のFC1〜FCnの数を設定する。
【0041】
次に、メモリテストシステム2の動作を説明する。上記実施の形態と同様に、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が20ピンの場合、制御部41は、テスト可能なDUT部17の数「4」を算出する。そして、算出した値である「4」に基づいて、ALPG部43及びFC部14の構成を4個とする指示をプログマラブル論理回路46へ送る。そうすると、DUT部17のDUT1〜DUTn毎にALPG部43のALPG1〜ALPGnが設けられることとなる。
【0042】
ここで、例えば、DUT部17のDUT3のテスト時間が最低テスト時間であったとする。ここで、最低テスト時間とは、DUT部17のDUT1〜DUTnのテスト時間の中で最長のテスト時間のことをいう。この場合、従来のメモリテストシステム100では、DUT1又はDUT2は、DUT3よりも先にテストが終わっても、DUT3の最低テスト時間になるまで次のテストに移行せずに待機状態となっていた。すなわち、DUT1又はDUT2のテスト時間は、DUT3の最低テスト時間に制約されていた。
【0043】
しかし、メモリテストシステム2の構成はDUT部17のDUT1〜DUTn毎にALPG部43のALPG1〜ALPGnを設ける構成である。したがって、DUT1〜DUTnは、DUT毎に非同期でテストを行うことができる。すなわち、DUT3の最低テスト時間に制約されずテストを行うことができ、DUT部17のテスト時のスループットを向上させることができる。
【0044】
次に、図4及び図5を参照して、メモリテストシステム2A〜2EとDUT部17との構成を説明する。図4(A)〜図5(B)に示すように、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数に応じて、ALPG43及びFC14の構成が変化する。
【0045】
以上、本実施の形態によれば、制御部41により算出した数のALPG1〜ALPGnを設定することができる。これにより、DUT部17のDUT1〜DUTn毎に非同期テストを行うことができ、DUT部17のテスト時のスループットを向上させることができる。
【0046】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係るメモリテストシステムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0047】
例えば、上記実施の形態及び実施の形態の変形例において、制御部11(制御部41)は、複数のPEカード10(PEカード40)毎のテスタピンの端数ピン(余りピン)の合計数に基づいて、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、当該算出した値に基づいて、FC部14、またはFC部14及びALPG部43の数を設定することとしてもよい。
【0048】
具体的には、メモリテストシステム1のPEカード10がn枚であり、PEカード10毎に5ピンずつ余りピンが発生したとする。この場合、5nのテスタピンが余りピンとなる。当該余りピン数5nがDUT部17のDUTのピン数m2以上の値となった場合は、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnが増えることとなる。この場合、余りピンをDUT部17のDUT1〜DUTnのテストに用いることができる。したがって、テスタピンの余りピンを有効利用することができる。
【0049】
その他、本実施の形態におけるメモリテストシステムの細部構造及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る実施の形態のメモリテストシステム1とDUT部17との構成図を示す。
【図2】DUTのピン数m2とメモリテストシステム1においてテスト可能なDUT1〜DUTnの数との関係を表したグラフを示す。
【図3】メモリテストシステム2とDUT部17との構成図を示す。
【図4】(A)にメモリテストシステム2AとDUT部17との構成図を示す。(B)にメモリテストシステム2BとDUT部17との構成図を示す。(C)にメモリテストシステム2CとDUT部17との構成図を示す。
【図5】(A)にメモリテストシステム2DとDUT部17との構成図を示す。(B)にメモリテストシステム2EとDUT部17との構成図を示す。
【図6】従来のメモリテストシステム100とDUT部106との構成図を示す。
【図7】DUTのピン数m2とメモリテストシステム100においてテスト可能なDUT1〜DUTnの数との関係を表したグラフを示す。
【符号の説明】
【0051】
1,2,2A,2B,2C,2D,2E,100 メモリテストシステム
10,40,101 ピンエレクトロニクスカード
11,41,102 制御部
12 ROM
12A 構成データ
13,103 ALPG
14,104 FC
15,105 PE
16 ブログラマブル論理回路
17,106 DUT
m1 各DUTに割り振られるテスタピンの数
m2 DUTのピン数
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリテストシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メモリデバイスの性能を評価するメモリテストシステムが知られている。
【0003】
図6を参照して、従来のメモリテストシステム100と、DUT(Device Under Test)部106と、の構成を説明する。メモリテストシステム100は、ピンエレクトロニクスカード(以下、PEカード)101と、制御部102と、を備えて構成されている。メモリテストシステム100は、PEカード101を複数枚備えて構成される。以下、複数のPEカード101のうちの1枚のPEカード101を代表して説明する。
【0004】
PEカード101は、ALPG(Algorithmic Pattern Generator)103と、FC(Format Control)部104と、PE(Pin Electronics)部105と、を備えて構成されている。ここで、FC部104はn個のFC1〜FCn(nは整数)で構成されている。同様にPE部105は、n個のPE1〜PEn(nは整数)で構成されている。
【0005】
ALPG103は、DUT部106をテストするテストパターンを生成する。FC部104は、DUT部106に印加する信号波形を整形する。PE部105は、整形された信号をDUT部106に送信し、当該送信信号に対する応答信号をDUT部106から受信する。ここで、メモリテストシステム100が有するテスタピンの総数をMとすると、当該総数Mからm1個のテスタピンが各DUT1〜DUTnに割り振られる。制御部102は、ALPG104にテストパターンを生成する指示を送る。DUT部106は、n個(nは整数)のDUT1〜DUTnで構成されている。DUT1〜DUTnは、試験用のIC(Integrated Circuit)である。DUTのピン数m2はDUT部106の各DUT1〜DUTnが有するピンの数である。
【0006】
ここで、DUTのピン数m2を20ピン、テスタピンの総数Mを80ピンとする。この場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は80/20=4となる。したがって、メモリテストシステム100が有するテスタピンは余ることなくDUT1〜DUTnのテストを行うことができる。
【0007】
また、テスタピンのデッドピン(余りピン)の発生を最小限にしてテスタピンの利用率を向上することのできるIC試験装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平6−27784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、メモリテストシステム100は、テスタピンの有効利用が出来ないおそれがあった。例えば、DUTのピン数m2を16ピン、テスタピンの総数Mを80ピンとする。この場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は、80/16=「5」とはならずに「4」となってしまう。したがって、テストに用いられるテスタピンの数は、16×4=64ピンとなる。そうすると、80−64=16個のテスタピンは、余りピンとなってしまう。
【0009】
ここで、図7を参照して、DUT部106の各DUT1〜DUTnが有するDUTのピン数m2とメモリテストシステム100においてテスト可能なDUT1〜DUTnの数との関係を表したグラフを説明する。図7のグラフの縦軸はメモリテストシステム100においてテスト可能なDUT1〜DUTnの数を示す。横軸は、DUTのピン数m2を示す。
【0010】
図7に示すように、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が20ピンの場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は4である(図7のA)。また、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が16ピンの場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は4のままである(図7のB)。即ち、DUTのピン数m2が11ピン〜20ピンの場合、メモリテストシステム100でテスト可能なDUT1〜DUTnの数は4のまま固定される。この場合、メモリテストシステムが有するテスタピンの総数Mの中から余りのテスタピンが発生してしまう。余りのテスタピンが発生すると、テスタピンを有効利用することが出来ない。これは、DUT106をテストする際、スループットの低下を招いてしまう。
したがって、DUT106のテスト時のスループットを向上することのできるメモリテストシステムを実現する要請があった。
【0011】
本発明の課題は、被試験デバイスのテスト時のスループットを向上することのできるメモリテストシステムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明のメモリテストシステムは、
被試験デバイスをテストするテストパターンを生成するテストパターン生成手段と、
前記テストパターン生成手段により生成されたテストパターンに基づいて、前記被試験デバイスに印加する信号波形を整形する信号整形手段を含むプログマラブル論理回路と、
前記信号整形手段により整形された信号を前記被試験デバイスに送信し、当該送信信号に対する応答信号を前記被試験デバイスより受信する送受信手段と、
前記送受信手段と前記被試験デバイスとの間で信号を送受信する際に用いられるテスタピンと、
前記テスタピンの総数及び前記テスタピンと電気的に接続される前記被試験デバイスのピンの数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記テスタピンの総数及び前記被試験デバイスのピンの数を読み出して、テスト可能な前記被試験デバイスの数を算出し、当該算出した数に前記プログマラブル論理回路に含まれる前記信号整形手段の数を設定する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメモリテストシステムにおいて、
前記テストパターン生成手段は、
前記プログマラブル論理回路に含まれ、
前記制御手段は、
前記算出した数に前記プログマラブル論理回路に含まれる前記テストパターン生成手段の数を設定することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のメモリテストシステムにおいて、
前記テストパターン生成手段、前記信号波形整形手段、及び前記送受信手段を有する複数のピンエレクトロニクスカードを備え、
前記制御手段は、
前記ピンエレクトロニクスカード毎の前記テスタピンの端数ピン数の総数に基づいて、前記信号波形整形手段、または前記信号波形整形手段及び前記テストパターン生成手段の数を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、制御手段によりテスト可能な被試験デバイスの数を算出し、当該算出した数の信号整形手段を設定することができる。これにより、メモリテストシステムが有するテスタピンを最大源有効活用し、被試験デバイスのテスト時のスループットを向上させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段により算出した数のテストパターン生成手段を設定することができる。これにより、被試験デバイス毎に非同期テストを行うことができ、被試験デバイスのテスト時のスループットを向上させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、ピンエレクトロニクスカード毎のテスタピンの端数ピン数の総数に基づいて、信号整形手段、またはテストパターン発生手段及び信号整形手段の数を設定することができる。これにより、メモリテストシステムが有するテスタピンの余りピンを有効利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(本発明に係る実施の形態)
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0019】
図1及び図2を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。図1に、本実施の形態のメモリテストシステム1とDUT部17との構成図を示す。図2に、DUT部17のDUTのピン数m2とメモリテストシステム1においてテスト可能なDUTの数との関係を表したグラフを示す。
【0020】
先ず、図1を参照して本実施の形態のメモリテストシステム1と、被試験デバイスとしてのDUT部17と、の構成を説明する。メモリテストシステム1は、ピンエレクトロニクスカード10(以下、PEカード)と、制御手段としての制御部11と、記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)12と、を備えて構成される。メモリテストシステム1はPEカード10を複数枚備えて構成される。以下、複数のPEカード10のうちの1枚のPEカード10を代表して説明する。
【0021】
PEカード10は、テストパターン生成手段としてのALPG13と、信号整形手段としてのFC部14と、送受信手段としてのPE部15と、を備えて構成される。FC部14は、n個のFC1〜FCn(nは整数)で構成されている。また、FC部14は、プログラマブル論理回路16に含まれる。ここで、ブログラマブル論理回路16とは、制御部11の指示により構成が変更可能である論理回路のことをいう。したがって、制御部11の指示に基づいてFC部14のFC1〜FCnの数は可変となる。PE部105は、n個のPE1〜PEn(nは整数)で構成されている。
【0022】
ALPG13は、DUT部17をテストするテストパターンを生成する。テストパターンとは、アドレス信号、データ信号及び制御信号のことをいう。アドレス信号とは、メモリにおける位置を示す信号のことをいう。データ信号とは、メモリアドレスに格納されているデータを示す信号のことをいう。制御信号とは、データをDUT17に書き込み(ライト)又は読み出し(リード)を行うための指示信号や、クロック信号等のことをいう。
【0023】
FC部14は、テストパターンに基づいて、DUT部17に印加する信号波形を整形する。
【0024】
また、FC部14は、ALPG13から受信した期待値信号と、DUT部17から読み出した信号と、を比較する。例えば、データ信号をDUT部17からリードしたとする。この時、ALPG13からFC部14に期待値信号が出力される。ここで、期待値信号とは、リードしたデータ信号を予測する信号のことをいう。この場合、期待値信号としてALPG13からデータ信号が出力される。即ち、FC部14は、期待値信号と、DUT部17からリードしたデータ信号と、を比較する。
【0025】
PE部15は、FC部14により整形された信号をDUT部17に送信し、当該送信信号に対する応答信号をDUT部17より受信する。
【0026】
また、PE部15は、送信信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換して、当該送信信号をDUT部17に送信する。また、DUT部17から信号を受信する時は、当該受信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。
【0027】
ここで、メモリテストシステム100が有するテスタピンの総数をMとすると、当該総数Mからm1個のテスタピンがDUT部17の各DUT1〜DUTnに割り振られる。
【0028】
RAM12は、揮発性のメモリである。RAM12には構成データ12Aが記憶される。構成データ12Aは、DUT部17の各DUT1〜DUTnが有するDUTのピン数m2、テスタピンの総数M、及びピン情報が構成されている。ピン情報とは、DUT部17の各DUT1〜DUTnに印加される情報のことであり、上述したアドレス信号、データ信号及び制御信号に該当する。
また、本実施の形態では、構成データがRAM12に記憶されているものとして説明するが、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等に記憶されているものとしてもよい。
【0029】
制御部11は、メモリテストシステム1の各部を中央制御する。制御部11は、RAM12からテスタピンの総数及びDUTのピン数m2を読み出して、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、当該算出した数にFC部14のFC1〜FCnの数を設定する。また、制御部11は、ALPG13にテストパターンを生成する指令を送る。
【0030】
DUT部17は、n個(nは整数)のDUT1〜DUTnが構成されている。DUT1〜DUTnは被試験用のICである。当該ICは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、NAND型/NOR型フラッシュ、PSRAM(Pseudo Static Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等のメモリデバイスである。
【0031】
被試験デバイスのピンの数としてのDUTのピン数m2は、DUT部106の各DUT1〜DUTnが有するピンの数である。DUTのピン数m2は、テスタピンと電気的に接続される。
【0032】
次に、メモリテストシステム1の動作について説明する。以下、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が20ピンの場合について説明する。
先ず、制御部11は、構成データ12Aにあるテスタピンの総数Mである80ピン、DUTのピン数m2である20ピンを読み出す。そして、読み出した値の割り算(テスタピンの総数M/DUTのピン数m2=80/20=4)を行う。この割り算により算出された「4」がメモリテストシステム1でテスト可能なDUT1〜DUTnの数となる。
【0033】
そして、制御部11は、算出した「4」に基づいて、FC部14の構成を4個とする指示をプログマラブル論理回路16へ送る。そして、FC部14は、FC1〜FC4で構成される。
【0034】
次に、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が16ピンの場合について説明する。この場合、制御部11は、上記と同様に「80ピン」、「16ピン」の情報を読み出す。そして、割り算(80/16=5)を行う。この割り算により算出された「5」がメモリテストシステム1でテスト可能なDUT1〜DUTnの数となる。
【0035】
そして、制御部11は、算出した「5」に基づいて、FC部14の構成を5個とする指示をプログマラブル論理回路16へ送る。そして、FC部14は、FC1〜FC5で構成される。
【0036】
次に、図2を参照して、DUTのピン数m2とメモリテストシステム1でテスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数との関係を表すグラフを説明する。図2のグラフの縦軸はメモリテストシステム1でテスト可能なDUT1〜DUTnの数を示す。横軸はDUTのピン数m2を示す。ここで、斜線部分は、本発明のメモリテストシステム1と従来のメモリテストシステム100とを比較した場合、本発明のメモリテストシステム1でテスト可能となったDUT1〜DUTnの数の範囲を示している。
【0037】
例えば、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が16ピンの場合、本発明のメモリテストシステム1は、5個のDUT1〜DUT5をテストすることができる(図2のC)。したがって、従来のメモリテストシステム100では同じ条件で4個のDUT1〜DUT4しかテストできなかったのに対し、本発明のメモリテストシステム1は5個のDUT1〜DUT5をテストすることができる。これにより、テスタピンの総数Mを最大源有効利用し、最大数のDUT1〜DUTnをテストすることができる。
【0038】
以上、本実施の形態によれば、制御部11によりテスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、当該算出した数のFC1〜FCnを設定することができる。これにより、テスタピンを最大源有効活用し、DUT部17のテスト時のスループットを向上させることができる。
【0039】
(変形例)
図3〜図5を参照して、本発明に係る実施の形態の変形例を説明する。図3に本発明に係るメモリテストシステム2とDUT部17との構成図を示す。図4及び図5にメモリテストシステム2A〜2EとDUT部17との構成図を示す。以下、メモリテストシステム1と同様な部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を援用し、異なる部分について説明する。
【0040】
メモリテストシステム2は、PEカード40と、制御部41と、を備える。
PEカード40は、ALPG部43を備える。ALPG部43は、FC部14と共に、プログマラブル論理回路46に含まれる。また、ALPG部43は、n個のALPG1〜ALPGn(nは整数)で構成されている。このとき、ALPG部43を構成するALPG1〜ALPGnの数は可変となる。制御部41は、RAM12からテスタピンの総数及びDUTのピン数m2を読み出して、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、算出したDUT部17のDUT1〜DUTnの数にALPG部43のALPG1〜ALPGn及びFC部14のFC1〜FCnの数を設定する。
【0041】
次に、メモリテストシステム2の動作を説明する。上記実施の形態と同様に、テスタピンの総数Mが80ピン、DUTのピン数m2が20ピンの場合、制御部41は、テスト可能なDUT部17の数「4」を算出する。そして、算出した値である「4」に基づいて、ALPG部43及びFC部14の構成を4個とする指示をプログマラブル論理回路46へ送る。そうすると、DUT部17のDUT1〜DUTn毎にALPG部43のALPG1〜ALPGnが設けられることとなる。
【0042】
ここで、例えば、DUT部17のDUT3のテスト時間が最低テスト時間であったとする。ここで、最低テスト時間とは、DUT部17のDUT1〜DUTnのテスト時間の中で最長のテスト時間のことをいう。この場合、従来のメモリテストシステム100では、DUT1又はDUT2は、DUT3よりも先にテストが終わっても、DUT3の最低テスト時間になるまで次のテストに移行せずに待機状態となっていた。すなわち、DUT1又はDUT2のテスト時間は、DUT3の最低テスト時間に制約されていた。
【0043】
しかし、メモリテストシステム2の構成はDUT部17のDUT1〜DUTn毎にALPG部43のALPG1〜ALPGnを設ける構成である。したがって、DUT1〜DUTnは、DUT毎に非同期でテストを行うことができる。すなわち、DUT3の最低テスト時間に制約されずテストを行うことができ、DUT部17のテスト時のスループットを向上させることができる。
【0044】
次に、図4及び図5を参照して、メモリテストシステム2A〜2EとDUT部17との構成を説明する。図4(A)〜図5(B)に示すように、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数に応じて、ALPG43及びFC14の構成が変化する。
【0045】
以上、本実施の形態によれば、制御部41により算出した数のALPG1〜ALPGnを設定することができる。これにより、DUT部17のDUT1〜DUTn毎に非同期テストを行うことができ、DUT部17のテスト時のスループットを向上させることができる。
【0046】
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係るメモリテストシステムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0047】
例えば、上記実施の形態及び実施の形態の変形例において、制御部11(制御部41)は、複数のPEカード10(PEカード40)毎のテスタピンの端数ピン(余りピン)の合計数に基づいて、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnの数を算出し、当該算出した値に基づいて、FC部14、またはFC部14及びALPG部43の数を設定することとしてもよい。
【0048】
具体的には、メモリテストシステム1のPEカード10がn枚であり、PEカード10毎に5ピンずつ余りピンが発生したとする。この場合、5nのテスタピンが余りピンとなる。当該余りピン数5nがDUT部17のDUTのピン数m2以上の値となった場合は、テスト可能なDUT部17のDUT1〜DUTnが増えることとなる。この場合、余りピンをDUT部17のDUT1〜DUTnのテストに用いることができる。したがって、テスタピンの余りピンを有効利用することができる。
【0049】
その他、本実施の形態におけるメモリテストシステムの細部構造及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る実施の形態のメモリテストシステム1とDUT部17との構成図を示す。
【図2】DUTのピン数m2とメモリテストシステム1においてテスト可能なDUT1〜DUTnの数との関係を表したグラフを示す。
【図3】メモリテストシステム2とDUT部17との構成図を示す。
【図4】(A)にメモリテストシステム2AとDUT部17との構成図を示す。(B)にメモリテストシステム2BとDUT部17との構成図を示す。(C)にメモリテストシステム2CとDUT部17との構成図を示す。
【図5】(A)にメモリテストシステム2DとDUT部17との構成図を示す。(B)にメモリテストシステム2EとDUT部17との構成図を示す。
【図6】従来のメモリテストシステム100とDUT部106との構成図を示す。
【図7】DUTのピン数m2とメモリテストシステム100においてテスト可能なDUT1〜DUTnの数との関係を表したグラフを示す。
【符号の説明】
【0051】
1,2,2A,2B,2C,2D,2E,100 メモリテストシステム
10,40,101 ピンエレクトロニクスカード
11,41,102 制御部
12 ROM
12A 構成データ
13,103 ALPG
14,104 FC
15,105 PE
16 ブログラマブル論理回路
17,106 DUT
m1 各DUTに割り振られるテスタピンの数
m2 DUTのピン数
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスをテストするためのテストパターンを生成するテストパターン生成手段と、
前記テストパターン生成手段により生成されたテストパターンに基づいて、前記被試験デバイスに印加する信号波形を整形する信号整形手段を含むプログマラブル論理回路と、
前記信号整形手段により整形された信号を前記被試験デバイスに送信し、当該送信信号に対する応答信号を前記被試験デバイスより受信する送受信手段と、
前記送受信手段と前記被試験デバイスとの間で信号を送受信する際に用いられるテスタピンと、
前記テスタピンの総数及び前記テスタピンと電気的に接続される前記被試験デバイスのピンの数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記テスタピンの総数及び前記被試験デバイスのピンの数を読み出して、テスト可能な前記被試験デバイスの数を算出し、当該算出した数に前記プログマラブル論理回路に含まれる前記信号整形手段の数を設定する制御手段と、
を備えることを特徴とするメモリテストシステム。
【請求項2】
前記テストパターン生成手段は、
前記プログマラブル論理回路に含まれ、
前記制御手段は、
前記算出した数に前記プログマラブル論理回路に含まれる前記テストパターン生成手段の数を設定することを特徴とする請求項1に記載のメモリテストシステム。
【請求項3】
前記テストパターン生成手段、前記信号波形整形手段、及び前記送受信手段を有する複数のピンエレクトロニクスカードを備え、
前記制御手段は、
前記ピンエレクトロニクスカード毎の前記テスタピンの端数ピン数の総数に基づいて、前記信号波形整形手段、または前記信号波形整形手段及び前記テストパターン生成手段の数を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のメモリテストシステム。
【請求項1】
被試験デバイスをテストするためのテストパターンを生成するテストパターン生成手段と、
前記テストパターン生成手段により生成されたテストパターンに基づいて、前記被試験デバイスに印加する信号波形を整形する信号整形手段を含むプログマラブル論理回路と、
前記信号整形手段により整形された信号を前記被試験デバイスに送信し、当該送信信号に対する応答信号を前記被試験デバイスより受信する送受信手段と、
前記送受信手段と前記被試験デバイスとの間で信号を送受信する際に用いられるテスタピンと、
前記テスタピンの総数及び前記テスタピンと電気的に接続される前記被試験デバイスのピンの数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記テスタピンの総数及び前記被試験デバイスのピンの数を読み出して、テスト可能な前記被試験デバイスの数を算出し、当該算出した数に前記プログマラブル論理回路に含まれる前記信号整形手段の数を設定する制御手段と、
を備えることを特徴とするメモリテストシステム。
【請求項2】
前記テストパターン生成手段は、
前記プログマラブル論理回路に含まれ、
前記制御手段は、
前記算出した数に前記プログマラブル論理回路に含まれる前記テストパターン生成手段の数を設定することを特徴とする請求項1に記載のメモリテストシステム。
【請求項3】
前記テストパターン生成手段、前記信号波形整形手段、及び前記送受信手段を有する複数のピンエレクトロニクスカードを備え、
前記制御手段は、
前記ピンエレクトロニクスカード毎の前記テスタピンの端数ピン数の総数に基づいて、前記信号波形整形手段、または前記信号波形整形手段及び前記テストパターン生成手段の数を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のメモリテストシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2008−152873(P2008−152873A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340952(P2006−340952)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
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