説明

レベル変換回路および表示装置、並びに電子機器

【課題】回路構成の複雑化、消費電流の増加、特性低下を防止することができ、レイアウト面積の削減を図れるレベル変換回路および表示装置、並びに電子機器を提供する。
【解決手段】バイアス部12は、第5のNMOSトランジスタNT15と、抵抗素子R11を含む降圧部16と、電圧源15に接続された電流源I11と、を含み、第5のNMOSトランジスタNT15のソースが第1電圧源14に接続され、ドレインが抵抗素子R11の一端に接続され、抵抗素子R11の他端が電流源I11に接続され、第5のNMOSトランジスタNT15のゲートが抵抗素子R11の他端側に接続され、第1電圧から第1および第2のNMOSトランジスタNT11,NT12のしきい電圧分高く、または第1電圧より高くこのしきい値電圧より低いバイアス電圧を抵抗素子の一端側に生成し、レベル変換部11の第1および第2のNMOSトランジスタNT11,NT12のゲートに供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力信号の電圧レベルをレベル変換するレベル変換回路および表示装置、並びにそれを用いた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レベル変換回路(レベルシフト回路)は、たとえば接地電位GNDレベルと第1電圧(低耐圧電源電圧LVDD)のレベルとを信号レベルとする入力信号を、接地電位GNDと第1電圧より高い第2電圧(高耐圧電源電圧HVDD)の信号レベルに変換する。
【0003】
このように、レベル変換回路は、高耐圧電源電圧HVDDを用いることから、高耐圧のトランジスタを使用する必要があるが、従来のレベル変換回路(レベルシフタ)は、全て高耐圧トランジスタを使って構成されていた。
【0004】
しかし、近年低耐圧化に伴い、高耐圧NMOSトランジスタのゲートに充分に大きなオーバードライブ電圧ovを供給できないため、能力を上げるために面積の増加を犠牲にしてきた。
このような状況において、高速化、小面積化、安定動作のために高耐圧NMOSトランジスタのゲートに低耐圧電源電圧LVDDより大きいバイアスを供給し、低耐圧の電源を使ってレベル変換する技術が提案されている(たとえば特許文献1,2,3参照)。
【0005】
図1は、特許文献1に開示されたレベル変換回路の構成を示す回路図である。
【0006】
図1のレベル変換回路1は、n型の電界効果トランジスタ(NMOSトランジスタ)NT1〜NT7、およびp型の電界効果トランジスタ(PMOSトランジスタ)PT1〜PT3を有する。
NMOSトランジスタNT1,NT2,NT5、PMOSトランジスタPT1〜PT3は高耐圧MOSトランジスタにより形成され、NMOSトランジスタNT3,NT4,NT6,NT7は低耐圧MOSトランジスタにより形成されている。
また、レベル変換回路1は、0〜5Vの入力信号が加えられる入力端子T1、低電圧(5V)電源端子T2、接地端子T3、高電圧電源端子T4、低電圧電源で動作するインバータIV1,IV2、高電圧電源用インバータIV3、出力端子T5を有する。
【0007】
レベル変換回路1において、バイアス回路2を形成するPMOSトランジスタPT3はそのソース−ドレイン電流が常時3μAになるようにゲート電圧が設定されている。また、バイアス回路2を形成するPMOSトランジスタPT3、NMOSトランジスタNT5のトランジスタ特性と、PMOSトランジスタPT1、NMOSトランジスタNT1のトランジスタ特性が同一特性に揃えられている。そして、トランジスタNT5の回路とトランジスタNT1の回路がカレントミラー回路を構成している。
これにより、NMOSトランジスタNT1のソース電圧が、NMOSトランジスタNT5のソース電圧と同一となり、5Vに保持される。PMOSトランジスタPT2とNMOSトランジスタNT2の回路も同様である。
そして、NMOSトランジスタNT3,NT4のドレイン電圧が、常時、低電圧電源端子T2の電圧と同電位以下となる。この結果、低電圧電源端子T2の電圧が低下した場合においてもNMOSトランジスタNT3,NT4のソース−ドレイン電流を多く流すことが可能となり、より低い入力信号によって駆動することが可能となる。
【0008】
図2は、特許文献2に開示されたレベル変換回路の構成を示す回路図である。
なお、理解を容易にするため、図2のレベル変換回路1Aにおいて、図1と同様の構成部分は同一符号をもって表している。
【0009】
図2のレベル変換回路1Aは、外部から制御信号ENXをインバータIV6で反転させた制御信号ENにより、バイアス回路2Aに流れる電流を制御している。
【0010】
図3は、特許文献3に開示されたレベル変換回路の構成を示す回路図である。
なお、理解を容易にするため、図3のレベル変換回路1Bにおいて、図1および図2と同様の構成部分は同一符号をもって表している。
【0011】
図3のレベル変換回路1Bは、バイアス回路(中間電圧発生回路)2Bはソースフォロワ回路として形成され、PMOSトランジスタPT8と抵抗R2により構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−19815号公報
【特許文献2】特開2005−311712号公報
【特許文献3】特開2003−101405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図1〜図3に示すいずれの技術も、レベルシフト動作をするうえで、電源電圧の低下に伴う動作速度の低下を防止することができる。
しかし、消費電力の増大、制御信号の追加、面積の増大などの問題が発生してしまう。
これらの、技術は全てレベル変換部(レベルシフト部)に供給するバイアス電圧を作りこめないことが原因である。
【0014】
図1のレベル変換回路1は、定常電流がレベルシフトの動作時以外にも常時流れてしまう。すなわち、図1のレベル変換回路1は、消費電力を犠牲にした回路として構成されている。
【0015】
図2のレベル変換回路1Aは、制御信号によって動作していないときに定常電流は流れなくなるが、制御用の回路や信号が必要になる。
また、他のレベル変換部がONしたときは動作していないレベル変換部にも定常電流が流れてしまう。
【0016】
図3のレベル変換回路1Bは、使用するレベル変換部に程よいバイアス電圧を与えることができる。また、動作していないときや、他のレベル変換部も定常電流が流れないようにすることができる。
しかしながら、図3のレベル変換回路1Bは、以下に示すように、いくつかの問題を抱えている。
高耐圧側の電源の設定電圧の変動や、バイアス回路で電圧をソースフォロワで使用しているPMOSトランジスタPT8の電圧とレベル変換部に使用しているNMOSトランジスタとのプロセスばらつきを考慮しないといけない等の問題がある。
これらを解決するためには面積が大きくなってしまう。
【0017】
本発明は、回路構成の複雑化、消費電流の増加、特性低下を防止することができ、レイアウト面積の削減を図ることが可能なレベル変換回路および表示装置、並びにそれを用いた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の観点のレベル変換回路は、基準電圧と第1電圧とを信号レベルとする入力信号を、バイアス電圧の供給を受けて上記基準電圧と第1電圧よりも高い第2電圧の信号レベルに変換する少なくとも一つのレベル変換部と、上記バイアス電圧を発生し、上記レベル変換部に供給するバイアス部と、を有し、上記レベル変換部は、少なくとも第1のn型電界効果トランジスタと、第2のn型電界効果トランジスタと、第3のn型電界効果トランジスタと、第4のn型電界効果トランジスタと、第1のp型電界効果トランジスタと、第2のp型電界効果トランジスタと、を含み、上記第1のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第1のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第3のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、上記第2のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第2のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第1のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第4のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、上記第1のp型電界効果トランジスタのソースおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのソースが第2電圧源に接続され、上記第3のn型電界効果トランジスタのソースおよび上記第4のn型電界効果トランジスタのソースが基準電圧源に接続され、上記第3のn型電界効果トランジスタのゲートと上記第4のn型電界効果トランジスタのゲートには、基準電圧レベルと第1電圧レベルを相補的にとる入力信号がそれぞれ供給され、上記バイアス部は、第5のn型電界効果トランジスタと、少なくとも一つの抵抗素子を含む降圧部と、電源側端子が上記第1電圧より高い電圧源に接続された電流源と、を含み、上記第5のn型電界効果トランジスタのソースが第1電圧源に接続され、ドレインが上記抵抗素子の一端に接続され、上記抵抗素子の他端が上記電流源の電流供給端子側に接続され、上記第5のn型電界効果トランジスタのゲートが上記抵抗素子の他端側に接続され、第1電圧から上記第1のn型電界効果トランジスタおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのしきい電圧分高く、または第1電圧より高く当該しきい値電圧より低いバイアス電圧を上記抵抗素子の一端側に生成し、上記レベル変換部の上記第1のn型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに供給する。
【0019】
本発明の第2の観点の表示装置は、表示セルがマトリクス状に配置される表示部と、入力信号を駆動レベルに応じたレベルに変換するレベル変換回路を含み、レベル変換した信号を用いて生成された駆動信号により上記表示セルに接続された信号線を駆動する信号線駆動回路と、を有し、上記信号線駆動回路の上記レベル変換回路は、基準電圧と第1電圧とを信号レベルとする入力信号を、バイアス電圧の供給を受けて上記基準電圧と第1電圧よりも高い第2電圧の信号レベルに変換する少なくとも一つのレベル変換部と、上記バイアス電圧を発生し、上記レベル変換部に供給するバイアス部と、を有し、上記レベル変換部は、少なくとも第1のn型電界効果トランジスタと、第2のn型電界効果トランジスタと、第3のn型電界効果トランジスタと、第4のn型電界効果トランジスタと、第1のp型電界効果トランジスタと、第2のp型電界効果トランジスタと、を含み、上記第1のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第1のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第3のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、上記第2のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第2のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第1のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第4のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、上記第1のp型電界効果トランジスタのソースおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのソースが第2電圧源に接続され、上記第3のn型電界効果トランジスタのソースおよび上記第4のn型電界効果トランジスタのソースが基準電圧源に接続され、上記第3のn型電界効果トランジスタのゲートと上記第4のn型電界効果トランジスタのゲートには、基準電圧レベルと第1電圧レベルを相補的にとる入力信号がそれぞれ供給され、上記バイアス部は、第5のn型電界効果トランジスタと、少なくとも一つの抵抗素子を含む降圧部と、電源側端子が上記第1電圧より高い電圧源に接続された電流源と、を含み、上記第5のn型電界効果トランジスタのソースが第1電圧源に接続され、ドレインが上記抵抗素子の一端に接続され、上記抵抗素子の他端が上記電流源の電流供給端子側に接続され、上記第5のn型電界効果トランジスタのゲートが上記抵抗素子の他端側に接続され、第1電圧から上記第1のn型電界効果トランジスタおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのしきい電圧分高く、または第1電圧より高く当該しきい値電圧より低いバイアス電圧を上記抵抗素子の一端側に生成し、上記レベル変換部の上記第1のn型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに供給する。
【0020】
本発明の第3の観点の電子機器は、表示装置を有し、上記表示装置は、表示セルがマトリクス状に配置される表示部と、入力信号を駆動レベルに応じたレベルに変換するレベル変換回路を含み、レベル変換した信号を用いて生成された駆動信号により上記表示セルに接続された信号線を駆動する信号線駆動回路と、を有し、上記信号線駆動回路の上記レベル変換回路は、基準電圧と第1電圧とを信号レベルとする入力信号を、バイアス電圧の供給を受けて上記基準電圧と第1電圧よりも高い第2電圧の信号レベルに変換する少なくとも一つのレベル変換部と、上記バイアス電圧を発生し、上記レベル変換部に供給するバイアス部と、を有し、上記レベル変換部は、少なくとも第1のn型電界効果トランジスタと、第2のn型電界効果トランジスタと、第3のn型電界効果トランジスタと、第4のn型電界効果トランジスタと、第1のp型電界効果トランジスタと、第2のp型電界効果トランジスタと、を含み、上記第1のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第1のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第3のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、上記第2のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第2のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第1のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第4のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、上記第1のp型電界効果トランジスタのソースおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのソースが第2電圧源に接続され、上記第3のn型電界効果トランジスタのソースおよび上記第4のn型電界効果トランジスタのソースが基準電圧源に接続され、上記第3のn型電界効果トランジスタのゲートと上記第4のn型電界効果トランジスタのゲートには、基準電圧レベルと第1電圧レベルを相補的にとる入力信号がそれぞれ供給され、上記バイアス部は、第5のn型電界効果トランジスタと、少なくとも一つの抵抗素子を含む降圧部と、電源側端子が上記第1電圧より高い電圧源に接続された電流源と、を含み、上記第5のn型電界効果トランジスタのソースが第1電圧源に接続され、ドレインが上記抵抗素子の一端に接続され、上記抵抗素子の他端が上記電流源の電流供給端子側に接続され、上記第5のn型電界効果トランジスタのゲートが上記抵抗素子の他端側に接続され、第1電圧から上記第1のn型電界効果トランジスタおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのしきい電圧分高く、または第1電圧より高く当該しきい値電圧より低いバイアス電圧を上記抵抗素子の一端側に生成し、上記レベル変換部の上記第1のn型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに供給する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回路構成の複雑化、消費電流の増加、特性低下を防止することができ、レイアウト面積の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】特許文献1に開示されたレベル変換回路の構成を示す回路図である。
【図2】特許文献2に開示されたレベル変換回路の構成を示す回路図である。
【図3】特許文献3に開示されたレベル変換回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【図9】本発明の第6の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【図10】本発明の第7の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【図11】本発明の実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
【図12】液晶表示装置の有効表示部の構成例を示す回路図である。
【図13】本実施形態に係る信号線駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【図14】本実施形態が適用されるテレビを示す斜視図である。
【図15】本実施形態が適用されるデジタルカメラを示す斜視図である。
【図16】本実施形態が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【図17】本実施形態が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。
【図18】本実施形態が適用される携帯端末装置、たとえば携帯電話機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面に関連付けて詳細に説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(レベル変換回路の第1の構成例)
2.第2の実施形態(レベル変換回路の第2の構成例)
3.第3の実施形態(レベル変換回路の第3の構成例)
4.第4の実施形態(レベル変換回路の第4の構成例)
5.第5の実施形態(レベル変換回路の第5の構成例)
6.第6の実施形態(レベル変換回路の第6の構成例)
7.第7の実施形態(レベル変換回路の第7の構成例)
8.表示装置の構成例
9.信号線駆動回路の構成例
10.電子機器の構成例
【0024】
<1.第1の実施形態>
図4は、本発明の第1の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【0025】
本第1の実施形態に係るレベル変換回路10は、図4に示すように、レベル変換部(レベルシフタ部)11、およびバイアス部12を含んで構成されている。また、図4において20は信号電源を示している。
【0026】
レベル変換部11は、基準電圧と第1電圧とを信号レベルとする信号源20による入力信号SINを、バイアス部12によるバイアス電圧NBの供給を受けて基準電圧と第1電圧よりも高い第2電圧の信号レベルに変換して出力する。
本実施形態において、一例として、基準電圧はたとえば接地電位GND(0V)であり、第1電圧は低耐圧電源電圧LVDD、たとえば1.8Vであり、第2電圧は高耐圧電源電圧HVDD、たとえば18Vである。
図4において、基準電圧源(接地電位源)を符号13で示し、第1電圧源(低耐圧電源電圧源)を符号14で示し、第2電圧源(高耐圧電源電圧源)を符号15で示している。
【0027】
なお、高耐圧とは、n型およびp型の電界効果トランジスタのゲート絶縁膜が高電圧(本例では18V程度)において影響を受けず電界効果トランジスタの機能を発現することが可能なことをいう。
低耐圧とは、n型およびp型の電界効果トランジスタのゲート絶縁膜が低耐圧電圧(本例では1.8V程度)において影響を受けず電界効果トランジスタの機能を発現することが可能なことをいう。
【0028】
レベル変換部11は、第1のNMOSトランジスタNT11、第2のNMOSトランジスタNT12、第3のNMOSトランジスタNT13、および第4のNMOSトランジスタNT14を有する。
レベル変換部11は、第1のPMOSトランジスタPT11、第2のPMOSトランジスタPT12、第3のPMOSトランジスタPT13、および第4のPMOSトランジスタPT14を有する。
レベル変換部11は、インバータINV11,INV12、入力端子TI11、および出力端子TO11,TO12を有する。
これらの構成要素のうち、第1のNMOSトランジスタNT11、第2のNMOSトランジスタNT12、並びに、第1のPMOSトランジスタPT11、第2のPMOSトランジスタPT12は高耐圧MOSトランジスタにより形成されている。
第3のNMOSトランジスタNT13、第4のNMOSトランジスタNT14、並びに、第3のPMOSトランジスタPT14、第4のPMOSトランジスタPT14は低耐圧MOSトランジスタにより形成されている。
また、インバータINV11,INV12は低電源電圧動作用インバータとして構成されている。
なお、本例では、2つの出力端子TO11,TO12を設けた構成を示しているが、出力端子としていずれか一方を設けた構成も採用することが可能である。
【0029】
第1のNMOSトランジスタNT11が第1のn型電界効果トランジスタに相当し、第2のNMOSトランジスタNT12が第2のn型電界効果トランジスタに相当する。
第3のNMOSトランジスタNT13が第3のn型電界効果トランジスタに相当し、第4のNMOSトランジスタNT14が第4のn型電界効果トランジスタに相当する。
第1のPMOSトランジスタPT11が第1のp型電界効果トランジスタに相当し、第2のPMOSトランジスタPT12が第2のp型電界効果トランジスタに相当する。
第3のPMOSトランジスタPT13が第3のp型電界効果トランジスタに相当し、第4のPMOSトランジスタPT14が第4のp型電界効果トランジスタに相当する。
【0030】
レベル変換部11において、第1のNMOSトランジスタNT11のドレインが第1のPMOSトランジスタPT11のドレインおよび第2のPMOSトランジスタPT12のゲートに接続され、その接続点によりノードND11が形成されている。ノードND11は出力端子TO11に接続されている。
第1のNMOSトランジスタNT11のソースが第3のNMOSトランジスタのドレインおよび第3のPMOSトランジスタPT13のドレインに接続され、ゲートがバイアス電圧NBの供給源(バイアス部12)に接続されている。
第2のNMOSトランジスタNT12のドレインが第2のPMOSトランジスタPT12のドレインおよび第1のPMOSトランジスタPT11のゲートに接続され、その接続点によりノードND12が形成されている。ノードND12は出力端子TO12に接続されている。
第2のNMOSトランジスタNT12のソースが第4のNMOSトランジスタNT14のドレインおよび第4のPMOSトランジスタPT14のドレインに接続され、ゲートがバイアス電圧NBの供給源(バイアス部12)に接続されている。
第1のPMOSトランジスタPT11のソースおよびバックゲート、並びに、第2のPMOSトランジスタPT12のソースおよびバックゲートが第2電圧源(高耐圧電源電圧源)15に接続されている。
第3のPMOSトランジスタPT13のソースおよびバックゲート、並びに、第4のPMOSトランジスタPT14のソースおよびバックゲートが第1電圧源(低耐圧電源電圧源)14に接続されている。
第3のNMOSトランジスタNT13のソースおよびバックゲート、並びに、第4のNMOSトランジスタNT14のソースおよびバックゲートが基準電圧源(接地電位源)13に接続されている。
第1のNMOSトランジスタNT11のバックゲート、並びに、第2のNMOSトランジスタNT12のバックゲートが基準電圧源(接地電位源)13に接続されている。
【0031】
インバータINV11の入力端子が信号の入力端子TI11に接続され、出力端子が第3のPMOSトランジスタPT13のゲートおよび第3のNMOSトランジスタNT13のゲート、並びにインバータINV12の入力端子に接続されている。
インバータINV12の出力端子が第4のPMOSトランジスタPT14のゲートおよび第4のNMOSトランジスタNT14のゲートに接続されている。
このように、第3のPMOSトランジスタPT13のゲートおよび第3のNMOSトランジスタNT13のゲートには、基準電圧と第1電圧とを信号レベルとする信号源20による入力信号SINがインバータINV11で反転されて供給される。
第4のPMOSトランジスタPT14のゲートおよび第4のNMOSトランジスタNT14のゲートには、インバータINV11の反転信号がさらにインバータINV12で反転された信号が供給される。
すなわち、第3のPMOSトランジスタPT13および第3のNMOSトランジスタNT13のゲートと、第4のPMOSトランジスタPT14および第4のNMOSトランジスタNT14のゲートには、GNDとLVDDレベルを相補的にとる信号が供給される。
【0032】
バイアス部12は、レベル変換部11のレベル変換処理に要するバイアス電圧NBを発生し、このバイアス電圧NBをレベル変換部11の第1のNMOSトランジスタNT11および第2のNMOSトランジスタNT12のゲートに供給する。
【0033】
バイアス部12は、第5のNMOSトランジスタNT15、降圧部16を形成する抵抗素子R11、および電源側端子TVが第2電圧源15に接続された電流源I11を含んで構成されている。
第5のNMOSトランジスタNT15が第5のn型電界効果トランジスタに相当する。
なお、電流源I11が接続される電源は、第2電圧源に限らず、たとえば第1電圧より数V以上に高い電圧の電圧源であればよい。
【0034】
第5のNMOSトランジスタNT15のソースが第1電圧源(低耐圧電源電圧源)14に接続され、ドレインが抵抗素子R11の一端に接続され、その接続点によりバイアス電圧NBの供給ノード(供給源)ND13が形成されている。
抵抗素子R11の他端が電流源I11の電流供給端子TS側に接続され、その接続点によりノードND14が形成されている。
第5のNMOSトランジスタNT15のゲートが抵抗素子R11の他端側であるノードND14に接続されている。
【0035】
このような構成を有するバイアス部12は、第1電圧LVDDから第1のNMOSトランジスタNT11および第2のNMOSトランジスタNT12のしきい電圧Vth分高いバイアス電圧NBを抵抗素子R11の一端側のノードND13に生成(発生)する。
また、バイアス部12は、第1電圧LVDDより高く第1のNMOSトランジスタNT11および第2のNMOSトランジスタNT12のしきい電圧Vth分高い電圧より低いバイアス電圧NBを抵抗素子R11の一端側のノードND13に生成(発生)する。
バイアス部12は、第5のNMOSトランジスタNT15のドレインに流れてくる電流を抵抗素子R11に流して電圧を降圧(ドロップ)させてバイアス電圧NBを生成する。
このバイアス電圧の供給源としてのノードND13は、レベル変換部11の第1のNMOSトランジスタNT11のゲートおよび第2のNMOSトランジスタNT12のゲートに接続されている。
【0036】
なお、高耐圧トランジスタである第1のNMOSトランジスタNT11、第2のNMOSトランジスタNT12、および第5のNMOSトランジスタNT15のしきい電圧Vthは1V程度である。
【0037】
上述したように、本実施形態において、バイアス部12は、デジタル回路の電源電圧LVDD(たとえば1.8V)から高耐圧のNMOSトランジスタのしきい値電圧Vth程度高いバイアス電圧NB(≒LVDD+Vth)を発生する。そして、バイアス部12は、生成したバイアス電位NBを、レベル変換部11の第1のNMOSトランジスタNT11のゲートおよび第2のNMOSトランジスタNT12のゲートに供給している。
【0038】
既存技術のようにダイオード構成のままで電位をそのまま出力してしまうと、バイアスの出力電圧は{LVDD+Vth+ov}になってしまう。ここでovはトランジスタの特性であるサイズと電流量で決まるオーバードライブ電圧を示す。
このバイアス部で発生したオーバードライブ電圧ov分によって、レベル変換部11側のNMOSトランジスタNT11,NT12にもOFF時にオーバードライブ電圧ovが湧き、サイズとオーバードライブ電圧ovに依存した電流が流れてしまう。
または、使用していないときは動作しないようにバイアスポイントをシフトするような制御信号が必要になってしまう。
【0039】
これに対して、本実施形態においては、抵抗素子R11で降圧(ドロップ)させることでレベル変換部11側にはオーバードライブ電圧ovを差し引いた電圧を供給することができる。
関係式は次のようになる
LVDD+Vth+ov−IR≒LVDD+Vth
このように、発生するオーバードライブ電圧ovを打ち消すようにIRドロップさせる。ここで、Iは電流源I11の電流を、Rは抵抗素子R11の抵抗値を示す。
具体的には、ov<IRになるようにする。
これにより、レベル変換部11側のNMOSトランジスタNT11,NT12にはOFF時にしきい値電圧程度の電位、もしくはそれ以下の電圧を印加することができ通常時電流が流れなくなる。
【0040】
次に、第1の実施形態に係るレベル変換回路10の動作について、レベル変換部の動作を中心に説明する。
【0041】
まず、入力端子T11に供給される入力信号SINがロー(L)レベル(接地レベル、0V)の場合について説明する。
入力信号SINは、インバータINV11で反転され、ハイ(H)レベル(LVDD)の信号として第3のPMOSトランジスタPT13のゲートおよび第3のNMOSトランジスタNT13のゲートに供給される。
これにより、第3のPMOSトランジスタPT13が非導通状態となり、第3のNMOSトランジスタNT13が導通状態となる。その結果、第1のNMOSトランジスタNT11のソースS11は第3のNMOSトランジスタNT13を介して基準電圧源13に電気的に接続され、Lレベル(0V)に遷移する。
このとき、第1のNMOSトランジスタNT11のゲートには、バイアス部12よりLVDD<NB≦(LVDD+Vth)の値を満足するように設定されたバイアス電圧NBが供給されている。また、このバイアス電圧NBは、バイアス部12において、トランジスタに起因して発生するオーバードライブ電圧ovを打ち消すように降圧部としての抵抗素子R11でIRドロップさせてある。したがって、バイアス電圧NBは、オーバードライブ電圧ovの影響が相殺されて供給されている。
この場合、第1のNMOSトランジスタNT11のゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthよりも大きいので、第1のNMOSトランジスタNT11は導通状態となる。そのため、ノードND11はLレベル(0V)に遷移する。
これにより、接地レベルの入力信号SINが接地レベルのままで出力端子TO11から出力される。
【0042】
インバータINV11で反転されたHレベルの信号はインバータINV12で反転されてLレベルの信号として第4のPMOSトランジスタPT14のゲートおよび第4のNMOSトランジスタNT14のゲートに供給される。
これにより、第4のPMOSトランジスタPT14が導通状態となり、第4のNMOSトランジスタNT14が非導通状態となる。その結果、第2のNMOSトランジスタNT11のソースS12は第4のPMOSトランジスタPT14を介して第1電圧源(低耐圧電源電圧LVDD源)14に電気的に接続され、Hレベル(LVDD)に遷移する。
このとき、第2のNMOSトランジスタNT12のゲートには、バイアス部12よりLVDD<NB≦(LVDD+Vth)の値を満足するように設定されたバイアス電圧NBが供給されている。また、このバイアス電圧NBは、バイアス部12において、トランジスタに起因して発生するオーバードライブ電圧ovを打ち消すように降圧部としての抵抗素子R11でIRドロップさせてある。したがって、バイアス電圧NBは、オーバードライブ電圧ovの影響が相殺されて供給されている。
この場合、第2のNMOSトランジスタNT12のゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthよりも小さいので、第2のNMOSトランジスタNT12は非導通状態となる。
【0043】
ノードND11がLレベルに遷移したことに伴い、第2のPMOSトランジスタPT12が導通状態となり、ノードND12が第2電圧源(高耐圧電源電圧HVDD源)15に電気的に接続され、第2電圧レベル(HVDDレベル)に遷移する。
これにより、接地レベルの入力信号SINが第2電圧レベルに変換されて出力端子T12から出力される。
また、ノードND12が第2電圧レベル(HVDDレベル)に遷移することに伴い、第1のPMOSトランジスタPT11が非導通状態になり、ノードND11は接地レベルに安定に保持される。
その結果、第2のPMOSトランジスタPT12が安定に導通状態に保持され、出力ノードND12が第2電圧レベル(HVDDレベル)に安定に保持される。
【0044】
次に、入力端子T11に供給される入力信号SINがHレベル(LVDDレベル)の場合について説明する。
入力信号SINは、インバータINV11で反転され、Lレベル(接地レベル)の信号として第3のPMOSトランジスタPT13のゲートおよび第3のNMOSトランジスタNT13のゲートに供給される。
これにより、第3のPMOSトランジスタPT13が導通状態となり、第3のNMOSトランジスタNT13が非導通状態となる。その結果、第1のNMOSトランジスタNT11のソースS11は第3のPMOSトランジスタPT13を介して第1電圧源(低耐圧電源電圧LVDD源)14に電気的に接続され、Hレベル(LVDDレベル)に遷移する。
このとき、第1のNMOSトランジスタNT11のゲートには、バイアス部12よりLVDD<NB≦(LVDD+Vth)の値を満足するように設定されたバイアス電圧NBが供給されている。また、このバイアス電圧NBは、バイアス部12において、トランジスタに起因して発生するオーバードライブ電圧ovを打ち消すように降圧部としての抵抗素子R11でIRドロップさせてある。したがって、バイアス電圧NBは、オーバードライブ電圧ovの影響が相殺されて供給されている。
この場合、第1のNMOSトランジスタNT11のゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthよりも小さいので、第1のNMOSトランジスタNT11は非導通状態となる。
【0045】
インバータINV11で反転されたLレベルの信号はインバータINV12で反転されてHレベルの信号として第4のPMOSトランジスタPT14のゲートおよび第4のNMOSトランジスタNT14のゲートに供給される。
これにより、第4のPMOSトランジスタPT14が非導通状態となり、第4のNMOSトランジスタNT14が導通状態となる。その結果、第2のNMOSトランジスタNT12のソースS12は第4のNMOSトランジスタNT14を介して基準電圧源(接地電位)13に電気的に接続され、Lレベル(接地レベル)に遷移する。
このとき、第2のNMOSトランジスタNT12のゲートには、バイアス部12よりLVDD<NB≦(LVDD+Vth)の値を満足するように設定されたバイアス電圧NBが供給されている。また、このバイアス電圧NBは、バイアス部12において、トランジスタに起因して発生するオーバードライブ電圧ovを打ち消すように降圧部としての抵抗素子R11でIRドロップさせてある。したがって、バイアス電圧NBは、オーバードライブ電圧ovの影響が相殺されて供給されている。
この場合、第2のNMOSトランジスタNT12のゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthよりも大きいので、第2のNMOSトランジスタNT12は導通状態となる。そのため、ノードND12はLレベル(接地レベル、0V)に遷移する。
これにより、第1電圧レベル(LVDDレベル,Hレベル)の入力信号SINが接地レベルに変換されて出力端子TO12から出力される。
【0046】
ノードND12がLレベルに遷移したことに伴い、第1のPMOSトランジスタPT11が導通状態となり、ノードND11が第2電圧源(高耐圧電源電圧HVDD源)15に電気的に接続され、第2電圧レベル(HVDDレベル)に遷移する。
これにより、LVDDレベル(Hレベル)の入力信号SINが第2電圧レベル(HVDDレベル)に変換されて出力端子TO11から出力される。
また、ノードND11が第2電圧レベル(HVDDレベル)に遷移したことに伴い、第2のPMOSトランジスタPT12が非導通状態に安定に保持され、出力ノードND12はLレベル(接地レベル、0V)に安定に保持される。
【0047】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、バイアス電圧NBは、バイアス部12において、トランジスタに起因して発生するオーバードライブ電圧ovを打ち消すように降圧部としての抵抗素子R11でIRドロップさせてある。したがって、バイアス電圧NBは、オーバードライブ電圧ovの影響が相殺されて供給されている。
したがって、オーバードライブ電圧ovに影響されないLVDD<NB≦(LVDD+Vth)の値を満足するバイアス電圧NBを、第1のNMOSトランジスタNT11および第2のNMOSトランジスタNT12のゲートに供給することができる。
【0048】
そして、本第1の実施形態に係るレベル変換回路10は、入力信号SINの極性が反転する時には電流を多く流せ、しかも定常電流が流れないため、レベルシフトの動作時以外に電流が流れることがなく、消費電力を削減することが可能である。
また、定常電流が流れないため、余計な制御信号が不要であり、動作時だけ動くような制御用の回路や信号が不要になる。
また、他のレベル変換部がONしたときは動作していないレベル変換部には定常電流が流れることを防止することができる。
また、ソースフォロワ回路等を使用していないことから、高耐圧側の電源の設定電圧の変動や、バイアス部のトランジスタとレベル変換部に使用しているNMOSトランジスタ11,12とのプロセスばらつきを考慮する必要がなくなる。
その結果、レイアウト面積が大きくなることを防止でき、ひいてはレイアウト面積の削減を図ることが可能となる。
【0049】
<2.第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【0050】
本第2の実施形態に係るレベル変換回路10Aが第1の実施形態に係るレベル変換回路10と異なる点は、降圧部16Aが直列接続された複数の抵抗素子R11〜R14により構成されていることにある。
【0051】
抵抗素子R11の一端側と第5のNMOSトランジスタNT15のドレインとの接続点および直列接続された抵抗素子R11〜R14の接続点によりノードND13〜ND16が形成されている。
抵抗素子R11の一端と第5のNMOSトランジスタNT15のドレインとの接続点によりノードND13が形成されている。抵抗素子R11の他端と抵抗素子R12の一端との接続点によりノードND14が形成され、抵抗素子R12の他端と抵抗素子R13の一端との接続点によりノードND15が形成されている。抵抗素子R13の他端と抵抗素子R14の一端との接続点によりノードND16が形成されている。そして、抵抗素子R14の他端が電流源I11および第5のNMOSトランジスタNT15のゲートに接続されている。
このノードND13〜ND16のうちのいずれかを抵抗分割して得られるバイアス電圧NBの出力ノードとして適用することが可能である。
図5の例では、抵抗素子R12の他端と抵抗素子R13の一端との接続点により形成されたノードND15が出力ノードとして適用されている。
【0052】
本第2の実施形態において、その他の構成は上述した第1の実施形態と同様である。
本第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
<3.第3の実施形態>
図6は、本発明の第3の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【0054】
本第3の実施形態に係るレベル変換回路10Bが第2の実施形態に係るレベル変換回路10Aと異なる点は、次の通りである。
レベル変換回路10Bにおいては、ノードND13〜ND16の出力をバイアス電圧NB11,NB12,NB13,NB14として取り出して、それらの供給ラインをセレクタSEL11に接続し、適宜選択できるように構成されている。
レベル変換部11Bの第1のNMOSトランジスタNT11および第2のNMOSトランジスタNT12のゲートには、セレクタSEL11で選択されたバイアス電圧NB11,NB12,NB13,NB14のいずれかが供給される。
【0055】
本第3の実施形態において、その他の構成は上述した第2の実施形態と同様である。
本第3の実施形態によれば、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができ、また、レベル変換部に対して最適なバイアス電圧の供給を実現することが可能となる。
【0056】
<4.第4の実施形態>
図7は、本発明の第4の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【0057】
本第4の実施形態に係るレベル変換回路10Cが第3の実施形態に係るレベル変換回路10Bと異なる点は、セレクタSEL11の出力側にバッファBF11を配置したことにある。
【0058】
本第4の実施形態において、その他の構成は上述した第3の実施形態と同様である。
本第4の実施形態によれば、上述した第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
<5.第5の実施形態>
図8は、本発明の第5の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【0060】
本第5の実施形態に係るレベル変換回路10Dが第1の実施形態に係るレベル変換回路10と異なる点は、レベル変換部11Dにおいて、第3のPMOSトランジスタPT13と第4のPMOSトランジスタPT14を省略した構成としたことにある。
【0061】
本第5の実施形態において、その他の構成は上述した第1の実施形態と同様である。
本第5の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
<6.第6の実施形態>
図9は、本発明の第6の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【0063】
本第6の実施形態に係るレベル変換回路10Eが第1の実施形態に係るレベル変換回路10と異なる点は、レベル変換部11Eにおいて、第5のPMOSトランジスタPT15および第6のPMOSトランジスタPT16を追加した構成としたことにある。
【0064】
第5のPMOSトランジスタPT15のドレインが第1のNMOSトランジスタNT11のドレインと接続され、その接続点によりノードND11が形成されている。第5のPMOSトランジスタPT15のソースが第1のPMOSトランジスタPT11のドレインに接続され、バックゲートが第2電圧源(高耐圧電源電圧HVDD源)15に接続されている。
第6のPMOSトランジスタPT16のドレインが第2のNMOSトランジスタNT12のドレインと接続され、その接続点によりノードND12が形成されている。第6のPMOSトランジスタPT16のソースが第2のPMOSトランジスタPT12のドレインに接続され、バックゲートが第2電圧源(高耐圧電源電圧HVDD源)15に接続されている。
そして、第5のPMOSトランジスタPT15のゲートおよび第6のPMOSトランジスタPT16のゲートに、図示しないバイアス部により生成されるバイアス電圧VBが供給される。
【0065】
第5のPMOSトランジスタPT15および第6のPMOSトランジスタPT16は、バイアス電圧VBをゲートに受けて、ノードND11、ND12に流れる電流量を調整し、レベル変換(レベルシフト)が的確に行えるようにするために配置されている。
【0066】
本第6の実施形態において、その他の構成は上述した第1の実施形態と同様である。
本第6の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、また、レベル変換部において最適なレベル変換を実現することが可能となる。
【0067】
<7.第7の実施形態>
図10は、本発明の第7の実施形態に係るレベル変換回路の構成例を示す回路図である。
【0068】
本第7の実施形態に係るレベル変換回路10Fが第5の実施形態に係るレベル変換回路10Dと異なる点は、一つのバイアス部12のバイアス電圧NBの供給ラインに対して、複数のレベル変換部を並列に接続した構成にしたことにある。
【0069】
本第7の実施形態において、その他の構成は上述した第5の実施形態と同様である。
本第7の実施形態によれば、上述した第1および第5の実施形態と同様の効果を得ることができ、また、他のレベル変換部がONしたときは動作していないレベル変換部には定常電流が流れることを防止することができる。
【0070】
なお、第7の実施形態では第5の実施形態のレベル変換部を適用したが、他の実施形態の構成のレベル変換部を適用することも可能である。
【0071】
<8.表示装置の構成例>
図11は、本発明の実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
ここでは、たとえば、各画素の電気光学素子として液晶セルを用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した場合を例に採って説明する。
【0072】
この液晶表示装置100は、図11に示すように、透明絶縁基板、たとえばガラス基板上に、液晶セルを含む複数の画素がマトリクス状に配置された有効表示部(ACDSP)110を有する。
液晶表示装置100は、信号線を駆動するための信号線駆動回路(水平駆動回路、ソースドライバ:HDRV)120を有する。
液晶表示装置100は、液晶セルを走査し選択するためのゲート線(走査線)を駆動するゲート線駆動回路(垂直駆動回路、ゲートドライバ:VDRV)130、およびデータ処理回路(DATAPRC)140を有する。
【0073】
以下、本実施形態の液晶表示装置100の各構成要素の構成並びに機能について順を追って説明する。
【0074】
有効表示部(以下、単に表示部という)110は、液晶セルを含む複数の画素がマトリクス状に配列されている。
そして、表示部110は、信号線駆動回路120、並びにゲート線駆動回路130により駆動される信号線(データ線)およびゲート線(垂直走査線)がマトリクス状(格子状)に配線されている。
【0075】
図12は、表示部110の具体的な構成の一例を示す図である。
ここでは、図面の簡略化のために、3行(n−1行〜n+1行)4列(m−2列〜m+1列)の画素配列の場合を例に採って示している。
【0076】
図12において、表示部110には、ゲート線(垂直走査線)…,111n−1,111n,111n+1,…と、信号線(データ線)…,112m−2,112m−1,112m,112m+1,…とがマトリクス状に配線されている。そしてゲート線および信号線の交点部分に単位画素113が配置されている。
【0077】
単位画素113は、画素トランジスタである薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor)、液晶セルLCおよび保持容量Csを有する。
ここで、液晶セルLCは、薄膜トランジスタTFTで形成される画素電極(一方の電極)とこれに対向して形成される対向電極(他方の電極)との間で発生する容量を意味する。
【0078】
薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極がゲート線(垂直走査線)…,111n−1,111n,111n+1,…に接続され、ソース電極が信号線…,112m−2,112m−1,112m,112m+1,…に接続されている。
液晶セルLCは、画素電極が薄膜トランジスタTFTのドレイン電極に接続され、対向電極が共通線114に接続されている。保持容量Csは、薄膜トランジスタTFTのドレイン電極と共通線114との間に接続されている。
共通線114には、コモン電圧供給回路(VCOM回路)150により所定の交流電圧がコモン電圧Vcomとして与えられる。
【0079】
ゲート線(垂直走査線)…,111n−1,111n,111n+1,…の各一端は、図11に示すゲート線駆動回路130の対応する行の各出力端にそれぞれ接続される。
ゲート線駆動回路130は、たとえばシフトレジスタを含んで構成され、垂直転送クロックVCK(図示せず)に同期して順次垂直選択パルスを発生してゲート線(垂直走査線)…,111n−1,111n,111n+1,…に与えることにより垂直走査を行う。
【0080】
また、表示部110において、たとえば、信号線…,112m−1,112m+1,…の各一端が図11に示す信号線駆動回路120の対応する列の各出力端に接続される。
【0081】
信号線駆動回路120は、駆動レベルに応じたレベルに変換された信号線を駆動するための駆動データを階調電圧に応じてデジタルデータからアナログデータに変換し、アナログ駆動データを増幅し、正極性の信号電圧および負極性の信号電圧を生成する機能を有する。
さらに、信号線駆動回路120は、互いに隣接する信号線に正極性の信号電圧および負極性の信号電圧を選択的に供給する機能を有している。
【0082】
データ処理回路140は、たとえば外部より入力されたパラレルのデータのレベルを所定レベルにシフトするレベルシフタ(レベル変換部)を含む。
データ処理回路140は、レベルシフトされたデータを位相調整や周波数を下げるために、シリアルデータからパラレルデータに変換するシリアル・パラレルコンバータを含み、パラレルデータを信号線駆動回路120に出力する。
【0083】
以下、本実施形態に係る信号線駆動回路120の構成および機能について具体的に説明する。
【0084】
<9.信号線駆動回路の構成例>
図13は、本実施形態に係る信号線駆動回路の構成例を示すブロック図である。
【0085】
図13に示す信号線駆動回路120は、高速インタフェース部(I/F)121、ロジック回路122、およびバイアス部123を有する。
信号線駆動回路120は、ラインバッファ124、レベルシフタ125、セレクタ部126、バッファアンプ部127、およびレジスタ部128を有する。
バッファアンプ部127により出力バッファ部が構成される。
信号線駆動回路120において、前述第1〜第7の実施形態に係るレベル変換回路10,10A〜10Fが適用可能である。
たとえば、バイアス部123の一部として、第1〜第7の実施形態に係るレベル変換回路のバイアス部12のいずれかが適用され、レベルシフタ125として、第1〜第7の実施形態に係るレベル変換回路のレベル変換部11のいずれかが適用される。
好適には、第7の実施形態のように、一つのバイアス部12に対して、複数のレベル変換部を並列に接続した構成が採用される。
【0086】
ロジック回路122は、高速インタフェース部121により入力されたシリアルデータをパラレルデータに変換し、変換データを駆動データとしてラインバッファ124に供給する。
ロジック回路122は、バッファアンプ部127の出力段アンプのバイアス状態を制御する。
【0087】
バイアス部123は、ロジック回路122の制御の下、バッファアンプ部127に出力段アンプのバイアス信号を選択的に出力する。
【0088】
ラインバッファ124は、ロジック回路122でシリアルパラレル変換された信号線を駆動するための駆動データを格納する。
【0089】
レベルシフタ125は、ラインバッファ124のデータのレベルを駆動レベルに応じたレベルに変換する。
ラインバッファ124のデータは、基準電圧(接地レベル)と第1電圧(低耐圧電源電圧LVDD)とを信号レベルとする。
そして、レベルシフタ125は、バイアス部123によるバイアス電圧NBの供給を受けて基準電圧と第1電圧よりも高い第2電圧(高耐圧電源電圧HVDD)の信号レベルに変換して出力する。
前述したように、本実施形態において、一例として、基準電圧はたとえば接地電位GND(0V)であり、第1電圧は低耐圧電源電圧LVDD、たとえば1.8Vであり、第2電圧は高耐圧電源電圧HVDD、たとえば18Vである。
【0090】
セレクタ部126は、レジスタ部128に保持された階調電圧を受けて駆動データをデジタルデータからアナログデータに変換するデジタルアナログコンバータ(DAC)を複数含む。
【0091】
出力バッファ部としてのバッファアンプ部127は、セレクタ部126から出力された駆動データを増幅し、正極性の信号電圧および負極性の信号電圧を生成する。
バッファアンプ部127は、液晶パネル160に配線された、対をなす互いに隣接する信号線に正極性の信号電圧および負極性の信号電圧を選択的に供給する。
【0092】
実際には、バッファアンプ部127のチャネル数nは数100以上あり、これらのチャネルに対応する信号線が駆動される。
【0093】
なお、上記実施形態では、アクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した場合を例に採って説明したが、これに限定されるものではない。たとえば本発明は、エレクトロルミネッセンス(EL)素子を各画素の電気光学素子として用いたEL表示装置などの他のアクティブマトリクス型表示装置にも同様に適用可能である。
また、本発明は、パッシブ型表示装置にも同様に適用可能である。
【0094】
<10.電子機器の構成例>
またさらに、上記実施形態に係るアクティブマトリクス型液晶表示装置に代表されるアクティブマトリクス型表示装置は、様々な電子機器に適用可能である。
すなわち、アクティブマトリクス型表示装置は、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
なお、電子機器としては、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラなどが例示される。
以下に、本実施形態が適用される電子機器の一例について説明する。
【0095】
図14は、本実施形態が適用されるテレビジョンを示す斜視図である。
本適用例に係るテレビジョン200は、フロントパネル220やフィルターガラス230等から構成される映像表示画面部210を含み、その映像表示画面部210として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0096】
図15は、本実施形態が適用されるデジタルカメラを示す斜視図であり、図15(A)は表側から見た斜視図、図15(B)は裏側から見た斜視図である。
本適用例に係るデジタルカメラ200Aは、フラッシュ用の発光部211、表示部212、メニュースイッチ213、シャッターボタン214等を含み、その表示部212として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0097】
図16は、本実施形態が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。
本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータ200Bは、本体221に、文字等を入力するとき操作されるキーボード222、画像を表示する表示部223等を含み、その表示部223として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0098】
図17は、本実施形態が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。
本適用例に係るビデオカメラ200Cは、本体部231、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ232、撮影時のスタート/ストップスイッチ233、表示部234等を含み、その表示部234として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【0099】
図18は、本実施形態が適用される携帯端末装置、たとえば携帯電話機を示す図である。図18(A)は開いた状態での正面図、図18(B)はその側面図、図18(C)は閉じた状態での正面図、図18(D)は左側面図、図18(E)は右側面図、図18(F)は上面図、図18(G)は下面図である。
本適用例に係る携帯電話機200Dは、上側筐体241、下側筐体242、連結部(ここではヒンジ部)243、ディスプレイ244、サブディスプレイ245、ピクチャーライト246、カメラ247等を含む。
そのディスプレイ244やサブディスプレイ245として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
【符号の説明】
【0100】
10,10A〜10F・・・レベル変換回路、11,11D〜11F・・・レベル変換部、12,12A〜12C・・・バイアス部、16・・・降圧部、R11〜R14・・・抵抗素子、NT11・・・第1のNMOSトランジスタ(第1のn型電界効果トランジスタ)、NT12・・・第2のNMOSトランジスタ(第2のn型電界効果トランジスタ)、NT13・・・第3のNMOSトランジスタ(第3のn型電界効果トランジスタ)、NT14・・・第4のNMOSトランジスタ(第4のn型電界効果トランジスタ)、NT15・・・第5のNMOSトランジスタ(第5のn型電界効果トランジスタ)、
PT11・・・第1のPMOSトランジスタ(第1のp型電界効果トランジスタ)、PT12・・・第2のPMOSトランジスタ(第2のp型電界効果トランジスタ)、PT13・・・第3のPMOSトランジスタ(第3のp型電界効果トランジスタ)、PT14・・・第4のPMOSトランジスタ(第4のp型電界効果トランジスタ)、PT15・・・第5のPMOSトランジスタ(第5のp型電界効果トランジスタ)、PT16・・・第6のPMOSトランジスタ(第6のp型電界効果トランジスタ)、SEL11・・・セレクタ、BF11・・・バッファ、100・・・液晶表示装置、110・・・有効表示部、120・・・信号線駆動回路(水平駆動回路、ソースドライバ:HDRV)、121・・・シフトレジスタ、122・・・データラッチ部、123・・・DAC(デジタル・アナログコンバータ)、124・・・出力バッファ部、130・・・ゲート線駆動回路(垂直駆動回路、ゲートドライバ:VDRV)、140・・・データ処理回路(DATAPRC)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧と第1電圧とを信号レベルとする入力信号を、バイアス電圧の供給を受けて上記基準電圧と第1電圧よりも高い第2電圧の信号レベルに変換する少なくとも一つのレベル変換部と、
上記バイアス電圧を発生し、上記レベル変換部に供給するバイアス部と、を有し、
上記レベル変換部は、
少なくとも第1のn型電界効果トランジスタと、第2のn型電界効果トランジスタと、第3のn型電界効果トランジスタと、第4のn型電界効果トランジスタと、第1のp型電界効果トランジスタと、第2のp型電界効果トランジスタと、を含み、
上記第1のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第1のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第3のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、
上記第2のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第2のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第1のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第4のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、
上記第1のp型電界効果トランジスタのソースおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのソースが第2電圧源に接続され、
上記第3のn型電界効果トランジスタのソースおよび上記第4のn型電界効果トランジスタのソースが基準電圧源に接続され、
上記第3のn型電界効果トランジスタのゲートと上記第4のn型電界効果トランジスタのゲートには、基準電圧レベルと第1電圧レベルを相補的にとる入力信号がそれぞれ供給され、
上記バイアス部は、
第5のn型電界効果トランジスタと、少なくとも一つの抵抗素子を含む降圧部と、電源側端子が上記第1電圧より高い電圧源に接続された電流源と、を含み、
上記第5のn型電界効果トランジスタのソースが第1電圧源に接続され、ドレインが上記抵抗素子の一端に接続され、
上記抵抗素子の他端が上記電流源の電流供給端子側に接続され、
上記第5のn型電界効果トランジスタのゲートが上記抵抗素子の他端側に接続され、
第1電圧から上記第1のn型電界効果トランジスタおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのしきい電圧分高く、または第1電圧より高く当該しきい値電圧より低いバイアス電圧を上記抵抗素子の一端側に生成し、上記レベル変換部の上記第1のn型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに供給する
レベル変換回路。
【請求項2】
上記降圧部の上記抵抗素子による降下電圧は、発生するオーバードライブ電圧を打ち消し可能な電圧である
請求項1記載のレベル変換回路。
【請求項3】
上記レベル変換部は、
第3のp型電界効果トランジスタと、第4のp型電界効果トランジスタと、をさらに含み、
上記第3のp型電界効果トランジスタのドレインが上記第3のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが第1電圧源に接続され、ゲートに上記第3のn型電界効果トランジスタのゲートに供給される信号レベルの入力信号が供給され、
上記第4のp型電界効果トランジスタのドレインが上記第4のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが第1電圧源に接続され、ゲートに上記第4のn型電界効果トランジスタのゲートに供給される信号レベルの入力信号が供給される
請求項1または2記載のレベル変換回路。
【請求項4】
上記降圧部は、
複数の抵抗素子が直列に接続され、
上記バイアス部は、
抵抗素子の一端側と第5のn型電界効果トランジスタのドレインとの接続点および直列接続された抵抗素子同士の接続点により形成される複数のノードのうちのいずれかが、抵抗分割して得られるバイアス電圧の出力ノードとして形成されている
請求項1から3のいずれか一に記載のレベル変換回路。
【請求項5】
上記複数のノードから出力される複数のバイアス電圧うちのいずれかを選択して、上記レベル変換部の上記第1のn型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに供給するセレクタを含む
請求項4記載のレベル変換回路。
【請求項6】
上記セレクタの出力側にバッファが接続されている
請求項5記載のレベル変換回路。
【請求項7】
上記レベル変換部は、
第5のp型電界効果トランジスタおよび第6のp型電界効果トランジスタを含み、
上記第5のp型電界効果トランジスタのドレインが第1のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが上記第1のp型電界効果トランジスタのドレインに接続され、
上記第6のp型電界効果トランジスタのドレインが上記第2のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが上記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続され、
上記第5のp型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第6のp型電界効果トランジスタのゲートに、所定のバイアス電圧が供給される
請求項1から6のいずれか一に記載のレベル変換回路。
【請求項8】
一つのバイアス部の上記バイアス電圧の供給ラインに対して、複数のレベル変換部が並列に接続されている
請求項1から7のいずれか一に記載のレベル変換回路。
【請求項9】
表示セルがマトリクス状に配置される表示部と、
入力信号を駆動レベルに応じたレベルに変換するレベル変換回路を含み、レベル変換した信号を用いて生成された駆動信号により上記表示セルに接続された信号線を駆動する信号線駆動回路と、を有し、
上記信号線駆動回路の上記レベル変換回路は、
基準電圧と第1電圧とを信号レベルとする入力信号を、バイアス電圧の供給を受けて上記基準電圧と第1電圧よりも高い第2電圧の信号レベルに変換する少なくとも一つのレベル変換部と、
上記バイアス電圧を発生し、上記レベル変換部に供給するバイアス部と、を有し、
上記レベル変換部は、
少なくとも第1のn型電界効果トランジスタと、第2のn型電界効果トランジスタと、第3のn型電界効果トランジスタと、第4のn型電界効果トランジスタと、第1のp型電界効果トランジスタと、第2のp型電界効果トランジスタと、を含み、
上記第1のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第1のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第3のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、
上記第2のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第2のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第1のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第4のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、
上記第1のp型電界効果トランジスタのソースおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのソースが第2電圧源に接続され、
上記第3のn型電界効果トランジスタのソースおよび上記第4のn型電界効果トランジスタのソースが基準電圧源に接続され、
上記第3のn型電界効果トランジスタのゲートと上記第4のn型電界効果トランジスタのゲートには、基準電圧レベルと第1電圧レベルを相補的にとる入力信号がそれぞれ供給され、
上記バイアス部は、
第5のn型電界効果トランジスタと、少なくとも一つの抵抗素子を含む降圧部と、電源側端子が上記第1電圧より高い電圧源に接続された電流源と、を含み、
上記第5のn型電界効果トランジスタのソースが第1電圧源に接続され、ドレインが上記抵抗素子の一端に接続され、
上記抵抗素子の他端が上記電流源の電流供給端子側に接続され、
上記第5のn型電界効果トランジスタのゲートが上記抵抗素子の他端側に接続され、
第1電圧から上記第1のn型電界効果トランジスタおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのしきい電圧分高く、または第1電圧より高く当該しきい値電圧より低いバイアス電圧を上記抵抗素子の一端側に生成し、上記レベル変換部の上記第1のn型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに供給する
表示装置。
【請求項10】
上記降圧部の上記抵抗素子による降下電圧は、発生するオーバードライブ電圧を打ち消し可能な電圧である
請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
上記レベル変換部は、
第3のp型電界効果トランジスタと、第4のp型電界効果トランジスタと、をさらに含み、
上記第3のp型電界効果トランジスタのドレインが上記第3のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが第1電圧源に接続され、ゲートに上記第3のn型電界効果トランジスタのゲートに供給される信号レベルの入力信号が供給され、
上記第4のp型電界効果トランジスタのドレインが上記第4のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが第1電圧源に接続され、ゲートに上記第4のn型電界効果トランジスタのゲートに供給される信号レベルの入力信号が供給される
請求項9または10記載の表示装置。
【請求項12】
上記降圧部は、
複数の抵抗素子が直列に接続され、
上記バイアス部は、
抵抗素子の一端側と第5のn型電界効果トランジスタのドレインとの接続点および直列接続された抵抗素子同士の接続点により形成される複数のノードのうちのいずれかが、抵抗分割して得られるバイアス電圧の出力ノードとして形成されている
請求項9から11のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項13】
上記複数のノードから出力される複数のバイアス電圧うちのいずれかを選択して、上記レベル変換部の上記第1のn型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに供給するセレクタを含む
請求項12記載の表示装置。
【請求項14】
上記セレクタの出力側にバッファが接続されている
請求項13記載の表示装置。
【請求項15】
上記レベル変換部は、
第5のp型電界効果トランジスタおよび第6のp型電界効果トランジスタを含み、
上記第5のp型電界効果トランジスタのドレインが第1のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが上記第1のp型電界効果トランジスタのドレインに接続され、
上記第6のp型電界効果トランジスタのドレインが上記第2のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ソースが上記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続され、
上記第5のp型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第6のp型電界効果トランジスタのゲートに、所定のバイアス電圧が供給される
請求項9から14のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項16】
一つのバイアス部の上記バイアス電圧の供給ラインに対して、複数のレベル変換部が並列に接続されている
請求項9から15のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項17】
表示装置を有し、
上記表示装置は、
表示セルがマトリクス状に配置される表示部と、
入力信号を駆動レベルに応じたレベルに変換するレベル変換回路を含み、レベル変換した信号を用いて生成された駆動信号により上記表示セルに接続された信号線を駆動する信号線駆動回路と、を有し、
上記信号線駆動回路の上記レベル変換回路は、
基準電圧と第1電圧とを信号レベルとする入力信号を、バイアス電圧の供給を受けて上記基準電圧と第1電圧よりも高い第2電圧の信号レベルに変換する少なくとも一つのレベル変換部と、
上記バイアス電圧を発生し、上記レベル変換部に供給するバイアス部と、を有し、
上記レベル変換部は、
少なくとも第1のn型電界効果トランジスタと、第2のn型電界効果トランジスタと、第3のn型電界効果トランジスタと、第4のn型電界効果トランジスタと、第1のp型電界効果トランジスタと、第2のp型電界効果トランジスタと、を含み、
上記第1のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第1のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第3のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、
上記第2のn型電界効果トランジスタのドレインが上記第2のp型電界効果トランジスタのドレインおよび上記第1のp型電界効果トランジスタのゲートに接続され、ソースが上記第4のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、ゲートが上記バイアス電圧の供給源に接続され、
上記第1のp型電界効果トランジスタのソースおよび上記第2のp型電界効果トランジスタのソースが第2電圧源に接続され、
上記第3のn型電界効果トランジスタのソースおよび上記第4のn型電界効果トランジスタのソースが基準電圧源に接続され、
上記第3のn型電界効果トランジスタのゲートと上記第4のn型電界効果トランジスタのゲートには、基準電圧レベルと第1電圧レベルを相補的にとる入力信号がそれぞれ供給され、
上記バイアス部は、
第5のn型電界効果トランジスタと、少なくとも一つの抵抗素子を含む降圧部と、電源側端子が上記第1電圧より高い電圧源に接続された電流源と、を含み、
上記第5のn型電界効果トランジスタのソースが第1電圧源に接続され、ドレインが上記抵抗素子の一端に接続され、
上記抵抗素子の他端が上記電流源の電流供給端子側に接続され、
上記第5のn型電界効果トランジスタのゲートが上記抵抗素子の他端側に接続され、
第1電圧から上記第1のn型電界効果トランジスタおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのしきい電圧分高く、または第1電圧より高く当該しきい値電圧より低いバイアス電圧を上記抵抗素子の一端側に生成し、上記レベル変換部の上記第1のn型電界効果トランジスタのゲートおよび上記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに供給する
電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−85061(P2012−85061A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228896(P2010−228896)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】