説明

保管庫

【課題】連続する入庫を効率的に行う。
【解決手段】保管庫20は、内部が鉛直方向に複数段に分断され、荷3を出し入れ可能な出入口が設けられている筐体と、筐体外にて出入口に隣接し、荷を載置可能である入出庫ポートと、筐体内にて荷を水平一方向及び鉛直方向に移動可能な内部移動手段30と、筐体内に、複数段の各々において水平一方向に広がるように配列され、内部移動手段により移動される荷を載置可能に夫々構成されている複数の棚部分21,23a,23bのうち相互に連結される一及び二の棚部分を、一の棚部分が出入口に隣接する第1位置と二の棚部分が出入口に隣接する第2位置との間で、一体に変位可能な棚部分変位手段40と、第1位置に変位された一の棚部分又は第2位置に変位された二の棚部分と入出庫ポートとの間で出入口を介して荷を水平移動可能な外内移動手段41a,41bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車との間で、例えば半導体素子製造用の各種基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)等の荷の入出庫が行われる、例えばストッカ等の保管庫の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の保管庫に適応する荷として、例えば口径が300mmである半導体ウェハを複数枚収容可能なFOUPが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このようなFOUPは、主に、保管庫が設置される施設内において、搬送車の経路に沿った複数の工程間又は各工程内で、複数の半導体ウェハを搬送したり一時的に保管するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−123673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した特許文献1に開示されるFOUPに収納される半導体ウェハについて、その口径は300mmに規定されるが、近年、更なる大口径化が図られ、例えば口径が450mmに促進されつつある。これに対応して、FOUPが大型化及び大重量化される傾向がある。こうした傾向を受け、FOUPについて、幅及び奥行きのサイズを大きくするだけでなく、高さのサイズもまた大きくすることが想定されている。
【0005】
ここで、当該保管庫には、典型的に、天井に敷設された軌道に沿って走行する天井走行車との間で荷を移載(即ち、入出庫)する際に、荷が一時的に載置される移載部(即ち、入出庫ポート)が、保管庫本体からその側方に突出するように設置されている。
【0006】
上述したFOUPの大型化に対応して、本願発明者は、軌道上の所定の入出庫位置に停止される天井走行車の下方に、荷の一つ分の高さより短い距離をとって設置された移載部を備える保管庫を提案している。詳細には、例えば天井走行車から移載部に荷が完全に移載された状態で、荷の少なくとも上部が天井走行車内部に位置する。この後に、移載部上から保管庫内に移載される際に、荷は天井走行車の側面を貫通して水平移動される。即ち、荷が大型化されても、移載部における鉛直方向の設置位置を殆ど又は全く下げなくて済む。このため、荷の大型化に対応しつつ、移載部について、保管庫周辺で作業する作業者等の頭上の安全性を確保可能な高さ(即ち、「安全上の高さ」)を維持することが可能となる。
【0007】
一方で、天井走行車から移載部への移載時に、天井走行車内部に荷の少なくとも上部が残るために、荷が移載部上に載置される限り、天井走行車は走行不能であって、天井走行車による荷の搬送が非効率になり兼ねない。具体的には、複数の天井走行車から移載部へ、連続して複数の荷を移載(即ち、入庫)する場合に、移載部上から荷を退かさない限り、複数の天井走行車は夫々入庫を終えられず、軌道上で天井走行車の渋滞が生じ兼ねない旨の技術的問題点がある。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、載置部等の入出庫ポートについて安全上の高さを維持しつつ、連続する入庫を効率的に行うことを可能ならしめる保管庫を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1保管庫は上記課題を解決するために、天井又は該天井側に敷設された軌道に沿って走行すると共に荷を搬送する搬送車との間で前記荷の入出庫が行われる保管庫であって、内部が鉛直方向に複数段に分断されていると共に、前記荷を出し入れ可能な出入口が、前記複数段のうち少なくとも一つの段に少なくとも一つ設けられている筐体又はフレームと、該筐体又はフレーム外にて前記出入口に隣接しており、前記荷を載置可能である入出庫ポートと、前記筐体又はフレーム内にて前記荷を少なくとも水平一方向に往復移動可能であると共に前記鉛直方向に往復移動可能な内部移動手段と、前記筐体又はフレーム内に、前記複数段の各々において前記少なくとも水平一方向に広がるように配列されており、前記内部移動手段により移動される荷を収容又は載置可能に夫々構成されている複数の棚部分と、該複数の棚部分のうち相互に連結される一の棚部分及び二の棚部分を、前記一の棚部分が前記出入口に隣接する第1位置と前記二の棚部分が前記出入口に隣接する第2位置との間で一体に変位可能な棚部分変位手段と、前記第1位置に変位された前記一の棚部分又は前記第2位置に変位された前記二の棚部分と前記入出庫ポートとの間で前記出入口を介して前記荷を水平移動可能な外内移動手段とを備える。
【0010】
本発明に係る保管庫では、例えばOHT(Overhead Hoist Tranport)等の搬送車により、例えばFOUP等の荷の入出庫が行われる。ここに「搬送車」は、天井走行型の、所謂、ビークルであって、荷の入出庫を行う際に、例えば半導体素子製造工場或いは半導体素子製造用の施設等の天井又は天井近傍に敷設されたレール等の軌道に沿って走行する。具体的には、荷を入庫する際に、例えばグリッパ等により入庫すべき荷を保持する搬送車が、軌道における、当該保管庫に対応する所定の入出庫位置に到達し、停止する。すると、例えばホイスト等により、グリッパ等及びこれに保持された入庫すべき荷が鉛直方向に下降し、当該保管庫の内外で荷を出し入れするための入出庫ポートに該荷が載置される。すると、グリッパ等から入庫すべき荷が解放される。この後、解放された荷が保管庫内へ移動する。これにより、搬送車が走行可能な状態となり、搬送車による荷の入庫が完了する。
【0011】
一方、荷を出庫する際に、空荷の搬送車が上述した入出庫位置に到達し、停止する。この後、保管庫内の出庫すべき荷が搬送車下方に位置する入出庫ポートに移動する。すると、上述したホイスト等により、上述したグリッパ等が鉛直方向に下降し、グリッパ等により、入出庫ポートに載置されている出庫すべき荷が搬送車側に保持される。すると、ホイスト等により、グリッパ等及びこれに保持された出庫すべき荷が鉛直方向に上昇する。これにより、搬送車が走行可能な状態となり、搬送車による荷の出庫が完了する。
【0012】
当該保管庫について、その外観は、筐体又はフレームにより構成されており、該筐体又はフレーム内には、複数の棚部分が配列されている。ここに「複数の棚部分」とは、鉛直方向に一又は複数列配列された複数の載置面を有する棚列を示す。例えば、鉛直方向にm(但し、mは2以上の自然数)段、水平一方向にn(但し、nは1以上の自然数)列、且つこれに垂直である残る水平一方向(以下、単に「厚み方向」と称する)にはo(但し、oは1以上の自然数)列といった具合に、例えば薄く且つ横に細長い平板形状となるように、棚全体の骨格が構成されてもよい。搬送車により当該保管庫に入庫された荷は、例えばローラ機構やコンベア機構等の外内移動手段により、入出庫ポートから、典型的に入庫及び出庫用に2つ設けられる出入口を介して、複数の棚部分のうち出入口に隣接する一の棚部分又は二の棚部分に水平移動される。すると、例えばロボットアーム等の保管庫内搬送装置たる内部移動手段(所謂、スタッカ)が、複数の棚部分間を、例えば鉛直方向及び水平一方向という2方向或いは2軸方向に移動し、一の棚部分又は二の棚部分の荷が、複数の棚部分のうち一の棚部分及び二の棚部分より他の棚部分に移動される。即ち、保管庫内搬送され、入庫された荷が当該保管庫に収容或いは保管される。
【0013】
ここで、当該保管庫に対し、複数の搬送車(例えば、一の搬送車及び二の搬送車)から複数の荷(例えば、一の荷及び二の荷)を連続して入庫する場合、典型的に、一の搬送車が入出庫位置に停止し、一の荷を入出庫ポートに載置する。すると、一の荷が入出庫ポートから当該保管庫内部(実際には、一の棚部分又は二の棚部分)に水平移動するのに相前後して、空荷の一の搬送車が走行を開始し入出庫位置から離れる。続いて、二の搬送車が入出庫位置に停止し、二の荷を入出庫ポートに載置する。すると、二の荷が入出庫ポートから当該保管庫内部(実際には、一の棚部分又は二の棚部分)に水平移動するのに相前後して、空荷の二の搬送車が走行を開始し入出庫位置から離れる。こうした連続する入庫にかかる所要時間は、仮に何らの工夫を施さないとすれば、入出庫ポートが荷を支持する時間が長い程、言い換えれば入庫のために搬送車が入出庫位置に停止する時間が長い程、長期化し、連続する入庫が非効率に行われることとなる。
【0014】
そこで、本発明に係る第1保管庫によれば、連続する入庫に対応すべく、例えばスライド機構等の棚部分変位手段が設けられている。棚部分変位手段について、その動作時には、例えば、外内移動手段により入出庫ポートから、出入口に隣接する一の棚部分に一の荷が載置されると、棚部分変位手段により、一の棚部分及び二の棚部分が第1位置から第2位置に変位される。ここに、一の棚部分及び二の棚部分は、複数の棚部分のうち、典型的には水平方向に(例えば、軌道に沿った水平方向や軌道に交差する水平方向に)横並びするように、相互に連結される一対の棚部分である。即ち、棚部分変位手段による変位により、出入口には、一の棚部分に代わって、空荷(即ち、何の荷も支持していない)の二の棚部分が隣接する。この後、外内移動手段により入出庫ポートから、出入口に隣接する二の棚部分に二の荷が載置されるのに相前後して、内部移動手段により一の棚部分に載置されている一の荷が上述した他の棚部分に移動される。すると、棚部分変位手段により、一の棚部分及び二の棚部分が第2位置から第1位置に変位される。即ち、出入口には、二の棚部分に代わって、空荷の一の棚部分が隣接する。このように、出入口に隣接する棚部分に荷が載置されると直ちに、出入口に隣接する棚部分を空荷の棚部分に変更し、次に入出庫ポートに載置される(即ち、入庫される)荷に備える。これにより、入出庫ポートから一の棚部分又は二の棚部分に荷が迅速に移動され(言い換えれば、退けられ)、入出庫ポートが荷を支持する時間が短くなる、言い換えれば搬送車が入出庫位置に停止する時間が短くなる。
【0015】
尚、入出庫ポートが、当該保管庫周辺で作業する作業者等の安全上の高さを考慮して設けられる場合、例えば一の荷を入出庫ポートに載置した一の搬送車は、外内移動手段により入出庫ポートから出入口に隣接する棚部分に一の荷が退けられた時に、走行可能となり入出庫位置から離れられるとしてもよい。
【0016】
以上のように、入出庫ポートから当該保管庫内に移動された荷を一時的に載置可能である棚部分(所謂、保管庫内バッファ)を少なくとも2つ設けると共に、各入出庫に際して該2つの棚部分のうちのどちらかを出入口に交互に隣接させる。これにより、内部移動手段の動作性に関わらず、入出庫ポートからの連続する入庫を効率的に行うことが可能である。特に、上述した安全上の高さが考慮された入出庫ポートからの連続する入庫において、より高い効果が発揮される。即ち、入出庫ポートについて安全上の高さを維持しつつ、連続する入庫を効率的に行うことが可能である。
【0017】
本発明の第1保管庫の一態様では、前記一の棚部分及び前記二の棚部分は、前記軌道の方位に平行の方位に連結されており、前記棚部分変位手段は、前記一の棚部分及び前記二の棚部分を、前記平行な方位に往復移動可能である。
【0018】
この態様によれば、棚部分変位手段により、一の棚部分及び二の棚部分が第1位置及び第2位置の相互間で変位される際に、軌道の方位に平行な方位に、例えば1つの棚部分の幅分移動される。これにより、出入口に隣接する棚部分を極めて迅速に変更することが可能となる。
【0019】
本発明の保管庫の他の態様では、複数の前記荷を入庫すべき場合に、一の前記搬送車から前記入出庫ポートに載置された一の前記荷が、前記入出庫ポートから前記一の棚部分に水平移動するように前記外内移動手段を制御し、続いて前記一の棚部分及び前記二の棚部分が前記第1位置から前記第2位置に変位するように前記棚部分変位手段を制御し、続いて二の前記搬送車から前記入出庫ポートに載置された二の前記荷が、前記入出庫ポートから前記二の棚部分に水平移動するように前記外内移動手段を制御する制御手段を更に備える。
【0020】
この態様によれば、外内移動手段及び棚部分変位手段を相対的に制御し、一の荷及び二の荷を連続して効率よく入庫することが可能である。
【0021】
本発明の第2保管庫は上記課題を解決するために、天井又は該天井側に敷設された軌道に沿って走行すると共に荷を搬送する搬送車との間で前記荷の入出庫が行われる保管庫であって、内部が鉛直方向に複数段に分断されていると共に、前記荷を出し入れ可能な出入口が、前記複数段のうち少なくとも一つの段に少なくとも一つ設けられている筐体又はフレームと、該筐体又はフレーム外にて前記出入口に隣接しており、前記荷を載置可能である入出庫ポートと、前記筐体又はフレーム内にて前記荷を少なくとも水平一方向に往復移動可能であると共に前記鉛直方向に往復移動可能な内部移動手段と、前記筐体又はフレーム内に、前記複数段の各々において前記少なくとも水平一方向に広がるように配列されており、前記内部移動手段により移動される荷を収容又は載置可能に夫々構成されている複数の棚部分と、該複数の棚部分のうち前記出入口に隣接する一の棚部分と前記入出庫ポートとの間で前記出入口を介して前記荷を水平移動可能な外内移動手段と、前記一の棚部分と前記複数の棚部分のうち前記一の棚部分に隣接する二の棚部分との間で、前記荷を水平移動可能な棚部分間移動手段とを備える。
【0022】
本発明の第2保管庫によれば、連続する入庫に対応すべく、例えばローラ機構やコンベア機構、アーム機構等の棚部分間移動手段が設けられている。棚部分間移動手段について、その動作時には、例えば、外内移動手段により入出庫ポートから一の棚部分に一の荷が載置されると、棚部分間移動手段により、一の棚部分に載置された一の荷が二の棚部分に載置される。この後、外内移動手段により入出庫ポートから一の棚部分に二の荷が載置されるのに相前後して、内部移動手段により一の棚部分に載置されている一の荷が上述した他の棚部分に移動される。すると、棚部分間移動手段により、一の棚部分に載置された二の荷が二の棚部分に載置される。このように、出入口に隣接する一の棚部分に荷が載置されると直ちに、一の棚部分に隣接する二の棚部分にその荷が移載され、次に入出庫ポートに載置される(即ち、入庫される)荷に備える。これにより、入出庫ポートから一の棚部分を経て二の棚部分に荷が迅速に移動され(言い換えれば、退けられ)、入出庫ポートが荷を支持する時間が短くなる、言い換えれば搬送車が入出庫位置に停止する時間が短くなる。
【0023】
尚、棚部分間移動手段は、内部移動手段と別体に構成されるが、一の棚部分及び二の棚部分間で荷を移動可能であれば特に限定されず、内部移動手段と同一の構成を有してもよい。また、外内移動手段は、入出庫ポート及び一の棚部分間で荷を移動可能であれば特に限定されず、内部移動手段及び/又は棚部分間移動手段と同一の構成を有してもよい。
【0024】
以上のように、入出庫ポートから当該保管庫内に移動された荷を一時的に載置可能である棚部分(所謂、保管庫内バッファ)を少なくとも2つ設けると共に、出入口に隣接する一の棚部分に荷が載置されるや否や、一の棚部分に隣接する二の棚部分にその荷を退かす。これにより、内部移動手段の動作性に関わらず、入出庫ポートからの連続する入庫を効率的に行うことが可能である。特に、上述した安全上の高さが考慮された入出庫ポートからの連続する入庫において、より高い効果が発揮される。即ち、入出庫ポートについて安全上の高さを維持しつつ、連続する入庫を効率的に行うことが可能である。
【0025】
本発明の第2保管庫の一態様では、前記外内移動手段及び前記棚部分間移動手段は、前記荷をその底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、該載置部を、前記一の棚部分及び前記入出庫ポート間で、又は前記一の棚部分及び前記二の棚部分間で往復移動可能である移動部とを夫々有し、前記入出庫ポート、前記一の棚部分及び前記二の棚部分は、前記第1載置面との間で前記荷を相互に移載可能に構成されている第2載置面を夫々有する。
【0026】
この態様によれば、例えば、第1及び第2載置面は、荷の底面における相異なる部分(典型的には、中央寄り部分及び周辺寄り部分)を支持するように構成されており、どちらか一方で荷を支持することが可能である。入出庫ポート、一の棚部分及び二の棚部分における第2載置面上の荷は、移動部の駆動により例えば水平一方向及び鉛直方向に移動可能な載置部の第1載置面上に移載される。具体的には、移動部により、載置部が、第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動された際に、第2載置面に代わって、第1載置面で荷を支持することで、第2載置面から第1載置面への移載が行われる。典型的には、第1載置面が第2載置面より高くなるまで移動されることで、荷は、第1載置面により支持されることとなる。
【0027】
また、載置部の第1載置面上の荷は、入出庫ポート、一の棚部分及び二の棚部分における第2載置面上に移載される。具体的には、移動部により、載置部が、第2載置面が存在する鉛直位置且つ水平位置に移動された際に、第1載置面に代わって、第2載置面で荷を支持することで、第1載置面から第2載置面への移載が行われる。典型的には、第1載置面が第2載置面より低くなるまで移動されることで、荷は、第2載置面により支持されることとなる。
【0028】
以上のように、第1及び第2載置面間で荷を移載することにより、外内移動手段により一の棚部分及び入出庫ポート間で、棚部分間移動手段により一の棚部分及び二の棚部分間で荷を夫々移載することが可能である。
【0029】
本発明の第2保管庫の他の態様では、当該保管庫は、複数の前記荷を入庫すべき場合に、一の前記搬送車から前記入出庫ポートに載置された一の前記荷が、前記入出庫ポートから前記一の棚部分に水平移動するように前記外内移動手段を制御し、続いて前記一の棚部分に水平移動された前記一の荷が前記二の棚部分に水平移動するように前記棚部分移動手段を制御し、続いて二の前記搬送車から前記入出庫ポートに載置された二の前記荷が、前記入出庫ポートから前記一の棚部分に水平移動するように前記外内移動手段を制御する制御手段を更に備える。
【0030】
この態様によれば、外内移動手段及び棚部分間移動手段を相対的に制御し、一の荷及び該一の荷の後に入庫すべき二の荷を連続して効率よく入庫することが可能である。
【0031】
本発明の第1及び第2保管庫の他の態様では、前記入出庫ポートは、前記軌道における所定の入出庫位置に停止された前記搬送車との間に、前記荷の一つ分の高さより短い距離を有する。
【0032】
この態様によれば、詳細には、入出庫ポートの第1載置面と、入出庫位置に位置する搬送車の下面と間の距離を、荷の一つ分の高さより短くすることにより、入出庫ポート及び搬送車間での移載時に、搬送車外部に荷の少なくとも上部を露呈させない。これにより、荷が大型化する前と比較して、入出庫ポートにおける鉛直方向の配置が殆ど又は全く下がらないで済む。従って、入出庫ポートについて、荷の大型化に対応しつつ上述した安全上の高さを維持することが可能となる。
【0033】
この態様では、前記入出庫ポートは、前記載置された荷の位置決めを行う位置決め手段を有し、前記搬送車は、前記入出庫位置に停止された際に、前記外内移動手段により水平移動する荷が通過可能に開いている開口を規定する本体部と、該本体部の内部に前記荷を保持可能な保持手段と、該保持手段により保持された荷を、前記位置決め手段により位置決めした位置決め位置又は該位置決め位置から解除した解除位置に変位させるように昇降可能な昇降手段とを有してもよい。
【0034】
このように構成すれば、位置決め手段を利用することで、次のように入出庫を効率的に行える。ここに「位置決め手段」とは、入出庫ポートの上面に設けられた複数の位置決めピン等の凸部であって、入出庫ポートと搬送車との間で荷を移載する際の所定の移載位置を意味する。例えば該凸部は、荷の底面に設けられた凹部に係合可能であってもよい。具体的には、例えば、荷を入庫すべき場合に、入出庫位置に停止された搬送車において、グリッパ等の保持手段により入庫すべき荷が保持されており、ホイスト等の昇降手段により保持手段ごと荷が下降され、入出庫ポート上に載置される。この際に、荷が位置決め位置に位置する。ここに「位置決め位置」とは、入出庫ポート側の凸部に荷側の凹部が係合されている状態を示す。続いて、位置決め位置にある荷が、外内移動手段により、出入口を介して一の棚部分又は二の棚部分に水平移動される。この際に、荷が、本体部に規定された開口を通過して、搬送車内部からその側方へ移動される。
【0035】
一方、荷を出庫すべき場合に、一の棚部分又は二の棚部分の出庫すべき荷が、外内移動手段により、出入口を介して、入出庫ポートに水平移動される。この際に、荷が、本体部における開口を通過して、搬送車側方からその内部へ移動される。すると、入出庫位置に停止されている搬送車において、保持手段により入出庫ポートの荷が保持され、昇降手段により保持手段ごと荷が上昇され、荷の低面が入出庫ポートから離れる。この際に、荷が解除位置に位置する。ここに「解除位置」とは、入出庫ポート側の凸部と荷側の凹部との係合が外れた状態を示す。
【0036】
以上のように、入出庫の動作における荷の昇降について、昇降手段は、荷を位置決め位置及び解除位置間の距離、即ち位置決め手段の鉛直方向の長さに対応する距離だけ昇降させればよく、入出庫に係る時間をより短縮して、より効率よく入出庫することが可能となる。
【0037】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1実施形態に係る保管庫を備える搬送システムの外観を示す斜視図である。
【図2】図1の保管庫の内部構造を模式的に示す一方向断面図である。
【図3】図1の保管庫の内部構造を模式的に示す他方向断面図である。
【図4】図3の棚部分変位手段の動作を説明するための斜視図である。
【図5】図1の制御手段による第1連続入庫処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の制御手段による第1連続出庫処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係る保管庫の内部構造を模式的に示す他方向断面図である。
【図8】図7の棚部分間移動手段の動作を説明するための斜視図である。
【図9】第2実施形態に係る第2連続入庫処理を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る第2連続出庫処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る保管庫の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0040】
(第1実施形態)
(第1実施形態の構成)
図1から図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る保管庫の構成について説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る保管庫を備える搬送システムの外観を示す斜視図であり、図2は、図1の保管庫の内部構造を模式的に示す、図1の保管庫を前後方向(即ち、「一方向」と称する)に切断した場合の一方向断面図であり、図3は、図2の棚部分変位手段の動作を説明するために、図1の保管庫の上面を水平面で切断した場合の他方向断面図である。
【0041】
図1において、搬送システム1000は、レールR1、ビークル10及びストッカ20の他、制御系として、搬送指示部100、ビークルコントローラ101及びストッカコントローラ102を備える。搬送システム1000は、半導体素子製造における搬送スケジュールに従って、各種製造装置及びストッカ20等に対してFOUP3の搬送を行うと共に、ストッカ20においてFOUP3の収納或いは保管を行う。
【0042】
FOUP3は、本発明に係る「荷」の一例として、ビークル10によりレールR1に沿って搬送されると共に、ストッカ20内で、入庫若しくは出庫、又は保管位置の調整のために搬送(即ち、保管庫内搬送)される。FOUP3は、その上面に、ビークル10及び後述する自動搬送装置30により把持されるフランジ4を備えている。図3に示すように、FOUP3は、その下面中央部及び側部に、複数の凹部5,6を有する。下面側部に位置する凹部5は、後述するポートP1,P2及び複数の棚部分21,23の各々における凸部に対応するサイズに形成されている。一方、下面中央部に位置する凹部6は、後述する載置部31に設けられた凸部32に対応するサイズに形成されている。
【0043】
レールR1は、本発明に係る「軌道」の一例として、半導体素子製造施設の天井に敷設されており、ビークル10が走行するための軌道の役割を果たす。レールR1の下方且つこれに隣接する位置に、各種製造装置及びストッカ20等が設置されている。レールR1において、ポートP1,P2の鉛直上方に位置するレール部分は、入出庫位置として設定されている。
【0044】
図2において、ビークル10は、本発明に係る「搬送車」の一例として、リニアモータを動力源とするOHT(天井走行車)であって、レールR1に沿って走行し、FOUP3を搬送すると共に、レールR1上の入出庫位置で停止し、各種製造装置及びストッカ20等に夫々備えられたポート(例えば、ポートP1)との間でFOUP3を移載可能に構成されている。ビークル10は、本体部10a、ホイスト11、ベルト12及びグリッパ13を備えており、これら各部は、ビークルコントローラ101により制御される。
【0045】
本体部10aは、内部に、FOUP3全体を収容可能な空間を有する。この空間は、下方及び少なくとも一側方(具体的には、図2における本体部10aの右側方)に開放されている。即ち、本体部10aにおいて、空間の下方に位置する開口は、本体部10a内部に収容されているFOUP3が鉛直方向に昇降可能であるサイズに形成されている。また、空間の一側方に位置する開口H0は、ポートP1,P2に載置されたFOUP3が前記一側方に水平移動可能であるサイズに形成されている。
【0046】
ホイスト11は、ビークル10内部に取り付けられている。ホイスト11は、ベルト12と共に本発明に係る「昇降手段」の一例を成しており、アクチュエータ或いはモータにより駆動され、ベルト12を巻き上げ又は巻き下げ可能に構成されている。ベルト12について、その一端がホイスト11に固定され、その他端がグリッパ13に固定されている。グリッパ13は、本発明に係る「保持手段」の一例として、アクチュエータ或いはモータにより駆動され、フランジ4を把持することによりFOUP3を保持する保持状態、及びFOUP3(言い換えれば、フランジ4)を解放する解放状態間で変位可能に構成されている。
【0047】
ホイスト11は、ベルト12の巻き上げ又は巻き下げ動作により、グリッパ13を昇降する。このグリッパ12(言い換えれば、FOUP3)の昇降距離は、例えば、ポートP1,P2に、本発明に係る「位置決め手段」の一例たる位置決めピンが設けられている場合、その位置決めピンの長さに若干の有余を加えた距離とする。
【0048】
ストッカ20は、本発明に係る「第1の保管庫」の一例として、ビークル10により搬送されるFOUP3を複数収容或いは保管可能である。ストッカ20は、本体部20a、ポートP1,P2、複数の棚部分21,23、自動搬送装置30、並びにバッファ装置40を備える。
【0049】
本体部20a(即ち、本発明に係る「筐体又はフレーム」の一例)には、レールR1側の側面(即ち、図1における右面)に、入出庫用の2つの開口H1,H2が設けられている。2つの開口H1,H2は、本発明に係る「出入口」の一例として、ポートP1,P2に夫々隣接しており、ポートP1又はP2と本体部20a内部との間で、FOUP3を出し入れ可能であるサイズに形成されている。本体部20a内部には、複数の棚部分21,23、自動搬送装置30及びバッファ装置40が設けられている。尚、本実施形態では、ストッカ20における、2つの開口H1,H2のうち一の開口H1に係る構成及び動作について詳述し、開口H1と同一の他の開口H2に係る構成及び動作については省略することとする。
【0050】
ポートP1は、本発明に係る「入出庫ポート」の一例として、本体部20aのレールR1側の外面に開口H1に隣接して、且つビークル10とストッカ20との間でFOUP3を移載可能にレールR1の鉛直下方向に設けられている。ポートP1は、ビークル10から移載されたFOUP3を、出入口H1を介して、本体部20a内部へ向けて水平移動可能なコンベア41を備える。
【0051】
コンベア41は、本発明に係る「外内移動手段」の一部として機能し、アクチュエータ或いはモータにより駆動され、ポートP1上のFOUP3を、複数の棚部分21,23のうち、開口H1に隣接する棚部分(即ち、図2において二点鎖線で示されるエリアA1に位置する)上に水平移動するように構成されている。コンベア41は、FOUP3の下面側部を支持可能な載置面(即ち、本発明に係る「第2載置面」の一例)を夫々有する、一対のコンベア部分41a,41bから構成されている。これら載置面は、入出庫位置に停止したビークル2の下面から、鉛直下方向に距離L1(即ち、図2に示される)をとった高さに夫々設定されている。距離L1は、FOUP3の1つ分の高さより短いものとする。
【0052】
複数の棚部分21,23について、鉛直方向に7段、各段における水平一方向(即ち、図1における前後方向)に3列、且つ各段における厚み方向(即ち、図1における左右方向)に2列として、合計42個の棚部分が設置可能である。本実施形態では、最上段における厚み方向(即ち、図3における左右方向)の2列のうち開口H1側の1列について、水平一方向(即ち、図3における上下方向)に通例3個であるところを2個のみとしている。即ち、複数の棚部分21,23は、合計41個の棚部分から構成されることとなる。
【0053】
図3において、複数の棚部分21,23のうち、上述した最上段における開口H1側の2個の棚部分23は、本発明に係る「一の棚部分」及び「二の棚部分」の一例として、相互に連結されている。2個の棚部分23は、後述する変位機構により駆動され、レールR1の方位に対し平行な方向(即ち、水平一方向)に移動可能に構成されている。各棚部分23は、FOUP3の下面側部を支持可能な載置面(即ち、本発明に係る「第2載置面」の一例)を夫々有する、一対の載置部23a,23bから構成されている。
【0054】
他方、複数の棚部分21,23のうち、2個の棚部分23より他の各棚部分21は、移動することなく、FOUP3の下面側部を支持可能な載置面(即ち、本発明に係る「第2載置面」の一例)を有し、その載置面は、例えばコの字型に形成されている。各載置面には、凸部22が設けられている。凸部22は、FOUP3の下面側部に形成された凹部5に係合可能であるサイズに形成されている。
【0055】
自動搬送装置30は、本発明に係る「内部移動手段」の一例として、ストッカコントローラ102の制御により、複数の棚部分21,23間でFOUP3を自動的に搬送可能な保管庫内搬送装置たるスタッカ(或いはスタッカロボット)である。自動搬送装置30は、載置部31、本体部30a、鉛直ガイド部34及び水平伸縮旋回アーム(以下、適宜単に「アーム」と称する)35を備えており、スライドガイド33、鉛直ガイド部34及び水平伸縮旋回アーム35の各部が、ストッカコントローラ102により制御される。
【0056】
載置部31は、複数のローラ33による水平一方向への駆動、鉛直ガイド部34による鉛直方向への駆動、及びアーム35による厚み方向への駆動により、複数の棚部分21,23間を往復移動可能に構成されている。載置部31は、FOUP3の下面中央部を支持可能な載置面(即ち、本発明に係る「第1載置面」の一例)を有する。図3において、載置部31は、その載置面に、凸部32を有する。凸部32は、FOUP3の下面中央部に形成された凹部6に対応するサイズに形成されており、FOUP3の移載時にこの凹部6に係合される。
【0057】
本体部30aの底面には、アクチュエータ或いはモータにより駆動する複数のローラ33が、ストッカ20内部の床面に敷設されたレールR20上を回転可能に取り付けられている。本体部30aには、上下方向に、鉛直ガイド部34が固定されている。本体部30aは、複数のローラ33の回転により、鉛直ガイド部34(言い換えれば、載置部31)を水平一方向に移動可能に構成されている。
【0058】
鉛直ガイド部34には、アーム35が鉛直方向にのみ移動可能に取り付けられている。鉛直ガイド部34は、アクチュエータ或いはモータにより鉛直方向に回動する機構34aと、該機構34aにおける回動部位に固定された回動部34bとから成っている。鉛直ガイド部34は、機構34aの動作により、回動部34bの上面に旋回自在に取り付けられたアーム35(言い換えれば、載置部31)を鉛直方向に往復移動可能に構成されている。
【0059】
アーム35には、載置部31が厚み方向にのみ移動可能に取り付けられている。アーム35は、上下方向に連結された2つのアーム部から成っている。これら2つのアーム部は、アクチュエータ(例えば、油圧シリンダ等)或いはモータにより相互に旋回することにより、厚み方向に伸縮自在に構成されている。アーム35は、2つのアーム部の動作により、2つのアーム部のうち上方のアーム部に固定された載置部31を厚み方向に往復移動可能に構成されている。
【0060】
バッファ装置40は、本発明に係る「棚部分変位手段」の一例として、2個の棚部分23を一体に変位可能に構成されている。バッファ装置40は、2個の棚部分23、該2個の棚部分23を水平一方向に連結する連結部47、及び後述する変位機構を備える。
【0061】
次に、図4を参照して、バッファ装置40の変位機構について詳細に説明する。ここに図4は、図3のバッファ装置40の外観を詳細に示す斜視図である。
【0062】
図4において、変位機構は、変位ガイド48、モータ49及びボール螺子50から構成されており、モータ49がストッカコントローラ102により制御される。
【0063】
連結部47の下部には、水平一方向に敷設された変位ガイド48が嵌合されている。また、連結部47には、モータの駆動により回転するボール螺子50が取り付けられている。連結部47は、このボール螺子50の回転により、変位ガイド48に沿って水平一方向に往復移動し、2個の棚部分23のうちのいずれかを開口H1に隣接する位置に配置するように構成されている。
【0064】
上述した変位機構により、開口H1に隣接する位置に配置された各棚部分23は、本発明に係る「外内移動手段」の一部として機能し、各載置面上のFOUP3をポートP1上に水平移動するように構成されている。次に、こうした各棚部分23の構成について説明する。
【0065】
各棚部分23は、FOUP3の下面側部を支持可能な一対の搬送ベルト23a,23b、駆動源たるモータ43、該モータ43の駆動により回転する駆動ローラ44、該駆動ローラ44と共に一方の搬送ベルト23aを回動する補助ローラ45、及び一方の搬送ベルト23aの回動を他方の搬送ベルト23bに伝達する伝達シャフト46から構成されている。尚、本実施形態では、上述したコンベア41は、各棚部分23と同一の要素を備えると共に、各棚部分23と同様に機能し、ポートP1上のFOUP3を、開口H1に隣接する棚部分23上に移動するように構成されている。
【0066】
再び図1において、搬送指示部100は、メインコントローラたる製造指示部における半導体素子製造スケジュールに基づいてFOUP3の搬送スケジュールを作成し、該搬送スケジュールに基づいて、ビークルコントローラ101及びストッカコントローラ102を制御可能に構成された、MCS(Material Control System)である。搬送指示部100は、ビークルコントローラ101に対し、ビークル10によるFOUP3の搬送を指示すると共に、ストッカコントローラ102に対し、ストッカ20内部におけるFOUP3の搬送を指示可能に構成されている。
【0067】
ビークルコントローラ101は、搬送指示部100の指示により、ビークル10各部を制御し、レールR1に沿ったFOUP3の搬送を実行すると共に、各種製造装置及びストッカ20等との間でFOUP3の移載を実行可能に構成されている。
【0068】
ストッカコントローラ102は、搬送指示部100の指示により、ポートP1及び自動搬送装置30の各部を制御し、ビークル10との間でポートP1を介してFOUP3の移載(即ち、入庫若しくは出庫)を実行すると共に、自動搬送装置30各部を制御し、ストッカ20内部におけるFOUP3の搬送(即ち、保管庫内搬送)を実行可能に構成されている。また、ストッカコントローラ102は、本発明に係る「制御手段」の一例として、バッファ装置40の各部を制御し、連続する入庫及び出庫に対応すべく、後述する第1連続入庫処理及び第1連続出庫処理を実行可能に構成されている。即ち、上述した入庫若しくは出庫と保管庫内搬送との動作間で、保管庫内バッファたる2個の棚部分23(以下、個々の棚部分23を区別するため「バッファB1,B2」と称する)を使用してFOUP3の一時的収容或いは保管を行う。
【0069】
(第1実施形態の動作)
(第1連続入庫処理)
次に、再び図4、及び図5を参照して、ストッカコントローラ102による第1連続入庫処理について説明する。ここに図5は、第1連続入庫処理を示すフローチャートである。第1連続入庫処理では、一のビークル10により一のFOUP3が入庫された後に、二のビークル10により二のFOUP3が入庫される際の動作が示される。また、初期状態として、連結部47が、最初に入庫すべき一のFOUP3を支持可能に空荷のバッファB1が開口H1に隣接する第1位置をとるものとする。
【0070】
図5において、先ずビークルコントローラ101の制御により、一のビークル10が入出庫位置に停止される(ステップS41)。すると、一のビークル10に保持されている一のFOUP3がその底面とコンベア41の載置面とが接触する高さまで下降されると共に、一のFOUP3がグリッパ13から解放されることにより、ポートP1に移載される(ステップS42)。この際、FOUP3の上部が、ビークル10の下方で露呈されることがない。すると、ストッカコントローラ102の制御によりコンベア41が回動され、ポートP1上の一のFOUP3が、ビークル10の開口H0及びストッカ20の開口H1を介して、開口H1に隣接する、図4におけるバッファB1上に移動される(ステップS43)。この後、ビークルコントローラ101の制御により、一のビークル10が次の搬送元に向けて走行される(ステップS44)。すると、ストッカコントローラ102の制御によりモータ49が駆動され、連結部47が、第1位置から、次に入庫すべき二のFOUP3を支持可能に空荷のバッファB2が開口H1に隣接する第2位置をとるように移動される(ステップS45)。尚、ステップS45の動作は、ステップS44の動作と並行して、又はステップS44より前に行われても構わない。
【0071】
続いて、ビークルコントローラ101の制御により、二のビークル10が入出庫位置に停止される(ステップS46)。すると、二のビークル10に保持されている二のFOUP3が、ポートP1に移載されると共に(ステップS47)、ストッカコントローラ102の制御により、ポートP1上の二のFOUP3が、出入口H1に隣接するバッファB2上に移動される(ステップS48)。この後、ビークルコントローラ101の制御により、二のビークル10が次の搬送元に向けて走行される(ステップS49)。すると、ストッカコントローラ102の制御により、連結部47が、第2位置から再び第1位置をとるように移動される(ステップS50)。これにより、一連の第1連続入庫処理が終了される。
【0072】
(第1連続出庫処理)
次に、再び図4、及び図6を参照して、ストッカコントローラ102による第1連続出庫処理について説明する。ここに図6は、第1連続出庫処理を示すフローチャートである。第1連続出庫処理では、一のビークル10により一のFOUP3が出庫された後に、二のビークル10により二のFOUP3が出庫される際の動作が示される。また、初期状態として、連結部47が、最初に出庫すべき一のFOUP3を支持しているバッファB1が開口H1に隣接する第1位置をとるものとする。
【0073】
図6において、先ずビークルコントローラ101の制御により、一のビークル10が入出庫位置に停止される(ステップS51)。すると、ストッカコントローラ102の制御によりバッファB1の搬送ベルト23a,23bが回動され、バッファB1上の一のFOUP3が、ストッカ20の開口H1及びビークル10の開口H0を介してポートP1上に移動される(ステップS52)。すると、ビークルコントローラ101の制御により、ポートP1上の一のFOUP3がグリッパ13に保持されると共に、一のFOUP3がその底面とコンベア41の載置面とが非接触となる高さまで上昇されることにより、一のビークル10に移載される(ステップS53)。この後、一のビークル10が次の搬送先に向けて走行される(ステップS54)。すると、ストッカコントローラ102の制御によりモータ49が駆動され、連結部47が、第1位置から、次に出庫すべき二のFOUP3を支持しているバッファB2が開口H1に隣接する第2位置をとるように移動される(ステップS55)。尚、ステップS55の動作は、ステップS53及びステップS54の動作と並行して、又はステップS53及びステップS54より前に行われても構わない。
【0074】
続いて、ビークルコントローラ101の制御により、二のビークル10が入出庫位置に停止される(ステップS56)。すると、ストッカコントローラ102の制御により、バッファB2上の二のFOUP3が、ポートP1上に移動される(ステップS57)。すると、ビークルコントローラ101の制御により、ポートP1上の二のFOUP3が、二のビークル10に移載される(ステップS58)。この後、二のビークル10が次の搬送先に向けて走行される(ステップS59)。すると、ストッカコントローラ102の制御により、連結部47が、第2位置から、初期状態をとるべく第1位置をとるように移動される(ステップS60)。これにより、一連の第1連続出庫処理が終了される。
【0075】
以上のように、本実施形態の第1連続出庫処理によれば、ポートP1からストッカ20内部に移動されたFOUP3を一時的に載置可能であるバッファB1,B2を少なくとも2つ設けると共に、各入出庫に際して該2つのバッファB1,B2のうちのどちらかを開口H1に交互に隣接させる。これにより、自動搬送装置30の動作性に関わらず、ポートP1からの連続する出庫を効率的に行うことが可能である。
【0076】
また、本実施形態の第1連続入庫処理及び第1連続出庫処理によれば、ポートP1及び入出庫位置に停止されたビークル10間の鉛直方向の距離L1を、FOUP3の一つ分の高さより短くして、移載時にFOUP3の少なくとも上部を露呈させない。これにより、FOUP3の大型化以前と比較して、ポートP1の鉛直方向の配置が下がらない。従って、FOUP3の大型化に対応しつつ安全上の高さを維持することが可能となる。
【0077】
(第2実施形態)
(第2実施形態の構成)
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る保管庫の構成について説明する。ここに図7は、第2実施形態に係る保管庫の内部構造を模式的に示す他方向断面図であり、図8は、第2実施形態に係る外内移動手段及び棚部分間移動手段の外観を詳細に示す斜視図である。尚、第2実施形態では、第1実施形態と同一に構成される要素について、同一の符号を付与すると共に、その説明について適宜省略する。
【0078】
図7において、ストッカ120は、本発明に係る「第2の保管庫」の一例として、ポートP1、複数の棚部分21,123及び自動搬送装置30の他に、ポート間移動装置150及びバッファ間移動装置160を備える。
【0079】
ポート間移動装置150は、本発明に係る「外内移動手段」の一例として、ポートP11、及び2個の棚部分123(即ち、バッファB11及びバッファB12)のうち開口H11に隣接する棚部分たるバッファB11間でFOUP3を移動可能に構成されている。ポート間移動装置150は、FOUP3の下面中央部を支持可能なアーム151(即ち、本発明に係る「載置部」の一例)、及び後述する移動部を備える。
【0080】
図8において、ポート間移動装置150における移動部は、横行ガイド153、横行モータ154、本体部155、昇降部156及び昇降モータ157から構成されており、横行モータ154及び昇降モータ157がストッカコントローラにより制御される。
【0081】
本体部155の下部には、横行ガイド153が嵌合されている。横行ガイド153は、ポートP11の下方に厚み方向に設置されており、横行モータ154により厚み方向に回動するコンベアを含んでいる。本体部155は、このコンベアの回動により、アーム151を厚み方向に往復移動可能に構成されている。本体部155の上面には、昇降部156が鉛直方向にのみ移動可能に取り付けられている。昇降部156は、昇降モータ157により鉛直方向に往復移動可能に構成されている。
【0082】
バッファ間移動装置160は、本発明に係る「棚部分間移動手段」の一例として、2個の棚部分123(即ち、バッファB11及びバッファB12)間でFOUP3を移動可能に構成されている。バッファ間移動装置160は、ポート間移動装置150のアーム151と同様のアーム161、及び後述する移動部を備える。
【0083】
バッファ間移動装置160における移動部は、横行ガイド163、横行モータ164、本体部165、昇降ガイド166及び昇降モータ167から構成されており、横行モータ164及び昇降モータ167がストッカコントローラにより制御される。
【0084】
本体部165には、横行ガイド163が嵌合されている。横行ガイド163は、バッファB11及びバッファB12の上方に水平一方向に設置されており、横行モータ164により水平一方向に回動するローラを含んでいる。本体部165は、このローラの回動により、アーム161を水平一方向に往復移動可能に構成されている。また、本体部165の上面には、昇降ガイド166が鉛直方向に設置されている。昇降ガイド166は、昇降モータ167により鉛直方向に回動するローラを含んでいる。本体部165は、このローラの回動により、アーム161を鉛直方向に往復移動可能に構成されている。
【0085】
ポート間移動装置150及びバッファ間移動装置160に共通する各アーム151,161は、FOUP3の下面中央部を支持可能な三角形の載置面(即ち、本発明に係る「第1載置面」の一例)を有する。一方、ポートP11は、FOUP3の下面側部を支持可能なコの字型の載置面(即ち、本発明に係る「第2載置面」の一例)を有する。また、バッファ間移動装置160が対応するバッファB11及びバッファB12の各々は、FOUP3の下面側部を支持可能な矩形の載置面(即ち、本発明に係る「第2載置面」の一例)を夫々有する、一対の載置部123a,123bから構成されている。即ち、アーム151,161の載置面、及びポートP11又はバッファB11,B12の載置面は、相互に相補の平面形状を有している。このような2つの載置面間で、FOUP3の移載が行われる。
【0086】
(第2実施形態の動作)
(第2連続入庫処理)
次に、再び図8、及び図9を参照して、ストッカコントローラによる第2連続入庫処理について説明する。ここに図9は、第2連続入庫処理を示すフローチャートである。第2連続入庫処理では、図5の第1連続入庫処理と同様にして、一のビークル10により一のFOUP3が入庫された後に、二のビークル10により二のFOUP3が入庫される際の動作が示される。また、初期状態として、バッファB11は、最初に入庫すべき一のFOUP3を支持可能に空荷であって、バッファ間移動装置160のアーム161は、ポート間移動装置150のアーム151の移動を妨げないようにバッファB12側に位置するものとする。
【0087】
図9において、先ずビークルコントローラの制御により、一のビークル10が入出庫位置に停止される(ステップS61)。すると、一のビークル10に保持されている一のFOUP3がその底面とコンベア141の載置面とが接触する高さまで下降されると共に、一のFOUP3がグリッパ13から解放されることにより、ポートP11に移載される(ステップS62)。すると、ストッカコントローラの制御によりアーム151が厚み方向及び鉛直方向に移動され、ポートP11及びバッファB11の載置面に対し高低することにより、ポートP11上の一のFOUP3が、ビークル10の開口H0及びストッカ120の開口H11を介してバッファB1上に移動される(ステップS63)。この後、ビークルコントローラの制御により、一のビークル10が次の搬送元に向けて走行される(ステップS64)。すると、ストッカコントローラの制御によりアーム161が厚み方向及び鉛直方向に移動され、バッファB11及びバッファB12の載置面に対し高低することにより、バッファB11上の一のFOUP3が、バッファB12上に移動される(ステップS65)。
【0088】
続いて、ビークルコントローラの制御により、二のビークル10が入出庫位置に停止される(ステップS66)。すると、二のビークル10に保持されている二のFOUP3が、ポートP11に移載されると共に(ステップS67)、ストッカコントローラの制御により、ポートP11上の二のFOUP3がバッファB1上に移動される(ステップS68)。この後、ビークルコントローラの制御により、二のビークル10が次の搬送元に向けて走行される(ステップS69)。すると、ストッカコントローラの制御により、バッファB11上の二のFOUP3が、バッファB12上に移動される(ステップS70)。これにより、一連の第2連続入庫処理が終了される。
【0089】
(第2連続出庫処理)
次に、再び図8、及び図10を参照して、ストッカコントローラによる第2連続出庫処理について説明する。ここに図10は、第2連続出庫処理を示すフローチャートである。第2連続出庫処理では、図6の第1連続出庫処理と同様にして、一のビークル10により一のFOUP3が出庫された後に、二のビークル10により二のFOUP3が出庫される際の動作が示される。また、初期状態として、バッファB11は、最初に出庫すべき一のFOUP3を支持しており、バッファ間移動装置160のアーム161は、ポート間移動装置150のアーム151の移動を妨げないようにバッファB12側に位置するものとする。
【0090】
図10において、先ずビークルコントローラの制御により、一のビークル10が入出庫位置に停止される(ステップS71)。すると、ストッカコントローラの制御によりアーム151が厚み方向及び鉛直方向に移動され、バッファB11及びポートP11の載置面に対し高低することにより、バッファB11上の一のFOUP3が、ポートP11上に移動される(ステップS72)。すると、ビークルコントローラの制御により、ポートP11上の一のFOUP3がグリッパ13に保持されると共に、一のFOUP3が底面とコンベア141の載置面とが非接触となる高さまで上昇されることにより、一のビークル10に移載される(ステップS73)。この後、一のビークル10が次の搬送先に向けて走行される(ステップS74)。すると、ストッカコントローラの制御によりアーム161が厚み方向及び鉛直方向に移動され、バッファB12及びバッファB11の載置面に対し高低することにより、バッファB12上の二のFOUP3が、バッファB11上に移動される(ステップS75)。
【0091】
続いて、ビークルコントローラの制御により、二のビークル10が入出庫位置に停止される(ステップS76)。すると、ストッカコントローラの制御により、バッファB2上の二のFOUP3が、ポートP11上に移動される(ステップS77)。すると、ビークルコントローラの制御により、ポートP11上の二のFOUP3が、二のビークル10に移載される(ステップ78)。この後、二のビークル10が次の搬送先に向けて走行される(ステップS79)。すると、ストッカコントローラの制御により、アーム161が、初期状態をとるべくバッファB12側に移動される。これにより、一連の第2連続出庫処理が終了される。
【0092】
以上のように、本実施形態の第2連続出庫処理によれば、ポートP11からストッカ120内部に移動されたFOUP3を一時的に載置可能であるバッファB11,B12を少なくとも2つ設けると共に、開口H11に隣接するバッファB11にFOUP3が載置されるや否や、バッファB11に隣接するバッファB12にそのFOUP3を退かす。これにより、自動搬送装置30の動作性に関わらず、ポートP11からの連続する出庫を効率的に行うことが可能である。
【0093】
次に、図11を参照して、本発明に係る保管庫の一例について説明する。図11は、本発明に係る保管庫の一例を備える搬送システムの外観を示す斜視図である。
【0094】
図11において、ストッカ220本体には、第1開口H21及び第2開口H22が設けられている。ストッカ220は、第1開口H21に隣接する第1ポートP21、及び第2開口H22に隣接する第2ポートP22を備える。こうしたストッカ220の各部を制御するストッカコントローラは、第1ポートP21を入庫専用のポートとして、第2ポートP22を出庫専用のポートとして設定する。この場合、第1及び第2のポートP21,22に対し、上述した保管庫内バッファを機能させることにより、ストッカ220において入出庫されるFOUP3の数を増倍させることが可能である。また、特に、入庫専用の第1ポートP21に対してのみ、2つの保管庫内バッファを機能させることにより、出庫よりも所要時間が長いとされる入庫に係る時間を短縮し、連続する入庫をより効率的に行うことが可能である。
【0095】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う保管庫もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0096】
3…FOUP(荷)、10…ビークル(天井走行車)、20…ストッカ(保管庫)、21,23…複数の棚部分、30…自動搬送装置、40…バッファ装置、102…ストッカコントローラ、1000…搬送システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井又は該天井側に敷設された軌道に沿って走行すると共に荷を搬送する搬送車との間で前記荷の入出庫が行われる保管庫であって、
内部が鉛直方向に複数段に分断されていると共に、前記荷を出し入れ可能な出入口が、前記複数段のうち少なくとも一つの段に少なくとも一つ設けられている筐体又はフレームと、
該筐体又はフレーム外にて前記出入口に隣接しており、前記荷を載置可能である入出庫ポートと、
前記筐体又はフレーム内にて前記荷を少なくとも水平一方向に往復移動可能であると共に前記鉛直方向に往復移動可能な内部移動手段と、
前記筐体又はフレーム内に、前記複数段の各々において前記少なくとも水平一方向に広がるように配列されており、前記内部移動手段により移動される荷を収容又は載置可能に夫々構成されている複数の棚部分と、
該複数の棚部分のうち相互に連結される一の棚部分及び二の棚部分を、前記一の棚部分が前記出入口に隣接する第1位置と、前記二の棚部分が前記出入口に隣接する第2位置との間で、一体に変位可能な棚部分変位手段と、
前記第1位置に変位された前記一の棚部分又は前記第2位置に変位された前記二の棚部分と、前記入出庫ポートとの間で、前記出入口を介して前記荷を水平移動可能な外内移動手段と
を備えることを特徴とする保管庫。
【請求項2】
前記一の棚部分及び前記二の棚部分は、前記軌道の方位に平行な方位に連結されており、
前記棚部分変位手段は、前記一の棚部分及び前記二の棚部分を、前記平行な方位に往復移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の保管庫。
【請求項3】
当該保管庫は、複数の前記荷を入庫すべき場合に、
一の前記搬送車から前記入出庫ポートに載置された一の前記荷が、前記入出庫ポートから前記一の棚部分に水平移動するように前記外内移動手段を制御し、
続いて前記一の棚部分及び前記二の棚部分が前記第1位置から前記第2位置に変位するように前記棚部分変位手段を制御し、
続いて二の前記搬送車から前記入出庫ポートに載置された二の前記荷が、前記入出庫ポートから前記二の棚部分に水平移動するように前記外内移動手段を制御する
制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の保管庫。
【請求項4】
天井又は該天井側に敷設された軌道に沿って走行すると共に荷を搬送する搬送車との間で前記荷の入出庫が行われる保管庫であって、
内部が鉛直方向に複数段に分断されていると共に、前記荷を出し入れ可能な出入口が、前記複数段のうち少なくとも一つの段に少なくとも一つ設けられている筐体又はフレームと、
該筐体又はフレーム外にて前記出入口に隣接しており、前記荷を載置可能である入出庫ポートと、
前記筐体又はフレーム内にて前記荷を少なくとも水平一方向に往復移動可能であると共に前記鉛直方向に往復移動可能な内部移動手段と、
前記筐体又はフレーム内に、前記複数段の各々において前記少なくとも水平一方向に広がるように配列されており、前記内部移動手段により移動される荷を収容又は載置可能に夫々構成されている複数の棚部分と、
該複数の棚部分のうち前記出入口に隣接する一の棚部分と、前記入出庫ポートとの間で、前記出入口を介して前記荷を水平移動可能な外内移動手段と、
前記一の棚部分と、前記複数の棚部分のうち前記一の棚部分に隣接する二の棚部分との間で、前記荷を水平移動可能な棚部分間移動手段と
を備えることを特徴とする保管庫。
【請求項5】
前記外内移動手段及び前記棚部分間移動手段は、
前記荷をその底側から支持可能な第1載置面を有する載置部と、
該載置部を、前記一の棚部分及び前記入出庫ポート間で、又は前記一の棚部分及び前記二の棚部分間で往復移動可能である移動部と
を夫々有し、
前記入出庫ポート、前記一の棚部分及び前記二の棚部分は、前記第1載置面との間で前記荷を相互に移載可能に構成されている第2載置面を夫々有する
ことを特徴とする請求項4に記載の保管庫。
【請求項6】
当該保管庫は、複数の前記荷を入庫すべき場合に、
一の前記搬送車から前記入出庫ポートに載置された一の前記荷が、前記入出庫ポートから前記一の棚部分に水平移動するように前記外内移動手段を制御し、
続いて前記一の棚部分に水平移動された前記一の荷が前記二の棚部分に水平移動するように前記棚部分移動手段を制御し、
続いて二の前記搬送車から前記入出庫ポートに載置された二の前記荷が、前記入出庫ポートから前記一の棚部分に水平移動するように前記外内移動手段を制御する
制御手段を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の保管庫。
【請求項7】
前記入出庫ポートは、前記軌道における所定の入出庫位置に停止された前記搬送車との間に、前記荷の一つ分の高さより短い距離を有する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の保管庫。
【請求項8】
前記入出庫ポートは、前記載置された荷の位置決めを行う位置決め手段を有し、
前記搬送車は、
前記入出庫位置に停止された際に、前記外内移動手段により水平移動する荷が通過可能に開いている開口を規定する本体部と、
該本体部の内部に前記荷を保持可能な保持手段と、
該保持手段により保持された荷を、前記位置決め手段により位置決めした位置決め位置又は該位置決め位置から解除した解除位置に変位させるように昇降可能な昇降手段と
を有することを特徴とする請求項7に記載の保管庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−6222(P2011−6222A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152695(P2009−152695)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(309031466)ムラテックオートメーション株式会社 (52)
【Fターム(参考)】