レベルシフト回路
【課題】レベルシフト基準電位が下がった場合にスイッチング素子を安全且つ確実に停止できるレベルシフト回路。
【解決手段】レベルシフト電源に接続された抵抗R1にドレインが接続されソースがグランドに接続されたMOSFETMN3、R1と同じ抵抗値を有しレベルシフト電源に接続された抵抗R2にドレインが接続されソースがグランドに接続されたMOSFETMN4、入力信号に基づきMN3,MN4のオン/オフを制御するパルス生成回路10、MN3がオンである場合にセット信号を生成しMN4がオンである場合にリセット信号を生成する制御部MN1,MN2,R5,R6、制御部で生成されたセット信号とリセット信号とに基づき入力信号をレベルシフトした出力信号を出力しスイッチング素子Q1を動作させるフリップフロップFF1、レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出してスイッチング素子を停止させるスイッチング動作停止部INV3,FF2,AD1を備える。
【解決手段】レベルシフト電源に接続された抵抗R1にドレインが接続されソースがグランドに接続されたMOSFETMN3、R1と同じ抵抗値を有しレベルシフト電源に接続された抵抗R2にドレインが接続されソースがグランドに接続されたMOSFETMN4、入力信号に基づきMN3,MN4のオン/オフを制御するパルス生成回路10、MN3がオンである場合にセット信号を生成しMN4がオンである場合にリセット信号を生成する制御部MN1,MN2,R5,R6、制御部で生成されたセット信号とリセット信号とに基づき入力信号をレベルシフトした出力信号を出力しスイッチング素子Q1を動作させるフリップフロップFF1、レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出してスイッチング素子を停止させるスイッチング動作停止部INV3,FF2,AD1を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイサイドドライバの安全性を高めることができるレベルシフト回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。このレベルシフト回路は、抵抗R1〜R7と、パルス生成回路10と、トランジスタMN1,MN2,MN3,MN4と、フリップフロップFF1と、バッファBF1と、インバータINV4,INV5を備える。
【0003】
抵抗R1は、一端がレベルシフト電源に接続され、他端がトランジスタMN3のドレインに接続されている。トランジスタMN3は、抵抗R1の他端にドレインが接続され、ソースは、抵抗R3を介してグランドに接続されている。トランジスタMN3のドレインとグランドとの間には、寄生容量C1が存在する。トランジスタMN3のゲートは、パルス生成回路10に接続されている。抵抗R2は、抵抗R1と同じ抵抗値を有し、一端がレベルシフト電源に接続され、他端がトランジスタMN4のドレインに接続されている。
【0004】
トランジスタMN4は、抵抗R2の他端にドレインが接続され、ソースが抵抗R4を介してグランドに接続されている。さらに、トランジスタMN4のドレインとグランドとの間には、寄生容量C2が存在する。トランジスタMN4のゲートは、パルス生成回路10に接続されている。
【0005】
パルス生成回路10は、入力信号に基づいてトランジスタMN3とトランジスタMN4とのオン/オフを制御する。パルス生成回路10は、パルス生成回路10の下方に描かれているように、入力信号の立ち上がりの際にセットパルス信号をトランジスタMN3のゲートに出力し、入力信号の立ち下がりの際にリセットパルス信号をトランジスタMN4のゲートに出力する。
【0006】
抵抗R5,R6とトランジスタMN1,MN2とからなる制御部は、トランジスタMN3がオンである場合にセット信号を生成し、トランジスタMN4がオンである場合にリセット信号を生成し、トランジスタMN3のドレインにおける電位とトランジスタMN4のドレインにおける電位との間において電圧差が生じていない場合にはいずれの信号も生成しない。
【0007】
抵抗R5は、一端がレベルシフト電源に接続され、他端がトランジスタMN1のドレインに接続されている。トランジスタMN1は、ドレインが抵抗R5の他端に接続され、ソースがトランジスタMN3のドレインに接続され、ゲートがトランジスタMN4のドレインに接続されている。トランジスタMN1のドレインは、インバータINV4を介してフリップフロップFF1のセット端子に接続されている。
【0008】
抵抗R6は、抵抗R5と同じ抵抗値を有し、一端がレベルシフト電源に接続され、他端がトランジスタMN2のドレインに接続されている。トランジスタMN2は、抵抗R6の他端にドレインが接続され、ソースがトランジスタMN4のドレインに接続され、ゲートがトランジスタMN3のドレインに接続されている。トランジスタMN2のドレインは、インバータINV5を介してフリップフロップFF1のリセット端子に接続されている。
【0009】
なお、抵抗R5、R6はトランジスタMN1,MN2のプルアップ抵抗であり、R1<<R5の関係にある。主に抵抗R1の抵抗値によりローサイドからの駆動電流を電流電圧変換を行って電圧振幅を得ている。また、トランジスタMN1,MN2からなる同相除去回路が挿入されているため、抵抗R1の両端電圧からトランジスタMN1での電圧降下分を引いた電圧が抵抗R5の両端電圧となり、この両端電圧を検出している。抵抗R2側についても同様である。
【0010】
また、レベルシフト電源の電位は、電源E2の正極の電位であり、電源E2の負極はレベルシフト基準電位である。電源E2と並列にコンデンサC1が接続され、電源E2の負極とレベルシフト基準電位とは、スイッチング素子Q1のソースと負荷Lとの接続点に接続されている。抵抗R5,R6に接続される検出インバータのスレッショルドは、レベルシフト電源とレベルシフト基準電位との電圧差の20%〜80%の間で適宜設定される。
【0011】
フリップフロップFF1は、制御部により生成されたセット信号とリセット信号とに基づいて入力信号をレベルシフトした出力信号(レベルシフトOUT)を出力する。フリップフロップFF1による出力信号は、バッファBF1及び抵抗R7を介してハイサイド側スイッチング素子Q1のゲートに印加される。スイッチング素子Q1のドレインには直流電源E1が接続され、スイッチング素子Q1のソースは負荷Lを介して接地されている。
【0012】
次に、このように構成されたレベルシフト回路の通常時の動作を図12のタイミングチャートを参照しながら説明する。ここでは、セットパルス伝達時の動作について説明する。なお、リセットパルス伝達時の動作も同様である。
【0013】
時刻t20において、パルス生成回路10がトランジスタMN3のゲートに対してセットパルス信号を出力すると、トランジスタMN3はオンして抵抗R1に電流を流す。これによって抵抗R1の両端に電圧差ができるので、トランジスタMN1のソース電圧が下がり、ゲート−ソース間電圧がスレッショルド以上になると、トランジスタMN1はオンして抵抗R5に電流を流す。抵抗R5の両端に生じた電圧降下が後段のインバータにおけるスレッショルドに達すると、セット信号がフリップフロップFF1に入力され、フリップフロップFF1は、ハイサイド側スイッチング素子Q1のゲートにH(HIGH)レベルの信号を出力し、スイッチング素子Q1をオンさせる。
【0014】
次に、レベルシフト回路の異常時の動作を図13のタイミングチャートを参照しながら説明する。まず、誤動作が発生しやすい状況として、モータ、トランス等、パターンのインダクタンス成分を含む負荷Lによっては、図13に示すように、レベルシフト基準電位がマイナスに振れることがある。
【0015】
また、誤動作しやすい状況として、例えば起動時のソフトスタートや待機等で、パルス生成回路に入力されるパルスが短い場合がある。入力されるパルスが短いと、レベルシフトOUTが細くなり、レベルシフトOUTに接続されたスイッチング素子Q1が十分にオンできず、レベルシフト基準電位が上昇しないことがある。
【0016】
図13では、レベルシフトOUTがHレベルになっても、レベルシフト基準電位が上昇せずに負にふれた場合を図示した。また、通常動作時においても、スイッチング素子Q1のON/OFF時間に負荷やパターンのL(リアクタンス)成分により、レベルシフト基準電位が負になることを想定する必要がある。これらの状況を考えると、レベルシフト基準電位がマイナスの時に、セット信号又はリセット信号がローサイドからハイサイドへ送られることを想定する必要がある。また、レベルシフト基準電位がマイナスにならなくても、レベルシフト電源が下がった時のことを想定する必要がある。
【0017】
レベルシフト基準電位が0V以下になると、レベルシフト電源の絶対値電圧が下がる。この時、セット信号をローサイドからハイサイドへ伝達する抵抗R1、トランジスタMN3、抵抗R3とからなる直列回路を考える。レベルシフト回路の入力信号に応じて、トランジスタMN3がオンすると、前記直列抵抗R1,R3の分圧比により抵抗R1の両端電圧が決まり、抵抗R1の両端電圧を検出してハイサイド側にセット信号を伝達している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2011−109843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、レベルシフト電源の絶対値電圧が下がると、抵抗R1,R2の両端電圧が小さくなる。図13に示す時刻t31,t33では、抵抗R6(R2)の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV5のしきい値VTHとの差分の電圧よりも大きいので、インバータINV5がHレベルをフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力する。このため、フリップフロップFF1の出力Qは反転し、レベルシフトOUTはLレベルとなる。
【0020】
しかし、時刻t35では、抵抗R6(R2)の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV5のしきい値VTHとの差分の電圧よりも小さいので、インバータINV5はHレベルをフリップフロップFF1のリセット端子に出力しない。このため、時刻T35において、フリップフロップFF1の出力は反転せず、レベルシフトOUTはHレベルのままであり、オフできない。このため、ローサイドからハイサイドへ信号を伝達することができなくなる。
【0021】
また、前記直列回路の分圧回路は、セット側、リセット側で、製造バラツキの影響を受けるため、全く同じ回路・レイアウト設計を行っても完全に同一とはならない。このため、図13に示すように、レベルシフト基準電位が下がりレベルシフト電源が下がることで、セット側だけ信号伝達が可能で、リセット側が信号を伝達できない場合が考えられる。この場合には、レベルシフトOUTをLレベルにできないので、所望のパルス幅よりも広いパルス幅が出力されて、誤動作が発生する。
【0022】
これにより、一番好ましくない例として、ハイサイドドライバーをブリッジ構成(図示しないが、ローサイドスイッチとハイサイドスイッチと入力電源が直列に接続)で用いられた場合には、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチが同時にオンする可能性があり、入力電源がショートしてしまうことが考えられる。この場合には、スイッチング素子に致命的な破損が発生したり、回路内のフューズがオープン等により装置全体に好ましくない事態が発生する。
【0023】
本発明は、レベルシフト基準電位が下がった場合にスイッチング素子の動作を安全且つ確実に停止できるレベルシフト回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記課題を解決するために、本発明は、一端がレベルシフト電源に接続された第1抵抗と、前記第1抵抗の他端にドレインが接続され、ソースがグランドに接続された第1のN型MOSFETと、前記第1抵抗と同じ抵抗値を有し、一端が前記レベルシフト電源に接続された第2抵抗と、前記第2抵抗の他端にドレインが接続され、ソースがグランドに接続された第2のN型MOSFETと、入力信号に基づいて前記第1のN型MOSFETと前記第2のN型MOSFETとのオン/オフを制御するパルス生成回路と、前記第1のN型MOSFETがオンである場合にセット信号を生成し、前記第2のN型MOSFETがオンである場合にリセット信号を生成する制御部と、前記制御部により生成されたセット信号とリセット信号とに基づいて前記入力信号をレベルシフトした出力信号を出力してスイッチング素子を動作させるフリップフロップと、前記レベルシフト電源の負極におけるレベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出して前記スイッチング素子の動作を停止させるスイッチング動作停止部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、スイッチング動作停止部は、レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出してスイッチング素子の動作を停止させるので、レベルシフト基準電位が負電位に下がった場合には、スイッチング素子の動作を安全且つ確実に停止できるレベルシフト回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施例1のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図2】実施例1のレベルシフト回路の異常時の動作を示す各部のタイミングチャートである。
【図3】実施例2のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図4】実施例2のレベルシフト回路の異常時の動作を示す各部のタイミングチャートである。
【図5】実施例3のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図6】実施例3のレベルシフト回路において、レベルシフト基準電位が通常時における各部のタイミングチャートである。
【図7】実施例3のレベルシフト回路において、レベルシフト基準電位が負電位における各部のタイミングチャートである。
【図8】実施例3の変形例のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図9】実施例4のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図10】実施例4の変形例のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図11】従来のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図12】従来のレベルシフト回路の通常時の動作を示す各部のタイミングチャートである。
【図13】従来のレベルシフト回路の異常時の動作を示す各部のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のレベルシフト回路の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
(実施例1)
図1は、実施例1のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図1に示す実施例1のレベルシフト回路は、図11に示す従来のレベルシフト回路に対して、レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出してスイッチング素子Q1の動作を安全且つ確実に停止するスイッチング動作停止部として、インバータINV1〜INV3、フリップフロップFF2、アンド回路AD1を設けたことを特徴とする。
【0029】
インバータINV1は、入力端子が抵抗R5の他端に接続され、出力端子がアンド回路AD1の一方の入力端子に接続され、抵抗R1(R5)の両端電圧がレベルシフト電源としきい値VTHとの差分を超えたときに入力信号を反転した信号をアンド回路AD1の一方の入力端子に出力する。
【0030】
インバータINV2は、入力端子が抵抗R6の他端に接続され、出力端子がフリップフロップFF1のリセット端子Rに接続され、抵抗R2(R6)の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきいVTH1との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力する。
【0031】
インバータINV3は、入力端子が抵抗R6の他端に接続され、出力端子がフリップフロップFF2のセット端子Sに接続され、抵抗R2(R6)の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきい値VTH1との差分よりも大きいレベルシフト電源と第2しきい値VTH2との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をフリップフロップFF2のセット端子Sに出力する。
【0032】
フリップフロップFF2は、セット端子SがインバータINV3の出力端子に接続され、リセット端子RがフリップフロップFF1の出力端子Qに接続され、出力端子Qがアンド回路AD1の他方の入力端子に接続されている。アンド回路AD1の出力端子は、フリップフロップFF1のセット端子Sに接続され、フリップフロップFF1の出力端子Qは、バッファBF1の入力端子に接続されている。
【0033】
図1に示すその他の構成は、図11に示す構成と同一であるので、同一部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0034】
次にこのように構成された実施例1のレベルシフト回路の動作を図2のタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0035】
まず、レベルシフト基準電位が0以下、又はレベルシフト電源電圧が下がって行くと、トランジスタMN3,MN4がオンした時の抵抗R1,R2の両端電圧振幅も小さくなる。また、抵抗R5,R6の両端電圧振幅も小さくなる。この電圧振幅がレベルシフト電源とインバータINV1,INV2でのしきい値VTH,VTH1との差分まで小さくなると、インバータINV1,INV2がHレベルを出力しないため、セットパルス又はリセットパルスが検出できなくなる。
【0036】
具体的には、図2に示すように、時刻t1では、抵抗R6(R2)の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV3の第2しきい値VTH2との差分よりも大きいので、インバータINV3がHレベルをフリップフロップFF2のセット端子Sに出力する。このため、フリップフロップFF2の出力QはHレベルとなる。また、インバータINV2もHレベルをフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力するので、フリップフロップFF1の出力Qは反転してLレベルとなる。
【0037】
次に、時刻t3では、抵抗R6(R2)の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV3の第2しきい値VTH2との差分よりも小さいので、インバータINV3はLレベルをフリップフロップFF2のセット端子Sに出力する。このため、フリップフロップFF2の出力QはLレベルとなる。また、インバータINV2はHレベルをフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力するので、フリップフロップFF1の出力Qは反転してLレベルとなる。
【0038】
即ち、セットパルス又はリセットパルスが検出できなくなる前に、抵抗R2(R6)の振幅が小さくなることをインバータINV3を用いて検出し、この検出出力によりフリップフロップFF2の出力QをLレベルにして、時刻t4において、次のパルスのセット信号が入力されても、フリップフロップFF2の出力QからLレベルがアンド回路AD1に入力されているので、レベルシフトOUTからパルスを出さないようにすることができる。
【0039】
なお、インバータINV2が検出できなくなる前に、インバータINV3が抵抗R2(R6)の振幅が小さくなったことを検出できるようにしきい値を設定する。
【0040】
このように実施例1のレベルシフト回路によれば、レベルシフト基準電位が負電位に下がった場合には、レベルシフト動作ができなくなる動作限界点に達する前に、スイッチング素子Q1のターンオン動作を停止することができるので、スイッチング素子Q1の動作を安全且つ確実に停止することができる。
【0041】
(実施例2)
図3は、実施例2のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図1に示す実施例1のレベルシフト回路は、スイッチング動作停止部をハイサイドにインバータINV3、フリップフロップFF2、アンド回路AD1を設けたが、図3に示す実施例2のレベルシフト回路は、スイッチング動作停止部をローサイドにダウンエッジワンショット回路12、コンパレータOP1、フリップフロップFF3、アンド回路AD2を設けたことを特徴とする。
【0042】
実施例2のレベルシフト回路は、ローサイドで、抵抗R3又は抵抗R4の電圧を検出して、検出された電圧が低く十分なセット信号及びリセット信号をハイサイド側に送れない場合には、セット信号を送らないように停止して、スイッチング素子Q1の動作を停止するものである。
【0043】
ダウンエッジワンショット回路12は、パルス生成回路10からのセットパルスのダウンエッジを検出してワンパルスをフリップフロップFF3のリセット端子Rに出力する。コンパレータOP1は、抵抗R4の両端電圧が基準電圧Vref以上である場合にHレベルをフリップフロップFF3のセット端子Sに出力し、抵抗R4の両端電圧が基準電圧Vref未満である場合にLレベルをフリップフロップFF3のセット端子Sに出力する。
【0044】
アンド回路AD2は、パルス生成回路10からのセットパルスとフリップフロップFF3の出力端子Qからの出力とのアンドをとりその出力をトランジスタMN3のゲートに出力する。
【0045】
次にこのように構成された実施例2のレベルシフト回路の異常時の動作を図4に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0046】
時刻t11前において、ダウンエッジワンショット回路12は、パルス生成回路10からのセットパルスのダウンエッジを検出してワンパルスをフリップフロップFF3のリセット端子に出力する。このため、フリップフロップFF3の出力は反転してLレベルとなる。
【0047】
時刻t11において、パルス生成回路10からのリセットパルスによりトランジスタMN4がオンすると、抵抗R4に電流が流れて、抵抗R4の両端に電圧が発生する。この両端電圧はコンパレータOP1の基準電圧Vrefよりも大きいので、HレベルがフリップフロップFF3のセット端子Sに出力される。このため、フリップフロップFF3の出力QはHレベルとなる。
【0048】
時刻t13において、パルス生成回路10からのリセットパルスによりトランジスタMN4がオンすると、抵抗R4に電流が流れて、抵抗R4の両端に電圧が発生する。この両端電圧はコンパレータOP1の基準電圧Vrefよりも小さいので、LレベルがフリップフロップFF3のセット端子Sに出力される。このため、フリップフロップFF3の出力QはLレベルとなる。
【0049】
時刻t14において、アンド回路AD2にセットパルスが入力されるが、フリップフロップFF3の出力QはLレベルのままであるため、アンド回路AD2の出力はLレベルとなる。このため、トランジスタMN3はオンしないため、セット信号が無視され、スイッチング素子Q1の動作を安全且つ確実に停止することができる。
【0050】
従って、実施例2のレベルシフト回路においても、実施例1のレベルシフト回路と同様な効果が得られる。
【0051】
(実施例3)
図5は、実施例3のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図1に示す実施例1のレベルシフト回路は、レベルシフト電源が負電位になったときに、セット信号とリセット信号との両方の信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させていたが、図5に示す実施例3のレベルシフト回路は、レベルシフト電源が負電位になったときに、セット信号又はリセット信号の一方の信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させたことを特徴とする。
【0052】
このため、図5に示す実施例3のレベルシフト回路は、図1に示す実施例1のレベルシフト回路に対して、抵抗R5,R6、トランジスタMN1,MN2を削除するとともに、インバータINV1〜INV7、フリップフロップFF1、D型フリップフロップDFF、アンド回路AD1、バッファBF1とを設けていることを特徴とする。
【0053】
インバータINV1は、入力端子が抵抗R1の他端に接続され、出力端子がインバータINV4とインバータINV5とを介してフリップフロップFF1のセット端子Sに接続され、抵抗R1の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH1との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をインバータINV4の入力端子に出力する。
【0054】
インバータINV2は、入力端子が抵抗R2の他端に接続され、出力端子がインバータINV6とインバータINV7とを介してフリップフロップFF1のリセット端子Rに接続され、抵抗R2の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTHの差分を超えたときに入力信号を反転した信号をフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力する。
【0055】
インバータINV3は、入力端子が抵抗R1の他端に接続され、出力端子がD型フリップフロップDFFのセット端子Dに接続され、抵抗R1の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH1との差分よりも大きいレベルシフト電源VBとしきい値VTH2との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をD型フリップフロップDFFのセット端子Dに出力する。
【0056】
D型フリップフロップDFFのクロック端子DFF−CLKは、インバータINV5の出力端子に接続され、出力端子Qはアンド回路AD1の一方の入力端子に接続されている。
【0057】
フリップフロップFF1は、セット端子SがインバータINV5の出力端子に接続され、リセット端子RがインバータINV7の出力端子に接続され、出力端子Qがアンド回路AD1の他方の入力端子に接続されている。アンド回路AD1の出力端子は、バッファBF1を介してレベルシフトOUT(HO)に接続されている。
【0058】
図5に示すその他の構成は、図1に示す構成と同一であるので、同一部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0059】
次にこのように構成された実施例3のレベルシフト回路の動作を図6に示すレベルシフト基準電位VSが通常時の動作、図7に示すレベルシフト基準電位VSが負電位の動作を示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0060】
まず、レベルシフト基準電位VSが0以下、又はレベルシフト電源電圧が下がって行くと、トランジスタMN3,MN4がオンした時の抵抗R1,R2の両端電圧振幅も小さくなる。この電圧振幅がレベルシフト電源VBとインバータINV1,INV2でのしきい値VTH1との差分まで小さくなると、インバータINV1,INV2がHレベルを出力しないため、セットパルス又はリセットパルスが検出できなくなる。
【0061】
具体的には、図6に示すように、抵抗R1の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV3の第2しきい値VTH2との差分よりも大きいので、インバータINV3がHレベルをD型フリップフロップDFFの端子Dに出力する(DFF−D)。このため、D型フリップフロップDFFの出力QはHレベルとなる。また、インバータINV1もHレベルをインバータINV4,INV5を介して遅時間td分遅らせたクロック信号をD型フリップフロップDFFのクロック端子DFF−CLKに出力するので、このクロック信号の立ち上がりタイミングで、レベルシフトOUT(HO)にHレベルが出力される。
【0062】
次に、図7に示すように、レベルシフト基準電位VSが負電位になると、抵抗R1の両端電圧VR1がレベルシフト電源とインバータINV3の第2しきい値VTH2との差分よりも小さいので、インバータINV3はLレベルをD型フリップフロップDFFの端子Dに出力する。このため、D型フリップフロップDFFの出力QはLレベルとなり、バッファBF1の出力もLレベルとなる。
【0063】
即ち、セットパルス又はリセットパルスが検出できなくなる前に、抵抗R1の振幅が小さくなることをインバータINV3を用いて検出し、この検出出力によりアンド回路AD1とバッファBF1を介してレベルシフトOUTからパルスを出さないようにすることができる。
【0064】
このように実施例3のレベルシフト回路によれば、レベルシフト基準電位が負電位に下がった場合には、レベルシフト動作ができなくなる動作限界点に達する前に、スイッチング素子Q1のターンオン動作を停止することができるので、スイッチング素子Q1の動作を安全且つ確実に停止することができる。
【0065】
また、実施例3のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位になったときに、セット信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させることができる。
【0066】
(実施例3の変形例)
図8は、実施例3の変形例のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図5に示す実施例3のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位であるときに、セット信号に基づいてスイッチング素子Q1を停止させるために、抵抗R1の一端にインバータINV3の入力端子を接続し、D型フリップフロップDFFのクロック端子CLKにインバータINV5の出力端子を接続していた。
【0067】
図8に示す実施例3の変形例のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位であるときに、リセット信号に基づいてスイッチング素子Q1を停止させるために、抵抗R2の他端にインバータINV3の入力端子を接続し、D型フリップフロップDFFのクロック端子CLKにインバータINV7の出力端子を接続したことを特徴とする。
【0068】
このように、図8に示す実施例3の変形例のレベルシフト回路によっても、図5に示す実施例3のレベルシフト回路と同様に動作し、同様な効果が得られる。また、レベルシフト基準電位が負電位になったときに、リセット信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させることができる。
【0069】
(実施例4)
図9は、実施例4のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図9に示す実施例4のレベルシフト回路は、図5に示す実施例3のレベルシフト回路に対して、さらに、抵抗R5、抵抗R6、トランジスタMN1,MN2を備える。抵抗R1の両端には抵抗R5とトランジスタMN1との直列回路が接続される。抵抗R2の両端には抵抗R6とトランジスタMN2との直列回路が接続される。
【0070】
抵抗R5とトランジスタMN1との接続点には、インバータINV1,INV3の入力端子が接続されている。抵抗R6とトランジスタMN2との接続点には、インバータINV2の入力端子が接続されている。
【0071】
インバータINV1は、入力端子が抵抗R5の他端に接続され、出力端子がインバータINV4とインバータINV5とを介してフリップフロップFF1のセット端子Sに接続され、抵抗R5の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH1との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をインバータINV4の入力端子に出力する。
【0072】
インバータINV2は、入力端子が抵抗R6の他端に接続され、出力端子がインバータINV6とインバータINV7とを介してフリップフロップFF1のリセット端子Rに接続され、抵抗R6の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH2の差分を超えたときに入力信号を反転した信号をフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力する。
【0073】
インバータINV3は、入力端子が抵抗R5の他端に接続され、出力端子がD型フリップフロップDFFのセット端子Dに接続され、抵抗R5の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH1との差分よりも大きいレベルシフト電源VBとしきい値VTH2との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をD型のフリップフロップDFFのセット端子Dに出力する。
【0074】
なお、その他の構成は、図5に示す構成と同一であるので、その他の説明は省略する。
【0075】
このように構成された実施例4のレベルシフト回路によれば、実施例3のレベルシフト回路と同様に動作し、同様な効果が得られる。
【0076】
(実施例4の変形例)
図10は、実施例4の変形例のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図9に示す実施例4のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位であるときに、セット信号に基づいてスイッチング素子Q1を停止させるために、抵抗R5の一端にインバータINV3の入力端子を接続し、D型フリップフロップDFFのクロック端子CLKにインバータINV5の出力端子を接続していた。
【0077】
図10に示す実施例4の変形例のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位であるときに、リセット信号に基づいてスイッチング素子Q1を停止させるために、抵抗R6の一端にインバータINV3の入力端子を接続し、D型フリップフロップDFFのクロック端子CLKにインバータINV7の出力端子を接続したことを特徴とする。
【0078】
このように、図10に示す実施例4の変形例のレベルシフト回路によっても、図9に示す実施例4のレベルシフト回路と同様に動作し、同様な効果が得られる。また、レベルシフト基準電位が負電位になったときに、リセット信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させることができる。
【0079】
なお、本発明は実施例1〜4のレベルシフト回路に限定されるものではない。本発明は、十分に信号を伝達できるかどうかを判断することで、ハイサイドのパルス信号のオン/オフを制御することであるので、他の部分で十分な信号を伝達できるかどうかを判断しても良い。例えば、実施例1,2,4のレベルシフト回路では、リセット側で十分な信号伝達ができるかどうかを判断したが、実施例3の様にセット側で十分な信号伝達ができるかどうかを判断しても良い。
【0080】
また、実施例1〜4のレベルシフト回路では、しきい値の異なるインバータを用いたが、コンパレータ、gmの異なるPチャネルMOSFET素子を用いても良い。
【符号の説明】
【0081】
R1〜R7 抵抗
MN1〜MN4 トランジスタ
INV1〜INV7 インバータ
FF1〜FF3 フリップフロップ
DFF D型フリップフロップ
E1,E2 電源
Q1 スイッチング素子
L 負荷
C1 コンデンサ
OP1 コンパレータ
AD1,AD2 アンド回路
BF1 バッファ
10 パルス生成回路
12 ダウンエッジワンショット回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイサイドドライバの安全性を高めることができるレベルシフト回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。このレベルシフト回路は、抵抗R1〜R7と、パルス生成回路10と、トランジスタMN1,MN2,MN3,MN4と、フリップフロップFF1と、バッファBF1と、インバータINV4,INV5を備える。
【0003】
抵抗R1は、一端がレベルシフト電源に接続され、他端がトランジスタMN3のドレインに接続されている。トランジスタMN3は、抵抗R1の他端にドレインが接続され、ソースは、抵抗R3を介してグランドに接続されている。トランジスタMN3のドレインとグランドとの間には、寄生容量C1が存在する。トランジスタMN3のゲートは、パルス生成回路10に接続されている。抵抗R2は、抵抗R1と同じ抵抗値を有し、一端がレベルシフト電源に接続され、他端がトランジスタMN4のドレインに接続されている。
【0004】
トランジスタMN4は、抵抗R2の他端にドレインが接続され、ソースが抵抗R4を介してグランドに接続されている。さらに、トランジスタMN4のドレインとグランドとの間には、寄生容量C2が存在する。トランジスタMN4のゲートは、パルス生成回路10に接続されている。
【0005】
パルス生成回路10は、入力信号に基づいてトランジスタMN3とトランジスタMN4とのオン/オフを制御する。パルス生成回路10は、パルス生成回路10の下方に描かれているように、入力信号の立ち上がりの際にセットパルス信号をトランジスタMN3のゲートに出力し、入力信号の立ち下がりの際にリセットパルス信号をトランジスタMN4のゲートに出力する。
【0006】
抵抗R5,R6とトランジスタMN1,MN2とからなる制御部は、トランジスタMN3がオンである場合にセット信号を生成し、トランジスタMN4がオンである場合にリセット信号を生成し、トランジスタMN3のドレインにおける電位とトランジスタMN4のドレインにおける電位との間において電圧差が生じていない場合にはいずれの信号も生成しない。
【0007】
抵抗R5は、一端がレベルシフト電源に接続され、他端がトランジスタMN1のドレインに接続されている。トランジスタMN1は、ドレインが抵抗R5の他端に接続され、ソースがトランジスタMN3のドレインに接続され、ゲートがトランジスタMN4のドレインに接続されている。トランジスタMN1のドレインは、インバータINV4を介してフリップフロップFF1のセット端子に接続されている。
【0008】
抵抗R6は、抵抗R5と同じ抵抗値を有し、一端がレベルシフト電源に接続され、他端がトランジスタMN2のドレインに接続されている。トランジスタMN2は、抵抗R6の他端にドレインが接続され、ソースがトランジスタMN4のドレインに接続され、ゲートがトランジスタMN3のドレインに接続されている。トランジスタMN2のドレインは、インバータINV5を介してフリップフロップFF1のリセット端子に接続されている。
【0009】
なお、抵抗R5、R6はトランジスタMN1,MN2のプルアップ抵抗であり、R1<<R5の関係にある。主に抵抗R1の抵抗値によりローサイドからの駆動電流を電流電圧変換を行って電圧振幅を得ている。また、トランジスタMN1,MN2からなる同相除去回路が挿入されているため、抵抗R1の両端電圧からトランジスタMN1での電圧降下分を引いた電圧が抵抗R5の両端電圧となり、この両端電圧を検出している。抵抗R2側についても同様である。
【0010】
また、レベルシフト電源の電位は、電源E2の正極の電位であり、電源E2の負極はレベルシフト基準電位である。電源E2と並列にコンデンサC1が接続され、電源E2の負極とレベルシフト基準電位とは、スイッチング素子Q1のソースと負荷Lとの接続点に接続されている。抵抗R5,R6に接続される検出インバータのスレッショルドは、レベルシフト電源とレベルシフト基準電位との電圧差の20%〜80%の間で適宜設定される。
【0011】
フリップフロップFF1は、制御部により生成されたセット信号とリセット信号とに基づいて入力信号をレベルシフトした出力信号(レベルシフトOUT)を出力する。フリップフロップFF1による出力信号は、バッファBF1及び抵抗R7を介してハイサイド側スイッチング素子Q1のゲートに印加される。スイッチング素子Q1のドレインには直流電源E1が接続され、スイッチング素子Q1のソースは負荷Lを介して接地されている。
【0012】
次に、このように構成されたレベルシフト回路の通常時の動作を図12のタイミングチャートを参照しながら説明する。ここでは、セットパルス伝達時の動作について説明する。なお、リセットパルス伝達時の動作も同様である。
【0013】
時刻t20において、パルス生成回路10がトランジスタMN3のゲートに対してセットパルス信号を出力すると、トランジスタMN3はオンして抵抗R1に電流を流す。これによって抵抗R1の両端に電圧差ができるので、トランジスタMN1のソース電圧が下がり、ゲート−ソース間電圧がスレッショルド以上になると、トランジスタMN1はオンして抵抗R5に電流を流す。抵抗R5の両端に生じた電圧降下が後段のインバータにおけるスレッショルドに達すると、セット信号がフリップフロップFF1に入力され、フリップフロップFF1は、ハイサイド側スイッチング素子Q1のゲートにH(HIGH)レベルの信号を出力し、スイッチング素子Q1をオンさせる。
【0014】
次に、レベルシフト回路の異常時の動作を図13のタイミングチャートを参照しながら説明する。まず、誤動作が発生しやすい状況として、モータ、トランス等、パターンのインダクタンス成分を含む負荷Lによっては、図13に示すように、レベルシフト基準電位がマイナスに振れることがある。
【0015】
また、誤動作しやすい状況として、例えば起動時のソフトスタートや待機等で、パルス生成回路に入力されるパルスが短い場合がある。入力されるパルスが短いと、レベルシフトOUTが細くなり、レベルシフトOUTに接続されたスイッチング素子Q1が十分にオンできず、レベルシフト基準電位が上昇しないことがある。
【0016】
図13では、レベルシフトOUTがHレベルになっても、レベルシフト基準電位が上昇せずに負にふれた場合を図示した。また、通常動作時においても、スイッチング素子Q1のON/OFF時間に負荷やパターンのL(リアクタンス)成分により、レベルシフト基準電位が負になることを想定する必要がある。これらの状況を考えると、レベルシフト基準電位がマイナスの時に、セット信号又はリセット信号がローサイドからハイサイドへ送られることを想定する必要がある。また、レベルシフト基準電位がマイナスにならなくても、レベルシフト電源が下がった時のことを想定する必要がある。
【0017】
レベルシフト基準電位が0V以下になると、レベルシフト電源の絶対値電圧が下がる。この時、セット信号をローサイドからハイサイドへ伝達する抵抗R1、トランジスタMN3、抵抗R3とからなる直列回路を考える。レベルシフト回路の入力信号に応じて、トランジスタMN3がオンすると、前記直列抵抗R1,R3の分圧比により抵抗R1の両端電圧が決まり、抵抗R1の両端電圧を検出してハイサイド側にセット信号を伝達している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2011−109843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、レベルシフト電源の絶対値電圧が下がると、抵抗R1,R2の両端電圧が小さくなる。図13に示す時刻t31,t33では、抵抗R6(R2)の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV5のしきい値VTHとの差分の電圧よりも大きいので、インバータINV5がHレベルをフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力する。このため、フリップフロップFF1の出力Qは反転し、レベルシフトOUTはLレベルとなる。
【0020】
しかし、時刻t35では、抵抗R6(R2)の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV5のしきい値VTHとの差分の電圧よりも小さいので、インバータINV5はHレベルをフリップフロップFF1のリセット端子に出力しない。このため、時刻T35において、フリップフロップFF1の出力は反転せず、レベルシフトOUTはHレベルのままであり、オフできない。このため、ローサイドからハイサイドへ信号を伝達することができなくなる。
【0021】
また、前記直列回路の分圧回路は、セット側、リセット側で、製造バラツキの影響を受けるため、全く同じ回路・レイアウト設計を行っても完全に同一とはならない。このため、図13に示すように、レベルシフト基準電位が下がりレベルシフト電源が下がることで、セット側だけ信号伝達が可能で、リセット側が信号を伝達できない場合が考えられる。この場合には、レベルシフトOUTをLレベルにできないので、所望のパルス幅よりも広いパルス幅が出力されて、誤動作が発生する。
【0022】
これにより、一番好ましくない例として、ハイサイドドライバーをブリッジ構成(図示しないが、ローサイドスイッチとハイサイドスイッチと入力電源が直列に接続)で用いられた場合には、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチが同時にオンする可能性があり、入力電源がショートしてしまうことが考えられる。この場合には、スイッチング素子に致命的な破損が発生したり、回路内のフューズがオープン等により装置全体に好ましくない事態が発生する。
【0023】
本発明は、レベルシフト基準電位が下がった場合にスイッチング素子の動作を安全且つ確実に停止できるレベルシフト回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記課題を解決するために、本発明は、一端がレベルシフト電源に接続された第1抵抗と、前記第1抵抗の他端にドレインが接続され、ソースがグランドに接続された第1のN型MOSFETと、前記第1抵抗と同じ抵抗値を有し、一端が前記レベルシフト電源に接続された第2抵抗と、前記第2抵抗の他端にドレインが接続され、ソースがグランドに接続された第2のN型MOSFETと、入力信号に基づいて前記第1のN型MOSFETと前記第2のN型MOSFETとのオン/オフを制御するパルス生成回路と、前記第1のN型MOSFETがオンである場合にセット信号を生成し、前記第2のN型MOSFETがオンである場合にリセット信号を生成する制御部と、前記制御部により生成されたセット信号とリセット信号とに基づいて前記入力信号をレベルシフトした出力信号を出力してスイッチング素子を動作させるフリップフロップと、前記レベルシフト電源の負極におけるレベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出して前記スイッチング素子の動作を停止させるスイッチング動作停止部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、スイッチング動作停止部は、レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出してスイッチング素子の動作を停止させるので、レベルシフト基準電位が負電位に下がった場合には、スイッチング素子の動作を安全且つ確実に停止できるレベルシフト回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施例1のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図2】実施例1のレベルシフト回路の異常時の動作を示す各部のタイミングチャートである。
【図3】実施例2のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図4】実施例2のレベルシフト回路の異常時の動作を示す各部のタイミングチャートである。
【図5】実施例3のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図6】実施例3のレベルシフト回路において、レベルシフト基準電位が通常時における各部のタイミングチャートである。
【図7】実施例3のレベルシフト回路において、レベルシフト基準電位が負電位における各部のタイミングチャートである。
【図8】実施例3の変形例のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図9】実施例4のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図10】実施例4の変形例のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図11】従来のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。
【図12】従来のレベルシフト回路の通常時の動作を示す各部のタイミングチャートである。
【図13】従来のレベルシフト回路の異常時の動作を示す各部のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のレベルシフト回路の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
(実施例1)
図1は、実施例1のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図1に示す実施例1のレベルシフト回路は、図11に示す従来のレベルシフト回路に対して、レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出してスイッチング素子Q1の動作を安全且つ確実に停止するスイッチング動作停止部として、インバータINV1〜INV3、フリップフロップFF2、アンド回路AD1を設けたことを特徴とする。
【0029】
インバータINV1は、入力端子が抵抗R5の他端に接続され、出力端子がアンド回路AD1の一方の入力端子に接続され、抵抗R1(R5)の両端電圧がレベルシフト電源としきい値VTHとの差分を超えたときに入力信号を反転した信号をアンド回路AD1の一方の入力端子に出力する。
【0030】
インバータINV2は、入力端子が抵抗R6の他端に接続され、出力端子がフリップフロップFF1のリセット端子Rに接続され、抵抗R2(R6)の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきいVTH1との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力する。
【0031】
インバータINV3は、入力端子が抵抗R6の他端に接続され、出力端子がフリップフロップFF2のセット端子Sに接続され、抵抗R2(R6)の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきい値VTH1との差分よりも大きいレベルシフト電源と第2しきい値VTH2との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をフリップフロップFF2のセット端子Sに出力する。
【0032】
フリップフロップFF2は、セット端子SがインバータINV3の出力端子に接続され、リセット端子RがフリップフロップFF1の出力端子Qに接続され、出力端子Qがアンド回路AD1の他方の入力端子に接続されている。アンド回路AD1の出力端子は、フリップフロップFF1のセット端子Sに接続され、フリップフロップFF1の出力端子Qは、バッファBF1の入力端子に接続されている。
【0033】
図1に示すその他の構成は、図11に示す構成と同一であるので、同一部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0034】
次にこのように構成された実施例1のレベルシフト回路の動作を図2のタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0035】
まず、レベルシフト基準電位が0以下、又はレベルシフト電源電圧が下がって行くと、トランジスタMN3,MN4がオンした時の抵抗R1,R2の両端電圧振幅も小さくなる。また、抵抗R5,R6の両端電圧振幅も小さくなる。この電圧振幅がレベルシフト電源とインバータINV1,INV2でのしきい値VTH,VTH1との差分まで小さくなると、インバータINV1,INV2がHレベルを出力しないため、セットパルス又はリセットパルスが検出できなくなる。
【0036】
具体的には、図2に示すように、時刻t1では、抵抗R6(R2)の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV3の第2しきい値VTH2との差分よりも大きいので、インバータINV3がHレベルをフリップフロップFF2のセット端子Sに出力する。このため、フリップフロップFF2の出力QはHレベルとなる。また、インバータINV2もHレベルをフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力するので、フリップフロップFF1の出力Qは反転してLレベルとなる。
【0037】
次に、時刻t3では、抵抗R6(R2)の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV3の第2しきい値VTH2との差分よりも小さいので、インバータINV3はLレベルをフリップフロップFF2のセット端子Sに出力する。このため、フリップフロップFF2の出力QはLレベルとなる。また、インバータINV2はHレベルをフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力するので、フリップフロップFF1の出力Qは反転してLレベルとなる。
【0038】
即ち、セットパルス又はリセットパルスが検出できなくなる前に、抵抗R2(R6)の振幅が小さくなることをインバータINV3を用いて検出し、この検出出力によりフリップフロップFF2の出力QをLレベルにして、時刻t4において、次のパルスのセット信号が入力されても、フリップフロップFF2の出力QからLレベルがアンド回路AD1に入力されているので、レベルシフトOUTからパルスを出さないようにすることができる。
【0039】
なお、インバータINV2が検出できなくなる前に、インバータINV3が抵抗R2(R6)の振幅が小さくなったことを検出できるようにしきい値を設定する。
【0040】
このように実施例1のレベルシフト回路によれば、レベルシフト基準電位が負電位に下がった場合には、レベルシフト動作ができなくなる動作限界点に達する前に、スイッチング素子Q1のターンオン動作を停止することができるので、スイッチング素子Q1の動作を安全且つ確実に停止することができる。
【0041】
(実施例2)
図3は、実施例2のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図1に示す実施例1のレベルシフト回路は、スイッチング動作停止部をハイサイドにインバータINV3、フリップフロップFF2、アンド回路AD1を設けたが、図3に示す実施例2のレベルシフト回路は、スイッチング動作停止部をローサイドにダウンエッジワンショット回路12、コンパレータOP1、フリップフロップFF3、アンド回路AD2を設けたことを特徴とする。
【0042】
実施例2のレベルシフト回路は、ローサイドで、抵抗R3又は抵抗R4の電圧を検出して、検出された電圧が低く十分なセット信号及びリセット信号をハイサイド側に送れない場合には、セット信号を送らないように停止して、スイッチング素子Q1の動作を停止するものである。
【0043】
ダウンエッジワンショット回路12は、パルス生成回路10からのセットパルスのダウンエッジを検出してワンパルスをフリップフロップFF3のリセット端子Rに出力する。コンパレータOP1は、抵抗R4の両端電圧が基準電圧Vref以上である場合にHレベルをフリップフロップFF3のセット端子Sに出力し、抵抗R4の両端電圧が基準電圧Vref未満である場合にLレベルをフリップフロップFF3のセット端子Sに出力する。
【0044】
アンド回路AD2は、パルス生成回路10からのセットパルスとフリップフロップFF3の出力端子Qからの出力とのアンドをとりその出力をトランジスタMN3のゲートに出力する。
【0045】
次にこのように構成された実施例2のレベルシフト回路の異常時の動作を図4に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0046】
時刻t11前において、ダウンエッジワンショット回路12は、パルス生成回路10からのセットパルスのダウンエッジを検出してワンパルスをフリップフロップFF3のリセット端子に出力する。このため、フリップフロップFF3の出力は反転してLレベルとなる。
【0047】
時刻t11において、パルス生成回路10からのリセットパルスによりトランジスタMN4がオンすると、抵抗R4に電流が流れて、抵抗R4の両端に電圧が発生する。この両端電圧はコンパレータOP1の基準電圧Vrefよりも大きいので、HレベルがフリップフロップFF3のセット端子Sに出力される。このため、フリップフロップFF3の出力QはHレベルとなる。
【0048】
時刻t13において、パルス生成回路10からのリセットパルスによりトランジスタMN4がオンすると、抵抗R4に電流が流れて、抵抗R4の両端に電圧が発生する。この両端電圧はコンパレータOP1の基準電圧Vrefよりも小さいので、LレベルがフリップフロップFF3のセット端子Sに出力される。このため、フリップフロップFF3の出力QはLレベルとなる。
【0049】
時刻t14において、アンド回路AD2にセットパルスが入力されるが、フリップフロップFF3の出力QはLレベルのままであるため、アンド回路AD2の出力はLレベルとなる。このため、トランジスタMN3はオンしないため、セット信号が無視され、スイッチング素子Q1の動作を安全且つ確実に停止することができる。
【0050】
従って、実施例2のレベルシフト回路においても、実施例1のレベルシフト回路と同様な効果が得られる。
【0051】
(実施例3)
図5は、実施例3のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図1に示す実施例1のレベルシフト回路は、レベルシフト電源が負電位になったときに、セット信号とリセット信号との両方の信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させていたが、図5に示す実施例3のレベルシフト回路は、レベルシフト電源が負電位になったときに、セット信号又はリセット信号の一方の信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させたことを特徴とする。
【0052】
このため、図5に示す実施例3のレベルシフト回路は、図1に示す実施例1のレベルシフト回路に対して、抵抗R5,R6、トランジスタMN1,MN2を削除するとともに、インバータINV1〜INV7、フリップフロップFF1、D型フリップフロップDFF、アンド回路AD1、バッファBF1とを設けていることを特徴とする。
【0053】
インバータINV1は、入力端子が抵抗R1の他端に接続され、出力端子がインバータINV4とインバータINV5とを介してフリップフロップFF1のセット端子Sに接続され、抵抗R1の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH1との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をインバータINV4の入力端子に出力する。
【0054】
インバータINV2は、入力端子が抵抗R2の他端に接続され、出力端子がインバータINV6とインバータINV7とを介してフリップフロップFF1のリセット端子Rに接続され、抵抗R2の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTHの差分を超えたときに入力信号を反転した信号をフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力する。
【0055】
インバータINV3は、入力端子が抵抗R1の他端に接続され、出力端子がD型フリップフロップDFFのセット端子Dに接続され、抵抗R1の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH1との差分よりも大きいレベルシフト電源VBとしきい値VTH2との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をD型フリップフロップDFFのセット端子Dに出力する。
【0056】
D型フリップフロップDFFのクロック端子DFF−CLKは、インバータINV5の出力端子に接続され、出力端子Qはアンド回路AD1の一方の入力端子に接続されている。
【0057】
フリップフロップFF1は、セット端子SがインバータINV5の出力端子に接続され、リセット端子RがインバータINV7の出力端子に接続され、出力端子Qがアンド回路AD1の他方の入力端子に接続されている。アンド回路AD1の出力端子は、バッファBF1を介してレベルシフトOUT(HO)に接続されている。
【0058】
図5に示すその他の構成は、図1に示す構成と同一であるので、同一部分には同一符号を付しその説明は省略する。
【0059】
次にこのように構成された実施例3のレベルシフト回路の動作を図6に示すレベルシフト基準電位VSが通常時の動作、図7に示すレベルシフト基準電位VSが負電位の動作を示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0060】
まず、レベルシフト基準電位VSが0以下、又はレベルシフト電源電圧が下がって行くと、トランジスタMN3,MN4がオンした時の抵抗R1,R2の両端電圧振幅も小さくなる。この電圧振幅がレベルシフト電源VBとインバータINV1,INV2でのしきい値VTH1との差分まで小さくなると、インバータINV1,INV2がHレベルを出力しないため、セットパルス又はリセットパルスが検出できなくなる。
【0061】
具体的には、図6に示すように、抵抗R1の両端電圧がレベルシフト電源とインバータINV3の第2しきい値VTH2との差分よりも大きいので、インバータINV3がHレベルをD型フリップフロップDFFの端子Dに出力する(DFF−D)。このため、D型フリップフロップDFFの出力QはHレベルとなる。また、インバータINV1もHレベルをインバータINV4,INV5を介して遅時間td分遅らせたクロック信号をD型フリップフロップDFFのクロック端子DFF−CLKに出力するので、このクロック信号の立ち上がりタイミングで、レベルシフトOUT(HO)にHレベルが出力される。
【0062】
次に、図7に示すように、レベルシフト基準電位VSが負電位になると、抵抗R1の両端電圧VR1がレベルシフト電源とインバータINV3の第2しきい値VTH2との差分よりも小さいので、インバータINV3はLレベルをD型フリップフロップDFFの端子Dに出力する。このため、D型フリップフロップDFFの出力QはLレベルとなり、バッファBF1の出力もLレベルとなる。
【0063】
即ち、セットパルス又はリセットパルスが検出できなくなる前に、抵抗R1の振幅が小さくなることをインバータINV3を用いて検出し、この検出出力によりアンド回路AD1とバッファBF1を介してレベルシフトOUTからパルスを出さないようにすることができる。
【0064】
このように実施例3のレベルシフト回路によれば、レベルシフト基準電位が負電位に下がった場合には、レベルシフト動作ができなくなる動作限界点に達する前に、スイッチング素子Q1のターンオン動作を停止することができるので、スイッチング素子Q1の動作を安全且つ確実に停止することができる。
【0065】
また、実施例3のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位になったときに、セット信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させることができる。
【0066】
(実施例3の変形例)
図8は、実施例3の変形例のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図5に示す実施例3のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位であるときに、セット信号に基づいてスイッチング素子Q1を停止させるために、抵抗R1の一端にインバータINV3の入力端子を接続し、D型フリップフロップDFFのクロック端子CLKにインバータINV5の出力端子を接続していた。
【0067】
図8に示す実施例3の変形例のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位であるときに、リセット信号に基づいてスイッチング素子Q1を停止させるために、抵抗R2の他端にインバータINV3の入力端子を接続し、D型フリップフロップDFFのクロック端子CLKにインバータINV7の出力端子を接続したことを特徴とする。
【0068】
このように、図8に示す実施例3の変形例のレベルシフト回路によっても、図5に示す実施例3のレベルシフト回路と同様に動作し、同様な効果が得られる。また、レベルシフト基準電位が負電位になったときに、リセット信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させることができる。
【0069】
(実施例4)
図9は、実施例4のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図9に示す実施例4のレベルシフト回路は、図5に示す実施例3のレベルシフト回路に対して、さらに、抵抗R5、抵抗R6、トランジスタMN1,MN2を備える。抵抗R1の両端には抵抗R5とトランジスタMN1との直列回路が接続される。抵抗R2の両端には抵抗R6とトランジスタMN2との直列回路が接続される。
【0070】
抵抗R5とトランジスタMN1との接続点には、インバータINV1,INV3の入力端子が接続されている。抵抗R6とトランジスタMN2との接続点には、インバータINV2の入力端子が接続されている。
【0071】
インバータINV1は、入力端子が抵抗R5の他端に接続され、出力端子がインバータINV4とインバータINV5とを介してフリップフロップFF1のセット端子Sに接続され、抵抗R5の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH1との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をインバータINV4の入力端子に出力する。
【0072】
インバータINV2は、入力端子が抵抗R6の他端に接続され、出力端子がインバータINV6とインバータINV7とを介してフリップフロップFF1のリセット端子Rに接続され、抵抗R6の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH2の差分を超えたときに入力信号を反転した信号をフリップフロップFF1のリセット端子Rに出力する。
【0073】
インバータINV3は、入力端子が抵抗R5の他端に接続され、出力端子がD型フリップフロップDFFのセット端子Dに接続され、抵抗R5の両端電圧がレベルシフト電源VBとしきい値VTH1との差分よりも大きいレベルシフト電源VBとしきい値VTH2との差分を超えたときに入力信号を反転した信号をD型のフリップフロップDFFのセット端子Dに出力する。
【0074】
なお、その他の構成は、図5に示す構成と同一であるので、その他の説明は省略する。
【0075】
このように構成された実施例4のレベルシフト回路によれば、実施例3のレベルシフト回路と同様に動作し、同様な効果が得られる。
【0076】
(実施例4の変形例)
図10は、実施例4の変形例のレベルシフト回路の構成を示す回路図である。図9に示す実施例4のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位であるときに、セット信号に基づいてスイッチング素子Q1を停止させるために、抵抗R5の一端にインバータINV3の入力端子を接続し、D型フリップフロップDFFのクロック端子CLKにインバータINV5の出力端子を接続していた。
【0077】
図10に示す実施例4の変形例のレベルシフト回路は、レベルシフト基準電位が負電位であるときに、リセット信号に基づいてスイッチング素子Q1を停止させるために、抵抗R6の一端にインバータINV3の入力端子を接続し、D型フリップフロップDFFのクロック端子CLKにインバータINV7の出力端子を接続したことを特徴とする。
【0078】
このように、図10に示す実施例4の変形例のレベルシフト回路によっても、図9に示す実施例4のレベルシフト回路と同様に動作し、同様な効果が得られる。また、レベルシフト基準電位が負電位になったときに、リセット信号に基づいて、スイッチング素子Q1を停止させることができる。
【0079】
なお、本発明は実施例1〜4のレベルシフト回路に限定されるものではない。本発明は、十分に信号を伝達できるかどうかを判断することで、ハイサイドのパルス信号のオン/オフを制御することであるので、他の部分で十分な信号を伝達できるかどうかを判断しても良い。例えば、実施例1,2,4のレベルシフト回路では、リセット側で十分な信号伝達ができるかどうかを判断したが、実施例3の様にセット側で十分な信号伝達ができるかどうかを判断しても良い。
【0080】
また、実施例1〜4のレベルシフト回路では、しきい値の異なるインバータを用いたが、コンパレータ、gmの異なるPチャネルMOSFET素子を用いても良い。
【符号の説明】
【0081】
R1〜R7 抵抗
MN1〜MN4 トランジスタ
INV1〜INV7 インバータ
FF1〜FF3 フリップフロップ
DFF D型フリップフロップ
E1,E2 電源
Q1 スイッチング素子
L 負荷
C1 コンデンサ
OP1 コンパレータ
AD1,AD2 アンド回路
BF1 バッファ
10 パルス生成回路
12 ダウンエッジワンショット回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端がレベルシフト電源に接続された第1抵抗と、
前記第1抵抗の他端にドレインが接続され、ソースがグランドに接続された第1のN型MOSFETと、
前記第1抵抗と同じ抵抗値を有し、一端が前記レベルシフト電源に接続された第2抵抗と、
前記第2抵抗の他端にドレインが接続され、ソースがグランドに接続された第2のN型MOSFETと、
入力信号に基づいて前記第1のN型MOSFETと前記第2のN型MOSFETとのオン/オフを制御するパルス生成回路と、
前記第1のN型MOSFETがオンである場合にセット信号を生成し、前記第2のN型MOSFETがオンである場合にリセット信号を生成する制御部と、
前記制御部により生成されたセット信号とリセット信号とに基づいて前記入力信号をレベルシフトした出力信号を出力してスイッチング素子を動作させるフリップフロップと、
前記レベルシフト電源の負極におけるレベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出して前記スイッチング素子の動作を停止させるスイッチング動作停止部と、
を備えることを特徴とするレベルシフト回路。
【請求項2】
前記制御部は、
一端がレベルシフト電源に接続された第3抵抗と、
前記第3抵抗の他端と前記フリップフロップのセット端子とにドレインが接続され、ソースが前記第1のN型MOSFETのドレインに接続され、ゲートが前記第2のN型MOSFETのドレインに接続された第3のN型MOSFETと、
前記第3抵抗と同じ抵抗値を有し、一端がレベルシフト電源に接続された第4抵抗と、
前記第4抵抗の他端と前記フリップフロップのリセット端子とにドレインが接続され、ソースが前記第2のN型MOSFETのドレインに接続され、ゲートが前記第1のN型MOSFETのドレインに接続された第4のN型MOSFETを備え、
前記スイッチング動作停止部は、前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧に基づいて前記レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出して前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項3】
前記スイッチング動作停止部は、
前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきい値との差分を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を前記フリップフロップに出力する第1インバータと、
前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きい第2しきい値を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第2インバータと、
前記第2インバータの出力に基づき前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きく且つ前記レベルシフト電源と前記第2しきい値との差分よりも小さいときに前記セット信号を停止させることで前記スイッチング素子の動作を停止させる動作停止部と、
を備えることを特徴とする請求項2記載のレベルシフト回路。
【請求項4】
前記スイッチング動作停止部は、前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧に基づいて前記レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出して前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項5】
前記スイッチング動作停止部は、
前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきい値との差分を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第1インバータと、
前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きい第2しきい値を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第2インバータと、
前記第2インバータの出力に基づき前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きく且つ前記レベルシフト電源と前記第2しきい値との差分よりも小さいときに前記セット信号を停止させることで前記スイッチング素子の動作を停止させる動作停止部と、
を備えることを特徴とする請求項4記載のレベルシフト回路。
【請求項6】
前記制御部は、
一端がレベルシフト電源に接続された第3抵抗と、
前記第3抵抗の他端と前記フリップフロップのセット端子とにドレインが接続され、ソースが前記第1のN型MOSFETのドレインに接続され、ゲートが前記第2のN型MOSFETのドレインに接続された第3のN型MOSFETと、
前記第3抵抗と同じ抵抗値を有し、一端がレベルシフト電源に接続された第4抵抗と、
前記第4抵抗の他端と前記フリップフロップのリセット端子とにドレインが接続され、ソースが前記第2のN型MOSFETのドレインに接続され、ゲートが前記第1のN型MOSFETのドレインに接続された第4のN型MOSFETを備え、
前記スイッチング動作停止部は、
前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきい値との差分を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第1インバータと、
前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きい第2しきい値を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第2インバータと、
前記第1インバータの出力と前記第2インバータの出力とに基づき前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きく且つ前記レベルシフト電源と前記第2しきい値との差分よりも小さいときに前記セット信号を停止させることで前記スイッチング素子の動作を停止させる動作停止部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項7】
前記第1のN型MOSFETのソースとグランドとの間に接続された第5抵抗と、
前記第2のN型MOSFETのソースとグランドとの間に接続された第6抵抗と、
前記第5抵抗と前記第6抵抗との一方の抵抗の両端電圧と基準電圧とを比較するコンパレータと、
前記一方の抵抗の両端電圧が前記基準電圧未満である場合には、前記第5抵抗と前記第6抵抗に接続される前記第1のN型MOSFET又は前記第2のN型MOSFETを停止させることで前記スイッチング素子を停止させる動作停止部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項8】
前記スイッチング動作停止部は、前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧が所定電圧未満である場合には前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項1】
一端がレベルシフト電源に接続された第1抵抗と、
前記第1抵抗の他端にドレインが接続され、ソースがグランドに接続された第1のN型MOSFETと、
前記第1抵抗と同じ抵抗値を有し、一端が前記レベルシフト電源に接続された第2抵抗と、
前記第2抵抗の他端にドレインが接続され、ソースがグランドに接続された第2のN型MOSFETと、
入力信号に基づいて前記第1のN型MOSFETと前記第2のN型MOSFETとのオン/オフを制御するパルス生成回路と、
前記第1のN型MOSFETがオンである場合にセット信号を生成し、前記第2のN型MOSFETがオンである場合にリセット信号を生成する制御部と、
前記制御部により生成されたセット信号とリセット信号とに基づいて前記入力信号をレベルシフトした出力信号を出力してスイッチング素子を動作させるフリップフロップと、
前記レベルシフト電源の負極におけるレベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出して前記スイッチング素子の動作を停止させるスイッチング動作停止部と、
を備えることを特徴とするレベルシフト回路。
【請求項2】
前記制御部は、
一端がレベルシフト電源に接続された第3抵抗と、
前記第3抵抗の他端と前記フリップフロップのセット端子とにドレインが接続され、ソースが前記第1のN型MOSFETのドレインに接続され、ゲートが前記第2のN型MOSFETのドレインに接続された第3のN型MOSFETと、
前記第3抵抗と同じ抵抗値を有し、一端がレベルシフト電源に接続された第4抵抗と、
前記第4抵抗の他端と前記フリップフロップのリセット端子とにドレインが接続され、ソースが前記第2のN型MOSFETのドレインに接続され、ゲートが前記第1のN型MOSFETのドレインに接続された第4のN型MOSFETを備え、
前記スイッチング動作停止部は、前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧に基づいて前記レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出して前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項3】
前記スイッチング動作停止部は、
前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきい値との差分を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を前記フリップフロップに出力する第1インバータと、
前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きい第2しきい値を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第2インバータと、
前記第2インバータの出力に基づき前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きく且つ前記レベルシフト電源と前記第2しきい値との差分よりも小さいときに前記セット信号を停止させることで前記スイッチング素子の動作を停止させる動作停止部と、
を備えることを特徴とする請求項2記載のレベルシフト回路。
【請求項4】
前記スイッチング動作停止部は、前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧に基づいて前記レベルシフト基準電位が負電位に下がったことを検出して前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項5】
前記スイッチング動作停止部は、
前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきい値との差分を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第1インバータと、
前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きい第2しきい値を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第2インバータと、
前記第2インバータの出力に基づき前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きく且つ前記レベルシフト電源と前記第2しきい値との差分よりも小さいときに前記セット信号を停止させることで前記スイッチング素子の動作を停止させる動作停止部と、
を備えることを特徴とする請求項4記載のレベルシフト回路。
【請求項6】
前記制御部は、
一端がレベルシフト電源に接続された第3抵抗と、
前記第3抵抗の他端と前記フリップフロップのセット端子とにドレインが接続され、ソースが前記第1のN型MOSFETのドレインに接続され、ゲートが前記第2のN型MOSFETのドレインに接続された第3のN型MOSFETと、
前記第3抵抗と同じ抵抗値を有し、一端がレベルシフト電源に接続された第4抵抗と、
前記第4抵抗の他端と前記フリップフロップのリセット端子とにドレインが接続され、ソースが前記第2のN型MOSFETのドレインに接続され、ゲートが前記第1のN型MOSFETのドレインに接続された第4のN型MOSFETを備え、
前記スイッチング動作停止部は、
前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧がレベルシフト電源と第1しきい値との差分を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第1インバータと、
前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きい第2しきい値を超えたときに前記両端電圧の信号を反転した信号を出力する第2インバータと、
前記第1インバータの出力と前記第2インバータの出力とに基づき前記第3抵抗又は前記第4抵抗の両端電圧が前記レベルシフト電源と前記第1しきい値との差分よりも大きく且つ前記レベルシフト電源と前記第2しきい値との差分よりも小さいときに前記セット信号を停止させることで前記スイッチング素子の動作を停止させる動作停止部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項7】
前記第1のN型MOSFETのソースとグランドとの間に接続された第5抵抗と、
前記第2のN型MOSFETのソースとグランドとの間に接続された第6抵抗と、
前記第5抵抗と前記第6抵抗との一方の抵抗の両端電圧と基準電圧とを比較するコンパレータと、
前記一方の抵抗の両端電圧が前記基準電圧未満である場合には、前記第5抵抗と前記第6抵抗に接続される前記第1のN型MOSFET又は前記第2のN型MOSFETを停止させることで前記スイッチング素子を停止させる動作停止部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【請求項8】
前記スイッチング動作停止部は、前記第1抵抗又は前記第2抵抗の両端電圧が所定電圧未満である場合には前記スイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする請求項1記載のレベルシフト回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−66147(P2013−66147A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5100(P2012−5100)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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