説明

半導体チップの圧縮成形方法及び圧縮成形型

【課題】基板1に装着した半導体チップ2を圧縮成形して形成される成形済基板4(分割樹脂成形体3、樹脂成形体33)に反りが発生することを効率良く防止する。
【解決手段】キャビティ底面部材18の先端面(キャビティ底面10b)における所要個所に仕切部材21を設けて下型キャビティ10内に所要複数個の分割キャビティ22を形成すると共に、仕切部材21の高さ23を分割樹脂成形体3の厚さに設定する。基板1に装着した半導体チップ2を分割キャビティ22の形状に対応した分割樹脂成形体3内に圧縮成形するときに、キャビティ底面部材18を必要最小限の移動距離24にて上動させて分割キャビティ22内の樹脂12(13)を加圧して分割樹脂成形体3を形成し、分割樹脂成形体3間に(樹脂成形体33に)仕切部材21の形状に対応した基板反り防止用の溝部28を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に装着された半導体チップを樹脂材料にて樹脂成形体内に圧縮成形(樹脂封止成形)して成形済基板を形成する半導体チップの圧縮成形方法及び圧縮成形型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの圧縮成形型)を用いて、基板に装着したマトリックス型配置の所要複数個の半導体チップを一括して樹脂成形体内に圧縮成形することが行われている。この方法は次のようにして行われている。
【0003】
まず、シャッタ式供給部を備えた樹脂材料供給機構を用いて、シャッタ式供給部に所要量の顆粒状の樹脂材料(顆粒樹脂)を供給して所要の均等な厚さに平坦化する。
次に、シャッタ式供給部のシャッタを開けることにより、長尺状の離型フィルムを被覆した圧縮成形用の下型キャビティ(大キャビティ)内に平坦化した顆粒樹脂をそのままの状態で落下させて供給する。
次に、下型キャビティ内で平坦化した顆粒樹脂を加熱して溶融化することになる。
次に、金型を型締めすることにより、基板に装着した半導体チップを下型キャビティ内の溶融樹脂中に浸漬して下型キャビティ内の溶融樹脂をキャビティ底面部材で加圧することが行われている。
従って、1枚の基板に装着したマトリックス型配置の所要複数個の半導体チップを一つの樹脂成形体内に一括して圧縮成形することができる。
このとき、下型キャビティ内で基板に装着した半導体チップを下型キャビティの形状に対応した樹脂成形体内を樹脂封止成形して成形済基板を形成することができる。
硬化に必要な所要時間の経過後、金型を型開きすることにより、下型キャビティ内から成形済基板(樹脂成形体)離型するようにしている。
【0004】
なお、従来から、金型の外部でプリカットした短尺状離型フィルム上に顆粒樹脂を平坦化して形成し、この状態で金型内部に搬送すると共に、下型キャビティの開口部上に離型フィルムを介して顆粒樹脂を載置し、下型キャビティ内から空気を強制的に吸引して排出することにより下型キャビティ内に離型フィルムを被覆させ、下型キャビティ内に顆粒樹脂を離型フィルムごと供給することが行われている。
この場合にも、前述したように、下型キャビティ内で1枚の基板に装着したマトリックス型配置の所要複数個の半導体チップを一つの樹脂成形体内に圧縮成形して成形済基板を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−36270号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述したように、顆粒樹脂にて下型キャビティ(大キャビティ)内で基板に装着した半導体チップを圧縮成形した場合、熱膨張係数について基板と樹脂とに大きな差があるために(冷却による収縮率に差があるため)歪みが生じ易く、成形済基板に反りが発生し易いという弊害がある。
特に、大型基板になるほどその反りの傾向は顕著である。
従って、基板にマトリクス型に配置された半導体チップを圧縮成形する場合に、成形済基板に発生する反りを効率良く防止することが求められている。
【0007】
前述したような基板の反りを緩和させるために、例えば、1枚の基板に形成される1つの樹脂成形体に3本の基板反り防止用の溝部(凹部)を設けることにより、この1つの樹脂成形体を4個に分割して分割樹脂成形体(島と呼ばれる)を形成することが検討されている。
即ち、成形済基板において、当該溝部にて、基板と樹脂との熱膨張係数の差による歪みを減少させることが検討されている。
【0008】
この方法は、まず、離型フィルムを被覆した4個の分割キャビティ内の夫々に顆粒樹脂を各別に計量し且つ平坦化して供給すると共に、各分割キャビティ内の樹脂を各別に加熱して溶融化する。
次に、分割キャビティ内の溶融樹脂中に基板に装着した半導体チップを浸漬して分割キャビティ内の樹脂を分割キャビティ底面部材にて各別に加圧することになる。
従って、基板に装着した半導体チップを分割樹脂成形体内で各別に圧縮成形して成形済基板を形成している。
【0009】
また、従来から、下型キャビティ(大キャビティ)内に顆粒樹脂を供給する場合に、所要量の顆粒樹脂のかさ密度が低く且つ容積が大きくなるため、且つ、下型の型面に顆粒樹脂が付着しないように顆粒樹脂を供給するために、下型キャビティの深さがかなり深くなり、例えば、下型キャビティ内で圧縮成形される樹脂成形体の厚さの3倍(以上)の深さが必要とされている。
同様に、基板の反りを防止するために、分割キャビティの構成(溝部を設ける構成)を用いる場合、分割樹脂成形体の厚さの3倍(以上)の深さが必要とされている。
即ち、従来においては、各分割キャビティ内に各別に顆粒樹脂を供給する必要があるため、下型の型面に、或いは、分割キャビティを形成する仕切部の仕切面(下型面)に顆粒樹脂が付着しないように供給するのが通例であった。
このため、キャビティ底面部材の上動する距離(移動距離)が長くなり、分割キャビティ内に被覆した離型フィルムがキャビティ底面部材の摺動部で弛み易く、したがって、この離型フィルムに「しわ(皺)」が発生し易いと云う弊害がある。
また、このため、例えば、キャビティ底面部材の移動距離を必要最小限にすることにより、分割キャビティに被覆した離型フィルムにしわが発生することを効率良く防止することが求められている。
【0010】
また、前述した分割キャビティの構成を用いる場合、金型に設けられるキャビティブロック、即ち、分割キャビティと仕切部(仕切部材)とを備えたキャビティブロックは、一体として製作されるため、製作コストが高くなるのが通例である。
また、分割樹脂成形体の厚さに変更があった場合、最初から金型(キャビティブロック)を製作しなければならず、製作コストがさらに高くなることになる。
即ち、キャビティブロックを製作する製作コストが高くなって圧縮成形装置の製作費が高くなり、製品(成形済基板)の生産性を効率良く向上することができないと云う弊害がある。
従って、例えば、キャビティ底面部材に対して仕切部材(仕切部)を着脱自在に装設することにより、圧縮成形装置の製作費を効率良く低減し、製品(成形済基板)の生産性を効率良く向上させることが求められている。
【0011】
また、前述した分割キャビティの構成を用いる場合、分割キャビティ内に顆粒樹脂を各別に計量し且つ平坦化して供給するために、樹脂材料の供給機構が複雑な構造になってその製作コストが高くなり、さらに、樹脂材料(顆粒樹脂)の供給時間が長くなる。
このため、製品(成形済基板)の生産性を効率良く向上することができないと云う弊害がある。
従って、例えば、下型キャビティ内に(大キャビティ底面の全面に)平坦化した顆粒樹脂を被覆した状態で一括して供給することにより、圧縮成形装置の製作費を効率良く低減し、樹脂材料(顆粒樹脂)の供給時間を効率良く短縮化することにより、製品(成形済基板)の生産性を向上させることが求められている。
【0012】
前述したように、本発明においては、成形済基板(製品)に発生する反りを効率良く防止すると共に、前述した分割キャビティ(溝部)の構成を用いる場合に、離型フィルムにしわが発生することを効率良く防止し、製品(成形済基板)の生産性を効率良く向上させることが求められている。
【0013】
即ち、本発明は、製品(成形済基板)に反りが発生することを効率良く防止することを目的とするものである。
また、本発明は、分割キャビティ内に被覆される離型フィルムにしわが発生することを効率良く防止することを目的とするものである。
また、本発明は、製品(成形済基板)の生産性を効率良く向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の技術的課題を解決するための本発明に係る半導体チップの圧縮成形方法は、半導体チップの圧縮成形型を用いて、前記圧縮成形型に設けたキャビティに離型フィルムを被覆すると共に、前記離型フィルムを被覆したキャビティ内に樹脂材料を供給して加熱し、前記成形型を型締めすることにより前記キャビティ内の樹脂に基板に装着した半導体チップを浸漬すると共に、前記キャビティ内の樹脂をキャビティ底面部材で加圧することにより、前記半導体チップを前記キャビティの形状に対応し且つ所要の厚さを有する樹脂成形体内に圧縮成形する半導体チップの圧縮成形方法であって、前記キャビティ内を仕切って分割キャビティを形成する仕切部材を用意する工程と、前記仕切部材における前記キャビティ底面からの高さを前記樹脂成形体の所要の厚さと同じ長さに設定する工程と、前記仕切部材を前記キャビティ底面部材に対して着脱自在に装設する工程と、前記キャビティに前記分割キャビティ内に供給された樹脂量を調整する樹脂連通路を設ける工程と、前記キャビティ内に平坦化した樹脂材料をキャビティ底面の全面に一括して供給する工程と、前記キャビティ底面部材にて前記キャビティ内の樹脂を加圧する工程と、前記キャビティ内の樹脂を前記キャビティ底面部材で加圧したときに、前記した基板面に前記仕切部材の先端面を押圧する工程と、前記した基板面に前記仕切部材の先端面を押圧したときに、前記樹脂連通路で前記分割キャビティ内の樹脂量を調整する工程と、前記した基板面に前記仕切部材の先端面を押圧したときに、前記キャビティ内で圧縮成形される樹脂成形体に前記仕切部材の形状に対応した溝部を形成する工程と、前記半導体チップを前記分割キャビティの形状に対応した分割樹脂成形体内に圧縮成形する工程とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、前記技術的課題を解決するための本発明に係る半導体チップの圧縮成形方法は、半導体チップの圧縮成形型を用いて、前記圧縮成形型に設けたキャビティに離型フィルムを被覆すると共に、前記離型フィルムを被覆したキャビティ内に樹脂材料を供給して加熱し、前記成形型を型締めすることにより前記キャビティ内の樹脂に基板に装着した半導体チップを浸漬すると共に、前記キャビティ内の樹脂をキャビティ底面部材で加圧することにより、前記半導体チップを前記キャビティの形状に対応し且つ所要の厚さを有する樹脂成形体内に圧縮成形する半導体チップの圧縮成形方法であって、前記キャビティ内を仕切って分割キャビティを形成する仕切部材を用意する工程と、前記仕切部材を前記キャビティ内方向に弾性付勢した状態で、前記仕切部材を前記キャビティ底面部材に装設する工程と、前記仕切部材におけるキャビティ底面からの高さを、前記キャビティ底面部材にて加圧するときに前記仕切部材の先端面が前記基板面を弾性押圧するように当該高さを設定する工程と、前記キャビティに前記分割キャビティ内に供給された樹脂量を調整する樹脂連通路を設ける工程と、前記キャビティ内に平坦化した樹脂材料をキャビティ底面の全面に一括して供給する工程と、前記キャビティ内の樹脂を前記キャビティ底面部材で加圧したときに、前記した基板面に前記仕切部材の先端面を弾性押圧する工程と、前記した基板面に前記仕切部材の先端面を弾性押圧したときに、前記樹脂連通路で前記分割キャビティ内の樹脂量を調整する工程と、前記した基板面に前記仕切部材の先端面を弾性押圧したときに、前記キャビティ内で圧縮成形される樹脂成形体に前記仕切部材の形状に対応した溝部を形成する工程と、前記半導体チップを前記分割キャビティの形状に対応した分割樹脂成形体内に圧縮成形する工程とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、前記技術的課題を解決するための半導体チップの圧縮成形方法は、前記仕切部材で仕切って形成された分割キャビティ内に樹脂材料を各別に供給する工程を含むことを特徴とする。
【0017】
また、前記技術的課題を解決するための本発明に係る半導体チップの圧縮成形型は、半導体チップの圧縮成形型に設けられ且つ上方側に開口したにキャビティ開口部を有する圧縮成形用のキャビティと、前記キャビティ開口部の上方位置に設けられ且つ半導体チップを装着した基板における半導体チップ側を下方に向けた状態で供給セットする基板セット部と、前記キャビティ内に被覆される離型フィルムと、前記離型フィルムを被覆したキャビティ内に供給される樹脂材料と、前記キャビティ内の樹脂材料を加熱する加熱手段と、前記基板とキャビティとを閉じ合わせることにより前記キャビティ内の樹脂に前記基板に装着した半導体チップを浸漬する型締機構と、前記キャビティ内の樹脂をキャビティ底面側から加圧するキャビティ底面部材とを備えた半導体チップの圧縮成形型であって、前記キャビティ底面における所要個所に設けられ且つ前記キャビティを仕切って分割キャビティを形成する仕切部材と、前記分割キャビティ内に供給された樹脂量を調整する樹脂連通路と、前記仕切部材のキャビティ底面からの高さを前記樹脂成形体の所要の厚さと同じ長さに設定すると共に、前記樹脂成形体の所要の厚さに対応して前記仕切部材を前記したキャビティ底面部材に対して着脱自在に構成したことを特徴とする。
【0018】
また、前記技術的課題を解決するための本発明に係る半導体チップの圧縮成形型は、半導体チップの圧縮成形型に設けられ且つ上方側に開口したにキャビティ開口部を有する圧縮成形用のキャビティと、前記キャビティ開口部の上方位置に設けられ且つ半導体チップを装着した基板における半導体チップ側を下方に向けた状態で供給セットする基板セット部と、前記キャビティ内に被覆される離型フィルムと、前記離型フィルムを被覆したキャビティ内に供給される樹脂材料と、前記キャビティ内の樹脂材料を加熱する加熱手段と、前記基板とキャビティとを閉じ合わせることにより前記キャビティ内の樹脂に前記基板に装着した半導体チップを浸漬する型締機構と、前記キャビティ内の樹脂をキャビティ底面側から加圧するキャビティ底面部材とを備えた半導体チップの圧縮成形型であって、前記キャビティ底面における所要個所に前記キャビティを仕切って分割キャビティを形成する仕切部材と、前記分割キャビティ内に供給された樹脂量を調整する樹脂連通路と、前記キャビティ底面部材に前記仕切部材を型面方向に弾性付勢する弾性機構を設けると共に、前記仕切部材のキャビティ底面からの高さを、前記キャビティ底面部材にて加圧するときに前記仕切部材の先端面が前記基板面を押圧するように当該高さを設定することを特徴とする。
【0019】
前記技術的課題を解決するための本発明に係る半導体チップの圧縮成形型は、前記した仕切部材の先端面に設けられる樹脂連通路が、薄層状の樹脂連通路であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、基板に装着した半導体チップを圧縮成形して成形済基板(製品)を形成するときに、下型キャビティ内に仕切部材にて形成された分割キャビティに対応した分割樹脂成形体を形成する構成であり、且つ、下型キャビティの形状に対応した樹脂成形体に仕切部材の形状に対応した溝部(凹部)を形成する構成である。
また、本発明は、下型キャビティ内を上下摺動するキャビティ底面部材(単数個)に対して、所要数個の仕切部材を着脱自在に設けた構成である。
また、仕切部材の高さ(キャビティ底面から仕切部材の先端面までの距離)は分割樹脂成形体の厚さに対応して構成され、分割樹脂成形体の厚さと同じ距離(高さ)に設定されている。
即ち、本発明によれば、成形済基板(製品)の樹脂成形体に形成される溝部(凹部)にて、基板と樹脂成形体(硬化樹脂)とによる熱膨張係数の差にて発生する歪みを効率良く解消することができる。
従って、本発明によれば、製品(成形済基板)に反りが発生することを効率良く防止することができるという優れた効果を奏するものである。
【0021】
また、本発明は、上下摺動するキャビティ底面部材に、分割キャビティを形成する仕切部材を容易に且つ効率良く着脱自在に装設する構成であり、且つ、下型キャビティ底面の全面に平坦化した顆粒樹脂を被覆した状態で一括して供給する構成である。
このため、下型キャビティ内における仕切部材の先端面の位置より上方の空間部を、顆粒樹脂の供給部として利用することができる。
即ち、従来は、分割キャビティ内に各別に顆粒樹脂を供給する構成であるため、仕切部材(下型面)の先端面の位置より上方の空間部を利用できず、少なくとも下型キャビティ深さとして、例えば、分割樹脂成形体の厚さの3倍は必要であった。
しかしながら、本発明によれば、仕切部材の先端面の位置より上方の空間部を利用できるため、本発明に係る下型キャビティの深さを従来の下型キャビティ深さより浅くすることができる。
このため、本発明によれば、キャビティ底面部材の移動距離を効率良く減少させることができると共に、当該移動距離を必要最小限にすることができる。
また、下型キャビティ内におけるキャビティ底面の全面に平坦化した顆粒樹脂を被覆した状態で一括して供給することにより、圧縮成形装置の樹脂材料供給手段の構造を簡素化し得て圧縮成形装置の製作費を効率良く低減することができると共に、顆粒樹脂の供給時間を効率良く短縮化するができる。
従って、前述した装置製作費の低減と、樹脂供給時間の短縮化とにて、製品(成形済基板)の生産性を向上させることができるという優れた効果を奏するものである。
【0022】
また、本発明は、前述したように、キャビティ底面部材を必要最小限の移動距離で移動(上動)させることにより、基板面(半導体チップ装着面)に仕切部材の先端面を押圧する構成である。
また、本発明は、前述したように、キャビティ底面部材に仕切部材を(着脱自在に)装設する構成であるため、キャビティ底面部材が仕切部材に対して摺動しない構成であって、キャビティ底面部材とが仕切部材とが相対的に不動である。
このため、キャビティ底面部材が上動するときに、キャビティ底面部材と仕切部材とで形成される分割キャビティに被覆した離型フィルムが緩むことを効率良く防止できるものである。
従って、分割キャビティ内(下型キャビティ内)に被覆される離型フィルムに「しわ(皺)」が発生することを効率良く防止することができる。
【0023】
また、本発明は、異なる(多種の)分割樹脂成形体の厚さに対応して、当該厚さに対応する仕切部材をキャビティ底面部材に対して着脱自在に装設する構成である。
従って、本発明によれば、従来例のように、分割樹脂成形体の厚さに変更があったときに、これに対応して製作費用の高い金型(キャビティブロック)を製作する必要がないものである。
このため、分割樹脂成形体の厚さに変更があったときに、異なる分割樹脂成形体の厚さに対応して、当該厚さに対応する仕切部材をキャビティ底面部材に着脱自在に装設することができる。
従って、本発明によれば、異なる分割樹脂成形体の厚さに効率良く対応することができるので、製品(成形済基板)の生産性を向上させることができるという優れた効果を奏するものである。
【0024】
また、本発明は、分割キャビティを形成する仕切部材(弾性仕切部材)をキャビティ底面部材に対して弾性上下動自在(弾性移動自在)に装設した構成である。
また、分割キャビティ内の樹脂をキャビティ底面部材で加圧したときに、基板面に弾性仕切部材の先端面を弾性押圧することができるように構成されている。
また、或る特定範囲ではあるが、異なる分割樹脂成形体の厚さに対応して、基板に装着した半導体チップを圧縮成形して成形済基板(製品)を形成する場合、弾性上下動する仕切部材を交換することなく、異なる分割樹脂成形体の厚さに対応することができる。
例えば、弾性仕切部材の高さを、分割樹脂成形体の厚さの或る特定範囲における最大値に最小限度の移動距離を加えた距離(長さ)に構成することができる。
即ち、或る特定範囲における最大値(最小値)となる厚さを有する分割樹脂成形体を圧縮成形する場合において、キャビティ底面部材で樹脂を加圧するときに、キャビティ底面部材をその移動距離(必要最小限の移動距離と必要最小限の弾性移動距離とを含む)にて移動させることにより、基板面に弾性仕切部材の先端面を弾性押圧することができる。
【0025】
即ち、従来は、分割キャビティ(仕切部)を有するキャビティブロックを異なる厚さの分割樹脂成形体に対応して各別に製作していた。
しかしながら、本発明によれば、仕切部材(弾性仕切部材)を交換する必要はなく、本発明に係る弾性仕切部材にて異なる分割樹脂成形体の厚さに効率良く対応することができる。
また、従来、金型を冷却して分解すると共に、金型にキャビティブロックを装着して金型を加熱していた。
しかしながら、本発明によれば、弾性移動する弾性仕切部材を採用したことにより厚さの異なる分割樹脂成形体(成形済基板)に効率良く対応して基板に装着した半導体チップを圧縮成形することができる。
このため、厚さの異なる分割樹脂成形体の厚さに対応してその都度(弾性)仕切部材を交換する必要がない。
また、厚さの異なる分割樹脂成形体の厚さに対応してその都度キャビティブロック(仕切部)を製作する必要がない。
このため、本発明によれば、弾性仕切部材の構成にて、製作コストを効率良く低減することができる。
従って、製品(成形済基板)の生産性を向上させることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明に係る半導体チップの圧縮成形用金型(圧縮成形型)を概略的に示す概略縦断面図であって、基板の長辺方向の断面を示すと共に、前記した金型による成形前の型開状態を示している(実施例1)。
【図2】図2は、図1に示す金型に対応する半導体チップの圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、前記金型に設けられ且つ離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料を供給した状態を示している(実施例1)。
【図3】図3は、図1に示す金型に対応する半導体チップの圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、前記金型の型締状態を示している(実施例1)。
【図4】図4(1)は図1に示す金型に対応する半導体チップの圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって前記金型による成形後の型開状態を示し、図4(2)は図4(1)に示す金型で成形された成形済基板を拡大して概略的に示す概略拡大正面図である(実施例1)。
【図5】図5は、図2に示す金型の下型面を概略的に示す概略平面図であって、前記金型に設けられ且つ離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料(顆粒樹脂)を供給した状態を示している(実施例1)。
【図6】図6は、図1に示す金型のキャビティ底面を形成するキャビティ底面部材を概略的に示す概略斜視図であって、前記キャビティ底面部材に対して仕切部材を着脱自在に設けた状態を示している(実施例1)。
【図7】図7は、図2に示す金型に対応する半導体チップの圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、基板の短辺方向の断面を示すと共に、前記金型に設けられ且つ離型フィルムを被覆した下型キャビティ内に樹脂材料(顆粒樹脂)を供給した状態を示している(実施例1)。
【図8】図8は、図3に示す金型に対応する半導体チップの圧縮成形用金型を概略的に示す概略縦断面図であって、基板の短辺方向の断面を示すと共に、前記金型の型締状態を示している(実施例1)。
【図9】図9は、図1に示す金型の要部を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図であって、前記金型のキャビティ底面部材に装設された仕切部材を示している(実施例1)。
【図10】図10は、本発明に係る他の半導体チップの圧縮成形用金型(圧縮成形型)を概略的に示す概略縦断面図であって、基板の短辺方向の断面を示すと共に、前記金型の型開き状態を示している(実施例2)。
【図11】図11(1)は図10に示す金型における下型の型面を概略的に示す概略平面図であり、図11(2)、図11(3)は図10に示す金型におけるキャビティ底面部材の上部キャビティ底面部材と仕切部材とを概略的に示す概略底面図であり、図11(2)は、上部キャビティ底面部材に仕切部材を装着する前の状態を示し、図11(3)は上部キャビティ底面部材に仕切部材を装着した状態を示している(実施例2)。
【図12】図12(1)、図12(2)は本発明に係る他の実施例に用いられる仕切部材を概略的に示す概略縦断面図であって、図12(1)は上部キャビティ底面部材に仕切部材を装着する前の状態を示し、図12(2)は上部キャビティ底面部材に仕切部材を装着した状態を示している(実施例3)。
【図13】図13(1)は図1で示す金型で圧縮成形された成形済基板を概略的に示す概略斜視図であり(実施例1)、図13(2)は図10で示す金型で圧縮成形された成形済基板を概略的に示す概略斜視図(実施例2)である。
【図14】図14は、本発明に係る他の半導体チップの圧縮成形用金型(圧縮成形型)の要部を拡大して概略的に示す概略拡大縦断面図であって、基板の短辺方向の断面を示すと共に、前記金型の型開状態を示している(実施例4)。
【図15】図15は、図14に対応する金型の要部を拡大して概略的に示す概略拡大縦断面図であって、前記金型の型締状態を示している(実施例4)。
【図16】図16は、図14に対応する金型を概略的に示す概略縦断面図であって、基板の短辺方向の断面を示すと共に、前記金型の型開状態を示している(実施例4)。
【図17】図17(1)〜(4)は、図10に示す金型で成形された成形済基板の例を拡大して概略的に示す拡大概略斜視図である(実施例5)。
【図18】図18(1)〜(4)は、図10に示す金型で成形された成形済基板の例を拡大して概略的に示す拡大概略斜視図である(実施例5)。
【図19】図19(1)〜(2)は、本発明に係る半導体チップの圧縮成形用金型(圧縮成形型)に用いられる仕切部材を拡大して概略的に示す拡大概略斜視図である(実施例6)。
【図20】図20(1)〜(2)は本発明に係る他の半導体チップの圧縮成形用金型(圧縮成形型)で圧縮成形された成形済基板の例を概略的に示す概略斜視図であり(実施例7)、図20(3)は本発明に係る他の金型で圧縮成形された成形済基板の例を概略的に示す概略斜視図である(実施例8)。
【図21】図21(1)〜(3)は、本発明に係る他の半導体チップの圧縮成形用金型(圧縮成形型)で圧縮成形された成形済基板の例を概略的に示す概略斜視図である(実施例8)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明によれば、半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの圧縮成形型)において、下型キャビティ内に所要数の仕切部材を配置させることにより所要数の分割キャビティを形成することができると共に、キャビティ底面部材に対して仕切部材を容易に且つ効率良く着脱自在に装設することができるように構成されている。
また、仕切部材の高さを分割樹脂成形体の厚さに対応させて同じ距離(長さ)に設定することができる。
また、本発明によれば、仕切部材の先端面の上方の空間部を樹脂材料の供給部として利用することができるため、下型キャビティ内に平坦化した顆粒樹脂を被覆した状態で一括して供給することができる。
また、このため、本発明によれば、従来例に比べて、下型キャビティの深さを浅くすることができると共に、キャビティ底面部材の上動する移動距離を必要最小限にすることができる。
なお、従来は、分割樹脂成形体の厚さの3倍の深さを有する分割キャビティ内に各別に顆粒樹脂を供給していたため、キャビティ底面部材の上動する移動距離が長かった。
【0028】
即ち、本発明によれば、キャビティ底面部材を必要最小限の移動距離にて上動させて分割キャビティ内の樹脂を加圧し、基板に装着した半導体チップを分割キャビティの形状に対応した分割樹脂成形体内に圧縮成形して成形済基板を形成することができる。
このとき、下型キャビティ内で下型キャビティの形状に対応した樹脂成形体内に基板に装着した半導体チップを圧縮成形することができると共に、この樹脂成形体に仕切部材(先端部)の形状に対応した基板反り防止用の溝部(凹部)を形成することができる。
即ち、本発明によれば、成形済基板において、下型キャビティに対応した樹脂成形体に仕切部材にて溝部(凹部)を形成して分割樹脂成形体を形成することができる。
従って、本発明によれば、仕切部材にて樹脂成形体に形成される溝部(凹部)にて、或いは、分割樹脂成形体を形成することにより、成形済基板を反り返らせる力を緩和することができるので、基板に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0029】
また、本発明によれば、キャビティ底面部材に対して仕切部材を容易に且つ効率良く着脱自在に装設することができるように構成されている。
このため、例えば、下型キャビティ内で圧縮成形される樹脂成形体の厚さが変更になった場合に、キャビティ底面部材に対して仕切部材を容易に且つ効率良く交換することができる。
従って、仕切部材を容易に且つ効率良く交換することができるので、成形済基板(分割樹脂成形体)の生産性を効率良く向上させることができる。
【0030】
また、従来、分割キャビティ内に顆粒樹脂を各別に計量して供給していたため、樹脂材料(顆粒樹脂)の供給時間が長く、樹脂材料供給手段の構造が複雑で装置の製作コストが高かった。
また、従来、分割キャビティの深さも分割樹脂成形体の厚さの3倍と深く、キャビティ底面部材の上動する移動距離が長かった。
しかしながら、本発明よれば、キャビティ底面部材に着脱自在に装設した仕切部材の先端面の上方の空間部を樹脂材料の供給部として利用できるので、下型キャビティ内に平坦化した顆粒樹脂を被覆した状態で一括して供給することができる。
このため、下型キャビティ内に顆粒樹脂を供給する樹脂材料の供給時間を短縮化することができ、且つ、樹脂材料供給手段の構造を簡素化し得て装置の製作コストを効率良く低減することができる。
従って、本発明よれば、樹脂材料の供給時間を短時間化し得て、装置の製作コストを低減し得て、成形済基板の生産性を効率良く向上させることができる。
【0031】
また、本発明は、キャビティ底面部材に装設した仕切部材を弾性機構(圧縮スプリング、皿ばね)にて上方向に弾性付勢する構成である。
従って、キャビティ底面部材に対して弾性仕切部材を弾性上下摺動することができるように構成されている。
例えば、上方向に弾性付勢された仕切部材の先端面を下方に加圧した場合、仕切部材の弾性付勢力に逆らって仕切部材(先端面)を下方向に弾性移動させることができるように構成されている。
また、或る特定範囲ではあるが、異なる(多種の)分割樹脂成形体の厚さに対応して、基板に装着した半導体チップを圧縮成形して成形済基板(製品)を形成する場合、弾性上下動する仕切部材を交換することなく、異なる分割樹脂成形体の厚さに効率良く対応することができる。
例えば、弾性仕切部材の高さを、分割樹脂成形体の厚さの或る特定範囲における最大値に最小限度の弾性移動距離を加えた距離(長さ)に構成することができる。
即ち、或る特定範囲における最大値(最小値)となる厚さを有する分割樹脂成形体を圧縮成形する場合において、キャビティ底面部材で樹脂を加圧するときに、キャビティ底面部材をその移動距離(必要最小限の移動距離と必要最小限の弾性移動距離とを含む)にて移動させることにより、基板面に弾性仕切部材の先端面を弾性押圧することができる。
従って、本発明によれば、(弾性)仕切部材を交換することなく、異なる(多種の)分割樹脂成形体の厚さに効率良く対応することができる。
【0032】
また、従来、仕切部材(キャビティ底面部材)を交換するために金型を分解した場合、金型の交換のために金型温度を下げてまた上げる必要があり、更に、金型温度を安定化させる必要があるため、これらの時間が長時間になっていた。
しかしながら、本発明によれば、弾性移動する仕切部材を装設したキャビティ底面部材を用いる構成であるため、分割樹脂成形体の厚さにおいて、或る特定範囲ではあるが、金型を分解する必要がなくなるものである。
このため、金型温度を安定化させる時間なども不要となり、金型で圧縮成形される成形済基板の生産性を効率良く向上させることができる。
また、例えば、前述した厚さの異なる成形済基板(分割樹脂成形体)を圧縮成形する場合に、仕切部材を装設したキャビティ底面部材を、前述した厚さの異なる分割樹脂成形体に対応して、多数個、製作する必要がないので、成形済基板(分割樹脂成形体)の生産性を効率良く向上させることができる。
【0033】
また、本発明は、基板に装着した半導体チップを樹脂材料で圧縮成形した成形済基板の樹脂成形体に、基板反り防止用の凹部を設ける構成である。
即ち、本発明によれば、樹脂成形体に設けた基板反り防止用の凹部にて基板を反り返らせる力を緩和することができる。
例えば、成形済基板が樹脂成形体側に凸状態で反った場合(スマイル反り)に、樹脂成形体に設けた基板反り防止用の凹部(溝部を含む)は有効であり、基板を反り返らす力を効率良く緩和することができる。
また、本発明は、成形済基板における樹脂成形体に、基板反り防止用の凸部を設ける構成である。
即ち、本発明によれば、樹脂成形体に設けた基板反り防止用の凸部にて成形済基板を補強することができる。
例えば、成形済基板が基板側に凸状態で反った場合(クライ反り)に、樹脂成形体に設けた基板反り防止用の凸部は有効であり、基板を反り返らす力を効率良く補強することができる。
従って、本発明によれば、樹脂成形体に設けた基板反り防止用の凹部或いは凸部にて、基板に発生する反りを効率良く防止することができる。
【実施例1】
【0034】
まず、図1〜図9及び図13(1)を用いて実施例1を詳細に説明する。
図1、図2、図3、図4、図5、図7、図8は、実施例1に係る半導体チップの圧縮成形用金型である。
図6は、実施例1に係る金型に設けられたキャビティ底面部材及びキャビティ底面部材に着脱自在に設けられた仕切部材である。
図9は、実施例1に係る金型に設けられたキャビティ底面部材に設けられた仕切部材である。
図13(1)は実施例1に係る成形済基板である。
【0035】
(本発明に用いられる基板について)
本発明に用いられる基板1には、IC等の半導体チップ2が所要複数個、マトリックス型に配置した状態で装着されている。
また、本発明においては、基板1にマトリックス型に配置して装着された半導体チップ2を分割樹脂成形体3(樹脂成形体33)内に圧縮成形(樹脂封止成形)することにより成形済基板4を形成することができる。
【0036】
(実施例1に係る半導体チップの圧縮成形用金型の構成について)
図1〜図9に示す導体チップの圧縮成形用金型5には、上型6と、上型6に対向配置した下型7と、上型6と下型7と間に張架した(長尺状の)離型フィルム8と、上型6の型面に設けられた基板セット部9と、下型7の型面に設けられた所要の深さを有する圧縮成形用の下型キャビティ(大キャビティ)10と、大キャビティ10内に樹脂材料を供給する樹脂材料供給手段11とが設けられて構成されている。
また、金型5(上型6、下型7)には、図示はしていないが、下型キャビティ10内の樹脂材料を加熱する加熱手段と、金型5(上型6、下型7)を型締めする型締機構とが設けられて構成されている。
また、上型6の基板セット部9に、半導体チップ2を装着した基板1を、半導体チップ装着面1a側を下方に向けた状態で供給セットすることができるように構成されている。
また、下型キャビティ10内と下型7の型面とにそれらの形状に沿って離型フィルム8を吸着して被覆することができるように構成されている。
また、樹脂材料供給手段11にて離型フィルム8を被覆した下型キャビティ10内に樹脂材料、例えば、顆粒状の樹脂材料(顆粒樹脂)12を供給することができるように構成されている。
また、下型キャビティ10内で樹脂材料(顆粒樹脂12)を加熱手段で加熱して溶融化することができるように構成されている。
また、型締機構にて金型5(上型6、下型7)を型締めすることにより、下型7の型面で、上型6の基板セット部9に供給セットした基板1の半導体チップ装着面1aを押圧して先押さえすることができるように構成されている。
また、このとき、下型キャビティ10内の樹脂13を所要の加圧力で加圧することにより、下型キャビティ内の加熱した溶融樹脂(流動性樹脂)13中に基板1に装着した半導体チップ2を浸漬すると共に、下型キャビティ10内で基板1に装着した半導体チップ2を後述する所要数個の分割樹脂成形体(分割パッケージ)3内に圧縮成形して成形済基板4を形成することができるように構成されている。
【0037】
(実施例1に係る樹脂材料供給手段の構成について)
例えば、図1に示すように、樹脂材料供給手段11には、貫通孔14を備えたフレーム15と、フレーム15における貫通孔14の下部開口部14a側に設けられた開閉式のシャッタ板16と、シャッタ板16を水平方向に開閉するシャッタ板の開閉機構(図示なし)とが設けられて構成されている。
また、貫通孔14の下部開口部14aをシャッタ板16で閉鎖することにより、貫通孔14を樹脂供給部17に形成することができる。
即ち、まず、フレーム貫通孔14の上部開口部側14bから樹脂供給部17に所要量の顆粒樹脂12を計量して供給すると共に、顆粒樹脂12を平坦化して所要の均等な厚さを有するように形成する。
次に、樹脂材料供給手段11を上下両型5(6、7)間に進入させると共に、シャッタ板16を開けることにより、離型フィルム8を被覆した下型キャビティ10内に平坦化した顆粒樹脂12を、下型キャビティ底面10bの全面に被覆した状態で一括して供給することができる。
また、このとき、図5に示すように、平面的な外観上、離型フィルム8を被覆した下型キャビティ10内に供給された顆粒樹脂12は、下型キャビティ10内で平面的に一様に撒かれた状態となる。
【0038】
なお、前述したように、本発明(実施例1)においては、樹脂材料供給手段11にて、下型キャビティ10内に平坦化した顆粒樹脂12を、キャビティ底面10bの全面に被覆した状態で一括して供給する構成であるため、従来例に示すような分割キャビティ内に所要量の顆粒樹脂を計量且つ平坦化して各別に供給する必要はなく、樹脂材料の供給時間を効率良く短縮化することができる。
従って、樹脂材料供給手段11にて樹脂材料の供給時間を効率良く短縮化することができるので、成形済基板4の生産性を効率良く向上させることができる。
【0039】
(実施例1に係る下型キャビティの構成について)
また、下型キャビティ(大キャビティ)10には、下型7の型面に設けたキャビティ開口部10aと、キャビティ底面10bと、キャビティ側面10cとが設けられて構成されている。
また、下型キャビティ10には、キャビティ底面10bを先端面とするキャビティ底面部材18と、キャビティ側面10cを含むキャビティ側面部材(下型本体7)と、キャビティ底面部材18をキャビティ10内で相対的に上動させてキャビティ10内の溶融樹脂13を加圧する加圧手段19と、下型本体(キャビティ側面部材)7と加圧手段19と間に設けられた圧縮スプリング34とが設けられて構成されている。
なお、キャビティ底面部材18は単数個であって、加圧手段19にて下型キャビティ10のキャビティ側面10cに連通して設けられた摺動孔20内(摺動部)を上下摺動することができるように構成されている。
また、後述するように、加圧手段19(仕切部材21を含むキャビティ底面部材18)を必要最小限の移動距離24にて上動させることにより、仕切部材21の先端面21aにて基板面(半導体チップ装着面)1aを押圧することができるように構成されている。
【0040】
即ち、上下両型5(6、7)を型締めすると共に、離型フィルム8を介して、下型キャビティ10内の樹脂12をキャビティ底面部材18(加圧手段19)にて所要の加圧力にて加圧することができるように構成されている。
従って、後述するように、下型キャビティ10内で加熱して溶融化した樹脂(流動性樹脂)13中に基板1に装着した所要複数個の半導体チップ2を浸漬することができるように構成されると共に、下型キャビティ10の形状に対応した樹脂成形体33(分割樹脂成形体3)内に基板1に装着した所要複数個の半導体チップ2を圧縮成形(樹脂封止成形)することができるように構成されている。
【0041】
(実施例1に係る仕切部材の構成について)
また、図1に示すように、下型7の大キャビティ10において、所要数の仕切部材(凸部)21がキャビティ底面10bに(突出した状態で)立設して構成されている。
また、仕切部材21の高さ23(キャビティ底面10aから仕切部材21の先端面21aまでの距離)は、下型キャビティ10内で成形される樹脂成形体33の厚さに対応して構成されている。
即ち、仕切部材21の高さ23は樹脂成形体33の厚さと同じ距離(長さ)にて構成されている。
なお、この高さ23は、下型キャビティ10内の樹脂を上動するキャビティ底面部材18で加圧した場合において、仕切部材21の先端面21aで基板面1aを押圧したとき、キャビティ10の深さ(23)となるものである。
【0042】
また、仕切部材(凸部)21にて、下型大キャビティ10の形状に対応して成形される樹脂成形体33に、仕切部材21の形状に対応した溝部(凹部)28を形成することにより、溝部(凹部)28の両側に(後述する分割キャビティ22に対応した)分割樹脂成形体3を形成し、成形済基板4を形成することができるように構成されている。
即ち、従来の樹脂成形体(硬化樹脂33)に溝部(凹部)28を形成することにより、この溝部(凹部)28にて、従来例に示す樹脂成形体(33)に発生する反る力を緩和することができる。
従って、基板1と樹脂成形体(33)との熱膨張係数の差を緩和することにより、成形済基板4の反りを効率良く防止することができるように構成されている。
【0043】
また、後述するように、所要数の仕切部材21はキャビティ底面部材18に対して着脱自在に構成されている。
即ち、キャビティ底面部材18に対して、樹脂成形体(33)の厚さに対応した高さ23を有する仕切部材21を着脱自在に装設して効率良く交換することができる。
このため、従来は、多種の成形済基板(異なる厚さを有する分割樹脂成形体)に対応して、分割キャビティを有するキャビティブロックを一体として製作していたため、製作コストが高くなるのが通例であったが、実施例1に示すように、キャビティ底面部材18に仕切部材21を着脱自在に装設する構成を採用したので、圧縮成形装置の製作費を効率良く低減し、製品(成形済基板)の生産性を効率良く向上させることできる。
【0044】
また、仕切部材21にて大キャビティ10に分割キャビティ22を形成することができるように構成されている。
また、仕切部材21はキャビティ10(基板1)の短辺方向に差渡した状態でキャビティ底面10b(キャビティ底面部材18の先端面)に設けられて構成されている。
このため、仕切部材21の先端面21aは隣接する分割キャビティ22の一辺の全辺に相当するものである。
また、図例においては、キャビティ底面10bに3個の仕切部材21がキャビティ10(基板1)の長辺に沿って配置され、4個の分割キャビティ22が形成されている。
従って、図13(1)に示すように、成形済基板4において、大キャビティ10に対応した樹脂成形体33に、仕切部材21に対応した3本の直線状の溝部(凹部)28にて、分割キャビティ22に対応した4個の分割樹脂成形体3を形成することができる。
なお、実施例1に係る仕切部材21は、大キャビティ10に対応する樹脂成形体33に基板反り防止用の凹部を形成する凹部形成手段である。
【0045】
また、前述したように、樹脂材料供給手段11にて離型フィルム8を被覆したキャビティ10内(分割キャビティ22の底面22a、仕切部材21の先端面21a)に所要量の顆粒樹脂12を一括して供給することができる。
このとき、前述したように、キャビティ底面10bの全面に顆粒樹脂12を被覆した状態で一括して供給することができる。
【0046】
即ち、基板1に装着した所要複数個の半導体チップ2を分割キャビティ22の形状に対応した分割樹脂成形体3内に圧縮成形することができるので、図13(1)に示す成形済基板4を得ることができる。
また、このとき、仕切部材21を設けたキャビティ10内において、キャビティ10の形状に対応した樹脂成形体33内に基板1に装着した所要複数個の半導体チップ2を圧縮成形することができると共に、樹脂成形体33に仕切部材21にて溝部(凹部)28を形成することができるように構成されている。
また、隣接する分割樹脂成形体3の間には仕切部材21の形状に対応した基板反り防止用の所要形状を有する溝部(凹部)28が形成されることになる。
従って、溝部28にて成形済基板4に発生する歪みを効率良く防止することができるので、成形済基板4に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0047】
なお、溝部28の底面28aの形状は、仕切部材21の先端側(例えば、先端面21a)の形状に対応して転写されることになる。
また、キャビティ10内の仕切部材21の間におけるキャビティ底面10bは分割キャビティ底面22aとなる。
また、仕切部材21の先端面21aは浅いキャビティ底面となるものであり、キャビティ底面部材18の先端面は深いキャビティ底面(大キャビティ底面10b、分割キャビティ底面22a)となるものである。
【0048】
(実施例1に係る仕切部材の樹脂連通路について)
実施例1に係る仕切部材21の先端面21aには半円底状の樹脂連通路(スルーゲート)35が設けられて構成されている。
従って、分割キャビティ22内の樹脂をキャビティ底面部材18で加圧したとき、仕切部材21の先端面21aを基板面1aに押圧することができると共に、仕切部材21の先端面21aに設けた樹脂連通路35を通して、分割キャビティ22内の樹脂(溶融樹脂13)を分割キャビティ22間で相互に移動させて分割キャビティ22内の樹脂量を調整することができる。
なお、樹脂連通路35内で硬化した樹脂は連通樹脂部36となり、分割樹脂成形体3間の溝部28の底面28aに形成されることになる。
【0049】
(実施例1に係る仕切部材を含むキャビティ底面部材における必要最小限の移動距離について)
また、図1に示すように、仕切部材21の先端面(仕切面)21aはキャビティ底面10bから所要の距離(所要の高さ)23、即ち、分割樹脂成形体3(樹脂成形体33)の厚さとなるように構成されている。
また、下型7の型面と仕切部材の先端面21aとの間に形成される所要の距離24は、加圧手段19にてキャビティ底面部材18を型面方向に加圧してキャビティ10、22内の樹脂を加圧するとき、下型本体7の型面(圧縮スプリング34)にて、基板面1aを上方向に(型面方向に)押圧することができる必要最小限の移動距離(24)となるように構成されている。
また、下型キャビティ10内でキャビティ底面部材18を上動させることにより、仕切部材21の先端面21aにて基板面1aを上方向に押圧することができる。
なお、所要数の仕切部材21はキャビティ底面部材18と一体となってキャビティ10(摺動孔20)内を相対的に上下摺動することができるように構成されている。
また、基板1は、キャビティ底面部材18の必要最小限の移動距離24による圧縮スプリング34の弾性圧力にて、上型6の型面と下型7の型面(仕切部材21の先端面21aを含む)との間に挟持されることになる。
なお、キャビティ底面部材18の樹脂加圧前において、下型面(P.L面)と仕切部材21の先端面21aとの間を所要の距離24となるように構成しても良い。
【0050】
(実施例1に係る離型フィルムとキャビティ底面部材における必要最小限の移動距離とについて)
また、実施例1において、キャビティ底面部材18を必要最小限の移動距離24で上動させることにより、離型フィルム8を被覆した分割キャビティ22内の溶融樹脂13を加圧することができる。
このとき、まず、下型本体7の型面にて、上型6の基板セット部9に供給セットした基板1の半導体チップ装着面1aを、圧縮スプリング34の弾性加圧力にて押圧して先押さえすることができる。
また、次に、仕切部材21の先端面21aを基板面1aに押圧することができる。
このため、分割キャビティ22内の溶融樹脂13を加圧することができる。
また、このとき、キャビティ底面部材18は必要最小限の移動距離24しか移動しないことになる。
また、キャビティ底面部材18と仕切部材21とは相対的に互いに不動であって、分割キャビティ22内に被覆した離型フィルム8が、キャビティ底面22a(10b)と仕切部材21との間で緩むことを効率良く防止することができる。
このため、分割キャビティ22内に被覆した離型フィルム8に発生するしわを効率良く防止することができる。
なお、従来は、下型キャビティの深さは、少なくとも樹脂成形体の厚さの3倍が必要であり、キャビティ底面部材の移動距離は、少なくとも樹脂成形体の厚さの2倍以上となっていた。
【0051】
(実施例1における下型キャビティ内における樹脂材料の供給部について)
また、実施例1(本発明)によれば、前述したように、樹脂材料供給手段11にて、離型フィルム8を被覆した下型キャビティ10内に平坦化した顆粒樹脂12を、キャビティ底面の全面に被覆した状態で一括して供給することができる。
従来は、分割キャビティ内に各別に顆粒樹脂を供給する構成であるため、分割キャビティを形成する仕切部の型面(実施例1の仕切部材の先端面に相当)に、顆粒樹脂を供給することができなかった。
しかしながら、実施例1(本発明)によれば、分割キャビティを形成する仕切部材を上下摺動するキャビティ底面部材に着脱自在に装設する構成であり、且つ、下型キャビティ底面の全面に平坦化した顆粒樹脂を被覆した状態で一括して供給する構成であるため、下型キャビティ内における仕切部材の先端面の位置より上方の空間部を顆粒樹脂の供給部として利用することができ、且つ、仕切部材の先端面を含む下型キャビティ底面の全面より上方の空間部を顆粒樹脂の供給部として利用することができる。
このため、実施例1(本発明)によれば、従来例のように、下型キャビティの深さを分割樹脂成形体の厚さの3倍とする必要がなく、従来例に比べて、下型キャビティ10の深さをきわめて浅くすることができる。
なお、仕切部材21の先端面21a上に供給された顆粒樹脂は加熱されて溶融化することにより、この溶融樹脂(流動性樹脂)は分割キャビティ22内に流入することになり、下型キャビティ10内の各分割キャビティ22内に溶融樹脂が各別に収容されることになる。
【0052】
(実施例1に係る仕切部材の着脱自在の構成について)
前述したように、実施例1によれば、キャビティ底面部材18に対して仕切部材21を着脱自在に装設して交換することができる。
即ち、図例に示すように、キャビティ底面部材18には、上部キャビティ底面部材(キャビティブロック)29と、下部キャビティ底面部材(ベース部材)30とが設けられて構成されている。
また、キャビティ底面部材18には仕切部材21を着脱自在に嵌装する溝状の仕切部材用の嵌合部(図例では溝部)31が所要数、キャビティ10の短辺方向に設けられて構成されている。
従って、キャビティ底面部材18(上部キャビティ底面部材29、下部キャビティ底面部材30)の嵌合部31に仕切部材21の基端部21b側を水平方向に(横方向に)押して嵌合させることができるように構成されている。
このとき、仕切部材21の先端部21c側はキャビティ底面部材18から突出した状態となる。
また、下部キャビティ底面部材30には嵌合部31に嵌合した仕切部材21を係止するボルト等の係止部材32が設けられて構成され、嵌合部31に嵌合した仕切部材21を下部キャビティ底面部材30側から係止することができるように構成されている。
【0053】
即ち、まず、キャビティ底面部材18(29、30)の嵌合部31に対して仕切部材21の基端部21b側を着脱自在に水平方向に嵌合させ、次に、下部キャビティ底面部材30側から所要数の係止部材32にて仕切部材21を係止してキャビティ底面部材18に所要数の仕切部材21を係止することができる。
従って、実施例1によれば、分割樹脂成形体3の厚さの変更に対応するために、キャビティ底面部材18に対して仕切部材21を容易に且つ着脱自在に装着することができるように構成されている。
例えば、新たに所要の厚さを有する分割樹脂成形体(異なる厚さの分割樹脂成形体)を圧縮成形する場合において、まず、キャビティ底面部材18から仕切部材18を取り出し、次に、当該分割樹脂成形体の厚さに対応する高さを有する仕切部材21を装設して効率良く交換することができる。
このため、実施例1によれば、キャビティ底面部材30に対して仕切部材21を着脱自在に効率良く交換することができるので、実施例1に係る金型5で成形済基板4を効率良く圧縮成形することができ、製品(成形済基板)の生産性を効率良く向上させることができる。
【0054】
(実施例1に係る半導体チップの圧縮成形方法について)
まず、図1に示すように、半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの圧縮成形型)5を用いて、上型6の基板セット部9に、マトリックス型に配置した所要複数個の半導体チップ2を装着した基板1(成形前基板)を、半導体チップ装着面1a側を下方向に向けた状態で供給セットし、且つ、下型7の型面と下型キャビティ10(分割キャビティ22と仕切部材21)内とに離型フィルム8を吸着して被覆させると共に、樹脂材料供給手段11にて離型フィルム8を被覆したキャビティ10(分割キャビティ22)内に平坦化した顆粒樹脂12を供給する。
このとき、離型フィルム8を介してキャビティ10の底面10bの全面、即ち、分割キャビティ底面22aと仕切部材21の先端面21aとに平坦化した顆粒樹脂12をそのままの状態で落下させることにより、平坦化した顆粒樹脂12を一括して供給することができる。
このため、離型フィルム8を介してキャビティ底面11bの全面(分割キャビティ22の底面22aと仕切部材21の先端面21a)に顆粒樹脂12を被覆させた状態で供給することができる。
【0055】
次に、下型キャビティ10内(分割キャビティ面22aと仕切部材先端面21a)の樹脂12を加熱して溶融化し、上下両型6、7を型締めする。
このとき、下型本体7の型面を上型6側の基板1の半導体チップ装着面1aに押圧して先押さえすることになる。
次に、樹脂成形体3、33の厚さと同じ高さを有する仕切部材21を着脱自在に装設したキャビティ底面部材18を、必要最小限の移動距離24で上動させることにより、大キャビティ10(分割キャビティ22)内の樹脂(13)を所要の加圧力にて加圧することができる。
このとき、キャビティ底面部材18を必要最小限の移動距離24で上動させることにより、圧縮スプリング34の弾性押圧力にて下型7の型面で基板面1aを押圧することができる。
また、このとき、キャビティ底面部材18に着脱自在に装設した仕切部材21の先端面21aで基板面1aを押圧することができる。
従って、分割キャビティ22内で分割キャビティ22の形状に対応した分割樹脂成形体(分割パッケージ)3内に所要複数個の半導体チップ2を一括して圧縮成形(樹脂封止成形)することができる。
このとき、隣接する分割樹脂成形体3間には仕切部材21の先端部側(先端面21aを含む)の形状に対応した溝部(凹部)28が形成される。
このとき、樹脂連通路35内で連通樹脂部(硬化樹脂)36が形成される。
従って、次に、上下両型を型開きすることにより、下型キャビティ10(22)から成形済基板4(分割樹脂成形体3)を離型することができる。
【0056】
(実施例1における作用効果について)
実施例1によれば、基板1に装着した半導体チップ2を圧縮成形して成形済基板(製品)4を形成するときに、仕切部材21にて形成された分割キャビティ22に対応した分割樹脂成形体3を形成すると共に、下型キャビティ10の形状に対応した樹脂成形体33に仕切部材21の形状に対応した溝部(凹部)28を形成することができる。
即ち、本発明によれば、成形済基板(製品)4の樹脂成形体33に形成される溝部(凹部)28にて、基板1と樹脂成形体3、33とによる熱膨張係数の差による歪みを効率良く解消することができる。
従って、実施例1によれば、製品(成形済基板)4に反りが発生することを効率良く防止することができる。
【0057】
また、実施例1は、分割キャビティ22を形成する仕切部材21を上下摺動するキャビティ底面部材18に着脱自在に装設する構成であり、且つ、下型キャビティ10底面10bの全面に平坦化した顆粒樹脂12を被覆した状態で一括して供給する構成であるため、下型キャビティ10内における仕切部材21の先端面21aの位置より上方の空間部を顆粒樹脂12の供給部として利用することができる。
即ち、実施例1によれば、下型キャビティ10内(分割キャビティ22内)の底面10bの全面に平坦化した顆粒樹脂12を一括して供給することができる。
また、実施例1によれば、下型キャビティ10の深さを従来の下型キャビティ深さ(例えば、分割樹脂成形体の厚さの3倍)より浅くすることができる。
また、実施例1によれば、キャビティ底面部材18の移動距離を必要最小限の距離24にすることができる。
従って、下型キャビティ10内に平坦化した顆粒樹脂12を一括して被覆した状態で供給することにより、圧縮成形装置の製作費を効率良く低減し、顆粒樹脂の供給時間を効率良く短縮化することにより、製品(成形済基板)4の生産性を向上させることができる。
なお、従来は、各分割キャビティ22内に各別に所要量の顆粒樹脂12を供給する構成であるため、分割キャビティ22を形成する仕切部材の型面(実施例1の仕切部材21の先端面21aに相当)に、顆粒樹脂12を供給することができなかった。
また、各分割キャビティ22内に各別に所要量の顆粒樹脂12を供給する構成であるため、下型キャビティ10の深さが分割樹脂成形体3(33)の厚さ23の3倍(以上)必要であった。
【0058】
また、実施例1は、分割キャビティ22を形成する仕切部材21を着脱自在に装設したキャビティ底面部材18で樹脂を加圧するとき、前述したように、下型キャビティ10の深さを従来の下型キャビティ深さより浅くすることができ、キャビティ底面部材21の移動距離を必要最小限の距離24にすることができる。
即ち、実施例1は、キャビティ底面部材18を必要最小限の移動距離24で移動させて基板面1aに仕切部材21の先端面21aを押圧する構成である。
また、キャビティ底面部材18と仕切部材21とは相対的に互いに不動であるため、分割キャビティ22内に被覆した離型フィルム8が緩むことを効率良く防止することができる。
従って、分割キャビティ22内(下型キャビティ10内)に被覆される離型フィルム8にしわが発生することを効率良く防止することができる。
【0059】
また、実施例1は、分割キャビティ22を形成する仕切部材21をキャビティ底面部材18に対して着脱自在に装設した構成であるので、分割樹脂成形体3の厚さ(23)に変更があるとき、新たな異なる分割樹脂成形体3の厚さ(23)に対応して仕切部材21をキャビティ底面部材18に対して着脱自在に装設することができる。
従って、本発明によれば、異なる分割樹脂成形体3(33)の厚さに効率良く対応することができるので、製品(成形済基板)4の生産性を効率良く向上させることができる。
【実施例2】
【0060】
次に、図10、図11(1)〜図11(3)、図13(2)を用いて、実施例2(本発明)を詳細に説明する。
図10、図11(1)〜図11(3)は、実施例2に係る半導体チップの圧縮成形用金型である。
図13(2)は実施例2に示す金型で成形した成形済基板である。
なお、実施例2に示す金型の基本的な構成は実施例1に示す金型と同じであるため、その説明を省略する。
また、実施例2に用いられる基板は実施例1に用いられる基板と同じである。
また、実施例2は、下型キャビティ内において、仕切部材の両側にスルーゲートを設ける構成である。
【0061】
(実施例2に係る半導体チップの圧縮成形用金型の構成について)
図10、図11(1)〜(3)に示す金型41には、実施例1と同様に、上型42と、下型43と、下型の大キャビティ44(キャビティ開口部44a、キャビティ底面44b、キャビティ側面44c)と、キャビティ底面部材45と、加圧手段19と、上型の基板セット部9と、下型キャビティ44内を被覆する離型フィルム8と、下型43と加圧手段19との間に設けられた圧縮スプリング(図示なし)とが設けられて構成されている。
また、金型41には、実施例1と同様に、加熱手段と型締機構とが設けられて構成されている。
【0062】
また、実施例1と同様に、キャビティ底面44bには所要数の仕切部材46が立設して構成されると共に、仕切部材46がキャビティ底面部材45に着脱自在に装設されて構成されている。
また、大キャビティ44内で所要数の仕切部材46にて所要数の分割キャビティ47が形成されている。
また、図11(1)に示す図例では、大キャビティ44の長辺方向に4個の分割キャビティ47が配置されている。
従って、実施例1と同様に、基板1に装着したマトリックス配置の半導体チップ2を大キャビティ44の形状に対応した樹脂成形体56に圧縮成形することができる。
また、実施例1と同様に、基板1に装着したマトリックス配置の半導体チップ2を各分割キャビティ47の形状に対応した分割樹脂成形体48内に各別に圧縮成形することができる。
また、実施例1と同様に、大キャビティ44の形状に対応した樹脂成形体56に、仕切部材46の形状に対応した直線状の溝部(凹部)57にて分割樹脂成形体48を圧縮成形し得て成形済基板49を形成することができるように構成されている〔図13(2)を参照〕。
なお、実施例2に係る仕切部材46は、成形済基板49の樹脂成形体56に溝部(凹部)57を形成する凹部形成手段であり、溝部(凹部)57にて成形済基板49の反りを効率良く防止することができるものである。
【0063】
(実施例2に係る仕切部材について)
即ち、仕切部材46には、実施例1と同様に、先端面46a、基端部46b、先端部46cがある。
また、キャビティ底面44b(分割キャビティ底面47a)と仕切部材46の先端面46aの距離、即ち、仕切部材46の高さ50は分割樹脂成形体48(樹脂成形体56)の厚さに対応して形成されている。
また、実施例1と同様に、キャビティ底面部材45は、必要最小限の移動距離51にて上動することになる。
また、隣接する分割キャビティ47の一辺(仕切部材の先端面46aにて)は、実施例1と同様に、大キャビティ44の短辺方向に設けられて構成されている。
また、実施例2においては、実施例1とは異なり、仕切部材46の両側に、キャビティ底面44bの樹脂連通路(底面スルーゲート)52が設けられて構成され、隣接する分割キャビティ47間を連通することになる。
即ち、樹脂連通路52は、キャビティ短辺方向に配設された仕切部材46の両側におけるキャビティ底面44b上に設けられて構成されている。
従って、実施例2における分割キャビティ47内に供給された樹脂(顆粒樹脂12)の量の過不足を樹脂連通路52にて調整することができるように構成され、樹脂連通路52で硬化した樹脂は連通樹脂部(硬化樹脂)54となる。
【0064】
また、実施例1と同様に、樹脂材料供給手段(11)にて大キャビティ44内に所要量の平坦化した顆粒樹脂12を供給した場合、大キャビティ44の底面44bの全面に被覆した状態で一括して供給することができる。
また、所要数の仕切部材46を含むキャビティ底面部材45は一体となってキャビティ側面44cを含む摺動孔53内を上下摺動するように構成されている。
また、図13(2)に示すように、実施例2に係る仕切部材46にて、基板1上に形成され且つ大キャビティ44内で成形される樹脂成形体56に長孔状の溝部57が形成されることになる。
また、樹脂成形体56の長孔状の溝部57の底面57a側には仕切部材の先端面46a(先端部46c)の形状が転写されると共に、樹脂成形体56の長孔状の溝部57の両側は樹脂連通路52内で樹脂が硬化して連通樹脂部54となるものである。
【0065】
(実施例2における仕切部材の着脱自在の構成について)
即ち、図10、図11(2)、図11(3)に示すように、キャビティ底面部材45には、上部キャビティ底面部材58と下部キャビティ底面部材59とが設けられて構成されている。
また、上部キャビティ底面部材58には、仕切部材46を着脱自在に装設する長孔状の嵌合部60が設けられて構成されている。
また、仕切部材46をボルト等の係止部材61にて上部キャビティ底面部材58に係止することができるように構成されている。
従って、図11(2)に示すように、まず、上部キャビティ底面部材58の嵌合部60に対して仕切部材の先端部46b側から垂直方向(上方向)に移動させて基端部46cを嵌合部60に装着する。
次に、図11(3)に示すように、仕切部材46を基端部46c側から係止部材61にて係止し、下部キャビティ底面部材59と合わせてキャビティ底面部材45とすることができる。
【0066】
実施例2によれば、実施例1と同様に、分割樹脂成形体48(3)を厚さの変更に対応するために、キャビティ底面部材45に対して仕切部材46を容易に且つ着脱自在に装着することができるように構成されている。
実施例2によれば、実施例1と同様に、キャビティ底面部材45に対して仕切部材46を着脱自在に効率良く交換することができるので、実施例2に係る金型で成形済基板49を効率良く圧縮成形することができる。
なお、実施例2に係る仕切部材46の先端面46aは、例えば、水平面形状に形成することができる。
また、実施例2は、成形済基板49に形成される大キャビティ44に対応した樹脂成形体56に、仕切部材46に対応した溝部(凹部)57を形成する構成であって、成形済基板49に発生する反りを効率良く防止するものである。
従って、実施例2に係る仕切部材46は成形済基板49における樹脂成形体56に凹部を形成する基板反り防止用の凹部形成手段となるものである。
【0067】
(実施例2に係る半導体チップの圧縮成形方法について)
実施例2に係る金型41(上型42、下型43)を用いて、実施例1と同様に、離型フィルム8を被覆したキャビティ44内に平坦化した顆粒樹脂12を供給する。
このとき、キャビティ44の底面44b全面、即ち、分割キャビティ47の底面47aと仕切部材46の先端面46aとに平坦化した顆粒樹脂12をそのままの状態で落下させて一括して供給することができる。
このため、離型フィルム8を介してキャビティ底面44bの全面(分割キャビティ47の底面47aと仕切部材46の先端面46a)に顆粒樹脂12を被覆させた状態で供給することができる。
次に、下型キャビティ44内(分割キャビティ底面47aと仕切部材先端面46a)の樹脂12を加熱して溶融化し、金型41(上型42、下型43)を型締めする。
次に、キャビティ底面部材45を必要最小限の移動距離51にて上動させることにより、大キャビティ44(分割キャビティ47)内の樹脂を所要の加圧力にて加圧する。
このとき、仕切部材46の先端面46aで基板面1aを押圧することができる。
従って、分割キャビティ47内で分割キャビティ47の形状に対応した分割樹脂成形体(分割パッケージ)48内に所要複数個の半導体チップ(2)を一括して圧縮成形(樹脂封止成形)することができる。
【0068】
このとき、隣接する分割樹脂成形体48間には仕切部材の先端部側(先端面を含む)の形状に対応した溝部(凹部)57が形成される。
このとき、キャビティ底面44bの樹脂連通路52にて分割キャビティ47内の樹脂量を調整することができると共に、仕切部材46(溝部57)の両側の樹脂連通路52内で樹脂を硬化させて連通樹脂部(硬化樹脂)54を形成することができる。
従って、次に、金型41(上型42、下型43)を型開きすることにより、下型キャビティ44から成形済基板49(分割樹脂成形体48、樹脂成形体56)を離型することができる。なお、57aは溝部57の底部である。
【0069】
(実施例2における作用効果について)
実施例2によれば、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例2によれば、実施例1と同様に、基板1に装着した半導体チップ(2)を分割樹脂成形体48内に圧縮成形すると共に、隣接する分割樹脂成形体48の間に仕切部材46に対応した溝部57(57a)を形成することができるので、成形済基板49に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0070】
また、実施例2によれば、実施例1と同様に、分割キャビティ47を形成する仕切部材46を上下摺動するキャビティ底面部材45に着脱自在に装設する構成であり、且つ、下型キャビティ44底面44bの全面に平坦化した顆粒樹脂12を被覆した状態で一括して供給する構成であるため、下型キャビティ44内における仕切部材46の先端面46aの位置より上方の空間部を顆粒樹脂12の供給部として利用することができる。
即ち、実施例2によれば、実施例1と同様に、下型キャビティ44内(分割キャビティ47内)の底面47aの全面に平坦化した顆粒樹脂12を被覆した状態で一括して供給することができる。
また、実施例2によれば、実施例1と同様に、下型キャビティ44の深さを従来の下型キャビティ深さ(例えば、分割樹脂成形体の厚さの3倍)より浅くすることができる。
実施例2によれば、実施例1と同様に、キャビティ底面部材45の移動距離51を必要最小限の距離にすることができる。
従って、下型キャビティ44内に平坦化した顆粒樹脂12を被覆した状態で一括して供給することにより、樹脂材料供給手段(11)を含む圧縮成形装置の製作費を効率良く低減し、且つ、顆粒樹脂の供給時間を効率良く短縮化することにより、製品(成形済基板)49の生産性を向上させることができる。
【0071】
また、実施例2によれば、実施例1と同様に、キャビティ底面部材45の移動距離を必要最小限の移動距離51にすることができる。
従って、分割キャビティ47内(下型キャビティ44内)に被覆される離型フィルム8にしわが発生することを効率良く防止することができる。
【0072】
また、実施例2によれば、実施例1と同様に、分割キャビティ47を形成する仕切部材46をキャビティ底面部材45に対して着脱自在に装設した構成であるので、分割樹脂成形体48の厚さに変更があるとき、新たな異なる分割樹脂成形体48の厚さに対応した仕切部材46を、キャビティ底面部材45に対して着脱自在に装設することができる。
従って、実施例2によれば、実施例1と同様に、異なる分割樹脂成形体48の厚さに効率良く対応することができるので、製品(成形済基板)49の生産性を効率良く向上させることができる。
【実施例3】
【0073】
次に、図12(1)〜図12(2)を用いて、実施例3を詳細に説明する。
図12(1)〜図12(2)は他の半導体チップの圧縮成形用金型の要部であって、キャビティ底面部材に仕切部材を着脱自在に装設する構成である。
なお、実施例3に示す金型の基本的な構成は実施例1に示す金型と同じであるため、その説明を省略する。
また、実施例3に用いられる基板は実施例1に用いられる基板と同じである。
【0074】
(実施例3に示す半導体チップの圧縮成形用金型の構成について)
即ち、実施例3に示す金型の基本的な構成は実施例1に示す金型と同じである。
また、図12(1)〜図12(2)示す金型には、実施例1と同様に、キャビティ底面部材141と仕切部材142とが設けられて構成され、キャビティ底面部材141に対して仕切部材142を着脱自在に装設することができるように構成されている。
従って、実施例3に係る金型にて、基板(1)に装着した半導体チップ(2)を分割キャビティ(下型キャビティ)の形状に対応した分割樹脂成形体(樹脂成形体)内に圧縮成形して成形済基板を形成することができるように構成されている。
このとき、下型キャビティで圧縮成形された樹脂成形体には、或いは、分割樹脂成形体間には、仕切部材142の形状に対応した基板反り防止用の溝部が形成されるように構成されている。
また、実施例3によれば、例えば、下型キャビティ内で圧縮成形される樹脂成形体の厚さが変更になった場合に、下型の型面(キャビティ底面)の上方から仕切部材を容易に効率良く交換することができる。
従って、成形済基板(樹脂成形体)の生産性を効率良く向上させることができる。
なお、実施例3に示す金型において、実施例1、2と同様の作用効果を得ることができる。
【0075】
(実施例3における仕切部材の着脱自在の構成について)
即ち、仕切部材142には、先端面142a、基端部142b、先端部142c、キャビティ底面相当部142dとが設けられて構成されている。
また、キャビティ底面部材141は、上部キャビティ底面部材143と下部キャビティ底面部材144とが設けられて構成されている。
従って、キャビティ底面部材141(上部キャビティ底面部材143)に仕切部材142を装設した場合、キャビティ底面145と仕切部材142のキャビティ底面相当部142dとは面一となる。
また、上部キャビティ底面部材143の上面となるキャビティ底面145には、仕切部材142の基端部142b側をキャビティ底面145側から着脱自在に装着する嵌合孔(嵌合部)146と、仕切部材142(基端部142b)を係止する嵌合孔146の係止部146aとが設けられて構成されている。
また、上部キャビティ底面部材143の下面には、仕切部材142を上部キャビティ底面部材143(キャビティ底面部材141)に係止するボルト部材147を挿通する挿通孔148が設けられ、挿通孔148にはボルト部材147を係止する挿通孔148の係止部148aが設けられて構成されている。
なお、上部キャビティ底面部材143において、嵌合孔146と挿通孔148とが連通した状態で設けられて構成されている。
また、下部キャビティ底面部材144には貫通した状態の挿通孔149が設けられて構成され、上部キャビティ底面部材143と下部底面部材144とを合体したときに、上部キャビティ底面部材143の嵌合孔146と挿通孔148及び下部キャビティ底面部材144の挿通孔149とが連通した状態となるように構成されている。
【0076】
即ち、図12(1)に示すように、まず、上部キャビティ底面部材143の上面(キャビティ底面145)の嵌合孔146の開口部146bに、仕切部材142を基端部142b側から下方向に着脱自在に装着することができる。
このとき、仕切部材142(基端部142b)を嵌合孔146の係止部146aで係止することができる。
また、上部キャビティ底面部材143の下面の挿通孔148の開口部148aからボルト部材147を挿入することによって、上部キャビティ底面部材143に仕切部材142を嵌合孔146にボルト部材147で固定することができる。
このとき、ボルト部材147の先端部147aは仕切部材142(基端部142b)に螺設され、ボルト部材147のボルト頭147bは挿通孔148の係止部148aに係止されることになる。
従って、次に、図12(2)に示すように、上部キャビティ底面部材143に下部キャビティ底面部材144を合体することにより、仕切部材142を装設したキャビティ底面部材141を形成することになる。
このとき、上部キャビティ底面部材143の嵌合孔146と挿通孔148と、下部キャビティ底面部材144の挿通孔149とが連通した状態になる。
なお、上部キャビティ底面部材143の嵌合孔146から仕切部材142を取り外すときは、前述した手順と逆の手順となるものである。
【0077】
また、キャビティ底面部材141の嵌合孔146に仕切部材142を装着する場合、下部キャビティ底面部材144の挿通孔149からボルト部材147を通すことにより、嵌合孔146に仕切部材142を装着することができる。
【0078】
従って、実施例3によれば、仕切部材142を、下型キャビティ内のキャビティ底面部材141に対して、キャビティ底面145の上から着脱自在に装着することができるので、仕切部材142を効率良く短時間で装着することができる。
このため、樹脂成形体を厚さが変更になった場合に、仕切部材を容易に且つ短時間で交換することができるので、成形済基板(製品)の生産性を効率良く向上させることができる。
【実施例4】
【0079】
次に、図14、図15、図16を用いて、実施例4を詳細に説明する。
図14、図15、図16は、実施例4に係る半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの圧縮成形型)である。
なお、実施例4に示す金型の基本的な構成は、実施例1〜3に示す金型と同じであるため、その説明を省略する。
また、実施例4に用いられる基板1は実施例1〜3に用いられる基板と同じであり、実施例4にて図13(1)に示す成形済基板4が形成されるものである。
また、実施例4は、キャビティ底面部材に仕切部材をキャビティ方向に(型面方向に)弾性付勢した状態で嵌装した構成である。
このため、仕切部材の先端部はキャビティ底面から突出した状態で設けられている。
従って、実施例4は、仕切部材(先端部)を分割キャビティ内で圧縮成形される分割樹脂成形体の厚さに対応して弾性移動させることができる。
【0080】
(実施例4に係る半導体チップの圧縮成形用金型の構成について)
図14、図15、図16に示す半導体チップの圧縮成形用金型71には、実施例1〜3と同様に、上型72と、下型73と、下型73の型面に設けられた所要の深さを有する大キャビティ74(キャビティ開口部74a、キャビティ底面74b、キャビティ側面74c)と、キャビティ底面部材75と、加圧手段19と、上型の基板セット部9と、下型キャビティ74内を被覆する離型フィルム8と、下型本体73と加圧部材19との間に設けられた圧縮スプリング(図示なし)とが設けられて構成されている。
従って、下型73の大キャビティ74(側面74c)に連通接続する摺動孔20内でキャビティ底面部材75を加圧手段19にて上動させて加圧することができるように構成されている。
なお、図示はしていないが、実施例4には、実施例1〜3と同様に、加熱手段と型締機構とが設けられて構成されている。
【0081】
また、実施例4において、実施例1〜3と同様に、下型キャビティ74(キャビティ底面部材75)には所要数の仕切部材(弾性仕切部材)76が設けられて構成され、所要数の仕切部材76にて下型キャビティ74に所要数の分割キャビティ77を形成して構成されている。
また、実施例4において、図示はしていないが、実施例1〜3と同様に、樹脂材料供給手段(11)にて、下型キャビティ74(分割キャビティ77を含む)内に平坦化した顆粒樹脂(12)を被覆した状態で一括して供給することができるように構成されている。
このとき、実施例4において、実施例1〜3と同様に、仕切部材76の先端面76aの上方の空間部を樹脂材料の供給部に利用することができる。
また、実施例4において、実施例1〜3と同様に、仕切部材76を装設したキャビティ底面部材75を必要最小限の移動距離89にて上動させることができる。
なお、前述したように、従来、下型キャビティの深さが分割樹脂成形体の厚さの3倍(以上)は必要であった。
【0082】
(実施例4に係る仕切部材について)
即ち、実施例4において、実施例1〜3と同様に、仕切部材76には、先端面76aと基端部76bと先端部76cとが設けられて構成されている。
また、実施例4に示す仕切部材76は、実施例1〜3と同様に、キャビティ底面74bから立設して構成されると共に、キャビティ底面74bから仕切部材76の先端部76b(先端面76aを含む)が突出した状態で設けられている。
従って、仕切部材76にて下型キャビティ74内を仕切ることにより所要複数個の分割キャビティ77を形成することができる。
また、仕切部材76の先端面76aには樹脂連通路91が設けられて構成されている。
なお、実施例4において、仕切部材76の先端面76aと先端部76cの形状は、例えば、実施例1〜3に示す形状と同じ形状に形成することができる。
また、実施例4に示す仕切部材76は、成形済基板4における樹脂成形体33に基板反り防止用の溝部(28)を形成する凹部形成手段となるものである。
【0083】
また、実施例4に示す仕切部材76は、キャビティ底面74bを先端面とするキャビティ底面部材75に対して着脱自在に装設されて構成されている。
また、仕切部材76(全体)はキャビティ底面部材75(キャビティ底面74b)に対して弾性上下摺動することができるように構成されている。
即ち、下型キャビティ74内において、仕切部材76の先端部76c側及び先端面76aが弾性上下摺動することができるように構成されている。
また、実施例4において、実施例1〜3と同様に、離型フィルム8を被覆した下型キャビティ74(分割キャビティ77)内の樹脂中に基板1に装着したマトリックス配置の半導体チップ(2)を浸漬することができるように構成されている。
このとき、下型キャビティ44内の樹脂を、キャビティ底面部材75(加圧手段19)を上動することにより所要の加圧力にて加圧することができるように構成されている。
従って、基板1に装着したマトリックス配置の半導体チップ2を各分割キャビティ77の形状に対応した分割樹脂成形体3内に圧縮成形して成形済基板4を形成することができるように構成されている。
このとき、基板1に装着した半導体チップ2を下型キャビティ74の形状に対応した樹脂成形体33内に圧縮成形すると共に、樹脂成形体33に弾性仕切部材76の形状に対応した溝部(凹部)28を形成することができる。
即ち、実施例4によれば、成形済基板4の樹脂成形体33に形成される溝部(凹部)28にて、基板1と樹脂成形体(硬化樹脂)33とによる熱膨張係数の差にて発生する歪みを効率良く解消することができる。
従って、実施例4によれば、製品(成形済基板)に反りが発生することを効率良く防止することができるという優れた効果を奏するものである。
【0084】
(実施例4におけるキャビティ底面部材の構成について)
即ち、キャビティ底面74bを先端面とするキャビティ底面部材75には、上部キャビティ底面部材(キャビティブロック)80と、下部キャビティ底面部材(ベース部材)81とが設けられている。
また、上部キャビティ底面部材80には仕切部材76を弾性移動自在(弾性上下摺動自在)に嵌装する弾性摺動孔(図例では溝部)82が設けられて構成されている。
また、図例に示すように、上部キャビティ底面部材80の弾性摺動孔82には上部開口部82aと下部開口部82bとが設けられて構成され、弾性摺動孔82の中間位置に、仕切部材の弾性上摺動を係止する係止部82cが設けられて構成されている。
また、下部キャビティ底面部材81には弾性摺動孔82の仕切部材76を型面方向に(上方向に)弾性付勢する適宜な弾性機構(弾性付勢機構)83が、所要数、設けられて構成されている。
また、上部開口部82a側に仕切部材76の先端部76aが嵌装され、下部開口部82b側には下部キャビティ底面部材81の弾性機構81を嵌装することができるように構成されている。
また、仕切部材76の基端部76b側には係合凹部(図例では溝部)76dが下方側に開口した状態で設けられている。
また、後述するように、弾性機構81の上部側には係合凸部(図例ではボルト頭部)が突出した状態で設けられて構成されている。
従って、上部キャビティ底面部材の弾性摺動孔82内において、仕切部材76の係合凹部76dに弾性機構83の係合凸部(87b)を係合することができるように構成されている。
【0085】
(実施例4における仕切部材の着脱自在について)
即ち、実施例4において、実施例1〜3と同様に、キャビティ底面部材75の弾性摺動孔82に、仕切部材(弾性仕切部材)76を着脱自在に装設することができるように構成されている。
例えば、弾性摺動孔(溝部)82に対して仕切部材76を水平方向に移動させて(スライドさせて)嵌装することにより、弾性摺動孔82内の下部キャビティ底面部材81に固設された弾性機構83の係合凸部(87b)に仕切部材76の係合凹部76dを係合することができる。
また、弾性摺動孔82から仕切部材76を水平方向に移動(退出)させることより、
弾性摺動孔82から仕切部材76を取り出すことができる。
即ち、実施例4において、実施例1〜3と同様に、キャビティ底面部材75(弾性摺動孔82)に対して仕切部材76を着脱自在に効率良く交換することができる。
このため、実施例4に係る金型71で成形済基板(樹脂成形体)を効率良く圧縮成形することができる。
【0086】
(実施例4における弾性機構について)
次に、実施例4に示す弾性機構(弾性付勢機構)83の構成について説明する。
例えば、弾性機構83には、図例に示すように、上部板84と、上部板84の下方位置に配置した下部板85と、上部板84と下部板85との間に介装した圧縮スプリング、皿ばね等の弾性部材86と、上部板84と下部板85と弾性部材86とを貫通した状態で設けられたボルト部材87とが設けられて構成されている。
また、ボルト部材87の下部先端87a側を下部キャビティ底面部材81に螺設することにより、弾性機構83を下部キャビティ底面部材81に固設することができるように構成されている。
また、上部板84(及び弾性部材86)はボルト部材87に対して上下動自在に設けられて構成されている。
また、ボルト部材87の上部基端側となる係合凸部(ボルト頭)87bを、上部キャビティ底面部材80の弾性摺動孔82に対して着脱自在に装設される仕切部材76の係合凹部76dに係合することができる。
即ち、上部板84に仕切部材76を載置した状態で、弾性部材86にて仕切部材76を上方向に弾性付勢することができるように構成され、且つ、仕切部材76は弾性摺動孔82の係止部82cで係止するように構成されている。
従って、実施例4において、仕切部材76をキャビティ底面部材75に弾性機構83にて弾性移動自在に(弾性上下摺動自在)に嵌装して構成することができる。
なお、この場合において、仕切部材(弾性仕切部材)76に対する下方向への加圧力を解除したとき、弾性機構83による上方向の弾性付勢力に仕切部材76が上動し、仕切部材76が係止部82cにて係止され、元の位置で仕切部材76の先端面76aは停止することになる。
【0087】
(実施例4に係る仕切部材の高さについて)
また、実施例4において、実施例1〜3と同様に、仕切部材(弾性仕切部材)76の高さ78を、分割樹脂成形体3における或る特定範囲の厚さに(或いは、或る特定の数値以下の厚さに)対応することができるように構成されている。
即ち、キャビティ底面部材75にて分割キャビティ77(74)内の樹脂を加圧するとき、弾性仕切部材76の先端面76aを基板面1aに弾性押圧することにより、弾性仕切部材76の高さを分割樹脂成形体の厚さ90に設定することができるように構成されている。
例えば、実施例4において、仕切部材76の高さ78を、即ち、キャビティ底面74bと仕切部材76の先端面76aとの間を、分割樹脂成形体3(樹脂成形体33)の或る特定範囲の厚さの最大値90に、キャビティ底面部材75における必要最小限の弾性移動距離88を加えた距離(長さ)78とすることができる。
即ち、実施例4においては、設計或いは成形上の変更が生じた場合において、例えば、分割樹脂成形体における厚さが或る特定範囲で変更になったときに、仕切部材76を交換する必要がなくなるものである。
従って、実施例4において、或る特定範囲内ではあるが、分割樹脂成形体3における厚さに変更があったとしても、実施例4に係る弾性仕切部材76にて対応することができるように構成されている。
【0088】
例えば、分割樹脂成形体3における厚さが或る特定範囲の最大値90である場合、上型72と下型73とを型締めすると共に、キャビティ底面部材75を所要の移動距離(必要最小限の移動距離89と必要最小限の弾性移動距離88とを含む)で上動させることにより、下型73の型面を基板面1aに押圧し、弾性仕切部材76の先端面76aを基板面1aに押圧することができる。
このとき、弾性仕切部材76の先端面76aは基板面1aに押圧されて下型キャビティ74内を相対的に下動することになる。
また、例えば、分割樹脂成形体3における厚さが或る特定範囲の最小値である場合においても、基板面1aにて弾性仕切部材76の先端面76aは押圧されることになる。
【0089】
(実施例4に係る半導体チップの圧縮成形方法について)
即ち、実施例4に係る金型71(上型72、下型73)を用いて、実施例1〜3と同様に、離型フィルム8を被覆した下型大キャビティ74(分割キャビティ77)内に平坦化した顆粒樹脂12を供給する。
このとき、下型キャビティ74の底面74bの全面、即ち、分割キャビティ77の底面77aと仕切部材76の先端面76aとに平坦化した顆粒樹脂12をそのままの状態で落下させ一括して供給することができる。
このため、離型フィルム8を介してキャビティ底面74bの全面(分割キャビティの底面77aと仕切部材76の先端面76a)に顆粒樹脂12を被覆させた状態で供給することができる。
【0090】
次に、下型キャビティ74内(分割キャビティ底面77aを含む)の樹脂を加熱して溶融化し、金型71(上型72、下型73)を型締めする。
このとき、基板面1aに下型73の型面を押圧して先押さえすることができる。
次に、キャビティ底面部材75を必要最小限の移動距離89で上動させ、更に、キャビティ底面部材75を必要最小限の弾性移動距離88で移動させることにより、大キャビティ74(分割キャビティ77)内の樹脂を所要の加圧力にて加圧する。
従って、分割キャビティ77内で分割キャビティ77の形状に対応した分割樹脂成形体3内に所要複数個の半導体チップ2を一括して圧縮成形(樹脂封止成形)して成形済基板4を形成することができる。
このとき、下型キャビティ74内で圧縮成形された樹脂成形体33に仕切部材76の先端部76c側(先端面76aを含む)の形状に対応した溝部(凹部)28が形成され、隣接する分割樹脂成形体3間に溝部28が位置することになる。
従って、このとき、金型71(上型72、下型73)を型開きすることにより、下型キャビティ74から成形済基板4における所要数の分割樹脂成形体3を離型することができる。
【0091】
(実施例4における作用効果について)
実施例4によれば、実施例1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
実施例4によれば、実施例1〜3と同様に、基板1に装着した半導体チップ2を分割樹脂成形体3内に圧縮成形すると共に、隣接する分割樹脂成形体3の間に仕切部材76に対応した溝部28を形成することができるので、成形済基板4に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0092】
また、実施例4によれば、実施例1〜3と同様に、樹脂連通路91にて隣接する分割キャビティ77内における樹脂量の過不足を調整することができる。
また、実施例4によれば、実施例1〜3と同様に、樹脂材料供給機構(11)にて、平坦化した顆粒樹脂12を下型キャビティ74の底面74b全面に被覆した状態で供給することができる。
従って、実施例4においては、実施例1〜3と同様に、従来例に示すような分割キャビティ内に各別に顆粒樹脂を供給する必要はなくなるため、樹脂材料供給手段を含む装置の製作コストを効率良く低減することができ、樹脂材料の供給時間を効率良く短縮化することができる。
また、前述した装置の製作コストの低減と、樹脂材料の供給時間の短縮化とにて、成形済基板4の生産性を効率良く向上させることができる。
また、実施例4においては、キャビティ底面部材75を所要の移動距離(必要最小限の移動距離89と必要最小限の弾性移動距離88と)にて上動させる構成である。
また、実施例4によれば、キャビティ底面部材75に対して弾性仕切部材76が必要最小限の移動距離88しか摺動しないため、分割キャビティ77内に吸着して被覆した離型フィルム8が緩むことを効率良く防止することができる
従って、実施例4において、実施例1〜3と同様に、離型フィルム8のしわを効率良く防止することができる。
【0093】
また、実施例4は、キャビティ底面部材75に装設した仕切部材76を弾性機構(圧縮スプリング、皿ばね)にて上方向に弾性付勢する構成である。
従って、キャビティ底面部材75に対して弾性仕切部材76を弾性上下摺動することができるように構成されている。
例えば、上方向に弾性付勢された仕切部材76の先端面76aを下方に加圧した場合、仕切部材76の弾性付勢力に逆らって仕切部材(先端面)を下方向に弾性移動させることができるように構成されている。
また、或る特定範囲ではあるが、多種の分割樹脂成形体3の厚さに対応して、基板1に装着した半導体チップ2を圧縮成形して成形済基板4(製品)を形成する場合、弾性上下動する仕切部材76を交換することなく、異なる分割樹脂成形体3の厚さに対応することができる。
例えば、弾性仕切部材76の高さ78を、分割樹脂成形体3の厚さの或る特定範囲における最大値90に必要最小限度の弾性移動距離88を加えた距離(長さ78)に構成することができる。
即ち、或る特定範囲における最大値90(最小値)となる厚さを有する分割樹脂成形体3を圧縮成形する場合において、キャビティ底面部材75で樹脂(12)を加圧するときに、キャビティ底面部材75をその移動距離89、88にて移動させることにより、基板面1aに弾性仕切部材76の先端面76aを弾性押圧することができる。
即ち、実施例4によれば、(弾性)仕切部材76を交換することなく、異なる分割樹脂成形体3の厚さに効率良く対応することができる。
【0094】
また、従来、仕切部材76(キャビティ底面部材75或いは従来例に示すキャビティブロックを含む)を交換するために金型を分解した場合、金型の交換のために金型温度を下げてまた上げる必要があり、更に、金型温度を安定化させることが必要になるなど、それらの時間が長時間になっていた。
しかしながら、本発明によれば、弾性移動する仕切部材を装設したキャビティ底面部材を用いる構成であるため、金型を分解する必要はなくなるので、金型温度を安定化させる時間なども不要となり、金型で圧縮成形される成形済基板の生産性を効率良く向上させることができる。
また、例えば、前述した厚さの異なる成形済基板4(分割樹脂成形体3)を圧縮成形する場合に、仕切部材76を装設したキャビティ底面部材75を、前述した厚さの異なる分割樹脂成形体3に対応して、多数個、製作する必要がないので、成形済基板4(分割樹脂成形体)の生産性を効率良く向上させることができる。
【0095】
また、実施例4において、キャビティ底面部材75における必要最小限の移動距離89を採用しなくても良い。
この場合、金型71(上型72、下型73)を型締めしたとき、即ち、下型73の型面で上型72の基板1を押圧したとき、弾性仕切部材76の先端面76aは基板面1aに当接(或いは押圧)することになる。
また、更に、弾性仕切部材76の先端面76aを基板面1aに押圧した状態で、キャビティ底面部材75を上動させて分割キャビティ77内の樹脂を加圧することにより、弾性仕切部材76の高さを分割樹脂成形体の厚さに設定することができる。
なお、この場合、下型キャビティ74内に顆粒樹脂12を下型キャビティ底面74bの全面に被覆した状態で供給しても良いし、また、分割キャビティ77内に各別に所要量の顆粒樹脂12を供給してもよい。
【実施例5】
【0096】
次に、図17(1)〜(4)、図18(1)〜(4)を用いて、実施例5を詳細に説明する。
また、図17(1)〜(4)、図18(1)〜(4)に示す図例は、実施例2に示される金型41(仕切部材46)にて圧縮成形される樹脂成形体56(分割樹脂成形体48)に形成される平面形状が長孔状となる溝部の形状の例を示している。
なお、実施例2に示される金型41にて、図13(2)に示す成形済基板49が形成され、溝部57(底面57aを含む)の形状は仕切部材46の先端部46c(先端面46a)の形状が転写されるものであり、実施例5においても実施例2と同様である。
また、実施例5において、前記した各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0097】
即ち、図17(1)において、基板1に形成された樹脂成形体56(分割樹脂成形体48)の溝部101の形状は台形状にて形成されている。
また、図17(2)において、溝部102の形状は端面半楕円形状を有する台形状にて形成されている。
また、図17(3)において、溝部103の形状は端面テーパ形状を有する台形状にて形成されている。
また、図17(4)において、溝部104の形状は端面楔形状を有する台形状にて形成されている。
【0098】
また、図18(1)において、溝部105の形状はV字状にて形成されている。
また、図18(2)において、溝部106の形状は丸底状(かまぼこ状)にて形成されている。
また、図18(3)においては、樹脂成形体56(分割樹脂成形体48)に幅が細い溝部107が設けられて形成されている。
また、図18(4)においては、図17(1)と同じ溝部形状の台形状の溝部108を2個、1列にて形成されている。
【0099】
また、前述した溝部101、102、103、104、105、105、107、108の外両側には樹脂連通路52内で硬化した連通樹脂部54が形成されている。
また、実施例2と同様に、実施例5において、成形済基板49における樹脂成形体56(48)に形成される溝部(凹部)101、102、103、104、105、105、107、108にて、成形済基板49に発生する反りを効率良く防止することができるものである。
【実施例6】
【0100】
次に、図19(1)〜(2)を用いて、実施例6を詳細に説明する。
実施例6は、実施例1〜3、3に示す仕切部材(21、46,76)の先端部(先端面)の形状の例であって、仕切部材の先端面に樹脂連通路を設けた構成である。
なお、実施例6において、前記した各実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0101】
即ち、図19(1)には、仕切部材111が示されると共に、仕切部材111の先端面111aに薄層状の樹脂連通路(フィンゲート)112を設けた構成である。
また、図19(2)には、仕切部材113が示されると共に、仕切部材113の先端面113aに矩形状の樹脂連通路(スルーゲート)114(図例では2個)を設けた構成である。
また、実施例6において、前記した各実施例と同様に、樹脂連通路112、114内で硬化した樹脂は連通樹脂部となる。
また、実施例6において、前記した各実施例と同様に、仕切部材111、113にて形成される溝部(凹部)にて、成形済基板4、49に発生する反りを効率良く防止することができるものである。
なお、図19(1)に示す薄層状の樹脂連通路(フィンゲート)112の通路の厚さを100μm以下とすることができる。
【実施例7】
【0102】
次に、図20(1)〜(2)を用いて、実施例7を詳細に説明する。
実施例7は、成形済基板に発生する反りを効率良く防止するために、樹脂成形体に反り防止用の凹部を設ける例である。
即ち、実施例7において、樹脂成形体に凹部を形成することにより、この凹部にて成形済基板に発生する反る力を緩和させることができるので、成形済基板に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0103】
図20(1)は、基板1に装着した半導体チップ(2)を圧縮成形した樹脂成形体115を有する成形済基板116の樹脂成形体115に、反り防止用の凹部として、V字溝部117を形成する構成である。
図20(1)に示す図例では、樹脂成形体115に、基板1の長辺方向と短辺方向とに各別に沿って反り防止用のV字溝部(凹部)117が形成されることにより、基板1上にV字溝部117にて所要数の個別樹脂成形体118がマトリックス型に配置されて構成されている。
従って、図20(1)に示す実施例(反り防止用のV字溝部117にて)にて、成形済基板116に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0104】
図20(2)は、基板1に装着した半導体チップ(2)を圧縮成形した樹脂成形体119を有する成形済基板120の樹脂成形体119に、反り防止用の凹部として、所要数の(ディンプル状の)小凹部121を形成する構成である。
図20(2)に示す図例では、樹脂成形体に、反り防止用の(ディンプル状の)小凹部121を適宜な位置に配置して構成されている。
従って、図20(2)に示す実施例(反り防止用の小凹部121にて)にて、成形済基板120に発生する反りを効率良く防止することができる。
【実施例8】
【0105】
次に、図20(3)、図21(1)〜(3)を用いて、実施例8を詳細に説明する。
実施例8は、成形済基板に発生する反りを効率良く防止するために、樹脂成形体に反り防止用の凸部を設ける例である。
即ち、実施例8において、樹脂成形体に反り防止用の凸部を形成することにより、成形済基板に発生する基板を反り返させる力に対抗する力を、反り防止用の凸部にて補強することができる。
従って、この補強用の凹部にて、成形済基板に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0106】
図20(3)は、基板1に装着した半導体チップ(2)を圧縮成形した樹脂成形体122を有する成形済基板123の樹脂成形体122に、反り防止用の凸部として、所要数の(ディンプル状の)小凸部124を形成する構成である。
図20(3)に示す図例では、樹脂成形体122に、反り防止用の(ディンプル状の)小凸部124を適宜な位置に配置して構成されている。
従って、図20(3)に示す実施例(反り防止用の小凸部124にて)にて、成形済基板123に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0107】
図21(1)は、基板1に装着した半導体チップ(2)を圧縮成形した樹脂成形体125を有する成形済基板126の樹脂成形体125に、反り防止用の凸部として、リブを形成する構成である。
図21(1)に示す図例では、樹脂成形体125の天面における基板1の長辺方向の縁に沿って長辺縁リブが127設けられて構成されている。
従って、図21(1)に示す実施例(反り防止用の長辺縁リブ127にて)にて、成形済基板126に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0108】
図21(2)は、基板1に装着した半導体チップ(2)を圧縮成形した樹脂成形体128を有する成形済基板129の樹脂成形体128に、反り防止用の凸部として、リブを形成する構成である。
図21(2)に示す図例では、樹脂成形体128の天面における基板1の長辺方向及び短辺方向を含む外周縁に沿って、外周縁リブ130が設けられて構成されている。
従って、図21(1)に示す実施例(反り防止用の外周縁リブ130にて)にて、成形済基板129に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0109】
図21(3)は、基板1に装着した半導体チップ(2)を圧縮成形した樹脂成形体131を有する成形済基板132の樹脂成形体131に、反り防止用の凸部として、リブを形成する構成である。
図21(3)に示す図例では、樹脂成形体131の側面に所要数の小片リブ133が設けられて構成されている。
従って、図21(3)に示す実施例(反り防止用の小片リブ133にて)にて、成形済基板132に発生する反りを効率良く防止することができる。
【0110】
また、本発明は、前述した実施例に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意に且つ適宜に変更し選択して採用することができる。
【0111】
また、本発明においては、樹脂材料が供給される下型キャビティ(分割キャビティ)の深さについて、本発明(各実施例)の趣旨にしたがい、分割樹脂成形体(製品)の厚さ、キャビティ内に供給される樹脂材料のかさ(体積)、キャビティ底面部材(仕切部材)の必要最小限の移動距離、キャビティ底面部材(弾性仕切部材)の必要最小限の弾性移動距離などを勘案して任意に設定することができる。
【0112】
また、前記した各実施例において、大型基板を用いることができる。
例えば、大きさが短辺70mm以上で長辺250mm以上である基板を用いることができる。
【0113】
また、前記した各実施例において、熱硬化性の樹脂材料を用いて説明したが、熱可塑性の樹脂材料を用いても良い。
【0114】
また、前記した各実施例において、例えば、顆粒状の樹脂材料(顆粒樹脂)、液状の樹脂材料(液状樹脂)、所要の粒径分布を有するパウダー状の樹脂材料(パウダー樹脂)、粉末状の樹脂材料(粉末樹脂)、ペースト状の樹脂材料(ペースト樹脂)、タブレット状の樹脂材料(タブレット樹脂)などの種々の形状の樹脂材料を採用することができる。
【0115】
また、前記した各実施例において、例えば、シリコン系の樹脂材料(シリコーン樹脂)、エポキシ系の樹脂材料(エポキシ樹脂)を用いることができる。
【0116】
また、前記した各実施例において、透明性を有する樹脂材料、半透明性を有する樹脂材料、燐光物資、蛍光物質を含む樹脂材料など種々の樹脂材料を用いることができる。
【0117】
また、前記した各実施例において、顆粒樹脂を例に挙げて説明したが、シリコーン樹脂などの液状樹脂(流動性を有する樹脂)を用いることができる。
即ち、まず、下型キャビティ内でシリコーン樹脂などの液状樹脂(流動性を有する樹脂)を加熱すると共に、下型キャビティ内で加熱した流動性を有する樹脂(溶融樹脂)中に基板に装着した半導体チップを浸漬して下型キャビティ内の樹脂をキャビティ底面部材で加圧することになる。
従って、次に、下型キャビティ内の樹脂を硬化させて基板上の半導体チップを下型キャビティの形状に対応した樹脂成形体(固化樹脂)内に圧縮成形し、成形済基板を得ることができる。
【0118】
また、前記した各実施例において、まず、外気遮断状態にある下型キャビティ(分割キャビティ)内の空気を真空ポンプ等の強制排気手段にて強制的に排出することにより、下型キャビティ(分割キャビティ)内を所要の真空度に設定する(所謂、真空成形)。
次に、下型キャビティ(分割キャビティ)内で加熱した溶融樹脂(流動性樹脂)を加圧することにより、基板に装着した半導体チップを樹脂成形体(硬化樹脂)に圧縮成形して成形済基板(樹脂成形体)を得ることができる。
【0119】
また、前記した各実施例において、離型フィルム(8)として、予め切断した離型フィルム(1枚のプリカットした離型フィルム)を用いることができる。
即ち、まず、予め切断した離型フィルム(1枚のプリカットした離型フィルム)に、貫通孔を有するフレームを載置すると共に、フレームの樹脂供給凹部(貫通孔)に樹脂材料、例えば、顆粒樹脂を供給して平坦化させる。
次に、この状態で、上型と下型との間に、平坦化した顆粒樹脂(プリカット離型フィルムとフレームを含む)を進入させて、下型キャビティ(キャビティ開口部)上に離型フィルムを介してフレーム樹脂供給凹部を載置させ、平坦化した顆粒樹脂を離型フィルムごと落下させることにより、下型キャビティ(分割キャビティ)内に離型フィルムを被覆させる。
従って、離型フィルムを被覆した下型キャビティ(分割キャビティ)内に、平坦化した顆粒樹脂を被覆した状態で一括して供給することができる。
このため、前記した各実施例と同様に、プリカットした離型フィルムを被覆した下型キャビティ(分割キャビティ)内で基板に装着した半導体チップを圧縮成形することができる。
【0120】
また、前記した各実施例において、キャビティ底面部材に装設した仕切部材にて形成される分割キャビティ内に、樹脂材料(顆粒樹脂など)を各別に供給することができる。
この場合、分割キャビティ内で加熱された溶融樹脂(流動性を有する樹脂)は概ね分割キャビティ内でわずかに流動するため、溶融樹脂中に浸漬されるワイヤ(基板と半導体チップとを電気的に接続するもの)に損傷や断線、また、ワイヤ流れを引く起こすことを効率良く防止することができる。
従って、封止済基板の所要個所を切断して形成される個片の電気的特性を効率良く向上させることができる。
【0121】
なお、前記した各実施例において、分割樹脂成形体3(樹脂成形体33)の厚さ(仕切部材の高さ)は、例えば、1.0mm以下とすることができる。
また、必要最小限の移動距離24,88は、或いは、必要最小限の弾性移動距離88は、任意であるが、例えば、0.2mm以下とすることができる。
例えば、前記した各実施例において、分割樹脂成形体の厚さを0.7mm、必要最小限の移動距離24、89を0.1mmとしても良い。
また、弾性移動する仕切部材の高さを、例えば、前記した分割樹脂成形体(樹脂成形体)の厚さの最大値、1.0mmに必要最小限の弾性移動距離0.1mmを加えた高さに設定することができる。
また、例えば、分割樹脂成形体3、33の厚さ(24)0.7mmの3倍は、2.1mmである。
【符号の説明】
【0122】
1 基板
1a 半導体チップ装着面
2 半導体チップ
3 分割樹脂成形体
4 成形済基板
5 半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの圧縮成形型)
6 上型
7 下型
8 離型フィルム
9 基板セット部
10 大キャビティ
10a キャビティ開口部
10b キャビティ底面
10c キャビティ側面
11 樹脂材料供給手段
12 顆粒樹脂(顆粒状の樹脂材料)
13 溶融樹脂
14 貫通孔
14a 下部開口部
14b 上部開口部
15 フレーム
16 シャッタ板
17 樹脂供給部
18 キャビティ底面部材
19 加圧手段
20 摺動孔(摺動部)
21 仕切部材
21a 先端面(仕切面)
21b 基端部
21c 先端部
22 分割キャビティ
22a 分割キャビティ底面
23 距離(仕切部材の高さ、分割樹脂成形体の厚さ)
24 距離(キャビティ底面部材の移動距離)
28 溝部
28a 溝部の底面
29 上部キャビティ底面部材(キャビティブロック)
30 下部キャビティ底面部材(ベース部材)
31 嵌合部
32 係止部材
33 樹脂成形体
34 圧縮スプリング
35 樹脂連通路(スルーゲート)
36 連通樹脂部(硬化樹脂)
41 半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの圧縮成形型)
42 上型
43 下型
44 大キャビティ
44a キャビティ開口部
44b キャビティ底面
44c キャビティ側面
45 キャビティ底面部材
46 仕切部材
46a 先端面(仕切面)
46b 基端部
46c 先端部
47 分割キャビティ
47a 分割キャビティ底面
48 分割樹脂成形体
49 成形済基板
50 距離
51 距離
52 樹脂連通路(スルーゲート)
53 摺動孔
54 連通樹脂部(硬化樹脂)
56 樹脂成形体(大キャビティ)
57 溝部
57a 溝部の底面
58 上部キャビティ底面部材
59 下部キャビティ底面部材
60 嵌合部
61 係止部材
71 半導体チップの圧縮成形用金型(半導体チップの圧縮成形型)
72 上型
73 下型
74 大キャビティ
74a キャビティ開口部
74b キャビティ底面
74c キャビティ側面
75 キャビティ底面部材
76 仕切部材(弾性仕切部材)
76a 先端面
76b 基端部
76c 先端部
76d 係合凹部
77 分割キャビティ
77a 分割キャビティ底面
78 距離
80 上部キャビティ底面部材
81 下部キャビティ底面部材
82 弾性摺動孔
82a 上部開口部
82b 下部開口部
82c 係止部
83 弾性機構
84 上部板
85 下部板
86 弾性部材
87 ボルト部材
87a 下部先端
87b 係合凸部(ボルト頭)
88 距離
90 距離
91 樹脂連通路
101 溝部
102 溝部
103 溝部
104 溝部
105 溝部
106 溝部
107 溝部
108 溝部
111 仕切部材
111a 先端面
112 樹脂連通路
113 仕切部材
113a 先端面
114 樹脂連通路
115 樹脂成形体
116 成形済基板
117 V字溝
118 個別樹脂成形体
119 樹脂成形体
120 成形済基板
121 小凹部
122 樹脂成形体
123 成形済基板
124 小凸部
125 樹脂成形体
126 成形済基板
127 長辺縁リブ
128 樹脂成形体
129 成形済基板
130 外周縁リブ
131 樹脂成形体
132 成形済基板
133 小片リブ
141 キャビティ底面部材
142 仕切部材
142a 先端面
142b 基端部
142c 先端部
142d キャビティ底面相当部
143 上部キャビティ底面部材
144 下部キャビティ底面部材
145 キャビティ底面
146 嵌合孔(嵌合部)
146a 係止部
146b 開口部
147 ボルト部材
147a 先端部
147b 基端部(ボルト頭)
148 挿通孔
148a 係止部
148b 開口部
149 挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップの圧縮成形型を用いて、前記圧縮成形型に設けたキャビティに離型フィルムを被覆すると共に、前記離型フィルムを被覆したキャビティ内に樹脂材料を供給して加熱し、前記成形型を型締めすることにより前記キャビティ内の樹脂に基板に装着した半導体チップを浸漬すると共に、前記キャビティ内の樹脂をキャビティ底面部材で加圧することにより、前記半導体チップを前記キャビティの形状に対応し且つ所要の厚さを有する樹脂成形体内に圧縮成形する半導体チップの圧縮成形方法であって、
前記キャビティ内を仕切って分割キャビティを形成する仕切部材を用意する工程と、
前記仕切部材における前記キャビティ底面からの高さを前記樹脂成形体の所要の厚さと同じ長さに設定する工程と、
前記仕切部材を前記キャビティ底面部材に対して着脱自在に装設する工程と、
前記キャビティに前記分割キャビティ内に供給された樹脂量を調整する樹脂連通路を設ける工程と、
前記キャビティ内に平坦化した樹脂材料をキャビティ底面の全面に一括して供給する工程と、
前記キャビティ底面部材にて前記キャビティ内の樹脂を加圧する工程と、
前記キャビティ内の樹脂を前記キャビティ底面部材で加圧したときに、前記した基板面に前記仕切部材の先端面を押圧する工程と、
前記した基板面に前記仕切部材の先端面を押圧したときに、前記樹脂連通路で前記分割キャビティ内の樹脂量を調整する工程と、
前記した基板面に前記仕切部材の先端面を押圧したときに、前記キャビティ内で圧縮成形される樹脂成形体に前記仕切部材の形状に対応した溝部を形成する工程と、
前記半導体チップを前記分割キャビティの形状に対応した分割樹脂成形体内に圧縮成形する工程とを備えたことを特徴とする半導体チップの圧縮成形方法。
【請求項2】
半導体チップの圧縮成形型を用いて、前記圧縮成形型に設けたキャビティに離型フィルムを被覆すると共に、前記離型フィルムを被覆したキャビティ内に樹脂材料を供給して加熱し、前記成形型を型締めすることにより前記キャビティ内の樹脂に基板に装着した半導体チップを浸漬すると共に、前記キャビティ内の樹脂をキャビティ底面部材で加圧することにより、前記半導体チップを前記キャビティの形状に対応し且つ所要の厚さを有する樹脂成形体内に圧縮成形する半導体チップの圧縮成形方法であって、
前記キャビティ内を仕切って分割キャビティを形成する仕切部材を用意する工程と、
前記仕切部材を前記キャビティ内方向に弾性付勢した状態で、前記仕切部材を前記キャビティ底面部材に装設する工程と、
前記仕切部材におけるキャビティ底面からの高さを、前記キャビティ底面部材にて加圧するときに前記仕切部材の先端面が前記基板面を弾性押圧するように当該高さを設定する工程と、
前記キャビティに前記分割キャビティ内に供給された樹脂量を調整する樹脂連通路を設ける工程と、
前記キャビティ内に平坦化した樹脂材料をキャビティ底面の全面に一括して供給する工程と、
前記キャビティ内の樹脂を前記キャビティ底面部材で加圧したときに、前記した基板面に前記仕切部材の先端面を弾性押圧する工程と、
前記した基板面に前記仕切部材の先端面を弾性押圧したときに、前記樹脂連通路で前記分割キャビティ内の樹脂量を調整する工程と、
前記した基板面に前記仕切部材の先端面を弾性押圧したときに、前記キャビティ内で圧縮成形される樹脂成形体に前記仕切部材の形状に対応した溝部を形成する工程と、
前記半導体チップを前記分割キャビティの形状に対応した分割樹脂成形体内に圧縮成形する工程とを備えたことを特徴とする半導体チップの圧縮成形方法。
【請求項3】
仕切部材で仕切って形成された分割キャビティ内に樹脂材料を各別に供給する工程を含むことを特徴とする請求項1にまたは請求項2に記載の半導体チップの圧縮成形方法。
【請求項4】
半導体チップの圧縮成形型に設けられ且つ上方側に開口したにキャビティ開口部を有する圧縮成形用のキャビティと、前記キャビティ開口部の上方位置に設けられ且つ半導体チップを装着した基板における半導体チップ側を下方に向けた状態で供給セットする基板セット部と、前記キャビティ内に被覆される離型フィルムと、前記離型フィルムを被覆したキャビティ内に供給される樹脂材料と、前記キャビティ内の樹脂材料を加熱する加熱手段と、前記基板とキャビティとを閉じ合わせることにより前記キャビティ内の樹脂に前記基板に装着した半導体チップを浸漬する型締機構と、前記キャビティ内の樹脂をキャビティ底面側から加圧するキャビティ底面部材とを備えた半導体チップの圧縮成形型であって、前記キャビティ底面における所要個所に設けられ且つ前記キャビティを仕切って分割キャビティを形成する仕切部材と、前記分割キャビティ内に供給された樹脂量を調整する樹脂連通路と、前記仕切部材のキャビティ底面からの高さを前記樹脂成形体の所要の厚さと同じ長さに設定すると共に、前記樹脂成形体の所要の厚さに対応して前記仕切部材を前記したキャビティ底面部材に対して着脱自在に構成したことを特徴とする半導体チップの圧縮成形型。
【請求項5】
半導体チップの圧縮成形型に設けられ且つ上方側に開口したにキャビティ開口部を有する圧縮成形用のキャビティと、前記キャビティ開口部の上方位置に設けられ且つ半導体チップを装着した基板における半導体チップ側を下方に向けた状態で供給セットする基板セット部と、前記キャビティ内に被覆される離型フィルムと、前記離型フィルムを被覆したキャビティ内に供給される樹脂材料と、前記キャビティ内の樹脂材料を加熱する加熱手段と、前記基板とキャビティとを閉じ合わせることにより前記キャビティ内の樹脂に前記基板に装着した半導体チップを浸漬する型締機構と、前記キャビティ内の樹脂をキャビティ底面側から加圧するキャビティ底面部材とを備えた半導体チップの圧縮成形型であって、前記キャビティ底面における所要個所に前記キャビティを仕切って分割キャビティを形成する仕切部材と、前記分割キャビティ内に供給された樹脂量を調整する樹脂連通路と、前記キャビティ底面部材に前記仕切部材を型面方向に弾性付勢する弾性機構を設けると共に、前記仕切部材のキャビティ底面からの高さを、前記キャビティ底面部材にて加圧するときに前記仕切部材の先端面が前記基板面を押圧するように当該高さを設定することを特徴とする半導体チップの圧縮成形型。
【請求項6】
仕切部材の先端面に設けられる樹脂連通路が、薄層状の樹脂連通路であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体チップの圧縮成形型。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2012−81678(P2012−81678A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231096(P2010−231096)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】