説明

位置検索装置及び位置検索方法並びにプログラム

【課題】候補が広く分布している場合でも簡単に目的物を選択することができ、ユーザが候補の識別を容易に行える位置検索装置の提供。
【解決手段】住所検索手段14は、検索キーに対応する住所表記情報を住所DB12から検索する。地理的特徴情報抽出手段15は、抽出住所表記情報についての地理的特徴情報を地図DB13から抽出する。リスト表示手段16は、抽出住所表記情報及び地理的特徴情報を表示手段11にリスト表示する。選択手段17は、リストから抽出住所表記情報を選択する。位置抽出手段18は、選択した抽出住所表記情報に対応する地図データを地図DB13から抽出する。これにより、ユーザは、付加された地理的特徴情報を参照して各抽出住所表記情報を容易に識別し、選択することができる。また、住所表記識別用の情報のデータベースを別途用意する必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索キーとして入力された目的物の名称や住所から目的物の位置(地図上の位置)を検索する位置検索技術に関し、特に入力された目的物の名称や住所に対する候補が複数存在する場合でも目的物の位置を容易に識別して抽出することが可能な位置検索技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置やインターネット上の地図検索システムなどにおいては、目的物の名称や住所を検索キーとして入力し、目的物の位置又はその周辺地図を検索・抽出する操作がしばしば行われる。かかる検索・抽出操作においては、検索キーに対して検索を行った結果、複数の候補が抽出される場合がしばしばある。
【0003】
例えば、目的物の名称として「○○ビル」という検索キーを入力した場合、「○○ビル」という名称のビルがデータベース内に複数個存在する場合、複数の候補が抽出される。また、検索キーとして「○○市」×「郵便局」のように地名と目的物の名称の一部を掛け合わせて検索した場合などにも、検索キーに対応する複数の候補が抽出される場合がある。
【0004】
このように複数の候補が抽出された場合、最終的にはそれらの候補の中から真の目的物をユーザに選択させる必要がある。複数の候補から目的物をユーザに選択させる場合には、抽出された候補をリスト表示して、ユーザにリストから目的物を選択させるのが一般的である。その場合、各候補が識別できるように、候補の名称とその住所を組としてリスト表示する。ユーザは目的物の名称と住所を参照して各候補を識別し、目的物を選択する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、候補の名称とともに地図を表示させ、ユーザに地図を参照させながら目的物を選択させる方法も公知である(特許文献2,3参照)。
【特許文献1】特許第3235529号明細書
【特許文献2】特開2004−144584号公報
【特許文献3】特開2002−245049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、候補の名称や住所とともに地図を表示させ、ユーザに目的物を選択させる方法を採る場合、地図やリストを表示させる画面の大きさの制約から、表示可能な候補の地理的範囲が一定の範囲に限られる。すなわち、候補の位置が識別できるように表示するためには、画面に表示させる地図の縮尺を大きくするのには限界がある。そのため、1つの地図で表示可能な候補の範囲は画面の大きさによって制約されることになる。画面上の地図に入りきらない他の候補を選択しようとする場合、地図をスクロールさせて他の候補の位置を確認する必要がある。従って、目的物の選択を素早く行うことができないという問題がある。
【0007】
一方、候補の名称とその住所を組としてリスト表示させ、ユーザに目的物を選択させる方法によれば、候補の地理的分布の範囲に関係なく、比較的少ない操作で目的物の選択を行うことができる。
【0008】
しかしながら、通常、ユーザが、これから検索しようとする目的物の住所を正確に記憶している場合は少ない。通常は、目的物のおおよその位置を記憶しており、その記憶に基づいて検索を行う場合が多い。従って、候補の住所のみ参照して目的物を選択するのは難しく、利便性に欠ける。
【0009】
また、例えば、住所として「福岡県□□市大字△△町○○番」と「福岡県□□市大字△△町塚田団地○○番」が存在する場合がある。この場合、前者の「○○番」は番地(街区符号)を表しており、後者の「○○番」は住居番号を表している。しかしながら、データベース内に両者がともに「福岡県□□市大字△△町○○番」と登録されている場合もある。このような場合、目的物の住所として、「福岡県□□市大字△△町○○番」と入力された場合、複数の候補が抽出されることになる。この場合、抽出された住所を参照しただけでは候補を識別することが不可能であり、ユーザが目的物を正しく選択することができない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、地理的特徴情報を提示してユーザが目的物について確認・選択しやすくすることが可能な位置検索技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る位置検索装置の第1の構成は、目的物を検索するための索引語とその索引語に対応する目的物の位置を表す位置情報とが関連づけて記憶された検索データベース;地図の図形表示に用いられる地図図形データ及び地図上の文字表示に用いられる地図文字データからなる地図データが記憶された地図データベース;目的物の住所を指定する検索キーを入力する検索キー入力手段;前記検索キーを少なくとも一部に含む索引語を前記検索データベースから検索し、該索引語とそれに対応する位置情報を抽出する目的物検索手段;前記目的物検索手段が抽出する位置情報(以下「抽出位置情報」という。)についての地理的特徴を表す情報(以下「地理的特徴情報」という。)を前記地図データベースから抽出する地理的特徴情報取得手段;並びに、前記目的物検索手段が抽出する索引語(以下「抽出語」という。)又は抽出位置情報とそれに対応する前記地理的特徴情報とを提示装置に提示する抽出情報提示手段;を備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、地理的特徴情報取得手段は、それぞれの抽出位置情報に対して、地図データベースから地理的特徴情報を抽出する。そして、抽出情報提示手段が、抽出語又は抽出位置情報に地理的特徴情報を付加して提示装置に提示する。これにより、ユーザは、付加された地理的特徴情報を参照して各抽出位置情報を容易に識別し、選択することができる。また、地理的特徴情報取得手段は、地理的特徴情報を地図データベースから抽出するため、住所表記識別用の情報のデータベースを別途用意する必要がない。従って、データベースの作成や保守・管理が容易となる。
【0013】
さらに、例えば、他人に目的物への経路を聞かれた場合など、ユーザが目的物についての地理的特徴を知りたい場合も考えられる。かかる場合、目的物について目印となる地理的特徴情報が判れば、容易に他人に経路を伝えることが可能である。そのような場合、本発明に係る位置検索装置を使用することによって、ユーザは目的物の地理的特徴情報を容易に検索し取得することができる。
【0014】
ここで、「索引語」とは、目的物の検索をするための語をいい、例えば、住所、電話番号、郵便番号、地物名、地物の属性情報(地物のレストラン・遊園地・工場などの分類、地物の色、階数、面積など)、住居表記(氏名など)が挙げられる。「地理的特徴情報」とは、地理的特徴を表す情報、すなわち、目的物を地理的に特徴づける情報をいう。「地理的に特徴づける」とは、地理的目印や景観的要素となるものを基準位置とし、その基準位置からの相対位置を示すことによりその地点を識別可能に特徴付け、又はその地点の通称名などの別称によってその地点を識別可能に特徴付けることをいう。地理的特徴情報としては、例えば、特定の交差点やランドマーク等からの方位及び距離の情報、国道,都道府県道などの特定の道路や交差点に対する相対位置の情報、その地点の通称名、団地名、施設名、ビル名、屋号等が挙げられる。
【0015】
「提示装置」とは、情報を提示するための装置であり、ディスプレイ等の表示装置や、スピーカー等の音声出力装置などを使用することができる。
【0016】
抽出情報提示手段による提示の仕方としては、例えば、抽出位置情報及びそれに対応する地理的特徴情報をテキスト(文字列)として表示装置に表示する方法や、実際に地図上に表示する方法、地図を目的物付近のみに限定して複数のウィンドウで表示する方法、簡略化した地図上に表示する方法、目的物と地理的特徴情報のみをアイコン,矢印等の図形を用いて視覚的に表示する方法、音声出力装置により地理的特徴情報を音声で読み上げる方法などが挙げられる。
【0017】
また、抽出情報提示手段が抽出語とそれに対応する地理的特徴情報とを提示する場合、両者をそのまま提示してもよいが、両者を合成又は一部省略して提示してもよい。例えば、抽出語が「福岡県北九州市小倉南区善隣3丁目5番11号」で地理的特徴情報が「善隣駅前交差点前」の場合、「福岡県北九州市小倉南区善隣3丁目5番11号(善隣駅前交差点前)」のように提示してもよいが、「福岡県北九州市小倉南区善隣3丁目5番」までは分かっているものとして「11(善隣駅前交差点前)」のように提示してもよい。
【0018】
本発明に係る位置検索装置の第2の構成は、前記第1の構成において、前記抽出情報提示手段は、前記抽出語及びそれに対応する前記地理的特徴情報を、テキスト(文字列)として提示装置に表示することを特徴とする。
【0019】
これにより、ユーザは、目的物の抽出語と地理的特徴情報を、文字として視覚的に認知することができる。そして、これらの情報を参照して目的物がどこにあるのかを認識することが可能となる。
【0020】
本発明に係る位置検索装置の第3の構成は、前記第1の構成において、前記抽出情報提示手段は、提示装置に地図を表示するとともに、その地図上に前記抽出位置情報及びそれに対応する前記地理的特徴情報を表示することを特徴とする。
【0021】
これにより、ユーザは、目的物の抽出位置情報と地理的特徴情報を、地図上で視覚的に認知することができる。そして、この情報を参照して目的物がどこにあるのかを、容易に且つ迅速に認識することが可能となる。
【0022】
ここで、抽出位置情報の表示方法としては、例えば、地図上に抽出位置情報を示すマーク(アイコン,点,矢印,吹き出し等)を表示する方法などを採ることができる。さらに、例えば、吹き出しにより抽出位置情報の表示を行いその吹き出しの中に抽出語の表示を行うように、抽出位置情報とともに抽出語を表示するようにしてもよい。
【0023】
本発明に係る位置検索装置の第4の構成は、前記第3の構成において、前記抽出情報提示手段は、前記抽出位置情報及びそれに対応する前記地理的特徴情報をアイコン,矢印,その他の図形により前記地図上に表示することを特徴とする。
【0024】
このように、抽出位置情報及び地理的特徴情報をアイコン,矢印,その他の図形で表示することで、視認性が向上し、ユーザはより容易且つ迅速に目的物の位置を認識することが可能となる。
【0025】
本発明に係る位置検索装置の第5の構成は、前記第1乃至4の何れか一の構成において、前記目的物検索手段は、前記検索キーを少なくとも一部に含む索引語に対応する位置情報が複数個ある場合には、それらの位置情報をその索引語と共に前記検索データベースから抽出するものであり、前記抽出情報提示手段は、抽出された前記索引語に対して前記抽出位置情報が複数ある場合、当該抽出語及びそれに対応する前記各地理的特徴情報を提示装置に提示することを特徴とする。
【0026】
このように、抽出されたある索引語に対して当該抽出語及び地理的特徴情報を複数個表示することによって、ユーザは、これらの情報を参照して目的物がどこにあるのかを、より容易且つ迅速に認識することが可能となる。
【0027】
本発明に係る位置検索装置の第6の構成は、前記第1乃至5の何れか一の構成において、前記抽出位置情報に対応する地図上の位置のデータ又はその位置を中心とする所定範囲の地図データを前記地図データベースから抽出する位置抽出手段を備えたことを特徴とする。
【0028】
これにより、ユーザは、付加された地理的特徴情報を参照して各抽出位置情報を容易に識別し、選択できるとともに、位置抽出手段が抽出する地図データを参照して地図上で目的地の位置を確認し、また目的地周辺の地図を取得することができる。
【0029】
本発明に係る位置検索装置の第7の構成は、前記第1乃至6の何れか一の構成において、前記目的物検索手段は、前記検索キーを少なくとも一部に含む索引語が複数個ある場合には、それらすべての索引語とそれに対応する位置情報を前記検索データベースから抽出するものであり、前記地理的特徴情報取得手段は、前記目的物検索手段により抽出位置情報が複数個抽出された場合に、それぞれの抽出位置情報についての地理的特徴情報を前記地図データベースから抽出するものであり、前記抽出情報提示手段は、前記抽出語が複数ある場合、当該各抽出語及びそれに対応する前記地理的特徴情報を提示装置に提示することを特徴とする。
【0030】
これにより、ユーザは、検索キーに対応するすべての目的物の位置情報及び地理的特徴情報を取得することができ、利便性が向上する。
【0031】
本発明に係る位置検索装置の第8の構成は、前記第7の構成において、前記抽出情報提示手段は、前記抽出語及び前記地理的特徴情報の対が複数ある場合、それらの抽出語及び地理的特徴情報の対、又はそれらの抽出語に対応する抽出位置情報を提示装置によりリスト等として提示するものであり、ユーザの指示に基づき前記リスト等から前記抽出語及び前記地理的特徴情報の対、又は前記抽出語に対応する抽出位置情報を選択する選択手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
(抽出語,地理的特徴情報)の対が1個の場合には、地理的特徴情報を抽出するまでもなく目的とする目的物が1つに特定される。(抽出語,地理的特徴情報)の対が複数個ある場合には、目的とする目的物が1つに特定できないため、地理的特徴情報取得手段がそれぞれの(抽出語,地理的特徴情報)の対に対して地理的特徴情報を抽出する。ユーザは提示装置により提示された地理的特徴情報や抽出位置情報を参照して、目的とする目的物を特定することができる。このように、地理的特徴情報の検索を必要な場合にのみ行うことで、検索速度を速めることができる。
【0033】
ここで、「提示装置によりリスト等として提示」とは、提示装置がディスプレイ等の表示装置の場合は当該表示装置に地理的特徴情報の索引語のリストを表示すること、実際に地図上に表示すること、地図を目的物付近のみに限定して複数のウィンドウで表示すること、簡略化した地図上に表示すること、若しくは目的物と地理的特徴情報のみをアイコン,矢印等の図形を用いて視覚的に表示することをいい、提示装置が音声出力装置の場合は各地理的特徴情報を読み上げてユーザに提示することをいう。従って、「リスト等」とは、(抽出語,地理的特徴情報)の対や抽出位置情報のリスト、複数の(抽出語,地理的特徴情報)の対や抽出位置情報が文字列,アイコン,矢印等で表示された地図又は簡略化された地図、抽出位置情報及び地理的特徴情報が表示された地図ウィンドウの集合、抽出語及び地理的特徴情報の読み上げリストなど、複数の(抽出語,地理的特徴情報)の対、又は抽出語に対応する抽出位置情報が提示されたものをいう。
【0034】
「選択手段」としては、リスト内の特定の抽出位置情報を指定することが可能な装置であればよく、キーボード,マウス,操作ボタン等とその制御回路又は制御プログラムとの組み合わせを使用することができる。
【0035】
本発明に係る位置検索装置の第9の構成は、前記第1乃至8の何れか一の構成において、前記地理的特徴情報取得手段は、前記地図データを参照し、それぞれの抽出位置情報に対してそれにより特定される住所,通称名,団地名,施設名,ビル名,又は屋号等の正式名以外の名称(以下「通称名等」という。)を抽出し、当該通称名等を地理的特徴情報として出力する通称名等抽出手段を備えていることを特徴とする。
【0036】
これにより、ユーザは各抽出位置情報と、それに対応する通称名等とを併せて参照することによって、目的とする目的物を識別することが可能となる。
【0037】
ここで、「通称名」とは、大字・小字などの正式な住所表示以外にその地域で従来から使用されている地域(町域)名をいう。例えば、長野県須坂市の須坂市役所の住所は、正式名では「長野県須坂市大字須坂1528番地の1」と表記されるが、通称名では、「長野県須坂市大字須坂東横町1528番地の1」と表記される。この場合、「東横町」が通称名である。また、例えば、福岡市中央区天神にある約400mの通りは「親不孝通り」と呼ばれているが、このような通りの通称も通称名に含まれる。
【0038】
本発明に係る位置検索装置の第10の構成は、前記第1乃至8の何れか一の構成において、前記地理的特徴情報取得手段は、前記地図データを参照し、前記抽出位置情報により特定される位置(以下「抽出位置」という。)に最も近接する公園,建物,施設等のランドマーク,若しくは交差点,踏切,橋,高架,隧道,地下道,洞門等の道路上の命名された目印地点(以下「ランドマーク等」という。)の名称を前記地図文字データから抽出するランドマーク等抽出手段;前記ランドマーク等抽出手段が抽出したランドマーク等から見た前記抽出位置の方位及び距離(以下「相対位置」という。)を算出する相対位置決定手段;前記ランドマーク等の名称と前記方位決定手段が算出する相対位置の情報を合成し、前記ランドマーク等に対する前記抽出位置の相対的な位置表記情報を地理的特徴情報として生成する相対的位置表記合成手段;を備えていることを特徴とする。
【0039】
この構成により、それぞれの抽出位置情報に対して、抽出位置の付近にあるランドマーク等からの相対位置が地理的特徴情報として付加され、リスト表示される。これにより、ユーザは、ランドマーク等からの相対位置によってそれぞれの抽出位置情報を容易に識別することが可能となる。
【0040】
ここで、「ランドマーク」とは、建物,公共の施設,記念碑,煙突,史跡,バス停,歩道橋などの目印となる地物をいう。
【0041】
また、「ランドマーク等に対する抽出位置の相対的な位置表記情報」とは、ランドマーク等の名称と、そのランドマーク等に対する抽出位置の相対位置との組により表される位置表記に関する情報をいう。例えば、抽出されたランドマークが「バス停A」で、「バス停A」からみた抽出位置の相対位置が「北東20m」である場合、位置表記情報は、「バス停Aから北東20m」となる。
【0042】
本発明に係る位置検索装置の第11の構成は、前記第1乃至8の何れか一の構成において、前記地理的特徴情報取得手段は、前記地図データを参照し、前記抽出位置情報により特定される位置(以下「抽出位置」という。)を参照し、前記抽出位置から所定の距離内にある国道,都道府県道,その他道路名又は通り名が付された道路(以下「指標道路」という。)を抽出する指標道路抽出手段;前記地図データを参照し、前記指標道路に沿って存在する交差点,公園,施設,その他の地物(以下「ランドマーク等」という。)のうち、前記抽出位置に最も近接するランドマーク等の名称を前記地図文字データから抽出するランドマーク等抽出手段;前記ランドマーク等抽出手段が抽出したランドマーク等から見た前記抽出位置の方位及び前記指標道路に沿った道のり距離並びに前記指標道路に対する前記抽出位置が存在する側(以下「相対位置」という。)を算出する相対位置決定手段;前記ランドマーク等の名称と前記方位決定手段が算出する相対位置を合成し、前記ランドマーク等に対する前記抽出位置の相対的な位置表記情報を地理的特徴情報として生成する相対的位置表記合成手段;を備えていることを特徴とする。
【0043】
この構成により、それぞれの抽出位置情報に対して、抽出位置の付近にあるランドマーク等から指標道路を基準とした相対位置が地理的特徴情報として付加され、リスト表示される。これにより、ユーザは、ランドマーク等及び指標道路からの相対位置によってそれぞれの抽出位置情報を容易に識別することが可能となる。
【0044】
ここで、「指標道路に対する抽出位置が存在する側」とは、基準となるランドマーク等から抽出位置に向かって指標道路に沿って進んだときに、指標道路からその抽出位置が見える左右何れかのかたわら(側)をいう。例えば、基準となるランドマーク等(バス停A)から出発して指標道路(国道○○号線)に沿って抽出位置の最近傍まで××m進んだときに、抽出位置が指標道路の右側に見える場合には、「指標道路に対する抽出位置が存在する側」は「右側」となる。この場合、バス停Aに対する抽出位置の相対位置は、「国道○○号線に沿って××m進んで右側」となる。また、「位置表記情報」は、「バス停Aから国道○○号線に沿って××m進んで右側」となる。
【0045】
本発明に係る位置検索装置の第12の構成は、前記第1乃至8の何れか一の構成において、前記地理的特徴情報取得手段は、前記地図データを参照し、前記抽出位置情報により特定される位置(以下「抽出位置」という。)が条里制又はそれに準じた区画(以下「条里区画」という。)がなされた地域の内部にあるか否かを判定する条里区画判定手段;前記抽出位置が条里区画内と判定された場合、当該抽出位置に最も近接する道路(以下「指標道路」という。)の名称を前記地図データから抽出する指標道路抽出手段;前記地図データを参照し、前記指標道路に交差する道路のうち、前記抽出位置に最も近接する道路(以下「指標交差道路」)の名称を前記地図文字データから抽出する指標交差道路抽出手段;前記指標道路及び前記指標交差道路の交差点から見た前記抽出位置の方位及び前記指標道路に沿った道のり距離並びに前記指標道路に対する前記抽出位置が存在する側(以下「相対位置」という。)を算出する相対位置決定手段;前記指標道路及び前記指標交差道路の名称と前記方位決定手段が算出する相対位置を合成し、前記指標道路及び前記指標交差道路の交差点に対する前記抽出位置の相対的な位置表記情報を地理的特徴情報として生成する相対的位置表記合成手段;を備えていることを特徴とする。
【0046】
この構成により、それぞれの抽出位置情報に対して、抽出位置の付近にある指標道路及び指標交差道路を基準とした相対位置が地理的特徴情報として付加され、リスト表示される。これにより、ユーザは、指標道路及び指標交差道路からの相対位置によってそれぞれの抽出位置情報を容易に識別することが可能となる。
【0047】
ここで、「条里制又はそれに準じた区画(条理区画)」とは、京都市や帯広市のように碁盤目状に敷設された道路により形成された区画であって、縦方向及び横方向の各道路に通り名称が付されたものをいう。条理区画の場合、縦方向の道路の通り名称と横方向の道路の通り名称を特定すれば、交差点の位置が一意的に定まる。例えば、京都の場合、道路が東西及び年僕方向に碁盤目状に敷設され、東西方向の主要な通りに「一条通り」,「二条通り」,「三条通り」,「四条通り」,…のように通り名が命名され、南北方向の通りに「麩屋町通り」,「寺町通り」,「河原町通り」,「木屋町通り」,…のように通り名が命名されている。この場合、「四条木屋町通」,「三条木屋町通」のように東西方向の通り名と南北方向の通り名を指定すれば、交差点の位置が一意的に定まる。
【0048】
「位置表記情報」としては、例えば、京都市の場合、「四条木屋町通上ル」,「三条木屋町通下ル一筋目東入ル南側」等の表記となる。
【0049】
本発明に係る位置検索方法は、目的物を検索するための索引語とその索引語に対応する目的物の位置を表す位置情報とが関連づけて記憶された検索データベース;地図の図形表示に用いられる地図図形データ及び地図上の文字表示に用いられる地図文字データからなる地図データが記憶された地図データベース;目的物を指定する検索キーを入力する検索キー入力手段;並びに、情報を表示するための提示装置;を備えたシステムにおいて、前記検索キー入力手段から入力される前記検索キーに対応する地点を検索する位置検索方法であって、前記検索キーを少なくとも一部に含む索引語を前記検索データベースから検索し該索引語とそれに対応する位置情報とを抽出する目的物検索ステップ;前記目的物検索ステップで抽出された位置情報(以下「抽出位置情報」という。)についての地理的特徴を表す情報(以下「地理的特徴情報」という。)を前記地図データベースから抽出する地理的特徴情報取得ステップ;並びに、前記目的物検索ステップで抽出された索引語及びそれに対応する前記地理的特徴情報を提示装置に提示する抽出情報提示ステップ;を備えたことを特徴とする。
【0050】
本発明に係るプログラムは、コンピュータに読み込ませて実行することにより、コンピュータを前記第1乃至12の何れか一の構成の位置検索装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0051】
以上のように、本発明によれば、抽出語又は抽出位置情報に、それに対する地理的特徴情報を付加してリスト提示することにより、ユーザは、各住所表記と地理的特徴情報とを併せて認知することによって、目的とする目的物を容易に識別することが可能となる。また、地理的特徴情報は地図データベースから抽出する構成としたことによって、検索データベースに識別用の情報を別途用意する必要がない。従って、データベースの作成や保守・管理が容易となる。
【0052】
また、例えば、他人に目的物への経路を聞かれた場合など、本発明に係る位置検索装置を使用することにより、ユーザは目的物の地理的特徴情報を容易に検索し取得することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0054】
図1は、本発明の実施例1に係る位置検索装置1のシステム構成を表す図である。本実施例では、位置検索装置1をインターネット等の通信回線5によって接続したクライアント・サーバーシステムによって構成した例を示す。
【0055】
位置検索装置1は、メイン・サーバー2,データベース・サーバー3,及び複数のクライアント4を備えている。メイン・サーバー2とデータベース・サーバー3とはLAN回線を介して接続され、メイン・サーバー2と各クライアント4とは、インターネット,LAN,電話回線,無線等の通信回線5を介して接続されている。
【0056】
メイン・サーバー2は、本発明の位置検索処理の情報処理を実行する。データベース・サーバー3は、位置検索の際に使用するデータベースを格納し、データベースへのデータの入出力制御を担っている。また、各クライアント4は、ユーザによる検索キー等の入力を受け付けてメイン・サーバー2へ送信するとともに、メイン・サーバー2から送信されてくる各種情報をディスプレイに表示したり、音声で出力したりする端末機能を担う。クライアント4は、具体的には、パーソナル・コンピュータ(PC),カーナビゲーション装置,携帯電話,音声案内装置などである。
【0057】
図2は、本発明の実施例1に係る位置検索装置1の機能構成を表すブロック図である。図1で示したように、位置検索装置1は、メイン・サーバー2,データベース・サーバー3,及びクライアント4の3つの部分に分けられる。
【0058】
クライアント4は、入力手段10及び提示装置11を備える。入力手段10は、ユーザが位置検索装置1に対して検索キーやその他の指示を入力する部分であり、キーボードやマウス等で構成される。尚、検索キーとは、目的物を指定する文字列等のキーである。提示装置11は、検索画面や地図などのグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI:Graphical User Interface)を表示する部分であり、ディスプレイなどにより構成される。尚、提示装置11としては、ディスプレイなどの表示装置以外に、音声出力装置を用いてもよい。
【0059】
データベース・サーバー3は、検索データベース(以下「検索DB」という。)12及び地図データベース(以下「地図DB」という。)13を備えている。
検索DB12は、目的物を検索するための索引語とその索引語に対応する目的物の位置を表す位置情報とが関連づけて記憶されている。地図DB13は、地図の図形表示に用いられる地図図形データ及び地図上の文字表示に用いられる地図文字データからなる地図データが記憶されている。
【0060】
メイン・サーバー2は、目的物検索手段14,地理的特徴情報取得手段15,抽出情報提示手段16,選択手段17,及び位置抽出手段18を備えている。
【0061】
目的物検索手段14は、入力手段10から入力される検索キーに対応する索引語を検索DB12から検索し、その索引語とそれに対応する位置情報とを抽出する。本実施例においては、索引語とは、「○○県」,「○○市」,「大字○○」,「○○丁目」,「○○番地」,「○○号」,「○○ビル○○階」のような目的物の住所表記に用いられる文字情報である。
【0062】
地理的特徴情報取得手段15は、それぞれの抽出された位置情報(抽出位置情報)についての地理的特徴を表す情報(地理的特徴情報)を地図DB13から抽出する。ここで、「地理的特徴情報」とは、地理的目印や景観的要素となるものを基準位置とし、その基準位置からの相対位置を示すことによりその地点を識別可能とする情報をいう。地理的特徴情報としては、例えば、地理的目印や景観的要素となるもの(ランドマークや交差点等)を基準位置としその基準位置からの目的物の相対位置,目的物の存在する地点の通称名などの別称などが挙げられる。
【0063】
抽出情報提示手段16は、目的物検索手段により抽出された索引語(以下「抽出語」という。)とそれに対応する地理的特徴情報との対を提示装置11にリスト表示する。
【0064】
選択手段17は、入力手段10から入力されるユーザの指示に基づき提示装置11に表示されたリストから(抽出語,地理的特徴情報)対を選択する。
【0065】
位置抽出手段18は、選択手段17が選択した(抽出語,地理的特徴情報)対に対応する抽出位置情報に基づき、当該抽出位置情報が表す地図上の位置のデータ及びその位置を中心とする所定範囲の地図データを地図DB13から抽出する。そして、抽出した地図データ及び目的物の位置データを提示装置11に表示させる。
【0066】
図3は、検索DB12のデータ構造を表す図である。本実施例における検索DB12は、リレーショナル・データベースにより構成されている。図3(a)は、検索DB12を構成する各テーブルのリレーションを示す。図3(b)は、各テーブルの具体的な内容の例を示す。
【0067】
検索DB12は、地域名テーブル20,都道府県名テーブル21,行政地区名テーブル22,大字名テーブル23,字・丁目名テーブル24,番地テーブル25,及び支号テーブル26により構成されている。図3(a)において、各テーブルを構成しているマスは、カラム(又は「フィールド」ともいう。)を表しており、各マス内に記載された文字は、属性名(カラム名)を表している。また、図3(a)において、2つのテーブル間で2つのカラムを連結する(数1)の記号は、カラム間に1対多のリレーションがあることを表す。
【0068】
【数1】

【0069】
地域名テーブル20は、「北海道」,「東北」,「関東」のような地域名を格納するテーブルで、「地域ID」,「地域名」の各カラムから構成される。
【0070】
都道府県名テーブル21は、都道府県名を格納するテーブルで、「都道府県ID」,「地域ID」,「都道府県名」の各カラムから構成される。行政地区名テーブル22は、「行橋市」,「北九州市八幡西区」,「遠賀郡岡垣町」のような市区町村レベルの行政地区名を格納するテーブルで、「行政地区ID」,「都道府県ID」,「行政地区名」の各カラムから構成される。大字名テーブル23は、大字名を格納するテーブルで、「大字ID」,「行政地区ID」,「大字名」の各カラムから構成される。字・丁目名テーブル24は、字名又は丁目名を格納するテーブルで、「字・丁目ID」,「大字ID」,「字・丁目名」の各カラムから構成される。番地テーブル25は、番地(街区符号)を格納するテーブルで、「番地ID」,「字・丁目ID」,「番地」の各カラムから構成される。支号テーブル26は、支号(住居番号)を格納するテーブルで、「支号ID」,「番地ID」,「支号」,「位置座標」の各カラムから構成される。尚、「位置座標」カラムには、支号により特定される地点の経緯座標が格納される。
【0071】
ここで、地域名、都道府県名、行政地区名、大字名、字・丁目名、番地、及び支号が検索キーに該当する。また、支号テーブル26に格納された位置座標が位置情報に該当する。
【0072】
図4は、地図DB13のデータ構造を表す図である。地図DB13は、複数のレイヤにより構成されたレイヤ構造のデータベースである。地図DB13を構成するレイヤとしては、図4に示したように、道路網レイヤ31,鉄道網レイヤ32,地物レイヤ33,地形レイヤ34,行政界レイヤ35,文字レイヤ36などがある。
【0073】
道路網レイヤ31,鉄道網レイヤ32は、それぞれ道路網,鉄道網の位置,形状,接続関係,属性等がグラフ構造データとして格納されたレイヤである。地物レイヤ33は、地図上に表示される建物,施設,記念碑,神社,三角点,水準点等の地物の属性,位置等が格納されたレイヤである。地形レイヤ34は、等高線,海岸線,湖岸線,河川境界線等の地形に関する位置,形状等の情報がグラフ構造データとして格納されたレイヤである。行政界レイヤ35は、都道府県界,市町村界,区界,大字界等の行政界に関する位置,形状等の情報がグラフ構造データとして格納されたレイヤである。
【0074】
文字レイヤ36は、地図上に表示される文字列の位置,内容,文字属性(フォント,色等)などの情報が格納されたレイヤである。文字レイヤ36は、基本的には、「文字データID」,「内容」,「位置座標」,「文字属性」等のカラムで構成されたテーブル構造を有している。
【0075】
文字レイヤ36は、さらに下位レイヤ(ランドマーク1類レイヤ41_1,ランドマーク1類レイヤ41_2,…,ランドマーク1類レイヤ41_n,地域通称名レイヤ42等)の集合によって構成されている。
【0076】
ランドマークi類レイヤ41_i(i=1,2,…,n)は、各種のランドマークの名称に関する情報が格納されている。各ランドマークは、その種別ごとに異なるレイヤ(文字レイヤ36の下位レイヤ)に格納されている。ランドマークの「種別」とは、例えば、郵便局,銀行,警察署,コンビニエンス・ストア,デパート,河川名,通り名等のランドマークの種類によって分類される区別をいう。図5に、ランドマークi類レイヤ41_iのデータ構造の例を示す。図5(a)がテーブルを構成するカラム及びそれらの属性名を表し、図5(b)がテーブルの具体例を表している。
【0077】
地域通称名レイヤ42は、地域通称名に関する情報が格納されている。「通称名」とは、大字・小字などの正式名以外にその地域で従来から使用されている地域(町域)名をいう。図6に、地域通称名レイヤ42のデータ構造の例を示す。図6(a)がテーブルを構成するカラム及びそれらの属性名を表し、図6(b)がテーブルの具体例を表している。
【0078】
図7は、道路網レイヤ31のデータ構造を表す図である。前述のように、道路網レイヤ31はグラフ構造データであり、複数のテーブルが関係づけられたリレーショナル・データベース構造により表される。図7(a)が各テーブルを構成するカラム及びそれらの属性名を表し、図7(b)が各テーブルの具体例を表している。本実施例では、道路網レイヤ31は、交差点テーブル51,道路テーブル52,接続道路テーブル53,及び道路形状テーブル54により構成されているものとする。
【0079】
交差点テーブル51は、交差点の位置と交差点名に関する情報を格納するテーブルであり、「交差点ID」,「交差点名称」,「交差点座標」の各カラムにより構成される。道路テーブル52は、道路の属性や道路名称に関する情報を格納するテーブルであり、「道路ID」,「道路属性」,「道路名称」の各カラムから構成されている。接続道路テーブル53は、各交差点に接続する道路の情報を格納するテーブルであり、「接続道路ID」,「交差点ID」,「道路ID」の各カラムから構成されている。道路形状テーブル54は、各道路の形状に関する情報を格納するテーブルであり、「道路形状ID」,「構成点座標」,「道路ID」から構成されている。
【0080】
図8は、地図上に表示される道路レイヤのデータを表す。図8において、「●」で表される点N,N,Nは交差点である。また、交差点間を接続する線が、道路リンクL,L,L,…である。道路リンクLのように、道路リンクが直線ではなく曲線の場合、道路リンクの形状は「△」で表された構成点により指定される。上記道路形状テーブル54の「構成点座標」カラムには、各リンクの始点及び終点並びに各構成点の位置座標が格納される。
【0081】
以上のように構成された本実施例の位置検索装置1について、以下その動作を説明する。図9は、実施例1に係る位置検索方法の流れを表すフローチャートである。
【0082】
まず、ステップS1,S2において、ユーザは、提示装置11に表示された検索入力画面を見ながら入力手段10から目的物の住所表示の検索キーを入力し、目的物検索手段14が、入力された検索キーに基づいて、検索DB12から検索キーに対応する索引語及びそれに対応する位置情報を抽出する。
【0083】
具体的な例で説明すると、まず、目的物検索手段14は、まず、提示装置11の画面上に、図10(a)に示したような地域名選択用の検索キーの入力フォームを表示させる。ユーザは、この入力フォームのリスト・ボックスに表示される地域名をマウスで選択し、ダブル・クリックすることにより選択する。リスト・ボックスに表示される地域名は検索キーとなる。
【0084】
次に、目的物検索手段14は、検索DB12の都道府県名テーブル21から選択された地域名の地域IDに対応する都道府県名を抽出する。そして、提示装置11の画面上に、図10(b)に示したような都道府県名選択用の検索キーの入力フォームを表示させる。ユーザは、この入力フォームのリスト・ボックスに表示される都道府県名をマウスで選択し、ダブル・クリックすることにより選択する。
【0085】
次に、目的物検索手段14は、検索DB12の行政地区名テーブル22から選択された都道府県名の都道府県IDに対応する行政地区名を抽出する。そして、提示装置11の画面上に、図10(c)に示したような行政地区名選択用の検索キーの入力フォームを表示させる。この際、入力フォームの上部のテキストボックスには、現在までに確定した検索キー(この場合、都道府県名)が表示される。ユーザは、この入力フォームのリスト・ボックスに表示される行政地区名をマウスで選択し、ダブル・クリックすることにより選択する。
【0086】
以下同様に、図10(d),図11(e),図11(f),図11(g)の順に検索キーの入力フォームを表示させながら、大字名,字・丁目名,番地,支号の順に検索キーを選択しながら確定していく。支号までの検索キーが確定した段階で、すべての住所表記に関する検索キーが確定する。
【0087】
図9に戻り、次に、ステップS3において、支号までの検索キーが確定した段階で目的物検索手段14は、検索DB12を検索した結果、複数の住所表記(索引語)及び位置情報の対が抽出されたか否かを判定する。もし、1つの(索引語,位置情報)対のみが抽出された場合には、ステップS7に移行する。複数の(索引語,位置情報)対が抽出された場合には、次のステップS4に移行する。
【0088】
ここで、検索キーが支号まで確定すれば、本来であれば、(索引語,位置情報)対はただ一つに決定されるはずである。しかしながら、実際の検索DB12においては、同じ住所表記(索引語)が重複登録されている場合がある。例えば、「福岡県北九州市小倉南区善隣3丁目5番11号」という住所表記の索引語に対して、正式な住居表示の他に、「福岡県北九州市小倉南区善隣3丁目○○団地5−11」のように街区符号がなく住居番号が棟番号と各戸の番号とから構成されている住所表記が、棟番号を街区符号(番地),各戸の番号を住居番号(支号)として同じ索引語で誤登録される場合がある。また、「福岡県北九州市小倉南区善隣3丁目○○ビル5−11」のように住居番号が階番号と室番号から構成されている住所表記が、階番号を街区符号(番地),室番号を住居番号(支号)として同じ索引語で誤登録される場合がある。このような場合、「福岡県北九州市小倉南区善隣3丁目5番11号」という検索キーに対して複数の(索引語,位置情報)対が抽出されることになる。
【0089】
ステップS4において、目的物検索手段14は、抽出されたそれぞれの索引語(抽出語)について、検索DB12の支号テーブル26の「位置座標」カラムから、その抽出語に対応する位置座標(抽出位置情報)を抽出する。そして、地理的特徴情報取得手段15は、地図DB13を参照して、それぞれの抽出位置情報の地点の地理的特徴情報を抽出・作成する。地理的特徴情報の抽出方法の詳細に関しては後述するが、この処理によって地理的特徴情報として、「善隣駅前交差点前」,「△△寺前」,「○○団地」のように、その地番における地域通称名が抽出・作成される。
【0090】
次に、ステップS5において、抽出情報提示手段16は、ステップS4において抽出された地理的特徴情報(地域通称名)と、各抽出語とを合成して、候補として提示装置11にリスト表示する。
【0091】
具体的には、例えば、図11(h)に示したような候補選択用の入力フォームを表示させる。この際、候補選択用の入力フォームの上部のテキストボックスには、検索キーが表示される。また、候補選択用の入力フォームの下部のリスト・ボックスには抽出語と地理的特徴情報により合成された候補文字列が表示される。候補文字列の表示方法としては、例えば、「11(善隣駅前交差点前)」,「11(△△寺前)」,「11(○○団地)」のように、支号の後に地域通称名を付記して表示する。
【0092】
これにより、ユーザは、同じ地番の住所表記であっても、地域通称名を参照することによって検索しようとする目的地を識別することができる。
【0093】
次に、ステップS6において、選択手段17は、ユーザによりリスト表示された候補文字列の中から一つの候補文字列が選択されるまで待機する。ユーザは、このリスト・ボックスに表示される候補文字列をマウスで選択し、ダブル・クリックすることにより候補を選択する。
【0094】
次に、ステップS7において、位置抽出手段18は、ユーザにより選択された候補文字列に対応する位置座標を取得して、目的地の位置を確定する。そして、地図DB13から、確定した位置を中心とする所定の範囲の地図データを検索・抽出する。
【0095】
最後に、ステップS8において、位置抽出手段18は、抽出された地図データを提示装置11の画面上に表示するとともに、確定した位置を示すマークをその地図上に表示して、位置検索処理を終了する。
【0096】
図12は、提示装置11の画面上に表示された地図及び検索された位置の表示例を表す。図12において、(数2)により示された位置が検索された位置を示すマークである。
【0097】
【数2】

【0098】
最後に、ステップS4における地理的特徴情報の抽出処理の詳細について説明する。図13は、実施例1における地理的特徴情報の抽出処理の流れを表すフローチャートである。
【0099】
まず、ステップS11において、地理的特徴情報取得手段15は、内部変数である候補番号iを1に初期化する。
【0100】
次に、ステップS12において、地理的特徴情報取得手段15は、検索DB12の支号テーブル26を参照し、i番目の候補の位置座標(経緯座標)(X,Y)を取得する。
【0101】
次に、ステップS13において、地理的特徴情報取得手段15は、地図DB13の地域通称名レイヤ42を検索し、i番目の候補の地点P(X,Y)の地域通称名を抽出する。もし、i番目の候補の地点P(X,Y)の地域通称名が存在しない場合には、その地点Pから所定の距離内にあり、且つその地点に最も近い地域通称名が付された地点を探索して、その地域通称名を抽出する。抽出された地域通称名は、地理的特徴情報s(i)に格納する。
【0102】
次に、ステップS14において、地理的特徴情報取得手段15は、候補番号iをインクリメントする。
【0103】
次に、ステップS15において、地理的特徴情報取得手段15は、候補番号iが全候補数Nより大きいか否かを判定する。i≦Nの場合には、ステップS12に戻る。i>Nの場合には、抽出された地理的特徴情報{s(i)|i=1,2,…,N}を出力して、地理的特徴情報の抽出処理を終了する。
【0104】
以上のように、本実施例によれば、住所表示を特定する検索キーにより検索DB12を検索した結果、1つの検索キーに対して複数の住所表示情報が抽出された場合、地理的特徴情報取得手段15が地図DB13を検索することにより、それぞれの住所表示情報に対してその地点における地域通称名を地理的特徴情報として抽出する。そして、これを提示装置11の画面上にリスト表示することにより、ユーザは各地理的特徴情報を識別することが可能となる。
【0105】
また、地理的特徴情報は、あらかじめテーブルとして保持するのではなく、必要に応じて地図DB13から必要な情報を抽出して作成する。従って、地理的特徴情報をデータベースとして管理する必要がないため、各データベースの保守管理が簡素化される。また、地理的特徴情報をデータベースに事前に登録しておく必要がないため、どのような有効な検索キー(実在する住所を特定する検索キー)に対しても地理的特徴情報を表示してユーザの識別可能性を担保することが可能となる。
【実施例2】
【0106】
図14は、実施例2における地理的特徴情報の抽出処理の流れを表すフローチャートである。尚、実施例2の位置検索装置1は、図1,図2に示したものと同様の構成を有し、地理的特徴情報取得手段15による地理的特徴情報の抽出処理以外の部分は実施例1と同様であるとする。
【0107】
まず、ステップS11において、地理的特徴情報取得手段15は、内部変数である候補番号iを1に初期化する。次に、ステップS12において、地理的特徴情報取得手段15は、検索DB12の支号テーブル26を参照し、i番目の候補の位置座標(経緯座標)(X,Y)を取得する。ここまでは、図13の場合と同様である。
【0108】
次に、ステップS21において、地理的特徴情報取得手段15は、地図DB13のランドマーク1類レイヤ41_1〜ランドマークn類レイヤ41_nを検索し、i番目の候補の地点P(X,Y)に最も近い公園,建物,施設等のランドマーク,若しくは交差点,踏切,橋,高架,隧道,地下道,洞門等の道路上の命名された目印地点(以下「ランドマーク等」という。)Qを探索し、その位置(ξ,η)及び名称NAMEを抽出する。
【0109】
例えば、図15に示したように、候補地点としてP,P,Pが抽出されている場合、候補地点Pの最近接のランドマーク等Qには「ゼンリ医院」,候補地点Pの最近接のランドマーク等Qには「善隣駅前交差点」,候補地点Pの最近接のランドマーク等Qには「善隣寺」が抽出される。
【0110】
次に、ステップS22において、地理的特徴情報取得手段15は、ランドマーク等Qから見た候補地点Pの方位θ及び距離d(以下「相対位置」という。)を算出する。ここで、方位θ(rad)及び距離d(m)は、次のようにして算出される。
【0111】
【数3】

【0112】
【数4】

【0113】
次に、ステップS23において、地理的特徴情報取得手段15は、ランドマーク等Qから見た候補地点Pの相対位置に関する情報及びランドマーク等Qの名称NAMEから、方面案内文字列を作成し、これを地理的特徴情報s(i)に格納する。
【0114】
ここで、方面案内文字列は次のように作成する。まず、方位θを参照し、方向文字列DIRを次のように決定する。
【0115】
【数5】

【0116】
そして、s(i)=NAME+DIR+d+(距離単位)によって、地理的特徴情報s(i)を作成する。
【0117】
例えば、ランドマーク等Qの名称NAMEが「ゼンリ医院」,θ=3π/8(rad),d=50(m)の場合、地理的特徴情報s(i)は「ゼンリ医院北北東50m」のように作成される。
【0118】
次に、ステップS14において、地理的特徴情報取得手段15は、候補番号iをインクリメントする。
【0119】
次に、ステップS15において、地理的特徴情報取得手段15は、候補番号iが全候補数Nより大きいか否かを判定する。i≦Nの場合には、ステップS12に戻る。i>Nの場合には、抽出された地理的特徴情報{s(i)|i=1,2,…,N}を出力して、地理的特徴情報の抽出処理を終了する。
【0120】
以上の結果、図9のステップS5において、候補選択の入力フォームには図16のように候補のリストが表示される。これにより、ユーザは、ランドマーク等の名称と相対位置関係を参考にして各候補のおよその位置を把握することができ、各候補の識別がしやすくなる。
【実施例3】
【0121】
実施例3では、住所とキーワードの組み合わせによる位置検索の例を示す。尚、位置検索装置1の構成は実施例1の場合と同様であるとする。
【0122】
実施例3では、検索キー入力フォームは、図17(a)に示したように、キーワード入力ボックス61,場所入力ボックス62,及び候補表示リスト・ボックス63を備えている。位置検索を行う場合、ユーザは、キーワード入力ボックス61に目的物のキーワードを入力し、場所入力ボックス62に目的物の住所の一部又は全部を入力する。そして、検索ボタンをマウス等でクリックする。この場合、検索キーは目的物のキーワードと目的物の住所の一部の組み合わせとなる。
【0123】
例えば、「福岡県眼鏡橋市」の「村山」さんの自宅の位置を検索したい場合、図17(a)の例のように、目的物のキーワードとして「村山」,目的物の場所として「福岡県眼鏡橋市」(又は「眼鏡橋市」)を入力する。
【0124】
目的物検索手段14は、まず検索DB12を参照して、検索キーの目的物の住所の一部を含む住所を大字名又は字・丁目名のレベルまですべて抽出する。次に、目的物検索手段14は、地図DB13の文字レイヤ36を参照して、抽出された各住所について、目的物のキーワードに対応する文字列がその住所の領域内に存在するか否かを判定する。存在しない場合には、その住所は捨てる。
【0125】
このようにして住所の取捨選別を行った結果、残った住所の一覧を候補表示リスト・ボックス63に表示する。図17(a)にその例を示す。
【0126】
ユーザは、候補表示リスト・ボックス63に表示された住所から、目的物が存在する地点に該当する住所を選択する。住所の選択は、実施例1の場合と同様、候補表示リスト・ボックス63に表示された1つの住所をマウス等でクリックすることによって行う。
【0127】
住所が選択されると、地理的特徴情報取得手段15は、地図DB13の文字レイヤ36を参照し、その住所が示す領域内の文字データで、検索キーとして入力された目的物のキーワードと一致するもの又はそのキーワードを含むものをすべて候補として抽出し、各候補の地点の位置座標を抽出する。そして、各候補の地点について、実施例1又は2と同様の方法により、地理的特徴情報を作成する。
【0128】
各候補の地理的特徴情報が作成されると、抽出情報提示手段16は、図17(b)に示したように、各候補の番地・支号と地理的特徴情報とを合成し、候補表示リスト・ボックス63内にリスト表示する。ユーザは、候補表示リスト・ボックス63内のリストから、目的物を選択する。
【0129】
目的物が選択されると、位置抽出手段18は、選択された候補に対応する地図上の位置のデータ及びその位置を中心とする所定範囲の地図データを地図DB13から抽出する。そして、抽出した地図データ及び目的物の位置データを提示装置11に表示させる。図18は、図17(b)の候補表示リストから「8(○○団地)」の候補が選択されたときに表示される地図データ及び目的物の位置データの表示画面の例を表す図である。
【0130】
以上のように、目的物のキーワードと住所の一部との組み合わせにより目的物の位置検索を行う場合に、検索で得られる候補に地理的特徴情報を付加してリスト表示することで、ユーザは各候補が目的物に一致するか否かを識別しやすくなる。
【実施例4】
【0131】
実施例4においては、京都のように条里制に基づく区画がされた地域における地理的特徴情報の抽出の方法について説明する。尚、位置検索装置1の構成は実施例1,3の場合と同様であるとする。
【0132】
実施例4では、検索キー入力フォームは、実施例3の場合と同様、図19(a)に示したように、キーワード入力ボックス61,場所入力ボックス62,及び候補表示リスト・ボックス63を備えている。位置検索を行う場合、ユーザは、キーワード入力ボックス61に目的物のキーワードを入力し、場所入力ボックス62に目的物の住所の一部又は全部を入力する。そして、検索ボタンをマウス等でクリックする。この場合、検索キーは目的物のキーワードと目的物の住所の一部の組み合わせである。
【0133】
図19(a)の例では、目的物のキーワードとして「寿司」,目的物の場所として「京都市善隣区」が入力されている。
【0134】
目的物検索手段14は、まず検索DB12を参照して、検索キーの目的物の住所の一部を含む住所を大字名又は字・丁目名のレベルまですべて抽出する。次に、目的物検索手段14は、地図DB13の文字レイヤ36を参照して、抽出された各住所について、目的物のキーワードに対応する文字列がその住所の領域内に存在するか否かを判定する。存在しない場合には、その住所は捨てる。このようにして住所の取捨選別を行った結果、残った住所の一覧を候補表示リスト・ボックス63に表示する。図19(a)にその例を示す。
【0135】
ユーザは、候補表示リスト・ボックス63に表示された住所から、目的物が存在する地点に該当する住所を選択する。住所の選択は、実施例1の場合と同様、候補表示リスト・ボックス63に表示された1つの住所をマウス等でクリックすることによって行う。
【0136】
住所が選択されると、地理的特徴情報取得手段15は、地図DB13の文字レイヤ36を参照し、その住所が示す領域内の文字データで、検索キーとして入力された目的物のキーワードと一致するもの又はそのキーワードを含むものをすべて候補として抽出し、各候補の地点の位置座標を抽出する。そして、各候補の地点について、地理的特徴情報を作成する。
【0137】
ここで、実施例4では、地理的特徴情報を次のようにして作成する。まず、地理的特徴情報取得手段15は、通り名が付された道路同士が交差する交差点のうち、各候補の地点Pに対して最も近接するものを抽出する。以下では抽出された交差点を基準交差点Oという。ここで、「通り名が付された道路」とは、例えば京都市の場合、「三条通り」,「七条通り」のように東西方向の道路のうち通り名が付された道路、又は「木屋町通り」,「河原町通り」のように南北方向の道路のうち通り名が付された道路をいう。
【0138】
次に、地理的特徴情報取得手段15は、基準交差点Oから候補地点Pに至る経路(以下「案内経路」という。)を探索する。案内経路の探索は、まず基準交差点Oから南北方向の通りに沿って進み、次に東西方向の通りに沿って進むというように、南北方向,東西方向に交互に進行する折れ線となる経路を探索する。
【0139】
例えば、図20に示した例では、候補地点Pに対して、基準交差点Oは「七条通り」と「善隣町通り」とが交差する交差点に設定される。そして、基準交差点Oから候補地点Pに至る案内経路として、経路Lが抽出される。
【0140】
また、候補地点Pに対しても、基準交差点Oは「七条通り」と「善隣町通り」とが交差する交差点に設定される。そして、基準交差点Oから候補地点Pに至る案内経路として、経路Lが抽出される。
【0141】
次に、地理的特徴情報取得手段15は、抽出された通り名称,及び案内経路から案内文字列を合成する。例えば、図20の例の候補地点Pの場合、基準交差点Oで交差する通りの通り名称は「七条通り」と「善隣町通り」であり、案内経路は経路Lである。経路Lは、基準交差点Oから一筋分だけ北へ進んだ後に西へ進んでいる。京都市の場合、北へ進むことを「上ル」,南へ進むことを「下ル」という。従って、この案内経路Lを表す案内文字列は、「上ル一筋目西入ル」となる。また、基準交差点Oは「善隣町通り」と「七条通り」との交差点なので、結局、案内文字列は「善隣町通七条上ル一筋目西入ル」のように合成される。
【0142】
同様に、候補地点Pの場合、案内文字列は「善隣町通七条下ル一筋目西入ル」のように合成される。
【0143】
以上のように案内文字列が作成されると、地理的特徴情報取得手段15は、これを地理的特徴情報として出力する。
【0144】
各候補の地理的特徴情報が作成されると、抽出情報提示手段16は、図19(b)に示したように、各候補の番地・支号と地理的特徴情報とを合成し、候補表示リスト・ボックス63内にリスト表示する。ユーザは、候補表示リスト・ボックス63内のリストから、目的物を選択する。
【0145】
目的物が選択されると、位置抽出手段18は、選択された候補に対応する地図上の位置のデータ及びその位置を中心とする所定範囲の地図データを地図DB13から抽出する。そして、抽出した地図データ及び目的物の位置データを提示装置11に表示させる。図21は、図19(b)の候補表示リストから「××番地(善隣町通四条下ル一筋目西入ル)」の候補が選択されたときに表示される地図データ及び目的物の位置データの表示画面の例を表す図である。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の実施例1に係る位置検索装置1のシステム構成を表す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る位置検索装置1の機能構成を表すブロック図である。
【図3】検索DB12のデータ構造を表す図である。
【図4】地図DB13のデータ構造を表す図である。
【図5】ランドマークi類レイヤ41_iのデータ構造の例を表す図である。
【図6】地域通称名レイヤ42のデータ構造の例を表す図である。
【図7】道路網レイヤ31のデータ構造を表す図である。
【図8】地図上に表示される道路レイヤのデータを表す図である。
【図9】実施例1に係る位置検索方法の流れを表すフローチャートである。
【図10】検索キー入力フォームの例を表す図である。
【図11】検索キー入力フォーム及び候補選択入力フォームの例を表す図である。
【図12】提示装置11の画面上に表示された地図及び検索された位置の表示例を表す図である。
【図13】実施例1における地理的特徴情報の抽出処理の流れを表すフローチャートである。
【図14】実施例2における地理的特徴情報の抽出処理の流れを表すフローチャートである。
【図15】ランドマーク等の抽出の例を説明する図である。
【図16】実施例2における候補選択入力フォームの例を表す図である。
【図17】実施例3における検索キー入力フォーム及び候補選択入力フォームの例を表す図である。
【図18】図17(b)の候補表示リストから「8(○○団地)」の候補が選択されたときに表示される地図データ及び目的物の位置データの表示画面の例を表す図である。
【図19】実施例4における検索キー入力フォーム及び候補選択入力フォームの例を表す図である。
【図20】基準交差点から候補地点に至る経路設定の例を表す図である。
【図21】図19(b)の候補表示リストから「××番地(木屋町通四条下ル一筋目西入ル)」の候補が選択されたときに表示される地図データ及び目的物の位置データの表示画面の例を表す図である。
【符号の説明】
【0147】
1 位置検索装置
2 メイン・サーバー
3 データベース・サーバー
4 クライアント
5 通信回線
10 入力手段
11 提示装置
12 検索データベース(検索DB)
13 地図データベース(地図DB)
14 目的物検索手段
15 地理的特徴情報取得手段
16 抽出情報提示手段
17 選択手段
18 位置抽出手段
20 地域名テーブル
21 都道府県名テーブル
22 行政地区名テーブル
23 大字名テーブル
24 字・丁目名テーブル
25 番地テーブル
26 支号テーブル
31 道路網レイヤ
32 鉄道網レイヤ
33 地物レイヤ
34 地形レイヤ
35 行政界レイヤ
36 文字レイヤ
41_1 ランドマーク1類レイヤ
41_2 ランドマーク1類レイヤ
41_n ランドマーク1類レイヤ
42 地域通称名レイヤ
51 交差点テーブル
52 道路テーブル
53 接続道路テーブル
54 道路形状テーブル
61 キーワード入力ボックス
62 場所入力ボックス
63 候補表示リスト・ボックス





【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的物を検索するための索引語とその索引語に対応する目的物の位置を表す位置情報とが関連づけて記憶された検索データベース;
地図の図形表示に用いられる地図図形データ及び地図上の文字表示に用いられる地図文字データからなる地図データが記憶された地図データベース;
目的物を指定する検索キーを入力する検索キー入力手段;
前記検索キーを少なくとも一部に含む索引語を前記検索データベースから検索し、該索引語とそれに対応する位置情報を抽出する目的物検索手段;
前記目的物検索手段が抽出する位置情報(以下「抽出位置情報」という。)についての地理的特徴を表す情報(以下「地理的特徴情報」という。)を前記地図データベースから抽出する地理的特徴情報取得手段;
並びに、前記目的物検索手段が抽出する索引語(以下「抽出語」という。)又は抽出位置情報とそれに対応する前記地理的特徴情報とを提示装置に提示する抽出情報提示手段;
を備えた位置検索装置。
【請求項2】
前記抽出情報提示手段は、前記抽出語及びそれに対応する前記地理的特徴情報を、テキスト(文字列)として提示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の位置検索装置。
【請求項3】
前記抽出情報提示手段は、提示装置に地図を表示するとともに、その地図上に前記抽出位置情報及びそれに対応する前記地理的特徴情報を表示することを特徴とする請求項1記載の位置検索装置。
【請求項4】
前記抽出情報提示手段は、前記抽出位置情報及びそれに対応する前記地理的特徴情報をアイコン,矢印,その他の図形により前記地図上に表示することを特徴とする請求項3記載の位置検索装置。
【請求項5】
前記目的物検索手段は、前記検索キーを少なくとも一部に含む索引語に対応する位置情報が複数個ある場合には、それらの位置情報をその索引語と共に前記検索データベースから抽出するものであり、
前記抽出情報提示手段は、前記抽出語に対して前記抽出位置情報が複数ある場合、当該抽出語及びそれに対応する前記各地理的特徴情報を提示装置に提示することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一記載の位置検索装置。
【請求項6】
前記抽出位置情報に対応する地図上の位置のデータ又はその位置を中心とする所定範囲の地図データを前記地図データベースから抽出する位置抽出手段を備えた請求項1乃至5の何れか一記載の位置検索装置。
【請求項7】
前記目的物検索手段は、前記検索キーを少なくとも一部に含む索引語が複数個ある場合には、それらすべての索引語とそれに対応する位置情報を前記検索データベースから抽出するものであり、
前記地理的特徴情報取得手段は、前記目的物検索手段により前記抽出位置情報が複数個抽出された場合に、それぞれの抽出位置情報についての地理的特徴情報を前記地図データベースから抽出するものであり、
前記抽出情報提示手段は、前記抽出語が複数ある場合、当該各抽出語及びそれに対応する前記地理的特徴情報を提示装置に提示することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一記載の位置検索装置。
【請求項8】
前記抽出情報提示手段は、前記抽出語及び前記地理的特徴情報の対が複数ある場合、それらの抽出語及び地理的特徴情報の対、又はそれらの抽出語に対応する抽出位置情報を提示装置によりリスト等として提示するものであり、
ユーザの指示に基づき前記リスト等から前記抽出語及び前記地理的特徴情報の対、又は前記抽出語に対応する抽出位置情報を選択する選択手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の位置検索装置。
【請求項9】
前記地理的特徴情報取得手段は、前記地図データを参照し、前記抽出位置情報に対してそれにより特定される住所,通称名,団地名,施設名,ビル名,又は屋号等の正式名以外の名称(以下「通称名等」という。)を抽出し、当該通称名等を地理的特徴情報として出力する通称名等抽出手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一記載の位置検索装置。
【請求項10】
前記地理的特徴情報取得手段は、
前記地図データを参照し、前記抽出位置情報により特定される位置(以下「抽出位置」という。)に最も近接する公園,建物,施設等のランドマーク,若しくは交差点,踏切,橋,高架,隧道,地下道,洞門等の道路上の命名された目印地点(以下「ランドマーク等」という。)の名称を前記地図文字データから抽出するランドマーク等抽出手段;
前記ランドマーク等抽出手段が抽出したランドマーク等から見た前記抽出位置の方位及び距離(以下「相対位置」という。)を算出する相対位置決定手段;
前記ランドマーク等の名称と前記方位決定手段が算出する相対位置の情報を合成し、前記ランドマーク等に対する前記抽出位置の相対的な位置表記情報を地理的特徴情報として生成する相対的位置表記合成手段;
を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一記載の位置検索装置。
【請求項11】
前記地理的特徴情報取得手段は、
前記地図データを参照し、前記抽出位置情報により特定される位置(以下「抽出位置」という。)から所定の距離内にある国道,都道府県道,その他道路名又は通り名が付された道路(以下「指標道路」という。)を抽出する指標道路抽出手段;
前記地図データを参照し、前記指標道路に沿って存在する交差点,公園,施設,その他の地物(以下「ランドマーク等」という。)のうち、前記抽出位置に最も近接するランドマーク等の名称を前記地図文字データから抽出するランドマーク等抽出手段;
前記ランドマーク等抽出手段が抽出したランドマーク等から見た前記抽出位置の方位及び前記指標道路に沿った道のり距離並びに前記指標道路に対する前記抽出位置が存在する側(以下「相対位置」という。)を算出する相対位置決定手段;
前記ランドマーク等の名称と前記方位決定手段が算出する相対位置を合成し、前記ランドマーク等に対する前記抽出位置の相対的な位置表記情報を地理的特徴情報として生成する相対的位置表記合成手段;
を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一記載の位置検索装置。
【請求項12】
前記地理的特徴情報取得手段は、
前記地図データを参照し、前記抽出位置情報により特定される位置(以下「抽出位置」という。)が条里制又はそれに準じた区画(以下「条里区画」という。)がなされた地域の内部にあるか否かを判定する条里区画判定手段;
前記抽出位置が条里区画内と判定された場合、当該抽出位置に最も近接する道路(以下「指標道路」という。)の名称を前記地図データから抽出する指標道路抽出手段;
前記地図データを参照し、前記指標道路に交差する道路のうち、前記抽出位置に最も近接する道路(以下「指標交差道路」)の名称を前記地図文字データから抽出する指標交差道路抽出手段;
前記指標道路及び前記指標交差道路の交差点から見た前記抽出位置の方位及び前記指標道路に沿った道のり距離並びに前記指標道路に対する前記抽出位置が存在する側(以下「相対位置」という。)を算出する相対位置決定手段;
前記指標道路及び前記指標交差道路の名称と前記方位決定手段が算出する相対位置を合成し、前記指標道路及び前記指標交差道路の交差点に対する前記抽出位置の相対的な位置表記情報を地理的特徴情報として生成する相対的位置表記合成手段;
を備えていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一記載の位置検索装置。
【請求項13】
目的物を検索するための索引語とその索引語に対応する目的物の位置を表す位置情報とが関連づけて記憶された検索データベース;
地図の図形表示に用いられる地図図形データ及び地図上の文字表示に用いられる地図文字データからなる地図データが記憶された地図データベース;
目的物を指定する検索キーを入力する検索キー入力手段;
並びに、情報を提示するための提示装置;
を備えたシステムにおいて、前記検索キー入力手段から入力される前記検索キーに対応する地点を検索する位置検索方法であって、
前記検索キーを少なくとも一部に含む索引語を前記検索データベースから検索し該索引語とそれに対応する位置情報とを抽出する目的物検索ステップ;
前記目的物検索ステップで抽出された位置情報(以下「抽出位置情報」という。)についての地理的特徴を表す情報(以下「地理的特徴情報」という。)を前記地図データベースから抽出する地理的特徴情報取得ステップ;
並びに、前記目的物検索ステップで抽出された索引語及びそれに対応する前記地理的特徴情報を提示装置に提示する抽出情報提示ステップ;
を備えた位置検索方法。
【請求項14】
コンピュータに読み込ませて実行することにより、コンピュータを請求項1乃至12の何れか一に記載の位置検索装置として機能させることを特徴とするプログラム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−226688(P2007−226688A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49372(P2006−49372)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】