説明

乗用車両

【課題】狭い場所で車両を回転させることができる乗用車両を提供する。
【解決手段】左右方向に並設されてフレーム部材11に配設された対の後輪33と、該後輪33に対し前側に配置されてフレーム部材11に設けられた前輪25とを備え、電気的駆動手段により走行駆動される乗用車両において、前輪25を路面から持ち上げる従動輪持ち上げ手段40を備え、両後輪33の回転速度を個別に変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動で走行可能な乗用車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、こうした乗用車両としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この乗用車両は、前輪及び後輪が共に二輪であって、ゴルフ場での近距離移動に使用する一人乗り用の車両である。そして、操舵は機械的なハンドルで実現しており、ブレーキ(制動)はアクセルレバーの解放に連動するモータでのブレーキ又は機械的なブレーキで実現していると推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−323548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、車両を回転させる際の最小半径は、ハンドルを最大操舵角に操舵した際の回転半径(いわゆる最小回転半径)であって、車両を回転させるためにはある程度のスペースを要する。
【0005】
本発明の目的は、狭い場所で車両を回転させることができる乗用車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、左右方向に並設されて本体部に配設された対の駆動輪と、該駆動輪に対し進行方向一側に配置されて前記本体部に設けられた従動輪とを備え、電気的駆動手段により走行駆動される乗用車両において、前記両駆動輪の回転速度を個別に変化させる車輪速度制御手段と、前記従動輪を路面から持ち上げる従動輪持ち上げ手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗用車両において、前記従動輪は、左右方向に複数で並設されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の乗用車両において、前記車輪速度制御手段は、車両停止状態で、前記両駆動輪を同等の大きさになる逆方向の回転速度で回転させることを要旨とする。
【0008】
上記各構成によれば、例えば車両停止中、前記車輪速度制御手段により、前記両駆動輪を同等の大きさになる逆方向の回転速度で回転させると、乗用車両は、前記両駆動輪間の中心周りに回転(以下、「その場回転」ともいう)しようとする。このとき、前記従動輪持ち上げ手段により、前記従動輪が路面から離されると、仮に該従動輪が左右方向に複数で並設されていたとしても、前記従動輪によって乗用車両の前記したその場回転が阻害されることはない。従って、乗用車両を狭い場所で回転させることができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗用車両において、前記従動輪は、左右方向に対で並設されており、前記従動輪持ち上げ手段は、前記両従動輪間の中央部に配置されていることを要旨とする。
【0010】
同構成によれば、前記従動輪持ち上げ手段は、前記両従動輪間の中央部に配置されていることで、前記両従動輪をバランスよく持ち上げることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗用車両において、前記駆動輪及び前記従動輪はそれぞれ後輪及び前輪であって、前記前輪を操舵する操舵手段を備えたことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、運転者は、前記操舵手段により視認性のよい前記前輪を操舵することで、操作性を向上することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、狭い場所で車両を回転させることができる乗用車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を示す側面図。
【図2】同実施形態を示す側面図。
【図3】同実施形態を示す縦断面図。
【図4】同実施形態の段差乗り越え時の動作を示す模式図。
【図5】同実施形態のハンドル操舵時の動作を示す模式図。
【図6】同実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る乗用車両を示す側面図であり、図3は、その縦断面図である。図1に示すように、この乗用車両は一人乗り用であって、例えば自転車用パイプ材からなるフレーム部材11を備える。このフレーム部材11は、その前側部に上下方向に延在する筒状のコラム11aを有する。このコラム11aは、左右方向に延在する操舵手段としての丸棒状のハンドル(いわゆる自転車用のT字ハンドル)12に一体回動するように連結されたハンドル軸13を軸支する。
【0015】
そして、図4に模式的に示したように、このハンドル軸13を支点に揺動可能に連結された上下一対のリンク21,22と、これらリンク21,22に回動自在に連結される左右一対のリンク23,24とで構成される周知の4リンク20を介して、左右一対の従動輪としての前輪25の軸が回転自在に支持されている。両前輪25は、自転車用車輪からなる。そして、例えば車両の進行方向を変えるべくハンドル12が操舵されると、両前輪25が同方向に向きを変える(図5参照)。つまり、本実施形態では、機械的なハンドルで操舵を実現している。また、段差Dに遭遇して片側の前輪25が他側の前輪25よりも高くなると、これに合わせてリンク21,22が傾斜する。特に、前輪25が比較的タイヤ径の大きな自転車用車輪であることで、段差Dを円滑に乗り越えることができる。
【0016】
一方、図1に示すように、前記フレーム部材11は、その後側上部に左右方向に延在する台座部11bを有する。この台座部11bは、運転者の座面を形成するシート14を設置するためのもので、その両端部には 対の車輪位置駆動手段30がそれぞれ設置されている。各車輪位置駆動手段30は、例えば電動モータを主体に構成されるもので、その回転軸には、左右方向に軸線の延びる回転軸周りに回動駆動されるアーム状の支持部材31が連結されている。そして、図4に模式的に示したように、各支持部材31の下端部には、例えばコイルばねからなるサスペンション32を介して、駆動輪としての後輪33の軸が回転自在に支持されている。左右方向で対をなす後輪33も、自転車用車輪からなる。従って、段差Dに遭遇して片側の後輪33が他側の後輪33よりも高くなると、これに合わせて両サスペンション32が伸縮する。特に、後輪33が比較的タイヤ径の大きな自転車用車輪であることで、段差Dを円滑に乗り越えることができる。
【0017】
なお、各後輪33には、これを回転駆動するモータ34(図6参照)が内蔵されている(いわゆるインホイールモータ)。つまり、両後輪33は、左右独立駆動となっている。従って、乗用車両は、両後輪33が各々のモータ34により同方向に回転駆動されることで走行駆動される。このとき、両後輪33の回転速度が互いに異なると、乗用車両の後部は、両後輪33の回転速度差に応じてが曲がろうとする。特に、車両停止中、両後輪33が同等の大きさになる逆方向の回転速度で回転されると、乗用車両は、両後輪33間の中心周りに回転(その場回転)しようとする。
【0018】
ここで、図1に示すように、両支持部材31が共に図示時計回りに回動駆動されて、両後輪33が最前方位置に配置される状態では、前輪25及び後輪33間の進行方向(前後方向)における距離(ホイールベース)が最短となって、路面における占有スペースが最小化される。このとき、両支持部材31及びハンドル軸13が立ち上がることで、車両高さが全体として高くなる。以下、この状態を「歩行モード」ともいう。この歩行モードでは、車両速度の最大速度として6km/h程度を想定している。
【0019】
一方、図2に示すように、両支持部材31が共に図示反時計回りに回動駆動されて、両後輪33が最後方位置に配置される状態では、前輪25及び後輪33間の進行方向における距離(ホイールベース)が最長となって、路面における占有スペースが最大化される。このとき、両支持部材31及びハンドル軸13が倒れることで、車両高さが全体として低くなる。以下、この状態を「走行モード」ともいう。この走行モードでは、車両速度の最大速度として20〜30km/h程度を想定している。
【0020】
また、図5に模式的に示したように、歩行モードにおいて、例えば左カーブを曲がるべくハンドル12が左方向に操舵されて両前輪25が左方向に傾いた際に、内周側である左側の車輪位置駆動手段30のみが駆動されて、当該側の後輪33が後方に移動するように支持部材31が回動駆動されたとする。このとき、内周側に配置される支持部材31のフレーム部材11における支持位置(台座部11b)が、外周側に配置される支持部材31のフレーム部材11における支持位置(台座部11b)よりも低くなることで、乗用車両は内周側に傾いて走行(リーン走行)する。
【0021】
あるいは、走行モードにおいて、例えば左カーブを曲がるべくハンドル12が左方向に操舵されて両前輪25が左方向に傾いた際に、外周側である右側の車輪位置駆動手段30のみが駆動されて、当該側の後輪33が前方に移動するように支持部材31が回動駆動されたとする。このとき、外周側に配置される支持部材31のフレーム部材11における支持位置(台座部11b)が、内周側に配置される支持部材31のフレーム部材11における支持位置(台座部11b)よりも高くなることで、同様に乗用車両は内周側に傾いて走行(リーン走行)する。
【0022】
なお、右カーブを曲がる場合ついても、前記した説明の左右を入れ替えることで同様である。
図3に示すように、フレーム部材11には、両前輪25間に挟まれる左右方向中央部において、従動輪持ち上げ手段40が設けられている。この従動輪持ち上げ手段40は、例えば電動モータを主体に構成されるもので、上下方向に延在して前輪25の軸線を遮る筒状のホルダ部41を有するとともに、該ホルダ部41に進退自在に支持された可動部42を有し、更に該可動部42の下端部に回転自在に支持された補助輪43を有する。従動輪持ち上げ手段40は、例えば電動モータの回転に伴うねじ作用でホルダ部41に対し可動部42を進退させる。これにより、例えばホルダ部41に対し下降する補助輪43がその接地する路面を押すと、両前輪25が路面から離れるようにこれらを持ち上げる。一方、ホルダ部41に対し上昇する補助輪43が路面から離れると、両前輪25が路面に接地する。なお、補助輪43は、前後方向に延びる軸線を有して左右方向に転動する。
【0023】
ここで、例えば車両停止中、両後輪33が同等の大きさになる逆方向の回転速度で回転されると、乗用車両は、両後輪33間の中心周りに回転(その場回転)しようとする。このとき、従動輪持ち上げ手段40により、両前輪25が路面から離されると、これら両前輪25によって乗用車両の前記したその場回転が阻害されることはない。従って、乗用車両は、補助輪43を路面に転動させつつ、その場回転する。
【0024】
なお、乗用車両は、上記に加えて、走行速度の調整意思を表すアクセルレバー、制動意思を表すブレーキレバー、ホイールベースの長短を切り替える意思を表すホイールベース可変つまみ36(図6参照)を備える。特に、ブレーキレバーは、前輪25の機械式ブレーキに連係されており、ブレーキレバーの操作によって両前輪25に制動力を作用する。ただし、両後輪33については、ブレーキレバーの操作に伴い両モータ34を回生動作させることで制動力が作用されるようになっている。
【0025】
次に、本実施形態の電気的構成について図6に基づき説明する。同図に示すように、各種制御を司る電子制御装置50には、両後輪33をそれぞれ回転駆動する対の前記モータ34と、両後輪33の前後位置をそれぞれ変化させる対の前記車輪位置駆動手段30と、前記従動輪持ち上げ手段40(モータ)とがそれぞれ電気的に接続されている。また、電子制御装置50には、前記ホイールベース可変つまみ36と、アクセルレバーの開度を検出する開度センサ51と、ハンドル12の操舵角を検出するハンドル操舵角センサ52と、両後輪33の回転速度をそれぞれ検出する対の車輪速度センサ53とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0026】
電子制御装置50は、ホイールベース可変つまみ36等の検出結果に応じてモータ34等を駆動制御する。例えば車両走行中、ハンドル操舵角センサ52によりハンドル12の操舵が検出されると、電子制御装置50は、そのときの操舵角及び車両速度(後輪33の回転速度)に応じて相対的に内周側の高さが低くなるように片側の車輪位置駆動手段30を駆動する。これにより、乗用車両は、ハンドル12の操舵時の操舵角及び車両速度に応じた傾斜角度でリーン走行する。あるいは車両停止中(車両速度ゼロ)、ハンドル操舵角センサ52によりハンドル12の操舵が検出されると、電子制御装置50は、両前輪25を持ち上げるべく従動輪持ち上げ手段40(モータ)を駆動する。次いで、電子制御装置50は、所定時間の経過を待って、そのときの操舵角に応じた大きさになる逆方向の回転速度で両モータ34を回転駆動する。これにより、乗用車両は、ハンドル12の操舵時の操舵角に応じた速度で、ハンドル12の操舵方向にその場回転する。その後、ハンドル12の操舵が戻されると、電子制御装置50は、その場回転を停止すべく、両モータ34の回転駆動を停止する。次いで、電子制御装置50は、所定時間の経過を待って、両前輪25を下ろすべく従動輪持ち上げ手段40(モータ)を駆動する。
【0027】
なお、電子制御装置50等は、個別に設けられた複数のバッテリで給電されてもよいし、共用の単独のバッテリで給電されてもよい。また、電子制御装置50は、モータ34等を個別に駆動制御する複数の電子制御装置と、それらを統括制御する電子制御装置との組み合せであってもよい。
【0028】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、電子制御装置50により、両後輪33の進行方向における位置が互いに異なるように変化されると、フレーム部材11における両支持部材31の支持位置間で高低差が生じる。従って、ハンドル12の操舵時、内周側に配置される支持部材31のフレーム部材11における支持位置が、外周側に配置される支持部材31のフレーム部材11における支持位置よりも低くなるように制御することで、乗用車両を内周側に傾けて走行(リーン走行)することができる。これにより、走行中の遠心力を打ち消すことができ、操舵方向に曲がりやすくすることができる。
【0029】
また、リーン走行のために駆動されるのは片側の車輪位置駆動手段30のみであるため、消費電力を削減することができる。
(2)本実施形態では、両後輪33が共に最前方位置にあるとき(歩行モード)又は前記最後方位置にあるとき(走行モード)、ハンドル12の操舵時には、電子制御装置50により、位置調整可能な片側の後輪33の位置が変化されるように該当側の車輪位置駆動手段30が駆動されることで、乗用車両を内周側に傾けて走行することができる。
【0030】
(3)本実施形態では、例えば車輪位置駆動手段30により両車輪位置駆動手段30を駆動して、両後輪33の進行方向における位置が一致するように変化させると、両前輪25及び両後輪33間の進行方向における距離(ホイールベース)を変化させることができる。これにより、例えば車両の走行速度に応じた車両姿勢の安定化を図ることができる。
【0031】
また、ハンドル12の操舵時に操舵方向に曲がりやすくする手段を共用して、車両の走行速度に応じた車両姿勢の安定化を図ることができ、部品点数を削減することができる。そして、車両重量、コストを削減することができる。
【0032】
(4)本実施形態では、運転者は、ハンドル12により視認性のよい前輪25を操舵することで、操作性を向上することができる。そして、壁や人等の横から操舵しながら発進したり、走行中に操舵した際の壁や人等との接触を容易に回避することができる。
【0033】
(5)本実施形態では、後輪33が2輪、前輪25が2輪の合計4輪で走行することができ、より安定して走行することができる。
(6)本実施形態では、例えば車両停止中、電子制御装置50により、両後輪33を同等の大きさになる逆方向の回転速度で回転させると、乗用車両は、両後輪33間の中心周りに回転(その場回転)しようとする。このとき、従動輪持ち上げ手段40により、両前輪25が路面から離されると、該前輪25によって乗用車両の前記したその場回転が阻害されることはない。従って、乗用車両を狭い場所で回転させることができる。
【0034】
(7)本実施形態では、従動輪持ち上げ手段40は、両前輪25間の中央部に配置されていることで、両前輪25をバランスよく持ち上げることができる。
(8)本実施形態では、ハンドル12を操舵するのみで、そのときの操舵角に応じた速度で乗用車両をその場回転できるため、アクセルレバーの操作を気にしなくてもよい。また、シート14側である後輪33側を中心にその場回転するため、その動作を安定化することができる。
【0035】
(9)本実施形態では、一般道であっても、乗車したまま比較的高速で移動できる。
(10)本実施形態では、前輪25又は後輪33における段差Dの乗り越えを機械的に行っていることで、例えば電気的な制御で行う場合に比べて電気的構成及びその制御を簡素化することができ、消費電力を削減することができる。
【0036】
(11)本実施形態では、車両重量を削減することができ、高齢者であっても転倒した際に容易に起こすことができる。
(12)本実施形態では、前輪25及び後輪33間が広く開放されていることで、運転者は横から容易に乗降することができる。
【0037】
(13)本実施形態では、運転者は自転車の座席に座ったような姿勢になるため、その目線が高くなる。従って、歩行者と会話しながらの並走が容易となり、あるいは一般道路を走行する場合には車からの視認性を向上できる。また、前輪25及び後輪33のタイヤ径が大きいために、段差や溝を円滑に乗り越えることができ、行動範囲を拡大することができる。さらに、走行モードでは、車両速度が最大で20〜30[km/h]程度となり、目的地までの移動時間を短縮することができる。
【0038】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、歩行モード及び走行モード間の切り替えを、手動操作により機械的に行うようにしてもよい。
【0039】
・前記実施形態において、ホイールベースが歩行モード及び走行モードの中間長となる中間モードを設定してもよい。
・前記実施形態において、従動輪(前輪25)は、1個でもよいし、3個以上でもよい。
【0040】
・前記実施形態において、両前輪25を持ち上げることで補助輪43を接地させる従動輪持ち上げ手段40であってもよい。また、従動輪持ち上げ手段40は一例であって、例えば前輪25及び後輪33間の適宜位置でフレーム部材11に設置されていてもよい。
【0041】
・前記実施形態において、例えば車両停止中、電子制御装置50により、片側の後輪33を停止したまま他側の後輪33を回転させて、乗用車両を回転させてもよい。
・前記実施形態において、前輪25及び後輪33と、従動輪及び駆動輪の関係は逆であってもよい。また、後輪33を操舵するようにしてもよい。
【0042】
・前記実施形態において、両後輪33を前後方向にスライドさせてホイールベースを直に変化させる機構を別途、設けてもよい。
・前記実施形態において、従動輪(前輪25)を手動で持ち上げる従動輪持ち上げ手段であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
11…フレーム部材(本体部)、12…ハンドル(操舵手段)、25…前輪(従動輪)、33…後輪(駆動輪)、34…モータ(電気的駆動手段)、40…従動輪持ち上げ手段、50…電子制御装置(車輪速度制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に並設されて本体部に配設された対の駆動輪と、該駆動輪に対し進行方向一側に配置されて前記本体部に設けられた従動輪とを備え、電気的駆動手段により走行駆動される乗用車両において、
前記両駆動輪の回転速度を個別に変化させる車輪速度制御手段と、
前記従動輪を路面から持ち上げる従動輪持ち上げ手段とを備えたことを特徴とする乗用車両。
【請求項2】
請求項1に記載の乗用車両において、
前記従動輪は、左右方向に複数で並設されていることを特徴とする乗用車両。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の乗用車両において、
前記車輪速度制御手段は、車両停止状態で、前記両駆動輪を同等の大きさになる逆方向の回転速度で回転させることを特徴とする乗用車両。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗用車両において、
前記従動輪は、左右方向に対で並設されており、
前記従動輪持ち上げ手段は、前記両従動輪間の中央部に配置されていることを特徴とする乗用車両。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗用車両において、
前記駆動輪及び前記従動輪はそれぞれ後輪及び前輪であって、
前記前輪を操舵する操舵手段を備えたことを特徴とする乗用車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−76671(P2012−76671A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225620(P2010−225620)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】