説明

傾斜計を用いて関節アーム座標測定機の取り付けの安定性を評価するための方法

可搬型の関節アーム座標測定機が、基部と、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含む、アーム部と、トランスデューサからの位置信号を受信する電子回路と、基部に結合された第1の傾斜計であって、基部の傾斜の角度に応じた第1の電気信号を生成するように構成された、第1の傾斜計と、第1の傾斜計の第1の読み取り値および第1の傾斜計の第2の読み取り値を記録するように構成された電気的システムであって、第1の読み取り値が、基部に加えられた第1の力および取り付け構造に加えられた第3の力のうちの少なくとも1つに応じたものであり、第2の読み取り値が、基部に加えられた第2の力および取り付け構造に加えられた第4の力のうちの少なくとも1つに応じたものである、電気的システムとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より具体的には、可搬型の関節アーム座標測定機の傾斜を測定するように構成された傾斜計を有する可搬型の関節アーム座標測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,402,582号明細書
【特許文献2】米国特許第5,611,147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
場合によっては、AACMMは、取り付け構造にしっかりと装着されない。この場合、関節アームの基部が、関節アームのプローブがさまざまな位置に動かされるときに動き、したがって、不正確な読み取り値をもたらす可能性がある。いくつかのその他の場合、アームが取り付けられる取り付け構造が動き、やはり、誤った読み取り値をもたらす可能性がある。必要とされるのは、AACMMの取り付けの、またはAACMMが装着される取り付け構造の安定性の不足を検出する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態は、基部と、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含み、アーム部が基部に結合され、基部が取り付け構造に装着される、アーム部と、トランスデューサからの位置信号を受信する電子回路と、基部に結合された第1の傾斜計であって、基部の傾斜の角度に応じた第1の電気信号を生成するように構成された、第1の傾斜計と、第1の傾斜計の第1の読み取り値および第1の傾斜計の第2の読み取り値を記録するように構成された電気的システムであって、第1の読み取り値が、基部に加えられた第1の力および取り付け構造に加えられた第3の力のうちの少なくとも1つに応じたものであり、第2の読み取り値が、基部に加えられた第2の力および取り付け構造に加えられた第4の力のうちの少なくとも1つに応じたものである、電気的システムとを含み、電気的システムが、第1の傾斜計の第1の読み取り値と第2の読み取り値の間の差に基づいて基部の安定性のパラメータを決定するようにさらに構成される可搬型の関節アーム座標測定機を含む。
【0008】
さらなる例示的な実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機の取り付けの安定性を評価する方法であって、基部を設けるステップと、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部を設けるステップであって、アーム部が、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含み、アーム部が基部に結合され、基部が取り付け構造に装着される、ステップと、トランスデューサからの位置信号を受信する電子回路を設けるステップと、基部に結合された第1の傾斜計を設けるステップであって、第1の傾斜計が、基部の傾斜の角度に応じた第1の電気信号を生成するように構成される、ステップと、第1の傾斜計の第1の読み取り値および第1の傾斜計の第2の読み取り値を記録するように構成された電気的システムを設けるステップと、基部に加えられた第1の力および取り付け構造に加えられた第3の力のうちの少なくとも1つに応じて第1の読み取り値を記録するステップと、基部に加えられた第2の力および取り付け構造に加えられた第4の力のうちの少なくとも1つに応じて第2の読み取り値を記録するステップと、第1の傾斜計の第1の読み取り値と第2の読み取り値の間の差に基づいて基部の安定性のパラメータを決定するステップと、基部の安定性のパラメータを記録するステップとを含む、方法を含む。
【0009】
さらなる例示的な実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機を実装するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータによって実行されたとき、基部を設けるステップと、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部を設けるステップであって、アーム部が、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含み、アーム部が基部に結合され、基部が取り付け構造に装着される、ステップと、トランスデューサからの位置信号を受信する電子回路を設けるステップと、基部に結合された第1の傾斜計を設けるステップであって、傾斜計が、基部の傾斜の角度に応じた第1の電気信号を生成するように構成される、ステップと、第1の傾斜計の第1の読み取り値および第1の傾斜計の第2の読み取り値を記録するように構成された電気的システムを設けるステップと、基部に加えられた第1の力および取り付け構造に加えられた第3の力のうちの少なくとも1つに応じて第1の読み取り値を記録するステップと、基部に加えられた第2の力および取り付け構造に加えられた第4の力のうちの少なくとも1つに応じて第2の読み取り値を記録するステップと、第1の傾斜計の第1の読み取り値と第2の読み取り値の間の差に基づいて基部の安定性のパラメータを決定するステップと、基部の安定性のパラメータを記録するステップとを含む方法をコンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを含むストレージ媒体を含む、コンピュータプログラム製品を含む。
【0010】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図1B】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2A】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2B】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2C】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図2D】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3A】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図3B】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】AACMMの基部に配置された傾斜計の内部の図である。
【図5】オペレータがAACMMの傾斜の変化を検出することができる例示的なグラフィカルユーザインターフェースのスクリーンショットである。
【図6】例示的な実施形態による、傾斜を検出するための方法の流れ図である。
【図7】例示的な実施形態による、AACMMの安定性を評価するための方法の流れ図である。
【図8】例示的な実施形態による、AACMMの安定性を評価するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機からの傾斜データを測定し、可搬型の関節アーム座標測定機が傾斜の変化にさらされていることをオペレータに警告するために傾斜データを表示するためのシステムおよび方法を含む。そのとき、オペレータは、傾斜の変化に気付き、修正措置を取ることができる。例示的な実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、測定動作中に可搬型の関節アーム座標測定機の動きを検出することによって、可搬型の関節アーム座標測定機が取り付け面に適切に取り付けられているかどうかを判定するための診断ツールを提供する。その他の例示的な実施形態は、取り付け構造へのAACMMの基部の不適切な取り付けと、取り付け構造自体の動きとを区別する方法を提供する。
【0013】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各群110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118の動作を決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0014】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式の角度エンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製され得る。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116のまわりの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にする利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持つ可能性がある。
【0015】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取り外し可能なように取り付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取り外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にする利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形の、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有する可能性がある取り外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取り外し可能なハンドル126を置き換える可能性がある。そのような測定デバイスの例は、例えば、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0016】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にする利点をもたらす取り外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取り外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0017】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110、112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸のまわりを動くことを可能にする。述べられたように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸のまわりのアームセグメント106、108のそれぞれのアームセグメントの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0018】
基部116は、装着デバイスまたは取り付けデバイス120を含み得る。取り付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取り外し可能なように取り付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイスクリーンなどのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0019】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する基部処理システムと、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含むユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含むまたは収容する。
【0020】
基部116内の電子データ処理システムは、基部116から離れて配置されたエンコーダシステム、センサ、およびその他の周辺ハードウェア(例えば、AACMM100上の取り外し可能なハンドル126に取り付けられることができるLLP)と通信することができる。これらの周辺ハードウェアデバイスまたは特徴をサポートする電子機器は、可搬型のAACMM100内に配置された軸受カートリッジの群110、112、114のそれぞれに配置され得る。
【0021】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜基板208とを含む電子データ処理システム210を含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0022】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読み取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に装着され得る。
【0023】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行される可能性がある。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダシステムは、軸受カートリッジの群110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Inc.から販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0024】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0025】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0026】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット機能320を介してイーサネットネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、およびパラレル・シリアル通信(PSC)機能314を介してBluetoothモジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0027】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読み取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0028】
ここで図3のユーザインターフェース基板202に目を向けると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまな動作の特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含むいくつかのインターフェースオプションを含む。
【0029】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0030】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、図3に示された位置とは異なる位置に物理的に配置される、および/または図3に示された方法とは異なる方法で組み合わされた機能である可能性がある。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合わされる。
【0031】
図4は、AACMM100の基部116に配置された傾斜計160の内部の図を示す。傾斜計は、基部116に結合される回路基板に結合するための標準的な電気的コンポーネント366である可能性がある。代替的に、傾斜計は、AACMM100のその他の部分の中に配置され得る。傾斜計のための2つのあり得る位置は、基部116の動かない部分に、および基部116の動かない部分の直上のスイベルの領域にある。後者の位置においては、傾斜計のオフセットおよび利得の補償が、ユーザがAACMM100をスイベルの軸まわりに回転させるときの傾斜計160の読み取り値を観測することによって得られる可能性がある。概して、重力ベクトルに対してほぼ垂直である2つの垂直な方向に沿った傾斜を測定することが重要である。そのような測定は、2つ以上の方向の傾斜を測定する単一の傾斜計を用いて、または複数の1軸傾斜計を用いて行われ得る。
【0032】
アーム部104の動作中の取り付け構造(ここでは取り付け構造401として示される)に対する基部116の傾斜の変化を検出するための1つ以上の傾斜計(すなわち、傾斜センサ)160の基部116への組み込みは、ユーザが、AACMM100が取り付け面に適切に取り付けられているかどうかを判定することを可能にする。取り付け面401は、傾斜計405をさらに含み得る。例示的な実施形態において、本明細書に記載の方法は、傾斜計160、405からの傾斜データを測定および比較して、取り付け構造401、または基部116、または取り付け構造401と基部116の両方のいずれかの傾斜の変化を判定することができる。
【0033】
取り付け構造は、さまざまな形態をとる可能性がある。AACMM100の1つのよくある取り付け構造は、計器スタンドまたは頑丈な三脚である。別のよくある取り付け構造は、定盤(例えば、平滑な花崗岩プレート)などの平滑な表面である。
【0034】
基部116の小さな傾斜角の変化は、プローブチップ118の3次元位置の計算の比較的大きな誤差につながる可能性がある。そのような傾斜の変化は、基部116が取り付け構造にしっかりと留められていない場合に生じ得る。この場合、傾斜は、AACMM100の内部のカウンタバランスばね(counterbalance spring)(図示せず)によって基部116に加えられるトルクの変化が原因で変わる可能性がある。傾斜は、AACMMの動作中の、変化するモーメントアームの距離による、アームセグメント106、108の重さが広げられるときのAACMMの基部116に加えられるトルクの変化が原因でやはり変わる可能性がある。
【0035】
1つ以上の精密傾斜計160によってAACMMの動作中に基部116の実際の傾斜を監視することによって、オペレータにAACMM100の取り付けの問題を警告することができる。オペレータは、搭載されたコンピュータまたはホストコンピュータによって実行されるソフトウェアに1つ以上の傾斜計160から提供されるデータによってAACMM100の問題のある取り付けを警告され得る。代替的に、データは、警告灯を点けるか、警告音を作動させるか、または何らかのその他の方法でユーザに問題を知らせるために使用され得る。1つ以上の傾斜計160は、設置評価アプリケーションの一部として直接、または警告システムの一部として自動的にアクセスされる自己診断ソフトウェアルーチンに組み込まれ得る。
【0036】
例示的な実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、傾斜の変化を動的に測定して、AACMM100の1つ以上の部分が傾斜の変化にさらされているかどうかを判定する。これは、AACMM100のその取り付け構造への装着の不安定性を発見することを可能にする。診断アプリケーションのために、収集された傾斜データが、傾斜の実際の値ではなく傾斜の変化を測定するために調べられる。この場合、AACMM100の基部116が、5度などの何らかの特定の平均傾斜角を有するかどうかは重要ではない。むしろ、傾斜角の変化が、AACMM100の測定値が誤差の影響を受けやすいことを示すのに十分である。このようにして、AACMM100のオペレータは、修正措置を取るように警告され得る。
【0037】
図5は、オペレータがAACMM100の傾斜の変化を検出することができる例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)505のスクリーンショット500を示す。例示的な実施形態において、GUI505は、AACMM100に、または外部コンピューティングデバイスに配置され得る。GUI505は、基部処理システムから測定された傾斜データを表示することができる。示されるように、x−y傾斜角のグラフ510が、GUI505に表示され得る。AACMM100の傾斜に変化がない定常状態においては、図5に示されるように、定常的なグラフが表示される。AACMM100が傾斜の変化にさらされている場合、オペレータは、グラフ510の変化を観察し、よって、何らかの傾斜の変化がAACMM100で起こっていることを知ることができる。例示的なグラフ510の中心付近に、円がある。例示的な実施形態において、この円内の点は、許容できる傾斜の変化とみなされる一方、円外の点は、過度の傾斜の変化であり、事前に設定された限度を超えて測定精度を低下させるほど大きいとみなされる。例示的な実施形態において、円の直径は、許容可能な傾斜の範囲を表す任意の所定の値である可能性がある。直径のスケールは、アームの長さ、種類、または設定に応じて定義され得る。例えば、アームが長いほど、ばねが硬く、より大きな力が、アームが関節により動かされるときに取り付け具にかけられる。したがって、アームの長さなどの要因が、傾斜角の変化に影響し、傾斜の度合いの変化に関する許容できる限度に加味され得る。例えば、誤差の円は、アームの長さに応じて定義され得る。さらに、例示的な実施形態において、傾斜計160は重力ベクトルに対する基部の絶対的な向きを示すことができるが、本明細書において説明されるように、傾斜計160は、傾斜の変化を検出するように実装される。したがって、グラフ510は、AACMM100が取り付けられた後、GUI505上で「ゼロに設定」され得る。このようにして、初めの傾斜(例えば、上述のように5度)に無関係に、グラフ510は、取り付け後の初めの傾斜が付いた状態でゼロに設定され得る。
【0038】
図6は、AACMM100が、オペレータがブロック630において測定すること、および表示することを選択する限り、ブロック610において継続的に傾斜を測定し、ブロック620において継続的に測定値を表示することができることを示す、例示的な実施形態による傾斜を検出するための方法600の流れ図である。
【0039】
上で検討された例示的な実施形態において、AACMM100に取り付けられた傾斜計160は、AACMM100が取り付けられる構造の傾斜と、取り付け構造に対するAACMM100の傾斜とに反応する可能性がある。その他の例示的な実施形態において、傾斜計は、取り付け構造およびAACMM100に配置される。傾斜の方向(例えば、xおよびy)は、取り付け構造に配置された傾斜計と、AACMM100の傾斜計160とに関してほぼそろえられ得る。この傾斜計の組み合わせの使用によって、ユーザは、問題の発生源−不適切に取り付けられたAACMM100または不安定な取り付け構造を特定するための情報を与えられる。AACMM100内の傾斜計160と、外部構造に取り付けられた傾斜計とは、すべて、基部処理システムまたは外部コンピューティングシステムと通信している可能性がある。AACMM100の取り付けが原因である傾斜の変化は、2つのセンサの両方がゼロに設定された後にそれらの2つのセンサの読み取り値の間の差を表示することによって発見され得る。例えば、AACMM100が、定盤に取り付けられる可能性があり、ウィットネスセンサ(witness sensor)が、定盤に取り付けられ、AACMM100のI/Oポートにつながれる可能性がある。次に、両方のセンサが、ゼロに設定され、GUI505が、2つのセンサの間の傾斜の差を示す。この差が小さいままである場合、そのことは、AACMM100が取り付け構造にしっかりと装着されていることを示す。例えば、オペレータが測定を行いながら定盤のまわりを歩く場合、床がたわみ、両方の傾斜計が、変移を同相モードドリフト(common mode drift)として検出し、したがって、ディスプレイ上には変移はない。オペレータがアームにぶつかるか、または取り付けが緩い場合、警告が、問題を示し得る。
【0040】
AACMM100が定盤にしっかりと取り付けられていることを示すのに加えて、傾斜計から得られる情報は、AACMM100が取り付けられる構造全体が不安定であることを示す可能性もある。これは、いくつかの状況において重要である。例えば、試験中の物体が定盤に置かれている場合、オペレータが定盤のまわりを歩くときに床が曲がるので、行われる測定から誤差は生じない。一方、アームが定盤に装着されていない物体を測定するために伸ばされている場合は、試験中の物体に対して定盤構造が曲がることが、測定誤差をもたらす可能性がある。1組の傾斜計(1つ以上の傾斜計160または取り付け板上の傾斜計)の傾斜角の変化、および2組の傾斜計の間の傾斜の差を表示することによって、問題の種類−不適切に取り付けられたアームまたは不安定な構造−が特定され得る。これらの実施形態においては、上で検討された実施形態のように、外部の座標系のいかなる知識も持つ必要がない。
【0041】
上で検討されたように、起こり得る2種類の取り付けの問題が存在し、それらの問題とはすなわち、(1)AACMM100の基部116が取り付け構造にしっかりと装着されていない可能性があること、または(2)取り付け構造が載っている台が変形するか、もしくは取り付け構造が台にしっかりと装着されていないかのいずれかの理由で、取り付け構造が動く可能性があることである。AACMM100に配置された単一の傾斜計を用いることによって、AACMM100が取り付け構造に取り付けられるときにAACMM100の安定性に問題があることを判定することができる。概して、この1つの傾斜計だけを用いて、安定性の問題が原因(1)の結果であるのか、または原因(2)の結果であるのか、または上に挙げられた(1)および(2)の何らかの組み合わせの結果であるのかを判定することはできない。第2の傾斜計を追加することによって、可能性が高い問題の原因を特定することができる。例えば、AACMM100に装着された傾斜計が傾斜角の大きな変化を示すが、取り付けスタンドが大きな変化を示さない場合、安定性の問題は、基部116の取り付け構造401への不確実な取り付けの結果である可能性が高い。オペレータがAACMM100を取り付け構造によりしっかりと留めることによる修正措置を取ることができるように、ソフトウェアが、AACMM100のオペレータにこの問題を知らせることができる。一方、AACMM100に装着された傾斜計および取り付け構造に配置された傾斜計がほぼ同じ傾斜角の変化を示す場合、問題は、不安定な取り付け具または台の結果である可能性が最も高い。例えば、AACMM100は、計器スタンドまたは三脚の形態の取り付け構造に置かれる可能性がある。この取り付け構造は、コンクリートの台の上に置かれる可能性がある。台が比較的薄い(例えば、8インチ以下の厚さ)である場合、その台は、オペレータが取り付け構造のまわりを動くときにオペレータの重さで曲がる可能性がある。上で説明されたように、この状況は、測定されている物体がAACMM100と同じ表面に配置されていない場合に測定誤差を生じる可能性がある。この問題を知ることで、オペレータは、試験場をより強固な台に移動させるか、または試験中の物体を取り付け構造上に動かすなどの修正措置を取ることができる。
【0042】
これらの取り付けの問題を示す傾斜角の変化を観測するために、力が、基部116および取り付け構造に加えられる。概して、もっぱら基部116に、または取り付け構造に力を加えることはできないが、それら両方に力を加えることはできる。例えば、基部116に、およびある程度取り付け構造に力またはトルクをかける1つの都合の良い効果的な方法は、アームセグメント106、108を動かすことである。既に説明されたように、これは、AACMM100内のカウンタバランスばねからの基部116へのトルクの変化をもたらす。AACMM100は取り付け構造に装着されているので、アームセグメント106、108を動かすことは、少なくともある程度取り付け構造にもトルクを伝える。
【0043】
基部116に、および間接的に取り付け構造に力を加える代替的な方法は、制御された力を基部構造自体に加えることである。制御された量の力が加えられる場合、そのような方法によってもたらされる傾斜の意味を解釈することは、最も易しい。そのような力は、例えば、フォースゲージによって加えられ得る。そのような力は、フォースゲージを用いて、または取り付け構造のまわりを歩くことによって取り付け構造にやはり加えられ得る。
【0044】
概括的に、AACMM100が安定して取り付けられているかどうかを確かめる際にしたがうべき手順が、図7の手順700に示されている。ステップ710は、AACMM100の基部116に第1の力を加えることである。上述のように、この力は、いくつかの方法で加えられ得るが、特に都合の良い方法は、アームセグメント106、108を第1の位置に動かすことである。力の量は、上で説明された理由によりアームセグメントの位置にしたがって変わる。ステップ720において、第1の傾斜計(AACMM100に装着された傾斜計)の第1の読み取り値が、記録される。ステップ730において、第2の力が加えられる。この第2の力は、大きさ、または方向、またはそれらの両方のいずれかの点で第1の力とは異なる可能性がある。ステップ740において、第1の傾斜計の第2の読み取り値が、記録される。第1の読み取り値および第2の読み取り値は、基部の安定性のパラメータを計算するために使用される。このパラメータは、1つ以上の数値、または状態の説明(安定もしくは不安定など)である可能性がある。
【0045】
図7は、基部の安定性を知る不可欠な要素を示す。この測定は、いくつかの方法で拡大および拡張され得る。第1に、必須の2点だけでなく、追加的な力および傾斜計の読み取り値が、取得され得る。第2に、ソフトウェアが、特定の方法でアームを動かすようにオペレータに指示することができ、アームが、その動きを監視して、アームセグメント106、108を動かすべき次の位置に関するリアルタイムのフィードバックをオペレータに提供することができる。そのような手順は、AACMM100が取り付け構造に最初に取り付けられた後にすぐに(おそらく1分間で)実行されることができる。第3に、ソフトウェアが、合/否の指示を含む試験結果を表示することができる。取り付けが良好であることを確認するための初期検査としてそのような方法を用いることに加えて、そのような方法は、周期的に繰り返されることもでき、またはそのような方法は、オペレータがアームを使用して所定の測定を行うときにバックグラウンドで実行されることができる。
【0046】
エンコーダの読み取り値が、基部116に加えられた力またはトルクを推定するために使用され得るので、傾斜計のデータが収集されるときに、これらのエンコーダの読み取り値を収集することがやはり有用である。傾斜計の読み取り値が加えられた力またはトルクに鑑みて許容できるかどうかを確かめるために、さまざまな基準が使用され得る。最も簡単な基準は、図5に関して説明された基準のような単純な範囲内かまたは範囲外かによる基準である。より複雑な基準は、直線性またはヒステリシスなどの影響を含む可能性がある。
【0047】
図8の手順800は、取り付け構造の安定性を評価する不可欠な要素を示す。ステップ810において、力(第3の力)が、取り付け構造に加えられる。この力は、上で説明されたようにアームセグメント106、108の動きにより生じる可能性があるか、またはこの力は、取り付け構造のまわりを歩くこと、もしくは取り付け構造もしくは基部116に制御された力を加えることによって生じる可能性がある。ステップ820において、第2の傾斜計(取り付け構造に装着された傾斜計)の読み取り値(第3の読み取り値)が、記録される。ステップ830において、第4の力が、取り付け構造に加えられる。ステップ840において、第2の傾斜計の第4の読み取り値が、記録される。収集されたデータから、取り付け構造の安定性のパラメータが、計算される。手順700の場合のように、手順800は、複数の点を収集することによって、およびソフトウェアを用いて力を加える際にオペレータに指示を与えることによって拡大または拡張され得る。
【0048】
AACMM100の所定の動作中、AACMM100の取り付けの安定性を確認するために評価され得るデータが、常に収集されている。精度の良い測定データがAACMM100によって生成されることを保証するための方法は、基部の安定性のパラメータまたは取り付け構造の安定性のパラメータが取り付けの安定性が良好でないことを示す場合に警告を発することである。そのような警告は、視覚的であり、例えば、ディスプレイ上のメッセージもしくは点滅するライトである可能性があるか、またはそのような警告は、音声であり、例えば、ビープ音もしくは口頭のメッセージである可能性がある。そのようなメッセージは、さらなるアクションが必要とされることを示すための、電気的デバイスに送信される電気信号である可能性もある。
【0049】
図5に示された視覚的表示に加えてその他の種類の視覚的表示が、使用され得る。例えば、0から100%までの単純なバーが、基部の安定性のパラメータおよび取り付け構造の安定性のパラメータによって示される基部および取り付け構造の安定性を示すために使用され得る。そのようなバーは、これら2つのパラメータの間の差の測定値に対しても使用され得る。その他のグラフが、時間に応じた安定性の変化を示す可能性がある。
【0050】
当業者に理解されるように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、すべてハードウェアの実施形態、すべてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはすべてが概して本明細書において「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれることがあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形態をとる可能性がある。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとる可能性がある。
【0051】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体である可能性がある。コンピュータ可読ストレージ媒体は、これらに限定されないが、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせである可能性がある。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上の配線を有する電気的な接続、持ち運び可能なコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read−only memory)(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、持ち運び可能なコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気式ストレージデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを含むかまたは記憶することができる任意の有形の媒体である可能性がある。
【0052】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部としてコンピュータ可読プログラムコードを具現化する伝播されるデータ信号を含み得る。そのような伝播される信号は、電磁的、光学的、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されないさまざまな形態のうちの任意の形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを伝達、伝播、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体である可能性がある。
【0053】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
【0054】
本発明の態様のオペレーションを実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++、C#などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語とを含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラムコードは、すべてユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的にかつ遠隔のコンピュータ上で部分的に、またはすべて遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者の場合、遠隔のコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、または外部コンピュータへの接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われ得る。
【0055】
本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/または構成図を参照して説明されている。流れ図および/または構成図の各ブロックと、流れ図および/または構成図のブロックの組み合わせとは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。
【0056】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するための手段をもたらすように、多目的コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するためのその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられ得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施する命令を含む製品をもたらすように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読媒体に記憶される可能性もある。
【0057】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータで実施されるプロセスを生成するために一連のオペレーションのステップがコンピュータ、その他のプログラム可能な装置、またはその他のデバイスで実行されるようにするために、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされる可能性もある。
【0058】
図面の流れ図および構成図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品のあり得る実装のアーキテクチャ、機能、およびオペレーションを示す。その際、流れ図または構成図の各ブロックは、(1つ以上の)規定された論理的な機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表す可能性がある。一部の代替的な実装において、ブロックで示された機能が、図面に示された順序とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続で示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行される可能性があり、またはそれらのブロックは、関連する機能に応じて逆順に実行される場合もあり得る。構成図および/または流れ図の各ブロックと、構成図および/または流れ図のブロックの組み合わせとは、規定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェアに基づくシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることも認識されるであろう。
【0059】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、
基部と、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含み、アーム部が前記基部に結合され、前記基部が取り付け構造に装着される、アーム部と、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信する電子回路と、
前記基部に結合された第1の傾斜計であって、前記基部の傾斜の角度に応じた第1の電気信号を生成するように構成された、第1の傾斜計と、
前記第1の傾斜計の第1の読み取り値および前記第1の傾斜計の第2の読み取り値を記録するように構成された電気的システムであって、前記第1の読み取り値が、前記基部に加えられた第1の力および前記取り付け構造に加えられた第3の力のうちの少なくとも1つに応じたものであり、前記第2の読み取り値が、前記基部に加えられた第2の力および前記取り付け構造に加えられた第4の力のうちの少なくとも1つに応じたものである、電気的システムとを含み、
前記電気的システムが、前記第1の傾斜計の前記第1の読み取り値と前記第2の読み取り値の間の差に基づいて基部の安定性のパラメータを決定するようにさらに構成されることを特徴とする関節アーム座標測定機(AACMM)。
【請求項2】
請求項1に記載のAACMMであって、前記第1の力が、前記複数の接続されたアームセグメントの第1の空間的配置によって生成され、前記第2の力が、前記複数の接続されたアームセグメントの第2の空間的配置によって生成されることを特徴とするAACMM。
【請求項3】
請求項2に記載のAACMMであって、基部の安定性の前記パラメータが、前記第1の空間的配置における第1のトランスデューサの読み取り値および前記第2の空間的配置における第2のトランスデューサの読み取り値にさらに基づくことを特徴とするAACMM。
【請求項4】
請求項3に記載のAACMMであって、前記電気的システムが、基部の安定性の前記パラメータを表示するようにさらに構成されることを特徴とするAACMM。
【請求項5】
請求項4に記載のAACMMであって、前記複数の接続されたアームセグメントの前記第1の空間的配置および前記第2の空間的配置への動きを指示するように構成された第1のプロセッサをさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項6】
請求項3に記載のAACMMであって、基部の安定性の前記パラメータに関する値の範囲に応じて警告を発するように構成された第2のプロセッサであって、前記警告が、音声による警告、可視的な警告、または電子デバイスに送信される第2の電気信号のうちの少なくとも1つである、第2のプロセッサをさらに含むことを特徴とするAACMM。
【請求項7】
請求項1に記載のAACMMであって、前記第1の傾斜計が、少なくとも2つの軸に沿って前記基部の傾斜の前記角度を測定することを特徴とするAACMM。
【請求項8】
請求項1に記載のAACMMであって、第2の傾斜計が、前記取り付け構造に結合され、前記取り付け構造の傾斜の角度に応じた第3の電気信号を生成するように構成されることを特徴とするAACMM。
【請求項9】
請求項8に記載のAACMMであって、前記第2の傾斜計が、少なくとも2つの軸に沿って前記取り付け構造の傾斜の前記角度を測定することを特徴とするAACMM。
【請求項10】
請求項8に記載のAACMMであって、前記電気的システムが、前記取り付け構造に加えられた第3の力に応じて前記第2の傾斜計の第3の読み取り値を記録し、前記取り付け構造に加えられた第4の力に応じて前記第2の傾斜計の第4の読み取り値を記録し、前記第2の傾斜計の前記第3の読み取り値と前記第4の読み取り値の間の差に基づいて取り付け構造の安定性のパラメータを決定するようにさらに構成されることを特徴とするAACMM。
【請求項11】
請求項10に記載のAACMMであって、前記電気的システムが、基部の安定性の前記パラメータ、取り付け構造の安定性の前記パラメータ、および基部の安定性の前記パラメータと取り付け構造の安定性の前記パラメータとの間の差のうちの少なくとも2つを表示するようにさらに構成されることを特徴とするAACMM。
【請求項12】
請求項10に記載のAACMMであって、前記電気的システムが、前記基部が前記取り付け構造にしっかりと装着されているかどうかを判定するために、前記第1の読み取り値、前記第2の読み取り値、前記第3の読み取り値、および前記第4の読み取り値を分析するようにさらに構成されることを特徴とするAACMM。
【請求項13】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の取り付けの安定性を評価する方法であって、
基部を設けるステップと、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部を設けるステップであって、前記アーム部が、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含み、前記アーム部が前記基部に結合され、前記基部が取り付け構造に装着される、ステップと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信する電子回路を設けるステップと、
前記基部に結合された第1の傾斜計を設けるステップであって、前記第1の傾斜計が、前記基部の傾斜の角度に応じた第1の電気信号を生成するように構成される、ステップと、
前記第1の傾斜計の第1の読み取り値および前記第1の傾斜計の第2の読み取り値を記録するように構成された電気的システムを設けるステップと、
前記基部に加えられた第1の力および前記取り付け構造に加えられた第3の力のうちの少なくとも1つに応じて前記第1の読み取り値を記録するステップと、
前記基部に加えられた第2の力および前記取り付け構造に加えられた第4の力のうちの少なくとも1つに応じて前記第2の読み取り値を記録するステップと、
前記第1の傾斜計の前記第1の読み取り値と前記第2の読み取り値の間の差に基づいて基部の安定性のパラメータを決定するステップと、
基部の安定性の前記パラメータを記録するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記第1の力を生成するために前記複数の接続されたアームセグメントを第1の空間的配置に動かすステップと、
前記第2の力を生成するために前記複数の接続されたアームセグメントを第2の空間的配置に動かすステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、基部の安定性の前記パラメータが、前記第1の空間的配置における第1のトランスデューサの読み取り値および前記第2の空間的配置における第2のトランスデューサの読み取り値にさらに基づくことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、基部の安定性の前記パラメータを表示するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記複数の接続されたアームセグメントの前記第1の空間的配置および前記第2の空間的配置への動きを指示するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、警告を発するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法であって、前記第1の傾斜計を用いて、少なくとも2つの軸に沿って前記基部の傾斜の前記角度を測定するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項13に記載の方法であって、前記取り付け構造に結合され、前記取り付け構造の傾斜の角度に応じた第2の電気信号を生成するように構成された第2の傾斜計を設けるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、前記第2の傾斜計を用いて、少なくとも2つの軸に沿って前記取り付け構造の傾斜の前記角度を測定するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項20に記載の方法であって、
前記取り付け構造に第3の力を加えるステップと、
前記第2の傾斜計の第3の読み取り値を記録するステップと、
前記取り付け構造に第4の力を加えるステップと、
前記第2の傾斜計の第4の読み取り値を記録するステップと、
前記第2の傾斜計の前記第3の読み取り値と前記第4の読み取り値の間の差に基づいて取り付け構造の安定性のパラメータを決定するステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、基部の安定性の前記パラメータ、取り付け構造の安定性の前記パラメータ、および基部の安定性の前記パラメータと取り付け構造の安定性の前記パラメータとの間の差のうちの少なくとも2つを表示するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、前記基部が前記取り付け構造にしっかりと装着されているかどうかを判定するために、前記第1の読み取り値、前記第2の読み取り値、前記第3の読み取り値、および前記第4の読み取り値を分析するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータによって実行されたとき、
基部を設けるステップと、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部を設けるステップであって、前記アーム部が、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含み、前記アーム部が前記基部に結合され、前記基部が取り付け構造に装着される、ステップと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信する電子回路を設けるステップと、
前記基部に結合された第1の傾斜計を設けるステップであって、前記傾斜計が、前記基部の傾斜の角度に応じた第1の電気信号を生成するように構成される、ステップと、
前記第1の傾斜計の第1の読み取り値および前記第1の傾斜計の第2の読み取り値を記録するように構成された電気的システムを設けるステップと、
前記基部に加えられた第1の力および前記取り付け構造に加えられた第3の力のうちの少なくとも1つに応じて前記第1の読み取り値を記録するステップと、
前記基部に加えられた第2の力および前記取り付け構造に加えられた第4の力のうちの少なくとも1つに応じて前記第2の読み取り値を記録するステップと、
前記第1の傾斜計の前記第1の読み取り値と前記第2の読み取り値の間の差に基づいて基部の安定性のパラメータを決定するステップと、
基部の安定性の前記パラメータを記録するステップとを含む方法を前記コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを含むストレージ媒体を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項26】
請求項25に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記方法が、
前記第1の力を生成するために前記複数の接続されたアームセグメントを第1の空間的配置に動かすステップと、
前記第2の力を生成するために前記複数の接続されたアームセグメントを第2の空間的配置に動かすステップとをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項27】
請求項26に記載のコンピュータプログラム製品であって、基部の安定性の前記パラメータが、前記第1の空間的配置における第1のトランスデューサの読み取り値および前記第2の空間的配置における第2のトランスデューサの読み取り値にさらに基づくことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
請求項27に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記電気的システムが、基部の安定性の前記パラメータを表示するようにさらに構成されることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
請求項28に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記方法が、前記複数の接続されたアームセグメントの前記第1の空間的配置および前記第2の空間的配置への動きを指示するステップをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項30】
請求項27に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記方法が、警告を発するステップをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項31】
請求項25に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記方法が、前記取り付け構造に結合され、前記取り付け構造の傾斜の角度に応じた第2の電気信号を生成するように構成された第2の傾斜計を設けるステップをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項32】
請求項31に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記方法が、
前記取り付け構造に第3の力を加えるステップと、
前記第2の傾斜計の第3の読み取り値を記録するステップと、
前記取り付け構造に第4の力を加えるステップと、
前記第2の傾斜計の第4の読み取り値を記録するステップと、
前記第2の傾斜計の前記第3の読み取り値と前記第4の読み取り値の間の差に基づいて取り付け構造の安定性のパラメータを決定するステップとをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−517505(P2013−517505A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550052(P2012−550052)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021273
【国際公開番号】WO2011/090900
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.イーサネット
3.JAVA
4.Smalltalk
5.Coldfire
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】