説明

保存剤の可溶化物およびそれらの製造方法

本発明は、ソルビン酸および/または安息香酸などの脂肪酸および/または芳香族酸を含有する保存剤、ならびに可溶化剤の総量に対して約50重量%〜約95重量%乳化剤含量であって、9〜18のHLB値を有する1種または複数の乳化剤からなる安定化剤を含まない可溶化剤に関する。本発明はまた、前記可溶化剤の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存剤の可溶化物に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許出願公開26 23 682では、ソルビン酸から懸濁液および乳濁液を製造する製法が記載され、ソルビン酸の加熱溶液は、水から作られる溶媒中で霧化され、低融点を有する水溶性有機溶媒と合され;次いで、得られた流体は、急速に冷却され、過剰の溶媒は除去される。ソルビン酸溶液を加温し、噴霧するため、該製法は、非常に複雑である。
【0003】
報文DE 25 19 557では、消毒石けんが記載され、さらに、消毒剤およびポリソルベートなどの非イオン性乳化剤は、例えば、相当な量の希釈剤ならびに生薬として他のさらなる物質を含有する。該石けんは、医療分野において手または他の皮膚部分を消毒する。
【0004】
報文DE 601 03 023 T2は、有機酸、さらに非イオン性界面活性剤および安定化剤、例えば、ポリソルベートを含む、食品の処理のための酸性抗菌組成物を開示する。大量に希釈して、混合物は、食品の表面上に位置する微生物個体群を減少させるために、食品の表面を処理するのに用いられうる。
【0005】
微生物腐敗に対する食品の保存について、生物学的かつ化学的酸性化ならびに加熱工程に加えて、殺菌性または静菌性化学物質での化学的保存がある。
【0006】
飲料についての最も一般的な保存剤は、ソルビン酸(E200および塩E201−3)および安息香酸(E201および塩211−13)である。
【0007】
安息香酸(BS)は、酵母およびカビに対し主に作用し;細菌は、部分的にのみ抑制される。ソルビン酸(SS)は、酵母およびカビに対し同様に作用するが、細菌に対しても多少良く作用し、カタラーゼ陽性および嫌気性細菌に対し主に作用する。実際には、当量の安息香酸およびソルビン酸の混合保存剤は、特定の相乗効果を及ぼすことを証明した。このような方法で、高量の保存剤によって引き起こされる食品の味への悪影響を減少させることも可能である。通常量は、最終生成物中の保存剤当たり150−200ppmである。非アルコール飲料についての最大量は、300ppm SSまたは150ppm BSに制限され;混合すると、最大量は250ppm SS+150ppm BSである。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開26 23 682
【特許文献2】DE 25 19 557
【特許文献3】DE 601 03 023 T2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの保存剤は、多量の水を含有する飲料および他の流動食に、一般に水溶性ナトリウム、カルシウムおよびカリウム塩の形態で用いられる。しかしながら、非解離酸によって排他的に殺菌効果を生じる。安息香酸および/またはソルビン酸で保存される食品がアスコルビン酸を含有するならば、その結果、アスコルビン酸と安息香酸および/またはソルビン酸の反応を通して、ベンゼンなどの望ましくない反応生成物が健康に有害をもたらしうる恐れが存在する。
【0009】
上記保存剤の水、エタノールおよび油における溶解性は、以下である。
【表1】

【0010】
弱酸SS(pKs=4.8)およびBS(pKs=4.22)の解離は、それらが用いられる媒体のpH値に非常に依存している。pH値について、典型的な非アルコール性飲料と共通するので(pH=2.8−3.5)、90−100%のSSまたはBSは解離せず、その結果、殺菌剤として有効である。しかしながら、酸の難水溶性のため、比較的高用量が必要である。
【0011】
一方、低い酸性度(pH値4.0−中性)の生成物において、微生物に対し効果がない大部分が解離される。
【表2】

【0012】
したがって、本発明は、微生物の効果に対して食品、主に飲料をより良く保存することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そうするために、本発明は、ソルビン酸および/または安息香酸などの脂肪酸および/または芳香族酸ならびに1種または複数の9〜18のHLB値を有する乳化剤を含有する、安定化剤を含まない保存剤の可溶化物を示唆する。乳化剤の濃度は、可溶化物の総量に対して50%〜95%でありうる。ソルビン酸または安息香酸あるいは2種の混合物は、5%〜50%の量で可溶化物中に含まれうる。乳化剤としてポリソルベート、好ましくは、ポリソルベート20および/またはポリソルベート80を用いることが好ましい。
【0014】
本発明に記載の可溶化物は、優れた殺菌効果を有する。例えば、一方には、500mgソルビン酸カリウムを、もう一方には、相対的にポリソルベート20との500mgソルビン酸−可溶化物を、寒天培地溶液に加えるならば、ソルビン酸カリウムとの約3週間の接触期間後、ソルビン酸−可溶化物との細菌数3.5x10、ほぼ二桁小さい細菌数と比べて、1.6x1010の細菌数となる。
【0015】
本発明は、より多くの非解離酸が微生物の除去に利用可能であるという結果に伴って、ミセル化を介して弱酸性だけである媒体における主に有機酸の解離を遅延または抑制する概念に基づく。したがって、ミセル化有機酸の用量は、大幅に低下されうる。ミセルのみが細胞膜または同様の生物学的物質との接触で開くので、ミセルから放出される酸は、微生物に直接作用し、それらを除去しうる。
【0016】
本発明は、全種類の食品、特にお茶、コーヒー、ココアおよびミルク飲料などの約4.0〜約7.0の高pH値を有する、非アルコール飲料に用いられうる。保存可溶化物は、関連のお茶、コーヒー、ココアおよびミルク飲料に加えられる。最終生成物の製造業者によって個々に100ppm〜500ppmで投与し、20%安息香酸可溶化物であると仮定すると、最終生成物のリットル当たり500ppm〜1000ppmを表す。
【0017】
本発明は、さらに、ミルク、チーズおよびヨーグルトなどのミルク製品の保存に用いられうる。可溶化物は、主にチーズ外皮に適用される。ソルビン酸可溶化物はまた、チーズ中に少量用いられうる。さらに、野菜、果物およびハーブは、本発明に記載の可溶化物の水性溶液中に沈められうるので、カビ、菌類および酵母に対してより良く保存され、また持続されうる。最終的に、例えば、医療器具および機器の付属品または表面を、防腐のために希釈された水様性溶液中の可溶化物で処置できるように本発明はまた、カビまたは他の人工物の表面の防腐を可能にする。
【0018】
安息香酸可溶化物の殺菌効果は、例えば、食品化学についての公的に任命かつ公認された専門家の研究によって証明される。
【0019】
試験物質:
1)安息香酸:原料安息香酸、company Merck Art.No.1.00136
2)安息香酸可溶化物溶液:原料安息香酸可溶化物の20%溶液、company AQUANOVA Lot−No.L096.06.LM.01.01
3)栄養溶液:Yeast Malt Broth、company Sigma Art.No.Y 3752
4)寒天培地:寒天を添加して3)を参照、company Fluka Art.No.05040、栄養溶液リットル当たり20g
5)酵母培養液:サッカロミセス・セレヴィシエ(saccharomyces cerevisae)、company DSMZ Art.No.7044
【0020】
2)記載の安息香酸可溶化物の20%溶液の組成物は、EW0108/8下、以下の実施例で得られる。以下の表1は、酵母増殖における安息香酸の影響を示し、表2は、それぞれpH6.2および室温で達成される酵母増殖の抑制を提供する。表1は、500ppmの安息香酸濃度でさえ、接触期間の29日後酵母増殖が高いままであることを示す。相対的に、表2は、可溶化物中の500ppmの安息香酸濃度で、酵母増殖が、可溶化物の添加の開始で大幅に速度が落ちること、および接触期間の29日後、酵母が完全に取り除かれることを示す。接触の3日後でさえ、300ppmの可溶化物中の安息香酸濃度は、酵母の継続的増殖の低下をもたらす。
【0021】
発明された可溶化物の実施の好ましい形態は、下位クレームで得られる。ソルビン酸可溶化物が、約5重量%ソルビン酸および95重量%ポリソルベート20を示す場合に推奨される。安息香酸について、約20重量%安息香酸および約80重量%ポリソルベート20を含有する可溶化物が好ましい。さらに、多数の用途、例えば、酸性飲料への添加について、安息香酸可溶化物が湿潤剤の一部を含有するならば、遊離安息香酸が実質的に、飲料中に存在しないという程度までミセル化安息香酸を結合することが好ましい。飲料が、例えば、アスコルビン酸と合されるならば、その結果、安息香酸におけるアスコルビン酸の効果は、容易に食品に有害であるベンゼンの形成を引き起こしうる。本発明に記載の安息香酸可溶化物は、酸性飲料においてベンゼンの形成を阻害する。湿潤剤には、好ましくは、主に中鎖トリグリセリドを含有する油脂とごく一部のワックス、例えば、セラ・アルバ(Cera alba)の混合物が含まれる。
【0022】
湿潤剤は、約2重量%〜約10重量%の濃度で安息香酸可溶化物中に含まれうるので、約3重量%〜約10重量%は油脂に相当し、約1重量%〜約2重量%はワックスに相当しうる。
【0023】
詳細には、約21重量%安息香酸、約5重量%の主に中鎖グリセリド油、約73重量%ポリソルベート20および約1重量%のワックス、例えば、ビーズワックス(セラ・アルバ)を含有すると、安息香酸可溶化物が、その殺菌効果において特に有効であることを証明する。ポリソルベート20の代わりに、ポリソルベート80は、安息香酸可溶化物とほぼ同量で用いられうる。最終的に、可溶化物は考慮して、約5重量%ソルビン酸、約5重量%安息香酸および約90重量%ポリソルベート20からなる。
【0024】
【表3】

【0025】
その後、大多数の特許請求の範囲を限定することなく、5種の特殊な処方が得られるであろうし、また、個々の可溶化物の対応する製造方法についての情報も含む。製造工程の最も単純な形態において、乳化剤を、約70℃〜約90℃に加温し、ポリソルベート20の場合には、約72℃〜約85℃、好ましくは、約80℃〜約85℃に加温し、乳化剤を大きく(最大5℃)冷却することなく、攪拌しながら、脂肪酸および/または芳香族酸をゆっくりと温乳化剤に加え、完全に混合した後、混合物をさらに、常時攪拌しながら、約83℃〜約90℃に加温し、十分に均質化する。次いで、可溶化物を、瓶に詰めるために35℃以下まで冷却するので、混合物を40℃に急速に冷却されることが推奨される。ポリソルベート20および/またはポリソルベート80などの、約50重量%〜約95重量%の乳化剤を製造方法に取り込むことが好ましい。脂肪酸および/または芳香族酸について、約5重量%〜約50重量%を用いることが推奨される。
【0026】
安息香酸可溶化物が湿潤剤を含有するならば、あるものは、最初に、湿潤剤を、約55℃〜約65℃、好ましくは、58℃〜約62℃に加温し、均質化し、攪拌しながら、安息香酸を温湿潤剤に加え、再度均質化し、次いで、約5分の1のポリソルベート量、すなわち、可溶化物kg当たり約150gを安息香酸/湿潤剤混合物に加え、その結果得られる質量を、攪拌しながら約80℃〜約90℃に加温し、均質化し、次いで、残りのポリソルベート、すなわち、5分の4のポリソルベートをゆっくりと加え、十分に攪拌し、温度を少なくとも5分間約80℃〜約90℃で保持するように進行するであろう。次いで、必要に応じて、40℃に急速に冷却され、約35℃で瓶に詰められうる。該製法において、約2重量%〜約10重量%湿潤剤が用いられうる。製法の好ましい設計において、主に中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する油脂およびワックスの混合物が湿潤剤として用いられるならば、約1重量%〜約1.5重量%のワックスを記載されるように加温された約5重量%の油脂に組み込み、混合物を均質化し、最終的に約20重量%安息香酸を加え、次いで、上記されるように、ポリソルベートを加えることが好ましい。それ以外には、本発明に記載の製法の好ましい方法は、製法クレームで得られる。
【0027】
本発明に記載の可溶化物について、形成されたミセルの半径分布が測定されている。添付の図1および2に結果を示す。Wyatt Technologie Europe GmbHのフィールド−フロー方法にしたがって測定を行った。図1は、5%ソルビン酸可溶化物を示し、図2は、20重量%安息香酸可溶化物に適用する。ソルビン酸可溶化物の中間ミセル半径は10nm以下であって、安息香酸可溶化物の中間ミセル半径は20nm以下であることが識別可能である
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
処方において、MCTは、中鎖脂肪酸トリグリセリドを意味する。パーセントでの重量情報は、可溶化物の総重量=100重量%をいう。
【0029】
EW−No.: EW0108/8
ラベル: 水溶性および脂溶性
20%安息香酸可溶化物
【0030】
成分:
200g安息香酸;AppliChem(AGT−Material No.:10080/079)
800gポリソルベート20;Lamesorb SML 20;Cognis(AGT−Material No.:10520/016)
製法:
−ポリソルベート20を80−85℃に加熱する。
−攪拌しながらゆっくりと安息香酸を組み込む。
−絶えず攪拌し、最大90℃に加熱し、ウェルを均質化する。
−<35℃に冷却し、瓶に詰める。
外観:
淡黄色、粘性、透明
保存条件:
室温で(<25℃)で、暗所
[ウォーターマーク(watermark):]EW
【0031】
EW−No.: EW0108/80/CA
ラベル: NovaSol(登録商標) Benzoic
水溶性および脂溶性
20%安息香酸可溶化物
【0032】
成分:
210g安息香酸、AppliChem(AGT−Material No.:10080/079)
50gDelios VK kosher(MCT油);Cognis(AGT−Material No.:10460/016)
739gポリソルベート80;Lamesorb SMO 20;Cognis(AGT−Material No.:10530/016)
1gセラ・アルバ(ビーズワックス);Roeper(AGT−Material No.:10741/075)
製法:
−MCT油(58−62℃)およびセラ・アルバをゆっくりと加温し;攪拌し、均質に混合する。
−混合物に、安息香酸を加え、攪拌することによってウェルを均質化する(58−62℃)。
−約20%のポリソルベート80量(約150g/kg)を加え、混合物が均質化するまで83−87℃に加熱しながら攪拌する。
−残りのポリソルベート80量をゆっくりと加え、ウェルを攪拌し、少なくとも5分間83−87℃の温度にする。
−40℃にできるだけ急速に温度を下げながら絶えず攪拌する。
−40℃またはさらに冷却し、瓶に詰める。
外観:
淡黄色/白色、粘性
保存条件:
室温(<25℃)で、暗所
[ウォーターマーク:] EW
【0033】
EW−No.: EW0109/12
ラベル: 水溶性および脂溶性
5%ソルビン酸/5%安息香酸可溶化物(組み合わせ)
【0034】
成分:
50gソルビン酸;Kramer & Martin(AGT−Material No.:10642/88)
50g安息香酸;AppliChem(AGT−Material No.:10080/079)
900gポリソルベート20;Lamesorb SML 20;Cognis(AGT−Material No.:10520/016)
製法:
−ソルビン酸および安息香酸を混合する。
−ポリソルベート20を80−85℃に加温する。
−攪拌しながら、粉末混合物およびポリソルベート(83−87%)を混合する。
−攪拌しながら、全てを約88−92℃に加熱し、ウェルを均質化する。
−<35℃に冷却し、瓶に詰める。
外観:
黄色、粘性、透明
保存条件:
室温(<25℃)で、暗所
[ウォーターマーク:] EW
【0035】
EW−No.: EW0108/CA/1
ラベル: NovaSOL(登録商標) Benzoic
水溶性および脂溶性
20%安息香酸可溶化物
【0036】
成分:
210g安息香酸,AppliChem(AGT−Material No.:10080/079)
50gDelios VK kosher(MCT油);Cognis(AGT−Material No.:10460/016)
738.5gポリソルベート20;Lamesorb SML 20;Cognis(AGT−Material No.:10520/016)
1.5gセラ・アルバ(ビーズワックス);Roeper(AGT−Material No.:10741/075)
製法:
−MCT油(58−61℃)を加温し、攪拌しながらゆっくりとセラ・アルバを組み込み、均質に混合する。
−混合物に、安息香酸を加え、(58−62℃で)攪拌することでウェルを均質化する。
−約20%のポリソルベート20量(約150g/kg)を加え、混合物が均質化するまで83−87℃に加熱しながら攪拌する。
−残りのポリソルベート20量をゆっくりと加え、ウェルを攪拌し、少なくとも5分間83−87℃の温度にする。
−40℃にできるだけ急速に温度を下げながら絶えず攪拌する。
−40℃またはさらに冷却し、瓶に詰める。
外観:
淡黄色/白色、粘性
保存条件:
室温(<25℃)で、暗所
[ウォーターマーク:] EW
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】Wyatt Technologie Europe GmbHのフィールド−フロー方法にしたがって測定した形成されたミセルの半径分布を示す。図1は、5%ソルビン酸可溶化物を示す。
【図2】Wyatt Technologie Europe GmbHのフィールド−フロー方法にしたがって測定した形成されたミセルの半径分布を示す。図2は、20重量%安息香酸可溶化物に適用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安定化剤を含んでいないソルビン酸および/または安息香酸などの脂肪酸および/または芳香族酸を含有する保存剤、ならびに可溶化物の総量に対して乳化剤が約50重量%〜約95重量%の濃度であって9〜18のHLB値を有する1種または複数の乳化剤からなる可溶化物。
【請求項2】
脂肪酸および/または芳香族酸が5重量%〜50重量%の濃度である、請求項1記載の可溶化物。
【請求項3】
乳化剤が、ポリソルベート、好ましくは、ポリソルベート20および/またはポリソルベート80である、請求項1または2記載の可溶化物。
【請求項4】
約5重量%ソルビン酸および約95重量%ポリソルベート20からなる前記請求項の1項記載の可溶化物。
【請求項5】
約20重量%安息香酸および約80重量%ポリソルベート20からなる請求項1〜4の1項記載の可溶化物。
【請求項6】
約20重量%安息香酸、主に中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する約5重量%の油脂、約73.5重量%ポリソルベート20および約1.5重量%のワックスからなる請求項1〜4の1項記載の可溶化物。
【請求項7】
ワックスが、ビーズワックス、例えば、セラ・アルバの形態である、請求項6記載の可溶化物。
【請求項8】
ポリソルベート20が、ポリソルベート80で交換される、請求項6または7記載の可溶化物。
【請求項9】
約5重量%ソルビン酸、約5重量%安息香酸および約90重量%ポリソルベート20からなる請求項1〜3の1項記載の可溶化物。
【請求項10】
9〜18のHLB値を有する乳化剤が、約70℃〜90℃に加熱され、脂肪酸および/または芳香族酸が、攪拌しながら多量の冷却乳化剤ではなく温乳化剤と合され、完全に合した後、引き続き攪拌しながら、混合物が約83℃〜約90℃に加熱され、十分に均質化され、最終的に冷却される、1つまたは複数の前記請求項に記載の可溶化物の製造方法。
【請求項11】
約50重量%〜約95重量%の乳化剤が加熱される、請求項10記載の製法。
【請求項12】
ポリソルベート、好ましくは、ポリソルベート20および/またはポリソルベート80が、乳化剤として用いられる、請求項10または11記載の製法。
【請求項13】
ポリソルベートが、約72℃〜約85℃、好ましくは80℃〜85℃に加熱される、請求項12記載の製法。
【請求項14】
約5重量%〜約50重量%の脂肪酸および/または芳香族酸が、温乳化剤中に合される、請求項10〜13の1項記載の製法。
【請求項15】
急速に40℃に冷却される、請求項10〜14の1項記載の製法。
【請求項16】
安息香酸が、加熱かつ均質化された湿潤剤に加えられ、混合物が均質化され、次いで、ポリソルベート量の約5分の1が安息香酸/湿潤剤混合物に加えられ、得られた質量が攪拌され、加熱され、均質化され、最終的に残りのポリソルベート量が、ゆっくりと加えられ、より高温で攪拌される、請求項10〜15の1項記載の製法。
【請求項17】
湿潤剤が、約55℃〜約65℃、好ましくは58℃〜62℃に加熱される、請求項16記載の製法。
【請求項18】
上昇温度が、約80℃〜約90℃で選択される、請求項15または16記載の製法。
【請求項19】
主に中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する油脂およびワックス、好ましくは、セラ・アルバの混合物からなる湿潤剤が選択される、請求項16〜19の1項記載の製法。
【請求項20】
界面活性剤が、約5重量%の油脂および約1重量%〜約1.5重量%のワックスから合される、請求項19記載の製法。
【請求項21】
食品、特に、約4.0〜約7.0の高pH値を有する非アルコール飲料、例えば、お茶、コーヒー、ココアおよびミルク飲料などに対する保存添加物としての請求項1〜9の1項記載の安定化剤を含まない可溶化物の使用。
【請求項22】
最終生成物の投与量が500ppm〜1000ppm/リットルである、請求項21記載の使用。
【請求項23】
ミルク、チーズおよびヨーグルトなどのミルク製品に対する保存添加物としての請求項1〜9の1項記載の安定化剤を含まない可溶化物の使用によって、可溶化物が、主にチーズ外皮に適用されるところの、使用。
【請求項24】
野菜、果物およびハーブに対する保存添加物としての請求項1〜9の1項記載の安定化剤を含まない可溶化物の使用であって、好ましくは、可溶化物の水性溶液中に野菜または果物またはハーブを浸水させるところの、使用。
【請求項25】
木材表面または家具などの他の人工物、あるいは可溶化物の希釈水性溶液での処理による医療器具および機器の防腐のための請求項1〜9の1項記載の安定化剤を含まない可溶化物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−528830(P2009−528830A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557603(P2008−557603)
【出願日】平成19年1月8日(2007.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/000094
【国際公開番号】WO2007/101495
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(502435638)アクヴァノヴァ・アクチェンゲゼルシャフト (6)
【氏名又は名称原語表記】AQUANOVA AG
【Fターム(参考)】