包装装置及び包装方法
【課題】連続して送り出される包装シート(12)を筒状連続体(20)に整形するフォーマ(13)と、筒状連続体(20)の上流端内に被包装物(A)を供給する物品供給装置(34)と、筒状連続体(20)に整形された包装シート(12)の両側縁を溶着するセンタシール装置(16)と、その下流側のエンドシール装置(6)を具備し、前記エンドシール装置(6)は、前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する包装装置に於いて、包装シート(12)の必要量を少なくする。
【解決手段】筒状連続体(20)の最下流部に位置する被包装物(A)の組が充填されている切断対象部(S)を、前傾姿勢にする傾斜機構(4)が設けられ、エンドシール装置(6)は、前記姿勢に傾斜された前記切断対象部(S)の後端を溶着すると共に切断する。
【解決手段】筒状連続体(20)の最下流部に位置する被包装物(A)の組が充填されている切断対象部(S)を、前傾姿勢にする傾斜機構(4)が設けられ、エンドシール装置(6)は、前記姿勢に傾斜された前記切断対象部(S)の後端を溶着すると共に切断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に連続的に送り出されるフイルムシートで筒状連続体を形成し、その内部に菓子片等の被包装物を充填した後、充填部の前後を溶断してピロー包装品にする横型の、包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記包装装置として、従来、特開平8−230809号(特許文献1)に開示されたものが知られている。
図14は、従来の包装装置の平面図であり、図15はその一部切欠きの側面図である。
被包装物(A)の搬送路となる物品滑走板(14)を上下に貫通する移送杆(10)(10)は、無端状のチェーン(15)に所定ピッチで配設されていると共に、該チェーン(15)はスプロケット(1)で駆動されるようになっている。前記スプロケット(1)の上方には、包装シート(12)を巻き取ったロール(11)とフィードローラ(17)(17)が配設されていると共に、フィードローラ(17)(17)から送り出された包装シート(12)は、フォーマたる整形筒(13)に挿通されて筒状連続体(20)に整形されるようになっている。
【0003】
整形筒(13)の下流側には、一対のセンタシールローラ(16)(16)と、エンドシール装置(18)がこの順序で配設されており、エンドシール装置(18)は、上下一対の回転軸(18a)(18a)に突設された挟圧熱板(18b)(18b)を備えている。又、エンドシール装置(18)の更に下流側には、図示しない排出コンベヤが連設されている。
【0004】
このものでは、フィードローラ(17)(17)から送り出された包装シート(12)は、整形筒(13)内を通過することで幅方向に丸められる。これにより、包装シート(12)の両側縁が重なった合掌部(19)が下部から垂下する略Ω状断面の筒状連続体(20)が整形筒(13)から送り出される。
【0005】
一方、整形筒(13)の入り口部では、チェーン(15)に設けられた移送杆(10)によって、被包装物(A)が筒状連続体(20)内に水平に押し込まれる。そして、整形筒(13)から送り出される筒状連続体(20)の下部に垂下する合掌部(19)(包装シート(12)の両側縁の重なり部)がセンタシールローラ(16)(16)で挟圧・溶着された後、包装単位数(図示例のものでは3個)毎に纏められた被包装物(A)の組の相互間が、エンドシール装置(18)の挟圧熱板(18b)(18b)で挟圧されて溶着されると同時に切断される。これにより、被包装物(A)が包装単位数毎に包装されたピロー包装品(H)が完成し、これが、図示しない排出コンベヤで排出される。
【0006】
このものでは、整形筒(13)で整形される筒状連続体(20)の上流端の開放部に被包装物(A)を移送杆(10)で送り込む。従って、下向きに送り出されるフイルムシートで整形された縦長の筒状連続体内に被包装物を自由落下させて充填する縦型ピロー包装機と相違し、図14,図15に示す粒状の被包装物(A)以外に、煎餅等の扁平な被包装物(A)を重ね合わせた状態で包装する場合や、トレー等に充填された被包装物(A)を包装することが出来る。
【特許文献1】特開平8−230809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の包装装置では、整形筒(13)から送り出された筒状連続体(20)内で被包装物(A)が安定しないことから、包装シート(12)の必要量が多くなり、資源の有効利用が図れないという問題があった。かかる問題点について更に詳述する。
【0008】
上記従来の包装装置は、被包装物(A)を水平に送る構成であるから、整形筒(13)から送り出された筒状連続体(20)内では、被包装物(A)が自由状態にあって安定しない。従って、被包装物(A)(A)の整列状態が崩れて拡散し易く、又、被包装物(A)の組(包装単位数毎に纏められている)の相互間のピッチがずれ易い。その結果、被包装物(A)の組の相互のピッチが小さくなる場合が生じる。よって、かかる状態で、包装単位数毎に纏められた被包装物(A)の組の相互間をエンドシール装置(18)で挟圧すると、被包装物(A)がエンドシール装置(18)の挟圧熱板(18a)(18b)で挟まれて破損したり、これによって生じた破片がエンドシール部に噛み込んで密封性が担保できなくなる。かかる問題を考慮し、上記従来の包装装置では、被包装物(A)の組の相互間のピッチを予め大きく設定することで、包装単位数毎に纏められた被包装物(A)の各組相互の間隔に余裕を持たせ、これにより、エンドシール装置(18)で被包装物(A)が挟まれないようにしている。このことから、必然的にピロー包装品(H)内の空間率が大きくなり、その結果、包装シート(12)の必要量を少なくできず、資源の有効利用が図れないのである。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、
『連続的に送り出される包装シート(12)を幅方向に丸めることにより水平方向に長い筒状連続体(20)を整形するフォーマと、
被包装物(A)を包装単位数毎に纏めた状態で、前記フォーマの上流から前記筒状連続体(20)内に設定ピッチで供給する物品供給装置と、
前記筒状連続体(20)に整形された包装シート(12)の両側縁を重ね合わせ状態に溶着するセンタシール装置と、
前記センタシール装置の下流側に配設されたエンドシール装置を具備し、
前記エンドシール装置は、前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する包装単位数の被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する機能を備えている、包装装置』に於いて、ピロー包装品(H)内の空間率を少なくできるようにして、包装シート(12)の必要量を少なくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の解決手段は、
『前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記被包装物(A)の組が充填されている切断対象部を、先端に向かって低くなる姿勢に傾斜させる為の傾斜機構が設けられ、
前記エンドシール装置は、前記傾斜機構で前記姿勢に傾斜された前記切断対象部の後端を溶着すると共に切断する』ことである。
前記「包装単位数」は複数に限定されず、単数であっても良い。
上記解決手段によれば、切断対象部が先端に向かって低くなる姿勢に傾斜機構で傾斜されるから、傾斜した切断対象部内にある被包装物(A)が先端に向かって先詰めされた状態になる。そして、この先詰めされた後に、切断対象部の後端がエンドシール装置にて挟圧されるから、該挟圧部に被包装物(A)が噛み込む心配が少なくなる。これにより、上記従来のもののように、包装単位数毎に纏められた被包装物(A)の各組間のピッチを、予め大きく設定して余裕を持たせる必要がない。
【0011】
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明に於いて、
『前記エンドシール装置は、前記筒状連続体(20)を前記挟圧する為の一対のヒータブロックを具備しており、
前記傾斜機構は、前記筒状連続体(20)の下面に当接した状態を維持しながら筒状連続体(20)と同速で移動した後にその下方域を経て上流側に帰還する支持腕を具備するコンベヤで構成され、
更に、前記コンベヤの下流端から突出する前記切断対象部を持ち上げる干渉防止装置が設けられ、
前記干渉防止装置で前記切断対象部が持ち上げられた後に前記ヒータブロックが前記筒状連続体(20)を挟圧する』ものとすることができる。
このものでは、コンベヤの下流端まで移動した支持腕が切断対象部の後方を下方から支持し、これにより、切断対象部を垂れ下り状態に支持する。そして、この垂れ下がり状態にある切断対象部は、干渉防止装置で持ち上げられ、この持ち上げ後にヒータブロックが筒状連続体(20)を挟圧して溶着する。
【0012】
[請求項3に係る発明]
請求項1又は請求項2に係る発明に於いて、
『前記切断対象部を振動させる振動付与機構を備えた』ものでは、振動付与機構による振動によって、切断対象部内の被包装物(A)が一層先詰めされた状態になる。
【0013】
[請求項4に係る発明]
上記課題を解決する為の請求項4に係る発明の解決手段は、
『被包装物(A)が包装単位数毎に纏められた状態で長手方向に設定ピッチで充填されている筒状連続体(20)を前記長手方向に水平姿勢で搬送し、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する包装単位数の被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する包装方法に於いて、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記被包装物(A)の組が充填されている切断対象部を、先端に向かって低くなる姿勢に傾斜させ、
前記傾斜後に於ける前記切断対象部の後端を溶着すると共に切断する』ことである。
これにより、請求項1に係る発明と同様、切断対象部が先端に向かって低くなる姿勢に傾斜され、切断対象部内にある被包装物(A)が先端に向かって先詰めされた状態になる。そして、この先詰めされた状態で切断対象部の後端が溶着されると共に切断される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1〜4に係る発明によれば、包装単位数毎に纏められた被包装物(A)の各組間のピッチを、予め大きく設定して余裕を持たせる必要がない。従って、ピロー包装品(H)内の空間率が少なくなってタイト包装状態になるから、包装シート(12)の必要量が少なくなる。
請求項3に係る発明では、切断対象内の被包装物(A)が一層先詰めされるから、包装シート(12)の必要量が一層少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、上記した本発明の実施の形態を図面に従って詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る包装装置の正面図であり、装置本体(31)の上部には熱溶融性樹脂から成る包装シート(12)を巻き取ったロール(11)が配設されている。又、前記ロール(11)の下方には、包装単位数(単数でも複数でもよい)毎に纏められた組の菓子片(99)(被包装物)群を供給装置(図示せず)から受け取って搬送する搬送装置(34)が設けられていると共に、該搬送装置(34)の下流側にはロール(11)から引き出された包装シート(12)を断面Ω状の筒状連続体(20)に整形する為のフォーマたる整形筒(13)が設けられている。又、整形筒(13)の下流側には、筒状連続体(20)の下部に垂下する合掌部(19)(包装シート(12)の両側縁の重合部)を挟圧しながら下流側へ引っ張る為の一対の送りローラ(21)(21)と、前記合掌部(19)を加熱挟圧して溶着する為のセンタシール装置たるセンタシールローラ(16)(16)と、包装単位数毎に纏められた各組の菓子片(99)群の相互間を上下から挟持した状態で走行する先詰め装置(4)(既述発明特定事項たる「傾斜機構」に対応する)が設けられている。そして、先詰め装置(4)の更に下流側には、筒状連続体(20)の先端に位置する半包装品(S)(既述発明特定事項たる「切断対象部」に対応する)の後端を上下に挟圧して溶着すると同時に切断するエンドシール装置(6)と、これによって切断されたピロー包装品(H)をシュート(37)を介して受け取る排出コンベヤ(38)が設けられている。
【0016】
以下、各部の詳細を説明する。
[ロール(11)等について]
ロール(11)は長尺帯状の包装シート(12)を巻き取ったものであり、その下方には、ロール(11)から包装シート(12)を引き出す為の一対のフィードローラ(32)(32)と、その下流側のガイドローラ(33)が設けられている。
【0017】
[搬送装置(34)等について]
上記ロール(11)等の下方に配設された搬送装置(34)(既述発明特定事項たる「物品供給装置」に対応する)は、駆動側スプロケット(35)と従動側スプロケット(36)の間に掛け回されたチェーン(15)の外周に所定ピッチで移送杆(10)(10)を配設したもので、図2に示すように、移送杆(10)(10)は、被包装物(A)たる菓子片(99)の搬送路となる物品滑走板(14)に形成されたスリット(140)内を走行するようになっている。従って、物品滑走板(14)上に載置された菓子片(99)は、前記スリット(140)内を走行する移送杆(10)で搬送方向に押されて後述の整形筒(13)側に搬送される。
【0018】
[整形筒(13)について]
ロール(11)から引き出された包装シート(12)を筒状連続体(20)に整形する為のフォーマたる整形筒(13)は軸線方向の両端が開放していると共に、図3に示すように、整形筒(13)の底壁には軸線方向の全域に亘る下方スリット(130)が形成されている。そして、下方スリット(130)の上流端部には、該下方スリット(130)を挟んで対向する一対のシート合わせ板(131)(131)が垂下している。
【0019】
又、整形筒(13)の入口部(132)は上流側及び下方に開放していると共に、入口部(132)は、搬送装置(34)に設けられた移送杆(10)(10)の走行域の下流端部に被さった状態になっている。又、図3に示すように、整形筒(13)の両側壁には上流端の下端コーナ部に位置し且つ下流側に向けて順次低くなったシート案内翼(133)(133)が設けられている。
【0020】
従って、ロール(11)から引き出された包装シート(12)は、整形筒(13)に挿通されることで幅方向に丸められて筒状連続体(20)に整形されると共に、搬送装置(34)の下流端から移送杆(10)で押し出される菓子片(99)群は整形筒(13)の入口部(132)に押し込まれ、これにより、筒状連続体(20)内に一組の菓子片(99)群(包装単位数毎に纏められている)が設定ピッチで供給された状態になる。又、筒状連続体(20)が整形筒(13)から送り出されると、該筒状連続体(20)を構成する包装シート(12)の幅方向の両側縁(120)(121)が、シート合わせ板(131)(131)によって重ね合わされて合掌部(19)が形成される。
【0021】
[送りローラ(21)(21)及びセンタシールローラ(16)(16)について]
整形筒(13)の下流側に配設された送りローラ(21)(21)は、図3に示すように、筒状連続体(20)の下部に垂下する前記合掌部(19)(包装シート(12)の両側縁(120)(121)が重ね合わされた部分)を表裏から挟圧した状態で回転する構成である。
【0022】
又、送りローラ(21)(21)の下流側に配設されたセンタシールローラ(16)(16)は、図示しないヒータで加熱されていると共に、上記筒状連続体(20)の下部から垂下する合掌部(19)を表裏から加熱・挟圧した状態で回転する。
【0023】
従って、整形筒(13)から送り出された筒状連続体(20)の下部の前記合掌部(19)は、回転する送りローラ(21)(21)で挟圧されつつ下流側のセンタシールローラ(16)(16)部分に送られると共に、該センタシールローラ(16)(16)によって前記合掌部(19)が加熱挟圧される。これにより、包装シート(12)の両側縁(120)(121)どうしの重なり部たる合掌部(19)がセンタシールローラ(16)(16)にて連続的に溶着される。
【0024】
[先詰め装置(4)について]
センタシールローラ(16)(16)の下流側に配設される先詰め装置(4)は、図4,図5に示すように、左右一対の側板(40a)(40b)の相互間に設けられた上下に平行な一対のコンベヤ(41)(41)を備えている。
【0025】
各コンベヤ(41)は、一方の側板(40a)から他方の側板(40b)に貫通する駆動軸(43)に回り止め状態に固定された大径スプロケット(44a)(44b)を具備していると共に、これら大径スプロケット(44a)(44b)は側板(40a)(40b)の内側に位置している。又、側板(40a)(40b)の下流端部の内側には、大径スプロケット(44a)(44b)に各別に対応する小径スプロケット(45a)(45b)が取り付けられている。
【0026】
一方の側板(40a)側に位置する大径スプロケット(44a)と小径スプロケット(45b)の組と、他方の側板(40b)側に位置する大径スプロケット(44a)と小径スプロケット(45b)の組の夫々には、チェーン(46)(46)が各別に掛け回されていると共に、これらチェーン(46)(46)には既述発明特定事項たる「支持腕」に対応する水平棒(47)(47)が搬送方向に設定ピッチ(ピロー包装品(H)のエンドシール部相互の間隔に略等しい)で架設されている。
【0027】
図5に示すように、各駆動軸(43)(43)の一端には、互いに噛み合う歯車(48)(48)が固定されており、これにより、両駆動軸(43)(43)が同速で同期回転するようになっている。
又、歯車(48)は、後述するエンドシール装置(6)の駆動源たる駆動モータ(87)で駆動されるようになっている。尚、駆動モータ(87)とは別なモータで、前記先詰め装置(4)用の歯車(48)を駆動してもよい。
【0028】
又、先詰め装置(4)を構成する側板(40a)(40b)の上流側端近傍は、基端軸(49)で上下回動自在に支持されていると共に、先詰め装置(4)の下面は、装置本体(31)に立設した支持板(4a)で受け止められるようになっている(図1参照)。又、側板(40a)(40b)の下流端近傍の下部には、カムフォロア(42)が配設されており、該カムフォロア(42)は、後述するエンドシール装置(6)用の駆動モータ(87)で回転されるカム板(59)の外周カム部(590)に当接する。
【0029】
又、本実施の形態では、先詰め装置(4)はその上流端近傍の基端軸(49)で上下回動自在に構成されていると共に、下流端近傍の下部に設けられたカムフォロア(42)がカム板(59)の外周カム部(590)に当接する。従って、カムフォロア(42)が前記外周カム部(590)に沿って移動する際には、先詰め装置(4)が基端軸(49)を支点として上下に揺動回動し、これにより、筒状連続体(20)の先端の半包装品(S)(先詰め装置(4)の先端から突出する部分)が振動される。
【0030】
[エンドシール装置(6)について]
エンドシール装置(6)は、図6に示すように構成されており、図7に示す下ブロック昇降装置(8)と、図8に示す上ブロック昇降装置(7)を組み合わせたものである。
《下ブロック昇降装置(8)について》
図7に示すように、下ブロック昇降装置(8)は、横方向に対向する一対の縦桟(811)(814)が中央横桟(810)とその下方の下横桟(812)で連結された下ヒータ用昇降枠(81)を備えており、前記中央横桟(810)には下ヒータブロック(80)が載置・固定されている。尚、下ヒータブロック(80)には、図9に示すように、上方に開放する凹溝(800)が形成されていると共にヒータ(801)が埋設されている。
【0031】
前記下ヒータ用昇降枠(81)を構成する一対の縦桟(811)(814)の外面には、ガイドローラ(813)(813)が上下に間隔を置いて配設されおり、これらガイドローラ(813)(813)は、後述の上ブロック昇降装置(7)(図8参照)を構成する上ヒータ用昇降枠(71)の左右一対の縦レール(711)(714)に形成された上下方向の走行溝(711a)(714a)内を走行する。
【0032】
図7に示すように、下ヒータ用昇降枠(81)を構成する一方の縦桟(814)は、クランク状に屈曲したブラケット(B)で回転円板(824)の外周部に連結されている。他方の縦桟(811)の上下部近傍は、前記と同様のクランク状のブラケット(B)によって、上下の回転円板(821)(823)の外周部に連結されている。
【0033】
回転円板(821)(823)(824)は夫々、スプロケット(821b)(823b)(824b)を具備する回転軸(821a)(823a)(824a)に取り付けられていると共に、スプロケット(821b)(823b)は駆動軸(83)の一端に設けられたスプロケット(831)に伝動チェーン(84)を介して連結されている。又、他方の回転円板(824)の回転軸(824a)に固定されたスプロケット(824b)は、前記駆動軸(83)の他端に設けられたスプロケット(832)に伝動チェーン(85)を介して連結されていると共に、駆動軸(83)には、スプロケット(833)と駆動チェーン(86)を介して駆動モータ(87)に連結されている。
【0034】
従って、駆動モータ(87)が作動すると、駆動チェーン(86)及びスプロケット(833)を介して駆動軸(83)に回転力が伝達されてこれが回転する。すると、該駆動軸(83)の一端のスプロケット(831)→伝動チェーン(84)→スプロケット(821b)(823b)の経路で回転力が伝達されて回転円板(821)(823)が同速で同期回転する。又、駆動軸(83)の他端に設けられたスプロケット(832)→伝動チェーン(85)→スプロケット(824b)の経路でも前記回転力が伝達され、該スプロケット(824b)に回転軸(824a)を介して連結された回転円板(824)が回転する。これにより、回転円板(821)(823)(824)が同速で同期回転し、下ヒータブロック(80)を具備する下ヒータ用昇降枠(81)が鉛直姿勢を保った状態で円運動する。
【0035】
《上ブロック昇降装置(7)について》
図8は上ブロック昇降装置(7)の斜視図である。
上ブロック昇降装置(7)は、横方向に対向する一対の縦レール(711)(714)が上端の上桟(710)と下端の下桟(712)で連結された上ヒータ用昇降枠(71)を備えている。上桟(710)には、長手方向に間隔を置いて上下に貫通する昇降軸(72)(72)が設けられており、該昇降軸(72)(72)の上端にはエンドナット(73)(73)が螺合されていると共に、下端には上ヒータブロック(70)が固定されている。
【0036】
この上ヒータブロック(70)には、図9に示すように、ヒータ(75)が埋設されていると共に、下方開放の細溝(74)内には、既述下ヒータブロック(80)の凹溝(800)に侵入する切断刃(79)が設けられている。又、各昇降軸(72)に外嵌された押しバネ(76)は、上ヒータブロック(70)と上桟(710)の間に圧縮状態で介在されていると共に、切断刃(79)は、上桟(710)の下面に固定された保持ブロック(89)に固定ピン(790)(790)で固定されている。従って、昇降軸(72)(72)は、押しバネ(76)(76)で下方に付勢された状態で上ヒータブロック(70)と共に上桟(710)に対して昇降する。よって、上ヒータブロック(70)の上昇時には、該上ヒータブロック(70)が、保持ブロック(89)に固定された切断刃(79)に対して上昇し、これにより、切断刃(79)が細溝(74)の下端から下方に突出する。
【0037】
上ヒータ用昇降枠(71)の下桟(712)に固定されたブラケット(715)には、リンク(77)とこれに回動自在に結合されたクランク(78)が連設されており、該クランク(78)の回動支点たる支軸(64)は固定面(65)に取り付けられている。クランク(78)の入力端から突出する横軸(66)の先端にはカムフォロア(67)が取り付けられており、該カムフォロア(67)は、カム円盤(68)に形成された半円状のカム溝(680)内に位置している。
【0038】
カム円盤(68)の背面から突出するカム軸(681)の先端に設けられたスプロケット(682)には、既述駆動モータ(87)で回転される駆動軸(83)の一端のスプロケット(832)に繋がる伝動チェーン(85)が掛け回されている。従って、駆動モータ(87)の回転力は、駆動軸(83)→スプロケット(832)→伝動チェーン(85)→スプロケット(682)→カム軸(681)→カム円盤(68)の経路で伝達して該カム円盤(68)が回転する。すると、該カム円盤(68)のカム溝(680)に沿ってカムフォロア(67)が移動する結果、クランク(78)が支軸(64)を支点に回動し、その先端にリンク(77)を介して連結された上ヒータ用昇降枠(71)が昇降する。
【0039】
《上ブロック昇降装置(7)と下ブロック昇降装置(8)の組み合わせについて》
下ヒータ用昇降枠(81)の左右一対の縦桟(811)(814)を、上ヒータ用昇降枠(71)の縦レール(711)(714)の内側に沿わせて配置すると共に、前記縦桟(811)(814)の外面のガイドローラ(813)(813)を、縦レール(711)(714)の走行溝(711a)(714a)に適宜嵌め込んだ状態にすると、図6に示すように、エンドシール装置(6)を構成する上下のブロック昇降装置(7)(8)が組み合わされた状態になる。
【0040】
この組み合わせ状態で駆動モータ(87)が回転すると、下ブロック昇降装置(8)の下ヒータ用昇降枠(81)が既述のように回転円板(821)(823)(824)によって鉛直姿勢を保って回転運動されると共に、上ブロック昇降装置(7)の上ヒータ用昇降枠(71)がクランク(78)の回転で上下に移動する。この場合、下ヒータ用昇降枠(81)のガイドローラ(813)(813)は上ヒータ用昇降枠(71)の縦レール(711)(714)に形成された走行溝(711a)(714a)に嵌め込まれているから、鉛直姿勢にある下ヒータ用昇降枠(81)の前記回転運動のうち、水平方向の成分のみが上ヒータ用昇降枠(71)に伝達される。その結果、図12に示すように、下ヒータブロック(80)は円軌道(P2)(回転円板(821)(823)(824)の外周のブラケット(B)が移動する円軌道と同じ形状)で移動する一方、上ヒータブロック(70)は、既述カム円盤(68)のカム溝(680)(図8参照)の相似形をした半円軌跡(P1)(横幅は円軌道(P2)と同じ大きさ)に沿って移動する。そして、この実施の形態では、半円軌跡(P1)の下部と円軌道(P2)の上部が部分的に重なるように、各部品の寸法が設定されており、これにより、前記重なる領域では、上ヒータブロック(70)が下ヒータブロック(80)に圧接し、これにより、上ヒータブロック(70)が押しバネ(76)の付勢力に抗して昇降軸(72)と共に上方に持ち上げられる。その結果、切断刃(79)が下ヒータブロック(80)の凹溝(800)に侵入し、半包装品(S)の後端(S2)が溶着されると同時に切断される。
【0041】
《干渉防止クランクについて》
上下のヒータブロック(70)(80)の昇降域の近傍には、筒状連続体(20)の先端に位置する切断対象部たる半包装品(S)の後端(S2)の溶着・切断部位を上下のヒータブロック(70)(80)の間に円滑に案内する為に、図1,図6,図10に示す既述「干渉防止装置」たるクランク装置(5)が配設されており、該クランク装置(5)を構成するクランクアーム(51)は、支軸(63)で固定面(65)に回動自在に支持されている。そして、クランクアーム(51)の入力端に設けられたカムフォロア(52)は、既述駆動軸(83)に取り付けられたカム円板(53)の外周カム部(530)に当接している一方、クランクアーム(51)の出力端には水平バー(50)が設けられている。又、クランクアーム(51)は、引っ張りバネ(54)でカム円板(53)側に付勢されている。従って、駆動軸(83)と共にカム円板(53)が回転するとクランクアーム(51)が回動し、これにより、図1,図6に示すように、クランク装置(5)のクランクアーム(51)上端の水平バー(50)が上下のヒータブロック(70)(80)の昇降域の近傍で上下に向けて円弧動作する。
【0042】
[先詰め装置(4)とエンドシール装置(6)の連動関係の説明]
次に、先詰め装置(4)とエンドシール装置(6)の連動関係を説明する。
図11,図13に示すように、筒状連続体(20)に於ける菓子片(99)群の充填部の隣接部が、先詰め装置(4)の水平棒(47)(47)で挟持され、この状態で、コンベヤ(41)(41)が走行する。
【0043】
図13の(ア)では、筒状連続体(20)の搬送方向の先端に位置する半包装品(S) (先端部(S1)はエンドシール装置(6)で既に溶着されている)の後端部(S2)がエンドシール装置(6)の上下のヒータブロック(70)(80)で挟圧されて溶着・切断される。尚、この状態では、半包装品(S)の下面が、適宜軌道で移動するトレー(T)で受け止められて水平姿勢に保たれ、これにより、上下のヒータブロック(70)(80)による溶着部に皺が生じるのが防がれる。
【0044】
次に、(イ)に示すように、前記上下のヒータブロック(70)(80)で溶着・切断されて作られたピロー包装品(H)は、シュート(37)から排出コンベヤ(38)に供給される(図1参照)一方、上下のヒータブロック(70)(80)の上流側に新たに出来た半包装品(S)は、コンベヤ(41)(41)の水平棒(47)(47)で挟持された状態で下方に垂れ下がり、これにより、半包装品(S)が先端に向かって低くなる姿勢に維持される。これにより、菓子片(99)群が半包装品(S)内にて先詰めされた状態になる。
【0045】
続いて、(ウ)に示す工程で、先詰め装置(4)が基端軸(49)(図11参照)を支点として上下に揺動回動し、これにより、半包装品(S)内の菓子片(99)群が更に先詰めされる。従って、本実施の形態では、先詰め装置(4)の下流端近傍の下部に設けられたカムフォロア(42)と、これに当接するカム板(59)の組み合わせが、既述発明特定事項たる「振動付与機構」に対応する。
【0046】
その後、(エ)〜(オ)及び図11に示すように、鉛直姿勢を保って回転する下ヒータブロック(80)と半包装品(S)の干渉を回避するため、クランク装置(5)が作動し、その先端の水平バー(50)が、下ヒータブロック(80)の上方域に於いて、円弧状の軌跡で斜め上方に移動する。これにより、半包装品(S)(先詰め装置(4)の下流端に突出した切断対象部)が持ち上げられ、持ち上げられた半包装品(S)の下方空間にて下ヒータブロック(80)が上昇する((オ)及び図11参照)。
【0047】
次に、(カ)〜(ク)に示すように、クランク装置(5)の水平バー(50)で持ち上げられた半包装品(S)の下面が適宜軌道で移動するトレー(T)に受け渡されて水平姿勢になり、この水平姿勢になったときに、(ア)の工程に戻って上ヒータブロック(70)と下ヒータブロック(80)が合致する。これにより、半包装品(S)の後端(S2)が溶着されると同時に切断され、この動作の繰り返しによって作られたピロー包装品(H)が、図1のようにシュート(37)から排出コンベヤ(38)に供給される。尚、(カ)の工程では、半包装品(S)の下面にトレー(T)が当接する一方、クランク装置(5)の水平バー(50)が半包装品(S)から離反する。又、(ク)の工程では、上下のヒータブロック(70)(80)が半包装品(S)の後端(S2)を挟む前に、コンベヤ(41)(41)の上流端の水平棒(47)(47)が筒状連続体(20)を上下に挟む。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態に係る包装装置によれば、図11に示すように、筒状連続体(20)の搬送方向の先端に位置する切断対象部たる半包装品(S)がコンベヤ(41)(41)の水平棒(47)(47)で挟持された状態で下方に垂れ下がり、これにより、菓子片(99)群が半包装品(S)内にて先詰めされた状態になる。従って、包装単位数毎に纏められた菓子片(99)群間のピッチを、予め大きく設定して余裕を持たせなくても、エンドシール装置(6)による挟圧部に被包装物(A)が噛み込む心配が少ない。よって、ピロー包装品(H)内の空間率が少なくなってタイト包装状態になるから、包装シート(12)の必要量が少なくなる。
尚、上記実施の形態では、筒状連続体(20)の先端の半包装品(S)を、先詰め装置(4)のコンベヤ(41)(41)に設けた水平棒(47)(47)で上下から挟むようにしたが、上方のコンベヤ(41)は必須でない。少なくとも下方のコンベヤ(41)が設けられていれば、半包装品(S)の後端(S2)を下方から支持して半包装品(S)を前傾姿勢にできれば、菓子片(99)が先詰めた状態になり、タイト包装が可能になって包装シート(12)の必要量が少なくなるからである。
【0049】
又、コンベヤ(41)(41)の水平棒(47)(47)で挟持されて下方に垂れ下がった状態にある半包装品(S)の後端(S2)を、水平方向又は斜め上下方向に接離する一対のヒータブロックで挟圧し、これにより、溶着・切断してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装装置の正面図
【図2】物品滑走板(14)部分の縦断面図
【図3】整形筒(13)の配設部近傍を下方から見上げた状態の斜視図
【図4】搬送方向に先詰め装置(4)を切断した状態の縦断面図
【図5】図4のV−V線断面図
【図6】エンドシール装置(6)の配設部の一部切欠きの斜視図
【図7】下ブロック昇降装置(8)の斜視図
【図8】上ブロック昇降装置(7)の斜視図
【図9】上ヒータブロック(70)と下ヒータブロック(80)の配設部の断面図
【図10】クランク装置(5)の斜視図
【図11】エンドシール動作を説明する図
【図12】エンドシール動作を説明する図
【図13】先詰め装置(4)とエンドシール装置(6)の連動関係を説明する図
【図14】従来例の説明図
【図15】従来例の説明図
【符号の説明】
【0051】
(6)・・・エンドシール装置
(12)・・・包装シート
(13)・・・整形筒
(20)・・・筒状連続体
(70)・・・上ヒータブロック
(80)・・・下ヒータブロック
(A)・・・被包装物
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に連続的に送り出されるフイルムシートで筒状連続体を形成し、その内部に菓子片等の被包装物を充填した後、充填部の前後を溶断してピロー包装品にする横型の、包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記包装装置として、従来、特開平8−230809号(特許文献1)に開示されたものが知られている。
図14は、従来の包装装置の平面図であり、図15はその一部切欠きの側面図である。
被包装物(A)の搬送路となる物品滑走板(14)を上下に貫通する移送杆(10)(10)は、無端状のチェーン(15)に所定ピッチで配設されていると共に、該チェーン(15)はスプロケット(1)で駆動されるようになっている。前記スプロケット(1)の上方には、包装シート(12)を巻き取ったロール(11)とフィードローラ(17)(17)が配設されていると共に、フィードローラ(17)(17)から送り出された包装シート(12)は、フォーマたる整形筒(13)に挿通されて筒状連続体(20)に整形されるようになっている。
【0003】
整形筒(13)の下流側には、一対のセンタシールローラ(16)(16)と、エンドシール装置(18)がこの順序で配設されており、エンドシール装置(18)は、上下一対の回転軸(18a)(18a)に突設された挟圧熱板(18b)(18b)を備えている。又、エンドシール装置(18)の更に下流側には、図示しない排出コンベヤが連設されている。
【0004】
このものでは、フィードローラ(17)(17)から送り出された包装シート(12)は、整形筒(13)内を通過することで幅方向に丸められる。これにより、包装シート(12)の両側縁が重なった合掌部(19)が下部から垂下する略Ω状断面の筒状連続体(20)が整形筒(13)から送り出される。
【0005】
一方、整形筒(13)の入り口部では、チェーン(15)に設けられた移送杆(10)によって、被包装物(A)が筒状連続体(20)内に水平に押し込まれる。そして、整形筒(13)から送り出される筒状連続体(20)の下部に垂下する合掌部(19)(包装シート(12)の両側縁の重なり部)がセンタシールローラ(16)(16)で挟圧・溶着された後、包装単位数(図示例のものでは3個)毎に纏められた被包装物(A)の組の相互間が、エンドシール装置(18)の挟圧熱板(18b)(18b)で挟圧されて溶着されると同時に切断される。これにより、被包装物(A)が包装単位数毎に包装されたピロー包装品(H)が完成し、これが、図示しない排出コンベヤで排出される。
【0006】
このものでは、整形筒(13)で整形される筒状連続体(20)の上流端の開放部に被包装物(A)を移送杆(10)で送り込む。従って、下向きに送り出されるフイルムシートで整形された縦長の筒状連続体内に被包装物を自由落下させて充填する縦型ピロー包装機と相違し、図14,図15に示す粒状の被包装物(A)以外に、煎餅等の扁平な被包装物(A)を重ね合わせた状態で包装する場合や、トレー等に充填された被包装物(A)を包装することが出来る。
【特許文献1】特開平8−230809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の包装装置では、整形筒(13)から送り出された筒状連続体(20)内で被包装物(A)が安定しないことから、包装シート(12)の必要量が多くなり、資源の有効利用が図れないという問題があった。かかる問題点について更に詳述する。
【0008】
上記従来の包装装置は、被包装物(A)を水平に送る構成であるから、整形筒(13)から送り出された筒状連続体(20)内では、被包装物(A)が自由状態にあって安定しない。従って、被包装物(A)(A)の整列状態が崩れて拡散し易く、又、被包装物(A)の組(包装単位数毎に纏められている)の相互間のピッチがずれ易い。その結果、被包装物(A)の組の相互のピッチが小さくなる場合が生じる。よって、かかる状態で、包装単位数毎に纏められた被包装物(A)の組の相互間をエンドシール装置(18)で挟圧すると、被包装物(A)がエンドシール装置(18)の挟圧熱板(18a)(18b)で挟まれて破損したり、これによって生じた破片がエンドシール部に噛み込んで密封性が担保できなくなる。かかる問題を考慮し、上記従来の包装装置では、被包装物(A)の組の相互間のピッチを予め大きく設定することで、包装単位数毎に纏められた被包装物(A)の各組相互の間隔に余裕を持たせ、これにより、エンドシール装置(18)で被包装物(A)が挟まれないようにしている。このことから、必然的にピロー包装品(H)内の空間率が大きくなり、その結果、包装シート(12)の必要量を少なくできず、資源の有効利用が図れないのである。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、
『連続的に送り出される包装シート(12)を幅方向に丸めることにより水平方向に長い筒状連続体(20)を整形するフォーマと、
被包装物(A)を包装単位数毎に纏めた状態で、前記フォーマの上流から前記筒状連続体(20)内に設定ピッチで供給する物品供給装置と、
前記筒状連続体(20)に整形された包装シート(12)の両側縁を重ね合わせ状態に溶着するセンタシール装置と、
前記センタシール装置の下流側に配設されたエンドシール装置を具備し、
前記エンドシール装置は、前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する包装単位数の被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する機能を備えている、包装装置』に於いて、ピロー包装品(H)内の空間率を少なくできるようにして、包装シート(12)の必要量を少なくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の解決手段は、
『前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記被包装物(A)の組が充填されている切断対象部を、先端に向かって低くなる姿勢に傾斜させる為の傾斜機構が設けられ、
前記エンドシール装置は、前記傾斜機構で前記姿勢に傾斜された前記切断対象部の後端を溶着すると共に切断する』ことである。
前記「包装単位数」は複数に限定されず、単数であっても良い。
上記解決手段によれば、切断対象部が先端に向かって低くなる姿勢に傾斜機構で傾斜されるから、傾斜した切断対象部内にある被包装物(A)が先端に向かって先詰めされた状態になる。そして、この先詰めされた後に、切断対象部の後端がエンドシール装置にて挟圧されるから、該挟圧部に被包装物(A)が噛み込む心配が少なくなる。これにより、上記従来のもののように、包装単位数毎に纏められた被包装物(A)の各組間のピッチを、予め大きく設定して余裕を持たせる必要がない。
【0011】
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明に於いて、
『前記エンドシール装置は、前記筒状連続体(20)を前記挟圧する為の一対のヒータブロックを具備しており、
前記傾斜機構は、前記筒状連続体(20)の下面に当接した状態を維持しながら筒状連続体(20)と同速で移動した後にその下方域を経て上流側に帰還する支持腕を具備するコンベヤで構成され、
更に、前記コンベヤの下流端から突出する前記切断対象部を持ち上げる干渉防止装置が設けられ、
前記干渉防止装置で前記切断対象部が持ち上げられた後に前記ヒータブロックが前記筒状連続体(20)を挟圧する』ものとすることができる。
このものでは、コンベヤの下流端まで移動した支持腕が切断対象部の後方を下方から支持し、これにより、切断対象部を垂れ下り状態に支持する。そして、この垂れ下がり状態にある切断対象部は、干渉防止装置で持ち上げられ、この持ち上げ後にヒータブロックが筒状連続体(20)を挟圧して溶着する。
【0012】
[請求項3に係る発明]
請求項1又は請求項2に係る発明に於いて、
『前記切断対象部を振動させる振動付与機構を備えた』ものでは、振動付与機構による振動によって、切断対象部内の被包装物(A)が一層先詰めされた状態になる。
【0013】
[請求項4に係る発明]
上記課題を解決する為の請求項4に係る発明の解決手段は、
『被包装物(A)が包装単位数毎に纏められた状態で長手方向に設定ピッチで充填されている筒状連続体(20)を前記長手方向に水平姿勢で搬送し、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する包装単位数の被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する包装方法に於いて、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記被包装物(A)の組が充填されている切断対象部を、先端に向かって低くなる姿勢に傾斜させ、
前記傾斜後に於ける前記切断対象部の後端を溶着すると共に切断する』ことである。
これにより、請求項1に係る発明と同様、切断対象部が先端に向かって低くなる姿勢に傾斜され、切断対象部内にある被包装物(A)が先端に向かって先詰めされた状態になる。そして、この先詰めされた状態で切断対象部の後端が溶着されると共に切断される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は次の特有の効果を有する。
請求項1〜4に係る発明によれば、包装単位数毎に纏められた被包装物(A)の各組間のピッチを、予め大きく設定して余裕を持たせる必要がない。従って、ピロー包装品(H)内の空間率が少なくなってタイト包装状態になるから、包装シート(12)の必要量が少なくなる。
請求項3に係る発明では、切断対象内の被包装物(A)が一層先詰めされるから、包装シート(12)の必要量が一層少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、上記した本発明の実施の形態を図面に従って詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る包装装置の正面図であり、装置本体(31)の上部には熱溶融性樹脂から成る包装シート(12)を巻き取ったロール(11)が配設されている。又、前記ロール(11)の下方には、包装単位数(単数でも複数でもよい)毎に纏められた組の菓子片(99)(被包装物)群を供給装置(図示せず)から受け取って搬送する搬送装置(34)が設けられていると共に、該搬送装置(34)の下流側にはロール(11)から引き出された包装シート(12)を断面Ω状の筒状連続体(20)に整形する為のフォーマたる整形筒(13)が設けられている。又、整形筒(13)の下流側には、筒状連続体(20)の下部に垂下する合掌部(19)(包装シート(12)の両側縁の重合部)を挟圧しながら下流側へ引っ張る為の一対の送りローラ(21)(21)と、前記合掌部(19)を加熱挟圧して溶着する為のセンタシール装置たるセンタシールローラ(16)(16)と、包装単位数毎に纏められた各組の菓子片(99)群の相互間を上下から挟持した状態で走行する先詰め装置(4)(既述発明特定事項たる「傾斜機構」に対応する)が設けられている。そして、先詰め装置(4)の更に下流側には、筒状連続体(20)の先端に位置する半包装品(S)(既述発明特定事項たる「切断対象部」に対応する)の後端を上下に挟圧して溶着すると同時に切断するエンドシール装置(6)と、これによって切断されたピロー包装品(H)をシュート(37)を介して受け取る排出コンベヤ(38)が設けられている。
【0016】
以下、各部の詳細を説明する。
[ロール(11)等について]
ロール(11)は長尺帯状の包装シート(12)を巻き取ったものであり、その下方には、ロール(11)から包装シート(12)を引き出す為の一対のフィードローラ(32)(32)と、その下流側のガイドローラ(33)が設けられている。
【0017】
[搬送装置(34)等について]
上記ロール(11)等の下方に配設された搬送装置(34)(既述発明特定事項たる「物品供給装置」に対応する)は、駆動側スプロケット(35)と従動側スプロケット(36)の間に掛け回されたチェーン(15)の外周に所定ピッチで移送杆(10)(10)を配設したもので、図2に示すように、移送杆(10)(10)は、被包装物(A)たる菓子片(99)の搬送路となる物品滑走板(14)に形成されたスリット(140)内を走行するようになっている。従って、物品滑走板(14)上に載置された菓子片(99)は、前記スリット(140)内を走行する移送杆(10)で搬送方向に押されて後述の整形筒(13)側に搬送される。
【0018】
[整形筒(13)について]
ロール(11)から引き出された包装シート(12)を筒状連続体(20)に整形する為のフォーマたる整形筒(13)は軸線方向の両端が開放していると共に、図3に示すように、整形筒(13)の底壁には軸線方向の全域に亘る下方スリット(130)が形成されている。そして、下方スリット(130)の上流端部には、該下方スリット(130)を挟んで対向する一対のシート合わせ板(131)(131)が垂下している。
【0019】
又、整形筒(13)の入口部(132)は上流側及び下方に開放していると共に、入口部(132)は、搬送装置(34)に設けられた移送杆(10)(10)の走行域の下流端部に被さった状態になっている。又、図3に示すように、整形筒(13)の両側壁には上流端の下端コーナ部に位置し且つ下流側に向けて順次低くなったシート案内翼(133)(133)が設けられている。
【0020】
従って、ロール(11)から引き出された包装シート(12)は、整形筒(13)に挿通されることで幅方向に丸められて筒状連続体(20)に整形されると共に、搬送装置(34)の下流端から移送杆(10)で押し出される菓子片(99)群は整形筒(13)の入口部(132)に押し込まれ、これにより、筒状連続体(20)内に一組の菓子片(99)群(包装単位数毎に纏められている)が設定ピッチで供給された状態になる。又、筒状連続体(20)が整形筒(13)から送り出されると、該筒状連続体(20)を構成する包装シート(12)の幅方向の両側縁(120)(121)が、シート合わせ板(131)(131)によって重ね合わされて合掌部(19)が形成される。
【0021】
[送りローラ(21)(21)及びセンタシールローラ(16)(16)について]
整形筒(13)の下流側に配設された送りローラ(21)(21)は、図3に示すように、筒状連続体(20)の下部に垂下する前記合掌部(19)(包装シート(12)の両側縁(120)(121)が重ね合わされた部分)を表裏から挟圧した状態で回転する構成である。
【0022】
又、送りローラ(21)(21)の下流側に配設されたセンタシールローラ(16)(16)は、図示しないヒータで加熱されていると共に、上記筒状連続体(20)の下部から垂下する合掌部(19)を表裏から加熱・挟圧した状態で回転する。
【0023】
従って、整形筒(13)から送り出された筒状連続体(20)の下部の前記合掌部(19)は、回転する送りローラ(21)(21)で挟圧されつつ下流側のセンタシールローラ(16)(16)部分に送られると共に、該センタシールローラ(16)(16)によって前記合掌部(19)が加熱挟圧される。これにより、包装シート(12)の両側縁(120)(121)どうしの重なり部たる合掌部(19)がセンタシールローラ(16)(16)にて連続的に溶着される。
【0024】
[先詰め装置(4)について]
センタシールローラ(16)(16)の下流側に配設される先詰め装置(4)は、図4,図5に示すように、左右一対の側板(40a)(40b)の相互間に設けられた上下に平行な一対のコンベヤ(41)(41)を備えている。
【0025】
各コンベヤ(41)は、一方の側板(40a)から他方の側板(40b)に貫通する駆動軸(43)に回り止め状態に固定された大径スプロケット(44a)(44b)を具備していると共に、これら大径スプロケット(44a)(44b)は側板(40a)(40b)の内側に位置している。又、側板(40a)(40b)の下流端部の内側には、大径スプロケット(44a)(44b)に各別に対応する小径スプロケット(45a)(45b)が取り付けられている。
【0026】
一方の側板(40a)側に位置する大径スプロケット(44a)と小径スプロケット(45b)の組と、他方の側板(40b)側に位置する大径スプロケット(44a)と小径スプロケット(45b)の組の夫々には、チェーン(46)(46)が各別に掛け回されていると共に、これらチェーン(46)(46)には既述発明特定事項たる「支持腕」に対応する水平棒(47)(47)が搬送方向に設定ピッチ(ピロー包装品(H)のエンドシール部相互の間隔に略等しい)で架設されている。
【0027】
図5に示すように、各駆動軸(43)(43)の一端には、互いに噛み合う歯車(48)(48)が固定されており、これにより、両駆動軸(43)(43)が同速で同期回転するようになっている。
又、歯車(48)は、後述するエンドシール装置(6)の駆動源たる駆動モータ(87)で駆動されるようになっている。尚、駆動モータ(87)とは別なモータで、前記先詰め装置(4)用の歯車(48)を駆動してもよい。
【0028】
又、先詰め装置(4)を構成する側板(40a)(40b)の上流側端近傍は、基端軸(49)で上下回動自在に支持されていると共に、先詰め装置(4)の下面は、装置本体(31)に立設した支持板(4a)で受け止められるようになっている(図1参照)。又、側板(40a)(40b)の下流端近傍の下部には、カムフォロア(42)が配設されており、該カムフォロア(42)は、後述するエンドシール装置(6)用の駆動モータ(87)で回転されるカム板(59)の外周カム部(590)に当接する。
【0029】
又、本実施の形態では、先詰め装置(4)はその上流端近傍の基端軸(49)で上下回動自在に構成されていると共に、下流端近傍の下部に設けられたカムフォロア(42)がカム板(59)の外周カム部(590)に当接する。従って、カムフォロア(42)が前記外周カム部(590)に沿って移動する際には、先詰め装置(4)が基端軸(49)を支点として上下に揺動回動し、これにより、筒状連続体(20)の先端の半包装品(S)(先詰め装置(4)の先端から突出する部分)が振動される。
【0030】
[エンドシール装置(6)について]
エンドシール装置(6)は、図6に示すように構成されており、図7に示す下ブロック昇降装置(8)と、図8に示す上ブロック昇降装置(7)を組み合わせたものである。
《下ブロック昇降装置(8)について》
図7に示すように、下ブロック昇降装置(8)は、横方向に対向する一対の縦桟(811)(814)が中央横桟(810)とその下方の下横桟(812)で連結された下ヒータ用昇降枠(81)を備えており、前記中央横桟(810)には下ヒータブロック(80)が載置・固定されている。尚、下ヒータブロック(80)には、図9に示すように、上方に開放する凹溝(800)が形成されていると共にヒータ(801)が埋設されている。
【0031】
前記下ヒータ用昇降枠(81)を構成する一対の縦桟(811)(814)の外面には、ガイドローラ(813)(813)が上下に間隔を置いて配設されおり、これらガイドローラ(813)(813)は、後述の上ブロック昇降装置(7)(図8参照)を構成する上ヒータ用昇降枠(71)の左右一対の縦レール(711)(714)に形成された上下方向の走行溝(711a)(714a)内を走行する。
【0032】
図7に示すように、下ヒータ用昇降枠(81)を構成する一方の縦桟(814)は、クランク状に屈曲したブラケット(B)で回転円板(824)の外周部に連結されている。他方の縦桟(811)の上下部近傍は、前記と同様のクランク状のブラケット(B)によって、上下の回転円板(821)(823)の外周部に連結されている。
【0033】
回転円板(821)(823)(824)は夫々、スプロケット(821b)(823b)(824b)を具備する回転軸(821a)(823a)(824a)に取り付けられていると共に、スプロケット(821b)(823b)は駆動軸(83)の一端に設けられたスプロケット(831)に伝動チェーン(84)を介して連結されている。又、他方の回転円板(824)の回転軸(824a)に固定されたスプロケット(824b)は、前記駆動軸(83)の他端に設けられたスプロケット(832)に伝動チェーン(85)を介して連結されていると共に、駆動軸(83)には、スプロケット(833)と駆動チェーン(86)を介して駆動モータ(87)に連結されている。
【0034】
従って、駆動モータ(87)が作動すると、駆動チェーン(86)及びスプロケット(833)を介して駆動軸(83)に回転力が伝達されてこれが回転する。すると、該駆動軸(83)の一端のスプロケット(831)→伝動チェーン(84)→スプロケット(821b)(823b)の経路で回転力が伝達されて回転円板(821)(823)が同速で同期回転する。又、駆動軸(83)の他端に設けられたスプロケット(832)→伝動チェーン(85)→スプロケット(824b)の経路でも前記回転力が伝達され、該スプロケット(824b)に回転軸(824a)を介して連結された回転円板(824)が回転する。これにより、回転円板(821)(823)(824)が同速で同期回転し、下ヒータブロック(80)を具備する下ヒータ用昇降枠(81)が鉛直姿勢を保った状態で円運動する。
【0035】
《上ブロック昇降装置(7)について》
図8は上ブロック昇降装置(7)の斜視図である。
上ブロック昇降装置(7)は、横方向に対向する一対の縦レール(711)(714)が上端の上桟(710)と下端の下桟(712)で連結された上ヒータ用昇降枠(71)を備えている。上桟(710)には、長手方向に間隔を置いて上下に貫通する昇降軸(72)(72)が設けられており、該昇降軸(72)(72)の上端にはエンドナット(73)(73)が螺合されていると共に、下端には上ヒータブロック(70)が固定されている。
【0036】
この上ヒータブロック(70)には、図9に示すように、ヒータ(75)が埋設されていると共に、下方開放の細溝(74)内には、既述下ヒータブロック(80)の凹溝(800)に侵入する切断刃(79)が設けられている。又、各昇降軸(72)に外嵌された押しバネ(76)は、上ヒータブロック(70)と上桟(710)の間に圧縮状態で介在されていると共に、切断刃(79)は、上桟(710)の下面に固定された保持ブロック(89)に固定ピン(790)(790)で固定されている。従って、昇降軸(72)(72)は、押しバネ(76)(76)で下方に付勢された状態で上ヒータブロック(70)と共に上桟(710)に対して昇降する。よって、上ヒータブロック(70)の上昇時には、該上ヒータブロック(70)が、保持ブロック(89)に固定された切断刃(79)に対して上昇し、これにより、切断刃(79)が細溝(74)の下端から下方に突出する。
【0037】
上ヒータ用昇降枠(71)の下桟(712)に固定されたブラケット(715)には、リンク(77)とこれに回動自在に結合されたクランク(78)が連設されており、該クランク(78)の回動支点たる支軸(64)は固定面(65)に取り付けられている。クランク(78)の入力端から突出する横軸(66)の先端にはカムフォロア(67)が取り付けられており、該カムフォロア(67)は、カム円盤(68)に形成された半円状のカム溝(680)内に位置している。
【0038】
カム円盤(68)の背面から突出するカム軸(681)の先端に設けられたスプロケット(682)には、既述駆動モータ(87)で回転される駆動軸(83)の一端のスプロケット(832)に繋がる伝動チェーン(85)が掛け回されている。従って、駆動モータ(87)の回転力は、駆動軸(83)→スプロケット(832)→伝動チェーン(85)→スプロケット(682)→カム軸(681)→カム円盤(68)の経路で伝達して該カム円盤(68)が回転する。すると、該カム円盤(68)のカム溝(680)に沿ってカムフォロア(67)が移動する結果、クランク(78)が支軸(64)を支点に回動し、その先端にリンク(77)を介して連結された上ヒータ用昇降枠(71)が昇降する。
【0039】
《上ブロック昇降装置(7)と下ブロック昇降装置(8)の組み合わせについて》
下ヒータ用昇降枠(81)の左右一対の縦桟(811)(814)を、上ヒータ用昇降枠(71)の縦レール(711)(714)の内側に沿わせて配置すると共に、前記縦桟(811)(814)の外面のガイドローラ(813)(813)を、縦レール(711)(714)の走行溝(711a)(714a)に適宜嵌め込んだ状態にすると、図6に示すように、エンドシール装置(6)を構成する上下のブロック昇降装置(7)(8)が組み合わされた状態になる。
【0040】
この組み合わせ状態で駆動モータ(87)が回転すると、下ブロック昇降装置(8)の下ヒータ用昇降枠(81)が既述のように回転円板(821)(823)(824)によって鉛直姿勢を保って回転運動されると共に、上ブロック昇降装置(7)の上ヒータ用昇降枠(71)がクランク(78)の回転で上下に移動する。この場合、下ヒータ用昇降枠(81)のガイドローラ(813)(813)は上ヒータ用昇降枠(71)の縦レール(711)(714)に形成された走行溝(711a)(714a)に嵌め込まれているから、鉛直姿勢にある下ヒータ用昇降枠(81)の前記回転運動のうち、水平方向の成分のみが上ヒータ用昇降枠(71)に伝達される。その結果、図12に示すように、下ヒータブロック(80)は円軌道(P2)(回転円板(821)(823)(824)の外周のブラケット(B)が移動する円軌道と同じ形状)で移動する一方、上ヒータブロック(70)は、既述カム円盤(68)のカム溝(680)(図8参照)の相似形をした半円軌跡(P1)(横幅は円軌道(P2)と同じ大きさ)に沿って移動する。そして、この実施の形態では、半円軌跡(P1)の下部と円軌道(P2)の上部が部分的に重なるように、各部品の寸法が設定されており、これにより、前記重なる領域では、上ヒータブロック(70)が下ヒータブロック(80)に圧接し、これにより、上ヒータブロック(70)が押しバネ(76)の付勢力に抗して昇降軸(72)と共に上方に持ち上げられる。その結果、切断刃(79)が下ヒータブロック(80)の凹溝(800)に侵入し、半包装品(S)の後端(S2)が溶着されると同時に切断される。
【0041】
《干渉防止クランクについて》
上下のヒータブロック(70)(80)の昇降域の近傍には、筒状連続体(20)の先端に位置する切断対象部たる半包装品(S)の後端(S2)の溶着・切断部位を上下のヒータブロック(70)(80)の間に円滑に案内する為に、図1,図6,図10に示す既述「干渉防止装置」たるクランク装置(5)が配設されており、該クランク装置(5)を構成するクランクアーム(51)は、支軸(63)で固定面(65)に回動自在に支持されている。そして、クランクアーム(51)の入力端に設けられたカムフォロア(52)は、既述駆動軸(83)に取り付けられたカム円板(53)の外周カム部(530)に当接している一方、クランクアーム(51)の出力端には水平バー(50)が設けられている。又、クランクアーム(51)は、引っ張りバネ(54)でカム円板(53)側に付勢されている。従って、駆動軸(83)と共にカム円板(53)が回転するとクランクアーム(51)が回動し、これにより、図1,図6に示すように、クランク装置(5)のクランクアーム(51)上端の水平バー(50)が上下のヒータブロック(70)(80)の昇降域の近傍で上下に向けて円弧動作する。
【0042】
[先詰め装置(4)とエンドシール装置(6)の連動関係の説明]
次に、先詰め装置(4)とエンドシール装置(6)の連動関係を説明する。
図11,図13に示すように、筒状連続体(20)に於ける菓子片(99)群の充填部の隣接部が、先詰め装置(4)の水平棒(47)(47)で挟持され、この状態で、コンベヤ(41)(41)が走行する。
【0043】
図13の(ア)では、筒状連続体(20)の搬送方向の先端に位置する半包装品(S) (先端部(S1)はエンドシール装置(6)で既に溶着されている)の後端部(S2)がエンドシール装置(6)の上下のヒータブロック(70)(80)で挟圧されて溶着・切断される。尚、この状態では、半包装品(S)の下面が、適宜軌道で移動するトレー(T)で受け止められて水平姿勢に保たれ、これにより、上下のヒータブロック(70)(80)による溶着部に皺が生じるのが防がれる。
【0044】
次に、(イ)に示すように、前記上下のヒータブロック(70)(80)で溶着・切断されて作られたピロー包装品(H)は、シュート(37)から排出コンベヤ(38)に供給される(図1参照)一方、上下のヒータブロック(70)(80)の上流側に新たに出来た半包装品(S)は、コンベヤ(41)(41)の水平棒(47)(47)で挟持された状態で下方に垂れ下がり、これにより、半包装品(S)が先端に向かって低くなる姿勢に維持される。これにより、菓子片(99)群が半包装品(S)内にて先詰めされた状態になる。
【0045】
続いて、(ウ)に示す工程で、先詰め装置(4)が基端軸(49)(図11参照)を支点として上下に揺動回動し、これにより、半包装品(S)内の菓子片(99)群が更に先詰めされる。従って、本実施の形態では、先詰め装置(4)の下流端近傍の下部に設けられたカムフォロア(42)と、これに当接するカム板(59)の組み合わせが、既述発明特定事項たる「振動付与機構」に対応する。
【0046】
その後、(エ)〜(オ)及び図11に示すように、鉛直姿勢を保って回転する下ヒータブロック(80)と半包装品(S)の干渉を回避するため、クランク装置(5)が作動し、その先端の水平バー(50)が、下ヒータブロック(80)の上方域に於いて、円弧状の軌跡で斜め上方に移動する。これにより、半包装品(S)(先詰め装置(4)の下流端に突出した切断対象部)が持ち上げられ、持ち上げられた半包装品(S)の下方空間にて下ヒータブロック(80)が上昇する((オ)及び図11参照)。
【0047】
次に、(カ)〜(ク)に示すように、クランク装置(5)の水平バー(50)で持ち上げられた半包装品(S)の下面が適宜軌道で移動するトレー(T)に受け渡されて水平姿勢になり、この水平姿勢になったときに、(ア)の工程に戻って上ヒータブロック(70)と下ヒータブロック(80)が合致する。これにより、半包装品(S)の後端(S2)が溶着されると同時に切断され、この動作の繰り返しによって作られたピロー包装品(H)が、図1のようにシュート(37)から排出コンベヤ(38)に供給される。尚、(カ)の工程では、半包装品(S)の下面にトレー(T)が当接する一方、クランク装置(5)の水平バー(50)が半包装品(S)から離反する。又、(ク)の工程では、上下のヒータブロック(70)(80)が半包装品(S)の後端(S2)を挟む前に、コンベヤ(41)(41)の上流端の水平棒(47)(47)が筒状連続体(20)を上下に挟む。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態に係る包装装置によれば、図11に示すように、筒状連続体(20)の搬送方向の先端に位置する切断対象部たる半包装品(S)がコンベヤ(41)(41)の水平棒(47)(47)で挟持された状態で下方に垂れ下がり、これにより、菓子片(99)群が半包装品(S)内にて先詰めされた状態になる。従って、包装単位数毎に纏められた菓子片(99)群間のピッチを、予め大きく設定して余裕を持たせなくても、エンドシール装置(6)による挟圧部に被包装物(A)が噛み込む心配が少ない。よって、ピロー包装品(H)内の空間率が少なくなってタイト包装状態になるから、包装シート(12)の必要量が少なくなる。
尚、上記実施の形態では、筒状連続体(20)の先端の半包装品(S)を、先詰め装置(4)のコンベヤ(41)(41)に設けた水平棒(47)(47)で上下から挟むようにしたが、上方のコンベヤ(41)は必須でない。少なくとも下方のコンベヤ(41)が設けられていれば、半包装品(S)の後端(S2)を下方から支持して半包装品(S)を前傾姿勢にできれば、菓子片(99)が先詰めた状態になり、タイト包装が可能になって包装シート(12)の必要量が少なくなるからである。
【0049】
又、コンベヤ(41)(41)の水平棒(47)(47)で挟持されて下方に垂れ下がった状態にある半包装品(S)の後端(S2)を、水平方向又は斜め上下方向に接離する一対のヒータブロックで挟圧し、これにより、溶着・切断してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装装置の正面図
【図2】物品滑走板(14)部分の縦断面図
【図3】整形筒(13)の配設部近傍を下方から見上げた状態の斜視図
【図4】搬送方向に先詰め装置(4)を切断した状態の縦断面図
【図5】図4のV−V線断面図
【図6】エンドシール装置(6)の配設部の一部切欠きの斜視図
【図7】下ブロック昇降装置(8)の斜視図
【図8】上ブロック昇降装置(7)の斜視図
【図9】上ヒータブロック(70)と下ヒータブロック(80)の配設部の断面図
【図10】クランク装置(5)の斜視図
【図11】エンドシール動作を説明する図
【図12】エンドシール動作を説明する図
【図13】先詰め装置(4)とエンドシール装置(6)の連動関係を説明する図
【図14】従来例の説明図
【図15】従来例の説明図
【符号の説明】
【0051】
(6)・・・エンドシール装置
(12)・・・包装シート
(13)・・・整形筒
(20)・・・筒状連続体
(70)・・・上ヒータブロック
(80)・・・下ヒータブロック
(A)・・・被包装物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に送り出される包装シート(12)を幅方向に丸めることにより水平方向に長い筒状連続体(20)を整形するフォーマと、
被包装物(A)を包装単位数毎に纏めた状態で、前記フォーマの上流から前記筒状連続体(20)内に設定ピッチで供給する物品供給装置と、
前記筒状連続体(20)に整形された包装シート(12)の両側縁を重ね合わせ状態に溶着するセンタシール装置と、
前記センタシール装置の下流側に配設されたエンドシール装置を具備し、
前記エンドシール装置は、前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する包装単位数の被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する機能を備えている、包装装置に於いて、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記被包装物(A)の組が充填されている切断対象部を、先端に向かって低くなる姿勢に傾斜させる為の傾斜機構が設けられ、
前記エンドシール装置は、前記傾斜機構で前記姿勢に傾斜された前記切断対象部の後端を溶着すると共に切断する、包装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の包装装置に於いて、
前記エンドシール装置は、前記筒状連続体(20)を前記挟圧する為の一対のヒータブロックを具備しており、
前記傾斜機構は、前記筒状連続体(20)の下面に当接した状態を維持しながら筒状連続体(20)と同速で移動した後にその下方域を経て上流側に帰還する支持腕を具備するコンベヤで構成され、
更に、前記コンベヤの下流端から突出する前記切断対象部を持ち上げる干渉防止装置が設けられ、
前記干渉防止装置で前記切断対象部が持ち上げられた後に前記ヒータブロックが前記筒状連続体(20)を挟圧する、包装装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の包装装置に於いて、
前記切断対象部を振動させる振動付与機構を備えた、包装装置。
【請求項4】
被包装物(A)が包装単位数毎に纏められた状態で長手方向に設定ピッチで充填されている筒状連続体(20)を前記長手方向に水平姿勢で搬送し、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する包装単位数の被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する包装方法に於いて、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記被包装物(A)の組が充填されている切断対象部を、先端に向かって低くなる姿勢に傾斜させ、
前記傾斜後に於ける前記切断対象部の後端を溶着すると共に切断する、包装方法。
【請求項1】
連続的に送り出される包装シート(12)を幅方向に丸めることにより水平方向に長い筒状連続体(20)を整形するフォーマと、
被包装物(A)を包装単位数毎に纏めた状態で、前記フォーマの上流から前記筒状連続体(20)内に設定ピッチで供給する物品供給装置と、
前記筒状連続体(20)に整形された包装シート(12)の両側縁を重ね合わせ状態に溶着するセンタシール装置と、
前記センタシール装置の下流側に配設されたエンドシール装置を具備し、
前記エンドシール装置は、前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する包装単位数の被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する機能を備えている、包装装置に於いて、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記被包装物(A)の組が充填されている切断対象部を、先端に向かって低くなる姿勢に傾斜させる為の傾斜機構が設けられ、
前記エンドシール装置は、前記傾斜機構で前記姿勢に傾斜された前記切断対象部の後端を溶着すると共に切断する、包装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の包装装置に於いて、
前記エンドシール装置は、前記筒状連続体(20)を前記挟圧する為の一対のヒータブロックを具備しており、
前記傾斜機構は、前記筒状連続体(20)の下面に当接した状態を維持しながら筒状連続体(20)と同速で移動した後にその下方域を経て上流側に帰還する支持腕を具備するコンベヤで構成され、
更に、前記コンベヤの下流端から突出する前記切断対象部を持ち上げる干渉防止装置が設けられ、
前記干渉防止装置で前記切断対象部が持ち上げられた後に前記ヒータブロックが前記筒状連続体(20)を挟圧する、包装装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の包装装置に於いて、
前記切断対象部を振動させる振動付与機構を備えた、包装装置。
【請求項4】
被包装物(A)が包装単位数毎に纏められた状態で長手方向に設定ピッチで充填されている筒状連続体(20)を前記長手方向に水平姿勢で搬送し、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記包装単位数の被包装物(A)の組と、これの上流側に隣接する包装単位数の被包装物(A)の組の相互間にて前記筒状連続体(20)を挟圧することにより溶着すると共に切断する包装方法に於いて、
前記筒状連続体(20)の最下流部に位置する前記被包装物(A)の組が充填されている切断対象部を、先端に向かって低くなる姿勢に傾斜させ、
前記傾斜後に於ける前記切断対象部の後端を溶着すると共に切断する、包装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−297091(P2007−297091A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126263(P2006−126263)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(390003654)テンチ機械株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(390003654)テンチ機械株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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