説明

光デバイス、光走査装置及び画像形成装置、並びに光デバイスの製造方法

【課題】耐高温高湿性を低下させることなく、生産性に優れた光デバイスを提供する。
【解決手段】 レーザチップ110と、周囲が壁で囲まれている空間領域の底面上にレーザチップ110を保持するパッケージ部材120と、空間領域の壁の段部に接合され、空間領域を密閉するカバーガラス140とを有している。そして、パッケージ部材120の縦断面におけるカバーガラス140の側面に対向する壁面は、底面に垂直な方向にカバーガラス140の位置決め部と樹脂の溜まり部とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイス、光走査装置及び画像形成装置、並びに光デバイスの製造方法に係り、更に詳しくは、光素子がパッケージ部材に保持されている光デバイス、該光デバイスを有する光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置、並びに前記光デバイスを製造する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、CCDセンサやCMOSセンサ等の受光素子、面発光レーザ等の発光素子、MEMSミラーを用いた光スキャナ素子及び光スイッチング素子等の光素子が実用化され、各種光学機器に利用されている。
【0003】
これらの光素子は、効率良く用いるため、一般に2次元アレイ化して用いられる。2次元アレイ化された光素子は、信号線が多くなるため、一般のCANパッケージへの収納は困難となり、主にセラミックパッケージに収納される。
【0004】
セラミックパッケージに収納された光素子は、耐環境性を得るため、ガラスやサファイア等の透光性の蓋部材を用いて密封される。
【0005】
従来、セラミックパッケージと蓋部材との接合には、ハーメチックシール接合(例えば、特許文献1参照)や、ハンダ接合(例えば、特許文献2参照)等の方法が用いられてきた。
【0006】
近年、コストを低下させるため、セラミックパッケージと蓋部材との接合に、樹脂(樹脂系接着剤)を用いることが増えてきた(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、特許文献4には、半導体素子を搭載したパッケージ本体の上面に凹部を形成し、この凹部内にキャップを嵌装して封止ガラスにて気密封止する半導体装置のパッケージが開示されている。この半導体装置のパッケージでは、凹部はキャップの外形寸法に略等しい内則寸法とし、かつその周縁複数箇所には外側に向けて引込部を形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のセラミックパッケージでは、蓋部材を適正な位置に封着するため、セラミックパッケージの表面に凹部を設け、該凹部の寸法は、蓋部材との間の隙間がなるべく小さくなるように設定されていた。
【0009】
そこで、セラミックパッケージと蓋部材との接合に樹脂を用いると、樹脂がセラミックパッケージの外部にはみ出し易くなり、製品としての外観を損ねるのみでなく、その後の流通や使用過程で他との接触により欠けることがあった。そして、その欠けの程度によっては、セラミックパッケージの気密性が劣化するおそれがあった。
【0010】
さらに、樹脂のはみ出しは、セラミックパッケージ上にレンズ等の光学系を組み立てる際の障害になるという不都合があった。
【0011】
樹脂のはみ出しは、樹脂の量を低減することで防止できるが、製造上樹脂量のコントロールは難しく、量が少な過ぎる場合には適正な気密封止ができなくなるおそれがあった。特に、樹脂は基本的に水分を透過させるため、耐高温高湿性に劣るという性質があり、耐高温高湿性を向上させるためシール幅(接着面積)を広くする必要がある。そのため、樹脂量のコントロールがさらに難しくなる。
【0012】
なお、凹部と蓋部材との間の隙間を大きくすることが考えられるが、蓋部材の位置決め精度が低下するという不都合が生じる。
【0013】
そこで、発明者らは、特許文献4に開示されている半導体装置のパッケージを参照し、凹部の内則寸法を蓋部材の外形寸法に略等しくするとともに、その周縁複数箇所に外側に向けて引込部を形成したパッケージを作成し、樹脂を用いて蓋部材を接合したところ、引き込みのない部分において樹脂がはみ出してしまい、良好な製品を得ることができなかった。
【0014】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、耐高温高湿性を低下させることなく、生産性に優れた光デバイスを提供することにある。
【0015】
また、本発明の第2の目的は、安定した光走査を行うことができる光走査装置を提供することにある。
【0016】
また、本発明の第3の目的は、高品質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0017】
また、本発明の第4の目的は、本発明の光デバイスを製造するのに適した製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、第1の観点からすると、光素子と、周囲が壁で囲まれている領域の底面に前記光素子を保持するパッケージ部材と、該パッケージ部材に樹脂材料で接合され、前記壁と底面とで囲まれている領域を密閉する透光性の板状部材とを有する光デバイスにおいて、前記壁は段付構造部を有し、前記板状部材は、前記段付構造部の段部に接合され、前記板状部材の側面に対向する壁面の少なくとも一部は、前記底面に垂直な方向に、前記板状部材の位置決め部と前記樹脂材料の溜まり部とを有することを特徴とする光デバイスである。
【0019】
これによれば、耐高温高湿性を低下させることなく、生産性を向上させることができる。
【0020】
本発明は、第2の観点からすると、光によって被走査面上を走査する光走査装置であって、本発明の光デバイスを有する光源と;前記光源からの光を偏向する偏向器と;前記偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置である。
【0021】
これによれば、光源が本発明の光デバイスを有しているため、安定した光走査を行うことができる。
【0022】
本発明は、第3の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光を走査する少なくとも1つの本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
【0023】
これによれば、本発明の光走査装置を備えているため、結果として高品質の画像を形成することができる。
【0024】
本発明は、第4の観点からすると、本発明の光デバイスの製造方法であって、前記光デバイスにおける透光性の板状部材の所定領域に所定量の熱硬化性の樹脂材料を塗布する工程と;該熱硬化性の樹脂材料をBステージ化する工程と;前記透光性の板状部材をパッケージ部材の所定部に嵌め込む工程と;前記熱硬化性の樹脂材料を熱硬化させる工程と;を含む光デバイスの製造方法である。
【0025】
これによれば、本発明の光デバイスを適切に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】図1における光走査装置を示す概略図である。
【図3】光デバイスを説明するための図(その1)である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】光デバイスを説明するための図(その2)である。
【図6】パッケージ部材を説明するための図(その1)である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】パッケージ部材を説明するための図(その2)である。
【図9】パッケージ部材にレーザチップが保持されている状態を説明するための図である。
【図10】レーザチップを説明するための図である。
【図11】レーザチップにおける複数の発光部の配列状態を説明するための図である。
【図12】パッケージ部材にカバーガラスが取り付けられている状態を説明するための図である。
【図13】図12の一部を拡大した図である。
【図14】パッケージ部材の変形例1を説明するための図である。
【図15】図14のA−A断面図である。
【図16】図14のB−B断面図である。
【図17】パッケージ部材の変形例2を説明するための図である。
【図18】図17のA−A断面図である。
【図19】変形例2のパッケージ部材にカバーガラスが取り付けられている状態を説明するための図である。
【図20】図19の一部を拡大した図である。
【図21】パッケージ部材の変形例3を説明するための図である。
【図22】図21のA−A断面図である。
【図23】図21のB−B断面図である。
【図24】カラープリンタの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図13を用いて説明する。図1には、一実施形態に係るレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
【0028】
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
【0029】
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0030】
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
【0031】
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
【0032】
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
【0033】
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像を形成する。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
【0034】
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
【0035】
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
【0036】
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
【0037】
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
【0038】
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
【0039】
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
【0040】
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
【0041】
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
【0042】
この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、偏向器側走査レンズ11a、像面側走査レンズ11b、ポリゴンミラー13、光源14、カップリングレンズ15、開口板16、シリンドリカルレンズ17、反射ミラー18、及び走査制御装置(図示省略)などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング30の所定位置に組み付けられている。
【0043】
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、感光体ドラム1030の長手方向に沿った方向をY軸方向、各走査レンズ(11a、11b)の光軸に沿った方向をX軸方向として説明する。
【0044】
また、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0045】
光源14は、一例として図3〜図5に示される光デバイス100を含んでいる。なお、図3は、光デバイス100の平面図であり、図4は、図3のA−A断面図である。また、図5は、図3におけるカバーガラス140を除いたときの図である。
【0046】
この光デバイス100は、レーザチップ110、該レーザチップ110を保持するパッケージ部材120、及びカバーガラス140などを有している。
【0047】
パッケージ部材120は、セラミック製のパッケージ部材であり、その+X側には、図6及び図7に示されるように、周囲が壁で囲まれている空間領域121を有している。ここでは、図6及び図7におけるL1は2.4mm、L2は4.2mm、L3は10.0mm、L4は10.7mm、L5は14.2mmである。また、図7におけるt1は0.5mm、t2は0.2mm、t3は0.7mm、t4は0.18mm、t5は0.3mm、t6は1.88mmである。なお、図7は、パッケージ部材120の縦断面図である。
【0048】
そして、空間領域121の底面には金属板128が設けられ、該金属板128は、パッケージ部材120の−X側の面に設けられているパッケージ電極127と電気的に接続されている。
【0049】
また、空間領域121の壁は、一例として3段の段付構造となっており、その−X側の段部(1段目の段部)に複数(ここでは、32個)のパッケージ電極126が設けられている。各パッケージ電極126は、パッケージ部材120の側面を通って−X側の面に露出している。そして、一例として図8に示されるように、パッケージ部材120の−X側の面では、中央部にパッケージ電極127が位置し、周辺部に複数のパッケージ電極126が位置している。
【0050】
レーザチップ110は、一例として図9に示されるように、空間領域121の底面のほぼ中央であって、金属板128上に保持されている。すなわち、レーザチップ110は、周囲が壁で囲まれている領域の底面上に保持されている。
【0051】
このレーザチップ110は、一例として図10に示されるように、2次元的に配列されている32個の発光部、及び32個の発光部の周囲に設けられ、各発光部に対応した32個の電極パッドを有している。また、各電極パッドは、対応する発光部と配線部材によって電気的に接続されている。ここでは、図11におけるL11は1.2mm、L12は1.2mmである。また、レーザチップ110の厚さは0.3mmである。そして、各電極パッドが、それぞれボンディングワイヤ150によって対応するパッケージ電極126と電気的に接続されている。
【0052】
32個の発光部は、図11に示されるように、全ての発光部をZ軸方向に延びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等しく(図11では「c」)なるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。ここでは、一例として、c=2.65μmである。また、Y軸方向に関する発光部間隔(図11におけるX)は30μmであり、Z軸方向に関する発光部間隔(図11におけるd)は18.4μmである。
【0053】
ここでは、各発光部は、発振波長が780nm帯の垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。すなわち、レーザチップ110は、いわゆる面発光レーザアレイである。そして、レーザチップ110は、レーザ光の射出面がYZ面に平行になるように、そのn側電極が、導電性を有する接着剤を用いて、パッケージ部材120の金属板128に接合されている。
【0054】
カバーガラス140は、1辺の長さが9.7mm、厚さが0.55mmの正方形状の板状部材である。このカバーガラス140は、図12に示されるように、空間領域121の壁の2段目の段部に、空間領域121を密閉するようにエポキシ樹脂系接着剤(以下では、「樹脂」と略述する)で接合されている。これによって、レーザチップ110を保護している。
【0055】
ところで、カバーガラスをパッケージ部材に接合する方法としては、(a)熱硬化性の樹脂をパッケージ部材側に塗布し、カバーガラスを貼り付けた後に該樹脂を加熱する方法、(b)紫外線硬化型の樹脂をパッケージ部材側に塗布し、カバーガラスを貼り付けた後に該樹脂に紫外線を照射する方法、等が一般的である。しかしながら、これらの方法では、樹脂が硬化する際に発生する揮発性の成分がカバーガラスに付着し、該カバーガラスの光透過率を低下させるおそれがある。
【0056】
そこで、本実施形態では、あらかじめカバーガラス140にスクリーン印刷又はディスペンサを用いて所定領域に所定量の熱硬化性の樹脂を塗布し、Bステージ状態(熱硬化性の樹脂における反応の中間的な段階であって、タックがなく見かけ上は硬化した半硬化の状態)化したものを準備している。そして、Bステージ状態化した熱硬化性の樹脂面がパッケージ部材120側になるようにして、該カバーガラス140をパッケージ部材120に押し付けた後、熱硬化性の樹脂を高温に加熱し、再溶融させている。この場合、熱硬化性の樹脂では、Bステージ化された時点で多くの揮発成分が揮発して除去されるため、再溶融時には揮発性成分はほとんど発生せず、カバーガラス140の光透過率低下を避けることができる。
【0057】
ここでは、シール幅L21は2.9mmであり、耐高温高湿性を確保するのに十分な長さとなるように設定されている。
【0058】
また、図12の一部を拡大した図13に示されるように、カバーガラス140の側面は、壁130A及び壁130BとZ軸方向に関して対向している。そして、カバーガラス140の側面と壁130Aとの間隔L22は、0.15mmであるため、カバーガラス140は、容易に高い位置精度で取り付けることができる。また、カバーガラス140の側面と壁130Bとの間隔L23は、0.50mmであるため、この隙間部分が余分な樹脂のたまり場となり、樹脂がカバーガラス140の+X側の面からはみ出ることを防止できる。
【0059】
すなわち、パッケージ部材120は、空間領域121の底面に垂直な方向に、カバーガラス140の位置決め部と樹脂の溜まり部とを有している。
【0060】
従って、光デバイス100は、耐高温高湿性を低下させることなく、生産性を向上させることができる。
【0061】
この光デバイス100は、レーザチップ110に駆動電流を供給する光源制御装置(不図示)とともに、回路基板(不図示)に実装されている。
【0062】
また、光源14は、X軸方向に平行な軸回りに回動できるように光学ハウジング30に取り付けられている。これにより、感光体ドラム1030の表面に集光される光束の副走査方向のピッチが所定のピッチとなるように調整することができる。
【0063】
図2に戻り、カップリングレンズ15は、光源14から出力された光束を略平行光とする。
【0064】
開口板16は、開口部を有し、カップリングレンズ15を介した光束を整形する。
【0065】
シリンドリカルレンズ17は、開口板16の開口部を通過した光束を、反射ミラー18を介してポリゴンミラー13の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0066】
光源14とポリゴンミラー13との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ15と開口板16とシリンドリカルレンズ17と反射ミラー18とから構成されている。
【0067】
ポリゴンミラー13は、一例として内接円の半径が18mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー13は、Z軸方向に平行な軸回りに等速回転しながら、反射ミラー18からの光束を偏向する。
【0068】
偏向器側走査レンズ11aは、ポリゴンミラー13で偏向された光束の光路上に配置されている。
【0069】
像面側走査レンズ11bは、偏向器側走査レンズ11aを介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ11bを介した光束が、感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
【0070】
ポリゴンミラー13と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bとから構成されている。なお、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bの間の光路上、及び像面側走査レンズ11bと感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に係る光デバイス100によると、レーザチップ110と、周囲が壁で囲まれている空間領域121の底面上にレーザチップ110を保持するパッケージ部材120と、空間領域121の壁の段部に接合され、空間領域121を密閉するカバーガラス140とを有している。
【0072】
そして、パッケージ部材120の縦断面におけるカバーガラス140の側面に対向する壁面が凹凸部を有している。この場合、凸部がカバーガラス140の位置決め部となり、凹部が樹脂の溜まり部となる。従って、耐高温高湿性を低下させることなく、生産性を向上させることが可能である。
【0073】
本実施形態に係る光走査装置1010は、光源14が光デバイス100を有しているため、安定した光走査を行うことができる。
【0074】
また、光源14が複数の発光部を有しているため、同時に複数の光走査が可能となり、画像形成の高速化を図ることができる。
【0075】
そして、レーザチップ110では、全ての発光部をZ軸方向に延びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等しくなるように配置されているため、点灯のタイミングを調整することで感光体ドラム1030上では副走査方向に等間隔で光源が並んでいる場合と同様な構成と捉えることができる。
【0076】
例えば、光学系の倍率を2倍とすれば、感光体ドラム1030上では副走査方向に5.3μm間隔で書き込みドットを形成することができる。これは、4800dpi(ドット/インチ)に対応している。すなわち、4800dpi(ドット/インチ)の高密度書き込みができる。もちろん、主走査方向に対応する方向の面発光レーザ数を増加したり、前記ピッチdを狭くして間隔cを更に小さくするアレイ配置としたり、光学系の倍率を下げる等を行えばより高密度化でき、より高品質の印刷が可能となる。なお、主走査方向の書き込み間隔は、光源の点灯のタイミングで容易に制御できる。
【0077】
また、この場合には、レーザプリンタ1000では書き込みドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することができる。また、同じ書き込みドット密度の場合には印刷速度を更に速くすることができる。
【0078】
そして、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、結果として、高品質の画像を形成することが可能である。
【0079】
また、光源14が複数の発光部を有しているため、画像の高密度化を図ることができる。
【0080】
なお、上記実施形態において、前記パッケージ部材120に代えて、一例として図14〜図16に示されるパッケージ部材120Aを用いても良い。このパッケージ部材120Aでは、空間領域121の底面に垂直な方向からみたときに、カバーガラス140の側面に対向する壁130Aの一部に、切り欠き部122が形成されている。ここでは、L6は0.2mmである。なお、図15は、図14のA−A断面図であり、図16は、図14のB−B断面図である。この場合は、カバーガラス140の側面とカバーガラス140の側面に対向する壁面との間の隙間の容積がパッケージ部材120の場合よりも増加することとなり、より多くの樹脂を溜めることができる。
【0081】
また、上記実施形態において、前記パッケージ部材120に代えて、一例として図17及び図18に示されるパッケージ部材120Bを用いても良い。このパッケージ部材120Aでは、カバーガラス140の側面と壁130Aとの間隙のほうが、カバーガラス140の側面と壁130Bとの間隙よりも大きくなっている。なお、図18は、図17のA−A断面図である。この場合には、一例として図19及び図20に示されるように、カバーガラス140の側面と壁130Aとの隙間部分が余分な樹脂のたまり場となる。
【0082】
なお、上記実施形態において、前記パッケージ部材120に代えて、一例として図21〜図23に示されるパッケージ部材120Cを用いても良い。このパッケージ部材120Cでは、空間領域121の底面に垂直な方向からみたときに、カバーガラス140の側面に対向する壁130Bの一部に、切り欠き部122が形成されている。図22は、図21のA−A断面図であり、図23は、図21のB−B断面図である。この場合は、カバーガラス140の側面とカバーガラス140の側面に対向する壁面との間の隙間の容積がパッケージ部材120の場合よりも増加することとなり、より多くの樹脂を溜めることができる。
【0083】
また、上記実施形態において、X軸方向に関して、カバーガラス140の側面に対向する壁面に複数の凹凸が形成されていても良い。
【0084】
また、上記実施形態では、レーザチップ110が32個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0085】
また、上記実施形態では、レーザチップ110の各発光部の発振波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。感光体の特性に応じて、発光部の発振波長を変更しても良い。
【0086】
また、上記実施形態では、光デバイス100が、複数の発光部が2次元配列されているレーザチップ110を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光デバイス100が、前記レーザチップ110に代えて、複数の発光部が1次元配列されているレーザチップを有していても良い。
【0087】
また、上記実施形態における各寸法は一例であり、これに限定されるものではない。
【0088】
また、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば良い。
【0089】
例えば、CTP(Computer to Plate)として知られている印刷版を形成する画像形成装置であっても良い。この場合は、光走査装置によって、像担持体である印刷版材料にレーザアブレーションによって直接画像形成が行われる。
【0090】
また、レーザ光によって発色に可逆性を与えることができる媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
【0091】
例えば、媒体が、いわゆるリライタブルペーパーであっても良い。これは、例えば紙や樹脂フィルム等の支持体上に、以下に説明するような材料が記録層として塗布されている。そして、レーザ光による熱エネルギー制御によって発色に可逆性を与え、表示/消去を可逆的に行うものである。
【0092】
透明白濁型リライタブルマーキング法とロイコ染料を用いた発消色型リライタブルマーキング法があり、いずれも適用できる。
【0093】
透明白濁型は、高分子薄膜の中に脂肪酸の微粒子を分散したもので、110℃以上に加熱すると脂肪酸の溶融により樹脂が膨張する。その後、冷却すると脂肪酸は過冷却状態になり液体のまま存在し、膨張した樹脂が固化する。その後、脂肪酸が固化収縮して多結晶の微粒子となり樹脂と微粒子間に空隙が生まれる。この空隙により光が散乱されて白色に見える。次に、80℃から110℃の消去温度範囲に加熱すると、脂肪酸は一部溶融し、樹脂は熱膨張して空隙を埋める。この状態で冷却すると透明状態となり画像の消去が行われる。
【0094】
ロイコ染料を用いたリライタブルマーキング法は、無色のロイコ型染料と長鎖アルキル基を有する顕消色剤との可逆的な発色及び消色反応を利用している。レーザ光により加熱されるとロイコ染料と顕消色剤が反応して発色し、そのまま急冷すると発色状態が保持される。そして、加熱後、ゆっくり冷却すると顕消色剤の長鎖アルキル基の自己凝集作用により相分離が起こり、ロイコ染料と顕消色剤が物理的に分離されて消色する。
【0095】
また、媒体が、紫外光を当てるとC(シアン)に発色し、可視光のR(レッド)の光で消色するフォトクロミック化合物、紫外光を当てるとM(マゼンタ)に発色し、可視光のG(グリーン)の光で消色するフォトクロミック化合物、紫外光を当てるとY(イエロー)に発色し、可視光のB(ブルー)の光で消色するフォトクロミック化合物が、紙や樹脂フィルム等の支持体上に設けられた、いわゆるカラーリライタブルペーパーであっても良い。
【0096】
これは、一旦紫外光を当てて真っ黒にし、R・G・Bの光を当てる時間や強さで、Y・M・Cに発色する3種類の材料の発色濃度を制御してフルカラーを表現する、仮に、R・G・Bの強力な光を当て続ければ3種類とも消色して真っ白にすることもできる。
【0097】
このような,光エネルギー制御によって発色に可逆性を与えるものも上記実施形態と同様な光走査装置を備える画像形成装置として実現できる。
【0098】
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
【0099】
また、例えば、図24に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
【0100】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用のステーション(感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6)と、シアン用のステーション(感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6)と、マゼンタ用のステーション(感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6)と、イエロー用のステーション(感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6)と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
【0101】
各感光体ドラムは、図24中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って、帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットがそれぞれ配置されている。
【0102】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光走査が行われ、各感光体ドラムに潜像が形成される。
【0103】
そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が順次転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
【0104】
光走査装置2010は、前記光源14と同様な光源を色毎に有している。従って、前記光走査装置1010と同様な効果を得ることができる。
【0105】
そして、カラープリンタ2000は、前記レーザプリンタ1000と同様な効果を得ることができる。
【0106】
なお、タンデム方式の多色カラープリンタでは、機械精度等で各色の色ずれが発生する場合があるが、点灯させる発光部を選択することで各色の色ずれの補正精度を高めることができる。
【0107】
また、このカラープリンタ2000において、光走査装置を1色毎に設けても良いし、2色毎に設けても良い。
【0108】
また、上記実施形態では、光走査装置1010がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。
【0109】
また、上記実施形態では、光デバイス100が光走査装置に用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。その場合には、レーザチップ110の各発光部の発振波長は、その用途に応じて、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長帯であっても良い。
【0110】
また、CCDセンサやCMOSセンサ等の受光素子、MEMSミラーを用いた光スキャナ素子及び光スイッチング素子等の光素子を有する光デバイスに本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
以上説明したように、本発明の光デバイスによれば、耐高温高湿性を低下させることなく、生産性を向上させるのに適している。また、本発明の光走査装置によれば、安定した光走査を行うのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を形成するのに適している。
【符号の説明】
【0112】
11a…偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、11b…像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、13…ポリゴンミラー(偏向器)、14…光源、110…レーザチップ(光素子)、120…パッケージ部材、120A…パッケージ部材、120B…パッケージ部材、120C…パッケージ部材、121…空間領域(周囲が壁で囲まれている領域)、122…切り欠き部、123…切り欠き部、130A…壁(凹凸部の一部)、130B…壁(凹凸部の一部)、140…カバーガラス(板状部材)、160…エポキシ樹脂系接着剤(樹脂材料)、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、K1,C1,M1,Y1…感光体ドラム(像担持体)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】
【特許文献1】特開2004−228549号公報
【特許文献2】特開2005−329532号公報
【特許文献3】特開2001−267681号公報
【特許文献4】特許第2674214号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光素子と、周囲が壁で囲まれている領域の底面に前記光素子を保持するパッケージ部材と、該パッケージ部材に樹脂材料で接合され、前記壁と底面とで囲まれている領域を密閉する透光性の板状部材とを有する光デバイスにおいて、
前記壁は段付構造部を有し、前記板状部材は、前記段付構造部の段部に接合され、
前記板状部材の側面に対向する壁面の少なくとも一部は、前記底面に垂直な方向に、前記板状部材の位置決め部と前記樹脂材料の溜まり部とを有することを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
前記位置決め部及び前記溜まり部は、前記位置決め部のほうが前記段部に近いことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記位置決め部及び前記溜まり部は、前記溜まり部のほうが前記段部に近いことを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記パッケージ部材の縦断面における前記板状部材の側面に対向する壁面の少なくとも一部は、凹凸部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記位置決め部は、前記底面に垂直な方向からみたときに、切り欠き部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記パッケージ部材の材質は、セラミックスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記光素子は、同一基板上に複数の発光部が形成されている面発光レーザアレイであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光デバイス。
【請求項8】
前記光素子は、面発光レーザ素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光デバイス。
【請求項9】
光によって被走査面上を走査する光走査装置であって、
請求項7又は8に記載の光デバイスを有する光源と;
前記光源からの光を偏向する偏向器と;
前記偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置。
【請求項10】
少なくとも1つの像担持体と;
前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光を走査する少なくとも1つの請求項9に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
【請求項11】
前記画像情報は、多色のカラー画像情報であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の光デバイスの製造方法であって、
前記光デバイスにおける透光性の板状部材の所定領域に所定量の熱硬化性の樹脂材料を塗布する工程と;
該熱硬化性の樹脂材料をBステージ化する工程と;
前記透光性の板状部材をパッケージ部材の所定部に嵌め込む工程と;
前記熱硬化性の樹脂材料を熱硬化させる工程と;を含む光デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−124541(P2011−124541A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168978(P2010−168978)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】