説明

半導体実装モジュールと、この半導体実装モジュールの製造方法

【課題】信頼性の良好な半導体実装モジュールを実現する。
【解決手段】絶縁膜23に設けられた絶縁膜不形成部27と、この絶縁膜不形成部27に設けられた接続ランド28とを含んだ配線基板22と、この配線基板22に装着される半導体素子24と、この半導体素子24に接続されるとともに接続ランド28と対応する位置に設けられたはんだバンプ25a、25bと、半導体素子24と配線基板22との間の隙間32に充填された樹脂33とを備え、接続ランド28とはんだバンプ25a、25bとの間は、凹版転写によって形成された凹版転写導体30a、30bで接続されたものである。これにより、樹脂33中のボイドやはんだ粒などの発生を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子が配線基板にフリップチップ実装された半導体実装モジュールと、この半導体実装モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下、従来の半導体実装モジュールの製造方法について詳細に説明する。図12は、従来の半導体実装モジュールの製造フローチャートである。図12において、クリームはんだ印刷工程1では、基板2にクリームはんだ3をメタルマスクを用いて印刷する。そしてこのクリームはんだ印刷工程1の後の実装工程4では、クリームはんだ3の上にチップ部品5や半導体素子6が装着される。なおこの半導体素子6には複数の電極パッドを有し、この電極パッドには、はんだバンプ7が設けられている。なおこれらのはんだバンプ7は、半導体素子6の基板に0.4mmの間隔で配置されている。そして、この実装工程4の後のリフロー工程8において、クリームはんだ3を加熱・溶融させて、チップ部品5や半導体素子6を基板2へ接続・固定する。そして半導体素子6と基板2との間の接続強度を維持するために、樹脂充填工程9ではリフロー工程8の後で半導体素子6と基板2との間の隙間に樹脂10を充填・硬化させる。そして以上のような工程によって半導体実装モジュール11(図15に示す)が完成する。
【0003】
では、従来の半導体実装モジュール11の製造方法について図12に示した工程の順で以下詳細に説明する。図13は、従来の半導体実装モジュールにおけるクリームはんだ印刷工程1の説明図である。図12、図13において、まず基板2は、ガラス・エポキシ系の樹脂基材であり、この基材上には予め導体パターン(図示なし)が形成されている。なお、この配線パターン上には絶縁膜(図示せず)が形成されている。この絶縁膜の一部分に絶縁膜不形成部(図示せず)が形成され、そしてこの絶縁膜不形成部には、導体パターンと接続された接続ランド12が形成されている。
【0004】
まずクリームはんだ印刷工程1では、所定の位置に孔13が設けられたメタルマスク14が基板1の上に搭載される。ここで、これらの孔13はそれぞれの接続ランド12と対応する位置に形成されている。
【0005】
そして、このメタルマスク14の上面にクリームはんだ3を供給し、スキージ15を図示A方向へと移動させることで、クリームはんだ3が孔13へ充填される。そしてこの状態でメタルマスク14を外すと、孔13内に充填されたクリームはんだ3aが接続ランド12上に残されることとなり、クリームはんだ3が基板2上に印刷される。このとき接続ランド12上には、メタルマスク14とほぼ同じ厚みのクリームはんだ3aが形成される。
【0006】
図14は、実装工程における基板の断面図である。図12、図14において、実装工程4では、クリームはんだ印刷工程1の後でチップ部品5や半導体素子6が基板2上に実装される。リフロー工程8では、クリームはんだ3aを溶融する温度以上にまで加熱し、実装工程4で実装されたチップ部品5や半導体素子6をはんだ付けする。
【0007】
図15は半導体実装モジュール11の断面図である。図15に示すように、樹脂充填工程9は、リフロー工程8の後で半導体素子6と基板2との間の隙間に樹脂10を充填・硬化させる。これによって、半導体実装モジュール11が完成する。
【0008】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2001−244299号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、モジュールは半導体素子をフェイスダウンでフリップチップ実装した半導体実装モジュール化により小型化されてきた。しかし、携帯電話に代表されるような機器は今後もさらに多機能化が進み、その機器に内蔵される半導体実装モジュールには更なる小型化が要求されることとなる。そしてそのためには、はんだバンプ7の間隔を小さくすることが必要であるが、図14に示すように、クリームはんだ3aにダレが生じ、隣り合うはんだペースト同士で接触し易くなる。そしてこれによって、リフロー工程8で接続ランド12間にはんだ粒16が残留し易くなるという課題がある。そこで、この課題を解決するために、はんだペースト3aの厚みを薄くし、供給するはんだペースト3aの量を少なくすると、半導体素子6と基板2との隙間17が狭くなり、樹脂10が流れ込み難くなるという課題が生じることとなる。そしてこれは、樹脂10の中にボイド18が発生する。そしてこれらのはんだ粒16やボイド18は、半導体実装モジュール11を親基板へはんだ付けするときに、隣接したはんだバンプ同士での短絡を発生し易くさせるという課題を有している。
【0010】
そこで本発明は、この問題を解決したもので、樹脂10中のボイドやはんだ粒などの発生を抑え、信頼性の良好な半導体実装モジュールを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために本発明の半導体実装モジュールでは、基材上に配線された配線パターンと、この配線パターン上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜に設けられた第1の絶縁膜不形成部と、この第1の絶縁膜不形成部に設けられるとともに、前記配線パターンに接続された第1の接続ランドとを含んだ配線基板と、この配線基板に装着される半導体素子と、この半導体素子に接続されるとともに前記第1の接続ランドと対応する位置に設けられた金属バンプと、前記半導体素子と前記配線基板との間の隙間に充填された樹脂とを備え、前記第1の接続ランドと前記金属バンプとの間は、凹版転写によって形成された第1の凹版転写導体で接続されたものである。これにより所期の目的を達成できる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、基材上に配線された配線パターンと、この配線パターン上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜に設けられた第1の絶縁膜不形成部と、この第1の絶縁膜不形成部に設けられるとともに、前記配線パターンに接続された第1の接続ランドとを含んだ配線基板と、この配線基板に装着される半導体素子と、この半導体素子に接続されるとともに前記第1の接続ランドと対応する位置に設けられた金属バンプと、前記半導体素子と前記配線基板との間の隙間に充填された樹脂とを備え、前記第1の接続ランドと前記金属バンプとの間は、凹版転写によって形成された第1の凹版転写導体で接続された半導体実装モジュールである。
【0013】
これにより第1の接続ランドと金属バンプとの間には、凹版転写導体が挿入されることとなるので、基板と半導体素子との間の隙間を大きくできる。従って、樹脂を隙間へ流入しやすくできるので、樹脂中にボイドが発生し難くなる。また、第1の凹版転写導体は凹版転写によって形成されるので、ダレが小さくなり、はんだバンプのような導体粒の発生を少なくできる。従って、信頼性の良好な半導体素子実装モジュールを実現できる。
【0014】
なお、第1の凹版転写導体は凹版転写によって形成されるので、メタルマスクを用いた場合のようなかすれなどが無く、はんだ量のばらつきを少なくできる。従って、はんだ量が安定するので、半導体素子実装モジュールの信頼性を安定させることができる。また、半導体素子以外の部品と配線基板との間を接続するための接続部材も同時に供給できるので、生産性が良好である。
【0015】
さらに、配線基板上には、凹部に充填された導体ペーストが転写されるので、導体ペーストが供給される量の精度が良く、導体ペーストの供給量を安定させることができる。これにより面積が小さな接続ランドへの導体ペーストの供給や、接続ランドの面積に比べて導体ペーストの高さの比が大きな導体ペーストの供給が可能となるので、金属バンプ間隔の小さな半導体素子の実装も可能となる。従って半導体実装モジュールの小型化が実現できるという効果も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態における導体ペースト供給方法を用いて製造されたモジュール21の断面図である。図1において、配線基板22はいわゆる樹脂基板である。本実施の形態における配線基板22は、ガラス織布にエポキシ樹脂が含浸された基材の両面に、配線パターン(図示せず)が形成されている。
【0017】
そして、この配線パターン上を覆うように絶縁膜23(図5に示す)が形成されており、この絶縁膜には半導体素子24のはんだバンプ25a、25bや、チップ部品26の電極と対応する位置に、絶縁膜不形成部27(図5に示す)が設けられている。
【0018】
そしてこの絶縁膜不形成部27には、はんだバンプ25a、25bと接続される接続ランド28や、チップ部品26の電極と接続される接続ランド29が設けられる。なお、これら接続ランド28、接続ランド29はともに配線基板22上で配線パターンに接続されている。
【0019】
ここで、はんだバンプ25aは半導体素子24の内側に配置し、一方はんだバンプ25bは半導体素子24の外周に配置する。そして、はんだバンプ25bははんだバンプ25aよりも大きな径としている。これは、樹脂製の配線基板22とシリコン製の半導体素子24との間の線膨張係数の差が大きいために、半導体素子24が配線基板22にはんだ付けされた場合に、半導体素子24の内側に比べて外周部側のはんだバンプの方が大きな熱ストレスを受けるためである。従って、この外周部のはんだバンプ25bの径を大きくすることで、熱ストレスに対してもクラックなどが発生し難くできることとなる。なお本実施の形態においては、はんだバンプ25bを半導体素子24の基板の対角線上に4箇所配置しているので、配線基板22へ安定して装着することができる。本実施の形態では四隅に4箇所としたが、これは半導体素子24を配線基板22へ装着時に安定すれば良いので、3箇所以上であれば良い。
【0020】
そして接続ランド28とはんだバンプ25aとの間は、凹版転写によって設けられた凹版転写導体30aによって接続され、接続ランド28とはんだバンプ25bとの間は、凹版転写によって設けられた凹版転写導体30bによって接続されている。このとき、バンプ25bの方がバンプ25aに比べて大きいので、バンプ25aと接続ランド28との間の凹版転写導体30aの方が、バンプ25bと接続ランド28との間の凹版転写導体30bよりも高さが必要となることとなる。また接続ランド29とチップ部品26の電極との間は、凹版転写導体31によって接続されており、この凹版転写導体31を形成するために必要なはんだの最適な高さや量は異なっている。このように凹版転写導体30a、凹版転写導体30bや凹版転写導体31は、それぞれに必要な高さや量などが異なっていても、凹版転写によって形成されるので、それぞれの箇所に適した形状やはんだ量を精度良く供給できることとなる。なお、本実施の形態における凹版転写導体30a、30b、凹版転写導体31は共に鉛フリーのはんだであり、錫・銀・銅系の合金によるはんだを用いている。
【0021】
そして、半導体素子24と配線基板22との接続強度や信頼性を維持するために、半導体素子24と配線基板22との間の隙間32には樹脂33が充填されている。
【0022】
次に、このようなモジュール21の製造方法について以下図面を用いて説明する。図2は、本実施の形態におけるモジュール21の製造フローチャートである。図2において図1と同じものは同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。図2の順序に従って、本実施の形態におけるモジュール21の製造方法を説明する。
【0023】
図3は、本実施の形態における導体ペースト充填工程におけるフィルムの断面図である。図2、図3において、まず凹版加工工程41では、接続ランド28や接続ランド29に対応する位置に、それぞれ凹部62a、62bと凹部61(図3に示す)が加工された樹脂製のフィルム63を製造する工程である。ここで、凹部62aははんだバンプ25aと対応する位置に形成され、一方、凹部62bははんだバンプ25bと対応する位置に形成されている。そして、凹部62aの深さは、凹部62bより深くしている。
【0024】
なおフィルム63は、樹脂フィルムにエキシマレーザなどによって直接凹部61、62a、62bを加工する方法や、金属製のマスタ金型を用いて樹脂成型する方法などを用いて形成される。従って加工されたフィルム63には、非常に寸法精度の高い凹部61、62a、62bが形成される。なお、本実施の形態におけるフィルム63にはポリイミドなどの耐熱性の高い材料を用いているので、熱などによる変形が小さく、寸法精度の良好な凹部61、凹部62a、62bを実現できる。
【0025】
そして導体ペースト充填工程42では、凹版加工工程41で加工された凹部61、62a、62bへはんだペースト43(導体ペーストの一例として用いた)を充填する工程である。この工程では、フィルム63の凹部61、62a、62bが加工された面にはんだペースト43を供給し、スキージ64をフィルム63の一方端から他方端(図示矢印方向)へと移動させることで、はんだペースト43が凹部61、凹部62a、62bへ充填される。ここではんだペースト43には有機溶剤が含まれ、粘性を有した柔らかい状態にしている。これは、はんだペースト43が、スキージ64によって掻かれた場合にフィルム63上をローリングし易くするためである。
【0026】
そして乾燥工程44では、導体ペースト充填工程42において凹部61、凹部62a、62bへ充填されたはんだペースト43に含まれる有機溶剤を約1/2程度まで蒸発させる。ここで、はんだペースト43中の溶剤を完全に蒸発させずに、適度に有機溶剤を含んだ状態としておく。なお本実施の形態では、有機溶剤の含有比率が高い汎用のはんだペースト43を用いたために、この乾燥工程44を設けたが、これは予め有機溶剤の含有量を抑えたようなはんだペーストなどを用いればこの工程を省略することも可能である。
【0027】
乾燥工程44において有機溶剤が蒸発すると、凹部61、凹部62a、62bへ充填されたはんだペースト43の体積は減少する。そこで、その減少分を補うために導体ペースト充填工程42と乾燥工程44とが2回から3回程度行われる。なお本実施の形態においては、最後の導体ペースト充填工程45の後には乾燥工程44は行わずに、貼付け工程46へと移行する。このようにして、有機溶剤を適度に残した状態で、はんだペースト43の凹部61、凹部62a、62bへの充填が完了する。なお本実施の形態では、ペースト充填工程42と乾燥工程44とを繰り返したが、これは予め有機溶剤の含有量を抑えたようなはんだペーストなどを用いればこの繰り返し回数を減らすこともできる。
【0028】
図4は本実施の形態における貼付け工程における基板の断面図であり、図5は同、貼付け工程における基板の要部拡大図である。図4、図5において、図1から3と同じものは同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。図2と図4、図5において、貼付け工程46では、フィルム63が配線基板22に貼り付けられる。このとき、凹部61と接続ランド29との位置と、凹部62a、62bと接続ランド28との位置とがそれぞれ対応するように貼り合わされる。
【0029】
ここで、接続ランド28や接続ランド29の中央部は絶縁膜不形成部27であり、その接続ランド28や接続ランド29の外縁部は絶縁膜23で覆われるようにしてある。これは配線基板22での製造工程において、接続ランド28や接続ランド29と絶縁膜23とがズレて製造された場合でも、接続ランド28や接続ランド29の形状や大きさが変わらないようにするためである。従って接続ランド28、接続ランド29の大きさや形状が変化し難いので、半導体素子24やチップ部品26のはんだ付け強度が安定した接続ができる。なお、本実施の形態において絶縁膜23は、接続ランド28や接続ランド29の外周から約20μmだけを覆っている。
【0030】
このように接続ランド28や接続ランド29の外縁部は絶縁膜23によって覆われているので、貼付け工程46においてフィルム63は、絶縁膜23の上面に接触することとなるので、はんだペースト43と接続ランド28や接続ランド29との間には、絶縁膜23の厚み分だけの隙間が生じ、接触しないこととなる。なお本実施の形態における絶縁膜23の厚みが約25μmであるので、はんだペースト43と接続ランド28や接続ランド29との間の隙間も約25μmとなる。
【0031】
図6は本実施の形態における接触・転写工程における接触転写設備の断面図であり、図7は同、接触転写設備の要部拡大断面図である。図6、図7において、図1から図5と同じものには、同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。図2と図6、図7において、貼付け工程46で貼り合わされたフィルム63と配線基板22とは、2枚の硬質ゴム71の間に挟み込まれて、熱プレス72に収納される。接触・転写工程47では、フィルム63と配線基板22とは2枚の硬質ゴム71間に挟み込まれた状態で、熱プレス72によって加熱・圧縮(図中の矢印方向)される。
【0032】
ここで重要な点は、はんだペースト43を接続ランド28や接続ランド29へ転写するためには、はんだペースト43と接続ランド28や接続ランド29とが接触しなければならないことである。しかしながら、貼付け工程46で貼り付けられた状態では、はんだペースト43と接続ランド28、接続ランド29との間は隙間により接触していない。そこでこの接触・転写工程47で加熱や加圧を行い、はんだペースト43と接続ランド28や、はんだペースト43と接続ランド29とをしっかりと接触させるものである。なお発明者らの実験によれば、汎用のはんだペーストを用いた場合には、22.5kPaの加圧状態にて、170℃の温度で10分間加熱することではんだペースト43が配線基板22へ良好に転写することが確認できた。
【0033】
この実験において、はんだペースト43が良好に接続ランド28、接続ランド29へ良好に転写できた理由については検証できていないが、以下の理由によるものであると考えられる。
【0034】
まず一つ目は、フィルム63は熱可塑性樹脂であるので、熱を加えると柔らかくなり、その弾性力は減少する。本実施の形態では、ポリイミドを用いている。そして、加熱によって変形しやすくなったフィルム63は、硬質ゴム71間に挟み込まれた状態で加圧されるので、絶縁膜不形成部27に対応した隙間部分において選択的に変形を起こすと考えられる。なお、本実施の形態では絶縁膜不形成部27に対応した箇所のフィルム63が変形され易くするために、凹部61の開口部は接続ランド29における絶縁膜不形成部27よりも小さくし、また凹部62の開口部は接続ランド28における絶縁膜不形成部27よりも小さくしている。これによって、凹部61と絶縁膜不形成部27および、凹部62と絶縁膜不形成部27との間には間隔65(図5に示す)を有することとなり、フィルム63への応力は間隔65により分散され、間隔65部分で弾性変形することができる。従って、はんだペースト43を接続ランド28あるいは接続ランド29と接触し易くなる。また、フィルム63の塑性変形が小さくなり、フィルム63を再利用し易くなる。
【0035】
さらに本実施の形態の接触・転写工程47でのはんだペースト43は、有機溶剤が適量含まれた状態とし、加熱温度はこの有機溶剤が蒸発する温度以上としている。これによって有機溶剤は蒸発し、この有機溶剤の蒸発による体積の膨張によって、はんだペースト43の体積が増加する。その結果はんだペースト43は、凹部61や凹部62aあるいは62bの開口部より盛り上がると考えられる(図7においては下方に押し下げられる)。以上のような作用によって、はんだペースト43と接続ランド28、接続ランド29とが接触する。
【0036】
以上のように加熱によって、はんだペースト43を流動し易く、またフィルム63を変形し易くするとともに、はんだペースト43の体積を膨張させる、また加圧によって、フィルム63の接続ランド28、接続ランド29の対応部分を変形させることによって、先に記載した条件において、はんだペースト43は、接続ランド28や接続ランド29へと転写できたものと考えられる。
【0037】
本実施の形態では、エキシマレーザ加工によって1枚毎にフィルム63を製造するので、フィルム63の加工コストが高い。従って、このフィルム63は再利用される。そのためにフィルム63の厚みを厚くすることで、変形が弾性限界内となるようにし、残留変形を小さくして繰り返し使用できるようにしている。なお本実施の形態におけるフィルム63は、約125μmの厚みである。
【0038】
ところが、フィルム63を金型による樹脂成型などで製造すれば、フィルム63の製造コストを下げることができる。このような場合には、フィルム63を使い捨てることにもなるので、環境への配慮もあり、フィルム63の厚みを薄くする。そしてそのように薄く、安いフィルムを用いれば、加熱温度をさらに低温にするとか、あるいは加圧条件をもっと低い圧力にしても転写が可能となる。つまり、常温にて柔らかく、弾性力が小さな樹脂や、厚みの薄いフィルムを用いれば、1回の利用で変形し易くなるので再利用は困難となるが、はんだペースト43を接続ランド28、接続ランド29へ容易に接触させることができることとなる。また、はんだペースト43に含まれる有機溶剤の含有比率が大きければ、蒸発に伴うはんだペースト43の膨張が大きくなり、転写されやすくなるものと考えられる。
【0039】
この接触・転写工程47で常温にまで冷却された後に、配線基板22はフィルム63が貼り付けられた状態のままで熱プレス72から取り出される。そして取り出された配線基板22は、剥離工程48で配線基板22からフィルム63が剥がされる。このときはんだペースト43に含まれたロジン(松脂)によって、はんだペースト43は接続ランド28や接続ランド29と接着された状態となっている。これによって、はんだペースト43は配線基板22側に残留し、配線基板22へ転写されることとなる。そしてそのために接触・転写工程47における加熱温度は、ロジンが粘着性を有する温度とすることも重要である。
【0040】
なおこのとき、はんだペースト43が凹部61や凹部62a、62bに残留し難くしなければならない。そこで、本実施の形態では予めフィルム63の凹部61、凹部62a、62bにフッ素系の潤滑剤を塗布している。また、この剥離工程48において、はんだペースト43を凹部61や凹部62a、62bに残留し難くするためにも、接触・転写工程47において有機溶剤が適量含んだ状態としておくことと、フィルム63が上となる方向にて加熱されることも重要であると考えている。つまり、有機溶剤が蒸発することで、はんだペースト43と凹部61、凹部62a、62bとの間に蒸発した溶剤が入り込み、はんだペースト43は凹部61、凹部62a、62bから剥がれ易くなるものと考えられる。
【0041】
図8は剥離工程でフィルムの剥離が完了した状態の基板の断面図である。図8に示すように、以上のような工程によって凹部61、凹部62a、62bに充填されたはんだペースト43が配線基板22へ転写される。このとき、配線基板22に転写が完了した凹版転写導体ペースト81、凹版転写導体ペースト82a、82bの有機溶剤の成分は蒸発しているので、転写後のダレは小さくなる。これにより配線基板22上には、凹部61の形状を忠実に再現した凹版転写導体ペースト81と、凹部62a、62bの形状をそれぞれ忠実に再現した凹版転写導体ペースト82a、82bとが形成される(このように凹部が形成されたフィルムを用いて導体ペーストを基板へ転写する方法を凹版転写と言う)。そしてこのように凹版転写を行えば、ダレが抑制されることによって、はんだペースト43のはんだ粉が、接続ランド28や接続ランド29の外側へ流れ出し難くなるので、不要な箇所にはんだ粒を発生し難くなる。特に本実施の形態では、接触・転写工程47において有機溶剤を蒸発させるので、さらにダレを小さくできる。これにより、接続ランド28間にはんだ粒が残留し難くなり、はんだ粒による接続ランド同士の短絡などは発生し難くなる。従って、信頼性の高い半導体実装モジュール21を実現できる。また、隣接する接続ランド同士の間隔を小さくでき、はんだバンプ25間の間隔を小さくすることができ、半導体実装モジュール21の小型化も可能となる。
【0042】
図9は実装工程における基板の断面図である。図2、図9において、実装工程49では、剥離工程48でフィルム63が剥がされた後で、凹版転写導体ペースト81上にチップ部品26(電子部品の一例として用いた)を実装し、凹版転写導体ペースト82a、82b上に半導体素子24を実装する。なお本実施の形態におけるチップ部品26の底面の両端部と、側面電極26aとに連続して電極が形成されているものである。
【0043】
なお本実施の形態における凹部61はチップ部品26の底面に対応する位置に設けられた装着面81aと、チップ部品26の側面に対向するように装着面81aから上方に突出して形成された突起部81bとを有した形状である。そして凹版転写導体ペースト81にはこの形状が忠実に再現されることとなる。つまりチップ部品26が装着されて、チップ部品26と接触する装着面81aと、この装着面81aの外側に設けられ、装着面81aから上方へ突出した突起部81bとが形成されることとなる。ここで、装着面はチップ部品26が装着されたときのバウンディングなどによる装着ズレを防止するために設けられる。
【0044】
突起部81bは、装着面81aより突出して形成される。従って、突起部81bの側面81cが、チップ部品26の側面電極26aに対向して配置されることとなる。
【0045】
ここで、側面81cには、上方へ向かって側面電極26aとの間の間隔が大きくなる方向の傾斜を設けている。これにより、チップ部品26がずれて実装されても、突起部を押しつぶし難くなる。本実施の形態では、側面81cの先端とチップ部品26の側面電極26aとの間の間隔は、実装工程49におけるチップ部品26の装着ズレ量よりも大きくしている。なお本実施の形態では、側面81cに傾斜を設けたが、これは電極とほぼ平行となるようにしても良い。ただしこの場合には側面81cと側面電極26aとの間の間隔は、実装ズレ以上の間隔としておくことが望ましい。
【0046】
一方凹部62a、62bははんだバンプ25に対応する位置に設けられ、その天面には球面状の凸部が形成されている。なお、この凸部は、はんだバンプ25aやはんだバンプ25bそれぞれの径に対応した形状としている。このようにすることによって、凹版転写導体ペースト82a、82bの天面には、凹部62a、62bの凸部形状に対応した窪みが再現されることとなる。つまり凹版転写導体ペースト82a、82bの天面には、外周端から中心に向かって窪む方向の凹部が形成されることとなる。従って、半導体素子24の装着位置がずれても凹部によって中心方向へと移動させられるので、実装が容易になる。
【0047】
なお、本実施の形態では凹部62aと凹部62bの深さの差は、はんだバンプ25aとはんだバンプ25bの高さの差と同じにしてある。これによって、半導体素子24を配線基板22へ実装した場合に、はんだバンプ25aとはんだバンプ25b全てが、凹版転写導体ペースト82a、凹版転写導体ペースト82bそれぞれにしっかりと接触するので、接続ランド28とはんだバンプ25aや接続ランド28とはんだバンプ25bとの間をしっかりとはんだ付けできることとなる。
【0048】
図10は、リフロー工程完了後のモジュールの断面図である。リフロー工程50(接続工程の一例として用いた)では、実装工程49で実装された半導体素子24やチップ部品26をはんだ付けする。このようにして半導体素子24やチップ部品26が装着された配線基板22をリフロー炉によって加熱して凹版転写導体ペースト81、凹版転写導体ペースト82a、82bを溶かす。これによって、はんだバンプ25a、25bと接続ランド28との間はそれぞれ凹版転写導体30a、30bによって接続され、一方チップ部品26と接続ランド29との間は凹版転写導体31で接続されることとなる。
【0049】
以上のように、半導体素子24のはんだバンプ25aと配線基板22との間や、半導体素子24のはんだバンプ25bと配線基板22との間、あるいはチップ部品26と配線基板22との間のそれぞれの高さに応じた凹版転写導体30a、30b、31を形成することができる。従って半導体素子24やチップ部品26など、異なる大きさの隙間に対し、適した高さの凹版転写導体を形成させることができる。従ってたとえ配線基板22と部品との間の隙間の大きさが異なるような複数の電子部品を実装する場合においてもそれらの隙間に応じた高さの凹版転写導体を形成できるので、配線基板22と部品との間の隙間の大きさによらずはんだ付けが可能となる。
【0050】
また、チップ部品26の側面電極26aの近傍に突起部81bの側面81cが設けられるので、リフロー工程50において突起部81bが溶融すると、側面81cと側面電極26aとが接触し、はんだペースト43と側面電極26aとが確実にはんだ付けされる。これにより、フィレット34の高さ35が大きくできる。従って、側面電極26aとはんだとの接続面積を大きくできるので、チップ部品26の接続強度が大きくなる。そしてこのようにフィレット34が大きくできるので、フィレットへのクラックなどが発生しにくくなり、長期的な接続信頼性も高くできる。
【0051】
そしてこのことは、近年環境への配慮から、使用されるようになった鉛フリーのクリームはんだを用いた場合、特に有用である。つまり、一般的に、鉛フリーはんだは、鉛を含むはんだに比べてはんだ付け性が劣る。従って、特にチップ部品26と配線基板22との接続固定に鉛フリーはんだを用いる場合において、接続面積を大きくすることは非常に重要な課題となっている。そこで、本実施の形態に示したように突起部81bを設けることにより、鉛フリーはんだを用いてもフィレット34の高さ35を大きくできる。これにより、鉛フリーはんだに対してもチップ部品26を確実にはんだ付け接続でき、接続強度を大きくできる。
【0052】
なお本実施の形態では、鉛フリーはんだを用い、突起部81bの高さ81dは、チップ部品26の高さの2/3としている。このようにすれば、鉛フリーはんだにおいても、容易にチップ部品26の側面電極26aの上端にまでしっかりとはんだで接続することができる。そして、突起部81bの高さを、チップ部品26の高さの2/3としておくことで、最低でもチップ部品26の高さの2/3以上の高さのフィレット34を形成させることができる。
【0053】
また、本実施の形態においてはんだペースト43の融点は、はんだバンプ25a、25bの融点より低いものを用いている。これは、樹脂製の配線基板22に比べてシリコン製である半導体素子24の方が熱伝導しやすいことより、リフロー工程50においてはんだバンプ25a、25bの温度は、はんだペースト43の温度に比べて温度が上がり易くなる。
【0054】
そこで本実施の形態では、はんだペースト43の融点をはんだバンプ25a、25bの融点より低くすることで、ほぼ同時に溶融するようにしている。これにより、リフロー工程50において、はんだペースト43とはんだバンプ25とはしっかりとはんだ付けできる。さらに、リフロー工程50の温度を低く、あるいは時間を短くできるという効果もあり、配線基板22の反りも小さくできることとなる。ただし、配線基板22の線膨張係数が小さく、そりなどの問題がないような場合には、はんだペースト43とはんだバンプ25とを同じ合金のはんだを用いても構わない。
【0055】
なお本実施の形態において、はんだバンプ25bの融点は、他のはんだバンプ25aやはんだペースト43の融点より高くしている。そして、リフロー工程50の加熱温度は、はんだバンプ25aやはんだペースト43の融点以上で、かつはんだバンプ25bの融点より低くしている。これにより、リフロー工程50においてはんだバンプ25bは溶融しないので、凹版転写導体ペースト82a、82bや、はんだバンプ25aが溶融しても半導体素子24と配線基板22との間の隙間91を維持することができる。
【0056】
図11は、本実施の形態における樹脂充填工程51における基板の断面図である。図2、図11において、図1から図10までと同じものは同じ番号を用いて、その説明は簡略化している。樹脂充填工程51では、リフロー工程50の後で半導体素子24と配線基板22との隙間32へ樹脂33を流し込む。そして硬化工程52で加熱して樹脂33を硬化させている。そして以上のような製造方法を用いることにより、半導体素子24と配線基板22との間に凹版転写導体30と凹版転写導体31との高さの差の分だけ、半導体素子24と配線基板22との隙間91(図10に示す)は、チップ部品26と配線基板22との間隔92よりも大きくなる。従って樹脂充填工程51において樹脂33が隙間32に流れ込み易くなるので、樹脂33内に気泡が残ったりし難くなる。従って信頼性の良好なモジュール21を実現できる。
【0057】
なお、本実施の形態における導体ペースト充填工程42において、予め凹部61や凹部62a、62bの容積よりも多くのはんだペースト43を充填し、フィルム63の表面から盛り上がった状態としても良い。このようにすれば、貼付け工程46においてはんだペースト43を接続ランド28や接続ランド29へ接触させることも可能になり、さらに確実に転写させることができる。
【0058】
なお本実施の形態では、導体ペーストとして、はんだペースト43を用いたが、これは導電性接着剤などを用いても良い。ただしこの場合には、リフロー工程に代えて硬化工程(接続工程の他の例として用いた)が行われる。また突起部はチップ部品26と重なるような寸法としておくと良い。つまり接着剤は、はんだのように溶融しないので、予めチップ部品26と導電性接着剤とを接触させておくことが必要であるからである。このようにすれば、導電性接着剤がチップ部品26から離れた状態のままで硬化することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明にかかる半導体実装モジュールは、信頼性の高い半導体実装モジュールを実現できるという効果を有し、基板へ導体ペーストを用いて半導体素子をフリップチップ実装、接続されるモジュールとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態におけるモジュールの断面図
【図2】同、モジュールの製造フローチャート
【図3】同、導体ペースト充填工程におけるフィルムの断面図
【図4】同、貼付け工程における基板の断面図
【図5】同、基板の要部拡大図
【図6】同、接触・転写工程における接触転写設備の断面図
【図7】同、接触転写設備の要部拡大断面図
【図8】同、剥離工程でフィルムの剥離が完了した状態の基板の断面図
【図9】同、実装工程における基板の断面図
【図10】同、リフロー工程完了後のモジュールの断面図
【図11】同、樹脂充填工程における基板の断面図
【図12】従来の半導体実装モジュールの製造フローチャート
【図13】同、ペースト供給工程の説明図
【図14】同、実装工程における基板の断面図
【図15】同、樹脂充填後の半導体実装モジュールの断面図
【符号の説明】
【0061】
22 配線基板
23 絶縁膜
24 半導体素子
25a、25b はんだバンプ
27 絶縁膜不形成部
28 接続ランド
29 接続ランド
30a、30b 凹版転写導体
32 隙間
33 樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に配線された配線パターンと、この配線パターン上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜に設けられた第1の絶縁膜不形成部と、この第1の絶縁膜不形成部に設けられるとともに、前記配線パターンに接続された第1の接続ランドとを含んだ配線基板と、この配線基板に装着される半導体素子と、この半導体素子に接続されるとともに前記第1の接続ランドと対応する位置に設けられた金属バンプと、前記半導体素子と前記配線基板との間の隙間に充填された樹脂とを備え、前記第1の接続ランドと前記金属バンプとの間は、凹版転写によって形成された第1の凹版転写導体で接続された半導体実装モジュール。
【請求項2】
第1の凹版転写導体の融点は、金属バンプの融点より低くした請求項1に記載の半導体実装モジュール。
【請求項3】
配線基板は、絶縁膜に設けられた第2の絶縁膜不形成部と、この第2の絶縁膜不形成部に設けられるとともに、配線パターンに接続された第2の接続ランドとを有し、前記第2の接続ランドに装着されたチップ部品と前記第2の接続ランドとの間は第2の凹版転写導体で接続された請求項1に記載の半導体実装モジュール。
【請求項4】
第1の凹版転写導体の高さは、チップ部品の底面と第2の接続ランドとの間の距離より大きくした請求項1に記載の半導体実装モジュール。
【請求項5】
凹版転写導体ペーストの天面には、周縁部から中心に向かって窪みが形成された請求項1に記載の半導体実装モジュール。
【請求項6】
金属バンプには、半導体素子の外周近傍に配置された第1の金属バンプと、前記半導体素子の内部側に設けられた第2の金属バンプとを有し、前記第1の金属バンプの大きさは、前記第2の金属バンプの大きさより大きくした請求項1に記載の半導体実装モジュール。
【請求項7】
第2の金属バンプに対応する凹版転写導体ペーストの高さは、第1の金属バンプに対応する凹版転写導体ペーストの高さより高くした請求項6に記載の半導体実装モジュール。
【請求項8】
第2の金属バンプに対応する凹版転写導体ペーストの高さと、第1の金属バンプに対応する凹版転写導体ペーストの高さとの差は、第1と第2の金属バンプの高さの差と略等しくした請求項7に記載の半導体実装モジュール。
【請求項9】
基材上に配線された配線パターンと、この配線パターン上に形成された絶縁膜と、この絶縁膜に設けられた第1の絶縁膜不形成部と、この第1の絶縁膜不形成部に設けられるとともに、前記配線パターンに接続された第1の接続ランドとを含んだ配線基板へ金属バンプ付きの半導体素子をフリップチップ実装する半導体モジュールの製造方法において、前記第1の接続ランドに対応する位置に第1の凹部が形成された樹脂製のフィルムに対して、前記第1の凹部へ導体ペーストを充填する充填工程と、この充填工程の後で前記第1の接続ランドと前記第1の凹部とが対向するように前記フィルムを前記配線基板へ貼り付ける貼付け工程と、この貼付け工程の後で前記フィルムと前記配線基板とが貼り合わされた状態で加圧して前記導体ペーストを配線基板へ転写する転写工程と、この転写工程の後で前記配線基板から前記フィルムを剥離して、前記第1の接続ランド上に第1の凹版転写導体ペーストを形成させる剥離工程とからなる凹版転写工程と、この凹版転写工程の後で前記第1の凹版転写導体ペーストに半導体素子を装着する実装工程と、この実装工程の後で前記第1の凹版転写導体ペーストを溶融させて前記第1の接続ランドと前記金属バンプとの間とを第1の凹版転写導体で接続させる加熱工程と、前記半導体素子と前記配線基板との間に樹脂を充填する樹脂充填工程とを有した半導体実装モジュールの製造方法。
【請求項10】
凹部の底面には、周縁部から中央に向かって突出した突起が形成された請求項9に記載の半導体実装モジュールの製造方法。
【請求項11】
導体ペーストの融点は、金属バンプの融点より低くするとともに、加熱工程の温度は前記導体ペーストの融点と金属バンプの融点の間とした請求項9に記載の半導体実装モジュールの製造方法。
【請求項12】
金属バンプには、第1の金属バンプと、この第1の金属バンプよりも小さな径の第2の金属バンプとを有し、前記第1の金属バンプに対応して設けられる第1の凹版転写導体ペーストと、前記第2の金属バンプに対応して設けられる第2の凹版転写導体ペーストとは異なった高さとし、凹版転写工程では前記第1の凹版転写導体ペーストと前記第2の凹版転写導体ペーストとを一括に配線基板上へ形成する請求項9に記載の半導体実装モジュールの製造方法。
【請求項13】
絶縁膜に設けられた第2の絶縁膜不形成部と、この第2の絶縁膜不形成部に設けられるとともに、配線パターンに接続された第2の接続ランドと、この第2の接続ランド上に接着されるチップ部品と、このチップ部品と前記第2の接続ランドとの間を接続する第2の凹版転写導体とを有し、凹版転写工程では前記第2の凹版転写導体ペーストと第1の凹版転写導体ペーストとを一括に配線基板上へ形成する請求項9に記載の半導体実装モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−214332(P2007−214332A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32240(P2006−32240)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】