説明

不揮発性メモリ素子及びその製造方法

【課題】半導体基板上に形成されるゲート構造物を備える不揮発性メモリ素子を提供する。
【解決手段】ゲート構造物は、半導体基板上の第1絶縁膜220と、第1絶縁膜上に形成され、電荷保存のためのストレージノード230と、ストレージノード上の第2絶縁膜240と、第2絶縁膜上の第3絶縁膜250と、第3絶縁膜上の制御ゲート電極260と、を備え、第2絶縁膜と第3絶縁膜のうち少なくとも一つ以上の誘電定数は第1絶縁膜の誘電定数より大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性(non−volatile)メモリ素子及びその製造方法に係り、特に電荷保存型ストレージノードを備える不揮発性メモリ素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリ素子には、トランジスタのしきい電圧遷移を利用するものと、電荷移動を利用するものと、抵抗変化を利用するものとがある。しきい電圧遷移を利用するメモリ素子は、電荷保存のためのストレージノードを備えているという点で電荷保存型メモリ素子と呼ばれる。
【0003】
例えば、フローティングゲートをストレージノードとして利用するフローティングゲート型メモリ素子と、電荷トラップ層をストレージノードとして利用するSONOS(Silicon−Oxide−Nitride−Oxide−Silicon)型メモリ素子が電荷保存型メモリ素子に属する。
【0004】
以下、図面を参照して従来のSONOS型メモリ素子、例えば、電荷保存型不揮発性メモリ素子を説明する。図1は、従来のSONOS型不揮発性メモリ素子を示す断面図である。
【0005】
図1を参照すれば、メモリ素子100は、電荷トラップのための窒化膜120をストレージノードとして利用する。ストレージノードである窒化膜120と半導体基板105との間には、電荷のトンネリングまたはホットキャリア注入のためのトンネル絶縁膜、一例として酸化膜115が形成されている。
【0006】
また、窒化膜120と制御ゲート電極130との間にはブロッキング絶縁膜、一例としてシリコン酸化膜125が形成されている。半導体基板105は、例えばシリコン基板が使われ、制御ゲート電極130は、例えばポリシリコンで形成できる。すなわち、メモリ素子100は、シリコン基板105とポリシリコン130との間に酸化膜115/窒化膜120/酸化膜125が介在されたSONOS構造をなす。
【0007】
一方、メモリ素子100の記録動作は、制御ゲート電極130に正の記録電圧を印加する方法で行う。これにより、ソース/ドレイン部110で加速された電子がエネルギーを得て窒化膜120に注入されうる。または、半導体基板105の電子がトンネリングにより窒化膜120に注入されてもよい。
【0008】
消去動作は、制御ゲート電極130に負の電圧を印加するか、または半導体基板105に正の電圧を印加することによって行うことができる。これにより、窒化膜120に保存された電子がトンネリングにより半導体基板105に消去される。
【0009】
図2を参照すれば、半導体基板(図1の105)、酸化膜(図1の115)、窒化膜(図1の120)、酸化膜(図1の125)、及び制御ゲート電極(図1の130)にそれぞれ対応するエネルギーバンド105a、115a、120a、125a、130aの連結関係が図示されている。
【0010】
図1及び図2を参照すれば、消去動作時に制御ゲート130に印加される電圧が高くなれば、酸化膜115、125に対するエネルギーバンド115a、125aのベンディング現象が大きくなるということが分かる。これにより、窒化膜120から半導体基板105へのトンネリングだけでなく、制御ゲート130にある自由電子が酸化膜125をトンネリングして窒化膜120に注入される逆トンネリングも可能になる。
【0011】
図3は、メモリ素子(図1の100)に印加された消去電圧の変化に対する、経時的な電圧の変化を示すグラフである。図3を参照すれば、消去電圧の絶対値が大きくなるにつれて、しきい電圧の減少速度が速くなるが、逆に飽和しきい電圧値が高くなることが分かる。すなわち、消去電圧の絶対値が高くなるほど逆トンネリング現象がさらに激しくなって、消去動作の効率が低下することが分かる。
【0012】
再び図1を参照すれば、例えば、ブロッキング用酸化膜125に比べて相対的にトンネリング用酸化膜115の厚さを薄くすれば、逆トンネリングを減少させることができる。しかし、酸化膜115の厚さを薄くすれば、制御ゲート電極130に消去電圧が印加されない状態でも酸化膜115を通じたトンネリングが発生しうる。すなわち、メモリ素子100のリテンション特性が悪くなる。
【0013】
図4は、メモリ素子(図1の100)に対する消去状態でのしきい電圧と、リテンション状態でのしきい電圧との変化量の関係を示すグラフである。図4を参照すれば、消去状態での飽和しきい電圧Vthとリテンション特性とは反比例関係にあるということが分かる。したがって、消去効率とリテンション特性とを同時に向上させることは非常に難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明が解決しようとする技術的課題は、消去効率とリテンション特性とを同時に向上させることができる不揮発性メモリ素子を提供するところにある。
【0015】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、経済性のある前記不揮発性メモリ素子の製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記技術的課題を達成するための本発明の一態様によれば、半導体基板上に形成されるゲート構造物を備える不揮発性メモリ素子が提供される。前記ゲート構造物は、前記半導体基板上の第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に形成され、電荷保存のためのストレージノードと、前記ストレージノード上の第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上の第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上の制御ゲート電極と、を備え、前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜のうち少なくとも一つ以上の誘電定数は前記第1絶縁膜の誘電定数より大きい。
【0017】
前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜のうち少なくとも一つ以上のエネルギーバンドギャップは、前記ストレージノードのエネルギーバンドギャップより大きいことが望ましい。前記第3絶縁膜の誘電定数は前記第1絶縁膜の誘電定数より大きい。
【0018】
前記技術的課題を達成するための本発明の他の態様によれば、半導体基板に互いに離隔されて形成されたソース及びドレインと、前記ソースとドレインとの間の半導体基板上に形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に形成されたストレージノードと、前記ストレージノード上の酸化膜で形成された第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上の窒化膜で形成された第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上の制御ゲート電極と、を備える不揮発性メモリ素子が提供される。
【0019】

前記技術的課題を達成するための本発明の一態様によれば、半導体基板上に第1絶縁層を形成する工程と、前記第1絶縁層上にストレージノード層を形成する工程と、前記ストレージノード層上に第2絶縁層を形成する工程と、前記第2絶縁層上に第3絶縁層を形成する工程と、前記第3絶縁層上に制御ゲート電極層を形成する工程と、前記ゲート電極層上に前記ゲート電極層表面の所定部分を露出させるフォトレジストパターンを形成する工程と、前記フォトレジストパターンをエッチング保護膜として、前記制御ゲート電極層、前記第3絶縁層、前記第2絶縁層、前記ストレージノード層及び前記第1絶縁層をエッチングしてゲート構造物を形成する工程と、を含む不揮発性メモリ素子の製造方法が提供される。
【0020】
前記第3絶縁層及び前記ストレージノード層はシリコン窒化膜であり、前記シリコン窒化膜は、ジクロロシラン(DCS)とNHとの混合ガスを利用した低圧化学気相蒸着法(Low Pressure Chemical Vapor Deposition;LPCVD)で形成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明による不揮発性メモリ素子を利用すれば、消去動作時に制御ゲート電極とストレージノードとの間の逆トンネリングを効果的に抑制できる。これにより、消去動作速度及び効率を従来の場合より向上させることができ、またリテンション特性を従来のように維持できる。さらに、不揮発性メモリ素子の記録動作速度も従来と同一または類似して維持できる。したがって、本発明による不揮発性メモリ素子を利用すれば、従来の逆比例関係、すなわち、トレードオフ関係にあったリテンション特性と消去特性とを同時に向上させつつも記録動作速度を維持できる。また、本発明の実施形態による製造方法は、新たな設備または製造技術投資を必要としないので経済性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して本発明による望ましい実施形態を説明することによって本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、相異なる多様な形態で具現され、ただし本実施形態は本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものである。図面で構成要素は、説明の便宜のために、その大きさが誇張されていることがある。
【0023】
図5は、本発明の実施形態による不揮発性メモリ素子200を示す断面図である。
【0024】
図5を参照すれば、メモリ素子200は、ソース210とドレイン215との間の半導体基板205上に形成されるゲート構造物265を備えている。ゲート構造物265は、電荷保存のためのストレージノード230及びストレージノード230上の制御ゲート電極260を備えている。ゲート構造物265は、その側壁に形成されたスペーサ絶縁膜270をさらに備えることができる。
【0025】
ゲート構造物265は、第1絶縁膜220、ストレージノード230、第2絶縁膜240、第3絶縁膜250、及び制御ゲート電極260を備える。具体的にみれば、第1絶縁膜220は半導体基板205上に形成され、ストレージノード230は第1絶縁膜220上に形成される。また、ストレージノード230上に、第2絶縁膜240、第3絶縁膜250及び制御ゲート電極260が順に形成されている。
【0026】
メモリ素子200の記録動作は、制御ゲート電極260に記録電圧、例えば正の電圧を印加してストレージノード230に電子を保存する方式で行うことができる。また、メモリ素子200の消去動作は、制御ゲート電極260に消去電圧、例えば負の電圧を印加してストレージノード230に保存された電子を半導体基板205に消去する方式で行うことができる。
【0027】
さらに具体的にみれば、ストレージノード230は、フローティングゲートまたは電荷トラップ層でありうる。例えば、ストレージノード230は、電気的なトラップ、ケミカルボンド、量子(quantum)またはエネルギーウェル、またはドットによって電荷を保存またはトラップできる物質で形成される。さらに具体的に例を挙げれば、ストレージノード230は、シリコン窒化膜、ポリシリコン、ナノクリスタル、またはナノドットで形成できる。
【0028】
また、第1絶縁膜220は、ホットキャリア注入または電荷のトンネリングが可能な絶縁膜である。具体的にみれば、第1絶縁膜220はシリコン酸化膜であることが望ましい。さらに具体的にみれば、第1絶縁膜220は20ないし60Å範囲のシリコン酸化膜であることがさらに望ましい。なぜなら、第1絶縁膜220が20Å以内に形成されれば、制御ゲート電極260に電圧が印加されていない自然状態でもトンネリングが起きるためである。また、第1絶縁膜220が60Å以上に形成されれば、電荷のトンネリングのために高い電圧が必要なので非効率的である。
【0029】
第2絶縁膜240及び第3絶縁膜250は、メモリ素子200の消去動作時、制御ゲート電極260からストレージノード230への電荷の逆トンネリング現象を抑制するためのものである。合せて、第2絶縁膜240は第3絶縁膜250とストレージノード230とを分離させ、また制御ゲート電極260とストレージノード230との間のカップリング電圧比を調節する役割を行える。
【0030】
以下、図6に示すメモリ素子200に対するエネルギーバンドを参照して、第2絶縁膜240及び第3絶縁膜250をさらに詳細に説明する。
【0031】
図5及び図6を共に参照すれば、メモリ素子200の半導体基板205、第1絶縁膜220、ストレージノード230、第2絶縁膜240、第3絶縁膜250、及び制御ゲート電極260のそれぞれに対するエネルギーバンド205a、220a、230a、240a、250aの平衡連結関係が図示されている。これによれば、制御ゲート電極260に消去電圧が印加された場合、第2絶縁膜240のエネルギーバンド240aがベンディングされるが、第3絶縁膜250が介在されていて制御ゲート電極260からストレージノード230への逆トンネリングが抑制される。
【0032】
しかし、第3絶縁膜250が制御ゲート電極260とストレージノード230との間に追加されることによって、制御ゲート電極260と半導体基板205との間のキャパシタンスが変化する。これにより、ストレージノード230と半導体基板205との間の電場の大きさも変化する。キャパシタンス及び電場の大きさ変化は、メモリ素子200の動作特性、例えば、記録動作、消去動作速度及び効率などを変化させることがある。
【0033】
したがって、第2絶縁膜240及び第3絶縁膜250のエネルギーバンドギャップ、誘電定数及び厚さは逆トンネリングの抑制及びキャパシタンスをいずれも考慮して決定せねばならない。具体的にみれば、第2絶縁膜240と第3絶縁膜250のうち少なくとも一つ以上の誘電定数は、第1絶縁膜220の誘電定数より大きくなければならない。さらに具体的には、第3絶縁膜250の誘電定数が第1絶縁膜220の誘電定数より大きいことが望ましい。
【0034】
これにより、制御ゲート電極260とストリージノード230との間の2層の絶縁膜240、250の物理的な厚さの変化によるキャパシタンスの変化を補償できる。また、半導体基板205と制御ゲート電極260との間のポテンシャルVが、従来の半導体基板(図1の105)と制御ゲート電極(図1の130)との間のポテンシャル(図2のV)と類似して維持されうる。すなわち、制御ゲート電極260と半導体基板205との間の電気的な酸化物厚(Electrical Oxide Thickness;EOT)は、従来と同一または類似して維持できる。
【0035】
また、ストレージノード230から制御ゲート電極260への電荷の逆トンネリングを効果的に抑制するためには、第2絶縁膜240と第3絶縁膜250のうち少なくとも一つ以上のエネルギーバンドギャップは、ストレージノード230のエネルギーバンドギャップより大きいことが望ましい。
【0036】
具体的に例を挙げれば、第2絶縁膜240はシリコン酸化膜で形成され、第3絶縁膜250はシリコン窒化膜で形成されることが望ましい。また、第1絶縁膜220はシリコン酸化膜で形成されることが望ましい。すなわち、従来利用された酸化膜と絶縁膜とを組み合わせることで、新たな高誘電率の絶縁膜を使用せず、メモリ素子200の消去特性を向上させることができる。
【0037】
さらに具体的にみれば、電界分布と逆トンネリング防止特性とを同時に確保するために、シリコン窒化膜250の厚さが厚くなれば、シリコン酸化膜240の厚さは薄くなることが望ましい。例えば、シリコン窒化膜250は40ないし100Å範囲であることが望ましく、これにより、シリコン酸化膜240の厚さは60ないし20Åであることが望ましい。
【0038】
また、シリコン酸化膜220の厚さは、メモリ素子200のリテンション状態で自然トンネリングによる消去を防止するために20Å以上であり、記録動作時にトンネリング効率を確保するために60Å以内であることが望ましい。
【0039】
図7は、従来のメモリ素子(図1の100)と本発明の実施形態によるメモリ素子(図5の200)とに対する消去状態でのフラットバンド電圧Vfbと、リテンション状態でのしきい電圧の変化量ΔVthとの関係を示すグラフである。図面で、従来のメモリ素子(図1の100)はSONOS型であって、本発明の実施形態によるメモリ素子はSNONOS型と称される。
【0040】
図7を参照すれば、本発明の実施形態によるSNONOS型メモリ素子(図2の200)が従来のSONOS型メモリ素子(図1の100)に比べて消去効率及びリテンション特性がいずれも向上したことが分かる。すなわち、同じ消去効率に対してリテンション特性が向上し、同じリテンション特性に対しては消去効率が向上しうる。図面でVfbが低いほど高い消去効率を表し、しきい電圧の変化量が低いほど高いリテンション特性を表す。
【0041】
すなわち、本発明の実施形態によるメモリ素子200を利用すれば、従来と類似した記録速度を維持しつつも、従来の場合より消去及びリテンション特性を向上させることができる。
【0042】
図8ないし図10は、本発明の実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す断面図である。不揮発性メモリ素子の構成要素についての説明は、図5の説明部分を参照できる。図5及び図8ないし図10で、二桁以下の桁数が同じ参照符号は同一または類似した構成要素を表す。
【0043】
図8を参照すれば、半導体基板305上に順に第1絶縁層320a、ストレージノード層330a、第2絶縁層340a、第3絶縁層350a及び制御ゲート電極層360aを形成する。さらに具体的にみれば、第1絶縁層320aは、化学気相蒸着法でシリコン酸化膜を形成するか、または半導体基板305を酸化させて形成できる。
【0044】
ストレージノード層330aは、シリコン窒化膜、ポリシリコン、ナノクリスタルまたはナノドットで形成できる。さらに具体的な例として、DCSとNHとの混合ガスを利用したLPCVDでシリコン窒化膜を形成してストレージノード層330aを形成できる。さらに、NHに対するDCSの混合比は、誘電定数及びトラップ密度を調節するために、1.5ないし2.5の範囲であることが望ましい。これにより、ストレージノード層330aのトラップ密度は定量的なSiより高くなる。
【0045】
第2絶縁層340aは、LPCVDを利用してシリコン酸化膜で形成できる。また、第3絶縁層350aはシリコン窒化膜であることが望ましく、さらに、DCSとNHとの混合ガスを利用したLPCVDで形成することがさらに望ましい。さらに、NHに対するDCSの混合比は0.65ないし1の範囲であることが望ましい。これは、第3絶縁層350aのトラップ密度をストレージノード層330aのトラップ密度より低く維持するためである。
【0046】
本発明の実施形態で、第2絶縁層340a及び第3絶縁層350aは、前述したようにシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜で形成できる。したがって、従来の半導体製造工程技術及び装置を利用して第2絶縁層340a及び第3絶縁層350aを形成することができる。すなわち、本発明の実施形態による製造方法は新たな設備または製造技術投資を必要としないので経済性がある。しかも、シリコン酸化膜及び窒化膜は相互反応もなくラインを汚染させない検証された物質である。
【0047】
ゲート電極層360aはポリシリコンを含んで形成できる。すなわち、金属ゲート電極構造を形成せずに、従来と類似してポリシリコンで形成されたゲート電極構造を形成できる。
【0048】
次いで、ゲート電極層360a上にゲート電極層360aの所定部分を露出するフォトレジストパターン362を形成する。フォトレジストパターン362は、当業者に公知のフォトリソグラフィ技術を利用して形成できる。
【0049】
図9を参照すれば、次いでフォトレジストパターン362をエッチング保護膜として利用して、制御ゲート電極層360a、第3絶縁層350a、第2絶縁層340a、ストレージノード層330a、及び第1絶縁層320aをエッチングしてゲート構造物365を形成する。すなわち、ゲート構造物365は、第1絶縁膜320、ストレージノード330、第2絶縁膜340、第3絶縁膜350及び制御ゲート電極360を備える。
【0050】
図10を参照すれば、次いで、ゲート構造物365の側壁にスペーサ絶縁膜370を形成するステップをさらに備えることができる。次いで、ゲート構造物365の外側の半導体基板305に不純物がドーピングされたソース310及びドレイン315を形成する。次いで、当業者に公知の方法によって配線形成工程を進めることができる。
【0051】
本発明の特定実施形態についての以上の説明は例示及び説明を目的に提供された。本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当業者によって前記実施形態を組み合わせて実施するなど色々な多くの修正及び変更が可能であることは自明である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明による不揮発性メモリ素子は、保存装置を備える半導体製品に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】従来のSONOS型メモリ素子を示す断面図である。
【図2】図1の素子に対するエネルギーバンドを示す図面である。
【図3】図1の素子に対する消去電圧の変化に対する、経時的なしきい電圧の変化を示すグラフである。
【図4】図1の素子に対する消去状態でのしきい電圧と、リテンション状態でのしきい電圧との変化量の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態による不揮発性メモリ素子を示す断面図である。
【図6】図5の素子に対するエネルギーバンドを示す図面である。
【図7】図1及び図5の素子に対する消去状態でのフラットバンド電圧と、リテンション状態でのしきい電圧との変化量の関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態による不揮発性メモリ素子の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
200 メモリ素子、
205 半導体基板、
210 ソース、
215 ドレイン、
220 第1絶縁膜、
230 ストレージノード、
240 第2絶縁膜、
250 第3絶縁膜、
260 制御ゲート電極、
265 ゲート構造物、
270 スペーサ絶縁膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に形成されるゲート構造物を備えるものであって、
前記ゲート構造物は、
前記半導体基板上の第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成され、電荷保存のためのストレージノードと、
前記ストレージノード上の第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上の第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜上の制御ゲート電極と、を備え、前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜のうち少なくとも一つ以上の誘電定数は前記第1絶縁膜の誘電定数より大きいことを特徴とする不揮発性メモリ素子。
【請求項2】
前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜のうち少なくとも一つ以上のエネルギーバンドギャップは、前記ストレージノードのエネルギーバンドギャップより大きいことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項3】
前記第3絶縁膜の誘電定数は前記第1絶縁膜の誘電定数より大きいことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項4】
前記第3絶縁膜は、シリコン窒化膜で形成されたことを特徴とする請求項3に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項5】
前記シリコン窒化膜の厚さは、40ないし100Å範囲であることを特徴とする請求項4に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項6】
前記第2絶縁膜は、シリコン酸化膜で形成されたことを特徴とする請求項4に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項7】
前記シリコン酸化膜の厚さは、20ないし60Å範囲であることを特徴とする請求項6に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項8】
前記第1絶縁膜は、シリコン酸化膜であることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項9】
前記シリコン酸化膜は、20ないし60Å範囲であることを特徴とする請求項8に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項10】
前記ストレージノードは、シリコン窒化膜、ポリシリコン、ナノクリスタルまたはナノドットで形成されたことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項11】
半導体基板に互いに離隔されて形成されたソース及びドレインと、
前記ソースとドレインとの間の半導体基板上に形成された第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成されたストレージノードと、
前記ストレージノード上の酸化膜で形成された第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上の窒化膜で形成された第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜上の制御ゲート電極と、を備えることを特徴とする不揮発性メモリ素子。
【請求項12】
前記第3絶縁膜は、シリコン窒化膜で形成されたことを特徴とする請求項11に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項13】
前記第2絶縁膜は、シリコン酸化膜で形成されたことを特徴とする請求項12に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項14】
前記シリコン窒化膜の厚さは、40ないし100Å範囲であり、前記シリコン酸化膜の厚さは20ないし60Å範囲であることを特徴とする請求項13に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項15】
前記ストレージノードは、シリコン窒化膜、ポリシリコン、ナノクリスタル、またはナノドットで形成されたことを特徴とする請求項11に記載の不揮発性メモリ素子。
【請求項16】
半導体基板上に第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層上にストレージノード層を形成する工程と、
前記ストレージノード層上に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層上に第3絶縁層を形成する工程と、
前記第3絶縁層上に制御ゲート電極層を形成する工程と、
前記ゲート電極層上に前記ゲート電極層表面の所定部分を露出させるフォトレジストパターンを形成する工程と、
前記フォトレジストパターンをエッチング保護膜として、前記制御ゲート電極層、前記第3絶縁層、前記第2絶縁層、前記ストレージノード層及び前記第1絶縁層をエッチングしてゲート構造物を形成する工程と、を含むことを特徴とする不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項17】
前記第3絶縁層は、シリコン窒化膜で形成し、前記シリコン窒化膜は、ジクロロシラン(DCS)とNHとの混合ガスを利用した低圧化学気相蒸着法で形成することを特徴とする請求項16に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項18】
前記NHに対するDCSの混合比は、0.65ないし1の範囲であることを特徴とする請求項17に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項19】
前記ストレージノード層はシリコン窒化膜で形成し、前記シリコン窒化膜は、DCSとNHとの混合ガスを利用した低圧化学気相蒸着法で形成することを特徴とする請求項18に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。
【請求項20】
前記NHに対するDCSの混合比は、1.5ないし2.5の範囲であり、前記第3絶縁層のトラップ密度が前記ストレージノード層のトラップ密度より低いことを特徴とする請求項19に記載の不揮発性メモリ素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−237604(P2006−237604A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43014(P2006−43014)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】