説明

レチノイン酸受容体における活性を伴う化合物

本明細書に開示されるのは、RARβ2受容体における活性を伴う新規化合物である。さらに開示されるのは、癌、記憶欠損および統合失調症などの神経障害、パーキンソン病およびアルツハイマー病などの神経変性障害、乾癬および関節リウマチなどの炎症性障害、眼障害および鬱病の症状の処置のための、またはそれらを軽減するための、かかる化合物の使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
関連出願
本出願は、2005年7月12日に出願された米国仮特許出願第60/698,622号明細書、および2006年2月21日に出願された同第60/775,523号明細書の利益を主張し、これらの双方が当該明細書における全ての例、図、および付属書を含め全体として参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
以下に記載される本発明の態様は、概して、核内受容体ファミリーの受容体、およびより具体的にはレチノイン酸受容体サブタイプβアイソフォーム2(RARβ2)における応答に影響を及ぼす化合物に関する。加えて、癌、統合失調症、鬱病、記憶欠損、パーキンソン病およびアルツハイマー病、乾癬および関節リウマチなどの炎症性障害の症状を軽減するため、および眼障害/病態における眼表面の発育および維持を改善するためのかかる化合物の使用が開示される。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
レチノイドは、食事性ビタミンであるビタミンAの代謝に由来する小さい脂溶性分子である。天然および合成レチノイド誘導体は、細胞の成長、分化、アポトーシス、恒常性および胚発生に対し多面発現効果を及ぼす。数々の非選択的レチノイドが現在、販売され、または皮膚科学および腫瘍学における使用に向け臨床治験を受けている。例えば、トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)、イソトレチノイン(13−シスレチノイン酸)およびエトレチナート(合成レチノイン酸類似体)が、ざ瘡、乾癬、光老化および扁平上皮癌の処置において使用され成功を収めている。しかしながら、急性および慢性中毒性副作用(骨格異常、皮膚毒性、トリグリセリド上昇、催奇形性)が一般的に所見され、これは処置の中断につながり得る。
【0004】
レチノイドの生物学的作用は、2種のクラスの核ホルモン受容体、すなわちレチノイン酸受容体(RAR)およびレチノイドX受容体(RXR)により媒介される。RARおよびRXRはステロイド核内受容体スーパーファミリーに属するリガンド依存性転写因子であり、大部分の核内受容体と同様、レチノイド受容体は次のモジュール構造を示す:N末端リガンド非依存性活性化ドメイン(AF−1)、リガンド依存性ドメイン(LBD)に隣接するDNA結合ドメイン(DBD)およびLBDと連続するとともにC末端側終端に位置するリガンド依存性活性化ドメイン(AF−2)。RARおよびRXRの各々について、α、β、およびγとして分類される3種の受容体サブタイプが報告されている。報告によれば全6種のサブタイプは発生中の胚および成体において異なる発現パターンを有し、従って特異的かつ非重複性機能を呈すると考えられる。
【0005】
さらに、各RARおよびRXRサブタイプについて数個のアイソフォームが記載されている。特に、RARβは4個の既知のアイソフォームからなり、これらは2個のプロモーターP1(RARβ1およびRARβ3)およびP2(RARβ2およびRARβ4)を使用して生成される。アイソフォームは、N側最末端に位置するそれらのAF−1転写活性化ドメインの性質が異なるに過ぎない。特に、RARβ1およびRARβ3は非常に類似したAF−1ドメインを有し、唯一の相違はRARβ3における追加的な27アミノ酸挿入の存在である。他方、RARβ2は固有のAF−1ドメインを有するが、RARβ4にはかかるドメインならびにそのDNA結合ドメイン(DBD)の部分が欠損している。文献データは、その切断されたDBDドメインのため、RARβ4がドミナントネガティブ変異体として働く可能性があるという知見を支持する。興味深いことに、アイソフォームは異なる空間的および時間的分布を有する。例えば、マウスにおいて、RARβ1およびRARβ3は比較的制限されたパターンを示し、脳では高い出現率であるとともに、肺および皮膚においては限られた量である。RARβ2は、特に脳および心臓においてより広範に、および肝臓、腎臓および骨格筋においてははるかに低い水準で、発現する。ヒトにおいては、RARβ1、2および4アイソフォームのみが発現する。
【0006】
RARβ2調節化合物は癌を処置するために使用されてもよい。増加する一連の証拠は、RARβ2遺伝子が腫瘍抑制遺伝子であるとともにレチノイドの化学的予防作用がRAβP2の誘導によるものであるという仮説を支持する。例えば、腫瘍抑制特性を伴う遺伝子を不活化させるために一般的に使用される方策である、RARβ2遺伝子の過剰メチル化が、結腸直腸癌、小細胞肺癌および乳癌において確認される。さらに、より高いメチル化頻度もまた乳癌から生じる骨、脳、および肺転移において確認される。RARβ2発現は、乳癌、頭頸癌、肺癌、食道癌、乳腺癌、膵癌、および子宮頸癌を含む多くの悪性腫瘍において低減する。RARβ、および特にRARβ2は、現在このように様々な癌の種々の臨床予防治験においてサロゲートエンドポイントバイオマーカーとして使用されている。RARβ2リガンドは単独で、または既存の化学療法または放射線療法と組み合わせて使用され得るであろう。選択的レチノイドRARα/βリガンドのタキソール(パクリタキセル)との併用処置による相乗的な細胞毒性が既に実証済みである。
【0007】
RARβ2調節化合物は、様々な神経障害を処置するために使用されてもよい。例えばRARβヌルマウスは中脳辺縁系ドーパミンシグナル経路の機能不全に関連する運動性欠陥を呈する。さらにこれらの動物は、シナプス可塑性の広範に研究されている形態である、海馬長期増強(LTP)および長期抑圧(LTD)を欠損する。これは結果として空間学習および記憶課題における実質的な能力欠陥をもたらす。興味深いことに、RARβ2の脳内発現はドーパミンD1およびD2受容体のそれと著しく重複する。他の動物試験は、レチノイドの前駆体であるビタミンAの欠乏が結果として空間学習および記憶障害ならびに海馬の長期シナプス可塑性の消失をもたらすことを明らかにしている。さらに、マウスにおける加齢性関係性記憶欠損はRARβの発現の減少に関連する。パンRARアゴニストであるレチノイン酸の投与は、行動障害の完全な回復および関連するRARβ発現の増加を伴う。これらの作用はRARアンタゴニストの使用により拮抗され得る。最後に、増加する一連の証拠は、RARβ2が末梢および中枢神経系からの神経突起伸長に関与することを示す。従って、RARβ2調節化合物は治療上、パーキンソン病およびアルツハイマー病を含む神経変性障害の処置に関係するであろう。その認知機能への関与のため、認知が変化する神経障害、特に統合失調症もまた関係する。最後に、イソトレチノインの使用からの臨床データが鬱病および自殺との関連を示唆している。
【0008】
RARβ2調節化合物は様々な過剰増殖性および炎症性障害を処置するために使用されてもよい。RARβ発現が皮膚における検出限界を下回ったとしても、RARβ2調節化合物は、FosおよびJun関連タンパク質からなるヘテロ二量体転写因子である活性化タンパク質1(AP1)複合体の転写抑制を通じて、間接的に作用し得る。AP1は、メタロプロテアーゼ、サイトカイン、および乾癬、関節リウマチなどの疾患における細胞外基質の代謝回転、炎症および過剰増殖ならびに腫瘍転移において重要な役割を果たす他の因子の発現に関与する。レチノイドの転写抑制作用は転写活性化とは無関係の機序を通じて媒介され、転写因子のRAR依存性制御およびAP1調節型プロモーター上の補因子構築に関与する。関連する治療適応症としては、ざ瘡、乾癬、光老化および他の皮膚科学的障害が挙げられる。RARβ2調節化合物はまた慢性炎症性障害および特に関節リウマチに対し使用されてもよい。例えば、レチノイドはAP−1複合体との相互作用を通じてコラゲナーゼ遺伝子発現を抑制する。コラーゲンを分解する線維芽細胞間質コラゲナーゼMMP−1は、関節炎における軟骨基質の分解において重要な役割を果たすと考えられる。関節炎の動物モデルにおいて、RARアンタゴニストは関節炎の臨床および組織学的スコアを改善する。
【0009】
RARβ2調節化合物は眼障害/病態を処置するために使用されてもよい。天然レチノイドの前駆体であるビタミンAは眼表面の正常な発育および維持に必須である。眼において、RARβ−mRNA転写物は、角膜実質細胞、結膜線維芽細胞および角膜上皮細胞内で検出可能である。RARβ発現は主に眼窩周囲の間充織および毛様体に限局されている。さらに、レチノイン酸はRARβの角膜および結膜線維芽細胞における発現をさらに誘導する。RARβのノックアウトは、RARβが網膜細胞集団の調節に関与する主要なRARサブタイプであることを示す。ニワトリにおいて、レチノイン酸はそのRARβに対する作用を通じて形態覚遮断近視に関連する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本明細書に開示される一実施形態は、式Iの化合物
【化1】

またはその単一異性体、異性体の混合物、異性体のラセミ混合物、溶媒和物、多形体、代謝産物、または薬学的に許容可能な塩またはプロドラッグを含み、
式中:
1a1b、R1c、R1dは、水素、シアノ、ハロゲン、C1−5置換または非置換直鎖または分岐アルキル、および置換または非置換シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Cyは、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換複素環からなる群より選択され;
は、水素、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルキル、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルケニル、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルキニル、C−C10置換または非置換シクロアルキル、ハロアルキル、−OR、−ROR、−OROR、−N(R)(R2a)、−C(=O)R、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=O)N(R)(R2a)、−N(R)C(=O)(R2a)、−N(R)C(=O)N(R2a)(R2b)、および−C=NN(R)(R2a)からなる群より選択され;
は、C−C10置換または非置換直鎖または分枝アルキレン、C−C10置換または非置換直鎖または分枝アルケニレン、C−C10置換または非置換直鎖または分枝アセチレン、C−C10置換または非置換シクロアルキレン、C−C10置換または非置換ヘテロシクロアルキレン、−OR−、−O−、−N(R)−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−N(R)C(=O)−、−N(R)C(=O)N(R)−、および−C=NN(R)−からなる群より選択され;
Yは、−OH、−NR4a、−C(=O)OH、−OR、および−C(=O)OR−からなる群より選択され;
およびR4aは、水素、−NH、−OH、−SOCH、C−C10置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アリール、および置換または非置換複素環からなる群より独立して選択されるか、またはRおよびR4aは場合により−NRC(=O)Rと置換されるC−Cヘテロアリールを共に形成し;
、R2a、およびR2bは、水素、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルキル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルケニル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルキニル、置換または非置換C−Cシクロアルキル、置換または非置換C−Cシクロアルケニル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群より独立して選択され;
は、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルキレン、置換または非置換C−C直鎖または分枝アルケニレン、C−C置換または非置換直鎖または分枝アルキニレン、置換または非置換C−Cシクロアルキレン、CHCHCH=C(CHCHCH、および置換または非置換C−Cシクロアルケニレンからなる群より選択され;および
は、C−C20置換または非置換の、直鎖または分枝アルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換アリールより選択される。
【0011】
本発明の実施形態においてCyは、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換複素環からなる群より選択される。
【0012】
一実施形態において、式Iの化合物のプロドラッグは、該化合物のエステル誘導体、アミド誘導体、カルボヒドロキサム酸誘導体、イミダゾール誘導体、カルボヒドラジド誘導体、またはペプチド誘導体より選択される。
【0013】
一実施形態において、Yは−ORまたは−C(=O)ORである。
【0014】
ある実施形態において、Cyは次式からなる群より選択される:
【化2】

式中:
、R5a、R5bおよびR5Cは、水素、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルキル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、場合により置換されるC−Cシクロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホン酸塩、ハロアルキル、−OR、−N(R)R6a、−CN、−C(=Z)R、−C(=Z)OR、−C(=Z)N(R)R6a、−N(R)−C(=Z)R6a、−N(R)−C(=Z)N(R6a)R6b、−N(R)−S(=O)R6a、−OC(=Z)R、−S(=O)N(R)R6a、−S(=O)N(R)R6a、−SO、および−SRからなる群より独立して選択され;および
、R6aおよびR6bは、水素、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、C−Cシクロアルキル、およびC−Cシクロアルケニルからなる群より独立して選択されるか、またはR、R6aおよびR6bのうち2個およびそれらが結合する原子が共に複素環を形成する。
【0015】
一実施形態において、Cyは次式からなる群より選択され、
【化3】

式中:
は、水素、C−C直鎖または分枝アルキル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、場合により置換されるC−Cシクロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホン酸塩、ハロアルキル、−OR、−N(R)R6a、および−CNからなる群より独立して選択され;
およびR6aは、水素、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、C−Cシクロアルキル、およびC−Cシクロアルケニルからなる群より独立して選択されるか、またはR、R6aおよびR6bのうち2個およびそれらが結合する原子が共に複素環を形成する。
【0016】
一実施形態において、式Iに従う化合物は次式からなる群より選択される。
【化4】

【化5】

【化6】

【0017】
本発明の実施形態において好ましいプロドラッグは式Iのエステルであり、次式からなる群より選択される。
【化7】

【0018】
一実施形態において、式Iの化合物はRARβ受容体サブタイプにおいて活性を有する。一実施形態において、化合物はレチノイン酸受容体サブタイプβアイソフォーム2(RARβ2)において活性を有する。
【0019】
本明細書に開示される別の実施形態は、癌の処置のための、または癌症状を軽減するための方法を含み、治療的に有効量の少なくとも1種の上述される化合物を対象に投与するステップを含んでなる。本実施形態の態様は、上述される化合物の少なくとも1種を少なくとも1種の化学療法剤および/または放射線療法と併用して投与するステップを含む。用語「と併用して」は、他の処置の前、それと同時、またはその後に与えられることを意味する。一実施形態において、癌は悪性腫瘍に関連する。一実施形態において、癌は、乳癌および頭部、頸部、肺、食道、乳腺、膵臓、または子宮頸部における腫瘍からなる群より選択される。
【0020】
本明細書に開示される実施形態は、神経障害の症状を処置または軽減するための方法を含み、治療的に有効量の少なくとも1種の上述される化合物を対象に投与するステップを含んでなる。一実施形態において、神経障害は、空間学習および記憶課題における能力欠陥および加齢性記憶欠損からなる群より選択される。一実施形態において、神経障害は、認知が変化する障害である。一実施形態において、神経障害は統合失調症である。
【0021】
本明細書に開示される実施形態は、神経変性障害の症状を処置または軽減するための方法を含み、治療的に有効量の少なくとも1種の上述される化合物を対象に投与するステップを含んでなる。一実施形態において、神経変性障害はパーキンソン病またはアルツハイマー病である。
【0022】
本明細書に開示される別の実施形態は、神経変性障害の症状を処置または軽減するための方法を含み、治療的に有効量の少なくとも1種の上述される化合物を対象に投与するステップを含んでなる。一実施形態において、神経変性障害は、例えば脊髄損傷、脳卒中、心筋傷害、多発性硬化症によりミエリンに対し引き起こされる傷害および糖尿病における膵島細胞傷害後に神経再生が必要である場合の神経変性障害の処置方法が関係する。
【0023】
本明細書に開示される別の実施形態は、過剰増殖性または炎症性障害の症状を処置または軽減するための方法を含み、治療的に有効量の少なくとも1種の上述される化合物を対象に投与するステップを含んでなる。一実施形態において、炎症性障害は慢性炎症性障害である。一実施形態において、炎症性障害は乾癬または関節リウマチである。一実施形態は、式Iの少なくとも1種の化合物を、皮質コルチコイド、TNF調節因子、例えば、アダリムマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、およびエファリズマブなどのT細胞活性化調節因子などの炎症性障害向けの他の処置と組み合わせて投与するステップを含む。
【0024】
本明細書に開示される別の実施形態は、眼障害または眼病態の症状を処置または軽減するための方法を含み、治療的に有効量の少なくとも1種の上述される化合物を対象に投与するステップを含んでなる。
【0025】
本明細書に開示される別の実施形態は、鬱病の症状を処置または軽減するための方法を含み、治療的に有効量の少なくとも1種の上述される化合物を対象に投与するステップを含んでなる。
【0026】
本明細書に開示される別の実施形態は、1つまたは複数のRARβ受容体のアゴニスト、インバースアゴニスト、またはアンタゴニストである化合物を同定する方法を含み、RARβ受容体を少なくとも1種の上述される試験化合物と接触させるステップおよび1つまたは複数のRARβ受容体の活性レベルにおける任意の変化を測定することで試験化合物を1つまたは複数のRARβ受容体のアゴニスト、インバースアゴニスト、またはアンタゴニストとして同定するステップを含んでなる。
【0027】
本明細書に開示される別の実施形態は、上述される化合物および少なくとも1種の薬学的に許容可能なアジュバント、賦形剤または担体を含んでなる医薬組成物を含む。
【0028】
本明細書に開示される別の実施形態は、癌の処置において、または癌症状を軽減するために使用される上述の化合物を含む。一実施形態において、化合物は化学療法または放射線療法と組み合わせた使用向けである。一実施形態において、癌は悪性腫瘍に関連する。一実施形態において、癌は、乳癌および頭部、頸部、肺、食道、乳腺、膵臓、または子宮頸部における腫瘍からなる群より選択される。
【0029】
本明細書に開示される別の実施形態は、神経障害の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される上述の化合物を含む。一実施形態において、神経障害は空間学習および記憶課題における能力欠陥および/または加齢性記憶欠損である。一実施形態において、神経障害は認知が変化する障害である。一実施形態において、神経障害は統合失調症である。
【0030】
本明細書に開示される別の実施形態は、神経変性障害の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される上述の化合物を含む。一実施形態において、神経変性障害はパーキンソン病またはアルツハイマー病である。
【0031】
本明細書に開示される別の実施形態は、過剰増殖性または炎症性障害の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される上述の化合物を含む。一実施形態において、炎症性障害は慢性炎症性障害である。一実施形態において、炎症性障害は乾癬または関節リウマチである。
【0032】
本明細書に開示される別の実施形態は、眼障害または眼病態の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される上述の化合物を含む。
【0033】
本明細書に開示される別の実施形態は、鬱病の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される上述の化合物を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
特定の実施形態の詳細な説明
本発明は、式Iの化合物
【化8】

またはその単一異性体、異性体の混合物、異性体のラセミ混合物、溶媒和物、多形体、代謝産物、または薬学的に許容可能な塩またはプロドラッグに関し、
式中:
1a1b、R1c、R1dは、水素、シアノ、ハロゲン、C1−5置換または非置換直鎖または分枝アルキル、および置換または非置換シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Cyは、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換複素環からなる群より選択され;
は、水素、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルキル、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルケニル、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルキニル、C−C10置換または非置換シクロアルキル、ハロアルキル、−OR、−ROR、−OROR、−N(R)(R2a)、−C(=O)R、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=O)N(R)(R2a)、−N(R)C(=O)(R2a)、−N(R)C(=O)N(R2a)(R2b)、および−C=NN(R)(R2a)からなる群より選択され;
は、C−C10置換または非置換直鎖または分枝アルキレン、C−C10置換または非置換直鎖または分枝アルケニレン、C−C10直鎖または分枝アセチレン、C−C10置換または非置換シクロアルキレン、C−C10置換または非置換ヘテロシクロアルキレン、−OR−、−O−、−N(R)−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−N(R)C(=O)−、−N(R)C(=O)N(R)−、および−C=NN(R)−からなる群より選択され;
Yは、−OH、−NR4a、−C(=O)OH、−OR、および−C(=O)ORからなる群より選択され;
およびR4aは、水素、−NH、−OH、−SOCH、C−C10置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アリール、および置換または非置換複素環からなる群より独立して選択されるか、またはRおよびR4aは共に、場合により−NRC(=O)Rと置換されるC−Cヘテロアリールを形成し;
、R2a、およびR2bは、水素、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルキル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルケニル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルキニル、置換または非置換C−Cシクロアルキル、置換または非置換C−Cシクロアルケニル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群より独立して選択され;
は、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルキレン、置換または非置換C−C直鎖または分枝アルケニレン、C−C置換または非置換直鎖または分枝アルキニレン、C−C置換または非置換シクロアルキレン、CHCHCH=C(CHCHCH、およびC−C置換または非置換シクロアルケニレンからなる群より選択され;および
は、C−C20置換または非置換の、直鎖または分枝アルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換アリールより選択される。
【0035】
ある実施形態において、式Iの特定の化合物は、式Iに従う他の化合物へと容易に代謝するプロドラッグである。ある実施形態は、式Iの化合物の誘導体であるプロドラッグを含む。本発明のある実施形態においてプロドラッグは、式Iに従う化合物のエステル誘導体、アミド誘導体、カルボヒドロキサム酸誘導体、イミダゾール誘導体、カルボヒドラジド誘導体、またはペプチド誘導体である。好適なプロドラッグとしては、式Iの化合物および例えば生体内で加水分解性であるなど代謝的に不安定な式Iに従う化合物の誘導体が挙げられる。ある実施形態において、かかるプロドラッグとしては、式中、Yが−ORおよび−C(=O)ORより選択される式Iの化合物が挙げられる。
【0036】
本発明に従う化合物の好ましい実施形態においてCyは、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換複素環からなる群より選択される。
【0037】
上述の実施形態においてCyは好ましくは、次式からなる群より選択される:
【化9】

式中:
、R5a、R5bおよびR5Cは、水素、置換または非置換C−C直鎖または分枝アルキル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、場合により置換されるC−Cシクロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホン酸塩、ハロアルキル、−OR、−N(R)R6a、−CN、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)R6a、−N(R)−C(=O)R6a、−N(R)−C(=O)N(R6a)R6b、−N(R)−S(=O)6a、−OC(=O)R、−S(=O)N(R)R6a、−S(=O)N(R)R6a、および−SOおよび−SRからなる群より独立して選択され;および
、R6aおよびR6bは、水素、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、C−Cシクロアルキル、およびC−Cシクロアルケニルからなる群より独立して選択されるか、またはR、R6aおよびR6bのうち2個およびそれらが結合する原子が共に複素環を形成する。
【0038】
本発明の化合物の好ましい実施形態においてCyは次式からなる群より選択される。
【化10】

【0039】
特定の実施形態において、式Iの化合物は以下の化合物からなる群より選択される:
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【0040】
一態様において、本発明は、癌の処置のための、または癌症状を軽減するための方法に関し、対象に式Iの少なくとも1種の化合物の有効量を投与するステップを含んでなる。本方法は、単独で、または既存の化学療法または放射線療法と組み合わせて使用され得るであろう。
【0041】
一態様において、本発明は、癌が、乳癌、頭頸癌、肺癌、食道癌、乳腺癌、膵癌、および子宮頸癌を含む悪性腫瘍に関連する場合の癌の処置方法に関する。
【0042】
一態様において、本発明は、限定はされないが、空間学習および記憶課題における能力欠陥および加齢性記憶欠損を含む、様々な神経障害の症状を処置または軽減するための方法に関し、対象に式Iの少なくとも1種の化合物の有効量を投与するステップを含んでなる。
【0043】
一態様において、本発明は、パーキンソン病およびアルツハイマー病を含む神経変性障害の処置方法に関し、対象に式Iの少なくとも1種の化合物の有効量を投与するステップを含んでなる。
【0044】
一態様において、本発明は、例えば脊髄損傷、脳卒中、心筋傷害、多発性硬化症においてミエリンに対し引き起こされる傷害および糖尿病における膵島細胞傷害後に神経再生が必要である場合の神経変性障害の処置方法に関し、対象に式Iの少なくとも1種の化合物の有効量を投与するステップを含んでなる。
【0045】
一態様において、本発明は、認知が変化する場合など、例えば統合失調症の神経障害の症状を軽減するための方法に関し、ここで前記方法は対象に式Iの少なくとも1種の化合物の有効量を投与するステップを含んでなる。
【0046】
一態様において、本発明は、様々な過剰増殖性および炎症性障害の処置方法に関し、対象に式Iの少なくとも1種の化合物の有効量を投与するステップを含んでなる。
【0047】
一態様において、本発明は、慢性炎症性障害、例えば関節リウマチに関連する場合の炎症の処置方法に関する。
【0048】
一態様において、本発明は、眼障害/病態を処置するための方法に関し、対象に式Iの少なくとも1種の化合物の有効量を投与するステップを含んでなる。
【0049】
一態様において、本開示は、1つまたは複数のRARβ受容体のアゴニスト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストである化合物を同定するための方法に関し、該方法は次のステップを含んでなる:RARβ受容体を式Iの少なくとも1種の試験化合物と接触させるステップ;および1つまたは複数のRARβ受容体の活性レベルにおける任意の変化を測定することで、1つまたは複数のRARβ受容体のアゴニスト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストである試験化合物を同定するステップ。
【0050】
特定の実施形態において、種々の疾患および病態を軽減するための上記の方法はさらに、接触ステップに先立ち、癌、神経障害、神経変性障害、過剰増殖性および炎症性障害、眼障害/病態の症状の軽減を必要とする対象を同定するステップを含んでなる。
【0051】
ある実施形態において、式Iの化合物はRARβ受容体サブタイプにおける活性を調節する。
【0052】
本明細書に開示される化合物またはプロドラッグの1〜68は、本明細書に開示される方法において使用されるうえで好ましい化合物またはプロドラッグを表す。
【0053】
一態様において、本明細書に開示されるのは、RARβ受容体のアゴニスト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストである化合物の同定方法であり、該方法は、RARβ受容体を発現する細胞を培養するステップ;細胞を本明細書に定義されるとおりの式Iの少なくとも1種の化合物を伴いインキュベートするステップ;およびRARβ受容体の活性における任意の増加または減少を測定することでRARβ受容体のアゴニスト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストである式Iの化合物を同定するステップを含んでなる。
【0054】
特定の実施形態において、培養細胞はRARβ受容体を過剰発現する。他の実施形態において、同定されたアゴニスト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストはRARβ受容体に対し選択的である。化合物がRARβ受容体サブタイプにおける活性を有するか、またはレチノイン酸受容体サブタイプβアイソフォーム2(RARβ2)における活性を有するかについて判定するために、下記実施例40において開示される試験方法が使用されてもよい。この試験を使用する場合、pEC50が≧5.0および%Effが≧25であれば化合物は該受容体における活性を有すると見なされる。
【0055】
一態様において、本発明は、本明細書に記載されるとおりの式Iの化合物、および担体、希釈剤、または賦形剤などの生理学的に許容可能な構成成分、またはそれらの組み合わせを含んでなる医薬組成物に関する。
【0056】
一実施形態において、本明細書に開示される化合物は神経細胞分化を誘導する。例えば、式6および68の化合物はNTERA−2細胞において神経細胞分化を誘導することが発見されている。
【0057】
用語「薬学的に許容可能な塩」は、それが投与される対象に対し有意な刺激作用を引き起こさないとともに化合物の生物活性および特性を抑止しない化合物の製剤を参照する。薬学的塩は、本明細書に開示される化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの無機酸と反応させることにより得ることができる。薬学的塩はまた、本明細書に開示される化合物を、アンモニウム塩などの塩を形成するための塩基、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基の塩、およびアルギニン、リジンなどのアミノ酸を伴う塩などと反応させることによっても得られ得る。
【0058】
本発明に従えば用語「エステル」は、式−(R)−COOR’を伴う化学的部分を参照し、式中、RおよびR’は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(炭素環を通じて結合される)および複素環式(炭素環を通じて結合される)からなる群より独立して選択されるとともに、式中、nは0または1である。
【0059】
「アミド」は、式−(R)−C(O)NHR’または−(R)−NHC(O)R’を伴う化学的部分であり、式中、RおよびR’は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(炭素環を通じて結合される)および複素環式(炭素環を通じて結合される)からなる群より独立して選択されるとともに、式中、nは0または1である。アミドは、本明細書に開示される分子に結合するアミノ酸またはペプチド分子であってもよく、それによりプロドラッグを形成する。
【0060】
ある実施形態において、本明細書に開示される化合物上の任意のアミン、ヒドロキシ、またはカルボキシル側鎖はエステル化またはアミド化されてもよい。本目的を実現するために使用されるべき手順および特定の基は当業者に周知であるとともに、参照によりその全体が本明細書に援用される、グリーン(Greene)およびワッツ(Wuts)、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、ニューヨーク、ニューヨーク州、1999年などの参考文献に容易に見出され得る。
【0061】
ある実施形態において、本明細書に開示される化合物上の任意のエステル、アミドまたは任意の他のカルボン酸誘導体が加水分解され得る。本目的を実現するために使用されるべき手順および特定の基は当業者に周知であるとともに、グリーン(Greene)およびワッツ(Wuts)、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、ニューヨーク、ニューヨーク州、1999年などの参考文献に容易に見出され得る。
【0062】
「プロドラッグ」は、生体内で親薬物に変換される薬剤を参照する。プロドラッグは、ある状況において、例えば代謝的に不安定または加水分解性であり得る親薬物より容易に投与され得るためしばしば有用である。これらは、例えば、経口投与により生体利用可能であり得る一方、親薬物は生体利用可能ではない。プロドラッグはまた医薬組成物において親薬物を上回る改善された溶解度も有し得る。プロドラッグの限定のない例は本明細書に開示される化合物であり得るが、これはエステル(「プロドラッグ」)として投与されることで細胞膜を通る送達を促進し、ここでは水溶性は移動度に対し有害であるが次にはこれが代謝的にカルボン酸に加水分解され、該活性体は、細胞内部に入れば水溶性が有益となる。プロドラッグのさらなる例は酸性基に結合する短鎖ペプチド(ポリアミノ酸)であってもよく、ここではペプチドが代謝され活性部分を曝露する。
【0063】
用語「芳香族」は、共役パイ電子系を有する少なくとも1個の環を有するとともに炭素環式アリール(例えば、フェニル)および複素環式アリール基(例えば、ピリジン)の双方を含む芳香族基を参照する。用語は、単環式または縮合多環式(すなわち、炭素原子の隣接対を共有する環)基を含む。用語「炭素環式」は、1つまたは複数の共有結合的閉環構造を含有するとともに、環の骨格を形成する原子は全て炭素原子である化合物を参照する。用語「複素芳香族」または「ヘテロアリール」は、場合により置換され得る少なくとも1個の複素環を含有する芳香族基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0064】
アリール環および縮合アリールの例としては、限定はされないが、ベンゼン、およびトルエン、アニリン、キシレンなどの置換ベンゼン、ナフタレンおよび置換ナフタレン、およびアズレンが挙げられる。
【0065】
ヘテロアリール環の例としては、限定はされないが、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、キノリン、インドール、イソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジンおよびトリアジンが挙げられる。
【0066】
用語「複素環式」または「複素環」は、窒素、酸素、および硫黄より選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、1〜20個の炭素原子を伴う飽和または不飽和環を参照し、場合により別の芳香環または非芳香環と縮合される。環は場合により、同種または異種の、1個または複数の基により置換されてもよい。場合により環は二環式であってもよい。複素環の例は次のとおりである:ピロジジン(pyllodidine)、ピロリン、ピペリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ジヒドロピペリジン、ジヒドロピリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、チアジンおよびインドリン。様々な実施形態においてこれらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0067】
用語「シクロアルキル」は、環から水素原子が取り除かれた単環状炭化水素(側鎖を伴う、または伴わない)(例えばシクロブタン)に由来する一価基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0068】
シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
【0069】
用語「シクロアルケン」および「シクロアルキン」は、それぞれ1個の環内二重結合または1個の三重結合を有する不飽和単環状炭化水素を参照する。2個以上のかかる多重結合を有するものは、シクロアルカジエン、シクロアルカトリエン等である。任意の数のかかる多重結合を有する任意の環状炭化水素についての総称は、環状オレフィンまたは環状アセチレンである。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0070】
本明細書において使用されるとき、用語「アルキル」は脂肪族炭化水素基を参照する。アルキル部分は「飽和アルキル」基であってもよく、これはアルケンまたはアルキン部分を一切含有しないことを意味する。アルキル部分はまた「不飽和アルキル」部分であってもよく、これは少なくとも1個のアルケンまたはアルキン部分を含有することを意味する。アルキル部分は、飽和または不飽和にかかわらず、分岐、直鎖、または環状であり得る。「アルケン」部分は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合からなる基を参照するとともに、「アルキン」部分は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合からなる基を参照する。「アルケニル」部分は、直鎖状または分岐アルケニル基、例えばエテニル、プロペニル、ブテニルを参照する。「アルキニル」部分は、分岐または非分岐アルキニル基、例えばエチニル、プロパルギルを参照する。「アセチレン」部分は、1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を有する非環式(分岐または非分岐)および環式(側鎖を伴う、または伴わない)炭化水素を参照する。「アルキリデン」部分は、それらの自由価が=CR’R”などの二重結合の一部である同じ炭素原子から2個の水素原子が取り除かれたアルカンから形成される二価基を参照する。アルキリデン基としては、限定はされないが、メチリデン(=CH)およびエチリデン(=CHCH)が挙げられる。
【0071】
アルキル基は1〜20個の炭素原子を有し得る(本明細書に記載されるかどうかにかかわらず、「1〜20」などの数値範囲は所与の範囲における各整数を参照する;例えば、「1〜20個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等、最大かつそれを含め20個の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義はまた数値範囲が何ら指定されない用語「アルキル」の出現も網羅する)。アルキル基はまた、1〜10個の炭素原子を有する中型のアルキルでもあり得る。アルキル基はまた、1〜5個の炭素原子を有する低級アルキルである可能性もある。本明細書に開示される化合物のアルキル基は「C〜Cアルキル」として指定されるか、または同様の指定であり得る。一例に過ぎないが、「C〜Cアルキル」は、アルキル鎖中に1〜4個の炭素原子がある、すなわち、アルキル鎖が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびt−ブチルからなる群より選択されることを示す。
【0072】
アルキル基は置換されても、または置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、および一および二置換アミノ基を含むアミノ、およびそれらの保護誘導体より個々に、かつ独立して選択される1つまたは複数の基である。典型的なアルキル基としては、一切限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。置換基が「場合により置換される」ものとして記載される場合はどれも、置換基は上記の置換基の1個と置換され得る。
【0073】
用語「アルキレン」は、本明細書で定義されるとおりのアルキル基を参照し、これは二価の基であるとともに2個の他の部分に連結される。従って、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)、イソプロピレン(−CH−CH(CH)−)、およびイソブチレン(−CH−CH(CH)−CH−)が、アルキレン基の限定のない例である。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0074】
用語「アルケニレン」は、本明細書に定義されるとおりのアルキレン基を参照し、直鎖状または分岐炭化水素鎖および1個または複数の二重結合を含有する。基は、末端炭素原子の各々から水素原子を取り除くことによって得られる二価の基である。炭化水素鎖中に存在する二重結合が1個のみの場合、これは式−(C2n−2)−により表される。本発明のアルケニレン基は置換されても、または置換されなくてもよい。置換される場合、置換基は、アルキル基置換に関して上記に開示されるものと同じ群より選択される。アルケニレン基としては、限定はされないが、プロペニレン−HC=C=CH−およびビニレン(エテニレン)−HC=CH−が挙げられる。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0075】
用語「アルコキシ」および「アルキルチオ」は、RO−およびRS−を参照し、ここでRはアルキルである。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0076】
単独で記載されるとともに数値指定のない置換基「R」は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(炭素環を通じて結合される)およびヘテロ脂環(炭素環を通じて結合される)からなる群より選択される置換基を参照する。
【0077】
「O−カルボキシ」基はRC(=O)O−基を参照し、式中、Rは本明細書に定義されるとおりである。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0078】
「C−カルボキシ」基は−C(=O)OR基を参照し、式中、Rは本明細書に定義されるとおりである。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0079】
「アセチル」基は−C(=O)CH基を参照する。
【0080】
「トリハロメタンスルホニル」基はXCS(=O)−基を参照し、式中、Xはハロゲンである。
【0081】
「シアノ」基は−CN基を参照する。
【0082】
「イソシアナート」基は−NCO基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0083】
「チオシアナート」基は−CNS基を参照する。
【0084】
「イソチオシアナート」基は−NCS基を参照する。
【0085】
「スルフィニル」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴う−S(=O)−R基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0086】
「S−スルホンアミド」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴う−S(=O)NR基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0087】
「N−スルホンアミド」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴うRS(=O)NH−基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0088】
「トリハロメタンスルホンアミド」基は、本明細書に定義されるとおりのXおよびRを伴うXCS(=O)NR−基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0089】
「O−カルバミル」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴う−OC(=O)−NR基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0090】
「N−カルバミル」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴うROC(=O)NH−基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0091】
「O−チオカルバミル」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴う−OC(=S)−NR基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0092】
「N−チオカルバミル」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴うROC(=S)NH−基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0093】
「C−アミド」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴う−C(=O)−NR基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0094】
「N−アミド」基は、本明細書に定義されるとおりのRを伴うRC(=O)NH−基を参照する。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0095】
用語「ハロアルキル」は、水素原子の1個または複数がハロゲンにより置換されるアルキル基を参照する。かかる基としては、限定はされないが、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルおよびl−クロロ−2−フルオロメチル、2−フルオロイソブチルが挙げられる。様々な実施形態において、これらの基は置換されても、または置換されなくてもよい。
【0096】
置換基の数が特定されない場合(例えばハロアルキル)、1個または複数の置換基が存在し得る。例えば「ハロアルキル」は同種または異種のハロゲンの1個または複数個を含み得る。別の例として「C−Cアルコキシフェニル」は、1、2または3個の原子を含有する同種または異種のアルコキシ基の1個または複数を含み得る。
【0097】
本明細書において使用されるとき、任意の保護基、アミノ酸および他の化合物についての略称は、別段に指示がない限り、それらの一般的用法、認知された略称またはIUPAC−IUB生化学命名法に関する委員会(Commision on Biochemical Nomenclature)(Biochem.、1972年、11、942−944頁)に従うものとする。
【0098】
本明細書において用いられるとき、以下の用語は、それらの化学文献において一般に認められる意味を有する:
AcOH 酢酸
anhydr 無水
CDI 1,l’−カルボニルジイミダゾール
DCM ジクロロメタン
DIPA ジイソプロピルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMDO ジメチルジオキシラン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDCI.HCl 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
LG 脱離基
MeOH メタノール
MW マイクロ波反応器
NMP N−メチルピロリジン
NHOac 酢酸アンモニウム
o.n. 一晩
Pd/C 活性炭上のパラジウム
r.t. 室温
TBAI ヨウ化テトラブチルアンモニウム
TEA トリエチルアミン
Tfp トリ−2−フリルホスフィン
THF テトラヒドロフラン
【0099】
2個の置換基およびそれらが結合する原子が環を形成する場合、それは2個の置換基が結合されるとともに2個の置換基における原子の少なくとも一部が、該置換基が結合する原子と共に環状の原子を作ることを意味する。例えば、以下の構造についてである:
【化15】

【0100】
およびRは結合されて以下の構造などの環を形成する:
【化16】

【0101】
上記の例において、RおよびRおよびそれらが結合する炭素は六員芳香環を形成する。
【0102】
2個の置換基およびそれらが結合する窒素は、縮合ヘテロアリール、または複素環を形成する;これは以下の構造:
【化17】

【0103】
が、例えば、以下の構造の代表であることを意味する:
【化18】

【0104】
別段に指示されない限り、置換基が「場合により置換される」と見なされる場合、これは、置換基が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、ならびに一および二置換アミノ基を含むアミノ、およびそれらの保護誘導体より個々に、かつ独立して選択される1個または複数の基と置換され得る基であることを意味する。上記の置換基の保護誘導体を形成し得る保護基は当業者に周知であるとともに、グリーン(Greene)およびワッツ(Wuts)、上記などの参考文献に見出され得る。
【0105】
本明細書に記載される任意の化合物が1個または複数のキラル中心を有するとともに、絶対立体化学が明示的に示されない場合、各中心は独立して、S配置のR配置またはそれらの混合物のものであり得る。従って、本明細書に提供される化合物は鏡像異性的に純粋であるか、またはジアステレオマー混合物の立体異性体であり得る。加えて、EまたはZとして定義され得る幾何異性体を生成する1つまたは複数の二重結合を有する本発明の任意の化合物において、各二重結合は独立して、EもしくはZまたはそれらの混合物であり得ることが理解される。同様に、全ての互変異性型もまた包含されることが意図される。
【0106】
本明細書に開示される特定の化合物は、光学異性体を含む立体異性体として存在し得る。本開示の範囲は、全ての立体異性体および当業者に周知の方法に従い分離され得るかかる立体異性体のラセミ混合物ならびに個々の鏡像異性体の双方を含む。
【0107】
以下に記載されるスキームは、本明細書に開示される式Iの化合物の合成についての反応スキームの例を提供する。例えば式Iの化合物はスキーム1に描かれる方法に従い合成され得る。
スキーム1
【化19】

【0108】
ニトリルとカルボン酸誘導体との間の縮合に続くO−アルキル化により式Iの化合物が提供される。縮合反応は好ましくはマイクロ波反応器において、好ましくは約150〜180℃の温度で、および好ましくは5〜15分間、実行される。アルキル化は好ましくはマイクロ波反応器において、約150〜180℃の温度で、および好ましくは15〜25分間、実行される。一実施形態において、反応はアセトニトリルを溶媒として伴い実行される。必要な場合にはTIのインサイチュー形成が、例えばNaIまたはKIを伴い実施され得る。最終産物は従来の手段により単離されるとともに、好ましくは再結晶により精製される。Y、TおよびTは本明細書に記載されるとおりの定義を有する。Rは、分岐または非分岐C−Cアルキルまたはハロアルキル、または場合により置換されるフェニルとして定義される。Phはフェニルであり、場合により任意の開環位置において追加的に置換される。LGは脱離基、例えばハロゲン化物として定義される。
【0109】
あるいは一般式Iを有する化合物がスキーム2に描かれる方法に従い得られ得る。
スキーム2
【化20】

【0110】
アミンのアルキル化に続くニトリルの酸加水分解により式Iの化合物が提供される。アルキル化は好ましくはマイクロ波反応器において、約150〜180℃、好ましくは160℃の温度で、および約5〜15分間、だが好ましくはl0分間、実行される。一実施形態において、反応はアセトニトリルを溶媒として伴い実行されるとともに必要な場合には、反応はヨウ化カリウムの存在下で実行され得る。塩基、好ましくはKCOの存在は好適である。ニトリルの加水分解は好ましくはマイクロ波反応器において、約100〜130℃、好ましくは120℃の温度で、および約5〜15分間、だが好ましくは5分間、実行される。TおよびTは上述されるとおりの定義を有する。Phはフェニルであり、場合により任意の開鎖位置で追加的に置換される。LGは脱離基、例えばハロゲン化物または反応に好適な別の脱離基として定義される。
【0111】
あるいは一般式Iを有する化合物はスキーム3に描かれる方法に従い得られ得る。
スキーム3
【化21】

【0112】
カルボン酸のアシル化により式Iの化合物が提供され得る。アシル化は好ましくは、EDCI.HClなどのカップリング試薬の存在下で、および約25〜150℃、好ましくは25℃の温度で、および約5〜24時間、だが好ましくは16時間、実行される。一実施形態において、反応はアセトニトリルまたはDMFを溶媒として伴い実行される。好適な場合には塩基が、好ましくはDIPEA、TEAまたはDIPAが使用される。Cy、T、およびTは本明細書に記載されるとおりの定義を有する。nは1〜2の整数である。Phはフェニルであり、場合により任意の開鎖位置で追加的に置換される。RUは、限定はされないが、NR−NRR、ORおよびNRとして定義され得る。しかしながら、参照により本明細書に援用される、グリーン(Green)(373−451頁;グリーン(Green)ら「Protective groups in organic synthesis」;第3版;John Wiley & sons,Inc:ニューヨーク、USA、1999年)により記載される条件下でアシル化反応を実行することもまた可能である。
【0113】
あるいは一般式Iを有する化合物はスキーム4に描かれる方法に従い得られ得る。
スキーム4
【化22】

【0114】
環状求電子剤と脂肪族求核剤との間のsp−spクロスカップリング反応または環状求電子剤と環状求核剤との間のsp−spカップリングにより式Iの化合物が提供され得る。クロスカップリング反応は、パラジウム触媒、好ましくはtfpをリガンドとして伴うPd(PtBuまたはPd(dba)の存在下で実行される。反応は好ましくはNMP/THFの1:2を溶媒として伴い実行される。温度は約25〜100℃であるとともに反応はl0分間〜16時間後に完了するまで続けられている。生成物は従来の手段で単離されるとともに好ましくはフラッシュクロマトグラフィーにより精製される。LGがトリフレートである場合、反応は好ましくはTBAIの存在下で実行される。LGは脱離基、例えばハロゲン化物、ノナフレートまたはトリフレートとして定義される。Cy、Y、TおよびTは本明細書に記載されるとおり定義される。Phはフェニルであり、場合により任意の開鎖位置で追加的に置換される。
【0115】
あるいは一般式Iを有する化合物はスキーム5に描かれる方法に従い得られ得る。
スキーム5
【化23】

【0116】
式Iの化合物(式中、Yは−C(=O)OHである)は、約−78℃〜−20℃、だが好ましくは−20℃の温度で、THF中0.5〜2時間、好ましくは0.5時間の臭化物またはヨウ化物のリチオ化に続くCO(g)の添加を通じて得られ得る。最終生成物は従来の手段により得られるとともにイオン交換カラムの使用により精製される。Cy、TおよびTは本明細書に記載されるとおり定義される。Phはフェニルであり、場合により任意の開鎖位置で追加的に置換される。
【0117】
あるいは一般式Iを有する化合物はスキーム6に描かれる方法に従い得られ得る。
スキーム6
【化24】

式中、Cy、TおよびTは本明細書に記載されるとおり定義される。Phはフェニルであり、場合により任意の開鎖位置で追加的に置換される。
【0118】
あるいは一般式Iを有する化合物は2つのステップで得ることができ、第1にシアノケトホスホラン(ハリー・H・ワッサーマン(Harry H.Wasserman),H.H.、ホット・W−B(Hot,W−B.);J.Org.Chem.、1994年、59、4364−4366頁)を生成し、次にDMDOによる酸化が実施される(ウォン・M−K(Wong,M−K.)ら;J.Org.Chem.、2001年、66、3606−3609頁)とともにαケト酸が生成される。Cy、Cy、T、TおよびTは上述されるとおりの定義を有する。RUは、限定はされないが、NR−NRR、ORおよびNRとして定義され得る。
【0119】
あるいは一般式Iを有する化合物はスキーム7に描かれる方法に従い得られ得る。
スキーム7
【化25】

【0120】
カルボン酸誘導体の加水分解により式Iの化合物が提供され得る。加水分解は好ましくは、マイクロ波反応器で実施される場合、水の存在下で、および約25〜180℃、好ましくは160℃の温度で、および数分間、だが好ましくは5分間、実行される。しかしながら、反応はまた、還流温度におけるなどの従来の加熱条件下でも実施され得る。好ましくは、反応はTHFを溶媒として伴い実行される。好適な場合には塩基、好ましくは、LiOHまたはNaOHが使用される。Cy、TおよびTは本明細書に記載されるとおり定義される。Phはフェニルであり、場合により任意の開鎖位置で追加的に置換される。RUは、限定はされないが、NR−NRR、ORおよびNRと定義され得る。しかしながら、グリーン(Green)(グリーン(Green)ら「Protective groups in organic synthesis」;第3版;John Wiley & sons,Inc:ニューヨーク、USA、1999年)により記載される条件下で加水分解を実行することもまた可能である。
【0121】
あるいは一般式Iを有する化合物はスキーム8に描かれる方法に従い得られ得る。
スキーム8
【化26】

【0122】
O−アルキル化により式Iの化合物が提供され得る。アルキル化は好ましくはマイクロ波反応器において、約150〜180℃の温度で、および好ましくは15〜25分間、実行される。一実施形態において、反応はアセトニトリルを溶媒として伴い実行される。塩基は好ましくはCsCOだが、他の塩基もまたKCOとして使用され得る。必要な場合にはTIのインサイチュー形成が例えばNaIまたはKIを伴い実施され得る。最終生成物は従来の手段により単離されるとともに、好ましくは再結晶により精製される。Y、TおよびTは本明細書に記載されるとおりの定義を有する。Rは、分岐または非分岐C−Cアルキルまたは場合により置換されるハロ−アルキル、またはフェニルとして定義される。Phはフェニルであり、場合により任意の開鎖位置で追加的に置換される。LGは脱離基、例えばハロゲン化物として定義される。
【0123】
本開示の文意において、「調節因子」は、1つまたは複数のRARβ受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニストまたはアンタゴニストである化合物として定義される。本開示の文意において、「アゴニスト」は、受容体の基礎活性(すなわち、受容体により媒介されるシグナル伝達)を増加させる化合物として定義される。「アンタゴニスト」は、受容体上でのアゴニストの作用を遮断する化合物として定義される。「部分アゴニスト」は、制限された、または完全には達しない活性を呈するため受容体をインビトロで活性化できず、インビトロでアンタゴニストとして機能するアゴニストとして定義される。「インバースアゴニスト」は、受容体の基礎活性を減少させる化合物として定義される。
【0124】
用語「対象」は、処置、観察または実験の対象となる、動物、好ましくは哺乳動物、および最も好ましくはヒトを参照する。哺乳動物は、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ、サル、チンパンジー、および類人猿などの霊長類、およびヒトからなる群より選択される。
【0125】
用語「治療的に有効量」は、適応とされる生物学的または医薬的応答を誘発する活性化合物または医薬品の量を示すために使用される。この応答は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医により探究される組織、系、動物またはヒトにおいて生じ得るとともに、処置されている疾患の症状の軽減を含む。
【0126】
用語「医薬組成物」は、本明細書に開示される化合物の、希釈剤または担体などの他の化学構成成分との混合物を参照する。医薬組成物は化合物の対象に対する投与を促進する。化合物を投与する複数の技術が当該技術分野において存在し、限定はされないが、経口、注射、エアロゾル、非経口、および局所投与が挙げられる。医薬組成物はまた化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの無機または有機酸と反応させることによっても得られ得る。
【0127】
用語「担体」は化合物の細胞または組織への取り込みを促進する化学的化合物を定義する。例えばジメチルスルホキシド(DMSO)は、対象の細胞または組織への多くの有機化合物の取り込みを促進するため一般的に利用される担体である。
【0128】
用語「希釈剤」は水中に希釈される化学的化合物を定義し、目的の化合物を溶解すると同時に化合物の活性型を生物学的に安定化させるものである。緩衝液中に溶解される塩が当該技術分野における希釈剤として利用される。一般的に使用される緩衝液の一つはリン酸緩衝生理食塩水であり、これはそれがヒト血液の塩分条件を模倣しているためである。緩衝塩は溶液のpHを低濃度で制御できるため、化合物の生物活性を改変することはほとんどない。
【0129】
用語「生理学的に許容可能な」は、化合物の生物活性および特性を抑止しない担体または希釈剤を定義する。
【0130】
本明細書に記載される医薬組成物は、それ自体として、または、併用療法におけるとおり他の活性成分と、または好適な担体または賦形剤と混合される場合の医薬組成物において、ヒト患者に投与され得る。本出願の化合物の製剤および投与の技法は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、ペンシルベニア州、第18版、1990年に見出され得る。
【0131】
投与の好適な経路としては、例えば、経口、経直腸、経粘膜、または経腸投与;筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、ならびに髄腔内、直接に脳室内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射を含む、非経口送達が挙げられる。
【0132】
あるいは、化合物を全身的な方式よりむしろ、例えば、しばしばデポーまたは徐放製剤中の、疼痛の部位への直接的な化合物の注射を介して、局所的に投与してもよい。さらに、薬物を標的薬物送達系において、例えば、組織特異的抗体でコーティングされるリポソームにおいて投与してもよい。リポソームは器官を標的とするとともに器官に選択的に取り込まれる。
【0133】
本明細書に開示される医薬組成物は、それ自体既知の方式、例えば、従来の混合、溶解、造粒、ドラジェ作製、粉末化、乳化、カプセル化、封入または打錠処理で製造されてもよい。
【0134】
本開示に従う使用向け医薬組成物は従って、薬学的に使用され得る、活性化合物の調製物への処理を促進する、賦形剤および助剤を含んでなる1つまたは複数の生理学的に許容可能な担体を使用する従来の方式で調合されてもよい。適正な製剤は選択される投与経路に依存する。任意の周知の技法、担体、および賦形剤が、好適なとおり、かつ当該技術分野において理解されるとおり使用され得る;例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、上記。
【0135】
注射用に、本明細書に開示される薬剤が、水溶液中、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、または緩衝生理食塩水などの生理学的に適合性を有する緩衝液中に調合されてもよい。経粘膜投与用に、透過を妨害するのに適した浸透剤が製剤中に使用される。かかる浸透剤は一般的に当該技術分野において周知である。
【0136】
経口投与用に、化合物は、活性化合物を当該技術分野において周知の薬学的に許容可能な担体と組み合わせることにより容易に調合され得る。かかる担体は、本明細書に開示される化合物が、処置されるべき患者による経口摂取用の錠剤、丸薬、ドラジェ、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして調合されることを可能にする。経口使用向け医薬調製物は、1つまたは複数の固形賦形剤を本明細書に開示される医薬的組み合わせで混合することにより、場合により結果として得られる混合物を粉砕すること、および所望であれば、錠剤またはドラジェ核を得るべく好適な助剤の添加後、顆粒の混合物を処理することにより得られ得る。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物などの賦形剤である。所望であれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩などの崩壊剤が添加されてもよい。
【0137】
ドラジェ核には好適なコーティングが提供される。本目的上、濃縮糖液が使用されてもよく、これは場合により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有し得る。染料または色素が、識別用に、または活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴づけるため、錠剤またはドラジェコーティングに添加されてもよい。
【0138】
経口的に使用され得る医薬調製物としては、ゼラチンで作製されるプッシュフィット型カプセル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤で作製されるソフトなシールドカプセルが挙げられる。プッシュフィット型カプセルは、ラクトースなどの賦形剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および場合により安定剤との混合物中に活性成分を含有できる。ソフトカプセルにおいて、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体中に溶解または懸濁されてもよい。加えて、安定剤が添加されてもよい。全ての経口投与用製剤はかかる投与に好適な投与量とされるべきである。
【0139】
口腔投与用に、組成物は従来の方式で調合される錠剤またはロゼンジの形態をとってもよい。
【0140】
吸入による投与用に、本開示に従う使用向け化合物は好都合にも加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾル噴霧剤提供物の形態で、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適な気体の使用を伴い送達される。加圧エアロゾルの場合、服用単位は定量を送達するためのバルブを設けることにより決定されてもよい。例えば、インへラーまたは吸入器における使用向けゼラチンのカプセルおよびカートリッジが、化合物の混合粉体およびラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤を含有して調合されてもよい。
【0141】
化合物は、注射による、例えば、ボーラス投与または持続注入による非経口投与向けに調合されてもよい。注射用製剤は、例えば、アンプルまたは複回用量容器で、添加防腐剤を伴い、単位剤形で提供されてもよい。組成物は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液または乳剤などの形態をとってもよいとともに、懸濁剤、安定剤および/または分散剤などの調合剤を含有してもよい。
【0142】
非経口投与用医薬製剤は、水溶性の活性化合物の水溶液を含む。加えて、活性化合物の懸濁液は、然るべき油性注射懸濁液として調製されてもよい。好適な脂溶性溶媒または媒体としては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してもよい。場合により、懸濁液はまた、化合物の溶解度を増加させ高濃度の溶液の調製を可能にする好適な安定剤または薬剤を含有してもよい。
【0143】
あるいは、活性成分は、使用前に好適な媒体、例えば無菌パイロジェンフリー水を伴い構成するべく、粉末状であってもよい。
【0144】
化合物はまた、例えば、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐薬基剤を含有する坐薬または停留浣腸などの直腸用組成物中に調合されてもよい。
【0145】
先述される製剤に加え、本化合物はデポー調製物として調合されてもよい。かかる長時間作用型製剤は、植え込みにより(例えば皮下または筋肉内に)、または筋肉内注射により投与されてもよい。従って、例えば、化合物は、好適なポリマーまたは疎水性材料(例えば乳剤として許容可能な油)またはイオン交換樹脂を伴い、または難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として調合されてもよい。
【0146】
本明細書に開示される疎水性化合物用の医薬担体は、ベンジルアルコール、無極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、および水相を含んでなる共溶媒系である。一般的に使用される共溶媒系はVPD共溶媒系であり、これは、無水エタノールにおける容量で作製される、3%w/vベンジルアルコール、8%w/vの無極性界面活性剤ポリソルベート(Polysorbate)80(商標)、および65%w/vのポリエチレングリコール300の溶液である。当然ながら、共溶媒系の比率はその溶解度および毒性特性を破壊することなく相当に変動し得る。さらに、共溶媒構成成分の同一性は変動し得る:例えば、ポリソルベート(POLYSORBATE)80(商標)の代わりに他の低毒性無極性界面活性剤が使用されてもよい;ポリエチレングリコールの画分サイズは変動し得る;他の生体適合性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドンがポリエチレングリコールに代わってもよい;および他の糖類または多糖類が使用されてもよい。
【0147】
あるいは、疎水性医薬化合物用の他の送達系が用いられてもよい。リポソームおよび乳剤は、疎水性薬物用の送達媒体または担体の周知の例である。ジメチルスルホキシドなどの特定の有機溶媒もまた用いられ得るが、通常はより高い毒性という代償がある。加えて、化合物は、治療剤を含有する疎水性固体ポリマーの半透性マトリクスなどの徐放系を使用して送達されてもよい。様々な徐放材料が確立されているとともに当業者に周知である。徐放カプセルは、それらの化学的性質に応じ、数週間から100日間を超えるまで化合物を放出してもよい。治療用試薬の化学的性質および生物学的安定性に応じて、安定化のための追加的な方策が用いられてもよい。
【0148】
本明細書に開示される薬剤の組み合わせで使用される化合物は、薬剤適合性を有する対イオンを伴う塩として提供されてもよい。薬剤適合性を有する塩は、限定はされないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含む、多くの酸を伴い形成されてもよい。塩は、対応する遊離酸または塩基性型より、水性または他のプロトン性溶媒中でより高い可溶性を有する傾向がある。
【0149】
本明細書に開示される方法において使用するのに好適な医薬組成物としては、活性成分がその意図された目的を達成するために有効な量で含有される組成物が挙げられる。より具体的には、治療上の有効量とは、疾患の症状を予防する、軽減する、または寛解させるために有効な、または処置されている対象の生存を延長させる化合物の量を意味する。治療上の有効量の決定は、特に本明細書に提供される詳細な開示に照らし合わせれば、十分に業者の能力の範囲内である。
【0150】
本明細書に開示される医薬組成物についての正確な製剤、投与経路および投薬量は、個々の医師により患者の病態を勘案して選択され得る。(例えば、フィングル(Fingl)ら、1975年、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、第1章、1頁を参照)。典型的には、患者に投与される組成物についての用量は、約0.5〜1000mg/患者の体重1kg、または1〜500mg/kg、または10〜500mg/kg、または50〜100mg/患者の体重1kgであり得る。投薬量は、患者の必要に応じて、単回投薬量または1日以上の期間中に与えられる一連の複数回投薬量であり得る。本開示において言及される特定の化合物のほぼ全てについて、少なくともある病態の処置向けのヒト用投薬量が確立されていることに留意されたい。従って、多くの例において、本明細書に開示される方法はそれらと同じ投薬量、または約0.1%〜500%の間、または約25%〜250%の間、または50%〜100%の間の確立されたヒト用投薬量である投薬量を使用するであろう。新規に発見された医薬化合物の場合に該当するであろうような、確立されたヒト用投薬量がない場合、好適なヒト用投薬量はED50またはID50値、または動物における毒性試験および有効性試験により認定されるとおりの、インビトロまたはインビボ試験から導出される他の然るべき値から推定され得る。
【0151】
正確な投薬量は各薬物に基づき決定されるであろうが、多くの場合、投薬量に関するある一般化が行われ得る。成人ヒト患者向け1日投薬量レジメンは、例えば、遊離塩基として計算される本明細書に開示される医薬組成物またはその薬学的に許容可能な塩の各成分が0.1mg〜500mgの間、好ましくは1mg〜250mgの間、例えば5〜200mgの経口用量、または各成分が0.01mg〜100mgの間、好ましくは0.1mg〜60mgの間、例えば各成分が1〜40mgの静脈内、皮下、または筋肉内用量であってもよく、組成物は1日1〜4回投与される。あるいは本明細書に開示される組成物は持続静脈内注入により、好ましくは各成分の用量が1日最大400mgとして投与されてもよい。従って、各成分の経口投与による1日の総投薬量は典型的には1〜2000mgの範囲であろうとともに非経口投与による1日の総投薬量は典型的には0.1〜400mgの範囲であろう。好適には化合物は持続的治療期間、例えば1週間またはそれ以上、または数ヶ月間または数年間にわたり投与されるであろう。
【0152】
投薬の量および間隔が個々に調整され、調節作用を維持するために十分な活性部分の血漿濃度、または最小有効濃度(MEC)が提供されてもよい。MECは各化合物について変動するであろうがインビトロデータから推計され得る。MECを実現するために必要な投薬量は、個々の特性および投与経路に依存するであろう。しかしながら、HPLCアッセイまたはバイオアッセイが使用されることで血漿濃度は決定され得る。
【0153】
投薬間隔はまた、MEC値を使用しても決定され得る。組成物は、期間中の10〜90%、好ましくは30〜90%の間および最も好ましくは50〜90%の間についてMECを上回る血漿濃度を維持するレジメンを使用して投与されるべきである。
【0154】
局所投与または選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は血漿濃度と関係しないこともある。
【0155】
投与される組成物の量は、当然ながら、処置されている患者、患者の体重、疾病の重篤度、投与様式および処方する医師の判断に依存する。
【0156】
組成物は、所望であれば、包装または分注装置で提供されてもよく、これは活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有し得る。包装は例えば、ブリスター包装などの金属またはプラスチック箔を含んでなってもよい。包装または分注装置は投与についての説明書を伴ってもよい。包装または分注装置はまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する行政当局により規定される形式での内容物に関連する通知も伴ってもよく、該通知はヒトまたは動物用投与向け薬物の形式文書の当局による認可を反映するものである。かかる通知は、例えば、処方薬について米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)により認可された貼付ラベル、または認可された製品の添付文書であってもよい。適合性を有する医薬担体中に調合される、本明細書に開示される化合物を含んでなる組成物はまた、調製され、然るべき容器に包入され、および適応とされる病態の処置についてラベル表示されてもよい。
【0157】
本開示の趣旨を逸脱することなく数々の、および様々な改変がなされ得ることは当業者により理解されるであろう。従って、本明細書に開示される形態は単に例示であるとともに本開示の範囲を限定することは意図されないことは明確に理解されるべきである。
【実施例】
【0158】
実施例
以下の例は本発明の説明として提供されるが、決して本明細書の範囲を限定するものとして考えられるべきではない。
【0159】
実施例1
2−フルオロ−4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−チアゾール−2−イル)−安息香酸エチルエステル(スキーム1)
4−シアノ−2−フルオロ−安息香酸エチルエステル(386mg、2.0mmol)、2−メルカプトプロピオン酸(178μl、2.0mmol)およびピリジン(154μl、1.0mmol)がMWバイアルに移された。混合物が渦流混合機(Whirl mixer)上で完全に混合され、MW内で15分間、150℃で加熱されたことにより、黄色固体が得られた。ピリジンが真空中で除去された。この手順が5回繰り返された。反応混合物が混和され、CHCNでの洗浄により1.90g(67%)の表題化合物が黄色固体として得られた。H NMR(CDCl):δ 8.02−7.98(m、1H);7.63−7.59(m、2H);4.44(q、J=7.04、2H);2.39(s、3H)、1.41(t、J=7.03、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 164.0;164.0;163.7;161.1;159.0;157.6;138.4;138.3;133.1;132.9;132.7;121.0;120.9;119.7;119.6;116.0;114.1;113.8;110.5;106.9;61.7;14.4;9.6。
【0160】
実施例2
4−[4−(2−ブトキシ−エトキシ)−5−メチル−チアゾール−2−イル]−2−フルオロ−安息香酸(式3の化合物)(スキーム1)
2−フルオロ−4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−チアゾール−2−イル)−安息香酸エチルエステル(281mg、1.0mmol)がMWバイアルに移され、臭化2−ブトキシエチル(362mg、2.0mmol)、CsCO(652mg、2.0mmol)およびCHCN(4mL)が添加された。バイアルがMW内で25分間、180℃で加熱された。この手順が6回繰り返された。反応混合物が混和され、ろ過され、真空中で濃縮され、および低沸点不純物がクーゲルロール(Kugel−Rohr)蒸留装置により除去された(蒸留は160℃、5×10−2トルで停止された)。結果として得られたダーク油が3つのアリコートに分割され、3個のMWバイアルに移された。水酸化リチウム一水和物(252mg、6.0mmol)およびHO/THFの1:2混合物(3mL)がバイアルに添加された。バイアルに蓋がされ、160℃まで5分間、MW内で加熱された。結果として得られた混合物が混和され、EtOAcを伴い分離漏斗に移された。有機相が2MのNaOHおよび水で抽出された。水相が2MのHClで酸性化され、EtOAcで抽出された。有機相がNaSOにより乾燥され、ろ過され、および真空中で濃縮されたことで、1.45g(68%)の表題化合物が黄色固体として得られた。H NMR(CDCl):δ 8.04−8.00(m、1H);7.66−7.61(m、2H);4.53−4.51(m、2H);3.80−3.78(m、2H);3.57−3.53(m、2H);2.33(s、3H);1.62−1.56(m、2H);1.41−1.30(m、2H);0.92(t、J=7.60、3H)。13C NMR(CDCl):δ 168.6;164.4;161.8;160.7;160.6;159.6;156.0;140.9;140.8;133.6;120.7;120.7;117.7;113.7;113.4;110.3;71.5;70.0;69.7;32.0;19.5;14.1;9.7。
【0161】
実施例3
4−(5−ヘプチル−ピリミジン−2−イル)−安息香酸(スキーム2B)
4−(5−ヘプチルピリミジン−2−イル)ベンゾニトリル(100mg、0.36mmol)が、水(0.4mL)、硫酸(1.0mL)および氷酢酸(1.0mL)と混合された。混合物が120℃まで加熱され、8時間後に該混合物は室温に冷却された。反応混合物がろ過され、固体は50%NaOHおよび次に4MのHClで洗浄された。収量:91mg(85%)。13C NMR(100MHz、DMSO):167.0;160.4;157.3(2C);141.1;134.1;132.3;129.7(2C);127.5(2C);31.2;30.1;29.2;28.5;28.4;22.0;13.9。LC/MS:純度(UV/MS):99/98。
【0162】
実施例4
4−シアノ−2−フルオロ−安息香酸エチルエステル(スキーム3)
4−シアノ−2−フルオロ安息香酸(2.15g、13mmol)、純EtOH(1.59mL、27.3mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(5.23g、27.3mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.69g、27.3mmol)が乾燥シュレンクフラスコに移され、該フラスコは脱気されたうえアルゴンで充填された。DMF(70mL)が添加され、混合物は氷浴上で0℃に冷却された後DIPEA(3.9mL、27.3mmol)が添加された。反応混合物は室温まで徐々に加温され、14時間攪拌された。反応混合物がEtOAcを伴い分離漏斗に移され、5%クエン酸、HO、1MのNaOHおよびブラインで洗浄された。有機相が収集されたうえNa2SOにより乾燥され、ろ過され、および真空中で濃縮された。EtOAcおよびヘプタンによる再結晶により2.34g(93%)の表題化合物が白色固形として得られた。H NMR(CDCl):δ 8.07−8.03(m、1H);7.53−7.51(m、1H);7.47−7.44(m、1H);4.44(q、J=7.03、2H);1.41(t、J=7.04、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 163.1;163.1;162.7;160.1;133.3;133.3;127.9;127.8;123.9;123.8;121.2;120.9;117.6;116.9;116.9;62.4;14.4。
【0163】
実施例5
4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステル(スキーム3)
4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(1071mg、5.0mmol)、純エタノール(3.0mL)および濃硫酸(0.5mL)が5mLのMWバイアルに移され、該バイアルに蓋がされた。混合物は170℃まで1分間、マイクロ波反応器内で加熱された。冷却後、混合物がEtOAc、含水NaHCOおよびブラインを伴い分離漏斗に移された。有機相が収集され、NaSOにより乾燥されたうえ濃縮された。乳白色結晶(927mg、収率77%)の表題化合物が得られた。H NMR(400MHz、CDCl):δ 8.12−8.07(m、2H);7.63−7.58(m、2H);7.54−7.50(m、2H);6.97−6.92(m、2H);4.41(q、J=7.24、2H);1.41(t、J=7.03、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 166.9;156.1;145.3;132.9;130.3(2C);128.8(2C);126.7(2C);116.1(2C);61.2;14.6。
【0164】
実施例6
4’−ノニル−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステル(スキーム4)
シュレンクフラスコが乾燥され、アルゴンで洗い流された。亜鉛末(1059mg、16.2mmol)がフラスコに移された後フラスコを再蒸発させ、およびアルゴンを伴いろ過された。0.4mLのTHFおよび1,2−ジブロモエタン(46μl、101mg、0.54mmol、6mol%)が添加された。混合物がヒートガンで徐々に加熱されTHFを沸騰させた。約1分後、反応混合物が形成され、加熱が中断された。約1分後、加熱冷却プロセスがさらに2回繰り返された。0.04mLのトリメチルシリルクロリドが添加され、反応混合物が5分間攪拌された。次に3滴のn−デカンを伴う3mLのTHF中のヨウ化ノニル(2287mg、9mmol)の溶液が徐々に添加された。次に混合物が室温で1時間、次に50℃で2時間、加熱された。反応混合物がGC分析およびヨウ素分解により検査された。反応の完了後、亜鉛懸濁液を沈降させた。シュレンクフラスコが乾燥され、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(115mg、0.125mmol、5mol%)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(175mg、0.5mmol、20mol%)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(924mg、2.5mmol)がそれに移された。2mLのNMPに続き4’−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステル(935mg、2.5mmol)および予め作製された亜鉛試薬の溶液が添加された。混合物が60℃まで14時間加熱された。冷却後、混合物が含水NHClで急冷され、EtOAcを伴う水性ワークアップが実施された。有機相が混和されたうえセリット上で濃縮された。混合物がフラッシュクロマトグラフィー(4gカラム、ヘプタン中の0〜5%EtOAc)により精製され、744mg(収率84%)の表題化合物が白色結晶として得られた。
H NMR(CDCl):δ 8.14−8.08(m、2H);7.69−7.63(m、2H);7.58−7.53(m、2H);7.31−7.26(m、2H);4.40(q、J=7.03、2H);2.66(t、J=7.63、2H);1.70−1.60(m、2H);1.41(t、J=7.04、3H);1.39−1.20(m、12H);0.88(t、J=7.63、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 166.8;145.7;143.4;137.6;130.2(2C);129.2(2C);127.3(2C);127.0(2C);61.1;35.9;32.1;31.6;29.8;29.7;29.6;29.5;22.9;14.6;14.3。
【0165】
実施例7
4’−(トランス−4−ペンチル−シクロヘキシル)−ビフェニル−4−カルボン酸(スキーム2)
トランス−4−シアノ−4’−(4−N−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニル(50mg、0.16mmol)が、水(0.2mL)、硫酸(0.5mL)および氷酢酸(0.5mL)と混合された。混合物が120℃まで加熱され、8時間後、該混合物は室温に冷却された。反応混合物がろ過され、固体が50%NaOHおよび次に4MのHClで洗浄された。収量:51mg(91%)。LC/MS:純度(UV/MS):85/90。
【0166】
実施例8
4’−ノニル−ビフェニル−4−カルボン酸(式2の化合物)(スキーム8)
352mg(1mmol)の4’−ノニル−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステルおよび126mg(3mmol)の水酸化リチウム一水和物が5mLのマイクロ波加熱用バイアル中に入れられ、HO/THFの1:2混合物が添加された。混合物に蓋がされ、160℃まで5分間加熱された。反応混合物が水で洗浄されたうえ有機相が混和され、NaSOにより乾燥され、ろ過され、および真空中で濃縮されたことで、221mg(68%)の表題化合物が白色結晶として得られた。H NMR(CDCl):δ 8.22−8.14(m、2H);7.72−7.67(m、2H);7.60−7.54(m、2H);7.32−7.27(m、2H);2.66(t、J=7.60、2H);1.72−1.60(m、2H);1.43−1.22(m、12H);0.88(t、J=6.80、3H)。13C NMR(CDCl):δ 171.0;143.6;137.4;130.9(2C);129.3(2C);127.8;127.4(2C);127.1(2C);35.9;32.1;31.6;29.8;29.7;29.5;29.5;22.9;14.3。
【0167】
実施例9
基本手順1(GP1)(基本スキーム3に基づく)
4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸フラン−2−イルメチルエステル
PS−トリフェニルホスフィン(3mmol PPh/樹脂)(167mg、0.5mmol)に四塩化炭素(1mL)およびDCM(3mL)、続いて4−オクチルビフェニル−4’−カルボン酸(78mg、0.25mmol)が添加され、反応混合物が80℃まで22時間加熱された。混合物が50℃まで冷却され、フルフリルアルコール(0.02mL、0.23mmol)およびN−メチルモルホリン(0.03mL、0.27mmol)が添加され、および混合物が50℃で64時間加熱された。次に混合物が室温に冷却され、ガラス漏斗を通じてろ過された。反応混合物の半分はDCM(4mL)およびPS−トリスアミン(106mg、約0.3mmol)の混合物に注がれた。混合物が室温で16時間攪拌された。混合物がろ過されたうえろ液が真空中で濃縮された。収量:18mg(40%)。H NMR(CDCl):δ 8.12−8.07(m、2H);7.67−7.61(m、2H);7.56−7.51(m、2H);7.47−7.44(m、1H);7.40−7.24(m、2H);6.51−6.48(m、1H);6.41−6.38(m、1H)、5.33(s、2H);2.65(q、J=7.60、2H);1.70−1.59(m、2H);1.42−1.20(m、12H);0.89(t、J=6.80、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 166.4;149.9;146.1;143.5;143.5;137.5;130.5(2C);129.3(2C);128.6;127.4(2C);127.0(2C);111.0;110.8;58.7;35.9;32.1;31.7;30.3;29.7;29.6;29.5;22.9;14.3。
【0168】
4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸フェネチル−アミド
PS−トリフェニルホスフィン(3mmol PPh/樹脂)(183mg、0.55mmol)に四塩化炭素(2mL)およびDCM(3mL)、続いて4−オクチルビフェニル−4’−カルボン酸(77mg、0.25mmol)が添加された。最後にフェネチルアミン(0.03mL、0.25mmol)およびN−メチルモルホリン(0.03mL、0.27mmol)が添加され、混合物が50℃で64時間加熱された。次に混合物が室温まで冷却され、ガラス漏斗を通じろ過された後、収集された樹脂がDCMで洗浄された。混和および洗浄されたろ液が0.1MのHCl、ブライン、NaHCO(飽和)およびブラインで洗浄された。有機層がNaSOにより乾燥され、ろ過され、および真空中で濃縮された。収量:74mg(71%)。H NMR(CDCl):δ 7.76−7.72(m、2H);7.64−7.59(m、2H);7.53−7.49(m、2H);7.35−7.31(m、2H);7.29−7.23(m、5H);6.13(s、1H);3.75(q、J=6.83、2H);2.96(t、J=6.84、2H);2.65(t、J=7.81、2H);1.70−1.60(m、2H);1.42−1.20(m、10H);0.88(t、J=6.20、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 166.2;143.2;142.0;138.0;136.3;132.0;128.0(2C);127.8(2C);127.7(2C);126.3(2C);126.0(2C);125.6;40.1;34.8;34.6;30.9;30.4;28.5;28.3;28.2;21.7;13.1。
【0169】
実施例10
基本手順2(GP2)(基本スキーム3に基づく)
4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸ベンジルアミド
PS−トリフェニルホスフィン(3mmo1 PPh/樹脂)(184mg、0.55mmol)に四塩化炭素(2mL)およびDCM(3mL)、続いて4−オクチルビフェニル−4’−カルボン酸(93mg、0.30mmol)が添加された。最後にベンジルアミン(0.03mL、0.25mmol)およびN−メチルモルホリン(0.04mL、0.27mmol)が添加され、混合物が50℃で64時間加熱された。次に混合物が室温まで冷却され、ガラス漏斗を通じろ過された後、収集された樹脂が少量のDCMで洗浄された。混和された洗浄液およびろ液にPS−トリスアミン(50mg、約0.3mmol)が添加された。混合物が室温で16時間攪拌された。混合物がろ過され、ろ液は真空中で濃縮された。収量:123mg(定量的収率)。H NMR(DMSO):δ 9.19−9.20(m、1H);8.00−7.95(m、2H);7.78−7.73(m、2H);7.67−7.61(m、2H);7.37−7.18(m、7H);4.53−4.48(m、2H);2.66−2.58(m、2H)、1.66−1.55(m、2H);1.46−1.18(m、10H);0.86(t、J=6.65、3H)。
【0170】
4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸(2−シアノ−エチル)−アミド
表題化合物がGP2に従い3−アミノプロピオニトリル(19mg、0.27mmol)および4−オクチルビフェニル−4’−カルボン酸(93mg、0.30mmol)から調製された。収量:49mg(50%)。H NMR(CDCl):δ 7.88−7.83(m、2H);7.68−7.63(m、2H);7.56−7.50(m、2H);7.30−7.25(m、2H);6.82(s、2H);3.73(q、J=6.25、2H);2.76(t、J=6.25、2H);2.65(t、J=7.62、2H);1.73−1.60(m、2H);1.40−1.20(m、10H);0.89(t、J=6.45、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 167.9;145.0;143.3;137.2;132.0;129.2(2C);127.7(2C);127.3(2C);127.2(2C);118.4;36.4;35.8;32.0;31.6;29.6;29.5;29.4;22.8;18.7;14.2。
【0171】
4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸フラン−2−イルメチルエステル
表題化合物がGP2に従いフルフリルアミン(26mg、0.27mmol)および4−オクチルビフェニル−4’−カルボン酸(93mg、0.30mmol)から調製された。収量:66mg(50%)。LC/MS:純度(UV/MS):36/−。
【0172】
実施例11
基本手順3(GP3)(基本スキーム3に基づく)
4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミド
PS−トリフェニルホスフィン(3mmol PPh/樹脂)(230mg、0.69mmol)に四塩化炭素(2mL)およびDCM(3mL)、続いて4’−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸(104mg、0.35mmol)が添加された。最後に、2−2−アミノエチルピリジン(0.04mL、43mg、0.35mmol)およびN−メチルモルホリン(0.05mL、0.42mmol)が添加され、混合物が50℃で64時間加熱された。粗混合物はPSAおよびSCXイオン交換カラムに流過させた。ろ液が真空中で濃縮された。収量:100mg(69%)。H NMR:純度:>90%。H NMR(CDCl):δ 8.60−8.56(m、1H);7.84−7.80(m、2H);7.67−7.57(m、3H);7.57−7.50(m、2H);7.24−7.15(m、2H);7.00−6.95(m、2H);4.00(t、J=6.64、2H);3.90(q、J=5.67、2H);3.12(t、J=5.86、2H);1.85−1.70(m、2H)、1.50−1.25(m、8);0.90(t、J=6.84、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 160.1;149.3;143.9;136.9;128.4(2C);127.6(2C);127.7(2C);123.7;121.8;115.1(2C);68.3;39.3;36.8;31.9;29.4;29.2;26.2;22.6;14.2。
【0173】
4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(2−シアノ−エチル)−アミド
表題化合物がGP3に従い3−アミノプロピオニトリル(25mg、0.35mmol)および4’−ヘキシルオキシビフェニル−4’−カルボン酸(104mg、0.35mmol)から調製された。収量:75mg(61%)。H NMR:純度:>90%。
【0174】
4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(2−シアノ−エチル)−アミド
表題化合物がGP3に従い3−アミノプロピオニトリル(25mg、0.35mmol)および4’−ヘプチルオキシビフェニル−4’−カルボン酸(109mg、0.35mmol)から調製された。収量:59mg(46%)。LC/MS:
【0175】
4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド
表題化合物がGP3に従い4−フルフリルアミン(0.03mL、33mg、0.35mmol)および4’−ヘプチルオキシビフェニル−4’−カルボン酸(109mg、0.35mmol)から調製された。収量:116mg(85%)。純度(UV/MS):76/−。
【0176】
4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミド(式54の化合物)
表題化合物がGP3に従い2−2−アミノエチルピリジン(0.04mL、43mg、0.35mmol)および4’−オクチルオキシビフェニル−4’−カルボン酸(114mg、0.35mmol)から調製された。収量:146mg(97%)。
【0177】
4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(2−シアノ−エチル)−アミド(式51の化合物)
表題化合物がGP3に従い3−アミノプロピオニトリル(25mg、0.35mmol)および4’−オクチルオキシビフェニル−4’−カルボン酸(114mg、0.35mmol)から調製された。収量:70mg(53%)。
【0178】
4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド
表題化合物がGP3に従い4−フルフリルアミン(0.03mL、33mg、0.35mmol)および4’−オクチルオキシビフェニル−4’−カルボン酸(114mg、0.35mmol)から調製された。収量:121mg(85%)。純度(UV/MS):73/90。
【0179】
実施例12
基本手順4(GP4)(基本スキーム3に基づく)
4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボン酸(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミド
PS−トリフェニルホスフィン(3mmol PPh/樹脂)(161mg、0.48mmol)に四塩化炭素(2mL)およびDCM(3mL)、続いて4’−ヘキシルビフェニルカルボン酸(50mg、0.15mmol)が添加された。最後に、2−(2’−アミノエチル)ピリジン(22mg、0.18mmol)およびN−メチルモルホリン(0.05mL、0.42mmol)が添加され、混合物が50℃で64時間加熱された。粗混合物はPSAイオン交換カラムおよびSCXイオン交換体を流過させた。ろ液が真空中で濃縮された。粗固体に4mLのDCMおよびPSトリスアミン(50mg、約0.3mmol)が添加された。混合物が室温で16時間攪拌された。混合物がろ過され、別のPSAイオン交換カラムに流過され、続いて、ろ液が真空中で濃縮された。収量:4mg(6%)。H NMR(MeOD):δ 8.51−8.47(m、1H);7.84−7.74(m、3H);7.67−7.63(m、2H);7.56−7.51(m、2H);7.40−7.36(m、1H);7.31−7.22(m、3H);3.75(t、J=7.03、2H);3.12(t、J=7.23、2H);2.63(t、J=7.62、2H);1.68−1.58(m、2H)、1.40−1.25(m、6H);0.89(t、J=6.65、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):δ 169.9;160.2;149.4;145.6;144.1;139.2;138.5;134.0;130.1(2C);128.8(2C);128.0(2C);127.8;125.4;123.4;40.9;38.2;36.5;32.9;32.6;30.0;23.6;14.4。LC/MS:純度(UV/MS):94/68。
【0180】
4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド
表題化合物がGP4に従い4−フルフリルアミン(17mg、0.18mmol)および4’−ヘキシルビフェニル−4’−カルボン酸(50mg、0.35mmol)から調製された。収量:4mg(6%)。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0181】
4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボン酸(5−メチル−ピリジン−2−イル)−アミド(式63の化合物)(71BG53−1D)
表題化合物がGP4に従い2−アミノ−5−メチルピリジン(19mg、0.18mmol)および4’−ヘキシルビフェニル−4’−カルボン酸(50mg、0.35mmol)から調製された。収量:33mg(51%)。LC/MS:純度(UV/MS):90/97。
【0182】
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミド(式59の化合物)
表題化合物がGP4に従い2−(2’−アミノエチル)ピリジン(22mg、0.18mmol)および4’−ヘプチルビフェニル−4’−カルボン酸(52mg、0.35mmol)から調製された。収量:30mg(42%)。LC/MS:純度(UV/MS):90/81。
【0183】
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸(2−シアノ−エチル)−アミド
表題化合物がGP4に従い3−アミノプロピオニトリル(13mg、0.18mmol)および4’−ヘプチルビフェニル−4’−カルボン酸(52mg、0.35mmol)から調製された。収量:6mg(10%)。LC/MS:純度(UV/MS):99/99。
【0184】
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸(フラン−2−イルメチル)−アミド
表題化合物がGP4に従いフルフリルアミン(17mg、0.18mmol)および4’−ヘプチルビフェニル−4’−カルボン酸(52mg、0.35mmol)から調製された。収量:19mg(28%)。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0185】
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸(5−メチル−ピリジン−2−イル)−アミド
表題化合物がGP4に従い2−アミノ−5−メチルピリジン(19mg、0.18mmol)および4’−ヘプチルビフェニル−4’−カルボン酸(52mg、0.35mmol)から調製された。収量:17mg(25%)。LC/MS:純度(UV/MS):98/100。
【0186】
実施例13
基本手順5(GP5)(基本スキーム3に基づく)
4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸フラン−2−イルメチルエステル(式48の化合物)
4mLのスクリューキャップバイアル中にある4−オクチル−ビフェニル−4’−カルボン酸(200mg、0.64mmol)に、塩化チオニル(1.0mL)が慎重に添加され、混合物が79℃まで加熱された。2時間後、混合物が真空中で濃縮された。混合物が2.0mLのピリジン中に溶解された。混合物が2つのアリコートに分割された(各1.1mL)。
【0187】
フルフリルアルコール(22μl、0.26mmol)が別の4mLのスクリューキャップバイアルに移され、該バイアルがアルゴンで洗い流された。ピリジンアリコートのうちの1つ(0.55mL)がアルコールに添加された。バイアルの蓋が閉められ、90℃まで15時間加熱された。反応混合物は室温に冷却され、PSAイオン交換カラムを流過させた後、真空中で蒸発させた。収量:95mg(定量的収率)。H NMR(400MHz、CDCl):8.20−8.08(m、2H)、7.66−7.61(m、2H)、7.56−7.51(m、2H)、7.46−7.44(m、1H)、7.29−7.24(m、2H)、6.52−6.48(m、1H)、6.41−6.37(m、1H)、5.35(s、2H)、2.63(t、J=7.63、2H)、1.75−1.50(m、2H)、1.45−1.10(m、10H)、0.88(t、J=7.63、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):166.4;149.9;146.0;143.5;143.4;137.4;130.4(2C);129.2(2C);128.5;127.3(2C);127.0(2C);110.9;110.8;58.7;35.8;32.1;31.6;29.6;29.5;29.4;22.8;14.3。LC/MS:純度(UV/MS):97/−。
【0188】
4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸2−シアノ−エチルエステル(式34の化合物)
表題化合物がGP5に従い3−ヒドロキシプロピオニトリル(18μl、0.26mmol)および4’−オクチルビフェニル−4−カルボン酸(200mg、0.64mmol)から調製された。収量:92mg(94%)。H NMR(400MHz、CDCl):8.20−8.08(m、2H)、7.66−7.61(m、2H)、7.56−7.51(m、2H)、7.29−7.24(m、2H)、4.58(t、J=7.63、2H)、2.95(t、J=7.63、2H)、2.63(t、J=7.63、2H)、1.75−1.60(m、2H)、1.45−1.20(m、10H)、0.88(t、J=7.63、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):166.1;146.5;143.6;137.3;130.5(2C);129.3(2C);127.7(2C);127.3(2C);117.0;59.3;35.9;32.1;31.6;29.7;29.6;29.5;22.9;18.4;14.3。
【0189】
4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミド
表題化合物がGP5に従い4−アミノフェノール(16mg、0.14mmol)および4’−オクチルビフェニル−4−カルボン酸(100mg、0.32mmol)から調製された。収量:27mg(48%)。H NMR(ピリジン):δ 8.00−7.85(m、2H);7.62−7.58(m、2H);7.58−7.52(m、2H);7.46−7.44(m、1H);7.05−6.95(m、2H);6.51−6.48(m、1H);6.41−6.38(m、1H)、5.35(s、2H);4.00(q、J=7.03、2H);1.85−1.55(m、2H);1.55−1.42(m、2H);1.42−1.20(m、8H);0.88(t、J=7.63、3H)。LC/MS:純度(UV/MS):99/100。
【0190】
実施例14
基本手順6(GP6)(基本スキーム3に基づく)
4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボン酸2−シアノ−エチルエステル
4mLのスクリューキャップバイアル中にある4−ヘキシル−ビフェニル−4’−カルボン酸(235mg、0.83mmol)に、塩化チオニル(1.5mL)が慎重に添加され、混合物が79℃まで加熱された。2時間後、混合物が真空中で濃縮された。混合物は2.0mLのピリジン中に溶解された。混合物が4つのアリコートに分割された(各0.55mL)。3−ヒドロキシプロピオニトリル(13μl、0.19mmol)が別の4mLのスクリューキャップバイアルに移され、該バイアルがアルゴンで洗い流された。ピリジンアリコートのうちの1つ(0.55mL)がアルコールに添加された。バイアルの蓋が閉じられ、90℃まで15時間加熱された。反応混合物は室温に冷却され、PSAイオン交換カラムを流過させた後真空中で蒸発させた。収量:23mg(37%)。H NMR(400MHz、CDCl):8.20−8.08(m、2H)、7.70−7.65(m、2H)、7.58−7.55(m、2H)、7.29−7.24(m、2H)、4.58(t、J=7.63、2H)、2.95(t、J=7.63、2H)、2.63(t、J=7.63、2H)、1.75−1.60(m、2H)、1.45−1.20(m、10H)、0.88(t、J=7.63、3H)。LC/MS:純度(UV/MS):55/98。
【0191】
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸2−シアノ−エチルエステル(式19の化合物)
表題化合物がGP6に従い3−ヒドロキシプロピオニトリル(13μL、13mg、0.19mmol)および4’−ヘプチルビフェニル−4’−カルボン酸(247mg、0.21mmol)から調製された。収量:29mg(45%)。LC/MS:純度(UV/MS):94/98。
【0192】
4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸2−シアノ−エチルエステル(式23の化合物)
表題化合物がGP6に従い3−ヒドロキシプロピオニトリル(13μL、13mg、0.19mmol)および4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4’−カルボン酸(260mg、0.21mmol)から調製された。収量:42mg(62%)。LC/MS:純度(UV/MS):92/100。
【0193】
4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸2−シアノ−エチルエステル(式42の化合物)
表題化合物がGP6に従い3−ヒドロキシプロピオニトリル(13μL、13mg、0.19mmol)および4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4’−カルボン酸(272mg、0.21mmol)から調製された。収量:47mg(67%)。
H NMR(400MHz、CDCl):8.15−8.05(m、2H)、7.66−7.61(m、2H)、7.60−7.55(m、2H)、7.00−6.90(m、2H)、4.58(t、J=7.63、2H)、4.05(t、J=7.63、2H)、2.85(t、J=7.63、2H)、2.63(t、J=7.63、2H)、1.85−1.65(m、2H)、1.55−1.20(m、10H)、0.88(t、J=7.63、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl):166.1;159.8;146.2;132.1;130.5(2C);128.6(2C);127.3(2C);127.8(2C);117.0;115.2;68.4;59.3;32.0;29.6;29.5;29.4;26.3;22.9;18.4;14.3。LC/MS:純度(UV/MS):91/100。
【0194】
4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボン酸フラン−2−イルメチルエステル
表題化合物がGP6に従いフルフリルアルコール(16μL、18mg、0.19mmol)および4’−ヘキシル−ビフェニル−4’−カルボン酸(235mg、0.21mmol)から調製された。収量:37mg(55%)。LC/MS:純度(UV/MS):52/97。
【0195】
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸フラン−2−イルメチルエステル(式17の化合物)
表題化合物がGP6に従いフルフリルアルコール(16μL、18mg、0.19mmol)および4’−ヘプチルビフェニル−4’−カルボン酸(247mg、0.21mmol)から調製された。収量:42mg(60%)。H NMR(400MHz、CDCl):8.13−8.09(m、2H)、7.67−7.62(m、2H)、7.56−7.51(m、2H)、7.47−7.44(m、1H)、7.30−7.24(m、2H)、6.52−6.49(m、1H)、6.41−6.38(m、1H)、5.35(s、2H)、2.65(t、J=7.63、2H)、1.75−1.60(m、2H)、1.40−1.20(m、8H)、0.88(t、J=7.63、3H)。
【0196】
4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸フラン−2−イルメチルエステル(式41の化合物)
表題化合物がGP6に従いフルフリルアルコール(16μL、18mg、0.19mmol)および4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(249mg、0.21mmol)から調製された。収量:67mg(96%)。LC/MS:純度(UV/MS):97/99。
【0197】
4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸2−シアノ−エチルエステル(式39の化合物)
表題化合物がGP6に従い3−ヒドロキシプロピオニトリル(13μL、13mg、0.19mmol)および4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(260mg、0.21mmol)から調製された。収量:47mg(64%)。H NMR(400MHz、CDCl):8.15−8.05(m、2H)、7.70−7.65(m、2H)、7.65−7.50(m、2H)、7.45−7.40(m、1H)、7.00−6.90(m、2H)、6.50−6.45(m、1H)、6.40−6.35(m、1H)、5.35(s、2H)、3.95(t、J=7.63、2H)、1.85−1.75(m、2H)、1.55−1.20(m、8H)、0.88(t、J=7.63、3H)。
【0198】
4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸フラン−2−イルメチルエステル(式43の化合物)
表題化合物がGP6に従いフルフリルアルコール(16μL、18mg、0.19mmol)および4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(272mg、0.21mmol)から調製された。収量:31mg(41%)。H NMR(400MHz、CDCl):8.12−8.10(m、2H)、7.64−7.58(m、2H)、7.58−7.52(m、2H)、7.48−7.42(m、1H)、7.03−6.95(m、2H)、6.53−6.47(m、1H)、6.42−6.36(m、1H)、5.33(s、2H)、4.00(t、J=6.63、2H)、1.87−1.75(m、2H)、1.56−1.23(m、10H)、0.90(t、J=6.14、3H)。
【0199】
4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸2−ピリジン−2−イル−エチルエステル(式30の化合物)
表題化合物がGP6に従い2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン(21μL、23mg、0.19mmol)および4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(260mg、0.21mmol)から調製された。収量:13mg(17%)。LC/MS:純度(UV/MS):13/58。
【0200】
4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸フラン−2−イルメチルエステル
表題化合物がGP6に従いフルフリルアルコール(16μL、18mg、0.19mmol)および4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4’−カルボン酸(272mg、0.21mmol)から調製された。収量:31mg(41%)。H NMR(CDCl):δ 8.12−8.06(m、2H);7.62−7.58(m、2H);7.58−7.52(m、2H);7.46−7.44(m、1H);7.05−6.95(m、2H);6.51−6.48(m、1H);6.41−6.38(m、1H)、5.35(s、2H);4.00(q、J=7.03、2H);1.85−1.55(m、2H);1.55−1.42(m、2H);1.42−1.20(m、8H);0.88(t、J=7.63、3H)。
【0201】
4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボン酸(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミド
表題化合物がGP6に従い4−アミノフェノール(21mg、0.19mmol)および4’−ヘキシル−ビフェニル−4−カルボン酸(235mg、0.21mmol)から調製された。収量:33mg(48%)。H NMR(DMSO):δ 8.00−7.85(m、2H);7.62−7.58(m、2H);7.58−7.52(m、2H);7.46−7.44(m、1H);7.05−6.95(m、2H);6.51−6.48(m、1H);6.41−6.38(m、1H)、5.35(s、2H);4.00(q、J=7.03、2H);1.85−1.55(m、2H);1.55−1.42(m、2H);1.42−1.20(m、8H);0.88(t、J=7.63、3H)。LC/MS:純度(UV/MS):95/−。
【0202】
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミド
表題化合物がGP6に従い4−アミノフェノール(21mg、0.19mmol)および4’−ヘプチルビフェニル−4’−カルボン酸(247mg、0.21mmol)から調製された。収量:50mg(70%)。LC/MS:純度(UV/MS):95/99。
【0203】
4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミド
表題化合物がGP6に従い4−アミノフェノール(21mg、0.19mmol)および4’−ヘキシルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(249mg、0.21mmol)から調製された。収量:53mg(72%)。LC/MS:純度(UV/MS):97/68。
【0204】
4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミド
表題化合物がGP6に従い4−アミノフェノール(21mg、0.19mmol)および4’−ヘプチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(260mg、0.21mmol)から調製された。収量:45mg(60%)。H NMR(ピリジン):δ 8.00−7.85(m、2H);7.62−7.58(m、2H);7.58−7.52(m、2H);7.46−7.44(m、1H);7.05−6.95(m、2H);6.51−6.48(m、1H);6.41−6.38(m、1H)、5.35(s、2H);4.00(q、J=7.03、2H);1.85−1.55(m、2H);1.55−1.42(m、2H);1.42−1.20(m、8H);0.88(t、J=7.63、3H)。LC/MS:純度(UV/MS):100/−。
【0205】
4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸(4−ヒドロキシ−フェニル)−アミド
表題化合物がGP6に従い4−アミノフェノール(21mg、0.19mmol)および4’−オクチルオキシ−ビフェニル−4’−カルボン酸(272mg、0.21mmol)から調製された。収量:58mg(73%)。H NMR(ピリジン):δ 8.00−7.85(m、2H);7.62−7.58(m、2H);7.58−7.52(m、2H);7.46−7.44(m、1H);7.05−6.95(m、2H);6.51−6.48(m、1H);6.41−6.38(m、1H)、5.35(s、2H);4.00(q、J=7.03、2H);1.85−1.55(m、2H);1.55−1.42(m、2H);1.42−1.20(m、8H);0.88(t、J=7.63、3H)。LC/MS:純度(UV/MS):92/−。
【0206】
実施例15
基本手順7(GP7)(基本スキーム8に基づく)
4’−[2−(ヘキシルアミノ)−2−オキソエトキシ][1,1’−ビフェニル−4−カルボン酸
4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステル(48mg、0.2mmol)、2−クロロ−N−ヘキシルアセトアミド(71mg、0.2mmol)、炭酸カリウム(60mg、0.4mmol)、ヨウ化カリウム(35mg、0.2mmol)およびアセトニトリル(1mL)が0.5〜2.0mLのMWバイアルに移され、180℃まで25分間加熱された。混合物はコンビフラッシュ(5:1のHep/EtOAc)により精製された。H NMR(ピリジン):δ 8.51(s、1H);8.27−8.21(m、2H);7.75−7.71(m、2H);7.67−7.62(m、2H);7.15−7.09(m、2H);4.84(s、2H);4 35(t、J=6.80、2H);3 48(t、J=6.80、2H);1.61−1.52(m、2H);1.39−1.12(m、9H);0.79(t、J=6.80、3H)。13C NMR(CDCl):δ 168.5;166.7;145.4;133.6;130.8(2C);129.7;129.2(2C);127.2(2C);116.1(2C);68.8;61.4;39.7;32.0;30.4;27.2;23.1;14.7;14.4。反応混合物が4mLスクリューキャップバイアルに移され、水酸化リチウム一水和物(7mg、0.2およびHO(0.3mL)が添加された。混合物の蓋が閉じられ、60℃まで加熱されたうえ一晩攪拌された。反応混合物がDCMを伴い分離漏斗に移され、水で洗浄された。有機相が混和されたうえPSAイオン交換カラムに移され、MeOHで数回洗浄された。生成物はカラムをMeOH中の1%TFAで処置することにより放出させた。ろ液が真空中で濃縮され、6mg(8%)の表題化合物が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/−。
【0207】
4’−[(4,4−ジシクロプロピル−3−ブテニル)オキシ][1、1’−ビフェニル−4−カルボン酸(26)
表題化合物がGP7に従い(4−クロロ−1−シクロプロピル−1−ブテニル)シクロプロパン(70μL、68mg、0.4mmol)および4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステル(48mg、0.2mmol)から調製された。収量:31mg(44%)。LC/MS:純度(UV/MS):90/−。
【0208】
実施例16
基本手順8(GP8)(基本スキーム3に基づく)
2−(2−ピリジニル)エチル4−ブロモ−2−フルオロベンゾエート
乾燥し、アルゴンで洗い流された丸底フラスコにおいて4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(4.5mmol、986mg)、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン(6.75mmol、831mg)、EDCI(6.75mmol、1.29g)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.75mmol、912mg)が乾燥DMF(20mL)中に取り込まれ、反応混合物がアルゴン下で氷浴上0℃まで冷却された後、DIPEA(6.75mmol、683mg)が添加された。反応混合物は室温で一晩加温させ、次にEtOAc中に取り込んだうえ5%クエン酸、NaOH(1M)、水およびブラインで洗浄し、次にNaSOにより乾燥させたうえ真空中で濃縮させた。収量:1.17g(80%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.52(d、J=3.2Hz、1H)、7.70(t、J=8.0Hz、1H)、7.60−7.56(m、1H)、7.29−7.10(m、4H)、4.69(t、J=6.7Hz、2H)、3.21(t、J=6.7Hz、2H)。
【0209】
2−(2−ピリジニル)エチル4−ブロモ−2−安息香酸メチル
表題化合物がGP8に従い4−ブロモ−2−メチル安息香酸(4.5mmol、968mg)および2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン(6.75mmol、831mg)から調製された。抽出後収量:1.14g(79%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.55(d、J=2.8Hz、1H)、7.66−7.59(m、2H)、7.35−7.13(m、4H)、4.68(t、J=6.6、2H)、3.23(t、J=6.6、2H)、2.46(s、3H)。
【0210】
2−シアノエチル4−ブロモ−3−安息香酸メチル
表題化合物がGP8に従い4−ブロモ−3−メチル安息香酸(4.5mmol、968mg)および3−ヒドロキシプロピオニトリル(6.75mmol、480mg)から調製された。抽出後収量:1.10g(91%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ:7.89(d、J=1.2Hz、1H)、7.70(dd、J=1.2および8.4Hz、1H)、7.60(d、J=8.4Hz、1H)、4.51(t、J=6.3、2H)、2.83(t、J=6.3、2H)、2.44(s、3H)。
【0211】
実施例17
基本手順9(GP9)(基本スキーム4に基づく)
2−(2−ピリジニル)エチル4’−ヘプチル−2−メチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート
乾燥し、かつアルゴンで洗い流されたバイアルにおいて1−ブロモ−4−n−オクチルベンゼン(0.30mmol、77mg)が乾燥THF(0.5mL)中に取り込まれ、該バイアルは−20℃まで冷却された後、tBuLi(1.6M、0.60mmol、0.40mL)が徐々に添加された。1時間後−20℃でZnBr(1.5M、0.33mmol、0.22mL)が添加され、冷却が停止された。別の乾燥し、かつアルゴンで洗い流されたバイアルにおいてPddba(0.015mmol、14mg)およびtfp(0.2mmol、14mg)が乾燥NMP(0.5mL)中に取り込まれ、活性触媒がシリンジを介して亜鉛試薬に添加された。最後に2−(2−ピリジニル)エチル4−ブロモ−3−安息香酸メチル(0.2mmol、64mg)が乾燥THF(0.5mL)中に取り込まれたうえ反応混合物に添加された。次に反応物が50℃まで16時間加熱された。室温に冷却後、反応物はNHCl(aq.)で急冷されたうえハイドロマトリクス上に注がれ、次にEtOAcで抽出されたうえ真空中で濃縮された。20mgの粗生成物がプレップにより精製された。LC/MS。収量:5.0mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/97。
【0212】
3−フルオロ−4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸2−ピリジン−2−イル−エチルエステル(式5の化合物)
表題化合物がGP9に従い1−ブロモ−4−n−オクチルベンゼン(0.30mmol、81mg)および4−ブロモ−2−フルオロ−安息香酸2−ピリジン−2−イル−エチルエステル(0.2mmol、65mg)から調製された。収量:1.6mg。LC/MS:純度(UV/MS):80/80。
【0213】
3−フルオロ−4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸2−ピリジン−2−イル−エチルエステル(式7の化合物)
表題化合物がGP9に従い1−ブロモ−4−n−ヘプチルベンゼン(0.30mmol、76mg)および4−ブロモ−2−フルオロ−安息香酸2−ピリジン−2−イル−エチルエステル(0.2mmol、65mg)から調製された。収量:1.6mg。H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.60−8.54(m、1H)、7.95−7.86(m、1H)、7.67−7.58(m、1H)、7.54−7.47(m、2H)、7.43−7.36(m、1H)、7.36−7.20(m、4H)、7.19−7.13(m、1H)、4.74(t、J=6.5、2H)、3.27(t、J=6.5、2H)、2.65(t、J=7.7、2H)、1.71−1.59(m、2H)、1.42−1.18(m、8H)、0.89(t、J=5.3、3H)。
LC/MS:純度(UV/MS):70/70。
【0214】
実施例20
基本手順12(GP12)(基本スキーム7に基づく)
4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式34の化合物)(式53の化合物)
メチル4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)がTHF(1mL)および水(0.5mL)中に取り込まれ、次にLiOH(0.6mmol、20mg)が添加されたうえ反応物が振盪機上で80℃まで一晩加熱された。冷却後、反応混合物がハイドロマトリクス上に注がれ、EtOAcで抽出されたうえ真空中で濃縮された。20mgの粗生成物がプレップにより精製された。LC/MS。収量:2.4mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0215】
4’−ヘプチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式10の化合物)
表題化合物がGP12に従いメチル4’−ヘプチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:3.5mg。LC/MS:純度(UV/MS):92/96。
【0216】
4’−(2−ブトキシエトキシ)−2’,5’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式44の化合物)
表題化合物がGP12に従いメチル4’−(2−ブトキシエトキシ)−2’,5’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:4.0mg。LC/MS:純度(UV/MS):97/99。
【0217】
4’−(ヘキシルオキシ)−2’,5’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式11の化合物)
表題化合物がGP12に従いメチル4’−(ヘキシルオキシ)−2’,5’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:3.5mg。LC/MS:純度(UV/MS):96/97。
【0218】
2−ニトロ−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
表題化合物がGP12に従いメチル2−ニトロ−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシリケート(carboxylicate)(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:2.4mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0219】
4’−ヘプチル−2−ニトロ[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
表題化合物がGP12に従いメチル4’−ヘプチル−2−ニトロ[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシリケート(carboxylicate)(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:5.2mg。LC/MS:純度(UV/MS):95/99。
【0220】
3−フルオロ−4’−ヘプチル[1,1’−ビフェニル−4−カルボン酸(式36の化合物)(91aej50−5d)
表題化合物がGP12に従い2−ピリジンエタノール3−フルオロ−4’−ヘプチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:3.2mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0221】
3−メチル−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式55の化合物)
表題化合物がGP12に従い2−ピリジンエタノール3−メチル−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:3.6mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0222】
4’−ヘプチル−3−メチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式52の化合物)
表題化合物がGP12に従い2−ピリジンエタノール4’−ヘプチル−3−メチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:4.1mg。LC/MS:純度(UV/MS):95/100。
【0223】
2−メチル−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式1の化合物)
表題化合物がGP12に従い2−ピリジンエタノール2−メチル−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:5.7mg。LC/MS:純度(UV/MS):99/100。
【0224】
4’−ヘプチル−2−メチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
表題化合物がGP12に従い2−ピリジンエタノール4’−ヘプチル−2−メチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:3.4mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0225】
2−フルオロ−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式38の化合物)
表題化合物がGP12に従い2−ピリジンエタノール2−フルオロ−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:4.1mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/94。
【0226】
3,5−ジメチル−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
表題化合物がGP12に従いメチル3,5−ジメチル−4’−オクチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:1.8mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/93。
【0227】
2−フルオロ−4’−ヘプチル[1,1’−ビフェニル−4−カルボン酸(式22の化合物)
表題化合物がGP12に従い2−ピリジンエタノール2−フルオロ−4’−ヘプチル[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.2mmol粗製物)から調製された。収量:2.8mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0228】
実施例21
基本手順13(GP13)(基本スキーム8に基づく)
4’−(2−ブトキシエトキシル−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸(式18の化合物)
マイクロ波加熱用バイアル中でエチル4’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(1mmol、242mg)、臭化2−ブトキシエチル(2mmol、362mg)、KCO(2mmol、276mg)、KI(2mmol、332mg)が乾燥MeCN(4mL)中に取り込まれた。バイアルの蓋が閉じられ、180℃まで25分間加熱された。ろ過されたうえセリット上で濃縮され、フラッシュクロマトグラフィー(溶離液 ヘプタン中の0〜20%EtOAc)により精製されるとエチル4’−(2−ブトキシエトキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(280mg、82%)が得られた。エステル(0.38mmol、130mg)がGP12に従い開裂され、反応混合物のHCl(aq.)による酸性化後ろ過により精製されたことで、表題化合物が白色固体として得られた(105mg、87%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ:7.84(d、J=8.6Hz、2H)、7.41(d、J=8.6Hz、2H)、7.35(d、J=8.8Hz、2H)、6.79(d、J=8.8Hz、2H)、3.94(t、J=5.1、2H)、3.59(t、J=4.7、2H)、3.34(t、J=6.7、2H)、1.40−1.36(m、2H)、1.20−1.14(m、2H)、0.71(t、J=7.4、3H)。
13C NMR(100MHz、CDCl)δ:169.2、159.4、145.6、132.9、130.6、128.9、128.6、126.7、115.4、71.7、69.4、67.8、31.9、19.4、13.9。LC/MS:純度(UV/MS):98/−
【0229】
4’−[2−(ヘキシルアミノ)−2−オキソエトキシ]−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
表題化合物がGP13に従いエチル4’−ヒドロキシ−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(1mmol、242mg)および2−クロロ−N−ヘキシル−アセトアミド(2mmol、354mg)から調製された。エステル中間体がフラッシュクロマトグラフィー(溶離液 ヘプタン中の0〜50%EtOAc)により精製されることでエチル4’−[2−(ヘキシルアミノ)−2−オキソエトキシ]−[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(259g、68%)が得られた。エステル(50mg)がGP12に従い開裂され、20mgの粗生成物がプレップにより精製された。LC/MS。収量6.3mg。LC/MS:純度(UV/MS):100/43。
【0230】
実施例22
基本手順14(GP14)(スキーム8に基づく)
1−(ヘキシルオキシ)−4−ヨード−2,5−ジメチルベンゼン
2,5−ジメチル−4−ヨードフェノール(3.1mmol、765mg)がMeCN(4mL)中に取り込まれたうえKOH(6.2mmol、360mg)が添加され、反応混合物が60℃で2時間静置され、次にKI(3.1mmol、520mg)および臭化2−ブトキシエチル(6.2mmol、1.12g)が添加されたうえ反応物はさらに3時間静置された。反応混合物がEtOAc中に取り込まれ、水で洗浄されたうえNaSOにより乾燥され、真空中で濃縮された。フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中の0〜5%EtOAc)により精製されると表題化合物(356mg、54%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ:7.54(s、1H)、6.72(s、1H)、3.94(t、J=6.4Hz、2H)、2.40(s、3H)、2.17(s、3H)、1.83−1.79(m、2H)、1.50−1.38(m、6H)、0.91(bs、3H)。
13C NMR(100MHz、CDCl)δ:157.8、140.2、139.6、126.9、113.1、89.1、68.3、31.8、29.5、28.2、26.0、22.9、15.5、14.3。
【0231】
1−(2−ブトキシエトキシ)−4−ヨード−2,5−ジメチルベンゼン
表題化合物がGP14に従い2,5−ジメチル−4−ヨードフェノール(3.1mmol、765mg)および1−ヨードヘキサン(6.2mmol、1.31g)から調製された。フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中の0〜5%EtOAc)により精製されると表題化合物(242mg、34%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ:7.52(s、1H)、6.72(s、1H)、4.08(t、J=5.0Hz、2H)、3.77(t、J=5.0Hz、2H)、3.54(t、J=6.6Hz、2H)、2.37(s、3H)、2.15(s、3H)、1.60−1.38(m、4H)、0.93(t、J=7.5Hz、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl)δ:157.6、140.2、139.6、127.1、113.5、89.7、71.6、69.4、68.2、32.0、28.2、19.5、15.5、14.1。
【0232】
N−ブチル−2−(4−ヨード−2,5−ジメチルフェノキシ)アセトアミド
表題化合物がGP14に従い2,5−ジメチル−4−ヨードフェノール(4.0mmol、992mg)および2−クロロ−N−ブチルアセトアミド(8.0mmol、1.19g)から調製された。フラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中の0〜5%EtOAc)により精製されると表題化合物(175mg、37%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ:7.56(s、1H)、6.65(s、1H)、4.43(s、2H)、3.37−3.32(m、2H)、2.36(s、3H)、2.18(s、3H)、1.54−1.32(m、4H)、0.92(t、J=7.2Hz、3H)。
【0233】
実施例23
基本手順15(GP15)(スキーム8に基づく)
4−(4−ヘキシルカルバモイルメトキシ−5−メチル−チアゾール−2−イル)−安息香酸(式13の化合物)
メチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)、2−クロロ−N−ヘキシルアセトアミド(0.4mmol、71mg)、炭酸カリウム(0.4mmol、60mg)、ヨウ化カリウム(0.2mmol、33mg)がMWバイアルに移され、1mLのCHCNが添加された。バイアルの蓋が閉じられ、混合物が15分間180℃で照射された。バイアルの蓋が開けられ、水酸化リチウム一水和物(0.5mmol、21mg)および0.3mLのHOが添加された。混合物は70℃まで3日間加熱された。加水分解された反応混合物がEtOAcにより抽出され、水、aq.NaHCO、4MのHCl、Hおよびブラインで洗浄された。有機層がイオン交換カラム(PSA)に流過された。イオン交換カラムはMeOHで繰り返し洗浄された。洗浄後、イオン交換物が10%TFAで処理された。ろ液が収集されたうえ真空中で濃縮されると、表題化合物(71mg、94%)が得られた。
【0234】
4−[4−(2−ブトキシ−エトキシ)−5−メチル−チアゾール−2−イル]−安息香酸(式27の化合物)
表題化合物がGP15に従いメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)および臭化2−ブトキシエチル(0.4mmol、72mg)から調製され、表題化合物(63mg、94%)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):82/74。
【0235】
4−[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−5−メチル−チアゾール−2−イル]−安息香酸(式46の化合物)
表題化合物がGP15に従いメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)および臭化2−エチルヘキシル(0.4mmol、77mg)から調製され、表題化合物(1mg、1%)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):95/94。
【0236】
4’−(5−メチル−ヘキシルオキシ)−ビフェニル−4−カルボン酸(式25の化合物)
表題化合物がGP15に従い4’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸エチルエステル(0.2mmol、48mg)および1−ブロモ−5−メチルヘキサン(0.4mmol、72mg、0.05mL)から調製され、表題化合物(1mg、2%)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0237】
4’−(4,4−ジシクロプロピル−ブト−3−エニルオキシ)−ビフェニル−4−カルボン酸(式47の化合物)
表題化合物がGP15に従い4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸エチルエステル(0.2mmol、48mg)および4−クロロ−1,1−ジシクロプロピルブト−1−エン(0.4mmol、68mg、0.07mL)から調製され、表題化合物(31mg、44%)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):90/32。
【0238】
実施例24−基本手順16(GP16)(基本スキーム7および8に基づく)
4−(5−メチル−4−{[(4−メチル−シクロヘキシルメチル)−カルバモイル]−メトキシ}−チアゾール−2−イル)−安息香酸
アルゴンで洗い流されたバイアルが塩化クロロアセチル(1.1mmol、124mg)および1mLのDCMで充填された。溶液が0℃まで冷却され、1mLのDCM中のシクロヘキシルメタンアミン(1.0mmol、113mg)が添加された。温度が室温まで上げられ、反応物が16時間攪拌された。次にKCO(2.0mmol、276mg)が添加され、混合物がさらに2時間攪拌された。反応混合物は水により急冷され、DCM中に抽出された。混和された有機相が2MのHCl、HO、2MのNaOHおよびブラインで洗浄された。有機相は真空中で濃縮され、MWバイアルに移された。メチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)、炭酸カリウム(0.4mmol、60mg)、ヨウ化カリウム(0.2mmol、33mg)が添加され、続いて1mLのCHCNが添加された。バイアルの蓋が閉じられ、混合物が15分間、180℃で照射された。バイアルの蓋が開けられ、水酸化リチウム一水和物(0.5mmol、21mg)および0.3mLのHOが添加されたうえバイアルが7分間、160℃で照射された。反応混合物が水で前処理されたハイドロマトリクスに移され、EtOAcで抽出された。ろ液が収集されたうえ真空中で濃縮され、20mgの濃縮物がプレップLC/MSにより精製されることで表題化合物(1mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/85。
【0239】
4−(4−シクロヘプチルカルバモイルメトキシ−5−メチル−チアゾール−2−イル)−安息香酸(式56の化合物)
表題化合物がGP16に従い塩化クロロアセチル(1.1mmol、124mg)、シクロヘプチルアミン(1.0mmol、113mg)およびメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)から調製された。プレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(2mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/94。
【0240】
4−(4−((イソペンチルカルバモイル)メトキシ)−5−メチルチアゾール−2−イル)安息香酸
表題化合物がGP16に従い塩化クロロアセチル(1.1mmol、124mg)、3−メチルブタン−1−アミン(1.0mmol、87mg)およびメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)から調製された。プレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(1mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):98/92。
【0241】
4−(4−((シクロヘキシルカルバモイル)メトキシ)−5−メチルチアゾール−2−イル)安息香酸
表題化合物がGP16に従い塩化クロロアセチル(1.1mmol、124mg)、シクロヘキシルアミン(1.0mmol、99mg)およびメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)から調製された。プレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(1mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):99/79。
【0242】
4−(4−シクロペンチルカルバモイルメトキシ−5−メチル−チアゾール−2−イル)−安息香酸(式61の化合物)
表題化合物がGP16に従い塩化クロロアセチル(1.1mmol、124mg)、シクロペンチルアミン(1.0mmol、85mg)およびメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)から調製された。プレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(1mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):99/92。
【0243】
4−[5−メチル−4−[2−[(4−メチルシクロヘキシル)アミノ]−2−オキソエトキシ]−2−チアゾールイル]−安息香酸(式58の化合物)
表題化合物がGP16に従い塩化クロロアセチル(1.1mmol、124mg)、4−メチルシクロヘキシルアミン(1.0mmol、113mg)およびメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)から調製された。プレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(1mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):97/88。
【0244】
4−[4−[2−[(1,4−ジメチルペンチル)アミノ]−2−オキソエトキシ]−5−メチル−2−チアゾールイル]−安息香酸(式57の化合物)
表題化合物がGP16に従い塩化クロロアセチル(1.1mmol、124mg)、5−メチルヘキサン−2−アミン(1.0mmol、115mg)およびメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)から調製された。プレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(3mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/98。
【0245】
実施例25−基本手順17(GP17)(基本スキーム7および8に基づく)
4−{4−[2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ]−5−メチル−チアゾール−2−イル}−安息香酸(式64の化合物)
メチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)、1−(2−ブロモエトキシ)−2−エトキシエタン(0.4mmol、79mg)、炭酸カリウム(0.4mmol、60mg)、ヨウ化カリウム(0.2mmol、33mg)がMWバイアルに移され、1mLのCHCNが添加された。バイアルの蓋が閉じられ、混合物は15分間、180℃で照射された。バイアルの蓋が開けられ、水酸化リチウム一水和物(0.5mmol、21mg)および0.3mLのHOが添加されたうえバイアルが7分間、160℃で照射された。反応混合物が水で処理されたハイドロマトリクスに移され、EtOAcで抽出された。ろ液が冷却されたうえ真空中で濃縮され、20mgの濃縮物がプレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(2mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/96。
【0246】
4−[5−メチル−4−(2−プロポキシ−エトキシ)−チアゾール−2−イル]−安息香酸(式33の化合物)
表題化合物がGP17に従いメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)および2−クロロエチルN−プロピルエーテル(0.4mmol、49mg)から調製された。プレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(2mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/96。
【0247】
4−[4−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−5−メチル−2−チアゾールイル]−安息香酸
表題化合物がGP17に従いメチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.2mmol、50mg)および1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(0.4mmol、73mg)から調製された。プレップLC/MSにより精製されると、表題化合物(8mg)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/93。
【0248】
実施例26(基本スキーム3に基づく)
イミダゾール−1−イル−(4’−オクチル−ビフェニル−4−イル)−メタノン(式8の化合物)
4’−オクチル−4−ビフェニルカルボン酸(0.5mmol、155mg)に3mLのTHFおよび1,1−カルボニルジイミダゾール(2.5mmol、405mg)が添加され、混合物が66℃まで4日間加熱された。反応混合物は室温に冷却されたうえDCMで抽出され、水およびブラインで洗浄された。混和された有機相がNaSOにより乾燥され、ろ過されたうえ真空中で濃縮されると、表題化合物(175mg、97%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.08(s、1H)、7.86−7.76(m、2H)、7.75−7.64(m、2H)、7.56−7.46(m、3H)、7.30−7.22(m、2H)、7−13(s、1H)、2.61(t、J=7.3Hz、2H)、1.67−1.13(m、12H)、0.83(t、J=6.6Hz、3H)。13C NMR(100MHz、CDCl)δ:166.1、146.7、144.0、138.3、136.7、131.0、130.6、130.2、129.3、127.4、127.3、118.2、35.8、32.0、31.5、29.6、29.5、29.4、22.8、14.2。
【0249】
実施例27(基本スキーム3に基づく)
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸ヒドロキシアミド(式37の化合物)
4’−ヘプチル−4−ビフェニルカルボン酸(0.2mmol、50mg)に1mLの塩化チオニルが添加され、80℃まで72時間過熱された。結果として生じた酸塩化物が真空中で濃縮され、1mLのピリジンが添加され、続いて塩酸ヒドロキシルアミン(0.24mmol、18mg)が添加された。反応混合物がl6時間、室温で攪拌された。混合物がEtOAcを伴い分離漏斗に移され、2MのNaOHおよびブラインで洗浄された。混和された有機相がNaSOにより乾燥され、ろ過されたうえ真空中で濃縮されると、表題化合物(5mg、10%)が得られた。H NMR(400MHz、MeOD)δ:7.88−7.74(m、2H)、7.74−7.63(m、2H)、7.61−7.50(m、2H)、7.33−7.21(m、2H)、2.64(t、J=7.1Hz、2H)、1.74−1.56(m、10H)、0.89(t、J=6.5Hz、3H)。
【0250】
実施例28(基本スキーム3に基づく)
4’−ヘプチル−ビフェニル−4−カルボン酸ヒドラジド(式45の化合物)
4’−ヘプチル−4−ビフェニルカルボン酸(0.2mmol、50mg)に1mLの塩化チオニルが添加され、80℃まで72時間過熱された。結果として生じた酸塩化物が真空中で濃縮され、1mLのピリジンが添加され、続いてヒドラジン一水和物(12μL、0.24mmol、13mg)が添加された。反応混合物が16時間、室温で攪拌され、次に温度が80℃まで上げられたうえ混合物がさらに16時間攪拌された。混合物がEtOAcを伴い分離漏斗に移され、2MのNaOHおよびブラインで洗浄された。混和された有機相がNaSOにより乾燥され、ろ過されたうえ真空中で濃縮されると、表題化合物(9mg、17%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.83−7.77(m、2H)、7.67−7.62(m、2H)、7.57−7.48(m、2H)、7.38(s、1H)、7.31−7.22(m、2H)、4.12(s、2H)、2.65(t、J=7.3Hz、2H)、1.72−1.52(m、2H)、1.42−1.18(m、8H)、0.89(t、J=4.2Hz、3H)。
【0251】
実施例29(基本スキーム3に基づく)
N−(4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボニル)−メタンスルホンアミド(式60の化合物)
4’−オクチル−4−ビフェニルカルボン酸(0.2mmol、50mg)に1mLの塩化チオニルが添加され、80℃まで72時間加熱された。結果として生じた酸塩化物が真空中で濃縮され、1.0mLのピリジンが添加された。当該混合物が0.5mLのピリジン中のメタンスルホンアミド(0.15mmol、14mg)の溶液に添加された。反応混合物が16時間、室温で攪拌された。混合物が真空中で濃縮され、EtOAc中に取り込まれたうえPSAイオン交換カラムに流過された。ろ液が真空中で濃縮されると、表題化合物(23mg、37%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.98−7.87(m、2H)、7.76−7.64(m、2H)、7.58−7.45(m、2H)、7.34−7.23(m、2H)、3.45(s、3H)、2.66(t、J=7.2Hz、2H)、1.73−1.57(m、2H)、1.46−1.17(m、10H)、0.89(t、J=6.2、3H)。(100MHz、CDCl)δ:165.4、146.8、143.9、136.7、129.3、129.3、128.6、127.5、127.4、42.0、35.8、32.0、31.5、29.6、29.5、29.4、22.8、14.2。
【0252】
実施例30
N−ブチル−2−クロロ−アセトアミド
アルゴンで洗い流されたバイアルが10mLのDCMおよび塩化クロロアセチル(5.5mmol、621mg)で充填された。溶液は0℃まで冷却され、n−ブチルアミン(5.0mmol、366mg)が徐々に添加された。次にKCO(5.5mmol、760mg)が添加され、混合物が2時間攪拌された。反応混合物がろ過され、真空中で濃縮された。収量:584mg(86%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ 6.60(s、1H)、4.00(s、2H)、3.32−3.22(m、2H)、1.56−1.44(m、2H)、1.40−1.16(m、4H)、0.91(t、J=7.3、3H)、0.89(t、J=6.6、3H)。(100MHz、CDCl)δ:165.8、42.8、39.7、31.5、20.1、13.7。
【0253】
実施例31(基本スキーム8に基づく)
4−(4−ブチルカルバモイルメトキシ−5−メチル−チアゾール−2−イル)−安息香酸(式62の化合物)
MWバイアルがN−ブチル−2−クロロ−アセトアミド(83BG73−2)(0.6mmol、90mg)、メチル4−(4−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ベンゼンカルボキシレート(0.3mmol、75mg)、炭酸カリウム(0.7mmol、90mg)およびヨウ化カリウム(0.3mmol、55mg)で充填され、3mLのDMFが添加された。バイアルの蓋が閉じられ、混合物が15分間、180℃で照射された。バイアルの蓋が開けられ、水酸化リチウム一水和物(0.9mmol、38mg)および0.5mLのHOが添加され、バイアルの蓋が閉じられ、7分間、160℃で照射された。反応混合物が分離漏斗に移されEtOAc中に抽出された。有機相が4%のMgSO、2MのNaOHで洗浄された。水相にEtOAcが添加されたうえ2MのHClで中和され、有機相がブラインで洗浄され、NaSOにより乾燥され、ろ過されたうえ真空中で濃縮されると、表題化合物(22mg、21%)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0254】
実施例32(基本スキーム2に基づく)
4−(4−オクチル−ピペラジン−1−イル)−安息香酸(式50の化合物)
1−(4−シアノフェニル)−塩酸ピペラジン(1.0mmol、112mg)、1−ヨードオクタン(1.0mmol、240mg)、KCO(1.0mmol、138mg)および1mLのCHCNがMWバイアルに移された。反応混合物が10分間、160℃で照射された。冷却後、反応混合物が非緩衝のハイドロマトリクス上に注がれた。マトリクスがEtOAcで洗浄され、ろ液が真空中で濃縮されたうえフラッシュクロマトグラフィーにより精製されると、102mg(72%)が得られた。アルキル化生成物(0.1mmol、25mg)が0.2mLのHO、0.5mLの95〜97%硫酸および0.5mLの酢酸と混合され、結果として生じた混合物が120℃まで16時間加熱された。反応混合物がEtOAcおよび水を伴い分離漏斗に移された。有機相が2MのNaOHおよびブラインで洗浄された。混和された有機相がNaSOにより乾燥され、ろ過されたうえ真空中で濃縮されると、表題化合物(17mg、64%)が得られた。LC/MS:純度(UV/MS):99/78。
【0255】
実施例33(基本スキーム6に基づく)
シアノメチレントリフェニルホスフィン塩酸塩
トリフェニルホスフィン(105mmol、27.5g)およびクロロアセトニトリル(100mmol、6.3mL)がトルエン中で4時間加熱還流された後、室温に冷却された。沈殿物がろ過され、100mLのヘプタンで洗浄された後、高真空下で一晩乾燥されると、表題化合物が白色粉末として得られた(18.5g、55%)。H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.04−7.96(m、6H)、7.81−7.73(m、3H)、7.70−7.62(m、6H)、6.79−6.70(m、2H)。
【0256】
実施例34(基本スキーム6に基づく)
3−(4’−オクチル−ビフェニル−4−イル)−3−オキソ−2−(トリフェニル−λ−ホスファニリデン)−プロピオニトリル
シアノメチレントリフェニルホスフィン塩酸塩(3mmol、1.01g)が20mLの水および20mLのDMC中に溶解され、次にNaOH(2M、4.5mL)が添加された。反応物が1分間攪拌され層に分離されたうえ水相がDCM(20mL)で抽出された。これがKCOにより乾燥され、ろ過された。4’−オクチル−ビフェニル−4−カルボン酸(1.0mmol、310mg)およびEDCI.HCl(1.5mmol、288mg)に続きDMAP(2mg)が添加され、反応物が一晩、室温で攪拌された。20mLの水が添加され、生成物がEtOAc中に抽出された。生成物がNaHCO、ブラインで洗浄され、KCOにより乾燥され、ろ過されたうえ真空中で濃縮されたことで濃厚な油が得られ、これがフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中の5〜75%EtOAc)により精製されると、表題化合物(618mg、11%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.12−8.07(m、2H)、7.76−7.67(m、6H)、7.67−7.59(m、5H)、7.57−7.50(m、8H)、7.27−7.23(m、2H)、2.64(t、J=7.2Hz、2H)、1.70−1.58(m、2H)、1.41−1.19(m、10H)、0.88(t、J=6.8Hz、3H)。
【0257】
実施例35(基本スキーム6に基づく)
(4’−オクチル−ビフェニル−4−イル)−オキソ−酢酸(式31の化合物)
3−(4’−オクチル−ビフェニル−4−イル)−3−オキソ−2−(トリフェニル−λ−ホスファニリデン)−プロピオニトリル(0.03mmol、17mg)が3mLのDCM中に溶解された。室温かつ外気に触れている混合物にアセトン中の0.5mLのDMDOが添加された。数滴後、反応物は鮮黄色となったが、これは数分間のうちに消えた。0.5mLのHOが添加されたうえ反応物が室温で5分間攪拌され、次に真空中で濃縮された。混合物がフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘプタン中の0〜40%EtOAc)により精製されると、表題化合物(5mg、54%)が得られた。H NMR(400MHz、CDCl)δ:8.11−8.06(m、2H)、7.64−7.59(m、2H)、7.51−7.46(m、2H)、7.24−7.17(m、2H)、2.61(t、J=7.6Hz、2H)、1.63−1.53(m、2H)、1.34−1.12(m、10H)、0.82(t、J=6.6Hz、3H)。
【0258】
実施例36(基本スキーム8に基づく)
1−(2−ブトキシエトキシ)−4−ヨードベンゼン
4−ヨード−フェノール(3.0mmol、660mg)および1−(2−ブロモエトキシ)ブタン(4.5mmol、815mg)が20mLのMWバイアルに移された。12の乾燥DMFの添加に続きCsCO(4.5mmol、1466mg)が添加された。バイアルの蓋が閉じられ、180℃まで25分間マイクロ波照射により加熱された。反応混合物がEtOAc中に取り込まれ、セリットのプラグを通じろ過され、4%MgSOおよびブラインで洗浄された。有機相が収集され、MgSOにより乾燥され、ろ過されたうえフラッシュクロマトグラフィー(Hep:EtOAc 10:1)により精製された。収量:915mg(95%)。
H NMR(300MHz、CDCl)δ:7.60−7.50(m、2H)、6.75−6.65(m、2H)、4.08(t、J=4.6Hz、2H)、3.77(t、J=5.0Mz、2H)、3.53(t、J=6.6、2H)、1.65−1.52(m、2H)、1.48−1.30(m、2H)、0.94(t、J=7.3、3H)。
13C NMR(75MHz、CDCl)δ:158.7、138.1、117.1、83.0、71.5、69.1、67.7、31.9、19.5、14.2。
【0259】
実施例37(基本スキーム3に基づく)
2−(2−ピリジニル)エチル4−ブロモ−2−フルオロベンゾエート
乾燥し、窒素で洗い流された丸底フラスコにおいて4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(4.0mmol、876mg)、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン(6.0mmol、739mg)、EDCI.HCl(6.0mmol、1150mg)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.0mmol、811mg)が乾燥CHCN(20mL)中に取り込まれ、DIPEA(6.75mmol、683mg)が添加された。反応混合物が室温まで一晩加温され、次にEtOAc中に取り込まれたうえ5%クエン酸、NaOH(lM)、水およびブラインで洗浄され、次にMgSOにより乾燥され、ろ過され、真空中で濃縮されたうえフラッシュクロマトグラフィー(p.エーテル/EtOAc 4:1〜2:1)により精製された。収量:1209mg(93%)。
H NMR(300MHz、CDCl)δ:8.58−8.52(m、1H)、7.78−7.68(m、1H)、7.68−7.57(m、1H)、7.33−7.14(m、4H)、4.72(t、J=6.6Hz、2H)、3.25(t、J=6.6Hz、2H)。
13C NMR(75MHz、CDCl)δ 163.5(d、CF=278.9Hz)、163.3、159.8(d、CF=278.9Hz)、157.7、149.4、136.5、133.1、127.9(d、CF=9.5Hz)、127.8(d、CF=9.5Hz)、127.5(d、CF=3.7Hz)、127.5(d、CF=3.7Hz)、123.6、121.8、120.8(d、CF=25.5Hz)、120.5(d、CF=25.5Hz)、117.8(d、CF=9.8Hz)、117.7(d、CF=9.8Hz)、64.8、37.4。
【0260】
実施例38(基本スキーム4に基づく)
2−(2−ピリジニル)エチル4’−(2−ブトキシエトキシ)−3−フルオロ[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート
乾燥し、かつアルゴンで洗い流されたバイアルにおいて1−(2−ブトキシエトキシ)−4−ヨードベンゼン(1.50mmol、480mg)が乾燥THF(1.0mL)中に取り込まれ、バイアルが−20℃まで冷却された後、徐々にtBuLi(1.7M、3.0mmol、1.76mL)が添加された。1時間後、−20℃で、ZnBr(1.5M、1.65mmol、1.10mL)が添加され、冷却が停止された。乾燥し、かつアルゴンで洗い流された別のバイアルにおいてPddba(0.05mmol、46mg)およびtfp(0.2mmol、46mg)が乾燥NMP(1.5mL)中に取り込まれ、活性触媒がシリンジを介して亜鉛試薬に添加された。最後に2−(2−ピリジニル)エチル4−ブロモ−2−フルオロベンゾエート(1.0mmol、324mg)が乾燥THF(1.5mL)中に取り込まれ、反応混合物に添加された。次に反応物が室温で16時間攪拌された。反応物がNHC1(aq.)で急冷され、EtOAc中に取り込まれたうえセリットのプラグを通じてろ過された。ろ液がブラインで洗浄され、MgSOにより乾燥され、ろ過され、真空中で濃縮されたうえフラッシュクロマトグラフィー(p.エーテル/EtOAc 4:1〜3:1)により精製された。収量:370mg(84%)。H NMR(300MHz、CDCl)δ:8.60−8.54(m、1H)、7.94−7.85(m、1H)、7.68−7.58(m、1H)、7.58−7.47(m、2H)、7.40−7.22(m、3H)、7.21−7.12(m、2H)、4.73(t、J=6.7Hz、2H)、4.17(t、J=4.2Hz、2H)、3.82(t、J=4.7Hz、2H)、3.56(t、J=6.6Hz、2H)、3.28(t、J=6.4Hz、2H)、1.70−1.56(m、2H)、1.49−1.32(m、2H)、0.94(t、J=7.3Hz、3H)。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0261】
実施例39(基本スキーム7に基づく)
4’−(2−ブトキシエトキシ)−3−フルオロ[1,1’−ビフェニル]−4−カルボン酸
2−(2−ピリジニル)エチル4’−(2−ブトキシエトキシ)−3−フルオロ[1,1’−ビフェニル]−4−カルボキシレート(0.3mmol、131mg)がTHF(1mL)および水(0.5mL)中に取り込まれ、次にLiOH一水和物(0.9mmol、38mg)が添加されたうえ反応物がマイクロ波照射により160℃で5分間加熱された。冷却後、反応混合物がEtOAc中に取り込まれ、水、1MのHClおよびブラインで洗浄された。混和された有機相がMgSOにより乾燥され、ろ過されたうえ真空中で濃縮された。収量:95mg(95%)。LC−MS:純度(UV/MS):97/100。H NMR(300MHz、CDCl)δ:10.59(s、1H)、8.10−7.99(m、1H)、7.60−7.49(m、2H)、7.46−7.38(m、1H)、7.38−7.28(m、1H)、7.07−6.96(m、2H)、4.19(t、J=4.3Hz、2H)、3.84(t、J=4.6Hz、2H)、3.58(t、J=6.7Hz、2H)、1.71−1.56(m、2H)、1.50−1.33(m、2H)、0.95(t、J=7.4Hz、3H)。LC/MS:純度(UV/MS):100/100。
【0262】
実施例40:受容体選択および増幅技法アッセイ
機能的受容体アッセイである「受容体選択および増幅技法(R−SAT:Receptor Selection and Amplification Technology)」が使用され、既知および新規のRARβアゴニストおよびアンタゴニストの薬理学的特性が調査された。R−SATは、例えば、米国特許第5,707,798号明細書、同第5,912,132号明細書、および同第5,955,281号明細書、ピウ・F(Piu,F.)、ゴーティエ・N・K(Gauthier,N.K.)、およびワン・F(Wang,F.)「Beta Arrestin 2 modulates the activity of Nuclear Receptor RAR beta 2 through activation of ERK2 kinase」、Oncogen(2006年)25(2):218−29頁およびバーンスタイン・E・S(Burstein,E.S.)、ピウ・F(Piu,F.)、マ・J−N(Ma,J−N.)、ワイスマン・J・T(Weissman,J.T.)、クリエール・E・A(Currier,E.A.)、ナッシュ・N・R(Nash,N.R.)、ワイナー・D・M(Weiner,D.M.)、スパルディング・T・A(Spalding,T.A.)、シーファー・H・H(Schiffer,H.H.)、デル・トレディシ・A・L(Del Tredici,A.L.)、ブラン・M・R(Brann,M.R.)「Integrative Functional Assays,Chemical Genomics and High Throughput Screening:Harnessing signal transduction pathways to a common HTS readout」Curr Pharm Des(2006年)12(14):1717−29頁に開示され、これらの全てが、任意の図を含め全体として参照により本明細書に援用される。
【0263】
これらの実験は、ヒトRARおよびRXR受容体におけるこれらの薬剤の各々について、分子特性、または明確な特徴を提供している。表1および表2において確認され得るとおり、これらの式Iの化合物はRARβ2受容体を調節する。
【0264】
【表1】

【0265】
有効性は参照リガンドであるAm−580の最大反応に対するものである。
【0266】
【表2】

【0267】
実施例41:化合物のライブラリ合成
化合物のライブラリが一連の求電子剤および求核剤をカップリングさせることにより以下のスキームを使用して合成された:
【化27】

式中、Arは求核剤中の置換アリールまたはヘテロアリールであるとともにArは求電子剤中のアリールまたはヘテロアリールであり、Rは場合によりヘテロアリールと置換されるアルキルであり、およびXはハロゲンである。
【0268】
150個の併発反応が実行され、結果としてジアリールを得た。ライブラリ合成において使用された求核剤としては、以下の化合物が含まれた:
【化28】

【0269】
合成において使用された求電子剤としては、以下の化合物が含まれた:
【化29】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

またはその単一異性体、異性体の混合物、異性体のラセミ混合物、溶媒和物、多形体、代謝産物、または薬学的に許容可能な塩またはプロドラッグであって、
式中:
1a1b、R1c、R1dは、水素、シアノ、ハロゲン、C1−5置換または非置換直鎖または分枝アルキル、および置換または非置換シクロアルキルからなる群より独立して選択され;
Cyは、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換複素環からなる群より選択され;
は、水素、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルキル、置換もしくは非置換C−C10直鎖または置換もしくは非置換分岐アルケニル、C−C10直鎖または分枝アルキニル、C−C10置換または非置換シクロアルキル、ハロアルキル、−OR、−ROR、−OROR、−N(R)(R2a)、−C(=O)R、−C(=O)OR、−OC(=O)R、−C(=O)N(R)(R2a)、−N(R)C(=O)(R2a)、−N(R)C(=O)N(R2a)(R2b)、および−C=NN(R)(R2a)からなる群より選択され;
は、C−C10置換または非置換直鎖または分枝アルキレン、C−C10置換または非置換直鎖または分枝アルケニレン、C−C10置換または非置換直鎖または分枝アセチレン、C−C10置換または非置換シクロアルキレン、C−C10置換または非置換ヘテロシクロアルキレン、−OR−、−O−、−N(R)−、−C(=O)−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−N(R)C(=O)−、−N(R)C(=O)N(R)−、および−C=NN(R)−からなる群より選択され;
Yは、−OH、−NR4a、−C(=O)OH、−OR、および−C(=O)ORからなる群より選択され;
およびR4aは、水素、−NH、−OH、−SOCH、C−C10置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アリール、および置換または非置換複素環からなる群より独立して選択されるか、またはRおよびR4aは共に、場合により−NRC(=O)Rと置換されるC−Cヘテロアリールを形成し;
、R2a、およびR2bは、水素、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルキル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルケニル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C10直鎖または分枝アルキニル、置換または非置換C−Cシクロアルキル、置換または非置換C−Cシクロアルケニル、置換または非置換アリール、および置換または非置換ヘテロアリールからなる群より独立して選択され;
は、置換または非置換C−C10直鎖または分枝アルキレン、置換または非置換C−C直鎖または分枝アルケニレン、C−C置換または非置換直鎖または分枝アルキニレン、C−C置換または非置換シクロアルキレン、CHCHCH=C(CHCHCH、およびC−C置換または非置換シクロアルケニレンからなる群より選択され;および
は、C−C20置換または非置換の、直鎖または分枝アルキル、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環、置換または非置換シクロアルキル、および置換または非置換アリールより選択される、化合物。
【請求項2】
前記プロドラッグが、前記化合物のエステル誘導体、アミド誘導体、カルボヒドロキサム酸誘導体、イミダゾール誘導体、カルボヒドラジド誘導体、またはペプチド誘導体より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yが−ORまたは−C(=O)ORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Cyが次式からなる群より選択され、
【化2】

式中:
、R5a、R5bおよびR5cは、水素、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルキル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、場合により置換されるC−Cシクロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホン酸塩、ハロアルキル、−OR、−N(R)R6a、−CN、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)R6a、−N(R)−C(=O)R6a、−N(R)−C(=O)N(R6a)R6b、N(R)−S(=O)6a、−OC(=O)R、−S(=O)N(R)R6a、−S(=O)N(R)R6a、−SO、および−SRからなる群より独立して選択され;および
、R6aおよびR6bは、水素、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、C−Cシクロアルキル、およびC−Cシクロアルケニルからなる群より独立して選択されるか、またはR、R6aおよびR6bのうち2個およびそれらが結合する原子が共に複素環を形成してもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Cyが次式からなる群より選択され、
【化3】

式中:
は、水素、C−C直鎖または分枝アルキル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合により置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、場合により置換されるC−Cシクロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、スルホン酸塩、ハロアルキル、−OR、−N(R)R6a、および−CNからなる群より選択され;および
およびR6aは、水素、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルケニル、場合によりアリールまたはヘテロアリールと置換されるC−C直鎖または分枝アルキニル、C−Cシクロアルキル、およびC−Cシクロアルケニルからなる群より独立して選択されるか、またはR、R6aおよびR6bのうち2個およびそれらが結合する原子が共に複素環を形成してもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
次式:
【化4】

【化5】

【化6】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
次式:
【化7】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
次式:
【化8】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物がRARβ受容体サブタイプにおける活性を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物がレチノイン酸受容体サブタイプβアイソフォーム2(RARβ2)における活性を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
癌の処置または癌症状の軽減のための方法であって、治療的に有効量の請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を対象に投与するステップを含んでなる、方法。
【請求項12】
化学療法剤または放射線療法の同時投与をさらに含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
化学療法剤または放射線療法が悪性腫瘍を含んでなる癌の処置に有効である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記癌が、乳癌および頭部、頸部、肺、食道、乳腺、膵臓、または子宮頸部における腫瘍からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
神経障害の症状を処置または軽減するための方法であって、治療的に有効量の請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を対象に投与するステップを含んでなる、方法。
【請求項16】
前記神経障害が、空間学習および記憶課題における能力欠陥および加齢性記憶欠損からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記神経障害が、認知が変化する障害である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記神経障害が統合失調症である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
神経変性障害の症状を処置または軽減するための方法であって、治療的に有効量の請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を対象に投与するステップを含んでなる、方法。
【請求項20】
前記神経変性障害がパーキンソン病またはアルツハイマー病である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記神経変性障害が運動ニューロン疾患である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記神経変性障害が脳卒中により引き起こされる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記神経変性障害が神経細胞傷害により引き起こされる、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記神経変性障害が脊髄損傷に起因する神経細胞傷害により引き起こされる、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記神経変性障害が心筋障害に起因する神経細胞傷害により引き起こされる、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記神経変性障害が糖尿病における膵島細胞傷害により引き起こされる、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記神経変性障害が多発性硬化症により引き起こされる、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
過剰増殖性または炎症性障害の症状を処置または軽減するための方法であって、治療的に有効量の請求項1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を対象に投与するステップを含んでなる、方法。
【請求項29】
炎症性障害が慢性炎症性障害である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
炎症性障害が乾癬または関節リウマチである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物が、過剰増殖性または炎症性障害を処置するうえで有効な別の薬物と組み合わせて与えられる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記別の薬物が、TNF調節因子、コルチコステロイド、またはT細胞活性化調節因子である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記TNF調節因子またはT細胞活性化調節因子が、アダリムマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、およびエファリズマブからなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
眼障害または眼病態の症状を処置または軽減するための方法であって、治療的に有効量の請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を対象に投与するステップを含んでなる、方法。
【請求項35】
鬱病の症状を処置または軽減するための方法であって、治療的に有効量の請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を対象に投与するステップを含んでなる、方法。
【請求項36】
1つまたは複数のRARβ受容体のアゴニスト、インバースアゴニスト、またはアンタゴニストである化合物を同定する方法であって、
RARβ受容体を請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の試験化合物と接触させるステップ、および
前記1つまたは複数のRARβ受容体の活性レベルにおける任意の変化を測定することで試験化合物を1つまたは複数のRARβ受容体のアゴニスト、インバースアゴニスト、またはアンタゴニストとして同定するステップを含んでなる、方法。
【請求項37】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物および少なくとも1種の薬学的に許容可能なアジュバント、賦形剤または担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項38】
癌の処置において、または癌症状を軽減するために使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
前記癌の処置または癌症状の軽減が化学療法または放射線療法と組み合わされる、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
癌が悪性腫瘍を含んでなる、請求項38に記載の化合物。
【請求項41】
前記癌が、乳癌および頭部、頸部、肺、食道、乳腺、膵臓、または子宮頸部における腫瘍からなる群より選択される、請求項38に記載の化合物。
【請求項42】
神経障害の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
前記神経障害が空間学習および記憶課題における能力欠陥および/または加齢性記憶欠損である、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
前記神経障害が、認知が変化する障害である、請求項42に記載の化合物。
【請求項45】
前記神経障害が統合失調症である、請求項42に記載の化合物。
【請求項46】
神経変性障害の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項47】
神経変性障害がパーキンソン病またはアルツハイマー病である、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
過剰増殖性または炎症性障害の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項49】
炎症性障害が慢性炎症性障害である、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
炎症性障害が乾癬または関節リウマチある、請求項48に記載の化合物。
【請求項51】
眼障害または眼病態の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
鬱病の症状の処置において、またはそれを軽減するために使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。

【公表番号】特表2009−501721(P2009−501721A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521652(P2008−521652)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/027448
【国際公開番号】WO2007/009083
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(507164652)アカディア ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】