説明

低多分散性の光画像形成可能なアクリルポリマー、フォトレジストおよびマイクロリソグラフィーのための方法

本発明は、光画像形成およびフォトレジスト組成物に有用な低多分散性アクリルポリマーに、ならびにこれらの組成物を使用する光画像形成方法に関する。本発明の低多分散性ポリマーは、RAFT(可逆付加開裂連鎖移動)重合のような、制御ラジカル重合(CRP)技術を用いて製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光画像形成およびフォトレジスト組成物に有用な低多分散性アクリルポリマーに、ならびにこれらの組成物を使用する光画像形成方法に関する。本発明の低多分散性ポリマーは、RAFT(可逆付加開裂連鎖移動)重合のような制御ラジカル重合(CRP)技術を用いて製造される。
【背景技術】
【0002】
ポリマー製品は、画像形成および感光システムの成分として、特に光画像形成システムで使用される。かかるシステムで、紫外(UV)光または他の電磁放射線は、光活性成分を含有する材料に作用して当該材料に物理的または化学的変化を誘発する。有用なまたは潜在的な画像がそれによって生み出され、それは半導体デバイス製造に有用な画像へ処理することができる。
【0003】
半導体デバイスでサブミクロンレベルでの画像形成機能のために、遠または極紫外(UV)の電磁放射線が必要とされる。248nm露光での光リソグラフィーが現在商業的に利用されており、193nm露光が現在0.13μm以下用のデザイン・ルールを用いるマイクロエレクトロニクス製造向けに導入されつつある。157nm露光を用いる光リソグラフィーが0.07μm以下のデザイン・ルールに必要とされるかもしれない。
【0004】
特に所望の構造および分子量を有するポリマーを製造するために予想通りに制御することができる重合法を開発することへの関心の高まりもある。かかる結果を達成するための手段の1つは「リビング重合」の方法による。かかる方法は、通常の重合法で製造されたポリマーと比べて予想通りにうまく規定された構造と狭い分散度の分子量とを有するポリマーの合成中により高度の制御を提供する。
【0005】
RAFT(可逆付加開裂連鎖移動)重合法は、アクリル、スチレン系および選択された他のビニルモノマーからの低多分散性ポリマーの製造について開示されてきた((特許文献4)、(特許文献5)および(特許文献6))。これらのRAFT由来ポリマーのための用途の分野には、画像形成およびエレクトロニクス(例えば、フォトレジスト)が含まれる。
【0006】
(非特許文献1)はRAFT法を用いるアクリレートターポリマーの製造を開示した。
【0007】
【特許文献1】国際公開第98/01478号パンフレット
【特許文献2】国際公開第99/31144号パンフレット
【特許文献3】EP0 910,587号明細書
【特許文献4】米国特許第6,512,081号明細書
【特許文献5】EP0 825,247号明細書
【特許文献6】国際公開第00/66575号パンフレット
【非特許文献1】ティ.−ワイ.リー(T.−Y Lee)ら著、「レジスト技術および加工の進歩(Advances in Resist Technology and Processing)XX」、テオドーレ エッチ.フェディニシン(Theodore H.Fedynyshyn)編、SPIEの紀要、5039巻(2003)、548−557ページ
【非特許文献2】モードおよびソロモン(Moad and Solomon)著、「フリーラジカル重合の化学(The Chemistry of Free Radical Polymerization)」、ロンドン、ペルガモン(Pergamon)、1995年、53−95ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
どんどん小さくなる形状の電子部品の製造を可能にするために157〜248nmでの高い透明度と良好な解像度とを持ったフォトレジストに対するニーズが依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
a.アクリレートエステルおよびメタクリレートエステルの群から選択されるアクリルモノマーから誘導される繰り返し単位と、
b.フルオロアルコール、保護されたフルオロアルコールおよび保護された酸基の群から選択される官能基であり、該保護された酸基の保護基が少なくとも5個の炭素原子を含む官能基と
を含む低多分散性アクリルポリマーを提供する。
【0010】
第2態様では、本発明はまた、
a.光活性成分と、
b.アクリレートエステルおよびメタクリレートエステルの群から選択されるアクリルモノマーから誘導される少なくとも1つの繰り返し単位を含む低多分散性ポリマーと
を含むフォトレジストも提供する。
【0011】
第3態様では、本発明は、
1.基材を、
a.アクリレートエステルおよびメタクリレートエステルの群から選択されるアクリルモノマーから誘導される少なくとも1つの繰り返し単位を含む低多分散性ポリマー、
b.光活性成分、および
c.溶媒
を含む混合物でコートする工程と、
2.溶媒を蒸発させる工程と
を含む、コートされた基材の形成方法を提供する。
【0012】
第4態様では、本発明は、
a.フォトレジストが本発明の低多分散性ポリマーおよび光活性成分を含むフォトレジスト層を基材上に形成する工程と、
b.フォトレジスト層を化学線に像様露光して画像形成および非画像形成区域を形成する工程と、
c.画像形成および非画像形成区域を有する露光されたフォトレジスト層を現像して基材上にフォトレジスト画像を形成する工程と
を含む、基材上へのフォトレジスト画像の形成方法を提供する。
【0013】
本発明はまた、本発明のコーティングおよび画像形成方法によって製造された、コートされたおよび/または画像形成された基材も提供する。
【0014】
本発明はまた、フルオロアルコール、保護されたフルオロアルコールおよび保護された酸基の群から選択される官能基であり、該保護された酸基の保護基が少なくとも5個の炭素原子を含む官能基を含有する第1アクリルモノマーと1つまたは複数の他のアクリルモノマーとを含むモノマー混合物をフリーラジカル源および連鎖移動剤の存在下に重合させてアクリルコポリマーを製造する工程であって、連鎖移動剤が0.1〜500の範囲の移動定数を有し、かつ、連鎖移動剤が次の構造
(式中、
R=アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、炭素環もしくは複素環、アルキルチオ、アルコキシ、またはジアルキルアミノであり、そして
Z=H、アルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、炭素環もしくは複素環、アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシルオキシ、カルバモイル、シアノ、ジアルキル−もしくはジアリール−ホスホナト、またはジアルキル−もしくはジアリール−ホスフィナトである)
を有する工程を含む低多分散性ポリマーの製造方法も提供する。
【0015】
本発明はまた、本発明の重合法によって製造されるポリマーにも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明との関連で、低多分散性ポリマーは、通常のフリーラジカル重合によって製造されたものより著しく少ない多分散性を持ったものである。通常のフリーラジカル重合では、形成されたポリマーの多分散性は典型的には低モノマー転化率(すなわち、0.1%〜10%転化率)で1.5〜2.0の範囲にあり、より高い転化率(すなわち、10〜100%転化率)で実質的により大きい(2〜10の範囲にある)。10%より大きい転化率で1.05〜2.0の範囲の多分散性を有するポリマーが好ましく、高転化率で1.05〜1.3の多分散性がより好ましい。
【0017】
本重合システムの利点の1つは、反応化学量論およびモノマーのポリマーへの転化の程度を制御することによって本方法が広範囲のモノマーおよび反応条件にわたって予め定められた分子量および狭い分子量分布のポリマーを製造することである。
【0018】
(アクリルモノマー)
低多分散性ポリマーは、アクリルモノマー、CH=CR’COR’’またはCH=C(CHOH)COR’’’から誘導される繰り返し単位を含む。
【0019】
アクリルモノマーがCH=C(CHOH)COR’’’である時、R’’’は、任意選択的に1つまたは複数のヒドロキシ、ハロゲン、エーテル酸素、エステルまたはケトンカルボニル基で置換されたC〜C25アルキル基である。好ましくはR’’’は1〜20個の炭素原子を含有する。好ましいアルキル基、R’’’は酸に不安定なものである。酸に不安定なアルキル基の例には、2−メチル−2−アダマンチルのような、5以上の炭素原子を含有する第三級アルキル基が挙げられるが、それらに限定されない。
【0020】
アクリルモノマーがCH=CR’COR’’である時、R’はH、F、1〜5個の炭素原子のアルキル基、または1〜5個の炭素原子のフルオロアルキル基である。R’’は、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシ官能基を含有する、C〜C20非環式脂肪族基または環式C〜C50もしくは多環式C〜C50アルキル基、または式−C(R)(R)−[C(R)(R)]−C(R)(R)−OHの官能基である。好ましくは、R’は1〜5個の炭素原子のアルキル基である。適切なモノマーの幾つかの例は下に提供される。
【0021】
アクリルモノマーがCH=CR’COR’’である時、好ましい実施形態は、R’’が、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル置換基付きの、5〜50個の炭素原子、好ましくは5〜30個の炭素原子を含有する多環式基である時である。R’’はまた任意選択的に1つまたは複数のハロゲン、エーテル酸素、エステルもしくはケトンカルボニル基で置換され得る。好ましい多環式アクリルモノマーには、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート(CH=CHCOR’’、式中、R’’は3−ヒドロキシ−1−アダマンチルである)、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2,3−NBFOHMA、および5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトンが含まれる。R’’は酸に不安定な基であることができる。好ましい環式アクリルモノマーには、γ−ブチロラクトンメタクリレート、α−およびβ−異性体が含まれる。R’’は1つまたは複数のフッ素置換基を有することができる。
【0022】
あるいはまた、R’’は式
−C(R)(R)−[C(R)(R)]−C(R)(R)−OH
(式中、
m=0、1、2、3、4または5であり、
およびRは独立してC〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、ただし、RおよびRに結合した炭素は橋頭位にはなく、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、または
およびRは−[C(R)(R)]−と一緒になって4〜8員環を形成し、ただし、RおよびRに結合した炭素は橋頭位にはない)
の官能基であり得る。
【0023】
PinMAc(2−メチル−2−プロペン酸、2−ヒドロキシ−1,1,2−トリメチルプロピルエステル)、およびそのアクリレート類似体、PinAcが好ましい非環式アクリルモノマーである。
【0024】
本発明での使用に好適なアクリレートおよびメタクリレートモノマーには、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル−(メタ)アクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル−(メタ)アクリレート、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル−(メタ)アクリレート、α−(γ−ブチロラクトン)−(メタ)アクリレート、β−(γ−ブチロラクトン)−(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル−(メタ)アクリレート、8−メチルトリシクロ[5.2.1]デカン−8−イル−(メタ)アクリレート、8−エチルトリシクロ[5.2.1]デカン−8−イル−(メタ)アクリレート、2−(4−メトキシブチル)−2−アダマンチル−(メタ)アクリレート、メバロラクトン−(メタ)アクリレート、PinAc、PinMAc、4−ヒドロキシ−1−メチルシクロヘキシル−(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル−(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル−(メタ)アクリレート、3−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−2−(2−メチルプロペノイル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−2−(プロペノイル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、および5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトンが含まれるが、それらに限定されない。
【0025】
(官能基)
本発明のポリマーは、フルオロアルコール官能基から誘導される官能基を含有するアクリルモノマーから誘導される繰り返し単位を含むことができる。この官能基は、部分または完全フッ素化アルキル基であり得る、RおよびR’と称される、フルオロアルキル基を含有する。RおよびR’は1〜10個の炭素原子の同じまたは異なるフルオロアルキル基であるかまたは一緒になって(CF(式中、nは2〜10である)である。語句「一緒になって」は、RおよびR’が個々の、別個のフッ素化アルキル基ではないこと、しかし一緒にそれらが5員環のケースで下に例示されるような環構造を形成することを示す。
【0026】
【化1】

【0027】
およびR’は、ヒドロキシルプロトンが塩基性媒体(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化テトラアルキルアンモニウム水溶液)中で実質的に除去され得るように、対応するフルオロアルコール官能基のヒドロキシル(−OH)に酸性を与えるのに十分なほどフッ素化されていなければならない。好ましくは、ヒドロキシル基が5〜11のpKa値を有するようにフルオロアルコール官能基中に十分なフッ素が存在する。好ましくは、RおよびR’は独立して1〜5個の炭素原子のパーフルオロアルキル基であり、最も好ましくは、トリフルオロメチル(CF)である。フルオロアルコール基の数は、水性アルカリ現像液での良好な現像に必要とされる量を最適化することによって所与の組成物について決定される。
【0028】
より具体的には、低多分散性ポリマーは、構造
−X(CHC(R)(R’)OH
(式中、RおよびR’は、1〜10個の炭素原子の同じまたは異なるフルオロアルキル基であるか、または一緒になって(CFであり、nは2〜10の整数であり、XはS、O、N、およびPよりなる群から選択され、q=0およびr=0か、またはq=1およびr=0もしくは1である。好ましくは、r=0である。r=1の時、好ましくは、XはO(酸素)である)
を有するフルオロアルコール官能基を含有するアクリルモノマーから誘導される繰り返し単位を含むことができる。
【0029】
(PAC触媒作用による除去のための保護基)
フルオロアルコール基に加えて、またはその代わりに、本発明のレジスト組成物のポリマーは、保護された酸性フッ素化アルコール基(例えば、−C(R)(R’)OR、ここで、RはHではない)または光活性化合物(PAC)から光化学的に発生する酸または塩基との反応によって親水性基をもたらすことができる他の酸基を有する1つまたは複数の成分を含有することができる。所与の保護されたフッ素化アルコール基は、フッ素化アルコール基または他の酸基がこの保護された形にある間ずっとその酸性を示すのを防ぐ保護基を含有する。所与の保護された酸基は通常、酸が像様露光で生み出された時に、それが保護された酸性フッ素化アルコール基の脱保護と水性条件下での現像に必要である親水性酸基の生成とを触媒するであろうように、その酸に不安定であることに基づいて選ばれる。
【0030】
アルファ−アルコキシアルキルエーテル基(すなわち、R=OCH、R=C〜C11アルキル)が、フォトレジスト組成物で高度の透明性を維持するためにフルオロアルコール基にとって好ましい保護基である。保護基として有効であるアルファ−アルコキシアルキルエーテル基の例示的な、しかし非限定的な例は、メトキシメチルエーテル(MOM)である。この独特の保護基で保護されたフルオロアルコールは、クロロメチルメチルエーテルとフルオロアルコールとの反応によって得ることができる。特に好ましい保護されたフルオロアルコール基は構造
−C(R)(R’)O−CHOCH15
(式中、RおよびR’は1〜10個の炭素原子の同じまたは異なるフルオロアルキル基であるかまたは一緒になって(CF(ここで、nは2〜10である)であり、R15はH、1〜10個の炭素原子の線状アルキル基、または3〜10個の炭素原子の分岐アルキル基である)
を有する。
【0031】
フッ素化アルコールと第三級脂肪族アルコールとから形成されたカーボネートもまた保護された酸性フッ素化アルコール基として使用することができる。
【0032】
本発明のポリマーはまた、酸への曝露で酸性基をもたらす他のタイプの保護された酸性基を含有することもできる。かかるタイプの保護された酸性基の例には、A)5以上の炭素原子を含有する第三級カチオンを形成する、またはそれに転位することができる、アルキルエステル、または置換アルキルエステル、B)ラクトンのエステル、C)アセタールエステル、D)β−環式ケトンエステル、E)α−環式エーテルエステル、およびF)MEEMA(メトキシエトキシエチルメタクリレート)のような、隣接基関与のために容易に加水分解できるエステルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0033】
カテゴリーA)の幾つかの具体的な例は、2−メチル−2−アダマンチルエステルおよびイソボルニルエステルである。
【0034】
本発明では、官能基(例えば、フルオロアルコール、保護されたフルオロアルコールまたは保護された酸基)は一般に、本発明の所与のポリマーベース樹脂を形成するために重合させられる少なくとも1つのモノマー中に存在する。あるいはまた、ポリマーベース樹脂は酸含有モノマーの重合によって形成することができ、次にその後、生じた酸含有ポリマー中の酸官能性は、保護された酸基を有する誘導体に適切な手段によって部分的にまたは完全に変換することができる。
【0035】
(RAFT重合法)
本発明者らは、新規フリーラジカル重合法およびそれから製造された新規ポリマーを発見した。本方法は、リビング特性を授与するように選ばれた、フリーラジカル源および少なくとも1つのある種の硫黄ベース連鎖移動剤(CTA)の存在下でモノマー混合物を重合させることに関する。これらのCTAを用いることによって、制御された分子量および低多分散性のアクリルポリマーを得ることができる。
【0036】
本発明での使用に好適な硫黄ベースCTAは、0.1〜5000の範囲の、好ましくは1〜2000の範囲の、より好ましくは10〜500の範囲の連鎖移動定数を有する。CTAの連鎖移動定数が該範囲の上限を超える場合、実質的に何の重合も起こらず、それが下限を下回る場合、低多分散性を有するポリマーを製造することはできない。
【0037】
「連鎖移動定数」は、連鎖移動の速度定数対モノマーおよびCTAのゼロ転化での成長の速度定数の比を意味する。連鎖移動が付加−開裂によって起こる場合、連鎖移動の速度定数(ktr)は次の通り定義される。
【0038】
【数1】

【0039】
ここで、kaddはCTAへの付加の速度定数であり、k−addおよびkβはそれぞれ、逆方向および順方向での開裂の速度定数である。
【0040】
好適な連鎖移動剤は次式を有する。
式中、
R=アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アリール、アラルキル、炭素環もしくは複素環、アルキルチオ、またはジアルキルアミノであり、そして
Z=H、アルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、炭素環もしくは複素環、アルキルチオ、置換アルキルチオ、アリールチオ、置換アリールチオ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシルオキシ、カルバモイル、シアノ、ジアルキル−もしくはジアリール−ホスホナト、またはジアルキル−もしくはジアリール−ホスフィナトである。
【0041】
好適なCTAの例の製造は、参照により本明細書によって援用される、米国特許公報(特許文献4)、(特許文献1)、(特許文献2)、(特許文献5)、および(特許文献3)に開示されている。好適なCTAには、ジチオエステル、チオカルボニルチオ化合物、ベンジル(1,2−ベンゼンジカルボキシミド)カルボジチオエート、2−シアノプロピ−2−イル1−ピロールカルボジチオエート、2−シアノブチ−2−イル1−ピロールカルボジチオエート、ベンジル1−イミダゾールカルボ−ジチオエート、O−エチルS−(1−フェニルエチル)ザンテート、O−エチルS−(2−エトキシカルボニルプロピ−2−イル)ザンテート、およびO−エチルS−(2−シアノイソプロピル)ザンテートのようなザンテート誘導体が含まれる。好ましいCTAには、ジチオエステルおよびトリチオカーボネート、特にS−シアノメチル−S−ドデシルトリチオカーボネートおよび4−シアノ−4−(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニルペンタン酸が含まれる。一般に、Rは、安定性の点で成長中のポリマーラジカルに匹敵するラジカルを生み出すことができなければならない。従ってアクリレートおよびスチレン系については、Rは、それがCN、COH、CORまたはフェニル基で置換されている限り第一級または好ましくは第二級アルキル基であることができる。メタクリレートについては、第三級脱離基のCTAが好ましい。これらのCTAは少なくとも1つの第四級炭素−硫黄結合を含有し、例えば、Rが−C(CH)(CN)CHCHCOHであるCTAである。
【0042】
本発明での使用に好適なフリーラジカル源には、モノマーに付加して成長ラジカルを生み出すフリーラジカルを提供するそれらの化合物が含まれる。成長ラジカルは、1つまたは複数のモノマー単位を付加した、さらなるモノマー単位を付加することができるラジカル化学種である。
【0043】
使用されるフリーラジカル開始剤の量は、フリーラジカル濃度を低く保つように選ばれるべきである。フリーラジカル開始剤対RAFT連鎖移動剤のモル比は約0.05〜10、好ましくは0.1〜2、最も好ましくは0.2〜1であるべきである。
【0044】
ポリマーの分子量はRAFT連鎖移動剤対モノマーのモル比によって決定されることが留意されるべきである。原理上、各ポリマー鎖はRAFT末端基を有し、だからRAFT分子の数がポリマー鎖の数、従って分子量を決定するであろう。
【0045】
開始ラジカルのソースは、モノマーに付加して成長ラジカルを生み出すフリーラジカルを提供する、フリーラジカルを発生する任意の好適な方法であることができる。これには、好適な化合物(過酸化物、ペルオキシエステル、ヒドロペルオキシド、過硫酸塩、過ホウ酸塩、またはアゾ化合物のような)の熱誘起均一切断、モノマー、レドックス開始システム、光化学開始システムまたは電子ビーム、X−もしくはγ−線のような高エネルギー放射線からの自然発生のようなソースが含まれる。開始システムは、反応の条件下で開始剤または開始ラジカルと連鎖移動剤との何の実質的な不都合な相互作用も反応条件下でないように選ばれる。開始剤はまた、反応媒体またはモノマー混合物への必要な溶解性を有するべきである。
【0046】
本方法に好適なフリーラジカル源の例には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シアノ−2−ブタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン−1−オール)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1,1)−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−ヒドロキシエチル)]−プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミン)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2,2’−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、過酢酸t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過オクタン酸t−ブチル、過ネオデカン酸t−ブチル、過イソ酪酸t−ブチル、過ピバル酸t−アミル、過ピバル酸t−ブチル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジクミルペルオキシド、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジラウロイル、ペルオキシ二硫酸カリウム、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、ジ−t−ブチルハイポナイトライト、ジ−t−ブチルペルオキシドまたはジクミルハイポナイトライトのようなアゾ化合物および過酸化物が挙げられる。
【0047】
光化学開始剤システムは、反応媒体またはモノマー混合物への必要な溶解性を有し、かつ、重合の条件下でラジカル生成に適切な量子収率を有するように選ばれる。例には、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、アシルホスフィンオキシド、および光レドックスシステムが挙げられる。
【0048】
レドックス開始剤システムは、反応媒体またはモノマー混合物への必要な溶解性を有し、かつ、重合の条件下でラジカル生成の適切な速度を有するように選ばれる。これらの開始システムには、酸化剤(ペルオキシ二硫酸カリウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド)と還元剤(鉄(II)、チタン(III)、チオ亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム)との組み合わせが含まれるかもしれない。他の好適な開始システムは最近の教科書に記載されている。例えば、(非特許文献2)を参照されたい。
【0049】
モノマー混合物のモノマーまたはコモノマーには一般に、1つまたは複数のアクリレートおよび/またはメタクリレートエステルが含まれる。
【0050】
必要ならば、本発明の重合法にわたってCTAの制御された添加によって、広い、依然として制御された、多分散性または多峰性分子量分布のポリマーを製造することもまた可能であることが理解されるべきである。
【0051】
本発明は、広いまたは非常に広い多分散性のポリマーをさもなければ生み出すであろう重合で形成されるポリマーの多分散性を狭くするために用いることができる。この状況で好ましい多分散性は、CTAがない場合に形成されるもの未満であるものである。
【0052】
本発明の方法によって製造されるポリマーの分子量および多分散性は、下記の1つまたは複数によって制御される。
【0053】
重合条件は、開始剤由来ラジカルから形成される鎖の数を、許容される速度の重合を得ることに相反さない程度まで最小限にするように選択される。ラジカル−ラジカル反応による重合の停止は何の活性基も含有しない鎖につながり、それ故再活性化することはできない。ラジカル−ラジカル停止の速度はラジカル濃度の二乗に比例する。さらに、ブロック、星形または分岐ポリマーの合成で、開始剤由来ラジカルから形成された鎖は、最終生成物中で構造的に異なるポリマー不純物を構成するであろう。これらの反応条件はそれ故、開始剤濃度および、必要に応じて、開始剤フィード速度の注意深い選択を必要とする。
【0054】
重合媒体の他の成分(例えば、溶媒、界面活性剤、添加剤、および開始剤)を、それらが成長ラジカルへの低い移動定数を有するように選ぶこともまた望ましい。これらの化学種への連鎖移動は、活性基を含有しない鎖の形成につながるであろう。
【0055】
狭い多分散性ポリマーの重合のための条件を選ぶ際の一般的指針として、開始剤の濃度および他の反応条件[もしあれば溶媒、反応温度、反応圧力、もしあれば界面活性剤、他の添加剤]は、CTAなしで形成されたポリマーの分子量がその存在下に形成されたものの少なくとも2倍であるように選ばれるべきである。ラジカル−ラジカル停止がもっぱら不均化による重合では、これは、重合中に形成される開始ラジカルの全モルがCTAの全モルのそれの10−6倍〜1.0倍の範囲にあるように開始剤濃度を選ぶことと同じである。
【0056】
このように、CTAのモルの総数対重合媒体に添加されたフリーラジカル開始剤のモルの総数の比を変えることによって、生じるポリマーの多分散性は制御される。このように、前述の比を下げることによって、より低い多分散性のポリマーが得られ、該比を上げることによって、より高い多分散性のポリマーが得られる。
【0057】
これらの条件をつけて、本発明による重合法は、通常のフリーラジカル重合に特有の条件下で行われる。本発明のCTAを用いる重合は、反応の間ずっと30℃〜120℃の範囲の、好ましくは60℃〜100℃の範囲の温度で適切に実施される。
【0058】
本発明の方法は、バッチ、セミバッチ、連続、またはフィードモードのどれかで乳化、溶液または懸濁で実施することができる。通常とは異なった重合手順でのCTAの使用を、本発明の方法による狭い多分散性ポリマーを製造するために用いることができる。最低の多分散性ポリマーのためには、CTAは重合が開始される前に添加される。例えば、溶液でバッチ・モードで実施される時、反応器に、CTAおよびモノマーまたは媒体プラスモノマーが典型的には装入される。この混合物に次に所望量の開始剤が加えられ、混合物は、所望の転化率および分子量によって決定される時間加熱される。
【0059】
乳化または懸濁重合のケースでは、重合媒体はしばしば主に水であろうし、通常の安定剤、分散剤および他の添加剤が存在することができる。
【0060】
溶液重合については、重合媒体は、使用中のモノマーと合うように広範囲の媒体から選ぶことができる。好適な重合媒体には、石油ナフサまたはキシレンのような芳香族炭化水素;1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンのようなフルオロカーボン;メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンおよびアセトンのようなケトン;酢酸エチル、酢酸ブチルおよび酢酸ヘキシルのようなエステル;ならびにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステルが含まれる。
【0061】
既に述べられたように、フィード重合条件の使用は、より低い移動定数のCTAの使用を可能にし、バッチ重合法を用いて容易には達成されないポリマーの合成を可能にする。重合がフィードシステムとして実施される場合、反応は次の通り実施することができる。反応器に、選ばれた重合媒体、CTAおよび任意選択的にモノマー混合物の一部が装入される。別の容器中へ残りのモノマー混合物が入れられる。フリーラジカル開始剤は、別の別個の容器で重合媒体に溶解されるかまたは懸濁される。モノマー混合物+媒体および開始剤+媒体が、例えばシリンジ・ポンプまたは他のポンプ送液装置によって導入される間ずっと、反応器中の媒体は加熱され、撹拌される。フィードの速度および継続期間は、溶液の量、所望のモノマー/CTA/開始剤比および重合の速度によって主として決定される。フィードが完了した時、加熱は追加期間継続されてもよい。異なるモノマーの逐次添加はブロックコポリマーまたはグラジエントコポリマーを与え得る。
【0062】
好ましいCTAは、S−シアノメチル−S−ドデシルトリチオカーボネートおよび4−シアノ−4−(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニルペンタン酸のようなジチオエステルおよびトリチオカーボネートである。重合圧力は0〜約10,000psig、好ましくは約0psig〜約1,000psigに及ぶことができる。
【0063】
本発明の方法の利点は、異なるモノマーを反応混合物に逐次的に加えることによって低多分散性および所望の分子量のブロックポリマーを製造できることである。
【0064】
重合の完了後に、ポリマーは、媒体および未反応モノマーをストリップすることによってまたは非溶媒での沈澱によって単離することができる。あるいはまた、ポリマー溶液/乳濁液は、その用途に適切な場合、そのようなものとして使用することができる。
【0065】
本発明の方法は、低多分散性を有するポリマーを製造するための様々な反応条件下で用いることができる。モノマー添加の速度を変えることによってまたはモノマーが重合媒体に加えられる順番を変えることによって、本発明の方法は、ランダムだが組成的には均質のポリマーからブロックおよび多ブロックならびにグラジエントポリマーに及ぶ構造的に異なるポリマーを製造するために用いることができる。所望の官能性を選択することによって、特有の最終機能性の末端官能性ポリマーを容易に製造することができる。
【0066】
(光活性成分(PAC))
本発明のポリマーは、ポリマーを少なくとも1つの光活性成分、化学線への曝露で酸か塩基かのどちらかを与える化合物と組み合わせることによってフォトレジストを製造するために使用することができる。酸が化学線への曝露で生み出される場合、PACは光酸発生剤(PAG)と命名される。塩基が化学線への曝露で生み出される場合、PACは光塩基発生剤(PBG)と命名される。幾つかの好適な光酸発生剤は(特許文献6)に開示されている。
【0067】
本発明に好適な光酸発生剤には、1)スルホニウム塩(構造I)、2)ヨードニウム塩(構造II)、および3)構造IIIのようなヒドロキサム酸エステルが含まれるが、それらに限定されない。
【0068】
【化2】

【0069】
構造I〜IIで、R31〜R35は独立して置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換C〜C20アルキルアリールまたはアラルキルである。代表的なアリール基には、フェニルおよびナフチルが含まれるが、それらに限定されない。好適な置換基には、ヒドロキシル(−OH)およびC〜C20アルキルオキシ(例えば、−OC1021)が含まれるが、それらに限定されない。アニオン、Xは、構造I〜IIにおいて、SbF(ヘキサフルオロアンチモネート)、CFSO(トリフルオロメチルスルホネート=トリフレート)、およびCSO(パーフルオロブチルスルホネート)であり得るが、それらに限定されない。
【0070】
(溶解抑制剤および添加剤)
様々な溶解抑制剤を、本発明のポリマーから誘導されるフォトレジストに添加することができる。理想的には、遠および極UVレジスト(例えば、193nmレジスト)用の溶解抑制剤(DI)は、溶解抑制、耐プラズマエッチ性、および所与のDI添加剤を含むレジスト組成物の付着挙動をはじめとする複合的な材料ニーズを満足するようにデザインされる/選ばれるべきである。ある溶解抑制化合物はまた、レジスト組成物で可塑剤としても機能する。幾つかの好適な溶解抑制剤は(特許文献6)に開示されている。
【0071】
(ポジティブ−ワーキングおよびネガティブ−ワーキング・フォトレジスト)
本発明のフォトレジストは、ポリマー中の成分の選択、任意の溶解抑制剤および架橋剤の存在または欠如、ならびに現像液(現像に使用される溶媒)の選択に依存して、ポジティブ−ワーキング・フォトレジストかネガティブ−ワーキング・フォトレジストかのどちらかであり得る。ポジティブ−ワーキング・フォトレジストでは、レジストポリマーは、画像形成または照射区域で現像に使用される溶媒により可溶性および/または分散性になるが、ネガティブ−ワーキング・フォトレジストでは、レジストポリマーは、画像形成または照射区域でより可溶性および/または分散性でなくなる。本発明の好ましい一実施形態では、照射は、上に議論された光活性成分による酸または塩基の発生を引き起こす。酸または塩基は、ポリマー中に存在する保護されたフルオロアルコールおよび任意選択的に他の保護された酸基からの保護基の除去を触媒することができる。
【0072】
水酸化テトラメチルアンモニウムのような水性塩基での現像は、ポジティブ画像の形成をもたらすが、有機溶媒または臨界流体(中程度〜低い極性を有する)での現像はネガティブ−ワーキング・システムをもたらし、該システムでは露光区域が残り、非露光区域が除去される。ポジティブ−ワーキング・フォトレジストが好ましい。様々な異なる架橋剤を、本発明のネガティブ−ワーキング・モードで必要に応じてまたは任意の光活性成分として用いることができる。(架橋剤は、架橋の結果として現像液への不溶化を伴う実施形態では必要とされるが、中程度/低い極性を有する有機溶媒および臨界流体に不溶である露光区域に極性基が形成される結果として現像液への不溶化を伴う好ましい実施形態では任意である)。好適な架橋剤には、4,4’−ジアジドジフェニルスルフィドおよび3,3’−ジアジドジフェニルスルホンのような様々なビス−アジドが含まれるが、それらに限定されない。好ましくは、架橋剤を含有するネガティブ−ワーキング・レジスト組成物はまた好適な官能性(例えば、不飽和C=C結合)も含有し、該官能性は、UVへの露光で発生する反応性化学種(例えば、ナイトレン)と反応して現像液に溶けない、分散しない、または実質的に膨潤しない架橋したポリマーを生み出し、その結果としてネガティブ−ワーキング特性を組成物に与える。
【0073】
(他の成分)
本発明のフォトレジストは追加の任意の成分を含有することができる。任意の成分の例には、解像度増強剤、接着促進剤、残渣低減剤、コーティング助剤、可塑剤、およびT(ガラス転移温度)調節剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0074】
(画像形成プロセス)
(像様露光)
本発明のフォトレジスト組成物は、電磁スペクトルの紫外領域でそして特に365nm以下のそれら波長に敏感である。本発明のレジスト組成物の像様露光は、365nm、248nm、193nm、157nm、およびより低い波長を含むが、それらに限定されない多くの異なるUV波長で行うことができる。像様露光は好ましくは、248nm、193nm、157nm、またはより低い波長の紫外光で行われ、最も好ましくはそれは193nm、157nm、またはより低い波長の紫外光で行われる。像様露光は、レーザーもしくは同等デバイスでデジタル処理でかフォトマスクの使用で非デジタル処理でかのどちらかで行うことができる。レーザー光もまたフォトマスクで使用することができる。レーザー光でのデジタル画像形成が好ましい。本発明の組成物のデジタル画像形成に好適なレーザーデバイスには、193nmでのUV出力のアルゴン−フッ素エキシマーレーザー、248nmでのUV出力のクリプトン−フッ素エキシマーレーザー、および157nmでの出力のフッ素(F2)レーザーが含まれるが、それらに限定されない。像様露光のためにより低い波長のUV光の使用はより高い解像度(より低い解像度限界)に相当するので、より低い波長(例えば、193nmまたは157nm以下)の使用はより高い波長(例えば、248nm以上)の使用よりも一般に好ましい。
【0075】
(現像)
本発明のレジスト組成物中のポリマーは、UV光への像様露光後の現像のために十分な官能性を含有しなければならない。好ましくは、該官能性は、水性現像が水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、水酸化アルキルアンモニウムまたは水酸化アンモニウム溶液のような塩基性現像液を用いて可能であるように酸または保護された酸である。
【0076】
水性処理可能なフォトレジストが基材にコートされまたは別のやり方で塗布され、UV光に像様露光される時、フォトレジスト組成物の現像は、バインダー材料が露光で少なくとも部分的に脱保護されてフォトレジスト(または他の光画像形成可能なコーティング組成物)を水性アルカリ現像液で処理可能にするのに十分な酸基(例えば、フルオロアルコール基)および/または保護された酸基を含有することを必要とするかもしれない。ポジティブ−ワーキング・フォトレジストのケースでは、フォトレジスト層はUV放射線に露光された部分で現像中に除去されるが、非露光部分では実質的に影響を受けないであろう。ポジティブ−ワーキング・レジストの現像は典型的には、0.262N水酸化テトラメチルアンモニウムを含有する水溶液のような、水性アルカリシステムによる25℃で2分間以下の処理よりなる。ネガティブ−ワーキング・フォトレジストのケースでは、フォトレジスト層はUV放射線に露光されていない部分で現像中に除去されるが、露光部分では実質的に影響を受けないであろう。ネガティブ−ワーキング・レジストの現像は典型的には、臨界流体または有機溶媒での処理よりなる。
【0077】
臨界流体は、本明細書で用いるところでは、その臨界温度近くまたはそれより高い温度に加熱され、かつ、その臨界圧力近くまたはそれより高い圧力に圧縮された物質である。本発明での臨界流体は、流体の臨界温度より15℃以上低い温度にあり、流体の臨界圧力より5気圧以上低い圧力にある。二酸化炭素を本発明で臨界流体に使用することができる。様々な有機溶媒もまた本発明で現像液として使用することができる。これらには、ハロゲン化溶媒および非ハロゲン化溶媒が含まれるが、それらに限定されない。ハロゲン化溶媒が好ましく、フッ素化溶媒がより好ましい。臨界流体は、1つまたは複数の化学化合物を含むことができる。
【0078】
(基材)
本発明で用いられる基材は例示的に、シリコン、酸化ケイ素、シリコンオキシナイトライド、窒化ケイ素、または半導体製造で使用される様々な他の材料であることができる。
【実施例】
【0079】
【表1】

【0080】
(実施例1)
(エキソ−2−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−3−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよびエキソ−2−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エキソ−3−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの製造。ジオールのジアステレオマー混合物を与える逐次付加法)
サーモウェル、オーバーヘッド撹拌機、セプタムおよびN注入口を備え付けた3首フラスコに、ノルカンファー(22.0g、200ミリモル)およびt−ブチルメチルエーテル(50mL)を装入した。溶液を−15℃に冷却し、カニューレによってヘキサフルオロブテンエポキシド(41g、228ミリモル)で、次に2/1のt−ブチルメチルエーテル/ヘプタン中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(36.8g、220ミリモル)の溶液で温度を−15℃にコントロールするような速度で滴々処理した。混合物を−15℃で15分間撹拌し、次に0℃まで暖まるに任せて40分間撹拌した。混合物をさらに室温まで、次に発熱が起こるにつれて28.5℃まで暖めた。反応が室温に戻った後、混合物を追加の1.75時間撹拌した。生じたヘミケタールのリチウム塩を、次の通り水素化ホウ素リチウムでの処理によって直接還元した。
【0081】
上の反応混合物を約0℃に冷却し、THF(10mL)中の水素化ホウ素リチウム(1.45g、66.7ミリモル)の溶液で滴々処理した。混合物を0℃で30時間撹拌し、次に室温までゆっくり暖まるに任せ、周囲温度で16時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、水(5mL)で滴々、次に100mLの2NHClで滴々処理した。混合物を室温まで暖め、pHを追加のHClの添加によって約5に調整した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO、MgSO)、ストリップして69gの粗オイルを与えた。
【0082】
クーゲルロール(Kugelrohr)蒸留は、80℃〜105℃(0.05mm)で集められた49.1gの生成物を与えた。19F NMR分析はジオールの異性体混合物(異性体比=75/25)および約95%純度を示し、H NMR分析は3.8(m,a=0.7)、3.28〜3.2(m,a=5.3)にシグナルを特徴付けた。蒸留した物質を熱ヘキサン(約75mL)から、時折のかき混ぜで−10℃への徐冷を用いて結晶化させて第1クロップ、41.5gを与えた。19F NMR(C):2セットのカルテット、−74.83および−79.10((J=9.8;a=32.3)、ならびに−76.79および−78.73(J=9.8;a=100)。H NMR:7.02(s,a=0.24)、5.35(s,a=0.76)、3.22(m)および3.17(d,J=6.6Hz,結合a=1.00;これらの2つのシグナルの比は75/25である)、2.1〜0.52(一連のm,結合a=12.6);3.22および3.17のシグナルはCOHに帰属され、低磁場シングレットはフルオロアルコールOH基に帰属される。
【0083】
(実施例2)
(エキソ−3−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−2−(2−メチルプロペノイル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよびエキソ−3−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エキソ−2−(2−メチルプロペノイル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの製造)
t−ブチルメチルエーテル(40mL)中のエキソ−2−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(11.68g、40.0ミリモル)の溶液を−15℃に冷却し、−10℃より下の温度を維持しながらテトラヒドロフラン(50mL)中のカリウムt−ブトキシド(9.42g、80ミリモル)の溶液で滴々処理した。混合物を−15℃で10分間撹拌し、次にシリンジによってメタクリル酸無水物(6.78g、44ミリモル)で滴々処理した。混合物を−15℃で1時間撹拌し、次に3時間0℃に暖めた。反応を、20mLの2NHClの滴加によってクエンチした。ボトム層のpHを約6〜7に調整し、層を分離した。有機層をt−ブチルメチルエーテルで希釈し、メタクリル酸を除去するために炭酸水素ナトリウムで2回、次に蒸留水で洗浄した。有機層を乾燥し、メトキシフェノール(30mg)およびフェノチアジン(50mg)を添加した。溶媒をストリップして15gの粗生成物を与え、それを、80/20ヘキサン/t−ブチルメチルエーテルを使用して中性アルミナのカラム(4インチ×3/4インチ)を通した。最初の250mL溶出液の蒸発は11.1gの無色液体を与えた。フェノチアジン(50mg)を安定剤として添加した。クーゲルロール蒸留は、9.54g、73〜78℃/0.03mmを与えた。GCは2成分、8.18および8.26分、面積比=30/70を示し、19F NMR分析(C):2異性体、−75.26および−78.80に等しい強度カルテットの大きい方(70%)、−76.86および−78.66にカルテットの小さい方(30%)と良く一致した。純度>98%。
【0084】
H NMR(C)は、5.98および5.15(m)に小さい方のビニルシグナル、5.93および5.08(m)に大きい方のビニルシグナル、5.25に大きい方のOH、4.80に小さい方のOH、4.45(非分解のmのd,J=7.3)に小さい方のCHO、3.85(擬トリプレット)に大きい方のCHO、他のマルチプレット約2.25〜0.70で、2異性体(30/70)と一致するスペクトルを示した。
【0085】
(実施例3)
(ヘキサフルオロブテンエポキシドでのビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オンエノレートのその場アルキル化:環状ヘミケタールの形成)
サーモウェル、オーバーヘッド撹拌機、セプタムおよび窒素雰囲気注入口を備え付けた3首フラスコに、ノルカンファー(14.9g、135ミリモル)およびt−ブチルメチルエーテル(35mL)を装入した。溶液を−15℃に冷却し、HFIBO(28g、154ミリモル)をカニューレによって加えた。生じた溶液を、2/1のt−ブチルメチルエーテル/ヘプタン中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(24.8g、148.5ミリモル)の溶液で温度を−15℃にコントロールするような速度で滴々処理した。混合物を−15℃で15分間撹拌し、次に0℃まで暖まるに任せて40分間撹拌した。混合物を室温まで暖め、2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水(5mL)、引き続き75mLの2NHClの添加によってクエンチした。追加のHClを加えてpHを約3.5に下げた。層を分離し、有機相を乾燥し(NaSO、MgSO)、濾過し、ストリップした。小容量のヘキサンを加え、減圧下に蒸発させて34.31g(87.5%)の白色固体を与えた。19F NMRは−75.62、−75.82にAパターン(約90%)および−76.6、−79.0に別のAセット(約10%)を示した。小さい方のセットのシグナルは、開環した、すなわちケトン形によると考えられる。ヘキサン(60mL、種晶を入れ、次に冷却した)からの再結晶は27.3g(70%)の白色固体、mp=75〜82℃を与えた。単結晶X線構造分析は、新しい炭素−炭素結合が二環式構造のエキソ面に形成されたことを実証した。
【0086】
(実施例4)
(エキソ−2−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−3−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの製造)
(ノルカンファー/HFIBO付加体−プロトン化形の水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム還元)
実施例3で上に記載したようにビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オンとヘキサフルオロブテンエポキシドとから製造した環状ヘミケタールを本実施例のために使用した。t−ブチルメチルエーテル(150mL)中の環状ヘミケタール(21.8g、75.3ミリモル)の溶液を0℃に冷却し、トルエン中の水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの溶液(24.6gの65%溶液)を40分間にわたって滴々処理した。ガス発生が直ちに起こった。生じた混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次に室温まで暖め、2時間撹拌した。冷却した反応混合物を、水(7.5mL)および120mLの3NHClの添加によってクエンチした。層を分離し、水相をt−ブチルメチルエーテル(80mL)で1回抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、乾燥し、ストリップして23.4gの固体を与えた。クーゲルロール蒸留は21.56g(98%)の白色固体(bp74〜89°C/0.06mm)を与えた。
【0087】
19F NMR(C)は−76.78および−78.72に生成物カルテットを示し、少量の出発原料(−75.6および−75.8)もまた存在した。立体選択性は99%と推定された。
【0088】
(実施例5)
(2,3−NBFOHMA/PinMACのコポリマー)
還流冷却器および開始前に反応混合物を脱ガスするための真空へのアダプター付き窒素ガス注入口、サーモウェル、ならびに撹拌棒を備え付けた3首フラスコに、分岐トリチオカーボネートRAFT剤、C1225SC(S)SC(CH)(CN)CHCHCOH(FW=403.66;464mg=1.15ミリモル)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(20mL)、実施例2(上記)に記載したように製造したジアステレロマーモノマー混合物、PinMac(FW=186;重量=1.64g、8.82ミリモル)、およびヴァゾ(登録商標)88(38mg、0.15ミリモル)を装入した。反応混合物を氷中で冷却し、数回の減圧/窒素充満サイクルをシステムにかけた。温度を0.5時間間隔にわたって90℃まで上げた。温度を90℃に23時間維持した。
【0089】
反応液を室温に冷却し、速やかに撹拌しながら滴々ヘキサン(350mL)に加えた。沈澱したポリマーを濾過によって集めた。生成物を風乾し、次に真空オーブン(60℃、Nパージ、18時間)中で乾燥して9.91g(88.6%)を与えた。H NMR(THF−d8):6.9〜6.1(bdシングレット,6.7および6.4に最大で;結合a=1.00;約30/70比)、4.7〜4.15(bdm,a=1.02)、2.7〜0.85(bdm’s,溶媒ピークによってあいまいな積分;1.55および1.25にジェミナルCH基シグナル。19F NMR(THF−d8):−78.40および−80.21に等しい強度bdシングレット。
【0090】
最終生成物のサイズ排除クロマトグラフィ(THF、RI検出器、ポリスチレン標準)分析はM=6520、M=7690およびM/M=1.18を与えた。
【0091】
TGA(N、80℃でサンプルを再乾燥後):201℃で10%減量。
【0092】
(実施例6)
次の溶液を調製し、一晩磁気撹拌した。
【0093】
【表2】

【0094】
シリコンウェハーを、YES−3蒸気プライムオーブンを用いてHMDS(ヘキサメチルジシラザン)プライマー層を塗布することによって製造した。アーチ・ケミカル社(Arch Chemical Co.)製の100%HMDS接着促進剤を使用した。オーブンを、150〜300℃で160秒間プライムを与えるようにプログラムした。
【0095】
サンプルを、ブルーアー・サイエンス社(Brewer Science Inc.)モデル−100CB連結スピンコーター/ホットプレートを用いて4インチ直径タイプ「P」、<100>配向、シリコンウェハー上にスピンコートした。コーティングを作るために、2mlの上記溶液を、0.45μmのPTFEシリンジフィルターを通して濾過した後に溶着し、2500rpmで60秒間回転させ、次に150℃で60秒間ベーキングした。
【0096】
248nm画像形成を、248nmでエネルギーの約30%を通す248nm干渉フィルターを通してオリエル(ORIEL)モデル−82421ソーラー・シミュレーター(1000ワット)からのブロードバンドUV光を通過させることによって得られた光にコートされたウェハーを露光することによって成し遂げた。露光時間は30秒であり、45mJ/cmの非減衰線量を提供した。マスクを様々なニュートラル光学密度の18の位置で使用することによって、多種多様な露光線量を発生させた。露光後に露光されたウェハーを150℃で60秒間ベーキングした。
【0097】
現像を、リソテックジャパン株式会社レジスト現像分析器(Resist Development Analyzer)(モデル790)で行った。ウェハーを水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(シップレイ(Shipley)LDD−026W、2.38%TMAH溶液)中で60秒間現像した。
【0098】
本試験は、約9.7mJ/cmのクリアリング線量でポジティブ画像を生み出した。
【0099】
(実施例7)
(ノルカンファー/HFIBO付加体の製造)
サーモウェル、オーバーヘッド撹拌機、セプタムおよびN注入口を備え付けた3首フラスコに、ノルカンファー(74.5g、0.675モル)、t−ブチルメチルエーテル(175mL)、ヘキサフルオロ−2−ブテンエポキシド(140g、0.77モル)をカニューレによって装入し、−15℃に冷却した。本混合物を、t−ブチルメチルエーテル(350mL)中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(124g、0.743モル)の溶液で温度を−15℃にコントロールするような速度で滴々処理した。混合物を−15℃で30分間、0℃で40分間、そして室温で追加の1時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、水(5mL)および4NHCl(200mL)の添加によってクエンチした。追加のHClを加えて水層のpHを約3.5に下げた。層を分離し、有機相を食塩溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO、MgSO)、濾過し、そしてストリップして176.5g(90%)の白色固体を与えた。
【0100】
19Fは、−75.62、−75.82にA(約90%)および−76.6、−79.0に別のAセト(約10%)を示した。小さい方のセットのシグナルは、開環した、すなわちケトン形によると考えられる。
【0101】
熱ヘキサン(300mL、種晶を入れ、0℃)からの再結晶は152.1g(78%)の白色固体を与えた。濾液をさらに処理してわずかにより低い純度の第2クロップ、11.9gを与えた。
【0102】
(実施例8)
(エキソ−2−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−3−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの製造)
t−ブチルメチルエーテル(1000mL)中のノルカンファー/HFIBO付加体(146.3g、0.505モル)の溶液を−5℃に冷却し、温度を−5〜0℃にコントロールして、トルエン中の水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(112.2g、0.56モル)の溶液で滴々処理した。混合物を0℃で2時間撹拌し、次に室温まで暖め、2時間撹拌した。混合物を冷却し、水(25mL;Hが発生した)および700mLの3NHClのゆっくりした添加によってクエンチした。層を分離し、水相をt−ブチルメチルエーテル(500mL)で1回抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、ストリップして白色固体、145.3g(95%と推定される収率)を与えた。
【0103】
ヘキサン(約300mL)を加え、生成物を高温で溶解した。結晶化(室温)はクロップ1、129.3g、mp=77〜80℃を与えた。19F NMR(C)は、約−75および−79の残留シグナルに基づいて、99.8%と推定される高い異性体純度を示した。
【0104】
(実施例9)
(エステル交換によるエキソ−3−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−2−(2−メチルプロペノイル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの製造)
エキソ−2−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−3−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(14.6g、50ミリモル)およびメタクリル酸メチル(50mL、0.50モル)の溶液を、フェノチアジン(15mg)およびチタン2−エチル−へキソキシド(0.85g、1.5ミリモル)で処理した。反応容器に、メタノール/メタクリル酸メチル共沸混合物を除去できるように蒸留ヘッドを備え付けた。混合物を油浴中で100℃〜110℃に加熱した。5時間およびより低沸点留分(7g)の除去後に、19F NMR分析は、出発ジオールの95%より大きい転化率およびシグナル強度の約95%を構成する単一主生成物の生成を示した。
【0105】
ヘキサンを加えて少量のポリマーを沈澱させた。液相を濾過後に集め、固体を追加のヘキサンで洗浄した。組み合わせた濾液を蒸発させて17.41gの残渣を与え、それは結晶化した。固体を冷(−20℃)ヘキサンで2回洗浄し、次にヘキサンから再結晶して非常に良好な切子面の結晶、10.48g(クロップ1)、mp46〜47℃を与えた。第2クロップ、95%と推定される純度の2.50gを、クロップ1からデカンテーションした液体をより低い温度(約−50℃)に冷却することによって得た。19F NMR分析(クロップ1、C):−75.39および−78.92に等しい強度カルテット(純度>99.5%)。H NMR(クロップ1、C):5.93(非分解のm,a=0.99,ビニル)、5.23(s,a=0.99,OH)、5.07(カルテットのd,a=1.00,ビニル)、3.84(m,a=1.00)、2.22(ABパターンの低磁場部分,JAB=15.6Hz,a=1.00)、2.01(m,a=0.99)、1.92(dd,J=15.6,6.08,a=1.00)、1.85(m,a=1.00)、1.72〜1.63(m)および1.58(s,a=5.04)、1.36〜1.25(m,a=1.01)、1.17〜1.02(m,a=2.01)、0.86および0.82(追加カップリングのABパータン,a=2.08)。
【0106】
(実施例10)
(2,3−NBFOHMA/MAMA/PinMacのターポリマー)
還流冷却器および開始前に反応混合物を脱ガスするための真空へのアダプター付き窒素ガス注入口、サーモウェル、ならびに撹拌棒を備え付けた3首フラスコに、トリチオカーボネートRAFT剤C1225SC(S)SC(CH)(CN)CHCHCOCH(0.259g、0.619ミリモル);2,3−NBFOHMA(2.10g、5.83ミリモル)、メチルアダマンチルメタクリレート(MAMA、2.47g、10.5ミリモル)、およびPinMac(0.10g、0.54ミリモル)よりなるモノマー装入材料;メチルエチルケトン(10mL)、ならびにヴァゾ(登録商標)88(45mg、0.19ミリモル)を装入した。反応器を窒素で満たし、あと2回の排気/充満サイクルを行った。温度を1.0時間間隔にわたって83.4℃まで直線的に上げた。モノマーフィード溶液を、3時間間隔にわたってメチルエチルケトン(15mL)中の2,3-NBFOHMA(8.38g、23.3ミリモル)およびPinMac(0.38g、2.04ミリモル)を使用して次に開始した。反応を83.4〜81.6℃に19時間維持した。
【0107】
冷却した反応混合物をヘプタン(400mL)に加えて10.70gの固体ポリマーを与えた。THF/ヘプタンを使用する第2の沈澱は、オーブン乾燥後に9.58gを与えた。SEC分析はM=14,600、M=11,900、M/M=1.23を示した。13C NMRは、2,3−NBFOHMA/MAMA/PinMac=75.4/18.4/6.2を示した。MDSCは161.5℃にTを示した。
【0108】
(実施例11)
(2,3−NBFOHMA/MAMA/HADMAのターポリマー)
還流冷却器および開始前に反応混合物を脱ガスするための真空へのアダプター付き窒素ガス注入口、サーモウェル、ならびに撹拌棒を備え付けた3首フラスコに、トリチオカーボネートRAFT剤C1225SC(S)SC(CH)(CN)CHCHCOCH(0.920g、2.20ミリモル);2,3−NBFOHMA(2.16g、6.0ミリモル)、MAMA(8.25g、35.2ミリモル)、HADMA(1.42g、6.0ミリモル)よりなるモノマー装入材料;メチルエチルケトン(10mL)、およびV601(164mg、0.7ミリモル)を装入した。反応器を窒素でフラッシュし、あと2回の排気/充満サイクルを行った。温度を1.0時間間隔にわたって67℃まで上げた。2,3−NBFOHMA(8.64g)、MAMA(2.06g)、HADMA(5.67g)およびメチルエチルケトン(22mL)よりなるモノマー溶液を3時間間隔にわたってフィードした。反応を67℃に22.3時間維持した。アリコートサンプルを、残留モノマー含有率とポリマー組成および分布とを測定するために間を置いて採取した。
【0109】
【表3】

【0110】
混合物を冷却し、18mLのメチルエチルケトンで希釈し、ヘプタン(1000mL)に加えた。生じた固体をTHF(40mL)に溶解し、ヘプタン(1000mL)で沈澱させた。濾過、乾燥、および48時間の真空オーブン乾燥(56℃、Nフィード)は24.85gの固体(85%)を与えた。
【0111】
組み合わせた13C NMRおよびH NMR分析は、平均組成を2,3−NBFOHMA/MAMA/HADMA/MAA=30%/36%/30%/4%と示唆した。SEC分析はM=11,800、M=8,770、M/M=1.35を示した。
UV分析(THF、1.00g/リットル)はA311.5=0.752を示した。
MDSC:168℃に弱いTg。
TGA:約170℃で減量の開始。
【0112】
(実施例12)
(2,3−NBFOHMA/MAMA/HADMAのターポリマー)
還流冷却器および開始前に反応混合物を脱ガスするための真空へのアダプター付き窒素ガス注入口、サーモウェル、ならびに撹拌棒を備え付けた3首フラスコに、トリチオカーボネートRAFT剤C1225SC(S)SC(CH)(CN)CHCHCOCH(0.920g、2.20ミリモル);2,3−NBFOHMA(10.80g、30ミリモル)、MAMA(9.84g、42ミリモル)、およびHADMA(7.09g、30ミリモル)よりなるモノマー混合物;メチルエチルケトン(32mL)、V601(164mg、0.7ミリモル)、ならびにNaHCO(0.145g)を装入した。反応器を窒素で満たし、あと2回の排気/充満サイクルを行った。温度を1.0時間間隔にわたって67℃まで(段階的な、しかしおおよそ直線的な昇温で)上げた。反応を67℃に20時間維持した。アリコートを経時的に採取した。
【0113】
【表4】

【0114】
反応混合物を50mLのMEKで希釈し、N圧力下で5ミクロン膜を通して濾過した。ヘプタン(1000mL)での沈澱は一様な固体を与え、それを濾過し、風乾して23.9gの固体を与えた。真空乾燥は23.2gを与えた。H NMRは、何の検出可能なモノマーも、何のメタクリル酸機能も示さなかった。
MDSC:Tg約178℃。
【0115】
【表5】

【0116】
(実施例13)
(2,3−NBFOHMA/MAMA/PinMac/HADMAのテトラポリマー)
還流冷却器および開始前に反応混合物を脱ガスするための真空へのアダプター付き窒素ガス注入口、サーモウェル、ならびに撹拌棒を備え付けた3首フラスコに、トリチオカーボネートRAFT剤C1225SC(S)SC(CH)(CN)CHCHCOCH(0.748g、1.79ミリモル);2,3−NBFOHMA(10.24g、28.46ミリモル)、MAMA(2.86g、12.2ミリモル)、PinMac(2.27g、12.2ミリモル)、およびHADMA(6.72g、28.46ミリモル)よりなるモノマー装入材料;メチルエチルケトン(26mL)、V601(133mg、0.57ミリモル)、およびNaHCO(0.118g)を装入した。反応器を窒素で満たし、あと2回の排気/充満サイクルを行った。温度を1.0時間間隔にわたって67℃まで上げた。反応を67℃に21.4時間維持した。アリコートを経時的に採取して残留モノマー含有率およびポリマー組成を分析した。
【0117】
【表6】

【0118】
混合物を45mLのMEKで希釈し、ガラス繊維紙を通して濾過し、ヘプタン(1400mL)中で沈澱させて一様な固体を与え、それを濾過し、風乾して22.67gの固体を与えた。生成物を2日間オーブン乾燥して(56℃/Nパージしながら減圧)20.98g(理論の91.9%)を与えた。H NMRは何の検出可能なモノマーも、何のメタクリル酸も示さなかった。
MDSC:T約175℃。
【0119】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.アクリレートおよびメタクリレートエステルの群から選択されるアクリルモノマーから誘導される繰り返し単位と、
b.フルオロアルコール、保護されたフルオロアルコールおよび保護された酸基の群から選択される官能基であり、該保護された酸基の保護基が少なくとも5個の炭素原子を含む官能基と
を含むことを特徴とする低多分散性アクリルポリマー。
【請求項2】
前記アクリルモノマーがCH=CR’COR’’であり、そして
R’はH、F、1〜5個の炭素原子のアルキル基、1〜5個の炭素原子のフルオロアルキル基であり、かつ、
R’’は、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシ官能基を含有する、C〜C20非環式脂肪族基、環式C〜C50もしくは多環式C〜C50アルキル基、または式−C(R)(R)−[C(R)(R)]−C(R)(R)−OH(式中、m=0、1、2、3、4もしくは5である)の官能基であり、
およびRは独立してC〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、ただし、RおよびRに結合した炭素は橋頭位にはなく、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、または
およびRは−[C(R)(R)]−と一緒になって4〜8員環を形成し、ただし、RおよびRに結合した炭素は橋頭位にはない
ことを特徴とする請求項1に記載の低多分散性アクリルポリマー。
【請求項3】
前記アクリルモノマーがCH=C(CHOH)COR’’’であり、R’’’がC〜C25アルキル基または1つまたは複数のヒドロキシ、ハロゲン、エーテル酸素、エステルもしくはケトンカルボニル基によって置換されたC〜C25アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の低多分散性アクリルポリマー。
【請求項4】
前記アクリルモノマーがPinMAc(2−メチル−2−プロペン酸、2−ヒドロキシ−1,1,2−トリメチルプロピルエステル)、PinAc、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル−(メタ)アクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル−(メタ)アクリレート、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル−(メタ)アクリレート、α−(γ−ブチロラクトン)−(メタ)アクリレート、β−(γ−ブチロラクトン)−(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル−(メタ)アクリレート、8−メチルトリシクロ−[5.2.1]デカン−8−イル−(メタ)アクリレート、8−エチルトリシクロ[5.2.1]デカン−8−イル−(メタ)アクリレート、2−(4−メトキシブチル)−2−アダマンチル−(メタ)アクリレート、メバロラクトン−(メタ)アクリレート、PinAc、PinMAc、4−ヒドロキシ−1−メチルシクロヘキシル−(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル−(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル−(メタ)アクリレート、3−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−2−(2−メチルプロペノイル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−2−(プロペノイル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン、および5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトンよりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の低多分散性アクリルポリマー。
【請求項5】
前記官能基が構造
−X(CHC(R)(R’)OH
(式中、RおよびR’は1〜10個の炭素原子の同じもしくは異なるフルオロアルキル基であるか、または一緒になって(CFであり、nは2〜10の整数であり、XはS、O、NおよびPよりなる群から選択され、そして
q=0およびr=0、またはq=1およびr=0もしくは1である)
を有するフルオロアルコール官能基であることを特徴とする請求項1に記載の低多分散性ポリマー。
【請求項6】
前記官能基が保護されたフルオロアルコール
−X(CHC(R)(R’)OCHOR
(式中、RおよびR’は1〜10個の炭素原子の同じもしくは異なるフルオロアルキル基であるか、または一緒になって(CFであり、nは2〜10の整数であり、XはS、O、NおよびPよりなる群から選択され、
q=0およびr=0、またはq=1およびr=0もしくは1であり、そして
はC〜C11アルキルである)
であることを特徴とする請求項1に記載の低多分散性ポリマー。
【請求項7】
a.i.アクリレートおよびメタクリレートエステルの群から選択されるアクリルモノマーから誘導される繰り返し単位、および
ii.フルオロアルコール、保護されたフルオロアルコールおよび保護された酸基の群から選択される官能基であって、該保護された酸基の保護基が少なくとも5個の炭素原子を含む官能基
を含む低分散性ポリマーと、
b.光活性成分と
を含むことを特徴とするフォトレジスト。
【請求項8】
前記アクリルモノマーがCH=CR’COR’’であり、そして
R’はH、F、1〜5個の炭素原子のアルキル基、1〜5個の炭素原子のフルオロアルキル基であり、かつ、
R’’は、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシ官能基を含有する、C〜C20非環式脂肪族基、環式C〜C50もしくは多環式C〜C50アルキル基、または式−C(R)(R)−[C(R)(R)]−C(R)(R)−OHの官能基であり、式中、m=0、1、2、3、4もしくは5であり、
およびRは独立してC〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、ただし、RおよびRに結合した炭素は橋頭位にはなく、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、
およびRは独立してH、C〜Cアルキル、エーテル酸素で置換されたC〜Cアルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって、任意選択的にエーテル酸素で置換された3〜8員環を形成し、または
およびRは−[C(R)(R)]−と一緒になって4〜8員環を形成し、ただし、RおよびRに結合した炭素は橋頭位にはない
ことを特徴とする請求項7に記載のフォトレジスト。
【請求項9】
前記光活性成分が構造Iのスルホニウム塩、構造IIのヨードニウム塩および構造IIIのヒドロキサム酸エステル
【化1】

(式中、R31〜R35は独立して置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換C〜C20アルキルアリールまたはアラルキルであり、XはSbF(ヘキサフルオロアンチモネート)、CFSO(トリフルオロメチルスルホネート=トリフレート)、またはCSO(パーフルオロブチルスルホネート)である)
の群から選択されることを特徴とする請求項8に記載のフォトレジスト。
【請求項10】
溶媒をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のフォトレジスト。
【請求項11】
a.基材を、
i.請求項1に記載の低多分散性ポリマー、
ii.光活性成分、および
iii.溶媒
を含む混合物でコートする工程と、
b.該溶媒を蒸発させる工程と
を含むことを特徴とするコートされた基材の形成方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法によって製造されることを特徴とするコートされた基材。
【請求項13】
a.基材を、
i.請求項1に記載の低多分散性ポリマー、
ii.光活性成分、および
iii.溶媒
を含む混合物でコートする工程と、
b.該溶媒を蒸発させて該基材上にフォトレジスト層を形成する工程と、
c.該フォトレジスト層を化学線に像様露光して画像形成および非画像形成区域を形成する工程と、
d.画像形成および非画像形成区域を有する該露光されたフォトレジスト層を現像して画像形成された基材を形成する工程と
を含む基材上へのフォトレジスト画像の形成方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法によって製造されることを特徴とする画像形成された基材。
【請求項15】
アクリレートおよびメタクリレートエステルの群から選択される1つまたは複数のアクリルモノマーを含むモノマー混合物をフリーラジカル源および連鎖移動剤の存在下に重合させてアクリルポリマーを製造する工程であって、
少なくとも1つのモノマーがフルオロアルコール、保護されたフルオロアルコールおよび保護された酸基の群から選択される官能基であり、該保護された酸基の保護基が少なくとも5個の炭素原子を含む官能基を含有し、
該連鎖移動剤が0.1〜500の範囲の移動定数を有し、かつ、該連鎖移動剤が次の構造
【化2】

(式中、
R=アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、炭素環もしくは複素環、アルキルチオ、アルコキシ、またはジアルキルアミノであり、そして
Z=H、アルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、炭素環もしくは複素環、アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシルオキシ、カルバモイル、シアノ、ジアルキル−もしくはジアリール−ホスホナト、またはジアルキル−もしくはジアリール−ホスフィナトである)
を有する工程を含むことを特徴とする低多分散性ポリマーの製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法によって製造されるポリマーであって、前記ポリマーがM/M<1.4を有することを特徴とするポリマー。
【請求項17】
前記重合が酸捕捉剤の存在下で実施されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記酸捕捉剤が塩基であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記重合が約60℃〜約100℃の温度で行われることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記連鎖移動剤がトリチオカーボネートであることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項21】
2−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−3−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンを含むことを特徴とする組成物。
【請求項22】
3−(2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシエチル)−エンド−2−(2−メチルプロペノイル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンを含むことを特徴とする組成物。

【公表番号】特表2007−520587(P2007−520587A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528161(P2006−528161)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/031242
【国際公開番号】WO2005/031461
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】