説明

内燃機関の燃料供給装置

【課題】コモンレール内のエマルジョン燃料を短時間で主燃料に置換することを課題とする。
【解決手段】燃料供給装置100は、燃料としてエマルジョン燃料及び主燃料を用いるエンジン1に用いられる。燃料供給装置100は、燃料噴射ノズル4に供給する燃料を貯留するコモンレール2と、このコモンレール2内の燃料を流出させるリリーフバルブ5と、コモンレール2に導入される燃料を主燃料である軽油に切り替える切替バルブ23と、イグニション24のオフ状態を確認後、コモンレール2の目標レール圧を維持しつつ、コモンレール2に軽油が流入するように切替バルブ23を切り替えると共に、リリーフバルブ5を開閉させてコモンレール2内のエマルジョン燃料を軽油に置換する燃料置換制御を行う燃料置換制御部26を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エマルジョン燃料を使用することができる内燃機関が知られている。エマルジョン燃料は、軽油や重油といった主燃料中に、一定割合で水やアルコールを混入させ、撹拌することによって水等を微粒化させたものである。このようなエマルジョン燃料を使用する内燃機関では、内燃機関停止時にエマルジョン燃料が、燃料噴射ノズル(インジェクタ)や、この燃料噴射ノズルに燃料を供給する燃料配管内に残留することが懸念される。例えば、主燃料に水を混入させた場合、燃料噴射ノズルや燃料配管中にエマルジョン燃料が残留すると内燃機関の停止中にエマルジョン燃料が水と燃料油とに分離する。その結果、分離した水によって燃料配管内に錆が生じる。さらに、内燃機関を再始動しようとしたときに、燃料噴射ノズルから水が噴射されると、ピストンリングや燃料噴射ノズルの破損を招き、内燃機関の再始動自体が円滑に行えないという問題がある。
【0003】
このような問題を解決すべく、特許文献1に以下のようなディーゼルエンジン(内燃機関)の運転方法が提案されている。この提案では、ディーゼルエンジンの停止直前に燃料切替弁によってディーゼルエンジンに燃料油を供給する。そして、燃料配管におけるエマルジョン燃料を燃料油(たとえば軽油)に置換後にディーゼルエンジンを停止させる。これにより、ディーゼルエンジンの停止中における水の分離により配管(管路)における錆の発生が抑制される。また、ディーゼルエンジンを円滑に再始動させることができる。
【0004】
なお、昨今の車両用内燃機関にはコモンレールを備えたものがあるが、このような内燃機関にエマルジョン燃料を使用することもある。このような内燃機関の停止時にコモンレール内のエマルジョン燃料を主燃料に置換しておけば、コモンレール内における錆の発生が抑制され、内燃機関の再始動も円滑に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−33458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に開示されたディーゼルエンジンの運転方法を、コモンレールを備えた内燃機関に適用した場合、以下のような不都合が生じることが考えられる。
すなわち、コモンレール内のエマルジョン燃料のほぼ全量を軽油に置換するためにアイドリング状態を長時間継続しなければならなかった。長時間のアイドリング継続は燃費の悪化を招く。
【0007】
そこで、本明細書開示の発明は、コモンレール内のエマルジョン燃料を短時間で主燃料に置換することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、本明細書開示の内燃機関の燃料供給装置は、燃料としてエマルジョン燃料及び主燃料を用いる内燃機関の燃料供給装置であって、燃料噴射ノズルに供給する燃料を貯留するコモンレールと、当該コモンレール内のエマルジョン燃料を流出させるリリーフバルブと、前記コモンレールに導入される燃料を主燃料に切り替える切替バルブと、イグニションのオフ状態を確認後、前記コモンレールの目標レール圧を維持しつつ、前記コモンレールに主燃料が流入するように前記切替バルブを切り替えると共に、前記リリーフバルブを開閉させて前記コモンレール内の燃料を主燃料に置換する燃料置換制御を行う燃料置換制御部と、を、備えている。
【0009】
内燃機関を停止するためにイグニションがオフ状態とされたときに、リリーフバルブを開閉させることにより、コモンレール内のエマルジョン燃料を迅速かつ効率的に順次導入される主燃料に置換(フラッシング)することができる。
【0010】
このような燃料供給装置における前記目標レール圧は、前記内燃機関のアイドリング状態における目標レール圧とすることができる。アイドリング状態における目標レール圧を維持しつつ燃料置換制御を行えば、エンジンを停止する前にエマルジョン燃料と主燃料との置換を行うことができる。そして、コモンレール内が主燃料で満たされた状態でエンジンを停止することができる。
【0011】
このような燃料供給装置は、前記コモンレール内のエマルジョン燃料の主燃料への燃料置換完了を判定するための情報を取得する情報取得手段を備え、前記燃料置換制御部は、前記情報取得手段により取得された情報に基づいて燃料置換完了が判定されるまで前記燃料置換制御を継続する構成とすることができる。燃料の置換完了を判定するための情報取得手段を備えることにより、コモンレール内のエマルジョン燃料と主燃料との置換の確実性を高めることができる。
【0012】
また、このような燃料供給装置における前記コモンレールは、一端部に前記リリーフバルブを備え、他端部に内部に燃料を導入するインレットパイプを備えることが望ましい。コモンレールの一端部からその内部のエマルジョン燃料を排出し、他端部から主燃料を導入することにより、コモンレールの全域に亘って迅速にエマルジョン燃料と主燃料との置換を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本明細書開示の内燃機関の燃料供給装置によれば、コモンレール内のエマルジョン燃料を短時間で主燃料に置換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例の燃料供給装置を組み込んだエンジンの構成図である。
【図2】図2は、比較例のサプライポンプ及びリリーフバルブ周辺を示す説明図である。
【図3】図3は、実施例の燃料供給装置の制御の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、実施例の内燃機関の燃料供給装置100が組み込まれたディーゼルエンジンエンジン(以下、単に「エンジン」という)1の概略を示す構成図である。エンジン1は、車両に搭載される内燃機関の一例であり、燃料として主燃料とエマルジョン燃料を使用することができる。内燃機関の燃料としての主燃料は、軽油や重油を用いることができるが、本実施例のエンジン1は、主燃料として軽油を用いる。また、内燃機関の燃料としてのエマルジョン燃料は、軽油や重油に水やアルコールを混入して生成することができるが、本実施例のエンジン1は、エマルジョン燃料として軽油に水を混入して生成されたものを用いる。
【0017】
燃料供給装置1は、コモンレール2を備えている。コモンレール2は、エンジン1の気筒毎に装着された燃料噴射ノズル4とデリバリパイプ3で接続されている。そして、燃料噴射ノズル4に供給する燃料を貯留する。コモンレール2は、軽油又はエマルジョン燃料を貯留する。
【0018】
コモンレール2は、その一端部にリリーフバルブ5を備え、他端部にコモンレール2の内部に燃料を導入するインレットパイプ6を備えている。インレットパイプ6の他端は、燃料のサプライポンプ7に接続されている。サプライポンプ7は、コモンレール2に対し、リリーフバルブ5が設けられた一端部よりもインレットパイプ6が設けられた他端部に近い位置に配置されている。リリーフバルブ5は、開閉することによってコモンレール2内の燃料を流出させる。リリーフバルブ5は、車両の走行時において、要求される燃圧に応じてコモンレール2内の燃料を流出させる機能も有している。
【0019】
燃料供給装置100は、軽油タンク8と、水タンク9を備えている。さらに、エマルジョン生成部10、フラッシングタンク11を備えている。フラッシングタンク11は、コモンレール2やサプライポンプ7からリターンされた燃料を貯留する。フラッシングタンク11の下端部にはフラッシングタンク11内の燃料の流出を調整する出口バルブ12が装着されている。
【0020】
軽油タンク8とエマルジョン生成部10とは第1配管13で接続されている。また、水タンク9とエマルジョン生成部10とは第2配管14で接続されている。エマルジョン生成部10は、軽油タンク8から導入された軽油と、水タンク9から導入された水とを所定の割合で混合し、撹拌することによってエマルジョン燃料を生成する。また、エマルジョン生成部10は、第3配管15を介して出口バルブ12と接続されている。
【0021】
エマルジョン生成部10は、第4配管16を介してサプライポンプ7と接続されている。これにより、エマルジョン生成部10で生成されたエマルジョン燃料がサプライポンプ7を通じてコモンレール2に導入される。
【0022】
サプライポンプ7は、第5配管17を介してフラッシングタンク11と接続されている。第5配管17は、サプライポンプ7からのリターン燃料をフラッシングタンク11へ送る。第5配管17には、燃料クーラー18が配置されている。また、第5配管17には、合流点20に第6配管19が接続されている。この第6配管19の他端はリリーフバルブ5に接続されている。これによりリリーフバルブ5を通じてコモンレール2から流出したリターン燃料も第5配管17を通じてフラッシングタンク11に送られる。第5配管17内を流通するリターン燃料は、燃料クーラー18により冷却される。
【0023】
第6配管には、燃料性状センサ21が装備されている。この燃料性状センサ21は、情報取得手段の一例であり、リリーフバルブ5を通じて流出した燃料中の含水率を測定する。含水率は、燃料置換完了を判定するための情報に相当し、この含水率により、コモンレール2内のエマルジョン燃料の軽油への燃料置換完了を判定することができる。
【0024】
燃料供給装置100は、エマルジョン生成部10をバイパスして第1配管13と第4配管16とを接続するバイパス管22を備えている。第4配管16とバイパス管22との接続部には、切替バルブ23が設けられている。切替バルブ23は、三方弁であり、サプライポンプ7を通じてコモンレール2へ導入される燃料の種別を切り替える。すなわち、エマルジョン生成部10から供給されるエマルジョン燃料と、軽油タンク8から直接供給される軽油とを選択する。
【0025】
燃料供給装置100は、ECU(Electronic control unit)25と、燃料置換制御部26、パルス電流発生部27を備えている。ECU25は、エンジン1の主要な制御を行うもので、イグニション(IG)24と電気的に接続されており、イグニション24のオンオフ情報を取得する。燃料置換制御部26は、ECU25、パルス電流発生部27と電気的に接続されている。パルス電流発生部27は、リリーフバルブ5と電気的に接続されおり、リリーフバルブ5にその開閉動作をさせるためのパルス電流を供給する。燃料置換制御部26は、さらに、出口バルブ12、燃料性状センサ21、切替バルブ23と電気的に接続されている。燃料置換制御部26は、イグニション25のオフ状態を確認後、コモンレール2の目標レール圧を維持しつつ、コモンレール2に軽油が流入するように切替バルブ23を切り替える。また、リリーフバルブ5を開閉させてコモンレール内のエマルジョン燃料を軽油に置換する。
【0026】
燃料置換制御部26は、このような動作を行うためのプログラムを保持している。このプログラムは、エンジン1のアイドリング状態における目標レール圧を考慮し、この目標レール圧を下回らないパルス電流の周波数、デューティ比でリリーフバルブ5の開閉を行う。すなわち、燃料置換制御部26から指令を受けるパルス電流発生部27は、プログラムに基づいて動作し、リリーフバルブ5を強制的に開閉させる。
【0027】
燃料置換制御部26は、燃料性状センサ21により取得された含水率により、コモンレール2内のエマルジョン燃料の軽油への燃料置換完了が判定されるまで燃料置換制御を継続する。
【0028】
燃料置換制御が行われると、リリーフバルブ5を通じてコモンレール2内のエマルジョン燃料が流出し、コモンレール2には、サプライポンプ7から軽油が導入される。これにより、コモンレール2内のエマルジョン燃料が軽油に置換される。このとき、リリーフバルブ5はコモンレール2の一端部に備えられ、インレットパイプ6はコモンレール2の他端部に接続されているので、図1中、矢示28のように燃料が流れ、コモンレール2の全域に亘って、効率よく燃料置換を行うことができる。例えば、図2に示す比較例のエンジン50のように、コモンレール52の同一側の端部にインレットパイプ55とリリーフバルブ57を備えていると、コモンレール52内の燃料の置換には時間がかかる。このようなインレットパイプ55とリリーフバルブ57の配置は、配管をできるだけ短くするとの要請に応えるものである。しかしながら、A部を拡大して示すように、サプライポンプ7からインレットパイプ6を通じてコモンレール52内に導入された燃料の多くが、矢示60で示すようにリリーフバルブ57からリターンパイプ59へ流出する。このため、コモンレール52の全域に亘って燃料の置換が行われるには時間がかかる。
【0029】
このような比較例に対し、本実施例におけるリリーフバルブ5とインレットパイプ6の配置は、コモンレール2内の迅速な燃料置換に効果的である。
【0030】
以上のような燃料供給装置100の制御及び動作につき、図3に示すフロー図を参照しつつ説明する。
【0031】
まず、エンジン1の稼動中において、切替バルブ23はエマルジョン生成部10側からエマルジョン燃料が供給されるように設定されていることとする。このため、コモンレール2内はエマルジョン燃料が充填された状態となっている。
【0032】
ECU25は、ステップS1においてイグニション24がオン状態からオフ状態にされたか否かを監視している。従って、ECU25は、稼動状態にあるエンジン1のイグニション24のオフ状態が確認されるまでNO判定を繰り返し、オフ状態が確認されると、YES判定を行って、ステップS2へ進む。
【0033】
ステップS2では、燃料置換制御を開始する。具体的には、燃料置換制御部26から切替バルブ23へ指令が出され、切替バルブ23は、軽油タンク8から直接サプライポンプ7へ軽油が送られる状態とされる。また、ECU25によってパルス発生フラグがオンとされる。そして、燃料置換制御部26からパルス電流発生部27へ指令が出される。指令を受けたパルス電流発生部27は、予め定められ、プログラムされた周波数及びデューティ比のパルス電流をリリーフバルブ5に供給する。これにより、リリーフバルブ5は開閉動作を繰り返す。この結果、コモンレール2内のエマルジョン燃料が徐々にコモンレール2内から流出する。
【0034】
このとき、サプライポンプ7の駆動は継続されており、コモンレール2には、インレットパイプ6を通じて継続して軽油が供給されている。このため、リリーフバルブ5からエマルジョン燃料が流出しているにもかかわらずコモンレール2の目標レール圧は維持され、アイドリング状態は継続されている。
【0035】
このとき、燃料置換制御部26は、出口バルブ12に指令を発し、出口バルブ12を閉状態とする。これにより、フラッシングタンク11は、燃料を貯留可能な状態となる。リリーフバルブ5から流出したエマルジョン燃料は、第6配管19、第5配管17を通じてフラッシングタンク11に送られる。このとき、燃料性状センサ21を通過したエマルジョン燃料の性状に関する情報が燃料置換制御部26に送られる。
【0036】
ステップS2において燃料置換制御を開始した後は、ステップS3へ進む。ステップS3では、燃料置換制御部26は、燃料置換が完了したか否かの判定を行う。具体的には、燃料性状センサ21から送られた燃料中の含水率が所定値以下となっている場合にYESと判定し、ステップS4へ進む。一方、含水率が所定値よりも高い場合は、未だエマルジョン燃料がコモンレール2内に残留していると判断できるため、燃料置換制御を継続すべくNO判定とする。
【0037】
ステップS3で燃料置換が完了したと判定した後は、ステップS4において、燃料置換制御終了措置を採る。具体的には、ECU25によってパルス発生フラグがオフとされる。これによりリリーフバルブ5の制御が通常制御に復帰する。ここで、リリーフバルブ5の通常制御とは、エンジン1の稼動時に、その稼動状態によって変化する目標レール圧を達成するための開閉制御である。燃料置換制御終了措置では、アイドリングを終了し、エンジン1を停止させる。
【0038】
以上が燃料供給装置100の制御及び動作である。燃料供給装置100は、コモンレール2に軽油を供給しつつ、コモンレール2内エマルジョン燃料を流出させるので、短時間でエマルジョン燃料と軽油との燃料置換を完了することができる。また、このとき、リリーフバルブ5を開閉動作させて、アイドリング状態における目標レール圧が維持されるので、アイドリング状態が継続される。アイドリング状態が継続されることにより、サプライポンプ7の動作も保障される。このように本実施例の燃料供給装置100によれば短時間で燃料置換を行うことができるので、燃料の消費も抑制することができる。
【0039】
燃料置換制御により、エンジン停止時にコモンレール2内及びコモンレール2の下流側の燃料供給経路、具体的にはデリバリパイプ3及び燃料噴射ノズル4に軽油を充填しておくことができる。軽油はエマルジョン燃料と比較して始動性が良好であるため、次回エンジン始動を円滑に行うことができる。また、コモンレール2やその下流の燃料経路においてエマルジョン燃料から分離した水に起因する錆の発生を抑制することができる。
【0040】
なお、フラッシングタンク11内に貯留されたエマルジョン燃料は、エンジン1の稼動時に出口バルブ12を開放してエマルジョン生成部10へ送り、消費することができる。
また、燃料置換制御において軽油側に切り替えられた切替バルブ23は、エンジン1の再始動後、その稼動状態に応じて再びエマルジョン燃料を供給する側に切り替えられる。
【0041】
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。例えば、情報取得手段として燃料性状センサ21に代えてタイマとしてもよい。すなわち、予め燃料置換が完了する時間を把握しておき、この時間の経過をタイマによって検知することによって燃料置換が完了したと判定するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施例では、水と主燃料とが混合されたエマルジョン燃料の使用を想定しているが、アルコールと主燃料とを混合したエマルジョン燃料を使用するエンジンに対しても上記と同様の燃料供給装置を適用することができる。アルコールを用いる場合であっても、停止時にコモンレール内を主燃料に置換しておくことにより、迅速な再始動が望めるからである。この場合は、燃料性状センサとして、アルコールの含有率を測定するものを使用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…ディーゼルエンジン
2…コモンレール
3…デリバリパイプ
4…燃料噴射ノズル
5…リリーフバルブ
6…インレットパイプ
7…サプライポンプ
8…軽油タンク
9…水タンク
10…エマルジョン生成部
11…フラッシングタンク
12…出口バルブ
13…第1配管
14…第2配管
15…第3配管
16…第4配管
17…第5配管
18…燃料クーラー
19…第6配管
20…合流点
21…燃料性状センサ
22…バイパス管
23…切替バルブ
24…イグニション(IG)
25…ECU
26…燃料置換(フラッシング)制御部
27…パルス電流発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料としてエマルジョン燃料及び主燃料を用いる内燃機関の燃料供給装置であって、
燃料噴射ノズルに供給する燃料を貯留するコモンレールと、
当該コモンレール内の燃料を流出させるリリーフバルブと、
前記コモンレールに導入される燃料を主燃料に切り替える切替バルブと、
イグニションのオフ状態を確認後、前記コモンレールの目標レール圧を維持しつつ、前記コモンレールに主燃料が流入するように前記切替バルブを切り替えると共に、前記リリーフバルブを開閉させて前記コモンレール内のエマルジョン燃料を主燃料に置換する燃料置換制御を行う燃料置換制御部と、
を、備えることを特徴とした内燃機関の燃料供給装置。
【請求項2】
前記目標レール圧は、前記内燃機関のアイドリング状態における目標レール圧としたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料供給装置。
【請求項3】
前記コモンレール内のエマルジョン燃料の主燃料への燃料置換完了を判定するための情報を取得する情報取得手段を備え、
前記燃料置換制御部は、前記情報取得手段により取得された情報に基づいて燃料置換完了が判定されるまで前記燃料置換制御を継続することを特徴とした請求項1又は2記載の内燃機関の燃料供給装置。
【請求項4】
前記コモンレールは、一端部に前記リリーフバルブを備え、他端部に内部に燃料を導入するインレットパイプを備えたことを特徴とした請求項1乃至3のいずれか一項記載の内燃機関の燃料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−122497(P2011−122497A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279861(P2009−279861)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】