説明

ライン画像読取装置

【課題】 CCDセンサから出力される全データを利用して読取り精度を向上させるライン画像読取装置を提供する。
【解決手段】 RGBの3種の画像データを同時に出力可能なカラーCCDセンサ10を使用し、画像データを1ライン周期で1種づつ順次ラインバッファ部20に入力し、ラインバッファ部20にバッファリングされた2ライン分の画像データと第3ライン周期目の画像データとを第3ライン周期目の入力時にそれぞれ同じ画素位置の画像データを入力し、画像データを最適化してRGBライン切替え部22に出力する画像データ最適化処理部21を備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファクシミリ、複写機、スキャナー等に搭載されているライン画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリ、複写機、スキャナー等に搭載されているカラーCCDリニアイメージセンサ(以下、カラーCCDセンサ)は、光学的手段を用いて原稿画像を読取り、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の出力端子からパラレルに画像データを後段の画像処理部に出力している。
【0003】カラーCCDセンサは各色ごとのリニアCCDセンサを持ち、赤、緑、青の色フィルタを付けて3色信号が得られるようになっており、1ライン周期にR、G、Bのラインデータのうち1色のイメージデータを画像処理部に転送しているが、この1色のイメージデータを画像処理部に転送している間、同時に読み取った残りの2色のイメージデータも出力されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のライン画像読取装置にあっては、1ライン周期にR、G、Bのうち1色のイメージデータを画像処理部に転送しているが、この1色のイメージデータを転送している間、同時に読み取った残りの2色のイメージデータも出力されているにも関わらず画像処理部では処理されていないので、各色の画像情報を十分に利用できず、画像情報量の欠落という問題があった。
【0005】本発明はCCDセンサから出力される全データを利用して読取り精度を向上させたライン画像読取装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、同時に読み取ったm(m≧1)種の画像データをそれぞれラインデータとして出力することができるCCDラインセンサと、同時に読み取ったm種のラインデータをそれぞれn回(n≧2)入力し、1ラインデータとして処理する画像処理部とからなるライン画像読取装置であって、CCDラインセンサから出力されるm種のラインデータをそれぞれ(n―1)ライン分バッファリングできるラインバッファ手段と、n回目のラインデータが画像処理部に入力される際に、バッファリングされた(n−1)ライン分のラインデータとn回目に入力されるラインデータとにより最適化処理する画像データ最適化処理手段とを設ける。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、各図面に共通な要素には同一符号を付す。
【0008】第1の実施の形態図2はリニアCCDセンサの構成図、図3は原稿読取りを示す説明図である。リニアCCDセンサ1は感光部2、転送部3、出力部4と大きく3つの部分から構成され、感光部2と転送部3とを1列に並べた形をしている。
【0009】感光部2は数ミリ角のシリコン基板上に数千〜数十万の感光素子(例えば、フォトダイオード)5が並んでおり、光のエネルギーを電荷に変換(光電変換)し、光の強さに応じて得られた電荷を一時的に蓄積する機能を持っている。
【0010】光電変換、電荷の蓄積を行う感光部2と電荷を出力部4に転送する転送部3との間にはシフトゲート6が設けてあり、入力端子7にスタートパルスを入力すると蓄積された電荷が一斉に転送部3に転送される。
【0011】転送部(CCDアナログレジスタ)3は入力端子8、9に入力される転送クロックにより電荷を出力部4に順次送り出す機能(走査機能)をもっており、出力部4は転送部3から送られてきた電荷を電圧に変換し、イメージデータとして出力している。
【0012】カラーCCDリニアイメージセンサ10(以後とカラーCCDセンサ10記する)は、図2に示したリニアCCDセンサ1が3つ並行に数ミリ角のシリコン基板上に配置してあり、それぞれの感光部2の感光素子5の表面に赤、緑、青の色フィルタを付けて3色信号が得られるようになっている。
【0013】光源11により原稿12に照射された光は原稿12で反射され、レンズ13を通じて収束され、カラーCCDセンサ10で受光される。
【0014】原稿12からの反射光が感光部2で3原色G、R、Bの信号電荷として蓄積され、その後、所定の周期で発生するスタートパルスを入力端子7に入力すると、蓄積された電荷が一斉に転送部3に転送される。
【0015】ここで、次のスタートパルスが入力されるまで、感光部2では信号電荷が蓄積されるので、スタートパルスの周期が電荷蓄積時間となる。このスタートパルスの期間内に入力端子8、9に入力される転送クロックにより、信号電荷は転送部3から順次出力部4に転送され、電圧に変換されて出力される。
【0016】図1は第1の実施の形態によるライン画像読取装置のブロック図、図4は第1の実施の形態による画像データ最適化の処理ブロック図である。駆動パルス生成部14は、所定の周波数のマスタクロックを分周してカラーCCDセンサ10の動作に必要な各種のパルス(スタートパルス、転送クロックパルス、リセットパルス、クランプパルス)を生成する。
【0017】蓄積時間設定部15は駆動パルス生成部14の蓄積時間(スタートパルス周期)を設定でき、スタートパルス幅設定部16はスタートパルス幅を設定できる。
【0018】カラーCCDセンサ10は、駆動パルス生成部14で生成された各種パルスを入力することで動作する。
【0019】A/Dコンバータ17,18,19はカラーCCDセンサ10から出力されるアナログデータVout(赤:R)、Vout(緑:G)、Vout(青:B)をデジタルデータに変換(A/D変換)する。
【0020】ラインバッファ部20と最適化処理部21とは、図4に示すように、A/Dコンバータ17,18,19でA/D変換されてくるVout(R)、Vout(G)、Vout(B)をそれぞれの色について3ライン周期分の出力データを加算し、除算して平均化する。
【0021】ラインバッファ部20はFIFO構造のラインバッファ24〜29からなり、最適化処理部21は加算器30,31,32及び除算器33,34,35からなる。前段のラインバッファ24、26、28の入力と出力及び後段のラインバッファ25,27,29の出力は加算器30,31,32に接続されており、加算器30,31,32の出力は除算器33,34,35に接続されている。また、前段のラインバッファ24、26、28の出力は後段のラインバッファ25,27,29の入力に接続されている。
【0022】ラインバッファ24〜29はカラーCCDセンサ10の各色の出力データ2ライン分を格納可能な容量を持っている。即ち、ラインバッファ24、25はそれぞれVout(R) の出力データ1ライン分を格納し、ラインバッファ26、27はそれぞれVout(G) の出力データ1ライン分を格納し、ラインバッファ28、29はそれぞれVout(B) の出力データ1ライン分を格納する。
【0023】尚、ラインバッファ24〜29の出力は3ライン周期分読取り後、有効とする。
【0024】RGBライン切替え部22は最適化処理部21から処理されてくるVout(R)/3、Vout(G)/3、Vout(B)/3をセレクタでR→G→Bの順序で切り替えて画像処理部23に出力している。
【0025】次に動作について図5を参照して説明する。図5は最適化処理部のタイミングチャートである。最適化処理部21における各色の処理は同じなので、簡単のためRGB3色の内、Bを例にとって説明する。
【0026】時刻t1でカラーCCDセンサ10は駆動パルス生成部14からスタートパルスを入力すると、図5(d)に示すように、色Bの1ライン周期分(1走査)のデータ■をA/Dコンバータ19に出力する。A/Dコンバータ19でA/D変換されたデータ■は、ラインバッファ28に順に入力されて格納されるとともに加算器32にも入力される。
【0027】時刻t2でカラーCCDセンサ10は駆動パルス生成部14からスタートパルスを入力すると、図5(d)に示すように、色Bの1ライン周期分(1走査)のデータ■をA/Dコンバータ19に出力する。A/Dコンバータ19でA/D変換されたデータ■は、ラインバッファ28に順に入力されデータ■を掃き出すとともに加算器32にも入力される。掃き出されたデータ■は加算器32に入力されるとともにラインバッファ29に順に格納される。
【0028】時刻t3でカラーCCDセンサ10は駆動パルス生成部14からスタートパルスを入力すると、図5(d)に示すように、1ライン周期分(1走査)のデータ■をA/Dコンバータ19に出力する。A/Dコンバータ19でA/D変換されたデータ■は、加算器32に入力されるとともにラインバッファ28に入力されてデータ■をラインバッファ29に掃き出す。掃き出されたデータ■は加算器32に入力されるとともにラインバッファ29に入力されてデータ■を加算器32に掃き出す。
【0029】また、時刻t3で加算器32、除算器35は有効となって処理を開始する。加算器32はデータ■、■及び■それぞれにおける同じ画素位置のデータが1画素分づつ入力される度に加算し、その加算結果を除算器35に出力する。除算器35は加算器32から加算結果を入力して除算を行い、RGBライン切替え部22に出力する。
【0030】簡単のためRGB3色の内、Bを例にとって説明したが、図5(b),(c)に示すように、同じ処理が色R、Gについても行われ、時刻t3のタイミングでR、G、BのデータがパラレルにRGBライン切替え部22へ出力される。即ち、時刻t1〜時刻t4で3ライン周期を1ライン読取りとする読取りが行われる。
【0031】時刻t4〜時刻t7で次のRGB1ラインの平均化処理が行なわれるが、RGBライン切替え部22は、図5(e),(f),(g)に示すように、すでに時刻t1〜時刻t4で平均化されたRGBの各データを時刻t4、t5、t6のタイミングでシリーズに画像処理部23へ出力する。
【0032】第1の実施の形態によれば、蓄積された3ライン周期分のイメージデータを有効に利用し、この3ライン分の同じ画素位置のデータを平均化して、カラー画像1ライン分のイメージデータを作成しているので、ノイズも平均化して減少させることができ、読取り精度の向上が期待できる。
【0033】第2の実施の形態図6は第2の実施の形態による画像データ最適化の処理ブロック図であり、第1の実施の形態と異なるところは最適化処理部の加算器30,31,32及び除算器33,34,35に代えて比較器41〜43を設けた点である。
【0034】図7は比較器の構成を示す回路ブロック図である。比較器41〜43は同じ構成であり、それぞれ、コンパレータ44〜48とセレクタ49〜53とから構成されているので、色Rについて説明する。
【0035】ラインバッファ25の出力側はコンパレータ44、46の一方の入力側とセレクタ49、51の一方の入力側とに接続され、ラインバッファ24の出力側はコンパレータ44及びセレクタ49の他方の入力側とコンパレータ45及びセレクタ50の一方の入力側とに接続されている。
【0036】また、ラインバッファ25の入力側はコンパレータ45及びセレクタ50の他方の入力側とコンパレータ46及びセレクタ51の他方の入力側とに接続されている。
【0037】セレクタ49の出力側はコンパレータ47及びセレクタ52の一方の入力側に接続され、セレクタ50の出力側はコンパレータ47及びセレクタ52の他方の入力側に接続されている。
【0038】また、セレクタ52の出力側はコンパレータ48及びセレクタ53の一方の入力側に接続され、セレクタ51の出力側はコンパレータ48及びセレクタ53の他方の入力側に接続されている。
【0039】コンパレータ44、45、46、47,48の出力側はセレクタ49,50,51、52、53の選択端子側に接続され、セレクタ53の出力側はRGBライン切替え部21の入力側に接続されている。
【0040】次に動作について説明する。動作はR,G,Bそれぞれ同じなので、Rを例にとって説明する。まず、第1の実施の形態で説明したように、ラインバッファ24,25を介して取り出された8ビットからなるデータ■、■、■が比較器41に入力される。
【0041】比較器41に入力されたデータ■、■、■はそれぞれ異なる組み合わせでコンパレータ44,45,46とセレクタ49、50、51とに入力される。即ち、データ■、■はコンパレータ44とセレクタ49との入力され、データ■、■はコンパレータ45とセレクタ50とに入力され、データ■、■はコンパレータ46とセレクタ51と入力される。
【0042】コンパレータ44,45,46大小比較し、セレクタ49、50、51はコンパレータ44,45,46の出力信号を選択信号としてそれぞれ入力される2つのデータの内、大きい方のデータを選択する。
【0043】ここで、入力データ■、■、■が■≠■≠■の場合を考えると、コンパレータ44,45,46で比較され、セレクタ49、50、51から取り出されるデータはそれぞれ大きい方だけなので、取り出されるデータの組合せは最大値、中間値、最大値となる。
【0044】次に、コンパレータ47で比較され、セレクタ52から取り出されるデータは中間値となり、コンパレータ48で比較されセレクタ53から取り出されるデータは小さい方、即ち、中間値となる。
【0045】また、入力データ■、■、■の3つの内いずれか2つが等しい場合は、セレクタ53ではいずれか等しいものが取り出される。■=■=■の場合は■、■、■の内どれかが取り出される。このように、比較器41により3つのデータを比較し、最大レベルのものと最小レベルのものを取り除き、中間値のデータだけを取り出す。
【0046】本実施の形態では、比較器における前段のコンパレータで3つのデータをそれぞれ比較して大きい方(≧)を取り出すようにすることにより3つのデータの中で最大値、最大値、中間値を選び出すことができ、さらにそれらの中で1番小さい値を取り出すようにして中間値を得ていたが、前段のコンパレータで小さい方(≦)を取り出すようにして最小値、最小値、中間値を選び出し、さらにそれらの中で1番大きい値を取り出すようにしても中間値を得ることが可能ということは容易に想像できる。また、本実施例では中間値を選択するようにしたが、最大値あるいは最小値を選択することも可能である。
【0047】第2の実施の形態によれば、3種の読取情報の中の中間値を選択する比較器を設けることにより、3ライン周期を1ライン読取りとして読み取ったデータから最もノイズの少ないデータが選択されるので、第1の実施の形態と比べて、更にノイズ除去できる効果がある。
【0048】第3の実施の形態図8は第3の実施の形態による画像データ最適化の処理ブロック図であり、第1の実施の形態と異なるところはラインバッファ24,26,28と加算器30,31,32との間に画像データに重み付けをする乗算器61,62,63を設けた点である。
【0049】即ち、ラインバッファ24、26、28の入力側とラインバッファ25、27、29及び乗算器61、62、63の出力側は加算器30、31、32に接続され、ラインバッファ24、26、28の出力側はラインバッファ25、27、29の入力側と乗算器61、62、63の入力側とに接続される。加算器30、31、32の出力側は除算器33、34、35の入力側に接続されている。
【0050】次に動作について説明する。先ず、第1の実施の形態と同様にラインバッファ24〜29を通じて3走査分のデータ■、■、■を独立に取り出す。独立に取り出された1走査ごとのデータ■、■、■の中でラインバッファ25、27、29から取り出されるデータ■は乗算器61、62、63で2倍にされる。
【0051】ラインバッファ25、27、29から取り出されるデータ■と、直接加算器30、31、32に入力されるデータ■と、乗算器61、62、63で2倍されたデータ■とにおける同じ画素位置のデータが1画素分づつ順次、加算器30、31、32に入力されて加算される。データ■は乗算器61、62、63で2倍されているので、加算結果はデータ■+(■×2)+■というようになる。よって、除算器33、34、35はこの加算結果を4で除算し、平均化を行う。
【0052】第3の実施の形態によれば、乗算器を追加して3つのデータの内1つを2倍し、重み付けを行う手段を設けることにより、仮想的に受光開口分布(アパーチャ幅)を狭めることが可能となり、CCDセンサのMTF特性の向上が期待できる。
【0053】また、2倍回路は1ビット上位ビット側へのシフトで実現でき、除算回路においてあるデータ(被除数)を4で除算するということは被序数を2ビットだけ下位ビット側にシフトすれば良いだけであるので、回路規模の簡略化が期待できる。
【0054】第4の実施の形態第4の実施の形態による画像データ最適化処理部は、第2の実施の形態による画像データ最適化処理部の比較処理部40に代えて図9に示すランダム選択処理部70をR,G,Bごとに設けた点である。
【0055】図9はランダム選択処理器の構成を示すブロック図、図10は擬似乱数発生器の回路ブロック図である。ランダム選択処理器は擬似乱数発生器71と選択処理器72とから構成され、R,G,Bごとに同じものを備えているのでRを例にとって説明する。
【0056】ラインバッファ24、25を通じて取り出された3走査分のデータ■、■、■を選択処理器72に入力し、擬似乱数発生器71から入力した4ビットの出力パターンQ1,Q2,Q3,Q4に応じてデータ■、又は■、又は■をRGBライン切替え部21に出力する。
【0057】擬似乱数発生器71は4つのDフリップフロップ73,74,75,76とエクシクルーシブルノア回路77とから構成されており、4ビットの出力パターンQ1,Q2,Q3,Q4を出力する。
【0058】図11は出力パターンと出力データとの関係を示す例図であり、擬似乱数発生器71が出力する出力パターンQ1,Q2,Q3,Q4に応じて選択処理器72が選択して出力するデータとの関係を示す。レベルL,L,L,LからレベルL,H,L,Lまではデータ■を選択して出力し、レベルH,L,H,LからレベルH,L,L,Hまではデータ■を選択して出力し、レベルL,H,L,HからレベルL,H,H,Hまではデータ■を選択して出力する。
【0059】図12は擬似乱数発生器による出力パターン図である。最初、エクシクルーシブルノア回路77の出力Q0はレベルLである。時刻t0のクロック信号により、Dフリップフロップ73,74,75,76の各出力Q1,Q2,Q3,Q4はレベルL、L、L、Lであり、エクシクルーシブルノア回路77にはレベルLが入力され、出力Q0はレベルHとなる。
【0060】時刻t1のクロック信号により、Dフリップフロップ73,74,75,76の各出力Q1,Q2,Q3,Q4はレベルH、L、L、Lとなり、エクシクルーシブルノア回路77の出力Q0はレベルLとなる。
【0061】時刻t2のクロック信号により、Dフリップフロップ73,74,75,76の各出力Q1,Q2,Q3,Q4はレベルL、H、L、Lとなり、エクシクルーシブルノア回路77の出力Q0はレベルHとなる。
【0062】時刻t3のクロック信号により、Dフリップフロップ73,74,75,76の各出力Q1,Q2,Q3,Q4はレベルH、L、H、Lとなり、エクシクルーシブルノア回路77の出力Q0はレベルLとなる。
【0063】以下同様にして、時刻t14のクロック信号により、Dフリップフロップ73,74,75,76の各出力Q1,Q2,Q3,Q4はレベルL、L、L、Hとなり、エクシクルーシブルノア回路77の出力Q0はレベルLとなる。
【0064】時刻t15のクロック信号により、 Dフリップフロップ73,74,75,76の各出力Q1,Q2,Q3,Q4は再び時刻t0と同じパターンとなる。即ち、時刻t0〜時刻t15までの出力パターンを周期として以後繰り返す。
【0065】選択処理器72はこの出力パターンを1周期としてデータ■、■、■、■、■、■、■、■、■、■、■、■、■、■、■の順で出力する。G,Bについても同じデータの順で出力される。
【0066】第4の実施の形態によれば、擬似乱数発生器と選択処理器とによる3つのデータの中から1つのデータをランダムに取り出す手段を設けることにより、非周期的に1ラインの出力データを構築することが可能となり、例えば画像のモアレ除去が期待できる。
【0067】尚、第1〜第4の実施の形態では、1次元カラーイメージセンサ(カラーCCDリニアイメージセンサ)における例を示したが、R、G、B出力信号がパラレルに出力される2次元イメージセンサ(カラーCCDエリアイメージセンサ)にも応用可能である。
【0068】また、第1〜第4の実施の形態では3ライン周期を1ライン読取りとしたが、2ライン周期を1ライン読取りとしても、4ライン周期を1ライン読取りとしてもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載される効果を奏する。
【0070】CCDラインセンサから出力されるm種のラインデータをそれぞれ(n―1)ライン分バッファリングできるラインバッファ手段と、n回目のラインデータが画像処理部に入力される際に、ラインバッファ手段によりバッファリングされた(n−1)ライン分のラインデータとn回目に入力されるラインデータとにより最適化処理する画像データ最適化処理手段とを設けたことにより、カラーCCDセンサから出力される全データを利用して読取り精度を向上させたライン画像読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態によるライン画像読取装置のブロック図である。
【図2】リニアCCDセンサの構成図である。
【図3】原稿読取りを示す説明図である
【図4】第1の実施の形態による画像データ最適化の処理ブロック図である。
【図5】最適化処理部のタイミングチャートである。
【図6】第2の実施の形態による画像データ最適化の処理ブロック図である。
【図7】比較処理部の構成を示す回路ブロック図である。
【図8】第3の実施の形態による画像データ最適化の処理ブロック図である。
【図9】第4の実施の形態による画像データ最適化の処理ブロック図である。
【図10】擬似乱数発生器の回路ブロック図である。
【図11】出力パターンと出力データとの関係を示す例図である。
【図12】擬似乱数発生器による出力パターン図である。
【符号の説明】
1 リニアCCDセンサ
10 カラーCCDセンサ
20 ラインバッファ部
21 画像データ最適化処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 同時に読み取ったm(m≧1)種の画像データをそれぞれラインデータとして出力することができるCCDラインセンサと、前記同時に読み取ったm種のラインデータをそれぞれn回(n≧2)入力し、1ラインとして処理する画像処理部とからなるライン画像読取装置であって、前記CCDラインセンサから出力される前記m種のラインデータをそれぞれ(n―1)ライン分バッファリングできるラインバッファ手段と、前記n回目のラインデータが前記画像処理部に入力される際に、前記バッファリングされた(n−1)ライン分のラインデータと前記n回目に入力されるラインデータとにより最適化処理する画像データ最適化処理手段とを設けたことを特徴とするライン画像読取装置。
【請求項2】 前記画像データ最適化処理手段は、前記n回目のラインデータ入力時、前記ラインバッファ手段にバッファリングされた各ラインデータと前記n回目に入力されるラインデータとのそれぞれ同じ画素位置の画像データを入力して加算し、平均化する請求項1記載のライン画像読取装置。
【請求項3】 前記画像データ最適化処理手段は、前記n回目のラインデータ入力時、前記ラインバッファ手段にバッファリングされた各ラインデータと前記n回目に入力されるラインデータとのうち、いずれかのラインデータから読み出した画像データに重み付けを行い、各ラインデータのそれぞれ同じ画素位置の画像データを入力して加算し、平均化する請求項1記載のライン画像読取装置。
【請求項4】 前記画像データ最適化処理手段は、前記n回目のラインデータ入力時、前記ラインバッファ手段にバッファリングされた各ラインデータと前記n回目のラインデータとのそれぞれ同じ画素位置の画像データを入力して比較し、所定レベルの画像データを出力する請求項1記載のライン画像読取装置。
【請求項5】 前記画像データ最適化処理手段は、前記n回目のラインデータ入力時、前記バッファリング手段によりバッファリングされた各ラインデータと前記n回目に入力されるラインデータとのそれぞれ同じ画素位置の画像データを入力し、ランダムに出力を選択する請求項1記載のライン画像読取装置。
【請求項6】 前記CCDラインセンサは、m=3である原色系または補色系の3原色の各色の画像データを同時に出力するカラーCCDリニアイメージセンサである請求項1記載のライン画像読取装置。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【図7】
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【図11】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2002−354199(P2002−354199A)
【公開日】平成14年12月6日(2002.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−160375(P2001−160375)
【出願日】平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】