説明

光送信器及びその光路調整方法

【課題】調芯工程を簡素化して工程時間を短縮すると共に、実装の際に発生した過剰損失を補正することができる光送信器及びその光路調整方法を提供する。
【解決手段】光送信器において、LDチップ5から出射されたレーザ光の光路を調整する光路調整器7を設け、LDチップ5、レンズ4、光路調整器7及び光ファイバ1が、各々の光学的中心が略一直線となるように配置されて、パッケージ3に固定された後に、光ファイバ1へのレーザ光の光結合が最大となるように、レーザ光の光路が光路調整器7により調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送信器及びその光路調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図10に、従来の光送信器の構成図を示す。図10に示すように、光送信器は、光ファイバ51、ファイバカラー52、レーザダイオード(以降、LDと略す。)モジュール59(パッケージ53、レンズ54、LDチップ55、サブマウント56)等から構成されている。図10に示す光送信器を参照して、従来の光送信器に対して用いられているLDモジュール59と光ファイバ51の従来の実装方法(アクティブ調芯、非特許文献1参照)について、以下に説明する。
【0003】
まず、サブマウント56にマウントしたLDチップ55の中心と、レンズ54の中心が、パッケージ開口部58の略真ん中にくるように固定する。次に、LDチップ55に通電し、発光させた状態で、光ファイバ51を三次元的に動かし、光パワーメータ57が最大値を示す点にあわせることで調芯を行う。そして、Yttrium Aluminum Garnetパルスレーザ溶接(以降、YAG溶接と略す。)により、ファイバカラー52と光ファイバ51、ファイバカラー52とパッケージ53をそれぞれ固定する。このような方法により、LDモジュール59の実装(調芯)を行っていた。
【0004】
【非特許文献1】Atsushi Takai et al., "800Mbit/s/ch x 12ch, True DC-Coupled paralle1 0ptical Interconnects Using Single-Mode Fiber and 1310 nm LD Array", 2000 Electronic Components and Technology Conference, 2000年, pp.491-496
【非特許文献2】中村浩一郎、笹浦正弘、藤浦和夫、“新しい動作原理に基づく広角・低電圧KTN光ビームスキャナ”、第67回応用物理学会学術講演会、31a-ZX-4、pp.1087
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光通信システムで用いられる光送信器において、そのLDモジュールの実装(調芯)の際に重要な点は、損失を抑えてLDからのレーザ光を光ファイバに高効率に光結合させる点と、この実装工程を簡易にし、工程時間を短縮するという2点である。
【0006】
しかしながら、上記実装方法には、まず、調芯時に光ファイバを三次元的に動かすため、調芯に20〜30分程度の比較的長い工程時間が必要となるという問題がある。そのため、調芯装置を一日中動かしたとしても、一台あたり50〜80個しか調芯できないことになる。又、光ファイバの固定時に、YAG溶接によって溶けた金属が冷えて固まる際に、調芯位置から光ファイバがわずかにシフト(PWSと呼ぶ。)し、過剰損失が生じる問題があった。
【0007】
このように、従来の光送信器においては、YAG溶接による光ファイバ固定の組み立て工程において、PWSに起因する過剰損失を生じる問題があった。又、YAG溶接によって、レンズ、光ファイバが固定されているため、わずかにシフトした分の補正を行うことができなかった。加えて、アクティブ調芯は三次元的な調芯法であるため、実装工程時間が長い問題もあった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、調芯工程を簡素化して工程時間を短縮すると共に、実装の際に発生した過剰損失を補正することができる光送信器及びその光路調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図1に、本発明に係る光送信器の構成の一例を図示する。
本発明に係る光送信器は、光ファイバ1(光伝送手段)、ファイバカラー2、LDモジュール9等から構成されており、光ファイバ1は、LDモジュール9の筐体となるパッケージ3のパッケージ開口部8の周囲に、ファイバカラー2により固定されている。又、LDモジュール9のパッケージ3の内部には、パッケージ開口部8を臨んで配置されるレンズ4(集光手段)と、レンズ4を臨んで配置され、サブマウント6を介してパッケージ3側に固定されるLDチップ5(光出射手段)とが設けられている。
【0010】
そして、本発明に係る光送信器においては、少なくとも1個の光路調整器7(光路調整手段)をLDチップ5とレンズ4の間に挿入し、光ファイバ1に入射するLDチップ5からのレーザ光の光路を、光路調整器7で調整することで、光ファイバ1とLDチップ5間の調芯工程の簡素化を実現すると共に、PWSにより発生した過剰損失を補正している。なお、光路調整器7は、LDチップ5とレンズ4の間だけに限らず、光ファイバ1とレンズ4の間に挿入するようにしてもよい。又、レーザ光の光路は、調整方向軸毎に光路調整器7を設け、設けた複数の光路調整器7を用いて調整するようにしてもよい。
【0011】
光路調整器7は、例えば、室温で1.0eV以上のバンドギャップエネルギーをもつ半導体材料からなるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、若しくは、電気光学素子からなる光ビームスキャナによって構成され、電圧印加によりLDチップ5からのレーザ光の光路を0〜100μm程度スキャンする機能を有している。そのため、LDチップ5、レンズ4、光ファイバ1の3つの部品がLDモジュール9自体の光軸に対して100μm以下の精度で固定されていれば、光結合効率が最大となるように光路調整が可能となる。
【0012】
通常のLDモジュール組み立て装置では、LDチップ5が−20μm以上+20μm以下の精度で搭載でき、LDモジュール9のパッケージ3、レンズ4、光ファイバ1等の部材加工精度も−50μm以上+50μm以下であるため、部材の加工精度に基づくパッシブ調芯工程後に、光路調整器7に適当な電圧を印加することで、アクティブ調芯並み、若しくは、それ以上の光結合効率が達成できる。又、各部材を固定後に光路調整器7を駆動することで、PWS等の固定工程中の僅かな位置ずれによる過剰損失を補正することができる。その結果、LDモジュール9におけるLDチップ5−光ファイバ1間のアクティブ調芯工程の短TAT(Turn-around time)化と、過剰損失の発生を避けることができ、光送信器の経済性と性能向上が可能となる。
【0013】
従って、本発明に係る光送信器及びその光路調整方法は、以下のことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第1の発明に係る光送信器は、
レーザ光を出射する1つのレーザ光出射手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光を集光する1つの集光手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光、又は、前記集光手段により集光された前記レーザ光の光路を調整する少なくとも1つの光路調整手段と、
前記光路調整手段により光路が調整された前記レーザ光を伝送する1つの光伝送手段とを有し、
前記レーザ光出射手段、前記集光手段、前記光路調整手段及び前記光伝送手段が、各々の光学的中心が略一直線となるように配置されて、筐体に固定された後に、前記光伝送手段への前記レーザ光の光結合が最大となるように、前記レーザ光の光路が前記光路調整手段により調整されたことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する第2の発明に係る光送信器は、
レーザ光を出射する1つのレーザ光出射手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光を集光する1つの集光手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光、又は、前記集光手段により集光された前記レーザ光の光路を調整する少なくとも1つの光路調整手段と、
前記光路調整手段により光路が調整された前記レーザ光を伝送する1つの光伝送手段とからなる組を複数有し、
各組において、前記レーザ光出射手段、前記集光手段、前記光路調整手段及び前記光伝送手段が、各々の光学的中心が略一直線となるように配置されて、筐体に固定された後に、前記光伝送手段への前記レーザ光の光結合が最大となるように、前記レーザ光の光路が前記光路調整手段により調整されたことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決する第3の発明に係る光送信器は、
第1又は第2の発明に記載の光送信器において、
前記光路調整手段を、電圧を印加することにより前記レーザ光の光路を調整するものから構成したことを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決する第4の発明に係る光送信器は、
第3の発明に記載の光送信器において、
前記光路調整手段を、酸化シリコン、又は、室温で1.0eV以上のバンドギャップエネルギーをもつ半導体材料からなるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子としたことを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決する第5の発明に係る光送信器は、
第4の発明に記載の光送信器において、
前記MEMS素子の半導体材料を、シリコン若しくはアルミニウム、ガリウム、インジウム、ヒ素、リン、アンチモンの中の少なくとも2種類以上の元素からなるIII−V族化合物から構成したことを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決する第6の発明に係る光送信器は、
第3の発明に記載の光送信器において、
前記光路調整手段を、電気光学結晶からなる光ビームスキャナとしたことを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決する第7の発明に係る光送信器は、
第6の発明に記載の光送信器において、
前記光ビームスキャナの電気光学結晶を、リチウム、カリウム、タンタル、ニオブ、酸素のうち少なくとも2つ以上の元素から構成したことを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決する第8の発明に係る光送信器の光路調整方法は、
レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光を集光する集光手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光、又は、前記集光手段により集光された前記レーザ光の光路を調整する少なくとも1つの光路調整手段と、
前記光路調整手段により光路が調整された前記レーザ光を伝送する光伝送手段とを有する光送信器の光路調整方法であって、
前記レーザ光出射手段、前記集光手段、前記光伝送手段及び前記光路調整手段を、各々の光学的中心が略一直線となるように配置して、筐体に固定し、
前記レーザ光出射手段からレーザ光を出射し、
前記光伝送手段から出力される前記レーザ光の強度を測定し、
前記光伝送手段から出力される前記レーザ光の強度が最大となるように、前記レーザ光の光路を前記光路調整手段により調整することを特徴とする。
【0022】
上記課題を解決する第9の発明に係る光送信器光送信器の光路調整方法は、
第8の発明に記載の光送信器の光路調整方法において、
前記光路調整手段として、電圧を印加することにより前記レーザ光の光路を調整するものを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光送信器に光路調整器を設けたので、調芯工程を簡素化して、工程時間を短縮すると共に、実装の際に発生した過剰損失を実装後に補正して、最終的には過剰損失の発生を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の具体的な実施形態のいくつかを、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【実施例1】
【0025】
<1.構成>
図2は、本実施例に係る光送信器を示す構成図である。
図2に示すように、本実施例の光送信器は、光を伝送する光ファイバ11(光伝送手段)、ファイバカラー12、LDモジュール19等から主に構成されており、光ファイバ11は、LDモジュール19の筐体となるパッケージ13のパッケージ開口部18の周囲に、ファイバカラー12により固定されている。又、LDモジュール19のパッケージ13の内部には、パッケージ開口部18を臨んで配置され、光を集光するレンズ14(集光手段)と、レンズ14を臨んで配置されて、サブマウント16を介してパッケージ13側に固定され、レーザ光を出射するLDチップ15(レーザ出射手段)と、LDチップ15とレンズ14の間に挿入され、光ファイバ11に入射するLDチップ15からのレーザ光の光路を調整する角度可変MEMS17(光路調整手段)とが設けられている。
【0026】
このように、本実施例の光送信器においては、光路調整器として角度可変MEMS17を用いている。この角度可変MEMS17は、その可動部が0.6mm角の大きさであり、その可動範囲が−5度以上+5度以下であり、厚さ150μmのシリコン(Si)製のものである。なお、MEMS素子は、半導体材料又はSiO2などの酸化物から構成され、半導体材料は、室温で1.0eV以上のバンドギャップエネルギーを有するものが有効である。例えば、シリコン(Si)又はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ヒ素(As)、リン(P)、アンチモン(Sb)のうち少なくとも2種以上の元素を含む化合物半導体が好適である。
【0027】
<2.動作原理>
角度可変MEMS17によって、PWSに起因する過剰損失を補正できる原理について、図3を参照して説明する。なお、図3は、図2に示す光送信器から光学部品を抜き出すと共に、LDチップ15からのレーザ光の光路を加えて図示したものである。又、図3は、PWSによって過剰損失が発生した状態を示している。
【0028】
電圧を印加していない状態では、角度可変MEMS17は点線の四角のように、光路に対して垂直な位置にある。このため、LDチップ15からのレーザ光の光路に対して、角度可変MEMS17を透過した後では、点線に示すように、その光路の変化はない(図3中において上下方向の変化はない)。この状態では、光路が無調整の状態であるため、レーザ光が光ファイバ11に光結合できていない。
【0029】
しかしながら、角度可変MEMS17に電圧を印加すると、角度可変MEMS17の傾きを実線のように変化させることができる。すると、MEMS部分と空間系との屈折率差によって、実線に示すように、角度可変MEMS17を透過した後、レーザ光の光路がスライドする(図3中において上下方向にスライドする)ため、レーザ光が光ファイバ11に光結合することになる。よって、PWSに起因する過剰損失を補正することができる。又、調芯工程である程度ずれが生じても、角度可変MEMS17によって補正が可能であるため、調芯工程の簡素化が実現できる。
【0030】
<3.組み立て工程>
本実施例の光送信器の組み立て工程について、図2を参照して説明する。
【0031】
最初に、サブマウント16にLDチップ15を搭載する。
次に、サブマウント16上のLDチップ15の光学的中心と、角度可変MEMS17の光学的中心と、レンズ14の光学的中心とが、パッケージ開口部18の中心に対して略一直線になるように、−15μm以上+15μm以下の精度でパッケージ13内に搭載し、固定する。
そして、角度可変MEMS17とパッケージ13との間、LDチップ15とパッケージ13との間をワイヤボンディングで結線する。
最後に、光ファイバ11がパッケージ開口部18の略中心にくるように、光ファイバ11とファイバカラー12、ファイバカラー12とパッケージ13の順に、−15μm以上+15μm以下の精度で、YAG溶接によって固定する。つまり、LDチップ15の光学的中心と、角度可変MEMS17の光学的中心と、レンズ14の光学的中心と、光ファイバ11の光学的中心とが略一直線になるように配置されて固定されている。
以上の工程で、図2に示すような光送信器が完成する。
【0032】
<4.光路調整器による調整>
上記組み立て工程によって光送信器は完成したが、このままの状態では光路がずれている可能性がある。そこで、角度可変MEMS17を使い、光ファイバ11にレーザ光を光結合させている。本実施例における光路調整のための実験系を図4に示す。この実験系は、完成した光送信器の光ファイバ11に光パワーメータ30を接続し、角度可変MEMS17の各端子に定電圧源20を接続したものである。
【0033】
まず、LDチップ15にバイアス電流30mAを流し、LDチップ15からの光出力を+3dBmとし、角度可変MEMS17の端子に電圧をかけていない状態での光ファイバ11からの出力パワーを光パワーメータ30により測定する。このとき、光ファイバ11からの光出力は−10dBmであった。
【0034】
次に、LDチップ15のバイアス電流を変えずに、角度可変MEMS17のx方向の角度変化とy方向の角度変化の端子それぞれに、定電圧源20から電圧を印加し、光パワーメータ30が最大値を示す電圧に調整していく。光路調整の方法としては、印加電圧に対して角度可変MEMS17の角度は線形的に変化していくため、まず、x軸の電圧を徐々にかけていき、光パワーメータ30が最大値を示したら、次はy軸の電圧を徐々にかけていく。そして、光パワーメータ30が最大値を示したら、x軸の電圧をかけていく。この作業を繰り返し、光パワーメータ30の値が上がらなくなったら、光ファイバ11への光結合が最大となり、光路調整は完了となる。
【0035】
x軸調整用端子に10V、y軸調整用端子に7Vの電圧を印加した結果、光ファイバ11からの光出力は+2dBmまで改善することができた。この結果から、実装が終了した後であっても、本発明により光路調整を行うことができることが示された。以上により、本発明によって、LD−光ファイバ間のアクティブ調芯工程の簡素化が可能であることが示せた。又、アクティブ調芯工程の簡素化により、工程時間の短縮も可能となる。
【0036】
このように、本発明では、実装終了後に光路調整を行えるので、アクティブ調芯工程によって調芯した後、YAG溶接により過剰損失が増加したとしても、本発明により過剰損失を低減することが可能であり、最終的には、過剰損失の発生を避けることができる。
【0037】
なお、本実施例の光送信器では、角度可変MEMS17を、LDチップ15とレンズ14の間に配置しているが、光ファイバ11とレンズ14の間に配置するようにしてもよい。又、本実施例の光送信器では、角度可変MEMS17を1つ用いて、x軸方向、y軸方向の光路調整を行っているが、例えば、2つの角度可変MEMSを用い、各々独立してx軸方向、y軸方向の光路調整を行うようにしてもよい。
【0038】
加えて、本実施例の光送信器は、角度可変MEMS17への印加電圧の制御により光結合効率を変化させて、光減衰器として機能させることも可能である。
【実施例2】
【0039】
<1.構成>
図5は、本実施例に係る光送信器を示す構成図である。
図5に示すように、本実施例の光送信器は、光を伝送する光ファイバ21(光伝送手段)、ファイバカラー22、LDモジュール29等から主に構成されており、光ファイバ21は、LDモジュール29の筐体となるパッケージ23のパッケージ開口部28の周囲に、ファイバカラー22により固定されている。又、LDモジュール29のパッケージ23の内部には、パッケージ開口部28を臨んで配置され、光を集光するレンズ24(集光手段)と、レンズ24を臨んで配置されて、サブマウント26を介してパッケージ23側に固定され、レーザ光を出射するLDチップ25(レーザ光出射手段)と、パッケージ開口部28(光ファイバ21)とレンズ24の間に挿入され、レンズ24を通過して、光ファイバ21に入射するLDチップ25からのレーザ光の光路を調整する光ビームスキャナ27(光路調整手段)とが設けられている。
【0040】
このように、本実施例の光送信器においては、光路調整器として光ビームスキャナ27を用いており、光ビームスキャナ27としては、例えば、KTN結晶等の電気光学結晶が適用可能である。なお、KTN結晶とは、カリウム(K)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)と酸素(O)から成る光学結晶である。又、本実施例ではKTN結晶を用いているが、電気光学結晶であればよく、リチウム(Li)、カリウム(K)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)と酸素(O)のうち少なくとも2つ以上の元素からなるものが好適である。例えば、ニオブ酸リチウム(LN)結晶、タンタル酸リチウム(LT)結晶などを用いても良い。
【0041】
<2.動作原理>
光ビームスキャナ27によって、PWSに起因する過剰損失を補正できる原理について、図6を参照して説明する。なお、図6は、図5に示す光送信器から光学部品を抜き出すと共に、LDチップ25からのレーザ光の光路を加えて図示したものである。又、図6は、PWSによって過剰損失が発生した状態を示している。
【0042】
光ビームスキャナ27に電界がかかっていない時には、LDチップ25からのレーザ光の光路に対して、光ビームスキャナ27を透過した後では、点線に示すように、その光路の変化はない(図6中において上下方向の変化はない)。この状態では、光路が無調整の状態であるため、レーザ光が光ファイバ21に光結合できていない。
【0043】
しかしながら、光ビームスキャナ27に電界を印加すると、電界を印加した向きと強度に比例して、レーザ光の光路を曲げることができる。すると、実線に示すように、光ビームスキャナ27を通過するレーザ光の光路を変化させることができるため、レーザ光が、図中の実線のような経路をたどって、光ファイバ21に光結合することになる。よって、PWSに起因する過剰損失を補正することができる。又、調芯工程である程度ずれが生じても、光ビームスキャナ27によって補正が可能であるため、調芯工程の簡素化が実現できる。
【0044】
<3.組み立て工程>
本実施例の光送信器の組み立て工程について、図5を参照して説明する。
【0045】
最初に、サブマウント26にLDチップ25を搭載する。
次に、サブマウント26上のLDチップ25の光学的中心と、光ビームスキャナ27の光学的中心と、レンズ24の光学的中心とが、パッケージ開口部28の中心に対して略一直線になるように、−15μm以上+15μm以下の精度でパッケージ23内に搭載し、固定する。
そして、光ビームスキャナ27とパッケージ23との間、LDチップ25とパッケージ23との間をワイヤボンディングで結線する。
最後に、光ファイバ21がパッケージ開口部28の略中心にくるように、光ファイバ21とファイバカラー22、ファイバカラー22とパッケージ23の順に、−15μm以上+15μm以下の精度で、YAG溶接によって固定する。つまり、LDチップ25の光学的中心と、光ビームスキャナ27の光学的中心と、レンズ24の光学的中心と、光ファイバ21の光学的中心とが略一直線になるように配置されて固定されている。
以上の工程で、図5に示すような光送信器が完成する。
【0046】
<4.光路調整器による調整>
上記組み立て工程によって光送信器は完成したが、このままの状態では光路がずれている可能性がある。そこで、光ビームスキャナ27を使い、光ファイバ21にレーザ光を光結合させている。本実施例における光路調整のための実験系を図7に示す。この実験系は、完成した光送信器の光ファイバ21に光パワーメータ30を接続し、光ビームスキャナ27の端子に定電圧源20を接続したものである。なお、光ビームスキャナ27から光ファイバ21の入射端までの距離は2mmとする。
【0047】
まず、LDチップ25にバイアス電流30mAを流し、LDチップ25からの光出力を+3dBmとし、光ビームスキャナ27の端子に電圧をかけていない状態での光ファイバ21からの出力パワーを光パワーメータ30により測定する。このとき、光ファイバ21からの光出力は−15dBmであった。
【0048】
次に、LDチップ25のバイアス電流を変えずに、光ビームスキャナ27のx方向とy方向に電界印加し、光パワーメータ30が最大値を示す電圧に調整していく。光路調整の方法としては、印加電圧に対して、レーザ光の光路が曲がる角度は線形的に変化するため、まず、x軸方向の電圧を徐々にかけていき、光パワーメータ30が最大値を示したら、次はy方向の電圧を徐々にかけていく。そして、光パワーメータ30が最大値を示したら、x方向の電圧をかけていく。この作業を繰り返し、光パワーメータ30の値が上がらなくなったら、光ファイバ21への光結合が最大となり、光路調整は完了となる。
【0049】
KTN結晶を光ビームスキャナ27とした場合、電圧Vと偏向角θの関係はθ=f(V)として表され、電圧Vに対して偏向角θは単調増加である(非特許文献2参照)。本実施例では、x軸方向に40μm、y軸方向に25μmずれていたため、光ファイバ21の入射端に合わせるために必要な偏向角は、x方向に20mrad、y方向に12.5mradとなる。このとき必要となる補正電圧をそれぞれVx、Vyとすると、x軸調整用端子にVx[V]、y軸調整用端子にVy[V]の電圧を印加した結果、光ファイバ21からの光出力は+1.5dBmまで改善することができた。この結果から、実装が終了した後であっても、本発明により光路調整を行うことができることが示された。以上により、本発明によって、LD−光ファイバ間のアクティブ調芯工程の簡素化が可能であることが示せた。又、アクティブ調芯工程の簡素化により、工程時間の短縮も可能となる。
【0050】
このように、本発明では、実装終了後に光路調整を行えるので、アクティブ調芯工程によって調芯した後、YAG溶接により過剰損失が増加したとしても、本発明により過剰損失を低減することが可能であり、最終的には、過剰損失の発生を避けることができる。
【0051】
なお、本実施例の光送信器では、光ビームスキャナ27を、光ファイバ21とレンズ24の間に配置しているが、LDチップ25とレンズ24の間に配置するようにしてもよい。又、本実施例の光送信器では、光ビームスキャナ27を1つ用いて、x軸方向、y軸方向の光路調整を行っているが、例えば、2つの光ビームスキャナを用い、各々独立してx軸方向、y軸方向の光路調整を行うようにしてもよい。
【0052】
加えて、本実施例の光送信器は、光ビームスキャナ27への印加電圧の制御(各調整端子にかける電圧を、補正電圧Vx、Vyから増減させること)により光結合効率を変化させて、可変光減衰器として機能させることも可能である。
【実施例3】
【0053】
<1.構成>
図8は、本実施例に係る光送信器を示す構成図である。
図8に示すように、本実施例の光送信器は、筐体となるパッケージ36の内部に、複数の光導波路(光伝送手段)を伝送する光を合波する光合波器31(以降、AWGと呼ぶ。)、複数のマイクロレンズ(集光手段)からなるマイクロレンズアレイ32、複数の角度可変MEMS(光路調整手段)からなるMEMSアレイ33、サブマウント35を介してパッケージ36に固定され、複数のLD(レーザ光出射手段)からなるレーザアレイ34とを設けたものである。本実施例では、上述の実施例1と同様に、光路調整器として、角度可変MEMSを用いている。なお、角度可変MEMSに換えて、上述の実施例2と同様に、光ビームスキャナを用いてもよい。
【0054】
<2.動作原理>
本実施例においては、複数のLDがアレイ状に配置されており、その受光側となるAWG31も、光ファイバではなく、複数の光導波路から構成されている。しかしながら、LDの1チャネル分に対して、角度可変MEMS、マイクロレンズ、光導波路が、1:1で対応しているため、角度可変MEMSを用いて光路調整を行う原理については、実施例1で説明した動作原理と同様である。従って、ここでは、その詳細な説明は省略する。
【0055】
<3.組み立て工程>
本実施例の光送信器の組み立て工程について、図8を参照して説明する。なお、本実施例において用いるレーザアレイ34は、そのチャネル間隔を400μm、チャネル数を5チャネルとした。又、AWG31の光導波路径は、シングルモード光ファイバと同じ12.5μm、光導波路間隔はレーザアレイ34と同じ400μmとした。
【0056】
最初に、サブマウント35にレーザアレイ34を搭載する。
次に、サブマウント35上のレーザアレイ34の各チャネルの光学的中心と、MEMSアレイ33の各角度可変MEMSの光学的中心と、マイクロレンズアレイ32の各マイクロレンズの光学的中心とが略一直線になるように、−15μm以上+15μm以下の精度でパッケージ36内に搭載し、固定する。
そして、MEMSアレイ33とパッケージ36間、レーザアレイ34とパッケージ36間をワイヤボンディングで結線する。
最後に、AWG31の各チャネルの光学的中心が、レーザアレイ34の各チャネルの光学的中心とマイクロレンズアレイ32の各マイクロレンズの光学的中心を結んだ線の延長線上にくるように、−15μm以上+15μm以下の精度で接着剤によって固定する。つまり、レーザアレイ34の各チャネルの光学的中心と、MEMSアレイ33の各角度可変MEMSの光学的中心と、マイクロレンズアレイ32の各マイクロレンズの光学的中心と、AWG31の各チャネルの光学的中心とが略一直線になるように配置されて固定されている。
以上の工程で、図8に示すような光送信器が完成する。
【0057】
<4.光路調整器による調整>
上記組み立て工程によって光送信器は完成したが、このままの状態では光路がずれている可能性がある。そこで、MEMSアレイ33の各角度可変MEMSを使い、AWG31の各チャネルにレーザアレイ34の各チャネルからのレーザ光を光結合させている。本実施例における光路調整のための実験系を図9に示す。この実験系は、完成した光送信器のAWG31の出力側に光パワーメータ37を置き、MEMSアレイ33の端子に定電圧源38を接続したものである。なお、図9においては、MEMSアレイ33の1チャネル分の角度可変MEMSに対する電気配線のみ図示した。
【0058】
まず、レーザアレイ34の一番上のチャネル1にバイアス電流30mAを流し、LDチップ39からの光出力を+3dBmとし、MEMSアレイ33の端子に電圧をかけていない状態でのAWG31の出力端からの光パワー光パワーメータ37により測定する。このとき、AWG31の出力端からの光出力は−30dBmであった。
【0059】
次に、LDチップ39のバイアス電流を変えずに、MEMSアレイ33の1チャネル分の角度可変MEMSにおいて、そのx方向の角度変化とy方向の角度変化の端子それぞれに電圧を印加し、光パワーメータ37が最大値を示す電圧に調整していく。光路調整の方法としては、印加電圧に対して角度可変MEMSの角度は線形的に変化していくため、まず、x軸の電圧を徐々にかけていき、光パワーメータ37が最大値を示したら、次はy軸の電圧を徐々にかけていく。そして、光パワーメータ37が最大値を示したらx軸の電圧をかけていく。この作業を繰り返し、光パワーメータ37の値が上がらなくなったら、AWG31の光導波路への光結合が最大となり、光路調整は完了となる。
【0060】
x軸調整用端子に6V、y軸調整用端子に15Vの電圧を印加した結果、AWG31の出力端からの光出力は−4.0dBmまで改善することができた。AWG31での損失が4.5dB程度であることを考えると、この結果から、実装が終了した後であっても、本発明により光路調整を行うことができることが示された。
【0061】
そして、以上の光路調整工程を、チャネル毎に同様に実施した。その結果、AWG31の出力端からの光出力は、チャネル2において、調整前は−23dBmであったものを、x軸調整用端子に13V、y軸調整用端子に11Vの電圧を印加することにより、−3.5dBmまで改善できた。又、チャネル3において、調整前は−20dBmであったものを、x軸調整用端子に8V、y軸調整用端子に6Vの電圧を印加することにより、−2.5dBmまで改善できた。又、チャネル4において、調整前は−24dBmであったものを、x軸調整用端子に7V、y軸調整用端子に8Vの電圧を印加することにより、−3.2dBmまで改善できた。又、チャネル5において、調整前は−28dBmであったものを、x軸調整用端子に11V、y軸調整用端子に13Vの電圧を印加することにより、−3.8dBmまで改善できた(表1参照)。以上により、本発明によって、レーザアレイ−AWG間のアクティブ調芯工程の簡素化が可能であることが示せた。又、アクティブ調芯工程の簡素化により、工程時間の短縮も可能となる。
【0062】
【表1】

【0063】
このように、本発明では、実装終了後に光路調整を行えるので、アクティブ調芯工程によって調芯した後、YAG溶接により過剰損失が増加したとしても、本発明により過剰損失を低減することが可能であり、最終的には、過剰損失の発生を避けることができる。
【0064】
なお、本実施例の光送信器では、MEMSアレイ33を、レーザアレイ34とマイクロレンズアレイ32の間に配置しているが、AWG31とマイクロレンズアレイ32の間に配置するようにしてもよい。又、本実施例の光送信器では、1つのチャネルに対して、1つの角度可変MEMSを用いて、x軸方向、y軸方向の光路調整を行っているが、例えば、1つのチャネルに対して、2つの角度可変MEMSを用い、各々独立してx軸方向、y軸方向の光路調整を行うようにしてもよい。
【0065】
加えて、本実施例の光送信器は、MEMSアレイへの印加電圧の制御により光結合効率を変化させて、光減衰器として機能させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、光送信器及びその光路調整方法に好適なものであり、又、光減衰器として機能させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る光送信器の一例の構成図である。
【図2】実施例1の光送信器を示す構成図であり、その光路調整器を角度変化型MEMSとしたものである。
【図3】角度変化型MEMSを使った光路調整の原理を説明する図である。
【図4】図2に示した光送信器において、光路調整を行うための実験系を示す図である。
【図5】実施例2の光送信器を示す構成図であり、その光路調整器を光ビームスキャナとしたものである。
【図6】光ビームスキャナを使った光路調整の原理を説明する図である。
【図7】図4に示した光送信器において、光路調整を行うための実験系を示す図である。
【図8】実施例3の光送信器を示す構成図であり、レーザアレイとAWGを用い、その光路調整器を角度変化型MEMSとしたものである。
【図9】図8に示した光送信器において、光路調整を行うための実験系を示す図である。
【図10】従来の光送信器の構成図である。
【符号の説明】
【0068】
1 光ファイバ
2 ファイバカラー
3 パッケージ
4 レンズ
5 LDチップ
6 サブマウント
7 光路調整器
8 パッケージ開口部
9 LDモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射する1つのレーザ光出射手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光を集光する1つの集光手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光、又は、前記集光手段により集光された前記レーザ光の光路を調整する少なくとも1つの光路調整手段と、
前記光路調整手段により光路が調整された前記レーザ光を伝送する1つの光伝送手段とを有し、
前記レーザ光出射手段、前記集光手段、前記光路調整手段及び前記光伝送手段が、各々の光学的中心が略一直線となるように配置されて、筐体に固定された後に、前記光伝送手段への前記レーザ光の光結合が最大となるように、前記レーザ光の光路が前記光路調整手段により調整されたことを特徴とする光送信器。
【請求項2】
レーザ光を出射する1つのレーザ光出射手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光を集光する1つの集光手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光、又は、前記集光手段により集光された前記レーザ光の光路を調整する少なくとも1つの光路調整手段と、
前記光路調整手段により光路が調整された前記レーザ光を伝送する1つの光伝送手段とからなる組を複数有し、
各組において、前記レーザ光出射手段、前記集光手段、前記光路調整手段及び前記光伝送手段が、各々の光学的中心が略一直線となるように配置されて、筐体に固定された後に、前記光伝送手段への前記レーザ光の光結合が最大となるように、前記レーザ光の光路が前記光路調整手段により調整されたことを特徴とする光送信器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光送信器において、
前記光路調整手段を、電圧を印加することにより前記レーザ光の光路を調整するものから構成したことを特徴とする光送信器。
【請求項4】
請求項3に記載の光送信器において、
前記光路調整手段を、酸化シリコン、又は、室温で1.0eV以上のバンドギャップエネルギーをもつ半導体材料からなるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子としたことを特徴とする光送信器。
【請求項5】
請求項4に記載の光送信器において、
前記MEMS素子の半導体材料を、シリコン若しくはアルミニウム、ガリウム、インジウム、ヒ素、リン、アンチモンの中の少なくとも2種類以上の元素からなるIII−V族化合物から構成したことを特徴とする光送信器。
【請求項6】
請求項3に記載の光送信器において、
前記光路調整手段を、電気光学結晶からなる光ビームスキャナとしたことを特徴とする光送信器。
【請求項7】
請求項6に記載の光送信器において、
前記光ビームスキャナの電気光学結晶を、リチウム、カリウム、タンタル、ニオブ、酸素のうち少なくとも2つ以上の元素から構成したことを特徴とする光送信器。
【請求項8】
レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光を集光する集光手段と、
前記レーザ光出射手段から出射された前記レーザ光、又は、前記集光手段により集光された前記レーザ光の光路を調整する少なくとも1つの光路調整手段と、
前記光路調整手段により光路が調整された前記レーザ光を伝送する光伝送手段とを有する光送信器の光路調整方法であって、
前記レーザ光出射手段、前記集光手段、前記光伝送手段及び前記光路調整手段を、各々の光学的中心が略一直線となるように配置して、筐体に固定し、
前記レーザ光出射手段からレーザ光を出射し、
前記光伝送手段から出力される前記レーザ光の強度を測定し、
前記光伝送手段から出力される前記レーザ光の強度が最大となるように、前記レーザ光の光路を前記光路調整手段により調整することを特徴とする光送信器の光路調整方法。
【請求項9】
請求項8に記載の光送信器の光路調整方法において、
前記光路調整手段として、電圧を印加することにより前記レーザ光の光路を調整するものを用いることを特徴とする光送信器の光路調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−192703(P2009−192703A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31755(P2008−31755)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】