説明

半導体処理システムのための前駆物質を生成する方法及び装置

【課題】半導体処理システム(320)の前駆物質を生成する装置を提供する。
【解決手段】装置は、側壁(402)、上部、底部を有するキャニスタ(300)を含んでいる。キャニスタ(300)は、上の領域(418)と下の領域(434)を有する内容積(438)を画成している。一実施形態においては、装置は、更に、キャニスタ(300)を部分的に取り囲んでいるヒータ(430)を含んでいる。ヒータ(430)によって、上の領域(418)と下の領域(434)間に温度勾配が生じる。また、精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルから原子層堆積によってバリヤ層、例えば、窒化タンタルバリヤ層を形成する方法も特許請求される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般的には、半導体基板上にバリヤ層を堆積することに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
[0002]確実にサブミクロン以下の特徴部を製造することは、半導体デバイスの次世代の大面積集積回路(VLSI)や超大面積集積回路(ULSI)の鍵となる技術の一つである。しかしながら、回路の周辺技術が圧縮されるにつれて、VLSIやULSI技術における相互接続部の収縮した寸法によって処理能力がさらに要求される。この技術の中心となる多レベル相互接続部には、バイアや他の相互接続部のような高アスペクト比特徴部の正確な処理が必要である。これら相互接続部の確実な形成は、回路密度や個々の基板の質を高めるために、VLSIやULSIにおける成功と継続した努力が非常に重要である。
【0003】
[0003]回路密度が増加するにつれて、バイア、コンタクト、他の特徴部、それらの間にある絶縁物質の幅がサブミクロン寸法に縮小し(例えば、約0.20マイクロメートル未満)、誘電体層の厚さはほぼ一定であり、その結果、特徴部のアスペクト比、即ち、幅で割った高さは増大する。多くの伝統的な堆積プロセスは、アスペクト比が4:1を超える、特に10:1を超えるサブミクロン構造を満たすことが難しい。それ故、ほぼボイドがなく、アスペクト比が高いシームのないサブミクロン特徴部の形成に多くの継続した努力が向けられている。
【0004】
[0004]現在、銅はアルミニウムより抵抗が小さく(アルミニウムが約3.1μΩ-cmに対して約1.7μΩ-cm)、電流搬送能が高く、エレクトロマイグレーション耐性が著しく高いことから、銅及びその合金はサブミクロン相互接続部技術の選択金属になってきた。これらの特性は、高レベルの集積度と高デバイス速度で示される更に高い電流密度を支持するのに重要である。更に、銅は良好な導電性であり、高度に純粋な状態で利用できる。
【0005】
[0005]銅メタライゼーションは様々な技術により達成され得る。典型的な方法は、一般的には、特徴部上にバリヤ層を堆積する物理的蒸着、バリヤ層上に銅シード層を堆積する物理的蒸着、その後、特徴部を充填する銅シード層上に銅導電材料を電気めっきすることを含んでいる。最後に、堆積された層と誘電体層は、例えば、化学機械的研磨(CMP)によって平坦化されて導電性相互接続特徴部を画成する。
【0006】
[0006]しかしながら、銅を使用に伴う一つの問題は、シリコン、二酸化シリコン、デバイスの完全さを損なってしまう他の誘電材料に銅が拡散ことである。それ故、コンホーマルなバリヤ層が銅拡散を防止するためにますます重要である。窒化タンタルは下に横たわる層に銅の拡散を防止するバリヤ層として用いられてきた。しかしながら、ペンタキス(ジメチルアミド)タンタル(PDMAT:Ta[NH2(CH3)2]5)のようなバリヤ層堆積に用いられる化学薬品は、半導体デバイスの製造において欠陥を引き起こし、プロセス歩留まりを低下させる不純物を含むものである。それ故、高純度の前駆物質からバリヤ層を堆積する方法が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本発明の実施形態は、半導体処理システムの前駆物質を生成するための装置に関する。装置は、側壁、上部及び底部を有するキャニスタを含む。キャニスタは、上の領域と下の領域を有する内容積を画成する。装置は、更に、キャニスタを取り囲むヒータを含んでいる。ヒータは、上の領域と下の領域との間に温度勾配を生じる。
【0008】
[0008]本発明の上記特徴が得られ、詳細に理解され得るように、上で簡単にまとめられた本発明の更に具体的な説明は添付された図面に示されるその実施形態によってなされる。しかしながら、添付された図面は本発明の典型的な実施形態のみ示され、それ故、本発明の範囲を制限するものとみなすべきでなく、本発明は他の同等に効果的な実施形態を許容することは留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、原子層堆積(ALD)により基板上に形成されたバリヤ層の一実施形態の概略断面図である。
【図2A】図2Aは、基板の例示的な部分にタンタル含有化合物の単層の化学吸着を示す一実施形態である。
【図2B】図2Bは、基板の例示的な部分にタンタル含有化合物と窒素含有化合物の単層の化学吸着を示す一実施形態である。
【図2C】図2Cは、基板の例示的な部分にタンタル含有化合物と窒素含有化合物の単層の交互化学吸着を示す一実施形態である。
【図3】図3は、原子層堆積によって1以上のバリヤ層を形成するために用いることができる処理システムの例示的な一実施形態の概略断面図である。
【図4A】図4Aは、ガス生成キャニスタの一実施形態の側断面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのガス生成キャニスタの正面断面図である。
【図5】図5は、ガス生成キャニスタの他の実施形態の断面図である。
【図6】図6は、ガス生成キャニスタの他の実施形態の側断面図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態のキャニスタヒータに取り囲まれたキャニスタを示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態の複数の固体粒子を含有するキャニスタを示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態のキャニスタの底部から上の領域に伸びている複数のサイロを示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態のキャニスタの底部から上の領域に伸びている複数のサイロを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0020]図1は、基板上に堆積された誘電体層102とバリヤ層104を有する基板100の一実施形態の概略断面図である。処理段階によっては、基板100はシリコン半導体基板又は他の物質層であってもよく、基板上に形成されている。誘電体層102は、酸化物、酸化シリコン、炭素シリコン酸化物、フルオロシリコン、多孔質誘電体、又は基板100の晒された表面部分102Tに伸びているコンタクトホール又はバイア102Hを設けるために形成されパターン形成された他の適切な誘電体であってもよい。明瞭にするために、基板100は膜処理が行われるあらゆる工作物を意味し、基板構造150は基板100と、誘電体層102のような基板100上に形成される他の物質層を示すために用いられる。また、本発明がデュアルダマシンプロセスフローに用いることができることは、当業者によって理解される。バリヤ層104は、原子層堆積(ALD)により図1Aの基板構造150上に形成される。好ましくは、バリヤ層は窒化タンタル層を含んでいる。
【0011】
[0021]一態様においては、窒化タンタルバリヤ層の原子層堆積は、タンタル含有化合物と窒素含有化合物をプロセスチャンバに順次供給することを含んでいる。タンタル含有化合物と窒素含有化合物を連続して供給することにより、基板構造150上にタンタル含有化合物の単層と窒素含有化合物の単層の交互化学吸着を得ることができる。
【0012】
[0022]図2A-図2Cは、集積回路製造の段階、更に詳しくはバリヤ層形成の段階において基板200の例示的な部分にタンタル含有化合物と窒素含有化合物の単層の交互化学吸着を示す一実施形態である。図2Aにおいては、タンタル含有化合物の単層は、プロセスチャンバにタンタル含有化合物205のパルスを導入することにより基板200上に化学吸着される。
【0013】
[0023]タンタル含有化合物205は、典型的には、1以上の化学種215を有するタンタル原子210を含んでいる。一実施形態においては、タンタル含有化合物は、ペンタジメチルアミノ-タンタル(PDMAT:Ta(NMe2)5)である。PDMATは多くの理由で有利に用いることができる。PDMATは比較的に安定である。更に、PDMATは分配を容易にする十分な蒸気圧を有する。特に、PDMATは低いハライド含有量で製造することができる。PDMATのハライド含有量は、100ppm未満のハライド含有量で製造すべきである。理論で縛られないならば、バリヤ層に取り込まれるハロゲン(例えば、塩素)はその上に堆積される銅層に結合することができることから、低ハライド含有量を有する有機金属前駆物質が有益であると考えられる。
【0014】
[0024]製造中PDMATの熱分解は、続いて窒化タンタルバリヤ層を形成するために用いられるPDMAT生成物中に不純物を生じることがある。不純物は、CH3NTa(N(CH3)2)3及び((CH3)2N)3Ta(NCH2CH3)のような化合物を含むことができる。更に、水分との反応により、PDMAT製造中にタンタルオキソアミド化合物が生成することがある。好ましくは、タンタルオキソアミド化合物は昇華によりPDMATから除去される。例えば、タンタルオキソアミド化合物はバブラーにおいて除去される。PDMAT生成物は約5ppm未満の塩素を有することが好ましい。更に、リチウム、鉄、フッ素、臭素、ヨウ素のレベルは最小限にすべきである。更に好ましくは、不純物の全レベルは約5ppm未満である。
【0015】
[0025]タンタル含有化合物はガスとして供給されるか、又はキャリアガスによって供給することができる。用いることができるキャリアガスの例は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、水素(H2)を含むが、これらに限定されない。
【0016】
[0026]タンタル含有化合物の単層が基板200に化学吸着された後、過剰なタンタル含有化合物はチャンバへパージガスのパルスを導入することによりプロセスチャンバガスから除去される。用いることができるキャリアガスの例は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、水素(H2)、他のガスを含むが、それらに限定されない。
【0017】
[0027]図2Bを参照すると、プロセスチャンバがパージされた後、窒素含有化合物225のパルスがプロセスチャンバに導入される。窒素含有化合物225は単独で供給することができ、キャリアガスによって供給することもできる。窒素含有化合物225は、1つ以上の反応化学種235と窒素原子230を含むことができる。窒素含有化合物は、好ましくはアンモニアガス(NH3)を含んでいる。用いることができる他の窒素含有化合物は、xとyが整数であるNxy(例えば、ヒドラジン(N24))、ジメチルヒドラジン((CH3)222)、t-ブチルヒドラジン(C4923),フェニルヒドラジン(C6523)、他のヒドラジン誘導体、窒素プラズマ源(例えばN2、N2/H2、NH3又はN24プラズマ)、2,2’-アゾイソブタン((CH3)622)、エチルアジド(C253)、及び他の適切なガスを含むことができる。キャリアガスは、必要ならば窒素含有化合物を分配するために用いることができる。
【0018】
[0028]窒素含有化合物225の単層は、タンタル含有化合物205の単層に化学吸着されてもよい。原子層堆積(ALD)の間の表面上における前駆物質の組成と構造は正確には不明である。理論で縛られないなら、窒素含有化合物225の化学吸着した単層は、タンタル含有化合物205の単層と反応して窒化タンタル層209を形成する。反応化学種215、235は、真空システムにより基板表面から輸送される副生成物240を形成する。
【0019】
[0029]窒素含有化合物225の単層がタンタル含有化合物の単層上に化学吸着されると、あらゆる過剰な窒素含有化合物が、チャンバにパージガスの他のパルスを導入することによりプロセスチャンバから除去される。その後、図2Cに示されるように、タンタル含有化合物と窒素含有化合物の単層の交互化学吸着の窒化タンタル層堆積シーケンスを繰り返すことができる。
【0020】
[0030]図2A-図2Cにおいては、窒化タンタル層形成は、基板上のタンタル含有化合物の単層の化学吸着から出発して、続いて窒素含有化合物の単層の化学吸着が示されている。或いは、窒化タンタル層形成は、基板上の窒素含有化合物の単層の化学吸着から開始することができ、続いてタンタル含有化合物の単層が化学吸着される。更に、代替実施形態においては、反応ガスのパルス間だけのポンプ排気は反応ガスの混合を防止するために用いることができる。
【0021】
[0031]タンタル含有化合物、窒素含有化合物、パージガスの各パルスの持続時間は可変であり、用いられる堆積チャンバとそれに結合される真空システムのだけでなく堆積チャンバに必要とされる容積能力に左右される。例えば、(1)低いガスのチャンバ圧より長いパルス時間を必要とし;(2)低いガス流量は、チャンバ圧が上昇し安定化するのに長い時間を必要とし、長いパルス時間を必要とする;(3)大容積チャンバが充填するのに長い時間かかり、チャンバ圧が安定化するのに長くかかるので、長いパルス時間が必要である。同様に、各パルス間の時間も可変であり、プロセスチャンバの容積能力とそれに結合される真空システムに左右される。通常、タンタル含有化合物又は窒素含有化合物のパルスの持続時間は、化合物の単層の化学吸着に十分に長くすべきである。通常、パージガスのパルス時間は、反応副生成物及び/又はプロセスチャンバに残留するあらゆる残留物質を除去するために十分に長くすべきである。
【0022】
[0032]通常、タンタル含有化合物の1.0秒以下のパルス時間、窒素含有化合物の約1.0秒以下のパルス時間は、基板上の交互単層を化学吸着させるために典型的には十分である。パージガスの約1.0秒以下のパルス時間は、プロセスチャンバに残存する反応副生成物とあらゆる残留物質を除去するのに典型的には十分である。もちろん、長いパルス時間がタンタル含有化合物と窒素含有化合物の化学吸着を確実にするとともに反応副生成物の除去を確実にするために用いることができる。
【0023】
[0033]原子層堆積の間、基板は選択されたタンタル含有化合物の熱分解温度より大体低く維持することができる。本明細書に確認されたタンタル含有化合物において用いられる典型的なヒータ温度範囲は、約100torr未満のチャンバ圧、好ましくは50torr未満で約20℃〜約500℃である。タンタル含有ガスがPDMATであるとき、ヒータ温度は、好ましくは約175℃〜約250℃、更に好ましくは約100℃〜約300℃である。他の実施形態においては、他の温度を用いることができることを理解すべきである。例えば、熱分解温度より高い温度を用いることができる。しかしながら、温度は、50%を超える堆積活性が化学吸着プロセスによるように選択すべきである。他の例においては、成長方式が原子層堆積成長方式と類似するように各前駆物質堆積中の熱分解量が制限される熱分解温度より高い温度を用いることができる。
【0024】
[0034]プロセスチャンバにおいて原子層堆積によって窒化タンタル層を堆積する一例示的なプロセスは、順次、ペンタジメチルアミノタンタル(PDMAT)を約100sccm〜約1000sccm、好ましくは約200sccm〜約500sccmの流量で約1.0秒以下の時間、供給するステップ、アンモニアを約100sccm〜約1000sccm、好ましくは約200sccm〜約500sccmの流量で約1.0秒以下の時間、供給するステップ、パージガスを約100sccm〜約1000sccm、好ましくは約200sccm〜約500sccmの流量で約1.0秒以下の時間、供給するステップを含んでいる。ヒータ温度は、好ましくは約1.0〜約5.0torrのチャンバ圧で約100℃〜約300℃で維持される。交互のシーケンスは、所望の厚さが達成されるまで繰り返すことができる。
【0025】
[0035]図3は、本発明の態様に従って原子層堆積により1以上バリヤ層を形成するために用いることができる、処理システム320の一例示的実施形態の概略断面図である。もちろん、他の処理システムを用いることもできる。
【0026】
[0036]処理システム320は、通常は、ガス分配システム304に結合したプ処理チャンバ306を含んでいる。処理チャンバ306は、例えば、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から入手できる、適切なあらゆるプロセスチャンバであってもよい。例示的なプロセスチャンバは、特に、DPSCENTURA(登録商標)エッチングチャンバ、PRODUCER(登録商標)化学気相堆積チャンバ、ENDURA(登録商標)物理気相堆積チャンバを含んでいる。
【0027】
[0037]ガス分配システム304は、通常、様々なプロセスガスや不活性ガスが処理チャンバ306に分配される際の速度と圧力を制御する。処理チャンバ306に分配されるプロセスガスや他のガスの数と種類は、通常、それに結合した処理チャンバ306で行われるプロセスに基づいて選択される。簡単のために、単一ガス分配回路が図3に示されるガス分配システム304に示されるが、更にガス分配回路を用いることができることは予想される。
【0028】
[0038]ガス分配システム304は、通常は、キャリアガス源302とプロセスチャンバ306間に結合される。キャリアガス源302は局部容器又は遠隔容器又は設備全体にキャリアガスを供給する集中設備供給源であってもよい。キャリアガス源302は、典型的には、キャリアガス、例えば、アルゴン、窒素、ヘリウム又は他の不活性又は非反応性ガスを供給する。
【0029】
[0039]ガス分配システム304は、典型的には、キャリアガス源302とプロセスガスソースキャニスタ300間に結合したフローコントローラ310を含んでいる。フローコントローラ310は、比例バルブ、調節バルブ、ニードルバルブ、レギュレータ、マスフローコントローラ等であってもよい。用いることができる一フローコントローラ310は、カリフォルニア州モントレーにあるSierraInstruments社から入手できる。
【0030】
[0040]ソースキャニスタ300は、典型的には、第一、第二バルブ312、314間に結合し、配置される。一実施形態においては、第一、第二バルブ312、314はソースキャニスタ300に結合され、ガス分配システム304からソースキャニスタ300と共にバルブ312、314を容易に取り外せるように、切断取り付け具(図示せず)で取り付けられている。第三バルブ316は、ガス分配システム304からソースキャニスタ300を取り外した後、処理チャンバ306への汚染物質の導入を防止するために第二バルブ314と処理チャンバ306間に配置される。
【0031】
[0041]図4Aと図4Bは、ソースキャニスタ300の一実施形態を示す断面図である。ソースキャニスタ300は、通常は、プロセス(又は他の)ガスが昇華又は気化プロセスによって生成することができる前駆物質414を保持するように適合されているハウジング420を有するアンプル又は他の密封容器を含んでいる。昇華プロセスによってソースキャニスタ300にプロセスガスを生成することができるある固体前駆物質414は、特に、二フッ化キセノン、ニッケルカルボニル、タングステンヘキサカルボニル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル(PDMAT)を含んでいる。気化プロセスによってソースキャニスタ300にプロセスガスを生成することができるある液体前駆物質414は、特に、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)、tert-ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、ペンタキス(エチルメチルアミノ)タンタル(PDMAT)を含んでいる。ハウジング420は、前駆物質414やそれから生成されたガスに実質的に不活性な物質から通常は製造されるので、物質の構成は生成されるガスに基づいて変化し得る。
【0032】
[0042]ハウジング420は、多くの幾何学的形を有することができる。図4Aと図4Bに示される実施形態においては、ハウジング420は、円柱状側壁402とリッド404により密封された底面432を含んでいる。リッド404は、溶接、結合、接着、又は他の漏れない方法で側壁402に結合することができる。或いは、側壁402とリッド404間の連結は、シール、o-リング、ガスケット等を有し、ソースキャニスタ300からの漏れを防止するために配置されている。或いは、側壁402は、例えば、中空平方チューブの他の中空幾何学的形を含むことができる。
【0033】
[0043]流入ポート406と流出ポート408は、ガスフローをソースキャニスタ300の内外に流すことを可能にするソースキャニスタによって形成されている。ポート406、408は、ソースキャニスタ300のリッド404及び/又は側壁402によって形成することができる。ポート406、408は、ガス分配システム304からソースキャニスタ300の取り外し中に、ソースキャニスタ300の内部を周囲環境から分離することを可能にするように通常は密封可能である。一実施形態においては、バルブ312、314は、前駆物質414の再充填又はソースキャニスタ300の取替えるために、ガス分配システム304(図3に示される)から取り外されるとき、ソースキャニスタ300からの漏れを防止するためにポート406、408と密封して結合される。一対の切断取り付け具436A、436Bは、ガス分配システム304に、また、ガス分配システムからソースキャニスタ300の取り外しや取替えを容易にするために、バルブ312と314に結合することができる。バルブ312、314は、典型的には、充填、輸送、又はガス分配システム304への結合中にソースキャニスタ300からの潜在的な漏れを最少にしつつ、ソースキャニスタ300が効率的に装填されたシステムから取り外され再循環させることができるボールバルブ又は確実に密封されるバルブである。或いは、ソースキャニスタ300は、ソースキャニスタ300のリッド404に配置されるVCR取付け具で小チューブのような再充填ポート(図示せず)によって再充填され得る。
【0034】
[0044]ソースキャニスタ300は、上部領域418と下部領域434を有する内容積438を有する。ソースキャニスタ300の下部領域434は、前駆物質414で少なくとも部分的に充填される。或いは、液体416はスラリー412を形成するために固体前駆物質414に加えることができる。前駆物質414、液体416、又は前もって混合したスラリー412は、リッド404を取り外すことにより、又はポート406、408の1つによってソースキャニスタ内に導入することができる。液体416は前駆物質414と非反応性であり、前駆物質414は液体416内で不溶解であるように、液体416が前駆物質414と比較して無視できるほどの蒸気圧を有するように、液体416に、例えば、タングステンヘキサカルボニルの固体前駆物質414の蒸気圧の比率が103を超えるように選ばれる。
【0035】
[0045]液体416と混合した前駆物質414は、スラリー412中の液体416に懸濁した前駆物質414を維持するように時々攪拌することができる。一実施形態においては、前駆物質414と液体416は磁気スターラー440によって攪拌される。磁気スターラー440は、ソースキャニスタ300の底面432の下に配置される磁気モータ442とソースキャニスタ300の下部領域434に配置された磁気ピル444を含んでいる。磁気モータ442はソースキャニスタ300内の磁気ピル444を回転させるように作動させ、それによりスラリー412を混合する。磁気ピル444は、前駆物質414、液体416、又はソースキャニスタ300と非反応性である物質の外部コーティングを有するべきである。適切な磁気ミキサは市販されている。適切な磁気ミキサの一例は、ノースカリフォルニア州のウィルミントンのIKA(登録商標) Worksから入手できるIKAMAG(登録商標) REOである。或いは、スラリー412は、ミキサ、バブラー等の他の手段で攪拌することができる。
【0036】
[0046]液体416の攪拌によって、液体416の小滴がキャリアガスに移動し処理チャンバ306に向かって送られるように誘導することができる。このような液体416の小滴が処理チャンバ306に到達することを防止するために、オイルトラップ450がソースキャニスタ300の流出ポート408に任意に懸濁することができる。オイルトラップ450は、オイルトラップ本体452の中央線456をこえて伸び、ソースキャニスタ300へ少なくともわずかに下向きに傾いている複数のすきまのあるバッフル454を含有する本体452を含んでいる。バッフル454によって、プロセスチャンバ306に向かって流れるガスが進みバッフル454の周りの捻じれた経路に流れる。バッフル454の表面積によって、ガスに移動することができるオイル小滴が付着する流れているガスにさらされた大表面積が得られる。バッフル454の下向きの角度は、全てのオイルがソースキャニスタ300に下向きと後ろに流れるオイルトラップに蓄積させることができる。
【0037】
[0047]ソースキャニスタ300は、ソースキャニスタ300の上部領域418内に配置された少なくとも1つのバッフル410を含んでいる。バッフル410は流入ポート406と流出ポート408間に配置され、伸張した平均流路がつくられ、それにより流入ポート406から流出ポート408へのキャリアガスの直接(即ち、直線)のフローが防止される。このことは、ソースキャニスタ300内のキャリアガスの平均滞留時間を増加させるとともにキャリアガスにより送られた昇華又は気化された前駆物質ガスの量を増加させる効果を有する。更に、バッフル410は、ソースキャニスタ300に配置された前駆物質414の晒された表面全体にキャリアガスを送り、前駆物質414の再現性のあるガス生成特性と効率的な消費を確実にする。
【0038】
[0048]バッフル410の数、間隔、形は、前駆物質ガスの最適生成のためにソースキャニスタ300が合うように選択することができる。例えば、多くのバッフル410が前駆物質414に更に高いキャリアガス速度を与えるように選択することができ又はバッフル410の形が更に効率的な前駆物質の使用のために前駆物質414の消費を制御するよう構成することができる。
【0039】
[0049]バッフル410は、側壁402又はリッド404に結合することができ、又はバッフル410はソースキャニスタ300内に適合するように設計された前もって製造された挿入物であってもよい。一実施形態においては、ソースキャニスタ300内に配置されたバッフル410は、側壁402と同様の物質で製造された五枚の矩形プレートを含んでいる。図4Bを参照すると、バッフル410は相互に平行な側壁402に溶接されるか或いは固定される。バッフル410はすきまがあり、交互方法でソースキャニスタの対向する側壁に固定され、曲った伸長平均流路が作られる。更に、バッフル410は、側壁402上に載置されたとき、リッド404上の流入ポート406と流出ポート408との間に置かれ、バッフル410とリッド404との間に空間が無いように配置されている。バッフル410は、更に、ソースキャニスタ300の下部領域434に少なくとも部分的に伸長しているので、上の領域に流れ込むキャリアガスの伸長した平均流路を画成する。
【0040】
[0050]任意に、注入チューブ422をソースキャニスタ300の内部領域438に配置することができる。チューブ422はソースキャニスタ300の流入ポート406に第一端424によって結合され、ソースキャニスタ300の上部領域418内において第二端426で終わる。チューブ422は、前駆物質414又はスラリー412に近い位置でソースキャニスタ300の上部領域418にキャリアガスを注入する。
【0041】
[0051]前駆物質414は、前もって設定された温度と圧力で前駆ガスを生成する。前駆物質414から昇華又は気化されたガスはソースキャニスタ300の上の領域に蓄積され、流入ポート406を通って入り流出ポート408を出る不活性のキャリアガスにより押し出され、処理チャンバ306に送られる。一実施形態においては、前駆物質414は側壁402の近くに配置された抵抗ヒータ430によって前もって設定された温度に加熱される。或いは、前駆物質414は、ソースキャニスタ300の上部領域418又は下部領域434に配置されたカートリッジヒータ(図示せず)のような他の手段によって又はキャリアガス流入ポート406の上流に配置されたヒータ(図示せず)でキャリアガスを予熱することにより加熱することができる。スラリー412全体に均一な熱拡散を最大にするために、液体416とバッフル410は良好な導体でなければならない。
【0042】
[0052]本発明の更に他の実施形態によれば、窒化アルミニウム又は窒化ホウ素のような熱導電性の高い多数の固体ビーズ又は粒子810を、図8に示されるように、液体416の代わりに用いることができる。このような固体粒子810は、液体416よりキャニスタ800の側壁から前駆物質414に更に多くの熱を伝達させるために用いることができる。固体粒子810は、前駆物質414と非反応性であり、不溶であり、前駆物質414と比較して無視できるほどの蒸気圧を有するという点で液体416と同じ特性を有する。そういうものとして、固体粒子810はキャニスタ800の側壁からキャニスタ800の中心部に熱を効率的に伝達するよう構成され、それにより昇華又は気化中に更に多くの前駆物質が用いられる。固体粒子810は、また、キャニスタ800に堆積される前に、汚染物質、水蒸気等を脱ガスし洗浄することができる。
【0043】
[0053]動作の一例示的方法においては、ソースキャニスタ300の下部領域434は、タングステンヘキサカルボニルと拡散ポンプオイルの混合物で少なくとも部分的に充填されてスラリー412を形成する。スラリー412は約5Torrの圧力に保たれ、ソースキャニスタ300の近くにある抵抗ヒータ430によって摂氏約40度〜摂氏約50度の範囲の温度に加熱される。アルゴンの形でのキャリアガスは、約400標準cc/minの速度で上部領域418に流入ポート406を通って流れる。アルゴンは、流出ポート408によってソースキャニスタ300を出る前に、バッフル410によって捻じれた流路により画成された伸長した平均流路に流れ、有利にはソースキャニスタ300の上部領域418におけるアルゴンの平均滞留時間が長くなる。ソースキャニスタ300内の長い滞留時間によって、有利には、キャリアガス内の昇華されたタングステンヘキサカルボニル蒸気の飽和レベルが高くなる。更に、バッフル410を通る捻じれた流路は、有利には、前駆物質414の均一な消費と前駆物質ガスの生成のために前駆物質414の晒された表面積のほぼ全部がキャリアガスフローに晒される。
【0044】
[0054]図7は、前駆物質414を加熱するための他の実施形態を示すものである。更に詳しくは、図7はキャニスタヒータ730で取り囲まれたキャニスタ700を示す断面図であり、キャニスタ700の下部領域434とキャニスタ700の上部領域418との間に温度勾配を生じるように構成され、下部領域434は最も低温の領域であり、上部領域418は最も高温の領域である。温度勾配は摂氏約5度〜摂氏約15度の範囲にあってもよい。固体前駆物質が通常はキャニスタ700の最も低温領域で蓄積又は凝縮する傾向があるので、キャニスタヒータ730は固体前駆物質414がキャニスタ700の下部領域434に蓄積することを確実にするように構成され、それにより固体前駆物質414が凝縮するという予測性と固体前駆物質414の温度が高くなる。キャニスタヒータ730は、上部領域418及び下部領域434を含むキャニスタ700全体がキャニスタヒータ730により加熱されるようにキャニスタヒータ730の内部に配置された加熱素子750を含んでいる。上部領域418近傍の加熱素子750は、下部領域434近傍の加熱素子750より高い熱を生成するように構成することができ、それによりキャニスタヒータ730が下部領域434と上部領域418間の温度勾配を生じることを可能にする。一実施形態においては、加熱素子750は上部領域418の温度が下部領域434の温度より摂氏約5度〜摂氏約15度高いように構成される。他の実施形態においては、加熱素子750は上部領域418の温度が摂氏約70度、下部領域434の温度が摂氏約60度、キャニスタ700の側壁の温度が摂氏約65度であるように構成される。加熱素子730の電力は、208VAC入力で約600ワットとすることができる。
【0045】
[0055]キャニスタヒータ730は、キャニスタ700の最も低温の領域が下部領域434であることを更に確実にするためにキャニスタヒータ730の底面に位置する冷却プレート720を更に含み、それにより固体前駆物質414が下部領域434で凝縮することが確実である。冷却プレート720は、また、形が環状であってもよい。更に、バルブ312、314、オイルトラップ450、流入ポート460、流出ポート408は、抵抗加熱テープで加熱することができる。上部領域418は下部領域434より温度が高いように構成されるので、バッフル410は上部領域418から下部領域434に熱を伝達するために用いることができ、それによりキャニスタヒータ730が所望の温度勾配を維持することができる。
【0046】
[0056]図9は、キャニスタ700の底部432から上部領域418まで伸びている複数のサイロ910を示す断面図である。図10は、キャニスタ700の底部432から上部領域418まで伸長したサイロ910を示す正面図である。サイロ910は前駆物質414の温度勾配を低減させるように構成され、それにより前駆物質内部の温度がほぼ均一になるように維持される。サイロ910は、底部432から前駆物質414と液体416の上面の少し上まで伸長することができる。サイロ910はポスト又はフィンの形であってもよい。サイロ910は、ステンレス鋼、アルミニウム等の熱伝導性物質から製造することができる。
【0047】
[0057]図9は、更にソースキャニスタ700の内容積438に配置される流入チューブ422を示す図である。チューブ422は、ソースキャニスタ700の流入ポート406に第一端424で結合し、ソースキャニスタ700の上部領域418における第二端426で終わる。チューブ422は、前駆物質414又はスラリー412の近い位置でソースキャニスタ700の上部領域418にキャリアガスを注入する。第二端426は、更に、側壁402に向かってガスフローを送るように適合することができるので、ポート406、408間のキャニスタ700を通ってガスの直接(直線又は透視線)フローを防止し、伸長した平均流路が生じる。
【0048】
[0058]図5は、プロセスガスを生成するためのキャニスタ500の他の実施形態を示す断面図である。キャニスタ500は、内容積438を封入する側壁402、リッド404、底面432を含んでいる。リッド404又は側壁402の少なくとも1つが、ガス流入と流出のための流入ポート406と流出ポート408を含んでいる。キャニスタ500の内容積438は上部領域418と下部領域434で分けられる。前駆物質414は少なくとも部分的に下部領域434を充填する。前駆物質414は固体、液体又はスラリーの形であってもよく、昇華又は気化によりプロセスガスを生成するよう適合されている。
【0049】
[0059]チューブ502はキャニスタ500の内容積438内に配置され、前駆物質からキャニスタ500内にガスフローを送るように適合され、有利にはチューブ502から流れるガスが前駆物質414に直接衝突することや微粒子が空気によって運ばれることを防止し、流出ポート408を通ってプロセスチャンバ306に運ばれる。チューブ502は第一端504で流入ポート406に結合されている。チューブ502は、第一端504から前駆物質414の上の上部領域418に位置する第二端526Aに伸びている。第二端526Aは側壁402に向かってガスフローを送るように適合されてもよいので、ポート406、408間のキャニスタ500を通ってガスの直接フロー(直線又は透視線)を防止し、伸長した平均流路が生じる。
【0050】
[0060]一実施形態においては、チューブ502の第二端526Aの流出口506は、キャニスタ500の中心軸508に相対して約15〜90度の角度に向いている。他の実施形態においては、チューブ502は流出口506を出るガスフローをキャニスタ500のリッド404に送る、‘J’型の第二端526Bを有する。他の実施形態においては、チューブ502はチューブ502の端の近くにプラグ又はキャップ510を有する、キャップ構造の第二端526Cを有する。キャップ構造の第二端526Cは、キャップ510の近くのチューブ502の側面に形成される少なくとも一つの開口528を有する。開口528を出るガスは、典型的に中心軸508に対して垂直に、キャニスタ500の下部領域434に配置される前駆物質414から送られる。任意に、上記のような少なくとも1つのバッフル410(想像線で示されている)はチャンバ500内に配置することができ、上記チューブ502の実施形態のいずれかと縦に並べて用いることができる。
【0051】
[0061]一例示的動作方式においては、キャニスタ500の下部領域434は、スラリー412を形成するためにタングステンヘキサカルボニルと拡散ポンプオイルの混合物で少なくとも部分的に充填される。スラリー412は約5Torrの圧力に保たれ、キャニスタ500近くにある抵抗ヒータ430によって約40〜摂氏約50度の範囲の温度に加熱される。アルゴンの形のキャリアガスは、約200標準cc/minの速度で上部領域418に流入ポート406とチューブ502によって流れる。チューブ502の第二端526Aは、流出ポート408から離れた伸長された平均流路にキャリアガスのフローを送り、有利にはキャニスタ500の上部領域418におけるアルゴンの平均滞留時間が長くなり、微粒子生成を最少にするために前駆物質414上のキャリアガスの直接フローを防止する。微粒子生成の低減により製品歩留まりが改善され、供給源固形物を保存し、下流での汚染が減少するが、キャニスタ500における滞留時間の増加は、有利には、キャリアガス内の昇華したタングステンヘキサカルボニルガスの飽和レベルを増大させる。
【0052】
[0062]図6は、前駆物質ガスを生成するためのキャニスタ600の他の実施形態を示す断面図である。キャニスタ600は内容積438を封入する側壁402、リッド404、底面432を含んでいる。リッド404又は側壁402の少なくとも1つは、ガス流入と流出のために流入ポート406と流出ポート408を有する。流入ポートと流出ポート406、408は、ガス分配システム304からキャニスタ600の取り外しを容易にするために一対の切断取付け具436A、436Bを備えたバルブ312、314に結合されている。任意に、プロセスチャンバに流れているガスに存在することができるあらゆるオイル粒子を捕捉するために、流出ポート408とバルブ314間にオイルトラップ450が結合されている。
【0053】
[0063]キャニスタ600の内容積438は、上部領域418と下部領域434に分けられる。前駆物質414と液体416は、少なくとも部分的に下部領域434を充填する。チューブ602はキャニスタ600の内容積438に配置され、前駆物質と液体混合体から離れてキャニスタ600内に第一ガスフローF1を送るように、また、混合物によって第二ガスフローF2を送るように適合されている。フローF1はフローF2よりかなり大きい。フローF2はバブラーとして作用するよう構成され、前駆物質と液体混合物を攪拌するのに十分であるが、前駆物質414又は液体416の微粒子又は小滴が空気によって運ばせるには十分でない。従って、この実施形態は、有利には、チューブ602から流れるガスの直接の衝突のために生じ流出ポート408を通って処理チャンバ306に運ばれる微粒子を最少にしつつ前駆物質と液体混合物を攪拌する。
【0054】
[0064]チューブ602は第一端604で流入ポート406に結合される。チューブ602は、第一端604から、前駆物質と液体混合体内の、キャニスタ600の下部領域434に位置する第二端606まで伸びている。チューブ602は、第一ガスフローF1をキャニスタ600の側壁402に対して送るキャニスタ600の上部領域418に配置された開口608を有する。チューブ600は、開口部608の下にあるキャニスタ600の上の領域438に配置された制限部610を有する。制限部610は、チューブ602の第二端606からスラリー412に対して流れる第二ガスフローF2を減少させるように働く。制限部の量を調節することにより、第一ガスフローと第二ガスフローF1とF2の相対的な速度が調節され得る。この調節は少なくとも2つのためにある。第一に、プロセスチャンバ306の微粒子生成や潜在的な汚染を最少にしつつ、第二ガスフローF2が液体416中の前駆物質414の懸濁又は混合を維持するのに十分なだけ攪拌するように最少にされ得る。第二に、第一ガスフローF1が必要とされる量の昇華及び/又は蒸気を前駆物質414からプロセスチャンバ306へ供給するのに必要な全体のフロー体積を維持するために調節され得る。
【0055】
[0065]任意に、上記のような少なくとも1つのバッフル410はキャニスタ600内に配置されてもよく、上記チューブ602の実施形態のいずれかと縦に用いてもよい。
【0056】
[0066]前述は本発明の好適実施形態に関するが、更に多くの本発明の実施形態が本発明の基本的な範囲から逸脱することなく構成されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0057】
100…基板、102…誘電体層、104…バリヤ層、150…基板構造、200…基板、205…タンタル含有化合物、210…タンタル原子、215…反応性化学種、225…窒素含有化合物、235…反応性化学種、300…ソースキャニスタ、302…キャリアガス源、304…ガス分配システム、306…処理チャンバ、310…フローコントローラ、312、314…バルブ、320…処理システム、402…側壁、404…リッド、406…流入ポート、408…流出ポート、410…バッフル、412…スラリー、414…前駆物質、416…液体、418…上の領域、420…ハウジング、422…チューブ、432…底部、434…下の領域、436…切断取付け具、438…内容積、440…磁気スターラー、444…磁気ピル、450…オイルトラップ、452…本体、500…キャニスタ、528…開口、600…キャニスタ、700…キャニスタ、720…冷却プレート、730…キャニスタヒータ、750…加熱素子、800…キャニスタ、810…固体粒子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の1以上の特徴部を充填する方法であって、
該基板上にバリヤ層を堆積させるステップであって、該バリヤ層が約5ppm未満の不純物を有する精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルから形成されている、前記ステップと、
該バリヤ層上にシード層を堆積させるステップと、
該シード層上に導電層を堆積させるステップと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルを昇華してタンタルオキソアミドの少なくとも一部を除去するとともに該精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルを形成するステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該導電層が銅を含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
該バリヤ層が原子層堆積により形成される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
該不純物が、塩素、リチウム、鉄、フッ素、臭素、ヨウ素、及びその組合わせからなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルからバリヤ層を堆積させることにより、未精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルから形成されたバリヤ層上に形成された導電層より欠陥が少ない導電層が得られる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
基板上に窒化タンタルバリヤ層を堆積させる方法であって、
基板がその中に配置された処理チャンバに精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルを導入して該基板上にタンタル含有層を形成するステップであって、該精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルが約5ppm以下の不純物を有する、前記ステップと、
該処理チャンバに窒素含有化合物を導入して該基板上に窒素含有層を形成するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項8】
該基板の温度が約20℃〜約500℃である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
該処理チャンバの圧力が約100Torr以下である、請求項7記載の方法。
【請求項10】
該不純物が、本質的に、塩素、リチウム、鉄、フッ素、臭素、ヨウ素、及びその組合わせからなる群より選ばれる、請求項7記載の方法。
【請求項11】
該窒素含有化合物がアンモニアガスを含んでいる、請求項7記載の方法。
【請求項12】
該窒素含有化合物が、アンモニア、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t-ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、2,2-アゾイソブタン、エチルアジド、その誘導体、及びその組合わせからなる群より選ばれる、請求項7記載の方法。
【請求項13】
該バリヤ層が原子層堆積によって形成される、請求項7記載の方法。
【請求項14】
該基板の温度が、該バリヤ層堆積の50%以上が化学吸着によるように選ばれる、請求項7記載の方法。
【請求項15】
該処理チャンバに導入する前に該精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルが昇華される、請求項7記載の方法。
【請求項16】
該基板上に該タンタル含有層を形成する際に該ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルの少なくとも一部を除去するステップを更に含む、請求項7記載の方法。
【請求項17】
約5ppm以下の不純物を有する精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタル。
【請求項18】
該不純物が、タンタルオキソアミド、塩素、リチウム、鉄、フッ素、臭素、ヨウ素、及びその組合わせからなる群より選ばれる、請求項17記載の精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタル。
【請求項19】
該精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタルを昇華させてその中のタンタルオキソアミドの濃度を低下させる、請求項18記載の精製ペンタキス(ジメチルアミド)タンタル。
【請求項20】
半導体処理システムの前駆物質を生成するための装置であって、
側壁、上部、下部を有するキャニスタであって、該キャニスタが上の領域と下の領域を有する内容積を画成している、前記キャニスタと、
該キャニスタを取り囲んでいるヒータであって、該ヒータが該上の領域と下の領域間に温度勾配を生じる、前記ヒータと、
を備えている、前記装置。
【請求項21】
該温度勾配が摂氏約5度〜摂氏約15度の範囲にある、請求項20記載の装置。
【請求項22】
該下の領域が該上の領域より温度が低い、請求項20記載の装置。
【請求項23】
該下の領域の温度が、該上の領域より約5度〜摂氏約15度低い、請求項22記載の装置。
【請求項24】
該ヒータが該キャニスタの該側壁に近接して配置されている、請求項20記載の装置。
【請求項25】
該ヒータが該キャニスタの外側部分の周りに配置されている、請求項20記載の装置。
【請求項26】
該キャニスタの該外側部分の周りに配置された該ヒータが、該キャニスタの該上の領域において更に発熱するように構成されている、請求項25記載の装置。
【請求項27】
該キャニスタの該底部に近接して配置された冷却プレートを更に含む、請求項20記載の装置。
【請求項28】
該キャニスタが該上の領域を該下の領域に接続する熱伝達媒体を含んでいる、請求項20記載の装置。
【請求項29】
該熱伝達媒体が、該上部から該下の領域まで伸びている少なくとも1つのバッフルである、請求項28記載の装置。
【請求項30】
該キャニスタの該底部から該上の領域まで伸びている少なくとも1つのサイロを更に含む、請求項20記載の装置。
【請求項31】
該少なくとも1つのサイロが、ポスト及びフィンの少なくとも1つである、請求項30記載の装置。
【請求項32】
該キャニスタの該下の領域を少なくとも部分的に充填する前駆物質と、
該前駆物質と混合した複数の固体粒子であって、該固体粒子が該前駆物質と非反応性であり、該前駆物質に相対して無視できる蒸気圧を有し、該前駆物質と不溶であり、該キャニスタの該側壁から熱を伝達するように構成されている、前記固体粒子と、
を更に含む、請求項20記載の装置。
【請求項33】
該キャニスタの該下の領域を少なくとも部分的に充填している前駆物質と、
該キャニスタの該底部から該上の領域まで伸びている少なくとも1つのサイロと、
を更に含む、請求項32記載の装置。
【請求項34】
少なくとも1つのサイロが、該前駆物質の内部の該温度勾配を減少させるように構成されている、請求項33記載の装置。
【請求項35】
半導体処理システムの前駆物質を生成するための装置であって、
上の領域と下の領域を有する内容積を画成しているキャニスタと、
該キャニスタの該下の領域を少なくとも部分的に充填する前駆物質と、
キャリアガスを該キャニスタに該前駆物質からの向きで注入するように適合されたガスフロー流入チューブと、
を備えている、前記装置。
【請求項36】
該ガスフロー流入チューブが、ガスの非直線的なフローを該キャニスタの該上の領域に生じるように適合されている、請求項35記載の装置。
【請求項37】
該直線的なフローが、該キャニスタの該上の領域において該ガスの高飽和レベルを生じるように適合されている、請求項36記載の装置。
【請求項38】
該ガスフロー流入チューブが、該キャニスタの該上の領域から該キャニスタの下の領域まで伸びている、請求項35記載の装置。
【請求項39】
該ガスフロー流入チューブが、第一ガスフローを該キャニスタの該上の領域に供給するように適合されている、請求項38記載の装置。
【請求項40】
該ガスフロー流入チューブが、第二ガスフローを該キャニスタの該下の領域に供給するように適合されている、請求項39記載の装置。
【請求項41】
該ガスフロー流入チューブが制限部を備えている、請求項38記載の装置。
【請求項42】
該ガスフロー流出チューブが、該制限部の前方に少なくとも1つの開口を備えている、請求項41記載の装置。
【請求項43】
該開口が、非直線的なガスフローを該キャニスタの上の領域に供給するように適合されている、請求項42記載の装置。
【請求項44】
該下の領域に対する該第二ガスフローが、該前駆物質の懸濁液を維持するように適合されている、請求項40記載の装置。
【請求項45】
該第二ガスフローが、全体のガスフロー体積を維持するように適合されている、請求項40記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−176369(P2011−176369A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125256(P2011−125256)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【分割の表示】特願2006−533450(P2006−533450)の分割
【原出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】